JP6228820B2 - 触感伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は振動を用いて利用者に触感を与える触感伝達装置に関する。より詳しくは、圧電素子を用いた触感伝達装置の振動特性を向上させるための技術に関する。
例えば、利用者がタッチパネルに表示されているボタンを模した図案に触れたとき、ボタンの堅さや、ボタンを押し込んだときの感覚などの触感を出力情報として利用者に与える装置(触感伝達装置、触感フィードバック装置とも言う)がある。周知のごとく、触感伝達装置は、タッチパネルを構成するガラス基板などを振動板として、その振動板を圧電素子や偏心モータを用いて振動させる。そして、その振動の周波数や振幅を変えることでさまざまな触感を発生させている。なお、以下の特許文献1には、触感伝達装置の原理などについて記載されている。また、特許文献2には、振動板の振幅を増幅させるための技術について記載されている。
特開2007−122501号公報 特開2007−300426号公報
触感伝達装置では、現実感を伴った触感を出力することが要求される。例えば、利用者がタッチパネルに表示されているボタンなどの「ある物」の図案に触れた瞬間にその物の立体感や手触りなどの触感を出力することが要求される。すなわち、入力信号に対して速い応答速度が必要となる。触感をより明瞭に伝えるために、大きな振幅で振動させることも必要となる。
また触感伝達装置は、多機能携帯電話機(スマートフォン)やタブレット端末など、ユーザインタフェースの主体が実質的にタッチパネルのみの薄い平板状の情報処理端末に組み込まれる場合が多いため、触感伝達装置には、より薄くより小型であることも求められている。
まず、上記の高速応答性については振動の発生源(以下、振動源)を適切に選ぶ必要がある。振動源としては圧電電素子や偏心モータがあるが、偏心モータは応答速度が遅いため、触感に大きな違和感が生じる。したがって、振動源としては、圧電素子を用いることが現実的である。しかしながら、圧電素子は、偏心モータと比較するとそれ単体では大きな振幅が得られず、共振を利用して振幅を大きくする構造が必要となる。しかしながら、共振構造を採用すると触感伝達装置の小型薄型化が困難となる。例えば、特許文献2に記載されている圧電振動発生装置では、タッチパネルなどの振動対象の裏側に振動錘とそれに伴う複雑な共振構造を設けている。
共振構造を設けず、多数の圧電体を積層することで圧電素子自体の振幅を大きくすることも可能であるが、圧電素子に係るコストが嵩む。したがって、単体の板状の圧電素子、あるいはその圧電素子に金属板を積層したユニモルフ、あるいはバイモルフ構造を採用しつつ、より大きな振動を発生させる工夫が必要となる。
そこで本発明は、圧電素子を用いた触感伝達装置において、軽量小型化、コストダウンを達成しつつ、大きな振動を発生させてより明瞭で違和感のない触感が得られるようにすることを主な目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、利用者の触覚を刺激する振動を平板状の振動板に発生させる触感伝達装置であって、
前記振動板は、矩形平板状の平面形状を有し、当該平面形状における短辺と平行な方向を前後方向とし、
前記振動の発生源として、前後方向に延長する帯状の圧電素子が、前記振動板の一主面の一方の短辺に沿って配置され
前記帯状の圧電素子は、一端から他端に向かって延長して前記振動板に対して帯状の面で接着されている接着領域を有するとともに、他端側の一部に前記振動板に接着されていない非接着領域を有し、
前記圧電素子が前記接着領域にて前後方向に伸縮振動することで、前記振動板の前記一方の短辺に沿う領域が撓み運動する
ことを特徴とする触感伝達装置である。
前記圧電素子が前記振動板の平面形状の縁辺に沿う領域に接着されている触感伝達装置とすることもできる。前記圧電素子の前記非接着領域が前記振動板の平面領域から外方に向かって突出する領域である触感伝達装置とすることもできる。
前記圧電素子がユニモルフ構造あるいはバイモルフ構造である触感伝達装置としてもよい。さらに前記圧電素子における前記非接着領域が前記振動板の前記一主面から離間するように湾曲している触感伝達装置とすることもできる。前記非接着領域に錘が取り付けられている触感伝達装置とすればより好ましい。
前記振動板が平板状の表示装置により構成され、前記圧電素子が当該表示装置による表示を妨げない領域に接着されていることを特徴とする触感伝達装置も本発明の範囲としている。
本発明の触感伝達装置によれば、軽量小型化、およびコストダウンを達成しつつ、大きな振動を発生させてより明瞭で違和感のない触感が得られる。
本発明の比較例に係る触感伝達装置の概略構造を示す図である。 触感伝達装置を構成する圧電素子の構造の一例を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る触感伝達装置の概略構造を示す図である。 上記第1の実施例に係る触感伝達装置の動作を説明するための図である。 本発明の第2の実施例に係る触感伝達装置の概略構造を示す図である。 本発明の第3および第4の実施例に係る触感伝達装置の概略構造を示す図である。 本発明の第5の実施例に係る触感伝達装置の概略構造を示す図である。 上記第5の実施例に係る触感伝達装置の動作を説明するための図である。 本発明の第6の実施例に係る触感伝達装置の概略構造を示す図である。 上記第1の実施例の変形例に係る触感伝達装置の概略構造を示す図である。 本発明のその他の実施例に係る触感伝達装置の概略構造を示す図である。
本発明の実施例について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図面によっては説明に際して不要な符号を省略することもある。
===実施例===
触感伝達装置に対する軽量小型化への要求に対し、本発明の実施例に係る触感伝達装置では、タッチパネルなどの平板を振動板とし、その振動板に圧電素子を直接接着した構造を採用しつつ、主に圧電素子の接着構造に大きな特徴を有して、触感伝達に適した大きな振動が得られるようになっている。
本発明の実施例に係る触感伝達装置の特性を評価するために、矩形平面形状を有するガラス板を振動板とし、その振動板に接着する圧電素子の構造や振動板に対する圧電素子の接着状態などが異なる触感伝達装置をサンプルとして作製した。
===比較例===
図1は、多種多様なサンプルの振動特性を評価する際の基準となる触感伝達装置(比較例とも言う)1の概略構造を示す図である。図1(A)はその平面図であり図1(B)は側面図である。この図に示したように、比較例1は、矩形平面形状を有する振動板10の一つの短辺6に沿って帯状の圧電素子20を接着した構造となっている。ここで、振動板10において圧電素子20が接着されている面を上面(あるいはおもて面)2として上下(表裏)方向を規定すると、比較例1では、振動板20の短辺(6、7)の幅W1と同じ長さL2の帯状の圧電素子20の下面21全面が振動板10に接着された構造となっている。なお、以下では、振動板10の短辺(6、7)に平行となる方向を前後方向、長辺(4、5)に平行となる方向を左右方向とし、さらに図中に示したように前後左右の方向を規定する。
振動板10は各サンプルに共通の構成を有し、左右の長さL1=150mm、前後の長さ(幅)W1=50mm、上下の厚さt1=0.5mmである。本発明の実施例に係る触感伝達装置に対応するサンプルでは、圧電素子20と振動板10との接着構造や、圧電素子自体の構造が比較例1とは異なっている。
図2は比較例1における圧電素子20の概略構造を示す図であり、図2(A)は圧電素子20を上方から見たときの平面図であり、図2(B)は厚さ方向から見たときの側面図である。なおここでは圧電素子20を構成する各部位(25〜27)を異なるハッチングで示した。この図に示したように、圧電素子20は帯状の圧電体25の表裏両面(22、21)に電極(26、27)が形成された構造を有し、圧電体25に対して上下方向に電界が印加されるようになっている。また圧電体25は、電界方向に対して直交する方向に振動するように分極させている。すなわち圧電素子20は、振動板10の面内方向に伸縮する。またこの例では、その伸縮方向が帯状の圧電素子20の延長方向(前後方向)となるように分極させている。
なおこの例では、圧電素子20の下面21全体が振動板10の上面に接着されることから、圧電素子20の下面21側には、外部の駆動回路と接続するためのリード線(図示せず)を半田付けなどによって接続することができない。そこで、図示したように、一方の電極26が圧電素子20の一方端部(以下、基端)24から他方の端部(以下、先端)23まで至り、さらに先端23を経て上面22に回り込んでいる。そして、この上面22側に回り込んだ部分にリード線を接続している。
他方の電極27は、基端24から先端23に向かいつつ、一方の電極26の形成領域の手前まで形成されて、一方の電極26と他方の電極27が上面22の先端23近傍にて間隙28を介して配置されている。なお圧電素子20の大きさは、前後の長さL2=50mm、左右の幅W2=4mm、厚さt2=0.2mmである。
===第1の実施例===
図3に本発明の第1の実施例に係る触感伝達装置1aの概略図を示した。図示した第1の実施例に係る触感伝達装置(第1の実施例とも言う)1aは、比較例1と同じ形状の振動板10に同じ形状の圧電素子20を接着した構造であるが、前端部分30aが振動板10から突出するように接着されている。そして、この突出した領域(以下、突出領域)30aの長さXが異なる各種サンプルを作製し、各サンプルとともに振動特性を評価した。
振動特性は、振動板10の四隅を支持して振動板10を水平面から浮かせた状態で圧電素子20を駆動して振動振10を振動させ、図3に黒点で示した振動板10の各点(P1〜P3)における振幅をドップラー変位計を用いて測定することにより行った。具体的には、触感伝達に適した200Hzの周波数で圧電素子20を駆動した。駆動電圧は100Vppとした。測定位置は、圧電素子20が接着されている振動板20の左右の短辺(6、7)の中心を結ぶ中心線50上に、左側短辺(左端とも言う)6から右方に向かって距離が異なる三つの測定点(P1〜P3)で行った。最も左側の測定点P1は、前後方向に帯状に延長する圧電素子20の幅W2を二分する位置であり、振動板10の左端6からの距離は25mmである。測定点P2、P3は、振動板10の左端6からそれぞれ25mm、50mmの位置としている。
以下の表1に第1の実施例1aを含む各種サンプルの振動特性を示した。
Figure 0006228820
表1において、X=0mmのサンプル1が比較例である。この表1に示したように、帯状の圧電素子20は、前端側30aが振動板10から突出するように接着されているサンプル2〜4では、各測定点(P1〜P3)における振幅が比較例(サンプル1)に対して増大していることが確認できた。図4は、第1の実施例1aの動作を説明するための図である。図4(A)と(B)は、それぞれ比較例1と第1の実施例の触感伝達装置1aを左方から見たときの振動板10の振動状態を模式的に示している。まず比較例1aでは、図4(A)に示したように、圧電素子20に電圧を加えると、圧電素子20が面内方向に伸縮運動し(図中、矢印60)、振動板10が撓む。それによって振動板10が上下方向に振動する。しかし圧電素子10の下面21の全領域が硬くて大きな振動板10に接着されているため、大きな振幅の振動を発生させることができない。
一方図4(B)に示した第1の実施例1aでは、圧電素子20に振動板10と接着されていない突出領域30が設けられており、その突出領域30が、図中白抜き矢印で示したように、上下方向に振動する振り子として機能している。それにより振動板10に大きな振幅の上下振動を与えることができる。概略的には、圧電素子20において、突出領域30が振動板10に接着されておらず自由な状態となっているため、圧電素子20の面内方向の振動60が振動板10の撓み方向の振動に変換された際、突出領域30がその撓み方向(上下方向)に大きく振り子振動し、その振り子振動が振動板10をさらに大きく撓ませる。
===第2の実施例===
第1の実施例1aの振動特性について考察したところ、第1の実施例1aが比較例1に対して振幅が大きくなったことの直接的な原因は、圧電素子20に突出領域30が設けられていたことではなく、突出領域30が、結果として、振動板10に接着されていない領域(以下、非接着領域)として自由な状態となっていたことにあると考えた。そこで、この考えの正否を確かめるため、本発明の第2の実施例として、圧電素子20に突出領域30を設けることで非接着領域を形成するのではなく、図5に示しように、圧電素子20の全領域を振動板10の面内に配置するとともに、圧電素子20の前端側に非接着領域32を設けた触感伝達装置1b(以下、第2の実施例とも言う)を作製した。そして、非接着領域32の長さYが異なる触感伝達装置をサンプルとして作製し、各サンプルの振動特性を上記と同様の方法で評価した。
以下の表2に第2の実施例1bを含む各種サンプルの振動特性を示した。
Figure 0006228820
表2において、Y=0のサンプル5が比較例1である。この表2に示したように帯状の圧電素子20の前端側に非接着領域32を設けることで、各測定点(P1〜P3)における振幅が比較例1に対して増大していることが確認できた。すなわち、圧電素子20の一部を振動板10に接着しないという構成が重要であることが確認できた。
===第3および第4の実施例===
本発明の第3および第4の実施例に係る触感伝達装置は、圧電素子自体の振動特性を向上させることで、第1および第2の実施例(1a、1b)と同様の構造としながら、さらに振動板10の振幅を増大させている。図6(A)および(B)に、第3および第4の実施例に係る触感伝達装置(1c、1d:以下、第3の実施例および第4の実施例とも言う)における圧電素子(120、121)の構造を示した。この図では、圧電素子(120、121)を左方向から見たときの側面図を示しており、図6(A)に示した圧電素子120は、第1および第2の実施例における圧電素子(以下、圧電素子本体部)20の下面21に金属板40をエポキシ樹脂で接着してなるユニモルフ構造の圧電素子120となっている。図6(B)に示した圧電素子121は金属板40の表裏両面(41、42)に圧電素子本体部20が接着されたバイモルフ構造となっている。なお、図6では触感伝達装置(1c、1d)の各部位を異なるハッチングで示した。
上記構造の第3および第4の実施例(1c、1d)の振動特性を評価するために、圧電素子(120、121)における突出領域30の長さXを変えたサンプルを作製し、それらのサンプルの振動特性を評価した。
表3に第3の実施例1cを含む各種サンプルの振動特性を示した。
Figure 0006228820
表4に第4の実施例1dを含む各種サンプルの振動特性を示した。
Figure 0006228820
まず表3に示したように、ユニモルフ構造の圧電素子120を採用したサンプル9〜12において、突出領域X=0mmのサンプル9は、比較例1と同様に圧電素子120の下面121全体が振動板10に接着されている。このサンプル9では、圧電素子121の直下にある位置P1での振幅こそ比較例1(サンプル1、サンプル5)よりも大きかったものの、他の位置(P2、P3)では、振動特性が比較例1よりも劣っていた。しかし突出領域30を設けたサンプル10〜12では、表1に示した第1の実施例1aに対応するサンプル2〜4よりも振動特性が向上していた。
表4に示したバイモルフ構造の圧電素子121を採用したサンプル13〜16において、突出領域30がないサンプル13は、同様に突出領域30がない比較例1や表3におけるサンプル9と比較すると振動特性が若干良かったものの、極めて優れているとは言い難い。しかし突出領域30を設けたサンプル14〜16では、表1に示したサンプル2〜4はもちろん、表3に示したサンプル6〜8よりも振動特性が極めて優れていた。なお、ユニモルフ構造やバイモルフ構造の圧電素子(120、121)を、第2の実施例1bと同様に振動板10の面内に非接着領域32を設けて接着してもよい。
===第5の実施例===
本発明の第5の実施例に係る触感伝達装置は、圧電素子の非接着領域(あるいは突出領域)における振り子の機能を向上させるための構造を備えている。図7に第5の実施例に係る触感伝達装置(以下、第5の実施例とも言う)1eの概略構造を示した。ここでは触感伝達装置1eを左方から見たときの側面図を示している。図中では各部位を異なるハッチングで示した。この図7に示したように、第5の実施例1eでは、ユニモルフ構造の圧電素子120の前端が振動板10の上面から離間するように湾曲している。
前端に湾曲した領域(以下、湾曲領域)33が形成されている圧電素子120については次の手順で作製した。まず、圧電素子本体20の下面21にポキシ樹脂を塗布するとともに、金属板40をその圧電素子本体20の下面21に積層する。つぎに、エポキシ樹脂が未硬化の状態で積層状態にある圧電素子本体20と金属板40を100〜120℃で加熱する。それによってエポキシ樹脂が硬化する。さらに、加熱後に急冷して室温に戻す。このとき金属板40と圧電素子本体20の熱収縮率の差により、圧電素子本体20側に反り返った状態で湾曲する。そしてこの湾曲領域33を備えた圧電素子120を振動板10に接着する。このとき前端側を非接着領域32とする。接着領域31については、治具などを用いて平坦となるように加工してもよい。加熱後に徐冷して湾曲していないユニモルフ構造の圧電素子120を作製した後、非接着領域32のみが湾曲するように治具などを用いて加工してもよい。なお、治具によって湾曲領域30を形成するのであればバイモルフ構造の圧電素子121を採用することもできる。
第5の実施例1eの振動特性を評価するために、図7に示したように、湾曲領域33の前後長Yを10mmとしつつ、圧電素子123の前端下面と振動板10の上面2との距離Zが異なる各種触感伝達装置をサンプルとして作製した。
表5に第5の実施例1eを含む各種サンプルの振動特性を示した。
Figure 0006228820
表5において、サンプル17は湾曲領域33がなく、圧電素子120以外は表2に示したサンプル6と同じ構造となる。そしてこのサンプル17の振動特性は、ユニモルフ構造の圧電素子120を採用していたのにも拘わらず、金属板40が貼着されていない圧電素子20を用いたサンプル6と同じであった。しかし、前端が湾曲している圧電素子10eを用いたサンプル18〜20では振動特性が向上している。これは、圧電素子10eの非接着領域32が湾曲していると、図8に示したように、圧電素子120は接着領域31では振動板10の面と平行な方向40に振動するが、湾曲領域33では圧電素子120自体の振動61に上下方向の振動成分62があり、振動板10の上下方向の撓みが圧電素子120自体の上下方向の振動成分62によって増強され、結果として、振動板10の撓み(振幅)が増幅されたものと思われる。
この第5の実施例1eは、湾曲領域33を第1の実施例1aと同様に振動板10の前端から突出させてもよい。それによって、圧電素子120を湾曲させることによる効果に圧電素子120を振動板10から突出させることによる効果が加わりさらに振動特性を向上させることができる。
===第6の実施例===
本発明の第6に実施例に係る触感伝達装置は、振り子振動を増強させるために、非接着領域(30、31)に錘を取り付けている。図9に本発明の第6の実施例に係る触感伝達装置(以下、第6の実施例とも言う)1fの概略構造を示した。当該触感伝達装置1fは、ユニモルフ構造の圧電素子120の前端部分を振動板10から突出させているともに、その圧電素子120の前端下面に錘34が取り付けられた構造を有している。そして、圧電素子120の前端の突出領域30の長さXと錘34の質量が異なる触感伝達装置をサンプルとして作製し、各サンプルの振動特性を評価した。
表6に第6の実施例1fを含む各種サンプルの振動特性を示した。
Figure 0006228820
表6に示したサンプル21〜29は0.1〜0.3gのいずれかの質量の錘34が突出領域30に取り付けられている。表6に示したサンプル21〜29は、錘34が無いことを除けば表3に示したサンプル9〜12と同様の構造となる。そしてサンプル21〜29のそれぞれをサンプル9〜12と比較すると、圧電素子120の突出領域30に錘34を取り付けることで振動特性が向上していることがわかる。なお、この第6の実施例1eにおいても、第2の実施例1bと同様に振動板10の面内に非接着領域32を設けて接着した構造に変更することができる。この場合、錘34は圧電素子120における非接着領域32の上面などに取り付ければよい。第6の実施例1fは、第5の実施例1eのように、圧電素子120における突出領域30や非接着領域32を湾曲させるように変更することができる。湾曲領域33に錘を取り付ければさらに振動特性を向上させることができる。圧電素子120を、バイモルフ構造の圧電素子121あるいは圧電素子本体20のみで構成に変更することもできる。
===変形例、その他の実施例===
上記各実施例(1a〜1f)において、圧電素子(20、120、121)の前後長L1は振動板10の前後長L1に一致していたが、これに限るものではない。図10(A)(B)に第1の実施例1aの変形例に係る触感伝達装置(1g、1h)の概略構造を示した。この図に示したように、圧電素子(122、123)の前後長L2を振動板10の前後長L1よりも長くし、その長さが余った部分を突出領域30としている。突出領域30は、図10(A)に示したように振動板10の前後いずれか一方に設けてもよいし、図10(B)に示したように前後のそれぞれの方向に設けてもよい。もちろん、第3〜第6の実施例(1c〜1f)についても圧電素子(20、120、121)の前後長L2を振動板10の前後長L1よりも長くすることができる。
上記各実施例(1a〜1f)では、圧電素子(20、120、121)を矩形の振動板10の左端6側にのみ接着していたが、左右両端(6、7)側に接着すれば、振動板10の全域に亘ってより大きな振幅の振動が得られる。もちろん、振動板10の前後の長辺(4、5)に沿って接着することもできる。
振動板や圧電素子の平面形状は上記各実施例に示した形状に限らない。圧電素子における突出領域や非接着領域の位置も上記各実施例に示したものでなくてもよい。図11(A)〜(C)に圧電素子(124、125)の形状や、突出領域30あるいは非接着領域32の位置が前後の端部以外にある触感伝達装置(1i〜1k)を例示した。図11(A)に示した触感伝達装置1iでは、圧電素子124の形状が円形である。図11(B)に示した触感伝達装置1jでは、圧電素子125の形状が上記各実施例と比較して左右に幅広で前後に短い矩形である。図11(C)に示した触感伝達装置1kでは、圧電素子124が振動板10の面内に接着されて、非接着領域32が圧電素子124の左端側に設けられている。
もちろん、圧電素子の平面形状がどのようなものであっても、突出領域30や非接着領域32を第5の実施例1eのように湾曲させてもよい。第6の実施例1fのように突出領域30や非接着領域32に錘34を取り付けたりすることもできる。
圧電素子の接着位置は振動板の縁辺に沿う位置でなくてもよい。例えば、振動板がタッチパネルなどの平板状の表示装置、所謂「フラットパネルディスプレイ」を兼ねている場合では、その表示装置における表示領域を避けるために上記各実施例のように振動板の縁辺に沿って圧電素子を接着することが望ましい。しかし、振動板における触感伝達機能以外の機能(表示機能など)に支障がない場合などでは、圧電素子の接着位置を限定する必要はない。圧電素子や振動板の形状に応じて最も効果的に触感伝達機能が発現される位置に接着すればよい。
本発明は、例えば、タッチパネルを備えた各種情報処理端末(多機能携帯電話機、タブレット端末など)に適用することできる。
1,1a〜1k 触感伝達装置、10 振動板、20 圧電素子(圧電素子本体)、
30 突出領域、31 接着領域、32 非接着領域、33 湾曲領域、34 錘、
40 金属板、120〜125 圧電素子

Claims (6)

  1. 利用者の触覚を刺激する振動を平板状の振動板に発生させる触感伝達装置であって、
    前記振動板は、矩形平板状の平面形状を有し、当該平面形状における短辺と平行な方向を前後方向とし、
    前記振動の発生源として、前後方向に延長する帯状の圧電素子が、前記振動板の一主面の一方の短辺に沿って配置され
    前記帯状の圧電素子は、一端から他端に向かって延長して前記振動板に対して帯状の面で接着されている接着領域を有するとともに、他端側の一部に前記振動板に接着されていない非接着領域を有し、
    前記圧電素子が前記接着領域にて前後方向に伸縮振動することで、前記振動板の前記一方の短辺に沿う領域が撓み運動する
    ことを特徴とする触感伝達装置。
  2. 請求項1に記載の前記触感伝達装置において、前記圧電素子の前記非接着領域は、前記振動板の平面領域から外方に向かって突出する領域であることを特徴とする触感伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載の前記触感伝達装置において、前記圧電素子はユニモルフ構造あるいはバイモルフ構造であることを特徴とする触感伝達装置。
  4. 請求項3に記載の前記触感伝達装置において、前記圧電素子は、前記非接着領域が前記振動板の前記一主面から離間するように湾曲していることを特徴とする触感伝達装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の前記触感伝達装置において、前記非接着領域に錘が取り付けられていることを特徴とする触感伝達装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記触感伝達装置において、前記振動板は平板状の表示装置により構成され、前記圧電素子は、当該表示装置による表示を妨げない領域に接着されていることを特徴とする触感伝達装置。
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