JP6224903B2 - 微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法 - Google Patents

微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法及び脱硫剤に関する。
微粉炭燃焼炉に使用する燃料には硫黄分が含まれていることが多く、硫黄の燃焼によって生ずる亜硫酸ガス、硫酸ガス等の有害な硫黄酸化物(SO)を環境基準に適合する濃度まで除去して燃焼ガスを排出しなければならない。
従来、燃焼炉で使用されている脱硫方法には、大きく分けて次の2つの方法がある。
(1)炉内脱硫法;炉内に脱硫剤を投入し、硫黄酸化物を吸収除去する方法。
通常、脱硫剤としては、石灰石やドロマイトが使用され、この方法は、主に流動層炉で使用されている。
(2)排煙脱硫法;炉後流の煙道の一部に脱硫剤と排ガスとの接触層(塔)を設け、硫黄酸化物と脱硫剤の中和反応によって排ガス中の硫黄酸化物を除去する方法。この方法では、硫黄酸化物と脱硫剤である石灰石が中和反応し石膏に変化するため、石膏が有効利用できる。
上記炉内脱硫法においては、脱硫剤として使用されるカルシウムを主成分とする石灰石やドロマイトの利用率が低く、ミクロンオーダーの粒径の石灰石を微粉炭燃焼炉で使用する場合、石灰石の利用率は5〜10%程度であり、硫黄分1.2%の石炭使用時に脱硫率40%を達成するためには、燃料である石炭に対して10%以上の石灰石を吹き込む必要がある。この石灰石の利用率の低さは、ミクロンオーダーの石灰石では、その表面でのみ脱硫反応が起こり、粒子の内部までは反応に寄与しないため、多くのカルシウムが未利用のまま残ってしまうためである。
このような問題を解決するため、より粒子径が細かく、また、利用可能な表面積の割合が多く、反応性にも優れた脱硫剤として、酸化カルシウム(CaO)や水酸化カルシウム(Ca(OH))等の微粒子を用いる方法が検討されてきた。
しかし、上記のような方法では、石灰石を脱炭酸させてCaOやCa(OH)を製造するのに多量のエネルギーを要し、経済性に劣る。
特許文献1には、ライムケーキを焼成して生石灰を得、前記生石灰を水のみで、かつ生石灰と水とを所定の質量比で消化して得た消石灰を、排煙処理剤として用いる排煙処理方法が開示されている。
特許文献2には、流動層炉に、最大粒子径が0.08mm以上である粒子径に調整したライムケーキを含む脱硫剤を投入することを特徴とする流動層装置における硫黄分の除去方法が開示されている。
特開2007−000721号公報 特許4625265号公報
本発明の目的は、微粉炭燃焼炉で、脱硫剤として石灰石を用いた場合と比較して、高い脱硫剤利用率を達成できる脱硫剤及びそれを用いた微粉炭燃焼炉における硫黄分の除去方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を行い、微粉炭燃焼炉において、ライムケーキを含む脱硫剤を炉内に投入することで、石炭、バイオマス等を燃料とする酸化反応(燃焼)により炉内で発生するガス中の硫黄分を効率良く除去でき、かつ、高い脱硫剤利用率が達成できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法及び微粉炭燃焼炉用脱硫剤が提供される。
1.微粉炭燃焼装置において、微粉炭燃焼炉内で発生するガス中の硫黄分を除去する方法であって、
ライムケーキを含む脱硫剤を、微粉炭燃焼炉内に投入することを特徴とする微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法。
2.前記脱硫剤が、ライムケーキであることを特徴とする1に記載の微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法。
3.燃料の硫黄分に対する前記脱硫剤のCa分が1〜8(モル比)であることを特徴とする1又は2に記載の微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法。
4.前記脱硫剤を、微粉炭燃焼炉内の800〜1,200℃の温度領域の箇所に投入することを特徴とする1〜3のいずれかに記載の微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法。
5.前記脱硫剤を、気流搬送で微粉炭燃焼炉内に直接投入することを特徴とする1〜4のいずれかに記載の微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法。
6.ライムケーキを含む微粉炭燃焼炉用脱硫剤。
本発明によれば、微粉炭燃焼炉で、脱硫剤として石灰石を用いた場合と比較して、高い脱硫剤利用率を達成できる脱硫剤、及びそれを用いた微粉炭燃焼炉における硫黄分の除去方法が提供できる。
一般的な微粉炭燃焼装置の全体構成を示す模式図である。 実施例及び比較例で用いた実験用微粉炭燃焼炉の模式図である。 実施例2及び比較例2の微粉炭燃焼実験におけるCa/S(モル比)に対する脱硫率を示すグラフである。
本発明の微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法(以下、本発明の方法という)は、微粉炭燃焼装置において、微粉炭燃焼炉内で発生するガス中の硫黄分を除去する方法であって、ライムケーキを含む脱硫剤を、微粉炭燃焼炉内に投入することを特徴とする。
本発明は、微粉炭燃焼炉(微粉炭ボイラともいう)に投入する乾式脱硫剤としてライムケーキを使用する点に特徴がある。
また、特に硫黄分を多く含む石炭等を微粉炭燃焼炉で燃焼させる場合に、これに続く湿式排煙脱硫装置への負荷を軽減することができる。
ライムケーキとは、砂糖の製造過程で、原料であるビートから溶出された糖液から、これに含まれる有機物や色素等の不純物を取り除く工程で排出される製糖工場副産物である。一般的に、この工程では、CaO又はCa(OH)の微粒子を糖液に混入し、さらにCOガスを混合して、不純物を該粒子に付着・沈殿させて、純度の高い糖液と沈殿物に分離する。この工程で排出された沈殿物を脱水したものがライムケーキである。即ち、ライムケーキは、微粒子状のCaCOと有機質を主成分とする混合物である。
ライムケーキに含まれるビート由来の有機質は、沈殿物を脱水する際に、微粒子のCaCOを固着させるバインダーの役割を果たすため、脱水されたライムケーキは粘土状に固まっており、これを自然乾燥することで部分的に造粒される。ライムケーキの粒子径としては、有機質の割合と乾燥状態によるが、一般的に5〜50mmを最大粒径とし、本来のCaCOの最小粒子径である5〜50μm程度までのブロードな粒子径分布を持つ。また、ライムケーキは一次粒子径が小さく、比表面積が大きいため、Ca利用率が石灰石より高い。
特許文献1は、従来から用いられてきた石灰石の代わりに、ライムケーキを処理して得た消石灰を脱硫剤として用いるものであり、ライムケーキ自体を脱硫剤として用いてはいない。また、ライムケーキから消石灰を製造するための工程を要し、折角、製糖工場副産物を利用しても経済性はあまり向上しない。
特許文献2は本出願人の先行特許であるが、流動層燃焼により燃料及び/又は原料を燃焼させる流動層燃焼炉において、炉内で発生するガス中の硫黄分を除去する方法であって、ライムケーキを含む脱硫剤を炉内に投入することを特徴とする硫黄分の除去方法を開示しているが、微粉炭燃焼装置においてライムケーキを含む脱硫剤を用いることは開示していない。
本発明における微粉炭燃焼装置も特許文献2の流動層燃焼装置も、石炭を利用した発電設備に用いられる。
流動層燃焼装置では、気流により浮遊・流動化している石灰石等の乾式脱硫剤の層に、粒状(10mm以下の粒径)の石炭を投入して燃焼させる。この方式は、流動層内の伝熱が良く、ボイラ(流動層燃焼炉)を小さくできるため、小〜中規模の自家発電設備に用いられている。また、循環させながら燃焼が行われるため、比較的低温で燃焼させることができる。流動層燃焼炉では、燃料である石炭と脱硫剤である石灰石を炉内で循環させながら時間をかけて燃焼反応が進むため、炉内の温度はほぼ均一となる。炉内では、時間と共により細かい粒子が炉の上部に集まってしまい、脱硫剤の粒子径が小さいと利用率が低下する。それ故、特許文献2の方法では、最大粒子径を0.08mm以上に調整した脱硫剤であるライムケーキを用いる。
一方、微粉炭燃焼装置では、バーナーにより微粉炭を空気と共に噴出して燃焼させる。この方式では一般的に、粒径の小さい石炭を用い、比較的高い温度で燃焼させるため、燃焼性が高い。この方式は大型化が可能であるため、大規模発電所で用いられている。尚、微粉炭燃焼炉は流動層燃焼炉と異なり、炉内で石炭と脱硫剤が循環しないため、炉内に温度分布が生じる。微粉炭燃焼炉では、ライムケーキの粒子径が小さい方が利用可能な表面積が大きくなり、カルシウムの利用率の向上が期待できる。
図1に、一般的な微粉炭燃焼装置1の全体構成の模式図を示す。
微粉炭燃焼装置1は、燃料となる石炭を貯蔵する貯炭設備10、石炭粒が200メッシュ(75μm)以下の微粉炭となるように粉砕する粉砕設備20、微粉炭を空気と共に吹き込んで燃焼させる微粉炭燃焼炉(ボイラ)30、燃料の燃焼によって生じたNOやSOを燃焼ガス中から除去する排煙処理設備40、及び燃焼処理に伴って生成した灰を回収する灰処理設備50を備えている。
次に、この微粉炭燃焼装置1の動作について説明する。
貯蔵設備10のサイロ11からホッパ12に供給された石炭を、粉砕機21で粉砕した後、給炭機22から搬送用一次空気と共にバーナー中央部から微粉炭燃焼炉30に導入された微粉炭は、微粉炭燃焼炉30内で燃焼する。このとき、燃料中の硫黄分は硫黄酸化物(SO)となる。一方、脱硫剤は脱硫剤ホッパ(図示せず)から微粉炭燃焼炉30に導入され、脱硫剤中のカルシウム分により微粉炭燃焼炉30内で硫黄酸化物(SO)が吸着除去される。
硫黄酸化物(SO)が脱硫剤に吸着して除去された後の排煙は、排煙処理設備40の脱硝装置41によって窒素酸化物(NO)が除去され、(湿式)脱硫装置42において、硫黄酸化物(SO)をさらに除去した後、煙突47から排気される。灰処理設備50で集塵された灰54や石膏55は廃棄又は有効利用される。
本発明の方法は、微粉炭燃焼炉(ボイラ)30における燃焼処理時に、ライムケーキを含む脱硫剤を用いることを特徴とする。
本発明の方法では、ライムケーキを含む脱硫剤を用いる。この脱硫剤は、ライムケーキのみから構成されていてもよく、ライムケーキを一部に含んでもよい。
脱硫剤に含まれるライムケーキ以外の成分としては、例えば、石灰石、ドロマイト、酸化カルシウム、カルシウムを含有する生コンクリートスラッジ等が挙げられる。
脱硫剤に含まれるライムケーキの割合は特に制限されず、燃料や原料の種類等に応じて適宜調整することができる。
本発明で用いるライムケーキは、砂糖の製造過程で得られたものを脱水後、さらに自然乾燥したものをふるいにより、又は、必要に応じて粉砕して粒子径の範囲を調整して用いることができる。
本発明では、ライムケーキをそのまま脱硫剤として使用できるが、上述した他の成分と混ぜて脱硫剤として使用することができる。他の成分を混ぜるときは、他の成分の粒子経を調整し、カオリン、モンモリナイト等の粘土鉱物をバインダーとして混練、乾燥後、粒子径をふるいにより調整して製造する。
本発明では、ライムケーキの粒子径は特に制限されないが、ライムケーキの最大粒子径は、0.08mm未満であることが好ましく、0.075mm以下であることがより好ましい。
本発明の方法では、微粉炭燃焼炉内に、脱硫剤を、通常、燃料及び/又は原料中の硫黄分に対する脱硫剤のCa分が1〜8(Ca/Sモル比)になるように投入し、炉内で脱硫を行うことが好ましい。このモル比が1より低い場合は、十分な反応が得られない場合がある。一方、8より高い場合は、高い反応率が得られるものの、残渣の発生量が増加し、灰処理量が増えてしまう場合がある。従って、好ましくは1〜5(モル比)、より好ましくは1〜3(モル比)になるように投入することが好ましい。
本発明の方法において、ライムケーキを含む脱硫剤を、微粉炭燃焼炉内の800〜1,200℃の温度領域の箇所に投入することが好ましく、800〜1,100℃の温度領域の箇所に投入することがより好ましい。
高温で反応させた方が脱硫率は高くなるが、あまり高温でライムケーキを投入してしまうと、ライムケーキ粒子の表面が溶融し、ライムケーキ粒子内部のCaが利用されず、脱硫率が低下してしまうことを本発明者らは見出した。
このような問題は、一般に1,000℃以下という比較的低温で、炉内を循環させながら時間をかけて反応を進める流動層燃焼炉では生じていなかった。流動層燃焼炉では、石炭と脱硫剤が炉内を循環するため、炉内の温度はほぼ均一となる。そのため、流動層燃焼炉のどの位置でライムケーキを含む脱硫剤を投入しても、また、燃料と脱硫剤とを混合して一緒に炉内に導入しても脱硫剤の表面が溶融するという問題は生じていなかった。
微粉炭燃焼炉は、炉内温度が1,500℃近い高温となり、さらに流動層燃焼炉と違って短時間で反応が進み、炉内に温度分布が生じる。そのため、単純に流動層燃焼炉の場合と同様にライムケーキを含む脱硫剤を使用しても脱硫効率は顕著には向上しない。
そこで、ライムケーキを含む脱硫剤を微粉炭燃焼炉に投入するに当たり、炉内の800〜1,200℃の温度領域の箇所に投入することによって、ライムケーキを含む脱硫剤の溶融を抑制でき、高い脱硫率が得られることを本発明者らは見出した。
従って、特許文献2の流動層燃焼炉の場合のように、燃料とライムケーキを含む脱硫剤とを混合して微粉炭燃焼炉内に投入すると、脱硫剤が高温で溶融され易くなるため、微粉炭燃焼炉では、燃料と脱硫剤とを混合して投入することは好ましくない。
ライムケーキを含む脱硫剤を投入する、炉内の上記温度範囲内の箇所は、炉内温度計測データを参照すること等によって決定することができる。
本発明の方法では、脱硫剤を、気流搬送で微粉炭燃焼炉内に直接投入することが好ましい。気流搬送で脱硫剤を投入することによって、脱硫剤が溶融する高温部を通過しないという利点が得られる。
本発明の方法において燃焼又はガス化、熱分解、部分酸化される燃料種又は原料としては、亜硫酸ガス、硫酸ガスその他の硫黄酸化物(SOx)等を発生する硫黄分を含有するものが本発明の目的からみて有用であり、例えば、石炭、石油コークス、オイルサンド、バイオマス等の固体燃料、石炭に水あるいは油等を配合した疑似流体燃料、重油、灯油、アルコール混合物等の液体燃料、LPG、LNG、工場排ガス等の気体燃料、ゴミ、汚泥、プラスチック、スラッジ、タイヤ等の廃棄物、又はこれらから選ばれる少なくとも2種類の混合物が使用される。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。
材料:
(1)脱硫剤
下記表1に示す性状を有する北海道産のライムケーキを乾燥後、最大粒子径が75μm以下となるように調製し、脱硫剤とした。
(2)石炭(燃料)
実施例及び比較例で用いた石炭1及び石炭2の性状を下記表2に示す。
<微粉炭燃焼炉での燃焼実験>
実施例1
表2に示す性状を有する石炭1(微粉炭)を図2に示す実験用微粉炭燃焼炉2のシングルバーナー31より一次空気と共に炉内に吹き込んだ。ここに、上記(1)で調製したライムケーキのみからなる脱硫剤を、炉内の温度が約1200℃の位置にある脱硫剤投入口34から、石炭中の硫黄分に対するライムケーキ中のCa分が0及び1.3(Ca/S;モル比)となる条件で二次空気と共に炉内に投入した。
尚、炉内温度が約1200℃の位置は、熱電対35を用いて炉内の温度測定孔から温度を測定することによって決定した。
燃焼出口43のSO濃度を分析し、以下の計算方法により脱硫率を求めた。結果を表3に示す。
脱硫率(%)=(a/b)×100
a=[脱硫剤投入なし(Ca/S=0)条件下のSOx排出濃度]−(SO排出濃度)
b=脱硫剤投入なし(Ca/S=0)条件下のSO排出濃度
尚、上記試験の燃焼条件は、最高燃焼温度:1,420℃、燃焼圧力:100mmHO、燃料(微粉炭)投入速度:6kg/時間であった。
比較例1
最大粒子径を75μm以下に調製した石灰石(秩父産)を脱硫剤として用い、Ca/Sモル比を2.9とした以外は実施例1と同様にして燃焼実験を行い、燃焼出口43のSO濃度を分析し、以下の計算方法により脱硫率を求めた。結果を表3に示す。
表3の結果から、ほぼ同じ脱硫率を得るためには、石灰石はライムケーキの2倍以上のCa/S(モル比)とすることが必要となることがわかる。即ち、微粉炭燃焼炉で用いる脱硫剤として、ライムケーキを用いると、従来の石灰石に比べて2倍以上の高い脱硫率が得られる。
この高い脱硫率は、実施例で用いたライムケーキと比較例で用いた石灰石の最大粒子径は75μm以下と同じであるが、石灰石とライムケーキの両方の粒子の75μm以下における粒径分布を比較した際に、ライムケーキのほうが細かい粒子が多いことによると考えられる。硫黄分と脱硫剤との反応の大部分は脱硫剤表面上で起こるため、細かい粒子を多く含むライムケーキの方が、表面積が大きくなり、高い脱硫効率が得られると考えられる。
実施例2
表2に示す性状を有する石炭2(微粉炭)を図2に示す実験用微粉炭燃焼炉2のシングルバーナー31より一次空気と共に炉内に吹き込んだ。ここに、上記(1)で調製したライムケーキのみからなる脱硫剤を、炉内の温度が1110℃の位置に、石炭中の硫黄分に対するライムケーキ中のCa分が0.9及び2.9(Ca/S;モル比)となる条件で二次空気と共に炉内に投入した。実施例1と同様にして脱硫率を求めた。結果を表4及び図3に示す。
尚、上記試験の燃焼条件は、最高燃焼温度:1,420℃、燃焼圧力:100mmHO、燃料(微粉炭)投入速度:6kg/時間であった。
比較例2
脱硫剤を、比較例1と同じ石灰石(秩父産)に変更し、石炭2中の硫黄分に対する石灰石中のCa分を1.0及び2.5(Ca/S;モル比)とした以外は実施例2と同様にして燃焼実験を行い、脱硫率を求めた。結果を表4及び図3に示す。
表4及び図3から、脱硫剤としてライムケーキを用いた実施例2では、石灰石を用いた比較例2に比べてCa/S(モル比)が小さいにもかかわらず、高い脱硫率が得られることがわかる。
実施例3
上記(1)で調製したライムケーキのみからなる脱硫剤を微粉炭燃焼炉内の1000℃の位置に吹き込んだ。脱硫剤の投入量は石炭2中の硫黄分に対する石灰石中のCa分を3.0(Ca/S;モル比)とした。試験条件、脱硫率の計算は実施例1と同様に行った。結果を表5に示す。
比較例3
比較例1と同じ石灰石を、石炭2中の硫黄分に対する石灰石中のCa分を3.9(Ca/S;モル比)の割合で混合し、微粉炭燃焼試験炉で燃焼した。脱硫率の計算は、実施例1と同様に行った。結果を表5に示す。
脱硫剤である石灰石と石炭とを混合して燃焼炉に投入した比較例3と比べても、実施例2及び3では、低いCa/S(モル比)で高い脱硫率が得られることがわかる。ライムケーキを脱硫剤として用いた場合、従来の石灰石を用いた場合と比較して、高い脱硫剤利用率を達成できることがわかる。
本発明の微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法は、石炭、重質油等の化石燃料、廃棄物、バイオマス等を焼却、ガス化、熱分解し、生成する排ガスを利用するエネルギー分野及び廃棄物処理分野において好適である。
本発明の微粉炭燃焼炉用脱硫剤及び微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法は、大規模発電所等で特に有用である。
また、本発明によれば、製糖工場副産物であるライムケーキを有効に活用することができる。
1 微粉炭燃焼装置
2 実験用微粉炭燃焼炉(ボイラ)
10 貯炭設備
11 サイロ
12 ホッパ
20 粉砕設備
21 粉砕機
22 給炭機
23 微粉炭フィーダー
30 微粉炭燃焼炉(ボイラ)
31 シングルバーナー
32,33 予熱器
34 脱硫剤及び搬送空気導入口
35 熱電対挿入口
36 エアヒータ
37 押込み通風機
40 排煙処理設備
41 脱硝装置
42 (湿式)脱硫装置
43 燃焼出口
44 連続分析計
45 ガスガスヒータ
46 誘引通風機
47 煙突
50 灰処理設備
51 ボトム灰受け(ボトムアッシュ採取)
52 サイクロン(フライアッシュ採取)
53 電気集塵機
54 灰
55 石膏
60 排水処理

Claims (4)

  1. 微粉炭燃焼装置において、微粉炭燃焼炉内で発生するガス中の硫黄分を除去する方法であって、
    最大粒子径が0.075mm以下のライムケーキを含む脱硫剤を、前記微粉炭燃焼炉内の800〜1,100℃の温度領域の箇所に投入することを特徴とする微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法。
  2. 前記脱硫剤が、最大粒子径が0.075mm以下のライムケーキであることを特徴とする請求項1に記載の微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法。
  3. 燃料の硫黄分に対する前記脱硫剤のCa分が1〜8(モル比)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法。
  4. 前記脱硫剤を、気流搬送で微粉炭燃焼炉内に直接投入することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微粉炭燃焼装置における硫黄分の除去方法。
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