JP6222845B2 - 紙送りローラ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば画像形成装置において紙送りに用いる紙送りローラに関するものである。
例えば静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置およびこれらの複合機等の画像形成装置における紙送り機構には紙送りローラが組み込まれる。
紙送りローラとしては、紙やプラスチックフィルム等の用紙と接触しながら回転して摩擦によってこれらの用紙を搬送する例えば給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等が挙げられる。
かかる紙送りローラとして、従来は例えば天然ゴム(NR)、ウレタンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ポリノルボネンゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム等の各種ゴムからなるローラが一般的に用いられている。特に耐オゾン性や耐候性等に優れたEPDMが好ましい。
紙送りローラは、上記EPDM等のゴムを筒状に成形するとともに架橋させて形成される。中心の通孔には、紙送りのための駆動系に連結されるシャフトが挿通されて固定される。
EPDMの架橋には過酸化物架橋剤を用いる場合がある(特許文献1等参照)。
またEPDMと過酸化物架橋剤とを組み合わせたゴム組成物からなる紙送りローラにおいては、
・ フィラーを高充填して耐摩耗性を低下させることなしに、紙送りローラに適度な硬さを付与しながら永久伸びを小さくして、経時変化で通孔の内径が緩和して空転トルクが低下するのを防止するために、EPDMとしてエチレン含量の異なる2種以上を併用したり、
・ 紙送りを繰り返した際に紙粉の蓄積による摩擦係数μの低下を防止するために、ゴム分として、EPDMに加えてさらにイソプレンゴム(IR)やスチレンブタジエンゴム(SBR)を併用したりすることなどが検討されている(特許文献2等参照)。
特開平08−334939号公報 特開2011−116480号公報
特に搬送ローラ等としての紙送りローラは、対向ローラと呼ばれる樹脂製、もしくは金属製のローラや、同じ紙送りローラ等と常時接触した状態で使用される。
ところが画像形成装置を使用開始前に保管している間や、使用開始後であっても比較的長期に亘って画像形成装置を停止させている間、紙送りローラは上記他のローラと1箇所で接触した状態が続くことになる。
そのため紙送りローラの、他のローラと接触し続けていた位置が接触圧によって変形して凹み(ひずみ)として残り、かかる凹みの影響で、紙送りローラを回転させた際に音が出たり、用紙を正常に搬送できなくなったりするといった不具合を生じる場合がある。
例えば特許文献1においては、紙送りローラの評価項目として圧縮永久ひずみ特性が挙げられているが、発明者の検討によると、上述した変形による凹みが発生するか否かは一般的な圧縮永久ひずみ特性を調べただけでは判断することができない。
本発明は、特に搬送ローラ等として、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても変形による凹みを生じにくい紙送りローラを提供することにある。
本発明の紙送りローラは、ゴム組成物によって、シャフトが挿通される通孔を有する筒状に形成され、前記通孔にシャフトを挿通して固定するとともに、外周面の1箇所に60℃の高温環境下、外径φ6mmの別のシャフトを600gの荷重をかけて圧接させた状態で24時間静置し、ついで圧接状態を維持しながら室温で8時間静置したのち、前記シャフトを圧接させていた位置の肉厚T(mm)と、シャフトを圧接させていなかった位置の肉厚T(mm)とから式(1):
凹み量=T−T (1)
で求められる凹み量が0.1mm以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記の測定方法によって測定される凹み量を0.1mm以下に規定することにより、特に搬送ローラ等として、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても変形による凹みを生じにくい紙送りローラを提供できる。
本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。 紙送りローラの、変形による凹みを再現するための試験方法を説明する正面図である。 図2の試験後に、紙送りローラの凹み量を測定する方法を説明する正面図である。
本発明の紙送りローラは、ゴム組成物によって、シャフトが挿通される通孔を有する筒状に形成され、前記通孔にシャフトを挿通して固定するとともに、外周面の1箇所に60℃の高温環境下、外径φ6mmの別のシャフトを600gの荷重をかけて圧接させた状態で24時間静置し、ついで圧接状態を維持しながら室温で8時間静置したのち、前記シャフトを圧接させていた位置の肉厚T(mm)と、シャフトを圧接させていなかった位置の肉厚T(mm)とから式(1):
凹み量=T−T (1)
で求められる凹み量が0.1mm以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記の測定方法によって測定される凹み量を0.1mm以下に規定することにより、特に搬送ローラ等として、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても変形による凹みを生じにくい紙送りローラを提供できる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、上記凹み量は上記の範囲でも0.08mm以下、特に0.06mm以下であるのが好ましい。
また凹み量の下限は、いうまでもなく0mmである。すなわち凹みを全く生じないのが最も理想的である。
《ゴム組成物(その1)》
上記凹み量の範囲を満足する紙送りローラは、種々のゴム組成物によって形成できる。
かかるゴム組成物の一例としては、ゴム分としてエチレン含量の異なる2種以上のEPDMのみを併用したり、1種または2種以上のEPDMと他のゴムとを併用したりした併用系、すなわちEPDMを含む少なくとも2種のゴムの併用系に、架橋剤として過酸化物架橋剤を組み合わせたゴム組成物が挙げられる。
上記のゴム組成物においては、上記凹み量の範囲を満足し、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても変形による凹みを生じにくい紙送りローラを形成するために、ゴム分中のEPDMのエチレン含量A(質量%)と、過酸化物架橋剤の、ゴム分の総量に対する配合割合B(質量%)との比B/Aが0.046以上である必要がある。
また紙送りローラに良好な耐摩耗性を付与するために、EPDMの配合割合が、ゴム分の総量中の50質量%以上である必要がある。
〈ゴム分〉
ゴム分としては、上記のようにその総量中の50質量%以上の配合割合でEPDMを含む少なくとも2種のゴムの併用系を用いる。
かかる併用系の具体的としては、
(1) エチレン含量の異なる2種以上のEPDMのみの併用系、または
(2) EPDMと他のゴムとの併用系、
が挙げられる。
このうち(1)の併用系においては、ゴム分の全量(100質量%)がEPDMであるため紙送りローラの耐摩耗性を大幅に向上できるという利点がある。
またエチレン含量の異なる2種以上のEPDMを併用することにより、フィラーを高充填して耐摩耗性を低下させることなしに、紙送りローラに適度な硬さを付与しながら永久伸びを小さくして、経時変化で通孔の内径が緩和して空転トルクが低下するのを防止することもできる。
特にエチレン含量が55質量%以下の低エチレンEPDMの1種または2種以上と、エチレン含量が55質量%を超える高エチレンEPDMの1種または2種以上を併用するのが好ましい。
かかる併用系では、高エチレンEPDMの機能により、フィラーを高充填して耐摩耗性を低下させることなしに、紙送りローラに適度な硬さを付与することができる。
この効果をさらに向上することを考慮すると、高エチレンEPDMのエチレン含量は、上記の範囲でも62質量%以上、特に65質量%以上であるのが好ましい。
ただしエチレン含量が高すぎる場合には結晶化しすぎて混練しにくくなるため、高エチレンEPDMのエチレン含量は、上記の範囲でも80質量%以下であるのが好ましい。
また低エチレンEPDMの機能により、紙送りローラの永久伸びを小さくして、経時変化で通孔の内径が緩和して空転トルクが低下するのを防止することができる。
かかる効果をさらに向上することを考慮すると、低エチレンEPDMのエチレン含量は、上記の範囲でも52質量%以下であるのが好ましい。
ただしエチレン含量が低すぎる場合には紙送りローラの機械的特性が低下するおそれがあるため、低エチレンEPDMのエチレン含量は、上記の範囲でも40質量%以上であるのが好ましい。
高エチレンEPDMと低エチレンEPDMの配合割合は、EPDMの総量中の低エチレンEPDMの配合割合で表して30質量%以上であるのが好ましく、80質量%以下であるのが好ましい。
低エチレンEPDMの配合割合がこの範囲を下限または上限のいずれかで外れる場合には、特に搬送ローラ等として、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いた際に変形による凹みを生じやすくなり、前述した測定方法によって測定され、式(1)によって求められる凹み量が0.1mm以下の範囲を満足する本発明の紙送りローラを形成できないおそれがある。
また低エチレンEPDMの配合割合が上記の範囲未満では、当該低エチレンEPDMによる、紙送りローラの永久伸びを小さくして空転トルクの低下を抑制する効果が十分に得られないおそれもある。
一方、低エチレンEPDMの配合割合が上記の範囲を超える場合には、相対的に高エチレンEPDMが少なくなって、当該高エチレンEPDMによる、フィラーを高充填して耐摩耗性を低下させることなしに、紙送りローラに適度な硬さを付与する効果が十分に得られないおそれもある。
(2)の併用系においては、EPDMは1種単独で使用してもよいし、エチレン含量の異なる2種以上を併用してもよい。エチレン含量の異なる2種以上のEPDMとしては、(1)で説明した高エチレンEPDMと低エチレンEPDMが好ましい。両EPDMの配合割合も同様である。
EPDMと併用する他のゴムとしては、例えばIR、SBRおよび天然ゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
これら他のゴムを併用すると、紙送りを繰り返した際に紙粉の蓄積による摩擦係数μの低下を抑制できる。また特にIRを併用すると紙送りローラの耐摩耗性も向上でき、SBRを併用すると紙送りローラの硬さも向上できる。
EPDMの配合割合は、ゴム分の総量中の50質量%以上に限定される。EPDMの配合割合がこの範囲未満では、紙送りローラに良好な耐摩耗性を付与することができない。
これに対し、EPDMの配合割合を上記50質量%以上の範囲とすることにより、紙送りローラに良好な耐摩耗性を付与することができる。なお、かかる効果をさらに向上することを考慮すると、EPDMの配合割合は、ゴム分の総量中の60質量%以上であるのが好ましい。
ただし、他のゴムを併用することによる上述した効果を良好に維持することを考慮すると、EPDMの配合割合は、ゴム分の総量中の80質量%以下、特に70質量%以下であるのが好ましい。
(EPDM)
EPDMとしては、エチレン、プロピレンおよびジエンを共重合させた種々の共重合体がいずれも使用可能である。ジエンとしては、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)等が挙げられる。
EPDMのうち、エチレン含量が55質量%を超える高エチレンEPDMとしては、伸展油で伸展した油展EPDMおよび伸展油で伸展していない非油展EPDMのいずれを用いてもよいが、伸展油のブリードによる摩擦係数μの低下を防止することを考慮すると、高エチレンEPDMは非油展EPDMであるのが好ましい。
かかる非油展の高エチレンEPDMとしては、これに限定されないが例えば住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)502〔エチレン含量:56質量%、ジエン含量:4.0質量%〕、301〔エチレン含量:62質量%、ジエン含量:3.0質量%〕、512F〔エチレン含量:65質量%、ジエン含量:4.0質量%〕、586〔エチレン含量:66質量%、ジエン含量:12.5質量%〕、ダウ・ケミカル社製のNORDEL(ノーデル、登録商標)IP3720P〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:0.6質量%〕、IP3722P〔エチレン含量:71質量%、ジエン含量:0.5質量%〕、IP3745P〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:0.5質量%〕、IP3760P〔エチレン含量:67質量%、ジエン含量:2.2質量%〕、IP4725P〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4760P〔エチレン含量:67質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4770R〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4770P〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4785HM〔エチレン含量:68質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4820P〔エチレン含量:85質量%、ジエン含量:4.9質量%〕等の1種または2種以上が挙げられる。
ただし油展の高エチレンEPDMを使用してもよい。
かかる油展の高エチレンEPDMとしては、これに限定されないが例えば住友化学(
株)製のエスプレン601F〔エチレン含量:59質量%、ジエン含量:3.5質量%、油展量:70phr〕、603〔エチレン含量:64質量%、ジエン含量:4.5質量%、油展量:40phr〕、670F〔エチレン含量:66質量%、ジエン含量:4.0質量%、油展量:100phr〕、600F〔エチレン含量:66質量%、ジエン含量:4.0質量%、油展量:100phr〕、6101〔エチレン含量:70質量%、ジエン含量:6.5質量%、油展量:70phr〕等の1種または2種以上が挙げられる。
エチレン含量が55質量%以下の低エチレンEPDMとしては、やはり伸展油で伸展した油展EPDMおよび伸展油で伸展していない非油展EPDMのいずれを用いてもよいが、伸展油のブリードによる摩擦係数μの低下を防止することを考慮すると、低エチレンEPDMも非油展EPDMであるのが好ましい。
かかる非油展の低エチレンEPDMとしては、これに限定されないが例えば住友化学(株)製のエスプレン301A〔エチレン含量:50質量%、ジエン含量:5.0質量%〕、501A〔エチレン含量:52質量%、ジエン含量:4.0質量%〕、505A〔エチレン含量:50質量%、ジエン含量:9.5質量%〕、505〔エチレン含量:50質量%、ジエン含量:10.0質量%〕、532〔エチレン含量:51質量%、ジエン含量:3.5質量%〕、552〔エチレン含量:55質量%、ジエン含量:4.0質量%〕、5206F〔エチレン含量:54質量%、ジエン含量:8.5質量%〕、5527F〔エチレン含量:54質量%、ジエン含量:8.5質量%〕、ダウ・ケミカル社製のNORDEL IP3430〔エチレン含量:42質量%、ジエン含量:0.7質量%〕、IP3640〔エチレン含量:55質量%、ジエン含量:1.8質量%〕、IP4520〔エチレン含量:50質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4570〔エチレン含量:50質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP4640〔エチレン含量:55質量%、ジエン含量:4.9質量%〕、IP5565〔エチレン含量:50質量%、ジエン含量:7.5質量%〕等の1種または2種以上が挙げられる。
ただし油展の低エチレンEPDMを使用してもよい。
かかる油展の低エチレンEPDMとしては、これに限定されないが例えば住友化学(株)製のエスプレン7456〔エチレン含量:53質量%、ジエン含量:10.5質量%、油展量:20phr〕等が挙げられる。
(他のゴム)
他のゴムのうちIRとしては、ポリイソプレン構造を有する種々の重合体がいずれも使用可能である。
かかるIRとしては、これに限定されないが例えば日本ゼオン(株)製のニポール(登録商標)IR2200、IR2200R等の少なくとも1種が挙げられる。
SBRとしては、スチレンとブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等によって共重合させた種々の共重合体がいずれも使用可能である。
またSBRとしては、伸展油で伸展した油展SBRおよび伸展油で伸展していない非油展SBRのいずれを用いてもよいが、伸展油のブリードによる摩擦係数μの低下を防止することを考慮すると、SBRもやはり非油展SBRであるのが好ましい。
かかる非油展SBRとしては、これに限定されないが例えば日本ゼオン(株)製のニポール1500、1502、NS116R、NS210、NS310S、NS616、住友化学(株)製のエマルジョンSBR1502等の1種または2種以上が挙げられる。
〈過酸化物架橋剤〉
過酸化物架橋剤としては、これに限定されないが例えばベンゾイルパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,4−ビス[(tert−ブチル)パーオキシイソプロピル]ベンゼン、ジ(tert−ブチルパーオキシ)ベンゾエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド(DCP)、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジtert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3−ヘキセン等の1種または2種以上が挙げられる。
(配合割合)
ゴム分の総量に対する過酸化物架橋剤の配合割合B(質量%)は、先に説明したようにEPDMのエチレン含量A(質量%)との比B/Aが0.046以上となるように設定する。
比B/Aがこの範囲未満では、特に搬送ローラ等として、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いた際に変形による凹みを生じやすくなり、前述した測定方法によって測定され、式(1)によって求められる凹み量が0.1mm以下の範囲を満足する本発明の紙送りローラを形成できない。
これに対し、比B/Aが上記の範囲を満足するように過酸化物架橋剤の配合割合Bを設定することにより、特に搬送ローラ等として、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても変形による凹みを生じにくくして、上記凹み量が0.1mm以下の範囲を満足する本発明の紙送りローラを形成することができる。
この際、先に説明した(2)のEPDMと他のゴムとの併用系では、先述したようにEPDMの配合割合はゴム分の総量中の50質量%以上に限定されるものの、かかる範囲であればその配合割合に関係なく、EPDMそれ自体のエチレン含量A(質量%)と、過酸化物架橋剤の配合割合B(質量%)とが上記比B/Aの範囲を満足するように過酸化物架橋剤の配合割合Bを設定することで、凹み量が0.1mm以下の範囲を満足する本発明の紙送りローラを形成できる。
比B/Aの上限は特に限定されない。ただし過酸化物架橋剤が多すぎる場合には成形時にスコーチを生じるおそれがある。そのため、ゴム分の総量に対する過酸化物架橋剤の配合割合Bは、EPDMのエチレン含量Aに関係なく5質量%以下(ゴム分の総量100質量部に対して5質量部以下)であるのが好ましい。
EPDMのエチレン含量Aは、エチレン含量の異なる2種以上のEPDMを併用する場合、各EPDMのエチレン含量に、それぞれのEPDMの全EPDMの総量中に占める割合を乗じた数の総和でもって表すことができる。
例えばEPDMがエチレン含量50質量%の低エチレンEPDMと、エチレン含量70質量%の高エチレンEPDMとの質量比80:20の混合物である場合、当該EPDMの全体のエチレン含量Aは、
A=50×0.8+70×0.2=54質量%
となる。
またEPDMが油展EPDMである場合は、当該油展EPDM中の固形分(EPDM)の質量を基準として上記の計算をすることとする。
〈架橋助剤〉
ゴム組成物には、過酸化物架橋剤とともに架橋助剤を配合するのが好ましい。
これにより本発明の紙送りローラの硬さを向上して、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても変形による凹みを生じにくくする効果をより一層向上できる。また紙送りローラの永久伸びを小さくして空転トルクの低下を抑制する効果や、紙送りローラの耐摩耗性を向上する効果をも向上できる。
架橋助剤としては、過酸化物架橋剤によるゴム分の架橋を補助しうる種々の化合物がいずれも使用可能である。
架橋助剤としては、これに限定されないが例えばトリメチルプロパントリメタクリレート等のメタクリル酸の高級エステルやトリアリルイソシアヌレート(TAIC)などの共架橋剤が挙げられる他、硫黄、ジベンゾイルキノンジオキシム、1,2−ポリブタジエン等も使用可能である。
架橋助剤の配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して1質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
架橋助剤の配合割合がこの範囲未満では、当該架橋助剤を併用することによる上記の効果がいずれも十分に得られないおそれがある。
一方、架橋助剤の配合割合が上記の範囲を超える場合には、過剰の架橋助剤が紙送りローラの外周面にブルームして摩擦係数μが低下するおそれがある。
〈その他の成分〉
ゴム組成物には、さらにフィラーや、あるいはオイル、可塑剤等の各種添加剤を適宜選択して配合してもよい。
ただしオイルや可塑剤は紙送りローラの外周面にブリードして摩擦係数μを低下させるおそれがあるため、基本的に配合しない(除く)のが好ましく、配合する場合でもゴム分の総量100質量部に対して2質量部以下程度であるのが好ましい。
フィラーとしては、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、クレー、タルク、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン等の1種または2種以上が挙げられる。
フィラーを配合すると、本発明の紙送りローラの硬さを向上して、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても変形による凹みを生じにくくする効果をより一層向上できる。また紙送りローラの永久伸びを小さくして空転トルクの低下を抑制する効果や、紙送りローラの耐摩耗性を向上する効果をも向上できる。
フィラーの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して10質量部以上であるのが好ましく、75質量部以下であるのが好ましい。
フィラーの配合割合がこの範囲未満では、当該フィラーを配合することによる上記の効果が、いずれも十分に得られないおそれがある。
一方、フィラーの配合割合が上記の範囲を超える場合には、紙送りローラの硬さが上昇して摩擦係数が低下したり、当該紙送りローラのもとになるゴム組成物の粘度が上昇して成形が困難になったりするおそれがある。したがってこれらの特性を見極めながら、フィラーを適量配合するのが好ましい。
また2種以上のフィラーを併用する場合は、その合計の配合割合がこの範囲となるように、それぞれのフィラーの配合割合を設定すればよい。
また、ゴム組成物にオイルや可塑剤等を配合する場合、あるいはゴム分として油展EPDMや油展SBRを使用する場合には、紙送りローラの硬度等を確保するために、フィラーを上記の範囲を超えて配合してもよい。
《ゴム組成物(その2)》
先に説明した凹み量の範囲を満足する本発明の紙送りローラは、上記以外の他のゴム組成物によって形成することもできる。かかる他のゴム組成物としては、例えば先述した(1)または(2)のゴム分と、硫黄系架橋剤とを含むゴム組成物が挙げられる。
〈ゴム分〉
ゴム分としては、特に前述した高エチレンEPDMと低エチレンEPDMの2種のEPDMを併用するのが好ましい。
かかる併用系において高エチレンEPDMと低エチレンEPDMの配合割合は、EPDMの総量中の低エチレンEPDMの配合割合で表して15質量%以上であるのが好ましく、25質量%以下であるのが好ましい。
低エチレンEPDMの配合割合がこの範囲を下限または上限のいずれかで外れる場合には、特に搬送ローラ等として、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いた際に変形による凹みを生じやすくなり、前述した測定方法によって測定され、式(1)によって求められる凹み量が0.1mm以下の範囲を満足する本発明の紙送りローラを形成できないおそれがある。
また低エチレンEPDMの配合割合が上記の未満では、当該低エチレンEPDMによる、紙送りローラの永久伸びを小さくして空転トルクの低下を抑制する効果が十分に得られないおそれもある。
一方、低エチレンEPDMの配合割合が上記の範囲を超える場合には、相対的に高エチレンEPDMが少なくなって、当該高エチレンEPDMによる、フィラーを高充填して耐摩耗性を低下させることなしに、紙送りローラに適度な硬さを付与する効果が十分に得られないおそれもある。
〈硫黄系架橋剤〉
硫黄系架橋剤としては、例えば粉末硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。このうち有機含硫黄化合物等としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等が挙げられる。特に粉末硫黄等の硫黄が好ましい。
硫黄の配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して0.3質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、2質量部以下、特に1.5質量部以下であるのが好ましい。
硫黄の配合割合がこの範囲未満では、特に搬送ローラ等として、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いた際に変形による凹みを生じやすくなり、前述した測定方法によって測定され、式(1)によって求められる凹み量が0.1mm以下の範囲を満足する本発明の紙送りローラを形成できないおそれがある。
またゴム組成物の全体での架橋速度が遅くなり、架橋に要する時間が長くなって、紙送りローラの生産性が低下するおそれもある。
一方、硫黄の配合割合が上記の範囲を超える場合には、架橋が過剰に進行して紙送りローラが硬くなりすぎたり、過剰の硫黄が紙送りローラの外周面にブルームしたりしやすく、このいずれの場合にも摩擦係数μが低下して良好な紙送りができなくなるおそれがある。
〈促進剤、促進助剤〉
上記ゴム組成物には、硫黄系架橋剤による架橋を促進するための促進剤および促進助剤を配合するのが好ましい。
促進剤としては、例えば消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、あるいは下記の各種有機促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩(PPD)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ)、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛(PX)、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛(ZP)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(ZTC)、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(TP)、ジメチルジチオカルバミン酸銅(TTCU)、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄(TTFE)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル(TTTE)等のジチオカルバミン酸塩系促進剤。
N−シクロへキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DZ−G)、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(MSA)、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)等のスルフェンアミド系促進剤。
テトラメチルチウラムジスルフィド(TT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBT)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)、テトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等のチウラム系促進剤。
促進剤としては、これら種々の促進剤の中から、組み合わせる架橋剤の種類に応じて、最適な促進剤の1種または2種以上を選択して使用すればよい。
また促進剤は、種類によって架橋促進のメカニズムが異なるため、2種以上を併用するのが好ましい。併用する個々の促進剤の配合割合は任意に設定できるが、それぞれゴム分の総量100質量部に対して0.3質量部以上、特に0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下、特に2.5質量部以下であるのが好ましい。
促進助剤としては、例えば酸化亜鉛等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他従来公知の促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
促進助剤の配合割合は、ゴム分の種類および組み合わせや、架橋剤、促進剤の種類および組み合わせ等に応じて適宜設定できる。
〈その他〉
ゴム組成物には、さらに必要に応じて先述したフィラーや、あるいはオイル、可塑剤等の各種添加剤を適宜選択して配合してもよい。
ただしオイルや可塑剤は、前述した理由で基本的に配合しない(除く)のが好ましく、配合する場合でもゴム分の総量100質量部に対して2質量部以下程度であるのが好ましい。
フィラーとしては、先に説明した各種フィラーの1種または2種以上が挙げられる。
フィラーの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して180質量部以上であるのが好ましく、220質量部以下であるのが好ましい。
フィラーの配合割合がこの範囲未満では、当該フィラーを配合することによる先述した効果が、いずれも十分に得られないおそれがある。
一方、フィラーの配合割合が上記の範囲を超える場合には、紙送りローラの硬さが上昇して摩擦係数が低下したり、当該紙送りローラのもとになるゴム組成物の粘度が上昇して成形が困難になったりするおそれがある。したがってこれらの特性を見極めながら、フィラーを適量配合するのが好ましい。
また2種以上のフィラーを併用する場合は、その合計の配合割合がこの範囲となるように、それぞれのフィラーの配合割合を設定すればよい。
また、ゴム組成物にオイルや可塑剤等を配合する場合や、ゴム分として油展EPDM等を使用する場合には、紙送りローラの硬度等を確保するために、フィラーを上記の範囲を超えて配合してもよい。
《紙送りローラ》
図1は、本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例を示す斜視図である。
図1を参照して、この例の紙送りローラ1は、例えば上記いずれかのゴム組成物を筒状に成形するとともに架橋させて形成される。紙送りローラ1の中心には断面円形の通孔2が設けられており、かかる通孔2には図示しない駆動系に連結される等した円柱状のシャフト3が挿通され固定されている。紙送りローラ1の、用紙と接触する外周面4は通孔2およびシャフト3と同心の筒状に形成されている。
紙送りローラ1とシャフト3とは、例えば紙送りローラ1の通孔2にその内径よりも外径の大きいシャフト3を圧入することで、空転を生じないように互いに固定されている。
つまり両者間の径差に基づく締め代により、当該両者間で一定の空転トルク(空転が生じない限界のトルク)が確保されている。
シャフト3は、例えば金属、セラミック、硬質樹脂等によって形成されている。
紙送りローラ1は、必要に応じて複数個を1本のシャフト3の複数箇所に固定してもよい。
紙送りローラ1は、ゴム組成物を、例えば押出成形法等によって筒状に成形したのちプレス架橋法等によって架橋させる等して製造できる。
紙送りローラ1は、かかる製造工程の任意の時点で、必要に応じてその外周面4を所定の表面粗さになるように研磨したり、ローレット加工、シボ加工等したりしてもよい。
また外周面4が所定幅となるように紙送りローラ1の両端をカットしてもよい。
紙送りローラ1の外周面4は、任意のコート層で被覆してもよい。また紙送りローラ1は、外周面4側の外層と通孔2側の内層の2層構造に形成してもよい。その場合、少なくとも外層を上記いずれかのゴム組成物によって形成するのが好ましい。
ただし構造を簡略化し、生産性を向上するとともに製造コストを低下させることを考慮すると、紙送りローラ1は、図1に示すように単層構造であるのが好ましい。
また紙送りローラ1は多孔質構造としてもよい。しかし摩擦係数μの低下を生じにくい上、適度な硬さを有し、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても変形による凹みを生じにくくする効果や、永久伸びを小さくして空転トルクの低下を抑制する効果、さらには耐摩耗性を向上する効果にも優れた紙送りローラ1を形成することを考慮すると、当該紙送りローラ1は実質的に非多孔質構造であることが好ましい。
紙送りローラ1を対向ローラと接触させた状態で搬送ローラとして使用する場合、良好な紙送りをさせるために、当該紙送りローラ1はタイプAデュロメータ硬さが50以上、85以下であるのが好ましい。
通孔2は、紙送りローラ1の用途によっては当該紙送りローラ1の中心から偏心した位置に設けてもよい。また紙送りローラ1の外周面4は筒状ではなく異形形状、例えば外周面4の一部が平面状に切欠かれた形状等であってもよい。
かかる異形形状の紙送りローラ1を製造するには、先に説明した製造方法によって直接に異形形状の紙送りローラ1を成形したのち架橋させてもよいし、筒状に製造した紙送りローラ1を後加工によって異形形状としてもよい。
また筒状に製造した紙送りローラ1の通孔2に当該紙送りローラ1の異形形状に対応する変形形状とされたシャフト3を圧入して、紙送りローラ1を異形形状に変形させてもよい。この場合、外周面4の研磨やローレット加工、シボ加工などは変形前の筒状の外周面4に対して実施できるため加工性を向上できる。
《凹み試験》
図2は、紙送りローラの、変形による凹みを再現するための試験方法を説明する正面図である。また図3は、図2の試験後に、紙送りローラの凹み量を測定する方法を説明する正面図である。
図2を参照して、この例では1本のシャフト3の2箇所に固定した2個の紙送りローラ1について、変形による凹みを再現する場合を説明する。
まず対向ローラに見立てた金属製のシャフト5を用意する。
次いで温度60℃の高温環境下、シャフト3が回転しないように固定した状態で、シャフト5を、シャフト3との平行を維持しながら当該シャフト3に固定した紙送りローラ1に鉛直方向上方から接触させる。
次に上記高温環境下、シャフト5を、荷重Fをかけて紙送りローラ1に圧接させた状態で24時間静置し、次いで圧接を続けながら室温でさらに8時間静置したのち圧接を解除する。
次にレーザー外径測定装置を用いて紙送りローラ1の肉厚を求める。
すなわち図3を参照して、装置の、基準点からの距離を求めるモードで、基準点(直線6で示す)から、紙送りローラ1の外周面4までの距離L1(mm)と、シャフト3の外周面7までの距離L2(mm)とを測定し、式(a):
肉厚T=L2−L1 (a)
によって紙送りローラ1の肉厚(mm)を求める。
この操作を1つの紙送りローラ1上の、シャフト5を圧接させていた位置と圧接させていなかった位置で実施して、シャフト5を圧接させていなかった位置の肉厚T(mm)とシャフト5を圧接させていた位置の肉厚T(mm)を求め、式(b):
凹み量=T−T (b)
によって凹み量(mm)を求める。
かかる凹み量が小さいほど、紙送りローラ1は他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても、変形による凹みを生じにくいと判定することができる。
本発明では、先に説明したように凹み量が0.1mm以下に限定される。
《画像形成装置》
本発明の紙送りローラは、例えばレーザープリンタや静電式複写機、普通紙ファクシミリ装置、あるいはこれらの複合機等の、電子写真法を利用した種々の画像形成装置に組み込むことができる。
また紙送りローラとしては、用紙と接触しながら回転して摩擦によって当該用紙を搬送する、例えば給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等が挙げられる。
以下の実施例、比較例で使用した材料は下記のとおり。
〈ゴム分〉
(EPDM)
EPDM(I):非油展、住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)505A、エチレン含量:50質量%、ジエン含量:質量9.5%。
EPDM(II):非油展、住友化学(株)製のエスプレン502、エチレン含量:56質量%、ジエン含量:4.0質量%。
EPDM(III):油展、住友化学(株)製のエスプレン670F、エチレン含量:66質
量%、ジエン含量:4.0質量%、油展量:100phr。
EPDM(IV):非油展、ダウ・ケミカル社製のNORDEL(ノーデル、登録商標)IP4770P、エチレン含量:70質量%、ジエン含量:4.9質量%。
(IR)
日本ゼオン(株)製のニポール(登録商標)IR2200。
(SBR)
非油展、住友化学(株)製のエマルジョンSBR1502。
〈フィラー〉
(カーボンブラック)
カーボンブラック(I):HAF、フィラー、東海カーボン(株)製の商品名シースト3。
カーボンブラック(II):FEF、フィラー、東海カーボン(株)製の商品名シーストSO。
(炭酸カルシウム)
重質炭酸カルシウム:フィラー、白石工業(株)製のホワイトン(登録商標)BF−300。
合成炭酸カルシウム:フィラー、白石工業(株)製の白艶華(登録商標)CC、脂肪酸表面処理。
〈過酸化物架橋剤〉
過酸化物架橋剤DCP:ジクミルパーオキサイド(DCP)、日油(株)製のパークミル(登録商標)D。
〈共架橋剤〉
共架橋剤(I):トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、日本化成(株)製のタイク(登録商標)。
共架橋剤(II):トリメチルプロパントリメタクリレート、精工化学(株)製の商品名ハイクロスM。
〈プロセスオイル〉
プロセスオイル:パラフィン系プロセスオイル、出光興産(株)製のダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW380。
〈硫黄系架橋剤〉
分散性硫黄:鶴見化学工業(株)製のSulfax PS、硫黄分99.5%。
〈促進剤〉
促進剤BZ:ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)BZ。
促進剤CZ:N−シクロへキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ。
促進剤TET:テトラエチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラーTET。
〈促進助剤〉
酸化亜鉛:堺化学工業(株)製の酸化亜鉛2種。
ステアリン酸:日油(株)製の商品名つばき。
〈実施例1〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分として50質量部のEPDM(I)、30質量部のIRおよび20質量部のSBRを用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の50質量%であった。またEPDMのエチレン含量Aは50質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表1に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表1中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
EPDMのエチレン含量A(=50質量%)と、過酸化物架橋剤のゴム分の総量に対する配合割合B(=3質量%)との比B/Aは0.060であった。
(紙送りローラの製造)
調製したゴム組成物を筒状に押出成形したのち160℃×30分間の条件でプレス架橋させて筒状体(コット)を形成した。次いでこの筒状体の通孔2に外径φ6mmのシャフト3を圧入して固定した状態で、円筒研削盤を用いて外周面4を外径13mmに研磨したのち、当該外周面4の幅(軸方向の長さ)が8mmとなるようにカットして紙送りローラ1を製造した。なお通孔2の内径は5.4mmであり、シャフト3との径差に基づく締め代は10%であった。
〈実施例2〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分として40質量部のEPDM(I)、30質量部のEPDM(IV)および30質量部のIRを用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の70質量%であった。またEPDMのエチレン含量Aは58.57質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表2に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表2中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
EPDMのエチレン含量A(=58.57質量%)と、過酸化物架橋剤のゴム分の総量に対する配合割合B(=2.7質量%)との比B/Aは0.046であった。
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状でかつ同寸法の紙送りローラ1をシャフト3に固定した状態で製造した。
〈実施例3〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分として80質量部のEPDM(I)および20質量部のEPDM(II)を用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の100質量%であった。またEPDMのエチレン含量Aは51.2質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表3に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表3中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
EPDMのエチレン含量A(=51.2質量%)と、過酸化物架橋剤のゴム分の総量に対する配合割合B(=2.4質量%)との比B/Aは0.047であった。
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状でかつ同寸法の紙送りローラ1をシャフト3に固定した状態で製造した。
〈実施例4〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分として60質量部のEPDM(I)および80質量部(固形分としてのEPDM量:40質量部)のEPDM(III)を用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の100質量%であった。またEPDMのエチレン含量Aは56.4質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表4に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表4中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
EPDMのエチレン含量A(=56.4質量%)と、過酸化物架橋剤のゴム分の総量に対する配合割合B(=3質量%)との比B/Aは0.053であった。
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状でかつ同寸法の紙送りローラ1をシャフト3に固定した状態で製造した。
〈実施例5〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分として80質量部のEPDM(I)および20質量部のEPDM(IV)を用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の100質量%であった。またEPDMのエチレン含量Aは54質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表5に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表5中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
EPDMのエチレン含量A(=54質量%)と、過酸化物架橋剤のゴム分の総量に対する配合割合B(=3.5質量%)との比B/Aは0.065であった。
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状でかつ同寸法の紙送りローラ1をシャフト3に固定した状態で製造した。
〈実施例6〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分として30質量部のEPDM(I)、10質量部のEPDM(II)および60質量部のEPDM(IV)を用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の100質量%であった。またEPDMのエチレン含量Aは62.6質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表6に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表6中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
EPDMのエチレン含量A(=62.6質量%)と、過酸化物架橋剤のゴム分の総量に対する配合割合B(=4質量%)との比B/Aは0.064であった。
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状でかつ同寸法の紙送りローラ1を、シャフト3に固定した状態で製造した。
〈比較例1〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分として30質量部のEPDM(I)、40質量部のIRおよび30質量部のSBRを用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の30質量%であった。またEPDMのエチレン含量Aは50質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表7に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表7中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
EPDMのエチレン含量A(=50質量%)と、過酸化物架橋剤のゴム分の総量に対する配合割合B(=2.5質量%)との比B/Aは0.050であった。
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状でかつ同寸法の紙送りローラ1をシャフト3に固定した状態で製造した。
〈比較例2〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分として50質量部のEPDM(IV)、30質量部のIRおよび20質量部のSBRを用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の50質量%であった。またEPDMのエチレン含量Aは70質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表8に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表8中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
EPDMのエチレン含量A(=70質量%)と、過酸化物架橋剤のゴム分の総量に対する配合割合B(=3質量%)との比B/Aは0.043であった。
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状でかつ同寸法の紙送りローラ1をシャフト3に固定した状態で製造した。
〈比較例3〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分として20質量部のEPDM(I)および80質量部のEPDM(IV)を用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の100質量%であった。またEPDMのエチレン含量Aは66質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表9に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表9中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
EPDMのエチレン含量A(=66質量%)と、過酸化物架橋剤のゴム分の総量に対する配合割合B(=2.8質量%)との比B/Aは0.042であった。
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状でかつ同寸法の紙送りローラ1をシャフト3に固定した状態で製造した。
〈比較例4〉
(ゴム組成物の調製)
ゴム分として80質量部のEPDM(I)および20質量部のEPDM(IV)を用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の100質量%であった。またEPDMのエチレン含量Aは54質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表10に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表10中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
EPDMのエチレン含量A(=66質量%)と、過酸化物架橋剤のゴム分の総量に対する配合割合B(=2.8質量%)との比B/Aは0.042であった。
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状でかつ同寸法の紙送りローラ1をシャフト3に固定した状態で製造した。
〈硬さ〉
各実施例、比較例で製造した紙送りローラ1のタイプAデュロメータ硬さを、温度23℃、相対湿度55%の環境下、日本工業規格JIS K6253−3:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」に規定された測定方法に則って測定した。
紙送りローラのうち搬送ローラは、先に説明したようにタイプAデュロメータ硬さが50以上、85以下が好適とされている。そこで今回の実施例、比較例では、測定した硬さがこの範囲のものを良好(○)、それ以外のものを不良(×)と評価した。
〈摩擦係数μ〉
各実施例、比較例で製造した紙送りローラを、温度23℃、相対湿度55%の環境下、テフロン(登録商標)板の上に載置した幅60mm×長さ210mmの紙〔ゼロックス社製のXerox Business4200〕の上に200gfの鉛直荷重をかけながら圧接させた状態で、紙送りローラを回転速度120rpmで回転させた際に、紙に加わる搬送力Fを、ロードセルを用いて測定して、式(4):
μ=F/200 (4)
により摩擦係数μを求めた。
紙送りローラのうち搬送ローラは、摩擦係数μが0.7以上が好適とされている。そこで今回の実施例、比較例では、測定した摩擦係数μが0.7以上のものを良好(○)、0.7未満のものを不良(×)と評価した。
〈摩耗率〉
各実施例、比較例で製造した紙送りローラ1を、温度23℃、相対湿度55%の環境下、上記回転式摩擦係数機にセットし、荷重:500g、回転速度:200rpm、摩擦対象:ゼロックス(登録商標)P紙の条件で10分間連続回転させた。そして連続回転前の初期質量(g)からの摩耗減量(g)を求め、式(c):
摩耗率(%)=(摩耗減量)/(初期質量)×100 (c)
によって摩耗率(%)を求めた。そして摩耗率が0.2%以下のものを良好(○)、0.2%を超えるものを不良(×)と評価した。
〈凹み量〉
先に説明した凹み試験を実施して、紙送りローラ1の凹み量(mm)を求めた。対向ローラのモデルとしてのシャフト5の外径はφ6mmとした。また荷重Fは、紙送りローラ1個あたり600gとした。
凹み量が0.1mm以下のものを良好(○)、0.1mmを超えるものを不良(×)と評価した。
以上の結果を表11、表12に示す。
Figure 0006222845
Figure 0006222845
表12の比較例1の結果より、EPDMの配合割合が、ゴム分の総量の50質量%未満では、紙送りローラに良好な耐摩耗性を付与できないことが判った。また比較例2〜3の結果より、EPDMのエチレン含量Aと、過酸化物架橋剤の、ゴム分の総量に対する配合割合Bとの比B/Aが0.046未満では、凹み量が0.1mmを超えてしまい、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いた際に、変形による凹みを生じやすいことが判った。
これに対し表11の実施例1〜6の結果より、EPDMの配合割合をゴム分の総量の50質量%以上とし、なおかつ上記比B/Aを0.046以上とすることにより、紙送りローラに良好な耐摩耗性を付与しながら、その凹み量を0.1mm以下として、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても、変形による凹みを生じにくくできることが判った。
また実施例1、2と実施例3〜6の結果より、過酸化物架橋剤の配合割合にもよるが、ゴム分としてエチレン含量の異なる2種以上のEPDMのみを用いることにより、紙送りローラの耐摩耗性をさらに向上できることもわかった。
〈実施例7〉
ゴム分として20質量部のEPDM(I)および160質量部(固形分としてのEPDM量:80質量部)のEPDM(III)を用いた。
EPDMの配合割合はゴム分の総量中の100質量%であった。また低エチレンEPDMとしてのEPDM(I)の配合割合は、EPDMの総量中の20質量%であった。
これらのゴム分にさらに下記表13に示す各成分を配合し、3Lニーダーおよびオープンロールを用いて混練してゴム組成物を調製した。
Figure 0006222845
表13中の質量部は、ゴム分の総量100質量部に対する質量部である。
分散性硫黄の配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して1質量部であった。またフィラーの配合割合は、ゴム分の総量100質量部に対して195質量部であった。
(紙送りローラの製造)
上記ゴム組成物を用いたこと以外は実施例1と同様にして、同形状でかつ同寸法の紙送りローラ1をシャフト3に固定した状態で製造した。
上記実施例7で製造した紙送りローラについて先の各試験を実施してその特性を評価した。結果を、実施例1の結果と併せて表14に示す。
Figure 0006222845
表14の実施例1、7の結果より、ゴム分としてのEPDMを硫黄等の硫黄系架橋剤で架橋させる系では、当該硫黄系架橋剤の配合割合を、EPDMの総量100質量部に対して0.3質量部以上、2質量部以下とすることにより、実施例1と同様に、紙送りローラに良好な耐摩耗性を付与しながら、その凹み量を0.1mm以下として、他のローラと1箇所で接触した状態が比較的長期に亘って続いても、変形による凹みを生じにくくできることが判った。
1 紙送りローラ
2 通孔
3 シャフト
4 外周面
5 シャフト
6 直線
7 外周面
F 荷重
L1 距離
L2 距離

Claims (10)

  1. ゴム組成物によって、シャフトが挿通される通孔を有する筒状に形成され、前記通孔にシャフトを挿通して固定するとともに、外周面の1箇所に60℃の高温環境下、外径φ6mmの別のシャフトを600gの荷重をかけて圧接させた状態で24時間静置し、ついで圧接状態を維持しながら室温で8時間静置したのち、前記シャフトを圧接させていた位置の肉厚T(mm)と、シャフトを圧接させていなかった位置の肉厚T(mm)とから式(1):
    凹み量=T−T (1)
    で求められる凹み量が0.1mm以下である紙送りローラ。
  2. 前記ゴム組成物は、ゴム分および当該ゴム分を架橋させるための過酸化物架橋剤を含み、かつ前記ゴム分は、当該ゴム分の総量中の50質量%以上の配合割合でエチレンプロピレンジエンゴムを含む少なくとも2種のゴムからなるとともに、前記エチレンプロピレンジエンゴムのエチレン含量A(質量%)と、前記過酸化物架橋剤の、ゴム分の総量に対する配合割合B(質量%)との比B/Aは0.046以上である請求項1に記載の紙送りローラ。
  3. 前記過酸化物架橋剤の、ゴム分の総量に対する配合割合Bは5質量%以下である請求項2に記載の紙送りローラ。
  4. 前記ゴム分は、エチレン含量の異なる2種以上のエチレンプロピレンジエンゴムのみからなる請求項2または3に記載の紙送りローラ。
  5. 前記ゴム組成物は、ゴム分および当該ゴム分を架橋させるための架橋剤としての硫黄を含み、かつ前記ゴム分は、当該ゴム分の総量中の50質量%以上の配合割合でエチレンプロピレンジエンゴムを含む少なくとも2種のゴムからなるとともに、前記硫黄の配合割合は、前記ゴム分の総量100質量部に対して0.3質量部以上、2質量部以下である請求項1に記載の紙送りローラ。
  6. 前記ゴム分は、エチレン含量が55質量%未満のエチレンプロピレンジエンゴムと、エチレン含量が55質量%を超えるエチレンプロピレンジエンゴムの2種のみからなり、当該2種のエチレンプロピレンジエンゴムの総量中に占める、前記エチレン含量が55質量%未満のエチレンプロピレンジエンゴムの配合割合が15質量%以上、25質量%以下である請求項5に記載の紙送りローラ。
  7. 前記ゴム組成物は、さらにゴム分の総量100質量部に対して180質量部以上、220質量部以下のフィラーを含んでいる請求項5または6に記載の紙送りローラ。
  8. タイプAデュロメータ硬さが50以上、85以下である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の紙送りローラ。
  9. 搬送ローラである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の紙送りローラ。
  10. 対向ローラと接触させた状態で使用される請求項1ないし9のいずれか1項に記載の紙送りローラ。
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