JP6230380B2 - 遮水構造体およびそれを形成する方法 - Google Patents
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Description
本発明は次の(1)〜(9)である。
(1)表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在する既設構造物の表面に設置する遮水構造体であって、
前記既設構造物の表面に密着し、その一部が前記亀裂の内部にまで浸透している水中硬化型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂層と、
前記エポキシ樹脂層と密着する型枠Xと、
を有する遮水構造体。
(2)表面に亀裂が形成されており、表面の一部に水が存在する既設構造物の表面に設置する遮水構造体であって、
前記既設構造物の表面における水が存在していた部分に密着し、その一部が前記亀裂の内部にまで浸透している水中硬化型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂層と、
前記エポキシ樹脂層と密着する型枠Xと、
を有し、さらに
前記既設構造物の表面における水が存在していない部分に密着するウレタン樹脂層と、
前記ウレタン樹脂層に密着するモルタル層と、
前記モルタル層に密着する型枠Yと、
を有する遮水構造体。
(3)前記水中硬化型エポキシ樹脂の密度が2g/cm3以上、粘度が4000mPa・s以下、可使時間が30分以上である、上記(1)または(2)に記載の遮水構造体。
(4)前記型枠Xおよび/または前記型枠Yの剛性が150kN/mm以上である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の遮水構造体。
(5)前記エポキシ樹脂層がグリッド材を含んでいる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の遮水構造体。
(6)表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在する既設構造物の表面に遮水構造体を形成する方法であって、
前記既設構造物の表面と間隔Laを保つように、スペーサーを介して、下部に注入口を有する型枠Xを設置する型枠設置工程[1]と、
前記既設構造物の表面と前記型枠Xとの間に形成された隙間αへ、前記注入口から水中硬化型エポキシ樹脂を充填する、エポキシ樹脂充填工程と、
を備える遮水構造体を形成する方法。
(7)表面に亀裂が形成されており、表面の一部に水が存在する既設構造物の表面に遮水構造体を形成する方法であって、
前記既設構造物の表面における水が存在していた部分と間隔Laを保つように、スペーサーを介して、下部に注入口を有する型枠Xを設置する型枠設置工程[1]と、
前記既設構造物の表面における水が存在していた部分と前記型枠Xとの間に形成された隙間αへ、前記注入口から水中硬化型エポキシ樹脂を充填する、エポキシ樹脂充填工程と、
を備え、さらに、
前記既設構造物の表面における水が存在していない部分にウレタン樹脂層を形成するウレタン樹脂層形成工程と、
前記ウレタン樹脂層と間隔Lbを保つように、スペーサーを介して型枠Yを設置する型枠設置工程[2]と、
前記隙間β内へモルタルを充填するモルタル充填工程と、
を備える遮水構造体を形成する方法。
(8)前記エポキシ樹脂充填工程において、前記隙間α内に水が残存しないように、電気抵抗測定装置を用いた管理を行う、上記(6)または(7)に記載の遮水構造体を形成する方法。
(9)前記既設構造物の表面にハツリ・ブラスト処理を施し、その後、その表面の修復処理を行わないで、前記型枠設置工程[1]と前記エポキシ樹脂充填工程とを行う、上記(6)〜(8)のいずれかに記載の遮水構造体を形成する方法。
本発明は、表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在する既設構造物の表面に設置する遮水構造体であって、前記既設構造物の表面に密着し、その一部が前記亀裂の内部にまで浸透している水中硬化型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂層と、前記エポキシ樹脂層と密着する型枠Xと、を有する遮水構造体である。
このような遮水構造体を、以下では「本発明の構造体」ともいう。
このような遮水構造体を形成する方法を、以下では「本発明の方法」ともいう。
本発明における既設構造物について説明する。
本発明において既設構造物は、表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在するものである。例えば海洋護岸やトンネルが既設構造物に該当する。
このような海洋護岸1は、表面11に亀裂7が形成されており、表面11の表面の少なくとも一部に水(海水)が存在するものであり、本発明における既設構造物に該当する。
亀裂7が生じると、その亀裂7を通じて陸3から海5へ地下水が流れ出る可能性があるため、これを防止するための補修を行う必要がある。
ここで本発明の構造体は、水(海水)が存在する表面11に設置する。
また、本発明の方法では、水(海水)が存在する表面11に、本発明の構造体を形成する。
このようなトンネル13は、表面19に亀裂21が形成されており、表面19の表面の少なくとも一部に、亀裂21からトンネル13の内部側へ流れ出た地下水23が存在するものであり、本発明における既設構造物に該当する。
図2に示すように、亀裂21を通じて地下水がトンネル内部側へ流れ出た場合(または流れ出る可能性がある場合)、これを補修する必要がある。
ここで本発明の構造体は、地下水23が存在する表面19に設置する。
また、本発明の方法では、地下水23が存在する表面19に、本発明の構造体を形成する。
本発明の方法について説明する。本発明の方法は、上記のような既設構造物における、亀裂が形成されていて、少なくとも一部に水が存在する表面に、本発明の構造体を設置する方法である。
本発明は以下に詳細に説明する型枠設置工程[1]およびエポキシ樹脂充填工程を備える。
本発明の方法が備える型枠設置工程[1]について、図3および図4を用いて説明する。図3は、既設構造物の表面にスペーサーおよび型枠Xを設置した状態を示す概略断面図であり、図4は、図3と同様の、既設構造物の表面にスペーサーおよび型枠Xを設置した状態を、型枠X側から見た概略図である。
このような役割を果たすものであれば、スペーサー37の大きさ、形状、材質等は特に限定されない。
スペーサー37はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンまたはポリスチレンからなる発泡体であることが好ましい。
間隔Laは5〜30mmであることが好ましく、10〜20mmであることがより好ましい。
なお、既設構造物31の表面33と型枠Xの主面とを厳密に平行することは困難である。よって、間隔Laは、既設構造物31の表面33と型枠Xの主面と間隔の平均値を意味するものとする。
型枠Xは板状であってその主面間を貫通する孔(注入口43)を形成したものであることが好ましい。
型枠Xの材質や厚さは特に限定されないが、剛性が150kN/mm以上の部材であることが好ましい。ここで剛性はヤング率×断面二次モーメントから求められる。
型枠Xは鋼材、FRP、モルタルボードであることが好ましい。
なお、後述するようにエポキシ樹脂層の中にグリッド材を含ませた場合、型枠Xの剛性は低くてもよい。グリッド材(炭素繊維等)は高いヤング率を保持し、且つコンクリートへの付着構成物であるため、剛性補強ができる。
本発明の方法が備えるエポキシ樹脂充填工程について、図5を用いて説明する。図5は、既設構造物およびその表面に設置した本発明の構造体の概略断面図である。図5は、図3に示した、既設構造物31の表面33にスペーサー37および型枠X39を設置した状態について、さらにエポシキ樹脂を充填した後の状態を示している。
図6は、図4に示した、既設構造物の表面にスペーサーおよび型枠Xを設置した状態について、さらにエポシキ樹脂を充填した後の状態を型枠X側から見た概略図である。図6において端部分を47と記している。図6に示すように、電気抵抗測定装置49のプラス極およびマイナス極に電気的に繋いだ配線を隙間α41へ充填したエポキシ樹脂45内に挿入して、電極間の電気抵抗を測定すると、電極間にエポキシ樹脂が存在するか、水が存在するかを把握することができる。
ここで密度は3g/cm3以下であることが好ましい。充填時の水との置換とひび割れ充填性を課題としており、密度が高くなると樹脂成分が低く、充填顔料との分離、ひび割れ部への充填性が低下することから、3g/cm3以下が好ましい。密度が2g/cm3に近いと水置換性とひび割れ追従性(伸び)が良好になり好ましい。なお、密度はJIS K 6833に規定される方法で測定される値(条件:20℃)を意味するものとする。
また、粘度は2000mPa・s以下であることが好ましい。また、500mPa・s以上であることが好ましく、1000mPa・s以上であることがより好ましい。水置換性とひび割れ浸透性が良好となるからである。また、充填時の水との置換とひび割れ充填性を課題としており、粘度が低いと水との混合が発生し、粘度が高いとひび割れ充填性が落ちることから、粘度は2000mPa・s以下で且つ500mPa・s以上が好ましい。なお、粘度はJIS K 6833に規定される方法で測定される値(条件:20℃)を意味するものとする。
可使時間は60分以下であることが好ましい。上記粘度の場合、ひび割れ浸透性と下端シール性の兼ね合いより、30分程度であることが好ましい。なお、可使時間とは、温度上昇法(条件20℃、300g)によって測定される粘度が2倍なるまでの時間を意味する。
グリッド材とはFRP格子筋であることが好ましく、炭素繊維やFRPの棒状の材料を縦横に交差固定されたものであることが好ましい。
ここで、本発明の方法では水(海水)が存在しない部分53について、水(海水)が存在する部分51とは異なる構造体を形成してもよい。すなわち、水(海水)が存在する部分51については、上記のような型枠設置工程[1]とエポキシ樹脂充填工程とを施し、水(海水)が存在しない部分53については、後述するウレタン樹脂層形成工程と、型枠設置工程[2]と、モルタル充填工程とを施すことができる。
これらの工程について、以下に図8を用いて説明する。
ウレタン樹脂層形成工程について説明する。
ウレタン樹脂層形成工程は、前記既設構造物の表面における水が存在していない部分にウレタン樹脂層を形成する工程である。
ウレタン樹脂層は、既設構造物61の表面における水が存在していない部分(例えば図7において53で示される部分)にポリウレタン系樹脂を吹き付け等して形成することができる。ポリウレタン系樹脂は、一液湿気硬化型を用いてもよいし、二液反応型を用いてもよい。具体的には、スプレーガンを用いた吹き付けによって形成することが好ましい。より具体的には、イソシアネート成分とポリオール成分を混合してなる硬化性混合物を吹きつけし、この混合物からなるウレタン樹脂層63を形成することができる。
ウレタン樹脂層63の厚さは、0.5mm以上、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上とすることができる。
型枠設置工程[2]について説明する。型枠設置工程[2]は、ウレタン樹脂層63と間隔Lbを保つように、スペーサー65を介して型枠Y67を設置する工程である。
この工程は、前述の型枠設置工程[1]と同様であってよい。スペーサー65も同様であってよい。ただし、型枠Y67は、型枠Xが有するような注入口を有さなくてもよい。また、型枠Y67は注入口を有してもよいが、型枠Xのように下部に有する必要はなく、例えば上部に有していてもよい。
モルタル充填工程について説明する。モルタル充填工程は、隙間β69内へモルタルを充填する工程である。
夏場には直射日光を受けて約60℃となり、冬場には約0℃となる環境下において、コンクリート等に形成されたひび割れの幅は変動する可能性がある。このようなひび割れを有する躯体に本発明の水中硬化型エポキシ樹脂を塗布し、そのひび割れの中に本発明の水中硬化型エポシキ樹脂を浸透させた場合、それに不具合が生じないことが必要である。
そこで、ひび割れを模擬して形成した間隙を有する表面に、本発明の水中硬化型エポシキ樹脂を塗布してなる試験体を作成し、そのひび割れ追従性を試験した。
さらに、水中硬化型エポキシ樹脂の代わりにポリウレタン系樹脂を用いた同様の試験も行った。なお、ポリウレタン系樹脂を塗布する際はCVスプレー工法を適用した。CVスプレー工法は特開2008−142703号に記載されている工法である。
初めに、2つの鋼材72および木材74を用意した。鋼材72は、各々、角管である。そして、それら各々の端面を略平行に、かつ、それらの端面の間に約1mm幅の間隙76が存するように木材74の主面上に配置し、接着剤を用いて接着した。ここで約1mm幅の間隙76が、ひび割れを模擬している。
また、水中硬化型エポキシ樹脂の代わりにポリウレタン系樹脂を用いた同様の試験においても、ポリウレタン系樹脂は鋼材72に密着した状態を保ち、また、亀裂等は無く、何らの不具合も発生していないことが確認できた。
ひび割れから水が排出されている躯体の表面に本発明の水中硬化型エポキシ樹脂を塗布した場合、その水中硬化型エポキシ樹脂からなる層(エポキシ樹脂層)は躯体側から水圧を受けることになる。この水圧を受けた場合であってもエポキシ樹脂層は躯体に密着した状態を保持する必要がある。
そこで、これを確認するため、外水圧性能確認試験を行った。さらに、水中硬化型エポキシ樹脂の代わりにポリウレタン系樹脂を用いた同様の試験も行った。なお、ポリウレタン系樹脂を塗布する際はCVスプレー工法を適用した。
初めに、図10に示すフェンスブロック80を用意した。フェンスブロック80は、150mm×150mm×400mmの大きさの直方体のコンクリートからなる塊の内部に、円筒状の孔82を形成したものである。孔82の直径は65mmである。孔82は一方の端面84からフェンスブロック80の長手方向に形成されているが、他方の端面86までには到達していない。すなわち端面86に孔は形成されておらず、端面86の壁厚(端面86の表面と孔82との壁厚)は45〜74mmである。よって、フェンスブロック80を図10に示すように配置した場合、孔82には水を貯めることができる構造となっている。また、図10に示すように配置した場合の下面(他方の端面86)から約40〜約60mmの高さの付近に、直径5mmの孔88が形成されている。孔88は各面に3個ずつ、4面に形成されている。孔88を形成した箇所におけるフェンスブロック80の壁厚は45mmである。
その結果、15日間経過後であっても、エポキシ樹脂層90はコンクリート製のフェンスブロック80へ密着した状態を保っており、試験体100の内部の水が、エポキシ樹脂層90とフェンスブロック80との間から漏水することはなかった。
また、水中硬化型エポキシ樹脂の代わりにポリウレタン系樹脂を用いた同様の試験においても同様の結果であった。すなわち、15日間経過後であっても、ポリウレタン系樹脂の層はコンクリート製のフェンスブロック80へ密着した状態を保っており、試験体100の内部の水が、ポリウレタン系樹脂の層とフェンスブロック80との間から漏水することはなかった。
浸透性試験について、図12を用いて説明する。
屋外に15年暴露されたコンクリート角(100mm×100mm、長さ150mm)を2つ(102、104)用意し、これらを並べるように水平面上に配置した。ここで、コンクリート角の各々が有する長手方向の面(4面)のうちの1面が水平面に接するように配置した。また、各々の長手方向の1面が対向し、これらの面の間隔105が0.25mmとなるように配置した。水平面上において間隔105の部分を塞ぐようにシールした。
次に水平面上に配置した2つのコンクリート角の側面を覆うように、4つのアクリル板106(厚さ1.0mm)を配置した。ここでアクリル板の上部が30mm上側へ飛び出すように配置した。
さらに、1つのアクリル板106に注入口108を形成した。この注入口108は隙間105へ通じている。
そして、隙間105を水で湿らせた後、注入口108を通じて隙間108へ水中硬化型エポキシ樹脂(NTAC−SGR、日本シーカ社製)を充填して、コンクリート間隙への
充填性を確認した。
その結果、問題なく充填されることを確認した。
JIS A 6909に準拠する建研式密着力測定を行った。具体的には、コンクリート平板(200mm×200mm、厚さ50mm)を用い、これを水槽に水没させた状態で、この表面に水中硬化型エポキシ樹脂(NTAC−SGR、日本シーカ社製)の層を形成した。そして、48時間当該水槽中で養生後、水槽から取り出し、引張ジグ(4cm×4cm)を接着させ、且つ当該ジグの大きさにて水中硬化型エポキシ樹脂をコンクリートに到達するように縁切り加工を施した。そして、引張ジグを垂直に引き上げた状態にて水中硬化型エポキシ樹脂が剥離する加重を測定したところ、1.9〜3.7N/mm2の高値密着力が発現し、且つ剥離破壊形態は全てコンクリートの凝集破壊であった。
さらに、水中硬化型エポキシ樹脂の代わりにポリウレタン系樹脂を用いた同様の試験も行った。なお、ポリウレタン系樹脂を塗布する際はCVスプレー工法を適用した。その結果、水中硬化型エポキシ樹脂の場合と同様の結果であった。すなわち、引張ジグを垂直に引き上げた状態にてポリウレタン系樹脂が剥離する加重を測定したところ、1.9〜3.7N/mm2の高値密着力が発現し、且つ剥離破壊形態は全てコンクリートの凝集破壊であった。
その結果、3ヵ月経過後であっても、各層は密着性を保ち、遮水性も保持されていた。
3 陸
5 海
7 亀裂
9、11 表面
13 トンネル
15 土
17、19 表面
21 亀裂
23 地下水
31 既設構造物
33 表面
35 亀裂
37 スペーサー
39 型枠X
41 隙間α
43 注入口
45 水中硬化型エポキシ樹脂
47 端部分
49 電気抵抗測定装置
51、53 表面
61 既設構造物
63 ウレタン樹脂層
65 スペーサー
67 型枠Y
69 隙間β
70 試験体
72 鋼材
74 木材
76 間隙
78 エポキシ樹脂層
80 フェンスブロック
82 孔
84、86 端面
88 孔
90 エポキシ樹脂層
100 試験体
102 コンクリート角
104 コンクリート角
105 間隔
106 アクリル板
108 注入口
Claims (8)
- 表面に亀裂が形成されており、表面の一部に水が存在する既設構造物の表面に設置する遮水構造体であって、
前記既設構造物の表面における水が存在していた部分に密着し、その一部が前記亀裂の内部にまで浸透している水中硬化型エポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂層と、
前記エポキシ樹脂層と密着する型枠Xと、
を有し、さらに
前記既設構造物の表面における水が存在していない部分に密着するウレタン樹脂層と、
前記ウレタン樹脂層に密着するモルタル層と、
前記モルタル層に密着する型枠Yと、
を有する遮水構造体。 - 前記水中硬化型エポキシ樹脂の密度が2g/cm3以上、粘度が4000mPa・s以下、可使時間が30分以上である、請求項1に記載の遮水構造体。
- 前記型枠Xおよび/または前記型枠Yの剛性が150kN/mm以上である、請求項1または2に記載の遮水構造体。
- 前記エポキシ樹脂層がグリッド材を含んでいる、請求項1〜3のいずれかに記載の遮水構造体。
- 表面に亀裂が形成されており、表面の少なくとも一部に水が存在する既設構造物の表面に遮水構造体を形成する方法であって、
前記既設構造物の表面と間隔Laを保つように、スペーサーを介して、下部に注入口を有する型枠Xを設置する型枠設置工程[1]と、
前記既設構造物の表面と前記型枠Xとの間に形成された隙間αへ、前記注入口から水中硬化型エポキシ樹脂を充填し、前記隙間α内に水が残存しないように、電気抵抗測定装置を用いた管理を行う、エポキシ樹脂充填工程と、
を備える遮水構造体を形成する方法。 - 表面に亀裂が形成されており、表面の一部に水が存在する既設構造物の表面に遮水構造体を形成する方法であって、
前記既設構造物の表面における水が存在していた部分と間隔Laを保つように、スペーサーを介して、下部に注入口を有する型枠Xを設置する型枠設置工程[1]と、
前記既設構造物の表面における水が存在していた部分と前記型枠Xとの間に形成された隙間αへ、前記注入口から水中硬化型エポキシ樹脂を充填する、エポキシ樹脂充填工程と、
を備え、さらに、
前記既設構造物の表面における水が存在していない部分にウレタン樹脂層を形成するウレタン樹脂層形成工程と、
前記ウレタン樹脂層と間隔Lbを保つように、スペーサーを介して型枠Yを設置する型枠設置工程[2]と、
前記隙間β内へモルタルを充填するモルタル充填工程と、
を備える遮水構造体を形成する方法。 - 前記エポキシ樹脂充填工程において、前記隙間α内に水が残存しないように、電気抵抗測定装置を用いた管理を行う、請求項6に記載の遮水構造体を形成する方法。
- 前記既設構造物の表面にハツリ・ブラスト処理を施し、その後、その表面の修復処理を行わないで、前記型枠設置工程[1]と前記エポキシ樹脂充填工程とを行う、請求項5〜7のいずれかに記載の遮水構造体を形成する方法。
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