JP6237221B2 - 非晶質酸化物およびそのエレクトライドの薄膜の製造方法 - Google Patents

非晶質酸化物およびそのエレクトライドの薄膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物、およびそのエレクトライドの薄膜の製造方法に関する。
結晶質C12A7は、12CaO・7Al(以下、「C12A7」と称する)で表される代表組成を有し、三次元的に連結された直径約0.4nmの空隙(ケージ)を有する特徴的な結晶構造を持つ。このケージを構成する骨格は、正電荷を帯びており、単位格子当たり12個のケージを形成する。このケージの1/6は、結晶の電気的中性条件を満たすため、酸素イオンによって占められている。しかしながら、このケージ内の酸素イオンは、骨格を構成する他の酸素イオンとは化学的に異なる特性を持つことから、特に、フリー酸素イオンと呼ばれている。結晶質C12A7は、[Ca24Al28644+・2O2−とも表記される。
また、結晶質C12A7の同型化合物としては、12SrO・7Al(以下S12A7と記す)が知られており、任意のCaとSrの混合比を持つ、C12A7とS12A7の混晶化合物も存在する。
細野らは、結晶質C12A7の粉末あるいはその焼結体を、H雰囲気中で熱処理して、ケージの中にHイオンを包接させ、次いで、紫外光を照射することにより、ケージ中に電子を包接させて、永続的な導電性を室温で誘起できることを見いだした(特許文献1)。この包接された電子は、ケージに緩く束縛されており、結晶中を自由に動くことができる。このため、この結晶質C12A7は、導電性を示すようになる。
このような導電性を有する結晶質C12A7は、特に、結晶質C12A7エレクトライドと呼ばれる。結晶質C12A7エレクトライドは、約2.4eVという極めて低い仕事関数を有することから、冷電子放出源および有機EL素子の電子注入層、または化学反応を利用した還元剤等への応用が期待されている。
さらに、細野らは、結晶質C12A7エレクトライドを超高真空下で溶融し、超急冷することで得られたガラスについて、電子密度、ラマンスペクトル、光吸収および電気伝導度などから、非晶質のC12A7エレクトライドが得られることを報告している(非特許文献1)。
国際公開第2005/000741号
Sung Wng Kim, Terumasa Shimoyama、 Hideo Hosono, Science,333,71 (2011)
非特許文献1のように、従来の非晶質C12A7エレクトライドの製造方法は、まず結晶質C12A7エレクトライドを合成し、ついで溶融、超急冷する製造法である。したがって、結晶質C12A7エレクトライドをあらかじめ準備する必要がある。結晶質C12A7エレクトライドを溶融するには、1200℃以上に加熱する必要がある。
しかしながら、このような従来の方法は、バルク状の非晶質C12A7エレクトライドの製造方法としては有効であっても、薄膜状の非晶質C12A7エレクトライドの製造方法としては適さない場合がある。
すなわち、例えば1200℃以上のような、高い温度での処理が必要となる従来の方法で、非晶質C12A7エレクトライドの薄膜を製造しようとした場合、薄膜の支持基板となる材料が、ごく一部の耐熱材料に限られてしまう。その結果、薄膜と基板の組み合わせの種類が著しく限定されてしまうという問題が生じる。例えば、各種電気的な素子には、しばしば、汎用性のある基板として、ガラス基板が使用されている。しかしながら、汎用のガラス基板の耐熱温度は高くとも700℃程度であり、従来の方法では、ガラス基板の耐熱温度の関係上、非晶質C12A7エレクトライドの薄膜をガラス基板上に成膜することは難しい。
従って、このような問題を回避または抑制するため、低いプロセス温度で非晶質C12A7エレクトライドの薄膜を製造することができる技術に対して、大きな要望がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、比較的低いプロセス温度で、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を製造することが可能な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、非晶質酸化物の薄膜の新規な製造方法を見出した。
本発明では、結晶質C12A7エレクトライドを含むターゲットを用いて、低酸素分圧の雰囲気下で、該ターゲットに連続した負の電圧あるいは500kHz以下の周期的に繰り返される間欠的な負の電圧を印加するスパッタリング法により、基板上に成膜を行うことにより、カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造方法が提供される。
さらに、本発明では、上記の製造方法により薄膜を得て、該薄膜を電子デバイスまたは光デバイスの機能層として用いる方法が提供される。
さらに、本発明では、カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜であって、4.6eVの光子エネルギー位置において光吸収を示し、4.6eVの位置での光吸収値は8000cm−1以上であることを特徴とする薄膜が提供される。
本発明では、比較的低いプロセス温度で、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を製造することが可能な方法を提供することができる。本発明により得られる非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、4.6eVの位置での光吸収値が大きい。
非晶質酸化物のエレクトライドの概念的な構造を示した模式図である。 非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の光吸収係数曲線を示したグラフである。
まず、本願で使用される用語の定義について説明する。
(結晶質C12A7)
本願において、「結晶質C12A7」とは、12CaO・7Alの結晶、およびこれと同等の結晶構造を有する同型化合物を意味する。本化合物の鉱物名は、「マイエナイト」である。
本発明における結晶質C12A7は、結晶格子の骨格により形成されるケージ構造が保持される範囲で、C12A7結晶骨格のCa原子および/またはAl原子の一部乃至全部が他の原子に置換された化合物、ならびにケージ中のフリー酸素イオンの一部乃至全部が他の陰イオンに置換された同型化合物であっても良い。なお、C12A7は、Ca12Al1433またはCa24Al2866と表記されることがある。
同型化合物としては、これに限られるものではないが、例えば、下記の(1)〜(5)の化合物が例示される。
(1)結晶中のCa原子の一部乃至全部が、Sr、Mg、およびBaからなる群から選択される一種以上の金属原子に置換された同型化合物。例えば、Ca原子の一部乃至全部がSrに置換された化合物としては、ストロンチウムアルミネートSr12Al1433があり、CaとSrの混合比が任意に変化された混晶として、カルシウムストロンチウムアルミネートCa12−xSrAl1433(xは1〜11の整数;平均値の場合は0超12未満の数)などがある。
(2)結晶中のAl原子の一部乃至全部が、Si、Ge、Ga、In、およびBからなる群から選択される一種以上の原子に置換された同型化合物。例えば、Ca12Al10Si35などが挙げられる。
(3)12CaO・7Alの結晶(上記(1)、(2)の化合物を含む)中の金属原子および/または非金属原子(ただし、酸素原子を除く)の一部が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、およびCuからなる群から選択される一種以上の遷移金属原子もしくは典型金属原子、Li、Na、およびKからなる群から選択される一種以上のアルカリ金属原子、またはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbからなる群から選択される一種以上の希土類原子と置換された同型化合物。
(4)ケージに包接されているフリー酸素イオンの一部乃至全部が、他の陰イオンに置換された化合物。他の陰イオンとしては、例えば、H、H 、H2−、O、O 、OH、F、Cl、およびS2−などの陰イオンや、窒素(N)の陰イオンなどがある。
(5)ケージの骨格の酸素の一部が、窒素(N)などで置換された化合物。
(結晶質C12A7エレクトライド)
本願において、「結晶質C12A7エレクトライド」とは、前述の「結晶質C12A7」において、ケージに包接されたフリー酸素イオン(ケージに包接された他の陰イオンを有する場合は、当該陰イオン)の一部乃至全部が電子に置換された化合物を意味する。
結晶質C12A7エレクトライドにおいて、ケージに包接された電子は、ケージに緩く束縛され、結晶中を自由に動くことができる。このため、結晶質C12A7エレクトライドは、導電性を示す。特に、全てのフリー酸素イオンが電子で置き換えられた結晶質C12A7は、[Ca24Al28644+(4e)と表記されることがある。
(非晶質酸化物のエレクトライド)
本発明の製造方法により得られる薄膜である、「カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜」に関連する用語について説明しておく。
なお、以降の説明では、「カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライド」を、単に「非晶質酸化物のエレクトライド」とも称し、「カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜」を単に「エレクトライドの薄膜」とも称する。
本願において、「カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライド」、すなわち「非晶質酸化物のエレクトライド」は、カルシウム原子、アルミニウム原子および酸素原子から構成される非晶質を溶媒とし、電子を溶質とする溶媒和からなる非晶質固体物質を意味する。非晶質酸化物中の電子は、陰イオンとして働く。電子はバイポーラロンとして存在しても良い。
一般に、結晶質C12A7エレクトライドでは、それぞれのケージが面を共有して3次元的に積み重なることにより、結晶格子が構成され、それらのケージの一部に電子が包接される。これに対して、非晶質酸化物のエレクトライドの場合、図1に示すように、カルシウム原子、アルミニウム原子および酸素原子から構成される非晶質からなる溶媒2中に、バイポーラロン5と呼ばれる特徴的な部分構造が分散された状態で存在する。バイポーラロン5は、2つのケージ3が隣接し、さらにそれぞれのケージ3に、電子(溶質)4が包接されて構成されている。ただし、非晶質酸化物のエレクトライドの状態は上記に限られず、ひとつのケージ3に2つの電子(溶質)4が包接されてもよい。また、これらのケージが複数凝集した状態でもよく、凝集したケージは微結晶とみなすこともできるため、非晶質中に微結晶が含まれた状態も本発明において非晶質とみなす。
本発明において、非晶質酸化物のエレクトライドは、バイポーラロンのケージ構造が保持される範囲で、カルシウム原子、アルミニウム原子、酸素原子のほかに、Sr、Mg、Ba、Si、Ge、Ga、In、およびBからなる群から選択される1以上の原子を含んでいても良い。また、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、およびCuからなる群から選択される1以上の原子、Li、Na、およびKからなる群から選択される1以上の原子、またはCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、およびYbからなる群から選択される1以上の原子を含んでいても良い、
本発明において、非晶質酸化物のエレクトライドは、2つのケージに包接されている2つの電子が、他の陰イオンに置換された化合物であっても良い。他の陰イオンとしては、例えば、H、H 、H2−、O、O 、OH、F、Cl、およびS2−からなる群から選択される1以上の陰イオンが挙げられる。
非晶質酸化物のエレクトライドは、半導体的な電気的特性を示し、低い仕事関数を有する。仕事関数は2.4〜4.5eVであっても良く、2.8〜3.2eVであることが好ましい。また、非晶質酸化物のエレクトライドは、高いイオン化ポテンシャルを有する。イオン化ポテンシャルは7.0〜9.0eVであっても良く、7.5〜8.5eVであっても良い。
(エレクトライドの薄膜)
バイポーラロンは、光子エネルギーが1.55eV〜3.10eVの可視光の範囲では光吸収がほとんどないか小さく、4.6eV付近で大きな光吸収を示す。従って、本発明によるエレクトライドの薄膜は、可視光において透明である。また、薄膜サンプルの光吸収特性を測定し、4.6eV付近の光吸収係数を測定することにより、薄膜サンプル中にバイポーラロンが存在するかどうか、すなわち薄膜サンプルが非晶質酸化物のエレクトライドを有するかどうかを確認することができる。
エレクトライドの薄膜におけるアルミニウム原子とカルシウム原子のモル比(Ca/Al)は、0.3〜5.0の範囲が好ましい。0.3以上であると、高い電子密度を保持できる。また、5.0以下であると、薄膜の耐久性に優れる。0.5〜1.6の範囲がより好ましく、0.55〜1.00の範囲が特に好ましい。薄膜の組成分析は、XPS法、EPMA法またはEDX法等により行うことができる。膜厚が100nm以下の場合はXPS法、50nm以上の場合はEPMA法、3μm以上の場合はEDX法による分析が可能である。
本発明におけるエレクトライドの薄膜は、X線回折の測定をすると、ピークは観察されず、ハローのみが観察される。本発明では、エレクトライドの薄膜は、微結晶を含んでいても良い。薄膜内に微結晶が含有されているか否かは、例えば薄膜の断面TEM(透過型電子顕微鏡)写真などから判断される。結晶状態における組成は、12CaO・7Al、CaO・Al、3CaO・Al等で表わされる。
本発明では、エレクトライドの薄膜において、前記4.6eVの位置での光吸収値は、8000cm−1以上であっても良く、8500cm−1以上であっても良く、9000cm−1以上であっても良く、10000cm−1以上であっても良い。エレクトライドの薄膜において、4.6eVの位置の吸収値は、50nm以上の厚さの薄膜、好ましくは100nm以上の厚さの薄膜を用いると、精度よく測定できる。
本発明では、エレクトライドの薄膜は、電子密度が2.0×1017cm−3以上2.3×1021cm−3以下の範囲で電子を含むことが好ましい。電子密度は、1.0×1018cm−3以上がより好ましく、1×1019cm−3以上がさらに好ましく、1×1020cm−3以上が特に好ましい。
なお、エレクトライドの薄膜の電子密度は、ヨウ素滴定法により測定することができる。ちなみに、エレクトライドの薄膜におけるバイポーラロンの密度は、測定された電子密度を1/2倍することにより算定することができる。
このヨウ素滴定法は、5mol/lのヨウ素水溶液中にエレクトライドの薄膜のサンプルを浸漬し、塩酸を加えて溶解させた後、この溶液中に含まれる未反応ヨウ素の量を、チオ硫酸ナトリウムで滴定検出する方法である。この場合、サンプルの溶解により、ヨウ素水溶液中のヨウ素は、以下の反応によりイオン化する:
+e→2I (1)式
また、チオ硫酸ナトリウムでヨウ素水溶液を滴定した場合、
2Na+I→2NaI+Na (2)式
の反応により、未反応のヨウ素がヨウ化ナトリウムに変化する。最初の溶液中に存在するヨウ素量から、(2)式で滴定検出されたヨウ素量を差し引くことにより、(1)式の反応で消費されたヨウ素量が算定される。これにより、エレクトライドの薄膜のサンプル中の電子密度を測定することができる。
本発明では、エレクトライドの薄膜の膜厚は、10μm以下であっても良く、1μm以下であっても良い。
エレクトライドの薄膜は、ケージ中の電子のホッピング伝導により、導電性を有する。本発明によるエレクトライドの薄膜の室温での直流電気伝導率は、10−11〜10−1S・cm−1であっても良く、また、10−7〜10−3S・cm−1であっても良い。
エレクトライドの薄膜は、バイポーラロン5のほかに、部分構造として、酸素欠損に電子が一つ捕獲された、Fセンターを有することがある。Fセンターは複数のCa2+イオンに1つの電子が取り囲まれて構成されており、ケージは有さない。Fセンターは3.3eVを中心として、1.55eV〜3.10eVの可視光の範囲で光吸収を有する。
センターの濃度が5×1018cm−3未満であると、薄膜の透明性が高まるため、好ましい。Fセンターの濃度が、1×1018cm−3以下であるとより好ましく、1×1017cm−3以下であるとさらに好ましい。なお、Fセンターの濃度は、ESRにおける、g値1.998の信号強度により測定できる。
エレクトライドの薄膜において、4.6eVの光子エネルギー位置における光吸収係数に対する、3.3eVの位置における光吸収係数の比は、0.35以下であっても良く、0.25以下がより好ましく、0.15以下がさらに好ましい。
エレクトライドの薄膜は、多結晶薄膜と比較して、結晶粒界を有さないため、平坦性に優れている。本発明によるエレクトライドの薄膜の表面の自乗平均面粗さ(RMS)は、0.1〜10nmであっても良く、また、0.2〜5nmであっても良い。RMSが2nm以下であると、電子デバイスまたは光デバイスの機能層として用いたときに、素子の特性が向上するため、より好ましい。また、RMSが10nm以上であるとデバイスの特性が低下するおそれがあるため、研磨工程などを追加する必要が生じる。上記のRMSは、たとえば、原子間力顕微鏡を用いて測定することができる。
エレクトライドの薄膜の組成は、12CaO・7Alの化学量論比と異なっていても良く、製造の際に用いたターゲットの組成比と異なっていても良い。
(本発明について)
結晶質C12A7エレクトライドを含むターゲットを用いて、低酸素分圧の雰囲気下で、該ターゲットに連続した負の電圧あるいは500kHz以下の周期的に繰り返される間欠的な負の電圧を印加するスパッタリング法により、基板上に成膜を行うことにより、カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造方法について説明する。
ターゲットは、結晶質C12A7エレクトライドで構成される。結晶質C12A7エレクトライド製のターゲットの製造方法は、特に限られない。ターゲットは、例えば、従来のバルク状の結晶質C12A7エレクトライドの製造方法を用いて製造しても良い。例えば、結晶質C12A7の焼結体を、Ti、Al、CaまたはCなどの還元剤の存在下で、1150〜1460℃程度、好ましくは、1200℃〜1400℃程度に加熱処理することにより、結晶質C12A7エレクトライド製のターゲットを製造しても良い。結晶質C12A7エレクトライドの粉体を圧縮して成形した圧粉体をターゲットとして用いてもよい。結晶質C12A7の焼結体を、カーボンおよび金属アルミニウムの存在下で、焼結体と金属アルミニウムが接触しない状態に保ちながら、1230〜1415℃で加熱処理することにより、効率的に大面積の結晶質C12A7エレクトライド製のターゲットを作製できる。好ましくは、直径3インチ(76.2mm)以上の面積、2mm以上の厚みを有するターゲットを作製でき、より好ましくは、直径4インチ(101.6mm)以上の面積、3mm以上の厚みを有するターゲットを作製できる。
ここで、このターゲット、すなわち結晶質C12A7エレクトライドの電子密度は、2.0×1018cm−3〜2.3×1021cm−3の範囲である。結晶質C12A7エレクトライドの電子密度は、1×1019cm−3以上であることが好ましく、1×1020cm−3以上がより好ましく、5×1020cm−3以上がさらに好ましく、1×1021cm−3以上が特に好ましい。ターゲットを構成する結晶質C12A7エレクトライドの電子密度が高いほど、低い仕事関数を有する非晶質酸化物のエレクトライドが得られやすくなる。特に、仕事関数が3.0eV以下である非晶質酸化物のエレクトライドを得るには、結晶質C12A7エレクトライドの電子密度は、1.4×1021cm−3以上がより好ましく、1.7×1021cm−3以上がさらに好ましく、2×1021cm−3以上が特に好ましい。特に、すべてのフリー酸素イオン(他の陰イオンを有する場合は当該陰イオン)が電子で置換された場合、結晶質C12A7エレクトライドの電子密度は、2.3×1021cm−3となる。結晶質C12A7エレクトライドの電子密度が2.0×1018cm−3を下回ると、成膜によって得られる非晶質酸化物のエレクトライド薄膜の電子密度が小さくなる。
結晶質C12A7エレクトライドの電子密度は、光吸収測定法により、測定することができる。結晶質C12A7エレクトライドは、2.8eV付近に特有の光吸収を有するので、その吸収係数を測定することにより、電子密度を求めることができる。特に、試料が焼結体である場合は、焼結体を粉砕して、粉末としたのち、拡散反射法を用いると簡便である。
なお、ターゲットの表面は、使用前に、機械的手段等により研磨されても良い。一般に、従来の方法で得られた結晶質C12A7エレクトライドのバルク体は、表面に、ごく薄い被膜(異物)を有する場合がある。表面にこのような被膜が形成されたターゲットをそのまま使用して、成膜処理を実施した場合、得られる薄膜の組成が所望の組成比から逸脱する可能性がある。しかしながら、ターゲット表面の研磨処理を実施しておくことにより、このような問題を有意に抑制することができる。
結晶質C12A7はバッキングプレートと接合しても良い。一般に、セラミックスのターゲットはスパッタリング成膜中にイオン衝撃により加熱され、熱応力により割れることがあり、これを防ぐために冷却水によって冷却される。もし、なんらかの原因によりセラミックスターゲットが割れた場合に脱落することを防ぐため、セラミックスターゲットはバッキングプレートと接合される。接合材にはインジウムがよく用いられる。バッキングプレートは冷却効率を高めるために熱伝導率の高い銅がよく用いられる。また、連続した負の電圧あるいは500kHz以下の周期的に繰り返される間欠的な負の電圧を印加するスパッタリング法には、カソードには電気良導性が必要であり、導電性の観点からも、接合材にはインジウムがよく用いられ、バッキングプレートには銅がよく用いられる。
次に、ターゲットを用いて、該ターゲットに連続した負の電圧あるいは500kHz以下の周期的に繰り返される間欠的な負の電圧を印加するスパッタリング法により、基板上に成膜が行われる。該スパッタリング法は、高周波(RF)スパッタリング法と比較して、成膜速度が速く、生産性がよい利点がある。また、RFスパッタリング法では、自己バイアス電圧を有効にかけるためにマッチングボックス機構を電源装置に備えることが一般的であり、電源装置が高価になる傾向があり、成膜のコストアップの原因となる。さらに、該スパッタリング法は、RFスパッタリング法の場合の通常1〜2kVの高印加電圧に対して、低印加電圧で放電が維持できるので、低電圧での成膜が可能となる。低電圧化により、例えば酸素イオン(O)のような負イオンがターゲット直上で発生し、基板へ向けて高速度でプラズマ中を通過し、基板上の成膜中の膜に衝突して、薄膜中のバイポーラロンやその中の電子に作用して、薄膜の劣化の原因となりうるところ、低電圧になることで、この衝突のエネルギーを低減し、薄膜の劣化を少なくでき、4.6eV付近の光吸収係数を大きくすることができる。また、本発明に使用する結晶質C12A7エレクトライドを含むターゲットは、仕事関数が低く電子放出能が高いので、結晶質C12A7エレクトライドを含むターゲットをターゲットとして用いることにより、さらに低電圧での成膜を実現できる。
エレクトライドの薄膜を成膜する際の基板の温度は、特に限られず、室温〜例えば700℃までの範囲の、いかなる温度を採用しても良い。なお、エレクトライドの薄膜を成膜する際に、基板を必ずしも「積極的に」加熱する必要はないことに留意する必要がある。ただし、蒸着源の輻射熱によって、基板の温度が「付随的に」上昇する場合はあり得る。例えば、基板の温度は、500℃以下であっても良く、200℃以下であっても良い。
基板を「積極的に」加熱しない場合、基板の材料として、例えばガラスやプラスチックのような、700℃を超える高温側で耐熱性が低下する材料を使用することが可能になる。
基板には、いかなる寸法および形状のものを使用しても良い。また、エレクトライドの薄膜を成膜する前に基板を真空雰囲気で加熱処理してもよい。例えば、大気に暴露した基板を、真空度10−6Paで300℃、10分保持することで、基板に吸着した水分などが脱離するため、下地表面を清浄化することができる。
成膜時の酸素分圧(チャンバー内の酸素分圧)は、0.1Pa未満であることが好ましい。酸素分圧は、0.01Pa以下であることが好ましく、1×10−3Pa以下であることがより好ましく、1×10−4Pa以下であることがさらに好ましく、1×10−5Pa以下であることが特に好ましい。酸素分圧が0.1Pa以上になると、成膜された薄膜に酸素が取り込まれ、電子密度が低下するおそれがある。
一方、成膜時の水素分圧は、0.004Pa未満であることが好ましい。0.004Pa以上であると、成膜された薄膜中に水素またはOH成分が取り込まれ、非晶質酸化物のエレクトライド薄膜の電子密度が低下する可能性がある。
使用されるスパッタガスとしては、特に限られない。スパッタガスは、不活性ガスまたは希ガスであっても良い。不活性ガスとしては、例えば、Nガスが挙げられる。また、希ガスとしては、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、およびXe(キセノン)が挙げられる。これらは、単独で使用しても、他のガスと併用しても良い。あるいは、スパッタガスは、NO(一酸化窒素)のような還元性ガスであっても良い。
本発明において、ターゲットと基板の間隔(TS距離)は、3cm〜20cmであってもよい。TS距離が3cm未満であると、プラズマ中のイオンが薄膜に衝突する際のエネルギーが高く、薄膜の劣化の原因となる。一方、20cm超であると、バイポーラロンを形成するための入射イオンのエネルギーが低く、目的の薄膜が得られにくくなる。入射イオンのエネルギーバランスが最もよくなることから、TS距離は、5〜15cmがより好ましく、8〜12cmがさらに好ましい。
本発明において、スパッタリング法の方式として、ターゲットに連続した負の電圧あるいは500kHz以下の周期的に繰り返される間欠的な負の電圧を印加するスパッタリング法を採用する。連続した負の電圧を印加する方法の例として、DC(直流)スパッタリング法が挙げられる。また、500kHz以下の周期的に繰り返される間欠的な負の電圧を印加する方法の例として、DCパルススパッタリング法、低周波(LF)〜中周波(MF)交流(AC)スパッタリング法などが挙げられる。
本発明において、印加電力密度(単位ターゲット面積あたりの印加電力)は、1〜10W/cmが好ましい。1.5〜6W/cmがより好ましく、2〜3W/cmがさらに好ましい。印加電力密度が1W/cmより小さいと、成膜速度は遅くなり、生産性が悪くなる傾向がある。一方、印加電力密度が10W/cmより大きいと、ターゲットが破損する可能性が高まる。また、成膜速度が速すぎると、バイポーラロンの形成が不十分となるため、この観点も加えて、印加電力密度は1.5〜6W/cmがより好ましく、2〜3W/cmの範囲がさらに好ましい。
本発明において、成膜時に印加する電圧は、350V以下が好ましい。250V以下がより好ましく、200V以下がさらに好ましい。例えば酸素イオン(O)のような負イオンがターゲット直上で発生し、基板へ向けて高速度でプラズマ中を通過し、基板上の成膜中の膜に衝突して、薄膜中のバイポーラロンやその中の電子に作用して、薄膜の劣化の原因となりうるところ、350V以下の低電圧にすることで、この衝突のエネルギーを低減し、薄膜の劣化を少なくできる。
スパッタリング法により、非晶質酸化物のエレクトライドの成膜を開始する前に、ターゲットに対して、プレスパッタリング処理(ターゲットのドライエッチング処理)を実施しても良い。プレスパッタリング処理を実施することにより、ターゲットの表面が清浄化され、その後の成膜処理(本成膜)において、所望の組成の薄膜を形成することが容易となる。
例えば、ターゲットを長時間使用すると、ターゲットの表面に酸素が取り込まれ、ターゲットを構成する結晶質C12A7エレクトライドの電子密度が低下する場合がある。このようなターゲットを使用した場合、成膜された薄膜においても、電子密度が低下するおそれがある。また、ターゲットを長時間使用すると、ターゲット(すなわち結晶質C12A7エレクトライド)を構成する各成分のスパッタ速度の違いにより、ターゲットの組成が、最初の組成から逸脱するおそれがある。このようなターゲットを使用した場合、成膜された薄膜においても、組成が所望の値から逸脱するおそれがある。
プレスパッタリング処理は、例えば、新たな成膜を実施する前、あるいはターゲットの使用時間が所定の値に到達する度に、実施されても良い。
プレスパッタリング処理に使用されるガスは、本成膜の際に使用されるスパッタガスと同一であっても異なっていても良い。特に、プレスパッタリング処理に使用されるガスは、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、N(窒素)、Ar(アルゴン)、および/またはNO(一酸化窒素)であることが好ましい。
(本発明による非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜について)
さらに、本発明の一実施例では、非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜が提供される。
本発明の一実施例によるカルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜は、4.6eVの光子エネルギー位置において光吸収を示し、4.6eVの位置での光吸収値は8000cm−1以上である。
本発明によって得られるエレクトライドの薄膜は、電子デバイスまたは光デバイスの機能層として用いることができる。例えば、有機EL素子の電子注入層として用いることができる。エレクトライドの薄膜を電子デバイスまたは光デバイスの機能層として用いる場合には、その膜厚は、これに限られるものではないが、例えば、100nm以下であっても良く、 10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましい。0.5nm以上であっても良い。
例1〜3は実施例であり、例4は参考例である。
(例1)
(ターゲットの作製)
まず、CaO粉末およびAl粉末をモル比が12:7となるように調合、混合し、原料粉末を得た。この原料粉末を、空気中で1350℃まで加熱して、結晶質C12A7のバルク体を作製した。
次に、結晶質C12A7のバルク体を粉砕して粉末状にした後、この粉末を冷間静水等方圧プレスにより成形して、結晶質C12A7の成形体を得た。さらに、この成形体を金属アルミニウムとともにカーボンるつぼに入れ、真空炉中で熱処理を実施した。カーボンるつぼの中で、成形体と金属アルミニウムは、離間して配置した。熱処理温度は、1300℃とし、保持時間は、6時間とした。これにより、結晶質C12A7エレクトライドの焼結体が得られた。
この焼結体を、厚さ3mm、直径2インチの円盤状に切削加工した後、Inを用いてCuバッキングプレートに固定し、スパッタリング用ターゲット(以下、単に「ターゲット」と称する)を得た。
光吸収測定から、ターゲットの電子密度を測定した。測定の結果、ターゲットの電子密度は、8.5×1020cm−3であった。
(非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜の形成)
表1に示す電子密度を有する結晶性C12A7エレクトライドターゲットを用いてスパッタリング法により、基板の表面に非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を成膜した。
基板には、20mm×20mm角、厚さ2.3mmの石英基板を使用した。
成膜装置には、マグネトロンスパッタ装置(ULVAC社製)を使用した。電源にはDC電源(ADVANCED ENERGY社製、製品名:MDX−1.5X)を使用した。
成膜は、以下の方法により実施した。まず、装置のカソードに、ターゲットを装着した。次に、装置内部を1.0×10−4Pa以下まで排気した後、装置内にG1グレード(純度99.9999%)のArガスを導入した。Arガス圧力は、0.5Paとした。なお、導入したガスの酸素分圧は、約5×10−7Pa未満であり、チャンバー内の酸素分圧は10−4Pa未満と推定される。
次に、ターゲットと基板の間にシャッターを配置し、ターゲットの蒸気が基板の方に搬送されることを防止した。この状態で、ターゲットのプレスパッタリング処理のため、50Wの電力を印加し、プラズマを発生させ、プレスパッタリングを30分間行った。この際の印加電力密度は、2.5W/cmであった。なお、ターゲットと基板の間隔(TS距離)は10.7cmとした。
その後50Wの電力を印加したまま引き続いて、シャッターを開け、成膜を開始した。成膜を1.5時間行い、サンプルを作製した。成膜中の電圧は、シャッターを開けることに伴う、シャッター開放直後の変化を除いては、200V以下の低電圧で安定しており、成膜中安定した放電を継続した。この安定時の電源装置に表示された印加電圧を表1に示す。なお、電圧の表示は絶対値を示しており、実際の電圧は負の電圧が印加されている。なお、基板は、意図的な加熱はしていない。
サンプルの膜厚は、触針式の表面粗さ計を用いて、各薄膜の厚さを測定した。測定した膜厚を表1に示す。
(評価)
分光光度計(JASCO社製、製品名:ARM−500N)を用いて、成膜したサンプルの光透過率と光反射率を測定し、その測定結果から光吸収係数を算定した。より具体的には、光透過率をT、反射率をR、膜厚をtとしたとき、光吸収係数Aは、以下の式で表される:
A=Ln(T/(1−R))/t (3)式
非晶質酸化物のエレクトライドのバイポーラロンは、4.6eVの光子エネルギー付近で光吸収を示す。4.6eVの光子エネルギー付近で光吸収係数が、薄膜中のバイポーラロンの含有量を示唆する。したがって、4.6eVでの光吸収係数が大きいものが求められる。表1に、4.6eVでの光吸収係数を示す。また、表1に、4.6eVの光子エネルギー位置における光吸収係数に対する、3.3eVの位置における光吸収係数の比を示す。
(例2)
電子密度が8.5×1020cm−3のターゲットの代わりに、電子密度が1.4×1021cm−3のターゲットを用いた以外は、例1と同様の成膜および評価を行った。電子密度が1.4×1021cm−3のターゲットは、例1のターゲットの作製において、1300℃の熱処理の保持時間を12時間として作製した。
(例3)
スパッタリング時の印加電力を100W、成膜時間を45分とした以外は、例2と同様の成膜および評価を行った。この際の印加電力密度は、5.0W/cmであった。
(例4)
DC電源の代わりにRF電源(ULVAC社製、製品名:RFS−02CA)を利用し、成膜時間を3時間にした以外は、例2と同様の成膜および評価を行った。
Figure 0006237221
図2に、例1〜4の1〜6eVの範囲の光吸収係数を示す。本発明の結果、4.6eV
での光吸収係数が非常に大きい膜が形成できた。
本発明の製造方法で得られる薄膜は、例えば、有機EL素子、太陽電池、TFTの機能層として利用することができる。
2 溶媒(非晶質C12A7)
3 ケージ
4 電子(溶質)
5 バイポーラロン

Claims (9)

  1. 結晶質C12A7エレクトライドを含むターゲットを用いて、低酸素分圧の雰囲気下で、該ターゲットに連続した負の電圧あるいは500kHz以下の周期的に繰り返される間欠的な負の電圧を印加するスパッタリング法により、基板上に成膜を行うことにより、
    カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜を形成することを特徴とする薄膜の製造方法であって、
    前記薄膜は4.6eVの光子エネルギー位置において光吸収を示し、
    前記4.6eVの位置での光吸収値は、8000cm −1 以上である、製造方法。
  2. 前記薄膜において、アルミニウム原子とカルシウム原子のモル比(Ca/Al)は、0.3〜5.0の範囲である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記薄膜の電子密度が2.0×1017cm−3以上2.3×1021cm−3以下の範囲である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記薄膜のFセンターの濃度が5×1018cm−3未満である、請求項1〜のいずれか一つに記載の製造方法。
  5. 前記薄膜の、4.6eVの光子エネルギー位置における光吸収係数に対する、3.3eVの位置における光吸収係数の比が0.35以下である、請求項1〜のいずれか一つに記載の製造方法。
  6. 前記薄膜は、10μm以下の厚さを有する、請求項1〜のいずれか一つに記載の製造方法。
  7. 前記基板は非加熱状態で使用される、請求項1〜のいずれか一つに記載の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか一つに記載の製造方法により薄膜を得て、該薄膜を電子デバイスまたは光デバイスの機能層として用いる方法。
  9. カルシウム原子およびアルミニウム原子を含む非晶質酸化物のエレクトライドの薄膜であって、4.6eVの光子エネルギー位置において光吸収を示し、4.6eVの位置での光吸収値は8000cm−1以上であることを特徴とする薄膜。
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