以下に添付の図面を参照して説明された本発明の実施例から、本発明の構成、作用及び他の特徴が容易に理解されるであろう。以下に説明される実施例は、本発明の技術的特徴が3GPPシステムに適用された例である。
本明細書ではLTEシステム及びLTE−Aシステムを用いて本発明の実施例を説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、上述した定義に該当するいかなる通信システムにも適用可能である。また、本明細書は、FDD方式を基準にして本発明の実施例について説明するが、これは例示に過ぎず、本発明の実施例は、H−FDD方式又はTDD方式にも容易に変形して適用されてもよい。
また、本明細書では、基地局をRRH(remote radio head)、eNB、TP(transmission point)、RP(reception point)、中継機(relay)などを含む包括的な名称で使うことができる。
図2は、3GPP無線アクセスネットワーク規格に基づく端末とE−UTRANとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)のコントロールプレーン及びユーザプレーンの構造を示す図である。コントロールプレーンとは、端末(UE)とネットワークとが呼を管理するために用いる制御メッセージが送信される通路のことを意味する。ユーザプレーンとは、アプリケーション層で生成されたデータ、例えば、音声データ又はインターネットパケットデータなどが送信される通路のことを意味する。
第1層である物理層は、物理チャネル(Physical Channel)で上位層に情報送信サービス(Information Transfer Service)を提供する。物理層は、上位の媒体アクセス制御(Medium Access Control、媒体接続制御)層とは伝送チャネル(Transport Channel)を介して接続されている。該伝送チャネルを介して媒体アクセス制御層と物理層との間にデータが移動する。送信側の物理層と受信側の物理層との間には物理チャネルを介してデータが移動する。該物理チャネルは、時間及び周波数を無線リソースとして活用する。具体的に、物理チャネルは、下りリンクにおいてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で変調され、上りリンクにおいてSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)方式で変調される。
第2層の媒体アクセス制御(Medium Access Control;MAC)層は、論理チャネル(Logical Channel)を介して、上位層である無線リンク制御(Radio Link Control;RLC)層にサービスを提供する。第2層のRLC層は、信頼できるデータ送信をサポートする。RLC層の機能をMAC内部の機能ブロックとして実装してもよい。第2層のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層は、帯域幅の狭い無線インターフェースでIPv4やIPv6のようなIPパケットを効率的に送信するために、余分の制御情報を減らすヘッダー圧縮(Header Compression)機能を持つ。
第3層の最下部に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control;RRC)層は、コントロールプレーンにのみ定義される。RRC層は、無線ベアラー(Radio Bearer)の設定(Configuration)、再設定(Re−configuration)及び解除(Release)に関連して、論理チャネル、伝送チャネル及び物理チャネルの制御を担当する。無線ベアラー(RB)とは、端末とネットワーク間のデータ伝達のために第2層によって提供されるサービスのことを意味する。そのために、端末のRRC層とネットワークのRRC層とはRRCメッセージを互いに交換する。端末のRRC層とネットワークのRRC層との間にRRC接続(RRC Connected)がある場合に、端末はRRC接続状態(Connected Mode)にあり、そうでない場合は、RRC休止状態(Idle Mode)にある。RRC層の上位にあるNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
ネットワークから端末にデータを送信する下り伝送チャネルとしては、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)、ページングメッセージを送信するPCH(Paging Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する下りSCH(Shared Channel)などがある。下りマルチキャスト又は放送サービスのトラフィック又は制御メッセージは、下りSCHで送信されてもよく、別の下りMCH(Multicast Channel)で送信されてもよい。一方、端末からネットワークにデータを送信する上り伝送チャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信する上りSCH(Shared Channel)がある。伝送チャネルの上位に存在し、伝送チャネルにマップされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
図3は、3GPPシステムに用いられる物理チャネル及びこれらのチャネルを用いた一般の信号送信方法を説明するための図である。
端末は、電源が入ったり、新しくセルに進入したりした場合に、基地局と同期を取る等の初期セル探索(Initial cell search)作業を行う(S301)。そのために、端末は、基地局からプライマリ同期チャネル(Primary Synchronization Channel;P−SCH)及びセカンダリ同期チャネル(Secondary Synchronization Channel;S−SCH)を受信して基地局と同期を取り、セルIDなどの情報を取得することができる。その後、端末は、基地局から物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel)を受信し、セル内放送情報を取得することができる。一方、端末は、初期セル探索段階で、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal;DL RS)を受信し、下りリンクチャネル状態を確認することができる。
初期セル探索を終えた端末は、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、及び該PDCCHに含まれた情報に基づいて物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDSCH)を受信することによって、より具体的なシステム情報を取得することができる(S302)。
一方、基地局に最初に接続したり信号送信のための無線リソースがない場合には、端末は、基地局にランダムアクセス手順(Random Access Procedure;RACH)を行うことができる(S303乃至S306)。そのために、端末は、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel;PRACH)で特定シーケンスをプリアンブルとして送信し(S303及びS305)、PDCCH及び対応するPDSCHを介して、プリアンブルに対する応答メッセージを受信することができる(S304及びS306)。競合ベースのRACHについては、競合解決手順(Contention Resolution Procedure)をさらに行うことができる。
上述の手順を行った端末は、その後、一般的な上りリンク/下りリンク信号送信手順として、PDCCH/PDSCH受信(S307)、及び物理上りリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel;PUSCH)/物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)送信(S308)を行うことができる。特に、端末はPDCCHで下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)を受信する。ここで、DCIは、端末に対するリソース割り当て情報のような制御情報を含んでおり、その使用目的によってフォーマットが異なる。
一方、端末が上りリンクで基地局に送信する又は端末が基地局から受信する制御情報としては、下りリンク/上りリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、RI(Rank Indicator)などを含む。3GPP LTEシステムでは、端末は、これらのCQI/PMI/RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHで送信することができる。
図4は、LTEシステムで用いられる無線フレームの構造を例示する図である。
図4を参照すると、無線フレーム(radio frame)は10ms(327200×Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレーム(subframe)で構成されている。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロット(slot)で構成されている。それぞれのスロットは0.5ms(15360×Ts)の長さを有する。ここで、Tsはサンプリング時間を表し、Ts=1/(15kHz×2048)=3.2552×10-8(約33ns)で表示される。スロットは時間領域において複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域において複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。LTEシステムにおいて一つのリソースブロックは12個の副搬送波×7(6)個のOFDMシンボルを含む。データの送信される単位時間であるTTI(Transmission Time Interval)は、一つ以上のサブフレーム単位と定めることができる。上述した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるOFDMシンボルの数は様々に変更されてもよい。
図5は、下りリンク無線フレームにおいて一つのサブフレームの制御領域に含まれる制御チャネルを例示する図である。
図5を参照すると、サブフレームは14個のOFDMシンボルで構成されている。サブフレーム設定によって先頭における1乃至3個のOFDMシンボルは制御領域として用いられ、残り13〜11個のOFDMシンボルはデータ領域として用いられる。同図で、R1乃至R4は、アンテナ0乃至3に対する基準信号(Reference Signal(RS)又はPilot Signal)を表す。RSは、制御領域及びデータ領域を問わず、サブフレーム内に一定のパターンで固定される。制御チャネルは、制御領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられ、トラフィックチャネルもデータ領域においてRSの割り当てられていないリソースに割り当てられる。制御領域に割り当てられる制御チャネルには、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などがある。
PCFICHは物理制御フォーマット指示子チャネルであり、サブフレームごとにPDCCHに用いられるOFDMシンボルの個数を端末に知らせる。PCFICHは、最初のOFDMシンボルに位置し、PHICH及びPDCCHに優先して設定される。PCFICHは4個のREG(Resource Element Group)で構成され、それぞれのREGはセルID(Cell IDentity)に基づいて制御領域内に分散される。1個のREGは4個のRE(Resource Element)で構成される。REは、1副搬送波×1 OFDMシンボルと定義される最小物理リソースを表す。PCFICH値は帯域幅によって1〜3又は2〜4の値を示し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調される。
PHICHは、物理HARQ(Hybrid−Automatic Repeat and request)指示子チャネルであり、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを搬送するために用いられる。すなわち、PHICHは、UL HARQのためのDL ACK/NACK情報が送信されるチャネルを表す。PHICHは、1個のREGで構成され、セル固有(cell−specific)にスクランブル(scrambling)される。ACK/NACKは1ビットで示され、BPSK(Binary phase shift keying)で変調される。変調されたACK/NACKは拡散率(Spreading Factor;SF、拡散因子)=2又は4で拡散される。同一のリソースにマップされる複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。PHICHグループに多重化されるPHICHの個数は、拡散コードの個数によって決定される。PHICH(グループ)は周波数領域及び/又は時間領域においてダイバーシチ利得を得るために3回反復(repetition)される。
PDCCHは物理下りリンク制御チャネルであり、サブフレームにおける先頭のn個のOFDMシンボルに割り当てられる。ここで、nは1以上の整数であり、PCFICHで示される。PDCCHは一つ以上のCCEで構成される。PDCCHは、伝送チャネルであるPCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)のリソース割り当てに関する情報、上りリンクスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)、HARQ情報などを各端末又は端末グループに知らせる。PCH(Paging channel)及びDL−SCH(Downlink−shared channel)はPDSCHで送信される。したがって、基地局と端末は一般に、特定の制御情報又は特定のサービスデータ以外は、PDSCHでデータをそれぞれ送信及び受信する。
PDSCHのデータがいずれの端末(一つ又は複数の端末)に送信されるものか、これら端末がどのようにPDSCHデータを受信してデコードすべきかに関する情報などは、PDCCHに含まれて送信される。例えば、特定PDCCHが「A」というRNTI(Radio Network Temporary Identity)でCRCマスクされており、「B」という無線リソース(例、周波数位置)及び「C」というDCIフォーマット、すなわち、伝送形式情報(例、伝送ブロックサイズ、変調方式、コーディング情報など)を用いて送信されるデータに関する情報が、特定サブフレームで送信されると仮定する。この場合、セル内の端末は、自身が持っているRNTI情報を用いて検索領域でPDCCHをモニター、すなわち、ブラインドデコードし、「A」のRNTIを持っている一つ以上の端末があると、これらの端末はPDCCHを受信し、受信したPDCCHの情報に基づいて「B」と「C」で示されるPDSCHを受信する。
図6は、LTEシステムで用いられる上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
図6を参照すると、上りリンクサブフレームは、制御情報を搬送するPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)が割り当てられる領域と、ユーザデータを搬送するPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)が割り当てられる領域とに区別される。サブフレームにおいて中間部分がPUSCHに割り当てられ、周波数領域においてデータ領域の両側部分がPUCCHに割り当てられる。PUCCH上で送信される制御情報は、HARQに用いられるACK/NACK、下りリンクチャネル状態を示すCQI(Channel Quality Indicator)、MIMOのためのRI(Rank Indicator)、上りリンクリソース割り当て要求であるSR(Scheduling Request)などがある。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレーム内の各スロットで別個の周波数を占める一つのリソースブロックを用いる。すなわち、PUCCHに割り当てられる2個のリソースブロックはスロット境界で周波数ホッピング(frequency hopping)する。特に、図6は、m=0のPUCCH、m=1のPUCCH、m=2のPUCCH、m=3のPUCCHがサブフレームに割り当てられるとしている。
以下、MIMOシステムについて説明する。MIMO(Multiple−Input Multiple−Output)は、複数個の送信アンテナと複数個の受信アンテナを用いる方法であり、この方法によってデータの送受信効率を向上させることができる。すなわち、無線通信システムの送信端あるいは受信端で複数個のアンテナを用いることによって容量を増大させ、性能を向上させることができる。以下、本文献ではMIMOを「多重アンテナ」と呼ぶこともできる。
多重アンテナ技術では、一つの全体メッセージを受信するために単一のアンテナ経路に依存せず、複数のアンテナに受信されたデータ断片(fragment)をまとめて併合することによってデータを完成する。多重アンテナ技術を用いると、特定のサイズのセル領域内でデータ伝送速度を向上させたり、又は特定のデータ伝送速度を保証しながらシステムカバレッジ(coverage)を増加させることができる。また、この技術は、移動通信端末と中継機などに幅広く用いることができる。多重アンテナ技術によれば、単一のアンテナを用いた従来技術による移動通信における伝送量の限界を克服することができる。
一般的な多重アンテナ(MIMO)通信システムの構成図が、図7に示されている。送信端では送信アンテナがNT個設けられており、受信端では受信アンテナがNR個設けられている。このように送信端及び受信端の両方とも複数個のアンテナを用いる場合は、送信端又は受信端のいずれか一方のみ複数個のアンテナを用いる場合に比べて、理論的なチャネル伝送容量がより一層増加する。チャネル伝送容量はアンテナの数に比例して増加する。これによって、伝送レートが向上し、周波数効率が向上する。1個のアンテナを用いる場合の最大伝送レートをRoとすれば、多重アンテナを用いる場合の伝送レートは、理論的に、下記の数式1のように、最大伝送レートRoにレート増加率Riを掛けた分だけ増加することができる。ここで、Riは、NTとNRのうちの小さい値を表す。
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の伝送レートを得ることができる。このような多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くための種々の技術が現在まで活発に研究されている。それらのいくつかの技術は既に第3世代移動通信と次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
現在までの多重アンテナ関連研究動向をみると、様々なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論側面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及びモデル導出の研究、及び伝送信頼度の向上及び伝送率の向上のための時空間信号処理技術の研究などを含め、様々な観点で活発に研究が進行されている。
多重アンテナシステムにおける通信方法をより具体的な方法で説明するべく、それを数学的にモデリングすると、次のように示すことができる。図7に示すように、NT個の送信アンテナとNR個の受信アンテナが存在するとする。まず、送信信号について説明すると、NT個の送信アンテナがある場合に、送信可能な最大情報はNT個であるから、送信情報を下記の数式2のようなベクトルで表現することができる。
また、
を送信電力の対角行列Pを用いて示すと、下記の数式4のとおりである。
一般に、チャネル行列のランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで異なる情報を送信できる最大数を意味する。したがって、チャネル行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行(row)又は列(column)の個数のうち、最小の個数と定義され、よって、行列のランクは、行(row)又は列(column)の個数より大きくなることがない。数式的に例を挙げると、チャネル行列Hのランク(rank(H))は、数式6のように制限される。
また、多重アンテナ技術を用いて送信する異なる情報のそれぞれを「送信ストリーム(Stream)」、又は簡単に「ストリーム」と定義するものとする。このような「ストリーム」は、「レイヤ(Layer)」と呼ぶこともできる。そのため、送信ストリームの個数は当然ながら、異なる情報を送信できる最大数であるチャネルのランクより大きくなることがない。したがって、チャネル行列Hは、下記の数式7のように表すことができる。
ここで、「# of streams」は、ストリームの数を表す。一方、ここで、1個のストリームは1個以上のアンテナから送信可能であるということに留意されたい。
1個以上のストリームを複数のアンテナに対応させる様々な方法が存在する。この方法を、多重アンテナ技術の種類によって次のように説明することができる。1個のストリームが複数のアンテナから送信される場合は空間ダイバーシチ方式といえ、複数のストリームが複数のアンテナから送信される場合は空間マルチプレクシング方式といえる。勿論、これらの中間方式である、空間ダイバーシチと空間マルチプレクシングとの混合(Hybrid)した形態も可能である。
一方、次世代移動通信システムの標準であるLTE−Aシステムでは、データ伝送率の向上のために、既存の標準ではサポートしていないCoMP(Coordinated Multi Point)送信方式をサポートすることが予想される。ここで、CoMP送信方式とは、シャドウイング(陰影)地域にある端末及び基地局(セル又はセクター)間の通信性能を向上させるために2個以上の基地局或いはセルが互いに協調して端末と通信する送信方式のことをいう。
CoMP送信方式は、データ共有を用いた協調的MIMO形態のジョイントプロセシング(CoMP−Joint Processing、CoMP−JP)及び協調スケジューリング/ビームフォーミング(CoMP−Coordinated Scheduling/beamforming、CoMP−CS/CB)方式に区別することができる。
下りリンクの場合、ジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式において、端末は、CoMP送信方式を行う各基地局からデータを瞬間的に同時に受信することができ、各基地局から受信した信号を結合して受信性能を向上させることができる(Joint Transmission;JT)。また、CoMP送信方式を行う基地局のいずれか一つが特定時点に端末にデータを送信する方法も考慮することができる(DPS;Dynamic Point Selection)。
これと違い、協調スケジューリング/ビームフォーミング方式(CoMP−CS/CB)では、端末はビームフォーミングによってデータを瞬間的に一つの基地局、すなわち、サービング基地局から受信することができる。
上りリンクの場合、ジョイントプロセシング(CoMP−JP)方式において、各基地局は端末からPUSCH信号を同時に受信することができる(Joint Reception;JR)。これと違い、協調スケジューリング/ビームフォーミング方式(CoMP−CS/CB)では一つの基地局だけがPUSCHを受信するが、このとき、協調スケジューリング/ビームフォーミング方式を用いるとの決定は、協調セル(或いは、基地局)で行われる。
以下では、チャネル状態情報(channel state information;CSI)報告について説明する。現在、LTE標準では、チャネル情報無しで運用される開ループ(open−loop)MIMOとチャネル情報に基づいて運用される閉ループ(closed−loop)MIMOという2種類の送信方式がある。特に、閉ループMIMOでは、MIMOアンテナの多重化利得(multiplexing gain)を得るために、基地局及び端末のそれぞれはチャネル状態情報に基づいてビームフォーミングを行うことができる。基地局は、チャネル状態情報を端末から得るために、端末に参照信号を送信し、これに基づいて測定したチャネル状態情報をPUCCH(Physical Uplink Control CHannel)又はPUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)を介してフィードバックするように命令する。
CSIは、RI(Rank Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、CQI(Channel Quality Indication)の3つの情報に大別される。まず、RIは、上述したように、チャネルのランク情報を示し、端末が同一の周波数−時間リソースを用いて受信できるストリームの個数を意味する。また、RIは、チャネルのロングタームフェージング(long term fading)によって決定されるため、一般に、PMI、CQI値に比べてより長い周期で基地局にフィードバックされる。
次に、PMIは、チャネルの空間特性を反映した値であり、SINRなどのメトリック(metric)を基準に、端末が好む基地局のプリコーディング行列インデックスを示す。最後に、CQIは、チャネルの強度を示す値であり、通常、基地局がPMIを用いた時に得られる受信SINRを意味する。
LTE−A標準のような一層進展した通信システムでは、MU−MIMO(multi−user MIMO)を用いた追加のマルチユーザダイバーシチ(multi−user diversity、多重ユーザダイバーシチ)を得ることが追加されている。MU−MIMOでは、アンテナドメインで多重化される端末間の干渉が存在するため、CSIの正確性は、CSIを報告した端末だけでなく、多重化される他の端末の干渉にも大きな影響を及ぼしうる。このため、MU−MIMOではSU−MIMOに比べてより正確なCSI報告が要求される。
そこで、LTE−A標準では、最終のPMIを、ロングターム(long term)及び/又は広帯域(wideband)PMIであるW1と、ショートターム(short term)及び/又はサブバンド(sub−band)PMIであるW2といった2種類に分けて設計するように決定された。
上記のW1及びW2情報から一つの最終PMIを構成する階層的コードブック変換(hierarchical codebook transformation)方式の例として、下記の数式8のように、チャネルのロングターム共分散行列(long−term covariance matrix)を用いることができる。
上記の数式8で、W2は、ショートタームPMIであり、ショートタームチャネル情報を反映するために構成されたコードブックのコードワードを意味し、Wは、最終コードブックのコードワードを意味し、norm(A)は、行列Aの各列のノーム(norm)が1に正規化(normalization)された行列を意味する。
既存のW1とW2の具体的な構造は、次の数式9のとおりである。
数式9で、コードワードの構造は、交差偏波アンテナ(cross polarized antenna)を利用し、アンテナ間の間隔がちゅう密な場合、例えば、通常、隣接アンテナ間の距離が信号波長の半分以下である場合、発生するチャネルの相関(correlation)特性を反映して設計した構造である。交差偏波アンテナの場合、アンテナを水平アンテナグループ(horizontal antenna group)と垂直アンテナグループ(vertical antenna group)とに区分できるが、各アンテナグループはULA(uniform linear array)アンテナの特性を有し、両アンテナグループは共存(co−located)する。
このため、各グループのアンテナ間の相関関係は同一の線形位相増加(linear phase increment)特性を有し、アンテナグループ間の相関関係は、位相回転(phase rotation)された特性を有する。結局、コードブックはチャネルを量子化(quantization)した値であるから、チャネルの特性をそのまま反映してコードブックを設計することが必要である。説明の便宜のために、上述した構造としたランク1コードワードを、下記の数式10のように例示することができる。
上記の数式10で、コードワードは、送信アンテナの個数NT×1のベクトルで表現され、上位ベクトルXi(k)と下位ベクトルαjXi(k)で構造化されており、それぞれは、水平アンテナグループと垂直アンテナグループの相関関係特性を示す。Xi(k)は、各アンテナグループのアンテナ間相関関係特性を反映して線形位相増加特性を有するベクトルで表現することが有利であり、代表の例としてDFT行列を用いることができる。
LTE−A標準のような一層進展した通信システムでは、MU−MIMO(multi−user MIMO)を用いた追加のマルチユーザダイバーシチ(multi−user diversity)を得ることが追加されている。MU−MIMOでは、アンテナドメインで多重化される端末間の干渉が存在するため、CSIの正確性は、CSIを報告した端末だけでなく、多重化される他の端末の干渉にも大きな影響を及ぼしうる。このため、MU−MIMOではSU−MIMOに比べてより正確なCSI報告が要求される。
また、CoMP JTの場合、複数の基地局が特定端末に同一のデータを協調送信することから、理論的に、アンテナが地理的に分散されているMIMOシステムと見なすことができる。すなわち、JTでMU−MIMOをする場合にも、単一セルMU−MIMOと同様に、協調スケジューリングされる端末間の干渉を避けるために、高い正確性のチャネル状態情報が要求される。CoMP CBの場合にも同様、隣接セルがサービングセルに与える干渉を回避するには、正確なチャネル状態情報が要求される。一般に、チャネル状態情報フィードバックの正確度を上げるためには、端末の追加的なチャネル状態情報フィードバック報告が必要であり、これはPUCCH又はPUSCHで基地局に送信される。
以下では、参照信号についてより詳しく説明する。
一般に、チャネル測定のためにデータと共に送信側と受信側の両方で既に知っている参照信号が送信側から受信側に送信される。このような参照信号は、チャネル測定に加え、変調方式を知らせて復調過程が行われるようにする役割を果たす。参照信号は、基地局と特定端末のための専用参照信号(dedicated RS;DRS)、すなわち、端末固有参照信号と、セル内の全端末のためのセル固有参照信号である共通参照信号(common RS又はCell specific RS;CRS)とに区別される。また、セル固有参照信号は、端末でCQI/PMI/RIを測定して基地局に報告するための参照信号を含み、これをCSI−RS(Channel State Information−RS)と称する。
図8及び図9は、4個のアンテナを用いた下りリンク送信をサポートするLTEシステムにおける参照信号の構造を示す図である。特に、図8は一般(normal)CP(Cyclic Prefix)の場合を示し、図9は拡張(extended)CPの場合を示す。
図8及び図9を参照すると、格子に記載された0乃至3は、アンテナポート0乃至3のそれぞれに対応してチャネル測定とデータ復調のために送信されるセル固有参照信号であるCRS(Common Reference Signal)を意味し、セル固有参照信号のCRSは、データ情報領域の他、制御情報領域全般にわたっても端末に送信されている。
また、格子に記載された「D」は、端末固有RSである下りリンクDM−RS(Demodulation−RS)を意味し、DM−RSは、データ領域、すなわち、PDSCHを介して単一アンテナポート送信をサポートする。端末固有RSであるDM−RSの有無は上位層で端末にシグナルされる。図8及び図9は、アンテナポート5に対応するDM−RSを例示しており、3GPP標準文書36.211ではアンテナポート7乃至14、すなわち、計8個のアンテナポートに対するDM−RSも定義している。
図10は、現在3GPP標準文書で定義している下りリンクDM−RS割り当て例を示す図である。
図10を参照すると、DM−RSグループ1にはアンテナポート{7,8,11,13}に該当するDM−RSがアンテナポート別シーケンスを用いてマップされ、DM−RSグループ2にはアンテナポート{9,10,12,14}に該当するDM−RSが同様に、アンテナポート別シーケンスを用いてマップされる。
一方、上述したCSI−RSは、CRSとは別にPDSCHに対するチャネル測定を目的に提案されており、CRSとは違い、CSI−RSは、多重セル環境でセル間干渉(inter−cell interference;ICI)を減らすために、最大32個の個別のリソース設定(configuration)が定義されてもよい。
CSI−RS(リソース)設定は、アンテナポートの個数によってそれぞれ異なり、隣接セル間には、できるだけ異なった(リソース)設定と定義されたCSI−RSが送信されるように構成される。CSI−RSは、CRSとは違い、最大8個のアンテナポートまでサポートし、3GPP標準文書では、アンテナポート15乃至22までの計8個のアンテナポートをCSI−RSのためのアンテナポートとして割り当てる。下記の表1及び表2は、3GPP標準文書で定義しているCSI−RS設定を示すものであり、特に、表1は、一般CP(Normal CP)である場合を、表2は、拡張CP(Extended CP)である場合を示している。
表1及び表2で、(k’,l’)は、REインデックスを表し、k’は、副搬送波インデックスを、l’は、OFDMシンボルインデックスを表す。図11は、現在3GPP標準文書で定義されたCSI−RS設定のうち、一般CPの場合におけるCSI−RS設定#0を例示する。
また、CSI−RSサブフレーム設定を定義することができ、これは、サブフレーム単位で表現される周期(TCSI−RS)とサブフレームオフセット(ΔCSI−RS)で構成される。下記の表3は、3GPP標準文書で定義しているCSI−RSサブフレーム設定を示すものである。
現在、ZP(zero−power)CSI−RSに関する情報は、下記の表4のような形態でRRC層信号を介してCSI−RS−Config−r10メッセージに含まれて送信される。特に、ZP CSI−RSリソース設定は、zeroTxPowerSubframeConfig−r10と、16ビットサイズのビットマップであるzeroTxPowerResourceConfigList−r10とで構成される。このうち、zeroTxPowerSubframeConfig−r10は、表3に該当するICSI−RS値を用いて、当該ZP CSI−RSが送信される周期及びサブフレームオフセットを知らせる。また、zeroTxPowerResourceConfigList−r10は、ZP CSI−RS設定を知らせる情報であって、上記ビットマップのそれぞれの要素は、上記の表1又は表2でCSI−RSのためのアンテナポートが4個である列(Column)に含まれた設定を示す。すなわち、現在の3GPP標準文書によれば、ZP CSI−RSは、CSI−RSのためのアンテナポートが4個である場合のみと定義される。
参考として、現在の3GPP標準文書によれば、CQIインデックスとそれに対応する変調次数、コーディングレートなどは、下記の表5のとおりである。
一方、干渉測定に基づくCQI計算のための動作は、下記のとおりである。
端末は、CQI計算の際に必要な因子としてSINRを算出する必要があり、この場合、所望の(Desired)信号の受信電力測定(S−measure)をNZP CSI−RSなどのRSを用いて行うことができ、干渉電力測定(I−measure或いはIM(Interference measurement))のために、上記の受信した信号から所望の信号を除去した干渉信号の電力を測定する。
CSI測定のためのサブフレームセットCCSI,0及びCCSI,1を上位層シグナリングで設定することができる。このとき、それぞれのサブフレームセットに対応するサブフレームは互いに重なることなく一つのセットのみに含まれる。この場合、UEは、S−measureは、特別なサブフレーム制約無しでCSI−RSなどのRSを用いて行うことができるが、I−measureの場合、CCSI,0及びCCSI,1別にI−measureを個別に行って、CCSI,0及びCCSI,1のそれぞれに対する2つの異なるCQI計算を行わなければならない。
以下、アンテナポート間QCL(Quasi Co−Location)について説明する。
アンテナポート間QCLされているということは、端末が一つのアンテナポートから受信する信号(或いは、当該アンテナポートに対応する無線チャネル)の広範囲特性(large−scale properties)が、他のアンテナポートから受信する信号(或いは、当該アンテナポートに対応する無線チャネル)の広範囲特性と全て又は一部が同一だと仮定し得るということを意味する。ここで、広範囲特性は、周波数オフセットに関連したドップラー拡散(Doppler spread)、ドップラーシフト(Doppler shift)、タイミングオフセットに関連した平均遅延(average delay)、遅延拡散(delay spread)などを含み、さらに平均利得(average gain)も含むことができる。
上の定義によれば、端末はQCLされていないアンテナポート、すなわち、NQCL(Non Quasi co−Located)されたアンテナポート間には広範囲特性が同一であると仮定することができない。この場合、端末はアンテナポート別に周波数オフセット及びタイミングオフセットなどを取得するためのトラッキング(tracking)手順を独立して行わなければならない。
一方、QCLされているアンテナポート間については端末が次のような動作を行うことができるという利点がある。
1)端末が特定アンテナポートに対応する無線チャネルに対する電力遅延プロファイル(power−delay profile)、遅延拡散、ドップラースペクトル(Doppler spectrum)及びドップラー拡散推定の結果を、他のアンテナポートに対応する無線チャネルに対するチャネル推定時に用いられるウィナーフィルター(Wiener filter)パラメータなどに同一に適用することができる。
2)また、端末は、特定アンテナポートに対する時間同期及び周波数同期を取った後、同一の同期を他のアンテナポートに対しても適用することができる。
3)最後に、平均利得に関しても、端末は、QCLされているアンテナポートのそれぞれに対するRSRP(Reference Signal Received Power)測定値を平均値として計算することができる。
例えば、端末がPDCCH(或いは、E−PDCCH)を介してDM−RSベース下りリンクデータチャネルスケジューリング情報、例えば、DCIフォーマット2Cを受信すると、端末は、当該スケジューリング情報で示すDM−RSシーケンスを用いてPDSCHに対するチャネル推定を行った後、データ復調を行う場合であると仮定する。
この場合、端末が下りリンクデータチャネル復調をするためのDM−RSアンテナポートがサービングセルのCRSアンテナポートとQCLされていると、端末は、当該DM−RSアンテナポートを用いたチャネル推定時に、自身のCRSアンテナポートから推定した無線チャネルの広範囲特性(large−scale properties)をそのまま適用し、DM−RSベース下りリンクデータチャネル受信性能を向上させることができる。
同様に、端末が下りリンクデータチャネル復調をするためのDM−RSアンテナポートがサービングセルのCSI−RSアンテナポートとQCLされていると、端末は、当該DM−RSアンテナポートを用いたチャネル推定時に、サービングセルのCSI−RSアンテナポートから推定した無線チャネルの広範囲特性をそのまま適用し、DM−RSベース下りリンクデータチャネル受信性能を向上させることができる。
一方、LTEシステムでは、CoMPモードである送信モード10で下りリンク信号を送信する際、基地局が上位層信号を用いてQCLタイプA及びQCLタイプBのうちの一つを端末に設定するように定義している。
ここで、QCLタイプAは、CRS、DM−RS及びCSI−RSのアンテナポートが、平均利得以外の広範囲特性がQCLされていると仮定するものであり、同一のノード(point)で物理チャネル及び信号が送信されているということを意味する。一方、QCLタイプBは、DPS、JTなどのCoMP送信が可能なように、端末当たり最大4個までのQCLモードを上位層メッセージを用いて設定し、それらのうちどのQCLモードで下りリンク信号を受信すべきかを動的にDCI(downlink control information)を用いて設定するように定義されている。
QCLタイプBが設定された場合のDPS送信に関して、より具体的に説明する。
まず、N1個のアンテナポートで構成されたノード#1は、CSI−RSリソース(resource)#1を送信し、N2個のアンテナポートで構成されたノード#2は、CSI−RSリソース(resource)#2を送信すると仮定する。この場合、CSI−RSリソース#1をQCLモードパラメータセット#1に含め、CSI−RSリソース#2をQCLモードパラメータセット#2に含める。さらに、基地局はノード#1及びノード#2の共通カバレッジ内に存在する端末に、上位層信号でパラメータセット#1及びパラメータセット#2を設定する。
その後、基地局が当該端末にノード#1を介してデータ(すなわち、PDSCH)送信時にDCIを用いてパラメータセット#1を設定し、ノード#2を介してデータ送信時にパラメータセット#2を設定する方式でDPSを行うことができる。端末にとっては、DCIによってパラメータセット#1が設定されると、CSI−RSリソース#1とDM−RSがQCLされていると仮定し、パラメータセット#2が設定されると、CSI−RSリソース#2とDM−RSがQCLされていると仮定することができる。
以下、アクティブアンテナシステム(Active Antenna System;AAS)及び3次元ビームフォーミングについて説明する。
既存のセルラーシステムにおいて、基地局は、機械的ティルティング(mechanical tilting)或いは電気的ティルティング(electrical tilting)を用いてセル間干渉を減らし、セル内端末のスループット、例えば、SINR(Signal to Interference plus Noise ratio)を増加させる。図面を参照してより詳しく説明する。
図12は、アンテナティルティング方式を説明するための図である。特に、図12の(a)には、アンテナティルティングが適用されていないアンテナ構造を示し、図12の(b)には、機械的ティルティングが適用されたアンテナ構造を示し、図12の(c)には、機械的ティルティングと電気的ティルティングの両方が適用されたアンテナ構造を示す。
図12の(a)と図12の(b)とを比較すると、機械的ティルティングの場合、図12の(b)のように、初期設置時にビーム方向が固定されてしまうという短所がある。さらに、電気的ティルティングの場合、図12の(c)のように、内部位相遷移(phase shift)モジュールを用いてティルティング角(tilting angle)を変更することができるが、事実上、セル固定的ティルティングの点から、非常に制約的な垂直ビームフォーミングしかできないという短所がある。
図13は、従来のアンテナシステムとアクティブアンテナシステム(Active Antenna System;AAS)とを比較する図である。特に、図13の(a)には従来のアンテナシステムを示し、図13の(b)にはアクティブアンテナシステムを示す。
図13を参照すると、アクティブアンテナシステムは、従来のアンテナシステムと違い、複数のアンテナモジュールのそれぞれが電力増幅器をはじめとしてRFモジュール、すなわち、アクティブ(active)素子を備えており、アンテナモジュールのそれぞれに対して電力及び位相を調節できるという特徴を有する。
一般的に考慮してきたMIMOアンテナ構造は、ULA(uniform linear array)のように、線形的な、すなわち、1次元アレイのアンテナを考慮した。このような1次元アレイ構造では、ビームフォーミングで生成可能なビームが2次元平面内に存在する。これは、既存の基地局の受動アンテナシステム(Passive Antenna System;PAS)ベースのMIMO構造にも適用される。PASベースの基地局にも垂直アンテナ及び水平アンテナが存在するが、垂直アンテナは一つのRFモジュールに拘束されているため、垂直方向にビームフォーミングが不可能であり、上述した機械的ティルティングしか適用することができない。
しかし、基地局のアンテナ構造がアクティブアンテナシステムへと進化しながら、垂直方向のアンテナにも独立したRFモジュールが実装されることとなり、これによって、水平方向だけでなく垂直方向にもビームフォーミングが可能になった。これをエレベーションビームフォーミング(elevation beamforming)と呼ぶ。
エレベーションビームフォーミングによれば、生成可能なビームを、垂直及び水平方向へと3次元空間に表現することができ、これを3次元ビームフォーミングと呼ぶこともできる。すなわち、3次元ビームフォーミングは、1次元アレイのアンテナ構造から平面形態の2次元アレイのアンテナ構造に進化することから可能になったものである。ここで、3次元ビームフォーミングは、アンテナアレイが必ずしも平面(planar)形状である必要はなく、リング(ring)形状の3次元形態のアレイ構造でも可能である。3次元ビームフォーミングの特徴は、既存の1次元アレイのアンテナ構造ではなく様々な形態のアンテナ配置によってMIMOプロセスが3次元空間上でなされるということにある。
図14は、アクティブアンテナシステムに基づいて端末特定ビームを形成した例を示す図である。図14を参照すると、3次元ビームフォーミングによって、端末が基地局の左右に動く場合だけでなく、前後に動く場合にもビームフォーミングが可能であり、端末特定ビーム形成に、より高い自由度が提供されることがわかる。
なお、アクティブアンテナベースの2次元アレイのアンテナ構造を用いた送信環境としては、室外基地局から室外端末に送信する環境だけでなく、室外基地局が室内端末に送信する環境(O2I、Outdoor to Indoor)、及び室内基地局が室内端末に送信する環境(Indoor hotspot)などを考慮することもできる。
図15は、アクティブアンテナシステムベースの2次元ビーム送信シナリオを示す図である。
図15を参照すると、セル内に様々な複数の建物が存在する実際のセル環境を仮定すると、基地局は、端末特定水平ビームステアリング(操向)だけでなく、建物の高さによる様々な端末の高さを考慮した垂直ビームステアリング能力まで考慮しなければならない。このようなセル環境を考慮する場合、既存の無線チャネル環境とは大きく異なるチャネル特性、例えば、高さの差によるシャドウイング/経路損失変化、フェージング特性変化などを反映する必要がある。
言い換えると、3次元ビームフォーミングは、既存の線形的な1次元アレイのアンテナ構造に基づいて水平方向にのみ行われた水平ビームフォーミングが進化したものであり、平面配列(planar array)などの多次元アレイのアンテナ構造に基づいてエレベーションビームフォーミング或いは垂直ビームフォーミングまで拡張及び結合された形態のMIMOプロセシング方式を意味する。
以下、線形プリコーディング(linear precoding)を用いたMIMOシステムについて説明する。狭帯域システム(Narrow band system)或いは広帯域システム(Wideband system)で周波数側にフラットフェージング(flat fading、平面フェージング)を経ると仮定し得る周波数単位(例えば、副搬送波単位)において、下りリンクMIMOシステムは、次の数式11のようにモデリングすることができる。
端末の受信アンテナポートの個数がNrであり、基地局の送信アンテナポートの個数がNtだと仮定すれば、上記の数式11で、yは、端末のNr個の受信アンテナで受信するNr×1の受信信号ベクトル、Hは、Nr×NtサイズのMIMOチャネル行列、xは、Nt×1サイズの送信信号、zは、Nr×1サイズの受信雑音及び干渉ベクトルである。
上記のシステムモデルは、シングルユーザMIMO(single user MIMO)シナリオだけでなく、マルチユーザMIMO(multi−user MIMO)シナリオにも適用可能である。前者の場合、Nrは単一端末の受信アンテナ数であるが、後者の場合、Nrを、複数端末の受信アンテナの総数として解釈することができる。
上記のシステムモデルは、下りリンク送信シナリオだけでなく、上りリンク送信シナリオにも適用可能である。このとき、Ntは端末の送信アンテナ数を表すことができ、Nrは基地局の受信アンテナ数を表すことができる。
線形的MIMOプリコーダを考慮すると、MIMOプリコーダは、一般に、Nt×Nsサイズの行列Uと表現することができる。ここで、Nsは、送信ランク或いは送信レイヤ数に該当する。したがって、送信信号ベクトルxは、次の数式12のようにモデリングすることができる。
上記の数式14で、各レイヤにて信号を同一電力で送信する場合、
が成立することがわかる。
一方、上述したマッシブMIMO(Massive MIMO)のように、将来の多重アンテナシステムは進化を重ねながらアンテナ数が益々増加する可能性があり、実際にLTE標準では3D MIMO環境を考慮して最大64個の基地局送信アンテナを考慮している。
しかしながら、アンテナ数が増加するほど、パイロット及びフィードバックオーバーヘッドが大きくなり、デコーディング複雑度が増加するなどの問題点が発生しうる。基地局のアンテナ数が増加するほど、MIMOチャネルHのサイズが増加するため、端末がMIMOチャネルを推定できるように基地局が送信する測定用途のパイロットの個数も増加しなければならない。また、端末が測定したMIMOチャネルに関する明示的な或いは暗示的な情報を基地局に知らせるようにフィードバックするとすれば、チャネル行列が大きくなるにつれてフィードバック量も増加することになる。特に、LTEシステムのようにコードブックベースPMIフィードバック送信を行う場合、PMIコードブックのサイズもアンテナ数の増加につれて幾何級数的に増加し、基地局と端末の計算複雑度を増加させる。
このような環境で、全送信アンテナを区画化(partitioning)してサブアレイ(sub−array)単位にパイロット送信をしたり、サブアレイ単位にフィードバックを行うようにすると、システム複雑度及びオーバーヘッドを軽減させることができる。特に、LTE技術標準の観点から、8個の送信アンテナまでサポートする従来のパイロット信号、MIMOプリコーディング方式及び/又はフィードバック方式の大部分を再利用して大規模MIMOシステムをサポートすることができるという長所がある。
このような観点で、上記のMIMOシステムモデルにおける各レイヤプリコーディングベクトルをM個のサブプリコーディングベクトル(sub−precoding vector)に区画化し、i番目のレイヤに対するプリコーディングベクトルに該当するサブプリコーディングベクトルをu
i,l,・・・u
i,Mと表現すれば、i番目のレイヤに対するプリコーディングベクトルは
のように表現することができる。
ここで、各サブプリコーディングベクトルは、Nr×NtサイズのMIMOチャネルHを行方向に各区画の送信アンテナ数だけ分離した各サブチャネル行列(sub−channel matrix)を有効チャネルとして経る。ここで、サブチャネル行列で表現したMIMOチャネルHは、下記の数式15のとおりである。
万一、端末が好む各サブプリコーディングベクトルをPMIコードブックベースで決定するとすれば、各サブプリコーディングベクトルを正規化する過程が必要である。ここで、正規化過程は、同一のサイズのサブプリコーディングベクトルは同一の送信アンテナ数に対するPMIコードブックからプリコーダを選択できるように、プリコーディングベクトル又はプリコーディングベクトルの特定要素の値、サイズ及び/又は位相を当該PMIコードブックから選択するに適するように行う全ての過程を総称する。
例えば、PMIコードブックの最初の要素が0又は1となっていると、各サブプリコーディングベクトルの位相及びサイズを、そこに合わせて正規化することができる。以下では、m番目の区画に該当するサブプリコーディングベクトルui,mをαi,m値で正規化したと仮定し、正規化されたサブプリコーディングベクトル(normalized partitioned precoder;NPP)をvi,m=ui,m/αi,mと仮定する。このため、コードブックベースプリコーディングを考慮する時の区画化プリコーディングは、次の数式16のようにモデリングされる。
上記の数式16からわかるように、全体プリコーダ観点で、各αi,mはそれぞれのNPPを連結する値と解釈することができる。以下ではこの値を連結係数と呼ぶ。結果として、各区画化されたアンテナポートに対する正規化されたプリコーディング方式と、それぞれの正規化されたプリコーダを連結し得る連結係数を規定すると、全送信アンテナ(ポート)に対するプリコーディング方法を規定することができる。
i番目のレイヤに対するM個の連結係数をまとめてベクトル形態のai=[αi,1 αi,2・・・αi,M]Tのように定義することができる。以下、aiを「連結ベクトル」と呼ぶ。
連結ベクトルは、M個の値で構成されると表現することもできるが、連結ベクトルの最初の要素で正規化した後、残りM−1個の値で表現されるbiを連結ベクトルと見なすこともできる。すなわち、最初のNPPを基準に、残りM−1個のNPPの相対的な差を連結ベクトルとして下記の数式17のように定義することもできる。これは、全体プリコーディングベクトルui観点で、最初の要素は既に正規化されていると仮定する場合が多いためである。
万一、各送信レイヤが同数の区画化を行うとすれば、次の数式18の連結行列も定義することができる。また、各区画に対する行列形態のNPPも、次の数式19のように定義することができる。
この場合、全体プリコーディング行列は、拡張された連結行列と合算されたNPP行列(Vt)のアダマール積(Hadamard product)(又は、要素ごとの積(Element−wise product))であって、次の数式20のように表すことができる。
(拡張された)連結ベクトルと(拡張された)連結行列を総称してリンキング(linking)プリコーダという。ここで、プリコーダと命名することは、全体送信アンテナプリコーダを決定する一つの構成要素であるためである。リンキングプリコーダは、上記の数式20のように一つで構成されてもよいが、これに制限されない。例えば、連結ベクトル
に対して任意の区画化をさらに行って、複数のサブリンキングベクトル(sub−linking vector)を構成することができ、これによってサブリンキングプリコーダが定義されてもよい。以下では、説明の便宜上、単一リンキングプリコーダを仮定するが、リンキングプリコーダの区画化シナリオも排除しない。
上記の連結係数の表現時に、同一の区画の異なる送信レイヤに異なる連結係数が適用されるように表現したが、レイヤ別に同一の区画化を適用した場合、連結係数は、送信レイヤに独立して設定されてもよい。すなわち、全てのレイヤに対して同一の連結係数を設定することもできる。この場合、連結ベクトル間には
のような関係が成立する。この場合、リンキングプリコーダは、M個或いはM−1個の連結係数のみで表現することができる。
一方、MIMOプリコーディング方式は、閉ループ(closed loop)プリコーディング方式と開ループ(open loop)プリコーディング方式とに大別することができる。一般に、閉ループプリコーディング方式は、MIMOプリコーダ構成時に送受信機間のチャネルを考慮するため、送信機にとってMIMOチャネルを推定するためには端末のフィードバック信号の送信、パイロット信号の送信のような追加のオーバーヘッドが必要であるが、チャネルが正確に推定されると、開ループプリコーディング方式に比べて優れた性能を有する。したがって、閉ループプリコーディング方式は、チャネルに対する推定正確度が要求され、よって、送信機と受信機間のチャネル変化が大きくない静的な環境(例えば、低いドップラー拡散、低い遅延拡散が存在する環境)で主に用いられる。一方、開ループプリコーディング方式は、送受信機間のチャネル変化とMIMOプリコーディング方式間の相関関係がないため、送信機と受信機間のチャネル変化が大きい環境で閉ループ方式に比べて優れた性能を示す。
アンテナ数が非常に多いマッシブMIMO環境で閉ループプリコーディング方式を適用するためには、それぞれのサブプリコーダ及びリンキングプリコーダの情報が必要である。ここで、コードブックベースのフィードバックが適用されないと、リンキングプリコーダ情報は要求されなくてもよい。区画化方式によって、各サブプリコーダが経る有効チャネル及びリンキングプリコーダが経る有効チャネルの特性は互いに異なってもよい。
例えば、あるサブプリコーダが経るMIMOチャネルは、相対的に低いドップラー拡散特性を有するが、他のサブプリコーダが経るチャネルは高いドップラー拡散特性を有してもよい。他の例として、全てのサブプリコーダが経る有効チャネルは類似のドップラー特性を有するが、リンキングプリコーダが経る有効チャネルは、異なるドップラー特性を有してもよい。以下では、上記の分割プリコーディング環境で各区画化されたチャネル及びリンキングチャネル(linking channel)の特性に適応的にMIMO送信方式を最適化する分割ビームフォーミング(Fractional beamforming)方式を説明する。
<分割ビームフォーミング>
基地局は、各アンテナポート区画に対するプリコーダと各アンテナポート区画を連結するリンキングプリコーダの一部にのみ閉ループプリコーディングを行い、残りには次のいずれか一つのプリコーディング方式を適用することができる。
1.システムで規定したプリコーディング方式(以下、デフォルト(Default)プリコーディング)
2.基地局或いはネットワークであらかじめ指定したプリコーディング方式(以下、参照(Reference)プリコーディング)
3.基地局が無作為に決めたプリコーディング方式(以下、ランダム(Random)プリコーディング)
以下では、閉ループプリコーディングが適用される区画及び/又は連結係数の集合を制御空間、閉ループプリコーディングが適用されない区画及び/又は連結係数の集合を非制御空間と呼ぶ。
上記のシステムで規定したプリコーディング方式であるデフォルトプリコーディング方式は、非制御空間に対して送信するビームをシステムで規定して用いる方法を意味する。デフォルトプリコーディングは、任意の開ループプリコーディング方式に従うように規定することができる。デフォルトプリコーディングは、システム帯域幅、基地局送信アンテナ数、送信レイヤ数(又は、送信ランク)、基地局送信アンテナ構成(Nt_ν、Nt_h)、又は非制御方向の送信アンテナ数によって異なるように設定することができる。又は、これらのシステムパラメータによらず、特定ビームに設定することもできる。また、デフォルトプリコーディングは、全周波数帯域と時間にわたって固定されてもよく、特定時間リソース単位及び/又は周波数リソース単位に変化してもよい。
また、基地局或いはネットワークであらかじめ指定したプリコーディング方式である上記の参照プリコーディング方式は、基地局或いはネットワークが、非制御空間に対して適用するプリコーディング方式を端末に指定する方法を意味する。このため、非制御空間に対する参照プリコーディング情報が物理層或いは上位層メッセージで端末に伝達される特徴を有する。上記の参照プリコーディング情報は、非制御空間で適用されるMIMOプリコーダを明示的、暗示的に知らせ得る情報であればいずれも可能である。例えば、非制御空間送信アンテナ数に該当するPMIコードブックの特定インデックス(PMI)、非制御空間のMIMOプリコーディング行列の各要素の量子化された値、複数のMIMOプリコーディング方式のインデックスから選ばれた、送信に用いられるインデックスなどを、参照プリコーディング情報としてシグナルすることができる。
また、参照プリコーディングも、特定時間リソース単位或いは周波数リソース単位に変化してもよい。この場合、参照プリコーディングの時間/周波数リソース別変化パターンを複数個規定した後、該当の基地局或いはネットワークで用いる参照プリコーディングパターンインデックスを参照プリコーディング情報としてシグナルすることができる。或いは、時間/周波数リソース別変化パターンを誘導し得るランダム変数生成器のシード(seed)値を参照プリコーディング情報として用いることもできる。或いは、様々なプリコーディング方式(例えば、STBC、遅延ダイバーシチ(delay diversity)など)のうちいずれの方式を用いるかを、参照プリコーディング情報として用いることもできる。
なお、基地局が無作為に決めたプリコーディング方式であるランダムプリコーディング方式は、非制御空間に対して適用されるプリコーディング方式を、基地局が任意に決定して適用する方式を意味する。このため、デフォルトプリコーディング方式や参照プリコーディング方式とは違い、非制御空間に対して適用されるプリコーダを端末が知らないという特徴がある。一例として、基地局は、非制御空間に対して、特定時間リソース単位(例えば、OFDMシンボル)及び/又は周波数リソース単位(例えば、副搬送波)で無作為に変化するビームを送信することができる。
分割ビームフォーミング方式において、送信レイヤ別に独立した区画化及び分割ビームフォーミング方式を適用することができる。又は、全ての送信レイヤに対して同一の区画化及び分割ビームフォーミング方式を適用することもできる。
また、分割ビームフォーミング方式は、送信アンテナの一部のアンテナに対するフィードバック情報或いは連結係数に対するフィードバック情報の信頼性が低下したり、当該フィードバックが不要なチャネル環境の場合に非常に有用である。特に、一部のアンテナに対するフィードバック情報或いは連結係数に対するフィードバック情報の信頼性が低下する場合、フィードバック情報の誤りによる不要なパケット受信誤り及び再送信を防止することができ、フィードバックが不要な場合、フィードバックオーバーヘッドを最小化できるという長所がある。
<整合(Aligned)分割プリコーディング>
一部或いは全てのアンテナポート区画が同一のサイズを有し、該当の区画化されたアンテナアレイが類似の有効チャネル特性を有する場合、該当のNPPに同一のプリコーディング方法、すなわち、整合分割プリコーディングを適用することができる。
図16は、均一線形アレイにおいて整合分割プリコーディングを適用する例を説明する図である。
図16を参照すると、8個のアンテナで構成された均一線形アレイ(uniform linear array;ULA)において、1番目の区画は1,3,5,7番目のアンテナで構成され、2番目の区画は2,4,6,8番目のアンテナで構成されるとしよう。仮に、各アンテナ間の間隔が狭く、周辺にスキャッタ(scatterer)が多くないと、1番目の区画と2番目の区画は、リンキングプリコーダ成分に該当する両区画間の位相差を除けば、類似のMIMOチャネルを経る確率が高い。このような場合、両区画に同一のプリコーディング方式を適用するように設定する。
図17は、平板アレイ(square array)において列(column)ベース整合分割プリコーディングを適用する例を説明する図である。
図17を参照すると、Nt_ν個の行とNt_h個の列の形態であるNt(=Nt_ν×Nt_h)個のアンテナで構成された平板アレイにおいて、各列を一つの区画と設定する。万一、列間の距離が近く、Nt_hが大きくない環境では、全区画に同一のプリコーディング方式を適用するように設定することができる。ただし、リンキングベクトル(linking vector)はサブプリコーダと独立して設定される。
図18は、平板アレイにおいて行(row)ベース整合分割プリコーディングを適用する例を説明する図である。
図18を参照すると、Nt_ν個の行とNt_h個の列の形態であるNt(=Nt_ν×Nt_h)個のアンテナで構成された平板アレイにおいて、各行を一つの区画と設定する。万一、行間の距離が近く、Nt_νが大きくない環境では、全区画に同一のプリコーディング方式を適用するように設定することができる。ただし、リンキングベクトルはサブプリコーダと独立して設定される。
図19は、平板アレイにおいて行(row)グループベース整合分割プリコーディングを適用する例を説明する。
図19を参照すると、Nt_ν個の行とNt_h個の列の形態であるNt(=Nt_ν×Nt_h)個のアンテナで構成された平板アレイにおいて、N個の行で構成された行グループを一つの区画と設定する。行グループ間の距離が近く、Nt_νが大きくない環境では、全区画に同一のプリコーディング方式を適用するように設定するとができる。ただし、リンキングベクトルはサブプリコーダと独立して設定される。
図16乃至図19に例示したように、全区画のサイズが同一であり、全区画で同一のプリコーダを適用する(すなわち、
)とすれば、i番目のレイヤに対するプリコーダは、次の数式のように、リンキングプリコーダとサブプリコーダとのクロネッカー積(Kronecker product)と表現することができる。
また、図17に示したように、2次元アンテナポートアレイ環境で各列を区画とした場合、上記サブプリコーダVi又はVは垂直ビームフォーミング(又は、elevation beamforming)を行い、上記リンキングプリコーダai又はAは水平ビームフォーミング(又は、Azimuth beamforming)を行う。同様に、図18に示したように、2次元アンテナポートアレイ環境で各行を区画とした場合、上記サブプリコーダVi又はVは水平ビームフォーミングを行い、上記リンキングプリコーダai又はAは垂直ビームフォーミングを行う。
すなわち、図17の例示や図18の例示のように、2次元アンテナ(ポート)アレイ環境で行又は列方向に完全整合(perfectly aligned)分割プリコーディングを行う場合、3次元ビームフォーミングを行うプリコーダは、一つのサブプリコーダと一つのリンキングプリコーダで表現することができ、両プリコーダのうち、一つのプリコーダは垂直ビームフォーミングを行い、他のプリコーダは水平ビームフォーミングを行う。
このように完全整合分割プリコーディングが行われる環境で提案する分割ビームフォーミングを適用する場合、全区画に対するプリコーディングが一致した環境で、基地局はサブプリコーダとリンキングプリコーダのいずれか一つに閉ループプリコーディングを行い、残りにはデフォルトプリコーディング、参照プリコーディング及びランダムプリコーディングのいずれか一つを適用する。
図17及び図18に示したように2次元アンテナアレイの環境で3Dビームフォーミングを行う場合に有用である。3Dビームフォーミング、特に、端末特定(UE−specific)3Dビームフォーミングは、端末の水平的、垂直的位置と、3次元空間上のフェージング(fading)環境によって送信性能を最適化できるという長所がある。しかし、端末特定3Dビームフォーミングは閉ループプリコーディング方式であり、これを円滑に行うためには、基地局と端末間の正確なチャネル情報(CSI)が要求される。
したがって、基地局アンテナ数の増加及びビームフォーミング次数の増加によって、MIMO送信方式による性能最低値と最大値間の差がより大きくなるため、チャネル推定誤り、フィードバック誤り及びチャネルエージング(aging)などの基地局CSI推定誤りの要因による性能敏感度がより高くなる。基地局のCSI推定誤りが大きくない場合には、チャネルコーディングなどの効果によって正常の送信が行われうるが、その誤りが大きい場合にはパケット受信誤りが発生し、パケット再送信が起きるなどの深刻な性能低下が発生しうる。
例えば、基地局に対して水平方向に高速で移動している端末に3Dビームフォーミングを行うことは、パケット再送信を招く確率が高い。従来ではこのような端末に開ループプリコーディング方式を用いたが、この端末は垂直方向には静的なチャネルを経ることから、垂直ビームフォーミングを行うことが有利である。逆に、垂直方向に高速で移動している端末、或いは垂直方向にスキャッタリングが激しい環境下の端末には、水平ビームフォーミングを行うことが有利である。また、狭くて高いビルディング内に位置している端末には3Dビームフォーミングを行うが、基地局が水平ビームフォーミング方向を特定方向に固定することができる。すなわち、該当の端末には垂直ビームフォーミングのみのためにフィードバック情報を構成するように誘導し、フィードバックオーバーヘッドを減らすことができる。
したがって、分割ビームフォーミングを3Dビームフォーミング環境に適用すると、ユーザ環境に応じて2Dビームフォーミング(垂直ビームフォーミング又は水平ビームフォーミング)を行うことができる。このような側面から、本方式は、部分次元ビームフォーミング(partial dimensional beamforming)と呼ぶこともできる。例えば、2次元送信アンテナポートを有する基地局は、垂直プリコーダ及び水平プリコーダのいずれか一つに閉ループプリコーディングを行い、残りには、デフォルトプリコーディング、参照プリコーディング及びランダムプリコーディングのいずれか一つのプリコーディング方式を適用することができる。
上述したように、分割プリコーディング方式において各サブプリコーダ及びリンキングプリコーダを基地局のデータ送信観点で定義した。端末観点では、閉ループ方式が適用されるサブプリコーダ及びリンキングプリコーダと関連して、好むプリコーダに関する情報(PPI;preferred precoding index)を基地局に送信することができる。代表的なPPIで行列プリコーダをインデックス化した後、好むインデックスをフィードバックするPMIフィードバック方式を挙げることができる。
一部のフィードバック情報が区画及び/又は区画を連結する値で構成された単位に分離されると、基地局が端末に送信するパイロット信号も、特定アンテナポートの集合と関連付けることができる。このようなパイロット信号の集合をパイロットパターンという。代表のパイロットパターンとして、LTEシステムで用いる測定パイロット(measurement pilot)であるNZP(non−zero−power)CSI−RSリソース(又は、プロセス)がある。例えば、次のような区画、CSI−RS、及びPMIフィードバック間のマッピング関係を定義することができる。
A. Aligned unit of Partition & Pilot pattern & PMI feedback
1.(Partition)16個のアンテナポートで構成されたシステムにおいて、基地局は、16個のアンテナポートを8個のアンテナポート単位の2つの区画にして、その2つの区画で分割プリコーディングを行う。
2.(Pilot pattern)分割プリコーディングをサポートするために、基地局は、各区画に8tx NZP CSI−RSリソースを割り当てて送信する。すなわち、端末に2つのco−located NZP CSI−RSリソースを設定する。
3.(PMI feedback)端末は、2つのアンテナポート区画に対するPMI 1、PMI 2、及びPMI 1とPMI 2とを連結する連結係数値(例えば、リンキングプリコーダに対するPMI 3)をフィードバックする。
すなわち、各アンテナポート区画に対して別のNZP CSI−RSリソースを割り当てる場合、一つの基地局(又は、送信ポイント(transmission point))に属した複数のco−located(又は、同期化された)アンテナポート区画に対して、基地局は端末に複数のNZP CSI−RSリソースを設定することができる。このとき、CoMP送信などに用いられるnon−co−locatedアンテナポートパターンと上記co−locatedアンテナポートパターンとを区別するために、基地局はNZP CSI−RSリソース間のco−locationの有無をさらに知らせることができる。例えば、複数のNZP CSI−RSリソース間のQCL(quasi−co−location)条件を端末に知らせることができる。
パイロット送信単位とアンテナポート区画単位とが、上記の例のように、必ずしも一致するわけではない。例えば、1つの8tx CSI−RSリソースを設定した状態で、端末は2つの4tx区画に対するフィードバック情報を構成することもできる。また、アンテナポート区画単位とフィードバック単位も必ずしも一致するわけではない。特に、整合分割プリコーディングの場合、同一のプリコーディングを適用する区画に対しては共通のPPIフィードバック情報がフィードバックされてもよいため、複数の区画に対して一つのフィードバック単位が構成されてもよい。
B. Not aligned unit of Partition & Pilot pattern & PMI feedback
1.(Partition)アンテナポート区画化は、上記の図18と同一に構成されると仮定する。
2.(PMI feedback)フィードバック情報は、完全整合分割プリコーディングの場合を考慮して、全区画に対して共通に適用し得るPPI(以下、共通PPI)と連結係数値で構成する。この場合、区画単位とフィードバック単位は互いに異なると見なすことができる。
3.(Pilot pattern)パイロットパターン割り当て方法には様々なものがある。
図20乃至図22は、パイロットパターン割り当て方法を例示する。具体的に、図20に示すように、各区画別に別個のパイロットリソースを設定することもでき、図21に示すように、端末が共通PPIを計算できるように、最初の区画に一つのパイロットパターンを送信し、端末が連結係数値を計算できるように、リンキングプリコーダが適用されるアンテナポートに一つのパイロットパターンを送信することもできる。又は、端末が共通PPIと連結係数を一度で計算できるように、図22に示すように、一つのパイロットパターンのみを設定することもできる。
一方、上述したとおり、閉ループMIMOプリコーディングをサポートするためには、端末がパイロットを送信したりフィードバック情報を送信したりしなければならない。一般に、FDD(frequency division duplexing)システムでは上りリンクと下りリンクの周波数帯域が異なるため、端末がパイロットを送信し、上りリンクと下りリンク間のチャネル対称性を用いて基地局が下りリンクチャネルを推定する方法は好適でない。このため、端末はフィードバック情報を構成して送信することが好ましい。
フィードバック情報は、明示的(explicit)情報と暗示的(implicit)情報とに区別することができ、フィードバックオーバーヘッドを考慮してPPI(preferred precoder index)形態の暗示的情報を主に用いる。暗示的フィードバックで閉ループ区画プリコーディング(Closed loop Partitioned precoding)をサポートするためには、各区画プリコーダに関するPPI情報とリンキングプリコーダに関するPPI情報をフィードバック情報として構成することができる。
全区画のプリコーダが同一に設定される完全整合プリコーディング(perfectly aligned precoding)である場合を仮定し、図20のように、アンテナポート区画ごとに別個のパイロットパターンが送信される場合を考慮すると、端末は次のようにフィードバック情報を構成することができる。
1)QCL仮定が可能なパイロットパターンに共通して適用されるPPI
2)QCL仮定が可能なパイロットパターンに対するPPIを連結するための連結係数情報(例えば、リンキングプリコーダに対するPPI)
3)RI(Rank Indicator)
4)上記の1)乃至3)を適用した場合のCQI
上述したように、パイロットパターンはLTEシステムにおいてNZP CSI−RSリソース或いはCSIプロセスと解釈可能である。すなわち、LTEシステムにおいて一つのパイロットパターンとは、(1)一つのNZP CSI−RSリソース、(2)一つのCSIプロセス、又は(3)一つのCSIプロセス内に含まれた一つのNZP CSI−RSリソースを意味することができる。特に、(3)の場合、LTEシステムのようにCSIプロセス内には一つのNZP CSI−RSリソースだけが含まれる場合の他、一つのCSIプロセス内に複数のNZP CSI−RSリソースが含まれるように拡張される場合も考慮したものである。上記PPIは、プリコーダが行列形態である場合にはPMIと表現してもよい。
上記のフィードバック情報の構成は、端末が同一の送信ポイントで送信されてQCL仮定が可能なパイロットパターンに対してのみ選択的に適用可能である。端末が複数のパイロットパターン間にQCL仮定が可能か否かを判断できる方法の例は次のとおりである。
1.パイロットパターン間QCL仮定が可能か否かに関して基地局が端末に明示的或いは暗示的に知らせることができる。
例えば、複数のNZP CSI−RSリソース又は複数のCSIプロセスにQCL仮定が可能か否かを示す指示子を含めることができ、又はQCL仮定が可能なNZP CSI−RSリソースに関する情報をRRCシグナリングで別途に知らせることもできる。さらに、端末は単一CSIプロセス内に存在する複数のNZP CSI−RSリソースはいずれもQCL仮定が可能であると見なすことができ、この場合、基地局は、QCL仮定が可能なNZP CSI−RSリソースを単一CSIプロセス内で設定することが好ましい。
2.又は、端末が独自でパイロットパターン間QCL仮定が可能か否かを判断することができる。
例えば、それぞれのパイロットパターンに対して受信タイミングオフセット(timing offset)の差を算出してQCL仮定が可能か否かを判断することができる。具体的に、受信タイミングオフセットの差が閾値以内である場合に、QCL仮定が可能なパイロットパターンだと判断することができる。又は、各パイロットパターンから推定したチャネルの特性によってQCL仮定が可能か否かを判断することができる。具体的に、推定したチャネルの特性が類似している場合、QCL仮定が可能なパイロットパターンと判断することができる。
一方、端末は、上記の情報1)、すなわち、QCL仮定が可能なパイロットパターンに共通して適用されるPPIを、次のいずれか一方式によって用いることができる。
A)各パイロットパターンから推定したチャネルに共通に適用される共通PPI及び連結係数の候補をすべて適用し、これに基づいて最大の性能となる共通PPI及び連結係数集合を同時に選択する。すなわち、上記の情報1)及び上記の情報2)を同時に算出する方式である。
B)次に、パイロットパターン間の位相差はリンキング係数でまず適用した後、各パイロットパターンから推定したチャネルの平均を取って平均チャネルに対するPPIを算出する方法も考慮することができる。
C)最後に、各パイロットパターンに対するPPIをまず算出し、最終的な共通PPIをさらに算出することもできる。ここで、各パイロットパターンに対するPPIから共通PPIを求める方式として様々なものを用いることができる。例えば、PPIの平均値に最も近いPPI又はチャネル推定値に対する信頼度が最も高いPPIを共通PPIとして算出することができる。
一方、端末は、上記の情報2)を算出する際に、上記のA)のように情報2)と同時に算出することもでき、共通PPIをまず算出した後に共通PPIの性能を最適化する連結係数を算出することもできる。或いは、上記のB)のように各パイロットパターンの最初のパイロットから推定されたチャネルに基づいて優先的に連結係数を算出した後に共通PPIを算出することもできる。又は、共通PPIと連結係数が相互関連無しで独立して算出されてもよい。
さらに、上記の情報3)であるRIを算出する際には、各ランクによって最適化された情報1)及び2)を算出した後、性能を最適化できるRIを選択することが好ましい。もちろん、上記の情報4)は、最終的に選択された情報1)乃至情報3)を適用したCQI値を意味する。
2Dアレイ環境で行又は列方向にそれぞれパイロットパターンが送信される場合、上記の情報1)及び情報2)はそれぞれ、水平ビームフォーミングのためのPPI及び垂直ビームフォーミングのためのPPIに置き換えられてもよい。もちろん、上記の情報1)及び情報2)はそれぞれ、垂直ビームフォーミングのためのPPI及び水平ビームフォーミングのためのPPIに適用されてもよい。
同様に、全区画のプリコーダが同一に設定される完全整合プリコーディングである場合を仮定し、図21のように、アンテナポート区画ごとに別個のパイロットパターンが送信される場合を考慮すると、端末は次のようにフィードバック情報を構成することができる。
(1)各パイロットパターンに適用されるPPI
(2)RI(Rank Indicator)
(3)上記(1)及び(2)を適用した場合のCQI
この場合、端末は情報(2)を算出するために、各ランクに最適化されたPPIセットを探した後、各場合の送信性能を比較して最適のランクを算出することができる。
上述したとおり、3D MIMO環境で可能な全てのプリコーダ集合を構成して最適のPPI、RI、CQIを探す方法は、フィードバック情報構成のために非常に高いレベルの端末計算複雑度を要求するという短所がある。例えば、V−PPI(Vertical PPI)とH−PPI(Horizontal PPI)に対するコードブックがランク別にそれぞれNビットサイズで構成されていると仮定すれば、端末にとってはN2Rmaxだけのプリコーダ構成に対する送信品質(例えば、CQI、SNR、SINRなど)の計算及び比較過程が必要である。ここで、Rmaxは最大送信ランクを意味する。
図23は、端末がH−PMI及びV−PMIをフィードバックする場合、レイヤ間マッチングに不一致が発生する例を示している。
3Dビームフォーミングを行うプリコーダ設計時に、送信機が3次元空間で最適の方向に送信エネルギーを集中して、信号のエネルギーが受信機に集中するようにしなければならない。これをV−PMIとH−PMIとに分けて説明すると、図23に示すように、各レイヤが送信されるべき3D−PMI、すなわち、意図方向(desired direction)が与えられてもよい。ここで、L1及びL2はレイヤインデックスを表す。
V−PMI及びH−PMIは、端末及び基地局周辺の3次元無線環境に従属的である。このため、端末がレイヤ単位のV−PMIとH−PMIだけをフィードバックする場合には、最適の3D−PMIを表現することができない。又は、端末がレイヤ単位のV−PMIとH−PMIをそれぞれのドメインに転送して受信信号を得る場合には、端末の立場で最適の3D−PMIと全く異なる方向のV−PMI及びH−PMI対が求められうる。結局、各送信レイヤに対するV−PMIのL1及びL2とH−PMIのL1及びL2間のマッチング関係に不一致が発生することがあり、基地局は間違った方向にエネルギーを集中させて送信誤りを引き起こしうる。
このように、端末が行列形態のH−PMI及びV−PMIをフィードバックする場合に発生しうるレイヤ間マッチング不一致の問題を解決するために、レイヤ間マッチング或いはパーミュテーション情報をフィードバック情報に含めることができ、この場合、端末は
だけのプリコーダを構成して送信品質を比較しなければならない。ここで、‘r!’における‘!’は、階乗演算(factorial)を意味する。
マッシブ(massive)MIMO環境が発展するにつれて、プリコーダを構成する場合の数が増加し、アンテナ数も増える。このため、プリコーダ自体を構成してチャネル品質を求める計算量自体も大きく増加する。例えば、垂直アンテナの数(Nv)及び水平アンテナの数(Nh)をそれぞれ8とした時、端末は各プリコーダ構成に対して64個の送信アンテナに対するMIMOプリコーダを選択し、それに対する送信品質を算出しなければならない。
N個の送信アンテナ、M個の受信アンテナ及びr個の送信レイヤの個数に基づいてMIMOプリコーダを選択し、それに対する送信品質を算出する過程の複雑度をC(N,M,r)とすれば、上の例示で既存方式の複雑度は次の数式23及び数式24のとおりである。特に、数式23はレイヤパーミュテーションをサポートしない場合の複雑度であり、数式24はレイヤパーミュテーションをサポートする場合の複雑度である。
上述した2つの複雑度増加の要因、すなわち、プリコーダを構成する場合の数自体の増加及び各プリコーダ構成時に対する演算量増加、を最小限に抑えるために、本発明では簡略なフィードバック計算及び構成方式を提案する。以下、説明の便宜のために行列形態のPPIであるPMIを仮定して記述する。
<第1実施例>
本発明の第1実施例では、端末が下記の段階1乃至段階3によってPMI、RI及びCQIを計算することを提案する。
段階1:垂直方向チャネル及び水平方向チャネルに対するPMIとRIを独立して選択する。すなわち、{V−PMI,V−RI}及び{H−PMI,H−RI}を選択する。
段階2:次の数式25のように、3D−RI(r*)としてV−RI及びH−RIのうち大きい値を決定する。
段階3:V−RI及びH−RIのうち小さい値に該当するドメインxに対してx−RI(すなわち、V−RI及びH−RIのいずれか一つ)をr*と設定し、大きい値に該当するドメインyに対してy−PMI(すなわち、H−PMI及びV−PMIのいずれか一つ)は段階1で求めた値と固定された条件下で、x−PMIを再び探す。
段階1で垂直方向チャネル及び水平方向チャネルは、図20のような形態のパイロット送信時に、QCL仮定が可能なパイロットで推定されたチャネル(又はチャネルの平均値)、及びQCL仮定が可能なパイロットの間に特定アンテナポートの組み合わせで構成された(連結係数に該当する)チャネル(又は、特定アンテナポートの組み合わせで構成されたチャネルの平均値)と再解釈することができる。段階1で垂直方向チャネル及び水平方向チャネルは、図21のような形態のパイロット送信時に、QCL仮定が可能な各パイロットで推定されたチャネルと再解釈することができる。上記パイロット送信方式によれば、垂直ドメインと水平ドメインは端末によって区分されなくてもよい。この場合、V−PMI/H−PMIに代えて、パイロットパターン#1のためのPMI及びパイロットパターン#2のためのPMIの形態で表現してもよく、RIも同様に適用することができる。
段階1で垂直方向チャネル及び水平方向チャネルに対してPMI、RIをそれぞれ探すので、既存演算方式をそのまま適用することができる。段階1で要求される複雑度は次の数式26のとおりである。
段階2で、3D−RIをV−RI及びH−RIの最大値とする理由を、図24を参照して説明する。
図24は、3次元受信レイクラスタ(ray cluster)環境の例を図示する。
図24を参照すると、3個のドミナント(dominant)なレイクラスタが存在する環境に端末が存在すると仮定してみよう。同図で、クラスタ#2とクラスタ#3は同じ垂直方向位置(又は垂直方向角度)に位置するが、互いに異なる水平方向位置(又は水平方向角度)を有する。このため、垂直方向チャネルで測定したRIは2である確率が高く、水平方向チャネルで測定したRIは3である確率が高い。この時、3次元チャネルで測定したRIは3であろう。
図24の例示は、実際に無線通信環境でしばしば発生しうる。NLOS(Non−Line Of Sight)環境で低い建物の後にユーザが存在する場合、建物の上から屈折して入る成分(クラスタ#1)と、建物の左右を回って入る成分(クラスタ#2、クラスタ#3)が存在しうる。図24では、3D−RIがV−RI及びH−RIのうち大きい値と一致する例を挙げているが、同じ方向に一層多いクラスタが存在することもあるため、実際には3D−RI≧max(V−RI,H−RI)の関係が成立する(例えば、垂直方向位置x及び水平方向位置zに存在するクラスタ#4)。しかし、最大値に該当する3D−RIを測定するためには3Dチャネルをすべて構成する過程が必要であるため、提案方式では3D−RI値をmax(V−RI,H−RI)と同一に設定する。
段階3では、V−RI及びH−RIのうち小さい値に該当するドメインxに対してx−RI=r*(段階2で決定した値)であり、V−RI及びH−RIのうち大きい値に該当するドメインをyとすれば、y−PMIは段階1で探した値を使用する条件下で全3Dチャネルを構成してx−PMIを探す。この時に必要な演算量、すなわち、フィードバック情報構成複雑度は、3D−RIをr*(1≦r*≦Rmax)とするとき、次の数式27のとおりである。
ただし、様々なレイヤマッチング関係をサポートする際には、次の数式28のようなフィードバック情報構成複雑度を有する。この場合、最適のレイヤパーミュテーション関係に関する情報がフィードバック情報に含まれてもよい。
したがって、上記の数式27乃至数式28によれば、本発明は、次の数式29及び数式30のようなフィードバック情報構成複雑度を有する。特に、数式29はレイヤパーミュテーションをサポートしない場合の複雑度であり、数式30はレイヤパーミュテーションをサポートする場合の複雑度である。
上記の数式29及び数式30をそれぞれ既存方式の複雑度である数式23及び数式24と比較すれば、顕著な複雑度減少効果があることが分かる。ただし、レイヤパーミュテーションをサポートし且つr*が大きい場合、段階3で要求される演算量は依然として大きいだろう。したがって、段階3で演算量をさらに減少させるために、次の方法のいずれかを適用することが好ましい。
(1)x−PMIに含まれるレイヤ(すなわち、プリコーディング行列の列又は行)は、段階1で求めたx−PMIのレイヤだけで構成する。
(2)x−PMIに含まれるレイヤ(プリコーディング行列の列又は行)には、段階1で求めたx−PMIのレイヤを含める。
(3)段階1で各ランク別推奨(preferred,選好)PMIを保存した後、段階3でx−PMIにはr*に該当する推奨PMI値を適用する。
(4)x−PMIに含まれるレイヤは、段階1で求めたx−PMIのレイヤと(r*− x−RI)に該当するランクに該当するx−PMIのレイヤで構成する。
上記の方法(1)は、図24のように、RI値が相対的に小さいドメインにおける推奨プリコーディングベクトルは重複して用いられる傾向があることに起因する。この方法(1)を用いると、レイヤパーミュテーションをサポートしない場合、いずれのレイヤに該当するベクトル又は行列を追加するかだけを決定すればいい。
例えば、段階1で求めたx−PMI=[a b](a及びbは、N×1列ベクトルであって、各レイヤに対するプリコーディングベクトルである。)であり、段階2で求めたr*=3である場合、段階3で可能なプリコーディング行列は、次の数式31及び数式32のとおりである。数式31はレイヤパーミュテーションをサポートしない場合であり、数式32はレイヤパーミュテーションをサポートする場合である。
数式31及び数式32を説明すると、比較対象であるプリコーダの場合の数が非常に減ったことが分かる。
また、上述した方法(1)の適用時に、段階3で増加したランクに該当する新しいインデックス(x−PMI)の代わりに、段階1で求めたx−PMIと共に、足りないレイヤ数に該当する分のベクトル/行列に対するインデックスをさらにフィードバックする方式を適用することができる。この場合、ランク3に該当する新しいインデックスを探して送るのではなく、段階1で求めたランク2に該当するインデックスと共に、ランク3送信時に追加されるレイヤに該当するインデックス、すなわち、ランク1に該当するPMIインデックスをフィードバックすることができる。追加されるベクトル/行列に対するインデックスの他の例として、x−PMIにおける重複して用いられる行又は列インデックスをビットマップ化して構成する方法も考慮することができる。一例として、上記の例で追加されるベクトルがaであれば[10]、bであれば[01]を送信することができる。
方法(2)は方法(1)と違い、追加されるレイヤに該当するベクトル又は行列の候補範囲をさらに広めて、方法(1)に比べて複雑度は多少上昇するものの、性能を高めようとしたり、又はレイヤプリコーダ間直交性を維持して、高いランクに該当するコードブックへの適用を容易にするために適用可能な方法である。方法(2)の適用時にも、上述と同様に、足りないレイヤ数に該当する分のベクトル/行列に対するインデックスをさらにフィードバックする方式を適用することができる。
方法(3)は、段階3でNv×Nhサイズの行列に対する送信品質計算過程を完全に省略する際に用いることができる。すなわち、最も容易な実装を可能にするが、他の方式に比べて性能は劣る方法である。
方法(4)は、方法(1)や方法(2)のように、段階1で求めたx−PMIのレイヤプリコーディングベクトルを含み、増加したランク(r*−x−RI)に該当するレイヤプリコーディングベクトルは、段階1で当該ランクに該当する推奨PMIを使用する方法である。図24を参照すると、垂直ドメインに対して追加されるレイヤプリコーディングベクトルは垂直ドメインにおいてランク1における推奨PMIと一致する確率が高い(図24で垂直方向位置yに該当)。方法(4)は、これに着目して複雑度をより一層減らした方法である。方法(4)を用いると、レイヤパーミュテーションをサポートしない場合、段階3でNv×Nhサイズの行列に対する送信品質計算過程を完全に省略することができる。ただし、レイヤパーミュテーションをサポートする際には、Nv×Nhサイズの行列に対する送信品質計算過程が必要である。この方法も方法(1)や方法(2)と同様に、足りないレイヤ数に該当する分のベクトル/行列に対するインデックスをさらにフィードバックする方式を適用することができる。
<第2実施例>
本発明の第1実施例は、実際の無線環境に最適化して、高いランクを維持するとともに計算複雑度を減らすための方法である。しかし、第1実施例には、追加されたレイヤに対する計算過程が必要であるという限界が存在する。本発明の第2実施例では、送信効率の減少があっても複雑度をより一層減らすために、端末が次の段階1乃至段階3のようにPMI、RI及びCQIを計算することを提案する。
段階1:垂直方向チャネル及び水平方向チャネルに対するPMI及びRIを独立して選択する。すなわち、{V−PMI,V−RI}及び{H−PMI,H−RI}を選択する。
段階2:次の数式33のように、3D−RIをV−RI及びH−RIのうち小さい値と決定する。
段階3:V−RI及びH−RIのうち大きい値に該当するドメインyに対してy−RI=r*であり、小さい値に該当するドメインxに対してx−PMIは段階1で求めた値と固定された条件下で、y−PMIを再び探す。
段階1で垂直方向チャネル及び水平方向チャネルは、図20のような形態のパイロット送信時に、QCL仮定が可能なパイロットで推定されたチャネル(又はチャネルの平均値)、及びQCL仮定が可能なパイロット間に特定アンテナポートの組み合わせで構成された(連結係数に該当する)チャネル(又は、特定アンテナポートの組み合わせで構成されたチャネルの平均値)と再解釈することができる。段階1で垂直方向チャネル及び水平方向チャネルは、図21のような形態のパイロット送信時にQCL仮定が可能な各パイロットで推定されたチャネルと再解釈することができる。上記パイロット送信方式によれば、垂直ドメイン及び水平ドメインは端末によって区分されなくてもよい。この場合、V−PMI/H−PMIに代えて、パイロットパターン#1のためのPMI及びパイロットパターン#2のためのPMIの形態で表現してもよく、RIも同様に適用することができる。
ただし、第2実施例では、上述した第1実施例における段階2及び段階3の過程が変更されたことが分かる。
具体的に、段階2では、図24の3つのクラスタの中から2つだけを選択する形態でプリコーダを構成する。すなわち、クラスタ#1及びクラスタ#2、或いはクラスタ#1及びクラスタ#3の形態の組み合わせだけを用いてデータをランク2送信する。段階3では、RIが相対的に大きかったドメインに該当するプリコーディング行列を、小さいRIを有するドメインに該当するプリコーディング行列に変更する過程を行う。この時、フィードバック情報構成複雑度は次の数式34及び数式35のとおりである。特に、数式34はレイヤパーミュテーションをサポートしない場合の複雑度であり、数式35はレイヤパーミュテーションをサポートする場合の複雑度である。
上記の数式34及び数式35を説明すると、第1実施例ではr*=max(V−RI,H−RI)だったのに対し、第2実施例ではmin(V−RI,H−RI)であるから、段階3で複雑度が低くなるという長所がある。この場合にも同様に、段階3の更なる複雑度の減少のために、次の方法のいずれかを適用することができる。
(1)y−PMIに含まれるレイヤ(プリコーディング行列の列又は行)は、段階1で求めたy−PMIのレイヤの一部で構成する
(2)段階1で各ランク別推奨PMIを保存した後、段階3でy−PMIにはr*に該当する推奨PMI値を適用する
上記の方法(1)は、段階1で求めたレイヤプリコーディングベクトルの一部だけを用いてプリコーディング行列を構成する方法である。これは、図24で観察された結果に起因する。この場合、減ったランクに該当するPMIをフィードバックする代わりに、削除されるレイヤに該当するベクトル或いは行列のインデックスをフィードバックすることができる。
上記の方法(2)は、第1実施例の方法(3)と同様に、Nv×Nhサイズの行列に対する送信品質計算過程を完全に省略する際に用いることができる。
<第3実施例>
一方、上記第1実施例又は上記第2実施例を適用し、追加或いは削除されるレイヤに対するインデックスフィードバックを行う場合、端末のフィードバック構成の例は次のとおりである。
(a)V−PMI/V−RI(段階1の計算結果)
(b)H−PMI/H−RI(段階1の計算結果)
(c)追加される(Additive)又は除去される(Subtractive)PMI
(d)3D−RI又は追加/除去されるRI
(e)CQI(段階3後に計算)
これらの情報は、別個の上りリンクチャネル或いはリソースで別個の特性(例えば、周期的/非周期的、フィードバック周期、送信時点オフセット)によってフィードバックされるように規定或いは設計することができる。また、情報(d)は、情報(a)及び情報(b)から基地局が類推できるため、省略可能である。或いは情報(d)は情報(c)と共にPMI/RI対(pair)の形態でインデクシング(indexing)して共に構成することができる。
また、端末が情報(a)及び情報(b)を既存の方法と同じ方式及び計算量で計算してまずフィードバックできるようにし、同時にアンテナ数の多い3Dチャネルを構成し、関連した計算を行って導出された情報である情報(c)及び情報(d)を、情報(a)及び情報(b)と独立してフィードバックできるようにする。したがって、段階3で要求される計算量が大きい場合、情報(a)及び情報(b)をまず計算及びフィードバックし、連続して情報(c)と情報(d)をフィードバックするようにしてもよい。
実際に無線通信システムにおいて第1実施例及び第2実施例のいずれかを選択的に適用してもよいが、両方を用いてもよい。すなわち、端末は、第1実施例で提案した方式によってV−RI及びH−RIのうちの高い値に基づいて最終的なCQIを求め、第2実施例で提案した方式によってV−RI及びH−RIのうちの低い値に基づいて最終的なCQIを求めた後、両者を比較して最終的なPMI、RI、CQI集合を求めることができる。又は、端末は両方法をすべて適用しフィードバックを行って、基地局が選択的に送信ランク及びプリコーダを選択するようにしてもよい。
上記のPMI/RI/CQIの計算は、全周波数バンド、或いは基地局が選択したり又は端末が選択したサブバンド単位で行うことができる。また、CQIは、コードワードごとに独立して計算及び適用することができる。
上記の提案方法は、複数のセル或いは送信ポイント協調通信環境或いはキャリアアグリゲーション(搬送波集成)環境で、セル或いは送信ポイント別或いは搬送波別CQI/PMI/RIを計算する際に適用可能である。
図25は、本発明の一実施例に係る通信装置のブロック構成図である。
図25を参照すると、通信装置2500は、プロセッサ2510、メモリ2520、RFモジュール2530、ディスプレイモジュール2540、及びユーザインターフェースモジュール2550を備えている。
通信装置2500は説明の便宜のために示されたものであり、一部のモジュールは省略されてもよい。また、通信装置2500は必要なモジュールをさらに備えてもよい。また、通信装置2500において一部のモジュールはより細分化したモジュールに区分されてもよい。プロセッサ2510は、図面を参照して例示した本発明の実施例に係る動作を実行するように構成される。具体的に、プロセッサ2510の詳細な動作は、図1乃至図24に記載された内容を参照することができる。
メモリ2520は、プロセッサ2510に接続し、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラムコード、データなどを格納する。RFモジュール2530は、プロセッサ2510に接続し、基底帯域信号を無線信号に変換したり、無線信号を基底帯域信号に変換する機能を果たす。そのために、RFモジュール2530は、アナログ変換、増幅、フィルタリング及び周波数アップコンバート(変換)又はこれらの逆過程を行う。ディスプレイモジュール2540は、プロセッサ2510に接続し、様々な情報をディスプレイする。ディスプレイモジュール2540は、特に制限されるものではなく、LCD(Liquid Crystal Display)、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)のような周知の要素を用いることができる。ユーザインターフェースモジュール2550は、プロセッサ2510に接続し、キーパッド、タッチスクリーンなどのような周知のユーザインターフェースの組み合わせで構成可能である。
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりできるということは明らかである。
本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語にしてもよい。
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって実装することができる。ハードウェアによる実装では、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって実装することができる。
ファームウェアやソフトウェアによる実装では、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態で実装されてもよい。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動可能である。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化できるということが当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。