以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る情報閲覧システム100のブロック図である。
情報閲覧システム100は、情報表示装置10および情報配信装置20を含んで構成される。情報閲覧システム100は、複数の棚札装置200と棚札管理装置300とを含んで構成された情報閲覧システムに付帯するものとして構築される。なお図1においては、1つの棚札装置200のみを示している。
棚札装置200は、スーパーマーケットなどの店舗において陳列される複数の商品のそれぞれに関連付けられて、その商品の陳列場所の近辺に配置される。棚札装置200は、多くの場合は商品を陳列するための陳列棚に取り付けられる。しかしながら棚札装置200は、棚を持たない陳列ケースや、商品を運搬するための運搬ケースなど、その取り付け先は任意であって良い。
図2は棚札装置200の設置状況の一例を示す図である。
図2に示す棚札装置200は、商品を陳列するために店舗に設置された陳列棚900の棚板の前縁に取り付けられている。
棚札装置200は、棚札コントローラ201、通信デバイス202、NFC(near field communication)ユニット203、メモリ204、表示デバイス205および伝送システム206を含む。
棚札コントローラ201は、CPU(central processing unit)、ROM(read-only memory)およびRAM(random-access memory)を含んだコンピュータを用いてなり、棚札装置200としての所期の機能を実現するべく各部を制御する。
通信デバイス202は、無線中継器400と無線通信を行い、棚札コントローラ201と棚札管理装置300とのデータの授受を可能とする。通信デバイス202としては、例えばIEEE802.15.4に準拠した周知のデバイスが利用できる。
NFCユニット203は、棚札装置200に近接された情報表示装置10とNFCによるデータ通信を行う。
メモリ204は、不揮発性のデータ記憶デバイスである。メモリ204は、複数の棚札装置200の個々を識別可能に定められた複数の棚札コードのうちの1つを棚札コード204aとして記憶する。メモリ204は、表示デバイス205の表示画面に関するデータを記憶する。
NFCユニット203に代えて、ユニークな識別コードをNFC送信するNFCチップを、棚札コントローラ201、通信デバイス202および表示デバイス205からは独立した形で備え、メモリ204には棚札コード204aを記憶しない構成としても良い。
表示デバイス205は、棚札コントローラ201の制御の下に表示内容を変更可能である。表示デバイス205としては、例えば電子ペーパーが利用できる。
伝送システム206は、棚札コントローラ201、通信デバイス202、NFCユニット203、メモリ204および表示デバイス205の間でデータを伝送する。伝送システム206は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
棚札管理装置300は、例えば汎用のコンピュータ装置に、棚札装置200を管理するためのアプリケーションプログラムを導入したものである。棚札管理装置300は、内蔵する記憶デバイスに、棚札管理テーブル300aを記憶する。
図3は棚札管理テーブル300aに含まれるデータレコードR1の構造を示す図である。棚札管理テーブル300aは、複数のデータレコードR1の集合である。
データレコードR1は、棚札コード、商品コードおよび画像ファイル名の各フィールドF11,F12,F13を含む。フィールドF11には、複数の棚札コードのいずれかが記述される。フィールドF12には、同じデータレコードR1のフィールドF11に記述された棚札コードで識別される棚札装置200が関連付けられた商品を識別するための商品コードが記述される。フィールドF13には、同じデータレコードR1のフィールドF11に記述された棚札コードで識別される棚札装置200で表示するべき画面を表したデータファイルのファイル名が記述される。データレコードR1は、フィールドF11,F12,F13以外のフィールドを含み、そこに棚札コード、商品コードおよび画像ファイル名とは別のデータが記述されても良い。
棚札管理装置300は、棚札管理テーブル300aのデータレコードR1のいずれかが更新された場合に、該当するデータレコードR1のフィールドF11に記述された棚札コードで識別される棚札装置200に対して、同データレコードR1のフィールドF13に記述されたファイル名で特定されるデータファイルを含んだ更新要求を送信する。この更新要求を受けた棚札装置200では、そこに含まれたデータファイルが表す画面を表示デバイス205での表示画面とするように、棚札コントローラ201が処理する。かくして棚札管理装置300は、複数の棚札装置200のそれぞれでの表示画面を管理している。
POS(point-of-sale)サーバ500は、情報閲覧システム100が利用される店舗において構築されるPOSシステムに含まれる。なお図1においては、POSシステムの他の要素については図示していない。
POSサーバ500は、例えば汎用のサーバ装置に、POSシステムの管理のためのアプリケーションプログラムを導入したものである。POSサーバ500は、内蔵する記憶デバイスに、商品マスタテーブル500aを記憶する。
図4は商品マスタテーブル500aに含まれるデータレコードR2の構造を示す図である。商品マスタテーブル500aは、複数のデータレコードR2の集合である。
データレコードR2は、商品コード、品名および売価の各フィールドF21,F22,F23を含む。フィールドF21には、複数の商品コードのいずれかが記述される。フィールドF22には、同じデータレコードR2のフィールドF21に記述された商品コードで識別される商品の品名が記述される。フィールドF23には、同じデータレコードR2のフィールドF21に記述された商品コードで識別される商品の売価が記述される。
POSサーバ500は、既存の周知のPOSサーバが備える機能に加えて、情報配信装置20からの問合せに応じて、品名および売価を情報配信装置20へと通知する機能を備える。
情報表示装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、補助記憶デバイス14、NFCユニット15、タッチパネル16、カメラ17、通信デバイス18および伝送システム19を含む。
CPU11、ROM12、RAM13および補助記憶デバイス14は、伝送システム19により接続されてコンピュータを構成する。
CPU11は、上記のコンピュータの中枢部分である。CPU11は、ROM12に記憶されたオペレーティングシステムや、ROM12または補助記憶デバイス14に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて、情報表示装置10としての所期の機能を実現するための制御処理を実行する。上記の所期の機能の1つは、後述する制御処理により実現される機能である。
ROM12は、上記のコンピュータの主記憶部分である。ROM12は、上記のオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。またROM12は、CPU11が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM13は、上記のコンピュータの主記憶部分である。RAM13は、CPU11が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM13は、CPU11が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶デバイス14は、上記のコンピュータの補助記憶部分である。補助記憶デバイス14は、上記のアプリケーションプログラム、CPU11が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU11での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス14としては、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)が使用される。
NFCユニット15は、情報表示装置10が棚札装置200に近接された際に、NFCユニット203との間でNFCによるデータ通信を行う。
タッチパネル16は、表示デバイスおよびタッチセンサを含む。表示デバイスは、その表示画面を、GUI(graphical user interface)画面などの任意の画面とする。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(liquid crystal display)等の周知のデバイスが利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置されている。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をCPU11へと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスが利用できる。
カメラ17は、任意の被写物を撮影し、その被写物を表した画像データを生成する。
通信デバイス18は、モバイルネットワーク600を介した通信を行う。通信デバイス18は、モバイルネットワーク600およびインターネット700を介して情報配信装置20と通信することもできる。
伝送システム19は、CPU11、ROM12、RAM13、補助記憶デバイス14、NFCユニット15、タッチパネル16、カメラ17および通信デバイス18の間でデータを伝送する。伝送システム19は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
情報表示装置10のハードウェアとしては、情報閲覧システム100用に特化して構成されたものを用いても良いが、既存のスマートフォンやタブレット端末などのような、アプリケーションプログラムを任意にインストール可能なデバイスをそのまま利用できる。そしてこの種のデバイスが備える補助記憶デバイス14に、そのデバイスの販売者あるいは使用者によって、後述する制御処理について記述したアプリケーションプログラムである制御プログラムがインストールされることにより情報表示装置10が実現される。このとき制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して販売者あるいは使用者へと配布される。なお制御プログラムは、ROM12に記憶されていても良い。
情報配信装置20は、CPU21、ROM22、RAM23、補助記憶デバイス24、通信デバイス25および伝送システム26を含む。
CPU21、ROM22、RAM23および補助記憶デバイス24は、伝送システム26により接続されてコンピュータを構成する。
CPU21は、上記のコンピュータの中枢部分である。CPU21は、ROM22に記憶されたオペレーティングシステムや、ROM22または補助記憶デバイス24に記憶されたアプリケーションプログラムに基づいて、情報配信装置20としての所期の機能を実現するための制御処理を実行する。上記の所期の機能のうちの1つは、後述する制御処理により実現される機能である。
ROM22は、上記のコンピュータの主記憶部分である。ROM22は、上記のオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを記憶する。またROM22は、CPU21が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する場合もある。
RAM23は、上記のコンピュータの主記憶部分である。RAM23は、CPU21が各種の処理を行う上で参照するデータを記憶する。さらにRAM23は、CPU21が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
補助記憶デバイス24は、上記のコンピュータの補助記憶部分である。補助記憶デバイス24は、上記のアプリケーションプログラム、CPU21が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはCPU21での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス14としては、例えばEEPROM、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。補助記憶デバイス24は、レイアウトテーブル24aを記憶する。レイアウトテーブル24aは、店舗内での商品の陳列レイアウトを表した情報を記憶する。
図5はレイアウトテーブル24aに含まれるデータレコードR3の構造を示す図である。レイアウトテーブル24aは、複数のデータレコードR3の集合である。
データレコードR3は、位置情報および商品コードの各フィールドF31,F32を含む。フィールドF31には、商品の陳列位置を表す位置情報が記述される。位置情報は、商品の陳列位置を特定できる情報であれば、どのような情報であっても良い。一例として、店舗内の複数の陳列棚のそれぞれを識別するための識別コード、1つの陳列棚の複数段の陳列板のそれぞれを識別するための識別コード、さらには1段の陳列板上のスペースを複数に分割して定めた陳列スペースのそれぞれを識別する識別コードの組み合わせを位置情報として使用することができる。フィールドF32には、同じデータレコードR3のフィールドF31に記述された位置情報が表す陳列位置に陳列される商品の商品コードが記述される。データレコードR3は、フィールドF31,F32以外のフィールドを含み、そこに位置情報および商品コードとは別のデータが記述されても良い。
通信デバイス25は、インターネット700を介した通信を行う。通信デバイス25は、インターネット700およびモバイルネットワーク600を介して情報表示装置10と通信できる。通信デバイス25は、インターネット700およびLAN(local area network)800を介して棚札管理装置300およびPOSサーバ500と通信できる。なお、通信デバイス25を、LAN800を介した通信を行うデバイスとし、LAN800に接続しても良い。
伝送システム26は、CPU21、ROM22、RAM23、補助記憶デバイス24および通信デバイス25の間で授受されるデータを伝送する。伝送システム26は、システムバスなどの各種のバスと、これらのバスと各部とを接続する各種のインタフェース回路とを含む周知のものであって良い。
この情報配信装置20のハードウェアとしては、例えば汎用のサーバ装置やコンピュータ装置を用いることができる。そしてこの種の装置が備える補助記憶デバイス24に、その装置の販売者あるいは使用者によって、後述する制御処理について記述したアプリケーションプログラムである制御プログラムがインストールされるとともに、レイアウトテーブル24aが書き込まれることにより情報配信装置20が実現される。このとき制御プログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して販売者あるいは使用者へと配布される。なお制御プログラムは、ROM22に記憶されていても良い。
次に以上のように構成された情報閲覧システム100の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
複数の棚札装置200のそれぞれでの表示の内容をチェックしようとする担当者は、そのためのアプリケーションを情報表示装置10にて起動するようにタッチパネル16にて操作する。この操作を受けてCPU11は、ROM12または補助記憶デバイス14に記憶された制御プログラムに従って制御処理を開始する。
図6はCPU11による制御処理のフローチャートである。
Act1においてCPU11は、タッチパネル16の表示画面を、予め定められたトップ画面とする。トップ画面は例えば、複数の棚札装置200のいずれかに情報表示装置10を近接させることを担当者に促すものである。
Act2においてCPU11は、NFCユニット15によるNFC通信が開始したか否かを確認する。そしてCPU11は、NFC通信が開始していないためにNOと判定したならば、Act2を繰り返す。かくしてCPU11はAct2において、NFC通信が開始されるのを待ち受ける。
担当者が情報表示装置10を棚札装置200に近接させると、NFCユニット15はNFCユニット203との間で無線通信を開始する。そしてこのときに棚札装置200は、棚札コントローラ201の制御の下に、メモリ204により記憶された棚札コード204aをNFCユニット203から無線送信する。そしてNFCユニット15は、このように無線送信された棚札コードを受信する。かくしてNFCユニット15は、取得部の一例である。
CPU11は、このようなNFC通信が開始されたことに応じてAct2にてYESと判定し、Act3へと進む。
Act3においてCPU11は、NFCユニット15により受信されたデータが棚札コードであるか否かを確認する。NFCユニット15によるNFCを利用した通信では、棚札コード以外のデータが受信される場合もある。そこでCPU11は、そのような別用途の通信が行われて、棚札コードが受信されたのでなければNOと判定し、Act2の待ち受け状態に戻る。しかしながらCPU11は、棚札装置200との上記のようなNFC通信が行われ、棚札コードが受信されたのならば、Act3でYESと判定し、Act4へと進む。
Act4においてCPU11は、上記の受信された棚札コードを、情報配信装置20へと通知する。この通知は、例えばインターネット700にて情報配信装置20を特定するためのURLの末尾に棚札コードを付加してなるURLを用いて、通信デバイス18により情報配信装置20へとアクセスすることにより行えば良い。あるいは、情報表示装置10と情報配信装置20とのセッションを確立した後に、情報表示装置10から情報配信装置20へと棚札コードを転送するなど、その手法は任意であって良い。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU11が実行することによって、CPU11を中枢部分とするコンピュータと通信デバイス18との協働により第1の通知部としての機能が実現される。
さて情報配信装置20が起動されると、CPU21はROM22または補助記憶デバイス24に記憶された制御プログラムに従って制御処理を開始する。
図7はCPU21による制御処理のフローチャートである。
Act11においてCPU21は、棚札コードが通知されたか否かを確認する。そしてCPU21は、棚札コードが通知されていないためにNOと判定したならば、Act11を繰り返す。かくしてCPU21はAct11において、棚札コードが通知されるのを待ち受ける。そしてCPU21は、前述したように情報表示装置10から棚札コードが通知されたならば、Act11にてYESと判定し、Act12へと進む。
Act12においてCPU21は、棚札コードを通知した情報表示装置10とのセッションを確立する。
Act13においてCPU21は、情報表示装置10から通知された棚札コードで識別される棚札装置200に関連付けられた商品(以下、着目商品と称する)の商品コードを取得する。CPU21は具体的には、情報表示装置10から通知された棚札コードに棚札管理テーブル300aにて関連付けられている商品コードを、棚札管理装置300への問い合わせによって取得する。
Act14においてCPU21は、着目商品の品名および売価を取得する。CPU21は具体的には、Act13にて取得した商品コードに商品マスタテーブル500aにて関連付けられている品名および売価を、POSサーバ500への問い合わせによって取得する。
Act15においてCPU21は、着目商品の陳列位置に関する位置情報を取得する。CPU21は具体的には、レイアウトテーブル24aから、フィールドF32にAct13にて取得した商品コードが記述されているデータレコードR3を見つけ、当該データレコードR3のフィールドF31に記述されている位置情報を読み出す。なおCPU21は、Act14で所得した品名および売価を、Act15で取得した位置情報に関連付けてRAM23または補助記憶デバイス24に保存する。
Act16においてCPU21は、Act15で取得した位置情報が示す陳列位置の周辺の予め定められた範囲内の複数の陳列位置を周辺位置として決定する。ここでどのような陳列位置を周辺位置とするかは任意であって良く、CPU21は例えば当該制御処理を規定する制御プログラムの開発者などにより事前に定められたルールに従って周辺位置を決定すれば良い。例えば、Act15で取得した位置情報が示す陳列位置までの距離が小さい順に所定数の陳列位置を周辺位置として決定することなどが想定される。
Act17においてCPU21は、Act16で決定した複数の周辺位置のうちの未選択の1つを選択する。
Act18においてCPU21は、選択した周辺位置を陳列位置とする商品(以下、周辺商品と称する)の商品コードを取得する。CPU21は具体的には、レイアウトテーブル24aから、フィールドF31に上記の選択した周辺位置の位置情報が記述されているデータレコードR3を見つけ、当該データレコードR3のフィールドF32に記述されている商品コードを読み出す。
Act19においてCPU21は、周辺商品の品名および売価を取得する。CPU21は具体的には、Act18にて取得した商品コードに商品マスタテーブル500aにて関連付けられている品名および売価を、POSサーバ500への問い合わせによって取得する。なおCPU21は、ここで取得した品名および売価を、選択中の周辺位置の位置情報に関連付けてRAM23または補助記憶デバイス24に保存する。このような品名および売価の取得は、周辺商品の品名および売価の判定の一手法である。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU21が実行することによって、CPU21を中枢部分とするコンピュータは判定部として機能する。
Act20においてCPU21は、未選択の周辺位置があるか否かを確認する。そしてCPU21は、未選択の周辺位置があるためにYESと判定したならば、Act17〜Act19を繰り返すことによって、別の周辺商品についての品名および売価を取得する。
CPU21は、Act16で決定した複数の周辺位置の全てに関してAct18およびAct19をそれぞれ行ったために未選択の周辺位置がもはや存在しないならば、Act20にてNOと判定し、Act21へと進む。
Act21においてCPU21は、閲覧画面を表す画面データを生成する。閲覧画面は、Act14で取得した着目商品の品名および売価と、Act19で取得した複数の周辺商品の品名および売価とを表す画面である。
図8は一例としての閲覧画面S1を示す図である。
閲覧画面S1は、着目商品の品名および売価と、周辺商品の品名および売価とを、それらが関連付けられた位置情報に基づいて、陳列位置の位置関係と同様な位置関係で配列して表している。
閲覧画面S1は、その中央に位置する「商品H」および「800円」が、情報表示装置10が近接された棚札装置200に関連付けられた商品、すなわち着目商品についての品名および売価である。そしてその他の品名および売価が、情報表示装置10が近接された棚札装置200に関連付けられた商品の周辺に陳列された商品、すなわち周辺商品の品名および売価である。かくして画面データが表す画面は、着目商品および周辺商品のそれぞれの品名および売価を表した画像を含む。従って、制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU21が実行することによって、CPU21を中枢部分とするコンピュータは生成部として機能することとなる。
Act22においてCPU21は、Act21で生成した画面データを、Act22で確立したセッションを介して情報表示装置10へと送信する。これにより、前述した情報表示装置10から情報配信装置20への棚札コードの通知への応答として、閲覧画面を表した画面データが送られることになる。画面データは、着目商品および周辺商品についての品名および売価を含んでいるから、画面データを送信することは当該品名および売価を通知することに相当する。従って、制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU21が実行することによって、CPU21を中枢部分とするコンピュータと通信デバイス25との協働により第2の通知部としての機能が実現される。
Act23においてCPU21は、Act12で確立したセッションを解消する。そしてCPU21はこののちに、Act11の待ち受け状態に戻る。
情報表示装置10においては通信デバイス18が、インターネット700およびモバイルネットワーク600を介して送達された画面データを受信し、補助記憶デバイス14へと書き込む。
さて情報表示装置10においてCPU11は、図6のAct4にて棚札コードを通知したのち、Act5へと進む。
Act5においてCPU11は、上記のように棚札コードを通知したことに応じて確立されたセッションが無効となったか否かを確認する。そしてCPU11は、当該セッションが有効であるためにNOと判定したならば、Act6へと進む。
Act6においてCPU11は、上記のように情報配信装置20から送信された画面データが通信デバイス18により受信されたか否かを確認する。そしてCPU11は、画面データが受信されていないためにNOと判定したならば、Act5に戻る。
かくしてCPU11は、Act5,6において、セッションが無効となるか、あるいは画面データが受信されるのを待ち受ける。そしてCPU11は、画面データが受信されること無くセッションが無効となったならば、Act5にてYESと判定し、Act7へと進む。
Act7においてCPU11は、タッチパネル16の表示画面を予め定められたエラー画面とするようにタッチパネル36を制御する。エラー画面は、異常の発生により閲覧画面の表示が行えないことを情報表示装置10の操作者に対して通知するための画面である。CPU11は、予め定められた一定の期間、あるいはエラー画面の表示終了を指示する操作がタッチパネル16等にてなされるまでの期間に、エラー画面を表示させる。そしてエラー画面を表示すべき期間が終了したならば、Act1に戻って前述と同様の処理を繰り返す。かくして、タッチパネル16はトップ画面を表示画面とする状態に戻る。
CPU11は、Act5,6の待ち受け状態にあるときに、画面データが上記のようにして受信されたならば、Act6にてYESと判定し、Act8へと進む。
Act8においてCPU11は、タッチパネル16の表示画面を、受信された画面データが表す閲覧画面とする。かくして制御プログラムに基づいて上記の制御処理をCPU11が実行することによって、CPU11を中枢部分とするコンピュータとタッチパネル16との協働により表示部としての機能が実現される。そしてCPU11は、タッチパネル16の表示画面を閲覧画面とした状態のままで、Act2の待ち受け状態に戻る。
かくして情報閲覧システム100によれば、担当者は、情報表示装置10を複数の棚札装置200のいずれか1つに近接させることにより、その棚札装置200に関連付けられた商品の品名および売価に加えて、その商品の周辺に陳列される別の商品の品名および売価を表した閲覧画面を情報表示装置10にて確認できる。そして担当者は、この1つの閲覧画面を見ながら、複数の棚札装置200での表示内容が適正であるか否かを確認できるので、多数の棚札装置200での表示内容の確認作業を効率的に行える。
また本実施形態によれば、閲覧画面に各商品の陳列位置の位置関係を反映させているために、閲覧画面に示された品名および売価を、どの棚札装置200の表示内容と比較すれば良いかを、担当者に直感的に認識させることができる。この結果、上記の確認作業のさらなる効率化を図ることができる。
また本実施形態によれば、棚札コードの取得のためにNFC通信を用いているので、バーコードスキャンなどに比べて、棚札コードの取得のための操作が容易である。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
閲覧画面は、各商品の陳列位置の位置関係を反映させていなくても良い。
図9は第1の変形例としての閲覧画面S2を示す図である。
閲覧画面S2は、Act14で取得した品名および売価を最初に表し、これに続いてAct19で複数の周辺位置のそれぞれに関して取得した品名および売価を、それらの取得順で配列して表している。
担当者が、店舗での取扱商品についてある程度の知識があれば、商品名に対応する商品を、ある範囲内に陳列された複数の商品の中から特定することは容易である。従って、そのような担当者により情報表示装置10が使用されるのであれば、閲覧画面S2であっても、閲覧画面S1に比べて、確認作業の効率が著しく低下することはない。
図10は第2の変形例としての閲覧画面S3を示す図である。
閲覧画面S3は、画像IとボタンB1,B2,B3,B4とを表している。画像Iは、1つの商品についての品名および売価を表す。ボタンB1〜B4は、上、右、下、左の各方向が割り当てられている。
画像Iは、最初は着目商品の品名および売価を表す。CPU11は、ボタンB1〜B4のいずれかが担当者によりタッチされた場合、着目商品に対してタッチされたボタンに割り当てられた方向に隣接して陳列されている周辺商品についての品名および売価を表すように画像Iを更新する。こののちCPU11は、ボタンB1〜B4のいずれかが担当者によりタッチされる毎に、画像Iが表す品名および売価に対応する商品に対してタッチされたボタンに割り当てられた方向に隣接して陳列されている商品についての品名および売価を表すように画像Iを更新する。
このような動作は例えば、情報配信装置20においては画面データをウェブページデータとし、情報表示装置10においては、ウェブブラウザ機能を利用してウェブページデータに基づく表示を行うことにより実現できる。具体的には、画面データは、画像IおよびボタンB1〜B4の図10のような配置を表したフォームと、ボタンB1〜B4のタッチに応じての画像Iの更新処理とに関して記述したHTML(hypertext markup language)ファイルと、Act14で取得した着目商品の品名および売価を表した画像の画像データと、Act19で取得した複数の周辺商品の品名および売価をそれぞれ表した複数の画像の画像データとを含んだウェブページデータとすることが想定される。
閲覧画面S3によると、閲覧画面S1,S2では不要なボタンB1〜B4の操作が必要となる。しかしながら、この操作は、さして困難なものでは無く、確認作業の効率を著しく低下させるものではない。
そして閲覧画面S3によると、1つの商品の品名および売価を、閲覧画面S1,S2に比べて大きく、すなわち見易く表示することが可能となる。
また閲覧画面S3では、複数の商品の位置関係を反映した表示を、閲覧画面S1とは異なった形態で実現できる。
レイアウトテーブル24aを補助記憶デバイス14に記憶しておき、図7に示す制御処理に想到する処理を情報表示装置10においてCPU11が実行しても良い。
情報配信装置20の機能を、棚札管理装置300またはPOSサーバ500に持たせても良い。
情報表示装置10での棚札コードの取得は、例えば棚札装置200に貼付されたバーコードをカメラ17によって読み取るなどのような別の手法により行っても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。