JP6242470B2 - レバーエスケープを備えた機械式計時器用ムーブメント - Google Patents

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Description

本発明は、バランスと、及びバランスに関連づけられたパレットレバーを備えたエスケープとを有する機械式計時器用ムーブメントに関する。本発明は、特に、スイス式レバーエスケープに関する。
ばね仕掛けバランス及びスイス式レバーエスケープを備えた機械式計時器用ムーブメントが長い間知られている。このエスケープは、フォーク及びガードピンを備えるパレットレバーを有し、バランスと一体化されたインパルスピンが、フォークと連係して、発振を維持するためにバランスにインパルスを与える。次に、この計時器用ムーブメントは、さらに、パレットレバーの回転を両方向において制限する2つのバンキングピン又は堅固なバンキングを有する。これらのピンは、パレットレバー用の2つのロック位置を定めており、これらの間をパレットレバーが振動する
発振の各振動の間に、パレットレバーは、以下のような様々な段階を経る。すなわち、ロック段階、アンロック段階、インパルス段階及び安全段階である。ロック段階ないしロック期間の間に、パレットレバーは、バンキングピンに接して止まり、エスケープ車は不動であり、インパルスピンは、上昇してその後に下降する補助的な弧を描く。アンロック段階は、各ロック段階においてパレットレバーの第1のパレット石のロック面で止まるエスケープ車の歯をアンロックすることに関する。このアンロック段階は、フォークの第1のホーンにて止まっているバランスのインパルスピンによって開始し、バランスがアンロック角度を通り抜けるようにパレットレバーを動かす。インパルス段階において、フォークの第2のホーンがインパルスピンに接し、エスケープ車が提供するトルクによって、インパルスピンに対して力を与える。エスケープ車の前記歯は、第1のパレット石のインパルス面に力を加える。このインパルス段階において、バランスは、その発振を維持させるためにインパルスを受け、パレットレバーは、インパルス角を通り抜けるようにその回転運動を継続する。最後に、安全段階において、インパルスピンは、フォークから解放され、別の上昇してその後に下降する補助的な弧を描く。そして、パレットレバーは、安全角度を通り抜けるその回転の終わりの段階に入る。これは、「バンキングへのラン」と呼ばれ、インパルスピンがフォークから解放され、エスケープ車の歯が第2のパレット石のロック面に正確に配置されることを確実にする。
ロック段階において、パレットレバーのガードピンによって、パレットレバーが実質的にそのロック角位置に留まることが確実になる。主な実施形態において、バランススタッフと一体化されており溝が設けられた安全ローラーが設けられている。これによって、インパルスピンとフォークの間で連結している時にパレットレバーが回転することが可能になる。バンキングピン上に置かれる2つのロック位置の一方にパレットレバーがあるときに、ガードピンの端は、安全ローラーの側面から短い距離に位置している。具体的には、ロック段階の間に、望まない力がパレットレバーに作用すると、パレットレバーは、関心事のピン上のロック位置から離れて、このとき、ガードピンは、安全ローラーの側面と接触し始める。このことによって、バランスの発振運動が崩壊してしまう。これは、レギュレーターを適正に動作させるために問題である。いずれにしても、このような事象は可能な限り短いことが望ましい。エネルギー源がエスケープ車に機械的エネルギーを与えて発振運動を維持するような機械的ムーブメントにおいては、上記のスイス式レバーエスケープの場合と同様に、ロック段階又はロック期間に、パレット石と連係するエスケープ車によって引張りが発生する。このパレット石の上にエスケープ車が置かれる。この機械的な引張りは、パレットレバーのための復帰力を定める。これは、計時器用ムーブメントが衝撃を受けたり鋭い加速をしたりしてパレットレバーが瞬間的に回転駆動した後に、交互に、パレットレバーをバンキングピンに押して、また、パレットレバーをバンキングピンに戻す。
また、駆動源によってバランスにエネルギーが直接与えられ、バランスが、一方では、エネルギーを伝えて歯車列を駆動し、他方では、振動をカウントする手段によってムーブメントのレートを調節するために用いられるような機械式駆動要素であるような計時器用ムーブメントが知られている。この点に対して、スイス特許CH573136は、逆型レバーエスケープによって形成される振動をカウントする電気的に維持されるバランス及びシステムを開示している。この種の電気機械的なムーブメントは、スイス式レバーエスケープを備えた計時器用ムーブメントとは非常に異なるように、構成しており、動作する。具体的には、バランスが与えるエネルギー源のみからエスケープ車がエネルギーを受けることを考えると、このエスケープ車は、特にエスケープ車を駆動するバレルによって駆動エネルギーが与えられる機械的ムーブメントの場合と同様に、いずれの引張りをも与えない。この文献は、機械的な引張りがないので、パレットレバーにマウントされた磁石及びアプリオリに強磁性体で作られた2つの位置合わせピンによって、引張りを得ることができることを示している。これらのピンは、引力の全体が磁石に近いピンの方に向けられるように、パレットレバーを連続的に引きつける。このことによって、パレットレバーをロック位置に保持することができる。パレットレバーは、ロック位置にてピン上に交互に置かれる。
スイス式レバーエスケープは、機械式計時器用ムーブメントを良好に調節することができることがわかった。しかし、この種のエスケープは依然として複雑な機構であり、上述のように、衝撃や鋭い加速の影響を受けやすい。具体的には、このようなエスケープの効率と、衝撃があった場合の安全性との2つの重要なパラメーターを同時に最適化することは難しい。なぜなら、パレットレバーは、これらの2つの技術的特徴によって影響を受ける第1の要素であるからである。ロック期間におけるパレットレバーの小さな振動やいずれのはね戻りも、バランスの動作を崩壊させることが知られている(安全ローラーと接触し、安全ローラーにこすれるガードピンを介して)。このことは、効率とクロノメトリーを害してしまう。既知の例において、パレットレバーの引張り、そして、パレットレバーの回転を制限するバンキングピンに対するパレットレバーの保持は、エスケープ車がパレットレバーに与える特定のトルクによってのみ確実になる。なお、このトルクは、ピン/バランスの補助的な弧の一部の間に、特に、トルクが実質的に一定な最適化されたエスケープにおいて、低すぎであったり、完全に不足していたりすることがある。なぜなら、このような機構におけるエスケープ車は、ゆっくり進むからである。
本発明は、上述の伝統的なレバーエスケープの課題を克服することを目的とする。具体的には、クロノメトリーやエスケープの効率に与える影響を最小化し又は効率に悪影響を与えずに、エスケープのダイナミック動作において何らかの改善をも可能にしつつ、ロック期間にパレットレバーをバンキングピンに戻す力を大きくすることを目的とする。
このために、本発明は、エスケープレバーが永久磁石である少なくとも第1の磁石を担持している機械式計時器用ムーブメントに関する。前記第1の磁石の磁化軸は、前記パレットレバーが前記回転の運動を行うときの前記パレットレバーの環状変位軸の接線方向を実質的に向いている。この計時器用ムーブメントは、実質的に前記環状変位軸と軸一致しているように前記第1の磁石の両側に配置された第1の高透磁率要素と第2の高透磁率要素を有する。この計時器用ムーブメントは、さらに、第2の永久磁石及び第3の永久磁石を有し、これらは、前記第1及び第2の高透磁率要素とそれぞれ一体化されており、前記第1及び第2の高透磁率要素の対応する方に対して前記少なくとも第1の磁石の反対側にそれぞれ配置されている。前記少なくとも第1の磁石と、及び前記第2の磁石と第1の高透磁率要素によって形成された第1のアセンブリー及び第3の磁石と第2の高透磁率要素によって形成された第2のアセンブリーはそれぞれ、前記少なくとも第1の磁石と第1のアセンブリー又は第2のアセンブリーとの間で、前記角距離の第1の区画に磁気的な引力及び前記角距離の第2の区画に磁気的な斥力を発生させるように構成しており、これによって、前記第2の区画は、第1の区画に対応するものよりも分離距離が大きい前記第2の永久磁石及び前記第3の永久磁石の間の分離距離に対応している。
好ましい実施形態において、第1及び第2の高透磁率要素はそれぞれ、第2及び第3の磁石の磁化軸と実質的に一致する中央軸を有し、これらの中央軸はそれぞれ、実質的に第1の磁石の環状変位軸の接線方向を向いている。
下で詳細に説明するように、本発明の特徴によって、特定の磁気的な引張りを得ることができる。このことは、パレットレバーの回転を制限するバンキング要素に当接するパレットレバーのロック位置から比較的短い角距離のみにわたって与えられるという利点を有する。この短い角距離の次には、パレットレバーが前記バンキング要素から磁気的に押し戻されるような角度範囲が続く。したがって、本発明の磁気的システムは、スイス式レバーエスケープにおいて、引張りを大きくして、結果的にバランスの発振運動を崩壊させるリスクを抑えることに加えて、パレットレバーの中央の角度位置までの維持用インパルスをパレットレバーによってバランスへと伝達することに寄与することができる。本発明の詳細な説明によって、本発明の他の特徴も明確になるであろう。
以下、例として与えられる添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、これに制限されない。
本発明に係る計時器用ムーブメントの第1の実施形態の斜視図である。 図1の計時器用ムーブメントの部分的な上面図である。 第1の実施形態のエスケープに組み入れられた磁気的システムの磁気的デバイス形成部分を概略的に示している。 図3の磁気的デバイスにおいて可動磁石に与えられる磁力を可動磁石の変位の関数として示すグラフである。 第1の実施形態のエスケープレバーに与えられる磁力全体をエスケープレバーの角度位置の関数として示すグラフである。 図6A及び6Bは、本発明の第2の実施形態におけるレバーのロック期間におけるレバーの可能性のある2つの極端な位置を示している。図6Cは、第2の実施形態におけるガードピンのクリアランスに対応する角度範囲を図5のグラフ上に示しているグラフである。 図6Aの平面VII−VIIからの第2の実施形態の部分的な側面図である。 図8A、8B及び8Cはそれぞれ、パレットレバーの振動の様々な段階の間の3つの遷移位置における第2の実施形態のパレットレバーを示している。 図8A、8B及び8Cの3つの遷移位置及びパレットレバーの振動の様々な段階を図5のグラフ上に示しているグラフである。 本発明の第3の実施形態についての図7と同様な側面図である。
以下、図1〜5を参照して、本発明に係る機械式計時器用ムーブメント2の第1の実施形態について説明する。この計時器用ムーブメントは、伝統的なばね仕掛けバランス(図面をわかりやすくするために図示しない)及びスイス式レバーエスケープ(エスケープ車を図示しない)を有する。パレットレバー4には、そのレバー10の端にて、フォーク8及びガードピン12が設けられている。パレットレバー4は、ピボット軸18を有し、ピボット軸18の一端は、プレート6のベアリングにマウントされている。2つのアーム14及び15はそれぞれ、伝統的な形態で、パレット石16及び17を支持している。パレットレバー4は、2つの極端な角度位置の間の角変位距離にわたっての回転運動を行うことができる。この2つの極端な角度位置はそれぞれ、パレットレバー4の2つのロック位置を定めるこのために、計時器用ムーブメント2は、パレットレバー4の回転を制限する2つのバンキング要素24及び25を有し、これらはそれぞれ、2つの堅固なバンキングによって形成されている。代わりに、パレットレバー4は既知の手法で動作時において、このパレットレバー4を介してバランスに供給されるパルスの間に発生するロック期間において2つのバンキング要素と当接するように動く。
パレットレバー4は、2つの永久磁石20及び22を担持しており、これらそれぞれの磁化軸は、パレットレバー4がその発振時に回転運動を行うときに、実質的に環状変位軸30の接線方向を向いている。2つの磁石の環状変位軸は一致している。次に、計時器用ムーブメントは、2つの高透磁率要素26及び27を有し、これらはそれぞれ、環状軸30上で実質的に軸一致するように、2つの磁石20及び22によって形成されたアセンブリーの一方の側に設けられている。図1及び2に示す変形実施形態において、2つの磁石20及び22は、フォーク8に設けられており、2つの高透磁率要素26及び27はそれぞれ、2つのバンキング要素24及び25にマウントされている。なお、2つの高透磁率要素及び2つのバンキング要素は、実質的に同じ対称面を有する。2つの磁石20及び22はそれぞれ、環状軸30に沿って2つの高透磁率要素26及び27に対向するように構成している。
計時器用ムーブメント2は、さらに、他の2つの永久磁石28及び29を有し、これらはそれぞれ、2つの高透磁率要素26、27と一体化されている。磁石28及び磁石29はそれぞれ、磁石20及び磁石22の反対側に設けられており、磁石20及び磁石22はそれぞれ、高透磁率要素26及び要素27に対抗するようにパレットレバー4によって担持されている。次に、環状変位軸30に沿った射影において、磁石20の極性は、磁石28の極性と反対であり、磁石22の極性は、磁石29の極性と反対である。2つの高透磁率要素26及び27はそれぞれ、中央軸を有する。これらは、磁石28及び29の磁化軸と実質的に一致しており、これらそれぞれの中央軸は、実質的に磁石20及び22の環状変位軸30の接線方向を向いている。このようにして、上述の様々な磁気的要素によって形成された磁気的システムは、2つの同一の磁気的デバイスを有する。これらは、固定された磁気的要素の垂直方向の対称面の両側にて反転した形態で構成している。本発明のエスケープに組み入れられるこれらの2つの磁気的デバイスのそれぞれの動作について説明するために、図3に、第1の実施形態において設けられる2つのデバイスと同様な磁気的デバイス32を示している。
デバイス32は、一方では、第1の磁石28、29と、及び高透磁率要素26、27とを有する固定アセンブリーを有し、他方では、前記固定アセンブリーに対して動くように構成している第2の磁石20、22を有する。なお、以下の説明は、本発明の他の実施形態にも有効である。高透磁率要素26、27は、第1の磁石28、29と第2の磁石20、22の間に配置されている。この中間要素は、第1の磁石と接するように又は第1の磁石の近くに、配置されている。これは、例えば、カーボンスチール、炭化タングステン、ニッケル、FeSi又はFeNi、又はVacozet(登録商標)(CoFeNi)又はVacoflux(登録商標)(CoFe)のようなコバルトを含有する他の合金によって構成している。高透磁率要素は、飽和磁場BS及び透磁率μによって特徴づけられる。第1及び第2の磁石は、例えば、フェライト、FeCo又はPtCo、又はNdFeBやSmCoのような希土類含有物で作られている。これらの磁石は、残留磁場によって特徴づけられる。
高透磁率要素26、27は、中心軸34を有し、これは、第1の磁石の磁化軸及び第2の磁石の磁化軸と実質的に一致する。これらの磁石の磁化方向は、反対である。すなわち、これらの磁石は、中心軸34に沿った逆の極性を有する。この中心軸は、第2の可動磁石の変位軸に対応している。
2つの磁石の間の高透磁率要素が第1の磁石に近くに又は第1の磁石に対向するように位置して保持されるような構成の結果、可動磁石20、22には、可動磁石20、22と高透磁率要素26、27の間の距離が距離Dinvよりも大きい場合に、可動磁石20、22を高透磁率要素26、27から離す傾向がある全体的な磁気的な斥力が与えられる。これに対して、可動磁石を高透磁率要素26、27に近づける傾向がある全体的な磁気的な引力が可動磁石に与えられる。この磁気的な引力は、抵抗がなく、可動磁石と高透磁率要素26、27の間の距離が距離Dinv未満である場合に、可動磁石を高透磁率要素26、27に対向するように保持する。このように、2つの磁石が逆の極性にて配置されるにもかかわらず、全体的な磁気的な引力は、高透磁率要素の方向への可動磁石の復帰力又は引張り力を定める。好ましくは、第1の固定磁石と高透磁率要素の間の距離は、磁化軸に沿った第1の磁石の長さの10分の1よりも小さい又はこれと実質的に等しい。
図4の曲線36は、可動磁石に与えられる全体的な磁力を示している。可動磁石は、当該可動磁石と高透磁率要素26、27の間の相対距離Dが第1の区画38にある場合、当該可動磁石を高透磁率要素26、27の方向に引き出し又は当該可動磁石が要素に当接しているときには当該可動磁石を高透磁率要素26、27に対して押すような全体的な磁気的な引力が与えられる。次に、可動磁石は、相対距離Dが第2の区画40にあるときに、全体的な磁気的な斥力が与えられる。この第2の区画40は、離間距離に対応しており、したがって、第1の区画38に対応する離間距離よりも大きい高透磁率要素と可動磁石の間の相対距離(D)に対応している。したがって、距離Dinvは、可動磁石に与えられる全体的な磁力が反転する距離である。これは、特に、用いられる材料及び前記磁力の強度のような磁気的デバイス32の磁気的要素のそれぞれの幾何学的構成に依存するものである。高透磁率要素26、27と可動磁石20、22の間の最大距離Dmaxは、一般的に、関連する計時器機構によって定められる。本発明のエスケープの場合には、この最大距離は、これらの要素間の最小距離と同様に、バンキング要素24又は25によって決められる。図4のグラフにおいては、最小距離はゼロであるが、この最小距離がゼロではないように、可動磁石、高透磁率要素26、27及び関連するバンキング要素を配置することができる。したがって、最大の磁気的な引力を調節することができる。
磁気的デバイス32において、磁石の軸及び高透磁率要素の中心軸は、一致しており、可動磁石の変位軸と同一直線上にある。しかし、この磁気的デバイスがこれらの条件を満たさなくても機能的であることを維持することには留意すべきである。なぜなら、相対運動の方向が、特に、中心軸34を中心とする特定の角度を形成するからである。本発明に係るエスケープにおける場合と同様に、磁石が回転運動を行うときの可動磁石の変位軸は、環状の軸であることができる。この場合、2つの磁石の間の距離が減少するとき、具体的には、相対距離Dの第1の区画38にあるときに、これらの2つの磁石の磁化軸が軸一致する傾向があることが好ましいことに留意すべきである。
本発明に係る計時器用ムーブメントのエスケープにおいて、このような磁気的デバイス32の注目すべき動作が有利に用いられる。これは、このような同一の磁気的デバイスを2つ組み合わせて、2つのロック位置の間のパレットレバーの移動角度において非対称な磁気的なふるまいを発生させ、発振の両方の方向にてパルスがバランスに提供されているときに機械的な力が与えられている状態においてパレットレバーに対する双安定の磁気的システムを定める。特に、第1の磁石20及び磁石28と第1の高透磁率要素26によって構成されている第1のアセンブリー、及び第2の磁石22及び磁石29と第2の高透磁率要素27によって構成されている第2のアセンブリーは、第1の磁石20と第1のアセンブリーの間、及び第2の磁石22と第2のアセンブリーの間に、これらの間の角距離の第1の区画において磁気的な引力が発生し、前記角距離の第2の区画において磁気的な斥力が発生し、第2の区画がそれらの間の離間距離に対応し、この離間距離が第1の区画に対応する離間距離よりも大きいように構成している。
図5のグラフにおいて、横軸は、フォーク8と、堅固なバンキング24、25の間の環状距離であり、縦軸は、エスケープの磁気的システムにおいてパレットレバー4が担持する磁石20及び22に与えられる全体的な磁力を表している。この磁気的システムは、磁気的デバイス32と同様な2つの磁気的デバイスによって構成している。この全体的な磁力に対して、曲線42が得られる。これは、以下の4つの別個の区画を有する。第1の区画46Aにおいては、全体的な磁力が第1の高透磁率要素26の方向の磁気的な引張り力であり、第2の区画48Aにおいては、全体的な磁力が第1の高透磁率要素26に対する磁気的な斥力であり、第3の区画48Bにおいては、全体的な磁力が第2の高透磁率要素27に対する磁気的な斥力であり、そして、第4の区画46Bにおいては、全体的な磁力が再び磁気的な引張り力であるが、この場合においては第2の要素27の方向の力である。
曲線42は、実質的に非対称であり、全体的な磁力が中心点44において打ち消されている。なお、この中心点44を起点として、第1のバンキング要素24の方向と第2のバンキング要素25の方向の両方において、磁気的システムのふるまいは対称的である。すなわち、パレットレバー4が第1のバンキング要素から第2のバンキング要素の方に近づいても逆でも、磁気的システムのふるまいは同一である。したがって、パレットレバーの両方の回転の向きにおいて、したがって、各振動において、磁力は同一である。前記第1及び第2のアセンブリーと、及びパレットレバーが担持する対応する可動磁石とは、第1及び第2のアセンブリーによって2つの可動磁石に、したがって、パレットレバーに、与えられる全体的な磁力が、2つの可動磁石の幾何学的な中心が実質的に第1及び第2のアセンブリーの対称面(中心点44において)に位置するときに、実質的に打ち消されるように構成している。次に、この対称面を起点として、第1のアセンブリー又は第2のアセンブリーの方向への可動磁石の環状変位軸に沿って、全体的な磁力は、第1の角度範囲(区画48A又は48B)において、磁気的な斥力を定め、そして、第1のアセンブリー又は第2のアセンブリーに近づく第2の角度範囲(区画46A又は46B)において、第1又は第2のアセンブリーに対する磁気的な引力を定める。このように、本発明に係る磁気的システムは、パレットレバーの任意の振動の前半の振動の第1の部分において、エスケープ車が発生させる機械的な引張りに付加される磁気的な引張りを定める全体的な磁気的な引力を発生させる。そして、この前半の振動の第2の部分において、全体的な磁気的な斥力を発生させる。
以下、図6A〜9を参照して、本発明に係る計時器用ムーブメント、特に、エスケープ52の第2の実施形態について説明する。また、上記の磁気的システムにおけるパレットレバーに与えられる全体的な磁力に対してのこのエスケープの動作についても説明する。この第2の実施形態は、第1の実施形態におけるものと同様に動作するエスケープに組み入れられている磁気的システムを有する。エスケープ52は、パレットレバー4Aが担持する単一の可動磁石54を有するという点で、本質的に上記のエスケープと異なる。この可動磁石は、パレットレバー4Aが回転運動を行うときに実質的に環状変位軸30の接線方向に向いている磁化軸を有する。可動磁石は、環状変位軸に沿った射影において、2つの固定磁石28及び29のそれぞれの極性とは反対の極性を有する。第1の実施形態の2つの可動磁石の代わりに、パレットレバー4Aが担持する単一の磁石54を用い、これによって、磁石54が2つの固定された磁気的アセンブリーと相互作用し、それらの磁気的アセンブリーのそれぞれと、上記の磁気的デバイス32と同様な磁気的デバイスを形成する。
さらに、エスケープ52は、さらに、その2つの円筒状である高透磁率要素26A及び27Aによって区別される。次に、エスケープ52は、第1及び第2の固定の磁気的アセンブリーが変位軸30に沿ってこの可動磁石の両側に配置される際のパレットレバー4Aのレバー10上の可動磁石54の位置合わせにおいて異なる。最後に、エスケープ52において、高透磁率要素26A、27Aは、さらに、パレットレバー4Aの発振運動を制限するバンキング要素を形成しており、パレットレバー4Aのロック期間において磁石54がこれらの要素と当接して保持されている。したがって、2つの高透磁率要素26A、27Aはそれぞれ、2つのバンキング要素と一致している。パレットレバー4Aの振動の終わりにおいて衝撃が発生した場合に可動磁石を保護するために、この振動する磁石54の2つの側面に保護層56が設けられる。この側面はそれぞれ、磁気的要素26A及び27Aと当接するように動く。
パレットレバー4Aには、ガードピン12が設けられる。このガードピン12は、ピボット軸又はピボット軸のまわりにマウントされるローラー58の側面と連係している。ガードピン12は、パレットレバー4Aがそのロック期間にその2つのロック位置のどちらかにあるときに、パレットレバー4Aが安全角度を越えて引張りすることを防ぐように用いられる。バランスは、安全ローラー58の上の断面にある。このバランスは、インパルスピン60を有し、これは、ピボット軸アーバーと一体化されておりフォーク8Aと連係する。これによって、そのフォーク8Aが、パレットレバー4Aと連結しているエスケープ車(図示せず)に与えられる駆動力によって振動を維持させるパルスをバランスに与えることが可能になる。なお、フォーク8Aはレバー10を拡張し、ガードピン12は、パレットレバー4Aの全体的な平面の下に配置されている。
図6Aは、可動磁石が磁気的要素26Aと当接しているようなロック位置にあるパレットレバー4Aを示している。なお、この構成において、パレットレバー4Aと止め(バンキング要素)の間の距離は、ゼロであるように定められる。しかし、ここで説明している変形実施形態において、ゼロ位置では、磁石54は、磁気的要素26Aから保護層56の厚みに対応する距離離れている。パレットレバーロック段階の間に発生するこの通常のロック構成において、パレットレバー4Aは、バンキング要素上に置かれており、第1に、エスケープ車によってパレットレバー4Aに与えられるトルクを介して機械的な引張り力が与えられ、第2に、本発明によると、前記バンキング要素の方向の磁気的な引張り力が与えられる。
好ましい変形実施形態において、本発明の磁気的システムは、ロック期間又は段階において、ガードピン12のクリアランス角距離が、図5のグラフにおける区画46A又は46Bに対応する磁気的な引張り角距離よりも小さいか又は実質的に等しいように構成している。これらの2つの区画46A及び46Bにおいて、全体的な磁力は、パレットレバー4Aの全体的な平面への射影においてパレットレバー4Aのレバー10の長手方向の軸に最も近くに位置しているバンキング要素の方向の磁気的な引力である。図6Bは、衝撃があった場合に、ガードピンが瞬間的にローラー60の側面に当接するように動くような構成を示しており、図6Cは、ガードピンのクリアランス角距離が、ここにおいて磁気的な引力(磁気的な引張り)の角度範囲と実質的に等しいことを示している。このことによって、衝撃があった場合に磁気的システムが機械的な引張りに抵抗する磁力を発生させることを回避することによって、磁気的な引張りの機能性が良好であることが確実になる。機械的な引張りに抵抗する磁力を発生させる場合には、妨害の影響が大きくなってしまい、特に、ガードピンが安全ローラーにこすれることが多くなってしまう。
図8A、8B及び8Cにおいて、3つの連続的な位置の第2の実施形態のエスケープを示している。この3つの連続的な位置は、上の背景技術において説明したパレットレバーの振動の様々な段階の間の遷移領域に対応している。図9において、これらの3つの連続的な位置は、3点42A、42B及び42Cによって全体的な磁力曲線42に示されている。ロック段階において、図6Aに示すように、パレットレバー4Aは、通常、第1のバンキング要素と当接するゼロ位置にある。ゼロ位置と第1の位置42Aの間の角度範囲は、パレットレバー4Aに対するほとんどのアンロック段階を定める。パレットレバー4Aのアンロックは、ロック段階における安全性の理由で、ガードピンのクリアランス角距離よりも大きな角距離にわたって延在するように構成している。アンロック段階の第1の部分の間に、パレットレバー4Aに対して、エスケープ車及び磁気的な引張りによって発生する機械的な引張りが発生する。したがって、磁気的な引張りと機械的な引張りは、相補的であり、引張りの全体を最適化するような寸法を有することができる。アンロックの間に、バランスは、インパルスピン(形状に起因してフランス語では楕円としても知られている)とフォークの第1のホーンとの間の接触を介してパレットレバー4Aを駆動する。なお、磁気的な引力は、パレットレバー4Aを解放するために必ずしもバランスの過剰なエネルギー散逸を必要としない。なぜなら、磁気的な引張りによって発生する余剰な引張りによって、機械的な引張りを減少させ、したがって、エスケープ車の歯とパレット石の間の接触を最適化することが可能になるからである。また、好ましいことに、この最適化によって、インパルス段階におけるパレットレバー4Aの機械的なインパルスを向上させることができる。
実際のアンロックの後に、パレットレバー4Aは、フォークの第2のホーンがインパルスピンと衝突するまで、エスケープ車からのインパルスの下で前進する(本明細書において、このバランスのキャッチアップ期間がアンロック段階において発生するが、別個の段階と考えることもできる)。初期において、磁気的な引力は、パレットレバー4Aの運動に対抗するが、この力は角距離とともに急速に縮小する。アンロック段階が、回転を防ぐ2つのバンキング要素の間のパレットレバー4Aの合計移動距離の10%〜20%に対応する角度にわたって発生することがある。なお、曲線42に対応する例において、キャッチアップ期間の間には、磁力は非常に小さく無視できる。
次は、実質的に角度位置42Cと同様に遠く、インパルス段階である。インパルス段階においては、パレットレバー4Aがバランスにエネルギーを供給する(維持)。図9に、対応するインパルス角距離が示されている。注目すべきなのは、前記インパルス角距離のほとんどを形成しているインパルス角距離の第1の部分の間に、全体的な磁気的な斥力が、パレットレバー4Aの加速を向上させる。すなわち、維持用インパルスがそれぞれ、実質的にインパルス角距離にわたってバランスに与えられ、本発明の磁気的システムは、このインパルス角距離のほとんどが、バンキング要素に対する磁気反発の角度範囲48A内に、すなわち、図5及び9のグラフ上の中心点44の前に、位置するように構成している。ここで検討している振動において、このバンキング要素から可動磁石54が離れる。
なお、インパルス段階の終わりにおいて、わずかな磁気的制動が行われる(ここで関心事の振動の場合に回転するパレットレバー4Aのための磁気的制動範囲を定める磁気的反発範囲48Bにおいて行われる)。この最終磁気制動は、インパルス段階の間にエネルギーをほとんど散逸しない。なお、この最終磁気制動は、安全段階の間に継続する。このことは、第2のバンキング要素に対するインパクトを制限するために有利である。安全段階において、維持用インパルスを受けた後、パレットレバー4Aは、第2のバンキング要素と当接する前に、安全角度距離を通り抜けるように移動する。好ましくは、本発明の磁気的システムは、安全角度距離が、回転するパレットレバー4A、そして、したがって、第2のバンキング要素に対する磁気反発の磁気制動の角度範囲内にほとんど位置している。この第2のバンキング要素の方向に可動磁石54が移動している。最後に安全段階の最終部分において、パレットレバー4Aは、第2のバンキング要素の方向への全体的な磁気的な引力の影響の下で加速する。再び、この引力は、パレットレバー4Aの次のロック期間に対する機械的な引張り力を構成している。
図10は、第3の実施形態のパレットレバー4Aのレバー10を通る断面を側方から見た断面図を示している。計時器用ムーブメント60は、前のムーブメントと比べて、高透磁率要素26B及び27Bの形状が本質的に異なっており、より一般的には、2つの固定された磁気的アセンブリー62及び64の構成において異なっている。計時器用ムーブメントは、基礎6(プレート又はブリッジ)を有し、この基礎6の上にこれらの2つの磁気的アセンブリー62及び64が配置されている。磁気的アセンブリー62及び64はそれぞれ、支持体66、67を有しており、この支持体66、67にはそれぞれ、球状の強磁性要素26B、27Bと円筒状磁石28A、29Aが配置されている。この支持体66、67は、基礎と一体化されている。このことは、基礎に支持体を組み付けているねじによって概略的に示している。他の固定手段を設けることができる。支持体はそれぞれ、平行六面体の外形を有し、全体として円筒状又は平行六面体の形状の中央開口が設けられている。開口の形状が平行六面体である場合、前の実施形態における例のように、磁石も同じ形状を有することができる。この中央開口の第1の端において、球状の強磁性要素の側に、球状の強磁性要素のための止めを形成する横方向用の突起70が設けられており、これによって、球状の強磁性要素の一部分が支持体から出ることを可能にしつつ、球状の強磁性要素が開口を完全に離れることを防ぐ。このようにして、可動磁石54が球状の強磁性要素と接触することができる。球状の強磁性要素の裏において、対応する支持体の穴に、球状の強磁性要素に接している磁石28A、29Aが配置されている。磁石側では、開口は、支持体の本体に溶接ないし接合された端壁68によって閉じられる。
なお、高透磁率要素が球状であることは有利である。なぜなら、高透磁率要素の磁気特性に影響を与えずに、精度が非常に高く表面状態が非常に良好である強磁性のマイクロボールを作ることができるからである。また、摩擦のために、そして、振動する磁石54との衝撃があった場合のために、平坦な面ではなくボールに対向するようにパレットレバー4Aを配置させることは望ましい。この面は、不規則であって磁石54の側面に堆積された硬い層56と完全に平行ではないことができる。
2 ムーブメント
4、4A パレットレバー
6 プレート
8、8A フォーク
10 レバー
12 ガードピン
20、54 第1の磁石
28 第2の磁石
29 第3の磁石
30 環状変位軸
38 第1の区画
40 第2の区画
44 対称面
58 ローラー
60 インパルスピン

Claims (10)

  1. ピボット軸を備えるバランスと、及び前記バランスに関連づけられたエスケープとを有する機械式計時器用ムーブメントであって、
    前記エスケープは、フォーク(8、8A)を備えるパレットレバー(4、4A)と、及び前記バランスと一体化されており前記フォークと連係しているインパルスピン(60)とを有し、
    これによって、前記フォークが前記バランスにインパルスを与えることが可能になり、
    前記インパルスによって、前記パレットレバーに連結しているエスケープ車に与えられる駆動力によって前記バランスの振動が維持され、
    当該計時器用ムーブメントは、さらに、前記パレットレバーの回転を防ぐ2つのバンキング要素(24、25、26A、27A)を有し、
    前記バンキング要素(24、25、26A、27A)は、2つのロック位置を定め、この2つのロック位置の間には、前記パレットレバーの角距離を定められ、
    前記パレットレバーは、前記バランスに与えられるインパルスの間に発生するロック期間において前記2つのバンキング要素と交互に当接するように動くように構成しており、
    前記パレットレバーは、永久磁石である少なくとも第1の磁石(20、22、54)を担持しており、
    前記第1の磁石(20、22、54)の磁化軸は、前記パレットレバーが前記回転の運動を行うときの前記パレットレバーの環状変位軸(30)の実質的に接線方向を向いており、
    当該計時器用ムーブメントは、実質的に前記環状変位軸(30)と軸一致しているように前記第1の磁石の両側に配置された第1の高透磁率要素(26、26A)と第2の高透磁率要素(27、27A)を有し、
    高透磁率の前記第1及び第2の要素及び前記2つのバンキング要素は、対称面が実質的に同じであり、
    当該計時器用ムーブメントは、さらに、永久磁石である第2の磁石(28、28A)及び永久磁石である第3の磁石(29、29A)を有し、これらは、前記第1及び第2の高透磁率要素とそれぞれ一体化されており、前記第1及び第2の高透磁率要素の対応する方に対して前記少なくとも第1の磁石の反対側にそれぞれ配置されており、
    前記少なくとも第1の磁石と、及び前記第2の磁石と第1の高透磁率要素によって形成された第1のアセンブリー及び第3の磁石と第2の高透磁率要素によって形成された第2のアセンブリーはそれぞれ、前記少なくとも第1の磁石と第1のアセンブリー又は第2のアセンブリーとの間で、前記角距離の第1の区画(38)に磁気的な引力及び前記角距離の第2の区画(40)に磁気的な斥力を発生させるように構成しており、
    これによって、前記第2の区画は、第1の区画に対応するものよりも分離距離が大きい前記第2の磁石(28、28A)及び前記第3の磁石(29、29A)の間の分離距離に対応している
    ことを特徴とする計時器機構。
  2. 前記第1及び第2の高透磁率要素はそれぞれ、実質的に前記第2及び第3の磁石の磁化軸と一致する中央軸を有し、それぞれの中央軸は、実質的に前記環状変位軸(30)の接線方向を向いている
    ことを特徴とする請求項1に記載の計時器機構。
  3. 前記少なくとも第1の磁石は、前記第1の磁石(54)のみによって構成しており、
    この前記第1の磁石(54)は、前記環状変位軸に沿った射影において、前記第2及び第3の磁石のそれぞれの極性に対して異なる極性を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計時器機構。
  4. 前記少なくとも第1の磁石は、前記第1の磁石(20)及び第4の磁石(22)によって形成されており、
    前記第4の磁石は、実質的に前記環状変位軸の接線方向を向いている磁化軸を有し、
    前記第1及び第4の磁石はそれぞれ、前記環状変位軸に沿って前記第1及び第2の高透磁率要素に対向しており、
    前記第1の磁石は、前記環状変位軸に沿った射影において、前記第2の磁石(28)の極性とは反対の極性を有し、
    前記第4の磁石は、前記第3の磁石(29)の極性とは反対の極性を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計時器機構。
  5. 前記第1及び第2の高透磁率要素(26、27)はそれぞれ、前記2つのバンキング要素(24、25)にマウントされる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の計時器機構。
  6. 前記第1及び第2の高透磁率要素は、さらに、前記2つのバンキング要素を形成しており、これによって、前記第1及び第2の高透磁率要素がそれぞれ前記2つのバンキング要素と一致しており、
    前記第1及び第2の高透磁率要素は、球状である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の計時器機構。
  7. 前記第1及び第2のアセンブリー及び前記少なくとも第1の磁石は、前記少なくとも第1の磁石の中心が実質的に前記対称面(44)にあるときに、前記少なくとも第1の磁石に対して前記第1及び第2のアセンブリーによって与えられる全体的な磁気的な引力が実質的に打ち消されるように構成しており、
    前記第1のアセンブリー及び前記第2のアセンブリーの方向に前記環状変位軸に沿った対称面を起点として、第1の角度範囲(48A、48B)において磁気的な斥力を定め、前記第1のアセンブリー及び前記第2のアセンブリーに近づく第2の角度範囲(46A、46B)において前記第1又は第2のアセンブリーに対する磁気的な引力を定める
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の計時器機構。
  8. 前記パレットレバーには、前記ピボット軸又は前記ピボット軸のまわりにマウントされたローラー(58)の側面と連係するガードピン(12)が設けられており、
    前記ガードピンは、前記パレットレバーが前記ロック期間の間にその2つのロック位置のいずれかにあるときに、前記パレットレバーが前記ガードピンのクリアランス(43A)の角距離よりも遠くに引っ張られることを防ぐように用いられており、
    前記第2の角度範囲は、実質的に前記ガードピンのクリアランスの前記角距離以上である
    ことを特徴とする請求項7に記載の計時器機構。
  9. 維持用の前記インパルスはそれぞれ、実質的にインパルス角(43C)にわたって前記バランスに与えられ、
    前記第1及び第2のアセンブリー及び前記少なくとも第1の磁石は、このインパルス角のほとんどが前記バンキング要素に対する前記第1の角度範囲(48A、48B)内にあり、
    前記少なくとも第1の磁石が前記パレットレバーのいずれの振動の間にも離れるように動く
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の計時器機構。
  10. 前記パレットレバーは、前記維持用インパルスのいずれかを受けた後、前記2つのバンキング要素の一方又は他方との当接に達する前の安全角度距離(43D)を通るように移動し、
    前記第1及び第2のアセンブリー及び前記少なくとも第1の磁石は、前記パレットレバーの何らかの振動の間に前記少なくとも第1の磁石が近づく前記バンキング要素に対して前記第1の角度範囲(48A、48B)にほとんど位置しているように構成している
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の計時器機構。
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