JP6224314B2 - 光学フィルタ及び光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、光透過性の基板上に光吸収性の薄膜と反射防止構造体をこの順に設けた光学フィルタ及びそれを撮像光学系に用いた光学機器に関する。
各種様々な用途で使用されている光学フィルタは、フィルタ自身の反射に起因した問題を抱えている事が多い。例えば、撮像光学系などで使用される光学フィルタでは、フィルタを透過した光の一部が、他の部材によって反射され、光学フィルタの光出射面から、再び光学フィルタに入射される現象が起きる場合がある。このような場合に、光学フィルタがこの入射光の波長領域に反射率を持っていると、再度光を反射してしまい、これに起因した不具合を発生させる事がある。従って、光学フィルタにおける反射防止機能の更なる強化が強く望まれている。
光吸収を持つタイプの光学フィルタにおいても、吸収構造体を有する面の反射率を限りなくゼロに近づけておけば、光吸収特性を調整する事によって所望の透過特性を得る事が可能である。
このような所望の波長領域に吸収を持つタイプの光学フィルタとしては、例えば光量絞り装置などで用いられる、吸収型のND(Neutral Density)フィルタなどが一般的に広く知られている。
このような光学フィルタの反射低減策としては次のような方法が知られている。まず、特許文献1では、例えばSiO2、MgF2、Nb25、TiO2、Ta25、ZrO2等の異なる材料からなる屈折率の異なる数種類の薄膜を積層して多層膜タイプの反射防止膜とし、任意の波長領域の反射率を抑制する方法が提案されている。また、特許文献2には、反射防止構造体として微細周期構造体を用いたNDフィルタが開示されている。更に、光吸収膜において所望の光透過特性を得る例として、特許文献3では、透過平坦性を向上させる方法が提案されている。
特開平8−075902号公報 特開2009−122216号公報 特開2010−277094号公報
しかしながら、特許文献1で示されたような多層膜での反射防止膜の場合には、広い波長領域にわたって反射率を大幅に低減するには、多層膜を構成する薄膜材料として使用できる材料が限定されているため、相当の層数を必要としたり、設計が複雑になってしまう。
また、特許文献2で示されている、サブミクロンピッチで形成された微細周期構造体をNDフィルタの反射防止構造体とする場合は、特許文献1で示した多層膜構成の場合よりも、反射防止の波長領域を拡げる事が比較的容易であり、さらに、反射率の低減も容易である。しかしながら、引用文献2に記載されている基板上に微細周期構造体を設ける構成では、これらの界面での光反射が問題となる場合がある。また、例えば多層薄膜からなる光吸収層でも、各薄膜間での光の反射が問題となる場合もあり、フィルタ内部で生じる光反射を多層膜の干渉効果のみでこれら全てを打ち消しあい、フィルタ総体としての反射をゼロに近づける事は著しく困難である。
特許文献3では、所望の波長領域での分散特性が小さい吸収材料を用いる事で透過率の平坦性を向上させる方法が提案されている。
本発明の目的は、上述のような光吸収性を有する光学フィルタの反射率に起因した不具合を低減した光学フィルタを提供する事にある。他の目的として、生産性良く透過率の平坦性を向上させた光学フィルタを得ることにある。
また、このような低反射かつ吸収性を備えた光学フィルタを撮像光学系に用いる事で、フィルタの反射率に起因した不具合、例えばゴーストの発生などを低減し、高画質化など高精度化を実現できる光学機器を提供する事にある。
本発明にかかる光学フィルタの第一の態様は、
光透過性を有する基板と、
前記基板上に設けられて膜厚方向に屈折率が変化する屈折率傾斜薄膜と、
前記屈折率傾斜薄膜上に設けられる反射防止構造体と
を備え、
前記屈折率傾斜薄膜は、光吸収特性を有し、且つ屈折率の増減を伴った複数の変化点を
持つ屈折率変化が、前記基板側から前記反射防止構造体側に向けて減少傾向となる屈折率
傾斜特性を有するとともに、
前記屈折率傾斜薄膜は、前記屈折率変化における前記複数の変化点として屈折率が増加
後に減少へ変化する複数の極大値を含み、かつ、前記複数の極大値のうち前記基板側に最
も近い極大値が、前記屈折率変化の最大値である屈折率傾斜特性を有し、
前記屈折率傾斜薄膜は、その膜厚方向において、
可視波長領域の分光透過特性が長波長側になるにつれて高くなる領域と、
可視波長領域の分光透過特性が長波長側になるにつれて低くなる領域と、
を有することを特徴とする。
発明にかかる光学フィルタの第の態様は、
光透過性を有する基板と、
前記基板上に設けられて膜厚方向に屈折率が変化する屈折率傾斜薄膜と、
前記屈折率傾斜薄膜上に設けられる反射防止構造体と
を備え、
前記屈折率傾斜薄膜は、光吸収特性を有し、且つ屈折率の増減を伴った複数の変化点を
持つ屈折率変化が、前記基板側から前記反射防止構造体側に向けて減少傾向となる屈折率
傾斜特性を有するとともに、
前記屈折率傾斜薄膜は、前記屈折率変化における前記複数の変化点として屈折率が増加
後に減少へ変化する複数の極大値を含み、かつ、前記複数の極大値のうち前記基板側に最
も近い極大値が、前記屈折率変化の最大値である屈折率傾斜特性を有し、
前記屈折率傾斜薄膜は、その膜厚方向において、
可視波長領域の分光透過特性が長波長側になるにつれて高くなる領域から可視波長領域
の分光透過特性が長波長側になるにつれて低くなる領域へ変化する領域を有することを特
徴とする。
本発明にかかる光学機器は、光学フィルタを撮影光学系に用いた光学機器であって、前
記光学フィルタが、上記構成の光学フィルタであることを特徴とする。
本発明によれば、反射を低減し、優れた吸収性を有する光学フィルタを得る事ができる。この光学フィルタを撮影光学系に用いた場合、フィルタの反射に起因した、例えばゴーストなどの不具合を低減することができ、透過光量を良好に制限することができる撮影光学系を提供する事が可能である。
また、このような光学フィルタを特に光量絞り装置などに用いた撮像装置は、高画質化を可能とした装置を得る事が可能である。
本発明に係る屈折率傾斜薄膜の屈折率プロファイル例を示す図である。 本実施形態に記載の3つの屈折率極大値の配置例を示した表である。 本実施例1により作製された光学フィルタの構成図である。 本実施例1に記載の光学フィルタの構成例である。 多層膜と屈折率傾斜薄膜の電子顕微鏡図である。 実施例1に記載のTiOとTi23の分光透過率特性の例を示す図である。 本発明の実施に用いたスパッタ装置の概略平面図である。 本実施例1に記載の屈折率傾斜薄膜の屈折率プロファイルを示す図である。左方に基板が配置され、右方に反射防止構造体が配置される。 本実施例1により作製された光学フィルタの分光反射率特性を示す図である。 本実施例2により作製された光学フィルタの構成図である。 本実施例2に記載の光学フィルタの構成例を示す図である。 本実施例2に記載の屈折率傾斜薄膜の屈折率プロファイルを示す図である。左方に基板が配置され、右方に反射防止構造体が配置される。 本実施例2により作製された光学フィルタの分光反射率特性を示す図である。 実施例3の光学フィルタを用いた光学撮影装置の光学系の説明図である。
本発明にかかる光学フィルタは、光透過性を有する基板と、基板上に設けた光吸収性を有する屈折率傾斜薄膜と、屈折率傾斜薄膜上に設けた反射防止構造体とを有する。
基板としては、光学フィルタの基板としての強度や光学特性を有するものであり、屈折率傾斜薄膜及び反射防止構造体の形成用の基体として機能可能であるものが利用される。このような基板としては、BK7やSFL−6などガラス系の材料からなる基板、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)、PC(ポリカーボネート)、PO(ポリオレフィン)、PI(ポリイミド)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、及びTAC(トリアセチルセルロース)等から選択した樹脂材料からなる基板を用いることができる。また、ガラス基板と樹脂層との複合材料からなる基板や、有機材と無機材を混合させた有機無機ハイブリッド基板を用いることもできる。基板の光学特性として、可視光波長領域における全光線透過率89%以上が好ましく、91%以上がさらに好ましい。全光線透過率は、樹脂材料の基板を用いる際は、特に89%以上が好ましい。
屈折率傾斜薄膜は光吸収性を有する薄膜であり、その厚さ方向において基板と反射防止構造体との間に配置される。屈折率傾斜薄膜の光吸収性は、目的とする光学フィルタの機能や特性に応じて設定される。屈折率傾斜薄膜は、光吸収性を有し、かつ、基板側から反射防止構造体側に向かって、屈折率の増減を伴う複数の変化点を含む屈折率変化が減少する屈折率傾斜特性を有することによって、反射を低減しつつ、吸収性を調整することができる。屈折率傾斜薄膜は、例えば、光吸収性を有するために屈折率が1.8以上となる領域を有することが好ましい。
屈折率傾斜薄膜は、その厚さ方向において連続的かつ周期的に変化する屈折率変化を有することが好ましい。この屈折率変化は、
(1)前記基板側において、前記屈折率変化の前記基板側の終点まで、前記屈折率が前記基板の屈折率に近づくように変化する部分と、
(2)前記反射防止構造体側において、前記屈折率変化の前記反射防止構造体側の終点まで、前記屈折率が前記反射防止構造体の屈折率に近づくように変化する部分と
を有する。
なお、上記の屈折率変化の基板側終点とは、例えば、図1におけるAで示された点であり、反射防止構造体側の終点はBで示された点である。図1に示す例では、屈折率分布の変化の基板側終点(あるいは起点)Aを含む末端部分において、この点Aを含む末端部分において屈折率傾斜薄膜の屈折率が基板の屈折率に近づくように変化している。屈折率分布の変化の反射防止構造体終点(あるいは起点)Bを含む末端部分においても同様に、この点Bを含む末端部分において屈折率傾斜薄膜の屈折率が反射防止構造体の屈折率に近づくように変化している。なお、点Aは基板側界面に位置してもよい。また、点Bも反射防止構造体側の界面に位置してもよい。
なお、成膜方法によっては、基板上に形成される厚さ方向における薄膜の最初の領域や、反射防止構造体側に位置する薄膜の最後の領域などで、屈折率が一定である部分が生じても良い。例えば、後述するとおり、基板上に屈折率傾斜薄膜を成膜する際に、複数の薄膜形成用材料の配合比を変化させて膜厚方向での屈折率の連続的な変化を形成する場合、一定の成膜材料濃度で成膜を開始してから、ある時間経過後に複数の薄膜形成用材料の配合比を変化させる場合には、上記のような厚さ方向における屈折率の変化がない部分が生じてもよい。
基板側の屈折率変化の終点における屈折率は、基板の屈折率と同じか、あるいは、基板の屈折率に対して、目的とする光学フィルタの特性において許容される屈折率差の範囲内の屈折率であればよい。反射防止構造体側の屈折率変化の終点における屈折率も同様に、反射防止構造体の屈折率と同じか、あるいは、反射防止構造体の屈折率に対して、透過光の波長または波長領域における目的とする光学フィルタの特性において許容される屈折率差の範囲内の屈折率であればよい。これらの屈折率差は0.05以下が好ましい。従って、上述した厚さ方向における屈折率の変化がない部分が基板側の界面に接して存在する場合についても、この屈折率変化のない部分の屈折率が、基板の屈折率に対して0.05以内の屈折率差を有することが好ましい。この点は、反射防止構造体側の界面に接して厚さ方向における屈折率の変化がない部分が存在する場合においても同様である。
また、屈折率傾斜薄膜の基板側の屈折率変化の終点と基板との屈折率差も、目的とする光学フィルタの特性において許容される屈折率差であればよく、0.05より小さいことが好ましい。
屈折率傾斜薄膜の厚さ方向の屈折率の変化の幅は、目的とする光学フィルタの特性や屈折率傾斜薄膜形成用の材料の種類やその組合せなどによって各種設定できる。例えば、屈折率傾斜薄膜の厚さ方向において、3種類の元素を用いて、例えばSi、Al、Oならば、SiO2からなる領域からAl23からなる領域に変化させる場合は1.47〜1.65程度の範囲内で、また例えば酸素との結合割合によって光吸収性の変化する材料であるTiを含んだ3種類の元素Si、Ti、Oならば、SiO2からなる領域からTiO2からなる領域に変化させる場合は1.47〜2.70程度の範囲内で変化させることができる。
屈折率傾斜薄膜の膜厚は、目的とする機能に応じて適宜選択できる。屈折率傾斜薄膜の膜厚は、10〜4000nm、より好ましくは100〜1000nmとすることができる。
反射防止構造体は、所望の光学フィルタの光学特性を得るために必要とされる反射防止機能を有するものであればよい。反射防止構造体としては、基板を透過する可視光の波長よりも短い周期で構成された凹凸構造を持つ微細構造体や、複数層の薄膜で形成された反射防止膜を用いることができる。微細構造体は、所望の光学フィルタの光学特性を得るために必要とされる反射防止機能を有するものであればよい。微細構造体としては、可視光の波長よりも短いピッチで多数の微細な突起が配列された面を有する微細構造体、あるいは可視光の波長よりも短いピッチでの凹凸の繰り返しを設けた面を有する微細構造体を用いることができる。この微細構造体としては、ランダムに形成された針状体及び柱状体等の突起、階段形状に微細に形成された凹凸構造の突出部または凹部によって大気や隣接する媒体との屈折率差を低減したものも含む。この微細構造体としては、公知の微細構造体から目的に応じて選択したものを用いることができる。例えば、基板を透過する可視光の波長よりも短い繰返し周期で配置された多数の突起からなる周期構造、あるいは基板を透過する可視光の波長よりも短い繰返し周期の凹凸構造からなる周期構造を持つ微細周期構造体であれば、光ナノインプリントなどの方法を用いて再現性良く作成することができる。
なお、基板と、膜厚方向に屈折率が連続的に変化する屈折率傾斜薄膜と、所望の光の波長領域において反射防止効果を発現する反射防止構造体とを、それぞれこの順番に隣接させ配置する事で、光学フィルタ内での光の反射率を著しく低減させることができる。本発明では、光吸収性を有し、且つ屈折率の増減を伴った複数の変化点を持つ屈折率変化が、前記基板側から前記反射防止構造体側に向けて減少傾向となる屈折率傾斜特性を有することによって反射を低減した吸収タイプの光学フィルタを得る事が可能となる。
さらに、屈折率傾斜薄膜の各界面と隣接する物質との屈折率差を小さくする事で、反射防止構造体と屈折率傾斜薄膜の界面での反射、及び屈折率傾斜薄膜と基板との界面の反射を小さくしたとしても、反射防止構造体が単層膜で形成された場合は空気層と、反射防止構造体での界面反射が発生する。従って、反射防止構造体は、この界面での反射を低減可能な微細周期構造体、若しくは干渉効果により反射防止構造体総体として、この界面領域の反射を低減可能な複数層の薄膜で形成された反射防止膜が好ましく用いられる。
ここで、光が異なる屈折率を持つ2つの物質が接触する境界面に入射する際、一部は反射し、一部は透過(屈折)する。フレネル反射とは、この光の一部に生じる反射の事である。この反射は、屈折率差と入射角に依存する。
例えば、屈折率n1の媒質からn2の媒質へ、界面に垂直に光が入射したとき,入射光の強度をI0とすると、反射強度Iは I=I0*( (n1-n2)/(n1+n2) )^2となる。従って、同じ入射角では、n1とn2とが同じ値に近づくほど反射(強度)は小さくなる。また、屈折率傾斜薄膜のように、連続的に屈折率が変化する場合においては、近似的に単位膜厚中の屈折率差を小さくする方が反射(強度)は小さくなると考えられる。
所望の吸収を得つつ、所望の透過特性を得るためには、屈折率傾斜薄膜中に屈折率の高い領域が複数必要となるが、以上の理由より、屈折率傾斜薄膜の膜厚を最小化する為には、この複数の高屈折率領域を屈折率傾斜薄膜中にどのように配置するかが重要になる。本発明の一態様において、屈折率傾斜薄膜の屈折率変化は、その膜厚方向の屈折率変化における増加率の傾きが正から負へ変化する屈折率の変化点(ピーク)を複数備える。増加率の傾きが負から正へ変化する屈折率の変化点(ボトム)は、隣合うピークの間に設けられる。
例えば図2(a)で示すように基板や反射防止構造体の屈折率よりも高い屈折率のピークが3つある場合を考える。仮に、基板の屈折率(図2(a)中Sub)を1.5、反射防止構造体である微細周期構造体の屈折率(図2(a)中のSWS)を1.0、3つの屈折率ピーク(図2(a)中のn13)を2.0、2.5、3.0、屈折率傾斜薄膜界面の屈折率は隣接する基板、若しくは反射防止構造体と同じであると仮定する。この場合、図2中のNo.1、3、5、6のように、基板側から反射防止構造体側に向かって屈折率ピークを結んだ線が単調増加から単調減少へ、変化するような、頂点が1つだけとなるようなプロファイルとなるように配置すれば膜厚を最小化する事ができる。逆に図2中のNo.2、4のように配置すると、最大膜厚が必要となってしまう。
ここで、単調増加とは、隣り合う屈折率ピークが基板側から反射構造体側に向かって、減少することなく、順次増加していることである。また、単調減少とは、隣り合う屈折率ピークが基板側から反射構造体側に向かって、増加することなく、順次減少することである。全ての屈折率ピークを結んだ曲線は、膜厚方向を横軸、屈折率を縦軸とすると屈折率ピークの中で屈折率が最大値となる一つのピークを頂点として上に凸となる形状となる。そして、屈折率傾斜薄膜が上述の単調増加及び単調減少を伴う複数の屈折率ピークを持った屈折率傾斜特性を有するようにすれば、屈折率傾斜薄膜の膜厚を最小化することができる。このとき、基板の屈折率と、複数の傾き変化領域に対応した極大値の屈折率と、反射防止構造体の屈折率との関係が、基板側から反射防止構造体側に向かって、単調増加から単調減少としたという。
また、図2(b)は、図2(a)と同様の仮定で、4つの屈折率ピーク(図2(b)中のn1〜4)を2.0、2.5、3.0、3.5とした場合を示している。図2(b)ではNo.1、7、13、15、19、21、23、24の配置とした場合に膜厚を最小化する事ができ、No.4、5、6、10、11、12、14、16配置とした場合には逆に最大の膜厚が必要となる。
このように屈折率ピークを配置する事で、屈折率傾斜薄膜界面の屈折率差が小さい前提においては、屈折率傾斜薄膜中の界面も含めた総体としての反射は単位膜厚中での屈折率変化に依存する為、これを一定にした場合に反射率も略同じになる。従って、反射率を一定にする為には膜厚を調整すればよく、同じ反射率を実現する場合に最も膜厚を薄くする事ができる。
高屈折率領域が4つ以上必要となる場合も同様であり、屈折率ピークを結んだ線が単調増加から単調減少へ変化するような変化や、屈折率ピークが2つであれば、基板側の屈折率ピークが反射防止構造体側の屈折率ピークより大きく、さらに、反射防止構造体側の屈折率ピークは、反射防止構造体の屈折率より大きければよい。屈折率ピークを結んだ曲線の頂点が1つだけとなるようなプロファイルとなるように配置すれば膜厚を最小化する事ができる。
本発明に係る光学フィルタの構成は、吸収を持つタイプで透過光の平坦性など、所望の透過特性を得る事を課題とする光学フィルタであれば、例えば、NDフィルタやカラーフィルタなどの種々の光学フィルタに利用できる。
ここで、高屈折率領域の数が増える程、設計の自由度が拡がるメリットがある反面、膜厚や屈折率変化が増える事で、コスト的に不利になったり、制御が複雑化したり、更には樹脂フィルムなどを基板にした場合は応力による基板の反りが問題になったりするなどのデメリットがある。従って、NDフィルタなどでこのような構成を使用する場合は、概ねピーク数は4つ以下が好ましく、更には3つ以下である事がより望ましい。屈折率傾斜薄膜の反射防止効果と光吸収性を得つつ、膜厚を薄くするためには、基板の屈折率と、光吸収性を有する屈折率傾斜薄膜の屈折率変化における複数のピークの屈折率と、反射防止構造体の屈折率との関係が、基板側から反射防止構造体側に向かって、単調増加から単調減少となるようにする。
以下、本発明の光学フィルタについて、NDフィルタとした場合について実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
図3のように構成した吸収タイプのNDフィルタについて、以下に詳しく記載する。
なお、以下の各実施例における屈折率は、基板、屈折率傾斜薄膜及び反射防止構造体の構成材料から540nmの波長の光での屈折率として特定できるものである。
<NDフィルタについて>
固体撮像素子の更なる高感度化、高精細化等に伴い、撮影装置の絞りのハンチング現象や光の回折現象の対策には、NDフィルタが用いられている。真空成膜法により多層膜を透明基板に成膜したNDフィルタにおいても、フィルタ自身の反射に起因した、ゴーストやフレア等の撮影画像への不具合が生ずる可能性が高まってきており、可視光波長領域における分光反射率を従来以上に低減することが1つの大きな課題となっている。
図3に示したように、本実施例では、基板13の片面側に屈折率傾斜薄膜12を配置し、屈折率傾斜薄膜12上に反射防止構造体111を配置し、基板13の裏面にも反射防止構造体112を配置した。また、屈折率傾斜薄膜12は膜中の少なくても一部に吸収を持っている。
図3のような構成の場合、基板の反対面での反射が大きくなってしまう為、この面にも何らかの反射防止構造体112が必要となる場合が多い。このような反射防止構造体111、112としては、図4(a)〜(d)中に示したように、反射防止効果を持つ微細周期構造体151、152や、単層、若しくは複数層の薄膜で形成された反射防止膜161、162、更には微細周期構造体15と反射防止膜16を併用した構成などが挙げられるが、適宜最適な構成を選択すれば良い。このような構成であれば、例えば撮像素子側にフィルタのどちらの面を向けても、フィルタの反射に起因したゴースト光の発生を著しく抑制する事ができるなど、フィルタの方向を選ばす光学系内に配置する事も可能となる。
図4(a)〜(d)中でも、反射低減の観点からは図4(a)に示したような構成にする事がより望ましい。従って、本実施例では図4(a)のように、反射防止構造体として、基板13の両側の面で微細周期構造体151、152を形成した。
ここで、例えば図4(b)のような多層膜構成の反射防止膜161や162と同様の効果を持つ機能を屈折率傾斜薄膜12中に組み込む事も可能である。その場合は、表層の界面付近における所定の領域内で、屈折率を周期的に、且つ連続的に複数回増減させ、外気との界面反射防止用の屈折率プロファイルが必要となる。そのため、屈折率傾斜薄膜上に別途反射防止構造体を設けた構成とみなすことができる。また、反射防止膜の作成に際して、屈折率傾斜薄膜上に、屈折率傾斜薄膜の作成に使用する材料と異なる材料を使用し、屈折率が周期的かつ連続的に変化する反射防止膜を作成してもよい。
このような吸収タイプの光学フィルタの一例であるNDフィルタ14を形成する基板13には厚さ0.1mmのPETフィルムを使用した。本実施例ではPETフィルムを使用したが、これらに限らずガラス系の材料でも良いし、POやPI系、PEN、PES、PC、PMMA系、TACなどであっても良い。
<屈折率傾斜薄膜について>
屈折率傾斜薄膜12は、メタモードスパッタ法により、SiO2とTiOx膜の成膜レートを調整しながら、この2種類を混合させ、屈折率を膜厚方向で連続的に変化させる事で、所望の吸収特性を得るように調整し作製した。基板と薄膜との密着性が問題となる場合は界面活性剤などで形成された密着層を挿入しても良い。但し、密着層と隣接する物質との屈折率差等に注意する必要がある。
このような連続的な屈折率プロファイルを持つ屈折率傾斜薄膜の例が図1である。図1では、比較的高屈折率を持つ基板から、屈折率傾斜薄膜、微細周期構造体の順に積層されている。そして、膜厚方向に対し、基板側から連続的に屈折率が増減するような変化を持っており、屈折率傾斜薄膜両端の界面に向かうにつれ、それぞれ隣接する構造体の屈折率に近づくような変化をとっている。
屈折率傾斜薄膜は、膜面に垂直な方向、つまり膜厚方向に屈折率が連続的、好ましくは連続的かつ周期的に変化している薄膜の事である。膜厚方向に屈折率が、連続的かつ周期的に変化している膜は、ルゲート膜、ルゲートフィルタなどとして一般に広く知られている。図5に多層膜と屈折率傾斜薄膜の電子顕微鏡写真の模式図を示す。図5(a)は多層膜の膜厚方向断面の模式図であり、図5(b)が屈折率傾斜薄膜の断面の模式図である。例えば、色の濃い部分がSiO2で、色の薄い(白抜き)部分がTiO2とすると多層膜は、膜の界面が明確に分かれているのに対して、屈折率傾斜薄膜は、多層膜と異なり、膜の界面が明確に分かれていない。また、屈折率傾斜薄膜の屈折率変化の大きい部分ではコントラストが強くなる。
また、深さ方向分析によって得られた結果を、縦軸に濃度(強度)、横軸に深さ(膜厚など対応するパラメーター)を取ったプロットをデプス・プロファイルという。
測定試料の表面から内側に向かって組成分布を調べる深さ方向分析において,ミクロンオーダー以下の分析には加速イオンを用いて表面を削り取りながら分析する手法が良く用いられる。この方法はイオンスパッタリング法と呼ばれ、X線光電子分光法(XPS)やオージェ電子分光法(AESまたはESCA)などとして知られている。
このように屈折率傾斜薄膜中の膜厚方向における組成の変化を評価し、デプス・プロファイルを得る事により、所望の屈折率分布を得る事ができているのかを確かめる事が可能である。
このような屈折率傾斜薄膜の設計手法は以前より各種様々な方法が検討されており、連続的な変化とは異なり、階段状に徐々に屈折率が変化するステップ型の屈折率分布であっても、この屈折率分布を調整する事で、連続的なインデックス変化を持たせた膜と、略同様の光学特性を得る事も可能である事が判明している。しかし、反射低減などにおいては、連続的な屈折率変化を持った方が、より理想的な特性を得る事ができ、さらに薄膜中で界面が無くなり前後の膜組成が非常に近くなる事から、膜の密着強度の向上や、環境安定性の改善などの効果が現れる。このような観点からは、屈折率が連続的に変化する屈折率分布を選択する方が良い。
TiOx膜の分光透過について一例を示すと、xが1相当となるTiOでは可視波長領域での分光透過特性が図6中の(a)のように、長波長側につれ徐々に高くなるような特性になる傾向がある。xが1.5相当となるTi23では可視波長領域での分光透過特性が図6中の(b)のように、長波長側になるにつれ徐々に低くなるような特性になる傾向がある。そこで、これらのように、分散形状が相反する領域を屈折率傾斜薄膜12の膜厚方向に配置した組合せを1以上設ける事で、総体として分光透過特性を平坦に調整した。一般的な光学薄膜に使用される金属酸化物において金属と酸素の割合が変化する場合には同様な傾向を示す。金属酸化物のこの特性を利用して平坦性を改善にするように膜設計を行うことができる。ここで、xの値を可変させる事で、屈折率も変化する為、これを踏まえ、予め得た基礎デ−タより、SiO2との成膜比を決定し制御を行う必要がある。xの値を膜厚方向で可変させる具体的な手段については、酸化源のパワ−を調整したり、成膜方法によっては導入するガス量を調整する事などで制御する事が可能である。
例えばスパッタ法においては、2種類の材料に対して同時に放電し、各材料の放電パワー、つまりターゲットへの投入パワーを変化させ、混合比を変える事で、2つの物質の間の屈折率を持つ、中間屈折率材料を作製する事が可能である。また、混合する種類は2種類以上であっても良い。
このようなスパッタ法の場合、1つの材料を低パワーとしていくと、放電が不安定になったり、メタモードスパッタの場合は、反応モードになってしまったりするなどの不具合が生じる。従って、2物質間の全ての屈折率を実現する為には、例えばマスク法により成膜量をコントロールするなど、投入パワー以外の要素も並行して調整し、膜厚を制御する必要がある。
<スパッタ装置構成>
図7は、本実施例で示す屈折率傾斜薄膜を作製したスパッタ成膜装置の基板搬送装置の回転軸に直交する面での平面断面図である。
スパッタ成膜装置としては、薄膜が形成される基板51を保持する回転可能な円筒状の基板搬送装置52を真空槽53内に備え、基板搬送装置52の外周部とその外側の真空槽53との間の環状空間に、2箇所のスパッタ領域54、55と、反応領域57が設けられている装置を用いた。領域59から基板を搬入する。
基板51は成膜される面が外側を向くように基板搬送装置52に搭載させた。スパッタ領域54、55には、ACダブル(デュアル)カソードタイプのターゲット54a、55aが装備されている。真空槽53の外側に高周波電源56が配置されている。ターゲット材の形状は平板型に限らず、円筒型のシリンドリカルタイプであっても良い。また、これらの他に、別途領域58には、例えばグリッド電極を有する高周波励起によるイオンガングリッドや、基板への正イオンの電荷蓄積を防ぐために正イオンを中和する低エネルギー電子を放出するニュートラライザ等を設ける事も可能である。本発明に用いるスパッタ装置は、例えばスパッタ領域を3領域以上設けても良く、上記装置以外の構成でも実施可能である。
本実施例では図7で示したスパッタ装置を用い、スパッタ領域54にSiターゲット、スパッタ領域55にTiターゲットを配置し、反応領域57には酸素を導入した構成で屈折率傾斜薄膜を形成した。基板搬送装置52に固定された基板51を高速回転させ、スパッタ領域54、55において、基板51上にSiとTiの極薄膜を形成した後、反応領域57でSiとTiの極薄膜を酸化させる。これにより、SiとTiの酸化膜を形成し、この動作を繰り返す事でSi酸化膜とTi酸化膜の混合膜を作製した。さらに、各スパッタ領域でのスパッタレートや酸化レートを、成膜中に連続的に変化させる事で、膜厚方向において連続的に屈折率が変化する屈折率傾斜薄膜を形成した。また、SiO2とTiOxのそれぞれ単独での成膜条件を基に、SiとTiのスパッタレート、及び酸化レートを制御する事で、SiO2とTiOx相当となる混合膜を作製する事も可能である。また、SiO2膜単体の屈折率からTiOx膜単体の屈折率まで、屈折率を連続的に変化させる場合には、投入パワーを低くすると放電が不安定になる事がある為、酸化レートの制御時に、投入電力の制御だけではなくカソード上設けたマスク機構を併用した。
このような連続的な屈折率プロファイルを持つ屈折率傾斜薄膜の例が図1である。図1では、比較的高屈折率を持つ基板から、屈折率傾斜薄膜、微細構造体の順に積層されている。そして、膜厚方向に対し、基板側から連続的に屈折率が増減するような変化(屈折率の変化点)を持っており、屈折率傾斜薄膜両端の界面に向かうにつれ、それぞれ隣接する構造体の屈折率に近づくような傾向の変化をとっている。
以上より、メタモードスパッタ法においては、放電を安定的に維持、制御できる範囲内で屈折率を変化させた。また、膜厚方向に屈折率を連続的に変化させる事に加え、TiOxのxを膜厚方向で変化させ、消衰係数も変化させることも可能である。このように、本実施態様の構成においては、屈折率傾斜薄膜の膜厚方向において、Ti、Si、Oの3種元素の組成比を連続的に変化させる事で、屈折率及び消衰係数を連続的に変化させる事ができる。他の物質を使用した場合や、屈折率傾斜薄膜を構成する物質の種類が増えた場合であっても、同様に調整する事が可能である。また、薄膜の密度を連続的に変化させる事でも組成を連続変化させる事が可能である。
本実施例においては、屈折率傾斜薄膜12は、図8で示すような屈折率のプロファイルを持つ構成とした。図8は制御の容易性などを考慮して、複雑化しないように設計した。
図8の屈折率プロファイルにおいて、基板側の界面点P0から点P2にかけては、TiOxのxは約1.5で固定されており、SiO2との組成比を変化させる事で連続的な屈折率変化を形成した。
次に、点P2から点P3を通過し点P4に近づくにつれ、TiOxのxは1.5から1.0に連続的に変化させている。これと同時にSiO2との組成比を変化させ、点P2から点P3に近づくにつれにSiO2対しTiOxの組成比を増やし、更に点P3から点P4に近づくにつれ、SiO2に対しTiOxの組成比を減少させる事で連続的な屈折率変化を形成した。また、点P4から点P5に近づくにつれにSiO2対しTiOxの組成比を増やし、更に点P5から点P6に近づくにつれ、SiO2に対しTiOxの組成比を減少させた。
さらに、点P4から反射防止構造体側の界面点P6にかけては、TiOxのxは約1.0で固定されており、SiO2との組成比を変化させる事で連続的な屈折率変化を形成した。
点P1付近ではTi23の影響を大きく受けた分光透過を示し、点P5付近ではTiOの影響を大きく受けた分光透過を示す。従って、このように構成する事で、屈折率傾斜薄膜中に、可視波長領域において図6で例示したような異なる分散特性を持つ領域を混在させ、膜厚や組成比により影響度を調整する事で、所望の透過特性を得る事が可能となる。本実施例においては、可視波長領域において分光透過特性が平坦な形状となるように、これらを調整した。
図9に示すような吸収を持たすために、これら2種材料の組成比の連続的な変化に変え、屈折率傾斜薄膜12の終点では、反射防止と環境安定性の観点からSiO2となるように構成した。そのため、屈折率傾斜薄膜12の終点の屈折率は、およそ1.47となる。
TiOの影響を強く受けた分光透過を示す領域と、Ti23の影響を強く受けた分光透過を示す領域とを、屈折率傾斜薄膜中に構成した。その結果、可視波長領域において図6で例示したような異なる分散特性を持つ領域を屈折率傾斜薄膜中に混在させる事で、所望の透過特性を得る事が可能となる。また、屈折率傾斜薄膜が、TiOxのxが1.5から1.0に変化するような異なる分散特性に変化する領域または変化点を持つことで、分光透過特性を平坦に近づけることができる。
また、基板と反射防止構造体の界面は、屈折率差が生じ易い。反射防止の観点から基板と微細構造体に近い領域は、屈折率変化が緩やかな膜設計を行った。反射防止の観点からは図1に示した概念図のように屈折率差をできるだけ生じさせないように設計することが好ましい。しかしながら、本実施例のような吸収フィルタの場合は、所望の吸収を得るために屈折率が高い領域が必要となる。そのため、屈折率傾斜薄膜は基板に近い方から屈折率が緩やかに上昇し、変化点を含んだ傾き変化領域を経て、微細構造体に向かって反射防止構造体の屈折率に緩やかに近づくことが好ましい。
これらを満足する為に、本実施例においては、屈折率傾斜薄膜12は、図8で示すような屈折率のプロファイルを持つ構成とした。屈折率傾斜薄膜は異なる3つの屈折率ピークを持ち、屈折率傾斜薄膜の基板側界面の屈折率は約1.6で、反射防止構造体側の屈折率が1.5となるような構成とした。図8で示した屈折率ピークのように、吸収を必要とする本実施形態のNDフィルタのような場合、基本的には吸収が高い領域では屈折率も高くなる為、その屈折率のピークの少なくても1つ以上は1.8を超える設計となる。
屈折率傾斜薄膜の屈折率は、基板に近い方から緩やかに上昇し、極大値を経て緩やかに減少し極小値から上昇に転じる。このような上昇及び減少を複数回繰り返した後、最終的には反射防止構造体に向かって反射防止構造体の屈折率に緩やかに近づく構成とした。基板の屈折率が、反射防止構造体の端部の屈折率よりも大きい場合には、複数の極大値の内、基板に最も近い側の極大値の屈折率が、屈折率傾斜薄膜の屈折率変化における最大値とすると反射を低減する屈折率変化をとりやすい。
屈折率傾斜薄膜中の3つの屈折率の極大値は図8で示すように配置したが、この配置だけに限定されず、その極大値を結んだ曲線が1つのピークを持つように基板側から反射防止構造体に向かって単調増加から単調減少となるように調整するのがよく、これにより膜厚を最小化することができる。
一方、基板と屈折率傾斜薄膜との界面、および屈折率傾斜薄膜と微細周期構造体との界面においても、屈折率が異なるとその屈折率差に応じて反射が発生する。そこで、これらの界面での反射が問題となる場合は、屈折率差は出来るだけ小さくする事が望ましい。本実施例では、屈折率傾斜薄膜の成膜開始直後と成膜終了間際でのSiO2とTiOxとのレート比を調整する事で、2つの界面での屈折率差をそれぞれで0.05以下となるように調整した。また、屈折率傾斜薄膜12の膜厚は約400nmとなるように調整した。屈折率傾斜薄膜の膜厚は、薄い方が基板から反射防止構造体までの屈折率の変化率が急峻になる。そのため、反射防止の観点からは、膜厚が厚い方が好ましい。
<反射防止構造体について>
屈折率傾斜薄膜12の形成後、前述したUV硬化樹脂を用いた光ナノインプリント法により、屈折率傾斜薄膜12上に、反射防止効果を持つサブミクロンピッチの反射防止構造体としての微細周期構造体151と152を形成した。
微細周期構造体は、近年の微細加工技術の向上とともに作製されるようになってきた。このような構造体の1つである、反射防止効果を持つ微細周期構造体は、一般的にモス・アイ構造体などと呼ばれ、構造体の形状を擬似的に屈折率の変化が連続的となる形状とする事で、物質間の屈折率差に起因した反射の低減を図ったものである。
このような微細周期構造体の作製に関しては、様々な方法が提案されているが、本実施例ではUV硬化樹脂を用いた光ナノインプリント法を用いた。
微細周期構造体は円錐体を周期的に配置したピラーアレイ状とし、NDフィルタの用途を考慮し、少なくても可視波長領域の反射率は低減できる構造となるように、高さ350nm、周期250nmとなるように設計した。さらに、突起構造体の配列に関して、正方配列や三方(六方)配列などが考えられるが、三方配列の方が基板材料の露出面が少ない事などから、反射防止効果が高いと言われている。従って、本実施例では三方配列のピラーアレイとした。
先に設計された形状を反転させたホールアレイ形状を持つモールドとしての石英基板に、UV硬化樹脂を適量滴下した。その後、インプリントを施す基板に石英モールドを押し付けた状態でUV光を照射する事で樹脂を硬化させ、サブミクロンピッチのピラーアレイ状の微細周期構造体151、152を作製した。各種のUV硬化樹脂を用いることができるがここでは、東洋合成製PAK−01−CLを用いた。
ここで、屈折率傾斜薄膜と微細周期構造体との密着性を向上させるために、プライマー処理を行い、屈折率傾斜薄膜上と微細周期構造体との間に密着層を設けた。プライマー液としては、界面活性剤である信越化学社製のKBM−503(商品名)をベースに、IPA(イソプロピルアルコール)や硝酸を適量加え、塗工後の硬化した密着層の屈折率が1.45となるように調整したものを用いた。これを、0.2μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルタを介し屈折率傾斜薄膜上に滴下し、スピンコートにより極薄膜となるように塗工した後、120℃10分間の乾燥処理をおこなって密着層を形成した。更に密着力を強化する必要がある場合は、前述のプライマー液の成分に更にTEOS(オルトケイ酸テトラエチル)などを加えても良い。また、プライマー液をより均一に塗工する為に、プライマー液塗工前に、基板にはUVオゾンによる親水化処理を施す事がより好ましい。さらに、基板両面に形成する場合は、濃度を適宜調整し、ディップコートにより塗工しても良いし、スピンコートで片面塗工した後に基板の表裏を変え、もう一方の面を再度スピンコートで塗工しても良いが、本実施例では後者を選択した。密着層と隣接する構造体との屈折率差も0.05以内とすることが好ましい。
ここで、NDフィルタのように可視波長全域に吸収を持つフィルタの場合、紫外域にも吸収を持っている場合が多い。従って、使用するUV光の波長によっては、フィルタの基板側から光を照射した場合、NDフィルタがその光の少なくとも一部を吸収してしまい、十分な光が樹脂まで届かない場合がある。従って、そのような場合はモールド側からUV光を照射する必要があり、必要なUV光の波長を十分に透過する材質のモールドを選択する必要がある。
更に、光ナノインプリントのプロセスを考慮すると、基板13の片面にインプリントを施し、その後もう一方の面にインプリントすると、最初に形成した微細周期構造体に欠けやクラックなどのダメージを与えてしまう事が想定される。従って、基板両面にそれぞれインプリント用のモールドを配置し、両面同時に光ナノインプリントを実施する手法を選択した。この場合、UV光源も基板両面に2つ配置することで生産性を高めることができる。
<光学フィルタの特性>
以上によって作製されたNDフィルタの、分光反射率特性、及び分光透過率特性が図9である。濃度は約0.70程度であり、可視波長領域の殆どにおいて反射率が0.4%以下になっている。本構成により、非常に低い反射率を実現できた。測定には、(株)日立ハイテクノロジーズ社製の分光光度計U4100を用いた。
さらに、可視領域全域において、分光透過特性が平坦であり、この平坦性の1つの指標である、{(400〜700nmにおける透過率の最大値)−(400〜700nmにおける透過率の最小値)}÷(500〜600nmにおける透過率の平均値)を平坦性と定義した場合、本実施例において作製されたフィルタの平坦性は約3.2%程度であり、可視光領域の反射率を0.5%以下と非常に低い値に抑えたうえで、平坦性に優れたNDフィルタを得る事ができた。
また、スパッタ法を用いることで、蒸着法などと比べて、密度の高い薄膜を安定的に形成することができる。
また、本実施例において、屈折率の制御に酸化物を用いたが窒化物でも良く屈折率傾斜薄膜として、連続的、周期的に屈折率が変化すれば各種の化合物を用いることができる。
また、基板と屈折率傾斜薄膜、屈折率傾斜薄膜と反射防止構造体の間に、基板、反射防止構造体のそれぞれの屈折率に近いバッファ層等を設けて、密着性や耐久性を改善する事なども可能であり、その場合はバッファ層等を考慮した設計を行えば良い。
(実施例2)
図10のように基板両面に屈折率傾斜膜を形成したフィルタの作製について以下に記載する。
図10に示したように、本実施例では、基板23の片面側に屈折率傾斜薄膜221を配置し、屈折率傾斜薄膜221上に反射防止構造体211を配置した後、基板23の裏面側にも同様に屈折率傾斜薄膜222と反射防止構造体212を配置した。NDフィルタ24における所望の波長領域に所望の吸収を持つ機能は、屈折率傾斜薄膜221、222の両方に持たせたが、場合によっては屈折率傾斜薄膜221と222のどちらか一方のみであっても同様の特性を得る事は可能である。このような反射防止構造体211、212としては、図11(a)〜(c)中に示したように、反射防止効果を持つ微細周期構造体251、252や、単層、若しくは複数層の薄膜で形成された反射防止膜261、262、更には微細周期構造体25と反射防止膜26を併用した構成などが挙げられるが、適宜最適な構成を選択すれば良い。
図11(a)〜(c)中でも、反射低減の観点からは図11(a)に示したような構成にする事がより望ましい。従って、本実施例では図11(a)のように、反射防止構造体として、基板23の両側の面で微細周期構造体251、252を形成した。
NDフィルタ24を形成する基板23には厚さ1.0mmのSFL−6ガラスを使用した。実施例1と同様に、まずは基板23上の片面側に、屈折率傾斜薄膜221を、メタモードスパッタ法により、SiO2とTiOx膜の成膜レートを調整しながら、この2種類を混合させ、屈折率を膜厚方向で連続的に変化させる事で、所望の吸収特性を得るように調整し作製した。その後、基板の表裏を変えて、再度同様にSiO2とTiOxの混合膜である屈折率傾斜薄膜222混合膜を作製した。また屈折率傾斜薄膜221、222の膜厚はそれぞれ約200nmとなるように調節した。
また、膜厚方向に屈折率を連続的に変化させる事に加え、TiOxのxを膜厚方向で変化させ、消衰係数も変化させる事で、屈折率傾斜薄膜221、222中の吸収特性を調整し、可視波長領域である400nm〜700nmにおける分光透過特性が、膜総体として分散が小さい平坦な特性となるように膜設計を行い、屈折率傾斜薄膜221、222は、図12で示すような屈折率のプロファイルを持つ構成とした。
これらを満足する為に、本実施例においては、屈折率傾斜薄膜は、図12で示すような屈折率のプロファイルを持つ構成とした。屈折率傾斜薄膜は異なる3つの屈折率ピークを持ち、屈折率傾斜薄膜の基板側界面の屈折率は約1.8で、反射防止構造体側の屈折率が1.6となるような構成とした。屈折率傾斜薄膜の屈折率は、基板に近い方から緩やかに上昇し、極大値を経て緩やかに減少し極小値から上昇に転じる。このような上昇及び減少を複数回繰り返した後、最終的には反射防止構造体に向かって反射防止構造体の屈折率に緩やかに近づく構成とした。
屈折率傾斜薄膜中の3つの屈折率の極大値は図12で示すように配置したが、この配置だけに限定されない。
その後、基板両面に形成された屈折率傾斜薄膜上にUV硬化樹脂を用いた光ナノインプリント法により反射防止効果を持つサブミクロンピッチの微細周期構造体251、252を形成した。実施例1と同様の理由から、本実施例においても、ND膜を形成した基板両面にそれぞれインプリント用のモールドを配置し、両面同時に光ナノインプリントを実施した。
以上によって作製されたNDフィルタの分光反射率特性、及び分光透過率特性が図13である。濃度は約0.70程度であり、可視波長領域において反射率が約0.2%以下になっている。本構成により、非常に低い反射率を実現できた。測定には、分光光度計を用いた。
さらに、可視領域全域において、分光透過特性が平坦であり、前述の平坦性の指標に換算すると、本実施例において作製されたフィルタの平坦性は約1.6%程度であり、可視光領域の反射率を0.5%以下と非常に低い値に抑えたうえで、平坦性に優れたフィルタを得る事ができた。
また、実施例1、2ではメタモードスパッタ法によりSiO2とTiOxの混合膜を作製し、膜厚方向でその混合比率を変える事で連続的な屈折率を持つ傾斜薄膜を形成したが、これに限らず、NbOxやTaOx、ZrOx、AlOx、MoSiOx、MoOx、WOxなど、様々な金属または半金属の酸化物の材料を使用する事が可能である。前述したような屈折率傾斜薄膜と界面をなす構造体の屈折率などの関係から、必要とされる屈折率を実現できる材料であれば良く、プロセス上の制約などを考慮し、時々で最適な材料を選択すれば良い。また、3種類以上の金属または半金属の元素を含んだ材料を組合せても良い。3種類以上の材料を組み合わせると安定的に屈折率を傾斜させることが可能となり、吸収の低減など消衰係数の調整も行い易くなり設計の自由度が広がる。この際、酸化物に限らず窒化物でも同様に設計の自由度を広げることができる。
さらに、反応性蒸着などを用いる場合は、その導入ガスを制御し、屈折率や消衰係数を制御する事で傾斜薄膜を形成する事も可能である。膜厚方向で傾斜薄膜中の一部に吸収を持たせる構成でも良いし、全体的に吸収を持ちつつ屈折率を連続的に変化させても良い。成膜手法もメタモードスパッタ法だけに限らず、他のスパッタ法や、各種の蒸着法などでも良い。
本実施例のように形成された屈折率傾斜薄膜は、高密度の膜となり膜応力が問題となる事がある。その場合は本実施例のように、剛性の高いガラスなどの基板を用いると膜応力による反りなどの不具合を低減できる。また、屈折率傾斜薄膜を基板の両面に設けることで、それぞれの膜応力を打ち消しあい安定した光学フィルタを製造することができる。
特に、本実施例に用いた基板の両面に屈折率傾斜薄膜、微細周期構造体を設ける構成は、膜応力に対する基板の安定性を得られる。加えて、微細周期構造体を両面から光ナノインプリントにより反射防止構造体を一連の連続または同時の工程で形成することができるため生産性に優れる。
(実施例3)
図14に光量絞り装置を示す。次に、本発明のNDフィルタを備える光量絞り装置を光学機器(ビデオカメラ)に適用した実施例について図14を用いて説明する。
図14において、41はレンズユニット41A〜41Dを有する撮影光学系である。42はCCD等の固体撮像素子であり、撮影光学系41によって形成される光線a、bの像を受光し、電気信号に変換する。43は光学ローパスフィルタである。撮影光学系41は、図14に示したNDフィルタ44、絞り羽根45,46、地板47で構成される光量絞り装置を有している。
以上の実施例の構成によれば、解像度低下の少ないNDフィルタを提供することができる。NDフィルタ44に本実施例1及び2で作成した屈折率傾斜薄膜を用いたNDフィルタを用いたものは、生産性に優れ軽量かつカラーバランスに優れていた。
これにより作製された光量絞り装置は、フィルタの反射に起因したゴーストなどの不具合を著しく低減する事ができる。
これに限らず、他の光学機器であっても、実施例1や実施例2で作製されたような光学フィルタを用いることで、生産性に優れ、フィルタの反射に起因した装置上の不具合を著しく低減する事が可能である。ビデオカメラあるいはデジタルスチルカメラ等の撮影系に使用するに適した光量絞り装置の絞りは、CCDやCMOSセンサと言った固体撮像素子への入射光量を制御するために設けられているものである。被写界が明るくなるにつれ、絞り羽根31を制御し、より小さく絞り込まれていく構造になっている。このとき、小絞り状態時に発生する像性能の劣化に対する対策として、絞りの近傍にNDフィルタ34を配置し、被写界の明るさが同一であっても、絞りの開口をより大きくできる構造にしている。入射光がこの光量絞り装置33を通過し、固体撮像素子(不図示)に到達する事で電気的な信号に変換され画像が形成される。
(他の実施例)
実施例1、2で記載したNDフィルタ以外の光学フィルタにおいても、吸収を持つタイプでであれば同様の効果を期待でき、光学フィルタが、吸収を持ってもよい場合には、撮像素子やポスターなど対象物を保護するようなフィルタには、所望とする波長領域の反射を低減する為の反射防止の保護フィルムや保護板として応用可能である。タッチパネル等に設けられる保護板に用いることで、表示部の視認性を向上させた電子機器とすることができる。例えばカラーフィルタなどに応用する事が可能である。これらの光学フィルタに本発明を適用する事で、反射率を低減しつつ、所望の透過特性を得る事が可能となり、平坦性に優れた光学フィルタを得ることも可能である。また、これらの光学フィルタを搭載する事で、前述の不具合を改善した各種の光学機器を得る事が可能となる。
111、112、211、212.反射防止構造体
12、221、222.屈折率傾斜薄膜
13、23.基板
15、25、151、152、251、252.微細周期構造体
16、26、161、162.261、262.反射防止膜
41 撮影光学系
42 固体撮像素子
43 光学ローパスフィルタ
44 NDフィルタ
45、46 絞り羽根
47 地板

Claims (4)

  1. 光透過性を有する基板と、
    前記基板上に設けられて膜厚方向に屈折率が変化する屈折率傾斜薄膜と、
    前記屈折率傾斜薄膜上に設けられる反射防止構造体と
    を備え、
    前記屈折率傾斜薄膜は、光吸収特性を有し、且つ屈折率の増減を伴った複数の変化点を
    持つ屈折率変化が、前記基板側から前記反射防止構造体側に向けて減少傾向となる屈折率
    傾斜特性を有するとともに、
    前記屈折率傾斜薄膜は、前記屈折率変化における前記複数の変化点として屈折率が増加
    後に減少へ変化する複数の極大値を含み、かつ、前記複数の極大値のうち前記基板側に最
    も近い極大値が、前記屈折率変化の最大値である屈折率傾斜特性を有し、
    前記屈折率傾斜薄膜は、その膜厚方向において、
    可視波長領域の分光透過特性が長波長側になるにつれて高くなる領域と、
    可視波長領域の分光透過特性が長波長側になるにつれて低くなる領域と、
    を有することを特徴とする光学フィルタ。
  2. 光透過性を有する基板と、
    前記基板上に設けられて膜厚方向に屈折率が変化する屈折率傾斜薄膜と、
    前記屈折率傾斜薄膜上に設けられる反射防止構造体と
    を備え、
    前記屈折率傾斜薄膜は、光吸収特性を有し、且つ屈折率の増減を伴った複数の変化点を
    持つ屈折率変化が、前記基板側から前記反射防止構造体側に向けて減少傾向となる屈折率
    傾斜特性を有するとともに、
    前記屈折率傾斜薄膜は、前記屈折率変化における前記複数の変化点として屈折率が増加
    後に減少へ変化する複数の極大値を含み、かつ、前記複数の極大値のうち前記基板側に最
    も近い極大値が、前記屈折率変化の最大値である屈折率傾斜特性を有し、
    前記屈折率傾斜薄膜は、その膜厚方向において、
    可視波長領域の分光透過特性が長波長側になるにつれて高くなる領域から可視波長領域
    の分光透過特性が長波長側になるにつれて低くなる領域へ変化する領域を有することを特
    徴とする光学フィルタ。
  3. 前記基板は、光線透過率が89%以上の透明樹脂基板であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の光学フィルタ。
  4. 光学フィルタを撮影光学系に用いた光学機器であって、
    前記光学フィルタが、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルタであることを
    特徴とする光学機器。
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