JP6225410B2 - 亜硝酸性窒素濃度測定方法及びその装置 - Google Patents

亜硝酸性窒素濃度測定方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明は液相中の亜硝酸性窒素濃度を電気化学測定法によって測定する技術に関する。
電気化学測定法は、高速、高感度な測定法であることから食品分野・医療分野等の各分野で広く用いられている。電気化学測定法は、化学反応を用いる方法と比較して、操作が簡便である点で優れた測定方式である。電気化学測定で用いられている方法には、ボルタンメトリのように測定用電極に一定の電位を印加して保持し、流れる電流の変化を検出する測定方法、ポーラログラフィのように測定用電極の電位変化を検出する測定方法等、各種の測定法が用いられ、いずれも測定用電極に流れる電流や測定用電極の電位変化を検出して測定を行っている。
電気化学測定法に基づく亜硝酸性窒素濃度測定法としては例えば特許文献1に開示された測定法が知られている。この測定法では、試料水と酸性の試薬溶液とを混合させた反応液を所定の速度でフローセルに供給しこのフローセルに配置された電極間に電圧を印加して検出された電流または電荷に基づき前記試料水中の亜硝酸性窒素濃度を測定する。
特開2010−197383号公報
しかしながら、上記電気化学測定法に基づく亜硝酸性窒素濃度測定方法は試薬溶液が酸性であることを条件とするので測定後に廃液を中和処理する必要がある。
電気化学測定法に基づく亜硝酸性窒素濃度測定方法が広く普及するには、試料水と混合させる電解質溶液のpHに依存することなく精度よく亜硝酸性窒素濃度の測定を行なえることが要望される。
そこで、本発明の亜硝酸性窒素濃度測定方法は、試料水と塩化ナトリウム水溶液との混合液をフローインジェクション方式の検出容器に供給し当該容器内の混合液に浸漬された電極間に所定の電圧を印加して検出される電流または電荷に基づき前記試料水の亜硝酸性窒素濃度を測定する亜硝酸性窒素濃度測定方法であって、前記混合液に浸漬させた電極間に400〜600mVの電圧を印加して当該混合液を予め電解処理する工程と、前記電解処理した混合液に浸漬させた電極間に800〜1200mVの電圧を印加して検出される電流または電荷に基づき前記試料水の亜硝酸性窒素濃度を測定する工程と有する。
上記の亜硝酸性窒素濃度測定方法はバッチ方式、フローインジェクション方式のいずれかの方式にも適用できる。
本発明のフローインジェクション方式の亜硝酸性窒素濃度測定装置の態様としては、試料水と塩化ナトリウム水溶液との混合液を流通させる検出容器と、この検出容器内に配置される電極と、前記検出容器内の混合液に浸漬された電極間に400〜600mVの電圧を印加して当該混合液を予め電解処理する一方でこの電解処理した混合液に浸漬された当該電極間に800〜1200mVの電圧を印加して電流または電荷を検出する検出部と、前記検出された電流または電荷を亜硝酸性窒素濃度に変換する演算部とを備える。
以上の発明によれば、電気化学測定法に基づく亜硝酸性窒素濃度測定方法において、試料水と混合させる電解質溶液のpHに依存することなく精度よく亜硝酸性窒素濃度の測定が行える。
バッチ方式の電気化学測定装置の概略構成図。 (a)は電解質溶液(1)が混合された各種濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液のCV測定値,(b)は同水溶液における亜硝酸性窒素濃度とピーク電流値との関係を示した検量線図。 (a)は電解質溶液(2)が混合された各種濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液のCV測定値,(b)は同水溶液における亜硝酸性窒素濃度とピーク電流値との関係を示した検量線図。 (a)は電解質溶液(3)が混合された各種濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液のCV測定値,(b)は同水溶液における亜硝酸性窒素濃度とピーク電流値との関係を示した検量線図。 (a)は電解質溶液(4)が混合された各種濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液のCV測定値,(b)は同水溶液における亜硝酸性窒素濃度とピーク電流値との関係を示した検量線図。 (a)は電解質溶液(5)が混合された各種濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液のCV測定値,(b)は同水溶液における亜硝酸性窒素濃度とピーク電流値との関係を示した検量線図。 (a)は電解質溶液(6)が混合された各種濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液のCV測定値,(b)は同水溶液における亜硝酸性窒素濃度とピーク電流値との関係を示した検量線図。 (a)は電解質溶液(7)が混合された各種濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液のCV測定値,(b)は同水溶液における亜硝酸性窒素濃度とピーク電流値との関係を示した検量線図。 FIA(フローインジェクション分析)方式の電気化学測定装置の概略構成図。 FIA方式における亜硝酸イオンのハイドロダイナミックボルタグラム。 FIA方式における亜硝酸性窒素濃度及キャリア流速による電解率を示した特性図。 試料(濃度既知試料水+電解質溶液)の試料注入量並びにキャリア流速と電解率との関係を示した特性図。 (a)は亜硝酸ナトリウム濃度0.001〜0.02mMの範囲での時間−電流曲線,(b)は亜硝酸ナトリウム濃度60〜100mMの範囲での時間−電流曲線。 亜硝酸性窒素濃度とクーロン値(電荷)との関係を示した検量線図。 (a)は0.5M塩化ナトリウム水溶液がキャリアである場合の亜硝酸性窒素濃度とクーロン値との関係を示した検量線図,(b)は0.5M硝酸ナトリウム水溶液がキャリアである場合の亜硝酸性窒素濃度とクーロン値との関係を示した検量線図,(c)は0.5M酢酸ナトリウム水溶液がキャリアである場合の亜硝酸性窒素濃度とクーロン値との関係を示した検量線図,(d)は0.5M硫酸アンモニウム水溶液がキャリアである場合の亜硝酸性窒素濃度とクーロン値との関係を示した検量線図,(e)は0.5M硫酸ナトリウム水溶液がキャリアである場合の亜硝酸性窒素濃度とクーロン値との関係を示した検量線図。 各種キャリアでのバックグラウンド電流を示したグラフ。 5mM亜硝酸性窒素濃度でのハイドロダイナミックボルタモグラム。 50mM亜硝酸性窒素濃度でのハイドロダイナミックボルタモグラム。 亜硝酸イオンの測定妨害物質を含んだ試料水をFIA方式の電気化学測定装置で分析した場合の印加電位とクーロン値との関係を示した特性図。 処理印加電位とクーロン値との関係を示した特性図。 (a)は前処理工程を実行しない場合の亜硝酸性窒素濃度とクーロン値との関係を示した特性図,(b)は前処理工程を実行した場合の亜硝酸性窒素濃度とクーロン値との関係を示した特性図。 発明の実施形態としてのFIA方式の亜硝酸性窒素濃度測定装置の概略構成図。
本発明の創作にあたり以下の検討1〜3が実施された。
[検討1]試料水と電解質溶液の組合せについての検討
亜硝酸イオンと電解質との反応特性の調査のために図1に示す電気化学測定用機器にて構成したバッチ式の亜硝酸性窒素濃度測定装置1(以下、測定装置1)にてCV(サイクリックボルタメタリー)試験をした。
測定装置1の構成要素の仕様を以下に示した。
検出セル11(バッチ式のセル):テフロン(登録商標)キャップ付きガラスセル(イーシーフロンティア製,型番:VB-2)
作用電極12:電極径3mmグラッシーカーボン電極(イーシーフロンティア製,型番:GC-6355)
参照電極13:Ag/AgCl電極(イーシーフロンティア製,型番:RE-2)
対極14:白金コイル(イーシーフロンティア製,型番:CE-2)
検出部15:ポテンショスタットアナライザ(イーシーフロンティア製,型番:ECstat-100)
演算・制御部16:パーソナルコンピュータ(検出部15で検出された電流値または電荷をデ−タ処理、演算、記録するプログラム(イーシ−フロンティア製,ECstat-100専用ソフト)がインストールされたもの)
CV試験に用いた電解質溶液(1)〜(7)を以下に示した。
電解質溶液(1):0.5M硫酸ナトリウム水溶液,中性(pH=7)
電解質溶液(2):0.5M硫酸ナトリウム水溶液+0.05M硫酸,酸性(pH=1)
電解質溶液(3):0.5M硫酸ナトリウム水溶液+0.05M水酸化ナトリウム水溶液,アルカリ性(pH=13)
電解質溶液(4):0.5M塩化ナトリウム水溶液,中性(pH=7)
電解質溶液(5):0.5M硝酸ナトリウム水溶液,中性(pH=7)
電解質溶液(6):0.5M酢酸ナトリウム水溶液,弱アルカリ性(pH=9.5)
電解質溶液(7):0.5M硫酸アンモニウム水溶液,弱酸性(pH=4.6)
電解質溶液(1)〜(7)と亜硝酸ナトリウム水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度:0,1,2,5,10mM)との混合液を検出セル11に投入した。検出部15は検出セル11内の混合液に浸漬された電極12〜14間に所定の電位を印加してCV(サイクリックボルタグラム)測定値及びピーク電流を検出した。この検出したデータに基づく亜硝酸性窒素濃度とピーク電流との関係を演算・制御部16にて算出しその結果を出力表示した。
前記電位の印加条件を以下に示した。
開始電位:−400mV
折り返し電位:+1400mV
終了電位:50mV/s
掃引速度:50mV/s
サンプリング間隔:100ms
CV測定値とこの測定値に基づく亜硝酸性窒素濃度の検量線を図2〜図8に示した。図示された測定結果によれば電解質の種類に依らず+900mV前後で亜硝酸イオンの酸化ピークが確認され、検量線(濃度−ピーク電流曲線)は略直線となり本反応過程を利用した定量分析が可能であることがわかった。
具体的には図3、図4の結果から明らかなように電解質溶液が酸性、アルカリ性のいずれかであっても検量線の作成が可能であり、亜硝酸性窒素濃度の測定が可能であることが確認された。また、図2、図5〜図8の結果から明らかなように電解質溶液が弱酸性から弱アルカリ性であっても検量線の作成が可能であり、電解質溶液が中性であっても亜硝酸性窒素濃度の測定が可能であることが確認された。以上のように電解質の種類に関係なく、検量線の作成が可能であり、亜硝酸イオンの特性である酸化ピークにより測定が可能であることが判った。
[検討2]FIA方式における測定条件(流量、印加電圧、試料水量等)の検討
図9に示す電気化学測定用機器にて構成したFIA方式の亜硝酸性窒素濃度測定装置2(以下、測定装置2)にて各種測定を行った。測定装置2の構成を以下に説明する。
測定装置2は、試料水と電解質溶液との混合液を流通させるフローセル24と、このフローセル24内に配置される作用電極241,参照電極242,対極243と、フローセル24内の混合液に浸漬された電極241〜243間に電圧を印加して電流または電荷を検出する検出部25と前記検出された電流または電荷のデ−タを収集、記録や各機器の運転制御を行う演算・制御部26とを備える。
フローセル24は全電解セルであり、作用電極241は微小カーボン繊維の集合体であるカーボンフェルトを使用し、多孔質ガラス(孔径40オングストローム)を介して外部溶液中に参照電極242と対極243が配置されている。
フローセル24の上流側には、キャリアを供給するポンプ21、前記キャリアに前記試料水を手動バルブの操作により所定量の注入が可能なインジェクタ22が配置されている。ポンプ21は所定の流量で送液する機能を有する。
次に、測定装置2の動作について説明する。
キャリア容器27に貯留されているキャリアは、ポンプ21にてチューブ23内を所定のキャリア流速にて、インジェクタ22を経由してフローセル24へ送液される。
インジェクタ22では、手動バルブを切り換えて所定量の試料の注入を行い、チュ−ブ23内を所定のキャリア流速にてフローセル24へ送液する。そして、フローセル24で、試料の成分に応じて生ずる電流または電荷を検出部25で検出し、演算・制御部26にてデータ処理を行う。また、演算・制御部26は各機器のON/OFFなどの制御も行う。測定完了後、フローセル24から排出された液はドレイン容器28に廃棄される。
本検討で用いた測定装置2の構成要素の仕様を以下に示した。
ポンプ21:シングルプランジャーポンプ(フロム社製,型番:SP-11A-12P)
インジェクタ22:手動バルブ(フロム社製,型番:V200))
チューブ23:ポリテトラフルオロエチレン(外径1/16”,内径0.75mm)
フローセル24:全電解セル(イーシーフロンティア製,型番:VF-2,作用電極241:カーボンフェルト(直径18mm,厚さ5mm,表面面積約1900cm2),参照電極242:Ag/AgCl、対極243:白金線(直径0.4mm,長さ150mm))
検出部25:ポテンショスタットアナライザ(イーシーフロンティア製,型番ECstat-100)
演算・制御部26:パーソナルコンピュータ(各機器制御や検出部24で検出された電流値または電荷をデータ処理、演算、記録するプログラム(イーシーフロンティア製,ECstat-100専用ソフト)がインストールされたもの)
(2−1)印加電圧の検討
測定装置2にて亜硝酸イオンのハイドロダイナミックボルタグラムを測定した。
測定条件を以下に示した。
キャリア:0.5M硫酸ナトリウム水溶液
注入試料(濃度既知試料水+電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度5mM+硫酸ナトリウム濃度0.5M)
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
印加電圧:+350〜+1300mV
図10に示された測定装置2でのハイドロダイナミックボルタモグラムによると、亜硝酸イオンの測定を可能とする印加電位の範囲は+800mV〜+1200mV(vs.Ag/AgCl)であり、この範囲の電位であれば全電解されることが確認された。また、高電位になるにつれて酸素発生によるバックグラウンド電流の増加、及び+800mVよりも十分な過電圧を保持する必要があることを考慮し、印加電位として+1000mV(vs.Ag/AgCl)を選択した。但し、印加電圧は測定結果に支障がないことを条件に+800mV〜+1200mV(vs.Ag/AgCl)の範囲から選択できる。
(2−2)亜硝酸イオンの電解効率の条件検討
(2−2−1)亜硝酸性窒素濃度とキャリア流速の関係
亜硝酸ナトリウムにより亜硝酸性窒素濃度5,10,20,30,40,50mMの水溶液を調製し、各濃度でのキャリア流速変化における電解効率について調べた。
測定条件を以下に示した。
キャリア:0.5M硫酸ナトリウム水溶液
注入試料(濃度既知試料水+電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度5,10,20,30,40,50mM+硫酸ナトリウム濃度0.5M)
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.25〜2.0mL/min
印加電圧:+1000mV
図11に亜硝酸性窒素濃度とキャリア流速に基づく電解率を示した。注入試料量100μLであるとき、キャリア流速0.25〜2mL/minの範囲において、亜硝酸性窒素濃度が10mM以下では全電解されることが確認された。また、亜硝酸性窒素濃度が10mMよりも高い濃度(図11においては20〜50mM)においては、亜硝酸性窒素濃度とキャリア流速の上昇にともなって電解率は低下するもののキャリア流速0.25〜0.5mL/minの範囲であれば全電解されることが確認された。
(2−2−2)注入試料量とキャリア流速の関係
注入試料量及びキャリア流速変化における電解効率について調べた。注入試料の亜硝酸ナトリウム濃度は22mM(mg/L換算で約1012mg/L)とした。
測定条件を以下に示した。
キャリア:0.5M硫酸ナトリウム水溶液
注入試料(濃度既知試料水+電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度22mM+硫酸ナトリウム濃度0.5M)
注入試料量:50,100,200,500μL
キャリア流速:0.25〜2.0mL/min
印加電圧:+1000mV
上記の測定条件で得られた図12に示した注入試料量とキャリア流速変化による電解率との関係によるとキャリア流速0.25〜2mL/minの範囲において亜硝酸性窒素濃度が22mMであるとき、注入試料量が50μLで全電解されることが確認された。
また、注入試料量が50μL以上の場合には、その注入試料量及びキャリア流速が上昇するにつれて電解率は低下したが、下記の条件で全電解されることが確認された。
・注入試料量が100μL以下ならば、キャリア流速0.25〜1.5mL/min
・注入試料量が200μL以下ならば、キャリア流速0.25〜0.7mL/min
・注入試料量が500μL以下ならば、キャリア流速0.25mL/min
亜硝酸性窒素濃度が10mMより高い濃度において、例えば20〜50mMでは、図11に示された亜硝酸性窒素濃度とキャリア流速との関係での結果から、注入試料量100μL、キャリア流速0.25〜0.5mL/minの範囲であれば全電解され測定が可能である。
以上のことから、亜硝酸性窒素濃度を50mM以下とした場合、キャリア流速、注入試料量はそれぞれ0.5mL/min、100μLと設定できる。但し、亜硝酸性窒素濃度の測定範囲に応じて上記の注入試料量とキャリア流速の組合せから選択することができる。
(2−3)検量線の作成
亜硝酸性窒素濃度0.005〜100mMの濃度範囲内で各濃度と電荷との関係を示す検量線を作成した。亜硝酸性窒素濃度の調製には亜硝酸ナトリウムを使用した。
測定条件を以下に示した。
キャリア:0.5M硫酸ナトリウム水溶液
注入試料(濃度既知試料水+電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度0.001〜100mM+硫酸ナトリウム濃度0.5M)
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
各濃度の注入試薬について連続3回の測定を行なった。50mM濃度以下においては注入間隔2min、50mM以上の濃度においては3minとした。図13(a)(b)には、亜硝酸性窒素濃度0.001〜0.02mMと60〜100mMの各濃度範囲内での時間‐電流曲線の測定結果の例を示す。そして、亜硝酸性窒素濃度0.001〜100mMの濃度範囲内の各濃度において測定した時間‐電流曲線の結果からピーク面積を算出し、図14の亜硝酸性窒素濃度とクーロン値(電荷)との関係を示す検量線を作成した。
図14に示されたように亜硝酸性窒素濃度が70mM程度まで良好な直線性が得られた。上記測定条件の注入試料量100μL、キャリア流速0.5mL/minにおいて亜硝酸性窒素濃度が50mMまでは図11の特性図に示すように全電解されるので直線性が得られるが、前記測定条件で全電解される限界値は70mMであるため、この限界値以上では直線線が得られなくなるものと考えられる。さらに、高濃度まで広い濃度範囲での測定を可能とするには図11,図12の特性図から、注入試料量(100μL)とキャリア流速(0.5mL/min)のいずれかまたは双方の設定値をより小さくすればよい。但し、注入試料量が計量限界や計量精度を確保できなかったりポンプ21の設定流量の範囲外であったりして、その送液や計量が出来なかったり、可能であっても誤差が測定に及ぼす影響が大きくなる場合には、高濃度試料水を希釈して測定することが望ましい。
(2−4)共存物質の影響について
亜硝酸イオンを測定する場合、排水中の濃度測定を目的とすることが多い。そのような排水は、多くの場合、嫌気性微生物や好気性微生物等を利用した生物学的脱窒処理が行われている。そのため、排水中には亜硝酸イオン以外に窒素の形態が変化したアンモニウムイオン、硝酸イオンが常に存在していることとなる。これら共存するイオンが亜硝酸イオンの測定を妨害する場合には測定の信頼性が得られない。
そこで、亜硝酸イオンとの共存物質がアンモニウムイオン、硝酸イオンのいずれかである場合の測定の妨害性について調べた。また、生物学的脱窒処理においては、脱窒菌が脱窒反応に必要な炭素源として、メタノールや酢酸が利用され水中に添加されることから、特に電気化学的な測定に影響を与える可能性のある酢酸イオンが測定を妨害するかについても調べた。
(2−4−1)アンモニウムイオンが共存する影響について
共存物質として試供するアンモニウムイオン源には硫酸アンモニウムを電解質と兼ねて用いた。注入する試料水の亜硝酸性窒素濃度は1mM一定とし、同時に注入する硫酸アンモニウム濃度を変化させることで妨害濃度依存性を調べた。測定条件を以下に示した。
キャリア:0.5M硫酸ナトリウム水溶液
注入試料(濃度既知試料水+妨害物質兼電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度1mM+硫酸アンモニウム濃度1,10,100,1000mM)
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
印加電位:+1000mV
表1は、1,10,100,1000mMの硫酸アンモニウムを含む1mM亜硝酸ナトリウム水溶液の測定で得られた電気量と、硫酸アンモニウムを含まない1mM亜硝酸ナトリウム水溶液の電気量から算出した変動率を示したものである。測定した硫酸アンモニウムの濃度範囲内では100+1〜2%のプラスの誤差を生じた。
したがって、アンモニウムイオンの存在は亜硝酸イオンの測定に妨害にはならず、プラスの誤差要因となることがわかった。
別途、100mM硫酸アンモニウム水溶液のみを注入試料として試験したところ、亜硝酸イオンを含まない水溶液で電流が観測された。このことから、キャリアとして使用している硫酸ナトリウム水溶液よりも硫酸アンモニウム水溶液の方が使用した電極に関しては酸素過電圧が小さく、硫酸アンモニウムが作用電極上に到達した時点でバックグラウンド電流が増加することで、この誤差が生じた。
(2−4−2)硝酸イオンが共存する影響について
共存物質として試供する硝酸イオン源には硝酸ナトリウムを電解質と兼ねて用いた。
注入する試料水の亜硝酸性窒素濃度は1mM一定とし、同時に注入する硝酸ナトリウム濃度を変化させることで妨害濃度依存性を調べた。測定条件を以下に示した。
キャリア:0.5M硫酸ナトリウム水溶液
注入試料(濃度既知試料水+妨害物質兼電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度1mM+硝酸ナトリウム濃度1,10,100,1000mM)
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
印加電位:+1000mV
表2は、1,10,100,1000mMの硝酸ナトリウムを含む1mM亜硝酸ナトリウム溶液の測定で得られた電気量と、硝酸ナトリウムを含まない1mM亜硝酸ナトリウムのみの電気量から算出した変動率を示したものである。測定した硝酸ナトリウムの濃度範囲内では100+2〜6%のプラスの誤差を生じた。
したがって、硝酸イオンの存在は亜硝酸イオンの測定に妨害にはならず、プラスの誤差要因となることがわかった。
別途、100mM硝酸ナトリウム水溶液のみを注入試薬として試験したところ、亜硝酸イオンを含まない溶液で電流が観測された。このことから、硫酸アンモニウムの結果と同様に、キャリアとして使用している硫酸ナトリウムよりも硝酸ナトリウムの方が使用した電極に関しては酸素過電圧が小さく、硝酸ナトリウムが作用電極上に到達した時点でバックグラウンド電流が増加することで、この誤差が生じた。
(2−4−3)酢酸イオンが共存する影響について
試験に供する酢酸イオン源として酢酸ナトリウムを電解質と兼ねて用いた。注入する亜硝酸性窒素濃度を1mM一定とし、同時に注入する酢酸ナトリウム濃度を変化させることで妨害濃度依存性を調べた。測定条件を以下に示した。
キャリア:0.5M硫酸ナトリウム水溶液
注入試料(濃度既知試料水+妨害物質兼用電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度1mM+酢酸ナトリウム濃度1,10,100,1000mM)
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
印加電位:+1000mV
表3は、1,10,100,1000mMの酢酸ナトリウムを含む1mM亜硝酸ナトリウム溶液の測定で得られた電気量と、酢酸ナトリウムを含まない1mM亜硝酸ナトリウムのみの電気量から算出した変動率を示したものである。測定した酢酸ナトリウムの濃度範囲内では100+2〜5%のプラスの誤差を生じた。
したがって、酢酸イオンの存在は亜硝酸イオンの測定に妨害にはならず、プラスの誤差要因となることがわかった。
別途、100mM酢酸ナトリウム水溶液のみを注入試薬として試験したところ、亜硝酸イオンを含まない溶液で電流が観測された。このことから、硫酸アンモニウムや硝酸ナトリウムの結果と同時に、キャリアとして使用している硫酸ナトリウムよりも酢酸ナトリウムの方が、酸素過電圧が小さく、酢酸ナトリウムが作用電極上に到達した時点でバックグラウンド電流が増加することで、この誤差が生じた。
(2−4−4)共存物質の影響について
以上のように共存物質がアンモニウムイオン、硝酸イオン、酢酸イオンである場合の亜硝酸性窒素濃度の測定の妨害性について実験した結果、当該共存物質が直接反応に関与することや亜硝酸イオンの反応を阻害することはないことが確認された。
試料水に亜硝酸イオンとの共存物質としてアンモニウムイオン、硝酸イオン、酢酸イオン等が存在した場合、キャリアとして使用した硫酸ナトリウム溶液との酸素過電圧の違いにより、バックグラウンド電流が変動する結果となった。これにより、1000mM濃度レベルで1mM亜硝酸ナトリウムの測定において最大6%のプラスの誤差を与えることが確認された。
[検討3]FIA方式における測定条件(キャリア用電解質、検出用および前処理用セル印加電圧)の検討と実試料での評価
測定装置2にて各種測定と実試料の測定を行った。また、亜硝酸性窒素濃度の調製には亜硝酸ナトリウムを使用した。
(3−1)キャリア用電解質の選定
以下に挙げた5種類の電解質溶液をキャリアとして、亜硝酸窒素濃度とクーロン値との関係を示す検量線の直線性、傾きの比較、バックグラウンド電流の比較を行った。
測定条件を以下に示した。
キャリア:0.5M塩化ナトリウム水溶液,0.5M硝酸ナトリウム水溶液,0.5M酢酸ナトリウム水溶液,0.5M硫酸アンモニウム水溶液,0.5M硫酸ナトリウム水溶液
注入試料(濃度既知試料水+電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度2.5mM,5.0mM,10mM+前記キャリアのいずれかの0.5M水溶液)
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
印加電圧:+1000mV
上記各キャリアでの各検量線の直線性を比較したところ、図15(a)〜(e)に示したように、いずれのキャリアを用いても直線性、傾きとも同じ結果となった。また、図16に示されたバックグラウンド電流の比較によると、塩化ナトリウム水溶液が最も小さく、次いで、硝酸ナトリウム水溶液、硫酸ナトリウム水溶液、硫酸アンモニア水溶液、酢酸ナトリウム水溶液の順となった。特に酢酸ナトリウム水溶液は酸素過電圧が小さいことが分かる。以降の検討ではキャリアに塩化ナトリウム水溶液を採用した。
(3−2)検出用セルの印加電圧の最適化
キャリアに塩化ナトリウム水溶液を採用し、その濃度を0.25,0.5,0.75,1.0Mにし、各々の濃度にて印加電位を+450〜+1100mVの範囲で変えて亜硝酸イオンのハイドロダイナミックボルタグラムを測定した。亜硝酸性窒素濃度は5mM及び測定上限値に近い50mMで行った。
測定条件を以下に示した。
キャリア:0.25,0.5,0.75,1.0M塩化ナトリウム水溶液
注入試料(濃度既知試料水+電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度5,50mM+塩化ナトリウム濃度0.25,0.5,0.75,1.0M)
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
印加電位:+450〜+1100mV
図17に示された5mM亜硝酸性窒素濃度でのハイドロダイナミックボルタモグラムの結果から明らかなように、印加電位+600mV付近より酸化が起こり始め、+850mVではほぼクーロン値が一定となった。塩化ナトリウムの濃度に関係なく同じ波形が得られた。
一方、図18に示した50mM亜硝酸性窒素濃度でのハイドロダイナミックボルタモグラムの結果から明らかように、印加電位+600mV付近から酸化反応が起こり始めたが、+600mV以降は塩化ナトリウム濃度により違いが見られた。50mM濃度の場合、全電解した際のクーロン値が97mCと計算されるため、全電解させるためにはキャリアの塩化ナトリウム濃度として0.75M以上で+1000mV以上の印加電位が必要となる。以上の結果より、キャリアとして使用する水溶液の塩化ナトリウム濃度は1.0Mと設定した。
本FIA方式で設定するキャリアの塩化ナトリウム濃度は亜硝酸性窒素濃度の影響を受け、印加電圧との関係を含めて測定が可能とする条件は以下の表5のように整理される。
したがって、測定する亜硝酸性窒素濃度の範囲にてキャリアの電解質溶液の濃度を変えて測定を行なうことも可能である。また、測定する亜硝酸性窒素濃度の範囲にて共通利用可能なキャリアの電解質溶液の濃度を選択した場合には、各濃度範囲をカバーする亜硝酸性窒素濃度の測定が可能となる。表4の場合、共通利用可能なキャリアの塩化ナトリウム濃度は0.75〜1.0Mの範囲から選択できる。以降の検討ではキャリアの塩化ナトリウム濃度を1.0Mに設定した。
(3−3)前処理用セルの印加電圧の最適化
実試料においては、亜硝酸イオンのほかに酸化性物質が多く含まれることが想定される。そこで、亜硝酸イオンを検出するセルの前段に前処理用のセルを設け、亜硝酸イオンよりも酸化電位の低い電気化学活性な物質を除去する方法について検討した。本検討では電気化学活性な妨害物質としてフェロシアン化カリウム(ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム)を用いた。
また、本検討は、前処理用セルによる妨害物質の処理を行う前処理工程と前処理後の試料水の測定を行う検出工程からなり、前記検出工程は計測装置2を使用した。
前処理用フローセル(図9にて図示略)は、フローセル24と同仕様のものを使用した。
(3−3−1)亜硝酸イオン及びフェロシアン化カリウム共存溶液での反応挙動
フェロシアン化カリウムを妨害物質に見立て、亜硝酸イオンと共存した際のハイドロダイナミックボルタモグラムを測定した。測定条件は以下の通りである。
キャリア:1.0M塩化ナトリウム
注入試料(濃度既知試料水+妨害物質溶液+電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度5mM+フェロシアン化カリウム濃度5mM+塩化ナトリウム濃度1.0M)
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
印加電位:+10〜+1100mV
図19に示されたように印加電位+200mV付近からフェロシアン化カリウムがフェロシアン化カリウムに酸化する電流が流れ、以降一定となり、次に+650mV付近からフェロシアン化カリウムの反応に加え、亜硝酸イオンの酸化反応が見られた。濃度5mMの亜硝酸イオンは約100mCの電気量が得られるが、5mMフェロシアン化カリウムの還元体は安定ではなく約60mCの電気量であった。
(3−3−2)亜硝酸イオン分析におけるフェロシアン化カリウムの酸化処理電位
亜硝酸ナトリウム濃度5mM及びフェロシアン化カリウム濃度5mMの水溶液を前処理工程で任意の電位で処理した水溶液を調製し、検出工程では前記水溶液を測定装置2のフローセル24で所定の印加電位にて電気量の変化を測定した。
測定条件を以下に示した。
(前処理工程)
注入試料(濃度既知試料水+妨害物質溶液+電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度5mM+フェロシアン化カリウム濃度5mM+塩化ナトリウム濃度1.0M)
前処理用フローセル:全電解セル(イーシーフロンティア製,型番:VF-2)
注入試料の流速:0.5mL/min
印加電圧:+100〜+1100mV
(検出工程)
検出用フローセル:全電解セル(イーシーフロンティア製,型番:VF-2)
キャリア:1.0M塩化ナトリウム水溶液
注入試料:前記前処理工程にて試料(亜硝酸ナトリウム濃度5mM+フェロシアン化カリウム濃度5mM+塩化ナトリウム濃度1.0M)を電解処理した溶液
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
印加電位:+1000mV
図20に示された+100mV及び+200mVで電解処理した溶液は、検出用フローセルで亜硝酸ナトリウム及びフェロシアン化カリウムの合算電気値が測定された。+200mV以上になると前処理用フローセルでフェロシアン化カリウムがフェリシアン化カリウム(ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム)に酸化し始め、図20に示された+400mVから+600mVの範囲Rではほぼ完全に亜硝酸イオンのみを検出することができた。+600mV以上では、前処理用セルで亜硝酸イオンも酸化反応を開始するため、亜硝酸イオンの測定値も小さくなる傾向を示した。
以上のように注入試料の流速0.5mL/min等の測定条件において、亜硝酸イオンの測定に影響を及ぼさずに妨害物質として想定したフェロシアン化カリウムを酸化処理するための前処理用フローセルでの処理印加電位の範囲は400〜600mVであればよいことが確認された。以降のFIA測定方式では前処理用フローセルでの処理印加電位を500mVに設定して検討を進めた。
(3−3−3)前処理用セル電極処理液中の亜硝酸イオンの検量線
5,20,50mM濃度に調製した亜硝酸イオンを前処理用フローセルに通液し電解処理した溶液を用いて、検出用フローセルでその電気量を測定し検量線を作成した。比較例として前処理用フローセルを介さないで検出用フローセルにて電気量を測定した場合の検量線を作成した。
測定条件を以下に示した。
(前処理工程)
注入試料(濃度既知試料水+電解質溶液):水溶液(亜硝酸ナトリウム濃度5,20,50mM+塩化ナトリウム濃度1.0M)
前処理用フローセル:全電解セル(イーシーフロンティア製,型番:VF-2)
注入試料の流速:0.5mL/min
印加電圧:+500mV
(検出工程)
検出用フローセル:全電解セル(イーシーフロンティア製,型番:VF-2)
キャリア:1.0M塩化ナトリウム水溶液
注入試料:前記前処理工程にて試料(亜硝酸ナトリウム濃度5,20,50mM+塩化ナトリウム濃度1.0M)を電解処理した溶液
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
印加電位:+1000mV
図21(a)は前処理工程を実行しない場合の亜硝酸性窒素濃度とクーロン値との関係を示す。図21(b)は前処理工程を実行した場合の亜硝酸性窒素濃度とクーロン値との関係を示す。両者の結果から明らかなように前処理用フローセルでの電解処理の有無に関わらず検量線の傾きはほぼ同一となった。これにより前処理用フローセルで亜硝酸イオンは酸化されていないことが確認された。
以上の検討結果から、検出用フローセルの上流側に前処理用フローセルを配置して所定の印加電位で電解処理することでフェロシアン化カリウムと近い若しくはそれより低い酸化還元電位を有する物質に関しては電解処理することで亜硝酸イオンの測定に影響を及ぼさないように酸化処理できることが確認された。
また、(3−3)での検討では、亜硝酸イオンの測定に誤差を与える妨害物質となる酸化性物質の影響を定量的に把握することを目的とした。そのため、試料水中の亜硝酸イオンや妨害物質に対して電解質を十分量添加して導電性を上げ、測定精度を高めた。
一方、一般の下水や工場廃水などを処理対象とした生物学的処理工程水を試料水とする場合には、有機物や窒素化合物以外にも塩化物イオン、臭素イオン、硫酸イオン、リン酸イオンなどの陰イオンやカリウムイオン、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどが各々含有比率は異なるが多数のイオン性物質が試料水に含有する。
そのため、妨害物質の電解処理を行う前処理工程は、試料水が導電性を有しており、また、測定精度を要求しないため電解質の添加をせずに行うことが可能である。
(3−4)実試料での評価
下水処理工程水の実試料としてAX膜ろ過水、PN膜ろ過水を個々に前処理用フローセルにて前処理工程を実行後、検出工程として計測装置2に供した。AX膜ろ過水は、実試料として生物学的脱窒処理システムにおける脱窒工程を経た活性汚泥液を分離膜によって固液分離した処理水である。PN膜ろ過水は、同システムにおける硝化工程(亜硝酸生成工程)を経た活性汚泥液を分離膜によって固液分離した処理水である。また、比較例として前処理用フローセルを介さないで検出用フローセルに実試料を直接供して亜硝酸性窒素濃度を測定した。尚、計測装置2の注入試料は、下水処理工程水の試料水であり導電性を有することから電解質を添加せずに前処理用フローセルにて電解処理を実行した。
測定条件を以下に示した。
(前処理工程)
注入試料:AX膜ろ過水,PN膜ろ過水
前処理用フローセル:全電解セル(イーシーフロンティア製,型番:VF-2)
注入試料の流速:0.5mL/min
印加電圧:+500mV
(検出工程)
検出用フローセル:全電解セル(イーシーフロンティア製,型番:VF-2)
キャリア:1.0M塩化ナトリウム水溶液
注入試料:前記前処理工程を経たAX膜ろ過水を2.0M塩化ナトリウム水溶液と1:1の割合で混合した混合液,同工程を得たPN膜ろ過水を2.0M塩化ナトリウム水溶液と1:1の割合で混合した混合液
注入試料量:100μL
キャリア流速:0.5mL/min
印加電位:+1000mV
AX膜ろ過水及びPN膜ろ過水について、前処理用フローセルによって電解処理した場合及び電解処理しない場合も含めた4パターンの試料について繰り返し10回測定を行なった場合の電気量の測定を測定した。試料は2M塩化ナトリウム水溶液で2倍に希釈したため実質的な電気量の値は測定値を2倍した値である。そして、この電気量の値を図21(b)の検量線に基づき亜硝酸性窒素濃度(mg−N/L)に換算した。その結果を表5に示した。
亜硝酸性窒素濃度(mg-N/L)からAX膜ろ過水は平均して前処理(電解処理)なしで10.9mg-N/L、前処理ありで10.56mg-N/Lの測定値が得られた。前処理用フローセルでの電解処理でプラスの誤差要因となりえる酸化性物質を測定値の約3%除去できたと考えられる。同様にPN膜ろ過水では前処理なしで376.13mg-N/L、前処理ありで373.72mg-N/Lであり、前処理用セルで酸化性物質を約0.6%除去できたと考えられる。
以上の(3−4)の分析法の測定結果を公定分析法(JIS K 0102 43.1.2 イオンクロマトグラフ法)の測定結果と比較した結果を表6に示した。尚、(3−4)の分析法では10回の繰り返し測定においても最大標準偏差3%の精度が得られた。
以下に[検討1]〜[検討3]に基づく本発明の実施形態について説明する。
[実施形態1]
本実施形態の亜硝酸性窒素濃度測定装置はバッチ方式を採用している。バッチ式の測定装置の態様としては前述の図1に示された測定装置1が例示される。
測定装置1は、試料水と電解質溶液との混合液がバッチ方式に導入される検出セル11と、このセル11内に配置される作用電極12,参照電極13,対極14と、セル11内の混合液に浸漬された電極12〜14間に電圧を印加して電流または電荷を検出する検出部15と、この検出部15にて検出された電流または電荷を亜硝酸性窒素濃度に変換する演算・制御部16とを備える。検出部15は例えばUSBインターフェースを介して演算・制御部16に接続されている。
前記電解質溶液としては、中性、酸性またはアルカリ性の電解質水溶液が挙げられる。電解質水溶液としては、硫酸ナトリウム水溶液、硫酸、水酸化ナトリウム水溶液、塩化ナトリウム水溶液、硝酸ナトリウム水溶液、酢酸ナトリウム水溶液、硫酸アンモニウム水溶液が例示される。
図1を参照しながら測定装置1の動作例について説明する。
検出セル11内に導入された試料水と電解質溶液の混合液は図示省略された攪拌手段によって攪拌される。検出部15は前記混合液に浸漬された電極12〜14間に例えば+800mV〜+1200mV内の電位(例えば+1000mV)を印加することにより電流値を検出する。検出部15にて検出された電流値は演算・制御部16に送信されて亜硝酸性窒素濃度の値に変換される。
また、試料水に測定妨害物質が含まれると予想される場合には、検出セル11内の混合液を所定の電位で電解処理する前処理工程が実行される。具体的には前記混合液に浸漬された電極12〜14間に400mV〜600mV内の電位(例えば500mV)を印加することにより前記混合液を電解処理する。これにより混合液に含まれる測定妨害物質が酸化処理される。
次いで、検出セル11は亜硝酸性窒素濃度の測定工程に移行する。本測定工程では前記前処理工程を経た混合液に浸漬された電極12〜14間に例えば+800mV〜+1200mV内の電位(例えば+1000mV)を印加して電流値を検出する。検出部15にて検出された電流値は演算・制御部16に送信されて亜硝酸性窒素濃度の値に変換される。測定工程終了後の検出セル11内の混合液は廃棄される。
以上の測定装置1によれば、試料水と混合させる電解質溶液のpHに依存することなく、精度よく亜硝酸性窒素濃度の測定が行える。したがって、電解質溶液が中性であっても精度よく亜硝酸性窒素濃度を測定でき、測定後の廃液処理が不要となる。また、測定工程の実行にあたり予め前処理工程が実行されることで試料水に含まれる測定妨害物質が酸化処理されるので当該測定工程にて試料水の亜硝酸性窒素濃度を精度よく測定できる。
[実施形態2]
本実施形態の亜硝酸性窒素濃度測定装置はFIA方式を採用している。FIA方式の測定装置の態様としては図22に示された測定装置3が例示される。
測定装置3は、試料水と電解質溶液との混合液を流通させる検出用フローセル31と、このフローセル31内に配置される作用電極311,参照電極312,対極313と、検出用フローセル31内の混合液に浸漬された電極311〜313間に電圧を印加して電流または電荷を検出する検出部32と、前記検出された電流または電荷を亜硝酸性窒素濃度に変換する演算・制御部33とを備える。検出用フローセル31,検出部32,演算・制御部33はそれぞれ測定装置2のフローセル24,検出部25,演算・制御部26と実質的に同仕様のものが挙げられる。電極311〜313もそれぞれフローセル24の電極241〜243と実質的に同仕様のものが適用される。また、液相を移動させる経路には、測定装置2のチューブ23と同仕様のチューブを適用すればよい。
検出用フローセル31の上流側には、電解質溶液,キャリア,試料水をそれぞれ供給するポンプ34,35,36と、前記キャリアに前記試料水を注入する注入バルブ37と、前記試料水が注入されたキャリアと前記電解質溶液とを混合させるミキシングティ38が配置されている。
測定装置3では、ポンプ34〜36の動作に係わる制御はポンプ制御部42、注入バルブ37の動作に係わる制御は注入バルブ制御部43、検出用フローセル31に係わる制御は検出部32など機器群毎の制御を行っている。但し、ポンプ制御部42、注入バルブ制御部43、検出部32並びに前処理用フローセル41に係わる制御など装置全体の運転に係わる機器のON/OFF制御や計測信号の演算処理などは演算・制御部33によって実行している。
ポンプ34〜36は検出用フローセル31で検出された値に基づきポンプ制御部42によって動作制御可能となっている。ポンプ34〜36としてはプランジャー型、シリンジ型、ガス圧型等が例示されるが、プランジャー型が最も一般的である。そして、通常はポンプから生じる脈流を抑えるためにポンプ34,35の下流側にはダンパー39,40がそれぞれ配置されている。
注入バルブ37は所定量の試料水を計量可能なチューブからなる試料水計量ループ(100μL、図示略)を有しており、その経路の切換えは検出用フローセル31で検出された値に基づき注入バルブ制御部43によって動作制御可能となっている。
ミキシングティ38は、一般のHPLC用PEEK樹脂製の配管部材を使用しており、部材内部に形成された流路構造によって2つの溶液を完全に混合する機能を有する。そのため、試料水と電解質溶液とを別々にミキシングティ38へ供給した場合でも測定装置2における注入試料(試料水+電解質溶液)に相当する混合液を調製できる。
また、注入バルブ37の上流側には前処理用フローセル41が配置されている。前処理用フローセル41内には作用電極411,参照電極412,対極413が具備されている。電極411〜413はそれぞれ電極311〜313と同仕様のものが採用されている。
図22を参照しながら測定装置3の動作例について説明する。
下記の測定準備工程ならびに測定工程ともに、ポンプ制御部42によるポンプ34〜36の制御により、電解質溶液及びキャリアは、流速0.5mL/minとなるように検出用フローセル31に供給し、また、試料水は流速0.5mL/minとなるように注入バルブ37(試料水計量ループ経由)に供給する。その後、検出用フローセル31と注入バルブ37から廃液として系外へ排出される。
具体的には、キャリアはポンプ35によってダンパー40,注入バルブ37,ミキシングティ38を介して検出用フローセル31に連続的に供給される。そして、このキャリアの供給と同時に、電解質溶液がポンプ34によってダンパー39,ミキシングティ38を介して検出用フローセル31に連続的に供給される。
次に、注入バルブ37は、注入バルブ制御部43による制御により、測定準備工程では試料水計量ループでの計量試料水100μLを保持し、また、計測開始信号による測定工程開始時に試料水計量ループの経路をキャリア経路側に切換えて計量試料水100μLをポンプ36の圧送力によりキャリア経路に注入する。試料水をキャリア経路に注入後、注入バルブ制御部43による制御により、注入バルブ37は測定準備工程の経路に戻り、再び試料水計量ループにて試料水の計量を行って次回の測定工程が実行されるまで待機状態となる。
注入バルブ37の測定準備工程と測定工程の動作について詳しく説明する。
測定準備工程では、試料水はポンプ36によって注入バルブ37(試料水計量ループ経由にて)を介して廃液として排出される。この際に、試料水が試料水計量ループへ連続的に供給されるので試料水計量ループに貯留される試料水の水質はキャリア経路側に切り換えられて注入されるまで継続的に更新される。
次に、測定工程では、注入バルブ制御部43からの制御信号で注入バルブ37がキャリア経路側に切換えられ試料水計量ループで計量された所定量の試料水がポンプ36の圧送力により当該キャリアの経路に注入される。キャリアの経路内に注入された試料水はキャリアの溶液に挟まれた状態でミキシングティ38に導入されて電解質溶液とで混合液を成して検出用フローセル31に供給される。
測定工程では検出部32が検出用フローセル31内の混合液に浸漬された電極311〜313間に例えば+800mV〜+1200mV内の電位(例えば+1000mV)を印加することにより電流値を検出する。検出部32にて検出された電流値は演算・制御部33に送信されて亜硝酸性窒素濃度の値に変換される。
また、試料水に測定妨害物質が含まれると予想される場合、前処理用フローセル41内の混合液を所定の電位で電解処理する前処理工程が実行される。前処理工程では試料水がポンプ36によって前処理用フローセル41に連続的に供給される。演算・制御部33から前処理工程の実行指令を受けた検出部32は前処理用フローセル31内の試料水に浸漬された電極411〜413間に400mV〜600mV内の電位(例えば500mV)を印加することで当該試料水を電解処理する。これにより試料水に含まれる測定妨害物質が酸化処理される。この電解処理された試料水は適宜に注入バルブ37を介して系外に廃棄される。
前処理工程で電解処理された試料水は注入バルブ37によってキャリアの流れに注入され、さらにミキシングティ38にて電解質溶液と混合されて検出用フローセル31に供給される。その後、上述の測定工程が実行される。
以上の測定装置3によっても試料水と混合させる電解質溶液のpHに依存することなく、精度よく亜硝酸性窒素濃度の測定が行える。したがって、電解質溶液が中性であっても精度よく亜硝酸性窒素濃度を測定でき、測定後の廃液処理が不要となる。また、測定工程の実行にあたり予め前処理工程が実行されることで試料水に含まれる測定妨害物質が酸化処理されるので当該測定工程にて試料水の亜硝酸性窒素濃度を精度よく測定できる。
また、FIA方式を採用する亜硝酸性窒素濃度測定装置の他の態様としては、測定装置2に例示される亜硝酸性窒素濃度測定毎にインジェクタ22の切換にて試料(試料水+電解質溶液)を注入する構成を本発明の亜硝酸性窒素濃度測定装置とすることができる。さらに、この態様において試料水に測定妨害物質が含まれると予想される場合には、上記試料を所定の電位で電解処理する前処理工程を実行することで測定妨害物質を予め酸化処理することができる。
1,2,3…測定装置(亜硝酸性窒素濃度測定装置)
11…検出セル(検出容器)
12,241,311,411…作用電極
13,242,312,412…参照電極
14,243,313,413…対極
15,32…検出部
16,33…演算・制御部(演算部)
31…検出用フローセル(検出容器)
41…前処理用フローセル

Claims (2)

  1. 試料水と塩化ナトリウム水溶液との混合液をフローインジェクション方式の検出容器に供給し当該容器内の混合液に浸漬された電極間に所定の電圧を印加して検出される電流または電荷に基づき前記試料水の亜硝酸性窒素濃度を測定する亜硝酸性窒素濃度測定方法であって、
    前記混合液に浸漬させた電極間に400〜600mVの電圧を印加して当該混合液を予め電解処理する工程と、
    前記電解処理した混合液に浸漬させた電極間に800〜1200mVの電圧を印加して検出される電流または電荷に基づき前記試料水の亜硝酸性窒素濃度を測定する工程と
    を有することを特徴とする亜硝酸性窒素濃度測定方法。
  2. 試料水と塩化ナトリウム水溶液との混合液を流通させる検出容器と、
    この検出容器内に配置される電極と、
    前記検出容器内の混合液に浸漬された電極間に400〜600mVの電圧を印加して当該混合液を予め電解処理する一方でこの電解処理した混合液に浸漬された当該電極間に800〜1200mVの電圧を印加して電流または電荷を検出する検出部と、
    前記検出された電流または電荷を亜硝酸性窒素濃度に変換する演算部と
    を備えたことを特徴とする亜硝酸性窒素濃度測定装置。
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