JP6251900B2 - 永久磁石式回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は永久磁石式回転電機に関し、特に磁石埋込型電動機(IPM:Interior Permanent Magnet Motor)に適用して好適なものである。
永久磁石式回転電機としては、例えば特許文献1(特開2008−131813号公報)に示すようなものがある。
ここで、従来の永久磁石式回転電機の概要を図11及び図12を参照して説明する。図11はIPM型の永久磁石式回転電機の回転子を、回転軸心に対して直交する断面で示す断面図であり、図12は回転子に備えた通風ダクトを示す構成図である。
図11に示すように、永久磁石式回転電機の回転子10のシャフト11には回転子鉄心12が取り付けられている。回転子鉄心12は、多数枚の電磁鋼板13を積層するとともに、軸方向の一部に図12に示すような通風ダクト20を介在させて構成されている。この場合、電磁鋼板13と通風ダクト20の径方向寸法は同じになっている。
回転子鉄心12のうち、電磁鋼板13を積層した部分には、磁石挿入孔14及び冷却用アキシャルダクト15が軸方向に伸びた状態で形成されている。磁石挿入孔14には永久磁石16が挿入されている。
更に回転子鉄心12(電磁鋼板13を積層した部分、及び、通風ダクト20)には、軸方向に伸びる冷却用通風路17が形成されている。
図12に示すように、通風ダクト20は、ダクト板21に、放射状にダクトピース22を配置して構成されている。このため、冷却用アキシャルダクト15中を軸方向に進んだ冷却風はダクト板21に当たり、ダクトスペース23を通り固定子側に通り抜けることができるようになっている。
この通風ダクト20は、回転子10の軸方向に亘る複数箇所に配置されている。
上述した永久磁石式回転電機の回転子10の組立手順としては、次の2つの手順が考えられる。
(1) 電磁鋼板13を所定枚数積層する工程と、積層した電磁鋼板13の磁石挿入穴14に未着磁の永久磁石16を挿入する工程と、通風ダクト20を載置する工程を、順次繰り返していって、未着磁の永久磁石16が挿入された回転子鉄心12を形成する。その後、永久磁石16が備えられている回転子鉄心12を、シャフト11に取り付ける。更に、回転子鉄心12に挿入されている永久磁石16を磁化する。
(2) 電磁鋼板13を所定枚数積層する工程と、積層した電磁鋼板13の磁石挿入穴14に着磁済みの永久磁石16を挿入する工程と、通風ダクト20を載置する工程を、順次繰り返していって、着磁済みの永久磁石16が挿入された回転子鉄心12を形成する。その後、永久磁石16が備えられている回転子鉄心12を、シャフト11に取り付ける。
なお、上記の(1),(2)の組立手順において、永久磁石16は、その表面に接着剤が塗布された状態で、電磁鋼板13の磁石挿入穴14に挿入される。
特開2008−131813号公報
ところで、特に大型の磁石埋込型回転電機(IPM:Interior Permanent Magnet Motor)を作製する場合には、「永久磁石を挿入・配置していない回転子鉄心をシャフトに取り付け、その後、着磁済みの永久磁石を回転子鉄心に挿入・配置する」ようにする必要がある。
その理由は下記(A),(B)の通りである。
なお、永久磁石を挿入・配置していない回転子鉄心を、シャフトに取り付ける手法としては、「焼嵌め」による手法と、「焼嵌め」と「圧入」を組み合わせて行う手法と、「圧入」による手法などがある。
(A)理由1
未着磁の永久磁石を回転子鉄心に挿入した状態で、回転子鉄心をシャフトに取り付け、その後に着磁装置により永久磁石を着磁する場合、回転子が大型であるため、永久磁石を磁化することが、コスト上及び技術上の観点から多くの困難を伴うからである。
詳述すると、コスト上の観点では回転子が大型であると、大型の回転子が挿入可能な着磁装置や大容量の電源装置が必要となる。このような大型の着磁装置及び電源装置を着磁のために用意することは、大きな設置スペースが必要になることなどから、現実的には難しいからである。つまり、着磁装置について言えば、その周囲に磁界を発生するため、着磁装置の周囲には、他の金属製の機器等を配置することができない。このため、大型の着磁装置では、装置設置スペースとその周囲スペースを含めると、極めて広いスペースを要するため、このような大型の着磁装置を使用することは、現実的には難しいことになる。
また、磁極の数やモータ(ロータ直径)等の体格違いによって、各々の磁極数・ロータ直径に適合した着磁装置を全て用意しなければいけないため、莫大なコスト増大が招来する。
また、技術的上の観点では、今回のような多極機の場合、着磁する磁極の永久磁石(例えばN極となる永久磁石)と、その磁極と隣接する磁極の永久磁石(例えばS極となる永久磁石)との間隔が狭くなっている。
このため、着磁装置により各磁極の永久磁石を着磁しようとした際には、例えばN極に着磁する永久磁石と、隣接して着磁されるS極のとの境界部分で、十分な着磁力を磁石に与えられない可能性がある。また、着磁装置によりすべての未着磁の永久磁石を一度に着磁しようとした際には、隣接する永久磁石を逆極性で磁化するため、永久磁石のうち隣の永久磁石に近い部分では、隣の永久磁石による逆磁界が作用して、適切な磁化強度が得られなくなってしまうからである。
(B)理由2
着磁済みの永久磁石を回転子鉄心に挿入した状態で、回転子鉄心をシャフトに取り付ける際に、「焼嵌め」による手法、または、「焼嵌め」と「圧入」を組み合わせて行う手法を採用した場合には、焼嵌めの際の熱により、永久磁石が減磁してしまう。
しかし、上述した大型の磁石埋込型回転電機(IPM:Interior Permanent Magnet Motor)を作製する場合において、「永久磁石を挿入・配置していない回転子鉄心をシャフトに取り付け、その後、着磁済みの永久磁石を回転子鉄心に挿入・配置する」手法は、図11及び図12に示す永久磁石式回転電機では、採用することができない。
なぜならば、永久磁石16を挿入・配置していない回転子鉄心12をシャフトに取り付けた後に、着磁済みの永久磁石16を回転子鉄心に挿入しようとしても、回転子鉄心の途中に通風ダクト20があるため、永久磁石16が通風ダクト20に当たってしまい、その先の位置に永久磁石16を挿入することができないからである。
また、図12に示す通風ダクト20の径を小さくして、通風ダクト20の外周縁が磁石挿入孔14の位置よりも内周側に来るようにすれば、着磁済みの永久磁石16を挿入することは一見可能であるとも考えられる。しかし、このようにした場合には、通風ダクト20を配置した位置で、電磁鋼板13の外周部分がダクトスペース23側に折れ曲がることがあることが実験の結果判明した。
つまり、図13(a),(b)に概要を示すように、ダクトスペース23の位置で、電磁鋼板13のうち永久磁石16が挿入される位置よりも外周側部分が折れ曲がってしまう。
図13(a)は、一方の電磁鋼板13が曲がった状態を示しており、図13(b)は両方の電磁鋼板13が曲がって接触した状態を示している。また、Φは磁束を示している。
このように電磁鋼板13の外周部分(永久磁石16の挿入位置よりも外周側部分)で、電磁鋼板13が折れ曲がる要因としては、次の理由が考えられる。
(a)磁石挿入孔14を挿通させていった永久磁石16が、ダクトスペース23に入ってから、次の永久磁石挿入孔14に挿入していく際に、永久磁石16が微小な段差に引っかかることにより、ダクトスペース23に隣接する電磁鋼板13が折れ曲がる。
(b)着磁済みの永久磁石16がある磁石挿入孔14に挿入されたときに、隣の磁石挿入孔14に永久磁石16が挿入されていない状態では、永久磁石16の強力な磁力により、ダクトスペース23に隣接する、永久磁石16が挿入されていない側の電磁鋼板13が引っ張られることにより、引っ張られた電磁鋼板13が折れ曲がる。
このようにして、電磁鋼板13が折れ曲がると、次のような問題が発生する。
(i) 振動や騒音が大きくなる。
(ii) 電磁鋼板13が曲がってダクトスペース23を塞ぐと、固定子側に送る冷却風が通り難くなり、冷却効果が低減する。
(iii)磁束φが、曲がった電磁鋼板13に沿い導かれて通るため、この磁束φは固定子に対して垂直に進入せずに曲がった角度で進入する結果、モータ効率が低下する(図13参照)。
(iv)永久磁石16と電磁鋼板13との接着が不足する。また意図しない変形により、電磁鋼板13が割れる恐れがある。
本発明は、上記従来技術に鑑み、「永久磁石を挿入・配置していない回転子鉄心をシャフトに取り付け、その後、着磁済みの永久磁石を回転子鉄心に挿入・配置する」という製造手法を採用しても、回転子鉄心を構成する電磁鋼板の折れ曲がりを防止することができる、永久磁石式回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、
積層された電磁鋼板と、通風ダクトとが、軸方向に沿い交互に積層されて成る回転子鉄心と、
前記回転子鉄心に挿入・配置された永久磁石とにより回転子が形成されている永久磁石式回転電機において、
前記回転子鉄心には、前記永久磁石を挿入するための磁石挿入孔が、前記電磁鋼板及び前記通風ダクトを貫通する状態で形成されており、
前記通風ダクトは、ダクト板とこのダクト板に備えられたダクトピースにより形成されるとともに、前記ダクトピースは、前記磁石挿入孔の位置よりも内周側の位置に配置されるのみならず、前記磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置にも配置されており、
前記磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置に配置されている前記ダクトピースは、前記回転子鉄心の半径方向及び軸方向に直交する方向に伸びており、1磁極あたり少なくとも1本が配置されていることを特徴とする。
また本発明の構成は、
積層された電磁鋼板と、通風ダクトとが、軸方向に沿い交互に積層されて成る回転子鉄心と、
前記回転子鉄心に挿入・配置された永久磁石とにより回転子が形成されている永久磁石式回転電機において、
前記回転子鉄心には、前記永久磁石を挿入するための磁石挿入孔が、前記電磁鋼板及び前記通風ダクトを貫通する状態で形成されており、
前記通風ダクトは、ダクト板とこのダクト板に備えられたダクトピースにより形成されるとともに、前記ダクトピースは、前記磁石挿入孔の位置よりも内周側の位置に配置されるのみならず、前記磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置にも配置されており、
前記磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置に配置されている前記ダクトピースは、前記回転子鉄心の外周面に沿い湾曲して形成されていることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置に配置されている前記ダクトピースは、非磁性体で形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、回転子に備えた通風ダクトは、ダクト板とこのダクト板に備えられたダクトピースを有するとともに、ダクトピースは、磁石挿入孔の位置よりも内周側の位置に配置されるのみならず、磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置にも配置されている。このように、磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置にもダクトピースを配置しているため、永久磁石を回転子鉄心の磁石挿入孔に挿入していっても、電磁鋼板の外周部分がダクトスペース側に折れ曲がることを防止することができる。従って、以下の効果を奏する。
(i) ダクト板や積層鋼板の曲がりによる振動や騒音はない。
(ii)ダクトスペースを塞ぐことが無くなり、固定子側に送る冷却風の通風路は確実に確保でき、ダクトスペースによる冷却効果は確保される。
(iii)永久磁石の磁束が、固定子に対して垂直に進入し、モータ効率が向上する。
(iv) 永久磁石を、電磁鋼板に対して確実に接着できる。
また、「永久磁石を挿入・配置していない回転子鉄心をシャフトに取り付け、その後、着磁済みの永久磁石を回転子鉄心に挿入・配置する」という製造手法を採用しても、電磁鋼板の外周部分がダクトスペース側に折れ曲がることを防止することができる。
本発明の実施例に係る磁石埋込型電動機の回転子を示す側面図。 本実施例の回転子を示す正面図。 本実施例の通風ダクトを示す構成図。 本実施例の通風ダクトを示す構成図。 本実施例の回転子の要部を示す構成図。 本実施例の通風ダクトの変形例を示す構成図。 本実施例の通風ダクトの変形例を示す構成図。 本実施例の通風ダクトの変形例を示す構成図。 本実施例の通風ダクトの変形例を示す構成図。 本実施例の通風ダクトの変形例を示す構成図。 従来の永久磁石式回転電機の回転子を示す断面図。 従来の永久磁石式回転電機の通風ダクトを示す構成図。 従来技術の欠点を示す構成図。
以下、本発明に係る永久磁石式回転電機を、実施例に基づき詳細に説明する。
〔実施例1〕
図1は、本発明の実施例にかかる磁石埋込型電動機(IPM:Interior Permanent Magnet Motor)の回転子100を示す端面図(側面図)であり、図2は回転子鉄心110の部分のみを示す正面図である。なお、図1では、締め金及びマグネット押え部材は図示省略している。
図1に示すように、磁石埋込型電動機の回転子100のシャフト101には、スパイダ102が取り付けられ、このスパイダ102には回転子鉄心110が焼嵌め等により取り付けられている。
回転子鉄心110は、図2に示すように、積層された多数枚の電磁鋼板111と、積層された電磁鋼板111のうち軸方向に沿う複数箇所(この例では5箇所)に配置された通風ダクト120を有している。そして、通風ダクト120が介在されて積層された多数の電磁鋼板111の両端面に締め金112を取り付けて、全体が締め付けられている。
回転子鉄心110の製造手順は、次の通りである。
・まず、一方の締め金112を平面上にセットし、
・この締め金112の上に第1ブロックB1となる複数枚の電磁鋼板111を積層し、その上に1番目の通風ダクト120を置き、
・その上に第2ブロックB2となる複数枚の電磁鋼板111を積層し、その上に2番目の通風ダクト120を置き、
・その上に第3ブロックB3となる複数枚の電磁鋼板111を積層し、その上に3番目の通風ダクト120を置き、
・その上に第4ブロックB4となる複数枚の電磁鋼板111を積層し、その上に4番目の通風ダクト120を置き、
・その上に第5ブロックB5となる複数枚の電磁鋼板111を積層し、その上に5番目の通風ダクト120を置き、
・その上に第2ブロックB6となる複数枚の電磁鋼板111を積層し、その上に他方の締め金112を置き、
・全体をボルト等で締め付けて回転子鉄心110を形成する。
この回転子鉄心110には、電磁鋼板111及び通風ダクト120を貫通する状態で、磁石挿入孔115が形成されている。磁石挿入孔115は、周方向に亘る複数箇所において、軸方向に伸びて貫通している。つまり、磁石挿入孔115は、磁極を構成する部分に形成されている。
各磁石挿入孔115には、それぞれ永久磁石116が挿入されている。より詳述すると、この例では、1本の磁石挿入孔115に6本の永久磁石116が挿入されており、各永久磁石116の軸方向長さは、各ブロックB1〜B6の1ブロック分の軸方向長さと等しくなっている。そして、永久磁石116は、電磁鋼板111を積層してなる各ブロックB1〜B6に形成された磁石挿入孔115内に配置されており、通風ダクト120の部分には位置していない。
更に回転子鉄心110の外周面には、周方向に亘る複数箇所において、軸方向に伸びる冷却用通風路117が形成されている。
次に通風ダクト120について、図3及び図4(a),(b)を参照して説明する。図3は通風ダクト120のうちダクトピース122a,122bが配置されていない面を示しており、図4(a)は通風ダクト120のうちダクトピース122a,122bが配置されている面を拡大して示し、図4(b)は図4(a)の断面を示している。
通風ダクト120は、図3に示すように、全体としてはリング板状になっている。この通風ダクト120は、図4に示すように、ダクト板121の片面に、ダクトピース122a,122bを配置して形成されている。
ダクトピース122aは、磁石挿入孔115の位置よりも内周側の位置において、放射状に配置されている。
また、ダクトピース122bは、磁石挿入孔115の位置よりも外周側の位置に配置されている。このダクトピース122bは、回転子鉄心110の半径方向に直交する方向に直線的に伸びており、1磁極あたり1本が配置されている。
ダクトピース122aのように、磁石挿入孔115の位置よりも内周側の位置に放射状に配置されているものは従来でも存在する。しかし、ダクトピース122bのように、磁石挿入孔115の位置よりも外周側の位置に配置されているものは、従来では見当たらず、本発明の独特な構成の一つとなっている。
通風ダクト120のダクトピース122a,122bは、図5に示すように、隣接するブロックの電磁鋼板111に当接し、この隣接する電磁鋼板111とダクト板121との間のダクトスペース123を確保している。
よって、冷却風がダクトスペース123を通って固定子側に通り抜けることができるようになっている。
ここで、上記構成となっている回転子100の製造手順の概要を説明する。
まず、電磁鋼板111,通風ダクト120及び締め金122からなる回転子鉄心110を形成する。この回転子鉄心110には、まだ、永久磁石116は挿入されていない。
永久磁石116が挿入されていない回転子鉄心110を、焼嵌め等により、スパイダ102に取り付ける。つまり、回転子鉄心110を、スパイダ102を介してシャフト101に取り付ける。
最後に、着磁済みの永久磁石116の表面に接着材を塗布し、接着材が塗布された永久磁石116を一本づつ順次、磁石挿入孔115に挿入していって、各ブロックB1〜B6の位置に配置する。
この製造手順によれば、回転子鉄心110をシャフト101に取り付けた後に、永久磁石116の挿入作業を行う。このため、「未着磁の永久磁石を回転子鉄心に挿入した状態で、回転子鉄心をシャフトに取り付け、その後に永久磁石を磁化する」という従来手法で問題となっていた、大型の着磁装置が必要になる等の問題は何ら発生しない。
また、回転子鉄心110をシャフト101に取り付ける手法として焼嵌めを採用した場合であっても、焼嵌めによる熱が永久磁石116に作用することがないので、製造時において、永久磁石116の磁力が低下することはない。
また、永久磁石116を磁石挿入孔115に挿入していっても、図5にも示すように、ダクトスペース123に隣接する電磁鋼板111のうち、外周側部分がダクトスペース123側に折れ曲がることはない。
その理由は、ダクトスペース123に隣接する電磁鋼板111のうち外周側部分に、通風ダクト120のダクトピース122bが当接しているため、電磁鋼板111の外周部分に、磁石挿入に伴う応力が付与されても、その応力をダクトピース122bが支持することにより、電磁鋼板111の折れ曲がりを防止しているからである。
なお、ダクトピース122bを非磁性体(例えばステンレス鋼)で形成しておけば、この部分での渦電流の発生による損失を防止することができる。
つまり、ダクトピース122bが磁性体であると、図5において点線の矢印で示すように磁束φが、ダクトピース122bを通るため、この部分に渦電流が発生する。この渦電流による損失は、モータ効率の低下につながる。
ここで、ダクトピース122bを非磁性体にすることにより、渦電流の発生を防止することができ、モータ効率を向上させることができる。
〔実施例2〕
次に回転子鉄心110に備える通風ダクトの各種変形例を、実施例2として説明する。なお他の部分の構成は、実施例1と同じであるため、実施例1と同一部分の説明は省略する。
図6に示す通風ダクト120Aは、全体としてはリング板状になっている。この通風ダクト120Aは、ダクト板121の片面に、ダクトピース122a,122cを配置して構成されている。
ダクトピース122aは、磁石挿入孔115の位置よりも内周側の位置において、放射状に配置されている。
また、ダクトピース122cは、磁石挿入孔115の位置よりも外周側の位置に配置されている。このダクトピース122cは、回転子鉄心110の半径方向に直交する方向に直線的に伸びており、1磁極あたり2本が配置されている。
図6に示す通風ダクト120Aでは、1磁極あたり2本のダクトピース122c,122cが配置されており、両ダクトピース122c,122c間に隙間があるので、回転子100側から固定子側に通り抜ける冷却風が、より良好に流れることができ、冷却効果を高めることができる。
図7に示す通風ダクト120Bは、全体としてはリング板状になっている。この通風ダクト120Bは、ダクト板121の片面に、ダクトピース122a,122dを配置して構成されている。
ダクトピース122aは、磁石挿入孔115の位置よりも内周側の位置において、放射状に配置されている。
また、ダクトピース122dは、磁石挿入孔115の位置よりも外周側の位置に配置されている。このダクトピース122dは、回転子鉄心110の外周面に沿い湾曲して形成されている。
図8に示す通風ダクト120Cは、全体としてはリング板状になっている。この通風ダクト120Cは、ダクト板121の片面に、ダクトピース122a,122eを配置して構成されている。
ダクトピース122aは、磁石挿入孔115の位置よりも内周側の位置において、放射状に配置されている。
また、ダクトピース122eは、磁石挿入孔115の位置よりも外周側の位置に配置されている。このダクトピース122eは、回転子鉄心110の半径方向に直交する方向に対して、斜めになって直線的に伸びており、1磁極あたり3本が配置されている。しかも3本のダクトピース122e,122e,122eは、相互間に隙間を空けつつ、並行に配置されている。
上述したように3本のダクトピース122eは斜め配置されているため、回転子100が回転したときに、ダクトピース122eが空気を固定子側に送るファンとしての機能がより増大し、より効果的冷却ができる。
なお、ダクトピース122eの形状を、ファンとしての機能を増強させるような湾曲形状にすれば、更なる冷却効果を発揮することができる。
図9に示す通風ダクト120Dは、全体としてはリング板状になっている。この通風ダクト120Dは、ダクト板121の片面に、ダクトピース122a,122fを配置して構成されている。
ダクトピース122aは、磁石挿入孔115の位置よりも内周側の位置において、放射状に配置されている。
また、ダクトピース122fは、磁石挿入孔115の位置よりも外周側の位置に配置されている。このダクトピース122fは、円柱状になっており、1磁極あたり3本が配置されている。しかも3本のダクトピース122f,122f,122fは、回転子鉄心110の半径方向に直交する直線上に、相互間に隙間を空けて配置されている。
図10に示す通風ダクト120Eは、全体としてはリング板状になっている。この通風ダクト120Eは、ダクト板121の片面に、ダクトピース122a,122gを配置して構成されている。
ダクトピース122aは、磁石挿入孔115の位置よりも内周側の位置において、放射状に配置されている。
また、ダクトピース122gは、磁石挿入孔115の位置よりも外周側の位置に配置されている。このダクトピース122gは、三角柱状になっており、1磁極あたり3本が配置されている。しかも3本のダクトピース122g,122g,122gは、回転子鉄心110の半径方向に直交する直線上に、相互間に隙間を空けて配置されている。
なお、図6〜図10に示すダクトピース122c,122d,122e,122f,122gを非磁性体(例えばステンレス鋼)で形成しておけば、この部分での渦電流の発生による損失を防止することができる。
本発明の永久磁石式回転電機は、磁石埋込型電動機(IPM:Interior Permanent Magnet Motor)のみならず、磁石埋込型発電機にも適用することが可能である。
100 回転子
101 シャフト
102 スパイダ
110 回転子鉄心
111 電磁鋼板
112 締め金
115 磁石挿入孔
116 永久磁石
117 冷却用通風溝
120,120A,120B,120C,120D,120E 通風ダクト
121 ダクト板
122a,122b,122c,122d,122e,122f,122g ダクトピース
123 ダクトスペース

Claims (3)

  1. 積層された電磁鋼板と、通風ダクトとが、軸方向に沿い交互に積層されて成る回転子鉄心と、
    前記回転子鉄心に挿入・配置された永久磁石とにより回転子が形成されている永久磁石式回転電機において、
    前記回転子鉄心には、前記永久磁石を挿入するための磁石挿入孔が、前記電磁鋼板及び前記通風ダクトを貫通する状態で形成されており、
    前記通風ダクトは、ダクト板とこのダクト板に備えられたダクトピースにより形成されるとともに、前記ダクトピースは、前記磁石挿入孔の位置よりも内周側の位置に配置されるのみならず、前記磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置にも配置されており、
    前記磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置に配置されている前記ダクトピースは、前記回転子鉄心の半径方向及び軸方向に直交する方向に伸びており、1磁極あたり少なくとも1本が配置されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 積層された電磁鋼板と、通風ダクトとが、軸方向に沿い交互に積層されて成る回転子鉄心と、
    前記回転子鉄心に挿入・配置された永久磁石とにより回転子が形成されている永久磁石式回転電機において、
    前記回転子鉄心には、前記永久磁石を挿入するための磁石挿入孔が、前記電磁鋼板及び前記通風ダクトを貫通する状態で形成されており、
    前記通風ダクトは、ダクト板とこのダクト板に備えられたダクトピースにより形成されるとともに、前記ダクトピースは、前記磁石挿入孔の位置よりも内周側の位置に配置されるのみならず、前記磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置にも配置されており、
    前記磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置に配置されている前記ダクトピースは、前記回転子鉄心の外周面に沿い湾曲して形成されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記磁石挿入孔の位置よりも外周側の位置に配置されている前記ダクトピースは、非磁性体で形成されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
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