JP6215234B2 - 鼻咽頭癌の治療方法 - Google Patents

鼻咽頭癌の治療方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6215234B2
JP6215234B2 JP2014554798A JP2014554798A JP6215234B2 JP 6215234 B2 JP6215234 B2 JP 6215234B2 JP 2014554798 A JP2014554798 A JP 2014554798A JP 2014554798 A JP2014554798 A JP 2014554798A JP 6215234 B2 JP6215234 B2 JP 6215234B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nfκb
compound
formula
iii
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014554798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015508058A (ja
Inventor
スティーブン ジェイ. ブレイクモア,
スティーブン ジェイ. ブレイクモア,
バッコ, アレッサンドラ エム. ディ
バッコ, アレッサンドラ エム. ディ
ジョージ ジェイ. マリガン,
ジョージ ジェイ. マリガン,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Millennium Pharmaceuticals Inc
Original Assignee
Millennium Pharmaceuticals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Millennium Pharmaceuticals Inc filed Critical Millennium Pharmaceuticals Inc
Publication of JP2015508058A publication Critical patent/JP2015508058A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6215234B2 publication Critical patent/JP6215234B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/69Boron compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0053Mouth and digestive tract, i.e. intraoral and peroral administration
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F5/00Compounds containing elements of Groups 3 or 13 of the Periodic System
    • C07F5/02Boron compounds
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/574Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for cancer
    • G01N33/57407Specifically defined cancers
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/435Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
    • G01N2333/46Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans from vertebrates
    • G01N2333/47Assays involving proteins of known structure or function as defined in the subgroups

Description

優先権出願
本出願は、2012年1月24日に出願された米国特許仮出願第61/590,115号に対する優先権を主張する。前述の出願の全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
本出願は、電子的に読み取り可能な形式で、本明細書と一緒に提出される配列表を含む。本電子配列ファイルは、2013年1月22日に作成され、「sequencelisting.txt」と題し、16.8キロバイト(17,249バイト)の大きさを有する。この電子sequencelisting.txtファイルの配列表の全内容が、この参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、プロテアソーム阻害剤を用いた鼻咽頭癌の治療方法を提供する。
鼻咽頭癌は、その表面を覆い、鼻咽頭を内張りする上皮細胞から生じる頭頸部癌の亜型である。鼻咽頭癌の発生は、ヨーロッパおよび米国において100,000人当たり1年間に約0.5〜2の新規の症例が報告されている。Rottey et al.,Curr.Opin.Oncol.,23(3):254−258(2011)。世界保健機関(WHO)分類で認識されている鼻咽頭癌の3つの亜型:(i)1型−典型的には、高齢者集団において見られる扁平上皮細胞癌、(ii)2型−非角化型癌、および(iii)3型−未分化型癌、がある。鼻咽頭癌に対する治療は、多くの場合、放射線治療および/または化学療法を含む。依然として、鼻咽頭癌に罹患している患者のための新規かつ改善された治療の継続的必要性がある。プロテアソーム阻害剤を用いた治療から利益を得る可能性が最も高い鼻咽頭癌患者を同定することが、依然として必要である。
プロテアソーム阻害剤は、癌治療において重要な新規戦略を示す。King et al.,Science 274:1652−1659(1996)は、ユビキチン−プロテアソーム経路が細胞周期、新生物の増殖、および転移の調節に果たす重要な役割を記載している。著者らは、サイクリンを含む多数の主要調節タンパク質、ならびにサイクリン依存性キナーゼp21およびp27KIP1が、ユビキチン−プロテアソーム経路によって、細胞周期の間に一時的に分解されることを教示している。これらのタンパク質の順序付けされた分解が、細胞が細胞周期を経て進行し、有糸***を起こすために必要である。
プロテアソーム阻害剤VELCADE(登録商標)(ボルテゾミブ、N−2−ピラジンカルボニル−L−フェニルアラニン−L−ロイシンボロン酸)は、規制認可を得た最初のプロテアソーム阻害剤である。Mitsiades et al.,Current Drug Targets,7:1341(2006)は、少なくとも1回の事前治療を受けた多発性骨髄腫患者の治療のためのボルテゾミブの認可をもたらした臨床研究を検証している。Fisher et al.,J.Clin.Oncol.,30:4867は、再発性または難治性マントル細胞リンパ腫に罹患している患者におけるボルテゾミブの活性を確認する国際多施設第II相研究を記載している。Ishii et al.,Anti−Cancer Agents in Medicinal Chemistry,7:359(2007)、およびRoccaro et al.,Curr.Pharm.Biotech.,7:1341(2006)は、ボルテゾミブの抗腫瘍活性に寄与し得る多数の分子機構について考察している。プロテアソーム阻害剤MLN9708[2,2’−{2−[(1R)−1−({[(2,5−ジクロロベンゾイル)アミノ]アセチル}アミノ)−3−メチルブチル]−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4,4−ジイル}二酢酸]は、現在、血液癌および固形癌に対する臨床評価を受けているところである。MLN9708は、水溶液または血漿への曝露時に、活性形態[(1R)−1−({[(2,5−ジクロロベンゾイル)アミノ]アセチル}アミノ)−3−メチルブチル]ボロン酸(MLN2238)に急速に加水分解するクエン酸エステルである。MLN9708は、様々な血液腫瘍および固形腫瘍の異種移植片モデルにおいて抗腫瘍活性を示している(Kupperman et al.(2010)Cancer Res.70:1970−1980)。
Rottey et al.,Curr.Opin.Oncol.,23(3):254−258(2011) King et al.,Science 274:1652−1659(1996) Mitsiades et al.,Current Drug Targets,7:1341(2006) Fisher et al.,J.Clin.Oncol.,30:4867 Ishii et al.,Anti−Cancer Agents in Medicinal Chemistry,7:359(2007) Roccaro et al.,Curr.Pharm.Biotech.,7:1341(2006) Kupperman et al.(2010)Cancer Res.70:1970−1980
本発明は、鼻咽頭癌に罹患している患者がMLN9708を用いた治療に応答するという発見に関する。一態様において、本発明は、鼻咽頭癌に罹患している患者から得られ、MLN9708に応答する細胞を含む生体試料中の核因子カッパ−B RelA 65,000ダルトンのサブユニット(NFκB p65)の発現の増加の発見に関する。したがって、本発明は、患者からの試料がNFκB p65の発現の上昇を示す場合、MLN9708を用いて鼻咽頭癌患者を治療することを特徴とする。
上記に加えて、本発明は以下を提供する:
(項目1)
鼻咽頭癌の治療方法であって、鼻咽頭癌腫瘍試料が核因子カッパ−B(NFκB)p65免疫組織化学(IHC)アッセイによって測定される201〜300のHスコアを有することを特徴とする患者に、治療上有効量の式(I)の化合物:

またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を投与することを含み、
式中、Z およびZ はそれぞれ独立して、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、またはアラルコキシであるか、あるいはZ およびZ が一緒になって、ボロン酸錯化剤に由来する部分を形成する、前記方法。
(項目2)
前記NFκB p65 IHCアッセイによって測定される前記Hスコアが、230〜300である、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記NFκB p65 IHCアッセイによって測定される前記Hスコアが、250〜300である、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1の配列を有するタンパク質に結合する抗体の使用を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1、2、3、および4の配列を有するタンパク質の総量を測定する、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、細胞質中に存在する前記NFκB p65の量を測定する、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記式(I)の化合物が、静脈内投与される、項目1〜6のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記式(I)の化合物が、経口投与される、項目1〜6のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記式(I)の化合物が、28日周期のうちの1、8、および15日目に投与される、項目1〜6のいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記式(I)の化合物が、21日周期のうちの1、4、8、および11日目に投与される、項目1〜6のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記式(I)の化合物が、式(III−A):
を特徴とするか、またはその薬学的組成物である、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記NFκB p65 IHCアッセイによって測定される前記Hスコアが、230〜300である、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記NFκB p65 IHCアッセイによって測定される前記Hスコアが、250〜300である、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1の配列を有するタンパク質に結合する抗体の使用を含む、項目11に記載の方法。
(項目15)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1、2、3、および4の配列を有するタンパク質の総量を測定する、項目11に記載の方法。
(項目16)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、細胞質中に存在する前記NFκB p65の量を測定する、項目11に記載の方法。
(項目17)
前記式(III−A)の化合物が、静脈内投与される、項目11〜16のいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記式(III−A)の化合物が、経口投与される、項目11〜16のいずれかに記載の方法。
(項目19)
前記式(III−A)の化合物が、1つ以上のカプセルで投与される、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記式(III−A)の化合物が、28日周期のうちの1、8、および15日目に投与される、項目11〜16のいずれかに記載の方法。
(項目21)
前記式(III−A)の化合物が、21日周期のうちの1、4、8、および11日目に投与される、項目11〜16のいずれかに記載の方法。
(項目22)
前記式(III−A)の化合物の量が、前記式(II)の化合物の量に基づいて約2.3mg〜約5.5mgである、項目11〜16のいずれかに記載の方法。
(項目23)
式(I)の化合物:

またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を用いて、鼻咽頭癌に罹患している患者を治療するかどうかを決定するための方法であって、
式中、Z およびZ はそれぞれ独立して、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、またはアラルコキシであるか、あるいはZ およびZ が一緒になって、ボロン酸錯化剤に由来する部分を形成し、
a)前記患者からの鼻咽頭癌腫瘍試料中のNFκB p65のレベルを、NFκB p65 IHCアッセイによって決定されるHスコアとして測定することと、
b)前記鼻咽頭癌腫瘍試料が、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される201〜300のHスコアを有することを特徴とする場合、治療上有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を用いて、前記患者を治療することを決定することと、を含む、前記方法。
(項目24)
前記NFκB p65 IHCアッセイによって測定される前記Hスコアが、230〜300である、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記NFκB p65 IHCアッセイによって測定される前記Hスコアが、250〜300である、項目23に記載の方法。
(項目26)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1の配列を有するタンパク質に結合する抗体の使用を含む、項目23に記載の方法。
(項目27)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1、2、3、および4の配列を有するタンパク質の総量を測定する、項目23に記載の方法。
(項目28)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、細胞質中に存在する前記NFκB p65の量を測定する、項目23に記載の方法。
(項目29)
前記式(I)の化合物が、静脈内投与される、項目23〜28のいずれかに記載の方法。
(項目30)
前記式(I)の化合物が、経口投与される、項目23〜28のいずれかに記載の方法。
(項目31)
前記式(I)の化合物が、28日周期のうちの1、8、および15日目に投与される、項目23〜28のいずれかに記載の方法。
(項目32)
前記式(I)の化合物が、21日周期のうちの1、4、8、および11日目に投与される、項目23〜28のいずれかに記載の方法。
(項目33)
前記式(I)の化合物が、式(III−A):

を特徴とするか、またはその薬学的組成物である、項目23に記載の方法。
(項目34)
前記NFκB p65 IHCアッセイによって測定される前記Hスコアが、230〜300である、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記NFκB p65 IHCアッセイによって測定される前記Hスコアが、250〜300である、項目33に記載の方法。
(項目36)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1の配列を有するタンパク質に結合する抗体の使用を含む、項目33に記載の方法。
(項目37)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1、2、3、および4の配列を有するタンパク質の総量を測定する、項目33に記載の方法。
(項目38)
前記NFκB p65 IHCアッセイが、細胞質中に存在する前記NFκB p65の量を測定する、項目33に記載の方法。
(項目39)
前記式(III−A)の化合物が、静脈内投与される、項目33〜38のいずれかに記載の方法。
(項目40)
前記式(III−A)の化合物が、経口投与される、項目33〜38のいずれかに記載の方法。
(項目41)
前記式(III−A)の化合物が、1つ以上のカプセルで投与される、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記式(III−A)の化合物が、28日周期のうちの1、8、および15日目に投与される、項目33〜38のいずれかに記載の方法。
(項目43)
前記式(III−A)の化合物が、21日周期のうちの1、4、8、および11日目に投与される、項目33〜38のいずれかに記載の方法。
(項目44)
前記式(III−A)の化合物の量が、前記式(II)の化合物の量に基づいて約2.3mg〜約5.5mgである、項目33〜38のいずれかに記載の方法。
以下の実施例2に記載される頭頸部癌試料における、NFκB p65 IHCアッセイによって測定されるHスコアを示す。 図2A〜2Bは、NFκB p65のイソ型の配列を比較する多重配列アラインメント(Clustal W方法)を示す。NFκB p65イソ型1は配列番号1であり、NFκB p65イソ型2は、配列番号2であり、NFκB p65イソ型3は配列番号3であり、NFκB p65イソ型4は配列番号4である。アラインメント中の残基の下のアスタリスク()は、この残基がすべての4つのイソ型において同一であることを示す。アラインメント中の配列中の位置の中線(−)は、このアラインメントが、アラインメント中の別のイソ型に示される残基によって占有される位置にその配列からの残基を配置できないことを示す。 同上。
本発明は、鼻咽頭癌を治療するための方法を提供し、本方法は、治療上有効量の式(I)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を投与することを含み、
式中、ZおよびZはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、またはアラルコキシであるか、あるいはZおよびZが一緒になって、ボロン酸錯化剤に由来する部分を形成する。
本発明は、鼻咽頭癌を治療するための方法を提供し、本方法は、鼻咽頭癌腫瘍試料がNFκB p65のレベルの上昇を有することを特徴とする患者に、治療上有効量の式(I)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を投与することを含み、
式中、ZおよびZはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、またはアラルコキシであるか、あるいはZおよびZが一緒になって、ボロン酸錯化剤に由来する部分を形成する。
いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌の治療方法は、鼻咽頭癌腫瘍試料がNFκB p65 IHCアッセイによって測定される201〜300のHスコアを有することを特徴とする患者に、治療上有効量の式(I)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を投与することを含み、
式中、ZおよびZはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、またはアラルコキシであるか、あるいはZおよびZが一緒になって、ボロン酸錯化剤に由来する部分を形成する。
いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌の治療方法は、鼻咽頭癌腫瘍試料がNFκB p65 IHCアッセイによって測定される201〜300のHスコアを有することを特徴とする患者に、治療上有効量の式(III−A)の化合物:
またはその薬学的組成物を投与することを含む。
別の態様において、本発明は、式(I)の化合物:
またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を用いて、鼻咽頭癌に罹患している患者を治療するかどうかを決定するための方法を提供し、
式中、ZおよびZはそれぞれ独立して、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、またはアラルコキシであるか、あるいはZおよびZが一緒になって、ボロン酸錯化剤に由来する部分を形成し、
本方法は、
a)この患者からの鼻咽頭癌腫瘍試料中のNFκB p65のレベルを、NFκB p65 IHCアッセイによって決定されるHスコアとして測定することと、
b)この鼻咽頭癌腫瘍試料が、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される201〜300のHスコアを有することを特徴とする場合、治療上有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を用いて、この患者を治療することを決定することと、を含む。
単独でまたはより大きい部分の一部として使用される「アルキル」という用語は、1〜12個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖または環状の脂肪族基を指す。「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基を指す。
例えば、「アラルキル」、「アラルコキシ」、または「アリールオキシアルキル」等の単独でまたはより大きい部分の一部として使用される「アリール」または「ar−」という用語は、1〜3個の環を含むC〜C14芳香族炭化水素を指し、その各々は、任意に置換される。好ましくは、アリール基は、C6−10アリール基である。アリール基としては、フェニル、ナフチル、およびアントラセニルが挙げられるが、これらに限定されない。「アラルキル」または「アリールアルキル」基は、アルキル基と共有結合したアリール基を含み、これらのいずれかは独立して、任意に置換される。好ましくは、アラルキル基としては、ベンジル、フェネチル、およびナフチルメチルが挙げられるが、これらに限定されない、C6−10アリール(C1−6)アルキル、C6−10アリール(C1−4)アルキル、またはC6−10アリール(C1−3)アルキルである。
本明細書に使用される「置換される」という用語は、置換が安定したまたは化学的に実現可能な化合物をもたらすという条件で、指定された部分の水素基が、特定の置換基で置き換えられることを意味する。好適な置換基の限定されない例には、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキル(C3−8)シクロアルキル、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、シアノ、アミノ、C1−6アルキルアミノ、ジ(C1−6)アルキルアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、ニトロ、カルボキシ、カルボ(C1−6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1−6アルコキシ、C6−10アリール、C6−10アリール(C1−6)アルキル、C6−10アリール(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルスルホニル、C6−10アリールチオ、C6−10アリールスルフィニル、C6−10アリールスルホニル、C6−10アリール、C1−6アルキル(C6−10)アリール、およびハロ(C6−10)アリールが含まれる。
本明細書に使用される「1つ以上の置換基」という語句は、安定性および化学的実現可能性の上記の条件を満たすという条件で、利用可能な結合部位の数に基づいて、1から可能な限り最大数の置換基に等しい多数の置換基を指す。別途指示のない限り、任意に置換された基は、基の各置換可能な位置において置換基を有してもよく、この置換基は、同一であっても、異なっていてもよい。本明細書に使用される「独立して選択される」という用語は、単一化合物における所与の変数の複数の場合に対して、同一または異なる値が、選択されてもよいことを意味する。
別途明確に示されていない限り、「プロテアソーム」という用語は、構造的プロテアソーム、免疫プロテアソーム、または両方を指すように意図されている。
「約」という用語は、およそ、〜の範囲の、ほぼ、またはぐらい、を意味するように本明細書に使用される。「約」という用語が数値範囲とともに使用される場合、記載されている数値の上下の限界を拡張することによって、その範囲を修正する。一般に、「約」という用語は、示された値の上下10%の差異で修正するように、本明細書に使用される。
本明細書に使用される「含む(comprises)」という用語は、「〜を含むが、これらに限定されない」という意味である。
本明細書に使用される「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを意味する。
本明細書に使用される「癌」という用語は、制御されないまたは調節されない細胞増殖、細胞分化の減少、周囲組織を侵襲する不適切な能力、および/または異所性部位において新しい成長を確立する能力を特徴とする細胞障害を指す。「癌」という用語は、原発性および転移性癌をさらに包含する。
本明細書に使用される「治療上有効量」という用語は、患者への適切な投与時に、(a)治療されるべき障害または疾患状態の重症度の検出可能な減少を生じるため、(b)疾患または障害の患者の症状を寛解または軽減するため、あるいは(c)治療されるべき障害または疾患状態の進行を遅延または防ぐ、あるいはそうでなければ、治療されるべき障害または疾患状態を安定化させるまたはその安定性を延長させる(例えば、癌のさらなる腫瘍増殖を防ぐ)ために十分な量を意味する。任意の特定の患者に対する具体的な投与量および治療計画は、採用される特定の化合物の活性、患者の年齢、体重、健康全般、性別、および食習慣、投与時間、***速度、併用薬剤、治療する医師の判断、ならびに治療されるべき特定の疾患の重症度を含む、様々な因子によって異なることも理解されるべきである。
本明細書に使用される「鼻咽頭癌を治療する」という用語は、鼻咽頭癌に罹患している、またはそれを発症もしくは再発を経験するリスクを有する患者を治療することを意味する。
本明細書に使用される「IHC」という用語は、免疫組織化学を意味する。IHCは、生体組織中の抗原に特異的に結合する抗体の原理を活用することによって組織切片の細胞中の抗原(例えば、タンパク質)を検出するプロセスを指す。
本明細書に使用される「NFκB p65 IHCアッセイ」または「核因子カッパ−B p65免疫組織化学アッセイ」という用語は、p65(NFKB3、GenPept受託番号NP_068810もしくはそのイソ型;RELA遺伝子ID 5970の生成物;p65およびそのイソ型と関連する配列は、National Institute for Biotechnology Information(Bethesda,MD)によって維持されるウェブサイトで見出され得る)に結合する抗体またはその抗原結合断片(Fv、Fab、scFv、Fab’、もしくはF(ab’))を使用することによって、鼻咽頭腫瘍試料の組織切片中のNFκB p65タンパク質の量を測定するIHCアッセイを指す。p65抗体もしくはその抗体断片は、当業者によって調製され得るか、または商業的に購入され得る。いくつかの実施形態において、p65抗体は、ウサギモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、p65抗体は、ウサギポリクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、p65抗体は、ヤギポリクリーナル抗体である。NFκB p65 IHCアッセイは、インビトロアッセイであり得る。
NFκB p65に結合する抗体(抗NFκB p65抗体)は、例えば、Cell Signaling Technology(Danvers,MA)、Invitrogen Corporation(Camarillo CA)、Santa Cruz Biotechnology,Inc.(Santa Cruz,CA)、Abcam(Cambridge,MA)、Rockland Immunochemicals,Inc.(Gilbertsville,PA)、Novus Biologicals(Littleton,CO)、またはBD Biosciences(San Jose,CA)等の商業的供給源から容易に入手可能である。代替として、NFκB p65に結合する抗体は、当業者に知られている多くの方法のうちのいずれかによって、例えば、ニワトリ、マウス、ラット、イヌ、ヒツジ、ウシ、ヤギ、もしくはウサギ等の動物を、NFκB p65もしくはその一部、例えば、総タンパク質から単離または切断され、精製されたペプチドを用いて免疫化することによって生成され得るか、あるいは、部分長タンパク質として組換え発現され得るか、あるいは、化学的に合成され得る。いくつかの実施形態において、動物はウサギである。いくつかの実施形態において、動物はヤギである。抗体を生成および単離する方法についてのさらなる詳細は、Antibodies:A Laboratory Manual(1988)Harlow and Lane,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY等の参考テキストにおいて見出され得る。
本明細書に使用される「抗体」という用語は、最も広義に使用され、具体的には、完全長モノクローナル抗体、免疫グロブリン、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの完全長抗体から、例えば、各々、異なる抗原もしくはエピトープに形成される多特異的抗体(例えば二重特異的抗体)、ならびにdAbs、scFv、Fab、F(ab)’、Fab’を含む個々の抗原結合断片を網羅し、これには、ヒト、ヒト化、および非ヒト種からの抗体、ならびにモノボディおよびダイアボディ等の組換え抗原結合形態が含まれる。
現像、すなわち、NFκB p65 IHCアッセイの抗体結合の可視化およびNFκB p65の量の測定のための処理は、当技術分野で公知の様々な方法によるものであり得る。NFκB p65に結合する抗体の現像および定量化は、検出可能な標識によるものであり得る。標識化は、直接的または間接的であり得る。この標識は、比色分析、蛍光、または放射性であり得る。いくつかの実施形態において、NFκB p65に直接結合する抗体は、検出可能な標識を含む。他の実施形態において、現像は、標識を含み、NFκB p65結合抗体に結合する、試薬、例えば、二次抗体またはビオチン−アビジン錯体によるものである。
本明細書に使用される「Hスコア」という用語は、鼻咽頭癌腫瘍試料に対する免疫組織学的スコアを意味するために使用される。腫瘍の免疫組織学的染色の程度を正確に記載するために、腫瘍細胞中の各サブ細胞内コンパートメントにおけるIHC染色の度合いが、もしあれば、各検体に対して捕捉される。このアルゴリズムは、各強度レベルで染色された腫瘍細胞の割合を捕捉することを含む。染色なしの0から最も強烈な染色の3+までの範囲に及ぶ半定量的強度スケールが使用される。この情報のすべてが、別々に分析され得るか、または単なる正対負よりも連続的な、Hスコアと呼ばれる変数を計算するために使用され得る。このスコアは、切片上の全腫瘍の染色をより表すものである。所与の切片が同一の単純な強度スコアを共有する場合があるが、90%を上回る細胞が染色される場合の3+と比較して、わずか10%の細胞の染色を有する場合の3+との間には差がある。この差は、Hスコア方法を使用して容易に見つけることができる。Hスコアは、典型的には、Hスコア=(0での細胞の割合(%))0+(1+での細胞の割合(%))1+(2+での細胞の割合(%))2+(3+での細胞の割合(%))3の式を使用して、正常な細胞と腫瘍細胞の両方に対する各サブ細胞内コンパートメントの染色について計算される。したがって、このスコアは、0〜300の範囲に及ぶ連続的変数を生じる。
IHCアッセイについては、対照は、例えば、陽性NFκB p65の量を有する細胞株と末梢血白血球の混合物等の標的陽性細胞と非標的細胞の混合から調製される細胞ブロックのパラフィン切片を含んでもよい(Liu et al.(2002)Am.J.Clin Pathol.118:216)。これらの細胞ブロックは、10%、30%、50%、80%、および90%のレベルで標的細胞の混合物を含有し得る。
NFκB p65 IHCアッセイ等のNFκB p65の量の上昇を測定するためのアッセイのための他の対照は、非癌性鼻咽頭組織の試料であり得る。一実施形態において、非癌性鼻咽頭組織の試料は、鼻咽頭腫瘍試料が同一の組織標本または別の組織標本のいずれかで得られる同一の患者から腫瘍の周辺で得られた鼻咽頭組織であり得る。別の実施形態において、非癌性鼻咽頭組織の試料は、鼻咽頭癌を患っていない、ヒト等の動物からの鼻咽頭組織であり得る。アッセイ性能についての対照は、NFκB p65発現の公知の高いまたは低い量を有する組織を含み得る。例えば、へんとう腺等のB細胞成熟中心体を有する組織は、NFκB p65発現の高いレベルを有し得、陽性対照としての役割を果たし得る。逆に、活性が低い組織は、陰性対照としての役割を果たし得る。好適な陰性対照は、非癌性成人肝臓試料であり得る。
いくつかの実施形態において、Hスコアは、訓練を受けた病理学者によって手動で決定される。いくつかの実施形態において、Hスコアは、自動細胞イメージングシステムおよびソフトウェアを使用して決定される。いくつかの実施形態において、Hスコアは、自動スコアリング法を追加して、訓練を受けた病理学者により決定される。例えば、Choudhury et al.,J.Histochem.Cytochem.58:95−107(2010)を参照のこと。
Hスコアは、1〜300の数値が与えられ得るか、または低い、中位、および高い等の値を使用して表され得る。本明細書に使用される、低いHスコアは、10〜100と定義され、中位のHスコアは、101〜200と定義され、高いHスコアは、201〜300と定義される。
腫瘍試料中のNFκB p65のレベルはまた、ウエスタンブロット法およびELISA技術を用いた抗NFκB p65抗体を使用することによって測定され得る。このような方法のために、溶解物は、組織または腫瘍試料のホモジネートから作製される。示差溶解および単離技術は、核を細胞質から分離して、細胞質NFκB p65の定量化とは別に、核NFκB p65の定量化を可能にすることができる。このような測定のために溶解された細胞または組織のホモジネートは、分解に対してタンパク質の構造を保護するために、当技術分野で公知のプロテアーゼ阻害剤等の適切な阻害剤を有し得る。NFκB p65レベルは、NFκB p65帯強度を計算するために、ソフトウェアを使用することによってウエスタンブロット法により定量化され得る。いくつかのELISAアッセイは、溶解物からNFκB p65を捕捉し、続いて、抗NFκB p65抗体を用いた検出および定量化のために、NFκB p65によって結合されたNF−κB DNA応答要素を含み得る。
腫瘍試料中のNFκB p65発現のレベルはまた、凍結組織切片等の組織切片または透過性単離細胞に結合する抗NFκB p65抗体等のレベルを免疫蛍光法によって測定され得る。
腫瘍試料中のNFκB p65発現のレベルはまた、NFκB p65 mRNA(GenBank NM_021975またはその変異体、例えば、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4からなる群から選択される配列のうちのいずれかをコードする核酸)を検出するプローブおよび/またはそれを増幅するプライマーを使用して、RT−PCRによって測定され得る。RNAは、当業者に公知の方法によって、新鮮な組織または腫瘍試料のいずれかから、または腫瘍試料のパラフィン包理切片から得られ得る。NFκB p65の発現はまた、NFκB応答要素で標的された遺伝子の分析から推測され得る。この分析は、NFKB1AおよびCCND2等の遺伝子の定量化をさらに含むことができる。Weichert et al.,B.J.Cancer 97:523−530(2007)を参照のこと。
別途記載されない限り、本明細書に示される構造はまた、1つ以上の同位体が濃縮された原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、重水素もしくは三重水素による水素原子の置き換え、または13C−または14C濃縮炭素による炭素原子の置き換えを除いて、本発明の構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
本明細書に使用される「ボロン酸」という用語は、−B(OH)部分を含有する化合物を指す。いくつかの実施形態において、ボロン酸化合物は、ボロン酸部分の脱水によってオリゴマー無水物を形成することができる。例えば、Snyder et al.,J.Am.Chem.Soc.80:3611(1958)は、オリゴマーアリールボロン酸について報告している。
本明細書に使用される「ボロン酸無水物」という用語は、1つ以上の水分子を喪失した、ボロン酸化合物の2つ以上の分子の組み合わせによって形成される化合物を指す。水と混合される場合、ボロン酸無水化合物は水和され、遊離ボロン酸化合物を放出する。様々な実施形態において、ボロン酸無水物は、2つ、3つ、4つ、もしくはそれ以上のボロン酸単位を含むことができ、環状または直線上の構造を有することができる。本発明のペプチドボロン酸化合物のオリゴマーボロン酸無水物の限定されない例を、以下に例示する。
真上にある式(1)および(2)において、変数nは、0〜約10、好ましくは0、1、2、3、または4の整数である。いくつかの実施形態において、ボロン酸無水物化合物は、式(2)の環状三量体(「ボロキシン」)を含み、式中、nは1である。変数Wは、式(3)を有する。
いくつかの実施形態において、ボロン酸無水物化合物中に存在する少なくとも80%のボロン酸が、単一のオリゴマー無水物の形で存在する。いくつかの実施形態において、ボロン酸無水物化合物中に存在する少なくとも85%、90%、95%、または99%のボロン酸が、単一のオリゴマー無水物の形で存在する。ある好ましい実施形態において、ボロン酸無水物化合物は、式(3)を有するボロキシンからなるか、または実質的にボロキシンからなる。
ボロン酸無水物化合物は、好ましくは、再結晶化、凍結乾燥、熱への曝露、および/または乾燥剤への曝露を含むが、これらに限定されない、脱水条件への曝露によって、対応するボロン酸から調製することができる。好適な再結晶溶媒の限定されない例としては、酢酸エチル、ジクロロメタン、ヘキサン、エーテル、アセトニトリル、エタノール、およびこれらの混合物が挙げられる。
いくつかの実施形態において、ZおよびZが一緒になって、OlhavaおよびDancaの米国特許第7,442,830号、第7,867,662号、および第8,003,819号に開示される、ボロン酸錯化剤に由来する部分を形成し、これらのすべてが、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本発明の目的のために、「ボロン酸酸錯化剤」は、少なくとも2個の官能基を有する任意の化合物を指し、これらのそれぞれが、ボロンとの共有結合を形成することができる。好適な官能基の限定されない例としては、アミノ、ヒドロキシル、およびカルボキシルが挙げられる。いくつかの実施形態において、官能基のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシル基である。「ボロン酸酸錯化剤に由来する部分」という用語は、ボロン酸酸錯化剤の2個の官能基から水素原子を除去することによって形成される部分を指す。
本明細書に使用される「ボロン酸エステル(boronate ester)」および「ボロン酸エステル(boronic ester)」という用語は、置き換え可能に使用され、−B(Z)(Z)部分を含有する化合物を指し、式中、ZまたはZのうちの少なくとも1つが、アルコキシ、アラルコキシ、もしくはアリールオキシであるか、あるいはZおよびZが一緒になって、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するボロン酸酸錯化剤に由来する部分を形成する。
いくつかの実施形態において、ZおよびZはそれぞれ、ヒドロキシであり、式(I)の化合物は、式(II):
を特徴とするか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物である。
式(II)の化合物[(1R)−1−({[(2,5−ジクロロベンゾイル)アミノ]アセチル}アミノ)−3−メチルブチル]ボロン酸(MLN2238)は、OlhavaおよびDancaの米国特許第7,442,830号に開示されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの他の実施形態において、ZおよびZが一緒になって、鎖または環において少なくとも2個の連結原子によって分離される、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物に由来する部分を形成し、該鎖または環は、炭素原子、および任意に、N、S、またはOであり得るヘテロ原子(複数可)を含み、各場合において、ボロンに結合する原子は、酸素原子である。
本明細書で採用される「少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物」という用語は、2個以上のヒドロキシル基を有する任意の化合物を指す。本発明の目的のために、この2個のヒドロキシル基は、好ましくは、少なくとも2個の連結原子、好ましくは約2〜約5個の連結原子、より好ましくは2個または3個の連結原子によって分離される。便宜上、「ジヒドロキシ化合物」という用語は、上で定義される、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物を指すために使用されてもよい。したがって、本明細書で採用される「ジヒドロキシ化合物」という用語は、2個のみのヒドロキシル基を有する化合物に限定されることは意図されない。少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物に由来する部分は、そのヒドロキシル基のうちのいずれか2個の酸素原子によってボロンと結合してもよい。好ましくは、ホウ素原子、ホウ素に結合する酸素原子、および2個の酸素原子を連結する原子が一緒になって、5または6員環を形成する。
本発明の目的のために、ボロン酸錯化剤は、好ましくは薬学的に許容される、すなわち、ヒトへの投与に好適である。いくつかの好ましい実施形態において、ボロン酸錯化剤は、例えば、Plamondonらの国際公開第WO02/059131号およびGuptaらの国際公開第WO02/059130号に記載される、糖である。「糖」という用語は、単糖類、二糖類、多糖類、糖アルコール類、およびアミノ糖類を含む、任意のポリヒドロキシ炭水化物部分を含む。いくつかの実施形態において、糖は、単糖、二糖、糖アルコール、またはアミノ糖である。好適な糖の限定されない例としては、グルコース、スクロース、果糖、トレハロース、マンニトール、ソルビトール、グルコサミン、およびN−メチルグルコサミンが挙げられる。ある特定の実施形態において、糖は、マンニトールまたはソルビトールである。したがって、糖が、マンニトールまたはソルビトールである実施形態において、ZおよびZが一緒になって、式C12の部分を形成し、2個の脱プロトン化ヒドロキシル基の酸素原子が、ホウ素との共有結合を形成し、ボロン酸エステル化合物を形成する。ある特定の実施形態において、ZおよびZが一緒になって、米国特許第7,442,830号に開示される、D−マンニトールに由来する部分を形成し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、ボロン酸錯化剤は、例えば、Elliottらの国際公開第WO09/154737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される、アルファ−ヒドロキシカルボン酸またはベータ−ヒドロキシカルボン酸である。いくつかの実施形態において、ボロン酸錯化剤は、グリコール酸、リンゴ酸、ヘキサヒドロマンデル酸、クエン酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、マンデル酸、乳酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、ベータ−ヒドロキシイソ吉草酸、サリチル酸、酒石酸、ベンジル酸、グルコヘプトン酸、マロン酸、ラクトビオン酸、ガラクタル酸、エンボン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、および3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなる群から選択される。ある特定の実施形態において、ボロン酸錯化剤は、クエン酸である。
ある特定の実施形態において、アルファ−ヒドロキシカルボン酸またはベータ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、式(I)の化合物は、式(III−A)または(III−B):
を特徴とするか、またはその混合物またはその薬学的組成物である。
ある特定の実施形態において、アルファ−ヒドロキシカルボン酸またはベータ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、式(I)の化合物は、式(III−A):
を特徴とするか、またはその薬学的組成物である。
式(III−A)の化合物2,2’−{2−[(1R)−1−({[(2,5−ジクロロベンゾイル)アミノ]アセチル}アミノ)−3−メチルブチル]−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4,4−ジイル}二酢酸(MLN9708)は、Elliottらの国際公開第WO09/154737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される。
本発明は、鼻咽頭癌の治療方法を提供し、本方法は、治療上有効量の式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を、それを必要とする患者に投与することを含む。いくつかの実施形態において、本発明は、鼻咽頭癌の治療方法を提供し、本方法は、治療上有効量の式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、鼻咽頭癌の治療で使用するために、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、鼻咽頭癌の治療で使用するために、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、鼻咽頭癌の治療のために、薬学的組成物(本明細書に記載される)の調製のために、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくはボロン酸無水物の使用を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、鼻咽頭癌の治療のために、薬学的組成物(本明細書に記載される)の調製のために、式(III−A)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、鼻咽頭癌の治療のために、治療上有効量の式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩またはボロン酸無水物の使用を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、鼻咽頭癌の治療のために、治療上有効量の式(III−A)の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、患者の鼻咽頭癌腫瘍試料における、NFκB p65のレベルの上昇に基づいて応答する可能性がある、鼻咽頭癌に罹患している患者を同定することに基づいて、治療上有効量の、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を用いて、鼻咽頭癌に罹患している患者を治療するかどうかを決定する方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、患者の鼻咽頭癌腫瘍試料における、NFκB p65のレベルの上昇に基づいて応答する可能性がある、鼻咽頭癌に罹患している患者を同定することに基づいて、治療上有効量の式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物を用いて、鼻咽頭癌に罹患している患者を治療するかどうかを決定する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、NFκB p65のレベルの上昇を有する患者において、鼻咽頭癌の治療で使用するために、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)のうちのいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される201〜300のHスコアを有する患者において、鼻咽頭癌の治療で使用するために、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)のうちのいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される201〜300のHスコアを有する患者において、鼻咽頭癌の治療で使用するために、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、患者からの鼻咽頭腫瘍試料をアッセイすることと、患者の鼻咽頭腫瘍がNFκB p65のレベルの上昇を有するかどうかを決定することと、患者の鼻咽頭腫瘍がNFκB p65のレベルの上昇を有する場合、治療上有効量の、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)のうちのいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を投与することと、を含む、患者において、鼻咽頭癌の治療で使用するために、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)のうちのいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、患者からの鼻咽頭腫瘍試料をアッセイすることと、患者の鼻咽頭腫瘍がIHCアッセイによって測定される201〜300のNFκB p65レベルを有するかどうかを決定することと、患者の鼻咽頭腫瘍がIHCアッセイによって測定される201〜300のNFκB p65レベルを有する場合、治療上有効量の、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)のうちのいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を投与することと、を含む、患者において、鼻咽頭癌の治療で使用するための式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)のうちのいずれかの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、患者からの鼻咽頭腫瘍試料をアッセイすることと、患者の鼻咽頭腫瘍がIHCアッセイによって測定される201〜300のNFκB p65レベルを有するかどうかを決定することと、患者の鼻咽頭腫瘍がIHCアッセイによって測定される201〜300のNFκB p65レベルを有する場合、治療上有効量の式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物を投与することと、を含む、患者において、鼻咽頭癌の治療で使用するための式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物を提供する。
NFκB p65遺伝子(ID5970)のスプライス変異体は、NFκB p65タンパク質のイソ型をもたらす。NFκB p65の4つのイソ型の多重アラインメントを図2に示す。すべてのイソ型に共通するNFκB p65の部分は、図2の検証により明らかである。いくつかの実施形態において、NFκB p65 IHCアッセイによるような上昇したNFκB p65の測定は、NFκB p65のすべてのイソ型を認識する抗体の使用を含む。例えば、検出抗体は、すべてのイソ型に共通するNFκB p65の一部に結合させるために調製され得る。例えば、この抗体は、NFκB p65のカルボキシ末端(C末端)部またはNFκB p65のアミノ末端(N末端)部に結合させることができる。本明細書に使用されるNFκB p65のC末端部は、NFκB p65のC末端で約42個のアミノ酸残基から構成される。したがって、NFκB p65のすべてのイソ型を検出する抗体は、C末端部の配列、例えば、NFκB p65のC末端部から約10〜約40個のアミノ酸残基、約30〜約40個のアミノ酸残基、少なくとも15個のアミノ酸残基、少なくとも20個のアミノ酸残基、または少なくとも25個のアミノ酸残基を使用して生成され得る。本明細書に使用されるNFκB p65のN末端部は、NFκB p65のN末端で約150個のアミノ酸残基から構成される。したがって、NFκB p65のすべてのイソ型を検出する抗体は、N末端部の配列、例えば、NFκB p65のN末端部から約10〜約150個のアミノ酸残基、約20〜約100個のアミノ酸残基、少なくとも約15個のアミノ酸残基、少なくとも20個のアミノ酸残基、または少なくとも25個のアミノ酸残基を使用して生成され得る。イソ型1は、NFκB p65の最長のイソ型であり、すべてのイソ型に存在するセグメントを含む。単離されたNFκB p65イソ型1による免疫化により、すべてのイソ型に結合する抗体を引き出すことができる。
逆に、多重アラインメントまたは対アラインメント等のイソ型配列の比較は、他のイソ型に存在しないNFκB p65の領域を示すことができる。したがって、単一のイソ型のみを測定するアッセイのための抗体は、1つのイソ型にのみ存在するスプライス部位等の領域に結合するように生成され得る。同様に、抗体は、いくつかのイソ型に存在するが、その他には存在しない、例えば、配列番号2、配列番号3、または配列番号4に存在しないイソ型1の配列番号1の一部、配列番号3または4に存在しない配列番号1および2の一部、あるいは配列番号4に存在しない配列番号1、2、および3の一部の領域に結合するように生成され得る。
いくつかの実施形態において、NFκB p65 IHCアッセイ等のNFκB p65を測定するためのアッセイは、配列番号1の配列を有するタンパク質に結合する抗体の使用を含む。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、配列番号2の配列を有するタンパク質に結合する抗体の使用を含む。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、配列番号3の配列を有するタンパク質に結合する抗体の使用を含む。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、配列番号4の配列を有するタンパク質に結合する抗体の使用を含む。
いくつかの実施形態において、NFκB p65 IHCアッセイ等のNFκB p65を測定するためのアッセイは、配列番号1の量を測定する。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、配列番号2の量を測定する。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、配列番号3の量を測定する。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、配列番号4の量を測定する。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、NF−κBの65kDaのサブユニットのすべてのイソ型の量を測定する。一実施形態において、NFκB p65アッセイは、配列番号1、2、3、および4の配列を有するタンパク質の総量を測定する。
ヒト個体群間の変形により、すべてのNFκB p65を検出するためには、NFκB p65の配列、構造、または翻訳後修飾の変化に対して敏感でないアッセイを使用することが有利であり得る。したがって、いくつかの実施形態において、NFκB p65 IHCアッセイ等のNFκB p65を測定するためのアッセイは、多特異性抗体の検出の使用を含む。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、ポリクローナル抗体の使用を含む。ポリクローナル抗体は、血清であり得るか、あるいは、例えば、全NFκB p65タンパク質またはその一部を有する動物の免疫化後、血清、乳、もしくは卵黄から最小限に精製され得、この最小限の精製は、非免疫グロブリン、例えば、血清、乳、もしくは卵黄、タンパク質および/またはNFκB p65以外のタンパク質に結合する抗体を除外する。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、NFκB p65の1つを超える特定の部分に結合することを可能にするために、NFκB p65の1つを超える特定の部分に対して生成された一対または一集団の抗体等の1つを超える抗体の使用を含む。
変化に対して敏感でないNFκB p65 IHCアッセイ等のNFκB p65を測定するためのアッセイを使用することのもう1つの利点は、試料の調製方法および試料の質の変化の可能性によるものである。この方法はアーカイブ試料の使用を企図するため、一部の分解が、アッセイ前に生じ得る。NFκB p65のすべての型または構造を検出することと、IHC等のいくつかの当技術分野において周知の免疫化学技術による背景染色に対して高い信号を維持することとの間に、バランスを取り得る。例えば、医師は、任意に、アッセイ前の選択および/またはIHCアッセイの選択を行い得る。事前アッセイの選択の例には、抗体の選択、例えば、検出が望ましくないタンパク質に対する抗体調製の事前吸着による交差反応の消失ステップ、標識または開発試薬の選択、および生体試料の固着方法が含まれる。IHCアッセイの選択の例には、非特異的結合を遮断するための方法または試薬の選択、ならびに組織切片を洗浄するための方法または試薬の選択が含まれる。IHCアッセイのための条件の最適化は、当技術分野において公知であり、例えば、Buchwalow and Bocker,Immunohistochemistry Basics and Methods(2010,Springer−Verlag,Berlin,Germany)等の技術ガイドが利用可能である。
p65およびp50を含む細胞質(cytoplasmic)(または細胞質(cytosolic))NFκB錯体の活性化により、p65は、p50とともに核に移動する。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイIHC等のNFκB p65を測定するためのアッセイは、核中のNFκB p65の量を測定する。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、細胞質中のNFκB p65の量を測定する。いくつかの実施形態において、NFκB p65アッセイは、細胞、腫瘍切片、または生検試料中のNFκB p65の全(細胞質+核)の量を測定する。
いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκBタンパク質のレベルの上昇を有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65のレベルの上昇を有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される高いHスコアを有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される201〜300のHスコアを有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される210〜300のHスコアを有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される220〜300のHスコアを有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される230〜300のHスコアを有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される240〜300のHスコアを有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される250〜300のHスコアを有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される260〜300のHスコアを有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される270〜300のHスコアを有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される280〜300のHスコアを有することを特徴とする。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、NFκB p65 IHCアッセイによって測定される290〜300のHスコアを有することを特徴とする。
いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、診断時または診断後のいずれかで得られるアーカイブ腫瘍生検試料である。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、新鮮な腫瘍生検である。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を用いた治療の開始から14日以内に得られた新鮮な腫瘍生検である。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物を用いた治療の開始から14日以内に得られた新鮮な腫瘍生検である。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物を用いた治療から2〜10周期後、約4周期後、約6周期後、または約9周期後に得られた腫瘍生検である。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌腫瘍試料は、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物を用いた治療から2〜10周期後、約4周期後、約6周期後、あるいは約9周期後に得られた腫瘍生検である。
NFκB p65 IHCアッセイ等の上昇したNFκB p65をアッセイするための組織試料は、本明細書に記載される治療のための候補者である患者から得られ得るか、または商業的供給源から得られ得る。腫瘍試料または対照試料等の組織試料の商業的供給源には、PhenoPath Laboratories,PLLC(Seattle,WA)、Proteogenix SAS(Obershausbergen,France)、およびU.S.Biomax,Inc.(Rockville,MD)が含まれる。
NFκB p65 IHCアッセイ等のNFκB p65を測定するためにアッセイで使用するための試料は、鼻咽頭癌を患っている患者から得られた細胞を含む生体試料であり得る。試料は、鼻咽頭癌からの腫瘍細胞もしくは正常な細胞、または腫瘍細胞と正常な細胞の混合物を含有し得る。鼻咽頭腫瘍細胞を含む試料は、鼻咽頭の粘膜上皮の生検または鼻咽頭のリンパ節から得られ得る。いくつかの実施形態において、鼻咽頭癌試料は、扁平上皮細胞癌、非角化型癌、および未分化型癌からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物は、経口投与される。いくつかの実施形態において、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物は、経口投与される。ある特定のこのような実施形態において、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物は、1つ以上のカプセルで投与される。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物は、経口投与される。ある特定のこのような実施形態において、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物は、静脈内投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物は、週に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態において、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物は、週に1回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物は、28日周期のうちの1、8、および15日目に投与される。いくつかの実施形態において、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物は、28日周期のうちの1、8、および15日目に投与される。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物は、週に2回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態において、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物は、週に2回のスケジュールで投与される。いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物は、21日周期のうちの1、4、8、および11日目に投与される。いくつかの実施形態において、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物は、21日周期のうちの1、4、8、および11日目に投与される。
いくつかの実施形態において、式(III−A)の化合物の量は、式(II)の化合物の量に基づいて、1用量当たり約0.2mg〜約7.5mgである。いくつかの実施形態において、式(III−A)の化合物の量は、式(II)の化合物の量に基づいて、1用量当たり約1.6mg〜約5.5mgである。いくつかの実施形態において、式(III−A)の化合物の量は、式(II)の化合物の量に基づいて、1用量当たり約2.3mg〜約5.5mgである。
いくつかの実施形態において、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物は、別の治療薬と併用して投与される。いくつかの実施形態において、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物は、別の治療薬と併用して投与される。いくつかの実施形態において、治療薬は、鼻咽頭癌に罹患している患者に、通常投与されるものである。いくつかの実施形態において、他の治療方法は、放射線療法である。いくつかの実施形態において、他の治療方法は、別の治療剤である。いくつかの実施形態において、他の治療方法は、放射線療法および1つ以上の治療剤である。他の治療剤は、同じ剤形で投与されても、別々の剤形として投与されてもよい。別々の剤形として投与されるとき、他の治療剤は、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物の投与前、それと同時、またはその後に投与されてもよい。
DNA損傷化学療法剤を含む治療剤の限定されない例には、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、カンプトセシン、およびその類似体または代謝物、ならびにドキソルビシン)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシド、エピルビシン、およびダウノルビシン)、アルキル化剤(例えば、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、イホスファミド、カルマスティン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、メトトレキサート、マイトマイシンC、およびシクロホスファミド)、DNA挿入剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、およびカルボプラチン)、DNA挿入剤および遊離基発生剤、例えば、ブレオマイシン、ならびにヌクレオシド模倣剤(例えば、5−フルオロウラシル、カペシチビン、ゲムシタビン、フルダラビン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、およびヒドロキシウレア)が挙げられる。
細胞複製を阻止する化学療法剤を含む治療剤の他の限定されない例には、パクリタキセル、ドセタキセル、および関連類似体、ビンクリスチン、ビンブラスチン、および関連類似体、サリドマイド、レナリドマイド、および関連類似体(例えば、CC−5013およびCC−4047)、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、メシル酸イマチニブ、エルロトニブ、ソラフェニブ、クリジトニブ(crizitonib)、ベムラフェニブ、およびゲフィチニブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、IBキナーゼの阻害剤を含むNF−B阻害剤、癌において過剰発現したタンパク質に結合し、それによって細胞複製を下方制御する抗体(例えば、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、イピリムマブ、およびベバシズマブ)、ならびに癌において上方制御、過剰発現、または活性化されることが既知のタンパク質または酵素の他の阻害剤(その阻害は細胞複製を下方制御する)が挙げられる。
いくつかの実施形態において、治療剤は、シスプラチン、5−フルオロウラシル、エピルビシン、ドセタキセル、およびパクリタキセルからなる群から選択される。
放射線療法は、式(I)、(II)、(III−A)、もしくは(III−B)の化合物のうちのいずれか、またはその薬学的に許容される塩もしくは薬学的組成物もしくはボロン酸無水物の投与前、それと同時、またはその後に別の治療方法として使用してもよい。いくつかの実施形態において、放射線療法は、外部ビーム放射線療法である。外部ビーム放射線療法は、画分として知られる一連の治療として与えられる。いくつかのこのような実施形態において、外部ビーム放射線療法は、原体照射療法である。いくつかの実施形態において、放射線療法は、内部放射線療法である。内部放射線療法は、癌に直接またはその近くに置かれる、針、種、ワイヤ、またはカテーテル内に密封された放射線性物質を使用する。
製剤および投与
式(I)の化合物の薬学的に許容される塩が、これらの組成物に使用される場合、その塩は、好ましくは、無機または有機酸または塩基に由来する。好適な塩の検証については、例えば、Berge et al,J.Pharm.Sci.66:1−19(1977)、およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000を参照のこと。
好適な酸付加塩の限定されない例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニル−プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩が挙げられる。
好適な塩基付加塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、亜鉛塩等の他の多価金属塩、有機塩基(例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、およびコリン)との塩、ならびにアミノ酸(例えば、アルギニン、リシン)との塩等が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される塩は、式(I)のボロン酸化合物の塩基付加塩であり、式中、ZおよびZはともに、ヒドロキシである。
「薬学的に許容される担体」という用語は、レシピエント対象、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに適合し、薬剤の活性を終了することなく、標的部位に活性剤を送達するのに好適である物質を指すために、本明細書で使用される。担体と関連した毒性または副作用が存在する場合、好ましくは、活性剤の目的用途に対して妥当なリスク/利益比に相応する。
「担体」、「アジュバント」、または「ビヒクル」という用語は、本明細書で置き換え可能に使用され、所望の特定の剤形に適したような、あらゆるおよびすべての溶媒、希釈剤、および他の液体ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、界面活性剤、pH調整剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤等が含まれる。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000は、薬学的に許容される組成物を製剤化するのに使用される種々の担体、ならびにその調製のための既知の技術を開示する。任意の従来の担体媒体が、例えば、任意の望ましくない生物学的効果をもたらすか、そうでなければ薬学的に許容される組成物の任意の他の成分(複数可)と有害な様式で相互作用することによって、本発明の化合物に不適合である場合を除いて、その使用は、本発明の範囲内であることが企図される。薬学的に許容される担体として作用することができる材料のいくつかの例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝液物質(例えば、リン酸塩、炭酸塩、水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウム)、グリシン、ソルビン酸、またはソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的なグリセリド混合物、水、ピロゲンを含まない水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、および亜鉛塩)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、羊毛脂、糖類(例えば、ラクトース、グルコース、スクロース、およびマンニトール)、デンプン(例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン)、セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース)、粉末状トラガカントガム、麦芽、ゼラチン、タルク、賦形剤(例えば、カカオバターおよび坐剤ワックス)、油(例えば、落花生油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油)、グリコール(例えば、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール)、エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル)、寒天、アルギン酸、等張生理食塩水、リンゲル溶液、アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、およびグリセロール)、シクロデキストリン(例えば、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン)、滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、石油炭化水素(例えば、鉱油およびペトロラタム)が挙げられるが、これらに限定されない。着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および香料、防腐剤および抗酸化剤もまた、調合者の判断に従って該組成物中に存在することができる。
本発明に利用される薬学的組成物は、従来の造粒、混合、溶解、カプセル化、凍結乾燥、または乳化プロセス等の当技術分野において公知の方法によって製造することができる。組成物は、顆粒、沈殿物、または微粒子、粉末(凍結乾燥した、回転乾燥、またはスプレー乾燥した粉末を含む)、非晶質粉末、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、座薬、注射、乳剤、エリキシル剤、懸濁液、または溶液を含む、種々の剤形で生成されてもよい。
本発明に利用される薬学的組成物は、哺乳動物、好ましくはヒトへの薬学的投与のために製剤化される。本発明のこのような薬学的組成物は、経口、非経口、吸入噴霧、局所、直腸、経鼻、口腔、経腟、または埋め込み容器を介して投与されてもよい。本明細書に使用される「非経口」という用語には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内、および頭蓋内の注射または注入技術が含まれる。好ましくは、この組成物は、経口、静脈内、または皮下投与される。本発明の製剤は、短時間作用型、即時放出型、または長時間作用型であるように設計されてもよい。さらにまた、化合物は、例えば、腫瘍部位での投与(例えば、注射による)のような全身的手段ではなく、局所的手段で投与することができる。
経口投与のための液体剤形としては、薬学的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、溶剤、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒のような当技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、シクロデキストリン、ジメチルホルムアミド)、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有し得る。不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤および香料等のアジュバントも含むことができる。
注射可能な調製物、例えば、滅菌した注射可能な水性または油性懸濁液が、公知な技術に従って、好適な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤を用いて製剤化され得る。滅菌した注射可能な調製物はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒における、滅菌した注射可能な溶液、懸濁液、または乳懸濁液であり得る。採用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液、U.S.P.、および等張食塩水がある。加えて、滅菌固定油が、溶媒または懸濁媒体として従来通りに採用される。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の刺激の少ない固定油が採用され得る。加えて、オレイン酸等の脂肪酸が、注射可能な調製物に使用される。注射可能な製剤は、例えば、細菌保持を通す濾過によって、あるいは使用前に、滅菌した水または他の滅菌した注射可能な媒体中に溶解させられ得るか、または分散させられ得る、滅菌した固体組成物の形態で滅菌剤を取り込むことによって、滅菌され得る。非経口投与のために製剤化された組成物は、静脈内ボーラスによって、または時限注入によって注射されてもよく、または持続注入によって投与されてもよい。
経口投与のための固体剤形には、カプセル、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒が含まれる。このような固体剤形では、活性化合物は、少なくとも1つの不活性の薬学的に許容される賦形剤または担体、例えば、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウム、ならびに/またはa)充填剤もしくは増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸、b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシア等、c)保湿剤、例えば、グリセロール等、d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム等、e)溶解遅延剤、例えば、パラフィン等、f)吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート等、h)吸収剤、カオリンおよびベントナイト粘土等、およびi)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム等、ならびにこれらの混合物と混合される。カプセル、錠剤、および丸薬の場合は、剤形はまた、リン酸塩または炭酸塩等の緩衝剤を含んでもよい。
また、ラクトースまたは乳糖等の賦形剤、および高分子量ポリエチレングリコール等を使用した軟および硬ゼラチンカプセル内の充填剤として、同様の種類の固体組成物が採用されてもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび製薬分野において公知の他のコーティング等のコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。それらは、任意に、乳白剤を含有してもよく、それらが、任意に、遅延した様式で、腸管の特定の部分において、活性成分(複数可)を単独でまたは選択的に放出する組成物の固体剤形であってもよい。使用され得る包埋組成物の例には、高分子物質およびワックスが挙げられる。また、ラクトースまたは乳糖等の賦形剤、および高分子量ポリエチレングリコール等を使用した軟および硬ゼラチンカプセル内の充填剤として、同様の種類の固体組成物が採用されてもよい。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、経口投与される。いくつかの実施形態において、式(III−A)の化合物またはその薬学的組成物は、経口投与される。いくつかのこのような実施形態において、式(III−A)の化合物の薬学的組成物は、Elliottらの国際公開第WO09/154737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される、ゼラチンカプセルで調製される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式(III−A)の化合物またはその結晶形態、充填剤、任意に潤滑剤、任意にフロー助剤、および任意に緩衝液を含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式(III−A)の化合物またはその結晶形態、充填剤、潤滑剤、およびフロー助剤を含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、約0.2%〜約12%の式(III−A)の化合物またはその結晶形態、約76.5%〜約99.8%の充填剤、任意に約1.5%までの潤滑剤、および任意に約5%までのフロー助剤を含む。経口薬学的組成物は、Elliottらの国際公開第WO09/154737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される方法によって調製され得る。
活性化合物はまた、上述のような1つ以上の賦形剤とともにマイクロカプセル化された形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および製薬分野において公知の他のコーティング等のコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。このような固体剤形において、活性化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンプン等の少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されてもよい。このような剤形はまた、通常の慣行と同様に、不活性希釈剤以外の追加物質、例えば、錠剤化滑沢剤および他の錠剤化助剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶セルロース等を含んでもよい。また、カプセル、錠剤、および丸剤の場合、剤形は、緩衝剤を含んでもよい。それらは、任意に、乳白剤を含有してもよく、それらが、任意に、遅延した様式で、腸管の特定の部分において、活性成分(複数可)を単独でまたは選択的に放出する組成物の固体剤形であってもよい。使用され得る包埋組成物の例には、高分子物質およびワックスが挙げられる。
本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ジェル、粉末、溶液、スプレー、吸入、またはパッチが含まれる。活性成分は、必要に応じて、薬学的に許容される担体および任意の必要な防腐剤または緩衝剤と無菌条件下で混合される。眼科用製剤、点耳薬、および点眼薬はまた、本発明の範囲内であると企図される。さらに、本発明は、経皮パッチの使用を企図し、それは、身体への化合物の制御された送達を提供するという追加の利点を有する。このような剤形は、適切な媒体中に化合物を溶解または分散させることによって作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚を横断する化合物のフラックスを増加させるために使用することができる。速度は、速度制御膜を提供すること、またはポリマーマトリックスまたはゲル中に化合物を分散させることにいずれかによって、制御することができる。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、静脈内投与される。いくつかのこのような実施形態において、式(I)(式中、ZおよびZが一緒になって、ボロン酸錯化剤に由来する部分を形成する)の化合物は、Plamondonらの国際公開第WO02/059131号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)またはElliottらの国際公開第WO09/154737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される、凍結乾燥粉末の形態で調製され得る。いくつかの実施形態において、凍結乾燥粉末はまた、ボロン酸錯化剤を含まない。好ましくは、遊離ボロン酸錯化剤および式(I)の化合物は、約0.5:1〜約100:1、より好ましくは約5:1〜約100:1の範囲のモル比で混合物中に存在する。様々な実施形態において、凍結乾燥粉末は、遊離ボロン酸錯化剤および対応するボロン酸エステルを、約10:1〜約100:1、約20:1〜約100:1、または約40:1〜約100:1の範囲のモル比で含む。
いくつかの実施形態において、凍結乾燥粉末は、ボロン酸錯化剤および式(I)の化合物を含み、実質的に他の成分を含んでいない。しかしながら、本組成物は、1つ以上の他の薬学的に許容される賦形剤、担体、希釈剤、充填剤、塩、緩衝剤、増量剤、安定剤、可溶化剤、および当技術分野において公知の他の物質をさらに含むことができる。これらの物質を含有する薬学的に許容される製剤の調製は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000、または最新版に記載されている。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式(I)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含む。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、式(III−A)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含む。
式(I)または式(III−A)の化合物を含む凍結乾燥粉末は、Plamondonらの国際公開第WO02/059131号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)またはElliottらの国際公開第WO09/154737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載される方法に従って調製することができる。いくつかの実施形態において、凍結乾燥粉末を調製するための方法は、(a)式(I)(式中、ZおよびZがそれぞれヒドロキシである)のボロン酸化合物と、ボロン酸錯化剤とを含む水性混合物を調製することと、(b)その混合物を凍結乾燥することと、を含む。いくつかの実施形態において、凍結乾燥粉末を調製するための方法は、(a)式(III−A)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含む水性混合物を調製することと、(b)その混合物を凍結乾燥することと、を含む。
凍結乾燥粉末は、好ましくは、薬学的投与に好適な水性溶媒を添加することによって、再構成される。好適な再構成溶媒の例としては、水、生理食塩水、およびリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、凍結乾燥粉末は、通常の(0.9%)生理食塩水で再構成される。再構成時、ボロン酸エステル化合物と対応する遊離ボロン酸化合物との間に平衡が確立される。いくつかの実施形態において、平衡は、水媒体の添加後に迅速に、例えば、10〜15分以内に達成される。平衡において存在するボロン酸エステルおよびボロン酸の相対濃度は、例えば、溶液のpH、温度、ボロン酸錯化剤の性質、および凍結乾燥粉末中に存在するボロン酸錯化剤とボロン酸エステル化合物との比等のパラメータに依存する。
本発明に利用される薬学的組成物は、好ましくは、鼻咽頭癌に罹患している、またはそれを発症もしくは再発を経験するリスクを有する患者への投与のために製剤化される。本発明に利用される好ましい薬学的組成物は、経口、静脈内、または皮下投与のために製剤化される薬学的組成物である。治療上有効量の式(I)の化合物を含有する上記の剤形のうちのいずれかも、十分に日常の実験の範囲内であり、十分に本発明の範囲内である。いくつかの実施形態において、本発明に利用される薬学的組成物は、別の治療剤をさらに含み得る。
本発明の組成物中に存在するさらなる治療剤の量は、典型的には、その治療剤を唯一の活性剤として含む組成物中に通常投与される量以下であろう。好ましくは、さらなる治療剤の量は、その薬剤を唯一の治療活性剤として含む組成物中に通常存在する量の約50%〜約100%の範囲に及ぶであろう。
本発明をより十分に理解するために、以下の調製および試験実施例が記載される。これらの実施例は、特定の化合物を作製または試験する方法を例示し、いかようにも本発明の範囲を制限するものとして解釈されるものではない。
実施例1:化合物および薬学的組成物の調製
式(II)の化合物[(1R)−1−({[(2,5−ジクロロベンゾイル)アミノ]アセチル}アミノ)−3−メチルブチル]ボロン酸は、OlhavaおよびDancaの米国特許第7,442,830号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される方法によって調製される。式(III−A)の化合物2,2’−{2−[(1R)−1−({[(2,5−ジクロロベンゾイル)アミノ]アセチル}アミノ)−3−メチルブチル]−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4,4−ジイル}二酢酸は、Elliottらの国際公開第WO09/154737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される方法によって調製される。式(III−A)の化合物の経口カプセル製剤は、Elliottらの国際公開第WO09/154737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される方法によって調製される。式(III−A)の化合物のIV製剤は、Elliottらの国際公開第WO09/154737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される方法によって調製される。IV製剤に再構成するのに好適な式(III−A)の化合物の凍結乾燥製剤は、Elliottらの国際公開第WO09/154737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示される方法によって調製される。
実施例2:細胞質NFκB p65 IHCアッセイでのHスコアの測定−アッセイ1
事前に調製されたホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)免疫組織化学(IHC)のスライドを、Sakura DRSスライド着色剤上でキシレンおよび段階的アルコールを使用して脱パラフィン化し、次いで、3% H中で5分間インキュベートする。このスライドを、pH6で、クエン酸塩緩衝剤中で、蒸気を用いて30分間処理する。次いで、スライドを、湿潤チャンバー内で、NFκB p65抗原ウサギモノクローナル抗体[Cell Signaling Technologies、クローン(C22B4) #4764]の1:50の溶液で一晩処理する。一晩インキュベートした後、スライドを洗浄し、Dako Autostainer上に置き、二次抗体(Ultravision,Thermo Fisher)およびDAB+基質(Dako)で現像させる。現像後、スライドを脱イオン水で洗浄し、Meyerのヘマトキシリンを使用して対比染色し、脱水し、カバースリップした。
各スライドは、Hスコアを決定するために、染色の強度(0〜3+)および十分位数における陽性細胞のパーセンテージを含む核および細胞質シグナルに対して、病理学者によって評価される。
図1は、以下のように上記のアッセイの結果を示す。
(1)原発性鼻咽頭癌の組織マイクロアレイ(US Biomax,Inc.から得られる)(n=35)
(2)転移性鼻咽頭癌の組織マイクロアレイ(US Biomax,Inc.から得られる)(n=15)
(3)頭頸部癌の他の組織構造の組織マイクロアレイ(US Biomax,Inc.から得られる)(n=68)
(4)頭頸部扁平上皮癌に罹患している患者のアーカイブ原発腫瘍の生検試料(n=14)。すべての試料は、適切なインフォームドコンセント下で得られた。患者は、週に2回のスケジュール(21日周期のうちの1、4、8、および11日目)で、IV注入として、式(III−A)の化合物を投与された。
(4)中の原発性腫瘍試料の中には、鼻咽頭癌に罹患している3人の患者が存在した。扁平上皮細胞型の転移性鼻咽頭癌に罹患している患者1は、持続的な部分反応があった、患者2の疾患は、4周期以内で進行し、患者3は、進行性疾患を患っていた。これらの3人の患者は、以下のNFκB p65 IHCアッセイHスコアを示した(表1)。
実施例3:細胞質NFκB p65 IHCアッセイでのHスコアの測定−アッセイ2
事前に調製されたFFPE IHCのスライドを、Sakura DRSスライド着色剤上でキシレンおよび段階的アルコールを使用して脱パラフィン化し、次いで、3% H中で5分間インキュベートする。このスライドを、pH6で、クエン酸塩緩衝剤中で、蒸気を用いて30分間処理する。次いで、スライドを、Dako Autostainer上で、NFκB p65抗原ヤギポリクローナル抗体[Santa Cruz, sc−372−G]の1:200の溶液で1時間処理する。1時間のインキュベーション後、このスライドを、二次抗体(Bio−goat Elite(Vector)およびDAB+基質(Dako)で現像させる。現像後、スライドを脱イオン水で洗浄し、Meyerのヘマトキシリンを使用して対比染色し、脱水し、カバースリップした。
各スライドは、Hスコアを決定するために、染色の強度(0〜3+)および十分位数における陽性細胞のパーセンテージを含む核および細胞質シグナルに対して、病理学者によって評価される。
実施例4:細胞質NFκB p65 IHCアッセイでのHスコアの測定−アッセイ3
事前に調製されたFFPE IHCのスライドを、Sakura DRSスライド着色剤上でキシレンおよび段階的アルコールを使用して脱パラフィン化し、次いで、3% H中で5分間インキュベートする。スライドを、pH6で、クエン酸塩緩衝剤中、マイクロ波圧力鍋内で8分間処理する。次いで、スライドを、Dako Autostainer上で、NFκB p65抗原ウサギポリクローナル抗体[Invitrogen、51−0500]の1:200の溶液で1時間処理する。1時間のインキュベーション後、このスライドを、二次抗体(Ultravision、Thermo Fisher)およびDAB+基質(Dako)で現像させる。現像後、スライドを脱イオン水で洗浄し、Meyerのヘマトキシリンを使用して対比染色し、脱水し、カバースリップした。
各スライドは、Hスコアを決定するために、染色の強度(0〜3+)および十分位数における陽性細胞のパーセンテージを含む核および細胞質シグナルに対して、病理学者によって評価される。
実施例5:NFκB p65の測定のための切片の大きさの比較
組織マイクロアレイ切片および商業的供給源からの全鼻咽頭腫瘍切片は、実施例2に記載される方法によってアッセイされた。200を上回るHスコアを有した試料の罹患率は、組織マイクロアレイ試料(n=20)については、35%であり、全組織切片(n=35)については、31%であった。
実施例6:全組織切片におけるNFκB p65の測定
商業的供給源からの全鼻咽頭腫瘍切片は、実施例2に記載される方法によってアッセイされた。
実施例5に使用された一連の全切片試料から全体で70個の試料に拡張したセットにおける、鼻咽頭のNFκB p65発現頻度は、48.6%であった(95% CI:37.1%−60%)(n=70)。
前述の発明は、明確さおよび理解を目的として幾分詳細に説明されたが、これらの特定の実施形態は例証として解釈されるべきであり、制限的なものではない。当業者は、本開示を読むことによって、特定の実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする、本発明の真の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の種々の変更が行われ得ることを理解するであろう。
本明細書で参照される特許および科学文献は、当業者に利用可能である知識を確立する。別途定義されない限り、本明細書に使用されるすべての技術および科学用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に引用される交付済み特許、出願、および参照文献は、それぞれが、参照により組み込まれることを具体的かつ個々に示されたのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本開示が優先される。

Claims (20)

  1. 鼻咽頭癌の治療のための組成物であって、式(III−A)の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩含み、
    記組成物が、鼻咽頭癌腫瘍試料が核因子カッパ−B(NFκB)p65免疫組織化学(IHC)アッセイによって測定される00のHスコアを有することを特徴とする患者に投与される前記組成物。
  2. 前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1の配列を有するタンパク質に結合する抗体の使用を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1、2、3、および4の配列を有するタンパク質の総量を測定する、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記NFκB p65 IHCアッセイが、細胞質中に存在する前記NFκB p65の量を測定する、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記組成物が、静脈内投与されることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  6. 前記組成物が、経口投与されることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  7. 前記組成物が、28日周期のうちの1、8、および15日目に投与されることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  8. 前記組成物が、21日周期のうちの1、4、8、および11日目に投与されることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の組成物。
  9. 前記組成物が、1つ以上のカプセルで投与されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記式(III−A)の化合物の量が、(II)の化合物
    の量に基づいて約2.3mg〜約5.5mgである、請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
  11. 鼻咽頭癌腫瘍試料においてNFκB p65 IHCアッセイによって決定されるHスコアを、
    式(III−A)の化合物:
    またはその薬学的に許容される塩含む医薬を用いて、鼻咽頭癌に罹患している患者を治療すべきかどうかの指標とする方法であって
    前記方法は、前記患者からの前記鼻咽頭癌腫瘍試料中のNFκB p65のレベルを、前記Hスコアとして測定することを含み、
    前記鼻咽頭癌腫瘍試料が、前記NFκB p65 IHCアッセイによって測定される00の前記Hスコアを有することを特徴とする場合、前記式(III−A)の化合物またはその前記薬学的に許容される塩含む医薬を用いて、前記患者を治療すべきとすることを特徴とする前記方法。
  12. 前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1の配列を有するタンパク質に結合する抗体の使用を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記NFκB p65 IHCアッセイが、配列番号1、2、3、および4の配列を有するタンパク質の総量を測定する、請求項11に記載の方法。
  14. 前記NFκB p65 IHCアッセイが、細胞質中に存在する前記NFκB p65の量を測定する、請求項11に記載の方法。
  15. 前記式(III−A)の化合物を含む前記医薬が、静脈内投与のために製剤化される、請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記式(III−A)の化合物を含む前記医薬が、経口投与のために製剤化される、請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
  17. 前記式(III−A)の化合物を含む前記医薬が、28日周期のうちの1、8、および15日目の投与のために製剤化される、請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
  18. 前記式(III−A)の化合物を含む前記医薬が、21日周期のうちの1、4、8、および11日目の投与のために製剤化される、請求項11〜14のいずれかに記載の方法。
  19. 前記式(III−A)の化合物を含む前記医薬が、1つ以上のカプセルでの投与のために製剤化される、請求項11〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記式(III−A)の化合物の量が、(II)の化合物
    の量に基づいて約2.3mg〜約5.5mgである、請求項11〜19のいずれかに記載の方法。
JP2014554798A 2012-01-24 2013-01-23 鼻咽頭癌の治療方法 Active JP6215234B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261590115P 2012-01-24 2012-01-24
US61/590,115 2012-01-24
PCT/US2013/022762 WO2013112598A1 (en) 2012-01-24 2013-01-23 Method of treatment of nasopharyngeal caner

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015508058A JP2015508058A (ja) 2015-03-16
JP6215234B2 true JP6215234B2 (ja) 2017-10-18

Family

ID=48873869

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014554798A Active JP6215234B2 (ja) 2012-01-24 2013-01-23 鼻咽頭癌の治療方法

Country Status (6)

Country Link
US (2) US20140357596A1 (ja)
EP (1) EP2812338A4 (ja)
JP (1) JP6215234B2 (ja)
CN (1) CN104271583B (ja)
CA (1) CA2862320A1 (ja)
WO (1) WO2013112598A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2810066B1 (en) * 2012-01-24 2019-07-31 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Methods of treatment of cancer
EP3766496A4 (en) * 2018-03-14 2021-12-29 Chia Tai Tianqing Pharmaceutical Group Co., Ltd. Quinoline derivative for treatment of nasopharyngeal carcinoma
CN109053782B (zh) * 2018-08-09 2020-01-17 潍坊博创国际生物医药研究院 多功能靶向免疫小分子抗癌药枸橼酸Bestazomib及其制备方法与应用
CN110470842B (zh) * 2019-08-30 2022-11-18 中山大学肿瘤防治中心(中山大学附属肿瘤医院、中山大学肿瘤研究所) 一种评估鼻咽癌复发和预后的生物标志物及其应用

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1129595A (ja) * 1997-05-15 1999-02-02 Tanabe Seiyaku Co Ltd 新規プロテアソーム阻害物質
US6069008A (en) * 1998-11-25 2000-05-30 Isis Pharmaceuticals Inc. Antisense modulation of NF-kappa-B p65 subunit expression
AU2002243646B2 (en) 2001-01-25 2006-06-22 The Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Formulation of boronic acid compounds
EP1660479A1 (en) * 2003-07-29 2006-05-31 Astrazeneca AB Piperidyl-quinazoline derivatives as tyrosine kinase inhibitors
WO2005046708A1 (en) * 2003-11-06 2005-05-26 Research Development Foundation Selective inhibitors of nuclear factor-kb activation and uses thereof
AR053272A1 (es) * 2005-05-11 2007-04-25 Hoffmann La Roche Determinacion de responsivos a la quimioterapia
WO2006133420A2 (en) * 2005-06-08 2006-12-14 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Treatment of patients with cancer therapy
EP1834954A1 (en) * 2006-03-15 2007-09-19 4Sc Ag Thiazoles as NF-kB Inhibitors (proteasome inhibitors)
JP4495111B2 (ja) 2006-05-10 2010-06-30 本田技研工業株式会社 燃料電池システムにおけるコンタクタ故障検知装置
DK2156370T3 (da) * 2007-05-14 2012-01-23 Historx Inc Kompartmentadskillelse ved pixelkarakterisering under anvendelse af billeddata-clustering
US7442830B1 (en) 2007-08-06 2008-10-28 Millenium Pharmaceuticals, Inc. Proteasome inhibitors
WO2009020448A1 (en) * 2007-08-06 2009-02-12 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Proteasome inhibitors
US20090110688A1 (en) * 2007-10-24 2009-04-30 Georg Fertig Combination therapy of type ii anti-cd20 antibody with a proteasome inhibitor
CN101204365A (zh) * 2007-11-29 2008-06-25 济南帅华医药科技有限公司 一种治疗实体肿瘤的植入剂
US20090275546A1 (en) * 2008-04-10 2009-11-05 Istituto Superiore Di Sanita Diagnostic tests and personalized treatment regimes for cancer stem cells
MX349769B (es) 2008-06-17 2017-08-11 Millennium Pharm Inc Compuestos de éster boronato y composiciones farmacéuticas de los mismos.
EP2376081A2 (en) * 2008-12-15 2011-10-19 Eli Lilly and Company Enzastaurin for the treatment of cancer
CN101928329B (zh) * 2009-06-19 2013-07-17 北京大学 三肽硼酸(酯)类化合物、其制备方法和应用
JP2013523712A (ja) * 2010-03-30 2013-06-17 クラヴィス・ファルマ・アーエスアー ゲムシタビン−5’−エライデートを用いて癌を治療又は緩和するための方法及び組成物
EP2810066B1 (en) * 2012-01-24 2019-07-31 Millennium Pharmaceuticals, Inc. Methods of treatment of cancer

Also Published As

Publication number Publication date
US20140357596A1 (en) 2014-12-04
CN104271583B (zh) 2017-10-24
JP2015508058A (ja) 2015-03-16
CN104271583A (zh) 2015-01-07
US20170157155A1 (en) 2017-06-08
EP2812338A4 (en) 2015-09-23
CA2862320A1 (en) 2013-08-01
EP2812338A1 (en) 2014-12-17
WO2013112598A1 (en) 2013-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6215235B2 (ja) 癌の治療方法
Kim et al. Radiation improves antitumor effect of immune checkpoint inhibitor in murine hepatocellular carcinoma model
Chelakkot et al. Modulating glycolysis to improve cancer therapy
JP5616880B2 (ja) 治療の方法
Wu et al. FGD1 promotes tumor progression and regulates tumor immune response in osteosarcoma via inhibiting PTEN activity
AU2013308409A1 (en) Target peptides for immunotherapy and diagnostics
US20170157155A1 (en) Method of treatment of nasopharyngeal cancer
EP3735977A1 (en) Motile sperm domain containing protein 2 and cancer
JP2016527202A (ja) 癌の治療方法
US20150023954A1 (en) Potentiating antibody-induced complement-mediated cytotoxicity via pi3k inhibition
US10933117B2 (en) Endoplasmic reticulum stress as a predictive tool in cancer therapy and a combination therapy for the treatment of cancer
WO2014089570A1 (en) Combinations of a pi3k/akt inhibitor compound with an her3/egfr inhibitor compound and use thereof in the treatment of a hyperproliferative disorder
RU2793972C2 (ru) Иммунотерапевтический способ лечения и/или профилактики рака легких
Wu et al. B7-H3 suppresses CD8+ T cell immunologic function through reprogramming glycolytic metabolism
Yin et al. ALDOB/KAT2A interactions epigenetically modulate TGF-β expression and T cell functions in hepatocellular carcinogenesis
Li et al. Attenuated Salmonella carrying siRNA-CD24 improved the effect of oxaliplatin on HCC
Liu et al. The Synergistic Effects of Pyrotinib and SHR-1316 on HER2-positve breast cancer
Mitkin et al. Serum of Mice Immunized with MT1-MMP Metalloproteinase Reduces Migration Potential of Pancreatic Cancer Cells
JPWO2020085414A1 (ja) グルコシルセラミド合成酵素遺伝子欠損t細胞の使用およびその治療的利用
Huang et al. Wnt/β-catenin Inhibitor ICG-001 Enhances the Antitumor E cacy of Radiotherapy by Increasing Radiation-induced DNA Damage and Improving Tumor Immune Microenvironment in Hepatocellular Carcinoma
CN113616664A (zh) 丁香酸葡萄糖苷在制备抑制pd1和pd-l1蛋白之间相互作用药物中的应用
Buttermore The Role of Elevated Hyaluronan-Mediated Motility Receptor (RHAMM/HMMR) in Ovarian Cancer

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161101

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170201

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170316

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170501

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6215234

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250