以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本実施形態に係る状態管理方法
2.本実施形態に係る通信
3.本実施形態に係る給電装置、受電装置
4.本実施形態に係るプログラム
(本実施形態に係る状態管理方法)
本実施形態に係る給電装置、受電装置の構成について説明する前に、まず、本実施形態に係る状態管理方法について説明する。以下では、電力が電力線を介した有線で伝送される場合を主に挙げて、本実施形態に係る状態管理方法について説明する。なお、本実施形態に係る状態管理方法は、有線で電力が伝送される場合に適用されることに限られない。本実施形態に係る状態管理方法は、例えば、電磁誘導を利用した電力の伝送や、電波(マイクロ波)を利用した電力の伝送、磁場の共鳴を利用した電力の伝送、電場の共鳴を利用した電力の伝送など、無線で電力が伝送される場合にも適用することができる。
上述したように、給電が行われない状態となった場合には、例えば、受電装置側、給電装置側双方において、望ましくない事態が生じる恐れがある。そこで、本実施形態に係る給電装置と、本実施形態に係る受電装置とは、例えば、給電が行われない状態となった場合における情報(データ)を、給電が行われない状態における証拠を示す情報(データ)として、より確実に残す。給電が行われない状態となった場合における情報をより確実に残すことによって、例えば上述したような望ましくない事態の発生を防止することができる。
[1]本実施形態に係る給電装置における状態管理方法
本実施形態に係る給電装置は、電力を供給する給電対象の外部装置(受電装置に対応する。以下、「受電装置」と示す場合がある。)に対する給電が可能な状態にあるかを判定する(判定処理)。また、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にない場合(上記判定処理において給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあると判定されない場合)に、給電が可能ではない状態に関する証拠情報を生成する(情報生成処理)。そして、本実施形態に係る給電装置は、上記情報生成処理において生成された証拠情報を、送信対象の外部装置へと送信させる(送信制御処理)。
ここで、本実施形態に係る証拠情報には、例えば、給電に関する時間の情報が含まれる。本実施形態に係る給電に関する時間の情報としては、例えば、上記判定処理において給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にないと判定された時間(給電が終了した時間に相当する。)を示すデータや、給電の開始時間と終了時間とを示すデータ、給電がされた時間間隔を示すデータなどが挙げられる。
また、本実施形態に係る証拠情報には、例えば、供給された電力に対する対価に関する情報が含まれていてもよい。本実施形態に係る供給された電力に対する対価に関する情報としては、例えば、供給された電力量を示すデータや、供給された電力量に対する対価を示すデータ、電力の単価を示すデータ、供給された電力量に対する課金処理の結果に基づく対価の過不足を示すデータ、対価の不足分を支払う方法を示すデータ(例えば、クレジット払いを要求するデータや、払込み先などを示すデータなど)、対価の払い戻しに関するデータ(例えば、付与されるポイントを示すデータや、返金額を示す履歴データ、クレジットによる返金を要求するデータなど)などのうちの、1または2以上のデータが挙げられる。
なお、本実施形態に係る証拠情報に含まれる情報は、上記給電に関する時間の情報、および/または、供給された電力に対する対価に関する情報に限られない。例えば、本実施形態に係る証拠情報には、本実施形態に係る給電装置を示すIDなどが、含まれていてもよい。また、本実施形態に係る証拠情報には、例えば、証拠情報を記録媒体に記録させるための記録処理命令が含まれていてもよい。
(1)判定処理
本実施形態に係る給電装置は、電力を供給する給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあるかを判定する。
(1−1)判定処理の第1の例:給電の完了状態に基づく判定処理
本実施形態に係る給電装置は、例えば、給電対象の外部装置に対する給電が完了したか否かに基づいて、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあるか否かを判定する。
より具体的には、本実施形態に係る給電装置は、例えば、給電対象の外部装置に対する給電が完了した旨の信号が、後述する電力制御部や、電力制御部(後述する)と同様の機能を有する外部装置から伝達された場合に、給電対象の外部装置に対する給電が完了したと判定する。本実施形態に係る給電装置は、例えば、給電対象の外部装置に対する給電が完了したと判定しない場合には、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあると判定する。また、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が完了したと判定した場合には、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあると判定しない。
つまり、上記第1の例に係る判定処理は、給電が正常に完了した場合における判定処理であるといえる。
なお、上述したように、給電対象の外部装置に対して給電が行われない状態は、給電が正常に完了した場合に生じることに限られず、例えば、給電装置と受電装置との電力の伝送に係る接続が、意図的な理由(例えば、盗電目的など)や偶発的な理由(例えばアクシデントなど)によって切れることによっても生じうる。そこで、以下、本実施形態に係る給電装置における判定処理の他の例として、給電が正常に完了した場合以外の場合における判定処理の一例について、説明する。
(1−2)判定処理の第2の例:電力線の接続状態に基づく判定処理
例えば電力が伝送される電力線を外部装置に接続させる接続部(後述する)を備える場合、本実施形態に係る給電装置は、接続部(後述する)における外部装置の接続状態に基づいて、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であるかを判定する。
より具体的には、接続部(後述する)は、例えば、外部装置の接続状態の変化(未接続状態から接続状態への変化/接続状態から未接続状態への変化)を検出する。そして、本実施形態に係る給電装置は、例えば、検出部(後述する)から伝達される、検出結果を示す検出信号に基づいて、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であるか否かを判定する。例えば、給電が開始されてから給電が完了する前に、検出部(後述する)から伝達される検出信号が、接続状態から未接続状態への変化を示す場合に、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定しない。
(1−3)判定処理の第3の例:認証結果に基づく判定処理
本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対応する識別情報に基づいて給電対象の外部装置を認証する。そして、本実施形態に係る給電装置は、認証結果に基づいて、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であるかを判定する。
ここで、本実施形態に係る識別情報とは、給電対象の外部装置の識別に用いることが可能な情報である。本実施形態に係る識別情報としては、例えば、給電対象の外部装置固有の識別番号を示すデータや、給電対象の外部装置の種類を示すデータ(例えばメーカや型番などを示すデータ)、給電対象の外部装置使用時(給電対象の外部装置の駆動時)における電力波形を示す電力波形データなどが挙げられる。なお、本実施形態に係る識別情報は、給電対象の外部装置の識別に用いることが可能な情報であれば、上記の例に限られない。
より具体的には、本実施形態に係る給電装置は、例えば、給電対象の外部装置と通信を行って、当該給電対象の外部装置から識別情報を取得する。また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、給電することが許可されている外部装置を示す識別情報が記録されているデータベースに、給電対象の外部装置から取得された識別情報に対応する識別情報が記憶されているか否かに基づいて、給電対象の外部装置を認証する。ここで、上記データベースは、記憶部(後述する)などの記録媒体に記憶されていてもよいし、本実施形態に係る給電装置は、サーバなどの外部装置から上記データベースを取得してもよい。
給電対象の外部装置が正常に認証されたと判定された場合には、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定する。また、給電対象の外部装置が正常に認証されたと判定されない場合や、給電対象の外部装置から識別情報が取得されない場合には、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定しない。
本実施形態に係る給電装置は、例えば、給電を開始する前に給電対象の外部装置の認証を行い、正常に認証されたと判定された場合に、外部装置に対する給電を開始する。また、給電を開始した後、本実施形態に係る給電装置は、例えば、給電が完了するまでの間、定期的/非定期的に、識別情報の送信を要求する識別情報送信要求を給電対象の外部装置に対して送信することによって、給電対象の外部装置から識別情報を取得する。
ここで、本実施形態に係る給電装置は、例えば、本実施形態に係る給電装置が備える給電対象の外部装置(受電装置)と通信を行うための通信部(後述する)における通信、または、本実施形態に係る給電装置に接続されている、給電対象の外部装置(受電装置)と通信を行うことが可能な外部通信装置における通信によって、識別情報を取得する。なお、本実施形態に係る、給電装置(または、上記外部通信装置)と給電対象の外部装置(受電装置)との間における通信の一例については、後述する。
なお、本実施形態に係る給電装置が、給電対象の外部装置に対応する識別情報を取得する方法は、上記給電対象の外部装置と通信を行うことにより識別情報を取得する方法に限られない。例えば、本実施形態に係る給電装置は、操作部(後述する)から伝達されるユーザ操作(例えば、給電対象の外部装置の識別番号の入力操作など)に基づく操作信号や、リモートコントローラなどの外部操作デバイスから送信されるユーザ操作に基づく操作信号を検出することによって、給電対象の外部装置に対応する識別情報を取得することも可能である。
(1−4)判定処理の第4の例:給電対象の外部装置の検出結果に基づく判定処理
例えば給電対象の外部装置を検出する検出部(後述する)を備える場合、本実施形態に係る給電装置は、検出部(後述する)における外部装置の検出結果に基づいて、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であるかを判定する。
例えば、本実施形態に係る給電装置が、受電時において給電対象の外部装置が位置する位置の物体を検出する、赤外線センサなどの検出デバイスを、検出部として備える場合には、本実施形態に係る給電装置は、検出デバイスから伝達される物体が検出されたことを示す検出信号に基づいて、給電対象の外部装置が存在するか否かを判定する。例えば、給電が行われているときに、上記検出信号が検出されている場合には、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定する。また、例えば、給電が行われているときに、上記検出信号が検出されない場合には、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定しない。
また、本実施形態に係る給電装置が、例えば、給電時において給電対象の外部装置が位置する位置が撮像された撮像画像を処理する画像処理回路を、検出部として備える場合には、本実施形態に係る給電装置は、画像処理回路における撮像画像に対する画像処理の結果に基づいて、給電対象の外部装置が存在するか否かを判定する。例えば、給電が行われているときに、画像処理回路における撮像画像に対する物体認識処理などの画像処理によって、給電対象の外部装置が撮像画像から認識された場合には、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定する。また、例えば、給電が行われているときに、画像処理回路における画像処理によって、給電対象の外部装置が撮像画像から認識されない場合には、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定しない。
また、本実施形態に係る給電装置が、例えば、給電時において給電対象の外部装置が位置する位置における、物体の質量を検出するセンサを、検出部として備える場合には、本実施形態に係る給電装置は、当該質量を検出するセンサから伝達される質量を示す検出信号に基づいて、給電対象の外部装置が存在するか否かを判定する。例えば、給電が行われているときに、上記検出信号が示す質量が、所定の閾値以上の場合(または、所定の閾値より大きい場合)には、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定する。また、例えば、給電が行われているときに、上記検出信号が示す質量が、所定の閾値より小さい場合(または、所定の閾値以下の場合)には、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定しない。
本実施形態に係る給電装置は、例えば上記のように、検出部における外部装置の検出結果に基づいて、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であるかを判定する。なお、本実施形態に係る給電装置が備える検出部が、上記検出デバイスや、上記画像処理回路、上記質量を検出するセンサに限られないことは、言うまでもない。
本実施形態に係る給電装置は、例えば、上記第1の例に係る判定処理〜上記第4の例に係る判定処理のうちの、1または2以上の処理を、判定処理として行う。ここで、例えば上記第1の例に係る判定処理〜上記第4の例に係る判定処理のうちの複数の処理を、判定処理として行う場合、本実施形態に係る給電装置は、いずれか1つの処理において、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定されないときに、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定しない。また、上記複数の処理を判定処理として行う場合、本実施形態に係る給電装置は、全ての処理において給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定されたときに、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定する。
(2)情報生成処理
上記(1)の処理(判定処理)において、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定されない場合、すなわち、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にない場合には、本実施形態に係る給電装置は、証拠情報を生成する。
例えば給電に関する時間の情報を含む証拠情報を生成する場合、本実施形態に係る給電装置は、例えば、時計や、オシレータなどで構成される計時デバイスの測定結果に基づいて、給電に関する時間を特定して、給電に関する時間の情報を含む証拠情報を生成する。
また、例えば供給された電力に対する対価に関する情報を含む証拠情報を生成する場合、本実施形態に係る給電装置は、例えば、給電対象の外部装置に対して供給された電力量の測定結果や、電力の単価、課金処理の結果などに基づいて、供給された電力に対する対価に関する情報を生成する。そして、本実施形態に係る給電装置は、供給された電力に対する対価に関する情報を含む証拠情報を生成する。
ここで、本実施形態に係る給電装置は、例えば、供給される電源を管理するサーバ(例えば、電力会社のサーバなど)などの外部装置と通信を行い、電力の単価を示すデータを取得することによって、電力の単価を特定する。また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、電力線にパケット化されて送信される電力の単価を示すデータを受信することによって、電力の単価を特定してもよい。
また、本実施形態に係る給電装置における課金処理としては、例えば、外部装置と通信を行うことによって外部装置に対する課金を行う処理が挙げられる。より具体的には、本実施形態に係る給電装置は、対価に対応する値を電子バリュー(貨幣または貨幣に準じた価値を有するデータ)から減算させる課金処理命令を、給電対象の外部装置に対して送信する。本実施形態に係る課金処理命令としては、例えば、処理内容を示すデータと、減算する電子バリューの値を示すデータとを含むデータが挙げられる。なお、本実施形態に係る課金処理命令は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る課金処理命令は、課金情報が示す対価に対応する値分の電子バリューを、外部装置に送信させる処理(電子バリューを移動させる処理)を示すデータであってもよい。
ここで、本実施形態に係る給電装置は、例えば、給電が開始された後、上記(1)の処理(判定処理)において、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定された場合(給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態となった場合)に、課金処理を行うが、本実施形態に係る給電装置が課金処理を行うタイミングは、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る給電装置は、給電が開始された後、一定時間ごとや、一定量の電力が給電対象の外部装置に伝送されるごとなどに、課金処理を行ってもよい。
なお、本実施形態に係る給電装置における課金処理は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置のユーザに対する課金(例えば、給電後に行われる事後的な課金)を行うことが可能な外部課金処理装置と通信を行うことによって、外部課金処理装置に、給電対象の外部装置のユーザに対する課金を行わせてもよい。ここで、本実施形態に係る外部課金処理装置としては、給電対象の外部装置のユーザが所有するクレジットカードに対応するサーバや、給電対象の外部装置のユーザが所有する口座に対応するサーバなどが挙げられる。
より具体的には、本実施形態に係る給電装置は、例えば、上記供給された電力に対する対価に関する情報を、外部課金処理装置に送信することによって、外部課金処理装置に、給電対象の外部装置のユーザに対する課金を行わせる。また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、課金対象の装置(給電対象の外部装置)を示す識別情報を、さらに外部課金処理装置に送信してもよい。
つまり、本実施形態に係る課金処理は、例えば、給電対象の外部装置に対する直接的な課金処理であってもよいし、外部課金処理装置に実質的な課金処理を行わせる間接的な課金処理であってもよい。また、本実施形態に係る課金処理は、例えば、上記直接的な課金処理と上記間接的な課金処理とを組み合わせた処理(例えば、上記直接的な課金処理をまず行い、上記直接的な課金処理が正常に行えない場合に、上記間接的な課金処理を行う処理など)とすることも可能である。
例えば上記のような課金処理の結果に基づいて、本実施形態に係る給電装置は、供給された電力に対する対価の過不足を特定する。そして、本実施形態に係る給電装置は、例えば、特定された対価の過不足を示すデータを生成する。
また、本実施形態に係る給電装置は、予め設定されている、または、ユーザ操作に基づき設定された、対価の不足分を支払う方法や対価の払い戻し方法に基づいて、対価の不足分を支払う方法を示すデータや対価の払い戻し方法を示すデータを生成する。
本実施形態に係る給電装置は、例えば上記のように、証拠情報に含む各種情報を生成し、生成した情報のうちの1または2以上の情報を含む証拠情報を、生成する。
(3)送信制御処理
本実施形態に係る給電装置は、例えば、通信部(後述する)、または、本実施形態に係る給電装置と接続された、送信対象の外部装置と通信を行うことが可能な外部通信装置に、上記(2)の処理(情報生成処理)において生成された証拠情報を、送信対象の外部装置へと送信させる。
ここで、本実施形態に係る送信対象の外部装置としては、例えば、給電対象の外部装置、給電対象の外部装置以外の外部装置のうちの、1または2以上の外部装置が挙げられる。また、本実施形態に係る給電対象の外部装置以外の外部装置としては、例えば、給電対象の外部装置に対応付けられた外部装置や、給電対象の外部装置に対応付けられていない外部装置のうちの、1または2以上の外部装置が挙げられる。ここで、本実施形態に係る給電対象の外部装置に対応付けられた外部装置としては、例えば、給電対象の外部装置のユーザが所有する、携帯電話やスマートフォンなどの通信装置や、PC(Personal Computer)などが挙げられる。また、給電対象の外部装置に対応付けられていない外部装置としては、例えば、外部課金処理装置や、証拠情報を管理するサーバなどが挙げられる。なお、本実施形態に係る給電対象の外部装置に対応付けられた外部装置と、本実施形態に係る給電対象の外部装置に対応付けられていない外部装置とが、上記の例に限られないことは、言うまでもない。
本実施形態に係る給電装置は、例えば、予め設定されている、または、ユーザ操作に基づき設定(または再設定)された、証拠情報を送信する送信対象の外部装置を示す送信先情報に基づいて、送信対象の外部装置を特定する。そして、本実施形態に係る給電装置は、通信部(後述する)などに、上記(2)の処理(情報生成処理)において生成された証拠情報を、特定された送信対象の外部装置へと送信させる。
ここで、本実施形態に係る送信先情報としては、例えば、送信対象の外部装置に対応するIP(Internet Protocol)アドレスや、MAC(Media Access Control)アドレスなど、送信対象の外部装置を特定することが可能な情報を含むデータが挙げられる。
また、例えば、本実施形態に係る送信先情報が示す外部装置のうち、給電対象の外部装置から取得された識別情報が示す外部装置と一致する外部装置が、給電対象の外部装置に該当する。また、例えば、本実施形態に係る送信先情報が示す外部装置のうち、取得された識別情報が示す外部装置と一致せず、かつ、送信先情報において取得された識別情報が示す外部装置と対応付けられて記録されている外部装置が、給電対象の外部装置に対応付けられた外部装置に該当する。また、例えば、本実施形態に係る送信先情報が示す外部装置のうち、取得された識別情報が示す外部装置と一致せず、かつ、送信先情報において取得された識別情報が示す外部装置と対応付けられて記録されていない外部装置が、給電対象の外部装置に対応付けられていない外部装置に該当する。
本実施形態に係る給電装置は、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理として、例えば、上記(1)の処理(判定処理)、上記(2)の処理(情報生成処理)、および上記(3)の処理(送信制御処理)を行う。ここで、本実施形態に係る給電装置は、上記(3)の処理(送信制御処理)において、上記(1)の処理(判定処理)の結果に基づいて給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にない場合に生成された証拠情報を、送信対象の外部装置へと送信する。よって、上記(1)の処理(判定処理)において給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定されない場合、すなわち、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にない場合には、送信対象の外部装置が備える記録媒体などに、給電が可能ではない状態に関する証拠情報を記憶させることが可能である。
したがって、本実施形態に係る給電装置は、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことができる。
また、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことが可能であるので、例えば、本実施形態に係る給電装置が、送信対象の外部装置から取得する証拠情報は、給電が行われない状態となった場合をより正確に示す情報である。よって、本実施形態に係る給電装置は、送信対象の外部装置が備える記録媒体などに記憶されている証拠情報を送信対象の外部装置から取得することによって、より正確な課金に関する処理を行うことも可能である。
なお、本実施形態に係る給電装置における状態管理方法に係る処理は、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理)に限られない。例えば、本実施形態に係る給電装置は、上記(2)の処理(情報生成処理)において生成された証拠情報を、記憶部(後述する)や、本実施形態に係る給電装置に接続された着脱可能な外部記録媒体などに記録させてもよい(記録制御処理)。
図1は、本実施形態に係る給電装置における状態管理方法に係る処理の一例を示す流れ図である。ここで、図1に示すステップS100、S102の処理が上記(1)の処理(判定処理)に該当し、図1に示すステップS104、S106、S110、S112、S116の処理が上記(2)の処理(情報生成処理)に該当する。また、図1に示すステップS108、S114、S118の処理が上記(3)の処理(送信制御処理)に該当する。
本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能であるか否かを判定する(S100)。本実施形態に係る給電装置は、例えば、接続部(後述する)における外部装置の接続状態や、識別情報に基づく認証結果、給電対象の外部装置の検出結果に基づいて、ステップS100の処理を行う(上記第2の例に係る判定処理、上記第3の例に係る判定処理、上記第4の例に係る判定処理に対応)。ここで、本実施形態に係る給電装置は、例えば、電力を供給する給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあると判定された場合に、給電対象の外部装置に対する給電が可能であると判定する。また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、電力を供給する給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあると判定されない場合に、給電対象の外部装置に対する給電が可能であると判定しない。
ステップS100において給電対象の外部装置に対する給電が可能であると判定された場合には、本実施形態に係る給電装置は、給電対象の外部装置に対する給電が可能であると判定されないまで、処理を進めない。
また、ステップS100において給電対象の外部装置に対する給電が可能であると判定されない場合には、本実施形態に係る給電装置は、給電が正常に完了したか否かを判定する(S102)。本実施形態に係る給電装置は、例えば、給電対象の外部装置から送信された、バッテリが満充電となったことを示す情報が受信された場合や、所定量または所定の金額分の電力を供給した場合に、給電が正常に完了したと判定する。
ステップS102において給電が正常に完了したと判定された場合には、本実施形態に係る給電装置は、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を終了する。
また、ステップS102において給電が正常に完了したと判定されない場合には、本実施形態に係る給電装置は、供給した電力に対する課金が行われたか否かを判定する(S104)。
ステップS104において供給した電力に対する課金が行われたと判定されない場合には、本実施形態に係る給電装置は、課金に関する情報を含む証拠情報(供給された電力に対する対価に関する情報の一例)を生成する(S106)。ここで、本実施形態に係る課金に関する情報としては、例えば、対価としての金額を示すデータや、対価としての貨幣に準じた価値を示すデータなどが挙げられる。また、本実施形態に係る課金に関する情報には、課金処理命令が含まれていてもよい。
ステップS106の処理が行われると、本実施形態に係る給電装置は、生成した証拠情報を、送信対象の外部装置に対して送信させる(S108)。ここで、本実施形態に係る給電装置は、例えば、送信先情報に基づいて送信対象の外部装置を特定する。そして、本実施形態に係る給電装置は、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を終了する。
また、ステップS104において供給した電力に対する課金が行われたと判定された場合には、本実施形態に係る給電装置は、課金し過ぎであるか否かを判定する(S110)。本実施形態に係る給電装置は、例えば、課金処理によって実際に課金された対価と、供給対象の外部装置に対して実際に供給された電力量に対応する対価とを比較し、課金処理によって実際に課金された対価の方が大きい場合に、課金し過ぎであると判定する。
ステップS110において課金し過ぎであると判定された場合には、本実施形態に係る給電装置は、返金に関する情報を含む証拠情報(供給された電力に対する対価に関する情報の一例)を生成する(S112)。ここで、本実施形態に係る返金に関する情報としては、例えば、付与されるポイントを示すデータや、返金額を示す履歴データ、クレジットによる返金を要求するデータなど、上記対価の払い戻しに関するデータが挙げられる。
ステップS112の処理が行われると、本実施形態に係る給電装置は、上記ステップS108と同様に、生成した証拠情報を、送信対象の外部装置に対して送信させる(S114)。そして、本実施形態に係る給電装置は、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を終了する。
また、ステップS110において課金し過ぎであると判定されない場合には、本実施形態に係る給電装置は、証拠情報を生成する(S116)。ここで、ステップS110において生成される証拠情報としては、例えば、給電に関する時間の情報、および/または、供給された電力に対する対価に関する情報などが挙げられる。
ステップS116の処理が行われると、本実施形態に係る給電装置は、上記ステップS108と同様に、生成した証拠情報を、送信対象の外部装置に対して送信させる(S118)。そして、本実施形態に係る給電装置は、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を終了する。
本実施形態に係る給電装置は、状態管理方法に係る処理として、例えば図1に示す処理を行う。図1に示す処理によって、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理)が実現される。よって、例えば図1に示す処理を行うことによって、本実施形態に係る給電装置は、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことができる。
なお、本実施形態に係る給電装置における状態管理方法に係る処理は、図1に示す処理に限られない。例えば、本実施形態に係る給電装置は、図1に示すステップS102において給電が正常に完了したと判定された場合には、図1に示すステップS116、S118と同様の処理を行ってもよい。
また、例えば、図1に示すステップ104において供給した電力に対する課金が行われたと判定されない場合には、本実施形態に係る給電装置は、例えば下記のような処理の一方または双方を、(さらに、または、ステップS106、S108の処理の代わりに)行ってもよい。
・本実施形態に係る課金処理を行う
・給電対象の外部装置のユーザに対する、請求書の発行、送付に係る処理を行う
また、例えば、図1に示すステップ110において課金し過ぎであると判定された場合には、本実施形態に係る給電装置は、例えば下記のような処理のうちの1または2以上の処理を、(さらに、または、ステップS112、S114の処理の代わりに)行ってもよい。
・給電対象の外部装置(または、給電対象の外部装置のユーザ)に対して、返金額に相当するポイントを付与する処理を行う
・給電対象の外部装置のユーザに対する、クレジットによる返金処理を行う
・給電対象の外部装置のユーザに対する、返金額の払込通知書の発行、送付に係る処理を行う
・給電対象の外部装置に対して、電子バリューに返金額に対応する値を加算させる返金処理命令を、給電対象の外部装置に対して送信する(または、返金額に対応する値分の電子バリューを、外部装置に送信させる)
[2]本実施形態に係る受電装置における状態管理方法
次に、本実施形態に係る受電装置(上記給電対象の外部装置に該当する。)における状態管理方法について説明する。本実施形態に係る受電装置は、本実施形態に係る給電装置(電力を供給する給電装置)から送信された証拠情報が受信されたかを判定する(判定処理)。そして、本実施形態に係る受電装置は、上記判定処理において証拠情報が受信されたと判定された場合に、証拠情報を記録させる(記録制御処理)。
(I)判定処理
本実施形態に係る受電装置は、本実施形態に係る証拠情報(電力を供給する給電装置における給電が可能ではない状態に関する証拠情報)が受信されたかを判定する。また、本実施形態に係る受電装置は、例えば、受信された証拠情報に含まれる情報を判別してもよい。
本実施形態に係る受電装置は、例えば、受信されたデータのヘッダ部分など、受信されたデータの特定の部分を参照することによって、上記判定を行う。なお、本実施形態に係る、本実施形態に係る給電装置(または、本実施形態に係る給電装置と接続されている外部通信装置)と、本実施形態に係る受電装置(給電対象の外部装置)との間における通信の一例については、後述する。
(II)記録制御処理
本実施形態に係る受電装置は、上記(I)の処理(判定処理)において証拠情報が受信されたと判定された場合に、受信された証拠情報を記録媒体に記憶させる。ここで、本実施形態に係る受電装置が受信された証拠情報を記憶させる記録媒体としては、例えば、本実施形態に係る受電装置が備える記憶部(後述する)や、本実施形態に係る受電装置に接続された着脱可能な外部記録媒体、本実施形態に係る受電装置とネットワークを介して(または直接的に)有線または無線で接続された外部装置が備える記録媒体などが挙げられる。
本実施形態に係る受電装置は、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理として、例えば、上記(I)の処理(判定処理)、および上記(II)の処理(記録制御処理)を行う。ここで、本実施形態に係る受電装置は、上記(II)の処理(記録制御処理)において、上記(I)の処理(判定処理)において受信されたと判定された本実施形態に係る証拠情報を記録媒体に記憶させる。また、上述したように、本実施形態に係る証拠情報は、給電が可能な状態にない場合に本実施形態に係る給電装置から送信される、給電が行われない状態となった場合における情報である。
したがって、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理として、例えば、上記(I)の処理(判定処理)、および上記(II)の処理(記録制御処理)を行うことによって、本実施形態に係る受電装置は、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことができる。
なお、本実施形態に係る受電装置における状態管理方法に係る処理は、上記(I)の処理(判定処理)、および上記(II)の処理(記録制御処理)に限られない。例えば、本実施形態に係る受電装置は、上記(I)の処理(判定処理)において証拠情報が受信されたと判定された場合に、証拠情報に基づいて課金処理を選択的に行ってもよい(課金処理)。
(III)課金処理
本実施形態に係る受電装置は、例えば、上記(I)の処理(判定処理)において受信された証拠情報に供給された電力に対する対価に関する情報が含まれると判定された場合に、証拠情報に含まれる供給された電力に対する対価に関する情報に基づいて、課金処理を行う。
ここで、本実施形態に係る受電装置が行う課金処理としては、例えば、供給された電力に対する対価に関する情報に基づく対価に対応する値を、電子バリューから減算させる課金処理命令を生成して、当該課金処理命令に基づいて記録媒体に記憶されている電子バリューから値を減算させる処理が挙げられる(直接的な課金処理)。また、本実施形態に係る受電装置は、例えば、上述した本実施形態に係る給電装置における課金処理と同様に、外部課金処理装置と通信を行うことによって、外部課金処理装置に、本実施形態に係る受電装置のユーザに対する課金を行わせてもよい(間接的な課金処理)。また、本実施形態に係る受電装置における課金処理は、例えば、上記直接的な課金処理と上記間接的な課金処理とを組み合わせた処理(例えば、上記直接的な課金処理をまず行い、上記直接的な課金処理が正常に行えない場合に、上記間接的な課金処理を行う処理など)であってもよい。
例えば、証拠情報に含まれる供給された電力に対する対価に関する情報が、課金に関する情報を含む場合には、本実施形態に係る受電装置は、課金に関する情報に基づいて、課金処理を行う。また、証拠情報に含まれる供給された電力に対する対価に関する情報が、例えば、供給された電力量を示すデータと、電力の単価を示すデータとを含む場合には、本実施形態に係る受電装置は、供給された電力に対する対価を算出し、算出された対価に基づく課金処理を行う。なお、本実施形態に係る受電装置における、証拠情報に含まれる供給された電力に対する対価に関する情報に基づく課金処理の例が、上記に示す例に限られないことは、言うまでもない。
図2は、本実施形態に係る受電装置における状態管理方法に係る処理の一例を示す流れ図である。ここで、図2に示すステップS200、S202の処理が上記(I)の処理(判定処理)に該当し、図2に示すステップS204、S208の処理が上記(II)の処理(記録制御処理)に該当する。また、図2に示すステップS206の処理が上記(III)の処理(課金処理)に該当する。
本実施形態に係る受電装置は、証拠情報が受信されたか否かを判定する(S200)。ステップS200において証拠情報が受信されたと判定されない場合には、本実施形態に係る受電装置は、証拠情報が受信されたと判定されるまで処理を進めない。
また、ステップS200において証拠情報が受信されたと判定された場合には、本実施形態に係る受電装置は、証拠情報に課金に関する情報が含まれるか否かを判定する(S202)。
ステップS202において証拠情報に課金に関する情報が含まれると判定されない場合には、本実施形態に係る受電装置は、受信された証拠情報を記録媒体に記憶させる(S204)。そして、本実施形態に係る受電装置は、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を終了する。
また、ステップS202において証拠情報に課金に関する情報が含まれると判定された場合には、本実施形態に係る受電装置は、課金処理を行う(S206)。
また、本実施形態に係る受電装置は、証拠情報を記録媒体に記憶させる(S208)。ここで、ステップS208において記録媒体に記憶される証拠情報は、例えば、受信された証拠情報であってもよいし、ステップS206の処理の結果に応じて本実施形態に係る受電装置により変更が加えられた証拠情報(例えば、課金が正常に完了したか否かを示す情報が付加された証拠情報)であってもよい。そして、本実施形態に係る受電装置は、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を終了する。
本実施形態に係る受電装置は、状態管理方法に係る処理として、例えば図2に示す処理を行う。図2に示す処理によって、上記(I)の処理(判定処理)〜上記(III)の処理(課金処理)が実現される。よって、例えば図2に示す処理を行うことによって、本実施形態に係る受電装置は、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことができる。
なお、本実施形態に係る受電装置における状態管理方法に係る処理は、図2に示す処理に限られない。例えば、本実施形態に係る受電装置は、図2に示すステップS202、S206、S208の処理を行わないことも可能である。図2に示すステップS202、S206、S208の処理を行わない場合であっても、本実施形態に係る受電装置は、上記(I)の処理(判定処理)、および上記(II)の処理(記録制御処理)を実現することができる。よって、図2に示すステップS202、S206、S208の処理を行わない場合であっても、本実施形態に係る受電装置は、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことができる。
(本実施形態に係る通信)
次に、上述した本実施形態に係る状態管理方法に係る処理とに係る、給電装置(または、給電装置に接続された外部通信装置)と受電装置(給電装置からみた場合における、給電対象の外部装置)との間で行われる通信について説明する。以下では、本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置とが通信を行う場合を例に挙げて、本実施形態に係る通信について説明する。また、以下では、本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置とが電力線で接続される場合、すなわち、電力が電力線を介した有線で伝送される場合を例に挙げて、本実施形態に係る通信について説明する。
本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置との間で行われる通信としては、例えば、無線通信と、電力線通信(有線通信)とが挙げられる。
本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置との間では、例えば、NFC(Near Field Communication)による通信技術やRFID(Radio Frequency IDentification)技術などの無線通信技術を用いて、無線通信が行われる。また、本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置との間では、例えば、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を、有線通信に適用することによって、電力線通信が行われる。ここで、本実施形態に係る電力線通信には、例えば、各装置の端子が接触して行われる通信(いわゆる、接触通信)と、各装置の端子が有線で結ばれて行われる通信とが含まれる。
本実施形態に係る給電装置は、例えば、高周波信号を生成する高周波信号生成部(後述する)を備え、高周波信号を外部装置へ送信する。つまり、本実施形態に係る給電装置は、例えば、いわゆるリーダ/ライタ機能を有する。
また、本実施形態に係る受電装置は、例えば本実施形態に係る給電装置などの外部装置から送信された信号に基づいて負荷変調を行うことにより、当該外部装置と通信を行う。例えば、本実施形態に係る受電装置が、本実施形態に係る給電装置から送信された高周波信号を受信した場合には、受信した高周波信号から電力を得て駆動し、受信した高周波信号を処理した結果に基づいて負荷変調を行うことによって、高周波信号を送信する。
例えば、本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置とが、ぞれぞれ上記のような処理を行うことによって、本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置との間では、本実施形態に係る無線通信、または、本実施形態に係る電力線通信が実現される。
ここで、本実施形態に係る高周波信号としては、例えば、RFIDで用いられる周波数の信号や、非接触通信で用いられる周波数の信号などが挙げられる。例えば、高周波信号の周波数としては、130〜135[kHz]、13.56[MHz]、56[MHz]、433[MHz]、954.2[MHz]、954.8[MHz]、2441.75[MHz]、2448.875[MHz]が挙げられるが、本実施系形態に係る高周波信号の周波数は、上記に限られない。以下では、本実施形態に係る高周波信号に基づき送信される高周波を、「搬送波」と示す場合がある。
なお、本実施形態に係る無線通信と、本実施形態に係る電力線通信とは、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を用いた通信に限られない。例えば、本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置との間では、IEEE802.11bに基づく無線通信などの任意の方式の無線通信や、PLC(Power Line Communication。電力線搬送通信)などの電力線通信が行われてもよい。以下では、本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置との間において、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を用いた通信が行われる場合を例に挙げて、本実施形態に係る通信について説明する。
[1]本実施形態に係る無線通信
まず、本実施形態に係る無線通信について説明する。図3は、本実施形態に係る無線通信の一例を説明するための説明図である。以下では、図3に示す給電装置100Aと、受電装置200Aとを例に挙げて、本実施形態に係る無線通信について説明する。なお、図3では、本実施形態に係る給電装置の構成と本実施形態に係る受電装置の構成とのうち、本実施形態に係る無線通信に係る構成要素を示している。また、図3では、受電装置200Aとして、プラグを示しているが、本実施形態に係る受電装置は、プラグに限られない。
給電装置100Aは、例えば、接続部102と、無線通信部104と、制御部106とを備える。また、受電装置200Aは、例えば、接続部202と、無線通信部204とを備える。
接続部102は、電力が伝送される電力線PLを、外部装置に接続させる。また、接続部102には、接続される外部装置の接続状態の維持を補助するための接続補助部材が備えられていてもよい。ここで、本実施形態に係る電力線PLとしては、例えば、50[Hz]や60[Hz]などの所定の周波数の交流電流や、直流電流が流れる電力線が挙げられる。また、本実施形態に係る接続補助部材としては、例えば、マグネットなどが挙げられる。以下では、電力線PLに所定の周波数の交流電流が流れる場合を例に挙げて、説明する。
より具体的には、接続部102は、電力線PLと接続された端子を有し、また、接続部202は、電力線PL(給電装置100Aからみた場合には、外部電力線に該当する。)と接続された端子を有する。そして、接続部102が有する端子と、接続部202が有する端子とが、電気的に接続されることによって、給電装置100Aと受電装置200A(給電装置100Aからみた場合には、外部装置に該当する。)とは、接続される。ここで、本実施形態に係る“接続部102が有する端子と接続部202が有する端子との電気的な接続”とは、例えば、各装置の接続部が有する端子が接触することや、各装置の接続部が有する端子が有線で結ばれることをいう。なお、接続部202には、給電装置100Aが備える接続部102と同様に、接続される外部装置の接続状態の維持を補助するための接続補助部材が備えられていてもよい。
また、接続部102は、例えば、外部装置の接続状態の変化(未接続状態から接続状態への変化/接続状態から未接続状態への変化)を検出する。そして、接続部102は、検出されたこと(検出結果)を示す検出信号を、制御部106へ伝達する。なお、無線通信部104が、検出信号の伝達に応じて高周波信号を送信する機能を有している構成である場合には、接続部102は、検出信号を無線通信部104へ伝達してもよい。また、接続部102は、例えば、本実施形態に係る給電装置が備える電力供給部(後述する)に、検出信号を伝達してもよい。
ここで、接続部102は、例えば、外部装置の物理的な接続状態を検出するスイッチを備え、当該スイッチの状態が変化したときに検出信号を制御部106などに伝達するが、接続部102の構成は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る接続部102は、圧力センサや加速度センサなどの1または2以上のセンサを備え、センサの検出結果に基づく検出信号を制御部106などに伝達してもよい。例えば、接続部102が圧力センサを備える場合、所定の閾値以上(または所定の閾値より大きな)の圧力が検出されているときの検出信号が外部装置が接続されている接続状態を示し、所定の閾値以上(または所定の閾値より大きな)の圧力が検出されていないときの検出信号が、外部装置が接続されていない未接続状態を示す。また、例えば、接続部102が加速度センサを備える場合、所定の閾値以上(または所定の閾値より大きな)の加速度が検出されたときの検出信号が示す、加速度の方向によって、接続状態と未接続状態とがそれぞれ示される。
なお、例えば、給電装置100Aが定期的/非定期的に高周波信号を送信する構成である場合や、給電装置100Aが上述した第2の例に係る判定処理(電力線の接続状態に基づく判定処理)を行わない構成である場合には、本実施形態に係る接続部102は、例えば外部装置の接続状態の変化の検出に係る機能を有していない構成をとることも可能である。
無線通信部104と、無線通信部204とは、本実施形態に係る無線通信を行う役目を果たす。また、無線通信部104における通信は、例えば、制御部106によって制御する。
制御部106は、MPU(Micro Processing Unit)や各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、給電装置100Aの各部を制御する。より具体的には、制御部106は、例えば、接続部102から伝達される検出信号や、無線通信部104から伝達される受電装置200Aなどの外部装置からの応答信号に基づいて、高周波信号生成命令や、高周波信号送信停止命令を無線通信部104に対して伝達して、無線通信部104における通信を制御する。
また、制御部106は、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理(例えば、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理))を主導的に行う役目を果たす。本実施形態に係る給電装置が備える制御部106における、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を実現するための構成の一例については、後述する。
図4は、本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置との間で行われる無線通信を実現するための構成の一例を示す説明図である。ここで、図4では、図3に示す給電装置100Aが備える無線通信部104、および制御部106と、図3に示す受電装置200Aが備える無線通信部204との構成の一例を示している。
〔1−1〕本実施形態に係る給電装置が備える無線通信部104
無線通信部104は、例えば、高周波信号生成部150と、高周波送信部152と、復調部154とを備える。また、無線通信部104は、例えば、制御部106から伝達される高周波信号生成命令に応じて高周波信号を送信し、制御部106から伝達される高周波信号送信停止命令に応じて、高周波信号の送信を停止する。
また、無線通信部104は、例えば、通信を暗号化するための暗号化回路(図示せず)や、通信衝突防止(アンチコリジョン)回路、外部装置や他の回路と接続するための接続インタフェース(図示せず)などを備えてもよい。ここで、無線通信部104は、例えば、データの伝送路としてのバスにより各構成要素間を接続する。また、接続インタフェースとしては、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)や、LAN端子および送受信回路などが挙げられる。
高周波信号生成部150は、制御部106からの高周波信号生成命令を受け、高周波信号生成命令に応じた高周波信号を生成する。ここで、図4では、高周波信号生成部150として交流電源が示されているが、本実施形態に係る高周波信号生成部150は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る高周波信号生成部150は、ASK(Amplitude Shift Keying)変調する変調回路(図示せず)と、変調回路の出力を増幅する増幅回路(図示せず)とで構成することができる。
ここで、高周波信号生成部150が生成する高周波信号としては、例えば、外部装置に識別情報の送信を要求する識別情報送信要求が含まれる高周波信号や、外部装置に対する各種処理命令や処理するデータを含む高周波信号が挙げられる。なお、高周波信号生成部150が生成する高周波信号は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る高周波信号は、後述する受電装置200Aの電力線通信部208に対して電力供給を行う役目を果たす信号(例えば、無変調の信号)であってもよい。
高周波送信部152は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ。以下、同様とする。)L1を備え、高周波信号生成部150が生成した高周波信号に応じた搬送波を送信する。また、高周波送信部152は、外部装置からの応答信号を受信することもできる。つまり、高周波送信部152は、無線通信部104の通信アンテナとしての役目を果たすことができる。ここで、図4では、高周波送信部152がコイルL1で構成されている例を示しているが、本実施形態に係る高周波送信部152の構成は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る高周波送信部は、さらにキャパシタを備えることにより共振回路を構成してもよい。
復調部154は、例えば、高周波送信部152のアンテナ端における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、外部装置からの応答信号を復調する。なお、復調部154における応答信号の復調手段は、上記に限られない、例えば、復調部154は、高周波送信部152のアンテナ端における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調することもできる。
また、復調部154は、復調した応答信号を制御部106へ伝達する。そして、復調された応答信号が伝達された制御部106は、例えば、応答信号に対応するデータを処理する、処理結果に基づいて高周波信号生成命令を生成するなど、様々な処理を行う。
無線通信部104は、例えば図4に示す構成によって、搬送波を送信し、受電装置200Aなどの外部装置から送信される応答信号を復調する。なお、本実施形態に係る無線通信部104の構成が、図4に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
〔1−2〕本実施形態に係る受電装置が備える無線通信部204
無線通信部204は、通信アンテナ250と、ICチップ252とを備える。また、無線通信部204は、例えば、データの伝送路としてのバス272で各構成要素間を接続する。
通信アンテナ250は、給電装置100Aなどの外部装置から送信された搬送波を受信し、ICチップ252における処理の処理結果に基づく応答信号を送信する。
通信アンテナ250は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)L2と、所定の静電容量をもつキャパシタC1とからなる共振回路で構成され、搬送波の受信に応じて電磁誘導により誘起電圧を生じさせる。そして、通信アンテナ250は、所定の共振周波数で誘起電圧を共振させた受信電圧を出力する。ここで、通信アンテナ250における共振周波数は、例えば、13.56[MHz]など搬送波の周波数に合わせて設定される。通信アンテナ250は、上記構成により、搬送波を受信し、また、ICチップ252が備える負荷変調部264(後述する)において行われる負荷変調によって応答信号の送信を行う。
ICチップ252は、受信された搬送波に基づいて高周波信号を復調して処理し、負荷変調により応答信号を通信アンテナ250から送信させる。つまり、ICチップ252は、無線通信部204において、無線通信を主導的に行う実質的な無線通信部としての役目を果たす。
ICチップ252は、例えば、キャリア検出部254と、検波部256と、レギュレータ258と、復調部260と、データ処理部262と、負荷変調部264と、ROM(Read Only Memory)266と、RAM(Random Access Memory)268と、内部メモリ270とを備える。また、データ処理部262と、ROM266、RAM268、内部メモリ270とは、例えば、データの伝送路としてのバス272によって接続される。なお、図4では示していないが、ICチップ252は、例えば、過電圧や過電流がデータ処理部262に印加されることを防止するための保護回路(図示せず)をさらに備えていてもよい。ここで、保護回路(図示せず)としては、例えば、ダイオードなどで構成されたクランプ回路が挙げられる。
キャリア検出部254は、通信アンテナ250から伝達される受信電圧に基づいて、例えば、矩形の検出信号を生成し、当該検出信号をデータ処理部262へ伝達する。また、データ処理部262は、伝達される上記検出信号を、例えば、データ処理のための処理クロックとして用いる。ここで、上記検出信号は、通信アンテナ250から伝達される受信電圧に基づくものであるので、外部装置から送信される搬送波の周波数と同期することとなる。したがって、ICチップ252は、キャリア検出部254を備えることによって、外部装置との間の処理を、外部装置と同期して行うことができる。
検波部256は、通信アンテナ250から出力される受信電圧を整流する。ここで、検波部256は、例えば、ダイオードD1と、キャパシタC2とで構成される。
レギュレータ258は、受信電圧を平滑、定電圧化し、データ処理部262へ駆動電圧を出力する。ここで、レギュレータ258は、例えば、受信電圧の直流成分を駆動電圧として用いる。
復調部260は、受信電圧に基づいて高周波信号を復調し、搬送波に含まれる高周波信号に対応するデータ(例えば、ハイレベルとローレベルとの2値化されたデータ信号)を出力する。ここで、復調部260は、例えば、受信電圧の交流成分をデータとして出力する。
データ処理部262は、例えば、レギュレータ258から出力される駆動電圧を電源として駆動し、復調部260において復調されたデータの処理を行う。ここで、データ処理部262は、例えば、MPUや各種処理回路などで構成される。
また、データ処理部262は、外部装置への応答に係る負荷変調を制御する制御信号を処理結果に応じて選択的に生成する。そして、データ処理部262は、制御信号を負荷変調部264へと選択的に出力する。
また、データ処理部262は、例えば、復調部260において復調されたデータに含まれる命令に基づいて、内部メモリ270に記憶されたデータの読出し、更新などを行う。
負荷変調部264は、例えば、負荷ZとスイッチSW1とを備え、データ処理部262から伝達される制御信号に応じて負荷Zを選択的に接続する(有効化する)ことによって負荷変調を行う。ここで、負荷Zは、例えば、所定の抵抗値を有する抵抗で構成されるが、負荷Zは、上記に限られない。また、スイッチSW1は、例えば、pチャネル型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)や、nチャネル型のMOSFETで構成されるが、スイッチSW1は、上記に限られない。
ROM266は、データ処理部262が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM268は、データ処理部262により実行されるプログラムや、演算結果、実行状態などを一時的に記憶する。
内部メモリ270は、ICチップ252が備える記憶手段であり、例えば耐タンパ性を有し、データ処理部262によって、例えば、データの読出しや、データの新規書込み、データの更新が行われる。内部メモリ270には、例えば、識別情報や、電子バリュー、アプリケーションなど様々なデータが記憶される。ここで、図4では、内部メモリ270が識別情報274と電子バリュー276とを記憶している例を示しているが、内部メモリ270に記憶されるデータは、上記に限られない。
ICチップ252は、例えば図4に示す上記のような構成によって、通信アンテナ250が受信した高周波信号を処理し、負荷変調によって通信アンテナ250から応答信号を送信させる。
無線通信部204は、例えば、通信アンテナ250と、ICチップ252とを備えることによって、給電装置100Aなどの外部装置から送信された高周波信号を処理し、負荷変調により応答信号を送信させる。なお、本実施形態に係る無線通信部204の構成は、図4に示す構成に限られない。例えば、無線通信部204は、例えば図4に示すICチップ252を構成する各構成要素を、IC(Integrated Circuit)チップの形態で備えていなくてもよい。
本実施形態に係る給電装置と、本実施形態に係る受電装置とは、例えば、図4に示す無線通信部104を本実施形態に係る給電装置が備え、図4に示す無線通信部204を本実施形態に係る受電装置が備えることによって、NFCによる通信技術などの無線通信技術を用いて、無線通信を行うことができる。
ここで、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術により無線通信を行うことによって、本実施形態に係る受電装置は、受信した高周波信号から電力を得て駆動し、負荷変調を行うことにより記憶している情報を送信することができる。つまり、本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置とを有する通信システムでは、本実施形態に係る受電装置は、通信を行うための別途の電源回路を備えなくとも、無線で通信を行うことが可能である。また、本実施形態に係る受電装置は、例えば、ユーザ操作に応じた信号(ユーザの指示を示す信号)が入力されなくとも、負荷変調を行うことにより記憶している情報を送信することができる。
[2]本実施形態に係る電力線通信
次に、本実施形態に係る電力線通信について説明する。図5は、本実施形態に係る電力線通信の一例を説明するための説明図である。以下では、図5に示す給電装置100Bと、受電装置200Bとを例に挙げて、本実施形態に係る電力線通信について説明する。なお、図5では、本実施形態に係る給電装置の構成と本実施形態に係る受電装置の構成とのうち、本実施形態に係る電力線通信に係る構成要素を示している。なお、本実施形態に係る受電装置における電力線通信に係る構成要素は、例えば図3に示す受電装置200Aのように、プラグに設けられていてもよい。
〔2−1〕給電装置100B
給電装置100Bは、例えば、接続部102と、制御部106と、電力線通信部108と、第1フィルタ110(通信フィルタ)と、第2フィルタ112とを備える。
また、給電装置100Bは、例えば、ROM(図示せず)や、RAM(図示せず)、記憶部(図示せず)、表示部(図示せず)などを備えていてもよい。給電装置100Bは、例えば、データの伝送路としてのバスにより各構成要素間を接続する。ここで、ROM(図示せず)は、制御部106が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部106により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
記憶部(図示せず)は、給電装置100Bが備える記憶手段であり、受電装置200Bなどの外部装置から取得した識別情報や、送信先情報、アプリケーションなど、様々なデータを記憶する。ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)などが挙げられる。また、記憶部(図示せず)は、給電装置100Bから着脱可能であってもよい。
表示部(図示せず)は、給電装置100Bが備える表示手段であり、表示画面に様々な情報(例えば、画像、および/または、文字など)を表示する。表示部(図示せず)の表示画面に表示される画面としては、例えば所望する動作を給電装置100Bに対して行わせるための操作画面などが挙げられる。
ここで、表示部(図示せず)としては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)などの表示デバイスが挙げられる。また、給電装置100Bは、例えばタッチスクリーンで表示部(図示せず)を構成することもできる。上記の場合には、表示部(図示せず)は、ユーザ操作および表示の双方が可能な操作表示部として機能することとなる。
なお、給電装置100Bは、表示部(図示せず)を備えているか否かによらず、ネットワークを介して(または直接的に)外部端末と通信を行い、当該外部端末の表示画面に上記操作画面や様々な情報を表示させることもできる。例えば、上記外部端末が給電装置100Bのユーザが所有する外部端末(例えば、携帯型通信装置やリモート・コントローラなど)である場合には、ユーザは、自己が所有する外部端末を操作して給電装置100Bに所望の処理を行わせることができ、また、当該外部端末を用いて給電装置100Bから送信される情報を確認することができる。よって、上記の場合には、例えば給電装置100Bが机の下に設置されているときなど、ユーザが給電装置100Bを直接操作したり、表示部(図示せず)に表示された情報をみることが容易ではないときであっても、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
制御部106は、MPUや各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、給電装置100Bの各部を制御する。より具体的には、制御部106は、例えば、接続部102から伝達される検出信号や、電力線通信部108から伝達される受電装置200Bなどの外部装置からの応答信号に基づいて、高周波信号生成命令や、高周波信号送信停止命令を電力線通信部108に対して伝達して、電力線通信部108における通信を制御する。制御部106が、上記検出信号に基づいて高周波信号生成命令や、高周波信号送信停止命令を電力線通信部108に対して伝達することによって、実際に電力線を介して接続されている外部装置と通信を行うことができる。
制御部106が、上記のように高周波信号生成命令や高周波信号送信停止命令を電力線通信部108に対して伝達することによって、電力線通信部108は、例えば、接続部102における検出結果に基づいて高周波信号を送信することが可能となる。また、制御部106が、上記応答信号に基づいて高周波信号生成命令や、高周波信号送信停止命令を電力線通信部108に対して伝達することによって、受電装置200Bなどの外部装置との間の電力線を介した通信を制御することができる。なお、制御部106は、例えば、定期的/非定期的に高周波信号生成命令を電力線通信部108に対して伝達することによって、電力線通信部108に高周波信号を定期的/非定期的に送信させてもよい。
また、制御部106は、上述したように、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理(例えば、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理))を主導的に行う役目を果たす。本実施形態に係る給電装置が備える制御部106における、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を実現するための構成の一例については、後述する。
電力線通信部108は、電力線を介して受電装置200Bなどの外部装置との間で通信を行う役目を果たす。
図6は、本実施形態に係る給電装置100Bが備える電力線通信部108の構成の一例を示す説明図である。ここで、図6では、制御部106と第1フィルタ110とを併せて示している。電力線通信部108は、例えば、高周波信号生成部156と、復調部158とを備え、NFCなどにおけるリーダ/ライタ(または質問器)としての役目を果たす。また、電力線通信部108は、例えば、暗号化回路(図示せず)や通信衝突防止(アンチコリジョン)回路などをさらに備えてもよい。
高周波信号生成部156は、例えば制御部106から伝達される高周波信号生成命令を受け、高周波信号生成命令に応じた高周波信号を生成する。また、高周波信号生成部156は、例えば制御部106から伝達される、高周波信号の送信停止を示す高周波信号送信停止命令を受け、高周波信号を生成を停止する。ここで、図6では、高周波信号生成部156として交流電源が示されているが、本実施形態に係る高周波信号生成部156は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る高周波信号生成部132は、ASK変調を行う変調回路(図示せず)と、変調回路の出力を増幅する増幅回路(図示せず)とを備えることができる。
ここで、高周波信号生成部156が生成する高周波信号としては、例えば、外部装置に識別情報の送信を要求する識別情報送信要求が含まれる高周波信号や、外部装置に対する各種処理命令や処理するデータを含む高周波信号が挙げられる。なお、高周波信号生成部156が生成する高周波信号は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る高周波信号は、後述する受電装置200Bの電力線通信部208に対して電力供給を行う役目を果たす信号(例えば、無変調の信号)であってもよい。
復調部158は、例えば、高周波信号生成部156と第1フィルタ110との間における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、外部装置から送信される応答信号を復調する。そして、復調部158は、復調した応答信号(例えば、識別情報を示す応答信号や、高調波信号に応じた処理に基づく応答を示す応答信号)を、制御部106へ伝達する。なお、復調部158における応答信号の復調手段は、上記に限られず、例えば、復調部158は、高周波信号生成部156と第1フィルタ110との間における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調することもできる。
本実施形態に係る電力線通信部108は、例えば図6に示す構成によって、NFCなどにおけるリーダ/ライタとしての役目を果たし、電力線を介して外部装置との間で通信を行う役目を果たすことができる。
なお、本実施形態に係る電力線通信部108の構成は、図6に示す構成に限られない。図7は、本実施形態に係る給電装置100Bが備える電力線通信部108の他の例を示す説明図である。ここで、図7では、図6と同様に、制御部106と第1フィルタ110とを併せて示している。
他の例に係る電力線通信部108は、高周波信号生成部156と、復調部158と、第1高周波送受信部160と、第2高周波送受信部162とを備える。また、他の例に係る電力線通信部108は、例えば、暗号化回路(図示せず)や通信衝突防止(アンチコリジョン)回路などをさらに備えてもよい。
高周波信号生成部156は、図6に示す高周波信号生成部156と同様に、高周波信号生成命令に応じた高周波信号を生成し、高周波信号送信停止命令に応じて高周波信号の生成を停止する。
復調部158は、高周波信号生成部156のアンテナ端における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、外部装置から送信される応答信号を復調する。なお、復調部158における応答信号の復調手段は、上記に限られず、復調部158は、例えば、高周波信号生成部156のアンテナ端における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調することもできる。
第1高周波送受信部160は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)L3と所定の静電容量を有するキャパシタC3とを備え、共振回路を構成する。ここで、第1高周波送受信部156の共振周波数としては、例えば、13.56[MHz]などの高周波信号の周波数が挙げられる。第1高周波送受信部160は、上記構成により、高周波信号生成部156が生成した高周波信号を送信し、また、第2高周波送受信部162から送信される、外部装置から送信された応答信号を受信することができる。つまり、第1高周波送受信部160は、電力線通信部108内における第1の通信アンテナとしての役目を果たす。
第2高周波送受信部162は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイルL4と所定の静電容量を有するキャパシタC4とを備え、共振回路を構成する。ここで、第2高周波送受信部162の共振周波数としては、例えば、13.56[MHz]などの高周波信号の周波数が挙げられる。第2高周波送受信部162は、上記構成により、第1高周波送受信部160から送信された高周波信号を受信し、また、外部装置から送信された応答信号を送信することができる。つまり、第2高周波送受信部162は、電力線通信部108内における第2の通信アンテナとしての役目を果たす。
本実施形態に係る電力線通信部108は、図7に示す構成であっても、図6に示す構成と同様に、NFCなどにおけるリーダ/ライタとしての役目を果たし、電力線を介して外部装置との間で通信を行う役目を果たすことができる。
再度図5を参照して、本実施形態に係る給電装置100Bにおける、本実施形態に係る電力線通信に係る構成の一例について説明する。第1フィルタ110は、電力線通信部108と電力線PLとの間に接続され、電力線PLから伝達される信号をフィルタリングする役目を果たす。より具体的には、第1フィルタ110は、電力線PLから伝達される信号のうち、少なくとも電力線を介して受電装置200Bなどの外部装置に供給される電力の周波数の信号を遮断し、高周波信号を遮断しない機能を有する。給電装置100Bは、第1フィルタ110を備えることによってノイズとなりうる電力の周波数の信号を電力線通信部108へ伝達しないので、電力線通信部108と外部装置(より厳密には、例えば後述する受電装置200Bの電力線通信部208のような、外部装置が備える電力線通信部)との間の通信の精度を向上させることができる。
図8は、本実施形態に係る給電装置100Bが備える第1フィルタ110の構成の一例を示す説明図である。第1フィルタ110は、コイルL5、L6と、キャパシタC5〜C7と、サージアブソーバSA1〜SA3とで構成される。なお、本実施形態に係る第1フィルタ110の構成が、図8に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
再度図5を参照して、本実施形態に係る給電装置100Bにおける、本実施形態に係る電力線通信に係る構成の一例について説明する。第2フィルタ112は、接続部102と電源との間の電力線PL上に設けられ、接続部102側から伝達されうる信号をフィルタリングする役目を果たす。ここで、本実施形態に係る電源としては、例えば、商用電源などの外部電源や、バッテリなどの内部電源などが挙げられる。
より具体的には、第2フィルタ112は、少なくとも電力線通信部108が送信する高周波信号や、外部装置により送信される高周波信号を遮断し、外部装置に供給される電力の周波数の信号を遮断しない機能を有する。給電装置100Bは、第2フィルタ112を備えることによって、例えば、電力線を介した通信に係る高周波信号や、外部装置側から伝達されうる雑音成分などの雑音成分を遮断することができる。つまり、第2フィルタ112は、いわゆるパワースプリッタとしての役目を果たす。
図9は、本実施形態に係る給電装置100Bが備える第2フィルタ112の構成の一例を示す説明図である。第2フィルタ112は、コイルL7、L8と、キャパシタC8と、サージアブソーバSA4とで構成される。なお、本実施形態に係る第2フィルタ112の構成が、図9に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
本実施形態に係る給電装置100Bは、例えば図5に示す構成によって、接続部102に接続された、受電装置200Bなどの外部装置と、電力線を介して通信を行うことができる。また、本実施形態に係る給電装置100Bは、例えば図5に示す構成によって、例えば、識別情報の送信や、電子バリューを用いた課金処理など、送信した高周波信号に基づく所定の処理を当該外部装置に行わせることができる。
〔2−2〕受電装置200B
受電装置200Bは、例えば、接続部202と、第1フィルタ206と、電力線通信部208と、第2フィルタ210とを備える。
また、受電装置200Bは、例えば、第2フィルタ210の後段(図5に示す第2フィルタ210における給電装置100Bと反対側)に、例えば、バッテリ(図示せず)や、受電装置200Bが有する機能を実現するための各種デバイス(例えば、MPUや、各種処理回路、駆動デバイスなど。図示せず)などを備える。つまり、受電装置200Bは、例えば、給電装置100Bなどの外部装置から電力線を介して供給される電力を上記バッテリ(図示せず)に充電することができ、また、当該供給される電力を用いて受電装置200Bが有する機能を実現することができる。例えば、受電装置200Bが、電気自動車などの車両である場合には、受電装置200Bは、電力供給を受けて内蔵するバッテリを充電し、バッテリの電力を使って車輪を回転させる。また、受電装置200Bが、画像(動画像/静止画像)および/または文字を表示することが可能な表示デバイスを備える場合には、受電装置200Bは、電力供給を受けて、表示デバイスの表示画面に、画像や文字を表示させる。
第1フィルタ206は、電力線(厳密には、受電装置200B内の電力線PL)と電力線通信部208との間に接続され、電力線から伝達される信号をフィルタリングする役目を果たす。より具体的には、第1フィルタ206は、電力線から伝達される信号のうち、少なくとも電力の周波数の信号を遮断し、高周波信号を遮断しない機能を有する。受電装置200Bは、第1フィルタ206を備えることによってノイズとなりうる電力の周波数の信号を電力線通信部208へ伝達しないので、電力線通信部208と外部装置(より厳密には、例えば給電装置100Bの電力線通信部108のような、外部装置が備える電力線通信部)との間の通信の精度を向上させることができる。
ここで、第1フィルタ206は、例えば図8に示す給電装置100Bの第1フィルタ110と同様の構成をとる。なお、本実施形態に係る第1フィルタ206の構成が、図8に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
電力線通信部208は、高周波信号によって、給電装置100Bなどの外部装置と電力線を介して通信を行う。より具体的には、電力線通信部208は、例えば、外部装置から送信された高周波信号を受信した場合には、当該高周波信号から電力を得て駆動して、受信した高周波信号に基づく処理を行う。そして、電力線通信部208は、上記処理に応じた応答信号を、負荷変調によって高周波信号として送信する。
例えば、電力線通信部208は、識別情報の送信を要求する識別情報送信要求を含む高周波信号を受信した場合には、高周波信号に含まれる識別情報送信要求に基づいて、記憶されている識別情報を読み出す。そして、電力線通信部208は、読み出された識別情報を負荷変調によって電力線に重畳させて送信する。また、電力線通信部208は、例えば、各種処理命令や処理するデータを含む高周波信号を受信した場合には、高周波信号に含まれる処理命令やデータに基づく処理を行う。そして、電力線通信部208は、上記処理に基づく応答信号を負荷変調によって電力線に重畳させて送信する。つまり、電力線通信部208は、例えば、NFCなどにおける応答器としての役目を果たす。
図10は、本実施形態に係る受電装置200Bが備える電力線通信部208の構成の一例を示す説明図である。ここで、図10では、第1フィルタ206を併せて示している。また、図10では、電力線通信部208が、受信された高調波信号を復調して処理し、負荷変調により応答信号を送信させるICチップ280を備える構成を示している。なお、本実施形態に係る電力線通信部208は、図10に示すICチップ280を構成する各構成要素を、ICチップの形態で備えていなくてもよい。
ICチップ280は、例えば、検出部254と、検波部256と、レギュレータ258と、復調部260と、データ処理部262と、負荷変調部264とを備える。なお、図10では示していないが、ICチップ280は、例えば、過電圧や過電流がデータ処理部262に印加されることを防止するための保護回路(図示せず)をさらに備えていてもよい。ここで、保護回路(図示せず)としては、例えば、ダイオードなどで構成されたクランプ回路が挙げられる。
また、ICチップ280は、例えば、ROM234と、RAM236と、内部メモリ238とを備える。データ処理部262と、ROM234、RAM236、内部メモリ238とは、例えば、データの伝送路としてのバス240によって接続される。
ここで、図10に示すICチップ280の構成と、上述した本実施形態に係る無線通信に係る、図4に示す無線通信部204が備えるICチップ252の構成とを比較すると、ICチップ280は、図4に示すICチップ252と同様の構成をとることが分かる。
上述したように、図4に示すICチップ252には、通信アンテナ250によって受信された搬送波に基づく高周波信号が入力され、ICチップ252は、通信アンテナ250によって受信された搬送波に基づく高周波信号を復調して処理し、負荷変調により応答信号を通信アンテナ250から送信させる。これに対して、ICチップ280には、第1フィルタ206から伝達される、給電装置100Bなどの外部装置から送信された高周波信号が入力される。また、ICチップ280は、図10に示すように、図4に示すICチップ252と同様の構成有する。したがって、ICチップ280は、図4に示すICチップ252と同様に、入力された高周波信号を復調して処理し、高周波信号に応じた応答信号を負荷変調によって送信することができる。
また、ICチップ280は、図10に示すように、第1フィルタ206と接続されており、図5に示すように、第1フィルタ206は、電力線PLに接続されている。よって、ICチップ280から送信された応答信号は、第1フィルタ206を介して電力線に重畳されることとなる。
ICチップ280は、例えば図10に示す構成によって、受信した高周波信号を処理し、負荷変調によって応答信号を電力線に重畳させて送信させる。なお、本実施形態に係るICチップ280の構成が、図10に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
電力線通信部208は、例えば図10に示す構成によって、受信した高周波信号から電力を得て駆動して受信した高周波信号が示す処理を行い、負荷変調によって当該処理に応じた応答信号を送信することができる。
なお、本実施形態に係る電力線通信部208の構成は、図10に示す構成に限られない。図11は、本実施形態に係る受電装置200Bが備える電力線通信部208の構成の他の例を示す説明図である。ここで、図11では、第1フィルタ206を併せて示している。なお、本実施形態に係る電力線通信部208は、図11に示すICチップ280を構成する各構成要素を、ICチップの形態で備えていなくてもよい。
他の例に係る電力線通信部208は、第1高周波送受信部282と、第2高周波送受信部284と、ICチップ280とを備える。
第1高周波送受信部282は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイルL9と所定の静電容量を有するキャパシタC9とを備え、共振回路を構成する。ここで、第1高周波送受信部282の共振周波数としては、例えば、13.56[MHz]などの高周波信号の周波数が挙げられる。第1高周波送受信部282は、上記構成により、第1フィルタ206から伝達される高周波信号を送信し、また、第2高周波送受信部284から送信される応答信号を受信することができる。つまり、第1高周波送受信部282は、電力線通信部208内における第1の通信アンテナとしての役目を果たす。
第2高周波送受信部284は、例えば、所定のインダクタンスをもつコイルL10と所定の静電容量を有するキャパシタC10とを備え、共振回路を構成する。ここで、第2高周波送受信部284の共振周波数としては、例えば、13.56[MHz]などの高周波信号の周波数が挙げられる。第2高周波送受信部284は、上記構成により、第1高周波送受信部282から送信された高周波信号を受信し、また、応答信号を送信することができる。より具体的には、第2高周波送受信部284は、高周波信号の受信に応じて電磁誘導により誘起電圧を生じさせ、所定の共振周波数で誘起電圧を共振させた受信電圧をICチップ280へと出力する。また、第2高周波送受信部284は、ICチップ280が備える負荷変調部264において行われる負荷変調によって応答信号の送信を行う。つまり、第2高周波送受信部284は、電力線通信部208内における第2の通信アンテナとしての役目を果たす。
ICチップ280は、第2高周波送受信部284から伝達される受信電圧に基づいて、図10に示すICチップ280と同様に処理を行う。
電力線通信部208は、図11に示す構成であっても、図10に示す構成と同様に、受信した高周波信号から電力を得て駆動して受信した高周波信号が示す処理を行い、負荷変調によって当該処理に応じた応答信号を送信することができる。また、電力線通信部208が図11に示す構成を有する場合には、例えば、NFCやRFIDに係るICチップを流用することが可能であるので、実装がより容易となるという利点がある。
再度図5を参照して、本実施形態に係る受電装置200Bの構成における、本実施形態に係る電力線通信に係る構成の一例について説明する。第2フィルタ210は、電力線PLを介して給電装置100Bなどの外部装置側から伝達されうる信号をフィルタリングする役目を果たす。より具体的には、第2フィルタ210は、少なくとも外部装置により送信される高周波信号や、電力線通信部208が送信する高周波信号を遮断し、電力線PLを介して供給される電力の周波数の信号を遮断しない機能を有する。受電装置200Bは、第2フィルタ210を備えることによって、例えば、電力線を介した通信に係る高周波信号や、外部装置側から伝達されうる雑音成分などの雑音成分を遮断することができる。つまり、第2フィルタ210は、給電装置100Bが備える第2フィルタ112と同様に、いわゆるパワースプリッタとしての役目を果たす。
ここで、第2フィルタ210は、例えば図9に示す給電装置100Bの第2フィルタ112と同様の構成をとることができる。なお、本実施形態に係る第2フィルタ210の構成が、図9に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
本実施形態に係る給電装置と、本実施形態に係る受電装置とは、例えば、図5に示す電力線通信部108を本実施形態に係る給電装置が備え、図5に示す電力線通信部208を本実施形態に係る受電装置が備えることによって、NFCによる通信技術などの無線通信技術が有線通信に適用された、電力線通信を行うことができる。
ここで、NFCによる通信技術などの無線通信技術を用いた通信デバイスは、回路規模が既存のPLCモデムなどと比較して非常に小さいことから、例えばICチップのようなサイズまで小型化が可能である。また、例えばICカードやICチップを搭載した携帯電話など、NFCによる通信技術などの無線通信技術を用いて通信を行うことが可能な装置の普及が進んでいることから、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を用いた通信デバイスは、既存のPLCモデムと比較して安価である。
さらに、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を有線通信に適用することによって、本実施形態に係る受電装置は、電力線を介して受信した高周波信号から電力を得て駆動し、負荷変調を行うことにより記憶している情報を送信することができる。つまり、本実施形態に係る給電装置と本実施形態に係る受電装置とを有する通信システムでは、本実施形態に係る受電装置は、通信を行うための別途の電源回路を備えなくとも、有線で通信を行うことが可能である。また、本実施形態に係る受電装置は、例えば、ユーザ操作に応じた信号(ユーザの指示を示す信号)が入力されなくとも、負荷変調を行うことにより記憶している情報を送信することができる。
したがって、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を用いることによって、例えば、既存のPLCなどの従来の有線通信が用いられる場合よりも、コストの低減や、通信デバイスのサイズの制限の緩和、消費電力の低減などを図ることが可能な、有線通信を実現することができる。
(本実施形態に係る給電装置)
次に、上述した本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を行うことが可能な、本実施形態に係る給電装置の構成の一例について説明する。また、以下では、本実施形態に係る給電装置と、受電装置(給電対象の外部装置)とが、図5に示す本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成を有する場合を例に挙げて、本実施形態に係る給電装置の構成の一例について説明する。
図12は、本実施形態に係る給電装置100の構成の一例を示す説明図である。ここで、図12では、図5に示す受電装置200Bを併せて示している。
給電装置100は、例えば、接続部102と、制御部106と、電力線通信部108と、第1フィルタ110と、第2フィルタ112と、電力供給部114と、消費電力測定部116と、通信部118とを備える。
また、給電装置100は、例えば、ROM(図示せず)や、RAM(図示せず)、記憶部(図示せず)、表示部(図示せず)、オシレータなどで構成される計時デバイス、検出部(図示せず)などを備えてもよい。給電装置100は、例えば、データの伝送路としてのバスにより各構成要素間を接続する。
制御部106は、例えばMPUや各種処理回路などで構成され、給電装置100全体を制御する役目を果たす。また、制御部106は、例えば、状態判定部120と、情報生成部122と、送信制御部124と、電力制御部126とを備え、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を主導的に行う役目を果たす。
状態判定部120は、上記(1)の処理(判定処理)を主導的に行う役目を果たし、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあるかを判定する。より具体的には、状態判定部120は、例えば、上記第1の例に係る判定処理〜上記第4の例に係る判定処理のうちの、1または2以上の処理を行う。また、状態判定部120は、判定結果を示す信号(またはデータ)を、情報生成部122に伝達する。
情報生成部122は、上記(2)の処理(情報生成処理)を主導的に行う役目を果たし、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にない場合に証拠情報を生成する。より具体的には、情報生成部122は、例えば、状態判定部120から伝達される信号が、給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であると判定されないことを示す場合に、証拠情報を生成する。
送信制御部124は、上記(3)の処理(状態管理処理)を主導的に行う役目を果たし、情報生成部122において生成された証拠情報を、送信対象の外部装置へと送信させる。
より具体的には、例えば、記憶部(図示せず)などに記憶されている送信先情報が、送信対象の外部装置として受電装置200B(給電対象の外部装置)を示す場合には、送信制御部124は、電力線通信部108に、生成された証拠情報を、受電装置200Bへと送信させる。また、例えば、記憶部(図示せず)などに記憶されている送信先情報が、送信対象の外部装置として受電装置200B(給電対象の外部装置)以外の装置を示す場合には、送信制御部124は、通信部118に、生成された証拠情報を、送信先情報が示す外部装置へと送信させる。
電力制御部126は、電力を外部装置に選択的に伝送させる役目を果たす。より具体的には、電力制御部126は、例えば、電力供給部114に対して、電力供給部114における電力線PLへの選択的な電力の供給を制御する制御信号を伝達し、電力供給部114の動作を制御することによって、電力を外部装置に選択的に伝送させる。
また、電力制御部126は、例えば、電力線通信部108が受信したバッテリが満充電となったことを示す情報が受信された場合には、給電対象の外部装置に対する給電が完了した旨の信号を、状態判定部120へ伝達する。
また、電力制御部126は、例えば、電力供給部114により外部装置に供給された電力の電力量や、当該電力量と電力の単価とに基づく供給された電力の対価を管理してもよい。供給された電力量や供給された電力の対価を管理する場合には、電力制御部126は、例えば、所定量または所定の金額分の電力を供給したと判定したときに、給電対象の外部装置に対する給電が完了した旨の信号を、状態判定部120へ伝達することも可能である。
また、電力制御部126は、例えば、消費電力測定部116に対して、消費電力測定部116における、受電装置200Bなどの外部装置における消費電力の測定の開始や、当該測定の停止を制御する制御信号を伝達することによって、消費電力測定部116の動作を制御してもよい。
制御部106は、例えば、状態判定部120、情報生成部122、送信制御部124、および電力制御部126を備えることによって、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を主導的に行う。
なお、本実施形態に係る給電装置が備える制御部の構成は、図12に示す構成に限られない。例えば、本実施形態に係る給電装置が備える制御部は、電力制御部126を備えていなくてもよい。本実施形態に係る給電装置が備える制御部が電力制御部126を備えない構成であっても、本実施形態に係る給電装置が備える制御部は、本実施形態に係る状態管理方法に係る、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理)を行うことができる。
また、本実施形態に係る給電装置が備える制御部が電力制御部126を備えない場合、本実施形態に係る給電装置は、例えば、電力制御部126を別途備えていてもよいし、電力制御部126を備えていなくてもよい。本実施形態に係る給電装置が電力制御部126を備えない構成である場合であっても、状態判定部120は、例えば、電力制御部126と同様の機能を有する外部装置から送信される、給電対象の外部装置に対する給電が完了した旨の信号に基づいて、処理を行うことができる。
また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、図12に示す状態判定部120、情報生成部122、送信制御部124、および電力制御部126のうちの1または2以上を個別に備える(例えば、それぞれを個別の処理回路で実現する)こともできる。
さらに、本実施形態に係る給電装置が備える制御部は、例えば、本実施形態に係る課金処理を主導的に行う課金処理部、および/または、本実施形態に係る記録制御処理を行う記録制御部をさらに備えていてもよい。
電力線通信部108は、給電対象の外部装置と通信を行う通信部(通信部の一部)としての役目を果たす。また、例えば図6、図7を参照して説明したように、電力線通信部108における通信は、例えば、制御部106によって制御され、また、電力線通信部108は、復調した応答信号を制御部106へ伝達する。
電力供給部114は、例えば、制御部106(より厳密には、電力制御部126)から伝達される制御信号に基づいて、電源(例えば、内部電源や、外部電源)と電力線PLとを選択的に接続し、電力線PLに選択的に電力を供給する。
ここで、電力供給部114としては、例えば、制御部106から伝達される制御信号に基づいてオン/オフするスイッチが挙げられる。上記スイッチは、例えば、pチャネル型のMOSFETや、nチャネル型のMOSFETで構成されるが、上記スイッチの構成は、上記に限られない。
消費電力測定部116は、例えば接続部102に接続された受電装置200Bなどの、給電対象の外部装置が消費している消費電力(例えば、給電対象の外部装置に供給された電力に相当する。)を測定する。そして、消費電力測定部116は、測定した消費電力の情報を制御部106へ伝達する。また、消費電力測定部116は、例えば、制御部106(より厳密には、電力制御部126)から伝達される制御信号に基づいて、選択的に測定を行うこともできる。ここで、消費電力測定部116としては、例えば消費電力測定器などが挙げられる。
通信部118は、給電装置100が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)、給電対象の外部装置以外の外部装置(例えば、給電対象の外部装置に対応付けられた外部装置や、給電対象の外部装置に対応付けられていない外部装置)や、外部課金処理装置などの外部装置と無線/有線で通信を行う。また、通信部118は、例えば制御部106により通信が制御される。
ここで、通信部118としては、例えば、通信アンテナおよびRF(Radio Frequency)回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN(Local Area Network)端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。また、通信部118は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子および送受信回路など通信を行うことが可能な任意の規格に対応する構成や、ネットワークを介して外部装置と通信可能な任意の構成であってもよい。本実施形態に係るネットワークとしては、例えば、LANやWAN(Wide Area Network)などの有線ネットワーク、無線LAN(WLAN;Wireless Local Area Network)や基地局を介した無線WAN(WWAN;Wireless Wide Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられる。
給電装置100は、例えば図12に示す構成によって、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理(例えば、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理))を行う。したがって、給電装置100は、例えば図12に示す構成によって、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことができる。
なお、本実施形態に係る給電装置の構成は、図12に示す構成に限られない。
[1]第1の変形例
例えば、本実施形態に係る給電装置は、通信部118を備えない構成をとってもよい。通信部118を備えない構成をとる場合であっても、本実施形態の第1の変形例に係る給電装置は、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理)を行うことが可能である。したがって、本実施形態の第1の変形例に係る給電装置は、図12に示す給電装置100と同様の効果を奏することができる。
[2]第2の変形例
例えば、図12では、本実施形態に係る給電装置と受電装置(給電対象の外部装置の一例)とが、本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成を示したが、本実施形態に係る給電装置と受電装置とは、本実施形態に係る無線通信によって通信を行うことも可能である。より具体的には、本実施形態に係る無線通信によって通信を行う場合には、本実施形態に係る給電装置と受電装置とは、例えば図5に示す本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成に替えて、図3に示す本実施形態に係る無線通信によって通信を行う構成を備える。
ここで、本実施形態に係る無線通信によって通信を行う構成を備える場合であっても、本実施形態の第2の変形例に係る給電装置は、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理)を行うことが可能である。したがって、本実施形態の第2の変形例に係る給電装置は、図12に示す給電装置100と同様の効果を奏することができる。
[3]第3の変形例
また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成と、本実施形態に係る無線通信によって通信を行う構成との双方の構成を有していてもよい。より具体的には、本実施形態に係る給電装置は、例えば、図3に示す本実施形態に係る無線通信によって通信を行う構成と、図5に示す本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成とを備える。
ここで、本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成と、本実施形態に係る無線通信によって通信を行う構成との双方の構成を有する場合であっても、本実施形態の第3の変形例に係る給電装置は、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理)を行うことが可能である。したがって、本実施形態の第3の変形例に係る給電装置は、図12に示す給電装置100と同様の効果を奏することができる。
[4]第4の変形例
また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、本実施形態に係る給電装置の外部装置(または回路)として、電力供給部114に相当する機能を有する装置(または回路)が存在する場合などには、電力供給部114を備えていなくてもよい。また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、本実施形態に係る給電装置の外部装置(または回路)として、消費電力測定部116に相当する機能を有する装置(または回路)が存在する場合などには、消費電力測定部116を備えていなくてもよい。上記の場合において電力供給部114や消費電力測定部116を備えない構成であっても、本実施形態の第4の変形例に係る給電装置は、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理)を行うことが可能である。したがって、本実施形態の第4の変形例に係る給電装置は、図12に示す給電装置100と同様の効果を奏することができる。
[5]第5の変形例
また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、電力線通信部108、および第1フィルタ110など、本実施形態に係る電力線通信を行うための通信部や、第2フィルタ112などの通信に係る構成要素、通信部118のうちの1または2以上の構成要素を備えない構成をとってもよい。本実施形態に係る電力線通信を行うための通信部などのうちの1または2以上の構成要素を備えない構成をとる場合であっても、本実施形態の第5の変形例に係る給電装置は、例えば、備えている通信に係る構成要素、および/または、接続されている外部通信装置(図示せず)を介して、送信対象の外部装置に証拠情報を送信することが可能である。つまり、本実施形態に係る電力線通信を行うための通信部などのうちの1または2以上の構成要素を備えない構成をとる場合であっても、本実施形態の第5の変形例に係る給電装置は、上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理)を行うことができる。したがって、本実施形態の第5の変形例に係る給電装置は、図12に示す給電装置100と同様の効果を奏することができる。
[6]第6の変形例
また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、電力が無線で伝送される場合には、接続部102を備えなくてもよい。電力が無線で伝送される場合には、本実施形態に係る給電装置は、例えば、電磁誘導を利用した電力の伝送に係る送電デバイス、電波(マイクロ波)を利用した電力の伝送に係る送電デバイス、磁場の共鳴を利用した電力の伝送に係る送電デバイス、電場の共鳴を利用した電力の伝送に係る送電デバイスなど、無線電力伝送に係るに係る送電デバイスを備える。
[7]第7の変形例
また、本実施形態に係る給電装置は、例えば、上記第1の変形例に係る構成と上記第2の変形例に係る構成とを組合せた構成や、上記第1の変形例に係る構成と上記第3の変形例に係る構成とを組合せた構成、…など、組合せ可能な任意の構成をとることも可能である。
(本実施形態に係る受電装置)
次に、上述した本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を行うことが可能な、本実施形態に係る受電装置の構成の一例について説明する。また、以下では、本実施形態に係る受電装置と、給電装置とが、図5に示す本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う場合を例に挙げて、本実施形態に係る受電装置の構成の一例について説明する。図13は、本実施形態に係る受電装置200の構成の一例を示す説明図である。
受電装置200は、例えば、接続部202と、第1フィルタ206と、電力線通信部208と、第2フィルタ210と、通信部212とを備える。また、受電装置200は、例えば、第2フィルタ210の後段(図13に示す第2フィルタ210における接続部202と反対側)に、例えば、バッテリ(図示せず)や、記憶部(図示せず)、受電装置200が有する機能を実現するための各種デバイス(図示せず)などを備えていてもよい。なお、通信部212は、受電装置200が有する機能を実現するための構成要素の一つであってもよい。
電力線通信部208は、例えば図10、図11を参照して説明したように、本実施形態に係る給電装置などの外部装置から送信された信号に基づいて負荷変調を行うことにより、当該外部装置と通信を行う通信部(通信部の一部)としての役目を果たす。
また、電力線通信部208は、例えば、判定部214と、記録制御部216と、課金処理部218とを備え、本実施形態に係る受電装置における状態管理方法に係る処理(例えば、上記(I)の処理(判定処理)〜上記(III)の処理(課金処理))を主導的に行う役目を果たす。ここで、電力線通信部208では、例えば図10、図11に示すデータ処理部262が、判定部214、記録制御部216、および課金処理部218として機能する。
なお、図13では、電力線通信部208が、判定部214と記録制御部216と課金処理部218とを備え、本実施形態に係る受電装置における状態管理方法に係る処理(例えば、上記(I)の処理(判定処理)〜上記(III)の処理(課金処理))を主導的に行う役目を果たす例を示しているが、本実施形態に係る受電装置の構成は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る受電装置は、判定部214、記録制御部216、および課金処理部218のうちの1または2以上の構成要素を個別に備えていてもよい。つまり、本実施形態に係る受電装置では、判定部214、記録制御部216、および課金処理部218のうちの1または2以上の構成要素を、例えば、MPUなどの個別の処理回路で実現することも可能である。判定部214、記録制御部216、および課金処理部218のうちの1または2以上の構成要素が、電力線通信部208とは別体に備えられる場合、別体に備えられる構成要素は、例えば、高周波信号に基づき得られた電力や、電力線PLから得られる電力、バッテリなどの内部電源から得られる電力などによって、本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を行う。
判定部214は、上記(I)の処理(判定処理)を主導的に行う役目を果たし、本実施形態に係る証拠情報が受信されたかを判定する。また、判定部214は、例えば、受信された証拠情報に含まれる情報を判別してもよい。判定部214は、判定結果を示す信号(またはデータ)を、記録制御部216と課金処理部218とに伝達する。
記録制御部216は、上記(II)の処理(記録制御処理)を主導的に行う役目を果たし、判定部214において証拠情報が受信されたと判定された場合に、受信された証拠情報を記録媒体に記憶させる。ここで、記録制御部216が証拠情報を記憶させる記録媒体としては、例えば、図10や図11に示す内部メモリ270や、記憶部(図示せず)、接続されている着脱可能な外部記録媒体、通信部212を介して有線または無線で接続された外部装置が備える記録媒体などが挙げられる。外部装置が備える記録媒体に証拠情報を記憶させる場合、記録制御部216は、例えば、証拠情報と、当該証拠情報を外部装置に記録させるための記録処理命令とを、通信部212に送信させる。
課金処理部218は、上記(III)の処理(課金処理)を主導的に行う役目を果たし、例えば、判定部214において受信された証拠情報に供給された電力に対する対価に関する情報が含まれると判定された場合に、証拠情報に含まれる供給された電力に対する対価に関する情報に基づいて、課金処理を行う。
通信部212は、受電装置200が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)、外部課金処理装置や、サーバなどの外部装置と無線/有線で通信を行う。例えば課金処理部218が、上述した間接的な課金処理を行う場合、課金処理部218は、例えば、通信部212に、証拠情報に含まれる供給された電力に対する対価に関する情報を、外部課金処理装置に送信させる。また、課金処理部218は、例えば、さらに受電装置200(課金対象の装置に該当する。)を示す識別情報を、通信部212に送信させてもよい。
また、通信部212は、例えば、高周波信号に基づき得られた電力や、電力線PLから得られる電力、バッテリなどの内部電源から得られる電力などによって駆動し、通信を行う。
ここで、通信部212としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられる。また、通信部212は、例えば、USB端子および送受信回路など通信を行うことが可能な任意の規格に対応する構成や、ネットワークを介して外部装置と通信可能な任意の構成であってもよい。
受電装置200は、例えば図13に示す構成によって、本実施形態に係る受電装置における状態管理方法に係る処理(例えば、上記(I)の処理(判定処理)〜上記(III)の処理(課金処理))を行う。したがって、受電装置200は、例えば図13に示す構成によって、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことができる。また、受電装置200は、例えば図13に示す構成によって、受信した証拠情報に基づく課金処理を選択的に行うことができる。
なお、本実施形態に係る受電装置の構成は、図13に示す構成に限られない。
[1]第1の変形例
例えば、本実施形態に係る受電装置は、通信部212を備えない構成であってもよい。通信部212を備えない場合であっても、本実施形態に係る受電装置は、例えば図10、図11に示す内部メモリ270に記憶されている電子バリューを用いた課金処理を行うことによって、上記(I)の処理(判定処理)〜上記(III)の処理(課金処理)を行うことが可能である。したがって、本実施形態の第1の変形例に係る受電装置は、図13に示す受電装置200と同様の効果を奏することができる。
[2]第2の変形例
また、例えば図13では、本実施形態に係る受電装置が、本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成を示したが、本実施形態に係る受電装置は、本実施形態に係る無線通信によって通信を行うことも可能である。より具体的には、本実施形態に係る無線通信によって通信を行う場合には、本実施形態に係る受電装置は、例えば図5に示す本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成に替えて、図3に示す本実施形態に係る無線通信によって通信を行う構成を備える。
ここで、本実施形態に係る無線通信によって通信を行う構成を備える場合であっても、本実施形態の第2の変形例に係る受電装置は、上記(I)の処理(判定処理)〜上記(III)の処理(課金処理)を行うことが可能である。したがって、本実施形態の第2の変形例に係る受電装置は、図13に示す受電装置200と同様の効果を奏することができる。
[3]第3の変形例
また、本実施形態に係る受電装置は、例えば、本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成と、本実施形態に係る無線通信によって通信を行う構成との双方の構成を有していてもよい。より具体的には、本実施形態に係る受電装置は、例えば、図3に示す本実施形態に係る無線通信によって通信を行う構成と、図5に示す本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成とを備える。
ここで、本実施形態に係る電力線通信によって通信を行う構成と、本実施形態に係る無線通信によって通信を行う構成との双方の構成を有する場合であっても、本実施形態の第3の変形例に係る受電装置は、上記(I)の処理(判定処理)〜上記(III)の処理(課金処理)を行うことが可能である。したがって、本実施形態の第3の変形例に係る受電装置は、図13に示す受電装置200と同様の効果を奏することができる。
[4]第4の変形例
また、本実施形態に係る受電装置は、例えば、課金処理部218を備えない構成であってもよい。課金処理部218を備えない構成であっても、本実施形態に係る受電装置は、上記(I)の処理(判定処理)、および上記(II)の処理(記録制御処理)を行うことが可能である。したがって、本実施形態の第4の変形例に係る受電装置は、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことができる。
[5]第5の変形例
また、本実施形態に係る受電装置は、例えば、電力が無線で伝送される場合には、接続部202を備えなくてもよい。電力が無線で伝送される場合には、本実施形態に係る受電装置は、例えば、電磁誘導を利用した電力の伝送に係る受電デバイス、電波(マイクロ波)を利用した電力の伝送に係る受電デバイス、磁場の共鳴を利用した電力の伝送に係る受電デバイス、電場の共鳴を利用した電力の伝送に係る受電デバイスなど、無線電力伝送に係る受電デバイスを備える。
[6]第6の変形例
また、本実施形態に係る受電装置は、例えば、受信された証拠情報の内容を、本実施形態に係る受電装置のユーザに通知させる通知制御部(図示せず)をさらに備えていてもよい。通知制御部(図示せず)は、例えば、文字や画像、ライトの点滅などを用いることによる視覚的な通知方法や、音声(音楽やビープ音などを含む。以下、同様とする。)を用いた聴覚的な通知方法などによって、本実施形態に係る受電装置のユーザに対する、受信された証拠情報の内容の通知を行わせる。ここで、通知制御部(図示せず)が通知を行わせる対象としては、例えば、本実施形態に係る受電装置が備える表示部(図示せず)や、本実施形態に係る受電装置が備えるアンプやスピーカなどの音声出力デバイス、外部表示装置や外部音声出力デバイスなどの外部装置などが挙げられる。
[7]第7の変形例
また、本実施形態に係る受電装置は、例えば、上記第1の変形例に係る構成と上記第2の変形例に係る構成とを組合せた構成や、上記第1の変形例に係る構成と上記第3の変形例に係る構成とを組合せた構成、…など、組合せ可能な任意の構成をとることも可能である。
[8]他の変形例
本実施形態に係る受電装置は、例えば、本実施形態に係る給電装置と同様に、いわゆるリーダ/ライタ機能を有していてもよい。
以上、本実施形態として給電装置を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、建物などに備え付けられたコンセント、PCやサーバなどのコンピュータ、電源タップ、電気自動車や電力で動く機器などに対して電力を供給可能な装置、表示装置など、様々な機器や設備に適用することができる。また、本実施形態は、例えば、給電装置の役目を果たす電気自動車などの車両や移動体に適用することもできる。さらに、本実施形態に係る給電装置は、外部装置から送信された電力を受電してもよい。つまり、本実施形態に係る給電装置は、受電装置の役目を果たしてもよい。
また、本実施形態として受電装置を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、PCなどのコンピュータや、携帯電話やスマートフォンなどの通信装置、映像/音楽再生装置(または映像/音楽記録再生装置)、携帯型ゲーム機、表示装置、テレビ受像機、照明機器、トースター、電気自動車などの電力で駆動する車両など、電力で動く様々な機器に適用することができる。また、本実施形態は、例えば、プラグに適用することもできる。さらに、本実施形態に係る受電装置は、外部装置へ電力を送信してもよい。つまり、本実施形態に係る受電装置は、給電装置の役目を果たしてもよい。
(本実施形態に係るプログラム)
[1]本実施形態に係る給電装置に係るプログラム
コンピュータを、本実施形態に係る給電装置として機能させるためのプログラム(例えば、“上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理)”や、“上記(1)の処理(判定処理)〜上記(3)の処理(送信制御処理)、および記録制御処理”など、本実施形態に係る給電装置における本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を実行することが可能なプログラム)が、コンピュータにおいて実行されることによって、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことができる。
[2]本実施形態に係る受電装置に係るプログラム
コンピュータを、本実施形態に係る受電装置として機能させるためのプログラム(例えば、“上記(I)の処理(判定処理)および上記(II)の処理(記録制御処理)”や、“上記(I)の処理(判定処理)〜上記(III)の処理(課金処理)”など、本実施形態に係る受電装置における本実施形態に係る状態管理方法に係る処理を実行することが可能なプログラム)が、コンピュータにおいて実行されることによって、給電が行われない状態となった場合における情報を、より確実に残すことができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記では、コンピュータを、本実施形態に係る給電装置、または、本実施形態に係る受電装置として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本実施形態は、さらに、上記プログラムをそれぞれ記憶させた記録媒体や、上記プログラムを共に記憶させた記録媒体も併せて提供することができる。
上述した構成は、本実施形態の一例を示すものであり、当然に、本開示の技術的範囲に属するものである。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
電力を供給する給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあるかを判定する状態判定部と、
前記給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にない場合に、給電が可能ではない状態に関する証拠情報を生成する情報生成部と、
生成された前記証拠情報を、送信対象の外部装置へと送信させる送信制御部と、
を備える、給電装置。
(2)
前記情報生成部は、給電に関する時間の情報を含む前記証拠情報を生成する、(1)に記載の給電装置。
(3)
前記情報生成部は、供給された電力に対する対価に関する情報を含む前記証拠情報を生成する、(1)、または(2)に記載の給電装置。
(4)
前記状態判定部は、
前記給電対象の外部装置から取得される識別情報に基づいて前記給電対象の外部装置を認証し、
認証結果に基づいて、前記給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であるかを判定する、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の給電装置。
(5)
前記給電対象の外部装置と通信を行う通信部をさらに備え、
前記状態判定部は、前記通信部における前記給電対象の外部装置との通信により取得された前記識別情報に基づいて、前記給電対象の外部装置を認証する、(4)に記載の給電装置。
(6)
前記通信部は、前記給電対象の外部装置において負荷変調が行われることにより送信される前記識別情報を取得する、(5)に記載の給電装置。
(7)
前記通信部は、
前記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号を、電力が伝送される電力線を介して送信し、前記給電対象の外部装置と通信を行う電力線通信部と、
前記電力線通信部と前記電力線との間に接続され、少なくとも前記電力の周波数の信号を遮断し、前記高周波信号を遮断しない通信フィルタと、
を備える、(6)に記載の給電装置。
(8)
前記通信部は、
前記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナと、
前記高周波信号を前記通信アンテナを介して送信し、前記給電対象の外部装置と通信を行う無線通信部と、
を備える、(6)に記載の給電装置。
(9)
電力が伝送される電力線を、外部装置に接続させる接続部をさらに備え、
前記状態判定部は、前記接続部における外部装置の接続状態に基づいて、前記給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であるかを判定する、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の給電装置。
(10)
給電対象の外部装置を検出する検出部をさらに備え、
前記状態判定部は、前記検出部における外部装置の検出結果に基づいて、前記給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態であるかを判定する、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の給電装置。
(11)
前記送信対象の外部装置は、前記給電対象の外部装置、前記給電対象の外部装置以外の外部装置のうちの前記給電対象の外部装置に対応付けられた外部装置、前記給電対象の外部装置以外の外部装置のうちの前記給電対象の外部装置に対応付けられていない外部装置のうちの、1または2以上の外部装置である、(1)〜(10)のいずれか1つに記載の給電装置。
(12)
電力を供給する給電装置における給電が可能ではない状態に関する証拠情報が受信されたかを判定する判定部と、
前記証拠情報が受信されたと判定された場合に、前記証拠情報を記録させる記録制御部と、
を備える、受電装置。
(13)
前記証拠情報が受信されたと判定された場合に、前記証拠情報に基づいて課金処理を選択的に行う課金処理部をさらに備え、
前記判定部は、受信された前記証拠情報に含まれる情報を判別し、
前記課金処理部は、受信された前記証拠情報に供給された電力に対する対価に関する情報が含まれる場合に、前記課金処理を行う、(12)に記載の受電装置。
(14)
電力を供給する給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあるかを判定するステップと、
前記給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にない場合に、給電が可能ではない状態に関する証拠情報を生成するステップと、
生成された前記証拠情報を、送信対象の外部装置へと送信させるステップと、
を有する、状態管理方法。
(15)
電力を供給する給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にあるかを判定するステップ、
前記給電対象の外部装置に対する給電が可能な状態にない場合に、給電が可能ではない状態に関する証拠情報を生成するステップ、
生成された前記証拠情報を、送信対象の外部装置へと送信させるステップ、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。