JP6244933B2 - 潤滑剤組成物 - Google Patents

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本発明は潤滑剤組成物に関し、詳しくは環境中に放出する腐食性ガスの量を低減させ、環境中への放出を低減させることができるグリースとして好適な潤滑剤組成物に関する。
フッ素系潤滑剤は、自動車、電気機器、建設機械、情報機器、産業機械、工作機械等の各種機械及びそれらを構成する各部品の潤滑に広く使われている。
近年、機械部品の小型化、高性能化、高密度化、軽量化に伴い、潤滑剤が使用される環境温度はますます上昇する傾向にある。
高温環境下においても、有害化学物質、騒音やエネルギー消費等の環境に及ぼす負荷が少ないことが求められており、消費者、使用事業者などの立場での安全確保が検討されている。
特にヒータ等の熱源近傍は、他の箇所と比較して高温になりやすく、仮に短時間でも過昇温となり高温下にさらされても周辺部材から放出される有害ガスを低減させる努力が求められる。
パーフルオロポリエーテル油は、低揮発性であり、熱安定性、酸化安定性、耐放射線性、耐薬品性、耐溶剤性等に優れることから、高温環境下での潤滑油又はグリース基油として用いられている。
高温下で使われるパーフルオロポリエーテル油においても、400℃を超えるといった環境下では、パーフルオロポリエーテル油の分解が次第に始まり、腐食性のガスを発生させてしまう。
このような問題を解決するために、通常、パーフルオロポリエーテル油の分解を抑える目的で、含フッ素アルコールや含フッ素ジアミド化合物といった添加剤を用いる手法により、パーフルオロポリエーテル油の安定性を向上させている。
確かにこれらの手法でパーフルオロポリエーテル油の安定性を向上させることができるが、近年の高まる要求には満足できなくなっている。
特許文献1には、ピリジン環を有する化合物が開示され、ペルフルオロポリエーテル基剤の安定性に良好な性能を示している。しかし、相間移動触媒とピリジン誘導体と対応する含フッ素アルコールを得る製造方法では、通常、対応する酸フロライドのエステル化、及び還元反応が必要であり、多工程であることが示唆される(特許文献2)。
特許文献3にも同様にパーフルオロポリエーテル油の安定化を目的とした含フッ素ジアミド化合物が開示されている。確かに安定化向上に寄与することができるが、近年の高まる市場要求には満足できなくなってきているのが実情である。
かかる背景下で、高まる市場要求の中でも、環境中に放出する腐食性ガスの量を低減させ、環境中への放出を低減させる要請は高い。
特開2004−346318号公報 米国特許第3,810,874号公報 特開2009−185099号公報
そこで、本発明の課題は、環境中に放出する腐食性ガスの量を低減させ、環境中への放出を低減させることができる潤滑剤組成物を提供することにある。
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかになる。
上記課題は以下の各発明によって解決される。
1.
比表面積が1.0〜20.0m/gの2価の金属化合物及びパーフルオロポリエーテル油を含み、前記金属化合物を重量%以上10重量%以下配合してなる潤滑剤組成物。
2.
前記金属化合物の比表面積が、1.0〜11.0m/gである前記1記載の潤滑剤組成物。
3.
前記金属化合物が、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化亜鉛または酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種である前記1又は2記載の潤滑剤組成物。
4.
前記パーフルオロポリエーテル油が、F(CFCFCFO)2〜100CFCF構造を有する前記1〜3の何れかに記載の潤滑剤組成物。
本発明によれば、環境中に放出する腐食性ガスの量を低減させ、環境中への放出を低減させることができる潤滑剤組成物を提供することができる。
酸化カルシウム比表面積とフッ素(F)イオン濃度の関係を示すグラフ 酸化カルシウム配合率とフッ素(F)イオン濃度の関係を示すグラフ 酸化カルシウムの配合率と30分間の摩擦係数の関係を示すグラフ
本発明の潤滑剤組成物は、比表面積が1.0〜20.0m/gの2価の金属化合物及びパーフルオロポリエーテル油(基油)を含む。
本発明の潤滑剤組成物は、フッ素オイルとして使用してもよいし、グリースとしても使用できる。グリースとして使用する場合、増ちょう剤を配合する。
本発明において、好ましいのは、グリースとして使用する態様である。
本発明において使用するパーフルオロポリエーテル油としては、具体的には一般式(I)〜(IV)で示されるものが用いられる。
一般式(I)
RfO[CF(CF)CFO]Rf
式中、Rfはパーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基などの炭素数1〜5のパーフルオロ低酸アルキル基を表す。iは2〜200の整数である。
一般式(I)で示されるパーフルオロポリエーテル油は、ヘキサフルオロプロピレンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にフッ素化することにより、あるいはフッ化セシウム触媒下にヘキサフルオロプロピレンをアニオン重合させ、得られた末端CF(CF)COF基を有する酸フロライド化合物をフッ素ガスで処理することによって得られる。
一般式(II)
RfO[CF(CF)CFO](CFO)Rf
上記式中、Rfは前記定義と同じであり、l+m=3〜200であり、l:m=10:90〜90:10でランダムに結合している。
一般式(II)で示されるパーフルオロポリエーテル油は、ヘキサフルオロプロペンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にフッ素化することにより得られる。
一般式(III)
RfO(CFCFO)(CFO)Rf
上記式中、Rfは前記定義と同じであり、j+k=3〜200であり、j:k=10:90〜90:10でランダムに結合している。
一般式(III)で示されるパーフルオロポリエーテル油は、テトラフルオロエチレンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にフッ素化することにより得られる。
一般式(IV)
F(CFCFCFO)CFCF
式中、iは2〜200の整数である。
一般式(IV)で示されるパーフルオロポリエーテル油は、フッ化セシウム触媒の存在下に2,2,3,3−テトラフルオロオキセタンをアニオン重合させ、得られた含フッ素ポリエーテル(CFCFCFO)を160〜300℃の紫外線照射下のもとフッ素ガス処理することにより得られる。
本発明において、好ましいパーフルオロポリエーテル油は、一般式(I)、(II)または(IV)の構造を有するものであり、さらに好適には、一般式(IV)で示される構造のものである。
なお、一般式(III)で示される構造のものも使用できるが、一般式(I)、(II)、(IV)で示される構造のものと比べると、高温下での安定性が劣るため、高温条件下では、一般式(I)、(II)、(IV)で示される構造のものが望ましい。さらに好適には一般式(IV)で示される構造のものが望ましい。
本発明において、パーフルオロポリエーテル基油は、単独で、あるいは混合しても用いることができる。
グリースとして用いる場合には、動粘度(40℃)が約5〜2000mm/s、好ましくは約100〜1500mm/sであり、さらに好適には150〜500mm/sであることが望ましい。ここで動粘度の測定方法は、JIS K−2283(2000)準拠による(キャノン−フェンスケ粘度計)。
5mm/s未満のものは蒸発量が多く、耐熱用のグリースの規則であるJIS転がり軸受用グリース3種で規定されている蒸発量(1.5%以下)という条件を満たさなくなる。一方、2000mm/sを超えるものは、流動点(JIS K−2283)が高くなり、通常の方法では低温起動時にベアリングが回転せず、それを使用可能とするには加熱する必要があり、一般的なグリースとしては使用適格を欠くようになる。
本発明において用いることができる2価の金属酸化物としては、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カドミウム、炭酸カドミウム、酸化銅、酸化銀、酸化ニッケル、酸化コバルト等が挙げられる。
これらの金属酸化物の中でも、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化亜鉛または酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種を好ましく例示できる。
上記金属酸化物の比表面積(BET測定)は、1.0〜20.0m/gの範囲であり、さらに好適には1.0〜17.0m/g、さらに好適には1.0〜11.0m/gのものが用いられる。
比表面積(BET測定)が1.0m/g未満では粒子が大きく、摺動部間に入り込んできたときに摩擦係数を上げてしまう原因になる。また20.0m/gを超えると、粒子の凝集により、同様に摩擦係数を上げる原因となる。
実験により、1.0〜20.0m/gの範囲でフッ素イオンの吸収量が高く、1.0〜17.0m/gの範囲でフッ素イオンの吸収量がより高く、1.0〜11.0m/gの範囲でフッ素イオンの吸収量が特に高いことがわかっている。
前述の2価の金属化合物は、潤滑剤組成物全体に対して、3重量%以上10重量%以下の割合で配合され、好ましくは5重量%以上10重量%以下の割合で添加混合される。10重量%を超えて添加すると、HFガス低減の向上が見られず、かえって摩擦係数を悪化させる傾向がみられる。一方、3重量%未満の添加割合では、十分なHFガス低減効果が十分期待されない。
本発明において用いることができる増ちょう剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン共重合体(FEP)、パーフルオロアルキレン樹脂などのフッ素樹脂や、フッ化カーボン、黒鉛、カーボン、二硫化モリブデン、メラミンシアヌレート(MCA),合成雲母、窒化硼素(BN)等が挙げられ、中でも好適にはフッ素樹脂が挙げられ、さらに好適にはPTFEが選択される。
これらの増ちょう剤の中で、フッ素樹脂の場合には以下の方で合成できるか、あるいは公知の手法で合成でき、それ以外の増ちょう剤は市販品からも入手可能である。
参考までに、フッ素樹脂の中でもPTFEの合成法を示す。テトラフルオロエチレンの乳化重合、懸濁重合、溶液重合などの方法によって、数平均分子量Mnを約1,000〜1,000,000程度としたポリテトラフルオロエチレンを製造し、それを熱分解、電子線照射分解、物理的粉砕などの方法によって処理し、数平均分子量Mnを約1,000〜500,000程度としたPTFEが得られる。
また、FEPを製造する際の、テトラフルオロエチレンとへキサフルオロプロペンとの共重合反応および低分子量化処理も、ポリテトラフルオロエチレンの場合と同様にして行われ、数平均分子量を約1,000〜600,000程度としたものが用いられる。なお、分子量の制御は、共重合反応時に連鎖移動剤を用いて行うことができる。
得られた粉末状のフッ素樹脂は、一般に約500μm以下であり、好ましくは平均一次粒径0.01〜50μmの微粒子であり、より好ましくは0.1〜30μmの平均一次粒径を有する。本明細書において、「平均一次粒径」における平均粒径は、電子顕微鏡で観察される粒子(100個以上)の一次粒径の算術平均である。一次粒径は、凝集していない最小単位の形でのポリテトラフルオロエチレン等の粒子の粒径であり、個々の粒子における直径の相対する2点間で測定可能な最大粒径を意味する。
本発明の潤滑剤組成物中には、本発明の目的が損なわれない範囲で、さらに、酸化防止剤、防錆剤、腐食防止剤、極圧剤、油性剤などを必要に応じて添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、アルキルジフェニルアミン(アルキル基は炭素数4〜20のもの)、トリフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェノチアジン、アルキル化−α−ナフチルアミン、フェニチアジン、アルキル化フェニチアジン等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば脂肪酸、脂肪酸アミン、アルキルスルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸アミン塩、酸化パラフィン、ポリオキシアルキルエーテル等が挙げられる。
腐食防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、チアジアゾール等が挙げられる。
極圧剤としては、例えばリン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩等のリン系化合物、スルフィド類、ジスルフィド類等の硫黄化合物、ジアルキルジチオリン酸金属塩、ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩等が挙げられる。
油性剤としては、例えば脂肪酸またはそのエステル、高級アルコール、多価アルコールまたはそのエステル、脂肪族アミン、脂肪族モノグリセライド等が挙げられる。
本発明における潤滑剤組成物(グリース)の製法としては、たとえば、以下の方法が挙げられる。すなわち、パーフルオロポリエーテルに増ちょう剤(PTFE)及び比表面積が1.0〜20.0m/gの2価の金属化合物を所定量配合させ、3本ロール若しくは高圧ホモジナイザーで十分に混錬することにより得られる。
従来のフッ素グリースは基油に、フッ素オイル、増ちょう剤にフッ素樹脂を使用し、少量の添加剤で構成されている。本発明では、添加剤に比表面積が1.0〜20.0m/gの2価の金属化合物を選択することで、フッ素系潤滑剤から発生するHFガス低減に関する問題を解決できた。特に表面積を1.0〜11.0m/gの範囲の2価の金属化合物を選択すると効果的であることがわかった。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
1.フッ素(F)イオン濃度の発生を抑制する効果確認試験
比較例1
<潤滑グリース組成物の製造>
一般式(IV)で示されるF(CFCFCFO)2〜100CFCF構造を有する基油(40℃動粘度:200mm/s)(ダイキン工業株式会社製「デムナムS−200」)に、平均一次粒子径0.1〜0.3μmのフッ素樹脂PTFE粉末(ダイキン工業株式会社製「ルブロンL−2」)(増ちょう剤)を表1に示す量配合させ、高圧ホモジナイザーで十分に混錬して、潤滑グリース組成物を得た。
<試験方法>
この潤滑グリース組成物を試料とし、その試料を試料ボートに秤取し、460℃に加熱した石英管内で、5分間加熱した。発生したガスを吸収液(超純水)に吸収させ、イオンクロマトグラフ法により、フッ素(F)イオン濃度を定量した。濃度は潤滑グリース組成物に対する濃度に換算した。その結果を表1に示す。
比較例2
<潤滑グリース組成物の製造>
比較例1において、比較例1に示す配合処方に、下記添加剤1を加え、基油、増ちょう剤、添加剤1の配合量を表1に示すようにした以外は、比較例1と同様にして潤滑グリース組成物を得た。
(添加剤1)
和光純薬工業社製の酸化カルシウム(市販品)を粉砕し、比表面積(BET測定)を6.1m/gに調製した。
<試験方法>
比較例1と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例1
<潤滑グリース組成物の製造>
比較例2において、基油、増ちょう剤、添加剤1の配合量を表1に示す配合量に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
<試験方法>
比較例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例2
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例1において、基油、増ちょう剤、添加剤1の配合量を表1に示す配合量に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
<試験方法>
実施例1と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例3
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例1において、基油、増ちょう剤、添加剤1の配合量を表1に示す配合量に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
<試験方法>
実施例1と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例4
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例2において、添加剤1を下記添加剤2に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
(添加剤2)
酸化亜鉛:ハクスイテック社製「Zincox super F−1」、比表面積(BET測定)10.0m/g
<試験方法>
実施例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例5
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例2において、添加剤1を下記添加剤3に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
(添加剤3)
酸化マグネシウム:神島化学工業社製「スターマグPSF」、比表面積(BET測定)10.1m/g
<試験方法>
実施例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例6
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例2において、添加剤1を下記添加剤4に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
(添加剤4)
水酸化カルシウム:井上石灰工業社製「NICC」、比表面積(BET測定)10.2m/g
<試験方法>
実施例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例7
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例2において、添加剤1を下記添加剤5に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
(添加剤5)
和光純薬工業社製の酸化カルシウム(市販品)を粉砕し、比表面積(BET測定)を0.3m/gに調製した。
<試験方法>
実施例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例8
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例2において、添加剤1を下記添加剤6に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
(添加剤6)
和光純薬工業社製の酸化カルシウム(市販品)を粉砕し、比表面積(BET測定)を1.1m/gに調製した。
<試験方法>
実施例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例9
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例2において、添加剤1を下記添加剤7に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
(添加剤7)
和光純薬工業社製の酸化カルシウム(市販品)を粉砕し、比表面積(BET測定)を10.3m/gに調製した。
<試験方法>
実施例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例10
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例2において、添加剤1を下記添加剤8に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
(添加剤8)
和光純薬工業社製の酸化カルシウム(市販品)を粉砕し、比表面積(BET測定)を17.0m/gに調製した。
<試験方法>
実施例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
比較例3
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例2において、添加剤1を下記添加剤9に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
(添加剤9)
和光純薬工業社製の酸化カルシウム(市販品)を粉砕し、比表面積(BET測定)を20.2m/gに調製した。
<試験方法>
実施例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
比較例4
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例2において、添加剤1を下記添加剤10に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
(添加剤10)
和光純薬工業社製の酸化カルシウム(市販品)を粉砕し、比表面積(BET測定)を25.0m/gに調製した。
<試験方法>
実施例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
実施例11
<潤滑グリース組成物の製造>
実施例2において、基油を一般式(I)で示されるRfO[CF(CF)CFO]2〜100Rf(ただし、Rfはパーフルオロメチル基)構造を有する基油(40℃動粘度:400mm/s)(NOKクリューバー株式会社製「BARRIERTA J400 FLUID」)に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
<試験方法>
実施例2と同様にフッ素(F)イオン濃度を定量した。その結果を表1に示す。
Figure 0006244933
2.酸化カルシウム比表面積とフッ素(F)イオン濃度の関係の確認試験
2価の金属化合物として酸化カルシウムを潤滑剤組成物中に5重量%配合した場合における、フッ素(F)イオン濃度の発生を抑制する効果確認試験
添加剤として、酸化カルシウムを5重量%配合した実験は、実施例2、7〜10、比較例3、4(7点)で実施されている。
かかる実験結果に基づき、酸化カルシウム比表面積とフッ素(F)イオン濃度の関係を示すグラフを図1に示す。
3.酸化カルシウム配合率とフッ素(F)イオン濃度の関係
2価の金属化合物である酸化カルシウムを、比表面積6.1m/gに調整したものを用い、潤滑剤組成物中における酸化カルシウムの配合率を変化させて、フッ素(F)イオン濃度の発生を抑制する効果を確認した。
比表面積6.1m/gの酸化カルシウムを配合した実験は、比較例1、2、実施例1、2、3(5点)で実施されている。
かかる実験結果に基づき、酸化カルシウム配合率とフッ素(F)イオン濃度の関係を示すグラフを図2に示す。
4.耐摩擦・摩耗試験の実施
以下のPin on Disk試験を行った。
<試験片>
上部試験片:シリンダー φ10×10mm(PTFE)
下部試験片:プレート(PI)
<試験条件>
温度 130℃
荷重 600gf
速度 360mm/s
試験時間 30分
<評価>
2価の金属化合物である酸化カルシウムを、比表面積6.1m/gに調整したものを用いた比較例2、実施例1、2、3、下記比較例5の試験片を用いて、潤滑剤組成物中における酸化カルシウムの配合率を変化させて、30分間の摩擦係数を求め、摩擦特性を調べた。その結果を表2及び図3に示した。
比較例5
比較例2において、基油、増ちょう剤、添加剤2の配合量を表2に示す配合量に代えた以外は、同様にして潤滑グリース組成物を得た。
Figure 0006244933

本発明は、ヒータ近傍で高温になる環境下で2面間が相対運動(往復動、揺動運動、一方向運動)する部品に適用できる。
例えば、パン焼き器、オーブン等のリニアガイド、転がり軸受、複写機、レーザービームプリンタ等の定着ロール、定着ベルト、転がり軸受、すべり軸受、ギヤ部、木材加工装置でのコンチプレス等での転がり軸受、すべり軸受、ピン、ギヤ等で使用される。

Claims (4)

  1. 比表面積が1.0〜20.0m/gの2価の金属化合物及びパーフルオロポリエーテル油を含み、前記金属化合物を重量%以上10重量%以下配合してなる潤滑剤組成物。
  2. 前記金属化合物の比表面積が、1.0〜11.0m/gである請求項1記載の潤滑剤組成物。
  3. 前記金属化合物が、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化亜鉛または酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の潤滑剤組成物。
  4. 前記パーフルオロポリエーテル油が、F(CFCFCFO)2〜100CF
    構造を有する請求項1〜3の何れかに記載の潤滑剤組成物。
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