JP6219239B2 - 水処理プラント - Google Patents

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Description

本発明は,主として下水処理場の処理水の水質を制御する水処理制御システムを備えた水処理プラントに関する。
環境問題やコスト削減への対応が必須となった昨今,下水処理場においても,公共水域へ放流する処理水の水質向上、さらなる省エネ化、ICTを活用した維持管理性の向上が求められている。
下水処理場では,活性汚泥と呼ばれる微生物縣濁液により,下水中の有機物や窒素などを除去する。ブロワにより活性汚泥に空気を吹き込む反応槽を好気槽と呼ぶが,好気槽では有機物は微生物による同化・異化反応により摂取・消費され,除去される。流入下水中の窒素の多くはアンモニア性窒素の形で含まれるが,これは酸素の存在下で硝化菌により硝酸性窒素に酸化される。この硝酸性窒素の一部は返送汚泥中に残留し,上流側に返送される。その際,窒素ガスへと還元する脱窒反応が生じて,窒素成分が除去される。一方,硝化不足により放流水中にアンモニア性窒素が残留すると,放流水域の水生生物への影響や溶存酸素(DO)の消費が懸念されることから,放流先の環境維持には硝化反応の適切な管理が要求される。そのためには電力を多く消費するブロワによる風量供給を適正に制御する必要がある。風量供給量が十分でない場合は,硝化不足による環境への悪影響を引きおこす。あるいは,風量供給量が過剰な場合,硝化完了後も風量が無駄に供給されるため消費電力が増大する。
下水処理の制御には,好気槽の下流側の末端に設置したDO計のDOを制御指標として用いるDO制御がある。好気槽の下流側の末端DOを一定に保つようにブロワ風量を制御することで,微生物の活性を維持し,有機物除去や硝化反応を制御する(例えば,[非特許文献1])。
近年,活性汚泥中のアンモニア性窒素濃度を計測するアンモニア計の精度の向上や,個別の生物反応槽に適した小容量のブロワの制御性が向上したことから,生物反応槽へのブロワ風量の制御に,アンモニア計を用いた制御方式が検討されている([非特許文献2]、[非特許文献3])。
[特許文献1]の方法では,生物反応槽へ流入する下水の流量,各好気槽への風量,およびそれぞれの好気槽に設置したアンモニア計の測定値から,あらかじめ設定した各好気槽間の硝化量に必要な各好気槽への風量を演算し,過不足ない風量で硝化を進行させる。
特開2012−170883号公報
「下水道施設計画・設計指針と解説」2009年版,発行所日本下水道協会 遠藤和広: アンモニア計とDO計を用いた送風量制御システムの開発, 第47回下水道研究発表会講演集, pp.918-920 (2010) 奥大典: 効率的散気風量制御による電力量の削減−第2報 実設備における効果検証, 第50回下水道研究発表会講演集, pp.799-802 (2013)
[非特許文献1]の方法において,DOは微生物の反応活性に関係するパラメータであるが,硝化反応で考慮すべきアンモニア性窒素そのものではない。そのため,流入流量や流入水質の変動により,風量不足による処理水質の悪化あるいは過剰風量となる課題があった。
次にアンモニア計を用いた制御の場合の課題について述べる。なお、一般に、イオン電極式のアンモニア計はアンモニア濃度が低下すると消耗品である電極の寿命が短くなるため、好気槽の最後段ではなく、少し上流側の中段に設置される。
[非特許文献2]の方法は、好気槽の中段に設置したアンモニア計に基づいて好気槽の後段のDO値の目標値を設定するカスケード型のフィードバック(FB)制御である。処理途中あるいは処理された水質に基づいた制御のため、流入水質が変動した場合、その影響がセンサ位置に到達するまで変動は考慮されず、風量不足による処理水質の悪化あるいは過剰風量となる課題があった。詳細について述べると、例えば、日間変動が大きい場合や急な降雨で一時的にアンモニアが希釈された下水が流入した場合である。中段のアンモニア計で計測した濃度が大きいと、全体風量は増加する。その際、希釈されている上流側では過剰処理となり、下流側に到達する前に処理水の目標値に達することがある。その結果、その後流下した下流側では最小風量下でも過剰処理となり、過剰曝気となる可能性が考えられる。一度中段のアンモニア計位置での目標値から大きく外れると、その後も風量が振動し、処理が安定しない可能性もある。もう一つの課題は維持管理性に関する課題である。制御に用いる中段地点のアンモニア濃度とDOの目標値の関係式は、オペレータ側で処理特性に合わせて試行錯誤的に、且つ、活性汚泥性状の季節変動に合わせて継続的に調整する必要があり、維持管理は必ずしも容易ではない。
[非特許文献3]の方法は、流入側と好気槽中段にアンモニア計を設置し、好気槽中段のアンモニア計によるFB制御に、流入側のアンモニア計によるフィードフォワード(FF)制御を加えることで、水質負荷変動への追従を高めている。しかし、流入側のアンモニア計で計測したアンモニア濃度は現時刻のみの値である、既に好気槽へ流入した流体における流入時のアンモニア濃度(過去の流入アンモニア濃度)とは異なる。好気槽全体の風量を演算するために用いる値としては十分ではなく、必ずしも水質負荷変動への追従性を確保できず、風量不足による処理水質の悪化あるいは過剰風量となる課題があった。
[非特許文献1],[非特許文献2],そして、[非特許文献3]の方法は、制御のためのパラメータが手動で与えられるものである。活性汚泥の特性は時間とともに変化していくため、パラメータは試行錯誤的に調整する必要があり、維持管理の労力が増大する課題があった。
[特許文献1]の方法は,好気各槽にアンモニア計を設置することで、各反応槽間で処理されたアンモニア濃度と風量の関係を計測し、その処理性能に基づいて必要風量を演算する。上流側のアンモニア濃度の計測値から必要風量を演算するFF制御の連結であり、制御の安定性を確保するためには、[特許文献1]のように全ての反応槽にアンモニア計を設置する必要がある。通常の処理場での設置が推奨される好気槽末端のDO計に加えて,全ての反応槽に高価なアンモニア計を設置することは,コスト的に不利であり、その維持管理が増大するといった課題があった。
上記課題を解決するため、本発明は、流入する被処理水を酸化処理する好気槽と、前記好気槽に空気を送るブロワと、好気槽内を上流側から下流側へと流れる流下流量を推定する流下流量推定部と、前記被処理水の水質を推定する被処理水水質推定部と、前記好気槽内に設置された好気槽水質推定部と、前記ブロワの風量を計測するブロワ風量計測部と、前記ブロワの風量を演算するブロワ風量演算部と、を備えた水処理プラントにおいて、前記被処理水水質推定部及び前記好気槽水質推定部で推定する水質が前記ブロワから酸素を吹き込むことで変動する水質であり、前記好気槽水質推定部より上流側の好気槽が上流側好気槽、前記好気槽水質推定部より下流側の好気槽が下流側好気槽であって、前記ブロワ風量演算部は、前記被処理水水質推定部から前記好気槽水質推定部までの好気槽へ一定の制御周期毎に流入する前記被処理水を仮想流体塊i(i=1〜N)とし、仮想流体塊iを目標水質に制御すための必要風量である必要累積風量を、前記必要累積風量と目標処理水質である目標処理アンモニア濃度の減少量との関係を規定する処理特性関数に基づき求めると共に、時刻tにおける仮想流体塊iへの累積風量を、少なくとも前記上流側好気槽への曝気風量及び風量配分密度に基づき求め、求めた前記必要累積風量と前記累積風量との差分を各仮想流体塊iの残りの滞留時間で除することで仮想流体塊iに必要な風量を求め、仮想流体塊iのN個の総和を前記上流側好気槽に必要な上流側風量とし、前記好気槽推定部により推定された水質及び目標水質である目標処理アンモニア濃度に基づき、前記下流側好気槽に必要な下流側風量を求め、求めた前記上流側風量と前記下流側風量を合算して求めた全風量をブロワの風量とすることを特徴とすることを特徴とするものである。
更に、本発明は水処理プラントにおいて、前記被処理水水質推定部及び前記好気槽水質推定部で推定する水質がアンモニア性窒素濃度であることを特徴とするものである。
更に、本発明は水処理プラントにおいて、前記推定する前記好気槽水質推定部に加えて、溶存酸素濃度を推定する第二好気槽水質推定部を備えたことを特徴とするものである。
更に、本発明は水処理プラントにおいて、前記ブロワ風量演算部は、前記被処理水水質推定部と前記好気槽水質推定部で推定した水質の値と、前記上流側風量と前記下流側風量を合算して求めた全風量とに基づき、前記処理特性関数を更新することを特徴とするものである。
更に、本発明は水処理プラントにおいて、前記処理特性関数を時系列で表示する処理特性表示部を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば,維持管理性を向上し、下水処理の水質を適切に制御しつつ消費エネルギーを抑制できる。
実施例1の水処理プラントの構成図 流下流量と好気槽アンモニア濃度の目標値の関係 仮想流体塊による上流側風量演算 処理特性関数 処理特性関数の更新の様子 抽出した処理特性の時間変化
本発明の各実施例を図面により説明する。
図1は本発明の実施例1の構成図である。
本実施例は循環式硝化脱窒法の下水処理プラントに下水処理制御システムを適用した例である。上流側から最初沈殿池1、無酸素槽2、好気槽3、最終沈殿池4が連通し、好気槽3はブロワ5と連通する。最初沈殿池1では、流入する下水100を重力沈降により上澄液である初沈越流水101と沈降物である初沈汚泥に分離する。最終沈殿池4では、流入する活性汚泥102を上澄液である処理水103と沈降物である返送汚泥104に分離する。返送汚泥104は初沈越流水101と混合し、活性汚泥102として無酸素槽2に流入する。好気槽3の末端からは活性汚泥102の一部が無酸素槽2へと循環液105として循環する。ブロワ5からは好気槽3に空気106が送られる。
無酸素槽は流下流量推定部である流下流量計10と流入水質推定部である流入アンモニア計11が設置され、好気槽3へ流入する流入水の流量とアンモニア濃度を計測する。ここでのアンモニア濃度は溶存酸素と同様にブロワから酸素を吹き込むことで変動する水質である。好気槽3には好気槽水質推定部である好気槽アンモニア計12が設置され、好気槽3のアンモニア濃度を計測する。ブロワ5と好気槽3を連通する配管にはブロワ風量計測部である風量計13が設置され、好気槽3へ送られる空気の風量を計測する。
流下流量計10、流入アンモニア計11、好気槽アンモニア計12、風量計13での計測値は、ブロワ風量演算部20に送信される。ブロワ風量演算部20の演算結果はブロワ風量制御部21に送信され、ブロワ5の風量はブロワ風量演算部20で演算した風量に制御される。
実施例1での風量演算方法について説明する。実施例1では、好気槽3のうち、好気槽アンモニア計12よりも上流側の好気槽を上流側好気槽、下流側の好気槽を下流側好気槽とする。
実施例1では、流入アンモニア濃度等の計測値および水質-必要風量関係である処理特性関数を用いてフィードフォワード演算で上流側好気槽に必要な上流側風量を演算し、好気槽アンモニア計等の計測値に基づいたフィードバック演算で下流側好気槽に必要な下流側風量を演算する。以下では下流側風量演算、上流側風量演算の順に説明する。
上流側、下流側の好気槽に対して個別の風量を適用できない場合、時刻tの全風量Q(t)[m/h]に対してDup[−]を好気槽全体に対する上流側好気槽への風量の配分比として、上流側好気槽への風量QBup(t)、下流側好気槽への風量QBdwn(t)は式(1)で表される。
下流側風量演算は、好気槽アンモニア濃度の目標値NHmd_tgt(t)[mg−N/L]と好気槽アンモニア濃度の計測値NHmd(t)[mg−N/L]に対してPI制御によるフィードバック演算を実施する。NHmd_tgt(t)は、例えば図2のように流下流量Q[m/h]に対するグラフより算出する。ここでNHout_tgt[mg−N/L]は処理水アンモニア濃度の目標値で、管理者の所望の水質で、本実施例では1.0mg−N/Lとした。流下流量Qが大きくなると滞留時間は短くなるため、同じ風量で処理できるアンモニア量は少なくなる。したがって、流下流量Qが大きい場合は好気槽アンモニア濃度の目標値NHmd_tgtを低減させることで、処理水アンモニア濃度の目標値NHout_tgtを達成できるようにする。
図2より好気槽アンモニア濃度の目標値NHmd_tgt(t)は変動する流下流量Qによる関数として変動幅を持った値として計算される。この目標値に基づいて演算される時刻t+Δtの下流側風量QBdwn(t+Δt) [m3/h]を式(2)に示す。Δt [h]は制御周期である。
Cpar(Z)は離散時間の並列PIコントローラの伝達関数で、比例項のパラメータをP、積分項のパラメータをI、サンプリング時間をTs [min](=60Δt)として式(3)で表される。
ここでの流下流量は生物反応槽を流下する流量である。本実施例では循環式硝化脱窒法を対象としているため、流下流量は流入流量、循環流量、返送流量の合計値となる。
上流側風量演算では、一定の制御周期Δt毎に計算系(ここでは上流側のアンモニア計11から中間点のアンモニア計12までの生物反応槽)に1次元的に流入する仮想流体塊を考え、これをラグランジュ的に追跡する。概念図を図3に示す。灰色で示した仮想流体塊は時刻tで計算系に流入し、時刻tで計算系後端に到達している。流下流量Qin(t)によって仮想流体塊の大きさは異なる。時刻tに上流側からi番目の仮想流体塊iの位置をXvc,i(t)[m]とすると、Xvc,1(t)およびXvc,i(t+Δt)は式(4)(5)で表される。
ここでS[m]は生物反応槽流下方向の断面積である。それぞれの仮想流体塊は流入時に計測・演算される固有の値を保持しつつ流下していく。流入時のアンモニア濃度の計測値をNHin(t)[mg−N/L]とすると、仮想流体塊iに対応する流入アンモニア濃度NHin,i(t)[mg−N/L]は、式(6)で表される。
仮想流体塊iを目標水質に制御するための必要風量である必要累積風量VB_tgt,i[m]は図4の処理特性関数と式(7)から算出される。
処理特性関数は上流側好気槽末端に到達した仮想流体塊の情報から構築する。ΔNHtgt(t)[mg−N/L]は目標処理アンモニア濃度減少量であり、上流側のアンモニア計11の計測値(NH in (t))と中間点のアンモニア計12の位置でのアンモニア濃度の目標値(NH md_tgt (t))との差分である。
仮想流体塊iが計算系へ流入した時刻をt0,i、上流側好気槽(中間点のアンモニア計12までの好気槽)への曝気風量をQBup(t)[m/h]、位置X(t)での風量配分密度をD(X(t))[−]とすると、時刻tにおける仮想流体塊iへの累積風量VB,i(t)[m]は式(8)で表される。
ここで風量配分密度D(X(t))は上流側各好気槽へ曝気風量の配分率を表す関数で、上流側好気槽全体での配分比の平均を1とする。Vrt,i(t)[−]は上流側好気槽の全体積Vall[m]に対する仮想流体塊iの体積比で、式(9)で表される。
仮想流体塊iは図4で求める必要累積風量VB_tgt,iを持つため、累積風量VB,i(t)との差分を残りの滞留時間で除した値が流体塊iに必要な風量となる。したがって、計算系がN個の仮想流体塊で満たされているとすると、時刻t+Δtの上流側風量の演算値QBup(t+Δt)[m/h]は式(10)となる。
all[m]は上流側好気槽の全長である。中括弧内が流体塊iに必要な曝気風量であるが、実施設の運用にしたがって上限値、下限値を設けることで、分母が小さくなることによる過大値や負値を避けることができる。
ここでi=1は現時刻tの流入アンモニア濃度に基づき求めた値であり、i≧2は過去の流入アンモニア濃度に基づき求めた値である。すなわち時刻t+Δtの上流側風量の演算値QBup(t+Δt)は、前流入水水質推定部で推定した水質である流入アンモニア濃度の現時刻の値に基づき演算した必要風量と過去の値に基づき演算した必要風量を用いて演算したブロワ風量となる。
演算で求めた時刻t+Δtの上流側風量と下流側風量を合算して求めた全風量QB(t+Δt)を用いることで、水質の目標値への安定した追随で省エネを図れる風量を求めることができる。本実施例では、上流側風量と下流側風量をそのまま合算したが、例えば下流側のフィードバック要素を重視するなど、要求に応じてその重み付けを変化させても良い。また、複数のブロワや、上流側/下流側好気槽へ連通する弁の制御で、上流側/下流側好気槽へ個別に送る風量を制御しても良い。その場合、式(1)による全風量を上流側/下流側風量に分配する必要はなく、上流側風量と下流側風量を本実施例の方法により、それぞれ演算すればよい。
本実施例で、処理特性関数として見える化された処理特性は、活性汚泥性状の季節変動にともない変動するが、維持管理性の向上にはこの処理特性関数の更新方法が重要となる。本実施例の実運用により、上流側好気槽の末端に到達した仮想流体塊には、実測値に基づいた流入アンモニア濃度、好気槽アンモニア濃度、累積風量が蓄積する。この情報に基づいて処理特性関数の現在値を統計的に更新できる。さらにその時間変化により、異常時に対する気づきが早まる。上述の制御方式では、実績値に基づいた制御パラメータの自動更新により制御精度を担保すると同時に維持管理性を向上することが可能となる。
図5に更新の様子を示す。更新前の関数を用いて制御を実施していく毎に、流入アンモニア濃度、好気槽アンモニア濃度、累積風量から実績値の情報が蓄積していく。任意のタイミング(一定間隔でも良いし、オペレータの判断でも良い)で、実績値群に対して例えば回帰分析による近似曲線を引くことで実績値に基づいた処理特性関数に更新できる。ここでの近似曲線は、実測値を確からしく近似する曲線であればy=ax+bやy=ax−1+bなどのxの正負の累乗で表される単項式でも良いし、これらを組み合わせた多項式でもよい。また、指数や対数、三角関数などの数学関数との組み合わせでも良い。また必ずしも関数ではなく不連続で段階的な対応表でも良い。その場合は、あらかじめ用意したデータベースあるいはオペレータの判断に基づいた対応関係で処理特性関数を更新すれば良い。
処理特性の時間変化については、例えば図6の処理特性関数から求めた指標の時間変化を操作画面に表示すればよい。図6は指標として、アンモニア濃度を25kg処理する際に必要となる風量を選び、時間変化をプロットした。一般的に低温期に硝化反応速度は小さくなるが、ここでは温度の影響は取り除いてある。これより、A処理場では10月に急激に風量が増加していることから、硝化菌量が減るなど何らかの異変があったことが推定される。処理特性を可視化して連続してモニタリングすることにより、この異変を即座に察知でき、図のように、短期間の上昇とすることができる。またB処理場は通年を通じてA処理場より必要風量が大きい。A処理場はB処理場より効率よく運転されていることを表しており、A処理場の運用を参考に運用改善を検討するべきであることが示唆される。
以上より、本実施例の下水処理プラントによる制御システムを適用することで、処理水質の安定と省エネおよび維持管理性の向上を図ることが出来る。
本実施例では、好気槽に設置した流下流量計10を用いたが、制御対象となる領域の生物反応槽を流下する流速が分かれば良いので、流下流量計の代替として、例えば、流入下水流量計と返送汚泥流量計と循環流量計で計測した流量の合計値としても良い。
本実施例では、適用例として循環式硝化脱窒法を取り上げたが、標準法やAO法、A2O法、準高度処理法やこれらにステップフィードを適用した方式など、好気槽で硝化を実施する方式であれば全ての方式に適用できる。その場合、例えば標準法やAO法では、流下流量は流入下水流量と返送汚泥流量の合計となるため、流下流量計10の代替として、流入下水流量計と返送汚泥流量計の合計値としても良い。
本実施例では上流側好気槽でのフィードフォワード制御に対して、流入アンモニア計11によるアンモニア濃度を用いたが、下水100や初沈越流水101部分に設置したアンモニア計やあるいはUV計など相関関係などからアンモニア濃度を推定する他の代替手段でも良い。あるいは、流量変動、日間変動、季節変動からのアンモニア濃度の推定値でも良い。これらの場合、好気槽に流入するアンモニア濃度を求める場合、下水100や初沈越流水101のアンモニア濃度に対して、下水流量、返送汚泥流量、循環流量および、好気槽アンモニア計12によるアンモニア濃度から推定される返送汚泥、循環液に含まれるアンモニア濃度を用いて、流入アンモニア濃度を推定すれば良い。
本実施例では下流側風量の演算としてPI制御を用いたが、PID制御や他のフィードバック制御手法でも良い。
本実施例では、好気槽アンモニア計によるフィードバック制御を実施したが、実運用では施設の経験的な運転方針から、好気槽の下流側のDOに下限値を設け、好気槽下流側に設置したDO計によるDO値が下限値を下回る場合、下限値を目標とするDO制御としてもよい。
本実施例では、好気槽水質推定部としてアンモニア計を用いたが、DO計でも良い。その場合、式(2)は目標DO値に基づくPI制御等のフィードバック制御としても良い。ここでの目標DO値は一定の設定値でも良く、あるいは時間や季節や流量などに応じて変動させても良い。時間の場合は、負荷の大きい昼間はDO設定値を大きく、小さい夜間はDO設定値を小さくすることが考えられる。季節の場合は、水温が低く反応速度が小さい冬季はDO設定値を大きく、大きい夏季はDO設定値を小さくすることが考えられる。流量の場合は、流量が大きく滞留時間が短い期間はDO設定値を大きく、滞留時間が長い期間はDO設定値を小さくすることが考えられる。
本実施例では、好気槽水質推定部としてアンモニア計を用いたが、その下流側に第二好気槽水質測定部としてDO計を設置しても良い。その場合、式(2)は目標DO値に基づくPI制御等のフィードバック制御としても良い。ここでの目標DO値は好気槽アンモニア濃度の計測値NHmd(t)と対応させるカスケード制御としても良い。例えば、好気槽アンモニア濃度の計測値NHmd(t)が大きい場合は、処理水アンモニア濃度の目標値NHout_tgtまでの差分が大きいため、DO設定値を大きく、好気槽アンモニア濃度の計測値NHmd(t)が小さい場合は、DO設定値を小さくすることが考えられる。
本実施例では、最初沈殿池1を設置したが、最初沈殿池1を除いた構成でも良い。また、最終沈殿池4の代替として、活性汚泥と処理水の分離に膜を用いる膜分離活性汚泥法でも良い。その場合、例えば好気槽3に膜を浸漬させても良い。
本実施例では、被処理水として下水、流入水水質で推定する水質としてアンモニア性窒素を例としてあげたが、これらに限定されるものではなく、ブロワ風量を制御する制御システムを備えた水処理プラントに関わる発明として、流入水質推定部で推定する水質はブロワから酸素を吹き込むことで酸化などにより変動する水質であれば良い。
1.最初沈殿池
2.無酸素槽
3.好気槽
4.最終沈殿池
5.ブロワ
100.下水
101.初沈越流水
102.活性汚泥
103.処理水
104.返送汚泥
105.循環液
106.空気
10.流入流量計
11.流入アンモニア計
12.好気槽アンモニア計
13.風量計
20.ブロワ風量演算部
21.ブロワ風量制御部

Claims (6)

  1. 流入する被処理水を酸化処理する好気槽と、
    前記好気槽に空気を送るブロワと、
    前記好気槽内を上流側から下流側へと流れる流下流量を推定する流下流量推定部と、
    前記被処理水の水質を推定する被処理水水質推定部と、
    前記好気槽内に設置された好気槽水質推定部と、
    前記ブロワの風量を計測するブロワ風量計測部と、
    前記ブロワの風量を演算するブロワ風量演算部と、を備えた水処理プラントにおいて、
    前記被処理水水質推定部及び前記好気槽水質推定部で推定する水質が前記ブロワから酸素を吹き込むことで変動する水質であり、前記好気槽水質推定部より上流側の好気槽が上流側好気槽、前記好気槽水質推定部より下流側の好気槽が下流側好気槽であって、
    前記ブロワ風量演算部は、
    前記被処理水水質推定部から前記好気槽水質推定部までの好気槽へ一定の制御周期毎に流入する前記被処理水を仮想流体塊i(i=1〜N)とし、仮想流体塊iを目標水質に制御すための必要風量である必要累積風量を、前記必要累積風量と目標処理水質である目標処理アンモニア濃度の減少量との関係を規定する処理特性関数に基づき求めると共に、時刻tにおける仮想流体塊iへの累積風量を、少なくとも前記上流側好気槽への曝気風量及び風量配分密度に基づき求め、求めた前記必要累積風量と前記累積風量との差分を各仮想流体塊iの残りの滞留時間で除することで仮想流体塊iに必要な風量を求め、仮想流体塊iのN個の総和を前記上流側好気槽に必要な上流側風量とし、
    前記好気槽水質推定部により推定された水質及び目標水質である目標処理アンモニア濃度に基づき、前記下流側好気槽に必要な下流側風量を求め、
    求めた前記上流側風量と前記下流側風量を合算して求めた全風量をブロワの風量とすることを特徴とする水処理プラント。
  2. 請求項1に記載の水処理プラントにおいて、
    前記被処理水水質推定部及び前記好気槽水質推定部で推定する水質がアンモニア性窒素濃度であることを特徴とする水処理プラント。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の水処理プラントにおいて、
    前記風量配分密度は、前記上流側好気槽への曝気風量の配分率を表す関数であることを特徴とする水処理プラント。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の水処理プラントにおいて、
    前記推定する前記好気槽水質推定部に加えて、溶存酸素濃度を推定する第二好気槽水質推定部を備えたことを特徴とする水処理プラント。
  5. 請求項1から請求項4のうち、いずれか1項に記載の水処理プラントにおいて、
    前記ブロワ風量演算部は、
    前記被処理水水質推定部で推定した水質の値と、前記好気槽水質推定部で推定した水質の値と、前記上流側風量と前記下流側風量を合算して求めた全風量とに基づき、前記処理特性関数を更新することを特徴とする水処理プラント。
  6. 請求項5に記載の水処理プラントにおいて、
    前記処理特性関数を時系列で表示する処理特性表示部を備えたことを特徴とする水処理プラント。
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