以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本発明の実施の形態に係る情報処理システムの構成
2.本発明の実施の形態に係る情報処理装置の概略構成
3.本発明の実施の形態に係る充電装置の概略構成
4.本発明の実施の形態に係る情報処理装置が実行する通信/充電処理
5.本発明の実施の形態に係る充電装置が実行する通信/充電処理
6.本発明の実施の形態に係る情報処理装置の具体的な構成例
7.本発明の実施の形態に係る充電装置の具体的な構成例
8.本発明の実施の形態に係る情報処理装置が実行する第2の通信/充電処理
9.本発明の実施の形態に係る充電装置が実行する第2の通信/充電処理
10.本発明の実施の形態に係る情報処理装置が実行する第3の通信/充電処理
11.本発明の第2の実施の形態に係る情報処理システムの構成
12.本発明の第2の実施の形態に係るリーダ/ライタの概略構成
13.本発明の第2の実施の形態に係るリーダ/ライタが実行する通信処理
14.本発明の第3の実施の形態に係る情報処理システムの構成
15.本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置の構成
16.本発明の第3の実施の形態に係る充電装置の構成
17.本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置が実行する通信/充電処理
18.本発明の第3の実施の形態に係る充電装置が実行する充電処理
19.本発明の第4の実施の形態に係る情報処理システムの構成
20.本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置の構成
21.本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置が実行する通信処理
22.本発明の第5の実施の形態に係る情報処理システムの構成
23.本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置の構成
24.本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置が実行する充電処理
[本発明の実施の形態に係る情報処理システムの構成]
まず、図1Aおよび図1Bを参照して、本発明の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1Aおよび図1Bは、本実施の形態に係る情報処理システムを説明するための説明図である。
図1Aにおいて、情報処理システム100は、携帯電話端末などの情報処理装置200と、充電装置300とから構成される。なお、充電装置300は、リーダ/ライタ機能を有する充電装置であってもよい。
情報処理装置200は、内部にバッテリ(図示せず)を備え、充電装置300との通信時、およびバッテリへの充電用の電力の伝達時に使用する1つのアンテナ202を搭載している。
充電装置300は、情報処理装置200との通信時、および情報処理装置200が備えるバッテリへの充電用の電力の伝送時に使用する1つのアンテナ302を搭載している。
情報処理システム100では、図1Bに示すように、情報処理装置200が充電装置300上に載置された際、または情報処理装置200が充電装置300に接近した際に、非接触式の通信、および情報処理装置200が備えるバッテリへの非接触式の充電を行う。以下、非接触式の通信を非接触通信といい、非接触式の充電を非接触充電という。
ところで、上述した情報処理システムにおける情報処理装置200および充電装置300は、非接触通信機能に加えて非接触充電機能を有する。
従来、非接触式の充電に係る方式において、最も実用化が進んでいるものは電磁誘導型であり、これはコイル間の結合を用いるものである。電磁誘導型では、コイルに要求されるターン数の影響などにより搬送波の周波数は数百kHz程度が一般的である。一方、ISO18092などに代表される非接触通信では共振させたコイルを結合させることによって通信を行い、その搬送波の周波数は13.56MHzが一般的である。電磁誘導型の非接触充電の機能とISO18092などの非接触通信の機能とをともに情報処理装置200や充電装置300に実装する場合、双方の機能を実現させるためのアンテナが必要になる。
しかしながら、それぞれのアンテナに要求される性能や搬送波の周波数は大きく異なるため、双方の機能を実現させるためには、情報処理装置200や充電装置300に非接触充電用と非接触通信用との2つのアンテナを搭載しなければならない。
一方、比較的新しい非接触式の充電に係る方式として磁気共鳴型というものがある。この磁気共鳴型では非常にQ値の高いアンテナ同士を結合させて電力伝送を行い、搬送波の周波数としては数十MHz程度が向いていると考えられている。ISO18092などに代表される非接触通信における搬送波の周波数13.56MHzを用いれば、非接触充電と非接触通信とで1つのアンテナを用いることも可能であると考えられる。
しかしながら、磁気共鳴型の非接触充電用のアンテナには充電効率を良くするため数百〜1000という非常に高いQ値が要求される。一方、ISO18092のアンテナではデータ伝送のためにQ値が10〜20程度に抑えられたアンテナがよく用いられる。このため、単純に同じアンテナを用いてしまうと非接触充電の効率が悪くなる、またはデータ伝送効率が悪くなる、あるいは通信が行えない状態となるという問題がある。
従って、従来の技術では、情報処理装置200や充電装置300において、1つのアンテナを用いて、非接触通信と非接触充電とを効率的に行うことができない。
本実施の形態に係る情報処理システム100では、情報処理装置200が後述する図4の通信/充電処理を実行し、充電装置300が後述する図5の通信/充電処理を実行する。さらに、本実施の形態に係る情報処理システム100では、情報処理装置200が後述する図9および図10の第2の通信/充電処理を実行し、充電装置300が後述する図11および図12の第2の通信/充電処理を実行する。これにより、双方の装置において、1つのアンテナを用いて、情報処理装置200と充電装置300との間での非接触通信、および情報処理装置200が備えるバッテリへの非接触充電を効率的に行うことができる。
[本発明の実施の形態に係る情報処理装置の概略構成]
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置について説明する。
図2は、本実施の形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
図2において、情報処理装置200は、アンテナ202と、Q値設定スイッチ204と、充電部206と、通信部212と、制御部218と、充電IC220と、バッテリ222とを備える。
アンテナ202は、充電装置300から送信される電力伝送の相手の確認や相手との認証のためのパケット(以下、「充電認証用パケット」という。)や通常の非接触通信用パケット(以下、単に「通信用パケット」という。)を受信する。また、アンテナ202は、充電装置300からバッテリ222への充電用の電力が伝達される。
Q値設定スイッチ204は、制御部218から送信される設定信号に基づいて、アンテナ202のQ値を選択的に設定する。具体的には、Q値設定スイッチ204は、アンテナ202のQ値が低いQ値、または高いQ値となるように、アンテナ202のQ値を選択的に設定する。
充電部206は、アンテナ202に伝達されたバッテリ222への充電用の電力を受信する受信部208を有する。また、充電部206は、バッテリ222への充電が完了するまで間欠的に充電装置300へ充電用の電力の伝送の継続を要求するためのパケット(以下、「充電継続用パケット」という。)を送信する送信部210を有する。なお、送信部210は、充電継続用パケットの送信を負荷変調により行い、また、通常のデータ伝送レートよりも低いデータ伝送レートで行う。
通信部212は、アンテナ202が受信した充電認証用パケットや通信用パケットを受信する受信部214を有する。また、通信部212は、バッテリ222への充電が必要であるときに受信部214が受信した充電認証用パケットに応答する充電認証用の応答パケットや、受信した通信用パケットに応答する通信用の応答パケットを充電装置300へ送信する送信部216とを有する。なお、送信部216は、各応答パケットの送信を負荷変調により行い、また、通常のデータ伝送レートで行う。
制御部218は、Q値設定スイッチ204、充電部206、通信部212、充電IC220の制御を行う。制御部218は、情報処理装置200の電源が入れられた後、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信する。すなわち、制御部218は、アンテナ202のQ値を第1の値に設定して、データ伝送を効率的に行えるようにする。また、制御部218は、受信部214が充電認証用パケットを受信した際に、充電IC220からバッテリ222の電池残量情報を取得して、バッテリ222への充電の要否を判定する。バッテリ222への充電が必要であるときに、制御部218は、送信部216に充電認証用の応答パケットを送信させる。その後、制御部218は、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値を高いQ値に設定するための設定信号を送信する。すなわち、制御部218は、アンテナ202のQ値を第1の値よりも高い第2の値に設定して、バッテリ222への充電用の電力の伝達を効率的に行えるようにする。また、制御部218は、受信部208がバッテリ222への充電用の電力を受信して、充電IC220が受信部208からバッテリ222への充電用の電力を受信した際に、充電IC220にバッテリ222への充電を行わせる。そして、制御部218は、バッテリ222の充電中において、所定の時間おきに、充電IC220からバッテリ222の電池残量情報を取得して、バッテリ222への充電の要否を判定する。バッテリ222への充電が必要であるときに、制御部218は、送信部210に充電継続用パケットを送信させる。このようにバッテリ222への充電が必要である間は、送信部210は充電装置300へ間欠的に充電継続用パケットを送信する。一方、バッテリ222への充電が必要でないときは、制御部218は、送信部210に充電継続用パケットを送信させない。そして、制御部218は、所定の時間の経過後に、受信部208がバッテリ222への充電用の電力を受信しているか否かを判定する。受信部208がバッテリ222への充電用の電力を受信していないときは、制御部218は、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信する。
充電IC220は、バッテリ222への充電を行い、また、バッテリ222からの電力を効率的に情報処理装置200の各部に供給する。
[本発明の実施の形態に係る充電装置の概略構成]
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る充電装置について説明する。
図3は、本実施の形態に係る充電装置の概略構成を示すブロック図である。
図3において、充電装置300は、アンテナ302と、Q値設定スイッチ304と、充電部306と、通信部312と、制御部318と、AC電源322に接続された電源IC320とを備える。
アンテナ302は、充電認証用パケットを送信し、また、情報処理装置200が備えるバッテリ222への充電用の電力を伝送する。なお、アンテナ302は、通信用パケットを送信してもよい。
Q値設定スイッチ304は、制御部318から送信される設定信号に基づいて、アンテナ302のQ値を選択的に設定する。具体的には、Q値設定スイッチ304は、アンテナ302のQ値が低いQ値、または高いQ値となるように、アンテナ302のQ値を選択的に設定する。
充電部306は、情報処理装置200から送信される充電継続用パケットを受信する受信部308と、情報処理装置200が備えるバッテリ222への充電用の電力を伝送する送信部310とを有する。
通信部312は、情報処理装置から送信される充電認証用の応答パケットを受信する受信部314と、充電認証用パケットを送信する送信部316とを有する。
制御部318は、Q値設定スイッチ304、充電部306、通信部312、電源IC320の制御を行う。制御部318は、充電装置300の電源が入れられた後、Q値設定スイッチ304へアンテナ302のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信する。すなわち、制御部318は、アンテナ302のQ値を第1の値に設定して、データ伝送を効率的に行えるようにする。また、制御部318は、送信部316に充電認証用パケットを送信させる。その後、制御部318は、受信部314が充電認証用の応答パケットを受信した際に、受信した充電認証用の応答パケットが有効か否かを判定する。充電認証用の応答パケットが有効であるときは、制御部318は、情報処理装置200が備えるバッテリ222への充電が必要であると判定して、Q値設定スイッチ304へアンテナ302のQ値を高いQ値に設定するための設定信号を送信する。すなわち、制御部318は、アンテナ302のQ値を第1の値よりも高い第2の値に設定して、バッテリ222への充電用の電力の伝送を効率的に行えるようにする。そして、制御部318は、所定の時間の経過後に、送信部310に情報処理装置200が備えるバッテリ222への充電用の電力を伝送させる。その後、制御部318は、所定の時間おきに、受信部308が充電継続用パケットを受信したか否かを判定する。受信部308が充電継続用パケットを受信したときは、制御部318は、送信部310による電力の伝送を継続させる。一方、受信部308が充電継続用パケットを受信しないときは、制御部318は、送信部310による電力の伝送を中止させて、Q値設定スイッチ304へアンテナ302のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信する。
電源IC320は、AC電源322からの電力を効率的に充電装置300の各部に供給する。なお、電源IC320は、DC電源(図示せず)からの電力を充電装置300の各部に供給してもよい。
[本発明の実施の形態に係る情報処理装置が実行する通信/充電処理]
以下、図2の情報処理装置が実行する通信/充電処理について説明する。
図4は、図2の情報処理装置が実行する通信/充電処理のフローチャートである。
図4において、まず、情報処理装置200の制御部218は、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値を低いQ値、例えば10〜20(第1の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ204はアンテナ202のQ値を低いQ値に設定する(ステップS101)。
次いで、制御部218は、通信部212の受信部214において充電装置300から送信される搬送波を待ち受ける(ステップS102)。
次いで、制御部218は、受信部214において搬送波を受信したか否かを判別し(ステップS103)、搬送波を受信していないときは(ステップS103でNO)、ステップS102の処理へ戻る。
受信部214において搬送波を受信したときは(ステップS103でYES)、充電装置300から送信されるパケットを待ち受ける(ステップS104)。
次いで、制御部218は、受信部214においてパケットを受信したか否かを判別し(ステップS105)、パケットを受信していないときは(ステップS105でNO)、ステップS104の処理へ戻る。
受信部214においてパケットを受信したときは(ステップS105でYES)、制御部218は、受信したパケットが充電認証用パケット(バッテリへの充電に関する情報、充電認証情報)か否かを判別する(ステップS106)。
受信したパケットが充電認証用パケットでないときは(ステップS106でNO)、受信したパケットは通信用パケットであるので、制御部218は、そのパケットに対応する通常の通信処理を実行して(ステップS108)、ステップS104の処理へ戻る。
受信したパケットが充電認証用パケットであるときは(ステップS106でYES)、情報処理装置200の近傍に非接触充電機能を有する充電装置300が存在する。制御部218は、充電IC220からバッテリ222の電池残量情報(バッテリへの充電に関する情報)を取得して、取得したバッテリ222の電池残量情報に基づいて、バッテリ222への充電が必要であるか否かを判別する(ステップS107)。
バッテリ222への充電の必要がないとき、すなわちバッテリ222が満充電であるとき、またはバッテリ222が情報処理装置200に接続されていないときは(ステップS107でNO)、制御部218は、通信部212の送信部216に充電認証用の応答パケットを送信させることなく、ステップS104の処理へ戻る。
ステップS107の判別の結果、バッテリ222への充電が必要であるときは(ステップS107でYES)、制御部218は、送信部216に充電認証用の応答パケットを送信させる(ステップS109)。
ステップS109において送信された充電認証用の応答パケットを受信した充電装置300は、情報処理装置200のバッテリ222への充電用の電力の伝送を所定の時間の経過後に開始する。そのため、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値をステップS101で設定したQ値よりも高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ204はアンテナ202のQ値を高いQ値に設定する(ステップS110)。
次いで、制御部218は、バッテリ222への充電を監視する(ステップS111)。
次いで、制御部218は、充電部206の受信部208においてバッテリ222への充電用の電力を受信しているか否かを判別する(ステップS112)。
充電用の電力を受信しているときは(ステップS112でYES)、制御部218は、充電IC220からバッテリ222の電池残量情報を取得して、バッテリ222への充電が必要であるか否か、すなわち、バッテリ222が満充電であるか否かを判別する(ステップS114)。
バッテリ222への充電が必要であるときは(ステップS114でNO)、制御部218は、充電部206の送信部210に充電継続用パケットを送信させて(ステップS115)、ステップS111の処理へ戻る。なお、ステップS115では、アンテナ202のQ値が高いQ値であっても十分に通信可能となる低いデータ伝送レートで充電継続用パケットの送信を行わせる。
バッテリ222への充電が必要でないときは(ステップS114でYES)、制御部218は、充電部206の送信部210に充電継続用パケットを送信させることなく、ステップS111の処理へ戻る。
ステップS112の判別の結果、充電用の電力を受信していないとき、すなわち、充電部206の送信部210に充電継続用パケットを送信させなかったため、充電装置300からの電力の伝達が停止したとき、または、情報処理装置200が充電装置300との通信可能範囲外に持ち去られたときは(ステップS112でNO)、制御部218は、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信し、その設定信号を受信したQ値設定スイッチ204はアンテナ202のQ値を低いQ値に設定して(ステップS113)、本処理を終了する。
図4の通信/充電処理によれば、充電装置300から充電認証用パケットなどのパケットを受信するときは、アンテナ202のQ値が低いQ値に設定され、充電装置300からバッテリ222への充電用の電力が伝達されるときは、アンテナのQ値が高いQ値に設定される。アンテナのQ値が低い場合、帯域幅が広いため、データ伝送を効率的に行うことができ、アンテナのQ値が高い場合、搬送波の振幅を大きくすることができるため、充電用の電力の伝達を効率的に行うことができ、もって1つのアンテナを用いて、非接触通信と非接触充電とを効率的に行うことができる。
[本発明の実施の形態に係る充電装置が実行する通信/充電処理]
以下、図3の充電装置が実行する通信/充電処理について説明する。
図5は、図3の充電装置が実行する通信/充電処理のフローチャートである。
図5において、まず、充電装置300の制御部318は、Q値設定スイッチ304へアンテナ302のQ値を低いQ値、例えば10〜20(第1の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ304はアンテナ302のQ値を低いQ値に設定する(ステップS201)。
次いで、制御部318は、通信部312の送信部316に充電認証用パケットを送信させる(ステップS202)。
次いで、制御部318は、通信部312の受信部314において情報処理装置200から充電認証用の応答パケット(バッテリへの充電に関する情報、応答信号)を受信したか否かを判別し(ステップS203)、充電認証用の応答パケットを受信しないときは(ステップS203でNO)、ステップS202の処理へ戻る。
充電認証用の応答パケットを受信したときは(ステップS203でYES)、制御部318は、受信した充電認証用の応答パケットが有効であるか否かを判別し(ステップS204)、受信した充電認証用の応答パケットが有効でないときは(ステップS204でNO)、ステップS202の処理へ戻る。
受信した充電認証用の応答パケットが有効であるときは(ステップS204でYES)、Q値設定スイッチ304へアンテナ302のQ値をステップS201で設定したQ値よりも高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ304はアンテナ302のQ値を高いQ値に設定する(ステップS205)。
次いで、制御部318は、所定の時間、待機した後に(ステップS206)、充電部306の送信部310に情報処理装置200のバッテリ222への充電用の電力を伝送させる(ステップS207)。
次いで、制御部318は、所定の時間おきに、充電部306の受信部308において情報処理装置200から送信される充電継続用パケット(バッテリへの充電に関する情報、充電継続情報)を受信したか否かを判別する(ステップS208)。充電継続用パケットを受信したときは(ステップS208でYES)、情報処理装置200のバッテリ222への充電は完了していないため、ステップS207の処理へ戻る。
充電継続用パケットを受信しないときは(ステップS208でNO)、情報処理装置200のバッテリ222への充電は完了した、または情報処理装置200が充電装置300との通信可能範囲外に持ち去られたので、制御部318は、充電部306の送信部310による電力の伝送を中止させる(ステップS209)。
次いで、制御部318は、Q値設定スイッチ304へアンテナ302のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信し、その設定信号を受信したQ値設定スイッチ304はアンテナ302のQ値を低いQ値に設定して(ステップS210)、本処理を終了する。
図5の通信/充電処理によれば、充電認証用パケットなどのパケットを送信するときは、アンテナ302のQ値が低いQ値に設定され、情報処理装置200のバッテリ222への充電用の電力を伝送するときは、アンテナのQ値が高いQ値に設定される。したがって、上述した図4の通信/充電処理と同様の効果を奏することができる。
[本発明の実施の形態に係る情報処理装置の具体的な構成例]
次に、本実施の形態に係る情報処理装置200の具体的な構成例について説明する。
図6は、本実施の形態に係る情報処理システム100、特に情報処理装置200の概略構成を示すブロック図である。
図6において、情報処理装置200は、アンテナ202と、通信/充電制御部203と、充電IC220と、バッテリ222と、MPU240と、ROM242と、RAM244と、記録媒体246と、入出力インタフェースと248と、操作入力デバイス252と、表示デバイス254と、通信インタフェース250とを備える。また、情報処理装置200は、例えば、データの伝送路としてのバス256で各構成要素間を接続する。
アンテナ202は、アンテナとして機能する共振回路224と、図2におけるQ値設定スイッチ204としてのQ値調整回路226とから構成される。
共振回路224は、所定のインダクタンスをもつコイル(インダクタ)L1と、所定の静電容量をもつキャパシタC1とから構成され、搬送波の受信に応じて電磁誘導により誘起電圧を生じさせる。そして、共振回路224は、所定の共振周波数で誘起電圧を共振させた受信電圧を通信/充電制御部203へ出力する。ここで、共振回路224における共振周波数は、例えば、13.56MHzなど搬送波の周波数に合わせて設定される。アンテナ202は、共振回路224を有することにより、搬送波を受信し、また、通信/充電制御部203が備える負荷変調部230において行われる負荷変調によって応答信号の送信を行う。
Q値調整回路226は、アンテナ202のQ値を調整する役目を果たす。また、Q値調整回路226は、後述する通信/充電制御部203が備える制御部218から伝達される設定信号によって制御される。図6では、Q値調整回路226の抵抗R1が接続(有効化)させることにより、アンテナ202のQ値が低いQ値、例えば10〜20(第1の値の一例)に調整される。すなわち、Q値調整回路226の抵抗R1が接続(有効化)されないときは、アンテナ202のQ値が高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に調整される。ここで、図6では、Q値調整回路226が抵抗R1と、制御部218から伝達される設定信号の信号レベル(ハイレベル/ローレベル)に応じて抵抗R1(負荷)を接続(有効化)するスイッチング素子SW1とで構成された例を示しているが、上記に限られない。例えば、Q値調整回路226は、伝達される設定信号(例えば、電圧信号)の大きさに応じて抵抗値が変化する可変抵抗(負荷)で構成することもできる。また、Q値調整回路226は、複数の抵抗(抵抗値が異なる抵抗、または、抵抗値が同一の抵抗)と、当該複数の抵抗を選択的に接続する(いずれか一つ、または複数の抵抗を接続する)スイッチング素子で構成することもできる。上記スイッチング素子は、例えば、制御端子に設定信号が伝達される1または2以上のMOSFET(例えば、pチャネル型のMOSFETや、nチャネル型のMOSFET)で構成することができるが、上記に限られない。
通信/充電制御部203は、アンテナ202が受信した搬送波に基づいて搬送波信号を復調して処理し、負荷変調により応答信号を送信させる。また、通信/充電制御部203は、アンテナ202に伝達されるバッテリ222への充電用の電力を受信して、充電IC220にバッテリ222への充電を行わせる。
通信/充電制御部203は、キャリア検出部232と、検波部228と、レギュレータ234と、復調部236と、制御部218と、負荷変調部230とを備える。なお、通信/充電制御部203は、例えば、過電圧や過電流が制御部218に印加されることを防止するための保護回路(図示せず)をさらに備えてもよい。ここで、保護回路(図示せず)としては、例えば、ダイオードなどで構成されたクランプ回路が挙げられるが、上記に限られない。
キャリア検出部232は、アンテナ202から伝達される受信電圧に基づいて、例えば、矩形の検出信号を生成し、当該検出信号を制御部218へ伝達する。
検波部228は、アンテナ202から出力される受信電圧を整流する。ここで、検波部228は、例えば、ダイオードD1と、キャパシタC2で構成することができるが、上記に限られない。また、レギュレータ234は、受信電圧を平滑、定電圧化し、制御部218へ駆動電圧を出力する。ここで、レギュレータ234は、受信電圧の直流成分を駆動電圧として用いることができる。また、レギュレータ234は、バッテリ222への充電用の電圧を充電IC220へ出力する。
復調部236は、受信電圧に基づいて搬送波信号を復調し、搬送波に含まれる搬送波信号に対応するデータ(例えば、ハイレベルとローレベルとの2値化されたデータ信号)を出力する。ここで、復調部236は、受信電圧の交流成分に基づいてデータ信号を出力することができる。
制御部218は、レギュレータ234から出力される駆動電圧、またはバッテリ222から供給される駆動電圧を電源として駆動し、復調部236において復調されたデータ(データ信号)の処理など様々な処理を行う。ここで、制御部218は、例えば、MPUなどで構成することができるが、上記に限られない。
より具体的には、制御部218は、例えば、取得部260と、判定部262と、設定部264と、送信部266とを備える。取得部260は、図2における通信部212の受信部214としての充電認証情報取得部(図示せず)と、電池残量情報取得部(図示せず)とを備える。送信部266は、図2における通信部212の送信部216としての応答信号送信部(図示せず)と、図2における充電部206の送信部210としての充電継続情報送信部(図示せず)とを備える。
設定部264は、情報処理装置200の電源が入れられた後、Q値調整回路226へアンテナ202のQ値を低いQ値、例えば10〜20(第1の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。取得部260の充電認証情報取得部は、充電認証用パケットを受信(取得)する。取得部260の充電認証情報取得部が充電認証用パケットを受信した際に、取得部260の電池残量情報取得部は、充電IC220からバッテリ222の電池残量情報を取得する。判定部262は、取得部260が取得したバッテリ222の電池残量情報に基づいて、バッテリ222への充電の要否を判定する。バッテリ222への充電が必要であるときに、送信部266の応答信号送信部は、負荷変調部230を制御して、充電認証用の応答パケットを充電装置300へ送信する。その後、設定部264は、Q値調整回路226へアンテナ202のQ値を高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。制御部218は、充電IC220がバッテリ222への充電用の電力を受信した際に、充電IC220にバッテリ222への充電を行わせる。すなわち、制御部218は、図2における充電部206の受信部208としての役割を担う。そして、取得部260の電池残量情報取得部は、バッテリ222の充電中において、所定の時間おきに、充電IC220からバッテリ222の電池残量情報を取得する。判定部262は、取得部260が取得したバッテリ222の電池残量情報に基づいて、バッテリ222への充電の要否を判定する。バッテリ222への充電が必要であるときに、送信部266の充電継続情報送信部は、負荷変調部230を制御して、充電継続用パケットを充電装置300へ送信する。このようにバッテリ222への充電が必要である間は、送信部266の充電継続情報送信部は、負荷変調部230を制御して、充電装置300へ間欠的に充電継続用パケットを送信する。一方、バッテリ222への充電が必要でないときは、送信部266の充電継続情報送信部は、負荷変調部230を制御することなく、充電継続用パケットを充電装置300へ送信しない。そして、制御部218は、所定の時間の経過後に、充電IC220がバッテリ222への充電用の電力を受信しているか否かを判定する。充電IC220がバッテリ222への充電用の電力を受信していないときは、設定部264は、Q値調整回路226へアンテナ202のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信する。
負荷変調部230は、例えば、負荷Zとスイッチング素子SW2とを備え、制御部218から伝達される制御信号に応じて負荷Zを選択的に接続する(有効化する)ことによって負荷変調を行う。ここで、負荷Zは、例えば、所定の抵抗値を有する抵抗で構成されるが、上記に限られない。また、スイッチング素子SW2は、例えば、pチャネル型のMOSFETや、nチャネル型のMOSFETで構成されるが、上記に限られない。
負荷変調部230において負荷変調が行われることによって、充電装置300からみた情報処理装置200のインピーダンスが変化することとなる。
通信/充電制御部203が上記のような構成を有するため、充電装置300から充電認証用パケットなどのパケットを受信するときは、アンテナ202のQ値が低いQ値に設定され、充電装置300からバッテリ222への充電用の電力が伝達されるときは、アンテナのQ値が高いQ値に設定される。アンテナのQ値が低い場合、帯域幅が広いため、データ伝送を効率的に行うことができ、アンテナのQ値が高い場合、搬送波の振幅を大きくすることができるため、充電用の電力の伝達を効率的に行うことができ、もって1つのアンテナを用いて、非接触通信と非接触充電とを効率的に行うことができる。
バッテリ222は、情報処理装置200が備える内部電源であり、情報処理装置200の各部に駆動電圧を供給する。なお、図6では、説明の便宜上、バッテリ222から出力される電圧が充電IC220を介して制御部218に供給されているが、上記に限られない。ここで、バッテリ222としては、例えば、リチウムイオン二次電池(lithium-ion rechargeable battery)などの二次電池が挙げられるが、上記に限られない。充電IC220は、バッテリ222への充電を制御する。
MPU240は、情報処理装置200全体を制御する制御部として機能する。ROM242は、MPU240が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶し、また、RAM244は、MPU240により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
記録媒体246は、情報処理装置200における記憶部として機能し、例えば、各種アプリケーションなどを記憶する。ここで、記録媒体246としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM、フラッシュメモリ、MRAM、FeRAM、PRAMなどの不揮発性メモリなどが挙げられるが、上記に限られない。
入出力インタフェース248は、例えば、操作入力デバイス252や、表示デバイス254を接続する。ここで、入出力インタフェース248としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子や、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)端子などが挙げられるが、上記に限られない。また、操作入力デバイス252は、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなど、情報処理装置200上に備えられ、情報処理装置200の内部で入出力インタフェース248と接続される。また、表示デバイス254は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)や有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display;または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)とも呼ばれる。)など、情報処理装置200上に備えられ、情報処理装置200の内部で入出力インタフェース248と接続される。なお、入出力インタフェース248は、情報処理装置200の外部装置としての操作入力デバイス(例えば、キーボードやマウスなど)や、表示デバイス(例えば、外部ディスプレイなど)と接続することもできることは、言うまでもない。
通信インタフェース250は、情報処理装置200が備える通信手段であり、ネットワークを介して(あるいは、直接的に)サーバ(Server)などの外部装置と無線/有線で通信を行うための通信部として機能する。ここで、ネットワークとしては、例えば、LANやWAN(Wide Area Network)などの有線ネットワーク、基地局を介した無線WAN(WWAN;Wireless Wide Area Network)や無線MAN(WMAN;Wireless Metropolitan Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられるが、上記に限られない。また、通信インタフェース250としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)や、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、あるいはLAN(Local Area Network)端子および送受信回路(有線通信)などが挙げられるが、上記に限られない。例えば、通信インタフェース250は、上記ネットワークに対応する構成とすることができる。
[本発明の実施の形態に係る充電装置の具体的な構成例]
次に、本実施の形態に係る充電装置300の具体的な構成例について説明する。
図7は、本実施の形態に係る情報処理システム100、特に充電装置300の概略構成を示すブロック図である。
図7において、充電装置300は、搬送波信号生成部330と、アンテナ302と、復調部328と、制御部318とを備える。なお、充電装置300は、アンテナ302と復調部328との間に、整流回路(図示せず)を備えてもよい。
また、充電装置300は、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、記憶部(図示せず)、外部装置(図示せず)や他の回路などと接続するためのインタフェース(図示せず)などを備えてもよい。充電装置300は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により各構成要素間を接続することができる。ROMは、制御部318が使用するプログラムや演算パラメータ、制御用データを記憶する。RAMは、制御部318により実行されるプログラムなどを一次記憶する。記憶部(図示せず)は、充電装置300において用いられるアプリケーション、データなどを記憶する。ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。また、インタフェース(図示せず)としては、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)や、ネットワーク端子などが挙げられるが、上記に限られない。
搬送波信号生成部330は、制御部318により制御され、例えば、制御部318から伝達される搬送波信号生成命令を受けて、搬送波信号生成命令に応じた搬送波信号を生成する。図7では、搬送波信号生成部330として交流電源が示されているが、搬送波信号生成部330は、上記に限られない。例えば、搬送波信号生成部330は、ASK変調を行う変調回路(図示せず)をさらに備えてもよい。なお、搬送波信号生成部330が生成する搬送波信号には、例えば、情報処理装置200に対する各種処理命令や、処理させるデータを含めることができるが、上記に限られない。
アンテナ302は、アンテナとして機能する共振回路324と、図3におけるQ値設定スイッチ304としてのQ値調整回路326とから構成される。アンテナ302は、搬送波信号生成部330が生成した搬送波信号に応じた搬送波を送信し、また、アンテナ302は、情報処理装置200からの応答信号を受信する。
ここで、共振回路324は、例えば、アンテナとして機能する所定のインダクタンスを有するコイル(インダクタ)L3と、所定の静電容量を有するキャパシタC3とから構成される。また、共振回路の共振周波数は、例えば、13.56MHzなど搬送波の周波数に合わせて設定される。
また、Q値調整回路326は、制御部318により制御され、例えば、制御部318から伝達される設定信号に応じて、アンテナ302のQ値を調整する。図7では、Q値調整回路326の抵抗R3が接続(有効化)されることにより、アンテナ302のQ値が低いQ値、例えば10〜20(第1の値の一例)に調整される。すなわち、Q値調整回路326の抵抗R3が接続(有効化)されないときは、アンテナ302のQ値が高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に調整される。ここで、図7では、Q値調整回路326が、抵抗R3とスイッチング素子SW3で構成された例を示しているが、上記に限られない。例えば、Q値調整回路326は、様々な構成をとることができる。
復調部328は、例えば、アンテナ302のアンテナ端における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、情報処理装置200からの応答信号を復調する。
制御部318は、例えば、MPUや各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、充電装置300全体の制御や様々な処理を行う。また、制御部318は、取得部340と、判定部342と、設定部344と、伝送部346とを備える。取得部340は、図3の通信部312の受信部314としての応答信号取得部(図示せず)と、図3の充電部306の受信部308としての充電継続情報取得部(図示せず)とを備える。伝送部346は、図3の充電部306の送信部310としての電力伝送部(図示せず)と、電力伝送中止部(図示せず)とを備える。
設定部344は、充電装置300の電源が入れられた後、Q値調整回路326へアンテナ302のQ値を低いQ値、例えば10〜20(第1の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。制御部318は、搬送波信号生成部330を制御して、充電認証用パケットを送信させる。すなわち、制御部318は、図3における通信部312の送信部316としての役割を担う。その後、取得部340の応答信号取得部が充電認証用の応答パケットを受信した際に、制御部318は、受信した充電認証用の応答パケットが有効か否かを判定する。充電認証用の応答パケットが有効であるときは、判定部342は、情報処理装置200が備えるバッテリ222への充電が必要であると判定して、設定部344は、Q値調整回路326へアンテナ302のQ値を高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。そして、伝送部346の電力伝送部は、所定の時間の経過後に、搬送波信号生成部330を制御して、情報処理装置200が備えるバッテリ222への充電用の電力を伝送させる。その後、制御部318は、所定の時間おきに、取得部340の充電継続情報取得部が充電継続用パケットを受信したか否かを判定する。取得部340の充電継続情報取得部が充電継続用パケットを受信したときは、伝送部346の電力伝送部は、搬送波信号生成部330を制御して、充電用の電力の伝送を継続させる。一方、取得部340の充電継続情報取得部が充電継続用パケットを受信しないときは、伝送部346の電力伝送中止部は、搬送波信号生成部330を制御して、充電用の電力の伝送を中止させる。そして、設定部344は、Q値調整回路326へアンテナ302のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信する。
充電装置300は、例えば上記のような構成を有するため、充電認証用パケットなどのパケットを送信するときは、アンテナ302のQ値が低いQ値に設定され、情報処理装置200のバッテリ222への充電用の電力を伝送するときは、アンテナのQ値が高いQ値に設定される。アンテナのQ値が低い場合、帯域幅が広いため、データ伝送を効率的に行うことができ、アンテナのQ値が高い場合、搬送波の振幅を大きくすることができるため、充電用の電力の伝送を効率的に行うことができ、もって1つのアンテナを用いて、非接触通信と非接触充電とを効率的に行うことができる。
なお、上述したアンテナ202,302は、コイルとキャパシタとを有する共振回路と、抵抗とスイッチング素子とを有するQ値調整回路とで構成されたが、図8に示すように、コイルL4とキャパシタC4とを有する共振回路と、この共振回路の近傍に配置された、コイルL5とキャパシタC5とスイッチング素子SW5とを有するQ値調整回路とで構成されたアンテナ402であってもよい。この場合、アンテナ402のQ値をアンテナ202,302と比較してより高いQ値に設定することができ、もって電力の伝送をより効率的に行うことができる。
以上、本発明の実施形態に係る情報処理システム100を構成する構成要素として情報処理装置200を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、リーダ/ライタ機能(すなわち、搬送波を主体的に送信する機能)を有する携帯型通信装置、リーダ/ライタ機能を有するPC(Personal Computer)などのコンピュータなど、様々な機器に適用することができる。
また、本発明の実施形態に係る情報処理システム100を構成する構成要素として充電装置300を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、リーダ/ライタ機能を有する充電装置など、情報処理装置200との間で非接触通信が可能な様々な機器に適用することができる。
[情報処理装置が実行する第2の通信/充電処理]
以下、本発明の実施の形態に係る情報処理装置200が実行する第2の通信/充電処理について説明する。図9は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置200が実行する第2の通信/充電処理のフローチャートである。図10は、図9に続く本発明の実施の形態に係る情報処理装置200が実行する第2の通信/充電処理のフローチャートである。
図9において、まず、情報処理装置200の電源がオンになると、情報処理装置200の制御部218は、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値を低いQ値、例えば10〜20(第1の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ204はアンテナ202のQ値を低いQ値に設定する(ステップS301)。
次いで、制御部218は、通信部212の受信部214において充電装置300から送信される、例えば13.56MHzの搬送波を待ち受ける(ステップS302)。
次いで、制御部218は、受信部214において搬送波を受信したか否かを判別し(ステップS303)、搬送波を受信していないときは(ステップS303でNO)、ステップS302の処理に戻る。
ステップS303の判別の結果、受信部214において搬送波を受信したときは(ステップS303でYES)、制御部218は、充電装置300から送信されるリクエスト確認パケットを待ち受ける(ステップS304)。なお、ステップS304におけるリクエスト確認パケットの待ち受けの際に、搬送波の受信が途切れた場合は、ステップS302の処理に戻る。
次いで、制御部218は、受信部214においてリクエスト確認パケットを受信したか否かを判別する(ステップS305)。なお、例えば図29(A)に示すように、非接触通信機能および非接触充電機能を有する充電装置300から送信されるリクエスト確認パケット10は、プリアンブル12と、データ14と、充電認証データとしての充電機能有無確認データ16と、データ18とで構成される。
ステップS305の判別の結果、受信部214においてリクエスト確認パケットを受信したときは(ステップS305でYES)、制御部218は、受信したリクエスト確認パケットに含まれる充電認証データが有効であるか否かを判別する(ステップS306)。
ステップS306の判別の結果、充電認証データが有効でないときは(ステップS306でNO)、通常の通信要求であるので、制御部218は、送信部216において通信要求パケットを充電装置300に送信して(ステップS307)、充電装置300と通常の通信処理を実行して(ステップS308)、ステップS304の処理に戻る。
ステップS306の判別の結果、充電認証データが有効であるときは(ステップS306でYES)、制御部218は、充電IC220からバッテリ222の電池残量情報を取得して、取得したバッテリ222の電池残量情報に基づいて、バッテリ222の残量が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS309)。
ステップS309の判別の結果、バッテリ222の残量が閾値以上であるときは(ステップS309でYES)、制御部218は、情報処理装置200に通信よりも充電を優先させる充電優先モードが設定されているか否かを判別する(ステップS310)。なお、ステップS310の充電優先モードはユーザが設定してもよく、制御部218が情報処理装置200の状態を判断して設定してもよい。
ステップS310の判別の結果、充電優先モードが設定されていないときは(ステップS310でNO)、通信を優先するため、ステップS307の処理に進む。
ステップS309の判別の結果、バッテリ222の残量が閾値以上でないとき(ステップS309でNO)、またはステップS310の判別の結果、充電優先モードが設定されているときは(ステップS310でYES)、制御部218は、送信部216において充電認証パケットを充電装置300に送信する(ステップS311)。なお、例えば図29(B)に示すように、非接触通信機能および非接触充電機能を有する情報処理装置200が送信する充電認証パケット20は、プリアンブル22と、データ24と、充電認証データとしての充電機能有無データ26と、データ28とで構成される。また、例えば図29(C)に示すように、非接触通信機能のみを有する、例えば後述する図24の情報処理装置800が送信する充電認証パケット30は、プリアンブル32と、データ34と、充電認証データとしての充電機能有無データ36と、データ38とで構成される。また、例えば図29(D)に示すように、非接触通信機能のみを有する、例えば後述する図24の情報処理装置800が送信する他の充電認証パケット40は、プリアンブル42と、データ44とで構成される。
ステップS311において送信された充電認証パケットを受信した充電装置300は、情報処理装置200のバッテリ222への充電用の電力の伝送を所定の時間の経過後に開始する。そのため、制御部218は、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値をステップS301で設定したQ値よりも高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ204はアンテナ202のQ値を高いQ値に設定する(ステップS312)。
次いで、制御部218は、バッテリ222への充電を監視する(ステップS313)。
次いで、制御部218は、充電部206の受信部208においてバッテリ222への充電用の電力を受信しているか否かを判別する(ステップS314)。
ステップS314の判別の結果、充電用の電力を受信しているときは(ステップS314でYES)、制御部218は、充電IC220からバッテリ222の電池残量情報を取得して、バッテリ222が満充電であるか否かを判別する(ステップS315)。
ステップS315の判別の結果、バッテリが満充電でないときは(ステップS315でNO)、制御部218は、充電部206の送信部210において充電中パケットを充電装置300に送信して(ステップS316)、ステップS313の処理に戻る。なお、ステップS316では、アンテナ202のQ値が高いQ値に設定されていても十分通信が可能となるように低いデータ伝送レートで通信を行う。
ステップS315の判別の結果、バッテリが満充電であるときは(ステップS315でYES)、制御部218は、充電部206の送信部210において充電中パケットを充電装置300に送信することなく、ステップS313の処理に戻る。
ステップS314の判別の結果、充電用の電力を受信していないとき、すなわち、制御部218が充電部206の送信部210において充電中パケットを送信しなかったため、充電装置300からの電力の伝達が停止したとき、または、情報処理装置200が充電装置300との通信可能範囲外に持ち去られたときは(ステップS314でNO)、制御部218は、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信し、その設定信号を受信したQ値設定スイッチ204はアンテナ202のQ値を低いQ値に設定して(ステップS317)、本処理を終了する。
一方、ステップS305の判別の結果、通信部212の受信部214においてリクエスト確認パケットを受信しないときは(ステップS305でNO)、図10に進み、制御部218は、ステップS304でのリクエスト確認パケットの待ち受けから所定の時間が経過したか否かを判別する(ステップS318)。
ステップS318の判別の結果、所定の時間が経過していないときは(ステップS318でNO)、図9のステップS304の処理に戻る。
ステップS318の判別の結果、所定の時間が経過したときは(ステップS318でYES)、制御部218は、情報処理装置200の近傍に非接触充電機能のみを有する充電装置、例えば後述する図19の充電装置700が存在すると想定して、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値をステップS301で設定したQ値よりも高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ204はアンテナ202のQ値を高いQ値に設定する(ステップS319)。
次いで、制御部218は、例えば後述する図19の充電装置700から送信される充電認証パケットを待ち受ける(ステップS320)。なお、ステップS320では、例えば後述する図19の充電装置700は、アンテナ202のQ値が高いQ値に設定されていても十分通信が可能となるように低いデータ伝送レートで通信を行う。
次いで、制御部218は、充電部206の受信部208において充電認証パケットを受信したか否かを判別する(ステップS321)。なお、例えば図30(A)に示すように、例えば後述する図19の充電装置700から送信される充電認証パケット50は、プリアンブル52と、充電認証データ54とで構成される。
ステップS321の判別の結果、受信部208において充電認証パケットを受信したときは(ステップS321でYES)、制御部218は、受信した充電認証パケットが有効であるか否かを判別して(ステップS322)、充電認証パケットが有効でないときは(ステップS322でNO)、ステップS320の処理に戻る。
ステップS322の判別の結果、充電認証パケットが有効であるときは(ステップS322でYES)、制御部218は、充電部206の送信部210において充電認証パケットを、例えば後述する図19の充電装置700に送信して(ステップS323)、図9のステップS313の処理に進む。なお、例えば図30(B)に示すように、ステップS323で情報処理装置200が送信する充電認証パケット60は、プリアンブル62と、充電認証返信データ64とで構成される。
一方、ステップS321の判別の結果、受信部208において充電認証パケットを受信しないときは(ステップS321でNO)、制御部218は、ステップS320での充電認証パケットの待ち受けから所定の時間が経過したか否かを判別する(ステップS324)。
ステップS324の判別の結果、所定の時間が経過していないときは(ステップS324でNO)、ステップS320の処理に戻る。
ステップS324の判別の結果、所定の時間が経過したときは(ステップS324でYES)、制御部218は、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値を低いQ値、例えば10〜20(第1の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ204はアンテナ202のQ値を低いQ値に設定する(ステップS325)。そして、図9のステップS304の処理に戻る。
図9および図10の第2の通信/充電処理によれば、充電装置300からリクエスト確認パケットなどのパケットを受信するときは、アンテナ202のQ値が低いQ値に設定され、充電装置300からバッテリ222への充電用の電力が伝達されるときは、アンテナのQ値が高いQ値に設定される。アンテナのQ値が低い場合、帯域幅が広いため、データ伝送を効率的に行うことができ、アンテナのQ値が高い場合、搬送波の振幅を大きくすることができるため、充電用の電力の伝達を効率的に行うことができ、もって1つのアンテナを用いて、非接触通信と非接触充電とを効率的に行うことができる。
さらに、情報処理装置200の近傍に非接触充電機能のみを有する、例えば後述する図19の充電装置700が存在する場合においても、充電装置700からバッテリ222への充電用の電力が伝達されるときは、アンテナのQ値が高いQ値に設定される。したがって、非接触充電機能のみを有する充電装置700が近傍に存在する場合においても、1つのアンテナを用いて、非接触充電を効率的に行うことができる。
[充電装置が実行する第2の通信/充電処理]
次に、本発明の実施の形態に係る充電装置300が実行する第2の通信/充電処理について説明する。図11は、本発明の実施の形態に係る充電装置300が実行する第2の通信/充電処理のフローチャートである。図12は、図11に続く本発明の実施の形態に係る充電装置300が実行する第2の通信/充電処理のフローチャートである。
図11において、まず、充電装置300の電源がオンになると、充電装置300の制御部318は、Q値設定スイッチ304へアンテナ302のQ値を低いQ値、例えば10〜20(第1の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ304はアンテナ302のQ値を低いQ値に設定する(ステップS401)。
次いで、制御部318は、通信部312の送信部316において、例えば図29(A)に示すようなリクエスト確認パケットを送信する(ステップS402)。
次いで、制御部318は、受信部314において返信パケットを受信したか否かを判別する(ステップS403)。
ステップS403の判別の結果、返信パケットを受信したときは(ステップS403でYES)、制御部318は、返信パケットの内容が通信要求か、または充電要求かを判別する(ステップS404)。
ステップS404の判別の結果、返信パケットの内容が通信要求であるときは(ステップS404で通信要求)、制御部318は、充電装置300にデータ送信要求があるか否かを判別して(ステップS405)、データ送信要求がないときは(ステップS405でNO)、ステップS402の処理に戻る。
ステップS405の判別の結果、データ送信要求があるときは(ステップS405でYES)、制御部318は、通常の通信処理を実行して(ステップS406)、ステップS402の処理に戻る。
ステップS404の判別の結果、返信パケットの内容が充電要求であるときは(ステップS404で充電要求)、制御部318は、Q値設定スイッチ304へアンテナ302のQ値をステップS401で設定したQ値よりも高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ304はアンテナ302のQ値を高いQ値に設定する(ステップS407)。
次いで、制御部318は、所定の時間、待機した後に(ステップS408)、充電部306の送信部310において情報処理装置200のバッテリ222への充電用の電力を伝送する(ステップS409)。
次いで、制御部318は、所定の時間おきに、充電部306の受信部308において情報処理装置200から送信される充電中パケットを受信したか否かを判別する(ステップS410)。
ステップS410の判別の結果、充電中パケットを受信したときは(ステップS410でYES)、情報処理装置200のバッテリ222への充電は完了していないため、ステップS409の処理に戻る。
ステップS410の判別の結果、充電中パケットを受信しないときは(ステップS410でNO)、情報処理装置200のバッテリ222への充電は完了した、または情報処理装置200が充電装置300との通信可能範囲外に持ち去られたので、制御部318は、充電部306の送信部310において充電用の電力の伝送を中止する(ステップS411)。
次いで、制御部318は、Q値設定スイッチ304へアンテナ302のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信し、その設定信号を受信したQ値設定スイッチ304はアンテナ302のQ値を低いQ値に設定して(ステップS412)、本処理を終了する。
一方、ステップS403の判別の結果、返信パケットを受信しないときは(ステップS403でNO)、図12に進み、制御部318は、ステップS402でのリクエスト確認パケットの送信から所定の時間が経過したか否かを判別する(ステップS413)。
ステップS413の判別の結果、所定の時間が経過していないときは(ステップS413でNO)、図11のステップS403の処理に戻る。
ステップS413の判別の結果、所定の時間が経過したときは(ステップS413でYES)、制御部318は、充電装置300の近傍に非接触充電機能のみを有する情報処理装置、例えば後述する図27の情報処理装置900が存在すると想定して、Q値設定スイッチ304へアンテナ302のQ値をステップS401で設定したQ値よりも高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ304はアンテナ302のQ値を高いQ値に設定する(ステップS414)。
次いで、制御部318は、充電部306の送信部310において充電認証パケットを送信する(ステップS415)。なお、ステップS415では、充電装置300は、アンテナ302のQ値が高いQ値に設定されていても十分通信が可能となるように低いデータ伝送レートで通信を行う。
次いで、制御部318は、充電部306の受信部308において返信パケットを受信したか否かを判別する(ステップS416)。
ステップS416の判別の結果、返信パケットを受信したときは(ステップS416でYES)、制御部318は、受信した返信パケットが有効であるか否かを判別して(ステップS417)、返信パケットが有効でないときは(ステップS417でNO)、ステップS416の処理に戻る。
ステップS417の判別の結果、返信パケットが有効であるときは(ステップS417でYES)、図11のステップS409の処理に進む。
ステップS416の判別の結果、返信パケットを受信しないときは(ステップS416でNO)、制御部318は、ステップS415での充電認証パケットの送信から所定の時間が経過したか否かを判別する(ステップS418)。
ステップS418の判別の結果、所定の時間が経過していないときは(ステップS418でNO)、ステップS416の処理に戻る。
ステップS418の判別の結果、所定の時間が経過したときは(ステップS418でYES)、図11のステップS401の処理に戻る。
図11および図12の第2の通信/充電処理によれば、リクエスト確認パケットなどのパケットを送信するときは、アンテナ302のQ値が低いQ値に設定され、情報処理装置200のバッテリ222への充電用の電力を伝送するときは、アンテナのQ値が高いQ値に設定される。したがって、上述した図9および図10の第2の通信/充電処理と同様の効果を奏することができる。
さらに、充電装置300の近傍に非接触充電機能のみを有する、例えば図27の情報処理装置900が存在する場合においても、情報処理装置900のバッテリ922への充電用の電力を伝送するときは、アンテナのQ値が高いQ値に設定される。したがって、非接触充電機能のみを有する情報処理装置900が近傍に存在する場合においても、1つのアンテナを用いて、非接触充電を効率的に行うことができる。
[情報処理装置が実行する第3の通信/充電処理]
次に、本発明の実施の形態に係る情報処理装置200が実行する第3の通信/充電処理について説明する。図13は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置200が実行する第3の通信/充電処理のフローチャートである。本処理は、情報処理装置200において通信部212への電力供給が不可能なほどバッテリ222の電力が消耗した場合に実行される処理である。
図13において、まず、情報処理装置200において通信部212への電力供給が不可能なほどバッテリ222の電力が消耗して情報処理装置200の電源がオフになると(ステップS501)、制御部218は、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値を高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ204はアンテナ202のQ値を高いQ値に設定する(ステップS502)。
次いで、充電部206の受信部208において、例えば充電装置300または後述する図19の充電装置700から電力を受信すると、受信した電力によって充電部206は起動する(ステップS503)。
次いで、制御部218は、例えば充電装置300または後述する図19の充電装置700から送信される充電認証パケットを待ち受ける(ステップS504)。なお、ステップS504では、例えば充電装置300や後述する図19の充電装置700は、アンテナ202のQ値が高いQ値に設定されていても十分通信が可能となるように低いデータ伝送レートで通信を行う。
次いで、制御部218は、充電部206の受信部208において充電認証パケットを受信したか否かを判別して(ステップS505)、充電認証パケットを受信していないときは(ステップS505でNO)、ステップS504の処理に戻る。
ステップS505の判別の結果、受信部208において充電認証パケットを受信したときは(ステップS505でYES)、制御部218は、受信した充電認証パケットが有効であるか否かを判別して(ステップS506)、充電認証パケットが有効でないときは(ステップS506でNO)、ステップS504の処理に戻る。
ステップS506の判別の結果、充電認証パケットが有効であるときは(ステップS506でYES)、制御部218は、充電部206の送信部210において充電認証パケットを、例えば充電装置300または後述する図19の充電装置700に送信する(ステップS507)。
次いで、制御部218は、バッテリ222への充電を監視する(ステップS508)。
次いで、制御部218は、充電部206の受信部208において搬送波を受信しているか否かを判別する(ステップS509)。
ステップS509の判別の結果、充電部206の受信部208において搬送波を受信しているときは(ステップS509でYES)、制御部218は、充電部206の受信部208においてバッテリ222への充電用の電力を受信しているか否かを判別する(ステップS510)。
ステップS510の判別の結果、充電用の電力を受信しているときは(ステップS510でYES)、制御部218は、充電IC220からバッテリ222の電池残量情報を取得して、バッテリ222が満充電であるか否かを判別する(ステップS511)。
ステップS511の判別の結果、バッテリが満充電でないときは(ステップS511でNO)、制御部218は、充電部206の送信部210において充電中パケットを、例えば充電装置300または後述する図19の充電装置700に送信して(ステップS512)、ステップS508の処理に戻る。なお、ステップS512では、アンテナ202のQ値が高いQ値に設定されていても十分通信が可能となるように低いデータ伝送レートで通信を行う。
ステップS511の判別の結果、バッテリが満充電であるときは(ステップS511でYES)、制御部218は、充電部206の送信部210において充電中パケットを充電装置300に送信することなく、ステップS508の処理に戻る。
ステップS510の判別の結果、充電用の電力を受信していないとき、すなわち、制御部218が充電部206の送信部210において充電中パケットを送信しなかったため、充電装置300からの電力の伝達が停止したときは(ステップS510でNO)、制御部218は、Q値設定スイッチ204へアンテナ202のQ値を低いQ値に設定するための設定信号を送信し、その設定信号を受信したQ値設定スイッチ204はアンテナ202のQ値を低いQ値に設定して(ステップS513)、本処理を終了する。
一方、ステップS509の判別の結果、充電部206の受信部208において搬送波を受信していないとき、すなわち情報処理装置200が充電装置300との通信可能範囲外に持ち去られたときは(ステップS509でNO)、制御部218は、充電IC220からバッテリ222の電池残量情報を取得して、バッテリ222の残量が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS514)。
ステップS514の判別の結果、バッテリ222の残量が閾値以上であるときは(ステップS514でYES)、ステップS513の処理に進む。
ステップS514の判別の結果、バッテリ222の残量が閾値以上でないときは(ステップS514でNO)、本処理を終了する。
図13の第3の通信/充電処理によれば、情報処理装置200において通信部212への電力供給が不可能なほどバッテリ222の電力が消耗して情報処理装置200の電源がオフになると、アンテナ202のQ値が高いQ値に設定されるので、情報処理装置200の電源がオフとなり非接触通信が行えない状態においても、非接触充電を効率的に行うことができる。
[本発明の第2の実施の形態に係る情報処理システムの構成]
以下、本発明の第2の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。図14Aおよび図14Bは、本発明の第2の実施の形態に係る情報処理システムを説明するための説明図である。
図14Aにおいて、情報処理システム110は、上述した図2の情報処理装置200と、非接触通信機能のみを有するリーダ/ライタ500とから構成される。
情報処理装置200は、内部にバッテリ(図示せず)を備え、リーダ/ライタ500との通信時に使用する1つのアンテナ202を搭載している。
リーダ/ライタ500は、情報処理装置200との通信時に使用する1つのアンテナ502を搭載している。
情報処理システム110では、図14Bに示すように、情報処理装置200がリーダ/ライタ500上に載置された際、または情報処理装置200がリーダ/ライタ500に接近した際に、非接触式の通信を行う。
本実施の形態に係る情報処理システム110では、情報処理装置200が上述した図9および図10の第2の通信/充電処理を実行し、リーダ/ライタ500が後述する図16の通信処理を実行する。これにより、双方の装置において、1つのアンテナを用いて、情報処理装置200とリーダ/ライタ500との間での非接触通信を効率的に行うことができる。
[本発明の第2の実施の形態に係るリーダ/ライタの概略構成]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るリーダ/ライタについて説明する。図15は、本発明の第2の実施の形態に係るリーダ/ライタ500の概略構成を示すブロック図である。
図15において、リーダ/ライタ500は、アンテナ502と、通信部512と、制御部518と、AC電源522に接続された電源IC520とを備える。
アンテナ502は、ポーリング信号や通信パケットを送信する。なお、アンテナ502のQ値は低いQ値に設定されている。通信部512は、情報処理装置200から送信される返信パケットを受信する受信部514と、ポーリング信号や通信パケットを送信する送信部516とを有する。
制御部518は、通信部512、電源IC520の制御を行う。電源IC520は、AC電源522からの電力を効率的にリーダ/ライタ500の各部に供給する。なお、電源IC520は、DC電源(図示せず)からの電力をリーダ/ライタ500の各部に供給してもよい。
[本発明の第2の実施の形態に係るリーダ/ライタが実行する通信処理]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るリーダ/ライタ500が実行する通信処理について説明する。図16は、本発明の第2の実施の形態に係るリーダ/ライタ500が実行する通信処理のフローチャートである。
図16において、まず、リーダ/ライタ500の電源がオンになると、制御部518は、通信部512の送信部516においてポーリング信号を送信する(ステップS601)。
次いで、制御部518は、通信部512の受信部514において返信パケットを受信したか否かを判別する(ステップS602)。
ステップS602の判別の結果、返信パケットを受信していないときは(ステップS602でNO)、ステップS601の処理に戻る。
ステップS602の判別の結果、返信パケットを受信したときは(ステップS602でYES)、制御部518は、受信した返信パケットが有効であるか否かを判別する(ステップS603)。
ステップS603の判別の結果、返信パケットが有効でないときは(ステップS603でNO)、ステップS601の処理に戻る。
ステップS603の判別の結果、返信パケットが有効であるときは(ステップS603でYES)、制御部518は、通常の非接触式の通信処理を実行して(ステップS604)、本処理を終了する。
[本発明の第3の実施の形態に係る情報処理システムの構成]
以下、本発明の第3の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。図17Aおよび図17Bは、本発明の第3の実施の形態に係る情報処理システムを説明するための説明図である。
図17Aにおいて、情報処理システム120は、携帯電話端末などの情報処理装置600と、非接触充電機能のみを有する充電装置700とから構成される。
情報処理装置600は、内部にバッテリ(図示せず)を備え、バッテリへの充電用の電力の伝達時に使用する1つのアンテナ602を搭載している。
充電装置700は、情報処理装置600が備えるバッテリへの充電用の電力の伝送時に使用する1つのアンテナ702を搭載している。
情報処理システム120では、図17Bに示すように、情報処理装置600が充電装置700上に載置された際、または情報処理装置600が充電装置700に接近した際に、情報処理装置600が備えるバッテリへの非接触式の充電を行う。
本実施の形態に係る情報処理システム120では、情報処理装置600が後述する図20および図21の通信/充電処理を実行し、充電装置700が後述する図22の充電処理を実行する。これにより、双方の装置において、1つのアンテナを用いて、情報処理装置600と充電装置700との間での非接触充電を効率的に行うことができる。
[本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置の構成]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置600について説明する。図18は、本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置600の概略構成を示すブロック図である。
図18において、情報処理装置600は、アンテナ602と、Q値設定スイッチ604と、充電部606と、通信部612と、制御部618と、充電IC620と、バッテリ622と、電圧検知回路624と、グランド(GND)628に接続された制限抵抗626とを備える。
アンテナ602は、充電装置700から送信されるパケットを受信する。また、アンテナ602は、充電装置700からバッテリ622への充電用の電力が伝達される。
Q値設定スイッチ604は、制御部618から送信される設定信号に基づいて、アンテナ602のQ値を選択的に設定する。例えば、Q値設定スイッチ604は、アンテナ602のQ値が低いQ1値、低いQ2値、または高いQ値となるように、アンテナ602のQ値を選択的に設定する。
充電部606は、アンテナ602に伝達されたバッテリ622への充電用の電力を受信する受信部608を有する。また、充電部606は、バッテリ622への充電が完了するまで間欠的に充電装置700へ充電用の電力の伝送の継続を要求するための充電中パケットを送信する送信部610を有する。なお、送信部610は、充電中パケットの送信を負荷変調により行い、また、通常のデータ伝送レートよりも低いデータ伝送レートで行う。
通信部612は、アンテナ602が受信したパケットを受信する受信部614を有する。また、通信部612は、応答パケットを充電装置700へ送信する送信部616とを有する。なお、送信部616は、応答パケットの送信を負荷変調により行い、また、通常のデータ伝送レートで行う。
制御部618は、Q値設定スイッチ604、充電部606、通信部612、充電IC620、電圧検知回路624の制御を行う。なお、制御部618は、電圧検知回路624から送信される制御信号に基づいて、アンテナ602と制限抵抗626との接続を制御する。
充電IC620は、バッテリ622への充電を行い、また、バッテリ622からの電力を効率的に情報処理装置600の各部に供給する。
電圧検知回路624は、アンテナ602に入力される電圧を検知して、入力された電圧に応じた制御信号を制御部618に送信する。そして、制御部618は、電圧検知回路624から送信された制御信号に基づいて、アンテナ602のQ値が低いQ1値に設定されている場合において、アンテナ602にバッテリ622の充電の際の大電圧が入力されたときに、Q値設定スイッチ604へアンテナ602のQ値を低いQ2値に設定するための設定信号を送信する。
制限抵抗626は、アンテナ602のQ値が低いQ1値に設定されている場合において、アンテナ602にバッテリ622の充電の際の大電圧が入力されたときに、通信部612が破壊されないようにするためのものである。
[本発明の第3の実施の形態に係る充電装置の構成]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る充電装置について説明する。図19は、本発明の第3の実施の形態に係る充電装置の概略構成を示すブロック図である。
図19において、充電装置700は、アンテナ702と、充電部706と、制御部718と、AC電源722に接続された電源IC720とを備える。
アンテナ702は、充電認証パケットを送信し、また、情報処理装置600が備えるバッテリ622への充電用の電力を伝送する。なお、アンテナ702のQ値は高いQ値に設定されている。充電部706は、情報処理装置600から送信される充電中パケットを受信する受信部708と、情報処理装置600が備えるバッテリ622への充電用の電力を伝送する送信部710とを有する。
制御部718は、充電部706、電源IC720の制御を行う。電源IC720は、AC電源722からの電力を効率的に充電装置700の各部に供給する。なお、電源IC720は、DC電源(図示せず)からの電力を充電装置700の各部に供給してもよい。
[本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置が実行する通信/充電処理]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置600が実行する通信/充電処理について説明する。図20は、本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置600が実行する通信/充電処理のフローチャートである。図21は、図20に続く本発明の第3の実施の形態に係る情報処理装置600が実行する通信/充電処理のフローチャートである。
図20において、まず、情報処理装置600の電源がオンになると、情報処理装置600の制御部618は、Q値設定スイッチ604へアンテナ602のQ値を低いQ1値、例えば10〜20(第1の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ604はアンテナ602のQ値を低いQ1値に設定する(ステップS701)。
次いで、制御部618は、通信部612の受信部614において充電装置700から送信される、例えば13.56MHzの搬送波を待ち受ける(ステップS702)。
次いで、制御部618は、受信部614において搬送波を受信したか否かを判別し(ステップS703)、搬送波を受信していないときは(ステップS703でNO)、ステップS702の処理へ戻る。
ステップS703の判別の結果、受信部614において搬送波を受信したときは(ステップS703でYES)、制御部618は、電圧検知回路624から送信される制御信号に基づいて、アンテナ602に入力された電圧が第1の閾値以上であるか否かを判別する(ステップS704)。なお、第1の閾値以上の電圧がアンテナ602に入力された場合において、Q値設定スイッチ604においてアンテナ602のQ値が低いQ1値に設定されているときは、通信部612の回路が破壊される虞がある。すなわち、第1の閾値は、通信部612の回路が破壊されないようにその値が設定されるものである。
ステップS704の判別の結果、アンテナ602に入力された電圧が第1の閾値以上であるときは(ステップS704でYES)、制御部618は、Q値設定スイッチ604へアンテナ602のQ値を低いQ2値、例えば10〜20に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ604はアンテナ602のQ値を低いQ2値に設定する(ステップS705)。すなわち、ステップS705では、アンテナ602と制限抵抗626とを接続する。
次いで、制御部618は、電圧検知回路624から送信される制御信号に基づいて、アンテナ602に入力された電圧が第2の閾値以上であるか否かを判別する(ステップS706)。
ステップS706の判別の結果、アンテナ602に入力された電圧が第2の閾値以上であるときは(ステップS706でYES)、ステップS706の処理を繰り返す。
ステップS706の判別の結果、アンテナ602に入力された電圧が第2の閾値以上でないときは(ステップS706でNO)、ステップS701の処理に戻る。すなわち、続くステップS701において、アンテナ602と制限抵抗626との接続を遮断する。なお、ステップS704とステップS706とで異なる閾値を用いているのは、第2の閾値は第1の閾値から制限抵抗626における電圧降下を考慮したことによる。
一方、ステップS704の判別の結果、アンテナ602に入力された電圧が第1の閾値以上でないときは(ステップS704でNO)、制御部618は、外部から送信されるリクエスト確認パケットを待ち受ける(ステップS707)。なお、ステップS707におけるリクエスト確認パケットの待ち受けの際に、搬送波の受信が途切れた場合は、ステップS702の処理に戻る。
次いで、制御部618は、受信部614においてリクエスト確認パケットを受信したか否かを判別する(ステップS708)。
ステップS708の判別の結果、受信部614においてリクエスト確認パケットを受信したときは(ステップS708でYES)、制御部618は、受信したリクエスト確認パケットに含まれる充電認証データが有効であるか否かを判別する(ステップS709)。
ステップS709の判別の結果、充電認証データが有効でないときは(ステップS709でNO)、通常の通信要求であるので、制御部618は、送信部616において通信要求パケットを外部に送信して(ステップS710)、外部と通常の非接触式の通信処理を実行して(ステップS711)、ステップS707の処理に戻る。
ステップS709の判別の結果、充電認証データが有効であるときは(ステップS709でYES)、制御部618は、充電IC620からバッテリ622の電池残量情報を取得して、取得したバッテリ622の電池残量情報に基づいて、バッテリ622の残量が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS712)。
ステップS712の判別の結果、バッテリ622の残量が閾値以上であるときは(ステップS712でYES)、制御部618は、情報処理装置600に通信よりも充電を優先させる充電優先モードが設定されているか否かを判別する(ステップS713)。なお、ステップS713の充電優先モードはユーザが設定してもよく、制御部618が情報処理装置600の状態を判断して設定してもよい。
ステップS713の判別の結果、充電優先モードが設定されていないときは(ステップS713でNO)、通信を優先するため、ステップS710の処理に進む。
ステップS712の判別の結果、バッテリ622の残量が閾値以上でないとき(ステップS712でNO)、またはステップS713の判別の結果、充電優先モードが設定されているときは(ステップS713でYES)、制御部618は、送信部616において充電認証パケットを充電装置700に送信する(ステップS714)。
ステップS714において送信された充電認証パケットを受信した充電装置700は、情報処理装置600のバッテリ622への充電用の電力の伝送を所定の時間の経過後に開始する。そのため、制御部618は、Q値設定スイッチ604へアンテナ602のQ値をステップS701で設定したQ値よりも高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ604はアンテナ602のQ値を高いQ値に設定する(ステップS715)。
次いで、制御部618は、バッテリ622への充電を監視する(ステップS716)。
次いで、制御部618は、充電部606の受信部608においてバッテリ622への充電用の電力を受信しているか否かを判別する(ステップS717)。
ステップS717の判別の結果、充電用の電力を受信しているときは(ステップS717でYES)、制御部618は、充電IC620からバッテリ622の電池残量情報を取得して、バッテリ622が満充電であるか否かを判別する(ステップS718)。
ステップS718の判別の結果、バッテリが満充電でないときは(ステップS718でNO)、制御部618は、充電部606の送信部610において充電中パケットを充電装置700に送信して(ステップS719)、ステップS716の処理に戻る。なお、ステップS719では、アンテナ602のQ値が高いQ値に設定されていても十分通信が可能となるように低いデータ伝送レートで通信を行う。
ステップS718の判別の結果、バッテリが満充電であるときは(ステップS718でYES)、制御部618は、充電部606の送信部610において充電中パケットを充電装置700に送信することなく、ステップS716の処理に戻る。
ステップS717の判別の結果、充電用の電力を受信していないとき、すなわち、制御部618が充電部606の送信部610において充電中パケットを送信しなかったため、充電装置700からの電力の伝達が停止したとき、または、情報処理装置600が充電装置700との通信可能範囲外に持ち去られたときは(ステップS717でNO)、制御部618は、Q値設定スイッチ604へアンテナ602のQ値を低いQ1値に設定するための設定信号を送信し、その設定信号を受信したQ値設定スイッチ604はアンテナ602のQ値を低いQ1値に設定して(ステップS720)、本処理を終了する。
一方、ステップS708の判別の結果、通信部612の受信部614においてリクエスト確認パケットを受信しないときは(ステップS708でNO)、図21に進み、制御部618は、ステップS707でのリクエスト確認パケットの待ち受けから所定の時間が経過したか否かを判別する(ステップS721)。
ステップS721の判別の結果、所定の時間が経過していないときは(ステップS721でNO)、図20のステップS707の処理に戻る。
ステップS721の判別の結果、所定の時間が経過したときは(ステップS721でYES)、制御部618は、情報処理装置600の近傍に非接触充電機能のみを有する充電装置700が存在すると想定して、Q値設定スイッチ604へアンテナ602のQ値をステップS701で設定したQ値よりも高いQ値、例えば50〜数100(第2の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ604はアンテナ602のQ値を高いQ値に設定する(ステップS722)。
次いで、制御部618は、充電装置700から送信される充電認証パケットを待ち受ける(ステップS723)。なお、ステップS723では、例えば充電装置700は、アンテナ602のQ値が高いQ値に設定されていても十分通信が可能となるように低いデータ伝送レートで通信を行う。
次いで、制御部618は、充電部606の受信部608において充電認証パケットを受信したか否かを判別する(ステップS724)。
ステップS724の判別の結果、受信部608において充電認証パケットを受信したときは(ステップS724でYES)、制御部618は、受信した充電認証パケットが有効であるか否かを判別して(ステップS725)、充電認証パケットが有効でないときは(ステップS725でNO)、ステップS723の処理に戻る。
ステップS725の判別の結果、充電認証パケットが有効であるときは(ステップS725でYES)、制御部618は、充電部606の送信部610において充電認証パケットを充電装置700に送信して(ステップS726)、図20のステップS716の処理に進む。
一方、ステップS724の判別の結果、受信部608において充電認証パケットを受信しないときは(ステップS724でNO)、制御部618は、ステップS723での充電認証パケットの待ち受けから所定の時間が経過したか否かを判別する(ステップS727)。
ステップS727の判別の結果、所定の時間が経過していないときは(ステップS727でNO)、ステップS723の処理に戻る。
ステップS727の判別の結果、所定の時間が経過したときは(ステップS727でYES)、制御部618は、Q値設定スイッチ604へアンテナ602のQ値を低いQ1値、例えば10〜20(第1の値の一例)に設定するための設定信号を送信する。その設定信号を受信したQ値設定スイッチ604はアンテナ602のQ値を低いQ1値に設定する(ステップS728)。そして、図20のステップS707の処理に戻る。
図20および図21の通信/充電処理によれば、情報処理装置600の近傍に非接触充電機能のみを有する充電装置700が存在する場合においても、充電装置700からバッテリ622への充電用の電力が伝達されるときは、アンテナのQ値が高いQ値に設定される。したがって、非接触充電機能のみを有する充電装置700が近傍に存在する場合においても、1つのアンテナを用いて、非接触充電を効率的に行うことができる。
さらに、Q値設定スイッチ604においてアンテナ602のQ値が低いQ1値に設定されている場合において、アンテナ602に第1の閾値以上の電圧が入力されるときに、アンテナ602のQ値が低いQ2値に設定される。したがって、アンテナ602と制限抵抗626とが接続される。これにより、通信部612に大電圧が印加されて通信部612の回路が破壊されることを防止することができる。
[本発明の第3の実施の形態に係る充電装置が実行する充電処理]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る充電装置700が実行する充電処理について説明する。図22は、本発明の第3の実施の形態に係る充電装置700が実行する充電処理のフローチャートである。
図22において、まず、充電装置700の制御部718は、充電部706の送信部710において充電認証パケットを送信する(ステップS801)。なお、ステップS801では、充電装置700は、アンテナ702のQ値が高いQ値に設定されていても十分通信が可能となるように低いデータ伝送レートで通信を行う。
次いで、制御部718は、充電部706の受信部708において返信パケットを受信したか否かを判別して(ステップS802)、返信パケットを受信しないときは(ステップS802でNO)、ステップS801の処理に戻る。
ステップS802の判別の結果、返信パケットを受信したときは(ステップS802でYES)、制御部718は、受信した返信パケットが有効であるか否かを判別して(ステップS803)、返信パケットが有効でないときは(ステップS803でNO)、ステップS801の処理に戻る。
ステップS803の判別の結果、返信パケットが有効であるときは(ステップS803でYES)、制御部718は、充電部706の送信部710において情報処理装置600のバッテリ622への充電用の電力を伝送する(ステップS804)。
次いで、制御部718は、所定の時間おきに、充電部706の受信部708において情報処理装置600から送信される充電中パケットを受信したか否かを判別する(ステップS805)。
ステップS805の判別の結果、充電中パケットを受信したときは(ステップS805でYES)、情報処理装置600のバッテリ622への充電は完了していないため、ステップS804の処理に戻る。
ステップS805の判別の結果、充電中パケットを受信しないときは(ステップS805でNO)、情報処理装置600のバッテリ622への充電は完了した、または情報処理装置600が充電装置700との通信可能範囲外に持ち去られたので、制御部718は、充電部706の送信部710において充電用の電力の伝送を中止して(ステップS806)、本処理を終了する。
[本発明の第4の実施の形態に係る情報処理システムの構成]
以下、本発明の第4の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。図23Aおよび図23Bは、本発明の第4の実施の形態に係る情報処理システムを説明するための説明図である。
図23Aにおいて、情報処理システム130は、非接触通信機能のみを有する携帯電話端末などの情報処理装置800と、充電装置300とから構成される。なお、充電装置300は、リーダ/ライタ機能を有する充電装置であってもよい。
情報処理装置800は、内部にバッテリ(図示せず)を備え、充電装置300との通信時に使用する1つのアンテナ802を搭載している。
充電装置300は、情報処理装置800との通信時、および例えば上述した図2の情報処理装置200が備えるバッテリへの充電用の電力の伝送時に使用する1つのアンテナ302を搭載している。
情報処理システム130では、図23Bに示すように、情報処理装置800が充電装置300上に載置された際、または情報処理装置800が充電装置300に接近した際に、非接触式の通信を行う。
本実施の形態に係る情報処理システム130では、情報処理装置800が後述する図25の通信処理を実行し、充電装置300が上述した図11および図12の第2の通信/充電処理を実行する。これにより、双方の装置において、1つのアンテナを用いて、情報処理装置800と充電装置300との間での非接触通信を効率的に行うことができる。
[本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置の構成]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置800について説明する。図24は、本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置800の概略構成を示すブロック図である。
図24において、情報処理装置800は、アンテナ802と、通信部812と、制御部818と、充電IC820と、バッテリ822とを備える。
アンテナ802は、充電装置300から送信されるパケットを受信する。なお、アンテナ802のQ値は低いQ値に設定されている。
通信部812は、アンテナ802が受信したパケットを受信する受信部814を有する。また、通信部812は、応答パケットを充電装置300へ送信する送信部816とを有する。なお、送信部816は、応答パケットの送信を負荷変調により行い、また、通常のデータ伝送レートで行う。
制御部818は、通信部812、充電IC820の制御を行う。充電IC820は、バッテリ822への充電を行い、また、バッテリ822からの電力を効率的に情報処理装置800の各部に供給する。
[本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置が実行する通信処理]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置800が実行する通信処理について説明する。図25は、本発明の第4の実施の形態に係る情報処理装置800が実行する通信処理のフローチャートである。
図25において、まず、情報処理装置800の制御部818は、通信部812の受信部814において充電装置300から送信される、例えば13.56MHzの搬送波を待ち受ける(ステップS901)。
次いで、制御部818は、受信部814において搬送波を受信したか否かを判別し(ステップS902)、搬送波を受信していないときは(ステップS902でNO)、ステップS901の処理に戻る。
ステップS902の判別の結果、受信部814において搬送波を受信したときは(ステップS902でYES)、制御部818は、通信部812の受信部814において充電装置300から送信されるポーリング信号を待ち受ける(ステップS903)。
次いで、制御部818は、受信部814においてポーリング信号を受信したか否かを判別し(ステップS904)、ポーリング信号を受信していないときは(ステップS904でNO)、ステップS903の処理に戻る。
ステップS904の判別の結果、受信部814においてポーリング信号を受信したときは(ステップS904でYES)、制御部818は、送信部816においてポーリング信号に対する応答を充電装置300に送信する(ステップS905)。
次いで、制御部818は、充電装置300と通常の非接触式の通信処理を実行して(ステップS906)、本処理を終了する。
[本発明の第5の実施の形態に係る情報処理システムの構成]
以下、本発明の第5の実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。図26Aおよび図26Bは、本発明の第5の実施の形態に係る情報処理システムを説明するための説明図である。
図26Aにおいて、情報処理システム140は、非接触充電機能のみを有する携帯電話端末などの情報処理装置900と、充電装置300とから構成される。なお、充電装置300は、リーダ/ライタ機能を有する充電装置であってもよい。
情報処理装置900は、内部にバッテリ(図示せず)を備え、充電装置300との通信時、およびバッテリへの充電用の電力の伝達時に使用する1つのアンテナ902を搭載している。
充電装置300は、情報処理装置900との通信時、および情報処理装置900が備えるバッテリへの充電用の電力の伝送時に使用する1つのアンテナ302を搭載している。
情報処理システム140では、図26Bに示すように、情報処理装置900が充電装置300上に載置された際、または情報処理装置900が充電装置300に接近した際に、情報処理装置900が備えるバッテリへの非接触式の充電を行う。
本実施の形態に係る情報処理システム140では、情報処理装置900が後述する図28の通信処理を実行し、充電装置300が上述した図11および図12の第2の通信/充電処理を実行する。これにより、双方の装置において、1つのアンテナを用いて、情報処理装置900と充電装置300との間での非接触充電を効率的に行うことができる。
[本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置の構成]
次に、本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置900について説明する。図27は、本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置900の概略構成を示すブロック図である。
図27において、情報処理装置900は、アンテナ902と、充電部906と、制御部918と、充電IC920と、バッテリ922とを備える。
アンテナ902は、充電装置300から送信されるパケットを受信する。また、アンテナ902は、充電装置300からバッテリ922への充電用の電力が伝達される。なお、アンテナ902のQ値は高いQ値に設定されている。
充電部906は、アンテナ902に伝達されたバッテリ922への充電用の電力を受信する受信部908を有する。また、充電部906は、バッテリ922への充電が完了するまで間欠的に充電装置300へ充電用の電力の伝送の継続を要求するための充電中パケットを送信する送信部910を有する。なお、送信部910は、充電中パケットの送信を負荷変調により行い、また、通常のデータ伝送レートよりも低いデータ伝送レートで行う。
制御部918は、充電部906、充電IC920の制御を行う。充電IC920は、バッテリ922への充電を行い、また、バッテリ922からの電力を効率的に情報処理装置900の各部に供給する。
[本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置が実行する充電処理]
次に、本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置900が実行する充電処理について説明する。図28は、本発明の第5の実施の形態に係る情報処理装置900が実行する充電処理のフローチャートである。
図28において、まず、情報処理装置900の制御部918は、充電部906の受信部908において充電装置300から送信される、例えば13.56MHzの搬送波を待ち受ける(ステップS1001)。
次いで、制御部918は、受信部908において搬送波を受信したか否かを判別し(ステップS1002)、搬送波を受信していないときは(ステップS1002でNO)、ステップS1001の処理に戻る。
ステップS1002の判別の結果、受信部908において搬送波を受信したときは(ステップS1002でYES)、制御部918は、充電装置300から送信される充電認証パケットを待ち受ける(ステップS1003)。なお、ステップS1003では、充電装置300は、アンテナ902のQ値が高いQ値に設定されていても十分通信が可能となるように低いデータ伝送レートで通信を行う。
次いで、制御部918は、受信部908において充電認証パケットを受信したか否かを判別して(ステップS1004)、充電認証パケットを受信しないときは(ステップS1004でNO)、ステップS1003の処理に戻る。
ステップS1004の判別の結果、受信部908において充電認証パケットを受信したときは(ステップS1004でYES)、制御部918は、受信した充電認証パケットが有効であるか否かを判別して(ステップS1005)、充電認証パケットが有効でないときは(ステップS1005でNO)、ステップS1003の処理に戻る。
ステップS1005の判別の結果、充電認証パケットが有効であるときは(ステップS1005でYES)、制御部918は、送信部910において充電認証パケットを充電装置300に送信する(ステップS1006)。
次いで、制御部918は、バッテリ922への充電を監視する(ステップS1007)。
次いで、制御部918は、受信部908においてバッテリ922への充電用の電力を受信しているか否かを判別する(ステップS1008)。
ステップS1008の判別の結果、充電用の電力を受信しているときは(ステップS1008でYES)、制御部918は、充電IC920からバッテリ922の電池残量情報を取得して、バッテリ922が満充電であるか否かを判別する(ステップS1009)。
ステップS1009の判別の結果、バッテリが満充電でないときは(ステップS1009でNO)、制御部918は、送信部910において充電中パケットを充電装置300に送信して(ステップS1010)、ステップS1007の処理に戻る。なお、ステップS1010では、アンテナ902のQ値が高いQ値に設定されていても十分通信が可能となるように低いデータ伝送レートで通信を行う。
ステップS1009の判別の結果、バッテリが満充電であるときは(ステップS1009でYES)、制御部918は、送信部910において充電中パケットを充電装置300に送信することなく、ステップS1007の処理に戻る。
ステップS1008の判別の結果、充電用の電力を受信していないとき、すなわち、制御部918が送信部910において充電中パケットを送信しなかったため、充電装置300からの電力の伝達が停止したとき、または、情報処理装置900が充電装置300との通信可能範囲外に持ち去られたときは(ステップS1008でNO)、本処理を終了する。
[本発明の実施の形態の情報処理システム100に係るプログラム]
[情報処理装置200に係るプログラム]
コンピュータを、本発明の実施の形態に係る情報処理装置200として機能させるためのプログラムによって、同一のアンテナを用いて、非接触通信と非接触充電とを効率的に行うことができる。
[充電装置300に係るプログラム]
コンピュータを、本発明の実施の形態に係る充電装置300として機能させるためのプログラムによって、同一のアンテナを用いて、非接触通信と非接触充電とを効率的に行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記では、コンピュータを、本発明の実施の形態に係る情報処理装置200または充電装置300として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本発明の実施の形態は、さらに、上記各プログラムを記憶させた記憶媒体も併せて提供することができる。
上述した構成は、本発明の実施の形態の一例を示すものであり、当然に、本発明の技術的範囲に属するものである。