JP6251116B2 - 蓄熱制御システム、制御装置、及び制御方法 - Google Patents

蓄熱制御システム、制御装置、及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、蓄熱制御システム、制御装置、及び制御方法に関する。
近年、スマートハウスという概念が知られるようになっている。スマートハウスは、例えば太陽電池に代表される発電設備と蓄電池とを住宅に導入して、電力管理制御を行うことにより住宅内の電力需給を最適化しようとするものである。スマートハウスの一例として、住宅内の給湯を制御するシステムが考えられ、従来、お湯を貯える蓄熱部と発電部と蓄電部を含むシステムとして特許文献1のようなシステムが知られている。
特開2012−115003号公報
特許文献1のシステムでは、湯量が所定の閾値を下回った場合、という1つの条件に従って沸き上げを行っている。すなわち、貯湯タンクの湯量を1条件のみで把握している。そのため、湯を沸き上げる計画を立てることが困難であった。
そこで本発明は、上述の点を鑑みてなされたものであり、必要とされる湯を計画的に沸き上げることができる蓄熱制御システム、制御装置、及び制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係る蓄熱制御システムは、給湯器と、給湯器を制御する制御装置とを備え、給湯器は、貯湯タンクと前記貯湯タンク内の湯量を検出する湯量検出部とを備え、制御装置は、給湯実績データを含む参照データを取得する参照データ取得部と、給湯器の現在の動作モードに対応して参照データの中から任意に選択したデータと湯量検出部により得られるデータとを用いて給湯器が次に移行すべき動作モードを第1の周期が経過するごとに決定する制御部とを備え、前記動作モードは、湯を沸き上げ中であるか、湯を沸き上げ中でないかによって分類される
本発明に係る蓄熱制御システムにおいて、制御部は、給湯実績データに基づいて給湯量を予測し、予測した給湯量を達成することのできる動作モードを次に移行すべき動作モードとして決定する。
本発明に係る蓄熱制御システムにおいて、給湯実績データは、蓄熱制御システムが設置されている需要家における給湯実績を蓄積したデータを含む。
本発明に係る蓄熱制御システムにおいて、制御装置は第1の周期よりも長い第2の周期で特定の動作モードに移行する。
本発明に係る蓄熱制御システムにおいて、制御部は、特定の動作モードにおいて、貯湯タンク内の最低湯温がレジオネラ菌を殺菌可能な温度になるように貯湯タンク内の蓄熱量を制御する。
本発明に係る蓄熱制御システムにおいて、湯量検出部により得られるデータは、貯湯タンクの湯量データ及び湯温データを含む。
本発明に係る蓄熱制御システムにおいて、参照データは、電力単価データをさらに含む。
本発明に係る蓄熱制御システムにおいて、湯量検出部は、貯湯タンク内の高さ方向の湯温分布を測定することによって湯量を検出する。
本発明に係る制御装置は、貯湯タンクを有する給湯器を制御する制御装置であって、給湯実績データを含む参照データを取得する参照データ取得部と、給湯器の現在の動作モードに対応して参照データの中から任意に選択したデータと貯湯タンク内の湯に関するデータとを用いて給湯器が次に移行すべき動作モードを第1の周期が経過するごとに決定する制御部とを備え、前記動作モードは、湯を沸き上げ中であるか、湯を沸き上げ中でないかによって分類される
本発明に係る制御方法は、給湯器と給湯器を制御する制御装置とを備える蓄熱制御システムにおける制御方法であって、給湯器の貯湯タンク内の湯量を検出するステップと、給湯実績データを含む参照データを取得するステップと、給湯器の現在の動作モードに対応して参照データの中から任意に選択したデータと湯量を検出するステップにより得られるデータとを用いて給湯器が次に移行すべき動作モードを第1の周期が経過するごとに決定するステップとを含み、前記動作モードは、湯を沸き上げ中であるか、湯を沸き上げ中でないかによって分類される
本発明の蓄熱制御システム、制御装置、及び制御方法によれば、必要とされる湯を計画的に沸き上げることができる。
本発明の一実施形態に係る蓄熱制御システムの概略構成を示すブロック図である。 図1の給湯器の構成の一例を示す図である。 給湯器の動作モード移行図である。 蓄熱制御システムに係るパラメータの推移を示すグラフである。 制御装置の設定パラメータの項目とその値の一例を示す図である。 蓄熱制御システムにおける制御方法を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る蓄熱制御システムの概略構成を示すブロック図である。ここに示す蓄熱制御システム100は、給湯器110と、制御装置120とを備える。給湯器110は、貯湯タンク112と、貯湯タンク112内の湯量を検出する湯量検出部114と、熱交換部116とを備える。本実施形態において、熱交換部116はヒートポンプ熱交換器を用いるが、その他たとえば電熱ヒータやガスヒータでもよく、これらに限定されない。制御装置120は、制御部121と、参照データ取得部122と、参照データを格納する記憶部124とを備える。制御部121は一例としてHEMS(Home Energy Management System)による制御を行うものとすることができる。また、蓄電制御システム100は、その他設備として、蓄電部130、発電部132、分電盤134、蓄電部130と発電部132を分電盤134に接続するパワーコンディショナ136、及び分電盤134を商用電力系統138に接続するスマートメータ140を備える。発電部132は、例えば太陽光発電システムや燃料電池を備えることができるが、これらに限定されない。蓄電部130、発電部132、パワーコンディショナ136、及びスマートメータ140は、それぞれ制御装置120と通信できるようになっており、制御装置120により制御される。
制御部121は、湯量検出部114から貯湯タンク112内の湯温と湯量とに関する情報が含まれるデータを取得する。制御装置120の参照データ取得部122は、給湯実績データを含む参照データを取得し、記憶部124に格納する。参照データには、さらに電力単価データが含まれてもよい。制御部121は、記憶部124から参照データを読み込み、参照データに基づいて熱交換部116に運転制御信号を送り、給湯器110を制御する。ここで、給湯実績データは、蓄熱制御システム100が設置されている需要家における給湯実績を蓄積したデータであってもよいし、多数の需要家から得られたデータを統計処理したものであってもよい。電力単価データは、電力会社が提供する電力単価データであってもよく、それは例えば、過去の需給差に基づいて時間帯別に予め定められる電力料金であるTOU(Time of Use)の電力料金体系に係るデータであってもよいし、リアルタイムの需給差に基づいて定められるRTP(Real Time Pricing)に係るデータであってもよいが、それらに限られない。
図2は、図1に示した給湯器110の構成の一例を示す図である。図2を用いて、貯湯タンク112の内部構造を説明する。貯湯タンク112は成層式蓄熱構造であり、タンク上部に湯220が、タンク下部に水230が、それぞれ貯えられている。湯220と水230との間には仕切り壁のようなものは存在しないが、湯220と水230との境界240が温度成層境界面を形成しているため、湯220と水230とは極めて混合しにくくなっている。貯湯タンク112は下部に熱交換部116を備え、水からの沸き上げを行う。熱交換部116は熱媒配管218を介して熱媒を加熱する装置、たとえばヒートポンプに接続しており、所定の温度となった熱媒が送られる。貯湯タンク112の上部には排湯配管222が接続されており、給湯指令に応えて貯湯タンク112の上部から湯220を排出する。貯湯タンク112の下部には給水配管232が接続されており、給湯で減った量が給水される。このとき湯220と水230との境界240は貯湯タンク112の上方へ移動する。
貯湯タンク112は湯量検出部114を備え、湯量検出部114は温度計215を複数個備えている。温度計215は例えば熱電対温度計を用いてもよいが、それに限定されない。複数の温度計215のデータを用いることにより、貯湯タンク112内の高さ方向の湯温分布を測定することができ、測定した湯温分布から貯湯タンク112内に貯えられている湯220と水230との境界240が貯湯タンク112内のどの高さにあるのか知ることができる。例えば、湯220の温度が摂氏50度、水230の温度が摂氏20度であるものとして、図2にしたがって説明すると、上から2番目の温度計までが摂氏50度を示し、上から3番目の温度計よりも下の温度計が摂氏20度を示しているならば、湯220と水230との境界240は、上から2番目と3番目の温度計の間の高さにあることがわかる。湯220と水230との境界240の高さが分かれば、貯湯タンク112内の湯220の量が分かり、すなわち貯湯タンク112内の湯量を検出することができる。
測定した貯湯タンク112内の湯量と湯温に基づいて、貯湯タンク112内の蓄熱量を定義することができる。本実施形態においては、熱量を水の体積を単位として表すことにする。具体的には、X(L)の常温の水を設定温度にまで沸き上げるために必要な熱量をX(L)と定義し、貯湯タンク112内が常温の水で満たされている場合の蓄熱量を0(L)と定義する。また、本実施形態において、常温を摂氏20度、設定温度を摂氏50度、貯湯タンク112の容量を300(L)とする。以上の条件において、貯湯タンク112内が設定温度の湯で満たされた状態における貯湯タンク112内の蓄熱量は、貯湯タンク112の容量に等しく300(L)である。
貯湯タンク112内が設定温度摂氏50度の湯で満たされている状態から、自然放熱により湯温が低下して、例えば設定温度から1度低い摂氏49度になった場合、貯湯タンク112内の蓄熱量は290(L)である。また、貯湯タンク112内が摂氏70度の湯で満たされている場合、貯湯タンク112内の蓄熱量は500(L)である。一方、貯湯タンク112内が摂氏10度の水で満たされている場合、貯湯タンク112内の蓄熱量は−100(L)である。
貯湯タンク112内に湯220と水230とが共存している場合、例えば、設定温度の湯が150(L)、常温の水が150(L)、それぞれ貯えられている状態における貯湯タンク112内の蓄熱量は150(L)である。この状態から貯湯タンク112内を設定温度の湯で満たすためには、常温の水150(L)を設定温度まで沸き上げればよく、沸き上げに必要な熱量は150(L)である。沸き上げ前の貯湯タンク112内の蓄熱量が150(L)であり、沸き上げによって熱量150(L)を与えたので、貯湯タンク112内の蓄熱量は300(L)となる。これは貯湯タンク112内が設定温度の湯で満たされた状態の蓄熱量に等しい。なお、湯220の温度及び水230の温度がそれぞれ設定温度及び常温とは異なる場合であっても、湯220と水230とのそれぞれの蓄熱量を計算して合算すれば、貯湯タンク112内の蓄熱量を計算することができる。
図1で、湯量検出部114により得られたデータは制御部121に送られる。制御部121は、貯湯タンク112内の蓄熱量を計算し、蓄熱量を用いて給湯器110を制御する。
図3は、本実施形態に係る蓄熱制御システム100における給湯器110の動作モード移行図である。給湯器110の動作モードは、貯湯タンク112内の蓄熱量、及び、沸き上げ中かそうでないか、によって分類され、制御部121によって制御される。制御部121は、あらかじめ設定された第1の周期が経過するごとに、次に移行すべき動作モードを決定する。本実施形態において、第1の周期を15分とする。第1の周期は15分に限らず、10分であっても20分であってもよいし、その他の時間であってもよい。
図3の各動作モード間の移行を示す矢印に、移行の条件を示す説明を付けている。本実施形態においては、移行の条件として沸上目標熱量を定義している。沸上目標熱量は、現在の動作モードで沸き上げを行っているときに、貯湯タンク112内の水が全て設定温度に達したときの蓄熱量と現在の蓄熱量との差に等しい。沸上目標熱量は例えばモード1からモード3への移行の条件に含まれる。また、モード3からモード2に移行する条件などに含まれる蓄熱量とは、前述の貯湯タンク112内の蓄熱量のことである。
以下、動作モードごとに、制御装置120の制御内容と他の動作モードに移行する条件を説明する。すべての動作モードにおいて、他の動作モードに移行する条件を満たさない場合は、現在の動作モードにとどまるものとする。
最初に運転するときは、貯湯タンク112内が全て水であるため、モード1(水から沸き上げ中)で動作する。モード1では沸き上げを行う。本実施形態において、沸き上げ熱量、すなわちその沸き上げ動作によって貯湯タンク112内の水に与える熱量を15分あたり20(L)とすることができる。すなわち、15分の沸き上げで蓄熱量が20(L)増加することに相当する。沸上目標熱量が沸き上げ熱量以下となった場合、モード3(蓄熱量が所定値以上で追い炊き不可)に移行する。
モード3では追い炊き動作を禁止するフラグを立てる。このフラグが立った場合の作用として、例えば、制御部121の内部で動作するスケジューラが沸き上げ指令を出せなくなる状態となる。スケジューラとしては、例えばILOG(登録商標)などが挙げられ、スケジューラには湯を沸き上げる計画を立てる役割を担わせることができる。モード3において、給湯指令により貯湯タンク112内から排湯され、貯湯タンク112内の蓄熱量が所定値未満になったとき、モード2(蓄熱量が所定値未満で追い炊き中)に移行する。本実施形態において、所定値とは200(L)とすることができる。また、モード3において、自然放熱によって貯湯タンク112内の湯220の温度が設定温度よりも1度以上低くなったとき、モード4(蓄熱量が所定値以上で追い炊き可)に移行する。
モード2では追い炊きを行い、沸上目標熱量が所定値以下となると、モード3に移行する。本実施形態において、所定値を20(L)とできる。
モード4では追い炊き動作を禁止するフラグを立てないため、追い炊き可能である。しかしながら原則としてモード2又は5への移行条件を満たして、モード2又は5へ移行しない限りは追い炊き動作をしない。モード4において、蓄熱量が所定値未満になったとき、モード2に移行する。本実施形態において、所定値を200(L)とできる。
モード3又は4において、所定時間内に所定量以上の給湯量が予測され、かつ蓄熱量が所定値未満であるとき、モード5(蓄熱量が所定範囲内だが湯の使用予定があるので追い炊き中)に移行する。本実施形態において、所定時間とは2時間とすることができ、給湯量として予測される所定量とは100(L)とすることができる。また、蓄熱量に係る所定値とは250(L)とすることができる。モード5への移行条件に含まれる給湯量の予測は、参照データに含まれる給湯実績データに基づくものである。制御部121は記憶部124に格納された参照データから任意に選択したデータを用いて給湯量を予測することができる。
モード5では予測される給湯量を達成することができるように追い炊きを行う。追い炊き熱量は、沸き上げ熱量と異なるようにすることができ、本実施形態では追い炊き熱量を15分あたり10(L)とすることができる。沸上目標熱量が追い炊き熱量以下となった場合、モード3に移行する。モード5において、追い炊き中に給湯指令により貯湯タンク112内から排湯配管222を通して湯が排出され、沸上目標熱量が所定値以上になったとき、モード2に移行する。本実施形態において、所定値を200(L)とできる。
本実施形態において、給湯器110は上記モード1乃至5を互いに移行して動作するように制御部121によって制御される。本実施形態においてはさらに、レジオネラ殺菌を目的とした特定の動作モードであるモード7への移行を可能とする。モード7への移行は、第2の周期が経過するごとに強制的に移行するようにできる。第2の周期は第1の周期よりも長く、例えば、1週間とすることができる。その場合、例えば毎週金曜日の23時のような指定の期日にモード7への移行を行うこととなる。モード7では貯湯タンク112内のすべての水の温度、すなわち貯湯タンク112内の最低湯温がレジオネラ菌を殺菌可能な温度、例えば摂氏70度以上になるまで追い炊き動作を行い、その動作が完了したらモード3に移行する。このとき、貯湯タンク112内の蓄熱量は一時的に通常の最大値を超えている。なお、レジオネラ菌を殺菌可能な温度への沸き上げにあたり、ヒートポンプ熱交換器だけでなく電熱ヒータ又はガスヒータを併用することもある。
なお、本実施形態において、給湯器110は上記動作モード以外にモード9を備え、エラー発生などによって動作できなくなったような場合にはモード9に移行し、制御部121は外部からの指示を待つ。
本実施形態において動作モードの移行の判定に用いられる給湯実績データは、例えば風呂のお湯張りやシャワーのためであったり、食器洗いのためであったり、需要家ごとに決まっている一日のパターンを示すものである。他に、多数の需要家から得られたデータを統計処理して給湯実績データとして使用することによって、季節や気象条件による変動に対応することも考えられる。
以下、本実施形態に係る蓄熱制御システム100の具体的動作の一例を説明する。
ある需要家に設置されている蓄熱制御システム100について、ある1日の具体的な動作状況の例を説明する。本実施例において、蓄熱制御システム100は、太陽光発電装置を備えるものとする。また、電力単価は、午前7時から午後11時の間には割高な昼間料金、午後11時から午前7時の間には割安な深夜料金が適用されるものとする。
図4(a)及び(b)は蓄熱制御システム100に係るパラメータの推移を示すグラフである。図4(a)及び(b)のグラフの横軸は共に朝6時から翌朝6時までの時刻を示し、図4(a)のグラフの縦軸は、貯湯タンク112の蓄熱量、及び需要家への給湯量を、図4(b)のグラフの左側縦軸は、蓄電部130の蓄電残量を、図4(b)のグラフの右側縦軸は、太陽光発電装置の発電電力、商用電力系統138からの供給電力、及び需要家の負荷電力を、それぞれ示している。
なお、需要家への給湯量は、貯湯タンク112内で沸き上げられている湯220の設定温度、需要家への給湯時に混合して使用する水の温度、並びに需要家に供給する湯温及び湯量に基づいて、貯湯タンク112内の蓄熱量に換算した値である。
午前6時に需要家における活動が始まると、給湯需要と電力需要が発生する。給湯需要は、深夜に沸き上げた湯でまかなう。電力需要は、午前7時までは電力単価が割安であるため、商用電力系統138からの供給電力でまかない、午前7時以降は、電力単価が割高となった商用電力系統138からの供給電力ではなく、蓄電部130からの放電電力でまかなう。午前9時ごろからは太陽光発電装置による発電電力が発生する。発電電力で日中の電力需要をまかないつつ、蓄電部130への蓄電と商用電力系統138への逆潮流を行う。午前中と昼ごろの給湯需要により貯湯タンク112の蓄熱量が減少する。夕方以降の給湯需要に備えて、午後1時ごろから計画的に沸き上げる。この沸き上げに係る電力は、発電電力と蓄電部130からの放電電力でまかなう。午後5時ごろから、再び給湯需要と電力需要が発生する。給湯需要は、これまでに沸き上げた湯でまかなう。電力需要は、午後11時までは、蓄電部130からの放電電力でまかない、午後11時以降は、電力単価が割安となった商用電力系統138からの供給電力でまかなう。夕方以降の給湯需要をまかなった後には貯湯タンク112の蓄熱量が大幅に減少しているので、翌朝以降の給湯需要に備えて、電力単価が割安となった商用電力系統138からの供給電力を利用して沸き上げておく。蓄電部130への蓄電も状況に応じて行う。翌朝、再び同様のサイクルが始まる。
上述した1日のサイクルに、制御装置120が行っている給湯器110の制御を対応付けて説明する。午前6時に、制御装置120の給湯器110は、図3に示したモード移行図のモード3の状態にある。朝と昼の給湯需要をまかなって蓄熱量が減ることによりモード2に移行する。モード2においては沸き上げ可能であり、実際に沸き上げを開始してもよいし、しなくてもよい。通常はその後の給湯量の予測に基づいて沸き上げ開始が決定される。沸き上げを開始して完了するとモード3に移行する。午後7時以降には、100(L)以上の給湯量が予測されるが、その給湯需要発生の2時間前にあたる午後5時に、給湯量の予測に加えて蓄熱量の条件を満たせばモード5に移行し、沸き上げが開始される。沸き上げが完了するとモード3に移行する。まとまった量の給湯が始まり、蓄熱量が所定の値以下となった時点でモード2に移行する。モード2は沸き上げ可能であるがこの後の給湯量の予測に基づいて沸き上げるか決定する。本実施例においては、翌朝午前6時まで給湯需要が発生しないと予測される。制御部121は、記憶部124に格納された参照データに含まれる電力単価データを参考にして沸き上げ開始のタイミングを決定し、電力単価が割安となる午後11時以降に沸き上げを開始する。午後11時から沸き上げを始めて、午前2時ごろに沸き上げが完了し、モード3に移行したとする。午前6時まで給湯需要は発生しないため、それまでは貯湯タンク112からの熱損失による温度低下が起こる。午前6時までに貯湯タンク112内の湯220の温度が設定温度よりも1度以上低くなった場合、モード4に移行し、追い炊き可能となる。モード4において、実際に沸き上げを開始してもよいし、しなくてもよい。通常はその後の給湯量の予測などに基づいて沸き上げ開始が決定される。より具体的には、制御部121が参照データの中から任意に選択したデータに基づいて、沸き上げ開始を適宜決定する。
貯湯タンク112内のレジオネラ殺菌を行うために、モード7に移行させる具体例を示して説明する。モード7への移行は、第2の周期が経過したとき、すなわち指定の日時に発生する割り込み処理であり、指定の日時にモード1乃至5のいずれであっても、強制的にモード7へ移行する。第2の周期に対応する指定の日時は、任意に設定されるものであるが、本実施例では金曜日の午後11時に設定する。レジオネラ殺菌の効果を得るためには、貯湯タンク112内の全ての水を、レジオネラ菌を殺菌可能な温度、例えば摂氏70度以上に沸き上げることが必要である。ヒートポンプ熱交換器による沸き上げのみでレジオネラ菌を殺菌可能な温度に到達できればよいが、沸き上げ温度を摂氏50度として通常運転しているシステムにおいては、ヒートポンプ熱交換器の能力が不足するような場合には、レジオネラ菌を殺菌可能な温度に沸き上げるために他の熱源、例えば電熱ヒータやガスヒータを用いることもできる。貯湯タンク112内の全ての水の温度がレジオネラ菌を殺菌可能な温度となるまではモード7を維持し、全ての水の温度がレジオネラ菌を殺菌可能な温度となったらモード3に移行する。
次に、制御装置120の設定パラメータを変更した場合の具体例を示して説明する。本実施例では、設定パラメータを設定ファイルで指定可能とする。設定ファイルは制御装置120の内部に保持してもよいし、外部から読み込むようにしてもよい。設定ファイルで指定する設定パラメータの項目とその値の一例を図5に示す。モード間の移行に係る設定パラメータを挙げている。本実施例において、第1の周期をインターバルとして設定し、第2の周期をそれに対応する指定の日時として設定している。また、動作モード間の移行条件について図3に基づいて説明した際に用いた種々の所定値などを設定パラメータとして列記している。これらのパラメータは、貯湯タンク112の容量や熱交換器116の能力に応じて適宜決定されるものである。システム設置時に設定することもできるし、需要家自身がカスタマイズすることもできる。また季節変化などの環境変化に応じて自動設定されるようにしてもよい。
図6は、本実施形態に係る蓄熱制御システム100における制御方法を示すフローチャートである。ステップS602では、湯量検出部114が給湯器110の貯湯タンク112内の湯量を検出する。ステップS604では、参照データ取得部122が給湯実績データを含む参照データを取得し、記憶部124に格納する。ステップS606では、制御部121が給湯器110の現在の動作モードに対応して参照データの中から任意に選択したデータと湯量検出部114により得られたデータとを用いて、給湯器110が次に移行すべき動作モードを決定する。蓄熱制御システム100は、第1の周期が経過するごとにステップS602からS606までのサイクルを実施する。ステップS606を実施する際の制御部121の動作は、既に図3に基づいて説明した通りである。
以上、本実施形態に係る蓄熱制御システムの具体的動作を例示してきた。一般的に、湯の供給を確保する観点から、蓄熱量を大きくする方が有利である。一方、蓄熱量を大きくするには、湯の温度を高くする、又は湯量を増やす必要があるが、設備投資抑制の観点からは、湯の温度は熱交換器116の能力による制約を受け、湯量は貯湯タンク112の容量による制約を受ける。また、熱損失抑制の観点からは、蓄熱量を小さくする方が有利である。さらに、電力単価の観点からは、沸き上げを実施する時間帯が制約を受ける。供給湯量確保と経済性を両立できるように制御するためには、湯量を細かく把握できる方が有利である。本実施形態によれば、貯湯タンク112内の湯220の温度を摂氏50度以下として、貯湯タンク112からの熱損失を抑制でき、熱交換器116の到達温度を低くして熱交換器116の効率がアップするとともに熱交換器116の設備投資を減らせる。それに伴い蓄熱量が減少するデメリットがあるが、貯湯タンク112が湯量検出部114を備えて湯量を細かく把握することができるようにして、湯を沸き上げる計画の精度を上げることにより対応することができる。また、摂氏50度以下で貯湯タンク112を管理すると貯湯タンク112の内部でレジオネラ菌が繁殖する可能性があるが、本実施形態によれば、第2の周期が経過するごとに貯湯タンク112内の全ての水の温度を、レジオネラ菌を殺菌可能な温度として、貯湯タンク112内のレジオネラ菌を殺菌できる。
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正をおこなうことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部およびステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
100 蓄熱制御システム
110 給湯器
112 貯湯タンク
114 湯量検出部
120 制御装置
121 制御部
122 参照データ取得部
124 記憶部

Claims (10)

  1. 給湯器と、前記給湯器を制御する制御装置とを備える蓄熱制御システムであって、
    前記給湯器は、
    貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯量を検出する湯量検出部とを備え、
    前記制御装置は、
    給湯実績データを含む参照データを取得する参照データ取得部と
    記給湯器の現在の動作モードに対応して前記参照データの中から任意に選択したデータと、前記湯量検出部により得られるデータと、を用いて、前記給湯器が次に移行すべき動作モードを第1の周期が経過するごとに決定する制御部とを備え
    前記動作モードは、湯を沸き上げ中であるか、湯を沸き上げ中でないかによって分類される、
    蓄熱制御システム。
  2. 前記制御部は、前記給湯実績データに基づいて給湯量を予測し、予測した給湯量を達成することのできる動作モードを次に移行すべき動作モードとして決定する、請求項1に記載の蓄熱制御システム。
  3. 前記給湯実績データは、前記蓄熱制御システムが設置されている需要家における給湯実績を蓄積したデータを含む、請求項1又は2に記載の蓄熱制御システム。
  4. 前記制御装置は、前記第1の周期よりも長い第2の周期で特定の動作モードに移行する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄熱制御システム。
  5. 前記制御部は、
    前記特定の動作モードにおいて、前記貯湯タンク内の最低湯温がレジオネラ菌を殺菌可能な温度になるように前記貯湯タンク内の蓄熱量を制御する、請求項4に記載の蓄熱制御システム。
  6. 前記湯量検出部により得られる前記データは、前記貯湯タンクの湯量データ及び湯温データを含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の蓄熱制御システム。
  7. 前記参照データは、電力単価データをさらに含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の蓄熱制御システム。
  8. 前記湯量検出部は、前記貯湯タンク内の高さ方向の湯温分布を測定することによって湯量を検出する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の蓄熱制御システム。
  9. 貯湯タンクを有する給湯器を制御する制御装置であって、
    給湯実績データを含む参照データを取得する参照データ取得部と、
    前記給湯器の現在の動作モードに対応して前記参照データの中から任意に選択したデータと、前記貯湯タンク内の湯に関するデータと、を用いて、前記給湯器が次に移行すべき動作モードを第1の周期が経過するごとに決定する制御部と、を備え
    前記動作モードは、湯を沸き上げ中であるか、湯を沸き上げ中でないかによって分類される、
    制御装置。
  10. 給湯器と、前記給湯器を制御する制御装置とを備える蓄熱制御システムにおける制御方法であって、
    前記給湯器の貯湯タンク内の湯量を検出するステップと、
    給湯実績データを含む参照データを取得するステップと、
    前記給湯器の現在の動作モードに対応して前記参照データの中から任意に選択したデータと、前記湯量を検出するステップにより得られるデータと、を用いて、前記給湯器が次に移行すべき動作モードを第1の周期が経過するごとに決定するステップとを含み、
    前記動作モードは、湯を沸き上げ中であるか、湯を沸き上げ中でないかによって分類される、
    制御方法。
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