JP6229492B2 - クロロプレンラテックス組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、クロロプレンラテックス組成物に関するものであり、より詳しくは湿潤状態における接着強度と安定性のバランスが良好であるクロロプレンラテックス組成物に関するものである。
接着剤には、初期強度、耐熱強度、耐水強度等の接着強度が要求される。クロロプレンゴム等をベースとした溶剤系接着剤は、その良好な作業性や接着物性から各種用途に用いられてきた。しかし、使用される有機溶剤は地球環境や作業者の健康に悪影響を与え、時には作業場の火災等を引き起こす危険性を有している。そのため、脱溶剤の要求が高まっている。
脱溶剤化の手法の一つとして、ラテックス系接着剤による水系化が考えられている。
接着剤用のクロロプレンラテックスとしては、各種の物が知られている。(例えば、特許文献1〜3および非特許文献1)
これらは接着剤を塗布・乾燥後に貼り合わせる事を想定したものであり、未乾燥では接着できない。しかし、水は溶剤と比較すると乾燥速度が遅いため、乾燥待ち時間延長による作業効率の低下が問題となる。特に、現場施工等では常温乾燥にて貼り合せを行うことが多く、気象条件も乾燥度に影響する。そのため、同条件にて施行を実施しても乾燥度が異なることで接着物性にバラつきが生じたり、未乾燥による接着不良が生じるなどの問題が発生する。
そこで、未乾燥の湿潤状態にて接着を可能とする手法が考えられている。湿潤状態での接着物性を向上したクロロプレンラテックスとしては各種のものが知られている(例えば、特許文献4〜特許文献6)。
しかし、特許文献4のようにpHを調節しゲル分を含有させたラテックスでは、pH調節によりラテックスを不安定化し、湿潤状態における接着物性を向上させるため、pHによって不安定化の度合いが変動する。そのため、CRの脱塩酸によりpHが低下することで接着剤が不安定となり過ぎ、スプレー詰りが生じたり、接着剤自体が固化してしまう。
また、更に特定のノニオン乳化剤を用いた場合(例えば、特許文献5,6)、低温での保管安定性は向上するが、pH調節において使用可能な酸が限定されるなどの課題がある。
一方、使用できる酸の種類を限定することで保管中のラテックスの安定性を維持しているが(例えば、特許文献7)、接着物性については満足するものでは無かった。
特開平6−287360号公報 特開平9−31429号公報 特開平11−158327号公報 特開2001−19922号公報 特開2001−49043号公報 特開2004−59895号公報 特開2008−138172号公報
JETI Vol.44 No.12(88頁)
本発明はこの問題点に鑑みてなされたものであり、湿潤状態における接着強度および安定性が良好であるクロロプレンラテックス組成物を提供するものである。
本発明者は、このような背景の下、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、カルボン酸のアルカリ金属塩を有する乳化剤および乳化能が無いスルホン酸のアルカリ金属塩およびpH調節剤を含み、そのpHが2〜6.9であるクロロプレンラテックス組成物を用いることで、湿潤状態における接着強度と安定性を両立可能であることを見出した。すなわち、本発明は、カルボン酸のアルカリ金属塩を有する乳化剤、クロロプレンラテックス100重量部に対して乳化能を有さないスルホン酸のアルカリ金属塩0.4〜1.5重量部、およびpH調節剤を含み、pHが2〜6.9であることを特徴とするクロロプレンラテックス組成物である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のクロロプレンラテックス組成物は、カルボン酸のアルカリ金属塩を有する乳化剤、クロロプレンラテックス100重量部に対して乳化能を有さないスルホン酸のアルカリ金属塩0.4〜1.5重量部、およびpH調節剤を含むものである。
カルボン酸のアルカリ金属塩を有する乳化剤としては、例えば、ロジン酸のアルカリ金属塩、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルケニルコハク酸のアルカリ金属塩、ポリカルボン酸のアルカリ金属塩の高分子化合物等があげられる。アルカリ金属塩としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等があげられる。これらは、1種類でも良く、2種類以上を含んでいても良い。重合安定性及び接着性能の観点から、ロジン酸のアルカリ金属塩が好ましく、ロジン酸のカリウム塩が更には好ましい。
乳化能を有さないスルホン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、ペンタンスルホン酸のアルカリ金属塩などの炭素数6以下の短鎖アルキル鎖を有する脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩、及びそれらを有する化合物、ベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、トルエンスルホン酸のアルカリ金族塩、ブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、スチレンスルホン酸塩などの芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩、及びこれら芳香族スルホン酸塩を有する化合物があり、これらは、1種類でも良く、2種類以上含んでいても良い。なかでも重合時のラテックス安定性の面からナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合物、又はスチレンスルホン酸塩とメタクリル酸の共重合体が好ましい。乳化能を有さないスルホン酸のアルカリ金属塩の量は、クロロプレンラテックス100重量部に対して0.4〜1.5重量部である。0.4重量部未満であると、接着剤配合が困難となり、1.5重量部を超えると、重合時に反応容器内部にゴムが析出したり、接着剤の保管安定性が低下する。保管安定性、配合安定性、接着物性のバランスがより良好となるため、ラテックス100重量部に対して0.5〜1.0重量部が好ましい。
pH調節剤としては、一般的な無機酸、有機酸などの酸やアミノ酸、更には酸性のポリマーエマルション等があげられる。濃硝酸や濃硫酸などのいわゆる強酸はラテックスを破壊するため使用が困難であるが、強酸を除けば特に限定するものでは無く、pHを2〜6.9に調節できるものであれば良い。具体的には、塩酸や硝酸の希釈水溶液、ホウ酸の粉末、ギ酸、酢酸、しゅう酸、リンゴ酸、マロン酸、クエン酸などのカルボキシル基を有する酸、グリシンなどのアミノ酸等が挙げられ、これらは直接もしくは水溶液にして添加が可能である。なかでも、ホウ酸や、マロン酸、クエン酸、マレイン酸などを粉末で用いることで容易にpH調節ができ、また、ラテックスの固形分低下を抑制可能である。安全性や接着物性の面から、ホウ酸、マロン酸、クエン酸が好ましい。
本発明のクロロプレンラテックス組成物は、クロロプレン重合体及び/又はクロロプレン共重合体を含むものである。
クロロプレン重合体は、2−クロロ−1,3−ブタジエンであるクロロプレンの単量体を単独で重合して得られたものである。クロロプレン共重合体は、クロロプレンの単量体と、クロロプレンと共重合可能な単量体の1種類以上とを用いて重合して得られたものである。
クロロプレンと共重合可能な単量体としては、例えば、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、メチルメタクリレート等があげられる。
クロロプレン重合体及び/又はクロロプレン共重合体のゲル分は特に限定するものでは無く、広い範囲で使用が可能である。
本発明のクロロプレンラテックス組成物は、pHが2〜6.9である。pHが2未満であると、強酸性となり取扱いが危険であり、6.9を超えると、接着物性が劣る。好ましくは、pH3〜6.5である。
本発明のクロロプレンラテックス組成物は、クロロプレンの単量体、またはクロロプレンの単量体とクロロプレンと共重合可能な単量体、カルボン酸のアルカリ金属塩を有する乳化剤と、例えば、当該単量体100重量部に対して乳化能を有さないスルホン酸のアルカリ金属塩0.8〜2.8重量部を用いてクロロプレンラテックスを合成した後、pH調節剤によりpHを調節することで製造できる。また、例えば、乳化能を有さないスルホン酸のアルカリ金属塩は、重合中又は重合終了後に添加することで、ラテックス中の量を調整することもでき、その場合は、重合開始時の乳化能を有さないスルホン酸のアルカリ金属塩の量は当該単量体100重量部に対し0.8重量部以下でもかまわない。
クロロプレンラテックスの合成方法としては、例えば、上記した単量体、カルボン酸のアルカリ金属塩を有する乳化剤、乳化能を有さないスルホン酸のアルカリ金属塩の他に、重合開始剤、連鎖移動剤、その他安定剤等を使用して、所定温度にて重合を行い、所定の重合転化率で重合停止剤を添加し、重合を停止することがあげられる。
重合開始剤としては、公知のフリーラジカル性物質、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、過酸化水素、ターシャリーブチルヒドロパーオキサイド等の無機又は有機過酸化物等を用いることができる。また、これらは単独又は還元性物質、例えば、チオ硫酸塩、チオ亜硫酸塩、ハイドロサルファイト、有機アミン等との併用レドックス系で用いても良い。
連鎖移動剤としては、例えば、アルキルメルカプタン、ハロゲン炭化水素、アルキルキサントゲンジスルフィド、硫黄等の分子量調節剤等があげられ、これらのうち、臭気及び作業性の面からn−ドデシルメルカプタンが好ましい。
重合温度は特に限定するものではないが、10〜50℃の範囲が好ましい。
本発明の製造方法では、重合終了時期は特に限定するものでは無いが、生産性の面から、単量体の転化率が70%以上まで重合を行うことが好ましい。
重合停止剤としては、通常用いられる停止剤であれば特に限定するものでなく、例えば、フェノチアジン、2,6−t−ブチル−4−メチルフェノール、ヒドロキシルアミン等が使用できる。
また、ラテックスの乳化剤量や乳化能を有さないスルホン酸のアルカリ金属塩の量を調整するため、重合中、重合終了後に上記の物質を添加しても良い。また、本発明のクロロプレンラテックス組成物は、2種類以上のラテックスを混合しても製造することもできる。
本発明のクロロプレンラテックス組成物は、単独でも接着剤として使用可能であるが、ポリマーエマルションや、可塑剤、増粘剤等を含有してもよい。
本発明のクロロプレンラテックス組成物は、上記の通りすることにより、湿潤状態における熱接着強度が良好で、良好な安定性を有する。また、使用できるpH調節剤の種類が従来のクロロプレンラテックスより多い。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。pH、配合安定性、接着剤配合物の接着物性は以下の方法で測定した。
<pH>
pHメーター((株)堀場製作所製)により測定した。
<配合安定性>
pH調節剤添加時のゴム析出の有無を観察し、以下の通り判定した。
○:酸を添加した際にゴムの凝集が生じなかった。
×:酸を添加した際にラテックス液面もしくは内部でゴムが凝集・析出した。
<スプレー安定性>
クロロプレンラテックス組成物を10秒間スプレー塗布した際の噴霧状態、およびスプレー後のノズルの状況を確認し、以下の通り判定した。
○:詰りはなかった。
×:詰りがあった。
<接着物性>
1)タック
PUフォーム2片(50mm立方体)それぞれの片面にスプレーでクロロプレンラテックス組成物を80g/m塗布し、2片をそれぞれ手に持って、塗布面同士を軽く接触させ、手で剥がす際に必要な力(吸い付き度合)を確認し、以下の通り判定した。
○:吸い付き感があった。
×:吸い付き感が殆どなかった。
2)平面接着強度
PUフォーム2片(50mm立方体)それぞれの片面にスプレーでクロロプレンラテックス組成物を80g/m塗布し、速やかに貼り合せた後に、500g、700gの荷重の錘をぶら下げ、接着面が剥がれることなく保持できるかを確認し、以下の通り判定した。
○:接着を保持した。
×:剥離し落下した。
3)折畳み接着可否
PUフォーム1片(50mm立方体)の1面にスプレーでクロロプレンラテックス組成物を80g/m塗布し、塗布した面を半分に折り合せるようにして接着した後に、接着面が剥がれることなく保持できるかを確認し、以下の通り判定した。
○:接着を保持した。
×:接着面が開いた。
実施例1
表1で示した割合のクロロプレン単量体、n−ドデシルメルカプタン、ロジン酸カリウム(商品名:ロンヂスK−25、荒川化学工業(株))、ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物(商品名:デモールN、花王(株))、水酸化ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム、及び純水を攪拌機付き10Lオートクレーブ中15℃で重合を行い、クロロプレンラテックスを作製した。重合は窒素雰囲気下で0.35重量%の過硫酸カリウム水溶液を連続的に滴下して行い、重合転化率92%で重合停止剤として2,6−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール0.05重量部を添加し、重合を停止した。その後、減圧下で未反応単量体の除去及び濃縮によりラテックスの固形分を50%に調整し、ラテックスAを得た。
Figure 0006229492
ラテックスAにpH調節剤としてホウ酸を添加し、pHを6.5に調節してクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:クロロプレンラテックス100重量部に対して(以下に同じ)0.57重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
Figure 0006229492
実施例2
ラテックスAにpH調節剤としてクエン酸を用いた以外は実施例1と同様にしてクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0.57重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に合わせて示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
実施例3
ラテックスAにpH調節剤としてマロン酸を用いた以外は実施例1と同様にしてクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0.57重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に合わせて示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
実施例4
ラテックスAにpH調節剤としてマレイン酸を用いた以外は実施例1と同様にしてクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0.57重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に合わせて示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
実施例5
ラテックスAにpH調節剤としてクエン酸を用い、pHを5に調節した以外は実施例1と同様にしてクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0.57重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に合わせて示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
実施例6
ラテックスAにpH調節剤としてクエン酸を用い、pHを2.5に調節した以外は実施例1と同様にしてクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0.57重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に合わせて示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
実施例7
ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の量を表1に示した割合に変更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、ラテックスBを得た。
ラテックスBにpH調節剤としてクエン酸を添加し、pHを5に調節してクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0.88重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
実施例8
安定剤であるナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物をスチレンスルホン酸ナトリウムに変更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、ラテックスCを得た。
ラテックスCにpH調節剤としてクエン酸を添加し、pHを5に調節してクロロプレンラテックス組成物(スチレンスルホン酸ナトリウムの含有量:0.72重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
実施例9
安定剤であるナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物をスチレンスルホン酸ナトリウムとメタクリル酸の共重合体に変更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、ラテックスDを得た。
ラテックスDにpH調節剤としてクエン酸を添加し、pHを5に調節してクロロプレンラテックス組成物(スチレンスルホン酸ナトリウムとメタクリル酸の共重合体の含有量:0.72重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
実施例10
安定剤であるナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物をブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムに変更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、ラテックスEを得た。
ラテックスEにpH調節剤としてクエン酸を添加し、pHを5に調節してクロロプレンラテックス組成物(ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムの含有量:0.72重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
実施例11
ラテックスBにpH調節剤としてクエン酸を用い、pHを2.5に調節した以外は実施例1と同様にしてクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0.88重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表2に合わせて示す。表2の結果より、pH調節剤の添加によるゴムの析出は無く、スプレー安定性および接着物性も良好であった。
比較例1
ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の量を表1に示した割合に変更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、ラテックスaを得た。
ラテックスaにpH調節剤としてクエン酸を添加し、pHを5に調節してクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0.26重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、pH調節剤の添加によりゴムが析出し、スプレーノズルに詰りが生じ、接着物性の評価を行えなかった。
Figure 0006229492
比較例2
ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の量を乳化能を有するスルホン酸化合物であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムに変更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、ラテックスbを得た。
ラテックスbにpH調節剤としてクエン酸を添加し、pHを5に調節してクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、配合安定性およびスプレー安定性は良好であったが、接着物性が劣った。
比較例3
ラテックスbにpH調節剤としてクエン酸を添加し、pHを7に調節してクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、配合安定性およびスプレー安定性は良好であったが、接着物性が劣った。
比較例4
ラテックスAについてpH調節剤としてホウ酸を添加し、pHを9に調節した以外は実施例1と同様にしてクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0.57重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、配合安定性およびスプレー安定性は良好であったが、接着物性が劣った。
比較例5
ラテックスAについてpH調節剤としてグリシンを添加し、pHを9に調節した以外は実施例1と同様にしてクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:0.57重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、配合安定性およびスプレー安定性は良好であったが、接着物性が劣った。
比較例6
ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の量を表1に示す量に変更した以外は実施例1と同様にして重合を行い、ラテックスcを得た。
ラテックスc作製時に反応器内にゴムが一部析出した。また、ラテックスcにpH調節剤としてクエン酸を添加し、pHを5に調節してクロロプレンラテックス組成物(ナフタレンスルホン酸ナトリウムとホルムアルデヒドの縮合物の含有量:1.53重量部)を得て、配合安定性、スプレー安定性および接着物性の評価を行った。結果を表3に示す。表3の結果より、配合安定性およびスプレー安定性は良好であったが、接着物性が劣った。
本発明のクロロプレンラテックス組成物は、接着剤の用途に使用され、ゴム製品分野で広範に使用される。

Claims (3)

  1. カルボン酸のアルカリ金属塩を有する乳化剤、クロロプレンラテックス100重量部に対して、スルホン酸のアルカリ金属塩0.4〜1.5重量部、およびpH調節剤を含み、pHが2〜6.9であり、スルホン酸のアルカリ金属塩が炭素数6以下の短鎖アルキル鎖を有する脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩及びそれらを有する化合物、並びにベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩、トルエンスルホン酸のアルカリ金族塩、ブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩及びこれら芳香族スルホン酸塩を有する化合物からなる群から選ばれる1種類又は2種類以上であり、pH調節剤がホウ酸、マロン酸又はクエン酸であることを特徴とするクロロプレンラテックス組成物。
  2. スルホン酸のアルカリ金属塩が、ナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩とホルマリンの縮合物および/またはスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩とメタクリル酸のアルカリ金属塩の共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のクロロプレンラテックス組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のクロロプレンラテックス組成物を含有することを特徴とする接着剤組成物。
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