JP6230282B2 - 質量分析装置 - Google Patents

質量分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6230282B2
JP6230282B2 JP2013123212A JP2013123212A JP6230282B2 JP 6230282 B2 JP6230282 B2 JP 6230282B2 JP 2013123212 A JP2013123212 A JP 2013123212A JP 2013123212 A JP2013123212 A JP 2013123212A JP 6230282 B2 JP6230282 B2 JP 6230282B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
water molecules
ions
mass spectrometer
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013123212A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014032954A (ja
Inventor
陽平 村山
陽平 村山
直文 青木
直文 青木
正文 教學
正文 教學
光太 岩崎
光太 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2013123212A priority Critical patent/JP6230282B2/ja
Publication of JP2014032954A publication Critical patent/JP2014032954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6230282B2 publication Critical patent/JP6230282B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/26Electron or ion microscopes; Electron or ion diffraction tubes
    • H01J37/261Details
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0004Imaging particle spectrometry
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
    • H01J49/0468Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components with means for heating or cooling the sample
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/14Ion sources; Ion guns using particle bombardment, e.g. ionisation chambers
    • H01J49/142Ion sources; Ion guns using particle bombardment, e.g. ionisation chambers using a solid target which is not previously vapourised
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/06Sources
    • H01J2237/08Ion sources
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/244Detection characterized by the detecting means
    • H01J2237/2448Secondary particle detectors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/26Electron or ion microscopes
    • H01J2237/2602Details

Description

本発明は、水分子を用いる質量分析装置に関する。
マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI=Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization)や二次イオン質量分析法(SIMS=SecondaryIon Mass Spectroscopy)を用いて、腫瘍組織などに発現しているタンパク質の発現量を質量信号強度に基づいて網羅的に可視化する分析手法が知られている。
MALDIやSIMSによる生体試料の測定において、試料構成成分はイオン化された状態で検出される。特にプロトン付加分子として検出されることが多い。従って、試料構成成分の検出を高感度化するためには、試料構成成分へプロトンを付加させることが有効である。試料構成成分へのプロトン付加を促進させる方法として、試料中に含まれる水分を用いる、あるいは外部から水分を付与する方法が知られている。非特許文献1では、水雰囲気化で試料を冷却することで試料に水分を吸着させ、プロトン付加分子を生成させる方法が開示されている。
またSIMSにおいては、試料をイオン化させる一次イオンビーム源として、クラスターイオンの利用が検討されている。従来は、原子を電離したイオン(単原子イオン)を一次イオンに利用してきた。質量の大きいクラスターイオンを用いることで試料の損傷が軽減でき、質量の小さい単原子イオンを用いる場合に比べてより大きな分子量をもつ試料構成成分の検出が可能となる。特許文献1では、ガスクラスターイオンを一次イオンビーム源として用いて質量分析を行う方法が開示されている。
Langmuir 2008,24,P.7906
特開2011−29043号公報
質量分析装置内に水または水蒸気を導入すると、装置内が水蒸気雰囲気にさらされることになり、装置が汚染されてしまうという課題があった。
また非特許文献1は、測定チャンバーを真空状態にした後、試料を冷却することで、測定チャンバー内に残存している水分子を試料に付着させるものである。この方法では、測定チャンバー内の水分子の量を制御することが難しく、試料表面に付与する水分子の量の制御が困難であった。従って、大量の水分子が付与されることでイオン検出感度の低下を招く場合があったり、付与する水分子の量が少ないことでイオン検出感度の向上が十分に認められない場合があった。
また、特許文献1に記載する水クラスターイオンは、試料をスパッタして二次イオンを生成するものである。従って、水クラスターイオンの試料への照射は、試料自体の損傷を生ぜしめ、イオン化促進のために測定前において試料に水分子を付与する方法としては適切な方法ではなかった。
そこで本発明は、水分子を用いて高感度に測定が可能な質量分析装置を提供することを目的とする。
また、一次イオンと水分子付与のための粒子の両者を試料に照射できる照射手段を有する質量分析装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る質量分析装置の第一は、
試料に一次イオンを照射し、前記試料から放出される二次イオンを質量分析する質量分析装置であって、
前記試料を配置するチャンバーと、
前記試料に粒子を照射するための照射手段と、
前記試料から放出される二次イオンを質量分析手段へ導く引き出し電極と、を有し、
前記照射手段が、前記試料から二次イオンを放出させるための前記一次イオンを照射する第1のモードと、前記試料に付着させるための水分子を含む粒子を放出する第2のモードと、を切り替えて前記試料に粒子を照射する手段であり、且つ前記チャンバーに接続した共通の開口を介して前記一次イオンおよび前記水分子をそれぞれ前記試料に照射する手段であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る質量分析装置の第二は、試料に一次イオンを照射し、前記試料から放出される二次イオンを質量分析する質量分析装置であって、
前記試料を配置するチャンバーと、
前記試料に粒子を照射するための照射手段と、
前記試料から放出される二次イオンを質量分析手段へ導く引き出し電極と、を有し、
前記照射手段が、前記試料から二次イオンを放出させるための前記一次イオンを照射する第1のモードと、前記試料に付着させるための水分子を含む粒子を放出する第2のモードと、を切り替えて前記試料に粒子を照射する手段であり、
前記照射手段は、前記一次イオンの一次イオンビームと、前記水分子を含むイオン粒子のビームを照射するビーム照射手段であり、前記第2のモードで前記粒子を照射する加速エネルギーが前記第1のモードで前記一次イオンを照射する加速エネルギーよりも低いことを特徴とする。
本発明によれば、測定前に付与すべき水分子を含む粒子と、測定に用いる一次イオンの両者を、切り替えによりそれぞれ試料に付与できるので、高感度な測定が可能な質量分析装置を提供できる。
また、一次イオンとして水クラスターイオンを用いることで、発生源である水分子の導入部や試料までの経路、または経路に設けられた遮蔽または分離手段などを共用することもでき、またチャンバー内に水蒸気導入バルブなどの汚染する可能性のある別の導入手段を設ける必要がなくなる。これにより、簡便な構成で高感度な測定が可能となる。
本発明の実施形態に係る装置構成の概要を示すための模式図 本発明の水分子付与工程を説明する図 本発明の水分子付与工程を説明する図 本発明の実施例を説明する図
以下、本発明の方法及び本発明の方法に用いる装置の構成を、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る方法を実施するための装置構成の概要を示すための模式図である。なお、これらの記載は本発明の一実施形態であり、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明では、照射する一次イオンおよび水分子を含む粒子は、ビームを形成してもよく、ビームを形成しなくともよい。本発明におけるビームとは、粒子が群となって同じ方向に移動する流れを意味するが、この流れは平均的な粒子群の移動方向を示すものであれば良く、全ての粒子の方向が完全に同一の方向に進行するものである必要はない。一方、ビームを形成しない場合には、一定の流れを有しない粒子の集団となる。
本発明において、照射する一次イオンおよび水分子を含む粒子がビームでない場合、すなわち粒子の集団である場合には、一次イオンおよび水分子を含む粒子は、前記粒子の集団を試料表面近傍において散乱させることで照射することができる。ビームである場合には、一次イオンは電界等、また水分子を含む粒子がイオンであれば電界等、あるいは非イオン粒子であれば圧力差等を利用して試料表面にそれぞれ照射することができる。制御性の観点からはビームであることが好ましいが、本発明はビームの利用に限定されるものではない。なお、本願発明書において、前記ビームまたは前記粒子の集団のいずれでもよい場合には、ビームと記載するものとする。
本発明の質量分析装置は、試料表面の2次元質量分布画像として質量分布計測が可能となるものである。質量分析装置は、試料ステージ1上の試料2の表面に向けて、一次イオンビームを照射する第1のモード、および試料に水分子を付着させるための水分子(HO)を含む粒子の放出する第2のモード、を切り替えて照射するビーム照射手段としてビーム発生部3を備えている。また、試料から発生する二次イオンを検出する質量分析手段である二次イオン検出部4を備えている。
また、試料を冷却できる試料冷却部6、試料を加熱できる電熱線ヒーターなどの加熱部7、熱電対などの温度モニター8を試料2の近傍に備えていると好ましい。試料冷却部6および加熱部7、温度モニター8を使用することにより、試料を+40℃から−160℃の範囲においてある一定の温度に保つことができる。
試料冷却部6には、真空に保った測定チャンバー5の外部に置かれた液体窒素タンクと試料冷却部6とを熱接触させる機構を用いることができる。また、ペルチェ素子等で試料冷却部6を構成することもできる。
試料2は固体であり、例として、高分子化合物、低分子化合物、有機化合物、無機化合物、生体、臓器、生体由来試料、組織切片、細胞、培養細胞、などをあげることができる。試料2を構成する構成物の例としては、有機化合物、無機化合物、タンパク質、ペプチド、糖鎖、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、などをあげることができる。
基板51は、試料ステージ1上に設置される。試料ステージ1は水平および垂直方向の移動機構を有しており、試料ステージ1をXYZ方向に任意に変移させることにより、試料2上の任意の領域を測定対象領域として設定することができる。加えて試料ステージ1は傾斜機構を有し、一次イオンおよび水分子を含む粒子の試料への入射角を任意に変更できる。
二次イオン検出部4としては、飛行時間型、磁場偏向型、四重極型、イオントラップ型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型等の質量分析方法を採用することができる。また、走査型、投影型のイメージング質量分析方法を採用することができる。
走査型のイメージング質量分析方法を採用する場合、空間分解能を向上させるためには一次イオンビームを所望の空間分解能のオーダーまで収束させる必要がある。一方、投影型のイメージング質量分析方法では、空間分解能はビーム径に依存しないので、走査型よりもビーム径を大きくすることができる。例えばビーム径を数十um以上で使用することができる。従って投影型のイメージング質量分析方法を採用することが好ましい。また、投影型のイメージング質量分析方法を採用する場合、二次イオン検出部として飛行時間型質量分析方法を採用すると、試料面内の二次イオン発生位置と、二次イオンの検出時間とを同時に記録できる。このため、投影型のイメージング質量分析方法を採用する場合、飛行時間型の質量分析方法を採用することが好ましい。
本装置では、冷却した試料2に、第1のモードで照射する一次イオンよりも低速あるいは低エネルギーの水分子を含む粒子を照射することにより水分子を付着させる第2のモードを有している。このモードにより、試料表面に水分子の膜9を形成することができる。
第2のモードにおいて、照射手段は、水分子を含む粒子を試料表面に付着させるように放出するものであり、放出される粒子は、非イオン粒子であってもよく、イオン粒子であってもよい。
そして、第1のモードにおいて、一次イオンビームを照射することにより試料から二次イオン10を放出させる。放出された二次イオン10を二次イオン検出部4で検出することにより質量分析を行う。
水分子を含む粒子のビームと一次イオンビームは同一のビーム発生部3から放出される。すなわち、試料へ付着させるための水分子を含む粒子の発生機能と、一次イオンビームの発生機能を切り替えて使用する。
水分子付与のために水分子を含む粒子のビームを用いた場合、ビームの照射範囲、照射時間、照射量を調整することで、任意の試料位置に任意の量の水分子を付与することができ、装置内の不要な位置に水分子が衝突する可能性を低減できる。
従って、水分子を含む粒子のビームを用いることで、水分子付与の制御性が高く、且つ装置汚染の低減を図ることができる、高感度測定が可能な質量分析装置を提供できる。
また、水分子を含む粒子のビームが非イオンの粒子のビームである場合は、各種電極によって加速されることがないため、イオンビームに比べ低速でエネルギーが小さい。従って、水分子を含む非イオン粒子のビームを用いることで、水分子付与時における試料の損傷を軽減することができる。
これに対して、水分子を含む粒子のビームがイオンの粒子のビームである場合は、各種電極によって試料への水分子の付与をより高度に制御できる。この場合は、一次イオンビームに比べ充分に低速でエネルギーが小さいビームを使用することで、試料の損傷を抑制することができる。
なお、ビーム中にイオン粒子と非イオン粒子とが混在する場合があるが、本発明においてはいずれの粒子も一次イオンより低速でエネルギーが小さく試料の損傷を抑制できるため、混在していても差し支えない。本願発明書においては、ビーム中にイオン粒子と非イオン粒子とが混在する場合であっても、前記ビームの主要原料としてイオン性物質を用いる場合や、ビーム形成に際し粒子をイオン化する工程を用いる場合には、形成されるビームをイオン粒子と記載し、それ以外の場合には、形成されるビームを非イオン粒子と記載する。
<ビーム照射手段>
ビーム照射手段であるビーム発生部3の構成は、後述の各実施形態で詳細に説明するように種々の形態を採用することができるが、図1に示すような試料を配置する測定チャンバー5に連結可能な粒子生成チャンバー24と、ビームとなる粒子の導入部11または18、を少なくとも有する構成である。粒子生成チャンバー24は、導入部からの液体または気体の放出によって粒子を生成するために、チャンバー内の減圧、および加圧が可能なように耐圧チャンバーが用いられる。
また測定チャンバー5と独立して粒子生成チャンバー24内の圧力を調整可能なように、チャンバー同士の連結部にゲートを設け、さらに排気ポンプがそれぞれに連結されていると良い。粒子生成チャンバーに一度付着するなどした不要な水分子を測定チャンバーを介さず排気除去できるようになる。また、粒子生成チャンバー内に付着した水分の蒸発を促進するために、加熱手段などの蒸発促進手段を設けてもよい。
非イオン粒子は、イオン化された単原子あるいは分子イオン、または多原子あるいは多分子のクラスターイオンの如くイオン化されたイオンの粒子に対抗して、イオン化されてない粒子を意味する。粒子としては、単原子あるいは分子、または多原子あるいは多分子のクラスターが挙げられる。
<試料に付着させる水分子を含む粒子のビーム>
ビーム発生部3から放出される、試料に付着させる水分子を含む粒子のビームは、水のモノマーのみから構成されてもよく、水クラスターのみから構成されてもよく、あるいは両者が混在していてもよい。また、Ar等のモノマーやクラスターと、水のモノマーや水クラスターが混在していてもよい。また、ヘリウムガスや窒素ガス等と水のモノマーや水クラスターが混在していてもよい。また、ビーム発生部に供給する水に予めエタノールやメタノールなどのアルコールなど、有機溶媒を含ませておいてもよい。また、ビーム発生部に供給する水に予めギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの酸を含ませておいてもよい。
また、二次イオンの検出感度を上げるためには、二次イオン検出範囲全域に水分子が付与されていることが好ましい。従って、試料に付与する水分子の範囲、すなわち試料に照射する水分子を含む粒子のビームの照射径は、一次イオンビームの照射径と同等かそれ以上とすることが好ましい。本発明で同等とは、径の比率で0.9から1.1のものである。
<一次イオンビーム>
ビーム発生部3から放出される一次イオンビームは、試料2から二次イオンを放出させることができるものであればよい。一次イオンの種類は特に限定されないが、例えば、Bi+若しくはGa+などの液体金属系イオン、Bi3+ 若しくはAu3+等の金属系のクラスターイオン、又はC60+等の炭素系クラスターイオン、又は水(H2O)等の液体系クラスターイオン、又はAr等のガス系のクラスターイオン等を用いることができる。生体試料に対しては、クラスターイオンはダメージを軽減する効果があるので特に有効である。
<水分子の付与>
試料表面に水分子を付与するためには、まず測定チャンバー5内を真空にする。続いて試料を、導入する水または水溶液が固体または液体として存在可能な温度に保つ。その温度は真空チャンバーの圧力に依存し、導入する水または水溶液の蒸気圧曲線から求めることができる。そして水分子を含む非イオン粒子のビームを試料に照射する。このとき、水分子を含む非イオン粒子のビームの照射量、及び試料温度を調節することで、試料表面に付与される水分子の量を調節できる。
また、ステージを走査することで複数の個所に水分子を付与することができる。試料表面に付与される水分子の面積、形態は、水分子を含む非イオン粒子のビームの照射径、照射スポット数によって異なる。
上記方法で形成される水分子9は、一次イオンビームが試料2表面に到達でき、且つ、試料2構成成分の脱離を阻害しない付着量、および形態に制御される。
試料表面に付与される水分子は、離散的に分布する形態、あるいは、連続的な膜状の形態を有することができる。離散的に分布する形態としては、点状、または、島状、或いは、離散的な島状の形態が一部で連なった不連続な膜状の形態をとることができる。これらは、不連続膜の一形態とみなすこともできる。付与された水分子が連続的な膜状である場合、膜厚が均一である場合、或いは膜厚が不均一な不均一膜の形態を取ることができる。付与された水分子が膜状の形態を有するとみなした場合、その平均膜厚は、氷の密度を用いて質量から換算することができる。氷の密度を0.93g/cm3とした場合、付与された水分子の平均の量10ng/mm2は、平均膜厚11nmに相当する。
<試料表面に付与される水分子の量を制御する方法>
試料2表面に付与される水分子9の量を制御する方法として、水晶振動子センサー(QCM:Quarts Crystal Microbalance)を例えば試料位置に置き、予め水分子を含む非イオン粒子のビームの照射量と、試料に付与される水分子の量との関係を調べておく方法がその一例としてあげられる。あるいは、導入した水分子の数または試料へ衝突する水分子の数を計算することで水分子の付着量を計算し、適切な量の水分子が付与されるように制御する方法がその一例としてあげられる。水分子9の付与面積が十分広い場合、赤外光や可視光の反射率変化を用いて水分子の付着量を計測し、適切な量の水分子が付与されるように制御する方法がその一例としてあげられる。
ただし、用いる質量分析装置の構成や試料の種類によって、水分子9の量は変えてもよい。用いる質量分析装置の構成や試料の種類に対し、最適な水分子の付与量を知るための手段として、あらかじめ一旦過剰の水分子を付与した試料を用意し、測定チャンバー5内で試料を測定しながら、基板51の温度を高めて徐々に水分子9の付着量を減らしていく方法がその一例としてあげられる。水分子9の量を変えたいくつかの試料2より得られる水分子由来のイオン(H2O+や、[H2O+H]+など)と試料構成成分イオンの信号強度を質量分析で計測し、H3O+と試料構成成分イオンの信号強度の信号強度相関表を作成する。該相関表により、好適な水分子9の付着量に対応する水分子由来のイオンの信号強度の値を知ることができる。
信号強度相関情報を有する上述の信号強度相関表を作成後、同じ装置の構成で、同じ種類の試料2の質量分析を行う際には、この相関表を参照し、水分子由来のイオン(H2O+や、[H2O+H]+など)の信号強度が最適な値になるように、水分子9の量を調節する。具体的には、水分子9が多い時は基板51の温度を上昇させて水分子9を減らし、水分子9が少ない時は上述の水分子付与の工程を繰り返す。最適な量の水分子9に調節した後に試料2構成成分の計測を行うことで、最適な状態で再現精度の高い計測を繰り返し行うことができる。
<構成成分の質量分析>
水分子9を付与した後、試料2の温度を保ったまま、一次イオンビームを照射し、質量分析を行う。表面に付与された水分子9の働きにより試料構成成分へのプロトン付加が促進され、高感度に試料2構成成分を検出することができる。また、溶液成分が固体(氷)状態で付着する場合、試料2の水溶成分の流出を抑えることができ、試料2構成成分の本来の分布情報を維持したままの検出が可能となる。さらに、水または氷の蒸気圧曲線図を参照し、質量分析中も試料温度を水または氷の蒸発温度以下に保ち、かつ真空中に残存する水分子の付着を抑えることのできる温度と真空状態に保つことで水分子9の付着量を一定に長時間保持することができ、長時間の安定した検出が可能となる。
<水分子の付着量による構成成分検出強度の変化>
次に、試料表面に付与した水分子の量と、試料構成成分のイオン検出強度について図2を用いて説明する。
試料には、ヒト由来ペプチド分子「AngiotensinII(Mw:1046)」を用いた。まず試料をイオン交換水に10−6Mで溶解した溶液を調製した。次にその溶液を用いて、インクジェット吐出器によりシリコンウェハー上にAngiotensinIIのインクジェットプリント・ドットパターンを形成した。形成された1ドットのサイズは直径約100μmで、各ドットに約30fmolのAngiotensinII分子が存在している。このドットを測定することで検出強度の比較ができる。
水分子の付着量に対する試料構成成分の検出強度の変化を調べるため、水分子の付着量を変えた該AngiotensinIIのドットパターン試料を用意した。それぞれの1ドットを上述の同じ条件で質量分析し、得られた質量スペクトルにおける[AngiotensinII+H]+のピーク面積強度と、水分子由来のイオン[H3O]+のピーク面積強度との信号強度相関表を図2(a)に、また水晶振動子センサーを用いて測定した水分子の付与量との関係を図2(b)に示す。図2(a)の水分子由来のイオン[H3O]+の信号強度は水分子の付着量と相関する。該相関表により、好適な水分子の付着量に対応する水分子由来のイオンの信号強度の値を知ることができる。また、図2から判るように、水分子の付着量を変えることで、試料構成成分の検出強度が変化する様子が判る。
水分子の付与によりイオン検出感度を高めるためには、試料に付与する水分子9の量は試料表面1mm2当たり20ng(20ng/mm2)以下、または、0.1ng/mm2以上20ng/mm2以下の範囲にあることが好ましい。或いは好適な水分子9の平均膜厚は22nm以下、または0.11nm以上21.5nm以下の範囲にあるということもできる。従って、試料に照射した水分子が全て試料に付着すると仮定し、且つ氷の密度を0.93g/cm3と仮定した場合、試料に照射する水分子の数は、3.3×1012個/mm2以上6.7×1014個/cm2以下とすればよい。
次に、本発明の実施形態を、詳細に説明する。
(第一の実施形態)
本発明に係る第一の実施形態のビーム発生部3について、図1(a)を用いて説明する。ビーム発生部以外の構成は上述した内容と同様であるため省略する。
まず、水分子を含む非イオン粒子のビームの生成方法について説明する。
純水または水溶液をN2やHeなどでバブリングして発生させた水蒸気を圧力0.1MP〜1MPa程度でノズルなどの第一の導入部11よりビーム発生部3の中に噴射させる。または、純水または水溶液に圧力を与え、第一の導入部11から噴射させることもできる。
この時、噴射された水蒸気を、断熱膨張による冷却効果を利用して水クラスターにすることもできる。
噴射された水蒸気の一部がスキマー等の遮蔽または分離手段から構成されるビーム形成部12を通過することで水分子を含む非イオン粒子のビームが形成される。
生成した水分子を含む非イオン粒子のビームを、冷却した試料に照射することで水分子を付与することができる。
次に一次イオンビームの生成方法について説明する。
一次イオンビームにBi+若しくはGa+などの液体金属系イオン、Bi3+若しくはAu3+等の金属系のクラスターイオン、C60+などの炭素系クラスターイオンを用いる場合は、BiやGaやAuやC60などのイオン源材料を第二の導入部18から導入する。そしてイオンビーム形成部19によりイオン化し、第三偏向電極20に導く。イオンビーム形成部19は一般的なイオン銃に使用されている機構を用いることができ、例えば、引出電極や偏向電極やアパーチャー、フィルター電極、質量分離装置などから構成される。第三偏向電極において一次イオンビームは試料方向へと軌道が偏向される。
一次イオンビームとして、水(H2O)等の液体系のクラスターイオンやAr等のガス系のクラスターイオンを用いる場合は、ガスを圧力0.1MP〜1MPa程度でノズルなどの第二の導入部19よりビーム発生部3の中に噴射させる。
一次イオンビームに水クラスターイオンを用いる場合は、純水または水溶液をN2やHeなどでバブリングして発生させた水または水蒸気を圧力0.1MP〜1MPa程度でノズルなどの第二の導入部18よりビーム発生部3の中に噴射させる。または、純水または水溶液に圧力を与え、導入部11から噴射させることもできる。
噴射されたガスを、断熱膨張による冷却効果を利用してクラスターを生成させる。
生成したクラスターはイオンビーム形成部19でイオン化し、第三偏向電極20に導く。この場合、イオンビーム形成部は、スキマー等から構成されるビーム形成部と、イオン化室と、引出電極から形成される。クラスターは、イオンビーム形成部19を構成するビーム形成部を通り、イオン化室にてイオン化する。イオン化方法としては、電子衝撃法などを用いることができる。なお、一次イオンビームとして、水(H2O)等の液体系のクラスターイオンを用いる場合には、イオン化方法としては、エレクトロスプレー法を用いることもできる。この場合、クラスター生成に用いるノズルに高電圧を印加するため、別途イオン化室を設けなくともよい。
生成したクラスターイオンは、数keVを印加した引出電極によって第三偏向電極20の方向へ加速される。
上述のようにして生成した一次イオンビームを、第三偏向電極20により偏向させ、試料方向へ導く。
一次イオンビームは単原子イオンやサイズの異なるクラスターイオンを含む場合がある。質量の大きいクラスターイオンを用いると試料の損傷が軽減でき、より大きな分子量をもつ試料構成成分の検出が可能となるため、一次イオンのサイズを選別することが好ましい。
一次イオンのサイズを選別する場合、ビーム発生部3内に一次イオンサイズ選別部16を配置する。一次イオンサイズ選別部16には、飛行時間型、磁場偏向型、四重極型、イオントラップ型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型等の質量分離装置を配置することができる。
例えば、飛行時間型の質量分離装置を使用してクラスターサイズを選別する場合、まず、引出電極14で加速された水クラスターイオンビームを第一偏向電極15でチョッピングすることで短パルス化する。次に、適切な遅延時間(飛行時間)を設けて第2偏向電極17で再びチョッピングすることで、特定のサイズの一次イオンを選別する。
また、第三偏向電極20に磁場偏向型の質量選別機能を持たせてやってもよい。
また、一次イオンサイズ選別部16、第一偏向電極15、第2偏向電極17は、ビーム形成部19に組み込まれていても良いし、ビーム形成部19と第三偏向電極20との間に配置されていてもよい。
このようにして選別した一次イオンをビーム発生部3から放出させ、水分子9が付与された試料2に照射することができる。
なお、ビーム径やビーム軌道を調整するためには、ひとつ以上のビーム収束用電極をビーム発生部3内に配置することが好ましい。
本実施形態によれば、同一のビーム発生部から水分子付与のための非イオン粒子のビームと一次イオンビームの両者を放出させることができる。
また、水分子付与のために水分子を含む非イオン粒子のビームを用いた場合、ビームの照射範囲、照射時間、照射量を調整することで、任意の試料位置に任意の量の水分子を付与することができ、装置内の不要な位置に水分子が衝突する可能性を低減できる。従って、水分子を含む非イオン粒子のビームを用いることで、水分子付与の制御性が高く、且つ装置汚染の低減を図ることができる、高感度測定が可能な質量分析装置を提供できる。
また、水分子を含む非イオン粒子のビームは、各種電極によって加速されることがないため、一次イオンビームに比べ低速でエネルギーが小さい。従って、水分子を含む非イオン粒子のビームを用いることで、水分子付与時における試料の損傷を軽減することができる。
(第二の実施形態)
本発明に係る第二の実施形態では、水分子を含む非イオン粒子のビームと一次イオンビームとを共通の第一の導入部11を介してビーム発生部3に導入する。
ビーム発生部3について、図1(b)を用いて説明する。ビーム発生部3以外の構成は第一の実施形態と同様であるため省略する。
水分子を含む非イオン粒子のビームは第一の実施形態と同様の方法で生成する。なお、上述したように、水分子を含む非イオン粒子のビームは、水のモノマー単体や、水クラスター単体であってもよく、両者が混在していてもよい。しかし、一次イオンビームとして水クラスターイオンを用いる場合は、水クラスターを含む非イオン粒子のビームであってもよい。
本実施形態では、一次イオンビームとして、水(H2O)等の液体系のクラスターイオンやAr等のガス系のクラスターイオンを用いる。
なお、ビーム発生部3からは水分子を含む非イオン粒子のビームを放出させるので、一次イオンビームには水クラスターイオンを用いることが好ましい。つまり、一次イオンビームには水クラスターイオンを用いることで、第一の導入部11に供給する物質を切り替える必要がなくなり、これを共用することができる。
まず、第一の実施例と同様の方法で、ガスを圧力0.1MP〜1MPa程度でノズルなどの導入部11よりビーム発生部3の中に噴射させる。
導入部11は、水分子を含む非イオン粒子のビームを生成するための水または水溶液を噴射するノズルなどの機構と、一次イオンビーム生成のためのガスを噴射させるノズルなどの機構とを別々に設けてもよいし、同一の機構を使用してもよい。ただし、同一の機構を使用する方が、両ビームの光軸が同一となりビームごとに軸出しをする必要がなくなるため好ましい。
噴射されたガスを、断熱膨張による冷却効果を利用してクラスターを生成させる。
生成したクラスターの一部がスキマーや複数のアパーチャー、複数のスリット等から構成されるビーム形成部12を通り、イオン化室13内へ導かれる。イオン化室13内にて水クラスターをイオン化し、水クラスターイオンを生成する。イオン化方法としては、電子衝撃法などを用いることができる。なお、一次イオンビームとして、水(H2O)等の液体系のクラスターイオンを用いる場合には、イオン化方法は、エレクトロスプレー法を用いることもできる。この場合、クラスター生成に用いるノズルに高電圧を印加することでイオン化するため、別途イオン化室を設けなくともよい。
生成したクラスターイオンは、数keVを印加した引出電極14によって試料方向へ加速される。
生成したクラスターイオンは数個から数千個の広いサイズ分布を持つ。質量の大きいクラスターイオンを用いることで試料の損傷が軽減でき、より大きな分子量をもつ試料構成成分の検出が可能となるため、クラスターサイズの選別をすることが好ましい。
クラスターサイズを選別する場合、ビーム発生部3内にクラスターサイズ選別部16を配置する。クラスターサイズ選別部16には、飛行時間型、磁場偏向型、四重極型、イオントラップ型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型等の質量分離装置を配置することができる。
例えば、飛行時間型の質量分離装置を使用してクラスターサイズを選別する場合、まず、引出電極14で加速されたクラスターイオンビームを第一偏向電極15でチョッピングすることで短パルス化する。次に、適切な遅延時間(飛行時間)を設けて第2偏向電極17で再びチョッピングすることで、特定のサイズのクラスターを選別する。このようにして選別したクラスターイオンをビーム発生部3から放出させ、水分子9が付与された試料2に照射することができる。なお、一次イオンビームのビーム径やビーム軌道を調整するためには、ひとつ以上のビーム収束用電極をビーム発生部3内に配置することが好ましい。
なお、一次イオンビームと水分子を含む非イオン粒子のビームの切り替えは、イオン化室13でイオン化を行うか否かで、切り替えることができる。
本実施形態によれば、水分子を含む非イオン粒子のビームと一次イオンビームとを同一の導入部を介してビーム発生部3に導入することができる。また、導入部11における、水分子を含む非イオン粒子のビームを生成するための水または水溶液を噴射するノズルなどの機構と、一次イオンビーム生成のためのガスを噴射させるノズルなどの機構と共有使用することで、両ビームの光軸が同一となり各ビーム毎に軸出しをする必要がなくなる。
(第三の実施形態)
本発明に係る第三の実施形態では、第2のモードにおける試料に付着させるための粒子として、水分子を含むイオン粒子を用いる。
すなわち、第1および第2の両者のモードで水のイオン粒子を用いる。一次イオンは水分子を含むものであり、第1のモードにおける一次イオンを照射する加速エネルギーと、第2のモードで試料に照射するイオン粒子とを、加速エネルギーの如く照射条件を変更することで切り替えて生ぜしめるものである。
2水準以上の照射条件を有しており、少なくとも1水準の加速エネルギーが、最も高い加速エネルギーで一次イオンを照射することで発生する試料の損傷に比べ無視できる程度の損傷に抑える加速エネルギーであることで、これを第2のモードにおける試料に付着させるためのイオン粒子として用いることができる。その他の構成については、第一および第二の実施形態と同様である。
本発明においては、一次イオンの加速エネルギーは一定でもよく、2水準以上に変化してもよい。2水準以上のとき、高い加速エネルギーによる一次イオン照射を行うと、スパッタ率(一次イオン1個に対し、表面から放出される二次粒子の個数)が向上するため、二次イオン質量分析における信号強度を高めることができる反面、試料の損傷が生じる。一方、低い加速エネルギーによる一次イオン照射を行うと、スパッタ率が低下するため、二次イオン質量分析における信号強度が低下する反面、試料の損傷を抑えることができる。また、一次イオンの試料に対する侵入深さは加速エネルギーが小さいほど浅いため、低加速エネルギーでの一次イオン照射により、試料表面に一次イオンを構成する分子が堆積し易くなる。
したがって、第2のモードにおけるイオンを照射する加速エネルギーが第1のモードにおける一次イオンを照射することにより発生する試料の損傷に比べ、無視できる程度の損傷に抑える加速エネルギーを用いると、イオンを用いて試料表面に対する水分子付与が効率的に行える。第2のモードによるイオンの照射中は、測定する必要がないので試料からの二次イオンを放出させる必要がない。
非イオン粒子による水分子付与に加え、低加速エネルギーの一次イオンを用いて水分子付与を行う場合、電界によるイオン制御が可能であるため、水分子の付与量や付与領域の微調整が容易になる。
本発明における損傷とは、一次イオン照射に伴い、(1)試料構成分子が試料表面よりスパッタされ真空中に放出されること、(2)試料表面形状が変化すること、(3)試料表面分子の組成および化学状態が変化すること、のいずれかを指す。無視できる程度の損傷とは、一次イオン照射前後における前記(1)〜(3)の変化量が、2水準以上の加速エネルギーの中で最も高い加速エネルギーを用いて一次イオンを照射する場合に比べ1%以下となること指す。前記(1)〜(3)の変化量は、原子間力顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、X線光電子分光法、二次イオン質量分析法等の表面分析法や、重量計測、触針式段差計による段差計測などにより評価できる。
本発明で用いる一次イオンの加速エネルギーに特に制限は無く、スパッタ率を最大にするための最適値は一次イオン種と試料分子種との組み合わせにより変化するため、それらの組み合わせに応じ加速エネルギーを設定してよい。ただし、多くの場合において、1〜100keVの加速エネルギーを用いると、スパッタ効率が最も向上する。これよりも高い場合、一次イオンが試料に深く侵入し、試料内部を著しく破壊する一方、スパッタ率は低下することがある。以上のことから、2水準以上の加速エネルギーの中で最も高い加速エネルギーでの一次イオン照射においては、1〜100keVの範囲の加速エネルギーを好ましく用いる。
加速エネルギーが1keVよりも小さいと、多くの場合においてスパッタ率が著しく低下する。このため、加速エネルギーが1keV以下にすると、二次イオン質量分析における信号強度は極めて小さくなる反面、試料損傷も小さくできる。本発明の水分子付与に用いる一次イオンの加速エネルギーは、2水準以上の加速エネルギーの中で最も高い加速エネルギーを用いて一次イオンを照射することにより発生する試料の損傷に比べ、無視できる程度の損傷に抑える加速エネルギーであれば特に制限は無いが、上述した理由から、好ましくは100eV以下であり、より好ましくは10eV以下である。あるいは、水分子付与を目的とする一次イオン照射の加速エネルギーは、最も高い加速エネルギー、すなわち二次イオン質量分析の高感度化を目的とする加速エネルギーよりも、好ましくは2桁以上小さく、より好ましくは3桁以上小さい。
加速エネルギーの変化は、試料電位に対する各種電極の電位差(加速電圧)により制御できる。したがって、例えば極性が正の一次イオンを試料に照射する場合、電極電位を一定に保ち、試料電位を電極電位よりも僅かに小さな電位とすることにより、低加速エネルギーによる照射ができ、試料損傷を抑制しつつ水分子を付与できる。次に、試料電位をグラウンド電位とすることにより、高加速エネルギーによる照射ができ、高感度に二次イオン質量分析を行うことができる。
(第四の実施形態)
本発明に係る第四の実施形態では、水分子を含む非イオン粒子のビームと一次イオンビームの照射を交互に切り替えて行う。照射方法以外は第一および第二の実施形態と同様である。
本発明においては、水分子を含む非イオン粒子のビームはパルス的に放出させることが好ましく、導入部11にパルスバルブを用いることが好ましい。パルス的に放出させることで、照射するパルス数(すなわち導入されるパルス数)によって水分子の付与量を制御することができ、試料表面への水分子の付与量の制御性を高めることができる。
一般に、質量分析では分析に必要な検出強度を得るため、繰り返し測定し、データの積算が行われる。測定を繰り返してデータを積算する場合、水分子を含む非イオン粒子のビームと一次イオンビームの照射を交互に行ってもよい。例えば各ビームをパルス的に照射する場合、図3(a)のように水分子を含む非イオン粒子のビームを1パルス照射後、一次イオンビームを1パルス照射し、二次イオンを検出する。この工程を繰り返すことで、分析に必要な信号検出強度を得ることができる。各ビームのパルス照射は1パルスごとである必要はなく、数パルスごとであってもよく、例えば、図3(b)のように水分子を含む非イオン粒子のビームを2パルス照射後、一次イオンビームを1パルス照射し、二次イオンを検出してもよい。また、図3(c)のように水分子を含む非イオン粒子のビームを1パルス照射後、一次イオンビームを2パルス照射し、二次イオンを検出してもよい。
また、図4のように水分子を含む非イオン粒子のビーム21の1つのパルス内において、その一部をイオン化して一次イオンビーム22を形成し、両ビームを試料に照射してもよい。なお、図3はビーム発生部3内を簡略化して図示しており、図4(a)から図4(e)はパルスがビーム発生部3内に放出されてから試料に当たるまでを時系列で表示してある。
一次イオンビーム22はビーム発生部3内の引出電極14などで加速されて試料に照射されるため、まず一次イオンビーム22が試料に照射される(図4(d))。その後に遅れて、非イオン粒子のビーム21が試料に照射される(図4(e))。すなわち、水分子の付与は主として1サイクル目の非イオン粒子ビーム照射以降になる。従って、1つめの非イオン粒子のビームパルス21が試料に照射された後(図4(e))、2つ目の非イオン粒子のビームパルス23の一部をイオン化した一次イオンビームが試料に照射されるようにビームのパルス間隔を決定することが好ましい。この場合、装置構成の単純化のためには、水分子を含む非イオン粒子のビームが水クラスタービーム(水モノマーを含む)であり、非イオン粒子のビームの一部をイオン化した一次イオンビームが水クラスターイオンビームであることが好ましい。
これらの方法は、一次イオンビームの照射により、試料表面の水分子が除去される場合において、二次イオンの検出感度を高めるために有効である。
水分子を含む非イオン粒子のビームをパルス的に放出させた場合、試料2表面に付与される水分子9の量を制御する方法として、水分子を含む非イオン粒子のビームの照射パルス数と、試料への水分子の付与量との相関表を作成して、最適な水分子の付与条件を得ることもできる。
試料への水分子の付与量は上述した方法で求めることができる。
また、水分子を含む非イオン粒子のビームの照射パルス数と試料構成成分のイオン信号強度との相関表を作成して、最適な水分子の付与条件を得ることもできる。
本実施形態によれば、水分子を含む非イオン粒子のビームをパルス的に放出させることで、照射するパルス数によって水分子の付与量を制御することができ、試料表面への水分子の付与量の制御性を高めることができる。
(第五の実施形態)
本発明に係る第五の実施形態では、一次イオン照射1回につき得られる水分子由来のイオンの信号強度が一定となるように、水分子由来のイオンの信号強度に応じ水分子を付与または除去するタイミングを制御する。タイミング制御方法以外は、第一から第四の実施形態と同様である。
水分子を付与し、次に、一次イオンを照射し二次イオン質量分析を行う工程を繰り返す場合、一次イオン照射に伴う水分子の付与およびスパッタが発生するため、一次イオン照射の直前に表面に残存する水分子の量は変動する。試料表面における水分子の存在量が一次イオン照射時ごとで異なると、試料を構成する分子種それぞれのイオン化効率が、一次イオン照射の度に変化する。その結果、同じ試料領域について繰り返し二次イオン質量分析しデータを積算する場合、ピーク間の相対強度がデータごとでばらつくため、定量性が損なわれる。このため同じ試料領域について繰り返し二次イオン質量分析しデータを積算する場合、水分子の存在量は、一次イオン照射ごとで常に一定であることが好ましい。加えて、異なる領域間または異なる試料間で定量的に比較する場合にも、水分子の存在量が両者で同じであることが好ましい。本実施形態において、水分子の存在量は、水分子由来のイオン信号で評価できる。したがって、一次イオン照射1回につき得られる水分子由来のイオンの信号強度が一定となるように、水分子由来のイオンの信号強度に応じ水分子を付与または除去するタイミングを制御すると、定量性を向上させることができる。
なお、水分子由来のイオンの信号強度は、同じ水分子の残存量であっても測定誤差により僅かに変動する。また、定量性に影響しない範囲内であれば、水分子の残存量の変動は許容し得る。したがって、本発明において水分子由来のイオンの信号強度が一定であるとは、一次イオン照射ごとで得られる水分子由来のイオンの信号強度の変動が±20%以内であることを指す。
また、図2(a)の例示と同様にして、水分子由来のイオン信号強度と試料構成成分イオンの信号強度の信号強度相関表を作成し、これを利用してよい。すなわち、目的とする試料分子の二次イオンが最大となる強度となる水由来の二次イオン信号強度を求め、前記強度が一定となるようタイミング制御することにより、感度良く定量性に優れるデータを取得できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記のような質量分析装置を有する質量画像分析システムをも提供する。
本形態の質量画像分析システムは、上記実施形態1から3で示すような質量分析装置と、該装置で得られた質量分析データに基づいて質量画像データを取得するコンピュータの如く画像データ取得手段と、取得された質量画像データを画像として表示するディスプレイの如く表示手段と、を有するものである。これらを一体化させたシステムとして構成してもよく、インターネット等を介した遠隔したシステムとして構成してもよい。
1 試料ステージ
2 試料
3 ビーム発生部
4 二次イオン検出部
5 測定チャンバー
6 試料冷却部
7 加熱部
8 温度モニター
9 水分子
10 二次イオン
11 第一の導入部
12 ビーム形成部
13 イオン化室
14 引出電極
15 第一偏向電極
16 一次イオンサイズ選別部
17 第二偏向電極
18 第二の導入部
19 イオンビーム形成部
20 第三偏向電極
21 1つ目の非イオン粒子のビームパルス
22 一次イオンビーム
23 2つ目の非イオン粒子のビームパルス
24 粒子生成チャンバー
51 基板

Claims (17)

  1. 試料に一次イオンを照射し、前記試料から放出される二次イオンを質量分析する質量分析装置であって、
    前記試料を配置するチャンバーと、
    前記試料に粒子を照射するための照射手段と、
    前記試料から放出される二次イオンを質量分析手段へ導く引き出し電極と、を有し、
    前記照射手段が、前記試料から二次イオンを放出させるための前記一次イオンを照射する第1のモードと、前記試料に付着させるための水分子を含む粒子を放出する第2のモードと、を切り替えて前記試料に粒子を照射する手段であり、且つ前記チャンバーに接続した共通の開口を介して前記一次イオンおよび前記水分子をそれぞれ前記試料に照射する手段である
    ことを特徴とする質量分析装置。
  2. 前記水分子を含む粒子が、非イオン粒子である請求項1に記載の質量分析装置。
  3. 前記照射手段は、前記一次イオンの一次イオンビームと、前記非イオン粒子のビームと、を前記試料に照射するビーム照射手段である請求項2に記載の質量分析装置。
  4. 試料に一次イオンを照射し、前記試料から放出される二次イオンを質量分析する質量分析装置であって、
    前記試料を配置するチャンバーと、
    前記試料に粒子を照射するための照射手段と、
    前記試料から放出される二次イオンを質量分析手段へ導く引き出し電極と、を有し、
    前記照射手段が、前記試料から二次イオンを放出させるための前記一次イオンを照射する第1のモードと、前記試料に付着させるための水分子を含む粒子を放出する第2のモードと、を切り替えて前記試料に粒子を照射する手段であり、
    前記照射手段は、前記一次イオンの一次イオンビームと、前記水分子を含むイオン粒子のビームを照射するビーム照射手段であり、前記第2のモードで前記粒子を照射する加速エネルギーが前記第1のモードで前記一次イオンを照射する加速エネルギーよりも低いことを特徴とする質量分析装置。
  5. 前記チャンバー内の前記試料を冷却する冷却部を更に有する請求項1から4のいずれかに記載の質量分析装置。
  6. 前記試料の表面に水分子を付与することで該表面に水分子の膜を形成する請求項1から5のいずれかに記載の質量分析装置。
  7. 前記一次イオンが水分子を含むものであり、前記照射手段へ水分子を含む原料を導入する導入部について、前記一次イオンを生成するための導入部と、前記試料に水を付着させるための水分子を含む粒子を生成するための導入部とが、同一または複数の異なる導入部であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の質量分析装置。
  8. 前記一次イオンが水クラスターイオンであり、前記水分子を含む粒子が水クラスターを含む粒子であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の質量分析装置。
  9. 前記照射手段が、イオンを照射する加速エネルギーを変更するものであり、前記第2のモードにおける前記粒子の加速エネルギーが、前記第1のモードにおける前記一次イオンを照射することにより発生する試料の損傷に比べ、無視できる程度の損傷に抑える加速エネルギーであることを特徴とする、請求項4から8のいずれか一項に記載の質量分析装置。
  10. 前記照射手段が、前記一次イオンビームまたは前記粒子のビームをパルス化して照射するためのパルスバルブを備える、請求項3から9のいずれか一項に記載の質量分析装置。
  11. 前記第2のモードにおける粒子のビームと前記第1のモードにおける一次イオンビームとが前記試料に交互に照射されることを特徴とする請求項3乃至10のいずれか一項に記載の質量分析装置。
  12. 前記水クラスターイオンのビームは、パルス化された前記水クラスターの一部をイオン化して形成したビームであることを特徴とする請求項8から11のいずれか一項に記載の質量分析装置。
  13. 前記ビームの照射1回につき得られる水分子由来のイオンの信号強度が一定となるように、水分子由来のイオンの信号強度に応じ水分子を付与または除去するタイミングを制御することを特徴とする請求項12に記載の質量分析装置。
  14. 前記試料に照射する前記粒子のビームの照射径は、前記一次イオンビームの照射径と同等かそれ以上であることを特徴とする請求項3から11のいずれか一項に記載の質量分析装置。
  15. 前記試料の表面に付与する水分子の量が0.1ng/mm2以上20ng/mm2以下となることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の質量分析装置。
  16. 以下の(1)から(6)のいずれかの方法を用いて前記試料の表面に付与する水分子の量を制御して行なわれる請求項1乃至13のいずれか一項に記載の質量分析装置。
    (1)赤外光または可視光の反射率変化を用いる方法
    (2)水晶振動子センサーを用いる方法
    (3)導入した水分子の数または試料に照射される水分子の数を用いる方法
    (4)水分子を含む非イオン粒子のビームの導入されるパルス数を用いる方法
    (5)水分子由来のイオンと試料構成成分イオンとの質量分析における信号強度相関表を用いる方法
    (6)水分子を含む非イオン粒子のビームの導入されるパルス数と試料構成成分イオンとの質量分析における信号強度相関表を用いる方法
  17. 請求項1から16のいずれかに記載の質量分析装置を有する質量画像分析システムであって、
    前記質量分析装置で得られた質量分析データに基づいて質量画像データを取得する画像データ取得手段と、取得された前記質量画像データを画像として表示する表示手段と、を有する質量画像分析システム。
JP2013123212A 2012-07-12 2013-06-11 質量分析装置 Expired - Fee Related JP6230282B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013123212A JP6230282B2 (ja) 2012-07-12 2013-06-11 質量分析装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012156631 2012-07-12
JP2012156631 2012-07-12
JP2013123212A JP6230282B2 (ja) 2012-07-12 2013-06-11 質量分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014032954A JP2014032954A (ja) 2014-02-20
JP6230282B2 true JP6230282B2 (ja) 2017-11-15

Family

ID=49915907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013123212A Expired - Fee Related JP6230282B2 (ja) 2012-07-12 2013-06-11 質量分析装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9627177B2 (ja)
EP (1) EP2873087A4 (ja)
JP (1) JP6230282B2 (ja)
KR (1) KR20150036562A (ja)
CN (1) CN104471670A (ja)
WO (1) WO2014010443A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201307792D0 (en) * 2013-04-30 2013-06-12 Ionoptika Ltd Use of a water cluster ion beam for sample analysis
EP3127139A4 (en) * 2014-04-02 2017-11-01 The Board of Trustees of The Leland Stanford Junior University An apparatus and method for sub-micrometer elemental image analysis by mass spectrometry
KR102257901B1 (ko) * 2014-09-19 2021-05-31 삼성전자주식회사 반도체 검사 장비 및 이를 이용한 반도체 소자의 검사 방법
KR101721550B1 (ko) * 2015-10-30 2017-03-31 한국기초과학지원연구원 Sem 또는 stem용 복수시료 장착장치
KR101768127B1 (ko) 2015-11-25 2017-08-16 한국표준과학연구원 이온화 질량분석법 및 이를 이용한 질량분석장치
EP3567625A1 (en) 2018-05-09 2019-11-13 Helmholtz Zentrum München - Deutsches Forschungszentrum für Gesundheit und Umwelt (GmbH) Device and method for mass spectroscopic analysis of particles
KR101986049B1 (ko) * 2018-05-15 2019-06-04 한국기초과학지원연구원 유기물 클러스터 이온 빔 생성 장치 및 방법
CN108828054B (zh) * 2018-06-26 2020-11-20 中国检验检疫科学研究院 一种纳米材料辅助激光解吸附离子化装置及样品检测方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4559096A (en) * 1984-06-25 1985-12-17 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Method of precisely modifying predetermined surface layers of a workpiece by cluster ion impact therewith
US6414307B1 (en) * 1999-07-09 2002-07-02 Fei Company Method and apparatus for enhancing yield of secondary ions
CN101073137A (zh) * 2004-03-30 2007-11-14 普渡研究基金会 用于解吸电喷雾离子化的方法和***
US7335897B2 (en) * 2004-03-30 2008-02-26 Purdue Research Foundation Method and system for desorption electrospray ionization
HU226837B1 (hu) 2006-05-31 2009-12-28 Semmelweis Egyetem Folyadéksugárral mûködõ deszorpciós ionizációs eljárás és eszköz
EP2037260A4 (en) 2006-06-13 2012-01-04 Univ Kyoto SECONDARY ION MASS SPECTROMETRY METHOD AND IMAGING METHOD
JP4854590B2 (ja) 2007-05-11 2012-01-18 キヤノン株式会社 飛行時間型2次イオン質量分析装置
EP2088613B1 (en) * 2008-02-08 2015-10-14 ICT, Integrated Circuit Testing Gesellschaft für Halbleiterprüftechnik mbH Use of a dual mode gas field ion source
JP2011029043A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Hyogo Prefecture 質量分析器および質量分析方法
KR101161956B1 (ko) 2010-05-03 2012-07-04 삼성전기주식회사 화학성분 분석 방법 및 화학성분 분석 장치
JP5756611B2 (ja) * 2010-10-07 2015-07-29 株式会社 資生堂 分析方法
JP5854781B2 (ja) * 2011-01-14 2016-02-09 キヤノン株式会社 質量分析方法および装置

Also Published As

Publication number Publication date
US9627177B2 (en) 2017-04-18
EP2873087A1 (en) 2015-05-20
US20150155132A1 (en) 2015-06-04
EP2873087A4 (en) 2015-12-09
JP2014032954A (ja) 2014-02-20
KR20150036562A (ko) 2015-04-07
CN104471670A (zh) 2015-03-25
WO2014010443A1 (en) 2014-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6230282B2 (ja) 質量分析装置
US7170052B2 (en) MALDI-IM-ortho-TOF mass spectrometry with simultaneous positive and negative mode detection
US7629576B2 (en) Gold implantation/deposition of biological samples for laser desorption two and three dimensional depth profiling of biological tissues
US9721776B2 (en) Sample preparation method and sample preparation device for MALDI including depositing matrix substance on sample substrate in two steps
US20100090101A1 (en) Gold implantation/deposition of biological samples for laser desorption two and three dimensional depth profiling of biological tissues
WO2007108211A1 (ja) ガス分析装置
WO2007145232A1 (ja) 二次イオン質量分析方法及びイメージング方法
JP2007165116A (ja) 質量分析装置
EP2748835B1 (en) Methods and apparatus for employing an accelerated neutral beam for improved surface analysis
JP5854781B2 (ja) 質量分析方法および装置
Zhang et al. Mass spectra and yields of intact charged biomolecules ejected by massive cluster impact for bioimaging in a time-of-flight secondary ion microscope
JP2015028917A (ja) イオン群照射装置、および二次イオン質量分析装置、および二次イオン質量分析方法
US20140374585A1 (en) Ion group irradiation device, secondary ion mass spectrometer, and secondary ion mass spectrometry method
US9147568B2 (en) Water cluster ion beam mass spectrometer apparatus and method
WO2020046892A1 (en) Molecular imaging of biological samples with sub-cellular spatial resolution and high sensitivity
US20140374586A1 (en) Ion group irradiation device, secondary ion mass spectrometer, and secondary ion mass spectrometry method
US20140332679A1 (en) Apparatus and Method Relating to an Improved Mass Spectrometer
US7851749B2 (en) Method for obtaining information and device therefor
Matjacic Optimisation and application of AP MeV SIMS
Thopan et al. Cluster ion beam bombardment and Q-ToF-SIMS analysis of large biomolecules
US20150311057A1 (en) Ion group irradiation device, secondary ion mass spectrometer, and secondary ion mass spectrometry method
Krutilin Water-based Cryogenic Mass Spectrometry with Ultra-short Laser Pulses
Szakal Advancing ToF-SIMS with a Buckminsterfullerene Ion Source
JP2008249389A (ja) 質量分析方法および質量分析装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170516

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171017

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6230282

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees