まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。尚、本実施例では、遊技者が遊技機1における遊技を行うために位置する側を遊技機1の前方側(正面側)とし、該遊技者がパチンコ遊技機1を前方側(正面側)から見た場合を基準として、上下、左右、前後方向を遊技機1の上下、左右、前後方向として定義する。
パチンコ遊技機1は、図1〜図4に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100の左側辺に開閉可能に取り付けられた遊技枠101と、遊技枠101の左側辺上部に開閉可能に取り付けられたガラス扉枠102と、遊技枠101の左側辺下部に開閉可能に取り付けられた下扉枠103と、から主に構成されている。
下扉枠103の上部前面には打球供給皿(上皿)3が設けられている。打球供給皿3の下方位置には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が遊技枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
図5に示すように、遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された所定板厚を有するベニヤ板からなり、該遊技盤6の背面側には、演出表示装置9等を含む変動表示制御ユニット400が一体的に組み付けられている。尚、本実施例では遊技盤6を不透明なベニヤ板により構成しているが、本発明はこれに限定されず、遊技盤6をアクリル板等の透明性を有する部材で形成するようにしても良い。変動表示制御ユニット400は、パチンコ遊技機1の前方側に向けて開口する箱状の収納ケース401を有しており、この収納ケース401内には、演出表示装置9が収納されている。また、収納ケース401の前面には、演出表示装置9の前面9cが前方から視認できるようにするための開口を備えたユニット板410が配置されている。演出表示装置9は、ユニット板410における中央付近に形成された開口に臨むように配置されているとともに、ユニット板410の右部には、本パチンコ遊技機1におけるメイン装飾物310がユニット板410に固定されて配置されている。
また、遊技盤6の遊技領域7の中央部には、遊技盤6の前後方向に向けて開口部6bが貫通形成されているとともに、遊技盤6の右部には、ガラス扉枠102が閉位置である場合に、後述するガラス板側挿通孔102cに対応するように、遊技盤6の前後方向に向けてメイン装飾物310を挿通可能な遊技盤側挿通孔6cが形成されている。尚、開口部6bの右部と遊技盤側挿通孔6cの左部とは連通している。
このため遊技盤6は、背面側から変動表示制御ユニット400が組み付けられることで、演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示する複数の変動表示部を含む演出表示装置(演出図柄表示装置)9が、開口部6bを介して遊技盤6の前方側から視認可能となるように配置されるとともに、メイン装飾物310は、遊技盤側挿通孔6cを介して遊技盤6の前方側に向けて突出する。
尚、メイン装飾物310には、後述する帯状第1突部312及び帯状第2突部313がメイン装飾物310の全周に亘って側方に向けて突出形成されているため、遊技盤側挿通孔6cは、これら帯状第1突部312及び帯状第2突部313が通過可能なように、帯状第1突部312及び帯状第2突部313を除くメイン装飾物310の形状よりも僅かに大きく形成されている。このため、本実施例では、帯状第1突部312及び帯状第2突部313を含むメイン装飾物310が遊技盤側挿通孔6cを通過して遊技盤6の前方側に向けて突出する状態では、遊技盤側挿通孔6cの周端縁部とメイン装飾物310の外周面との間には、僅かに空隙が形成されるようになっている(図9参照)。
演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されているCPU(中央演算処理装置)120によって制御される。
また、遊技盤6における演出表示装置9の前面9cに対応する開口周囲には、環状のステージ飾り枠11が設けられており、ステージ飾り枠11の上端部には遊技球の遊技盤6の右方への流下を阻止するための球止め板6dが設けられている。よって、遊技領域7に打ち出された遊技球は、メイン装飾物310が配置された遊技盤6の右方に侵入せずに、遊技盤6の左方のみを流下するようになっている。
また、遊技盤6は、前面9cに対し所定の隙間を隔てて前方に配設されており、遊技盤6と前面9cとの間における前面9cの周縁には演出ユニット(図示略)が設けられ、遊技状態や演出の実行に応じて可動するようになっている。
遊技盤6における左側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技と小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技と小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(演出図柄ともいう)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。尚、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLED+1セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。尚、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13bへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。尚、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
尚、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの左側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
尚、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30a、30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。尚、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aを有する装飾部材25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により、後述する打球発射装置から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。尚、このときのステージ飾り枠11の上端部から遊技領域の右側領域に侵入しようとする遊技球は、前述したように、ステージ飾り枠11の上端部に設けられた球止め板6dによって右側領域への侵入が阻止され、全ての遊技球が遊技盤6の左部に形成されている遊技領域7のみを降りていくようになっている。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる所定の小当り図柄(所定表示結果)であると「小当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当り」または「非確変大当り」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、特定遊技状態としての大当り状態(例えば、15ラウンド大当り状態など)に移行する。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の遊技領域7を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出球(賞球)が得られる。
「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば、100回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。このような「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。こうした「確変大当り」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口13bに遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口13bは、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示(変動表示)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面には、演出表示装置9を制御するCPU120が搭載された演出制御基板80、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板(図示略)やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板(図示略)には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
尚、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。尚、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。尚、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。尚、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路60が内蔵されている。乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(のCPU120)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路61が内蔵されている。尚、払出制御用マイクロコンピュータやCPU120にも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。尚、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。尚、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。尚、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23および各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21と、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(CPU120で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、おCPU120よびRAM(図示略)を含むCPU120(図示略)を搭載している。尚、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
さらに、CPU120は、出力ポート(図示略)を介してランプドライバ基板35に対して演出用ダイオード(演出用LED)390を含む各種LEDを駆動する信号を出力する。また、出力ポートを介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25aに駆動信号を供給する。尚、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の構造に関して、図面に基づいて詳述する。
図4に示すように、遊技枠101には、上下方向の上部位置から中央よりもやや下方の下部位置にかけて開口101aが形成されており、該開口101aには、演出表示装置9を含む変動表示制御ユニット400が一体的に組み付けられた遊技盤6が前方から着脱可能に取り付けられている。尚、本実施例では、変動表示制御ユニット400が一体的に組み付けられた遊技盤6は、遊技枠101の開口101aに対して前方から着脱可能に取り付けられているが、本発明はこれに限定されず、変動表示制御ユニット400が一体的に組み付けられた遊技盤6は、遊技枠101の開口101aに対して後方から着脱可能に取り付けるようにしても良い。尚、遊技枠101の前面下部には、図示しない発射装置や該発射装置から発射した遊技球を遊技領域7に向けて誘導する発射誘導レール等が設けられている。
図1〜図5に示すように、ガラス扉枠102は、正面視略正方形状をなす枠状のベース枠102b(図11参照)と、ベース枠102bが取付けられたガラス板102aと、から構成されており、閉位置において、遊技枠101に取り付けられた遊技盤6の前面側に位置するようになっている。尚、ベース枠102bには、その表面に取り付けられたカバーやレンズ等が含まれる。
ガラス板102aは、遊技盤6に設けられた遊技領域7よりも若干大きい形状に形成されており、ガラス扉枠102が閉位置にあるときに、遊技領域7を透視可能とされている。ガラス板102aの右部は、中央領域が凹状の切欠に形成されており、該切欠に形成されたガラス板102aの右部の周端縁部には、該周端縁部に沿って、そのほぼ全長にわたって複数のパッキン110a〜110eが取り付けられている。これらパッキン110a〜110eは、例えば、補強部材を含むゴム等の弾性部材により構成されており、背面側には、後述する嵌合突部312aが嵌合するための嵌合凹部110’(図7参照)が、ガラス板102aの周端縁部に沿う略全長に亘って形成されている(図9参照)。本実施例では、これらパッキン110a〜110e及びガラス板102aによってガラス部材が構成されている。
尚、本実施例では、パッキンを、全体を弾性部材とした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらパッキンを弾性変形しない樹脂や金属等の部材、或いは、弾性変形し難い樹脂や金属等の部材にて形成しても良く、この場合には、嵌合突部312a(図6参照)と嵌合する部分や、メイン装飾物310の側面と当接する部分に弾性部材を設けるようにしてもよい。また、これら弾性部材を設けずに、例えば、嵌合突部312aを有する帯状第1突部312を、弾性変形しない樹脂や金属等の部材、或いは、弾性変形し難い樹脂や金属等の部材にて形成して、これら樹脂や金属同士が嵌合するようにしても良い。
また、本実施例では、ガラス板102aに直接パッキン110a〜110eを取り付けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ガラス板102aがフレームに囲われているガラス板ユニットであれば、これらフレームにパッキン110a〜110eを設けるようにしても良い。
また、これらパッキン110a〜110eのうち、前記切欠の左上端部に取り付けられるパッキン110bには、図7及び図12に示すように、前記切欠の左上端部に取り付けられることで、ガラス板102aの前面に沿ってパチンコ遊技機1の左上端部を向く延設部110b’が形成されている。この延設部110b’には、パチンコ遊技機1の正面視で星形状に形成された板体であるガラス板側装飾物320が取り付けられている。
尚、本実施例では、ガラス板側装飾物320をパッキン110bの延設部110b’に取り付けることで、ガラス板側装飾物320のガラス板102aに対する取り付けをパッキン110bを介して行なっているが、本発明はこれに限定されず、ガラス板側装飾物320を螺着等により直接ガラス板102aに取り付けるようにしても良い。
また、本実施例では、ガラス板側装飾物320をパッキン110bの延設部110b’に取り付けることで、ガラス板側装飾物320のガラス板102aに対する取り付けをパッキン110bを介して行なっているが、本発明はこれに限定されず、例えば、ガラス板ユニットが上述したように、フレームに囲われているものであれば、ガラス板側装飾物320のガラス板102aへの取り付けを、該フレームに対して実施するようにしたり、或いは、該フレームとガラス板側装飾物320とを一体成型するようにしても良い。
図1及び図4に示すように、ベース枠102bは、前面に天枠LED28aが設けられた上辺部300aと、前面に左枠LED28bが設けられた左辺部300bと、前面に右枠LED28cが設けられた右辺部300cと、左辺部300bと右辺部300cとの下端を連結する下辺部300dと、から四角枠状に形成され(図4参照)、左右上角部にはスピーカ27が設けられている。また、上辺部300aの中央から左側と左辺部300bの前面には透光性を有するレンズカバーが設けられており、天枠LED28a、左枠LED28bの光を前面側に出射可能とされている。また、本実施例のガラス扉枠102においては、ガラス板102aの右部に形成された切欠とベース枠102bの右辺部300cとによって、パチンコ遊技機1の前後方向に向けて貫通するガラス板側挿通孔102cが形成されている。このガラス板側挿通孔102cは、前述したように、ガラス扉枠102が閉位置となることでガラス板側挿通孔102cに対応するように形成された遊技盤側挿通孔6cと前後方向に連通することで、メイン装飾物310が挿通されるようになっている。
尚、ベース枠102bにおける右辺部300cの前方側下部には、ガラス扉枠側装飾物330が該ベース枠102bの前面に取り付けられている。このガラス扉枠側装飾物330は、パチンコ遊技機1の正面視で略六角形状に形成された板体であり、ガラス扉枠102が閉位置である場合において、ガラス板102a並びにメイン装飾物310の前方側となるように配置されている。このように、ガラス扉枠側装飾物330が右辺部300cの前方側下部に配置されていることで、ガラス板側挿通孔102cの下部領域及びパッキン110eの一部が、ガラス扉枠102が閉位置である場合においてガラス扉枠側装飾物330により隠蔽されるようになっている(図7参照)。
このように、ガラス扉枠102が構成されることによって、図3に示すように、メイン装飾物310は、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、ガラス板側挿通孔102cからガラス板102aよりもパチンコ遊技機1の前方側、つまり遊技者側に向けて突出するようになっている。
次に、メイン装飾物310の具体的な構成について説明する。図6(a)及び図6(b)に示すように、メイン装飾物310は、正面視でメイン装飾物310の左部を構成する左分割部310aと、正面視でメイン装飾物310の右部を構成する右分割部310bとを接合することで形成される左右分割構造となっており、メイン装飾物310の後端部には、該後端部全周に亘ってフランジ311が突出形成されている。メイン装飾物310は、このフランジ311をユニット板410に対して螺着することで、ユニット板410に取り付けられている。
また、メイン装飾物310の側面におけるフランジ311よりも前方側には、メイン装飾物310の右上端部から左側部、右下端部にかけても、突部が連続することで帯状とされた帯状第1突部312がメイン装飾物310の側方に向けて突出形成されている一方、メイン装飾物310の右上端部から右側部、右下端部にかけも、突部が連続することで帯状とされた帯状第2突部313がメイン装飾物310の側方に向けて突出形成されている。このうち、帯状第1突部312の前面312bには、ガラス扉枠102を閉位置とすることで前述した嵌合凹部110’と嵌合するための嵌合突部312aが、メイン装飾物310の右上端部から左側部、右下端部に亘って、パチンコ遊技機1の前方側に向けて突出形成されている。尚、帯状第2突部313の前面313aは、後述するが、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、帯状第2突部313の前方でベース枠102bの右辺部300cの背面300’に当接するようになっている。尚、図6(a)及び図11に示すように、メイン装飾物310の下端部には、ガラス扉枠102を閉位置とすることでガラス扉枠側装飾物330の一部が配置される凹部314(図5参照)が形成されている。
ガラス扉枠側装飾物330は、前述したように正面視で略六角形状に形成された板体であり、ベース枠102bにおける右辺部300cに対して螺着される背面側分割部330aと、ベース枠102bに対して着された背面側分割部330aに対してパチンコ遊技機1の前方側から嵌着される前方側分割部330bと、から構成される前後分割構造となっている。尚、本実施例では、ガラス扉枠側装飾物330を、ベース枠102bにおける右辺部300cに対して螺着することでガラス扉枠102に取り付けているが、本発明はこれに限定されず、ガラス扉枠側装飾物330は、予めベース枠102bと一体成型されていても良い。
また、ガラス板側装飾物320は、前述したように正面視で星形状に形成された板体であり、前述したパッキン110bの延設部110b’の背面側から螺着されることにより、該延設部110b’の前方側に取り付けられている。ガラス板側装飾物320は、このようにパッキン110bの延設部110b’に取り付けられた状態で該パッキン110bを前記切欠の周端縁部に取り付けることで、パッキン110bを介してガラス板102aの前方に取り付けられる。
次にガラス扉枠102を遊技枠101の前面上部が閉鎖されていない開位置から閉位置とする際のメイン装飾物310、ガラス板側装飾物320及びガラス扉枠側装飾物330について説明する。図8及び図9に示すように、ガラス扉枠102を開位置から閉位置に向けて移動させていくと、メイン装飾物310がガラス板側挿通孔102cに挿通され、嵌合凹部110’が帯状第1突部312に形成された嵌合突部312aに対して押し付けられる。この状態から更にガラス扉枠102を閉位置に向けて移動させることで、嵌合凹部110’が嵌合突部312aに対して弾性変形しながら嵌合していく。
そして、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、メイン装飾物310がガラス板102aよりもパチンコ遊技機1の前方側に向けて突出した状態では、嵌合凹部110’と嵌合突部312aとが互いの略全長に亘って嵌合するとともに、帯状第2突部313の前面313aとベース枠102bの右辺部300cの背面300’とが、帯状第2突部313の略全長に亘って当接する。
このとき、図10に示すように、ガラス板102aの周端縁部とメイン装飾物310との間隙が、上記した嵌合突部312aとの嵌合により変形したパッキン110a〜110eにより埋められるため、ガラス板側挿通孔102cがメイン装飾物310によって閉塞される。このように、ガラス扉枠102が閉位置となることで嵌合突部312aと嵌合凹部110’との嵌合によりガラス板102aとメイン装飾物310とがパッキン110a〜110eを介して密着するため、ガラス板側挿通孔102cからの針金等の遊技領域7への侵入を困難とし、遊技盤6における不正行為を防止することができる。
また、このガラス扉枠102が閉位置となった状態では、ガラス板側装飾物320は、図10に示すように、メイン装飾物310の左上方に配置される。
また、図11に示すように、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、ガラス扉枠側装飾物330の一部が、パチンコ遊技機1の前方側からメイン装飾物310に形成された凹部314に配置される。このため、ガラス扉枠側装飾物330は、右辺部300cの前方側からパッキン110eの一部、メイン装飾物310の凹部314の前方側に亘って配置されることとなるため、ガラス板102aの周端縁部に取り付けられたパッキン110a〜110eのうち、該周端縁部の下部に取り付けられたパッキン110eの一部は、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、ガラス扉枠側装飾物330によってパチンコ遊技機1の前方側から隠蔽されるように覆われる(図7及び図10参照)。このため、ガラス扉枠側装飾物330は、第1始動入賞口(第1始動口)13aや第2始動入賞口(第2始動口)13b並びに大入賞口等が設けられた下方の遊技領域に臨むパッキン110eを覆い隠すようになるので、これらパッキン110eとメイン装飾物310との間からの針金等による遊技領域7への侵入を防ぐことが可能となっている。尚、本実施例では、ガラス扉枠側装飾物330が覆う部分をパッキン110eの一部のみとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パッキン110eの全体並びにパッキン110dの下方部分、つまり、パッキン110a〜110eのうち、遊技領域7の臨む部分全体をガラス扉枠側装飾物330が覆うようにしても良い。
尚、本実施例では、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、ガラス扉枠側装飾物330がメイン装飾物310と何ら連携することなく凹部314に配置されるようになっているが、本発明はこれに限定されず、凹部314とガラス扉枠側装飾物330の背面のいずれか一方側に凹部を形成するとともに他方側に該凹部に嵌合可能な突部を形成し、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、前記凹部と前記突部とが嵌合するようにしても良い。このようにガラス扉枠側装飾物330を前記凹部と前記突部との嵌合によりメイン装飾物310に取り付けることで、ガラス扉枠102が閉位置とないっている状態でのガラス扉枠側装飾物330の配置位置を固定し、より効果的にパッキン110aからの針金等の遊技領域7への侵入を防ぐことが可能となる。
尚、本実施例では、ガラス板102aとメイン装飾物310との間にパッキン110a〜110eが配設され、帯状第2突部313の前面313aとガラス扉枠102の右辺部300cの背面300’とが、帯状第2突部313の全長に亘って当接することで、ガラス板側挿通孔102cのみをメイン装飾物310により閉塞する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されず遊技盤側挿通孔6cもメイン装飾物310により閉塞するようにしても良い。このように遊技盤側挿通孔6cをメイン装飾物310によって閉塞する場合には、例えば、図14に示すように、メイン装飾物310を、フランジ311を備える背面側分割部310cと、帯状第1突部312及び帯状第2突部313を備える前方側分割部310dとから構成される分割構造とし、遊技盤側挿通孔6cを、遊技盤側挿通孔6cの周端縁と背面側分割部310cの外周面との間に空隙が生じないよう、背面側分割部310cの外周面と略同一形状に形成する。
そして、予めユニット板410に背面側分割部310cを取り付けておくことで、遊技盤6に変動表示制御ユニット400を組み付ける際に、背面側分割部310cを遊技盤側挿通孔6cに挿通させ、背面側分割部310cにより遊技盤側挿通孔6cを閉塞する。以降は、遊技盤側挿通孔6cを閉塞した背面側分割部310cに対して帯状第1突部312及び帯状第2突部313を備える前方側分割部310dを取り付け、前述したように、ガラス扉枠102を閉位置とすることでパッキン110a〜110eの嵌合凹部110’と帯状第1突部312の嵌合突部312aとを嵌合させるとともに、帯状第2突部313をベース枠102bの右辺部300cに当接させれば良い。
また、本実施例では、メイン装飾物310に形成された嵌合突部312aとパッキン110a〜110eに形成された嵌合凹部110”とを嵌合させることで、メイン装飾物310とガラス板102aとを嵌合していたが、本発明はこれに限定されず、図13(a)に示すように、帯状第1突部312を帯状第2突部313と同様に嵌合突部312aを有さない形状とし、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、パッキン110a〜110eの背面を帯状第1突部312の前面に当接させるとともに、ベース枠102bの右辺部300cの背面を帯状第2突部313の前面に当接させることで、メイン装飾物310全体をガラス板102a及び右辺部300cによって構成されているガラス板側挿通孔102cに嵌合するようにしてもよい。
また、図13(b)に示すように、帯状第1突部312の形状を、断面視L字状として、前方に開放する溝部312cを設けるとともに、パッキン110a〜110eに該溝部312cよりも幅狭な突部110eを設け、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、突部110eと溝部312cとを遊嵌するようにしても良い。尚、この場合においては、前述したように、突部110eが変形しないように、パッキン110a〜110eの材質を強度の高い樹脂や金属とするようにすれば良い。
更に、図13(c)に示すように、帯状第1突部312に嵌合突部312aを2条設けるとともに、パッキン110a〜110eに嵌合凹部110’を2条設け、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、ガラス板102aとメイン装飾物310とが2箇所において嵌合するようにし、より強力にガラス板側挿通孔102cからの針金等の侵入を困難とするようにしても良い。
以上、本実施例によれば、メイン装飾物310が遊技者側であるパチンコ遊技機1の前方側に突出しているため、メイン装飾物310の立体感を出し易くなるので、メイン装飾物310による装飾効果を向上できるとともに、メイン装飾物310に形成された嵌合突部312aとパッキン110a〜110eに形成された嵌合凹部110’とが嵌合しているので、ガラス板側挿通孔102cからの侵入による不正行為が実施されてしまうことを防止できる。
つまり、本実施例によれば、第1突部312に嵌合突部312aが形成されていることにより、パッキン110a〜110dとメイン装飾物310との間から針金等を侵入させようとしても、針金等の先端が該嵌合突部312aに引っかかることにより、その侵入を抑えることができるともに、これら嵌合突部312aがさらにパッキン110a〜110eに形成された嵌合凹部110’とが嵌合しているので、針金等の先端がこれら嵌合突部312aを乗り越えて遊技領域7に侵入されてしまうことを防止できるので、ガラス板側挿通孔102cからの侵入による不正行為が実施されてしまうことを防止できる。
また、本実施例によれば、ガラス板側挿通孔102cがメイン装飾物310により塞がれることにより、ガラス板側挿通孔102cからの侵入による不正行為の実施をさらに防止できる。
また、本実施例によれば、ガラス板102aにもガラス板側装飾物320が設けられているので、装飾効果をさらに向上することができる。
また、本実施例によれば、ガラス扉枠102にもガラス扉枠側装飾物330が設けられているので、装飾効果をさらに向上することができる。
また、本実施例によれば、ガラス扉枠側装飾物330がパッキン110eの一部を覆うように設けられているので、パッキン110eからの侵入による不正を防止できる。
また、本実施例によれば、遊技盤6にも、メイン装飾物310を挿通可能な遊技盤側挿通孔6cが形成されているので、遊技盤6の重量を低減できる。
また、本実施例によれば、役物挿通部が、切欠状ではなく開口である遊技盤側挿通孔6cとされているので、遊技盤側挿通孔6cの周囲の遊技盤6の強度を高めることができるので、これら遊技盤側挿通孔6cの周囲の遊技盤6を変形させて遊技盤側挿通孔6cから侵入することを防止できることかことから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技盤側挿通孔6cを、例えば、遊技盤側挿通孔6cの中央右側辺の幅狭分部を無くした切欠状としても良い。
また、本実施例によれば、遊技盤側挿通孔6cがメイン装飾物310により塞がれることにより、遊技盤側挿通孔6cからの侵入による不正行為の実施をさらに防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、メイン装飾物310をユニット板410に取り付け、ガラス扉枠102を閉位置に移動させることで、メイン装飾物310とガラス板102aとを嵌合させたが、本発明はこれに限定されず、例えば、メイン装飾物310をユニット板410の右側辺に対して揺動可能に取り付け、ガラス扉枠102を閉位置に向けて移動させるとともに、メイン装飾物310をガラス扉枠102に対向するようにユニット板410に向けて揺動させていき、最終的にガラス扉枠102を閉位置とするとともに、メイン装飾物310の背面をユニット板410に当接させることで、パッキン110a〜110eをガラス板102aとメイン装飾物310の双方から押圧することで、メイン装飾物310とガラス板102aとの嵌合を行うようにしても良い。
また、前記実施例では、帯状第1突部312に嵌合突部312aを形成し、パッキン110a〜110eに嵌合凹部110’を形成した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、帯状第1突部312に嵌合凹部を形成し、パッキン110a〜110eに嵌合突部を形成して、該嵌合凹部と嵌合突部を嵌合させるようにしても良い。
また、前記実施例では、ガラス板側装飾物320を、パッキン110aとメイン装飾物310との境界を覆わないように配置した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらガラス板側装飾物320を、ガラス扉枠側装飾物330と同様に、例えば、パッキン110aとメイン装飾物310との境界の少なくとも一部を遊技者から隠蔽するように覆うようにしてもよい。尚、これら境界を覆うようなガラス板側装飾物320を、パッキン110aだけではなく、パッキン110b〜eにも設けて、パッキン110a〜eとメイン装飾物310との境界全体を、ガラス扉枠側装飾物330にて覆うようにしても良い。
また、前記実施例では、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、ガラス扉枠側装飾物330によりパッキン110eの一部を遊技者から隠蔽するように覆っているが、本発明はこれに限定されず、例えば、ガラス板側装飾物320を、メイン装飾物310を挿通可能であり、且つパッキン110a〜110e全体をパチンコ遊技機1の前方側から覆うことが可能な枠状に形成することで、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、ガラス板側装飾物320によってパッキン110a〜110e全体をパチンコ遊技機1の前方側から隠蔽するように覆っても良い。
また、前記実施例では、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、帯状第2突部313の前面313aとベース枠102bの右辺部300cの背面300’とが当接する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されず、右辺部300cの背面の略全長に亘って嵌合凹部が形成されたパッキンを設け、帯状第2突部313に右辺部300cの背面に取り付けられたパッキンの嵌合凹部に嵌合可能な嵌合突部を形成することで、ガラス扉枠102を閉位置とすることで、前記嵌合凹部と前記嵌合突部とが嵌合するようにしてもよい。このようにすることで、メイン装飾物310は、ガラス扉枠102を閉位置とすることでガラス板102aとガラス扉枠102の双方と嵌合することとなり、ガラス板側挿通孔102cをより良好に閉塞することができる。
また、前記実施例では、ガラス板側挿通孔102cを、ガラス板102aに形成された切欠と、ベース枠102bの右辺部300cとによって形成したが、本発明はこれに限定されず、ガラス板側挿通孔102cは、ガラス板102aに独立して貫通形成された孔であってもよい。
また前記実施例では、遊技盤6を貫通する遊技盤側挿通孔6cを形成し、遊技盤6と変動表示制御ユニット400が一体に組み付ける際に、ユニット板410に取り付けられたメイン装飾物310を遊技盤側挿通孔6cに挿通させ、該遊技盤側挿通孔6cに挿通させたメイン装飾物310をガラス板側挿通孔102cからガラス板102aよりもパチンコ遊技機1の前方側に向けて突出させたが、本発明はこれに限定されず、遊技盤6に遊技盤側挿通孔6cを形成せず、メイン装飾物310を遊技盤6に直接取り付けてガラス板102aよりもパチンコ遊技機1の前方側に向けて突出させるようにしても良い。
また前記実施例では、遊技盤6を貫通する遊技盤側挿通孔6cを前後方向に貫通する開口とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技盤側挿通孔6cを開口ではなく、有底の凹部として形成して遊技盤6の重量を低減するようにしても良い。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1におけるメイン装飾物310を、ガラス扉枠102が閉位置となることで、ガラス板102aよりも前方に向けて常に突出するように配置したが、本発明はこれに限定されず、例えば、メイン装飾物310をモータ駆動等により前後方向に移動可能な構成とし、演出表示装置9において表示される特定の演出時に一時的にガラス板102aよりも後方側(背面側)から前方に突出するようにしてもよく、また、ガラス板102aよりも前方に突出している状態からガラス板102aよりも後方側(背面側)に向けて引っ込むようにしても良い。
また、前記実施例では、ガラス板側装飾物320に加えてガラス扉枠側装飾物330を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガラス扉枠側装飾物330を設けないものであっても良い。
また、前記実施例では、メイン装飾物310がガラス板側挿通孔102cを塞ぐ形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、メイン装飾物310がガラス板側挿通孔102cを塞がないもの、つまり、メイン装飾物310がガラス板側挿通孔102cの大きさよりも小さいものであっても良い。
また、前記実施例では、ガラス板側挿通孔102cのみをメイン装飾物310が塞ぐ形態(図9)や、ガラス板側挿通孔102cと遊技盤側挿通孔6cの双方をメイン装飾物310が塞ぐ形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前述したように、ガラス板側装飾物320やガラス扉枠側装飾物330がメイン装飾物310とパッキン110a〜110eの境界を覆うようにする場合にあっては、遊技盤側挿通孔6cのみをメイン装飾物310が塞ぐ形態とし、ガラス板側挿通孔102cを塞がない構成とすることで、ガラス扉枠102を閉状態にするために必要とされる力を低減できるようにしても良い。
また、前記実施例では、遊技盤側挿通孔6cを開口とした形態を例示していが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら遊技盤側挿通孔6cを、ガラス板102aと同様に切り欠きと状としても良い。
また、前記実施例では、ガラス扉枠102が閉じた状態のときに、嵌合突部312aと嵌合凹部110’とが嵌合する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガラス扉枠102とメイン装飾物310とが嵌合しないものであっても良い。
また、本実施例では、切欠に形成されたガラス板102aの右部の周端縁部に嵌合凹部110’を有するパッキン110a〜110eを取り付ける形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、嵌合突部312aを弾性部材にて形成するとともに、ガラス板102aの背面に、腐食剤等により嵌合凹部を形成し、該ガラス板102aの嵌合凹部と嵌合突部312aとが嵌合するようにしても良い。
また、本実施例では、ガラス板側挿通孔102cや遊技盤側挿通孔6cを1つのみとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらガラス板側挿通孔102cや遊技盤側挿通孔6cを複数としても良い。