JP6216139B2 - おむつ用不織布、及びそれを利用したおむつ - Google Patents
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Description
さらに、この凹凸面の凸部については、尿を一時的に貯留する機能を発揮していると考えられている。すなわち、おむつは、不織布よりも内側に吸収性ポリマー等からなる吸収体を有しており、不織布を透過してきた尿はこの吸収体に吸収されるが、この際、尿の量が多かったり粘度が高かったりすると、吸収体が尿を直ぐに吸収せず、このため、素早く吸収されない尿が肌に触れて不快になり、また、横漏れの原因にもなってしまう。この点、例えば特許文献1の図8に示されるように凸部32を形成することで、表面シート30と中間シート40との間の空間33(即ち凸部32の中)に、吸収体が素早く吸収できない分の尿を一時的に貯留させることができる。そして、この凸部32内に貯留された尿は、少し間をおいて、毛細管現象により表面方向に拡がりながら、吸収体に吸収されていく。このようにして、凹凸面はその貯留機能により、尿が肌に触れる機会を減らし、また、横漏れを防止している。
本発明は、おむつが薄くなったとしても、多くの尿を一時的に貯留できる不織布を提供することを目的とする。
また、凹部は略六角形状の辺に対応した溝状であって、凸部に比べて繊維密度が高くっているため、尿は毛細管現象によりこの凹部を伝わって表面に拡散する。
ここで、凹部は、略六角形状の各角部に対応した位置に、第二の繊維層に熱圧着してなるドット状部を有している。従って、この圧着によって略六角形状の形の維持力は高められる。なお、凹部の全てを第二の繊維層に熱圧着すると、繊維の融着により、尿が不織布の表面方向に拡散する毛細管現象を却って阻害する恐れがある。しかし、本発明では、熱圧着は略六角形状の各角部に配置されたドット状なので、略六角形状の維持力を高めつつも、尿は表面方向に容易に拡散される。
そして、凹凸面は膨らんだ略六角形状を連続して並べたハニカム状を呈しているので、上から押さえても(つまり、装着時に臀部等に押されても)、潰れ難く座屈に強い凸部を形成できる。従って、その潰れ難い分、大きな凸部を形成することができ、大きな凸部の中に、一時的に多く尿を貯留しておくことができる。すなわち、本願発明は、ハニカム構造を作って強度を高めるのではなく、強度を可及的に落とさないようにして大きな凸部を形成し、これにより、尿の肌への接触や横漏れを防止できる。
そうすると、このような不織布を用いておむつにして装着した場合、互いに隣接する凸部の外周側面どうしが支え合って、上から押された力(臀部に押された力)に対して、より潰れ難い凸部とすることができる。
そして、凹部は、略六角形状の各角部に対応した位置に、第二の繊維層に熱圧着してなるドット状部を有している。従って、上述したように、略六角形状の維持力を高めつつも、尿を表面方向に容易に拡散することができる。
さらに、凹凸面は膨らんだ略六角形状を連続して並べたハニカム状を呈しているので、上述のように装着時に臀部に上から押されられても、潰れ難く座屈に強い凸部を形成できる。従って、その潰れ難い分、大きな凸部を形成して、その中に一時的に多く尿を貯留しておくことができる。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
また、以下の図において、同一の符号を付した箇所は同様の構成である。
図のテープ12は面ファスナーである。これに対し、一方の端部FRの裏面には、当該面ファスナーが容易に着脱可能なように、繊維状の部材16が設けられている。この部材16は短手方向Xに沿った帯状であり、これにより使用者の体格に合わせて、テープ12の取付け位置を調整できる。
なお、本発明のおむつ10は、このような形態に限られず、例えば、販売時からパンツ型やショーツ型のものであっても構わず、また、下着の内側に装着されるパッド状のものであっても構わない。また、図1のおむつ10は乳幼児用と高齢者等の失禁用の双方に好適に利用できる。
バックシート18は裏面に配置され、装着状態において外部に露出するシート材であり、可撓性を備えた材質、例えば薄いプラスチックフィルムにより作られている。具体的には、ポリエチレンフィルムやポリエチレンラミネート紙等が使用できる。このバックシート18は、尿は通さないが水蒸気を透過させるのが好ましくは、これにより蒸れを防止できる。
この吸収体30はティッシュ32に包まれて、外部に晒されることが防がれている。ティッシュ23には、液体等を吸収する柔らかい材質、たとえばパルプ、レーヨン、コットン、ケナフ、バガス、シルク、親水処理をした繊維(ポリオレフィン系、ポリエステル、アクリル)などを単一又は複合してシート化したものを用いることができる。
第一の繊維層21は使用者の肌に直接触れる表面に配置され、多数の凹部33及び凸部34からなる凹凸面19を有し、これにより、不織布20の肌への接触面を少なくして、不快感やおむつかぶれ等を防止している。
第二の繊維層22は、図3及び図4に示すように、第一の繊維層21の裏面(おしめ10の内側)に重ねられており、全体的に平坦なシート状である。
そして、第一の繊維層21の凸部34が第二の繊維層22とは反対側に膨出することで、凸部34の内側Sには空間又は繊維が疎になった部分が形成されている。これにより、吸収体30に尿が素早く吸収されない場合であっても、凸部34の内側Sにその尿を一時的に貯留することができる。
この立体ギャザー部26,26の短手方向Xの両外側には、さらに股ギャザー部31が設けられていて、使用者の股部に密着し、***された尿等が立体ギャザー部26,26から漏れても、外部に漏れないようにされている。
これら立体ギャザー部26と股ギャザー部31の夫々の内側には、長手方向Yに沿って弾性体17が配設され、この弾性体17の弾性収縮能力により、両ギャザー26,31は装着時に立ち上がるようになっている。
そして、この凹部33の部分は、略六角形状に膨らんだ凸部34の形状を有効に維持させつつ、毛細管現象により、不織布20の表面方向に尿を有効に拡散させると共に、吸収体30に可及的に素早く尿を吸収されるため、凸部34の六角形状の各角部に対応した位置にのみ、上述した第二の繊維層22に熱圧着してなるドット状部50を有している。
すなわち、吸収体30に素早く吸収し切れなかった尿は、図4の凸部34の内側Sに一時的に貯留され、その貯留された尿はその後、繊維が密になった凹部33を毛細管現象により、例えば図1の二点鎖線で囲った図中の矢印DRの方向に向かって拡散すると共に、吸収体30にも移送される。この際、凹部33の内側底部の全てが熱圧着されていると、その部分は熱融着しているため、却ってこの尿の拡散・移送機能を阻害する虞がある。しかし、本実施形態では一部分のみを圧着したドット状部50としているため、尿の凹部33を伝わった拡散・移送を有効に発揮させることができ、また、吸収面積自体も減らされることがない。
先ず、図1の二点鎖線で囲った図に示すように、各凸部34の略六角形状の辺に対応した6つの凹部33の内、互いに対向する2つの溝状の凹部33,33が長手方向Yに略沿って配置されている。従って、図6(b)のように長手方向Yに沿って凹部33が形成されていない凹凸面であると、矢印RYに示すようにジグザクに尿が拡散していくのに対して、各凸部34の互いに対向する2つの凹部33が長手方向Yに略沿って配置された図6(a)の矢印DRに示すように、長手方向Yにいち早く尿を拡散させることができる。
また、ドット状部50は凸部34の六角形状の各角部に対応して配置されているため、この長手方向Yに沿って進む尿の動きを阻害することは少なく、さらに、本実施形態のドット状部50は円形状とされているため、尿が回り込み易く、より円滑に尿を拡散できる。
また、図1の一点鎖線で囲った図に示すように、不織布20は、少なくとも短手方向Xに沿った繊維66よりも、長手方向Yに沿った繊維67の方が数多く配置されているため、毛細管現象により尿は長手方向Yに沿って導かれ易くなっている。
すなわち、図7のエンボスロール装置50は、周面が凹凸形状39となっている第1のロール40と、この第1のロール40の凹凸形状39に噛合される凸状部42を周面に有する第2のロール41とを有している。
そして、先ず、上述の第一の繊維層に対応した熱融着性繊維からなる原反21−1を、第1のロール40と第2のロール41との間に向かって繰り出し、噛合した凹凸形状39と凸状部42とで、図3に示す凹凸面19を有する第一の繊維層21を形成する。
なお、第2のロール41における各凸状部42間には吸引孔38が形成されており、第1のロール40と第2のロール41との間(噛合部)を通過して凹凸面が形成された第一の繊維層21は、第2のロール41に吸着したまま移動する。
なお、第2のロール41の吸引孔38による吸引は、第一の繊維層21と第二の繊維層22との熱圧着まで行われ、それ以降の吸引は行われない。
例えば、本実施形態では、図3に示すように不織布20は二層構造とされているが、本発明はこれに限られず、最表層が凹凸面19を有していれば、三層以上であっても構わない。
Claims (4)
- 多数の凹部及び凸部からなる凹凸面が表面に形成された第一の繊維層と、この第一の繊維層の裏面に重ねられた第二の繊維層と、を備えたおむつ用不織布であって、
前記凸部は、表面視が略六角形状となるように、前記第二の繊維層とは反対側に膨出しており、
前記凹部は、前記略六角形状の各辺に沿って対応すると共に前記第二の繊維層に接触した溝状であり、かつ、前記略六角形状の各角部に対応した位置に、前記第二の繊維層に熱圧着してなるドット状部を有しており、
前記凹凸面は、所定の前記凸部の前記略六角形状の辺に対応した前記凹部と、前記所定の前記凸部に隣接する他の前記凸部の前記略六角形状の辺に対応した前記凹部とが共通するようにして、前記略六角形状を連続して並べたハニカム状を呈している
ことを特徴とするおむつ用不織布。 - 前記第一の繊維層の表面を臀部に沿わせて曲げた場合、互いに隣接する前記凸部の外周側面どうしが当接するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のおむつ用不織布。
- 液体の透過を防止するバックシートと、
身体に接触する面側に配置される不織布と、
前記バックシートと前記不織布との間に配置されて、前記不織布を透過してきた尿を吸収する吸収体と、
を備えたおむつであって、
前記不織布は、多数の凹部及び凸部からなる凹凸面が表面に形成された第一の繊維層と、この第一の繊維層の裏面に重ねられた第二の繊維層とを有し、
前記凸部は、表面視が略六角形状となるように、前記第二の繊維層とは反対側に膨出しており、
前記凹部は、前記略六角形状の各辺に沿って対応すると共に前記第二の繊維層に接触した溝状であり、かつ、前記略六角形状の各角部に対応した位置に、前記第二の繊維層に熱圧着してなるドット状部を有しており、
前記凹凸面は、所定の前記凸部の前記略六角形状の辺に対応した前記凹部と、前記所定の前記凸部に隣接する他の前記凸部の前記略六角形状の辺に対応した前記凹部とが共通するようにして、前記略六角形状を連続して並べたハニカム状を呈している
ことを特徴とするおむつ。 - 前記略六角形状の各辺に対応した6つの前記凹部のうち、互いに平行な2つの前記凹部が、おむつの長手方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項3に記載のおむつ。
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