JP6252324B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6252324B2
JP6252324B2 JP2014080674A JP2014080674A JP6252324B2 JP 6252324 B2 JP6252324 B2 JP 6252324B2 JP 2014080674 A JP2014080674 A JP 2014080674A JP 2014080674 A JP2014080674 A JP 2014080674A JP 6252324 B2 JP6252324 B2 JP 6252324B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ignition
energy
energy input
ratio
operating point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014080674A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015200271A (ja
Inventor
陽介 中川
陽介 中川
覚 中山
覚 中山
悠男 為井
悠男 為井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2014080674A priority Critical patent/JP6252324B2/ja
Publication of JP2015200271A publication Critical patent/JP2015200271A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6252324B2 publication Critical patent/JP6252324B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来、理論空燃比よりも燃料が希薄な状態で燃焼させるリーン運転を行う内燃機関が知られている。例えば特許文献1では、失火の発生を回避するため、点火プラグの点火放電時間に応じ、リーン運転と、理論空燃比で燃焼させるストイキ運転とを切り替えている。
特許第4938404号公報
特許文献1では、失火の発生を回避するため、リーン運転領域においてもストイキ運転とすることがあるため、燃費が悪化する虞がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、失火を抑制するとともに、燃費を改善可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関システムを制御する。内燃機関システムは、点火装置を備え、燃焼により生じた排気の一部をEGRガスとして燃焼室に供給可能である。
点火装置は、点火コイル、イグナイタ部、および、エネルギ投入部を有する。
点火コイルは、一次コイルおよび二次コイルを有する。一次コイルは、直流電源から供給される一次電流が流れる。二次コイルは、内燃機関の燃焼室において混合気に点火する点火プラグの電極に接続され、一次電流の通電および遮断によって発生する二次電圧が印加され二次電流が流れる。
イグナイタ部は、点火スイッチを有する。点火スイッチは、一次コイルの直流電源と反対側である接地側に接続され、一次電流の通電および遮断を切り替える。
エネルギ投入部は、点火スイッチにより一次電流を遮断し当該遮断による電圧で点火プラグにて放電が発生した後の所定のエネルギ投入期間において、エネルギを投入する。
内燃機関の制御装置は、異常判定手段と、点火方式決定手段と、G/F比決定手段と、を備える。
異常判定手段は、エネルギ投入部によるエネルギ投入が可能か否かを判定する。
点火方式決定手段は、異常判定手段による判定結果および内燃機関の動作点に基づき、点火方式を、通常点火、または、エネルギ投入点火とする。通常点火では、一次電流の遮断により生じるエネルギにより点火する。エネルギ投入点火では、一次電流の遮断によるエネルギに加え、エネルギ投入部からのエネルギ投入を行う。
G/F比決定手段は、異常判定手段による判定結果および動作点に基づき、燃焼室に供給される空気およびEGRガスを含む気体である吸入ガスと燃料との比であるG/F比を決定する。
異常判定手段により、エネルギ投入部によるエネルギ投入ができないと判定された場合、点火方式決定手段は、動作点によらず点火方式をエネルギ投入を実施しない通常点火とし、G/F決定手段は、動作点がエネルギ投入部によるエネルギ投入ができる場合にエネルギ投入点火を行うエネルギ投入点火領域であるとき、エネルギ投入ができる場合とは異なるG/F比とする。
点火装置は、エネルギ投入部を備え、一次電流の遮断により通電される二次電流により点火プラグにて放電を発生させた後に、エネルギ投入部により点火状態を継続可能なエネルギを投入するので、失火を抑制することができる。
また、エネルギ投入部の故障等によりエネルギ投入ができなくなった場合、内燃機関の動作点によらず、点火方式を通常点火としている。また、エネルギ投入点火領域において、エネルギ投入点火に替えて通常点火とした場合における最適値になるようにG/F比を変更している。これにより、例えばEGR還流をしない場合と比較し、エネルギ投入部によるエネルギ投入ができなくなった場合において、燃費が向上し、排気中のNOx等の増加を抑制することができる。
本発明の第1実施形態によるエンジンシステムの構成を示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態による点火装置の構成図である。 本発明の第1実施形態による点火装置の基本動作を説明するタイムチャートである。 本発明の第1実施形態によるエネルギ投入部が正常である場合の駆動モードの切り替えを説明する説明図である。 本発明の第1実施形態によるエネルギ投入部が故障した場合の駆動モードの切り替えを説明する説明図である。 本発明の第1実施形態によるエンジン制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態によるエネルギ投入部が正常である場合の駆動モードの切り替えを説明する説明図である。 本発明の第2実施形態によるエンジン制御処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明による内燃機関の制御装置を図面に基づいて説明する。以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
[エンジンシステムの構成]
まず、エンジンシステムの概略構成について図1を参照して説明する。図1に示すように、内燃機関システムとしてのエンジンシステム10は、火花点火式の内燃機関としてのエンジン13、および、点火装置30等を備える。
エンジン13は、例えば4気筒等の多気筒エンジンであり、図1では1気筒の断面を示す。以下に説明する構成は、図示しない他の気筒にも同様に設けられる。
エンジン13は、スロットル弁14を通じて吸気マニホールド15から供給される空気とインジェクタ16から噴射される燃料との混合気を燃焼室17内で燃焼させ、その燃焼時の爆発力によりピストン18を往復運動させる。ピストン18の往復運動は、クランクシャフト19により回転運動に変換されて出力される。燃焼により生じた燃焼ガスは、排気マニホールド70を経由して大気中に放出される。
すなわち本実施形態のエンジン13は、所謂「ポート噴射エンジン」であるが、燃料を燃焼室17に直接噴射する所謂「直噴エンジン」としてもよい。
排気マニホールド70には、排気中のCO、HC、NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒71が設けられる。触媒71の上流側には、排気中の酸素濃度を検出するフロントO2センサ72が設けられる。また、触媒71の下流側には、触媒71により浄化された排気中の酸素濃度を検出するリアO2センサ73が設けられる。
本実施形態では、排気の一部をEGRガスとして吸気側に導入する排気還流装置(以下、「EGR装置」という。)75が設けられる。EGR装置75は、EGR配管76、および、EGR弁77を有する。EGR配管76は、排気マニホールド70の触媒71の上流側と、吸気マニホールド15とを連通する。EGR弁77は、EGR配管76の途中に設けられ、EGR弁77の開度を調整することで、燃焼室17に導入するEGRガス量を調整する。
ここで、燃焼室17に供給される混合気についてまとめておく。スロットル弁14を経由して吸入される気体を「空気」、EGR配管76から供給される気体を「EGRガス」、吸気マニホールド15とEGR配管76との合流部における「空気」と「EGRガス」との混合気体を「吸入ガス」、「吸入ガス」にインジェクタ16から噴射された「燃料」が混合されたものを「混合気」とする。
また、「空気」と「燃料」との比を「A/F比」、「吸入ガス(すなわち、「空気」+「EGRガス」)」と「燃料」との比を「G/F(Gas/Fuel)比」とする。また、「混合気」中の「EGRガス」の割合を「EGR率」とする。
燃焼室17の入口であるシリンダヘッド21の吸気ポートには、吸気弁22が設けられる。また、燃焼室17の出口であるシリンダヘッド21の排気ポートには、排気弁23が設けられる。吸気弁22および排気弁23は、バルブ駆動機構24により開閉駆動される。なお、吸気弁22および排気弁23の少なくとも一方のバルブ駆動機構24にバルブタイミングを調整する可変バルブ機構を設けてもよい。
燃焼室17の混合気への点火は、点火装置30により行われる。具体的には、点火装置30により点火プラグ7の電極間での放電による火花を発生させ、発生した火花により燃焼室17の混合気に点火される。
点火プラグ7は、エンジン13の燃焼室17で所定のギャップを隔てて対向する一対の電極(図2参照)を有する。点火プラグ7の電極間に放電電圧が印加されると、電極間のギャップに放電が発生する。放電電圧とは、電極間の絶縁を破壊し、放電が発生しうる程度の高電圧をいう。
「内燃機関の制御装置」としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)32は、CPU、ROM、RAMおよび入出力ポート等からなるマイクロコンピュータにより構成され、クランク角センサ35、カム角センサ36、水温センサ37、スロットル開度センサ38、吸気圧センサ39、フロントO2センサ72、および、リアO2センサ73等の各種センサからの信号が入力される。ECU32は、これらの各種センサからの検出信号に基づき、スロットル弁14、インジェクタ16、EGR弁77、および、点火回路ユニット31等を制御することで、エンジン13の運転状態を制御する。
[点火装置の構成]
点火装置30は、点火回路ユニット31、および、点火コイル40を備える。
図2に示すように、点火コイル40は、一次コイル41、二次コイル42、および、整流素子43を有し、公知の昇圧トランスを構成している。
一次コイル41は、一端が直流電源としてのバッテリ6の正極に接続され、他端が点火スイッチ45を経由して接地される。以下、一次コイル41のバッテリ6と反対側を「接地側」或いは「低電圧側」という。
二次コイル42は、一次コイル41と磁気的に結合されており、一端が点火プラグ7の一対の電極を経由して接地され、他端が整流素子43および二次電流検出抵抗47を経由して接地される。
以下、一次コイル41に流れる電流を一次電流I1といい、二次コイル42に流れる電流を二次電流I2とする。また、図2中に矢印で示すように、一次電流I1は、一次コイル41から点火スイッチ45に向かう方向の電流を正とし、二次電流I2は、二次コイル42から点火プラグ7に向かう方向の電流を正とする。また、二次コイル42の点火プラグ7側の電圧を二次電圧V2という。
整流素子43は、ダイオードで構成され、二次電流I2を整流する。
点火コイル40は、一次コイル41を流れる電流の変化に応じた電磁誘導の相互誘導作用により二次コイル42に高電圧を発生させ、この高電圧を点火プラグ7に印加する。本実施形態では、1つの点火プラグ7に対し、1つの点火コイル40が設けられる。
点火回路ユニット31は、イグナイタ部44、二次電流検出抵抗47、エネルギ投入部50、二次電流検出回路61、および、異常判定部62を有する。
イグナイタ部44は、点火スイッチ45、および、整流素子46を有する。
点火スイッチ45は、例えばIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)で構成され、コレクタが一次コイル41の接地側に接続され、エミッタが接地され、ゲートがECU32に接続される。点火スイッチ45のエミッタは、整流素子46を経由して、コレクタに接続される。
点火スイッチ45は、ゲートに入力される点火信号IGTに応じてオンオフが切り替えられる。詳しくは、点火スイッチ45は、点火信号IGTの立ち上がり時にオンとなり、点火信号IGTの立ち下がり時にオフとなる。一次電流I1は、点火スイッチ45により点火信号IGTに従って導通および遮断が切り替えられる。
エネルギ投入部50は、DCDCコンバータ51、コンデンサ56、放電スイッチ57、放電用ドライバ回路58、および、整流素子59を有する。
DCDCコンバータ51は、エネルギ蓄積コイル52、充電スイッチ53、充電用ドライバ回路54、および、整流素子55から構成され、バッテリ6の電圧を昇圧してコンデンサ56に供給する。
エネルギ蓄積コイル52は、一端がバッテリ6に接続され、他端が充電スイッチ53を経由して接地される。
充電スイッチ53は、例えばMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)で構成されており、ドレインがエネルギ蓄積コイル52に接続され、ソースが接地され、ゲートが充電用ドライバ回路54に接続される。充電用ドライバ回路54は、充電スイッチ53のオンオフを切り替える充電スイッチ信号SWcを充電スイッチ53のゲートに出力する。
整流素子55は、ダイオードで構成され、コンデンサ56からエネルギ蓄積コイル52および充電スイッチ53側への電流の逆流を防止する。
コンデンサ56は、正極が整流素子55を経由してエネルギ蓄積コイル52と充電スイッチ53との接続点に接続され、負極が接地される。コンデンサ56は、DCDCコンバータ51から供給された電荷を蓄える。
充電スイッチ53のオンオフは、後述するエネルギ投入期間信号IGWがオフとなっている間に行われる。充電スイッチ53がオンしたとき、エネルギ蓄積コイル52に誘起電流が流れ、電気エネルギが蓄積される。また、充電スイッチ53がオフしたとき、エネルギ蓄積コイル52に蓄積された電気エネルギがバッテリ6の直流電圧に重畳してコンデンサ56側に放出される。これにより、コンデンサ56の電圧は比較的高い電圧(例えば、100[V]から数百[V])に昇圧され充電される。
放電スイッチ57は、例えばMOSFETで構成され、ドレインがコンデンサ56の正極側に接続され、ソースが一次コイル41と点火スイッチ45との間に接続され、ゲートが放電用ドライバ回路58に接続される。放電用ドライバ回路58は、放電スイッチ57のオンオフを切り替える放電スイッチ信号SWdを放電スイッチ57のゲートに出力する。
整流素子59は、ダイオードで構成され、点火コイル40からコンデンサ56への電流の逆流を防止している。
なお、図2では1気筒に対応する構成を記載しているが、実際には放電スイッチ57より下流側の構成は気筒数分が並列して設けられ、放電スイッチ57の下流側に気筒毎に設けられる気筒分配スイッチのオンオフに応じ、コンデンサ56に蓄えられたエネルギが各経路に分配される。
二次電流検出回路61は、二次電流検出抵抗47の両端電圧に基づき、二次電流I2を検出する。また、二次電流検出回路61は、二次電流I2を目標二次電流I2*に一致させようとするフィードバック制御により、放電スイッチ57のオンデューティ比を求め、放電用ドライバ回路58に指令信号を出力する。ここで、オンデューティ比は、目標二次電流I2*を下回るとオンされI2*を上回るとオフされる結果により決定される。
異常判定部62は、検出された二次電流I2等に基づき、エネルギ投入部50の異常を判定し、判定結果をECU32に出力する。以下適宜、なんらかの異常により、エネルギ投入部50によるエネルギ投入ができないことを「エネルギ投入部故障」といい、エネルギ投入部50によるエネルギ投入が可能であることを「エネルギ投入部正常」という。
ECU32は、クランク角センサ35等の各種センサから取得したエンジン13の運転情報に基づき、点火信号IGT、エネルギ投入期間信号IGW、および、目標二次電流信号IGAを生成し、点火回路ユニット31に出力する。
点火信号IGTは、点火スイッチ45のゲート、および、充電用ドライバ回路54に入力される。点火スイッチ45は、点火信号IGTがハイレベルである期間、オンとなる。充電用ドライバ回路54は、点火信号IGTが入力されている期間、充電スイッチ53のゲートに対し、充電スイッチ53をオンオフ制御する充電スイッチ信号SWcを繰り返し出力する。
エネルギ投入期間信号IGWは、放電用ドライバ回路58に入力される。放電用ドライバ回路58は、エネルギ投入期間信号IGWがハイレベルである期間、放電スイッチ57のゲートに対し、放電スイッチ57をオンオフ制御する放電スイッチ信号SWdを繰り返し出力する。本実施形態では、エネルギ投入期間信号IGWがハイレベルである期間が、「エネルギ投入期間」に対応する。
目標二次電流信号IGAは、目標二次電流I2*を指示するための信号であり、放電用ドライバ回路58に入力される。
[点火装置の作動]
点火装置30の作動について図3のタイムチャートを参照して説明する。図3のタイムチャートは、共通時間軸を横軸とし、縦軸に上から順に、点火信号IGT、エネルギ投入期間信号IGW、コンデンサ電圧Vdc、一次電流I1、二次電流I2、投入エネルギP、充電スイッチ信号SWc、放電スイッチ信号SWdを示している。
ここで、コンデンサ電圧Vdcは、コンデンサ56の電圧を意味する。また、投入エネルギPは、コンデンサ56から放出され、一次コイル41の接地側端子から点火コイル40に供給されるエネルギを意味し、1回のエネルギ投入期間におけるエネルギ供給開始からの積算値を示す。なお、エネルギ投入期間におけるエネルギ供給開始タイミングは、最初の放電スイッチ信号SWdが立ち上がる時間t3である。
一次電流I1および二次電流I2は、図2の矢印方向の電流を正の値とし、矢印と反対方向の電流を負の値とする。以下の説明において、負の電流の大小に言及する場合、電流の絶対値を基準として大小を表す。すなわち、負の電流については、電流値がゼロから離れ絶対値が大きくなるほど「電流が増加する(または上昇する)」といい、ゼロに近づき絶対値が小さくなるほど「電流が減少する(または低下する)」という。
また、エネルギ投入期間信号IGWが出力されている時間t3から時間t4までの期間における二次電流I2の制御目標値を「目標二次電流I2*」とする。目標二次電流I2*は、点火状態を良好に維持可能な程度の値に設定される。本実施形態では、波状の最大値と最小値との中間値を目標値とするが、波状の最大値または最小値を目標値としてもよい。
図3中の時間t1にて点火信号IGTがハイレベル(図3中では「H」で示す。)になると、点火スイッチ45がオンされ、一次電流I1が一次コイル41に通電され、時間の経過に伴って一次電流I1が増加する。これにより、点火信号IGTがハイレベルである時間t1から時間t2の間に、一次コイル41には電磁エネルギが蓄積される。
このとき、エネルギ投入期間信号IGWはローレベル(図3中では「L」で示す。)であり、放電スイッチ57はオフされている。
また、点火信号IGTがハイレベルである期間、矩形波パルス状の充電スイッチ信号SWcが充電スイッチ53のゲートに入力される。すると、充電スイッチ53のオン後のオフ期間に、コンデンサ電圧Vdcがステップ状に上昇し、コンデンサ56が充電される。なお、コンデンサ56の充電は、点火信号IGTの発信に同期して開始する必要は必ずしもなく、エネルギ投入期間信号IGWが立ち上がる前に十分な電気エネルギが蓄積されていればよい。また、コンデンサ電圧Vdc(すなわちコンデンサ56のエネルギ蓄積量)は、充電スイッチ信号SWcのオンデューティ比およびオンオフ回数により制御可能である。
時間t2において、点火信号IGTがローレベルとなり、点火スイッチ45がオフされると、一次コイル41に通電されていた一次電流I1が急激に遮断され、一次電流I1により形成されていた磁界が消失する。すると、一次コイル41に形成されていた磁界を打ち消すように、二次コイル42に磁界が誘導され、二次コイル42に大きな二次電圧V2が生じる。二次電圧V2が放電電圧に達すると、点火プラグ7の電極間に火花放電が生じ、二次コイル42に二次電流I2(放電電流)が流れる。これにより、燃焼室17の混合気に点火される。
時間t2において、火花放電を発生させた後にエネルギ投入を行わない場合、二次電流I2は、破線で示すように、時間経過とともにゼロに近づき、放電を維持できない程度まで減衰すると放電が終了する。本実施形態では、一次電流I1の遮断により生じるエネルギにより点火する方式を「通常点火」という。通常点火では、火花放電を発生させた後にエネルギ投入を行わない。
一方、時間t2後のタイミングである時間t3において、エネルギ投入期間信号IGWがハイレベルになると、放電スイッチ信号SWdがハイレベルとなり、放電スイッチ57がオンされる。充電スイッチ53がオフの状態にて放電スイッチ57がオンされると、コンデンサ56に蓄えられていたエネルギが放出され、一次コイル41の接地側に投入される。これにより、一次コイル41には、投入エネルギPに起因する一次電流I1が通電される。投入エネルギPにより一次コイル41の接地側から一次電流I1が通電されると、通常点火により通電される二次電流I2に対し、投入エネルギPによる一次電流I1の通電に伴う追加分が同じ極性で重畳される。
時間t3から時間t4までの期間は、放電スイッチ信号SWdに応じ、放電スイッチ57のオンオフが繰り返される。これにより、二次電流I2には、放電スイッチ57がオンされる毎に、投入エネルギPによる一次電流I1の通電に伴う追加分が重畳される。すなわち、放電スイッチ信号SWdがオンになる毎にコンデンサ56の蓄積エネルギにより一次電流I1が順次追加され、これに対応して二次電流I2が順次追加される。これにより、二次電流I2は、目標二次電流I2*を含む所定範囲内となるように制御される。ここで、エネルギ投入部50から供給される投入エネルギPによる一次電流I1についても、「直流電源から供給される一次電流」の概念に含まれるものとする。
時間t4において、エネルギ投入期間信号IGWがローレベルになると、放電スイッチ信号SWdがオフ信号となり、放電スイッチ57のオンオフ作動が停止し、一次電流I1および二次電流I2がゼロとなる。
本実施形態では、点火スイッチ45のオフによる放電後、一次コイル41の接地側(すなわち低電圧側)から点火コイル40にエネルギを投入することにより、一次コイル41のバッテリ6側または二次コイル42の点火プラグ7と反対側から点火コイル40にエネルギを投入する場合と比較し、最低限のエネルギを効率よく投入し、点火可能な状態を持続させることができる。
以下、一次コイル41の接地側からエネルギの投入を行う点火方式を「エネルギ投入点火」という。
ここで、ECU32によるエンジン13の運転条件の制御について説明する。エンジン13の運転条件の制御に用いる後述の各種マップは、適合等により設定され、ECU32に記憶されている。
ECU32では、エンジン13から出力すべき要求駆動パワーに応じ、エンジン13の動作点(回転数およびトルク)を決定する。また、ECU32では、エンジン13の動作点に応じ、A/F比、EGR率、および、点火方式を決定する。
エネルギ投入部正常時において、図4に示すマップを用い、エンジン13の動作点に応じ、A/F比、EGR率、および、点火方式を決定する。図4では、エンジン13の動作点が実線L11よりも小さい領域を第1領域R11、実線L11と実線L12との間の領域を第2領域R12、全負荷を規定する実線LFと実線L12との間の領域を第3領域R13とする。
エネルギ投入部正常時において、エンジン13の動作点が第1領域R11または第2領域R12である場合、点火方式をエネルギ投入点火とする。以下、点火方式をエネルギ投入点火とする第1領域R11および第2領域R12を、「エネルギ投入点火領域」とする。また、第3領域R13では、点火方式を通常点火とする。
エネルギ投入部正常時において、エンジン13の動作点が第1領域R11である場合、A/F比をリーン状態とし、第1マップに基づいてEGR率を決定する。また、エンジン13の動作点が第2領域R12である場合、A/F比をストイキ状態とし、第2マップに基づいてEGR率を決定する。第1マップおよび第2マップは、エンジン13の動作点と最適なEGR率とが関連づけられている。
エンジン13の動作点が第3領域R13である場合、A/F比をストイキ状態とする。また、EGR率は、点火方式を通常点火としたときにトルク制約上より可能な量とする。なお、全負荷時には、EGR率はゼロとなる。
例えばDCDCコンバータ51の異常等により、エネルギ投入部50によるエネルギ投入ができなくなるエネルギ投入部故障が生じた場合、エネルギ投入部50によるエネルギ投入ができないので、動作点が実線LFより小さい全領域において、点火方式は通常点火とする。
また、エネルギ投入部故障時において、図5に示すマップを用い、エンジン13の動作点に応じ、A/F比、および、EGR率を決定する。
ここで、全領域において、EGR率をゼロとすると、燃費が悪化する虞がある。
そこで本実施形態では、エネルギ投入部故障時において、エンジン13の動作点が破線LEより小さい故障第1領域RE1である場合、A/F比をストイキ状態とし、故障時マップに基づいてEGR率を決定する。ここで、エネルギ投入部故障時に、第1マップおよび第2マップとは異なる故障時マップに基づいてEGR率を決めることは、G/F比を変更している、と捉えることができる。
また、破線LEと実線LFとの間の故障第2領域RE2は、エネルギ投入部正常時における第3領域R13と同様、A/F比をストイキ状態とする。また、EGR率は、点火方式を通常点火としたときにトルク制約上より可能な量とする。
故障時マップは、点火方式が通常点火である場合におけるエンジン13の動作点と最適なEGR率とが関連づけられている。また、故障時マップにより決定されるEGR率は、同一の動作点において第2マップにより決定されるEGR率以下である。
本実施形態では、故障第1領域RE1および故障第2領域RE2を規定する破線LEは、図4中の実線L12と同じとするが、異なっていてもよい。
ここで、エンジン制御処理を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。エンジン制御処理は、ECU32起動中において所定の間隔にて実行される。なお、図6にて説明する各処理は、ソフトウェアにより構成してもよいし、ハードウェアにより構成してもよい。
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、異常判定部62から出力される判定結果に基づき、エネルギ投入部50によるエネルギ投入が可能か否かを判断する。エネルギ投入ができないと判断された場合(S101:NO)、S108へ移行する。エネルギ投入部50によるエネルギ投入が可能であると判断された場合(S101:YES)、S102へ移行する。
S102では、エンジン13の動作点がエネルギ投入点火領域であるか否かを判断する。エンジン13の動作点がエネルギ投入領域ではないと判断された場合(S102:NO)、すなわちエンジン13の動作点が図4中の実線L12より大きい第3領域R13である場合、S107へ移行する。エンジン13の動作点がエネルギ投入領域であると判断された場合(S102:YES)、すなわちエンジン13の動作点が実線L12より小さい場合、S103へ移行する。
S103では、点火制御方式をエネルギ投入点火とする。
S104では、エンジン13の動作点が第1領域R11か否かを判断する。エンジン13の動作点が第1領域R11であると判断された場合(S104:YES)、すなわちエンジン13の動作点が図4中の実線L11より小さい場合、S105へ移行する。エンジン13の動作点が第1領域R11ではないと判断された場合(S104:NO)、すなわちエンジン13の動作点が実線L11とL12との間の第2領域R12である場合、S106へ移行する。
エンジン13の動作点が第1領域R11であるときに移行するS105では、A/F比をリーン状態とする。また、EGR率を第1マップに基づいて決定する。
エンジン13の動作点が第2領域R12であるときに移行するS106では、A/F比をストイキ状態とする。また、EGR率を第2マップに基づいて決定する。
エンジン13の動作点がエネルギ投入領域ではないと判断された場合(S102:NO)に移行するS107では、点火制御方式を通常点火とし、S111へ移行する。
エネルギ投入部50によるエネルギ投入ができないと判断された場合(S101:NO)に移行するS108では、点火制御方式を通常点火とする。
S109では、エンジン13の動作点が故障第1領域RE1か否かを判断する。エンジン13の動作点が故障第1領域RE1か否かを判断する。エンジン13の動作点が故障第1領域RE1であると判断された場合(S109:YES)、すなわちエンジン13の動作点が図5中の破線LEより小さい場合、S110へ移行する。エンジン13の動作点が故障第1領域RE1ではないと判断された場合(S109:NO)、すなわちエンジン13の動作点が破線LEより大きい故障第2領域RE2である場合、S111へ移行する。
S110では、A/F比をストイキ状態とする。また、EGR率を故障時マップに基づいて決定する。
S107、または、S109にて否定判断された場合に移行するS111では、A/F比をストイキ状態とする。また、EGR率は、点火方式を通常点火としたときにトルク制約上より可能な量とする。
本実施形態では、エネルギ投入部故障時には、故障時マップに基づいてEGR率を決定しているので、例えばEGR率をゼロとする場合と比較し、燃費を向上可能であるとともに、排気中のNOx等を低減することができる。
以上詳述したように、本実施形態のECU32は、エンジンシステム10を制御する。エンジンシステム10は、点火装置30を備え、燃焼により生じた排気の一部をEGRガスとして燃焼室17に供給可能である。
点火装置30は、点火コイル40、イグナイタ部44、および、エネルギ投入部50を有する。
点火コイル40は、一次コイル41および二次コイル42を有する。一次コイル41は、バッテリ6から供給される一次電流I1が流れる。二次コイル42は、エンジン13の燃焼室17において混合気に点火する点火プラグ7の電極に接続され、一次電流I1の通電および遮断によって発生する二次電圧V2が印加され二次電流I2が流れる。
イグナイタ部44は、点火スイッチ45を有する。点火スイッチ45は、一次コイル41のバッテリ6と反対側である接地側に接続され、一次電流I1の通電および遮断を切り替える。
エネルギ投入部50は、点火スイッチ45により一次電流I1を遮断し当該遮断による電圧で点火プラグ7にて放電が発生した後のエネルギ投入期間において、エネルギを投入する。
ECU32は、以下の処理を実行する。
ECU32は、エネルギ投入部50によるエネルギ投入が可能か否かを判定し(図6中のS101)、異常判定結果およびエンジン13の動作点に基づき、点火方式を、通常点火(S107またはS108)、または、エネルギ投入点火とする(S103)。通常点火は、一次電流I1の遮断により生じるエネルギにより点火する。エネルギ投入点火は、一次電流I1の遮断により生じるエネルギに加え、エネルギ投入部50からのエネルギ投入を行う。詳細には、エネルギ投入部50は、エネルギ投入期間において、点火状態を継続可能なエネルギを同じ放電電流の極性のままで投入する。
ECU32は、異常判定結果およびエンジン13の動作点に基づき、燃焼室17に供給される空気およびEGR装置75により還流されるEGRガスを含む気体である吸気ガスと燃料との比であるG/F比を決定する(S105、S106、S110、S110)。
ECU32は、エネルギ投入部50によるエネルギ投入ができないと判定された場合(S101:NO)、エンジン13の動作点によらず、点火方式を通常点火とする。また、ECU32は、動作点がエネルギ投入部50によるエネルギ投入ができるときにエネルギ投入点火を行うエネルギ投入点火領域であるとき、エネルギ投入ができる場合とは異なるG/F比とする。
本実施形態では、点火装置30には、エネルギ投入部50が設けられており、エネルギ投入部50により、一次電流I1の遮断による電圧で点火プラグ7にて放電を発生させた後に、点火状態を継続可能なエネルギを投入するので、失火を抑制することができる。
また、エネルギ投入部50の故障等によりエネルギ投入ができなくなった場合、エンジン13の動作点によらず、点火方式を通常点火としている。また、エネルギ投入点火領域において、エネルギ投入点火に替えて通常点火とした場合における最適値となるように、G/F比を変更している。これにより、エネルギ投入部50によるエネルギ投入ができなくなった場合において、例えばEGR還流をしない場合と比較し、燃費が向上し、排気中のNOx等の増加を抑制することができる。
本実施形態では、エネルギ投入領域は、第1領域R11、および、エンジン13の回転数およびトルクの少なくとも一方が第1領域R11より大きい領域である第2領域R12から構成される。
ECU32は、エネルギ投入部50によるエネルギ投入が可能である場合(S101:YES)、動作点が第1領域R11であるとき、燃焼室17に供給される空気と燃料との比であるA/F比をリーン状態とし、吸入ガスにおけるEGRガスの割合であるEGR率を第1マップに基づいて決定する(S105)。また、動作点が第2領域R12であるとき、A/F比をストイキ状態とし、第1マップとは異なる第2マップに基づいてEGR率を決定する(S106)。
また、ECU32は、エネルギ投入部50によるエネルギ投入ができない場合、動作点がエネルギ投入点火領域であるとき、A/F比をストイキ状態とし、第1マップおよび第2マップとは異なる故障時マップに基づいてEGR率を決定する(S110)。
本実施形態では、エネルギ投入部正常時とエネルギ投入部故障時とで、異なるマップに基づいてEGR率を決定し、EGRガスの還流量を変更することでG/F比を変更している。これにより、エネルギ投入部故障時におけるG/F比を適切な値に制御することができる。
また、故障時マップにより決定されるEGR率は、同一の動作点において第2マップにより決定されるEGR率以下である。これにより、燃費がより向上し、NOx等の増加をより適切に抑制することができる。
エネルギ投入部50は、一次コイル41の接地側から点火コイル40にエネルギを投入する。これにより、一次コイル41のバッテリ6側または二次コイル42の点火プラグ7と反対側からエネルギを投入する場合と比較し、最低限のエネルギを効率よく投入することができる。
本実施形態では、ECU32が「異常判定手段」、「点火方式決定手段」、および、「G/F比決定手段」を構成する。また、図6中のS101が「異常判定手段」の機能としての処理に対応し、S103、S107およびS108が「点火方式決定手段」の機能としての処理に対応し、S105、S106、S110、S111が「G/F比決定手段」の機能としての処理に対応する。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による内燃機関の制御装置を図7および図8に基づいて説明する。本実施形態は、ECU32によるエンジン13の運転条件の制御が異なっているので、この点を中心に説明し、全体構成等は上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態では、エンジン13の低回転、低トルク領域においても、リーンバーン運転をせず、ストイキ運転とする。すなわち、図7に示すように、点火方式をエネルギ投入点火とする領域を1つのエネルギ投入点火領域R21とする。また、エンジン13の動作点がエネルギ投入点火領域R21である場合、A/F比をストイキ状態とし、正常時マップに基づいてEGR率を決定する。
動作点が通常点火領域R22である場合、上記実施形態の第3領域R13と同様、点火方式を通常点火とし、A/F比をストイキ状態する。また、EGR率は、点火方式を通常点火としたときにトルク制約上可能な量とする。
なお、エネルギ投入点火領域R21と通常点火領域R22とを規定する実線L21は、上記実施形態の実線L12と同じであってもよいし、異なってもよい。
また、エネルギ投入部故障時における処理は、上記実施形態と同様である。故障時マップにより決定されるEGR率は、同一動作点において正常時マップにより決定されるEGR率以下である。
本実施形態のエンジン制御処理を図8に示すフローチャートに基づいて説明する。本実施形態のエンジン制御処理は、図6中のS104〜S106が省略されており、これに替えてS112が追加されている。
エネルギ投入部50によるエネルギ投入が可能であり(S101:YES)、エンジン13の動作点がエネルギ投入点火領域R21であると判断された場合(S102:YES)、S103に続いてS112へ移行する。
S112では、A/F比をストイキ状態とし、EGR率を正常時マップに基づいて決定する。
本実施形態では、ECU32は、エネルギ投入部50によるエネルギ投入が可能である場合(図8中のS101:YES)、A/F比をストイキ状態とし、正常時マップに基づいてEGR率を決定する(S112)。また、ECU32は、エネルギ投入部50によるエネルギ投入ができない場合(S101:NO)、A/F比をストイキ状態とし、故障時マップに基づいてEGR率を決定する(S110)。
故障時マップにより決定されるEGR率は、同一の動作点において正常時マップにより決定されるEGR率以下である。
これにより、リーンバーンエンジン以外においても、本実施形態のエンジン制御処理を適用可能である。また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
本実施形態では、S110、S111、S112が「G/F決定手段」としての機能としての処理に対応する。
(他の実施形態)
(ア)EGR装置
上記実施形態では、EGR配管は、触媒の上流側と吸気マニホールドとを連通する。他の実施形態では、例えば触媒の下流側からEGRガスを吸気側に還流する等、EGR配管の取り回しは、どのように構成してもよい。
また上記実施形態では、EGR装置により、燃焼により生じた排気の一部をEGRガスとして吸気側に還流して燃焼室に供給する、所謂「外部EGR」である。他の実施形態では、EGR装置を省略し、排気弁の開閉駆動を制御することにより排気の一部を燃焼室に戻す、所謂「内部EGR」としてもよい。
(イ)エネルギ投入点火
上記実施形態では、エネルギ投入点火は、点火状態を継続可能なエネルギを一次コイルの接地側から投入する。他の実施形態では、エネルギ投入点火は、点火状態を継続可能なエネルギを投入可能であればどのようなものであってもよく、従来の多重放電方式や、例えば特開2012−167665号公報に開示された「DCO方式」としてもよい。例えば、DCO方式を採用する場合、2つの点火コイルのうちの主放電を開始する方を「点火コイル」とみなし、主放電後の点火動作を「エネルギ投入部」とみなしてコイル電源を制御して二次電流を制御したり点火継続時間を制御したりすればよい。
(ウ)二次電流フィードバック制御
上記実施形態では、二次電流検出抵抗および二次電流検出回路を有し、二次電流に基づくフィードバック制御を行う。他の実施形態では、二次電流に基づくフィードバック制御は必ずしも行わなくてもよい。
(エ)異常検出部
上記実施形態では、ECUは、異常検出部から出力される判定結果に基づき、エネルギ投入部によるエネルギ投入が可能か否かを判定する。他の実施形態では、ECUが二次電流検出回路から二次電流I2を取得し、ECU内部にて異常判定を行うように構成してもよい。
(オ)点火回路ユニット
点火回路ユニットは、電子制御ユニットを収容するハウジング内に収容してもよい。また、点火回路ユニットは、点火コイルを収容するハウジング内に収容してもよい。
点火スイッチおよびエネルギ投入部は、別々のハウジング内に収容してもよい。例えば、点火コイルを収容するハウジング内に点火スイッチが収容され、電子制御ユニットを収容するハウジング内にエネルギ投入部が収容されてもよい。
(カ)点火スイッチ、充電スイッチ、放電スイッチ
上記実施形態では、点火スイッチはIGBTにより構成される。他の実施形態では、点火スイッチは、IGBTに限らず、比較的耐圧の高い他のスイッチング素子により構成してもよい。
また、上記実施形態では、充電スイッチおよび放電スイッチは、MOSFETで構成される。他の実施形態では、充電スイッチおよび放電スイッチの少なくとも一方は、MOSFETに限らず、IGBT等の他のスイッチング素子により構成してもよい。
(キ)直流電源
上記実施形態では、直流電源はバッテリにより構成される。他の実施形態では、直流電源は、バッテリに限らず、例えば交流電源をスイッチングレギュレータ等により安定化した直流安定化電源等により構成してもよい。
また、直流電源が、例えばハイブリッド車両や電気自動車の主機バッテリ等、出力電圧が高い場合、DCDCコンバータを省略して出力電圧をそのまま用いたり、或いは、出力電圧を降圧して用いたりしてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
6・・・バッテリ(直流電源)
7・・・点火プラグ
10・・・エンジンシステム(内燃機関システム)
17・・・燃焼室
30・・・点火装置
32・・・ECU(内燃機関の制御装置)
40・・・点火コイル
44・・・イグナイタ部
50・・・エネルギ投入部

Claims (5)

  1. 直流電源(6)から供給される一次電流が流れる一次コイル(41)、および、内燃機関(13)の燃焼室(17)において混合気に点火する点火プラグ(7)の電極に接続され前記一次電流の通電および遮断によって発生する二次電圧が印加され二次電流が流れる二次コイル(42)を有する点火コイル(40)、
    前記一次コイルの前記直流電源と反対側である接地側に接続され前記一次電流の通電および遮断を切り替える点火スイッチ(45)を有するイグナイタ部(44)、
    および、前記点火スイッチにより前記一次電流を遮断し当該遮断による電圧で前記点火プラグにて放電が発生した後のエネルギ投入期間において、エネルギを投入するエネルギ投入部(50)、
    を有する点火装置(30)を備え、燃焼により生じた排気の一部をEGRガスとして前記燃焼室に供給可能な内燃機関システム(10)を制御する内燃機関の制御装置(32)であって、
    前記エネルギ投入部によるエネルギ投入が可能か否かを判定する異常判定手段(S101)と、
    前記異常判定手段による判定結果および前記内燃機関の回転数およびトルクである動作点に基づき、点火方式を、前記一次電流の遮断により生じるエネルギにより点火する通常点火、または、前記一次電流の遮断により生じるエネルギに加え前記エネルギ投入部からのエネルギ投入を行うエネルギ投入点火とする点火方式決定手段(S103、S107、S108)と、
    前記異常判定手段による判定結果、および、前記動作点に基づき、前記燃焼室に供給される空気および前記EGRガスを含む気体である吸入ガスと燃料との比であるG/F比を決定するG/F比決定手段(S105、S106、S110、S111、S112)と、
    を備え、
    前記異常判定手段により前記エネルギ投入部によるエネルギ投入ができないと判定された場合、
    前記点火方式決定手段は、前記動作点によらず、前記点火方式を前記通常点火とし、
    前記G/F比決定手段は、前記動作点が前記エネルギ投入部によるエネルギ投入ができる場合にエネルギ投入点火を行うエネルギ投入点火領域であるとき、エネルギ投入ができる場合とは異なる前記G/F比とすることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記エネルギ投入点火領域は、第1領域、並びに、前記回転数および前記トルクの少なくとも一方が前記第1領域より大きい領域である第2領域から構成され、
    前記G/F比決定手段(S105、S106、S110)は、
    前記エネルギ投入部によるエネルギ投入が可能である場合、
    前記動作点が前記第1領域であるとき、前記燃焼室に供給される空気と燃料との比であるA/F比をリーン状態とし、前記混合気における前記EGRガスの割合であるEGR率を第1マップに基づいて決定し、
    前記動作点が前記第2領域であるとき、前記A/F比をストイキ状態とし、前記第1マップとは異なる第2マップに基づいて前記EGR率を決定し、
    前記エネルギ投入部によるエネルギ投入ができない場合、
    前記動作点が前記エネルギ投入点火領域であるとき、前記A/F比をストイキ状態とし、前記第1マップおよび前記第2マップとは異なる故障時マップに基づいて前記EGR率を決定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記故障時マップにより決定される前記EGR率は、同一の前記動作点において前記第2マップにより決定される前記EGR率以下であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記G/F比決定手段(S112)は、前記エネルギ投入点火領域において、
    前記エネルギ投入部によるエネルギ投入が可能である場合、前記燃焼室に供給される吸気と燃料との比であるA/F比をストイキ状態とし、正常時マップに基づいて前記混合気における前記EGRガスの割合であるEGR率を決定し、
    前記エネルギ投入部によるエネルギ投入ができない場合、前記A/F比をストイキ状態とし、故障時マップに基づいて前記EGR率を決定し、
    前記故障時マップにより決定される前記EGR率は、同一の前記動作点において前記正常時マップにより決定される前記EGR率以下であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記エネルギ投入部は、前記一次コイルの接地側から前記点火コイルにエネルギを投入することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
JP2014080674A 2014-04-10 2014-04-10 内燃機関の制御装置 Active JP6252324B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014080674A JP6252324B2 (ja) 2014-04-10 2014-04-10 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014080674A JP6252324B2 (ja) 2014-04-10 2014-04-10 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015200271A JP2015200271A (ja) 2015-11-12
JP6252324B2 true JP6252324B2 (ja) 2017-12-27

Family

ID=54551756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014080674A Active JP6252324B2 (ja) 2014-04-10 2014-04-10 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6252324B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62189350A (ja) * 1986-02-14 1987-08-19 Mazda Motor Corp エンジンの制御装置
JP4938404B2 (ja) * 2006-10-04 2012-05-23 トヨタ自動車株式会社 エンジン制御装置
JP2009052435A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Denso Corp 内燃機関の点火制御装置
EP2479420A3 (en) * 2011-01-24 2016-06-29 Diamond Electric MFG. Co., Ltd. Internal combustion engine ignition system
JP2013133734A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
WO2015156371A1 (ja) * 2014-04-10 2015-10-15 株式会社デンソー 制御装置及び点火装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015200271A (ja) 2015-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6331613B2 (ja) 点火装置
WO2015156296A1 (ja) 点火装置
US9822753B2 (en) Ignition control device
JP2015200257A (ja) 内燃機関の制御装置
JPWO2014112197A1 (ja) 内燃機関の点火装置および点火方法
JP6081248B2 (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP6377941B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6337585B2 (ja) 点火装置
JP6392535B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6337586B2 (ja) 点火装置
JP6421435B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2015200255A (ja) 点火制御装置
JP6563699B2 (ja) 点火制御装置
JP6297899B2 (ja) 点火装置
JP6252324B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6384097B2 (ja) 点火装置
JP6426365B2 (ja) 内燃機関の点火制御装置
JP6269270B2 (ja) 点火装置
JP6394037B2 (ja) 点火制御システム
JP6531841B2 (ja) 点火装置
JP6392536B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6245047B2 (ja) 点火装置
JP6394038B2 (ja) 点火装置
JP2021131075A (ja) 火花点火式内燃機関
JP2015200262A (ja) 内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170308

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171026

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171113

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6252324

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250