JP6223124B2 - 高強度複相組織ステンレス鋼板およびその製造法 - Google Patents

高強度複相組織ステンレス鋼板およびその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、高強度、高靭性、高弾性応力が要求される各種ばね、フラッパーバルブ、メタルガスケット、スチールベルト、シートセンサーなどに適した高強度複相組織ステンレス鋼板、およびその製造法に関する。
従来、高強度およびばね性が要求されるステンレス鋼として、SUS301、SUS304に代表される加工硬化型オーステナイト系ステンレス鋼、SUS420J2に代表される焼入れ・焼戻しマルテンサイト系ステンレス鋼、SUS630、SUS631に代表される析出硬化型ステンレス鋼が一般的に使用されている。ここで、ばね性は、永久変形が起こる応力レベルが高く、弾性変形を付与した状態での使用(ばね用途としての使用)に適した性質をいう。
加工硬化型オーステナイト系ステンレス鋼は、強度、靭性が良好であることから、ばね材として多用されている。しかし、高価なNiを多量に含有するため材料コストが高い。また、降伏応力を高めてばね性を向上させるためには調質圧延を高い圧延率で実施する必要があり、工程への負荷も大きい。
焼入れ・焼戻しマルテンサイト系ステンレス鋼や、析出硬化型ステンレス鋼は、製品加工後の熱処理によって高強度化を図る必要があるために、部品加工メーカーでの工程負荷が大きくなる。それに伴う部品製造コストの上昇や、生産性の低下が問題となることがある。また、焼入れ・焼戻しマルテンサイト系ステンレス鋼の場合は、熱処理工程でのCr炭化物析出に起因して耐食性が低下しやすいという問題もある。
特許文献1には、焼入れ時にオーステナイト相が残留するように成分調整されたステンレス鋼を用いて、焼入れによりマルテンサイト相+残留オーステナイト相の複相組織とし、その後、Ac1点未満の特定温度域で熱処理してマルテンサイト相中に過飽和に存在するCをオーステナイト相中へ拡散させることによりマルテンサイト相の靭性を向上させる技術が開示されている。この技術は、上記従来一般的な各種高強度ステンレス鋼が抱える上述の問題を回避しながら、強度−延性バランスに優れる複相組織ステンレス鋼板を提供可能としたものである。
特許文献2には、焼戻しマルテンサイト相と逆変態オーステナイト相の二相組織とすることにより加工性に優れた高強度ステンレス鋼を得る技術が開示されている。
特開2011−184780号公報 特開平8−283911号公報
特許文献1に開示の複相組織ステンレス鋼板によれば、引張強さTS(N/mm2)×伸びEl(%)が17300以上という、優れた強度−延性バランスが実現できる。しかしながら、特に高い応力が付与されるばね用途では、降伏応力(耐力)や弾性限度を重視する必要があり、特許文献1の技術では十分に対応できない場合がある。また、特許文献2のような逆変態オーステナイト相を生成させる手法では軟質なオーステナイト相が過剰に存在し、高い応力レベルで使用可能なばね性を実現することは難しい。
本発明は、適度な強度−延性バランス(靭性)を確保しながら、ばね性を改善した高強度複相組織ステンレス鋼板を提供するものである。
本発明では、高温のオーステナイト安定温度域からの冷却でオーステナイト相の一部がマルテンサイトに変態し、残留オーステナイト相が存在するように組成調整された鋼種によって、ばね用途に適した特性を有するステンレス鋼板を実現する。
すなわち本発明では、質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜5.0%、Ni:1.0〜6.0%、Cr:10.0〜18.0%、Cu:0〜4.0%、Mo:0〜2.0%、N:0.01〜0.20%、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、C含有量とN含有量の合計が0.12質量%以上、下記(1)式で定義されるCr当量が13.0〜17.0、下記(2)式で定義されるNi当量が7.0〜13.0、下記(3)式のMsで定まるマルテンサイト変態開始温度Ms点が20〜120℃である化学組成を有し、オーステナイト相:1.0〜15.0体積%、残部がマルテンサイト組織である複相組織を有し、0.2%耐力が1500N/mm2以上、0.01%耐力σ0.01(N/mm2)と0.2%耐力σ0.2(N/mm2)の比σ0.01/σ0.2が0.70以上である高強度複相組織ステンレス鋼板が提供される。前記複相組織は、例えば30.0体積%以上の加工誘起マルテンサイト相を生成させる過程を経て形成されたものであり、加工誘起マルテンサイト相を生成させた後、Ac1点未満の温度で加熱処理を受けたものであることがより好ましい。
Cr当量=Cr+Mo+1.5Si …(1)
Ni当量=Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.3Cu …(2)
Ms={3000[0.068−(C+N)]+50[0.47−Si]+60[1.33−Mn]+110[8.9−(Ni+Cu)]+75[14.6−Cr]−32}×5/9 …(3)
ここで、(1)〜(3)式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量の値が代入される。
「加工誘起マルテンサイト相」は、冷間加工によってオーステナイト相から生じるマルテンサイト相である。
これに対し、オーステナイト安定温度域からMs点以下の温度への冷却によって生じるマルテンサイト相を、本明細書では特に「冷却マルテンサイト相」と呼ぶことがある。本発明で対象とする高Cr鋼の場合、普通鋼とは異なり、特段の急冷(いわゆる焼入れ処理)を行わなくてもMs点以下の温度への冷却によってマルテンサイト変態が起こり、冷却マルテンサイト相が生成する。生成する冷却マルテンサイト相の量は組成に依存する。冷却マルテンサイト相への変態が生じなかったオーステナイト相の部分は残留オーステナイト相として残存する。
本明細書でいう「マルテンサイト組織」は、マルテンサイト相を主体とする磁性相、またはマルテンサイト変態後にAc1点未満の温度で加熱処理を受けた、元のマルテンサイト相に由来する相を主体とする磁性相を意味する。後者において、加熱処理でマルテンサイト相中から炭化物相(セメンタイト)が析出した場合には、その炭化物相もマルテンサイト組織の構成要素となる。マルテンサイト組織の量は後述の磁気測定によって定めることができる。
鋳造時に少量のδフェライト相が生成することがある。δフェライト相は最終製品の金属組織中にもわずかに残留する場合があると考えられるが、その量は多くても2.0体積%である。δフェライト相は、マルテンサイト相や炭化物相(セメンタイト)と同様に磁性相であるから、δフェライト相が存在する場合は、後述の磁気測定により定まるマルテンサイト組織の量には、2.0体積%以下のδフェライト相の量が含まれることになる。しかし、そのような少量のδフェライト相の存在は本発明の効果を阻害しないので、無視することができる。そこで、本明細書では便宜上、0〜2.0体積%のδフェライト相を含めた磁性相を、マルテンサイト組織として扱う。
上記の化学組成範囲の鋼を対象とする場合、残留オーステナイト相が15.0体積%以下となるようにマルテンサイト相を生成させるためには、冷却マルテンサイト相の生成に加え、加工誘起マルテンサイト相の生成による「マルテンサイトの増量」を行うことが極めて有効である。
マルテンサイト組織の量(体積%)は磁気測定によって定めることができる。具体的には以下の手法に従う。
〔マルテンサイト組織の量の測定〕
振動試料型磁力計(VSM)に被測定材料から採取した試験片をセットし、磁気モーメントM(A・m2)を求める。この実測Mの値と、試料の質量W(kg)から下記(4)式により試料の飽和磁化I(A・m2/kg)を求める。
I=M/W …(4)
一方、上記組成範囲のステンレス鋼におけるマルテンサイト組織の理論的な飽和磁化の値として、成分組成の回帰式である下記(5)式により定まるIS(A・m2/kg)を採用する。
S=214.5−3.12(Cr+Mo+0.5Ni)−12C−1.9Mn−6N−3P−7S−2.6Si−2.3Cu …(5)
ここで、(5)式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量の値が代入される。
上記飽和磁化IおよびISを下記(6)式に代入することにより、マルテンサイト組織の量VM(体積)を定める。
マルテンサイト組織の量VM(体積%)=(I/IS)×100 …(6)
上記複相組織ステンレス鋼板の製造法として、上記の化学組成を有する鋼板を、オーステナイト安定温度域で溶体化処理したのちMs点より低温に冷却することにより、マルテンサイト相を生成させ、35体積%以上好ましくは35〜65体積%の残留オーステナイト相を残存させる工程、
前記残留オーステナイト相を残存させた鋼板に冷間圧延を施すことにより、加工誘起マルテンサイト相を生成させ、オーステナイト相:1.0〜15.0体積%、残部がマルテンサイト組織である複相組織とする工程、
前記加工誘起マルテンサイト相を生成させた鋼板を180〜550℃で時効処理することにより、0.2%耐力σ 0.2 が1500N/mm2以上、0.01%耐力σ0.01(N/mm2)と0.2%耐力σ0.2(N/mm2)の比σ0.01/σ0.2が0.70以上の特性を付与する工程、
を有する製造法が提供される。
前記加工誘起マルテンサイト相の生成量は、30.0体積%以上とすることができ、30〜50体積%とすることがより好ましい。前記時効処理は、200〜550℃、均熱0〜60minの範囲で行うことが好ましい。
本発明によれば、本来、強度−延性バランス(靭性)の改善に有効であるが、ばね性に関しては改善の余地を有していたオーステナイト−マルテンサイト系ステンレス鋼種において、高い応力レベルで使用されるばね用途に適した強度特性を付与した鋼板が実現できた。この鋼板を素材に用いると、従来一般的なマルテンサイト系ステンレス鋼種や析出硬化型ステンレス鋼種で必要となる部品製造メーカーでの熱処理が回避される。また、この鋼板は、Niを多量に含有する加工硬化型オーステナイト系ステンレス鋼種よりも素材コストが安く製造時における冷間工程の負荷も少ない。
〔化学組成〕
本発明では、高温のオーステナイト安定温度域からの冷却でオーステナイト相の一部がマルテンサイトに変態し、残留オーステナイト相が存在するように組成調整された鋼種を適用する。以下、化学組成に関する「%」は特に断らない限り「質量%」を意味する。
Cは、鋼の強度を確保する上で重要な元素である。また、Ms点に対して影響力の大きい元素である。C含有量は、特に低C化していない一般的なステンレス鋼種と同等以上とすればよい。具体的には0.01%以上のC含有量を確保することが望ましく、0.03%以上とすることがより好ましい。一方、C含有量が多くなりすぎるとマルテンサイト相が硬質化し、靭性を損なう要因となる。また、熱処理に際して生成する炭化物により耐食性が低下する。C含有量は0.20%以下であることが望ましい。
Siは、脱酸作用や、炭化物形成の抑制作用を有する。Si含有量は0.05%以上とすることが望ましい。ただし、過剰のSiはSi酸化物を主体とする硬質な介在物の生成を促し、強度、疲労特性の低下要因となる。種々検討の結果、Si含有量は1.0%以下とする。
Mnは、Ms点の制御や、適正溶体化温度の範囲拡大に有効な元素である。だだし、過剰のMn含有はMn系介在物による加工割れを招く要因となる。Mn含有量は0.05〜5.0%の範囲で調整することが望ましく、1.0〜3.5%の範囲に管理してもよい。
Niは、靭性向上に有効である。また、Ms点の制御にも有効である。ただし、Niは高価な元素であるため、添加効果と経済性を考慮して1.0〜6.0%の範囲で含有量を調整することが望ましく、3.0〜5.0%の範囲に管理してもよい。
Crは、耐食性の観点から10.0%以上の含有量を確保する必要がある。ただし、Cr含有量が増大すると鋳造時にδフェライトが生成しやすくなり、過剰のδフェライトの存在は強度低下を招く要因となる。発明者らの検討によれば、Cr含有量を18.0%以下に管理することにより、最終的な鋼板中のδフェライトの存在量が2.0体積%以下に抑えられ、δフェライト生成による悪影響を回避することができる。したがって、ここではCr含有量を18.0%以下に規定する。
Cuは、Ms点の制御や、適正溶体化温度の範囲拡大に有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。Cuを添加する場合、0.01%以上の含有量を確保することがより効果的である。だだし、過剰のCu含有は耐食性低下や熱間加工性低下の要因となる。Cu含有量は4.0%まで許容されるが、通常、1.0%以下の範囲とすればよく、0.50%以下、あるいは0.10%以下の範囲に管理してもよい。
Moは、耐食性向上に有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。Moを添加する場合、0.01%以上の含有量を確保することがより効果的である。だだし、Moは高価な元素であるため、2.0%以下の含有量とすることが望ましい。通常、Mo含有量は1.0%以下の範囲とすればよく、0.50%以下、あるいは0.10%以下の範囲に管理してもよい。
Nは、鋼の強度を高め、かつMs点に対しCと同等の影響力を有する。N含有量は0.01%以上とすることが望ましく、0.05%以上とすることがより好ましい。だだし、過剰のN含有は、熱間圧延時に表面欠陥の増大を招く場合があるので、N含有量は0.20%以下とすることが好ましく、0.10%以下とすることがより好ましい。
CとNの合計含有量は0.12%以上を確保することが好ましい。それより少ないと十分な高強度化を実現することが難しくなる場合がある。CとNの合計含有量は、通常、0.30%以下の範囲とすればよく、0.25%以下の範囲に管理してもよい。
下記(1)式のCr当量および(2)式のNi当量は、オーステナイト安定度に関する指標である。
Cr当量=Cr+Mo+1.5Si …(1)
Ni当量=Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.3Cu …(2)
(1)式、(2)式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量の値が代入される。無添加の元素についてはゼロが代入される。
本発明ではCr当量が13.0〜17.0、かつNi当量が7.0〜13.0に調整された鋼を採用することにより、オーステナイト安定温度域からMs点以下の所定の温度に冷却したときに残留オーステナイト相が35体積%以上であるオーステナイト+マルテンサイト複相組織が得られるようにしている。
下記(3)式のMsは、鋼のMs点(℃)を表す指標である。
Ms={3000[0.068−(C+N)]+50[0.47−Si]+60[1.33−Mn]+110[8.9−(Ni+Cu)]+75[14.6−Cr]−32}×5/9 …(3)
(3)式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量の値が代入される。無添加の元素についてはゼロが代入される。
本発明で規定する組成範囲の鋼に関しては、(3)式により推定されるMs点が20〜120℃となる組成の鋼を適用する。Ms点が120℃を超えると、常温まで冷却したときの冷却マルテンサイト相の生成量が多くなり、加工誘起マルテンサイトの母相である残留オーステナイト相を安定して35体積%以上存在させることが難しくなる。残留オーステナイト母相の量が35体積%より少ないと、加工誘起マルテンサイト相を30体積%以上生成させ、かつ最終的に残留するオーステナイト相の量を1.0〜15.0体積%の範囲にコントロールするための冷間圧延条件範囲が狭くなる。一方、Ms点が20℃を下回ると、冷却マルテンサイト相を生成させるための冷却終了温度を常温よりかなり低温に設定する必要が生じ、製造性を損なう。
〔金属組織〕
本発明に従う鋼板は、オーステナイト相:1.0〜15.0体積%、残部がマルテンサイト組織である複相組織に調整されている。オーステナイト相は、少量の存在によって顕著な延性改善効果を発揮する。具体的には、オーステナイト相の存在量を1.0体積%以上確保することが効果的であり、1.5体積%以上とすることがより効果的である。一方、オーステナイト相の量が15体積%を超えると、その分、残部のマルテンサイト組織の量が不足して、高強度特性、ばね性を十分に確保することが難しくなる。本発明に従う鋼板は、後述するように、Ac1点未満の温度での時効処理を経て、高強度特性、ばね性の改善を図ったものである。本発明に従う高強度複相組織ステンレス鋼板のマルテンサイト組織は、冷却マルテンサイト相と加工誘起マルテンサイト相で構成されるマルテンサイト相に由来する磁性相と、0〜2.0体積%のδフェライト相からなる。マルテンサイト組織の量は、前述のように磁気特性によって定めることができる。上記オーステナイト相の量(体積%)は、100−[マルテンサイト組織の量(体積%)]によって求まる。
〔機械的特性〕
高い応力レベルで使用されるばね用途を考慮すると、0.2%耐力σ0.2が高く、かつ、弾性限度が高いことが有利となる。弾性限度の指標として0.01%耐力σ0.01を採用することができる。発明者らの検討によれば、0.2%耐力が1500N/mm2以上、かつ0.01%耐力と0.2%耐力の比σ0.01/σ0.2が0.70以上である特性を有していれば、高い応力が付与されるばね用途に適したばね性を有すると判断できる。σ0.01/σ0.2は0.75以上であることがより好ましく、0.80以上であることが更に好ましい。硬さは450HV30以上であることが好ましい。引張強さTS(N/mm2)と全伸びEl(%)の積で表される靭性指標TS×El(N/mm2×%)は6000以上であることが好ましく、8000以上であることがより好ましい。
このような特性を有する複相組織ステンレス鋼板は、以下の各工程を経ることによって製造することができる。
〔冷却マルテンサイト相生成工程〕
上述の化学組成を有する中間製品の鋼板を、オーステナイト安定温度域に加熱して溶体化処理を行う。溶体化処理条件は900〜1200℃、均熱0〜60minとすることができる。溶体化処理後、上記(3)式により定まるMs点より低い温度まで冷却し、冷却マルテンサイト相を生成させる。溶体化処理温度からMs点を通過するまでの平均冷却速度は2℃/sec以上とすることが好ましい。冷却マルテンサイト相の生成量は鋼の化学組成に依存するが、Mf点(マルテンサイト変態終了温度)より高い温度で冷却を終了する場合は、その冷却終了温度によっても冷却マルテンサイト相の生成量をコントロールすることができる。Mf点が常温より高い場合は、常温への冷却によって、化学組成に依存した一定量の冷却マルテンサイト相が生成する。
本発明に従う化学組成を有する鋼の場合、冷却マルテンサイト相の残部として存在する残留オーステナイト相の量を35体積%以上確保することが可能である。この残留オーステナイト相の量が35体積%以上であれば、後工程で30体積%以上の加工誘起マルテンサイト相を生成させ、かつ最終的に残存するオーステナイト相の量を1.0〜15.0体積%にコントロールすることができる。ただし、この段階での残留オーステナイト相の量が多くなりすぎると、後の工程で加工誘起マルテンサイト相の生成によりマルテンサイトの増量を図っても、最終的に残存するオーステナイト相の量を15.0体積%以下に低減することが難しくなる。したがって、この段階での残留オーステナイト相の量は35〜60体積%の範囲であることが好ましい。
〔加工誘起マルテンサイト相生成工程〕
上記の工程で得た35体積%以上の残留オーステナイト相を有する鋼板に対し、冷間圧延を施すことにより、上記残留オーステナイト相の一部を加工誘起マルテンサイト相に変態させる。発明者らの検討によれば、加工誘起マルテンサイト相を生成させることで容易かつ飛躍的に強度を向上させることができるが、特に加工誘起マルテンサイト相を形成させた後に後述の時効処理を施すことによって、上述の0.01%耐力と0.2%耐力の比σ0.01/σ0.2を0.70以上に向上させた複相組織ステンレス鋼板を得ることができることが明らかとなった。加工誘起マルテンサイト相の生成量を30体積%以上とすることが特に効果的である。
加工誘起マルテンサイト相の生成量は冷間圧延率によってコントロールできる。冷間圧延率は5〜30%の範囲で設定することが好ましく、10〜20%とすることがより好ましい。冷間圧延率が高くなりすぎると、加工硬化の増大や加工誘起マルテンサイト相の生成量の増大に対する効果が薄まり、また靭性低下を招く。
〔時効処理〕
上記の冷間圧延によって加工硬化させながら加工誘起マルテンサイト相の生成によるマルテンサイト相の増量を図った鋼板に対し、Ac1点より低温での時効処理を施すことによって、強度、靭性、および0.01%耐力と0.2%耐力の比σ0.01/σ0.2を向上させることができる。この時効処理では、冷却マルテンサイト相と加工誘起マルテンサイト相に対して「焼戻し」と同様な構造変化を与えて靭性を向上させる効果と、固溶炭素によるひずみ時効の現象を利用して0.2%耐力やσ0.01/σ0.2を向上させる効果を得る。時効処理温度は180〜550℃の範囲とすることができる。550℃はAc1点より低い温度である。より好ましい時効処理条件として、200〜550℃、均熱0〜60minの範囲を例示することができる。特に時効処理温度400〜500℃の範囲で下記(7)式を満たす条件とすることが一層好ましい。
13000<T(logt+20)<16000 …(7)
ここで、Tは時効処理温度(K)、tは時効処理均熱時間(h)である。
表1に示す鋼を溶製し、熱間圧延、焼鈍、酸洗、冷間圧延の工程により板厚2.0mmの冷延鋼板を得た。この冷延鋼板に対し、オーステナイト安定温度域にある1050℃で均熱1minの溶体化処理を施した後、常温まで冷却した。前記(3)式によるMs点を表1中に記載する。溶体化処理温度から常温までの平均冷却速度は2℃/sec以上である。この熱処理を終えた時点の鋼板から試料を採取し、VSMによる磁気特性を行って前述の手法により(4)式〜(6)式を用いてマルテンサイト組織の量VM1(体積%)を求めた。このVM1は冷却マルテンサイト相の量にほぼ相当する。100体積%からVM1を差し引くことにより残留オーステナイト相の量(体積%)を算出した。
溶体化処理・冷却後の鋼板に対し、一部の例を除き冷間圧延を施して加工誘起マルテンサイト相を生成させた。その後、時効処理を施し、供試鋼板を得た。この冷間圧延の冷間圧延率、および時効処理の温度、均熱保持時間を表2中に記載する。各供試鋼板から試料を採取し、VSMによる磁気特性を行って前述の手法により(4)式〜(6)式を用いてマルテンサイト組織の量VM2(体積%)を求めた。このVM2は冷却マルテンサイト相と加工誘起マルテンサイト相の合計量にほぼ相当する。そこで、VM2とVM1の差を算出し、これを加工誘起マルテンサイト相の生成量(体積%)とみなした。また、100体積%からVM2を差し引くことにより最終的に存在する残留オーステナイト相の量(体積%)を算出した。ただし、時効処理で逆変態オーステナイト相が生成した一部の例(No.25)では、VM2は冷却マルテンサイト相と加工誘起マルテンサイト相の合計量より少なくなっている。金属組織構成を表2中に記載する。
各供試鋼板から圧延方向を長手方向とするJIS13B号引張試験片を採取し、引張速度1mm/minにて破断するまで引張試験を行い、JIS Z2241:2011に従い0.01%耐力σ0.01、0.2%耐力σ0.2、引張強さTS、全伸びElを求めた。耐力はオフセット法により求めた。これらの結果を表2中に記載する。
〔ばね性評価〕
0.2%耐力σ0.2が高く、かつ、弾性限度が高い材料は、高い応力レベルで弾性変形を付与した場合でも永久変形が起こりにくいという、優れたばね性を有する材料であると評価することができる。弾性限度の指標としては0.01%耐力σ0.01が採用できる。発明者らの検討によれば、ばね性の評価指標として、0.2%耐力σ0.2に加え、0.01%耐力と0.2%耐力の比σ0.01/σ0.2を採用することが有効である。これらの特性を表2中に示す。
〔靭性評価〕
靭性は、材料に応力を付与した場合、破断に至るまでにどのくらいの仕事を受けることができるかという観点から、応力−歪曲線で囲まれた面積の大きさで表現されることがある。ここでは、その概算値となる引張強さTS(N/mm2)と全伸びEl(%)の積算値TS×Elにより靭性を評価した。この値を表2中に示す。
Figure 0006223124
Figure 0006223124
冷却マルテンサイト相に加え、加工誘起マルテンサイト相を生成させることによってマルテンサイト相の増量を図った本発明例のものは、0.2%耐力σ0.2、および0.01%耐力σ0.01と0.2%耐力σ0.2の比σ0.01/σ0.2が高く、優れたばね性を有する。また、TS×Elの値により評価される靭性も種々のばね用途に十分適用できる水準である。
これに対し、比較例No.21は鋼のMs点が低いので冷却マルテンサイト相の生成が見られず、加工誘起マルテンサイト相を生成させた後も残留オーステナイト相の量が過剰となった。そのため靭性は良好であるが0.2%耐力が低く、ばね用途には適さない。No.22は鋼のMs点が高いので冷却マルテンサイト相の生成量が多く、最終的に残留オーステナイト相を存在させることができなかった。そのため靭性に劣った。No.23は冷却マルテンサイト相を生成させた後の冷間圧延を省略したので加工誘起マルテンサイト相の生成がなく、ばね性に劣った。No.24は冷却マルテンサイト相を生成させた後に行う冷間圧延の圧延率が過大であったので最終的に残留オーステナイト相を存在させることができず、靭性に劣った。No.25は時効処理温度が高すぎたので炭化物・窒化物の析出に伴うマルテンサイト相の分解や逆変態オーステナイト相の生成が生じ、ばね性が低下した。

Claims (7)

  1. 質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜5.0%、Ni:1.0〜6.0%、Cr:10.0〜18.0%、Cu:0〜4.0%、Mo:0〜2.0%、N:0.01〜0.20%、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、C含有量とN含有量の合計が0.12質量%以上、下記(1)式で定義されるCr当量が13.0〜17.0、下記(2)式で定義されるNi当量が7.0〜13.0、下記(3)式のMsで定まるマルテンサイト変態開始温度Ms点が20〜120℃である化学組成を有し、オーステナイト相:1.0〜15.0体積%、残部がマルテンサイト組織である複相組織を有し、0.2%耐力が1500N/mm2以上、0.01%耐力σ0.01(N/mm2)と0.2%耐力σ0.2(N/mm2)の比σ0.01/σ0.2が0.70以上である高強度複相組織ステンレス鋼板。
    Cr当量=Cr+Mo+1.5Si …(1)
    Ni当量=Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.3Cu …(2)
    Ms={3000[0.068−(C+N)]+50[0.47−Si]+60[1.33−Mn]+110[8.9−(Ni+Cu)]+75[14.6−Cr]−32}×5/9 …(3)
    ここで、(1)〜(3)式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量の値が代入される。
  2. 前記複相組織は、加工誘起マルテンサイト相を生成させる過程を経て形成されたものである請求項1に記載の高強度複相組織ステンレス鋼板。
  3. 前記複相組織は、加工誘起マルテンサイト相を生成させた後、Ac1点未満の温度で加熱処理を受けたものである請求項1に記載の高強度複相組織ステンレス鋼板。
  4. 前記加工誘起マルテンサイト相の生成量は30.0体積%以上である請求項2または3に記載の高強度複相組織ステンレス鋼板。
  5. 質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.05〜5.0%、Ni:1.0〜6.0%、Cr:10.0〜18.0%、Cu:0〜4.0%、Mo:0〜2.0%、N:0.01〜0.20%、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、C含有量とN含有量の合計が0.12質量%以上、下記(1)式で定義されるCr当量が13.0〜17.0、下記(2)式で定義されるNi当量が7.0〜13.0、下記(3)式のMsで定まるマルテンサイト変態開始温度Ms点が20〜120℃である化学組成を有する鋼板を、オーステナイト安定温度域で溶体化処理したのちMs点より低温に冷却することにより、マルテンサイト相を生成させ、35体積%以上の残留オーステナイト相を残存させる工程、
    前記残留オーステナイト相を残存させた鋼板に冷間圧延を施すことにより、加工誘起マルテンサイト相を生成させ、オーステナイト相:1.0〜15.0体積%、残部がマルテンサイト組織である複相組織とする工程、
    前記加工誘起マルテンサイト相を生成させた鋼板を180〜550℃で時効処理することにより、0.2%耐力σ 0.2 が1500N/mm2以上、0.01%耐力σ0.01(N/mm2)と0.2%耐力σ0.2(N/mm2)の比σ0.01/σ0.2が0.70以上の特性を付与する工程、
    を有する高強度複相組織ステンレス鋼板の製造法。
    Cr当量=Cr+Mo+1.5Si …(1)
    Ni当量=Ni+30(C+N)+0.5Mn+0.3Cu …(2)
    Ms={3000[0.068−(C+N)]+50[0.47−Si]+60[1.33−Mn]+110[8.9−(Ni+Cu)]+75[14.6−Cr]−32}×5/9 …(3)
    ここで、(1)〜(3)式の元素記号の箇所には質量%で表される当該元素の含有量の値が代入される。
  6. 前記加工誘起マルテンサイト相の生成量を30.0体積%以上とする請求項5に記載の高強度複相組織ステンレス鋼板の製造法。
  7. 前記時効処理を、200〜550℃、均熱0〜60minの範囲で行う請求項5または6に記載の高強度複相組織ステンレス鋼板の製造法。
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