JP6214480B2 - 周波数応答測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、産業用機械において周波数応答を測定する周波数応答測定装置に関するものである。
産業用機械では、機械系の状態を診断しあるいは振動特性を把握するため、機械系の周波数応答を測定することが行われる。また、サーボ系の調整を行なう際に、速度ループおよび位置ループといった制御ループの周波数応答を測定することも行われる。周波数応答は、特定の周波数の入力信号を与えた場合の出力信号に対して、入力信号と出力信号との振幅の比と位相の比であり、周波数と振幅比(ゲイン)および周波数と位相の関係で表現される。
周波数応答の測定に際しては、従来は正弦波状の入力信号を与え、入力する正弦波の周波数を順次変更して周波数ごとのゲインおよび位相の測定を行っていたが、入力信号の周波数を徐々に変えて出力信号を測定していく方法であり、周波数応答の測定に多大な時間を要するという問題があった。
このような問題を解決するため、下記特許文献1に代表される従来技術には、ホワイトノイズを入力信号とし、速度指令であるホワイトノイズを与えたときの速度をサンプリングし、サンプリングして得られた速度データと速度指令とをフーリエ変換することによって、速度指令から速度までの周波数応答特性を求めることが開示されている。理想的なホワイトノイズはすべての周波数成分を含む信号であるため、短い測定時間ですべての周波数領域における周波数応答を測定することが可能となる。ホワイトノイズにはM系列信号と呼ばれる擬似ランダム信号が用いられる。
特開2000−278990号公報
特許文献1では、すべての周波数成分を含むホワイトノイズを印加して機械系を加振したときの機械系の応答波形、例えば速度フィードバックデータを測定する。ところが、機械系に外乱要因である摩擦が存在する場合、ホワイトノイズを与えても機械系が加振されず、周波数応答を正しく求めることができないという問題がある。特に、機械系の摩擦の影響によって低周波数領域の応答性が悪くなってしまい、低い周波数領域における周波数応答を正しく求めることができない。
具体的には、トルクから速度フィードバックまでの周波数応答を測定する場合、機械系が剛体系で近似できる場合であれば、低い周波数領域の周波数応答は、ゲイン線図が−20dB/decの直線状となり、位相線図が−90°で一定となるはずである。これに対して、摩擦の影響によって低い周波数領域が加振されない場合、入力に対して出力が応答していないとみなされるため、その領域ではゲインが、本来の値よりも小さくなってしまい、位相が0°に近い値となってしまう。
このように周波数応答測定結果を正しく求めることができなければ、低周波数領域のゲインの値を読み取って機械系のイナーシャを推定する場合、大きな推定誤差が生じる。また、ゲイン曲線のピークや位相曲線の変化を読み取って機械系の共振周波数や減衰比を推定するといった場合、誤った値を推定してしまう。さらに制御系の調整のために周波数応答を測定する場合、低い周波数領域のゲインが本来の値よりも小さい値が測定されてしまうと、制御系の帯域を正しく求めることができず、制御系のゲインチューニングの適切な調整ができないという問題が生じる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、外乱を受けても広い周波数範囲にわたって周波数応答を精度よく求めることができる周波数応答測定装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、機械系をフィードバック制御するサーボ系の周波数応答を測定する周波数応答測定装置において、複数の異なる擬似ランダム信号の基準周期を加振周期として設定する加振周期設定部と、前記異なる加振周期の加振信号で前記サーボ系を複数回加振する加振実行部と、前記複数回の加振がなされた前記サーボ系から、前記複数回の加振ごとに同定入力信号と同定出力信号の組を取得し、前記複数回の加振ごとの前記加振周期と、前記複数回の加振ごとの前記同定入力信号と前記同定出力信号の組とに基づいて、前記周波数応答を演算する周波数応答演算部と、前記複数回の加振周期ごとの周波数応答を合成して、前記サーボ系の周波数応答を演算する周波数応答合成部と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、複数の異なる加振周期を用いて周波数応答を演算することにより、外乱を受けても広い周波数範囲にわたって周波数応答を精度よく求めることができる、という効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る周波数応答測定装置の構成図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る周波数応答測定装置が適用されるサーボ系の構成図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る周波数応答測定装置の測定対象である機械系の構成図である。 図4は、本発明の実施の形態2に係る周波数応答測定装置の構成図である。 図5は、本発明の実施の形態3に係る周波数応答測定装置の測定対象である機械系の構成図である。
以下に、本発明に係る周波数応答測定装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る周波数応答測定装置100の構成図、図2は本発明の実施の形態1に係る周波数応答測定装置100が適用されるサーボ系3の構成図、図3は本発明の実施の形態1に係る周波数応答測定装置100の測定対象である機械系35の構成図である。
図1に示される周波数応答測定装置100は、サーボ系3の周波数応答を測定する装置であり、加振周期設定部1、加振実行部2、周波数応答演算部4、および周波数応答合成部5を備える。
加振周期設定部1は、加振実行部2における加振信号Vinの加振周期Tを設定する。加振実行部2は、加振周期設定部1で設定された加振周期Tに対応する加振信号Vinを出力する。
加振実行部2から出力された加振信号Vinはサーボ系3に入力され、後述する構成のサーボ系3において加振が実行される。加振時におけるサーボ系3内部の同定入力信号3aと同定出力信号3bとが周波数応答演算部4に送られる。
周波数応答演算部4は、同定入力信号3aと同定出力信号3bの間の周波数応答を演算する。具体的には、周波数応答演算部4の内部では、複数回行われる加振ごとに入力された同定入力信号3aと同定出力信号3bによって各回の周波数応答が演算される。演算された各回の周波数応答は、周波数応答合成部5に入力される。
周波数応答合成部5には、周波数応答演算部4で演算された各回の周波数応答と、加振周期設定部1からの加振周期Tとが入力される。周波数応答合成部5は、各回の加振周期Tに対応した周波数応答を合成し、合成した周波数応答を出力する。
図2に示されるサーボ系3は、減算部31、位置制御部32、加減算部33、速度制御部34、機械系35を備える。機械系35は主にサーボモータ36および負荷37で構成され、サーボモータ36には負荷37が接続されている。機械系35の詳細は後述する。加減算部33、速度制御部34、サーボモータ36は速度制御ループを構成し、減算部31、位置制御部32、加減算部33、速度制御部34、およびサーボモータ36は位置制御ループを構成する。
位置指令6は、図示しない数値制御装置によって指令され、通常はNCプログラムで仕様するGコード(EIAコード)に従って時々刻々に更新される。ただし加振信号Vinを与えて加振を行う際には、一定値の位置指令6が与えられているものとする。
減算部31では、位置指令6とモータ位置θとの偏差31aが演算され、偏差31aは位置制御部32に入力される。加減算部33では、位置制御部32の出力信号32aと加振信号Vinとの和からモータ速度vを減算することで速度偏差eが演算される。
速度偏差eは速度制御部34に入力され、速度制御部34ではトルク指令τが演算され、サーボモータ36は、トルク指令τに従って駆動制御される。なお、実際には速度制御ループの内部にトルク制御部および電力変換部が存在するが、その応答は非常に速く、その応答遅れは無視できるため図2では記載を省略している。また位置制御部32の位置制御には比例制御を用い、速度制御部34の速度制御には比例積分制御を用いる。
図3には機械系35の構成例が示される。トルク指令τを受けて回転トルクを発生するサーボモータ36には、シャフト39を介して負荷イナーシャである負荷37が接続されている。さらにサーボモータ36には、位置検出器であるロータリーエンコーダ38が取り付けられており、ロータリーエンコーダ38は、サーボモータ36の位置である回転角度を検出し、回転角度を微分演算することにより、モータ速度vを得る。
次に実施の形態1に係る周波数応答測定装置100における周波数応答測定動作を説明する。加振周期設定部1は、2種類の加振周期T1,T2を設定する。実施の形態1では加振周期T2が加振周期T1より長い値であるものとする。具体的には、加振周期T1はサーボ制御系のサンプリング周期と同一とし、加振周期T2は加振周期T1の数倍程度、一例としては4倍から8倍とする。
加振実行部2は、加振周期T1に対応した1回目の加振信号Vin1と、加振周期T2に対応した2回目の加振信号Vin2とを生成する。なお、加振信号Vinは、それぞれ擬似ランダム信号であるM系列信号の生成アルゴリズムに従って設定された点数に対応する−1と+1の2値信号を生成した後に、2値信号に加振振幅が乗算されたものである。
このとき、M系列信号は離散的に変化する信号となり、その変化のタイミング、すなわち2値信号が一方の値から他方の値に変化してから次に変化が生じるまでの時間間隔は、設定された基準周期の整数倍となる。基準周期は、1回目の加振信号Vin1では加振周期T1であり、2回目の加振信号Vin2では加振周期T2である。加振周期T2は加振周期T1より長いため、2回目の加振信号Vin2は1回目の加振信号Vin1よりも値の変化の頻度が少なくなる。なお、M系列信号の生成方法は信号処理の分野では公知であるので、ここでは説明を省略する。
サーボ系3では、まず1回目の加振信号Vin1が加振信号Vinとして印加され、1回目の加振が行われる。加振の際、位置指令6は一定値とする。すなわち加振信号Vinによって機械系35の加振が行われる。実施の形態1では、周波数応答測定装置100を用いて機械系35の周波数応答、すなわちトルク指令τからモータ速度vまでの周波数応答を求めるものとする。そのため、周波数応答演算部4は、加振中のトルク指令τである1回目の同定入力信号3aと、加振中のモータ速度vである1回目の同定出力信号3bとを取得する。
周波数応答演算部4では、1回目の同定入力信号3aと1回目の同定出力信号3bに基づいて、トルク指令τからモータ速度vまでの周波数応答が演算される。同定入力信号3aと同定出力信号3bとから入出力間の周波数応答を求める方法については、ペリオドグラムFFT法やARXモデル同定、部分空間法など公知の手法を用いることができる。それらの手法の詳細の一例は「MATLABによる制御のためのシステム同定」(東京電機出版)R.Pintelon,J.Schoukens著「System Identification」(IEEE Press)に記載されているので、ここでは説明を省略する。1回目の加振における周波数応答をG1(j2πf)とする。fは、周波数でありその単位はHzである。G1(j2πf)の絶対値がゲインとなり、G1(j2πf)の複素領域での偏角が位相となる。
2回目の加振信号Vin2による加振も、1回目の加振と同様に行われる。2回目の加振において得られた周波数応答をG2(j2πf)とする。
次に、周波数応答合成部5における周波数応答の演算手順を説明する。周波数応答合成部5は、1回目の加振周期T1の逆数を1回目の加振周波数F1に設定し、2回目の加振周期T2の逆数を2回目の加振周波数F2に設定する。加振周期T2は加振周期T1よりも長いため、加振周波数F2は加振周波数F1よりも低い値となる。ここで2回目の加振周波数F2の1/2よりも低い周波数を境界周波数Fbとしたとき、境界周波数Fbの一例としては加振周波数F2の1/4とする。周波数応答合成部5は、1回目の加振における周波数応答G1(j2πf)の境界周波数Fb以上の周波数領域の応答と、2回目の加振における周波数応答G2(j2πf)の境界周波数Fb未満の領域における応答とを合成し、合成した周波数応答、すなわちトルク指令τから速度までの周波数応答G(j2πf)を出力する。以上の合成演算は次式で表すことができる。
Figure 0006214480
ホワイトノイズの一例であるM系列信号で加振を行う場合、ナイキストの定理により、基準周波数の1/2以上の周波数成分は加振信号に含まれない。また、基準周波数よりも相対的に低い周波数領域では、信号のS/N比または摩擦といった外乱の影響の関係から、当該領域の成分が加振信号に含まれにくくなる。従って、単一の加振周期で加振した場合には、低周波数領域および高周波数領域の周波数応答を正しく求めることができなくなる。
実施の形態1の周波数応答測定装置100は、複数の加振周期T1,T2を設定して、低周波数領域では、加振周期T1よりも長い加振周期T2、すなわち加振周波数F1よりも低い加振周波数F2で加振した場合の周波数応答を用い、高周波数領域では、加振周期T2よりも短い加振周期T1、すなわち加振周波数F2よりも高い加振周波数F1で加振した場合の周波数応答を用いるようにしたので、広い周波数範囲にわたって周波数応答を精度よく求めることができる。
なお実施の形態1では、機械系35の周波数応答を取得するため、同定入力信号3aであるトルク指令τと同定出力信号3bであるモータ速度vとを用いたが、サーボ系3の内部のその他の信号を用いてもよい。具体的には、速度開ループの周波数応答を測定する場合、速度偏差eを同定入力信号3aに用い、モータ速度vを同定出力信号3bに用いればよい。また、速度閉ループの周波数応答を測定する場合、位置制御部32の出力信号32aを同定入力信号3aに用い、モータ速度vを同定出力信号3bに用いればよい。
実施の形態2.
図4は本発明の実施の形態2に係る周波数応答測定装置100の構成図である。実施の形態1との相違点は、加振周期設定部1において3種類の加振周期T1,T2,T3が設定されている点である。以下、実施の形態1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
実施の形態2では、加振周期T2が加振周期T1より長い値であり、加振周期T3が加振周期T2より長い値であるものとする。具体的には、加振周期T1はサーボ制御系のサンプリング周期と同一とし、加振周期T2は加振周期T1の数倍程度、一例としては4倍から8倍とする。加振周期T3は加振周期T2の数倍程度、一例としては4倍から8倍とする。
加振実行部2は、加振周期T1に対応した1回目の加振信号Vin1と、加振周期T2に対応した2回目の加振信号Vin2と、加振周期T3に対応した3回目の加振信号Vin3とを生成する。各加振周期ごとの加振信号Vinの生成方法は実施の形態1と同様である。また加振実行部2は、実施の形態1と同様に加振を行い、1回目の加振における周波数応答をG1(j2πf)、2回目の加振において得られた周波数応答をG2(j2πf)、3回目の加振において得られた周波数応答をG3(j2πf)とする。
次に、周波数応答合成部5における周波数応答の演算手順を説明する。1回目の加振周期T1の逆数を1回目の加振周波数F1、2回目の加振周期T2の逆数を2回目の加振周波数F2、3回目の加振周期T3の逆数を3回目の加振周波数F3とする。T1,T2,T3の大小関係により、加振周波数F3は加振周波数F2よりも低い値となり、加振周波数F2は加振周波数F1よりも低い値となる。2回目の加振周波数F2の1/2よりも低い周波数を第1の境界周波数Fb1とする。第1の境界周波数Fb1の一例としては加振周波数F2の1/4とする。また、3回目の加振周波数F3の1/2よりも低い周波数を第2の境界周波数Fb2とする。第2の境界周波数Fb2の一例としては加振周波数F3の1/4とする。
周波数応答合成部5は、1回目の加振における周波数応答G1(j2πf)の中の第1の境界周波数Fb1以上の周波数領域の応答と、2回目の加振における周波数応答G2(j2πf)の中の第2の境界周波数Fb2以上かつ第1の境界周波数Fb1未満の領域における応答と、3回目の加振における周波数応答G3(j2πf)の境界周波数Fb2未満の領域における応答とを合成し、合成した周波数応答、すなわちトルク指令τから速度までの周波数応答G(j2πf)を出力する。
Figure 0006214480
実施の形態2に係る周波数応答測定装置100は、3種類の加振周期T1,T2,T3を設定して、低周波数領域では、加振周期T2よりも長い加振周期T3、すなわち加振周波数F2よりも低い加振周波数F3で加振した場合の周波数応答を用い、中周波数領域では、加振周期T3よりも短く加振周期T1よりも長い加振周期T2、すなわち加振周波数F1よりも低く加振周波数F3よりも高い加振周波数F2で加振した場合の周波数応答を用い、高周波数領域では、加振周期T2よりも短い加振周期T1、すなわち加振周波数F2よりも高い加振周波数F1で加振した場合の周波数応答を用いるため、より広い周波数範囲にわたって周波数応答を精度よく求めることができる。
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3に係る周波数応答測定装置100の測定対象である機械系の構成図である。実施の形態3の周波数応答測定装置100はその構成が実施の形態1と同一であるが、実施の形態3では測定対象である機械系の構造が異なり、図5にはその機械系の一例である2軸機械40が示されている。
2軸機械40は、可動軸である第1軸41および第2軸45で構成されている。第1軸41は第1軸モータ42、第1軸位置検出器43、および第1軸負荷44で構成される。第1軸負荷44は、第1軸44aと第1テーブル44bとで構成され、第1軸モータ42の回転運動をボールねじである第1軸44aにより直線運動に変換し、第1テーブル44bを直線移動させる。第2軸45は第2軸モータ46、第2軸位置検出器47、および第2軸負荷48で構成される。第2軸負荷48は、第2軸48aおよび第2テーブル48bで構成され、第2軸モータ46の回転運動をボールねじである第2軸48aにより直線運動に変換し、第2テーブル48bを直線移動させる。第1軸モータ42および第2軸モータ46に対しては実施の形態1と同様に独立したサーボ制御が行われる。
次に実施の形態3に係る周波数応答測定装置100における周波数応答測定動作を説明する。加振周期設定部1は、2種類の加振周期T1,T2を設定する。前述した第1軸41を第1軸とし、第2軸45を第2軸としたとき、サーボ系3では、加振周期T1による第1軸の加振と加振周期T2による第2軸の加振とが同時に行われる。周波数応答演算部4では、第1軸の加振周期T1における周波数応答G1x(j2πf)と、第2軸の加振周期T2における周波数応答G2y(j2πf)とが同時に演算される。
続いてサーボ系3では、加振周期T2による第1軸の加振と加振周期T1による第2軸の加振とが同時に行われる。周波数応答演算部4では、第1軸の加振周期T2における周波数応答G2x(j2πf)と、第2軸の加振周期T1における周波数応答G1y(j2πf)とが同時に演算される。
1回目の加振周期T1の逆数を高域の加振周波数F1とし、2回目の加振周期T2の逆数を低域の加振周波数F2とする。低域の加振周波数F2の1/2よりも低い周波数を境界周波数Fbとする。境界周波数Fbの一例としてはF2の1/4とする。周波数応答合成部5は、第1軸と第2軸の各々について、加振周期T1における周波数応答の境界周波数Fb以上の周波数領域の応答と、加振周期T2における周波数応答の境界周波数Fb未満の領域における応答とを合成し、合成した周波数応答、すなわちトルク指令τから速度までの周波数応答を出力する。第1軸のトルク指令τからモータ速度vまでの周波数応答をGx(j2πf)とし、第2軸のトルク指令τからモータ速度vまでの周波数応答をGy(j2πf)としたとき、以上の合成演算は次式で表すことができる。
Figure 0006214480
Figure 0006214480
複数の軸の周波数応答を測定する場合、1軸ずつ加振して測定すると測定時間が長くなってしまうため、複数の軸を同時に加振することで測定時間の短縮を図ることができる。ところが上記特許文献1に代表される従来技術では、すべての周波数成分を含むホワイトノイズを印加して機械系を加振するため、複数の軸を同時に加振したときに、軸間の干渉により周波数応答の測定が正しく行えないという問題があった。すなわち、X軸とY軸を有する機械において、X軸である第1軸とY軸である第2軸に対して同時にホワイトノイズを印加して加振した場合、例えばX軸の周波数応答には、X軸を加振したことに起因する応答成分とY軸を加振したことに起因する応答成分とが重畳されることになり、X軸単体の周波数応答を正しく求めることができなくなる。
これに対して実施の形態3に係る周波数応答測定装置100では、第1軸と第2軸とを同時に加振するとき、第1軸と第2軸の加振周期を変えている。そのため、第1軸と第2軸との間の干渉の影響を回避しながら、短時間で周波数応答の測定を行うことができる。すなわち、ホワイトノイズの一例であるM系列信号で加振を行う場合、ナイキストの定理により、基準周波数の1/2以上の周波数成分は加振信号には含まれない。また、基準周波数よりも相対的に低い周波数領域では、信号のS/N比または摩擦といった外乱の影響の関係から、当該領域の成分が加振信号に含まれにくくなる。従って、長い周期で第1軸を加振して短い周期で第2軸を加振した場合、低周波数領域における第1軸の加振が第2軸の挙動に及ぼしても、同時に加振する第2軸は短い周期の加振であるため低周波数領域の成分は加振結果には含まれなくなり、第1軸の加振の影響を受けずに第2軸の高周波数領域の周波数応答を測定することができる。
なお、実施の形態3では機械系の一例である2軸機械40が用いられているが、実施の形態3の周波数応答測定装置100の測定対象は2軸の可動軸を有する機械系に限定されるものではなく、3軸以上の2軸の可動軸を有する機械系であってもよい。
以上に説明したように実施の形態1から3に係る周波数応答測定装置100は、複数の異なる加振周期を設定する加振周期設定部1と、異なる加振周期の加振信号でサーボ系3を複数回加振する加振実行部2と、複数回の加振がなされたサーボ系3から、複数回の加振ごとに同定入力信号3aと同定出力信号3bの組を取得し、複数回の加振ごとの加振周期と、複数回の加振ごとの同定入力信号3aと同定出力信号3bの組とに基づいて、周波数応答を演算する周波数応答演算部4と、複数回の加振周期ごとの周波数応答を合成して、サーボ系3の周波数応答を演算する周波数応答合成部5と、を備える。この構成により、単一の加振周期で加振した場合には低周波数領域および高周波数領域の周波数応答を正しく求めることができなくなるのに対し、実施の形態1から3に係る周波数応答測定装置100では、周波数範囲ごとに適切な加振周期の加振信号を用いて加振することができるので、広い周波数範囲にわたって周波数応答を精度よく求めることができる。
また、実施の形態1から3に係る周波数応答合成部5は、加振周期の逆数である加振周波数に基づいて、複数回の加振周期ごとに異なる周波数範囲を設定し、複数回の加振周期ごとの周波数応答の中から、複数回の加振周期ごとに異なる周波数範囲に対応する応答を抽出して合成する。この構成により、測定対象である低周波数領域、中周波数領域、および高周波数領域を含む全ての周波数範囲が複数の周波数範囲に分割され、分割された各周波数範囲ごとに適切な加振周期の加振信号を用いて加振することができるので、全ての周波数範囲にわたって周波数応答を精度よく求めることができる。
また、実施の形態1から3に係る周波数応答合成部5に設定される複数回の加振周期ごとに異なる周波数範囲は、加振周期の逆数である加振周波数が高いほど高い周波数範囲となる。この構成により、低周波数領域では相対的に長い加振周期、すなわち相対的に低い加振周波数で加振した場合の周波数応答を用い、高周波数領域では短い加振周期すなわち高い加振周波数で加振した場合の周波数応答を用いることができるので、広い周波数範囲にわたって周波数応答を精度よく求めることができる。
また、実施の形態3に係る周波数応答測定装置100は、機械系が複数の可動軸を有し、加振実行部2は複数の可動軸を同時に互いに異なる加振周期で加振する。複数の可動軸を同時に加振することにより測定時間を短縮でき、また、同時に加振しても軸間の干渉に影響されることなく各軸の周波数応答を精度よく測定できる。
以上のように、本発明は、産業用機械の状態を診断するために周波数応答を測定する周波数応答測定装置に有用である。
1 加振周期設定部、2 加振実行部、3 サーボ系、4 周波数応答演算部、5 周波数応答合成部、6 位置指令、31 減算部、32 位置制御部、33 加減算部、34 速度制御部、35 機械系、36 サーボモータ、37 負荷、38 ロータリーエンコーダ、39 シャフト、40 2軸機械、41 第1軸、42 第1軸モータ、43 第1軸位置検出器、44 第1軸負荷、45 第2軸、46 第2軸モータ、47 第2軸位置検出器、48 第2軸負荷、100 周波数応答測定装置。

Claims (4)

  1. 機械系をフィードバック制御するサーボ系の周波数応答を測定する周波数応答測定装置において、
    複数の異なる擬似ランダム信号の基準周期を加振周期として設定する加振周期設定部と、
    前記異なる加振周期の加振信号で前記サーボ系を複数回加振する加振実行部と、
    前記複数回の加振がなされた前記サーボ系から、前記複数回の加振ごとに同定入力信号と同定出力信号の組を取得し、前記複数回の加振ごとの前記加振周期と、前記複数回の加振ごとの前記同定入力信号と前記同定出力信号の組とに基づいて、前記周波数応答を演算する周波数応答演算部と、
    前記複数回の加振周期ごとの周波数応答を合成して、前記サーボ系の周波数応答を演算する周波数応答合成部と、
    を備えることを特徴とする周波数応答測定装置。
  2. 前記周波数応答合成部は、前記加振周期の逆数である加振周波数に基づいて、前記複数回の加振周期ごとに異なる周波数範囲を設定し、前記複数回の加振周期ごとの周波数応答の中から、前記複数回の加振周期ごとに異なる周波数範囲に対応する応答を抽出して合成することを特徴とする請求項1に記載の周波数応答測定装置。
  3. 前記周波数応答合成部に設定される前記複数回の加振周期ごとに異なる周波数範囲は、前記加振周波数が高いほど高い周波数範囲となることを特徴とする請求項2に記載の周波数応答測定装置。
  4. 前記機械系は、複数の可動軸を有し、
    前記加振実行部は、前記複数の可動軸を同時に互いに異なる加振周期で加振することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の周波数応答測定装置。
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