JP6219588B2 - 血液酸素運搬能向上剤 - Google Patents

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Description

本発明は、血液酸素運搬能向上剤に関する。
スポーツ競技において、酸素運搬能は競技成績の向上につながる重要なファクターである。アスリートは酸素運搬能を向上させるために、例えば高地トレーニングの実施等を行うことがある。しかし、高地トレーニングには、高地に長期間滞在しなければならない不便さがあり、滞在費等の費用もかかる。さらに、高山病の症状(例えば疲労、食欲減退、消化吸収障害等)が生じる可能性もあるなど、様々な問題点がある。
他に、ホルモン投与等により酸素運搬能を向上させる方法が知られている。しかし、この方法は、いわゆるドーピング違反とみなされる。このため、アスリートが酸素運搬能を向上させるのに用いることができる、従来の方法とは異なる、経済的で安全な方法が求められている。
特許文献1には、赤血球中のヘモグロビンの酸素親和性を下げる化合物を用いた酸素運搬能改善剤が開示されている。しかし、この薬剤は、一時的にヘモグロビンからの酸素の解離を促進して組織への酸素供給量を増加させるものであり、赤血球数や体内鉄貯蔵量を増加させることにより、持続的に体内酸素保持量を増加させるものではない。
特許文献2には、ニコチアナミンを有効成分とする貧血改善のための鉄吸収促進組成物が開示されている。しかしこの組成物による貧血改善効果は、鉄吸収促進作用に基づくため、鉄欠乏性貧血に対してしか貧血改善効果が期待できない。
特許文献3には、ハナビラタケの子実体及び/又は菌糸体を有効成分として含有することを特徴とする造血刺激作用を有する組成物が開示されている。しかし天然物を有効成分として用いるため、コスト高になる。
特許文献4には、メチオニンを始めとするアミノ酸を含む赤血球造血機能の低下を抑制する組成物が開示されている。しかしアミノ酸を投与するだけでは、ヘモグロビン量の低下は防ぐことができても、増加させることは難しい。さらにアミノ酸は風味が良くないため、経口摂取に適していない。また、コスト高になる。
特許文献5には、n−3系高度不飽和脂肪酸を有効成分として含有する運動時危険因子除去能を有する組成物が開示され、赤血球膜強化効果が得られることが示されている。しかし、n−3系高度不飽和脂肪酸には赤血球やヘモグロビンを増加させる効果はない。
特開平07−145049号公報 特開2007−153807号公報 特開2008−069080号公報 国際公開第2009/066562号 特開平11−239464号公報
本発明は、血液酸素運搬能向上剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、所定のミネラル及びビタミン成分の組み合わせが、血液酸素運搬能を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸、鉄、亜鉛、及び銅を含む、血液酸素運搬能向上剤。
[2] ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸、鉄、亜鉛、及び銅を、日用量あたりそれぞれ0.5〜100mg、0.6〜3000μg、50〜2000mg、60〜1000μg、2.25〜45mg、2.1〜30mg、及び0.18〜9mg含む、上記[1]の血液酸素運搬能向上剤。
[3] 血液酸素運搬能向上が、体内鉄貯蔵量の増加を伴う、上記[1]又は[2]の血液酸素運搬能向上剤。
[4] ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸、ナイアシン及びセレンからなる群から選択される少なくとも1つをさらに含む、上記[1]〜[3]のいずれかの血液酸素運搬能向上剤。
[5] タンパク質、炭水化物、及び灰分を含む、上記[1]〜[4]の血液酸素運搬能向上剤。
[6] 1食あたりの単位包装形態からなる、上記[1]〜[5]の血液酸素運搬能向上剤。
[7] アスリート用の、上記[1]〜[6]の血液酸素運搬能向上剤。
[8] 経口用である、上記[1]〜[7]の血液酸素運搬能向上剤。
本発明によれば、例えばアスリート等において、血液酸素運搬能を向上させることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ビタミン及びミネラルを含む血液酸素運搬能向上剤に関する。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、典型的には、血液酸素運搬能を向上させる組成物からなる。具体的には、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸、鉄、亜鉛、及び銅を含む。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量あたり、ビタミンB6を0.5〜100mg、ビタミンB12を0.6〜3000μg、ビタミンCを50〜2000mg、葉酸を60〜1000μg、鉄を2.25〜45mg、亜鉛を2.1〜30mg、及び銅を0.18〜9mg含む。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量あたり、ビタミンB6を好ましくは1〜50mg、より好ましくは2〜30mg、さらに好ましくは3〜12mg含んでもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量あたり、ビタミンB12を好ましくは1〜1000μg、より好ましくは5〜100μg、さらに好ましくは5〜30μg含んでもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量あたり、ビタミンCを好ましくは75〜1000mg、より好ましくは100〜800mg、さらに好ましくは200〜500mg含んでもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量あたり、葉酸を好ましくは90〜800μg、より好ましくは120〜600μg、さらに好ましくは150〜400μg含んでもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量あたり、鉄を好ましくは3〜35mg、より好ましくは4.5〜25mg、さらに好ましくは5〜20mg含んでもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量あたり、亜鉛を好ましくは3〜25mg、より好ましくは4〜20mg、さらに好ましくは5〜15mg含んでもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量あたり、銅を好ましくは0.2〜5mg、より好ましくは0.3〜3mg、さらに好ましくは0.3〜1mg含んでもよい。例えば、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量あたり、ビタミンB6を4〜8mg、ビタミンB12を10〜20μg、ビタミンCを300〜350mg、葉酸を180〜300μg、鉄を6〜10mg、亜鉛を7〜10mg、及び銅を0.3〜0.6mg含んでもよい。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤に関して、「日用量あたりビタミンB6をXg含む」とは、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤に含まれるビタミンB6量が、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤の1日あたりの投与又は摂取量(日用量)に換算したときにXgとなる量であることを意味する。具体的には、例えば、日用量が200gである本発明に係る特定の血液酸素運搬能向上剤の場合には、その血液酸素運搬能向上剤200g中にXgのビタミンB6が含まれ、100g中にはXgの1/2量のビタミンB6が含まれる。本発明において個々の血液酸素運搬能向上剤の「日用量」は、健康上悪影響を生じない範囲で当業者が適宜定めることができる。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤の、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸、鉄、亜鉛、及び銅並びにその他の成分の含有量に関する記載も、上記と同様に解される。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、他のビタミン、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸、ナイアシン、ビオチンなど、及び/又は他のミネラル、例えば、カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム、ヨウ素、マンガン、セレン、クロム、モリブデンなどをさらに含んでもよい。例えば、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、パントテン酸、ナイアシン、ナトリウム及びセレンからなる群から選択される少なくとも1つ、例えばその全て、をさらに含んでもよい。例えば、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量あたり、ビタミンAを150〜1800μgRE、好ましくは300〜900μgRE含んでもよく、ビタミンDを1.3〜15μg、好ましくは2.5〜7.5μg含んでもよく、ビタミンEを7.5〜90mg、好ましくは15〜45mg含んでもよく、ビタミンKを0.5〜6.0μg、好ましくは1.0〜3.0μg含んでもよく、ビタミンB1を0.8〜9.0mg、好ましくは1.5〜4.5mg含んでもよく、ビタミンB2を1.0〜12.0mg、好ましくは2.0〜6.0mg含んでもよく、パントテン酸を3〜36mg、好ましくは6〜18mg含んでもよく、ナイアシンを8〜96mgNE、好ましくは16〜48mgNE含んでもよく、ビオチンを0.5〜6.8μg、好ましくは0.9〜3.4μg含んでもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤はまた、例えば、日用量あたり、カルシウムを5〜50mg、好ましくは9〜27mg含んでもよく、リンを15〜150mg、好ましくは30〜90mg含んでもよく、マグネシウムを2.4〜25mg、好ましくは4.2〜12.6mg含んでもよく、カリウムを45〜500mg、好ましくは90〜270mg含んでもよく、ヨウ素を0.2〜4μg、好ましくは0.5〜2μg含んでもよく、マンガンを0.01〜0.20mg、好ましくは0.03〜0.10mg含んでもよく、セレンを6〜72μg、好ましくは12〜36μg含んでもよく、クロムを5〜50μg、好ましくは9〜27μg含んでもよく、モリブデンを0.2〜4.0μg、好ましくは0.5〜2.0μg含んでもよい。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、野菜汁、果汁、ペプチド、植物抽出液、動物抽出液、食用酵母、食物繊維、脂質、タンパク質、炭水化物(糖質)等の他の生物由来物質をさらに含んでもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、血液酸素運搬能向上作用を有する他の成分をさらに含んでもよい。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、好ましい実施形態において、一般組成として、日用量あたり、タンパク質を0.18〜10.0g、好ましくは0.35〜5.0g含んでもよく、炭水化物(糖質)を2.5〜30g、好ましくは5〜15g含んでもよく、及び灰分を0.15〜1.8g、好ましくは0.3〜0.9g含んでもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、好ましい実施形態において、一般組成として、日用量あたり、水分を30〜400g、好ましくは60〜180g含んでもよい。タンパク質及び炭水化物は、動物、植物、又は微生物由来であってよい。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤はまた、医薬品又は食品用添加剤、例えば、安定化剤、緩衝剤、界面活性剤、pH調整剤、甘味料、香料、保存剤、着色剤、賦形剤、担体、溶媒、コーティング剤などをさらに含んでもよい。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、固体状、ゲル状、又は液体状であってよく、液体状がより好ましい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、タブレット、顆粒、粉末、カプセル、水溶液、懸濁液、乳液、シロップ、ゼリー、ジェル等の任意の形態であってもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、使用前に液体溶媒に溶解させることを意図した乾燥物の形態であってもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、血液酸素運搬能の向上を意図する限り、医薬品として製造されるものであっても、食品(好ましくは、サプリメントや特定保健用食品等の機能性食品)として製造されるものであってもよい。
また、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、摂取時の衛生面や、輸送時、保管時の取り扱いやすさの観点から、1食あたりの単位量で包装されることも好ましい。したがって本発明は、1食あたりの単位包装形態からなる血液酸素運搬能向上剤も提供する。「1食あたりの単位包装形態からなる血液酸素運搬能向上剤」とは、1食あたりの単位量で包装された状態にある、血液酸素運搬能向上剤を意味する。その具体例としては、例えば、パック、カップ又はボトル等の容器に充填された液剤やゼリー剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。1食あたりの単位量は、例えば、50g〜500g(もしくは50mL〜500mL)、好ましくは75g〜300g(もしくは75mL〜300mL)、さらに好ましくは100g〜200g(もしくは100mL〜200mL)でありうる。ここで、「1食あたりの単位量」は、1回に摂取することが想定される予め規定した量(1回摂取量)を意味する。「1回に摂取することが想定される予め規定した量」は、比較的短時間のうちにその全量の摂取を完了することが想定される量であればよく、例えば経口摂取の場合、一口で又は連続して摂取可能な量等に限定されない。「1食あたりの単位量」は、例えば本発明に係る血液酸素運搬能向上剤の日用量であってもよいし、その日用量を小分けにした量(例えば日用量の1/2〜1/10量)であってもよい。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、液体状の場合50〜800mOsm/Lの浸透圧を有するものでありうる。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、消化管経由で体内に取り込まれるものである限り、経口用であっても非経口用(例えば、胃内、腸内投与などの消化管経由の投与)であってもよいが、特に経口用に調製されたものが好ましい。本発明では、経口的であるか非経口的であるかにかかわらず、消化管(胃又は腸)経由で体内に取り込むことを指して「摂取」とも称する。本明細書では、「摂取」と「投与」を互換的に使用することがある。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、各成分を1つに混合することによって調製してもよいし、当業者に周知の他の様々な製剤技術や食品加工技術を用いて調製してもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤の調製においては、上記各成分、又は医薬添加物若しくは食品添加物として許容されるその塩を原材料として用いてもよい。
以上のような本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、それを摂取した対象において、摂取前と比較して、血液酸素運搬能の向上をもたらす。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤の血液酸素運搬能向上効果は、一定期間(例えば2ヶ月間)にわたり本発明に係る血液酸素運搬能向上剤を継続的に摂取した後の対象について、摂取期間前と比較して、血液酸素運搬能指標が改善したことによって確認することができる。ここで用いる血液酸素運搬能指標としては、例えば、赤血球数、ヘモグロビン(血色素)量、及びMCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)が挙げられる。MCHCは、赤血球1個に含まれるヘモグロビンの濃度を示し、ヘモグロビン(g/dl)÷ヘマトクリット(%)×100で算出する。本発明では、赤血球数、ヘモグロビン量、及びMCHCが、摂取期間前と比較して増加(例えば3%以上、好ましくは5%以上増加)している場合、血液酸素運搬能が向上したと判断することができる。すなわち本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、摂取期間前と比較して、赤血球数、ヘモグロビン量、及びMCHCを増加させることができる。
さらに、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤による血液酸素運搬能の向上は、体内鉄貯蔵量の増加を伴うことが好ましい。体内鉄貯蔵量の増加は、体内鉄貯蔵量指標、例えば血清フェリチン濃度及び血清鉄濃度の増加によって確認することができる。血清フェリチン濃度は肝臓等に蓄えられる貯蔵鉄の量を反映する。血清フェリチン濃度と血清鉄濃度の両方が、摂取期間前と比較して増加(例えば20%以上、好ましくは30%以上増加)した場合、体内鉄貯蔵量の増加が示される。血清鉄濃度が増加しても、血清フェリチン濃度が増加するまでの間は、体内鉄貯蔵量の増加には至っていないといえる。血液酸素運搬能を担うヘモグロビンの合成には鉄が不可欠であり、その鉄は貯蔵鉄から補給される。したがって体内鉄貯蔵量の増加により、持続した血液酸素運搬能向上効果をもたらすことができる。
血液酸素運搬能指標の測定は常法により行えばよく、例えば、へモグロビン量の測定はSLS−Hb法、赤血球数の測定はシースフロー電気抵抗方式、MCHCを算出するためのヘマトクリット値の測定はシースフロー電気抵抗方式、血清フェリチン濃度の測定は酵素免疫測定法、血清鉄濃度の測定はニトロソ−PSAP法によって行うことができる。これらの測定は、通常は、市販の測定機器又は測定キットを用いて行えばよい。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、摂取(投与)対象の血液酸素運搬能を向上させるために用いることができる。したがって本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、血液酸素運搬能を向上させることが望まれる対象用であることも好ましい。そのような対象は、限定するものではないが、好ましくはヒト、家畜、愛玩動物、実験(試験)動物等を含む哺乳動物であり、特にヒトが好ましい。投与対象は、貧血(例えば、ヘモグロビン量がヒト男性で13g/dL未満、ヒト女性で12g/dL未満の状態をいう)であってもなくてもよい。投与対象が貧血である場合、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤により、低下した血液酸素運搬能が向上し、貧血が改善される。投与対象が貧血ではない場合には、貧血を予防することに加えて、血液酸素運搬能をより向上させることができる。さらに本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、血液酸素運搬能の向上に加えて、体内鉄貯蔵量も増加させることができ、投与対象に対して持続した血液酸素運搬能向上効果をもたらすことができる。そして本発明に係る血液酸素運搬能向上剤を投与することにより、血液酸素運搬能が向上することで、無酸素性作業閾値(AT)が上昇し、その結果、より高い強度の有酸素運動が可能になり、持久力が向上する。すなわち本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、運動能力向上に有効であり得る。したがって、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤の対象としては、日常的に運動又は肉体労働(特に有酸素運動や持久力を必要とする、運動又は労働)を行っている対象が特に好ましい。具体的には、プロ及びアマチュアのスポーツ競技者、例えば、スポーツ選手、学生スポーツ選手、スポーツインストラクター、体育教師、スポーツ愛好家、及びウォーキングやマラソンなどの健康維持やダイエットのための運動(特に有酸素運動)を継続的に行っている人、さらに、肉体労働に従事している人、競技や肉体労働に従事している動物(競走馬、耕牛、猟犬など)等が挙げられる。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤の摂取対象としては、それらの中でも、特に、アスリートが好ましい。本発明において「アスリート」とは、プロ又はアマチュアのスポーツ競技者であって、自らの競技成績又は運動能力の向上を目標として競技(好ましくは有酸素運動や持久力を必要とする競技)を行っている人をいう。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤をアスリートに摂取させることにより、血液酸素運搬能が向上し、持久力を向上させることができ、アスリートの競技成績の向上につながる可能性がある。
したがって本発明は、血液酸素運搬能の向上を目的とする対象のための血液酸素運搬能向上剤、特に、アスリート用の血液酸素運搬能向上剤を提供する。
本発明はまた、対象に本発明に係る血液酸素運搬能向上剤を投与(摂取)することを含む、血液酸素運搬能の向上方法も提供する。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤を投与することにより、血液酸素運搬能を向上させることができ、持久力を向上させることができる。本発明の方法はまた、血液酸素運搬能の向上とともに、体内鉄貯蔵量も増加させることができる。したがって本発明は、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤を投与(摂取)することを含む、血液酸素運搬能の向上に基づく、持久力の向上方法も提供する。本発明において、投与対象は上記と同様であり、貧血であってもなくてもよいが、特に、日常的に運動又は肉体労働(特に有酸素運動や持久力を必要とする、運動又は労働)を行っている対象、さらにアスリートが好ましい。貧血である対象に本発明に係る血液酸素運搬能向上剤を投与することにより、貧血を改善することができる。本発明は、このような貧血改善方法も提供する。一方、貧血ではない対象に本発明に係る血液酸素運搬能向上剤を投与することにより、貧血を予防し、かつ、血液酸素運搬能をより向上させることができる。本発明は、このような貧血予防方法、及び血液酸素運搬能の向上方法も提供する。本発明に係る方法では、投与対象に対して本発明に係る血液酸素運搬能向上剤を、一定期間、すなわち3日以上、好ましくは1週間以上、より好ましくは2週間以上、さらに好ましくは1ヶ月以上、例えば6ヶ月又は1年以上にわたって継続的に投与することが好ましい。本発明に係る方法では、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤の投与を投与期間中、毎日行うことが好ましいが、期間中継続的に投与する限り、毎日投与しなくてもよい。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、日用量を1日に1回投与してもよいし、1日に日用量を数回に分割して投与してもよい。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤について、酸素運搬能向上効果及び鉄補給効果を調べた。表1に示す組成のビタミン・ミネラル配合液状試験組成物(125mL/本)を本発明に係る血液酸素運搬能向上剤として用いた。
表1に示す試験組成物は、原料水にビタミン類、甘味料、果汁、ミネラル類を溶解させ十分に混合し、pH調整剤を添加してpHを調整した後、均質機を用いて均質化し、殺菌後、冷却することで調製した。
Figure 0006219588
なお液状試験組成物の浸透圧は515mOsm/L、粘度(20℃)は5mPa・sであった。
被験者となる男子大学生のアスリート(長距離陸上選手)26名に対し、液状試験組成物を、1日1本、2ヶ月間の摂取期間にわたって摂取させた。摂取期間前と摂取期間完了後に、血液指標の測定を実施した。
血液指標としては、血液酸素運搬能の指標となるヘモグロビン(血色素)量、赤血球数、及びMCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)、並びに体内鉄貯蔵量の指標となる血清フェリチン濃度、血清鉄濃度を測定した。ヘモグロビン量の測定はSLS−Hb法、赤血球数の測定はシースフロー電気抵抗方式、MCHCを算出するためのヘマトクリット値の測定はシースフロー電気抵抗方式、血清フェリチン濃度の測定は酵素免疫測定法、血清鉄濃度の測定はニトロソ−PSAP法によって行った。表2に、摂取期間前後での血液酸素運搬能指標の変化を被験者26名の平均値で示した。
Figure 0006219588
ヘモグロビン量、赤血球数、及びMCHCはいずれも、摂取期間前と比べて摂取期間完了後で増加した。このことから、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤の摂取により、血液酸素運搬能が向上することが示された。
また表3に摂取期間前後での体内鉄貯蔵量指標の変化を被験者26名の平均値で示した。
Figure 0006219588
血清フェリチン濃度及び血清鉄濃度はいずれも摂取期間前と比べて摂取期間後で増加した。このことから、本発明に係る血液酸素運搬能向上剤の摂取により、体内鉄貯蔵量が増加することが示された。
なお、試験飲料の摂取期間前に貧血(ヘモグロビン量13g/dL未満)を呈していた被験者2名のヘモグロビン量の変化を、表4に被験者毎に示した。
Figure 0006219588
これら2名はいずれも、摂取期間後にはヘモグロビン量が正常域に上昇し、貧血が改善したことが示された。なお、これら2名を含めた26名の中で、摂取期間後に貧血を呈したものはいなかった。
本発明に係る血液酸素運搬能向上剤は、血液酸素運搬能を向上させるために利用できる。血液酸素運搬能が向上することにより、無酸素性作業閾値(AT)が上昇し、より高い強度の有酸素運動が可能になる。本発明に係る血液酸素運搬能向上剤を用いれば、血液酸素運搬能を向上させることにより、持久力向上が期待できる。また本発明の血液酸素運搬能向上剤をアスリートに適用することにより、血液酸素運搬能を向上させ、その結果、経済的(安価な原料を使用)かつ安全に(副作用のリスクが低い)アスリートの競技成績を向上させることが期待できる。さらに、血液酸素運搬能向上に加えて、貧血症状を予防及び/又は改善する効果も期待される。

Claims (8)

  1. 日用量あたりの量で、ビタミンB6を4〜8mg、ビタミンB12を10〜20μg、ビタミンCを300〜350mg、葉酸を180〜300μg、鉄を6〜10mg、亜鉛を7〜10mg、銅を0.3〜0.6mg、ビタミンAを300〜900μgRE、ビタミンDを2.5〜7.5μg、ビタミンEを15〜45mg、ビタミンKを1.0〜3.0μg、ビタミンB1を1.5〜4.5mg、ビタミンB2を2.0〜6.0mg、ナイアシンを16〜48mgNE、ビオチンを0.9〜3.4μg、パントテン酸を6〜18mg、カリウムを90〜270mg、カルシウムを9〜27mg、マグネシウムを4.2〜12.6mg、リンを30〜90mg、マンガンを0.03〜0.10mg、クロムを9〜27μg、モリブデンを0.5〜2.0μg、セレンを12〜36μg、ヨウ素を0.5〜2μg、タンパク質を0.35〜5.0g、炭水化物を5〜15g、灰分を0.3〜0.9g含む、血液酸素運搬能向上剤。
  2. 日用量あたり水分を60〜180g含む、請求項1に記載の血液酸素運搬能向上剤。
  3. 赤血球数、ヘモグロビン量、及びMCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)の増加によって示される血液酸素運搬能向上のための、請求項1又は2に記載の血液酸素運搬能向上剤。
  4. 内鉄貯蔵量の増加を伴う血液酸素運搬能向上のための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の血液酸素運搬能向上剤。
  5. 1食あたりの単位包装形態からなる、請求項1〜のいずれか1項に記載の血液酸素運搬能向上剤。
  6. アスリート用の、請求項1〜のいずれか1項に記載の血液酸素運搬能向上剤。
  7. 貧血ではない対象用の、請求項1〜のいずれか1項に記載の血液酸素運搬能向上剤。
  8. 経口用である、請求項1〜のいずれか1項に記載の血液酸素運搬能向上剤。
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