しかしながら、図10に示すように、非水電解質二次電池100では、蓋部120の表面120aから直立した壁面120dが設けられることにより形成される凸部120bを有する。このように、凸部120bを形成した状態で、電極端子130と集電体112とを接続する構成であるため、凹部120eと内部絶縁封止材113との間に空間S1が生じてしまう。このため、電極端子130をかしめることにより容器300、外部絶縁封止材121、内部絶縁封止材113、および集電体112を圧着したときに、容器300、外部絶縁封止材121、内部絶縁封止材113、および集電体112が空間S1内部に変形してしまうことになる。このため、容器300の気密性を確保することが難しい。
したがって、これを解決するために、例えば、凹部120eの内部の空間S1の形状に対応した形状に内部絶縁封止材および集電体を形成することが考えられる。つまり、内部絶縁封止材(図示せず)として、凸部120bの壁面120dに平行な壁部を形成し、当該内部絶縁封止材の壁部と、凹部120eの壁面120dとが当接するように、内部絶縁封止材を凹部120eの内部に嵌合させることで、気密性を確保する構成とすることが考えられる。これにより、凹部120eの空間S1が形成されないため、容器300の気密性を確保することができる。
しかしながら、このような構成を実現する場合においては、凹部および内部絶縁封止材113の両方を形成するのに厳密な精度が必要とされる。すなわち、内部絶縁封止材113の寸法が凹部の寸法よりも大きい場合は、当然ながら凹部に内部絶縁封止材113は嵌り込むことができない。一方で、凹部の寸法が内部絶縁封止材113の寸法よりも大きい場合は、内部絶縁封止材113は凹部の中で、接続部131を軸として微少角で回転または回動する(つまりずれが発生する)こととなり、電極端子130周りの気密性が損なわれる原因となってしまう。
このように、電極端子130まわりの気密性を確保するために蓋部120の形成される凹部の形状の形成と内部絶縁封止材113の形状の形成とに高精度な寸法が要求されるが、これは製造工程の冗長化、および、製品の高コスト化を引き起こしてしまう。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、公差を大きく許容して製造容易、かつ、低コストで製造可能な蓄電素子を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一形態に係る蓄電素子は、開口を有する容器本体および前記開口に形成される蓋部を備える容器と、前記容器内に収納される電極体と、電極端子と、前記電極端子と前記電極体とを電気的に接続する集電体とを備える蓄電素子であって、前記容器の蓋部は、外方に突出する凸部を有する外表面と、前記凸部の位置に対応する位置に形成された凹部を有する内表面と、を有し、前記凹部は、最も外側の底面と、前記底面と前記容器の内表面との間に連続して形成される内側面とを有し、前記内側面の少なくとも一部は、前記凸部の突出方向から見たときに前記底面から広がる向きに、前記突出方向に対して傾斜して設けられる。
このため、凹部を形成するのに多少の誤差が生じたとしても、凹部の内側面の少なくとも一部と、凹部の内表面側に配置する、例えば、内部絶縁部材などのような部材とを密着させることが容易にでき、電極端子周りの気密性を高めることができる。
また、前記電極端子は、前記凸部の外側に設けられた端子本体を有してもよい。
また、前記端子本体は、バスバーがその上に溶接されるよう構成されていてもよい。
また、前記端子本体は、外部負荷の端子がその上に溶接されるよう構成されていてもよい。
また、前記端子本体は、板状の端子本体であってもよい。
また、前記電極端子を前記蓋部から絶縁する外部絶縁封止部材を更に備えてもよい。
また、上記の目的を達成するために、本発明の一形態に係る蓄電素子は、容器と、前記容器内に収納される電極体と、電極端子と、前記電極端子と前記電極体とを電気的に接続する集電体と、前記容器と前記集電体とを絶縁する内部絶縁部材とを備える蓄電素子であって、前記容器は、その外壁の一部が外側に向けて突出することにより形成される凸部と、前記凸部が形成されることにより前記凸部に対応する位置の前記容器の内壁に形成される凹部とを有し、前記凹部は、最も外側の底面と、前記底面と前記容器の内壁との間に連続して形成される内側面とを有し、前記内側面の少なくとも一部は、前記凸部の突出方向に対して傾斜して設けられ、前記内部絶縁部材は、前記集電体と前記容器の前記凹部との間に配置され、前記凹部の前記内側面の少なくとも一部と平行な第一壁部を有する。
これによれば、容器の内壁に形成される凹部が有する内側面の少なくとも一部と、内部絶縁部材の凹部の内側面の少なくとも一部に対向する第一側壁部とが互いに、凸部の突出方向に対して傾斜して設けられており、かつ、平行である。これにより、例えば、凹部の内側面が底面から遠ざかるにつれて離れる方向に傾斜している構成であれば、凹部または内部絶縁部材を形成するのに多少の誤差が生じたとしても、凹部の内側面の少なくとも一部と内部絶縁部材の第一側壁部とを密着させることが容易にでき、電極端子周りの気密性を高めることができる。
また、前記凹部の前記内側面の少なくとも一部と、当該内側面の少なくとも一部に平行な前記内部絶縁部材の前記第一壁部とは、面接触していてもよい。
また、前記凹部の前記内側面の少なくとも一部は、前記内側面のうちで互いに対向する一対の部分であり、前記底面から遠ざかるにつれて互いに離れる方向に傾斜していてもよい。
このため、容器の内壁に形成される凹部と内部絶縁部材とを密着させることができ、電極端子周りの気密性を高めることができる。
また、前記内側面のうちで互いに対向する一対の部分は、前記凸部の突出方向に対して対称な方向に傾斜していてもよい。
このように、対称な形状とすることにより、凹部と内部絶縁部材とを180度向きが変わったとしても凹部と内部絶縁部材とを一致させることが容易にできる。つまり、凹部と内部絶縁部材との間の位置合わせを容易に行うことができる。
また、前記内部絶縁部材は、さらに、前記凹部の底面に沿って設けられた板状の板部を有し、前記第一壁部は、前記板部から連続して形成され、前記内側面のうちで互いに対向する一対の部分と平行な一対の第一壁部であり、前記一対の第一壁部は、前記板部から遠ざかるにつれて互いに離れる方向に傾斜していてもよい。
また、前記容器の内壁は、長尺状の形状であり、前記内側面のうちで互いに対向する一対の部分は、前記内壁の長手方向に沿って形成されていてもよい。
また、前記集電体は、前記凹部内において前記電極端子に接続されてもよい。
これによれば容器の内部において電極端子と電気的に接続される集電体は、当該凹部内において電極端子と接続される。さらに、容器には、凸部が形成されており、凸部が形成されることにより凸部に対応する位置の容器の内壁に形成される凹部が形成されている。
このように、電極端子と接続される集電体の部分が、容器に形成される凹部内に収納されるため、容器の内部空間のうちで凹部以外の空間を電極体の形状に合わせることができる。これにより、電極体の外形の大きさを当該空間の大きさに合わせるだけで、容器の内部に電極体を収納したときに生じる無駄な空間を小さくすることができる。このように、電極体の構造を変えることなく、容器の形状を電極体の形状に合わせて変えているため、容器の内部空間に対する電極体の収納効率を容易に高めることができる。これにより、蓄電素子の単位容積当たりの蓄電容量を高めることができる。
また、前記集電体は、前記凹部内において前記電極端子に接続される基台部を有し、前記内部絶縁部材は、前記容器の前記凹部と前記基台部とに挟まれることにより、前記容器と前記集電体とを絶縁してもよい。
これによれば、集電体が電極端子と接続される容器の位置が凹部の内部であり、かつ、集電体が凹部と接触する位置に内部絶縁部材が収納されている。そして、例えば、集電体が接触する内部絶縁部材の第一側壁部の形状が板部から遠ざかるにつれて互いに離れる方向に傾斜して形成されている場合、集電体の基台部の形状を内部絶縁部材の第一側壁部の形状に沿って形成することができる。また、この場合であって、集電体が電極体を挟み込むような一対の腕部を有する構造の場合に、電極体を挟み込む一対の腕部の間隔を大きくとることを容易にできる。これにより、一対の腕部により挟み込まれる電極体に部分をより大きくすることができる。つまり、容器内部に収納する電極体の体積をより大きくとることができ、電極体の容器に対する収納効率を高めることができる。これにより、蓄電素子の単位容積当たりの蓄電容量を高めることができる。
また、前記集電体は、さらに、前記基台部から前記凸部の突出方向の反対側に向けて延伸し、前記電極体と接続する腕部を有し、前記腕部は、前記電極体に接続される腕本体と、前記腕本体と前記基台部とを繋ぐ渡り部分を有してもよい。
また、前記基台部は、前記電極端子と直接接続される板状の板部と、前記渡り部分と連続して形成され、前記板部に対して屈曲又は湾曲している壁部と、を有し、前記基台部の前記壁部は、前記内部絶縁部材の前記第一壁部を介して前記凹部の前記内側面に対向していてもよい。
また、前記基台部の壁部と、前記内部絶縁部材の前記第一壁部とは、面接触していてもよい。
また、本発明の一形態に係る蓄電素子は、容器と、前記容器内に収納される電極体と、電極端子と、前記電極端子と前記電極体とを電気的に接続する集電体と、前記容器と前記電極端子とを絶縁する外部絶縁部材とを備える蓄電素子であって、前記容器は、その外壁の一部が外側に向けて突出することにより形成される凸部を有し、前記凸部は、最も外側の頂部と、前記頂部と前記容器の外壁との間に連続して形成される外側面とを有し、前記外側面の少なくとも一部は、前記凸部の突出方向に対して傾斜して設けられ、前記外部絶縁部材は、前記電極端子と前記容器の凸部との間に配置され、前記凸部の前記外側面の少なくとも一部と平行な第二壁部を有してもよい。
また、前記容器は、さらに、前記凸部が形成されることにより前記凸部に対応する位置の前記容器の内壁に形成される凹部を有し、前記集電体は、前記凹部内において前記電極端子に接続されてもよい。
これによれば、容器の外壁に形成される凸部が有する外側面の少なくとも一部と、外部絶縁部材の凸部の外側面の少なくとも一部に対向する第二側壁部とが互いに、凸部の突出方向に対して傾斜して設けられており、かつ、平行である。これにより、例えば、凸部の外側面が凸部の頂部から遠ざかるにつれて離れる方向に傾斜している構成であれば、凸部および外部絶縁部材を形成するのに多少の誤差が生じたとしても、凸部の外側面の少なくとも一部と外部絶縁部材の第二壁部とを密着させることが容易にでき、電極端子周りの気密性を高めることができる。
以上のような本発明によれば、公差を大きく許容して製造容易、低コストな蓄電素子を提供できるという効果を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る非水電解質二次電池1の模式的な構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態の非水電解質二次電池1は、容器30と、容器30内に収容される電極体11と、電極端子23と、電極端子23と電極体11とを電気的に接続する集電体12、15と、容器30と電極端子23とを絶縁する外部絶縁封止材22と、容器30と集電体12、15とを絶縁する内部絶縁封止材13とを有する。
容器30は、蓋部20と容器本体10とから構成される。蓋部20は、容器30の内壁の一部を形成し、X軸方向(後述参照)に長い長尺板状の部材である。容器本体10は、矩形筒状の部材の一端に開口10xを有し、他端に底を有する部材である。なお、本実施の形態では、容器本体10と蓋部20との並び方向を上下方向(図1ではZ軸方向)とし、正極端子と負極端子との並び方向を左右方向(図1ではY軸方向)とし、上下方向および左右方向に垂直な方向を前後方向(図1ではX軸方向)と定義する。
蓋部20は、長手方向の両端部に、蓋部20の上側の表面である上面20bから容器30の外方に向けて突出する凸部21と凸部21以外の部分である板状の蓋本体20aとを有する。なお、ここで、蓋部20の上面20bとは、蓋本体20aの容器30外側の面である。つまり、容器30は、その外壁の一部が外側に向けて突出することにより形成される凸部21を有する。
凸部21は、頂部としての板部21bと、側壁部21dとを有する。板部21bは、凸部21の上部を構成する平板状の部材であり、平面視においてX軸方向およびY軸方向に平行な辺を有する矩形状であり、蓋本体20aと平行である。また、凸部21には、板部21bに電極端子23に貫通される貫通孔21aが形成されている。なお、図1においては、正極側の貫通孔21aのみを示し、負極側の貫通孔は後述する絶縁封止材の陰に隠れるため図示されない。
電極体11は、帯状の電極である正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように積層しつつ全体が長円筒形に捲回されて形成される。電極体11は、捲回軸方向がX軸方向に一致し、かつ、断面の長円形状の長軸がZ軸方向に一致するような向きで容器30内に収納される。正極および負極は、捲回軸方向に互いに位置をずらして、捲回軸を中心に長円筒形に捲回されている。電極体11は、その両端において、正極および負極のそれぞれが所定の幅でセパレータから電極体11の捲回軸方向(Y軸方向)外側に向けて突出している突出部11a、11bを有する。つまり、電極体11は、捲回軸方向の一端において正極がセパレータから突出している正極側の突出部11aと、他端において負極がセパレータから突出している負極側の突出部11bとを有する。更に、正極側の突出部11aおよび負極側の突出部11bは、活物質が形成されておらず、基材である金属箔が露出している。つまり、正極側の突出部11aは、正極活物質層が形成されていない正極基材であるアルミニウム箔が露出しており、負極側の突出部11bは、負極活物質層が形成されていない負極基材である銅箔が露出している。正極側の突出部11aおよび負極側の突出部11bには、正極側の集電体12および負極側の集電体15がそれぞれ電気的に接続される。
集電体12の上側の端部は、電極体11の上側の表面と平行(つまり、X−Y平面に平行)な板状の構成(後述する板部12b1)を有し、当該板状の構成には貫通孔12aが形成されている。また、集電体12は、電極体11の捲回軸方向の一端である正極側の突出部11aにおいて、Z軸方向の下側の端部に向かうにつれて、当該正極側の突出部11aのX軸方向外側の側面に沿って湾曲し、かつ、正極側の突出部11aと共に、アルミニウムまたはアルミニウム合金の挟持板14に挟まれて超音波溶接等により接続、固定される構成(後述する腕部12c)を有する。なお、負極側の集電体15も同様の構成を有し、銅または銅合金で形成される。正極側の集電体12および負極側の集電体15は、同じ構成であるため、以下では、正極側の集電体12のみについて説明し、負極側の集電体15の説明は省略する。
なお、集電体12、15の詳細な構成については後に更に詳細に説明する。
内部絶縁封止材13は、蓋部20の凹部21x(後述参照)と集電体12の基台部12b(後述参照)との間に挟まれることにより、容器30と集電体12とを絶縁する絶縁部材である。つまり、内部絶縁封止材13は、容器30の内部に配置されて、集電体12を介して電気的に接続されている電極体11から容器30を絶縁するための絶縁部材である。また、内部絶縁封止材13は、容器30の蓋部20に形成される貫通孔21aに対して電極端子23および外部絶縁封止材22とともに圧着されることにより、当該貫通孔21aを密閉するための封止材(パッキン)としても機能する。内部絶縁封止材13は、集電体12の基台部12bを電極端子23側から覆う形状である。内部絶縁封止材13は、合成樹脂等により構成され、絶縁性および弾性を備える。内部絶縁封止材13には、蓋部20の貫通孔21aおよび集電体12の貫通孔12aとともに、後述する電極端子23の接続部23bによって貫通される貫通孔13aが形成されている。
外部絶縁封止材22は、電極端子23の端子本体23a(後述参照)と蓋部20の凸部21との間に挟み込まれることにより、電極端子23と容器30とを絶縁する絶縁部材である。つまり、外部絶縁封止材22は、容器30の外部に配置されて、電極端子23および集電体12を介して電気的に接続されている電極体11から容器30を絶縁するための絶縁部材である。また、外部絶縁封止材22は、容器30の蓋部20に形成される貫通孔21aに対して電極端子23および内部絶縁封止材13とともに圧着されることにより、当該貫通孔21aを密閉するための封止材(パッキン)としても機能する。外部絶縁封止材22は、凸部21の板部21bの上側に配置され、貫通孔22dが形成される板状の板部22bと、板部22bの貫通孔22dが形成される部分から連続して形成され、板部22bの下方に延びる筒状の筒部22cとを有する。つまり、外部絶縁封止材22は、筒部22cと、筒部22cの軸に交差する方向であって筒部22cの外側の方向に向かって拡がる板部22bとを有する。
また、外部絶縁封止材22は、板部22bの外縁から凸部21の側面に沿って形成される第二壁部としての側壁部22aを有する。つまり、外部絶縁封止材22は、板部22bおよび側壁部22aにより凸部21の外側を覆う部材である。
外部絶縁封止材22は、内部絶縁封止材13と同様の合成樹脂製の部材である。外部絶縁封止材22に形成される貫通孔22dは、蓋部20に形成される貫通孔21a、内部絶縁封止材13に形成される貫通孔13aおよび集電体12に形成される貫通孔12aとともに、後述する電極端子23の接続部23bによって貫通される。
また、外部絶縁封止材22の筒部22cは、蓋部20と対向する側(つまり板部22bの下側)に形成されており、貫通孔22dと筒部22cの内縁とは一致している。また、筒部22cは、貫通孔13a、21aに対応した外形を有し、これら各貫通孔13a、21aに嵌り込むようになっている。したがって、筒部22cは、容器30の凸部21に形成される貫通孔21aと電極端子23の接続部23bとの間に挟み込まれる。つまり、外部絶縁封止材22は、電極端子23の端子本体23aと容器30の凸部21の板部21bとの間に挟み込まれ、かつ、電極端子23の接続部23bと容器30の貫通孔21aを形成する部分との間に挟み込まれることにより、電極端子23と容器30とを絶縁する。
更に、外部絶縁封止材22の板部22bの上側には枠体22eが形成されており、枠体22eは板部22bに形成される貫通孔22dの外側に形成されている。
電極端子23は、容器30の凸部21の突出方向の外側に配置される板状の端子本体23aと、凹部21xに形成される貫通孔21aを貫通する柱状の接続部23bとを有する。端子本体23aは、その外縁の形状が枠体22eの内縁の形状に対応した平面形状である。接続部23bは、端子本体23aと集電体12とを電気的に接続するとともに、蓋部20と電極体11とを機械的に接合する役割を果たす。また、正極側に配置される電極端子23は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から構成され、負極側に配置される電極端子23は、銅または銅合金から構成される。
電極端子23は、具体的には、図示しない外部負荷(つまり、非水電解質二次電池1の電気エネルギーを消費する機器)の端子が端子本体23aの表面に溶接固定されることにより、非水電解質二次電池1と外部負荷との電気的な接続を完成するための部材である。あるいは、電極端子23は、図示しない複数の非水電解質二次電池1を並べて配置した状態で、バスバーにより各電池の端子本体23aが溶接固定されることにより、非水電解質二次電池1同士の電気的な接続を完成するための部材である。
なお、電極端子23は、端子本体23aと接続部23bとが鍛造、鋳造等によって同一の素材から構成されていてもよい。また、電極端子23は、端子本体23aと接続部23bとがそれぞれ独立しており、端子本体23aと接続部23bとを構成する2つの異種または同種材料の素材を一体成形することにより構成されていてもよい。
次に、図2および図3を参照して、本実施の形態に係る非水電解質二次電池1の、電極端子23および集電体12周辺の構成を更に詳細に説明する。ただし、図2は、組立てられた状態における図1の非水電解質二次電池1のY−Z平面で切断したときの電極端子周辺の要部断面図である。また、図3は、同図1の非水電解質二次電池1のX−Z平面で切断したときの電極端子周辺の要部断面図である。
図2および図3に示すように、非水電解質二次電池1の電極端子23および集電体12周辺の構成は、上から電極端子23、外部絶縁封止材22、蓋部20の凸部21、内部絶縁封止材13、集電体12の板部12b1の順に積層されている。外部絶縁封止材22は、板部22bと、凸部21の板部21bと、内部絶縁封止材13の板部13b(後述参照)とが重り、かつ、筒部22cが蓋部20に形成される貫通孔21aおよび内部絶縁封止材13に形成される貫通孔13aに貫通した状態で配置される。筒部22cの端面は、内部絶縁封止材13の下面と同一面上にあり、内部絶縁封止材13の下面とともに集電体12の主面を形成する板部12b1の上面に接している。そして、外部絶縁封止材22の筒部22cの内周の形状と、集電体12の貫通孔12aとは、同じサイズ、かつ、同じ形状である。また、筒部22cと貫通孔12aとは電極端子23の接続部23bに貫通されている。つまり、接続部23bの外周と、筒部22cの内周および貫通孔12aが形成される部分とは、互いに接触した状態となる。そして、電極端子23の接続部23bは、外部絶縁封止材22の筒部22cおよび集電体12に形成される貫通孔12aを貫通した状態で、その先端がかしめられ、かしめ端23cが整形される。つまり、電極端子23は、さらに、凹部21x内において、容器30および集電体12を端子本体23aとともに挟み込んで圧着することにより集電体12に電気的に接続される圧着端部としてのかしめ端23cを有する。
かしめ端23cの外径は各貫通孔21a、22d、13a、12aの径より大きいため、外部絶縁封止材22、蓋部20、内部絶縁封止材13および集電体12は電極端子23の端子本体23aとかしめ端23cとにより挟まれることで互いに圧着され、一体的に固定される。これにより、電極端子23は、外部絶縁封止材22と容器30の凸部21とを圧着することにより、容器30の貫通孔21aが形成される部分と電極端子23との間を外部絶縁封止材22および内部絶縁封止材13で密閉する。また、電極端子23は、接続部23bおよびかしめ端23cが集電体12により接しているため、蓋部20の凸部21を貫通した状態で集電体12と電気的に接続される。なお、接続部23bの側面は外部絶縁封止材22の筒部22cによって覆われているため、蓋部20と接続部23bとの間は絶縁状態が確保されている。
次に、各部の個別の構成を説明する。
図2および図3に示すように、本実施の形態の蓋部20は、その裏側(つまり下側)に、容器本体10の開口10xに嵌合するように開口10xの内縁形状と一致する外形状を有する枠部20cが形成される。枠部20cは、容器本体10の上側の端面と当接する蓋部20の側端の内側に形成される。つまり、蓋部20は、枠部20cが形成される部分の厚みが、他の部分の厚みよりも大きい枠部20c構成となる。また、蓋部20の、凸部21を除いた部分の厚みは、枠部20cが形成される部分において最も大きく、次いで枠部20cの外側の部分、枠部20cの内側の部分の順に小さくなっている。
また、蓋部20は、その構成部材の断面の厚みはほぼ一様である。蓋部20には、凸部21の裏側において、凸部21の突出に対応した凹部21xが形成されている。つまり、蓋部20の凸部21は、例えば、均一の厚みの板状部材に対してプレス加工により凹凸をつけることにより形成されたものである。要するに、容器30は、凸部21と、凸部21が形成されることにより凸部21に対応する位置の容器30の内壁に形成される凹部21xとを有する。凹部21xは、最も外側の底面21yと、底面21yと容器30の内壁との間に連続して形成される内側面としての側面21zとを有する。したがって、蓋部20は、凸部21の外側面としての側面21cおよび凹部21xの側面21zを形成する側壁部21dを有する。側壁部21dは、図2および図3に示すように、平面視において矩形状の板部21bの外縁から蓋部20の短手方向(X軸方向)および長手方向(Y軸方向)に沿って蓋本体20aの間にわたって連続して、かつ、蓋本体20aに交差する方向に沿って形成されている。側壁部21dは、四方のそれぞれに面する4つの部分21d1、21d2、21d3、21d4を有する。4つの部分21d1、21d2、21d3、21d4は、隣り合う部分同士が互いに連続している。当該4つの部分21d1、21d2、21d3、21d4のうちで、凸部21の板部21bの短手方向(X軸方向)に沿った外縁に連続している一対の部分21d1、21d3は、蓋本体20aおよび板部21bに対して垂直に屈曲して形成される(図2参照)。また、当該4つの部分21d1、21d2、21d3、21d4のうちで、凸部21の板部21bの長手方向(Y軸方向)に沿った外縁に連続している一対の部分21d2、21d4は、蓋本体20aに近づくにつれて互いに離れる方向に傾斜して屈曲して形成される(図3参照)。つまり、側壁部21dのY軸方向に沿っている一対の部分21d2、21d4のX軸方向内側の第一側面21c2および第二側面21c4は、蓋部20の上面20bに近づくにつれて、互いに離れる方向に傾斜している。凹部21xの側面21zは、集電体12の基台部12bの一対の壁部12b2(後述参照)に、内部絶縁封止材13の側壁部13c(後述参照)を挟んで対向する面である。
内部絶縁封止材13は、蓋部20に形成される凸部21と同様に、板部13bと、第一壁部としての側壁部13cとを有する。内部絶縁封止材13の上側の形状は、凹部21xの形状に対応した形状である。板部13bは、凸部21の板部21bに平行な平板状であって、平面視においてX軸方向およびY軸方向に平行な辺を有する矩形状である。板部13bには、上述した貫通孔13aが形成されている。側壁部13cは、板部13bの周縁から電極体11側(つまり下側)に向かって立ち上がるように形成されている。側壁部13cは、四方のそれぞれに面する4つの部分13c1、13c2、13c3、13c4を有する。4つの部分13c1、13c2、13c3、13c4は、隣り合う部分同士が互いに連続している。そして、側壁部13cは、上述した側壁部21dの内側の面と平行である。つまり、4つの部分13c1、13c2、13c3、13c4のうちで、板部13bのX軸方向に沿った一対の辺から立ち上がっている一対の部分13c1、13c3は、板部13bに対して垂直に形成される。また、当該4つの部分13c1、13c2、13c3、13c4のうちで、板部13bのY軸方向に沿った一対の辺から立ち上がっている一対の部分13c2、13c4は、板部13bから遠ざかるにつれて互いに離れる方向に傾斜して形成される。また、図3に示すように、凸部21の板部21bの長手方向に沿った外縁に連続している一対の互いに対向する側壁部21dの二方に面する部分21d2、21d4の内側の面と、内部絶縁封止材13の板部13bのY軸方向に沿った一対の辺から立ち上がっている一対の部分13c2、13c4の外側の面とは、互いに接している。
要するに、凹部21xの側面21zの少なくとも一部と、内部絶縁封止材13の側壁部13cの少なくとも一部である一対の部分13c2、13c4とは、面接触している。また、側面21zの少なくとも一部は、凸部21の突出方向に対して傾斜して設けられる。なお、ここで言う、凹部21xの側面21zの少なくとも一部は、側面21zのうちで互いに対向する一対の部分21z2、21z4であり、底面21yから遠ざかるにつれて互いに離れる方向に傾斜している。また、側面21zのうちで互いに対向する一対の部分21z2、21z4は、凸部21の突出方向に対して対称な方向に傾斜しており、蓋部20の長手方向に沿って形成されている。
更に、蓋部20の凸部21の上部に位置している外部絶縁封止材22は、内部絶縁封止材13と同様に凸部21の形状に対応した形状を有する。外部絶縁封止材22において、板部22bの下面が凸部21の板部21bの上面と接触しており、板部22bの外縁から板部22bの下方に延びる側壁部22aが凸部21の側面を形成する側壁部21dに沿った形状である。側壁部22aは、四方のそれぞれに面する4つの部分22a1、22a2、22a3、22a4を有する。4つの部分22a1、22a2、22a3、22a4は、隣り合う部分同士が互いに連続している。当該4つの部分22a1、22a2、22a3、22a4のうちで、板部22bのX軸方向に沿った一対の辺から下方に延びる一対の部分22a1、22a3は、板部22bに対して垂直に形成される。また、当該4つの部分22a1、22a2、22a3、22a4のうちで、板部22bのY軸方向に沿った一対の辺から下方に延びる一対の部分22a2、22a4は、容器30の上面20bに近づくにつれて互いに離れる方向に傾斜して形成される。つまり、外部絶縁封止材22の側壁部22aは、凸部21の側面の一部(第一側面21c2)に沿って配置される第一側壁部としての側壁部22aの部分22a2と、第一側壁部とは凸部21を挟んで反対側の凸部21の側面(第二側面21c4)の一部に沿って配置される第二側壁部としての側壁部22aの部分22a4とを有する。
ここで、側壁部22aの部分22a2と側壁部の部分22a4とが為す第一角度θ1は、第一側面21c2と第二側面21c4とが為す第二角度θ2と等しい。つまり、側壁部22aの部分22a2のX軸方向内側の面と第一側面21c2とは密着し、側壁部22aの部分22a4のX軸方向内側の面と第二側面21c4とは密着する。
また、板部22bの下面から側壁部22aの下端までのZ軸方向の距離は、蓋本体20aの上面20bから凸部21の板部21bの上面までのZ軸方向の距離未満となっている。すなわち、図2および図3に示すように、外部絶縁封止材22、蓋部20、内部絶縁封止材13および集電体12が、電極端子23の端子本体23aとかしめ端23cにより挟み込まれて圧着された状態において、側壁部22aの容器30の上面20b側の端部(つまり、側壁部22aの下端)の端面22fは、蓋部20の上面20bから、所定間隔Cをもって離隔している。
このように、本実施の形態の非水電解質二次電池1においては、蓋部20が凸部21およびそれに対応する凹部21xを有し、外部絶縁封止材22および内部絶縁封止材13の形状が凸部21の形状および凹部21xの形状にそれぞれ対応する形状を有するように構成されている。
次に、図4および5を参照して、集電体12の詳細な構成を説明する。図4は集電体12を下方から仰視した斜視図であり、図5の(a)および(b)はそれぞれY軸方向の視点から視た図およびX軸方向の視点から視た図である。
各図に示すように、集電体12は、一枚の金属板をプレス等により屈曲加工することにより形成され、平板状の構成を含む基台部12bと、基台部12bのX軸方向の両端から下方に向けて延伸する一対の腕部12cとを備える。また、集電体12の基台部12bは、凹部21x内において電極端子23に接続される。集電体の腕部12cは、基台部12bから凸部21の突出方向の反対側(つまり、蓋部20の下方)に向けて延伸し、電極体11と接続される。
図4および図5の(a)に示すように、基台部12bは、貫通孔12aが形成された平板状の板部12b1と、板部12b1のY軸方向に沿った一対の辺において屈曲して形成された一対の壁部12b2とから構成される。板部12b1は、電極端子23と直接接続される。板部12b1は、凹部21xの底面21yに沿って設けられる。一対の壁部12b2は、板部12b1に対して連続して設けられ、凹部21xの側面21zに対向して設けられた互いに対向する。基台部12bを構成する一対の壁部12b2は、図3に示す蓋部20の凹部21xの側壁部21dの内側の面である側面21zに対応して、板部12b1から遠ざかるにつれて、互いに離れる方向に傾斜している。一対の壁部12b2は、それぞれの容器30のY軸方向の端部側(図5(b)の右側)の部分が一対の腕部12cへと連続する構成を有する。つまり、壁部12b2のうちで電極体11の突出部11a、11bに近い側の一部のみが腕部12cと連続している。つまり、集電体12の腕部12cは、一対の壁部12b2のそれぞれの一部から連続することにより、基台部12bから蓋部20の下方に向けて延伸している。
次に、一対の腕部12cのそれぞれは、電極体11に接続される腕本体12c1と、腕本体12c1と基台部12bの壁部12b2とを繋ぐ渡り部分12c2とから構成される。一対の腕本体12c1のそれぞれは、電極体11の正極側の突出部11aのX軸方向に向かって面する側面の外側に沿って、板部12b1に直交する方向に板部12b1から下方に延伸する、外形が長尺状の平板である。つまり、一対の腕本体12c1は、互いに平行である。図3に示すように、一対の腕本体12c1は、その間に電極体11を挟み込んでいる。集電体12の腕部12cは、Y軸方向において、容器30の内部のうちの凸部21が形成される位置よりも短側面10aに近い側で電極体11と接続される。また、渡り部分12c2は、X軸方向から視た形状が、凹部21xから容器30の短側面10a側へ向かって湾曲することにより、腕本体12c1と壁部12b2とを繋ぐ形状である。つまり、図5の(b)に示すように、集電体12は、腕部12cのY軸方向の短側面側の縁e2が、基台部12bのY軸方向の短側面側の縁e1より容器の短側面寄りに位置している。
なお、一対の腕本体12c1のそれぞれの先端は、図5(b)に示すように、Y軸方向の視点から視た形状が丸い。このように、腕本体12c1の先端が丸い構成とすることにより、電極体11に集電体12を接続する時に、電極体11の表面に傷がつくのを防いでいる。なお、腕本体12c1の先端の形状は、丸くなくてもよく、角張っていてもよい。
一方、一対の渡り部分12c2のそれぞれは、図5の(a)に示すように、基台部12bの板部12b1に対する角度が、基台部12bの板部12b1に対する壁部12b2と同一の角度である。つまり、渡り部分12c2は、一対の壁部12b2のそれぞれの延長線上に形成されている集電体12の一対の構成要素である。基台部12bの壁部12b2は、渡り部分12c2と連続して形成され、基台部12bの板部12b1に対して屈曲している。また、基台部12bの壁部12b2は、内部絶縁封止材13の側壁部13cを介して凹部21xの側面21zに対向している。そして、一対の渡り部分12c2は、下部に行くに従い互いに離れる方向に傾斜している。また、基台部12bの壁部12b2と内部絶縁封止材13の側壁部13cとは、面接触している。このように、一対の壁部12b2および一対の渡り部分12c2が傾斜しているため、内部絶縁封止材13の板部13bに直接接触する板部12b1の上面のY軸方向の幅W1は、一対の腕本体12c1の間隔W2よりも小さい。また、壁部12b2と渡り部分12c2とが互いに延長線上に形成されているため、集電体12の腕部12cと基台部12bとの間の強度と、一対の腕部12cの精度とが確保されやすい。
また、図2、図4および図5(b)に示すように、渡り部分12c2は、容器30のY軸方向の端部側に腕本体12c1が配置されるように、基台部12bの壁部12b2から容器30のY軸方向の端部側に向かう方向に延びている。これにより、腕本体12c1は、板部12b1の後端e1よりも外側の位置にて延伸している。
本実施の形態に係る非水電解質二次電池1によれば、容器30の内壁に形成される凹部21xが有する内側面としての側面21zのうちで互いに対向する一対の部分21z2、21z4と、当該一対の部分21z2、21z4に対向する内部絶縁封止材13の側壁部13cの一対の部分13c2、13c4とが互いに、凸部21の突出方向に対して傾斜して設けられており、かつ、平行である。また、凹部21xの側面21zのうちの一対の部分21z2、21z4が底面21yから遠ざかるにつれて離れる方向に傾斜している構成である。さらに、凹部21xの側面21zのうちの一対の部分21z2、21z4と内部絶縁封止材13の側壁部13cのうちの一対の部分13c2、13c4とは面接触している。
このため、凹部21xまたは内部絶縁封止材13を形成するのに多少の誤差が生じたとしても、凹部21xの側面21zのうちの一対の部分21z2、21z4と内部絶縁封止材13の側壁部13cのうちの一対の部分13c2、13c4とを密着させることが容易にでき、電極端子23周りの気密性を高めることができる。
特に、内部絶縁封止材13のうちの側壁部13cのうち傾斜を設けている一対の部分13c2、13c4、および、凹部21xの側面21zのうち傾斜を設けている一対の部分21z2、21z4は、平面視において矩形である内部絶縁封止材13および凹部21xの長手方向に沿って形成される。このため、凹部21xと内部絶縁封止材13との密着面積をより大きく確保できる。これにより、更に気密性の高い結合が得られる。
また、上記側壁部13cのうちの一対の部分13c2、13c4および側面21zのうちの一対の部分21z2、21z4が蓋部20から遠ざかるに従い互いに遠ざかる方向に傾斜しているため、この部分において接合される集電体12の基台部12bの壁部12b2も同様の方向に傾斜させるための空間を設けることができる。つまり、集電体12の基台部12bから下方に向かっており、かつ、電極体11を挟み込むために設けられる一対の腕部12cの間隔を、集電体12の基台部12bにおいて予め拡げた方向とすることができる。これにより、集電体12の一対の腕部12cの間隔W2を基台部12bのX軸方向における幅W1よりも大きくすることができる。このため、電極体11のX軸方向の幅を大きくすることができ、容器30内部に収容する電極体11の体積を大きくとることができ、電極体11の容器30に対する収納効率を高めることができるという効果も奏する。
また、本実施の形態に係る非水電解質二次電池1によれば、容器30には、凸部21が形成されており、さらに、凸部21が形成されることにより凸部21に対応する位置の容器30の内壁に形成される凹部21xが形成されている。そして、容器30の内部において電極端子23と電気的に接続される集電体12は、当該凹部21x内において電極端子23と接続される基台部12bを有する。
このように、電極端子23と接続される集電体12の部分である基台部12bが、容器30に形成される凹部21xに収納されるため、容器30の内部空間のうちで凹部21x以外の空間を電極体11の形状に合わせることができる。これにより、電極体11の外形の大きさを当該空間の大きさに合わせるだけで、容器30の内部に電極体11を収納したときに生じる無駄な空間を小さくすることができる。このように、電極体11の構造を変えることなく、容器30の形状を電極体11の形状に合わせて変えているため、容器30の内部空間に対する電極体11の収納効率を容易に高めることができる。
また、本実施の形態に係る非水電解質二次電池1によれば、蓋部20に形成される凹部21xの側面21zのうち、集電体12の基台部12bの一対の壁部12b2と対向する一対の部分21z2、21z4が、一対の壁部12b2と同様に、凹部21xの底面21yから遠ざかるにつれて互いに離れる方向に傾斜する構成である。つまり、集電体12の基台部12bの一対の壁部12b2の傾斜する構造に合わせて、当該一対の壁部12b2と対向している凹部21xの側面21zの一対の部分21z2、21z4が同様に傾斜する構成とすることにより、凹部21xと集電体12の基台部12bとをより強固に接合させることができる。また、電極端子23と集電体12の基台部12bとを接合するときに、接合させるための工具を挿入する空間を大きくとることができるため、製造時の作業性を高めることが可能となる。
また、本実施の形態に係る非水電解質二次電池1によれば、集電体12の基台部12bから腕部12cへと繋ぐ構成である渡り部分12c2が、凹部21xの内壁の形状に対応して板部12b1から、壁部12b2とともに一体化した平板として形成されている。このため、腕本体12c1から板部12b1までの距離を最短とすることができ、集電経路を短縮化できる。このため、集電体12の内部損失を低減することができる。また、当該集電体12は、渡り部分12c2が平板状であるため、作成が容易であり、かつ集電体12自体にかかる機械的なストレスも低減できる。
また、本実施の形態に係る非水電解質二次電池1によれば、基台部12bの基台部12bは、板状の板部12b1と、板部12b1と板部12b1に対して屈曲している壁部12b2とにより構成され、かつ、壁部12b2が一対の腕部12cの一部である一対の渡り部分12c2と連続して形成される。このため、集電体12の基台部12bの強度を高め、腕部12cが変形することを防ぐことができる。
また、本実施の形態に係る非水電解質二次電池1によれば、凹部21xの側面21zのうちで互いに対向する一対の部分21z2、21z4は、凸部21の突出方向に対して対称な方向に傾斜している。つまり、図6に示すように、平面視したときの凹部21xおよび内部絶縁封止材13の形状が外形矩形である場合は、図中直線PXを通過するもの同士、すなわち短手方向で対称とし、さらに、図中直線PYを通過するもの同士、すなわち長手方向で対称とする。
このように、例えば一対の部分21z2、21z4を対称な形状とすることにより、蓋部20と内部絶縁封止材13とを組み立てる際に、凹部21と内部絶縁封止材13とを180度向きが変わったとしても凹部21xと内部絶縁封止材13とを一致させることが容易にできる。つまり、凹部21xと内部絶縁封止材13との間の位置合わせを容易に行うことができる。
また、本実施の形態に係る非水電解質二次電池1によれば、容器30の外壁に形成される凸部21が有する側面21cの少なくとも一部である一対の部分21c2、21c4と、当該一対の部分21c2、21c4に対向する外部絶縁封止材22の側壁部22aのうちの一対の部分22a2、22a4とが互いに、凸部21の突出方向に対して傾斜して設けられており、かつ、平行である。また、凸部21の側面21cが凸部21の頂部としての板部21bから遠ざかるにつれて離れる方向に傾斜している構成である。このため、凸部21および外部絶縁封止材22を形成するのに多少の誤差が生じたとしても、凸部21の側面21cのうちの一対の部分21c2、21c4と外部絶縁封止材22の側壁部22aのうちの一対の部分22a2、22a4とを密着させることが容易にでき、電極端子23周りの気密性を高めることができる。
しかしながら、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態の非水電解質二次電池1では、凹部21xの側面21zは、側面21zのうちで凹部21xの底面21yのX軸方向に沿った一対の部分21z1、21z3が、蓋本体20aに対して垂直に屈曲して形成され、側面21zのうちで凹部21xの底面21yのY軸方向に沿った一対の部分21z2、21z4が底面21yから遠ざかるにつれて互いに離れる方向に傾斜して屈曲して形成されているが、これに限らない。つまり、底面21yのX軸方向に沿った一対の部分が底面21yから遠ざかるにつれて互いに離れる方向に傾斜して屈曲して形成され、底面21yのY軸方向に沿った一対の部分が底面21yに対して垂直に屈曲して形成されてもよい。
また、内部絶縁封止材13の側壁部13cは、凹部21xの側面21zの形状に対応して形成されるため、上記と同様に、側壁部13cのX軸方向に沿っている一対の部分13c1、13c3が板部13bに対して垂直であり、Y軸方向に沿っている一対の部分13c2、13c4が傾斜しているものとしたが、これに限らない。つまり、側壁部13cのX軸方向に沿った一対の部分とY軸方向に沿った一対の部分との関係は、上記と同様に相互に入れ替わっていてもよい。したがって、内部絶縁封止材13の側壁部13cは、Y軸方向において垂直、かつX軸方向において傾斜していてもよい。
また、凹部21xの側面21zおよび内部絶縁封止材13の側壁部13cは、Y軸方向およびX軸方向の双方において傾斜していてもよく、さらには、側壁部21dおよび側壁部13cの四方に面する部分のうち、少なくとも一方に面する部分だけが傾斜面を有するような構成であってもよい。
なお、上記実施の形態の非水電解質二次電池1では、集電体12の腕部12cの渡り部分12c2は、図5の(a)に示すように、Y軸方向から視た形状が、凹部21xの内部形状に沿って、一対の壁部12b2および一対の腕本体12c1の両方に対して屈曲して連続しているが、屈曲して連続することに限らない。例えば、図7に示すように、集電体32の腕部32cの渡り部分32c2は、基台部32bの一対の第一壁部32b2および一対の腕本体32c1の両方に対して湾曲した構成であってもよい。この場合、渡り部分32c2のY軸方向から視た形状を、電極体11のY軸方向から視た外形に一層近似することとなるため、収納効率を更に高めることが可能となる。また、集電体のY軸方向から視た形状を、渡り部分12c2と一対の壁部12b2および一対の腕本体12c1との境界で屈曲させる形状とするよりも、渡り部分32c2を平面状から曲面状とすることができるため渡り部分32c2の剛性を大きくすることができる。なお、図7に示す集電体32の32番台の符号が付された各構成は、12番台の符号と関連付けられた各構成要素を32番台に置き換えることで読み替えることができるため、図7に示す符号についての各構成要素の説明は省略する。
また、上記実施の形態の非水電解質二次電池1では、蓋部20の凹部21xは、蓋部20の上面20bに形成された凸部21に対応する反転形状として形成された凹みであるが、本発明の凹部21xは、凸部21の有無にかかわらず形成されていてもよい。具体的には凸部を設けずに上面を平面とし、その裏面にプレス又は切削等の加工により凹部21xを形成した蓋部を採用してもよい。このような構成であっても、電極体11の収納効率を高めることが可能となる。また、凹部21x以外の部分の厚みが増すことで蓋部の剛性を大きくすることができ、非水電解質二次電池自身の強度を高めることができる。
ただし、凹部21xを形成する際に、凸部21を合わせて形成することは、以下の効果をもたらし、より好適である。すなわち、凸部21を本発明の凸部として、この上面に電極端子23を配置することにより、電極端子23の位置決めが容易となり、生産性を向上させることが可能となる。
また、上記の説明においては、本発明の電極体は捲回型であるとしたが、積層型の電極体としてもよい。
また、上記の説明においては、本発明の蓄電素子は、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池1であるとしたが、電気化学反応により充放電可能な電池であれば、ニッケル水素電池その他各種の二次電池を用いてもよい。また、一次電池であってもよい。さらに電気二重層キャパシタのように、電気を直接電荷として蓄積する方式の素子であってもよい。要するに、本発明の蓄電素子は電気を蓄積可能な素子であれば、その具体的な方式によって限定されるものではない。
また、上記の説明においては、容器本体10および蓋部20から構成される電池容器は、本発明の素子容器に相当するものであり、電極端子は蓋部に設けられるものとしたが、本発明は、電極端子を容器本体側に設けるものとしてもよい。要するに本発明は、素子容器内の任意の位置に設けられた凹部に集電体の基台部が位置可能な構成であればよく、素子容器を構成する蓋部と容器本体との接合の態様、更には素子容器を構成する部材の種類、形状、個数によって限定されるものではない。
また、電池本体はアルミニウム製であるとしたが、アルミニウム合金、ステンレスその他任意の金属または金属化合物を材料とするものであってもよい。また、形状は外形六面体としたが、円筒形状であってもよい。要するに、本発明の素子容器は、形状、材質その他の具体的な構成によって限定されるものではない。
要するに、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内であれば、以上説明したものを含め、上記実施の形態に種々の変更を加えたものとして実施してもよい。