JP6217180B2 - 軸筒へのクリップ取り付け構造 - Google Patents
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Description
こうした回動自在に連結されたクリップの取り付け構造としては、軸筒の外周面に設けた支持体と、クリップの軸筒に対向した面の両側面から設けた側支持板に、互いに係合するように一方に凸、他方に凹又は貫通孔を設けている。
また、回動支点として取り付ける係合部は、互いが凹凸で嵌めこまれるため、クリップの両側支持板を開き易くするために様々な工夫がなされてきた。
特許文献1によれば、両側板を開き易くするためにクリップ後方に設けた後壁にスリットを設ける構造が開示されている。
一方、クリップ4はクリップ本体5及び側板6から形成されており、前記クリップ支持部2の左右の側面に対向するように側支持板7がクリップ本体5の両側面に沿って突設されている。その側支持板7にはそれぞれ支点孔8が開設されており、前記支点軸3と係合して前記クリップ4を回動自在に支持する回動支点9を構成している。
また、前記支点軸3の端部近傍には、軸筒1から離れる方向に向かって縮小するテーパー面3a、前記支点孔8の付近には、テーパー面3aと面接触するようにテーパー面7aがそれぞれ形成され、前記支点孔8が支点軸3に組み付けられる際の案内となり、その組み付け動作を容易なものとしている。
尚、本発明ではテーパー面3aとテーパー面7aが形成されているが、どちらか一方にのみ形成しても良い。
即ち、クリップ4を軸筒1に組み付ける際は、クリップ4を軸筒1の軸線の外径方向から中心に向かって力を加えるため、側支持板7には外側に力が掛かり、さらには図8のように、クリップ本体5の中央部分が円弧状に凹み湾曲し、この凹状の湾曲によって側支持板7が互いに遠ざけるように弾性変形することから、容易に係合することができるのである。
一方、クリップ4を軸筒1に組み付け後、そのクリップ4の先端を軸筒1から遠ざけるように無理に開かせると、クリップ本体5から回動支点9に対して引っ張る方向のため、側支持板7には内側に力が掛かり、さらには図9のように、クリップ本体5の中央部分が反円弧状(凸状)に湾曲し、この凸状の湾曲によって側支持板7を互いに近付けるように弾性変形することから、クリップ4が外れにくくなる。
なお、クリップ本体5の厚さAと側支持板7の厚さBの差が大きくなればなるほど、前記の効果は顕著なものとなる。
さらには、側支持板7は十分な厚さに設定されているため破損し難く、安心して使用することができる。
その平面部11には、コイルスプリング12の端部13が当接している。
また、前記クリップ本体5の内底面10の後方には、対向する前記平面部11に向かって突設する凸部14が設けられており、前記コイルスプリング12の端部15がその凸部14を覆うように外挿され、取り付け位置から離脱することを防止している。
つまりは、前記平面部11と当接している端部13と他方の端部14が前記内底面10と当接することで、コイルスプリング12に付勢力が生じる。
前記コイルスプリング12の付勢力によって、前記クリップ4の前記回動支点9よりも後方部が、前記軸筒1の外周面から離間するように弾発されるとともに、前記クリップ4の前記回動支点9よりも前方部が、前記回動支点9を介して前記軸筒1の外周面に当接するように弾発されている。
このように構成することで、前記コイルスプリング12の付勢力に抗して、前記クリップ4の前記回動支点9よりも後方部を前記軸筒1の軸線方向へ押圧することにより、前記クリップ4の前記回動支点9より前方部を、前記回動支点9を介して前記軸筒1の外周面から離間するように回動する開閉操作が可能なクリップとしている。
前記大径部16は、コイルスプリングの座巻き部17が圧接されるようになっており、クリップ4を軸筒1のクリップ支持部2に組み付ける際に前記コイルスプリング12を前記凸部14に外挿して略一体的に保持してから、前記クリップ支持部2に係合することで、組立作業中に前記コイルスプリング12が離脱して紛失してしまうことを防止する効果を有している。
なお、スリット18の底面19は、クリップ本体5の内底面10と同一面上に設定されている。
しかし、前記スリット18の底面19におけるクリップ本体5の厚さCが、側支持板7の厚さBよりも小さければこれに限るものではない。
なお、前記底面19が内底面10よりも高く突出している又は内底面10よりも低くクリップ本体5に潜り込んでいる、若しくは底面19と同形状の貫通孔が形成されても同じ効果が得られる。
さらに、スリット18を形成したことにより新たに形成された対向する両側面20は、凸部14の先端からクリップ本体5の内底面10に向かって互いの間隔を小さくしたテーパー形状としても良い。金型に設ける抜きテーパーとして離型性を向上することもできる。
これにより、クリップ本体5が弾性変形し、両側の側支持板7が離れる方向に開くと同時に、2つに分かれた凸部14も互いに離れる方向に開く際、前記凸部14の外周面とコイルスプリング12の内周面が接触することなく、クリップ本体5の弾性変形の妨げを防止する。
これと相まって、前記クリップ4を射出成型で形成する場合には、金型に設ける抜きテーパーとして離型性を向上することもできる。
これは、射出成型におけるクリップ4の成形性を鑑み、デザイン上材料充填口を製品表面に出さないようクリップ本体5の後方の内底面10に配設するためであると共に、クリップ本体5をより弾性変形し易くする役割も果たしている。具体的に説明すると、クリップ本体5の長手方向と直交する方向に湾曲がし易くなっている。
その溝部25は、クリップ本体23の厚さFが側支持板27の厚さEよりも大きい場合に設ける。クリップ22の支点孔28を軸筒1の支点軸3に係合する際に、クリップ本体23を弾性変形し易くしているものである。
即ち、クリップを組み付ける際は、第1実施例では、クリップ本体5が円弧状に湾曲して側支持板7を互いに遠ざけるように弾性変形する。
それに対し、第2実施例では、クリップ本体23の溝部25を中心に屈曲して側支持板27を互いに遠ざけるように弾性変形する。
よって、第2実施例においても、支点軸3と支点孔28が容易に係合される。
また、クリップ22を軸筒1に組み付け後、そのクリップ22の先端を軸筒1から遠ざけるように無理に開かせる際は、第1実施例では、クリップ本体5が反円弧状に湾曲して側支持板7を互いに近付けるように弾性変形する。
それに対し、第2実施例では、クリップ本体23の溝部25を中心に屈曲して側支持板27を互いに近付けるように弾性変形する。
よって、第2実施例においても、クリップ22が外れにくくなる。
なお、底面26におけるクリップ本体23の厚さDと側支持板27の厚さEの差が大きくなればなるほど、前記の効果は顕著なものとなる。
さらには、側支持板27は十分な厚さに設定されているため破損し難く、安心して使用することができるのである。
しかし、側支持板27に挟まれた内底面よりも延長して側支持板27の周辺に形成されることが望ましく、側支持板27を開かせる距離、クリップ本体23の強度、クリップ22のデザイン性等を勘案し溝部25の長さを設定することができる。
なお、溝部25の断面形状や大きさは、これに限らず、また1本又は複数の溝部、さらには溝部を貫通孔として形成しても良い。
前記溝部25はクリップ本体23の内底面24上だけでなく、前記クリップ本体23の外表面29に形成しても同様の効果が得られる。
前記大径部31は、コイルスプリング12の座巻き部17が圧接されるようになっており、クリップ22を軸筒1のクリップ支持部2に組み付ける際に前記コイルスプリング12を前記凸部30に外挿して略一体的に保持してから、前記クリップ支持部2に係合することで、組立作業中に前記コイルスプリング12が離脱して紛失してしまうことを防止する効果を有している。
なお、スリット32の底面33は、溝部25の底面26と同一面上に設定されている。
しかし、前記スリット32の底面33におけるクリップ本体23の厚さGが、側支持板27の厚さEよりも小さければこれに限るものではない。
なお、前記底面33が溝部25の底面26よりも高く突出している又は溝部25の底面26よりも低く潜り込んでいる、若しくは底面33と同形状の貫通孔が形成されても同じ効果が得られる。
さらに、スリット32を形成したことにより新たに形成された対向する両側面34は、凸部30の先端からクリップ本体23の内底面24に向かって互いの間隔を小さくしたテーパー形状としても良い。金型に設ける抜きテーパーとして離型性を向上することもできる。
これにより、クリップ本体23が弾性変形し、両側の側支持板27が離れる方向に開くと同時に、2つに分かれた凸部30も互いに離れる方向に開く際、前記凸部30の外周面とコイルスプリング12の内周面が接触することなく、クリップ本体23の弾性変形の妨げを防止する。
これと相まって、前記クリップ22を射出成型で形成する場合には、金型に設ける抜きテーパーとして離型性を向上することもできる。
これは、射出成型におけるクリップ22の成形性を鑑み、デザイン上材料充填口を製品表面に出さないようクリップ本体23の後方の内底面24に配設するためであると共に、クリップ本体23をより弾性変形し易くする役割も果たしている。具体的に説明すると、クリップ本体23の長手方向と直交する方向に湾曲がし易くなっている。
2 クリップ支持部
3 支点軸
3a テーパー面
4 クリップ
5 クリップ本体
6 側板
7 側支持板
7a テーパー面
8 支点孔
9 回動支点
10 内底面
11 平面部
12 コイルスプリング
13 端部
14 凸部
15 端部
16 大径部
17 座巻き部
18 スリット
19 底面
20 側面
21 小径部
22 クリップ
23 クリップ本体
24 内底面
25 溝部
26 底面
27 側支持板
28 支点孔
29 外表面
30 凸部
31 大径部
32 スリット
33 底面
34 側面
35 小径部
36 側板
Claims (4)
- 軸筒の外周部に突設するクリップ支持部と、前記クリップ支持部に係合する弾性変形可能なクリップと、前記クリップの後部を前記軸筒外周面から離間するように付勢するコイルスプリングを備え、前記クリップの両側面に突設した側支持板を前記クリップ支持部に被せて前記クリップが回動自在となる回動支点を構成し、前記コイルスプリングは前記回動支点よりも後方に配設されると共に、前記クリップの回動支点よりも前方が前記軸筒の外周面に当接するように常に付勢されたクリップ取り付け構造において、軸筒の軸線の外径方向のクリップ本体の厚さを、前記回動支点の軸線方向の前記側支持板の厚さよりも小さくしたことを特徴とする軸筒へのクリップ取り付け構造。
- 前記クリップ本体の前記軸筒の外周面と対向する面に、前記軸筒の外周面に向かって突設する凸部を設け、前記凸部に軸筒の軸線に沿って伸びた1本又は複数のスリットを設けると共に、そのスリットの底面における軸筒の軸線の外径方向のクリップ本体の厚さを、前記回動支点の軸線方向の前記側支持板の厚さよりも小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の軸筒へのクリップ取り付け構造。
- 軸筒の外周部に突設するクリップ支持部と、前記クリップ支持部に係合する弾性変形可能なクリップと、前記クリップの後部を前記軸筒外周面から離間するように付勢するコイルスプリングを備え、前記クリップの両側面に突設した側支持板を前記クリップ支持部に被せて前記クリップが回動自在となる回動支点を構成し、前記コイルスプリングは前記回動支点よりも後方に配設されると共に、前記クリップの回動支点よりも前方が前記軸筒の外周面に当接するように常に付勢されたクリップ取り付け構造において、少なくとも前記クリップ本体の両側支持板に挟まれた内底面、または前記クリップ本体の外表面上に、前記軸筒の軸線に沿って伸びた1本又は複数の溝部又は貫通孔を設け、その溝部の底面における軸筒の軸線の外径方向のクリップ本体の厚さを、前記回動支点の軸線方向の前記側支持板の厚さよりも小さくしたことを特徴とする軸筒へのクリップ取り付け構造。
- 前記クリップ本体の前記軸筒の外周面と対向する面に、前記軸筒の外周面に向かって突設する凸部を設け、前記凸部に軸筒の軸線に沿って伸びた1本又は複数のスリットを設けると共に、そのスリットの底面における軸筒の軸線の外径方向のクリップ本体の厚さを、前記回動支点の軸線方向の前記側支持板の厚さよりも小さくしたことを特徴とする請求項3に記載の軸筒へのクリップ取り付け構造。
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JP2013135789A JP6217180B2 (ja) | 2013-06-28 | 2013-06-28 | 軸筒へのクリップ取り付け構造 |
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