JP6244993B2 - 拗促音判定装置、拗促音判定方法及び拗促音判定用コンピュータプログラム - Google Patents
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Description
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
発明者は、拗音化または促音化される音は、特定の音の並びに含まれるとともに、その音に対応する漢字の読みにおける位置に関して特定の条件を満たすことに着目した。そこでこの拗促音判定装置は、拗音及び促音が直音と区別されることなく表された語句の読みを表す読みデータを取得する。そしてこの拗促音判定装置は、着目する語句の読みに含まれる、拗音または促音となり得る音のうち、拗音または促音を含む可能性がある特定の音の並びに含まれるとともに、対応する漢字の読みにおける位置に関する条件を満たすものを、拗音化または促音化する。
また、取得される読みデータでは、拗音及び促音は、直音と区別されずに表記されるものとする。例えば、取得される読みデータでは、拗音及び促音は小文字の仮名で表記されず、直音と同様に大文字の仮名で表記される。
また、表記データ及び読みデータは、どのようなファイル形式で表されていてもよく、例えば、表記データ及び読みデータはテキストファイルで表される。
処理部5が有するこれらの各部は、例えば、処理部5が有するプロセッサ上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、処理部5が有するこれらの各部は、その各部の機能を実現する一つの集積回路として辞書登録装置1に実装されてもよい。
一方、読み「イヤク」には、拗音となり得る音「ヤ」が含まれている。しかし、「ヤ」の直前の音「イ」は、リスト310に含まれていない。そのため、拗促音候補抽出部12は、読み「イヤク」に含まれる音「ヤ」を拗音候補にしない。
一方、読み「フツウ」には、促音となり得る音「ツ」が含まれている。しかし、「ツ」の直後の音「ウ」は、リスト420に含まれていない。そのため、拗促音候補抽出部12は、読み「フツウ」に含まれる音「ツ」を促音候補にしない。
さらに、対応付け部13は、漢字の読み候補に含まれる拗音または促音については、直音と一致するとみなして、語句の読みと漢字の読み候補を比較する。例えば、漢字の読みの候補において拗音及び促音が小文字で表記され、直音が大文字で表記されている場合、対応付け部13は、語句の読みと漢字の読み候補とを小文字と大文字を区別せずに比較する。このような置換などを行うことにより、対応付け部13は、語句の中で用いられることにより読みが変化した漢字についても、語句の読みとその漢字の読みとを対応付けることができる。そのため、対応付け部13は、語句の読みのうち、その語句に含まれる各漢字に対応する部分を正確に決定できる。
あるいは、対応付け部13は、対象語句に含まれる各漢字の読みの候補の組み合わせのそれぞれと、その語句の読みとを、動的計画法(Dynamic Programming, DP)マッチングにより対応付けることで、最も一致する組み合わせを特定してもよい。そして対応付け部13は、その組み合わせにおいて各漢字の読みの候補と対応付けられた、対象語句の読みの部分を、その漢字に対応する読みとしてもよい。
なお、共起確率データベースは、二つの漢字の組み合わせの共起確率を示すものに限られず、一方または両方が2以上の漢字を含む語句の組み合わせの共起確率を示していてもよい。
一方、拗音候補が、対応する漢字の読みにおける先頭に位置するか、あるいは、対応する漢字の読みが訓読みであれば(ステップS105−No)、判定部14は、拗音候補は拗音でないと判定する。
一方、促音候補が、対応する漢字の読みの末尾以外に位置するか、単語境界に接しているか、あるいは、対応する漢字の読みが訓読みであれば(ステップS107−No)、判定部14は、促音候補は促音でないと判定する。
なお、処理部5は、ステップS101の処理と、ステップS102及びS103の処理の順序を入れ替えてもよい。また処理部5は、ステップS105及びS106の処理と、ステップS107及びS108の処理の順序を入れ替えてもよい。
CoP = 2N12/(N1+N2)
ここで、N1は、共起確率の算出対象の漢字の組み合わせに含まれる先頭の漢字の個数を表し、N2は、共起確率の算出対象の漢字の組み合わせに含まれる後続の漢字の個数を表す。そしてN12は、その漢字の組み合わせの個数を表す。
例えば、共起確率算出対象となる漢字の組み合わせが「滅菌」であり、検索用コーパスに、その組み合わせ「滅菌」が3個ふくまれており、個々の漢字「滅」及び「菌」がそれぞれ4個含まれているとする。この場合、共起確率Copは、2*3/(4+4)=0.75となる。
また、共起確率算出部16は、別の共起確率の算出方法として、Web検索サービスの検索件数を利用して共起確率を算出してもよい。Web検索サービスを用いる場合、共起確率算出部16は、次式で共起確率CoPを算出する。
CoP=(単語の組み合わせの検索件数)/(単語1と単語2のand条件での検索件数)
例えば、Web検索サービスで「滅菌」と検索した場合と、「滅 and 菌」で検索した場合の検索結果が、それぞれ1,270,000件、1,750,000件であるとすると、共起確率CoPは、1,270,000/1,750,000 = 0.72となる。
また、共起確率算出部16は、共起確率データベースに、その算出対象となった漢字の組み合わせ及び共起確率を追加してもよい。
例えば、「勝平(カッペイ)」といった人名、または「鳥取(トットリ)」といった地名のように、固有名詞では、漢字の読みが訓読みであっても、その読みの中に促音が含まれることがある。そこでこのような例外的な漢字の組み合わせを例外リストとして予め登録しておくことで、判定部14は、より正確に促音候補を促音か否か判定できる。
(付記1)
少なくとも一つの漢字を含む語句の表記を表す表記データ及び当該語句の読みを拗音及び促音と直音とを区別せずに表す読みデータを取得する取得部と、
複数の漢字のそれぞれの読み及び当該読みが音読みか訓読みかを表す音訓種別が登録された単漢字辞書を記憶する記憶部と、
前記単漢字辞書を参照して、前記表記データに表された前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれの読みの候補を検出する読み候補検出部と、
前記読みデータに表された前記語句の読みに含まれる、促音または拗音となり得る音のうち、促音または拗音が含まれる可能性がある音の並びに含まれる音を拗促音候補として抽出する拗促音候補抽出部と、
前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれについて、当該漢字の読みの候補のうち、前記語句の読みと最も一致する候補を特定し、該特定された候補に対応する前記語句の読みの部分を、当該漢字の読みとする対応付け部と、
前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のうちの前記拗促音候補と対応する第1の漢字の読みにおける前記拗促音候補の位置、及び、前記第1の漢字の前記読みの音訓種別に応じて前記拗促音候補を拗音及び促音の何れかか否か判定する判定部と、
を有する拗促音判定装置。
(付記2)
前記判定部は、前記拗促音候補が、促音となり得る音であり、前記第1の漢字の前記読みの末尾に位置し、かつ、互いに独立して用いられる単語間の境界と接しておらず、かつ、前記第1の漢字の前記読みが音読みである場合、前記拗促音候補を促音とする、付記1に記載の拗促音判定装置。
(付記3)
前記判定部は、前記第1の漢字と当該第1の漢字に後続する第2の漢字とが組み合わせて使用される共起確率が所定の閾値未満である場合、前記第1の漢字と前記第2の漢字の境界は前記単語間の境界であると判定する、付記2に記載の拗促音判定装置。
(付記4)
前記判定部は、前記拗促音候補が、拗音となり得る音であり、かつ、前記第1の漢字の読みの先頭以外に位置し、かつ、前記第1の漢字の前記読みが音読みである場合、前記拗促音候補を拗音とする、付記1〜3の何れか一項に記載の拗促音判定装置。
(付記5)
前記対応付け部は、前記拗促音候補のうち、促音となり得る音を、促音に置換される可能性がある音に置換して、前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれについて、当該漢字の読みの候補のうち、前記語句の読みと最も一致する候補を特定する、付記1〜4の何れか一項に記載の拗促音判定装置。
(付記6)
前記対応付け部は、前記漢字の読みの候補に含まれる拗音及び促音が、当該拗音及び促音を直音化した音と一致するとみなして、前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれについて、当該漢字の読みの候補のうち、前記語句の読みと最も一致する候補を特定する、付記1〜5の何れか一項に記載の拗促音判定装置。
(付記7)
前記表記データと、促音または拗音と判定された前記拗促音候補を促音または拗音を表す表記に修正した前記読みデータとを、語句の表記と読みの関係を表す辞書に登録する登録部をさらに有する、付記1〜6の何れか一項に記載の拗促音判定装置。
(付記8)
複数の漢字のそれぞれの読み及び当該読みが音読みか訓読みかを表す音訓種別が登録された単漢字辞書を参照して、少なくとも一つの漢字を含む語句の表記を表す表記データに表された前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれの読みの候補を検出し、
拗音及び促音と直音とを区別せずに表す読みデータに表された前記語句の読みに含まれる、促音または拗音となり得る音のうち、促音または拗音が含まれる可能性がある音の並びに含まれる音を拗促音候補として抽出し、
前記読みデータに表された前記語句の読みに含まれる、促音または拗音となり得る音のうち、促音または拗音が含まれる可能性がある音の並びに含まれる音を拗促音候補として抽出し、
前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれについて、当該漢字の読みの候補のうち、前記語句の読みと最も一致する候補を特定し、該特定された候補に対応する前記語句の読みの部分を、当該漢字の読みとし、
前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のうちの前記拗促音候補と対応する第1の漢字の読みにおける前記拗促音候補の位置、及び、前記第1の漢字の前記読みの音訓種別に応じて前記拗促音候補を拗音及び促音の何れかか否か判定する、
ことを含む拗促音判定方法。
(付記9)
複数の漢字のそれぞれの読み及び当該読みが音読みか訓読みかを表す音訓種別が登録された単漢字辞書を参照して、少なくとも一つの漢字を含む語句の表記を表す表記データに表された前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれの読みの候補を検出し、
拗音及び促音と直音とを区別せずに表す読みデータに表された前記語句の読みに含まれる、促音または拗音となり得る音のうち、促音または拗音が含まれる可能性がある音の並びに含まれる音を拗促音候補として抽出し、
前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれについて、当該漢字の読みの候補のうち、前記語句の読みと最も一致する候補を特定し、該特定された候補に対応する前記語句の読みの部分を、当該漢字の読みとし、
前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のうちの前記拗促音候補と対応する第1の漢字の読みにおける前記拗促音候補の位置、及び、前記第1の漢字の前記読みの音訓種別に応じて前記拗促音候補を拗音及び促音の何れかか否か判定する、
ことをコンピュータに実行させるための拗促音判定用コンピュータプログラム。
2 通信部
3 記憶部
4 表示部
5 処理部
11 読み候補検出部
12 拗促音候補抽出部
13 対応付け部
14 判定部
15 登録部
16 共起確率算出部
Claims (7)
- 少なくとも一つの漢字を含む語句の表記を表す表記データ及び当該語句の読みを拗音及び促音と直音とを区別せずに表す読みデータを取得する取得部と、
複数の漢字のそれぞれの読み及び当該読みが音読みか訓読みかを表す音訓種別が登録された単漢字辞書を記憶する記憶部と、
前記単漢字辞書を参照して、前記表記データに表された前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれの読みの候補を検出する読み候補検出部と、
前記読みデータに表された前記語句の読みに含まれる、促音または拗音となり得る音のうち、促音または拗音が含まれる可能性がある音の並びに含まれる音を拗促音候補として抽出する拗促音候補抽出部と、
前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれについて、当該漢字の読みの候補のうち、前記語句の読みと最も一致する候補を特定し、該特定された候補に対応する前記語句の読みの部分を、当該漢字の読みとする対応付け部と、
前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のうちの前記拗促音候補と対応する第1の漢字の読みにおける前記拗促音候補の位置、及び、前記第1の漢字の前記読みの音訓種別に応じて前記拗促音候補を拗音及び促音の何れかか否か判定する判定部と、
を有し、
前記判定部は、前記拗促音候補が促音となり得る音である場合、前記第1の漢字と前記第1の漢字に後続する漢字の組み合わせに対して、互いに独立して用いられる単語間の境界を検出する所定の手法を適用することで、前記第1の漢字と前記第1の漢字に後続する漢字との間が前記境界であるか否か判定し、前記第1の漢字の前記読みにおける前記拗促音候補の位置、前記拗促音候補が前記境界と接しているか否か、及び、前記第1の漢字の前記読みの音訓種別に応じて、前記拗促音候補が促音か否かを判定する拗促音判定装置。 - 前記判定部は、前記拗促音候補が、促音となり得る音であり、前記第1の漢字の前記読みの末尾に位置し、かつ、前記境界と接しておらず、かつ、前記第1の漢字の前記読みが音読みである場合、前記拗促音候補を促音とする、請求項1に記載の拗促音判定装置。
- 前記判定部は、前記拗促音候補が、拗音となり得る音であり、かつ、前記第1の漢字の読みの先頭以外に位置し、かつ、前記第1の漢字の前記読みが音読みである場合、前記拗促音候補を拗音とする、請求項1または2に記載の拗促音判定装置。
- 前記対応付け部は、前記拗促音候補のうち、促音となり得る音を、促音に置換される可能性がある音に置換して、前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれについて、当該漢字の読みの候補のうち、前記語句の読みと最も一致する候補を特定する、請求項1〜3の何れか一項に記載の拗促音判定装置。
- 前記対応付け部は、前記漢字の読みの候補に含まれる拗音及び促音が、当該拗音及び促音を直音化した音と一致するとみなして、前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれについて、当該漢字の読みの候補のうち、前記語句の読みと最も一致する候補を特定する、請求項1〜4の何れか一項に記載の拗促音判定装置。
- コンピュータが、複数の漢字のそれぞれの読み及び当該読みが音読みか訓読みかを表す音訓種別が登録された単漢字辞書を参照して、少なくとも一つの漢字を含む語句の表記を表す表記データに表された前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれの読みの候補を検出し、
前記コンピュータが、拗音及び促音と直音とを区別せずに表す読みデータに表された前記語句の読みに含まれる、促音または拗音となり得る音のうち、促音または拗音が含まれる可能性がある音の並びに含まれる音を拗促音候補として抽出し、
前記コンピュータが、前記読みデータに表された前記語句の読みに含まれる、促音または拗音となり得る音のうち、促音または拗音が含まれる可能性がある音の並びに含まれる音を拗促音候補として抽出し、
前記コンピュータが、前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれについて、当該漢字の読みの候補のうち、前記語句の読みと最も一致する候補を特定し、該特定された候補に対応する前記語句の読みの部分を、当該漢字の読みとし、
前記コンピュータが、前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のうちの前記拗促音候補と対応する第1の漢字の読みにおける前記拗促音候補の位置、及び、前記第1の漢字の前記読みの音訓種別に応じて前記拗促音候補を拗音及び促音の何れかか否か判定する、
ことを含み、
前記拗促音候補を拗音及び促音の何れかか否か判定することは、前記拗促音候補が促音となり得る音である場合、前記第1の漢字と前記第1の漢字に後続する漢字の組み合わせに対して、互いに独立して用いられる単語間の境界を検出する所定の手法を適用することで、前記第1の漢字と前記第1の漢字に後続する漢字との間が前記境界であるか否か判定し、前記第1の漢字の前記読みにおける前記拗促音候補の位置、前記拗促音候補が前記境界と接しているか否か、及び、前記第1の漢字の前記読みの音訓種別に応じて、前記拗促音候補が促音か否かを判定する
ことを含む拗促音判定方法。 - 複数の漢字のそれぞれの読み及び当該読みが音読みか訓読みかを表す音訓種別が登録された単漢字辞書を参照して、少なくとも一つの漢字を含む語句の表記を表す表記データに表された前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれの読みの候補を検出し、
拗音及び促音と直音とを区別せずに表す読みデータに表された前記語句の読みに含まれる、促音または拗音となり得る音のうち、促音または拗音が含まれる可能性がある音の並びに含まれる音を拗促音候補として抽出し、
前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のそれぞれについて、当該漢字の読みの候補のうち、前記語句の読みと最も一致する候補を特定し、該特定された候補に対応する前記語句の読みの部分を、当該漢字の読みとし、
前記語句に含まれる前記少なくとも一つの漢字のうちの前記拗促音候補と対応する第1の漢字の読みにおける前記拗促音候補の位置、及び、前記第1の漢字の前記読みの音訓種別に応じて前記拗促音候補を拗音及び促音の何れかか否か判定する、
ことをコンピュータに実行させ、
前記拗促音候補を拗音及び促音の何れかか否か判定することは、前記拗促音候補が促音となり得る音である場合、前記第1の漢字と前記第1の漢字に後続する漢字の組み合わせに対して、互いに独立して用いられる単語間の境界を検出する所定の手法を適用することで、前記第1の漢字と前記第1の漢字に後続する漢字との間が前記境界であるか否か判定し、前記第1の漢字の前記読みにおける前記拗促音候補の位置、前記拗促音候補が前記境界と接しているか否か、及び、前記第1の漢字の前記読みの音訓種別に応じて、前記拗促音候補が促音か否かを判定する
ことを含む拗促音判定用コンピュータプログラム。
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