JP6226664B2 - エポキシ組成物、及び、熱伝導性シート - Google Patents

エポキシ組成物、及び、熱伝導性シート Download PDF

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Description

本発明は、エポキシ組成物、及び、熱伝導性シートに関し、エポキシモノマーとともに硬化剤を含有するエポキシ組成物、及び、エポキシ組成物によって形成されてなるエポキシ樹脂層を有する熱伝導性シートに関する。
従来、エポキシモノマーと硬化剤とを含有するエポキシ組成物は、その硬化物が半導体パッケージの封止などに利用されたりしている。
また、前記エポキシ組成物は、Bステージ化させた半硬化物がプリプレグシートなどを形成させるための材料として広く用いられている。
近年、半導体パッケージやプリプレグシートなどのエポキシ樹脂成形体においては、優れた熱伝導性を発揮させることが求められており、当該エポキシ樹脂成形体の形成に用いるエポキシ組成物に窒化ホウ素や酸化アルミニウムなどの熱伝導性に優れた無機フィラーを配合することが行われている。
特に、高い割合で無機フィラーを含有するエポキシ組成物で形成されたエポキシ樹脂層を基材シートに担持させたプリプレグシートや、前記エポキシ樹脂層のみからなるプリプレグシートは、半導体モジュールと放熱器との間に介装される熱伝導性シートとして広く用いられている。
通常、この種のエポキシ組成物には無機フィラーを高充填させるほどエポキシ樹脂成形体が優れた熱伝導性を発揮するようになるが、過度に無機フィラーを含有させるとエポキシ樹脂成形体の機械的特性を損なうおそれが有る。
例えば、前記熱伝導性シートは、前記エポキシ樹脂層に無機フィラーを多く含有させ、且つ、当該エポキシ樹脂層の厚みを薄くすることが厚み方向における熱抵抗を低下させる上において有利になるもののこのような場合にはエポキシ樹脂層が割れ易くなってしまうおそれが有る。
このようなことを背景として、従来、エポキシ樹脂自体の熱伝導率を向上させることが試みられている。
例えば、下記特許文献1においては、高い熱伝導率を有するエポキシ樹脂成形体を形成させるべく、メソゲン骨格を有するエポキシモノマーを用い、高い磁場を一方向に印加してエポキシ樹脂成形体を形成させることが記載されている。
このようなメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂は、分子鎖がそろった結晶化箇所を成形体内に形成させ易く、該結晶化箇所が他のアモルファスな箇所に比べて高い熱伝導性を示すことから熱伝導率に優れたエポキシ樹脂成形体を形成させる上において一般的なエポキシ樹脂に比べて有利である。
しかし、特許文献1に記載された特殊な製造方法によって熱伝導性シートなどの成形体を作製することは生産性などの観点から好ましいものではない。
特許第4414674号公報
本発明は、製造方法が著しく制限されることなく優れた熱伝導性を発揮しうる熱伝導性シートを提供すべく、このような熱伝導性シートの形成に好適なエポキシ組成物の提供を課題としている。
このような課題を解決するためのエポキシ組成物に係る本発明は、下記一般式(1)で表されるエポキシモノマーと下記一般式(2)で表されるフェノール系硬化剤とを含有することを特徴としている。
Figure 0006226664
(ただし、式中の「Ph1」、「Ph2」は、下記一般式(x)
Figure 0006226664
(ただし、式中の「R1」は、炭素数1〜6の炭化水素基、又は、メトキシ基を表す。)
で表される置換フェニレンか、又は、非置換フェニレンであり、「Ph1」と「Ph2」とは互いに共通していても異なっていても良い。)
Figure 0006226664
(ただし、「R2」は、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、水素原子のいずれかであり、「Ph3」、「Ph4」及び「Ph5」は、互いに共通していても異なっていてもよく、下記一般式(y)
Figure 0006226664
(ただし、式中の「R3」〜「R7」は、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、水素原子のいずれかである。)
で表される置換フェニルで、且つ当該「Ph3」、「Ph4」及び「Ph5」の内の少なくとも2つが水酸基を有する置換フェニルである。)
また、上記課題を解決するための熱伝導性シートに係る本発明は、エポキシ樹脂層を有する熱伝導性シートであって、前記一般式(1)で表されるエポキシモノマーと前記一般式(2)で表されるフェノール系硬化剤とを含み、無機フィラーをさらに含有するエポキシ組成物によって前記エポキシ樹脂層が形成されていることを特徴としている。
本発明のエポキシ組成物は、特定の硬化剤とともに特定のエポキシモノマーが含有されていることから当該硬化剤とエポキシモノマーとにより高い熱伝導率を有する硬化物を形成させ得る。
従って、本発明によれば熱伝導性に優れたエポキシ樹脂層を有する熱伝導性シートを提供することができる。
一実施形態の熱伝導性シートの断面構造を示した概略断面図。 図1の熱伝導性シートの使用状態を模式的に示した半導体モジュールの該略断面図。 他実施形態の熱伝導性シートの使用状態を模式的に示した半導体モジュールの該略断面図。
以下に、本発明の熱伝導性シートの好ましい実施の形態について説明する。
本実施形態の熱伝導性シートは、所定のエポキシ組成物によって形成されたエポキシ樹脂層を有している。
本実施形態のエポキシ組成物は、特定のエポキシモノマーやフェノール系硬化剤を含有することで無機フィラーなどを含有させないエポキシ樹脂のみからなる状態でエポキシ樹脂層に0.3W/(m・K)以上もの優れた熱伝導性を発揮させ得るものである。
また、本実施形態における熱伝導性シートは、エポキシ樹脂層の形成時などにおいて高磁場を印加するなどの特別な操作を行うことなく当該エポキシ樹脂層に上記のような優れた熱伝導性を発揮させうるものである。
まず、前記エポキシ樹脂層の形成に用いられるエポキシ組成物について説明する。
本実施形態における前記エポキシ組成物は、下記一般式(1)で表されるエポキシモノマーと下記一般式(2)で表されるフェノール系硬化剤とを含有している。
Figure 0006226664
(ただし、式中の「Ph1」、「Ph2」は、下記一般式(x)
Figure 0006226664
(ただし、式中の「R1」は、炭素数1〜6の炭化水素基、又は、メトキシ基を表す。)
で表される置換フェニレンか、又は、非置換フェニレンであり、「Ph1」と「Ph2」とは互いに共通していても異なっていても良い。)
Figure 0006226664
(ただし、「R2」は、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、水素原子のいずれかであり、「Ph3」、「Ph4」及び「Ph5」は、互いに共通していても異なっていてもよく、下記一般式(y)
Figure 0006226664
(ただし、式中の「R3」〜「R7」は、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、水素原子のいずれかである。)
で表される置換フェニルで、且つ当該「Ph3」、「Ph4」及び「Ph5」の内の少なくとも2つが水酸基を有する置換フェニルである。)
本実施形態における前記エポキシ組成物は、さらに、硬化促進剤と無機フィラーとを含有している。
前記エポキシモノマーは、前記一般式(1)における「Ph1」及び「Ph2」が、パラフェニレンである。
そして、本実施形態においては、前記「Ph1」は、非置換フェニレンであることが好ましい。
また、前記「Ph2」は、4つの水素原子の内の1つがメトキシ基で置換された置換フェニレンであることが好ましく、グリシジル基とエーテル結合している炭素原子に隣接している炭素原子に前記メトキシ基が結合していることが好ましい。
即ち、前記エポキシモノマーは、下記一般式(3)に示した構造を有していることが特に好ましい。
Figure 0006226664
前記フェノール系硬化剤は、前記一般式(2)で表される構造を有するものを採用することが重要である。
該フェノール系硬化剤は、水酸基を有するフェニルを2つ以上備えていることが重要で、全てのフェニル(「Ph3」、「Ph4」及び「Ph5」)が水酸基を有していることが好ましい。
また、前記フェノール系硬化剤としては、各フェニル(「Ph3」〜「Ph5」)の水酸基の数が、1又は2であることが好ましい。
また、前記フェノール系硬化剤としては、各フェニルに水酸基以外の置換基を有していないことが好ましい(水酸基以外が水素原子であることが好ましい)。
即ち、本実施形態における前記フェノール系硬化剤は、例えば、下記一般式(4)に示す4,4’,4”−メチリジントリスフェノールなどであることが好ましい。
Figure 0006226664
前記エポキシモノマーとの配合比率や硬化促進剤などといったその他の配合材料の有無などにもよるが、上記のような好ましいフェノール系硬化剤を採用することで本実施形態のエポキシ組成物は、ガラス転移温度が150℃以上もの値を示す硬化物を形成可能なものとなる。
即ち、耐熱性に優れたエポキシ樹脂層を形成させ得る上においても本実施形態のエポキシ組成物には4,4’,4”−メチリジントリスフェノールなどのフェノール系硬化剤を採用することが好ましい。
該フェノール系硬化剤は、通常、水酸基の数が前記エポキシモノマーのグリシジル基の数と略同等(例えば、0.8倍〜1.25倍の間の比率)になるようにエポキシ組成物に含有させることができる。
なお、本実施形態のエポキシ組成物は、要すれば、その他のフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等を本発明の効果が著しく損なわれない範囲において含有してもよい。
また、本実施形態のエポキシ組成物は、該フェノール系硬化剤とともに硬化促進剤を含有しており、当該硬化促進剤としては、ホスホニウム塩系硬化促進剤、スルホニウム塩系硬化促進剤などのオニウム塩系硬化促進剤を含有させることが好ましい。
前記に示したフェノール系硬化剤は、軟化温度が200℃を超えるものが多いため、エポキシ組成物に含有させる硬化促進剤としては200℃以下の温度において触媒活性が過度に発揮されないものが好ましい。
そのようなことから本実施形態のエポキシ組成物は、前記オニウム塩系硬化促進剤としてテトラフェニルホスホニウム塩系硬化促進剤やトリフェニルホスホニウム塩系硬化促進剤といったホスホニウム塩系硬化促進剤を含有させることが特に好ましく、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートを含有させることが最も好ましい。
該テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどのオニウム塩系硬化促進剤は、通常、エポキシモノマー100質量部に対する割合が0.1質量部以上5質量部以下となるようにエポキシ組成物に含有させることができる。
本実施形態のエポキシ組成物には、前記のようにエポキシ樹脂層を熱伝導性に優れたものとするために、熱伝導性に優れた無機フィラーをさらに含有している。
該無機フィラーとしては、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物、炭素、金属被覆樹脂などからなる粒状物、板状物、繊維状物等が挙げられる。
前記金属としては、銀、銅、金、白金、ジルコニウム等、金属酸化物としては酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等、金属窒化物としては窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等、金属炭化物としては炭化ケイ素等、金属水酸化物としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等、炭素としては、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等が挙げられる。
本実施形態のエポキシ組成物に前記無機フィラーを含有させる場合には、該エポキシ組成物の硬化物に占める前記無機フィラーの体積割合が、通常、30体積%以上90体積%以下となるように含有させることができる。
本実施形態のエポキシ組成物は、前記無機フィラーとして窒化ホウ素粒子か窒化アルミニウム粒子かのいずれかを含んでいることが好ましい。
また、エポキシ組成物には必要に応じて顔料、染料、蛍光増白剤、分散剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤、溶剤等を適宜含有させることも可能である。
本実施形態における前記熱伝導性シートは、上記のようなエポキシ組成物のみをシート化したり、或いは、別のシート状の部材などに積層したりすることで形成させることができる。
なお、熱伝導性シートに熱伝導のみならず電気絶縁性などが求められるような場合においては、該熱伝導性シートには、エポキシ樹脂層を2層以上積層した状態で備えさせ、且つ、該エポキシ樹脂層を担持させるための基材層を別途備えさせることが好ましい。
以下に、本実施形態における熱伝導性シートの一つの実施形態を示す事例として、図を参照しつつ熱伝導性の絶縁シートについて説明する。
本実施形態の熱伝導性シート(以下「絶縁シート」ともいう)は、図1にその断面構造を示すように、2層のエポキシ樹脂層11,12(以下「絶縁層」ともいう)と、この絶縁層11,12を支持するための基材層13とを備えている。
即ち、本実施形態の絶縁シート10は、3層の積層構造を有するシート体であり、2層の絶縁層11,12の内の第一の絶縁層11(以下、「第一絶縁層11」ともいう)によって一面側が構成され、他面側が前記基材層13によって構成されているとともに該基材層13と前記第一絶縁層11との間の中間層が第二の絶縁層12(以下、「第二絶縁層12」ともいう)によって構成されている。
第一絶縁層11及び第二絶縁層12は、本実施形態のエポキシ組成物からなり、Bステージ化(半硬化)させた前記エポキシ組成物からなるものである。
本実施形態のエポキシ組成物は、エポキシ硬化物単独でも優れた熱伝導性を発揮するものであるが、これらの絶縁層11,12は、無機フィラーを含有する前記エポキシ組成物によって形成されており、より一層優れた熱伝導性を発揮するように形成されている。
なお、第一絶縁層11及び第二絶縁層12に対して優れた熱伝導性を発揮させるべく無機フィラーを高充填させようとすると当該絶縁層11,12が脆くなって絶縁シートに対して慎重な取り扱いが求められるおそれがあるが本実施形態の絶縁シート1は、前記基材層13を設けることで前記絶縁層11,12の割れやクラックを抑制させている。
特にBステージと呼ばれる未反応なエポキシ基を含んだ半硬化な状態においては、未反応なエポキシ基が系内に実質的に存在しないCステージと呼ばれる状態となるように硬化させた場合と違って絶縁層11,12が僅かな変形によっても割れやすいため、本実施形態の絶縁シート1は、前記基材層13が重要な役割を担っているといえる。
また、無機フィラーを高充填させようとすると絶縁層11,12にピンホールやボイドなどの欠陥が形成され易くなるが、本実施形態の絶縁シート10は、絶縁層を2層積層することで仮に欠陥箇所が形成された場合でも当該欠陥が絶縁シートの厚み方向に連続的なものとなることを防いでいる。
即ち、本実施形態の絶縁シート10は、絶縁層を積層構造とすること、及び、該絶縁層を基材層13によって支持させることで電気的信頼性が確保されている。
該第一絶縁層11及び第二絶縁層12は、絶縁シート10に優れた電気絶縁性を発揮させ得る上において、トータルでの体積抵抗率が1×1013Ω・cm以上であることが好ましく、1×1014Ω・cm以上であることがより好ましい。
また、第一絶縁層11及び第二絶縁層12は、個々の体積抵抗率も1×1013Ω・cm以上であることが好ましく、1×1014Ω・cm以上であることがより好ましい。
また、前記第一絶縁層11及び第二絶縁層12は、絶縁シート10に優れた熱伝導性を発揮させる上において、前記エポキシ組成物を十分に硬化(Cステージ化)させた際の熱伝導率が5W/m・K以上となるように前記無機フィラーの種類や配合量の調整がなされていることが好ましく30体積%以上90体積%以下となる割合で無機フィラーが含有されていることが好ましい。
なお、エポキシ組成物によって形成させた成形体の熱伝導率については、通常、キセノンフラッシュアナライザー(例えば、NETZSCH社製、「LFA−447型」)によって測定することができる。
この熱伝導率については、キセノンフラッシュアナライザーによらず、他のレーザーフラッシュ法やTWA法により測定することができ、例えば、レーザーフラッシュ法では、アルバック理工社製の「TC−9000」を用いて測定することができる。
そして、TWA法では、アイフェイズ社製の「ai−Phase mobile」を用いて測定することができる。
上記のような優れた熱伝導性を絶縁シート10に発揮させる上においては、第一絶縁層11及び第二絶縁層12に含有させる無機フィラーは、窒化ホウ素粒子か又は窒化アルミニウム粒子であることが好ましい。
なお、窒化ホウ素粒子は、一般的な製法においては一次粒子として六角板状の粒子形状を有しているが、この六角板状の一次粒子が複数で凝集塊を形成している凝集粒子も無機フィラーとして市販がされており、本実施形態のエポキシ組成物に含有させる無機フィラーとしては該凝集粒子が特に好ましい。
第一絶縁層11及び第二絶縁層12を形成させるエポキシ組成物は、窒化ホウ素粒子を無機フィラーとして含有させる場合には、当該窒化ホウ素粒子が酸化アルミニウム粒子や酸化ケイ素粒子などに比べて樹脂との親和性が低く、窒化ホウ素粒子だけでは第一絶縁層11や第二絶縁層12に対して優れた凝集力を発揮させ難いことから、第一絶縁層11や第二絶縁層12に優れた接着性が求められる場合であれば酸化アルミニウム粒子や酸化ケイ素粒子などの金属酸化物粒子を含有させることが好ましい。
なお、熱伝導性と接着性とをバランス良く第一絶縁層11や第二絶縁層12に発揮させる上においては、第一絶縁層11及び第二絶縁層12に占める無機フィラーの合計量を40体積%〜70体積%とすることが好ましい。
また、熱伝導性と接着性とをバランス良く第一絶縁層11や第二絶縁層12に発揮させる上においては、第一絶縁層11及び第二絶縁層12における前記金属酸化物粒子と前記窒化ホウ素粒子との体積比率は、0.5:99.5〜50:50とすることが好ましい。
さらに、前記金属酸化物粒子は、レーザー回折散乱式粒度分布計による測定によって求められるメジアン径が0.1μm〜30μmであることが好ましい。
なお、第一絶縁層11と第二絶縁層12とは、同じエポキシ組成物によって形成させる必要性はなく、さらに、それぞれの厚みも共通させる必要はない。
この第一絶縁層11及び第二絶縁層12の厚みは、通常、25μm〜300μm程度とすることができる。
なお、前記基材層13については、通常、5μm〜500μmの厚みを有するポリマーフィルム、金属箔、繊維シートなどによって形成させることができる。
前記ポリマーフィルムであれば、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリアリレートなどのポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド11、ポリアミド12等の脂肪族ポリアミド樹脂;ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドなどの芳香族ポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素系樹脂;ポリテトラフロロエチレン、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、テトラフロロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂;ポリイミド樹脂;ポリカーボネート樹脂;アクリル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂などからなる樹脂フィルムを基材層13の形成に用いることができる。
また、前記金属箔であれば、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄などの金属やその合金からなる金属箔によって基材層13を形成させることができる。
該金属箔としては、異種金属が貼り合わされてなるクラッド箔や異種金属をメッキしたメッキ箔であってもよい。
さらに、前記繊維シートであれば、ポリエステル繊維不織布、パルプシート、ガラスマット、カーボン繊維シートなどを採用して前記基材層13を形成させることができる。
なお、基材層は、これらが複合化されたシートによって形成させることも可能であり、例えば、アルミラミネート樹脂フィルムなどの金属箔とポリマーフィルムとが積層された積層フィルムを用いて形成させることができる。
該絶縁シート10の具体的な使用方法としては、例えば、図2、3に示すように半導体モジュールの構成部材としての使用方法が挙げられる。
まず、図2に基づいて絶縁シート10の使用方法を説明する。
この図2は、半導体モジュールの断面を示した概略図であり、該半導体モジュール100は、半導体素子30と、該半導体素子30のヒートシンクとして機能する金属板40とを有し、平置き配置された前記金属板40の上面側にハンダ50によって固定された状態で前記半導体素子30を有している。
前記半導体素子30は、前記金属板40の上面の面積に比べて小さなものであり、本実施形態においては、ベアチップの状態で金属板上に搭載されている。
そして、本実施形態の前記絶縁シート10は、この半導体素子30が搭載されている側とは逆側となる金属板40の下面に配されている。
即ち、前記絶縁シート10は、一面側に前記半導体素子30が搭載された前記金属板40の他面側に前記第一絶縁層11を接着させて半導体モジュール100の形成に用いられている。
本実施形態の絶縁シート10は、平面視における形状が金属板40の下面に相当する形状となっており、金属板40の下面外縁40eと第一絶縁層11の外縁とを揃えた状態で当該金属板40の下面に接着されている。
本実施形態の半導体モジュール100は、その外殻をなす角筒状のケース60を有し、該ケース60は、平面視における形状が前記金属板40よりも一回り大きく、且つ、正面視における形状が、絶縁シート10、金属板40、及び、半導体素子30の厚みを足し合わせた高さよりも高く形成されている。
即ち、前記ケース60は、絶縁シート10、金属板40、及び、半導体素子30の全てを内包可能な大きさを有している。
そして、半導体モジュール100は、前記金属板40を包囲するように前記ケース60を配置させており、該ケース60の側壁を貫通してケースの内外に延びるリードフレーム70をさらに備えている。
また、該半導体モジュール100は、前記リードフレーム70のケース内における端部と前記半導体素子30とがボンディングワイヤ80によって電気的に接続され、且つ、前記ケース内の空きスペースに封止樹脂が充填されてなるモールド部90が形成されている。
該モールド部90は、半導体素子30、金属板40、及び、絶縁シート10を埋設させているとともに該絶縁シート10の下面側を露出させるように形成されている。
即ち、前記モールド部90は、下面が前記基材層13の下面と略面一な状態となるように形成されている。
なお、本実施形態の半導体モジュール100は、Bステージ化されたエポキシ樹脂層たる第一絶縁層11の上面を前記金属板40の下面に接着させるのに際して前記モールド部90を形成させる際の封止樹脂の熱と圧力とを利用している。
即ち、前記モールド部90の形成前には金属板40と絶縁シート10とは仮接着程度、又は、全く接着されていない状態で実質的に接着された状態とはなっておらず、絶縁シート10は、前記モールド部90を形成させるべく加熱溶融された封止樹脂がケース内に加圧充填されることによって前記第一絶縁層11と金属板40の下面とが加熱状態で圧接されて金属板40に接着固定されている。
また、絶縁シート10は、このモールド部90を形成させる際の熱、及び、必要に応じて行われる追加加熱によって最終的には第一絶縁層11及び第二絶縁層12をCステージ化させて半導体モジュール100に備えられている。
このようにして半導体モジュール100の一部分を構成している前記絶縁シート10は、ここでは基材層13の下面側のみを当該半導体モジュール100の下面において露出させている。
本実施形態の絶縁シート10は、該基材層13を金属箔によって形成させており、該金属箔の露出面が半導体モジュール100の主たる放熱面として利用されるべく当該半導体モジュール100に備えられている。
前記のように半導体モジュール100は、この金属板40に半導体素子30が直接搭載されており、半導体素子30と金属板40とが略同電位となっている。
従って、前記絶縁シート10は、金属板40から前記放熱面までの間に良好なる伝熱経路を形成させるとともに金属板40を外部から電気的な接続が遮断された状態となすべく半導体モジュール100に備えられている。
本実施形態の絶縁シート10は、優れた電気絶縁性と熱伝導性を有することから半導体モジュール100の動作時における半導体素子30のジャンクション温度が過度に上昇することを抑制させることができ、半導体モジュール100の故障を防いで耐用期間を長期化させ得る。
このような効果を発揮するのは、必ずしも図2に例示した態様のみならず、図3に例示するような半導体モジュールにおいても同じである。
このことを図3を参照しつつ説明する。
なお、図3も図2と同様に半導体モジュールの断面を示した概略図であり、図3において図2と同じ数値の符号が付されている構成部分は図2と同様であるため、ここでは必要以上に繰り返して説明は行わない。
この図3に示した半導体モジュール100’は、絶縁シート10’が積層構造を有しておらず、無機フィラーを含有するエポキシ組成物をBステージ化させてなるエポキシ樹脂層単層のシート体である点において図2の半導体モジュール100と異なっている。
また、該半導体モジュール100’は、絶縁シート10’がケース60’の平面形状と同等に形成されており、且つ、前記モールド部90’が金属板40’の下面と略面一となるように形成されている点においても図2の半導体モジュール100と異なっている。
そして、前記絶縁シート10’は、当該絶縁シート10’を除いた半導体モジュール100’の主要部分たるモジュール本体部100x’の下面に接着させて用いられ、前記金属板40’に対する絶縁を施して半導体モジュール100’を構成させるべく用いられる。
また、該絶縁シート10’は、図3に示すように、前記モジュール本体部100x’と放熱器20’との間に介装させて用いられ、例えば、上面が前記金属板40’の下面よりも大きな平坦面となった板状の基板部21’と該基板部21’の下面から複数のフィンを垂下させてなるフィン部22’とを有する前記放熱器20’の基板部上面とモジュール本体部100x’の下面との接着に用いられている。
なお、該絶縁シート10’を用いて図3に示すような放熱器付半導体モジュールを形成させる場合は、該絶縁シート10’をモジュール本体部側に先に接着させて一旦半導体モジュール100’の形状を完成させた後に前記絶縁シート10’を使ってさらに放熱器20’を接着させるようにしても良く、逆に一旦絶縁シート10’を放熱器20’の基板部上面に接着させて絶縁層付放熱器を作製した後で、該絶縁層付放熱器をモジュール本体部100x’に接着させるようにしてもよい。
さらには、モジュール本体部100x’と放熱器20’との間に絶縁シート10’を挟んで熱プレスするなどして絶縁シート10’をモジュール本体部100x’と放熱器20’とに同時に接着させるようにしてもよい。
このような場合も、Cステージ化された絶縁シート10’が優れた電気絶縁性と熱伝導性を発揮することから該絶縁シート10’を構成部材として備えた半導体モジュール100’は、その耐用期間を長期化させ得る。
ここではこれ以上に詳細な説明を繰り返すことは行わないが、例えば、図3に例示した態様において、絶縁シート10’を図1、2での例示と同様に2層以上の絶縁層を有するものとしたり、絶縁層以外に基材層を有するものとしたりすることも可能である。
なお、本発明のエポキシ組成物は、絶縁シートの形成材料としてのみ用いられるものではなく、前記モールド部90,90’や前記ケース60,60’などの形成にも利用可能なものであり、本発明のエポキシ樹脂成形体は、当然ながら上記以外の各種態様とされ得るものである。
また、本発明の熱伝導性シートも、その実施態様が上記のような絶縁シートに限定されるものではない。
なお、本発明のエポキシ組成物や熱伝導性シートについては、従来公知の技術事項を本発明の効果が著しく損なわれない範囲において適宜採用することが可能なものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<エポキシ組成物の調製>
評価用のエポキシ組成物を調整すべく以下の材料を用意した。
(エポキシA):エポキシ当量 224g/eqの下記一般式(3)で表される物質
Figure 0006226664
(エポキシB):エポキシ当量 167g/eqの下記一般式(5)で表される物質)
Figure 0006226664
(ただし、式中の「n」は、1〜3の正数を表す。)
(フェノールC):水酸基当量 97g/eqの下記一般式(4)で表される4,4’,4”−メチリジントリスフェノール
Figure 0006226664
(フェノールD):水酸基当量 105g/eqの下記一般式(6)で表される物質
Figure 0006226664
(硬化促進剤E):テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(TPPK)
(シランカップリング剤F):フェニルトリメトキシシラン
(無機フィラーG):窒化ホウ素凝集粒子(水島合金鉄社製、商品名「HP−40」)
(無機フィラーH):窒化アルミニウム粒子(古河電子社製、商品名「f−50J」)
<テストピース1の作製>
(実施例1)
前記の「エポキシA」と「フェノールC」とを、「エポキシA」によるエポキシ基の数(EX)と「フェノールC」による水酸基の数(OH)とが、1:1(EX:OH)となるように配合するとともに「エポキシA」100質量部に対する割合が1質量部となるように「硬化促進剤E」を配合した。
この配合物(「エポキシA」、「フェノールC」及び「硬化促進剤E」)との合計に占める割合が30質量%となるようにシクロペンタノンを加えてエポキシ溶液を作製した。
このエポキシ溶液をアルミカップに流し入れ、約100℃の温度に加熱して溶媒(シクロペンタノン)を除去し乾燥固体を作製した。
次いで、この乾燥固体をガラス板の上に乗せた状態で140℃の真空チャンバー内に10分間保管し、溶融脱泡させた。
このガラス板の周囲にスペーサーを乗せ、さらにその上に別のガラス板を乗せて180℃の乾燥機中に3時間保管する間に「エポキシA」と「フェノールC」とを十分に反応させ、厚み0.45mmのシート状の硬化体を作製した。
この硬化体の熱伝導率を測定した結果0.32W/m・Kであった。
次に、「エポキシA」、「フェノールC」及び「硬化促進剤E」の配合割合は上記と同じ割合とし、さらに無機フィラーを含有させたエポキシ組成物を使って熱伝導性シートを作製した。
なお、以下における「質量部」との用語は、特段の断りが無い限りにおいて、「エポキシA」と「フェノールC」との合計100質量部に対する質量割合を意味する。
まず、無機フィラー100質量部に対するシランカップリング剤の割合が1.5質量部となるようにして無機フィラーのシランカップリング処理を実施した。
即ち、表1に示すように、「無機フィラーG(BN)」を246.02質量部秤量し、これを袋に収容した後、3.69質量部の「シランカップリング剤F」を加えて袋中で混合攪拌した。
同様に、「エポキシA」と「フェノールC」との合計100質量部に対する割合が88.72質量部となるように「無機フィラーH(AlN)」を秤量し、これを袋に収容した後、1.33質量部の「シランカップリング剤F」を加えて袋中で混合攪拌した。
そして、この「無機フィラーG」及び「無機フィラーH」は、それぞれ袋に収容した状態のまま2日間以上静置しシランカップリング処理を行った。
次いで、269.74質量部のシクロペンタノンを用意し、これにシリカ系増粘剤5.24質量部を加え、さらに「エポキシA」69.7質量部、「フェノールC」30.3質量部及び「硬化促進剤E」0.7質量部を加えた後、これをホットスターラーにセットして約70℃の温度で混合攪拌した。
そして、最後に前記のカップリング処理されたフィラーを加え塗工液を調製した。
表面粗化処理したポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)フィルムを粗化面が上向きになるように台上にセットし、これに厚み200μm用のアプリケータを使って前記塗工液を塗工した。
この塗工液を塗工したPETフィルムを130℃の乾燥機中に10分間収容させて塗膜からシクロペンタノンを揮発除去させることにより、PETフィルム上にエポキシ樹脂層が形成されたサンプルシートを得た。
このサンプルシートから、一辺50mmの略正方形のシート片を4枚切り出し、この内の2枚を塗膜が内側となるように重ね合わせて熱プレスで接着させた。
また、残りの2枚のシート片についても同様に熱プレスで接着させた。
なお、この時の熱プレスは、重ね合わせた2枚のシート片に対し、厚み方向に10MPaの圧力が加わるようにし、常温から加熱して温度が130℃に達した時点で温度を一定させ、加熱開始後から20分経過した時点で冷却するようにして実施した。
また、この熱プレスにおいては、冷却中も加圧を継続させ、且つ、該加圧状態での冷却を20分以上実施した。
このようにして得られた2枚の積層シート(PETフィルム/エポキシ樹脂層/エポキシ樹脂層/PETフィルムの4層積層品)のそれぞれ片面からPETフィルムを除去し、表面露出させたエポキシ樹脂層どうしが接するように重ね合わせ、これを再び熱プレスすることにより熱伝導率測定用の試料を作製した。
この時の熱プレスは、重ね合わせた2枚の積層シートに対し、厚み方向に5MPaの圧力が加わるようにし、常温から加熱して温度が180℃に達した時点で温度を一定させ、加熱開始後から60分経過した時点で冷却するようにし、エポキシ樹脂層を構成しているエポキシ組成物が略完全に硬化するように実施した。
また、この熱プレスにおいても、冷却中も加圧を継続させ、且つ、該加圧状態での冷却を20分以上実施した。
そして、最後に、熱プレス後のシートから外側のPETフィルムを除去し、エポキシ樹脂層が4層積層された熱伝導性シートを得、該熱伝導性シートを熱伝導率測定用試料とした。
この熱伝導性シート(4層積層試料)の熱伝導率については、前記の無機フィラーを含有していないシートについての測定結果とともに表1に示す。
なお、熱伝導率は、キセノンフラッシュアナライザー「LFA−447型」(NETZSCH社製)によって測定したものである。
(実施例2、比較例1〜4)
エポキシ組成物の配合を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に試料を作製し熱伝導率の測定を実施した。
結果を、併せて表1に示す。
Figure 0006226664
以上のようなことからも、本発明によれば熱伝導性に優れた熱伝導性シート、及び、このような熱伝導性シートの形成に適したエポキシ組成物を提供し得ることがわかる。
10:熱伝導性シート(絶縁シート)、11:エポキシ樹脂層(第一絶縁層)、12:エポキシ樹脂層(第二絶縁層)、30:半導体素子、40:金属板、100:半導体モジュール

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表されるエポキシモノマーと下記一般式(2)で表されるフェノール系硬化剤とを含有することを特徴とするエポキシ組成物。
    Figure 0006226664
    (ただし、式中の「Ph1」、「Ph2」は、下記一般式(x)
    Figure 0006226664
    (ただし、式中の「R1」は、炭素数1〜6の炭化水素基、又は、メトキシ基を表す。)
    で表される置換フェニレンか、又は、非置換フェニレンであり、「Ph1」と「Ph2」とは互いに共通していても異なっていても良い。)
    Figure 0006226664
    (ただし、「R2」は、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、水素原子のいずれかであり、「Ph3」、「Ph4」及び「Ph5」は、互いに共通していても異なっていてもよく、下記一般式(y)
    Figure 0006226664
    (ただし、式中の「R3」〜「R7」は、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、水素原子のいずれかである。)
    で表される置換フェニルで、且つ当該「Ph3」、「Ph4」及び「Ph5」の内の少なくとも2つが水酸基を有する置換フェニルである。)
  2. オニウム塩系硬化促進剤をさらに含有する請求項1記載のエポキシ組成物。
  3. 前記オニウム塩系硬化促進剤が、ホスホニウム塩系硬化促進剤である請求項2記載のエポキシ組成物。
  4. エポキシ樹脂層を有する熱伝導性シートであって、
    下記一般式(1)で表されるエポキシモノマーと下記一般式(2)で表されるフェノール系硬化剤とを含み、無機フィラーをさらに含有するエポキシ組成物によって前記エポキシ樹脂層が形成されていることを特徴とする熱伝導性シート。
    Figure 0006226664
    (ただし、式中の「Ph1」、「Ph2」は、下記一般式(x)
    Figure 0006226664
    (ただし、式中の「R1」は、炭素数1〜6の炭化水素基、又は、メトキシ基を表す。)
    で表される置換フェニレンか、又は、非置換フェニレンであり、「Ph1」と「Ph2」とは互いに共通していても異なっていても良い。)
    Figure 0006226664
    (ただし、「R2」は、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、水素原子のいずれかであり、「Ph3」、「Ph4」及び「Ph5」は、互いに共通していても異なっていてもよく、下記一般式(y)
    Figure 0006226664
    (ただし、式中の「R3」〜「R7」は、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、又は、水素原子のいずれかである。)
    で表される置換フェニルで、且つ当該「Ph3」、「Ph4」及び「Ph5」の内の少なくとも2つが水酸基を有する置換フェニルである。)
  5. 前記エポキシ樹脂層には、前記無機フィラーとして窒化ホウ素粒子又は窒化アルミニウム粒子が含有されており、該無機フィラーが30体積%以上90体積%以下の割合で含有されている請求項4記載の熱伝導性シート。
  6. 前記エポキシ樹脂層を形成する前記エポキシ組成物にはオニウム塩系硬化促進剤がさらに含有されている請求項4又は5記載の熱伝導性シート。
  7. 前記オニウム塩系硬化促進剤が、ホスホニウム塩系硬化促進剤である請求項6記載の熱伝導性シート。
  8. 半導体素子を備え、該半導体素子のヒートシンクとして金属板をさらに備えた半導体モジュールの構成部材として用いられ、一面側に前記半導体素子が搭載された前記金属板の他面側に前記エポキシ樹脂層を接着させて用いられる請求項4乃至7のいずれか1項に記載の熱伝導性シート。
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