JP6233024B2 - タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサの製造方法およびタッチ位置検出機能付き表示装置 - Google Patents

タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサの製造方法およびタッチ位置検出機能付き表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネルセンサおよびタッチパネルセンサの製造方法に関する。また本発明は、タッチパネルセンサと表示装置とを組み合わせることによって得られるタッチ位置検出機能付き表示装置に関する。
今日、入力手段として、タッチパネル装置が広く用いられている。タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサ上への接触位置を検出する制御回路、配線およびFPC(フレキシブルプリント基板)を含んでいる。タッチパネル装置は、多くの場合、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置においては、タッチパネルセンサが表示装置の表示面上に配置されており、これによって、表示装置に対する極めて直接的な入力が可能になっている。タッチパネルセンサのうち表示装置の表示領域に対面する領域は透明になっており、タッチパネルセンサのこの領域が、接触位置(接近位置)を検出し得るアクティブエリアを構成するようになる。
タッチパネルセンサとして、投影型容量結合方式のタッチパネルセンサが知られている。容量結合方式のタッチパネルセンサにおいては、位置を検知されるべき外部導体(典型的には、指)が誘電体を介してタッチパネルセンサに接触(接近)する際、新たに奇生容量が発生する。この奇生容量に起因する静電容量の変化に基づいて、タッチパネルセンサ上における外部導体の位置が検出される。このような投影型容量結合方式のタッチパネルセンサは例えば、基材と、基材の観察者側の面に設けられた複数の検出パターンと、を備えている。検出パターンは、例えば、透光性および導電性を有する透明導電材料から構成される。
また検出パターンの電気抵抗値を低くするため、検出パターンを構成する材料として、透明導電材料よりも高い導電性を有する銀や銅などの金属材料を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。検出パターンが金属材料から構成される場合、検出パターンには、表示装置からの映像光を適切な比率で透過させるための開口部が形成されている。例えば検出パターンは、金属材料からなり、網目状に配置された導線によって構成されている。
特開2012−79238号公報
検出パターンが金属材料からなる導線によって構成される場合、金属材料が有する金属光沢に起因して検出パターンが観察者(ユーザー)に視認されてしまうことが考えられる。金属光沢に起因する視認性の低下を防ぐため、黒化処理などの低反射処理を導線の表面に施すことが知られている。また導線の表面を荒らすことも提案されている。例えば上述の特許文献1においては、導線の黒化層の表面の表面粗さRaを0.05〜0.14μmの範囲内にすることが提案されている。
導線の表面を荒らすための方法としては一般に、導線の表面の層をエッチングする方法が採用されている。この場合、エッチングが過剰に進行すると、導線の表面の層だけでなく、導線における導電性を主に実現するための本体層までもがエッチング液によって溶解され、導線の導電性などの特性が劣化してしまうことが考えられる。
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るタッチパネルセンサ、タッチパネルセンサの製造方法によびタッチ位置検出機能付き表示装置を提供することを目的とする。
第1の本発明は、タッチパネルセンサであって、観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面上に設けられた複数の第1検出パターンと、を備え、前記第1検出パターンは、遮光性および導電性を有する第1導線であって、各第1導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第1導線から構成されており、前記第1導線は、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含み、前記第1被覆層の表面には凹凸が形成されており、第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下であり、前記第1被覆層は、99重量%以上の銅を含み、前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、タッチパネルセンサである。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1被覆層の表面には、黒化処理が施されていてもよい。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1本体層および前記第1被覆層がいずれも、99重量%以上の銅を含んでいてもよい。この場合、前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなっていてもよい。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1導線は、前記第1本体層よりも表示装置側に設けられ、前記第1本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第1下地層をさらに含んでいてもよい。この場合、前記第1下地層は、50重量%以下の銅を含み、波長600nmの光を前記第1本体層および前記第1下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR12とする場合、R12≦0.5×R10の関係が成立する。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記基材の前記第2面上に設けられた複数の第2検出パターンをさらに備えていてもよい。この場合、前記第2検出パターンは、遮光性および導電性を有する第2導線であって、各第2導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第2導線から構成されており、前記第2導線は、金属からなる第2本体層と、前記第2本体層よりも観察者側に設けられ、前記第2本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第2下地層と、を含んでいてもよい。この場合、波長600nmの光を前記第2本体層および前記第2下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR20およびR22とする場合、R22≦0.5×R20の関係が成立する。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第1耐薬層および前記第2下地層が、同一の材料によって構成されていてもよい。
第1の本発明によるタッチパネルセンサにおいて、前記第2導線は、前記第2本体層よりも表示装置側に設けられ、金属からなる第2被覆層と、前記第2本体層と前記第2被覆層との間に設けられ、導電性を有する第2耐薬層と、をさらに含んでいてもよい。この場合、前記第2被覆層の表面には凹凸が形成されており、第2被覆層用エッチング液に対する前記第2耐薬層の溶解速度は、前記第2被覆層用エッチング液に対する前記第2被覆層の溶解速度の1/10以下であってもよい。前記第2被覆層は、99重量%以上の銅を含み、前記第2被覆層用エッチング液はギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる。
第2の本発明は、網目状に配置された第1導線からなる第1検出パターンを備えたタッチパネルセンサの製造方法であって、観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面側に設けられ、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層の観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含む積層体を準備する工程と、前記積層体の観察者側の面上に、前記第1導線に対応したパターンを有する第1感光層を形成する工程と、前記第1感光層をマスクとして、前記第1被覆層、前記第1耐薬層および前記第1本体層をエッチングする工程と、前記第1感光層を除去する工程と、第1被覆層用エッチング液を用いて前記第1被覆層をエッチングすることにより、前記第1被覆層の表面に凹凸を形成する工程と、を備え、第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下である、タッチパネルセンサの製造方法である。
第2の本発明によるタッチパネルセンサの製造方法は、前記第1被覆層の表面に黒化処理を施す工程をさらに含んでいてもよい。
第2の本発明によるタッチパネルセンサの製造方法において、前記第1本体層および前記第1被覆層はいずれも、99重量%以上の銅を含み、前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなっていてもよい。
第3の本発明は、表示装置と、前記表示装置の表示面上に配置されたタッチパネルセンサと、を備え、前記タッチパネルセンサは、観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面上に設けられた複数の第1検出パターンと、を備え、前記第1検出パターンは、遮光性および導電性を有する第1導線であって、各第1導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第1導線から構成されており、前記第1導線は、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含み、前記第1被覆層の表面には凹凸が形成されており、第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下であり、前記第1被覆層は、99重量%以上の銅を含み、前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、タッチ位置検出機能付き表示装置である。
第4の本発明は、タッチパネルセンサであって、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアと、前記アクティブエリアAa1の周辺に位置する非アクティブエリアAa2と、を含む基材と、前記アクティブエリアに配置された第1検出パターンと、前記非アクティブエリアに配置され、前記第1検出パターンに電気的に接続された第1額縁配線と、前記第1額縁配線を覆うオーバーコート層と、を備え、前記第1額縁配線は、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含み、前記第1被覆層の表面には凹凸が形成されており、第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下であり、前記第1被覆層は、99重量%以上の銅を含み、前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、タッチパネルセンサである。
第1乃至第3の本発明において、基材の観察者側に設けられた第1検出パターンを構成する第1導線は、金属からなる第1本体層と、第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、第1本体層と第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含んでいる。第1被覆層の表面には、凹凸が形成されている。このため、タッチパネルセンサに入射して第1被覆層に到達した外光を、凹凸によって様々な方向へ散乱させることができる。このことにより、第1検出パターンが観察者によって視認されてしまうことを抑制することができる。また、第1耐薬層は、第1被覆層用エッチング液に対する第1耐薬層の溶解速度が、第1被覆層用エッチング液に対する第1被覆層の溶解速度の1/10以下になるよう、構成されている。このため、第1被覆層用エッチング液を用いて第1被覆層をエッチングすることにより第1被覆層の表面に凹凸を形成する際、エッチングが第1耐薬層を超えて進行することを抑制することができる。すなわち、第1本体層が第1被覆層用エッチング液によって溶解されてしまうことを抑制することができる。このことにより、第1被覆層の表面に凹凸を形成する工程に起因して第1導線の導電性などの特性が劣化してしまうことを防ぐことができる。例えば、第1導線の導電性が表面の凹凸に起因して変化してしまうことを抑制することができる。
第4の本発明において、オーバーコート層の下に設けられた第1額縁配線は、金属からなる第1本体層と、第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、第1本体層と第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含んでいる。第1被覆層の表面には、凹凸が形成されている。このため、オーバーコート層に対する第1額縁配線の密着性を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるタッチ位置検出機能付き表示装置を示す展開図。 図2は、図1のタッチ位置検出機能付き表示装置におけるタッチパネルセンサを示す平面図。 図3Aは、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第1検出パターンを拡大して示す平面図。 図3Bは、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第2検出パターンを拡大して示す平面図。 図3Cは、図3Aに示す第1検出パターンおよび図3Bに示す第2検出パターンを重ねて示す平面図。 図4は、タッチパネルセンサを図3CのIV線に沿って切断した場合を示す断面図。 図5は、タッチパネルセンサを図3CのV線に沿って切断した場合を示す断面図。 図6は、第1導線および第2導線を拡大して示す断面図。 図7(a)〜(e)は、タッチパネルセンサの製造方法を説明するための図。 図8は、第1導線および第2導線の一変形例を示す断面図。 図9は、第1導線および第2導線の一変形例を示す断面図。 図10は、第1導線および第2導線の一変形例を示す断面図。 図11は、本発明の第2の実施の形態におけるタッチパネルセンサを示す断面図。 図12は、本発明の第2の実施の形態におけるタッチパネルセンサを示す断面図。 図13は、第1導線および第2導線を拡大して示す断面図。
第1の実施の形態
以下、図1乃至図7(a)〜(e)を参照して、本発明の第1の実施の形態の一例について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
タッチパネル装置およびタッチ位置検出機能付き表示装置
はじめに図1を参照して、タッチパネルセンサ30を備えたタッチ位置検出機能付き表示装置10について説明する。図1に示すように、タッチ位置検出機能付き表示装置10は、タッチパネルセンサ30と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置15とを組み合わせることによって構成されている。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができるアクティブエリアA1と、アクティブエリアA1を取り囲むようにしてアクティブエリアA1の外側に配置された非アクティブエリア(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
図1に示すように、タッチパネルセンサ30は、表示装置15の表示面16aに、例えば接着層(図示せず)を介して接着されている。
タッチパネルセンサ
次に図2を参照して、タッチパネルセンサ30について説明する。図2は、観察者側から見た場合のタッチパネルセンサ30を示す平面図である。
ここでは、タッチパネルセンサ30が、投影型の静電容量結合方式のタッチパネルセンサとして構成される例について説明する。なお、「容量結合」方式は、タッチパネルの技術分野において「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等とも呼ばれており、本件では、これらの「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等と同義の用語として取り扱う。典型的な静電容量結合方式のタッチパネルセンサは、透光性を有する導電性のパターンを有しており、外部の導体(典型的には人間の指)がタッチパネルセンサに接近することにより、外部の導体とタッチパネルセンサの導電性のパターンとの間でコンデンサ(静電容量)が形成される。そして、このコンデンサの形成に伴った電気的な状態の変化に基づき、タッチパネルセンサ上において外部導体が接近している位置の位置座標が特定される。
図2に示すように、タッチパネルセンサ30は、観察者側を向く第1面32aおよび表示装置側を向く第2面32bを含み、透光性を有する基材32と、基材32の第1面32a上に設けられ、第1方向に延びる複数の第1検出パターン41と、基材32の第2面32b上に設けられ、第1方向に交差する、例えば第1方向に直交する第2方向に延びる複数の第2検出パターン46と、を備えている。図2に示すように、第1検出パターン41および第2検出パターン46はそれぞれ帯状に延びている。また、複数の第1検出パターン41は一定の配列ピッチで第2方向に並べられており、複数の第2検出パターン46も一定の配列ピッチで第1方向に並べられている。通常は、第2方向における第1検出パターン41の配列ピッチと、第1方向における第2検出パターン46の配列ピッチとは同一になっている。第1検出パターン41および第2検出パターン46の配列ピッチは、タッチ位置の検出に関して求められる分解能に応じて定められるが、例えば数mmになっている。なお図2においては、基材32の第1面32a側に設けられている構成要素が実線で表され、基材32の第2面32b側に設けられている構成要素が点線で表されている。
図1に示すように、タッチパネルセンサ30の基材32は、タッチ位置を検出され得る領域に対応する矩形状のアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1の周辺に位置する矩形枠状の非アクティブエリアAa2と、を含んでいる。アクティブエリアAa1および非アクティブエリアAa2はそれぞれ、表示パネル16のアクティブエリアA1および非アクティブエリアA2に対応して区画されたものである。
図2を参照して、タッチパネルセンサ30の基材32上に設けられた構成要素について詳細に説明する。上述の第1検出パターン41および第2検出パターン46は、アクティブエリアAa1内に配置されている。また非アクティブエリアAa2のうち基材32の第1面32a上には、各第1検出パターン41に電気的に接続された複数の第1額縁配線43と、基材32の外縁近傍に配置され、各第1額縁配線43に電気的に接続された複数の第1端子部44と、が設けられている。さらに、非アクティブエリアAa2のうち基材32の第2面32b上には、各第2検出パターン46に電気的に接続された複数の第2額縁配線48と、基材32の外縁近傍に配置され、各第2額縁配線48に電気的に接続された複数の第2端子部49と、が設けられている。
図示はしないが、タッチパネルセンサ30は、第1額縁配線43を覆うとともに、第1端子部44を少なくとも部分的に露出させるよう設けられ、絶縁性を有するオーバーコート層をさらに備えていてもよい。オーバーコート層は、非アクティブエリアAa2にのみ設けられていてもよく、若しくは、非アクティブエリアAa2およびアクティブエリアAa1の両方にまたがるよう設けられていてもよい。オーバーコート層がアクティブエリアAa1にも設けられる場合、オーバーコート層を構成する材料としては、透光性を有する絶縁性材料が用いられる。オーバーコート層は、例えば、はじめにオーバーコート層用の材料を含む塗布液を、コーターなどを用いて第1額縁配線43上にコーティングし、その後、塗布液を硬化させることによって形成される。塗布液を硬化させる方法としては、加熱、電子線照射や光照射などが挙げられる。またオーバーコート層は、透光性を有するフィルムをラミネートする方法や、透光性を有するフォトレジストを貼り付け、次に光照射によってフォトレジストを硬化させ、そして現像するという方法によっても形成され得る。
以下、タッチパネルセンサ30の各構成要素について説明する。
(基材)
基材32は、タッチパネルセンサ30において誘電体として機能するものである。基材32を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シクロオレフィンポリマー(COP)やガラスなど、十分な透光性を有する材料が用いられる。なお第1検出パターン41、第2検出パターン46、額縁配線43,48や端子部44,49を適切に保持することができる限りにおいて、基材32の具体的な構成が特に限られることはない。例えば、PET層などの表面に設けられたハードコート層がさらに基材32に含まれていてもよい。すなわち本実施の形態において、基材32とは、何らかの具体的な構造や材料を意味するものではなく、タッチパネルセンサ30を構成する第1検出パターン41や第2検出パターン46などのパターンの下地となるものを意味するに過ぎない。
(第1検出パターン)
次に図3A乃至図5を参照して、第1検出パターン41について説明する。図3Aは、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第1検出パターン41を、観察者側から見た場合を示す平面図であり、図3Bは、図2において符号IIIが付された一点鎖線で囲まれた部分における第2検出パターン46を、観察者側から見た場合、すなわち基材32を透かして第2検出パターン46を見た場合を示す平面図である。また図3Cは、図3Aに示す第1検出パターン41および図3Bに示す第2検出パターン46を重ねて示す平面図である。また図4および図5はそれぞれ、タッチパネルセンサ30を図3CのIV線およびV線に沿って切断した場合を示す断面図である。なお図3Cにおいては、第1導線51が実線で示され、第2導線56が点線で示されている。
本実施の形態において、第1検出パターン41は、遮光性および導電性を有する第1導線51であって、各第1導線51の間に開口部51aが形成されるよう網目状に配置された第1導線51から構成されている。同様に、第2検出パターン46は、遮光性および導電性を有する第2導線56であって、各第2導線56の間に開口部56aが形成されるよう網目状に配置された第2導線56から構成されている。
第1検出パターン41全体の面積のうち開口部51aによって占められる面積の比率(以下、開口率と称する)が十分に高くなり、これによって、表示装置15からの映像光が適切な透過率でタッチパネルセンサ30のアクティブエリアAa1を透過することができる限りにおいて、第1導線51の寸法や形状が特に限られることはない。例えば図3Aおよび図3Cに示す例において、第1検出パターン41は、菱形に形成された第1導線51を第1方向に沿って並べることによって構成されている。この場合、菱形の内角のうち鋭角になる内角が第1方向に沿って並ぶよう、第1導線51が構成されている。開口率の範囲は、表示装置から放出される映像光の特性などに応じて適宜設定される。
第1導線51の線幅は、求められる開口率などに応じて設定されるが、例えば第1導線51の幅は1〜10μmの範囲内、より好ましくは2〜7μmの範囲内に設定されている。これによって、観察者が視認する映像に対して第1導線51が及ぼす影響を、無視可能な程度まで低くすることができる。第1導線51の厚みは、第1検出パターン41に対して求められる電気抵抗値などに応じて適宜設定されるが、例えば0.1〜2.0μmの範囲内となっている。なお本明細書において、「〜」という記号によって表現される数値範囲は、「〜」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「0.1〜2.0μmの範囲内」という表現によって画定される数値範囲は、「0.1μm以上かつ2.0μm以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
(第2検出パターン)
第1導線51の場合と同様に、第2導線56においても、第2検出パターン46全体の面積のうち開口部56aによって占められる面積の比率を十分に確保することができる限りにおいて、第2導線56の寸法や形状が特に限られることはない。例えば図3Bおよび図3Cに示す例において、第2検出パターン46は、菱形に形成された第2導線56を第2方向に沿って並べることによって構成されている。この場合、菱形の内角のうち鈍角になる内角が第2方向に沿って並ぶよう、第2導線56が構成されている。
好ましくは、図3Cに示すように、第1導線51の一部と第2導線56の一部とが平面視で重なるよう、第1導線51および第2導線56が構成されている。これによって、第2導線56が基材32を介して観察者から視認されてしまうことを部分的に抑制することができる。
(第1導線および第2導線の層構成)
次に図6を参照して、第1検出パターン41を構成する第1導線51および第2検出パターン46を構成する第2導線56の層構成について説明する。なお図6は、第1導線51および第2導線56の層構成を説明するために描かれた図であり、実際のタッチパネルセンサ30における第1導線51および第2導線56の位置関係には必ずしも対応していない。
〔第1導線〕
図6に示すように、第1導線51は、金属からなる第1本体層61と、第1本体層61よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層62と、第1本体層61と第1被覆層62との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層64と、第1本体層61よりも表示装置側に設けられ、第1本体層61よりも小さい厚みを有し、金属からなる第1下地層63と、を含んでいる。
このうち第1本体層61は、第1導線51における導電性を主に実現するための層である。第1本体層61は、99重量%以上の銅を含んでおり、かつ、0.3〜2.0μmの範囲内の厚みを有している。このような構成の第1本体層61が第1導線51に設けられることにより、第1導線51における高い導電性を確保することができる。
ところで銅などの金属材料は、高い導電性を有する一方で、上述のように金属光沢を示す。このため、未処理の金属材料が第1導線51として用いられると、表示装置15からの映像光の視認性が、第1導線51の金属光沢によって妨げられることになる。特に銅は、銅に特有の赤味を帯びた色を示すため、銀などのその他の金属材料に比べて目立ち易く、このため表示装置15からの映像光の視認性がより妨げられることになる。このような銅特有の金属光沢を和らげるため、例えば上述の特許文献1においては、銅層に酸化処理を施して銅層の表面に酸化銅の層を形成し、これによって銅層の表面を黒色化(黒化)することが提案されている。しかしながら、酸化銅などの酸化物の導電性は一般に乏しい。このため、酸化処理によって金属光沢を和らげる場合、第1導線51の導電性の低下を引き起こすことになる。
このような課題を考慮し、本件発明者らは、第1導線51の第1本体層61の黒化処理ではなく、第1本体層61の観察者側の面に、および任意には第1本体層61の表示装置側の面に、第1本体層61に比べて金属光沢が抑制された層を設けることにより、第1導線51の金属光沢を軽減することを提案する。すなわち上述の第1被覆層62および第1下地層63はそれぞれ、第1導線51の金属光沢を軽減するために、第1本体層61の観察者側および表示装置側に設けられる層である。以下、第1被覆層62および第1下地層63について詳述する。
[第1被覆層]
図6に示すように、第1被覆層62の表面には多数の凹凸62aが形成されている。このため後述するように、第1被覆層62が観察者によって視認されてしまうことを抑制することができる。このような凹凸62aは、第1被覆層62を溶解することができる第1被覆層用のエッチング液を用いて第1被覆層62の表面を荒らすことによって形成される。
第1被覆層62の表面における凹凸の程度は、第1被覆層62の表面に到達した光が散乱され、これによって第1被覆層62が目立たなくなるよう、適切に設定されている。例えば第1被覆層62の表面における算術平均粗さRaは0.017〜0.072μmの範囲内になっている。第1被覆層62の厚みは、上述の算術平均粗さRaを有する凹凸62aがその表面に形成され得るよう、適切に設定される。
また、第1被覆層62の表面における凹凸の程度は、波長600nmの光を第1被覆層62に照射した場合の光の反射率が所望の基準を満たすよう、設定されていてもよい。例えば、波長600nmの光を第1本体層61および第1被覆層62に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR11とする場合、R11≦0.5×R10の関係が成立するよう、第1被覆層62の表面における凹凸の程度が設定されていてもよい。ここで「波長600nm」の光は、赤味に対応する光として選択されたものである。なお、波長600nmの光に対する第1本体層61および第1被覆層62の反射率は、例えば、村上色彩技術研究所(株)製の反射・透過率計HR−100型を用いて測定することができる。
ところで、第1被覆層62と基材32との間には、第1導線51における導電性を主に実現するための第1本体層61が設けられている。また、第1被覆層62を構成する材料としては一般に、第1本体層61を構成する材料と同一または類似の材料が用いられる。このため、第1被覆層用エッチング液を用いて第1被覆層62の表面を荒らす際、エッチングが過剰に進行すると、第1被覆層62だけでなく第1本体層61までもが溶解されてしまうことが考えられる。第1本体層61が溶解されてしまうと、第1導線51の導電性などの特性が劣化してしまうことになる。このような課題を考慮し、図6に示すように本実施の形態においては、第1被覆層62と第1本体層61との間に上述の第1耐薬層64が設けられている。
第1耐薬層64は、第1被覆層用エッチング液に対する第1耐薬層64の溶解速度が、第1被覆層用エッチング液に対する第1被覆層62の溶解速度の1/10以下になるよう、構成された層である。このような第1耐薬層64を第1被覆層62と第1本体層61との間に設けることにより、第1被覆層62の表面を荒らす際に、エッチングが第1本体層61まで進行してしまうことを防ぐことができる。また第1耐薬層64が導電性を有するため、第1耐薬層64および第1被覆層62にも電流が流れることができる。このため、第1導線51が観察者によって視認されることを防ぎながら、第1導線51の導電性を向上させることができる。
第1被覆層用エッチング液の進行を防ぐことができる限りにおいて、第1耐薬層64の厚みは特には限られないが、例えば第1耐薬層64の厚みは6〜12nmの範囲内になっている。
第1耐薬層64を構成する材料は、第1被覆層用エッチング液の種類に応じて適切に選択される。また、第1被覆層用エッチング液は、第1被覆層62を構成する材料に応じて適切に選択される。例えば、第1被覆層62が、第1本体層61と同様に99重量%以上の銅を含む場合、第1被覆層用エッチング液はギ酸を含む液からなる。この場合、第1耐薬層64は、50重量%以下の銅を含むよう構成されている。これによって、ギ酸を含む第1被覆層用エッチング液に対する第1耐薬層64の溶解速度を、ギ酸を含む第1被覆層用エッチング液に対する第1被覆層62の溶解速度の1/10以下にすることができる。第1耐薬層64に含まれるその他の構成元素は特には限られないが、例えば第1耐薬層64は、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、を含んでいてもよい。また第1耐薬層64は、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、10重量%以上のクロムと、を含んでいてもよい。
[第1下地層]
次に第1下地層63について説明する。第1下地層63は、その銅の含有量が、第1本体層61における銅の含有量よりも少なくなるよう構成された層である。例えば第1下地層63は、50重量%以下の銅を含むよう構成されている。このため、第1下地層63における金属光沢は、第1本体層61における金属光沢に比べて軽減されており、特に、銅に特有の赤味を帯びた色が軽減されている。具体的には、波長600nmの光を第1本体層61および第1下地層63に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR12とする場合、R12≦0.5×R10の関係が成立している。反射率は、上述の第1被覆層62の場合と同様に、村上色彩技術研究所(株)製の反射・透過率計HR−100型を用いて測定することができる。
反射率R10およびR12に関する上述の関係が成立する限りにおいて、第1下地層63の具体的な組成は特には限られないが、例えば第1下地層63は、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、を含んでいる。これによって、第1下地層63における赤味を、第1本体層61に比べて十分に低減することができる。より好ましくは、第1下地層63は、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルと、10重量%以上のクロムと、を含んでいてもよい。第1下地層63が、銅−ニッケル−クロムの三元合金からなる場合、その組成として例えば、銅50重量%、ニッケル40重量%およびクロム10重量%というものを採用することができる。銅、ニッケルおよびクロムを含む三元合金は、銅に比べて高い耐腐食性および耐変色性を有している。
なお第1下地層63の役割は、第1本体層61に起因する赤味を帯びた反射光が生成されることを抑制することである。ここで上述のように第1下地層63は金属材料から構成されているため、第1下地層63が第1本体層61に比べて非常に小さい厚みを有する場合であっても、光が第1本体層61に到達することを十分に抑制することができる。従って、赤味を帯びた反射光が生成されることを抑制することができる。例えば第1下地層63の厚みは、100nm以下や20nm以下になっていてもよく、さらに薄く、例えば9nmになっていてもよい。このような薄い第1下地層63は、スパッタリング法を用いることによって形成され得る。
なお上述の説明においては、波長600nmの光に対する反射率に基づいて第1本体層61および第1下地層63の光学特性を規定したが、銅特有の金属光沢を軽減することができる限りにおいて、光学特性の規定法が特に限られることはない。例えば第1下地層63の光学特性が、L表色系に基づいて規定されてもよい。L表色系においては、Lが明度を表し、aが赤緑の色相と彩度を表し、bが黄青の色相と彩度を表している。銅に特有の赤味は、主にaに反映される。従って、aに基づいて、第1本体層61および第1下地層63を規定することもできる。例えば、好ましくは、第1下地層63におけるaは、第1本体層61におけるaの1/2以下になっている。具体的には、99重量%以上の銅を含む第1本体層61におけるaの値は15.7〜16.7の範囲内になっており、一方、50重量%以下の銅と、40重量%以上のニッケルとを含む第1下地層63におけるaの値は約1.5になっている。aは、例えば日本電色工業(株)製の測色色差計ZE−2000型を用いて測定することができる。
次に第1本体層61、第1被覆層62、第1耐薬層64および第1下地層63の形状について説明する。図6に示すように、第1耐薬層64は、第1本体層61よりも大きい幅を有していてもよい。例えば図6に示すように、第1耐薬層64は、第1本体層61の側面よりもΔW1だけ側方に突出していてもよい。この場合、後述するように、基材32の法線方向に対して傾斜した方向からタッチパネルセンサ30に入射した外光が第1本体層61の側面に到達することを、第1耐薬層64によって防ぐことができる。第1耐薬層64は上述のように、50重量%以下の銅を含むよう構成されている。このため、第1本体層61に起因する、赤味を帯びた反射光が生成されることを防ぐことができる。
第1本体層61に対する第1耐薬層64の突出幅ΔW1は、想定される外光の入射角の範囲や、第1本体層61の厚みに応じて適宜設定されるが、好ましくは、突出幅ΔW1は第1本体層61の厚み以上となっている。この場合、0〜45°の範囲内の入射角で第1導線51に到達する外光は、第1本体層61の側面に到達することなく第1耐薬層64によって反射されることになる。このため、赤味を帯びた反射光が生成されて観察者によって視認されてしまうことを十分に抑制することができる。
第1耐薬層64と同様に、第1下地層63も、第1本体層61よりも大きい幅を有していてもよい。これによって、後述するように、基材32の法線方向に対して傾斜した方向からタッチパネルセンサ30に入射した表示装置15からの映像光が第1本体層61の側面に到達することを、第1下地層63によって防ぐことができる。第1本体層61に対する第1下地層63の突出幅は、第1耐薬層64の場合と同等に設定され得る。
〔第2導線〕
次に第2導線56について説明する。図6に示すように、第2導線56は、金属からなる第2本体層66と、第2本体層66よりも観察者側に設けられ、金属からなる第2下地層68と、第2本体層66よりも表示装置側に設けられ、金属からなる第2被覆層67と、第2本体層66と第2被覆層67との間に設けられ、導電性を有する第2耐薬層69と、を含んでいる。
第2本体層66は、第1導線51の第1本体層61と同様に、第2導線56における導電性を主に実現するための層である。第2本体層66は、99重量%以上の銅を含んでおり、かつ、0.3〜2.0μmの範囲内の厚みを有している。
第2被覆層67の表面には、第1導線51の第1被覆層62と同様に多数の凹凸67aが形成されている。このため、第1被覆層62の場合と同様に、第2被覆層67の表面に到達した光を散乱させることができる。また第2耐薬層69は、第1導線51の第1耐薬層64と同様に、第2被覆層用エッチング液を用いて第2被覆層67の表面を荒らす際に、エッチングが第2本体層66まで進行してしまうことを防ぐための層である。第2被覆層67および第2耐薬層69の構成は、第1被覆層62および第1耐薬層64の構成と同一であるので、詳細な説明を省略する。
また第2下地層68は、第1導線51の第1下地層63と同様に、第2導線56の金属光沢を軽減するために設けられる層である。すなわち第2下地層68は、50重量%以下の銅を含むよう構成されている。このため、波長600nmの光を第2本体層66および第2下地層68に照射した場合の光の反射率をそれぞれR20およびR22とする場合、R22≦0.5×R20の関係が成立している。このような第2下地層68の構成は、第1下地層63の構成と同一であるので、詳細な説明を省略する。なお第1下地層63、第1耐薬層64、第2下地層68および第2耐薬層69は、同一の材料によって構成されていてもよい。
図6に示すように、第2下地層68は、第2本体層66よりも大きい幅を有していてもよい。例えば図6に示すように、第2下地層68は、第2本体層66の側面よりもΔW2だけ側方に突出していてもよい。この場合、後述するように、基材32の法線方向に対して傾斜した方向からタッチパネルセンサ30に入射した外光が第2本体層66の側面に到達することを、第2下地層68によって防ぐことができる。このため、第2本体層66に起因する赤味を帯びた反射光が生成されることを防ぐことができる。
第2本体層66に対する第2下地層68の突出幅ΔW2は、上述の突出幅ΔW1の場合と同様に、好ましくは第2本体層66の厚み以上となっている。また図6に示すように、第2耐薬層69も、第2本体層66よりも大きい幅を有していてもよい。第2本体層66に対する第2耐薬層69の突出幅は、第2下地層68の場合と同等に設定され得る。
(額縁配線および端子部)
第1検出パターン41に接続されている第1額縁配線43および第1端子部44、並びに、第2検出パターン46に接続されている第2額縁配線48および第2端子部49は、第1検出パターン41並びに第2検出パターン46からの信号をタッチパネルセンサ30の外部に取り出すために設けられたものである。信号を適切に伝達することができる限りにおいて、第1額縁配線43および第1端子部44並びに第2額縁配線48および第2端子部49の具体的な構成が特に限られることはない。例えば第1額縁配線43および第1端子部44は、第1導線51と同一の層構成で第1導線51と同時に形成されるものであってもよい。同様に、第2額縁配線48および第2端子部49は、第2導線56と同一の層構成で第2導線56と同時に形成されるものであってもよい。
タッチパネルセンサの製造方法
次に、以上のような構成からなるタッチパネルセンサ30を製造する方法について、図7(a)〜(e)を参照して説明する。
はじめに図7(a)に示すように、タッチパネルセンサ30を作製するための元材としての積層体60(ブランクとも呼ばれる)を準備する。積層体60は、基材32と、基材32の第1面32a側に、基材32から観察者側に向かって順に設けられた第1下地層63、第1本体層61、第1耐薬層64および第1被覆層62と、基材32の第2面32b側に、基材32から表示装置15側に向かって順に設けられた第2下地層68、第2本体層66、第2耐薬層69および第2被覆層67と、を含んでいる。各層61〜64は、例えばスパッタリング法によって、基材32の第1面32a側に設けられる。同様に各層66〜69は、スパッタリング法によって、基材32の第2面32b側に設けられる。
好ましくは、各層61〜64,66〜69は、積極的に酸素を導入はしない環境下においスパッタリングを実施することにより形成される。このため各層61〜64,66〜69を、導電性を有するとともに酸化物ではないもの、すなわち金属膜として形成することができる。これによって、各層61〜64,66〜69の導電性を高くすることができる。また、基材32と第1導線51および第2導線56との間の密着性を高めることができる。
積層体60を準備した後、図7(b)に示すように、第1被覆層62上に第1感光層71を所定のパターンで形成するとともに、第2被覆層67上に第2感光層76を所定のパターンで形成する。第1感光層71および第2感光層76は、特定波長域の光、例えば紫外線に対する感光性を有している。感光層71,76のタイプが特に限られることはない。例えば光溶解型の感光層が用いられてもよく、若しくは光硬化型の感光層が用いられてもよい。ここでは、光溶解型の感光層が用いられる例について説明する。
第1感光層71は、第1導線51のパターンに対応したパターンで形成されている。また第2感光層76は、第2導線56のパターンに対応したパターンで形成されている。感光層71,76は、例えば、はじめに、積層体60の表面上にコーターを用いて感光性材料をコーティングするか、または、ラミネート装置を用いて、感光性材料からなるシートを積層体60の表面上にラミネートし、次に、感光性材料を所定のパターンで露光して現像することによって形成される。
次に、第1感光層71をマスクとして第1被覆層62、第1耐薬層64、第1本体層61および第1下地層63をエッチングするとともに、第2感光層76をマスクとして第2被覆層67、第2本体層66、第2耐薬層69および第2下地層68をエッチングする。なお上述のように、基材32の第1面32a側の各層61〜64および基材32の第2面32b側の各層66〜69のいずれも、銅を含むよう構成されている。このため、銅を溶解させることができるエッチング液を用いて、各層61〜64および各層66〜69を同時にエッチングすることができる。エッチング液としては、銅を選択的に溶解させることができる液が用いられ、例えば塩化第2鉄溶液が用いられる。
ところで上述のように、第1耐薬層64および第1下地層63における銅の含有量は、第1本体層61および第1被覆層62における銅の含有量よりも小さくなっている。同様に、第2耐薬層69および第2下地層68における銅の含有量は、第2本体層66および第2被覆層67における銅の含有量よりも小さくなっている。このため、塩化第2鉄溶液などの、銅を選択的に溶解させるエッチング液が用いられる場合、第1本体層61、第1被覆層62、第2本体層66および第2被覆層67のエッチング速度は、第1下地層63、第1耐薬層64、第2下地層68および第2耐薬層69のエッチング速度に比べて高くなっている。例えば、塩化第2鉄溶液を用いて同一条件下で各層61〜64および各層66〜69をエッチングした場合、第1本体層61、第1被覆層62、第2本体層66および第2被覆層67のエッチング速度R1は、第1下地層63、第1耐薬層64、第2下地層68および第2耐薬層69のエッチング速度R2の1.4倍以上となっている。すなわち、第1本体層61、第1被覆層62、第2本体層66および第2被覆層67のエッチングの方が、第1下地層63、第1耐薬層64、第2下地層68および第2耐薬層69のエッチングに比べて速く進行する。この結果、図7(c)に示すように、第1耐薬層64および第1下地層63は、第1本体層61および第1被覆層62よりも大きい幅を有するようになる。同様に、第2耐薬層69および第2下地層68は、第2本体層66および第2被覆層67よりも大きい幅を有するようになる。
次に、被覆層62,67上に残っている感光層71,76を含む、エッチング加工済みの積層体を、アルカリ性水溶液に浸漬させる。これによって、図7(d)に示すように、感光層71,76を除去することができる。
その後、被覆層用のエッチング液、例えばギ酸を含む液を用いて被覆層62,67をエッチングすることにより、図7(e)に示すように、被覆層62,67の表面に凹凸62a,67aを形成する。このようにしてタッチパネルセンサ30を得ることができる。
次に図6を参照して、このようにして得られたタッチパネルセンサ30の作用効果について説明する。
はじめに図6において符号L1およびL2で示すように、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光が第1導線51および第2導線56に到達する場合について説明する。
この場合、第1導線51に到達した外光L1は、第1導線51の第1被覆層62によって反射されて反射光L1’となる。ここで上述のように、第1被覆層62の表面には凹凸62aが形成されている。従って、凹凸62aによる散乱のため、反射光L1’は様々な方向に向かうことになる。このため、観察者からは第1被覆層62の色味が見えにくくなる。例えば、散乱によって第1被覆層62が白っぽく見えるようになる。すなわち、第1被覆層62を構成する銅の色が薄くなる。このことにより、第1導線51が観察者によって視認されてしまうことを抑制することができる。
また、第2導線56に到達した外光L2は、第2導線56の第2下地層68によって反射されて反射光L2’となる。ここで上述のように第2下地層68は、波長600nmの光に対する反射率R22が、第2本体層66における反射率R20の0.5以下になるよう構成されたものである。このため、赤味を帯びた反射光が観察者に到達してしまうことを抑制することができる。このことにより、第2導線56が観察者によって視認されてしまうことを抑制することができる。
次に図6において符号L3およびL4で示すように、基材32の法線方向から傾斜した方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光が第1導線51および第2導線56に到達する場合について説明する。ここで上述のように、第1耐薬層64は、第1本体層61の側面よりもΔW1だけ側方に突出している。このため、第1導線51に到達した外光L3は、第1本体層61に到達することなく第1耐薬層64によって反射される。同様に、第2下地層68は、第2本体層66の側面よりもΔW2だけ側方に突出している。このため、第2導線56に到達した外光L3は、第2本体層66に到達することなく第2下地層68によって反射される。このため、第1本体層61や第2本体層66に起因する赤味を帯びた反射光が生成されることを抑制することができる。
次に図6において符号L5およびL6で示すように、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した表示装置15からの映像光が第1導線51および第2導線56に到達する場合について説明する。この場合、第1導線51に到達した映像光L5は、第1導線51の第1下地層63によって反射されて反射光L5’となる。また、第2導線56に到達した映像光L6は、第2導線56の第2被覆層67によって散乱されて反射光L6’となる。このため、表示装置15からの光が導線51,56によって反射されることによって生じ得る、赤味を帯びた光が、表示装置15側に戻った後に表示装置15の構成要素によって再び反射されて観察者に到達してしまう、という現象が生じることを抑制することができる。
次に図6において符号L7およびL8で示すように、基材32の法線方向から傾斜した方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した表示装置15からの映像光が第1導線51および第2導線56に到達する場合について説明する。ここで上述のように、第1下地層63は、第1本体層61の側面よりも側方に突出している。このため、第1導線51に到達した映像光L7は、第1本体層61に到達することなく第1下地層63によって反射される。同様に、第2耐薬層69は、第2本体層66の側面よりも側方に突出している。このため、第2導線56に到達した映像光L8は、第2本体層66に到達することなく第2耐薬層69によって反射される。このため、表示装置15からの光が導線51,56によって反射されることによって生じ得る、赤味を帯びた光が、表示装置15側に戻った後に表示装置15の構成要素によって再び反射されて観察者に到達してしまう、という現象が生じることを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、いくつかの変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
金属光沢をさらに和らげ、かつ、第1導線51および第2導線56の反射率をさらに低減するため、各層61〜64をパターニングすることによって得られた第1導線51、並びに、各層66〜69をパターニングすることによって得られた第2導線56に対して、黒化処理などの低反射処理をさらに施してもよい。例えば、第1導線51および第2導線56の各層の面に黒色の層をめっきしたり、第1導線51および第2導線56の各層を酸化処理または硫化処理したりして黒色化するという黒化処理がさらに施され得る。なお被覆層62,67が銅やニッケルからなる場合、被覆層62,67の表面に凹凸62a,67aを形成するためのエッチングの際に、被覆層62,67の表面が酸化して黒化することになると考えられる。従って、被覆層62,67が銅やニッケルからなる場合、追加の黒化処理は特に必要無いと考えられる。
また上述の本実施の形態において、第1耐薬層64および第1下地層63が第1本体層61および第1被覆層62よりも大きい幅を有し、第2耐薬層69および第2下地層68が第2本体層66および第2被覆層67よりも大きい幅を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図8に示すように、第1耐薬層64および第1下地層63の幅が第1本体層61や第1被覆層62の幅とほぼ同一であり、第2耐薬層69および第2下地層68の幅が第2本体層66および第2被覆層67の幅とほぼ同一であってもよい。この場合も、図8に示すように、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光L1,L2が導線51,56によって反射されて赤味を帯びた光になってしまうことを、第1被覆層62および第2下地層68によって抑制することができる。また、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した表示装置15からの映像光L5,L6が導線51,56によって反射されて赤味を帯びた光になってしまうことを、第1下地層63および第2被覆層67によって抑制することができる。
また上述の本実施の形態において、第1導線51が、第1本体層61よりも表示装置側に設けられた第1下地層63を含み、第2導線56が、第2本体層66よりも表示装置側に設けられた第2被覆層67を含む例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図9または図10に示すように、第1導線51は、第1本体層61と、第1本体層61よりも観察者側に設けられた第1被覆層62と、第1本体層61と第1被覆層62との間に設けられた第1耐薬層64と、を少なくとも含んでいればよい。また第2導線56は、第2本体層66と、第2本体層66よりも観察者側に設けられた第2下地層68と、を少なくとも含んでいればよい。これによって、図9または図10に示すように、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光L1,L2に起因する反射光が観察者に到達してしまうことを、第1被覆層62および第2下地層68によって抑制することができる。また図9に示すように、第1耐薬層64が第1本体層61よりも大きい幅を有し、第2下地層68が第2本体層66よりも大きい幅を有する場合、基材32の法線方向から傾斜した方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光L3,L4に起因する反射光が観察者に到達してしまうことを、第1耐薬層64および第2下地層68によって抑制することができる。
また図示はしないが、タッチパネルセンサ30は、隣接する2つの第1検出パターン41の間に設けられ、かつ第1検出パターン41に電気的に接続されていないダミーパターンをさらに備えていてもよい。ダミーパターンは、第1額縁配線43に電気的に接続されていてもよく、若しくは、第1額縁配線43に電気的に接続されていなくてもよい。同様に、タッチパネルセンサ30は、隣接する2つの第2検出パターン46の間に設けられ、かつ第2検出パターン46に電気的に接続されていないダミーパターンをさらに備えていてもよい。ダミーパターンは、第2額縁配線48に電気的に接続されていてもよく、若しくは、第2額縁配線48に電気的に接続されていなくてもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
第2の実施の形態
次に図11乃至図13を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図11乃至図13に示す第2の実施の形態において、タッチ位置を検出するための検出パターンは、基材の観察者側の面上にのみ設けられており、基材の表示装置側の面上には設けられていない。図11乃至図13に示す第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。また、第1の実施の形態において得られる作用効果が本実施の形態においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
本実施の形態によるタッチパネルセンサ30の、平面視の場合の構成は、図2乃至3Cに示す上述の第1の実施の形態におけるタッチパネルセンサ30と同一であるので、説明を省略する。一方、本実施の形態におけるタッチパネルセンサ30は、第1の実施の形態におけるタッチパネルセンサ30とは異なる断面構成を有している。図11および図12はそれぞれ、本実施の形態によるタッチパネルセンサ30を図3CのIV線およびV線に沿って切断した場合に対応する断面図である。
本実施の形態において、タッチパネルセンサ30は、第1タッチパネルセンサ30Aおよび第2タッチパネルセンサ30Bを、接着層34などを介して接合することによって構成されている。このうち第1タッチパネルセンサ30Aは、図11および図12に示すように、観察者側を向く第1面32aおよび表示装置側を向く第2面32bを含む基材32と、基材32の第1面32a上に設けられた複数の第1検出パターン41と、を備えている。また第2タッチパネルセンサ30Bは、図11および図12に示すように、観察者側を向く第1面33aおよび表示装置側を向く第2面33bを含む基材33と、基材33の第1面33a上に設けられた複数の第2検出パターン46と、を備えている。このように本実施の形態において、タッチ位置を検出するための第1検出パターン41および第2検出パターン46はいずれも、基材32および基材33の観察者側の第1面32a,33a上に設けられている。
第1検出パターン41は、遮光性および導電性を有する第1導線51であって、各第1導線51の間に開口部51aが形成されるよう網目状に配置された第1導線51から構成されている。同様に、第2検出パターン46は、遮光性および導電性を有する第2導線56であって、各第2導線56の間に開口部56aが形成されるよう網目状に配置された第2導線56から構成されている。
次に図13を参照して、第1検出パターン41を構成する第1導線51および第2検出パターン46を構成する第2導線56の層構成について説明する。なお図13は、第1導線51および第2導線56の層構成を説明するために描かれた図であり、実際のタッチパネルセンサ30における第1導線51および第2導線56の位置関係には必ずしも対応していない。
図13に示すように、第1導線51および第2導線56はいずれも、第1本体層61と、第1本体層61よりも観察者側に設けられた第1被覆層62と、第1本体層61と第1被覆層62との間に設けられた第1耐薬層64と、を含んでいる。第1本体層61、第1被覆層62および第1耐薬層64の構成は、上述の第1の実施の形態における第1本体層61、第1被覆層62および第1耐薬層64の構成と同一であるので、詳細な説明を省略する。
本実施の形態によれば、図13に示すように、基材32の法線方向に沿ってタッチパネルセンサ30に入射した外光L1,L2が導線51,56によって反射されて観察者に到達してしまうことを、第1導線51の第1被覆層62の表面に形成された凹凸62aおよび第2導線56の第1被覆層62の表面に形成された凹凸62aによって抑制することができる。このため、第1本体層61の側面に黒化処理などの低反射処理が施されていない場合であっても、映像の視認性が低下することを抑制することができる。また第1耐薬層64を設けることにより、第1被覆層62の表面に凹凸62aを形成する際に第1本体層61が損傷してしまうことを抑制することができる。
なお上述の各実施の形態において、被覆層62,67が99重量%以上の銅を含み、被覆層用エッチング液がギ酸を含む液からなる例を示したが、これに限られることはない。被覆層62,67の表面に、光を散乱させることができる凹凸62a,67aを形成することができる限りにおいて、被覆層62,67を構成する材料と、被覆層用エッチング液とを適切に選択することができる。
例えば、被覆層62,67が99重量%以上の銅を含む場合、被覆層用エッチング液は、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなっていてもよい。
また上述の各実施の形態において、第1本体層61、第1耐薬層64および第1被覆層62が、検出パターン41を構成するために用いられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、第1本体層61、第1耐薬層64および第1被覆層62が、第1額縁配線43や第1端子部44を構成するために用いられていてもよい。すなわち、第1額縁配線43や第1端子部44が、金属からなる第1本体層61と、第1本体層61よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層62と、第1本体層61と第1被覆層62との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層64と、を含んでいてもよい。この場合、第1被覆層62の表面に形成されている凹凸62aのため、オーバーコート層用の材料を含む塗布液と、第1被覆層62の表面との間の接触面積を増加させることができる。このため、オーバーコート層に対する第1額縁配線43の密着性を高めることができる。
第1額縁配線43と同様に、第2額縁配線48も、金属からなる第2本体層66と、第2本体層66よりも表示装置側に設けられ、金属からなる第2被覆層67と、第2本体層66と第2被覆層67との間に設けられ、導電性を有する第2耐薬層69と、を含んでいてもよい。この場合も、第2額縁配線48上に設けられるオーバーコート層に対する、第2額縁配線48の密着性を高めることができる。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
10 タッチ位置検出機能付き表示装置
15 表示装置
30 タッチパネルセンサ
30A 第1タッチパネルセンサ
30B 第2タッチパネルセンサ
32 基材
33 基材
41 第1検出パターン
46 第2検出パターン
51 第1導線
56 第2導線
60 積層体
61 第1本体層
62 第1被覆層
62a 凹凸
63 第1下地層
64 第1耐薬層
66 第2本体層
67 第2被覆層
67a 凹凸
68 第2下地層
69 第2耐薬層

Claims (13)

  1. タッチパネルセンサであって、
    観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、
    前記基材の前記第1面上に設けられた複数の第1検出パターンと、を備え、
    前記第1検出パターンは、遮光性および導電性を有する第1導線であって、各第1導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第1導線から構成されており、
    前記第1導線は、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含み、
    前記第1被覆層の表面には凹凸が形成されており、
    第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下であり、
    前記第1被覆層は、99重量%以上の銅を含み、
    前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、タッチパネルセンサ。
  2. 前記第1被覆層の表面には、黒化処理が施されている、請求項1に記載のタッチパネルセンサ。
  3. 前記第1本体層および前記第1被覆層はいずれも、99重量%以上の銅を含み、前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液からなる、請求項1または2に記載のタッチパネルセンサ。
  4. 前記第1本体層および前記第1被覆層はいずれも、99重量%以上の銅を含み、
    前記第1被覆層用エッチング液は、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、請求項1または2に記載のタッチパネルセンサ。
  5. 前記第1導線は、前記第1本体層よりも表示装置側に設けられ、前記第1本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第1下地層をさらに含み、
    前記第1下地層は、50重量%以下の銅を含み、
    波長600nmの光を前記第1本体層および前記第1下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR10およびR12とする場合、
    R12≦0.5×R10
    の関係が成立する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
  6. 前記基材の前記第2面上に設けられた複数の第2検出パターンをさらに備え、
    前記第2検出パターンは、遮光性および導電性を有する第2導線であって、各第2導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第2導線から構成されており、
    前記第2導線は、金属からなる第2本体層と、前記第2本体層よりも観察者側に設けられ、前記第2本体層よりも小さい厚みを有し、金属からなる第2下地層と、を含み、
    波長600nmの光を前記第2本体層および前記第2下地層に照射した場合の光の反射率をそれぞれR20およびR22とする場合、
    R22≦0.5×R20
    の関係が成立する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のタッチパネルセンサ。
  7. 前記第1耐薬層および前記第2下地層が、同一の材料によって構成されている、請求項6に記載のタッチパネルセンサ。
  8. 前記第2導線は、前記第2本体層よりも表示装置側に設けられ、金属からなる第2被覆層と、前記第2本体層と前記第2被覆層との間に設けられ、導電性を有する第2耐薬層と、をさらに含み、
    前記第2被覆層の表面には凹凸が形成されており、
    第2被覆層用エッチング液に対する前記第2耐薬層の溶解速度は、前記第2被覆層用エッチング液に対する前記第2被覆層の溶解速度の1/10以下であり、
    前記第2被覆層は、99重量%以上の銅を含み、
    前記第2被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、請求項6または7に記載のタッチパネルセンサ。
  9. 網目状に配置された第1導線からなる第1検出パターンを備えたタッチパネルセンサの製造方法であって、
    観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、前記基材の前記第1面側に設けられ、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層の観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含む積層体を準備する工程と、
    前記積層体の観察者側の面上に、前記第1導線に対応したパターンを有する第1感光層を形成する工程と、
    前記第1感光層をマスクとして、前記第1被覆層、前記第1耐薬層および前記第1本体層をエッチングする工程と、
    前記第1感光層を除去する工程と、
    第1被覆層用エッチング液を用いて前記第1被覆層をエッチングすることにより、前記第1被覆層の表面に凹凸を形成する工程と、を備え、
    第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下である、タッチパネルセンサの製造方法。
  10. 前記第1被覆層の表面に黒化処理を施す工程をさらに含む、請求項9に記載のタッチパネルセンサの製造方法。
  11. 前記第1本体層および前記第1被覆層はいずれも、99重量%以上の銅を含み、
    前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、請求項9または10に記載のタッチパネルセンサの製造方法。
  12. 表示装置と、
    前記表示装置の表示面上に配置されたタッチパネルセンサと、を備え、
    前記タッチパネルセンサは、
    観察者側を向く第1面および表示装置側を向く第2面を含む基材と、
    前記基材の前記第1面上に設けられた複数の第1検出パターンと、を備え、
    前記第1検出パターンは、遮光性および導電性を有する第1導線であって、各第1導線の間に開口部が形成されるよう網目状に配置された第1導線から構成されており、
    前記第1導線は、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含み、
    前記第1被覆層の表面には凹凸が形成されており、
    第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下であり、
    前記第1被覆層は、99重量%以上の銅を含み、
    前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、タッチ位置検出機能付き表示装置。
  13. タッチパネルセンサであって、
    タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアと、前記アクティブエリアAa1の周辺に位置する非アクティブエリアAa2と、を含む基材と、
    前記アクティブエリアに配置された第1検出パターンと、
    前記非アクティブエリアに配置され、前記第1検出パターンに電気的に接続された第1額縁配線と、
    前記第1額縁配線を覆うオーバーコート層と、を備え、
    前記第1額縁配線は、金属からなる第1本体層と、前記第1本体層よりも観察者側に設けられ、金属からなる第1被覆層と、前記第1本体層と前記第1被覆層との間に設けられ、導電性を有する第1耐薬層と、を含み、
    前記第1被覆層の表面には凹凸が形成されており、
    第1被覆層用エッチング液に対する前記第1耐薬層の溶解速度は、前記第1被覆層用エッチング液に対する前記第1被覆層の溶解速度の1/10以下であり、
    前記第1被覆層は、99重量%以上の銅を含み、
    前記第1被覆層用エッチング液は、ギ酸を含む液、または、硫酸および過酸化水素の混合溶液からなる、タッチパネルセンサ。
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