JP6252842B2 - 外殻シールドトンネルの施工方法 - Google Patents

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本発明は、外殻シールドトンネルの施工方法に関する。
従来、大断面トンネルを施工するに際し、予めその輪郭に沿って多数の小断面シールドトンネルを配列し、それら小断面トンネル同士を連結して外殻シールドトンネルの覆工体を施工した後、その外殻シールドトンネルの内側を掘削して大断面トンネルを完成させるという工法が提案されている。
例えば、特許文献1には、小断面の先行トンネルと後行トンネルとを交互に配列してそれらの覆工体の一部を重合させた状態で一体化させ、かつ双方の覆工体どうしを補強材により連結した構造のトンネル構造体を施工し、その内側を掘削して大断面トンネルを完成させるという工法が提案されている。
特許第4687986号公報
しかしながら、上述した従来の大断面トンネルの施工方法では、以下のような問題があった。
すなわち、外殻シールドトンネルの先行トンネルと後行トンネルとを連結する際には、隣接する双方のトンネル間の対象地盤を凍結工法や薬液注入工法等の補助工法により、地山の崩壊と異常出水を防止したうえで、双方のトンネル間に位置するセグメントを取り除いて切り開きを行っている。
ところが、対象地盤が固結粘土で部分的に砂層が介在している場合に凍結工法を用いると、固結粘土における凍結膨張圧が大きくなり、近接する既設構造物に影響を及ぼすという問題があった。
また、外殻シールドトンネルの施工箇所の地盤が高水圧となる場合には、薬液注入工法のみでは十分な止水ができず、異常出水が生じたり、それに起因する土砂崩壊の可能性があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、地盤条件にかかわらずトンネル同士の接続部分を簡単に且つ確実に止水することができ、凍結工法を適用できない地盤にも効果的に採用することできる外殻シールドトンネルの施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る外殻シールドトンネルの施工方法では、地中を掘削して地中空洞を有する大断面トンネルを構築するに際して、構築するべき前記地中空洞部の輪郭に沿って外殻シールドトンネルを先行トンネルと後行トンネルに区分して、交互に配列して施工し、該外殻シールドトンネルに沿う前記大断面トンネルの外殻覆工壁を施工し、該外殻覆工壁の内側を掘削して前記地中空洞部を構築する外殻シールドトンネルの施工方法であって、前記地中空洞部の輪郭に沿って間隔をあけて、シールド掘進機で切削可能な先行セグメントを配置することにより先行トンネルを施工する工程と、前記先行トンネル内をシールド掘進機で切削可能な充填材を充填する工程と、前記先行トンネル同士の間に互いの断面同士が重なるようにして前記先行セグメントの一部を切削しながら、後行セグメントを配置することにより後行トンネルを施工する工程と、前記先行セグメントと前記後行セグメントの背面に裏込め材を注入する工程と、を有し、前記先行セグメントには、前記後行セグメントとの接続端部を下方から支持する押さえ部材が設けられ、前記押さえ部材は、前記後行セグメントの外周面に固定されて前記先行セグメントの内周面を支持していることを特徴としている。
本発明では、先行トンネル同士の間に互いの断面同士が重なるようにして後行トンネルを施工するシールド掘進機で切削することで、後行セグメントを配置することができる。これにより、先行トンネルと後行トンネルとを連結することができ、地中空洞部の輪郭に沿う形状の先行トンネルと後行トンネルとから形成される外殻シールドトンネルを施工することができる。このとき、先行トンネル内には切削可能な充填材が充填されて先行セグメントの形状が内側から保持されているので、後行トンネル用のシールド掘進機の切削に伴って先行セグメントに負荷がかかることによる変形を防止することができる。
また、先行トンネル内に充填材を充填することにより変形が抑制されることから、先行セグメントと後行セグメントとの接続部分の隙間が形成されるのを防止することができる。そのため、外殻シールドトンネル内において地山が露出するのをなくことができ、地盤内の地下水が接続部分からトンネル内に流入するのを防ぐことができる。したがって、後行セグメントの先行セグメント内に位置する部分を取り除く切り開き作業を従来のような凍結工法を採用することなく簡単な方法により実施することができ、先行トンネルと後行トンネルの内部同士を連通させることができる。さらに、凍結工法が不要となるので、固結粘土等の地質で凍結工法を行う場合において凍結膨張圧が大きくなり、近接する既設構造物に影響を及ぼすといった不具合をなくすことができる。
また、本発明では、後行セグメント上に接続される先行セグメントの接続端部が押さえ部材によって下方より支持されているので、地盤から受ける荷重や水圧によって先行セグメントが後行セグメント上を滑って内空側へ押し出されるのを抑制することができる。そのため、先行セグメントと後行セグメントとの位置のずれを防止し、外殻シールドトンネルの内空断面を確保することができる。さらに、裏込め材の注入圧を高めることができるので、先行セグメントと後行セグメントとの間の接続部分に対して確実な注入を行うことが可能となる利点がある。
また、本発明に係る外殻シールドトンネルの施工方法では、前記先行セグメントと前記後行セグメントとの間の接続面に耐圧性を有する膨張袋体を配置し、該膨張袋体を膨張させる工程を有することが好ましい。
また、後行トンネルの施工直後において、先行セグメントと後行セグメントとの間の接続面に設けられる膨張袋体を膨張させることで、その接続部分が水密な状態となり、外殻シールドトンネルの背面に十分な裏込め注入を行うことができ、接続部分の隙間を閉塞することができる。そのため、外殻シールドトンネル内において地山が露出するのをなくことができ、地盤内の地下水が接続部分からトンネル内に流入するのを防ぐことができる。
このように、外殻シールドトンネル内を膨張袋体を使用することによって、地盤の地質条件にかかわらずにより確実に止水することが可能となる。
また、本発明に係る外殻シールドトンネルの施工方法では、前記先行セグメントと前記後行セグメントとの接続部分の背面側の地盤には、止水材が注入されていることが好ましい。
本発明では、先行セグメントと後行セグメントとの接続部分がエアバックの膨張により隙間なく水密な状態で連結しているので、その接続部分の背面の地盤に対して止水材を注入することができる。これにより、裏込め材に加えて止水材による止水効果を高めることができ、対象地盤が高圧水となる場合でも効果的な止水を行うことができる。
また、本発明に係る外殻シールドトンネルの施工方法では、前記後行セグメントは、前記先行セグメントよりも小径であることが好ましい。
この場合には、先行トンネルが後行トンネルよりも大径であるので、先後セグメントの後行トンネルのシールド掘進機による切削される割合が小さくなり、先行トンネルの切削による影響を抑えることができる。
また、本発明に係る外殻シールドトンネルの施工方法では、前記先行トンネル内で前記外殻覆工壁の一部を築造した後に、前記充填材を充填することが好ましい。
本発明では、先行トンネル内で後行トンネルのシールド掘進機で切削しない領域に予め外殻覆工壁の一部を築造しておくことができるため、先行セグメントと後行セグメントを連結させ、先行トンネル内の充填材を取り除いてから外殻覆工壁を築造する場合と比較して施工効率を高めることができる。
さらに、先行トンネル内に充填される充填材は、外殻覆工壁の一部の周りの隙間に充填されれば良いことから、充填材の使用量を低減することができる利点がある。
また、本発明に係る外殻シールドトンネルの施工方法では、前記先行セグメントのうち切削可能なセグメントは、前記後行トンネルを施工するシールド掘進機で切削される部分に配置されていることが好ましい。
この場合、シールド掘進機で切削可能な高価なセグメントの使用箇所が後行トンネルで切削される部分に限定されるので、部材コストの増大を抑えることができる。
本発明の外殻シールドトンネルの施工方法によれば、先行トンネルと後行トンネルの接続部分における地山の露出をなくすことができる。そのため、セグメントの切り開きを行う際に、地盤条件にかかわらずトンネル同士の接続部分を簡単に且つ確実に止水することができ、凍結工法を適用できない地盤にも効果的に採用することできる。
本発明の実施の形態による大断面トンネルの施工方法の概要を示す断面図である。 (a)〜(c)は、外殻シールドトンネルの施工工程を示す断面図である。 (a)〜(c)は、図2(c)に続く施工工程を示す断面図である。 先行トンネルと後行トンネルの接続部分の切り開き状態を示す斜視図である。 先行トンネルと後行トンネルの接続部分におけるエアバックの膨張状態を示す要部断面図である。
以下、本発明の実施の形態による外殻シールドトンネルの施工方法について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態に外殻シールドトンネル1は、シール掘進機により施工され、例えば大断面の道路トンネルなどの地中空洞部Kを形成する大断面トンネル1Aを施工するに際して、その大断面トンネル1Aの輪郭(外殻部)に沿って多数(図1では20本)設けられている。大断面トンネル1Aは、前記外殻シールドトンネル1を貫き長軸を水平方向に向けた略楕円形状をなす外殻覆工壁Rをなしている。この略楕円形の躯体構造Rは、例えば鉄筋コンクリート製であって、現場で施工してもよいし、プレキャストコンクリート製の例えば工場等で製造された合成セグメントを用いることができる。
外殻シールドトンネル1は、多数(図1では10本)の先行トンネル10と、先行トンネル10よりも小径の多数(図1では10本)の後行トンネル20とが前記外殻部に沿って交互に配置されている。先行トンネル10と後行トンネル20のそれぞれの中心O1、O2は、外殻部上に位置している。
外殻シールドトンネル1は、図2(a)〜(c)に示すように、先ず複数の先行トンネル10を、最終的に築造するべき大断面トンネル1Aの輪郭に沿って互いに間隔をあけて先行させて施工する。このとき、各先行トンネル10、10同士の間には、後工程で後行トンネル20を施工するための所定間隔を確保する。この所定間隔は、後行トンネル20の外径寸法よりも小さく、後行トンネル20の左右両側がそれぞれ先行トンネル10に重なる所定寸法に設定されている。そして、先行セグメント10の背面には、裏込め材6(図5参照)が注入されている。
次いで、図3(a)〜(c)に示すように、シールド工法によって先行トンネル10同士の間に互いの断面同士が重なるようにして後行トンネル20を施工し、先行トンネル10と後行トンネル20のそれぞれのセグメント10a、20a同士を一体に連結する。そして、最終的には全ての先行トンネル10と後行トンネル20とを大断面トンネル1A(図1参照)の周方向に交互に連結する。
ここで、先行する先行トンネル10の先行セグメント10aは、後行トンネル20を施工するシールド掘進機(図示省略)で切削が可能なセグメント(以下、切削用セグメント10aという)から形成されている。この切削可能なセグメントとして、例えば切削可能な炭素繊維コンクリートを使用した構造のものを使用することができる。なお、この切削可能なセグメントは、先行トンネル10の全周でもよいが、後行トンネル20によって切削される一部のセグメント10dのみ(図3(a)に示す二点鎖線部分)とすることが好ましい。
図2(b)に示すように、先行した先行トンネル10の内部には、上述した外殻覆工壁Rの一部(第1覆工壁R1)が築造される。続いて、図2(c)に示すように、先行トンネル10の内部には、流動化処理土などの後行トンネル20のシールド掘進機で切削可能な充填材3で充填する。このときの充填作業は、先行トンネル10の内側で行うものであり、後行トンネル20の掘進先端の切羽位置よりも少なくとも前方に充填材3が充填された状態となるように施工されている。
図3(a)に示すように、先行トンネル10、10同士の間に互いの断面同士が重なるようにして先行セグメント10aの一部(符号10dのセグメント)を切削しながら、後行セグメント20aを配置することにより後行トンネル20を施工する。
このとき、図4に示すように、先行セグメント10aと後行セグメント20aとの間の接続面に耐圧性を有する膨張袋体4を配置し、膨張袋体4内に例えばモルタル等の充填部材を圧力充填させることにより膨張させる。ここで、後行セグメント20aの外周面20bには、先行セグメント10aの周方向の破断端面10cが当接する箇所に前記膨張袋体4が装着されている。
膨張袋体4は、トンネル軸方向Xに沿って延在し、後行トンネル20のシールド掘進機20Aの後端側(切羽側と反対側)において周方向に沿って延在し、後行セグメント20aの外周面に形成された凹溝20c内に未充填状態で収容されている。このとき、未充填状態の膨張袋体4は、外周面20bより突出しない状態であり、図5に示すように、前記充填部材を充填した状態で外周面20bより外方に膨出する。そして、この膨出した状態で、膨張袋体4が先行セグメント10aの破断端面10cに水密に密着する。
図5に示すように、先行セグメント10aには、後行セグメント20aとの接続端部を下方から支持する押さえ金物5(押さえ部材)が設けられている。押さえ金物5は、所定の角度をもって折り曲げられた形状をなし、後行セグメント20aの外周面20bにボルトにより固定される第1支持板51と、先行セグメント10aの内周面10bに下方から当接する第2支持板52と、を有している。この押さえ金物5は、トンネル軸方向Xに間隔をあけて設けられていても良いし、トンネル軸方向X(図4参照)に沿って直線上に延在され間隔をあけてボルトにより固定されるものでもよい。後行トンネル20を施工するシールド掘進機で切削されて分断された先行セグメント10aは、破断端面10cが後行セグメント20a上(外周面20b)に載置された状態となっており、その外周面20bの曲面に沿って滑り落ちるのを防止することができる。
次に、図4及び図5に示すように、後行セグメント20の背面の地山側に裏込め材6を注入する。つまり、後行トンネル20の内側から、先行トンネル10に重なる部分を除いた部分の地盤にのみ裏込め材6が注入される。このとき、先行セグメント10aと後行セグメント20aとの接続部分Tには、膨張袋体4で密接されているので、地山側の裏込め材6のトンネル内への流入が抑制されている。
なお、裏込め材6の注入は、地盤の状態や先行セグメント10aの破断端面10cと後行セグメント20との密着状態によっては、後行セグメント20の組み立て後において膨張袋体4を膨出させる前に行っても良い。
また、裏込め材6の注入により十分な止水性が保たれると判断される場合には、前記膨張袋体4の設置を省略してもよい。或いは、設置されている膨張袋体4内に充填部材を充填せずに膨張させない方法とすることもできる。
また、本実施の形態では、図5に示すように、先行セグメント10と後行セグメント20との接続部分Tの外側の地盤に対して、後行トンネル20内から図示しない注入管を打ち込み、その注入管を通して止水材7を注入して地盤改良を行い、止水領域を形成し、これにより連結部Tでの止水性を確保する。この止水材7の注入は、必要に応じて適宜施工されればよく、省略することも可能である。
なお、止水材7を注入する場合には、本実施の形態のように膨張袋体4に充填部材を充填して膨張状態にしておくことが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、先行トンネル10内に位置する後行セグメント20aを解体撤去し、形成される開口部を通して先行トンネル10と後行トンネル20とが連通されることになる。すなわち、外殻部に沿って連通する外殻シールドトンネル1が形成されることになる。なお、この解体撤去される部分を予め、スチールセグメントを使用したり、解体を前提とした継ぎ手を採用することが好ましい。
次いで、図3(c)に示すように、切り開いた空間を利用して、予め先行トンネル10の内部に築造した外殻覆工壁Rの一部(第1覆工壁R1)同士を連続する外殻覆工壁(第2覆工壁R2)を施工する。この第2覆工壁R2は、鉄筋コンクリート造とすれば良く、その施工に際して配筋や型枠その他の必要な関連作業は相前後して適宜行えば良い。
以上の工程により、施工するべき大断面トンネル1Aの外殻覆工壁Rが先行して施工されたので、その外殻覆工壁Rの内側の地盤を掘削して地中空洞部Kを形成し、大断面トンネル1Aを完成させる。
次に、上述した外殻シールドトンネルの施工方法を実施することによる作用・効果について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態では、互いに間隔をあけて施工された先行トンネル10、10同士の間に互いの断面同士が重なるようにして後行トンネル20を施工するシールド掘進機20A(図4参照)で切削することで、後行セグメント20を配置することができる。これにより、先行トンネル10と後行トンネル20とを連結することができ、地中空洞部Kの輪郭に沿う形状の先行トンネル10と後行トンネル20とから形成される外殻シールドトンネル1を施工することができる。このとき、先行トンネル10内には切削可能な充填材3が充填されて先行セグメント10の形状が内側から保持されているので、後行トンネル20用のシールド掘進機20Aの切削に伴って先行セグメント10aに負荷がかかることによる変形を防止することができる。
また、先行トンネル10内に充填材3を充填することにより変形が抑制されることから、先行セグメント10と後行セグメント20との接続部分Tに隙間が形成されるのを防止することができる。そのため、外殻シールドトンネル1内において地山が露出するのをなくことができ、地盤内の地下水が接続部分Tからトンネル1内に流入するのを防ぐことができる。
さらに、後行トンネル20の施工直後において、図5に示すように、先行セグメント10aと後行セグメント20aとの間の接続面に設けられるエアバック4を膨張させることで、その接続部分Tが水密な状態となり、外殻シールドトンネル1の背面に十分な量の裏込め材6を注入することができ、接続部分Tの隙間を閉塞することができる。そのため、外殻シールドトンネル1内において地山が露出するのをなくことができ、地盤内の地下水が接続部分Tからトンネル1内に流入するのを防ぐことができる。
このように、外殻シールドトンネル1内をエアバック4を使用することによって、地盤の地質条件にかかわらずに確実に止水することが可能となる。そのため、後行セグメント20aの先行セグメント10a内に位置する部分を取り除く切り開き作業を従来のような凍結工法を採用することなく簡単な方法により実施することができ、先行トンネル10と後行トンネル20の内部同士を連通させることができる。さらに、凍結工法が不要となるので、固結粘土等の地質で凍結工法を行う場合において凍結膨張圧が大きくなり、近接する既設構造物に影響を及ぼすといった不具合をなくすことができる。
また、本実施の形態では、後行セグメント20a上に接続される先行セグメント10aの接続端部が押さえ金物5によって下方より支持されているので、地盤から受ける荷重や水圧によって先行セグメント10aが後行セグメント20a上を滑って内空側へ押し出されるのを抑制することができる。
そのため、先行セグメント10aと後行セグメント20aとの位置のずれを防止し、外殻シールドトンネル1の内空断面を確保することができる。さらに、裏込め材6の注入圧を高めることができるので、先行セグメント10aと後行セグメント20aとの間の接続部分に対して確実な注入を行うことが可能となる利点がある。
また、先行セグメント10aと後行セグメント20aとの接続部分がエアバック4の膨張により隙間なく水密な状態で連結しているので、その接続部分の背面の地盤に対して止水材7を注入することができる。これにより、裏込め材6に加えて止水材7による止水効果を高めることができ、対象地盤が高圧水となる場合でも効果的な止水を行うことができる。
また、本実施の形態では、先行トンネル10が後行トンネル20よりも大径であるので、先後セグメント10aの後行トンネル20のシールド掘進機20A(図4参照)による切削される割合が小さくなり、先行トンネル10の切削による影響を抑えることができる。
さらに、先行トンネル10内で後行トンネル20のシールド掘進機20Aで切削しない領域に予め外殻覆工壁Rの一部(第1覆工壁R1)を築造しておくことができるため、先行セグメント10aと後行セグメント20aを連結させ、先行トンネル10内の充填材3を取り除いてから外殻覆工壁Rを築造する場合と比較して施工効率を高めることができる。
さらに、先行トンネル10内に充填される充填材3は、第1覆工壁R1の周りの隙間に充填されれば良いことから、充填材3の使用量を低減することができる利点がある。
また、本実施の形態による施工方法では、先行セグメント10aのうち切削可能なセグメントが後行トンネル20を施工するシールド掘進機20Aで切削される部分に配置されているので、シールド掘進機20Aで切削可能な高価なセグメントの使用箇所が後行トンネル20で切削される部分に限定されることとなり、部材コストの増大を抑えることができる。
上述のように本実施の形態による外殻シールドトンネルの施工方法では、先行トンネル10と後行トンネル20の接続部分Tが膨張袋体4の膨張により水密な状態で連結されるので、その接続部分Tにおける地山の露出をなくすことができる。
そのため、セグメントの切り開きを行う際に、地盤条件にかかわらずトンネル10、20同士の接続部分Tを簡単に且つ確実に止水することができ、凍結工法を適用できない地盤にも効果的に採用することできる。
以上、本発明による外殻シールドトンネルの施工方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、先行トンネル10と後行トンネル20とをそれぞれ10本ずつとして全20本の外殻シールドトンネル1を施工するものとしているが、これらトンネルの本数や径寸法は、施工するべき大断面トンネル1Aの規模や断面形状に応じて適正に設定すれば良いし、先行トンネル10と後行トンネル20との径寸法も限定されるものではない。例えば、本実施の形態では先後トンネル10が後行トンネル20より大径としているが、これに限らず、同径の径寸法でも良い。また、先行して施工される先行トンネル10同士の間隔も後行トンネル20の径寸法に対応させて設定すればよい。
また、本実施の形態では、後行トンネル20の掘進前の先行トンネル10の内側に予め外殻覆工壁Rの一部(第1覆工壁R1)を配置し、その第1覆工壁R1の周囲に充填材3を充填しているが、このような施工方法に限定されることはない。例えば、先行トンネル10の内側に第1覆工壁R1を設けずに、その内側全域に充填材3を充填し、先行トンネル10に後行トンネル20を連結させセグメントの切り開きを行った後に、先行トンネル10内の充填材3を取り除いて、外殻シールドトンネル1内に外殻覆工壁R(第1覆工壁R1及び第2覆工壁R2)を築造する方法であっても良い。
さらに、本実施の形態では、膨張袋体4内に充填する充填部材として、モルタル等の固結材料を使用しているが、これに限定されることはなく、エアや水などの液体も充填部材として採用することができる。要は、先行セグメント10と後行セグメント20の接続面を膨張袋体4の膨張により隙間なく水密な状態とし、地盤に注入する裏込め材6や止水材7の流入や、高圧水な地盤における出水を防止できる構成となっていればよい。
また、出水がほとんど無いと判断される場合には、耐圧性を有する膨張袋体4を省略することも可能である。
また、本実施の形態では、押さえ金物5を使用して先行セグメント10を下方から支持する方法としているが、押さえ金物5の形状、大きさ、数量などは適宜変更可能であり、また押さえ金物5を省略することも可能である。
さらに、本実施の形態では、裏込め材6の注入の他に止水材7を注入する施工の一例を示しているが、地盤条件に応じて止水材7の注入を省略することも勿論可能であるし、注入範囲も適宜設定することができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 外殻シールドトンネル
1A 大断面トンネル
3 充填材
4 膨張袋体
5 押さえ金物(押さえ部材)
6 裏込め材
7 止水材
10 先行トンネル
10a 先行セグメント
20 後行トンネル
20A シールド掘進機
20a 後行セグメント
K 地中空洞部
R 外殻覆工壁
R1 第1覆工壁
R2 第2覆工壁
T 接続部分
X トンネル軸方向

Claims (6)

  1. 地中を掘削して地中空洞を有する大断面トンネルを構築するに際して、構築するべき前記地中空洞部の輪郭に沿って外殻シールドトンネルを先行トンネルと後行トンネルに区分して、交互に配列して施工し、該外殻シールドトンネルに沿う前記大断面トンネルの外殻覆工壁を施工し、該外殻覆工壁の内側を掘削して前記地中空洞部を構築する外殻シールドトンネルの施工方法であって、
    前記地中空洞部の輪郭に沿って間隔をあけて、シールド掘進機で切削可能な先行セグメントを配置することにより先行トンネルを施工する工程と、
    前記先行トンネル内をシールド掘進機で切削可能な充填材を充填する工程と、
    前記先行トンネル同士の間に互いの断面同士が重なるようにして前記先行セグメントの一部を切削しながら、後行セグメントを配置することにより後行トンネルを施工する工程と、
    前記先行セグメントと前記後行セグメントの背面に裏込め材を注入する工程と、
    を有し、
    前記先行セグメントには、前記後行セグメントとの接続端部を下方から支持する押さえ部材が設けられ、
    前記押さえ部材は、前記後行セグメントの外周面に固定されて前記先行セグメントの内周面を支持していることを特徴とする外殻シールドトンネルの施工方法。
  2. 前記先行セグメントと前記後行セグメントとの間の接続面に耐圧性を有する膨張袋体を配置し、該膨張袋体を膨張させる工程を有することを特徴とする請求項1に記載の外殻シールドトンネルの施工方法。
  3. 前記先行セグメントと前記後行セグメントとの接続部分の背面側の地盤には、止水材が注入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の外殻シールドトンネルの施工方法。
  4. 前記後行セグメントは、前記先行セグメントよりも小径であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の外殻シールドトンネルの施工方法。
  5. 前記先行トンネル内で前記外殻覆工壁の一部を築造した後に、前記充填材を充填することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の外殻シールドトンネルの施工方法。
  6. 前記先行セグメントのうち切削可能なセグメントは、前記後行トンネルを施工するシールド掘進機で切削される部分に配置されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の外殻シールドトンネルの施工方法。
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