JP6215687B2 - 溶湯金属攪拌用回転体およびこれを備えた溶湯金属処理装置 - Google Patents

溶湯金属攪拌用回転体およびこれを備えた溶湯金属処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、溶湯金属中の不純物の処理に用いられる溶湯金属攪拌用回転体およびこれを備えた溶湯金属処理装置に関するものである。
近年、燃費の向上やCO排出の削減を図るため、例えば、自動車の構成部品の軽量化対策として、原材料であるアルミニウムやその合金を溶融させた溶湯金属を鋳型に流し込んで冷却し、所定の形状とする鋳造方法が採用されている。
また、溶湯金属中の不純物の処理には、溶湯金属中にガスを排出し、不純物を液面に浮上させる処理方法がある。この処理方法には、軸方向にガス供給用の貫通孔が穿設されたシャフトと、シャフトの端部に取り付けられ、周面に前記貫通孔に通じるガス噴出孔が多数形成された回転体とを備えた溶湯金属攪拌用回転体を有する溶湯金属処理装置が用いられている。
このような処理装置に用いられる溶湯金属攪拌用回転体として、例えば特許文献1には、内部が上方から下方に向けてガスが流れるガス供給路とされたシャフトと、シャフトの下端部に固定され、ガス供給管と一体化された回転子により構成され、回転子は、上方から下方の方向に亘って径が同じであって、ガス供給路と連続するガス通路と、ガス通路と直接接続され、ガス通路に流れたガスを、外縁方向に流したのちに外部に排出するための溝とを備える溶湯金属攪拌用回転体が提案されている。
特開2006−176874号公報
しかしながら、特許文献1に記載の溶湯金属攪拌用回転体は、上方から下方の方向に亘って径が同じであるガス通路が溝と直接接続される構成であることから、溶湯金属攪拌用回転体を溶湯金属中に浸漬した際に生じる熱応力が、ガス通路と溝との境界に集中しやすくなり、回転子に大きな熱応力がかかり、繰り返し溶湯金属攪拌用回転体を溶湯金属中に浸漬すると回転子に亀裂が生じやすいという問題があった。
本発明は、上記問題を解決すべく案出されたものであり、繰り返し溶湯金属攪拌用回転体を溶湯金属中に浸漬しても、回転子に亀裂が生じにくい溶湯金属攪拌用回転体およびこれを備えた溶湯金属処理装置を提供することを目的とする。
本発明の溶湯金属攪拌用回転体は、内部が上方から下方に向けてガスが流れる第1のガス供給路とされた筒状のシャフトと、該シャフトの下端と接続される接続部を有するローターとを備えるとともに、該ローターは、前記接続部の内部に設けられた、前記第1のガス供給路を流れた前記ガスを前記ローターの下面側に排出するための第2のガス供給路と、該第2のガス供給路を流れたガスを外縁方向に流したのちに外部に排出するための排出路と、前記接続部の下方であって、かつ前記排出路よりも上方に位置し、前記排出路と繋がる空間と、を有してなり、前記空間の径が、前記第2のガス供給路の径より大きく、前記ローターは、前記接続部を有するとともに、前記空間から前記外縁方向に延びる第1の切り欠き部を有する板状体と、該板状体の下面側で、かつ前記第1の切り欠き部に沿って、前記空間側から前記外縁方向に向かって延びる複数の第1の隔壁を備えてなり、前記第1の隔壁と前記板状体とで囲まれた空間が前記排出路とされ、前記第1の切り欠き部と前記第1の隔壁とで囲まれた空間が空隙部とされていることを特徴とするものである。
また、内部が上方から下方に向けてガスが流れる第1のガス供給路とされた筒状のシャフトと、該シャフトの下端と接続される接続部を有するローターとを備えるとともに、該ローターは、前記接続部の内部に設けられた、前記第1のガス供給路を流れた前記ガスを前記ローターの下面側に排出するための第2のガス供給路と、該第2のガス供給路を流れたガスを外縁方向に流したのちに外部に排出するための排出路と、前記接続部の下方であって、かつ前記排出路よりも上方に位置し、前記排出路と繋がる空間と、を有してなり、前記空間の径が、前記第2のガス供給路の径より大きく、前記ローターは、前記接続部を有する板状体と、該板状体の下面側に設けられた、外縁に向かって延びる複数の第1の隔壁および前記外縁に沿って間隔を空けて配置された複数の第2の隔壁を有してなり、前記第1の隔壁と前記第2の隔壁とは非接触となるよう配置されており、前記第1の隔壁と前記第2の隔壁と前記板状体とで囲まれた空間が前記排出路とされていることを特徴とするものである。
また、本発明の溶湯金属処理装置は、溶湯金属を入れる容器と、連結具を介して回転駆動機構に接続された上記溶湯金属攪拌用回転体とを備えていることを特徴とするものである。
本発明の溶湯金属攪拌用回転体によれば、ローターにおいて熱応力が集中しやすい場所が、空間と第2のガス供給路との境界および空間と排出路との境界に分散されるため、ローター全体にかかる熱応力を抑制することができ、繰り返し溶湯金属攪拌用回転体を溶湯金属中に浸漬しても、ローターに亀裂が生じにくくなる。
また、本発明の溶湯金属処理装置によれば、メンテナンスコストの削減を図ることができるため、長期間にわたって良好な溶湯金属処理装置とすることができる。
本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を備えた溶湯金属処理装置の一例を示す縦断面図である。 本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターの一例を示す、(a)はローターの下面側から見た斜視図,(b)はローターの下面側から見た平面図,(c)は(b)におけるA−O−B線での断面図である。 本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターの他の一例を示す、(a)はローターの下面側から見た斜視図,(b)はローターの下面側から見た平面図,(c)は(B)におけるA−O−B線での断面図である。 本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターのその他の一例を示す、ローターの下面側から見た斜視図である。 本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターのその他の一例を示す、(a)はローターの下面側から見た斜視図,(b)はローターの下面側から見た平面図,(c)は(B)におけるA−O−B線での断面図である。 本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターのその他の一例を示す、ローターの下面側から見た平面図である。 本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターのその他の一例を示す、ローターの下面側から見た平面図である。
以下、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体およびこれを備える溶湯金属処理装置の一例について説明する。
図1は、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を備える溶湯金属処理装置の一例を示す縦断面図である。
図1に示す例のように、溶湯金属処理装置25は、溶湯金属11を入れる容器12と、内部が上方から下方に向けてガスが流れる第1のガス供給路2とされた筒状のシャフト3と、シャフト3の下端と接続される接続部4を有するローター5とを備える溶湯金属攪拌用回転体1と、ガスを第1のガス供給路2に供給すると同時にシャフト3およびローター5を回転させるための回転駆動機構6とを備え、シャフト3は連結具7により回転駆動機構6と連結されている。
また、ローター5は、接続部4の内部に設けられた、第1のガス供給路2を流れたガスをローター5の下面側に排出するための第2のガス供給路8と、第2のガス供給路8を流れたガスを、外縁方向に流したのちに外部に排出するための排出路(図示しない)とを備
えている。
この溶湯金属攪拌用回転体1を備えた溶湯金属処理装置25は、連結具7を介して接続されている回転駆動機構6によって溶湯金属11に浸漬したシャフト3およびローター5を回転させる。またその際、回転駆動機構6から供給されたガスが、第1のガス供給路2および第2のガス供給路8を介してローター5の下面側に排出され、排出されたガスが泡となり、この泡が、排出路を通ってローター5の外部(ローター5の外周)に排出される。
このように、ローター5の外部に排出された微細な泡に、溶湯金属11中の水素や非金属酸化物等の不純物30が取り込まれたり付着したりする。そして、不純物30が取り込まれたまたは付着した泡が、溶湯金属11の液面に浮上することにより、液面側に不純物30が集まることとなる。そして、図1には示していないが、容器12において、液面の近傍(液面よりは下方側に位置する)に、排出部を設けることで、液面側に集まった不純物30を容易に回収することができ、溶湯金属11の精製を効率よく行なうことができる。
図2は、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターの一例を示す、(a)はローターの下面側から見た斜視図,(b)はローターの下面側から見た平面図,(c)は(b)におけるA−O−B線での断面図である。
図2に示すローター5は、下面側において、外縁に沿って間隔を空けて配置された複数の隔壁13(後の説明における第2の隔壁に相当する)を有しており、ローター5の下面と隣接する隔壁13間とで囲まれる空間が排出路9とされている。なお、隔壁13の代わりに、ローター5の下面に、外縁に向かって延びる隔壁(後の説明における第1の隔壁に相当する)を複数設け、隣り合う隔壁の間の空間を排出路9としてもよいし、ローター5の下面に、外縁に向かって延びる溝を設けて、その溝を排出路9としてもよい。
また、図2(c)に示すように、ローター5は、第2のガス供給路8の周辺の面と、排出路9に対応するローター5の下面とに段差を設けて空間10が設けられている。すなわち、ローター5は、シャフト3との接続部4の下方であって、かつ排出路9よりも上方に位置し、排出路9と繋がる空間10を有しており、空間10の径が、第2のガス供給路8の径より大きい。
このような構成であると、熱応力が集中しやすい場所が、空間10と第2のガス供給路8との境界14および空間10と排出路9との境界15に分散されるため、ローター5における応力集中を抑制することができ、繰り返し溶湯金属攪拌用回転体1を溶湯金属11中に浸漬しても、ローター5に亀裂が生じにくい。
また、空間10の径を第2のガス供給路8の径よりも大きくすることで、空間10が泡だまりとなり、ローター5の回転によって、泡がローター5の外縁方向に万遍なく拡がって流れることとなり、ローター5の外部に良好に分散した泡を排出することができる。
なお、空間10の径は第2のガス供給路8の径の1.2〜2倍の範囲内とすることが好適で
ある。
ここで、空間10における側面を、第2のガス供給路8の端部から排出路9に向かって、外縁方向に傾斜する面とすることで、泡がローター5の外縁方向により流れやすくなり好適である。
図3は、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターの他の一例を示す、(a)はローターの下面側から見た斜視図,(b)はローターの下面側から見た平面図,(
c)は(B)におけるA−O−B線での断面図である。
図3に示すローター5は、空間10側から外縁方向に延びる第1の切り欠き部18を有する板状体22と、この板状体22の下面側で、かつ第1の切り欠き部18に沿って、空間10側から外縁方向に向かって延びる複数の第1の隔壁16とを備えている。そして、隣接する第1の隔壁16間と板状体22とで囲まれた空間が排出路9とされ、第1の切り欠き部18と隣接する第1の隔壁16間とで囲まれた空間が空隙部21とされている。
このような構成であると、第2のガス供給路8を介してローター5の下面側に排出されたガスが泡となり、この泡が排出路9および空隙部21に排出される。そして排出路9へ排出された泡は、ローター5が回転することによって遠心力でその殆どが排出路9を通ってローター5の外部(ローター5の外周)に排出される。また、空隙部21に排出された泡は、その殆どがローター5の外径の範囲内の溶湯金属11中に分散される。それにより、泡が溶湯金属11中の広範囲に分散でき、溶湯金属11の精製を効率よく行なえる。なお、図3(b)に示すように排出路9の幅をB1、空隙部21の幅をB2としたとき、B1/B2の値が0.8〜1.2の範囲内であることが好ましく、この範囲内であることにより、泡を溶湯金属11中に均一に分散することができ、溶湯金属11の精製を効率よく行なうことができる。
図4は、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターのその他の一例を示す、ローターの下面側から見た斜視図である。
ここで、ガス供給路2から供給されたガスの温度と、溶湯金属11の温度との差によって、第1の隔壁16の空間10側に熱応力が発生しやすくなり、第1の隔壁16の空間10側に熱応力起因による亀裂や破損が生じやすくなることがある。
図4に示すローター5は、第1の隔壁16の空間10側において、第1の隔壁16の高さが空間10側に向かって漸次低くなるように形成されている。
このような構成であると、溶湯金属11の攪拌能力は若干減少するものの、ガスと溶湯金属11との温度差により熱応力が生じやすい第1の隔壁16の空間10側に、熱応力を生じさせないように逃がし19を設けることができる。それにより、第1の隔壁16の空間10側において熱応力に起因する亀裂や破損が生じにくくなる。なお、ここでいう空間10側とは、第1の隔壁16の全長に対して5〜30%の範囲内のことをいう。また、ここでいう逃がし19の形状は、第1の隔壁16の空間10側において、第1の隔壁16の高さが空間10側に向かって漸次低くなるように形成されていれば、テーパーや曲面などの形状とすることが可能であり、なかでも空間10側の第1の隔壁16の体積が少なくなる曲面形状であることが好ましい。
図5は、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターのその他の一例を示す、(a)はローターの下面側から見た斜視図,(b)はローターの下面側から見た平面図,(c)は(B)におけるA−O−B線での断面図である。
図5に示すローター5は、空間10側から外縁に向かって放射状に延びる複数の第1の隔壁16と、ローター5の外縁に沿って間隔を空けて配置された第2の隔壁17が形成されている。そして、隣り合う第1の隔壁16と第2の隔壁17とは間をあけて配置されており(非接触となるように配置されており)、第1の隔壁16と第2の隔壁17と板状体22とで囲まれた空間が排出路9となる。なお、図5においては、放射状に延びる複数の第1隔壁16の軸線と交わらないように第2の隔壁17を配置した例を示している。また、ローター5を下面側から平面視したとき、第1の隔壁16は、空間10の縁と間を空けて位置している例を示している。
このような構成であると、外縁側において、第2の隔壁17間が排出口となる。そして、第1の隔壁16と第2の隔壁17との間を狭くすることによって泡が外縁方向に速く流れるようになる。それにより、排出口からより勢いよく泡をローター5の外部に分散させることができ、より溶湯金属11の精製を効率よく行なうことができる。
また、隣り合う第1の隔壁16のうち片側だけが第2の隔壁17と間をあけて配置されていてもよく、この場合、ローター5の回転方向とは逆側の第1の隔壁16だけが第2の隔壁17と間をあけて配置されていることが好適である。
このような構成であると、ローター5の回転方向側の第1の隔壁16と第2の隔壁17とが接続していることから、第1の隔壁16と第2の隔壁17と板状体22とで囲まれた空間(排出路9)に泡を保持しやすくなり、さらに効率よくガスをローター5の外部に分散させることができる。
また、ローター5を下面側から平面視したとき、第1の隔壁16が、空間10の縁と間を空けて位置していることにより、空間10の周辺の厚みが第1の隔壁16により局所的に厚くなることを抑制できる。それにより、ローター5における応力集中をより緩和することができる。
また、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体1を構成するローター5は、第1の隔壁16の高さが第2の隔壁17の高さ以下であることが好適である。
このような構成であると、第1の隔壁16を沿って流れる泡が、第1の隔壁16を越えて外縁側に流れることがあっても、第1の隔壁16を泡が越えるときに切り裂かれることとなり、より微細な泡をローター5の外部により効率よく分散させることができる。
図6は、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターのその他の一例を示す、ローターの下面側から見た平面図である。
図6に示すローター5は、第2の隔壁17の間における外縁の少なくとも一部が第2の切り欠き部20とされている。
このような構成であると、泡が第2の切り欠き部20を通って排出される際に、第2の隔壁17により切り裂かれた後、第2の切り欠き部20に切り裂かれることとなり、より微細な泡となる。それにより、微細な泡をローター5の外部に分散させることができ、不純物30を付着する泡の表面積を大きくできることから、溶湯金属11の精製を効率よく行なうことができる。
また、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体1を構成するローター5は、その下面側から平面視したとき、第1の隔壁16が外縁と接して配置することができる。すなわち、例えば、図6に示すローター5においては、第1の隔壁16の一端と第2の切り欠き部20とが接して配置することができる。
このような構成であると、第1の隔壁16と第2の隔壁17との間の排出口を小さくできるうえに、泡が第1の隔壁16と、第2の隔壁17と、第2の切り欠き部20とによって切り裂かれさらに微細になることから、より微細な泡をローター5の外部に分散させることができ、溶湯金属11の精製を効率よく行なうことができる。
図7は、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体を構成するローターのその他の一例を示す、ローターの下面側から見た平面図である。
図7に示すローター5は、第2の切り欠き部20が、外周側からローター5の半径の約半分の長さまで設けられており、さらに第1の隔壁16が、この切り第2の切り欠き部20に沿って設けられている。なお、図7においては、第1の隔壁16は平面視でU字状となっている。
それにより、第2のガス供給路8を介してローター5の下面側に排出されたガスが泡となり、この泡がU字状の第1の隔壁16の外面に沿って外周側に流れ、第1の隔壁16と第2の隔壁17と第2の切り欠き部20とで形成された排出口より排出されることから、泡を効率よくローター5の外部に分散させることができる。
さらに、第2の切り欠き部20周辺に集中する熱応力を緩和することができるため、繰り返し溶湯金属攪拌用回転体1を溶湯金属11中に浸漬しても、ローター5に亀裂が生じにくい。
また、U字状の第1の隔壁16は、上述したように、例えばローター5の回転方向とは逆側だけが第2の隔壁17と間をあけて配置されたJ字状とすることもできる。
なお、ここまでは、排出口から泡が排出されると説明してきたが、泡は少なからず隔壁13、第1の隔壁16および第2の隔壁17を越えて溶湯金属11中に排出されることもあることから、隔壁13、第1の隔壁16および第2の隔壁17の高さ方向の先端形状は、先端に向かう方向につれて細くすることもできる。これにより、さらに泡を微細な泡とすることができ、微細な泡を分散させることができ、泡の表面積を大きくできることから、溶湯金属11の精製を効率よく行なうことができる。
また、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体1を構成するローター5は、排出路9が外縁方向に向けて下向きに傾斜するよう形成することもできる。
このような構成であると、ローター5が回転することによって遠心力で、泡が排出路9から外縁方向に流れるとともに、外縁から排出された泡を容器12の下側に向けて排出することができる。それにより、泡を溶湯金属11中の広範囲に分散させることができさらに溶湯金属11の精製を効率よく行なうことができる。
そして、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体1を構成するシャフト3,ローター5の材質としては、アルミナ,ジルコニア,窒化珪素,炭化珪素またはコージェライトなど種々のセラミックスを適用可能であるが、耐熱衝撃性に優れ、溶湯金属11との濡れ性が低い特性を有している点で、窒化珪素質焼結体からなることが好適である。これにより、メンテナンス時や処理終了後に本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体1を溶湯金属11中から引き上げたときに、シャフト3,ローター5への溶湯金属11の付着を極めて少なくすることができる。また、シャフト3とローター5とが同じ材質であることにより、シャフト3とローター5との接続部4において、両者の熱膨張差に起因する締結または嵌合等の緩みや亀裂が生じるおそれを少なくすることができる。
また、上述した本実施形態の溶湯金属撹拌回転体1を備える溶湯金属処理装置25は、部材交換、より具体的にはローター5の交換の回数を低減できるので、メンテナンスコストの削減が図ることができるため、長期間にわたって良好な溶湯金属処理装置25とすることができる。
次に、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体1の製造方法の一例を説明する。
まず、窒化珪素質焼結体からなるローター5を作製する。平均粒径が0.5〜10μmの窒
化珪素1次原料と、所定量の焼結助剤とバインダと溶媒とを混合してスラリーとした後、スプレードライヤーにより噴霧造粒して窒化珪素2次原料を得る。そして、この窒化珪素2次原料を用いて静水圧プレス成形法(ラバープレス)により、ローター5となる円板状の成形体を得る。その後、この成形体に隔壁13、第1および第2の隔壁16,17、第1および第2の切り欠き部18,20等となる各部位を切削加工により施した後、還元雰囲気炉中で1800〜2100℃の最高温度にて焼成し、必要に応じて研削加工を施して、窒化珪素質焼結体
からなるローター5を得る。なお、ローター5の接続部4の外周面にはシャフト3に取り付けるための雄ねじを設ける。
次に、窒化珪素質焼結体からなるシャフト3を作製する。
まず、ローター5の作製時と同様の方法により窒化珪素2次原料を得て、その後この2次原料を用いて静水圧プレス成形法(ラバープレス)により、シャフト3となる円筒状の成形体を成形し、成形体に切削加工を施した後、還元雰囲気炉中で1800〜2100℃の温度で焼成し、必要に応じて研削加工を施して、窒化珪素質焼結体からなるシャフト3を得る。なお、切削加工または研削加工を施すことにより、シャフト3の下端の内周面に雌ねじを設ける。
そして、シャフト3の雌ねじとローター5の雄ねじとを締結することで、本実施形態の溶湯金属攪拌用回転体1を得ることができる。
1:溶湯金属攪拌用回転体
2:第1のガス供給路
3:シャフト
4:接続部
5:ローター
6:回転駆動機構
7:連結具
8:第2のガス供給路
9:排出路
10:空間
11:溶湯金属
12:容器
13:隔壁
14:空間と第2のガス供給路との境界
15:空間と排出路との境界
16:第1の隔壁
17:第2の隔壁
18:第1の切り欠き部
19:逃がし
20:第2の切り欠き部
21:空隙部
22:板状体
25:溶湯金属処理装置
30:不純物

Claims (10)

  1. 内部が上方から下方に向けてガスが流れる第1のガス供給路とされた筒状のシャフトと、該シャフトの下端と接続される接続部を有するローターとを備えるとともに、該ローターは、前記接続部の内部に設けられた、前記第1のガス供給路を流れた前記ガスを前記ローターの下面側に排出するための第2のガス供給路と、該第2のガス供給路を流れたガスを外縁方向に流したのちに外部に排出するための排出路と、前記接続部の下方であって、かつ前記排出路よりも上方に位置し、前記排出路と繋がる空間と、を有してなり、前記空間の径が、前記第2のガス供給路の径より大きく、前記ローターは、前記接続部を有するとともに、前記空間から前記外縁方向に延びる第1の切り欠き部を有する板状体と、該板状体の下面側で、かつ前記第1の切り欠き部に沿って、前記空間側から前記外縁方向に向かって延びる複数の第1の隔壁を備えてなり、前記第1の隔壁と前記板状体とで囲まれた空間が前記排出路とされ、前記第1の切り欠き部と前記第1の隔壁とで囲まれた空間が空隙部とされていることを特徴とする溶湯金属拌用回転体。
  2. 内部が上方から下方に向けてガスが流れる第1のガス供給路とされた筒状のシャフトと、該シャフトの下端と接続される接続部を有するローターとを備えるとともに、該ローターは、前記接続部の内部に設けられた、前記第1のガス供給路を流れた前記ガスを前記ローターの下面側に排出するための第2のガス供給路と、該第2のガス供給路を流れたガスを外縁方向に流したのちに外部に排出するための排出路と、前記接続部の下方であって、かつ前記排出路よりも上方に位置し、前記排出路と繋がる空間と、を有してなり、前記空間の径が、前記第2のガス供給路の径より大きく、前記ローターは、前記接続部を有する板状体と、該板状体の下面側に設けられた、外縁に向かって延びる複数の第1の隔壁および前記外縁に沿って間隔を空けて配置された複数の第2の隔壁を有してなり、前記第1の隔壁と前記第2の隔壁とは非接触となるよう配置されており、前記第1の隔壁と前記第2の隔壁と前記板状体とで囲まれた空間が前記排出路とされていることを特徴とする溶湯金属攪拌用回転体。
  3. 前記第1の隔壁の前記空間側において、前記第1の隔壁の高さが前記空間に向かって漸次低くなっていることを特徴とする請求項に記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  4. 前記ローターを下面側から平面視したとき、前記第1の隔壁が、前記空間の縁と間を空けて位置することを特徴とする請求項に記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  5. 前記第1の隔壁の高さが前記第2の隔壁の高さ以下であることを特徴とする請求項また
    は請求項に記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  6. 前記第1の隔壁が前記外縁と接して配置されていることを特徴とする請求項2、請求項4または請求項に記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  7. 前記第2の隔壁の間における前記外縁の少なくとも一部が第2の切り欠き部とされていることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれかに記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  8. 前記第2の隔壁が、前記第2の切り欠き部に沿って設けられていることを特徴とする請求項に記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  9. 前記排出路が前記外縁方向に向けて下向きに傾斜していることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の溶湯金属攪拌用回転体。
  10. 溶湯金属を入れる容器と、連結具を介して回転駆動機構に接続された請求項1乃至請求項のいずれかに記載の溶湯金属攪拌用回転体とを備えていることを特徴とする溶湯金属処理装置。
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