JP6213804B2 - 光学フィルム用基材、光学フィルム、偏光板、液晶パネルおよび画像表示装置 - Google Patents

光学フィルム用基材、光学フィルム、偏光板、液晶パネルおよび画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学フィルム用基材、光学フィルム、偏光板、液晶パネルおよび画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の画像表示装置における画像表示面や、画像表示装置の前面に設けられるタッチパネル等には、例えば、外光の写り込みを抑制するための最表面に反射防止層を設けた反射防止フィルムが設けられている。
反射防止フィルムは、主に、光透過性基材と、光透過性基材上に設けられたハードコート層と、ハードコート層上に設けられた低屈折率層とを備えている。反射防止フィルムは、低屈折率層の表面で反射する光と、低屈折率層とハードコート層との界面で反射する光とを打消し合わせることによって、反射光自体を低減させるものである。
しかしながら、このような反射防止フィルムにおいては、光透過性基材とハードコート層との屈折率差に起因して、光透過性基材とハードコート層との界面で反射する光と、低屈折率層とハードコート層との界面で反射する光とが干渉して、干渉縞と呼ばれる虹色状のムラ模様が発生してしまうという問題がある。
このような問題に対し、ハードコート層を光透過性基材上に形成する際に、光透過性基材の上部にハードコート層用組成物の成分を浸透させ、光透過性基材におけるハードコート層との界面付近に、光透過性基材の成分とハードコート層の成分が混在した混在領域を形成し、混在領域により光透過性基材とハードコート層との屈折率差を緩和して、干渉縞の発生を防止するという技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この技術は光透過性基材としてトリアセチルセルロール等のセルロースエステル基材を使用する場合には適用できるが、光透過性基材としてポリエチレンテレフタレート等のポリエステル基材、シクロオレフィン基材、またはアクリル基材等を使用する場合には、これらの基材にはハードコート層用組成物の成分が浸透しにくいため適用できない。
ポリエステル基材は、安価で入手可能であり、かつ耐湿性および耐熱性に優れているため、現在、反射防止フィルムの光透過性基材として使用することが検討されている。このようなことから、セルロースエステル基材のみならず、ポリエステル基材においても干渉縞の問題を解消したいという要望がある。
干渉縞の発生を防止する別の方法として、プレスやブラスト処理によって表面に凹凸を有する光透過性基材や、凹凸表面を有するプライマー層を有する光透過性基材の表面にハードコート層を設けて、光透過性基材とハードコート層との界面を凹凸面とする方法がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この方法においては、光透過性基材とハードコート層との界面が凹凸面となっているので、映像光が凹凸面により偏向してしまい、映像の輝きおよび鋭さの減少、明室および暗室コントラストの低下等の画質劣化の問題が生じるおそれがある。
特開2003−131007号公報 特開平8−197670号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、人間の目において干渉縞および画質劣化が認識されにくい光学フィルム用基材、光学フィルム、偏光板、液晶パネル、および画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明の一の態様によれば、光学フィルムに用いられ、かつ一方の面に前記光学フィルムの一部を構成する第1の機能層が隣接して設けられる光学フィルム用基材であって、光透過性基材と、前記光透過性基材上に設けられ、かつ前記光透過性基材に隣接した凹凸層とを備え、前記凹凸層が、前記光学フィルム用基材における前記第1の機能層側の表面をなす凹凸面を有し、前記凹凸面の平均傾斜角をθaとし、前記凹凸面の最大傾斜角をθmaxとし、前記光透過性基材の屈折率をnとし、前記凹凸層の屈折率をnとし、前記第1の機能層の屈折率をnとし、n≠nとし、n≠nとしたとき、θa>tan−1(0.0013/│n−n│)、かつθmax<tan−1(0.0087/│n−n│)の関係を満たす、光学フィルム用基材が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の光学フィルム用基材と、前記光学フィルム用基材の前記凹凸面に隣接して設けられた第1の機能層とを備える、光学フィルムが提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の光学フィルムと、前記光学フィルムの前記光学フィルム用基材における前記第1の機能層が形成されている面とは反対側の面に形成された偏光素子とを備える、偏光板が提供される。
本発明の他の態様によれば、上記の光学フィルム、または上記の偏光板を備える、液晶表示パネルが提供される。
本発明の他の態様によれば、バックライトユニットと、上記の光学フィルム、または上記の偏光板とを備える、画像表示装置が提供される。
本発明の一の態様の光学フィルム用基材、並びに他の態様の光学フィルム、偏光板、液晶パネル、および画像表示装置によれば、凹凸面の平均傾斜角θaが、上記の関係式を満たすので、干渉縞が発生したとしても人間の目の分解能以下のピッチで発生する。これにより、人間の目において干渉縞が認識されにくい。また、凹凸面の最大傾斜角θmaxが、上記の関係式を満たすので、人間の目において画質劣化が認識されにくい。
実施形態に係る光学フィルムの概略構成図である。 平均傾斜角θaを説明するための図である。 人間の目に干渉縞が認識されない傾斜角θを求めるための図である。 c2>nf2の場合において、人間の目に画質劣化が認識されにくい傾斜角θを求めるための図である。 f2>nc2の場合において、人間の目に画質劣化が認識されにくい傾斜角θを求めるための図である。 実施形態に係る偏光板の概略構成図である。 実施形態に係る液晶パネルの概略構成図である。 実施形態に係る画像表示装置の一例である液晶ディスプレイの概略構成図である。
以下、本発明の実施形態に係る光学フィルムについて、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る光学フィルムの概略構成図であり、図2は平均傾斜角θaを説明するための図であり、図3は人間の目に干渉縞が認識されにくい傾斜角θを求めるための図であり、図4はnc2>nf2の場合において、人間の目に画質劣化が認識されにくい傾斜角θを求めるための図であり、図5はnf2>nc2の場合において、人間の目に画質劣化が認識されにくい傾斜角θを求めるための図である。なお、本明細書において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「フィルム」はシートや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。一具体例として、「光学フィルム」には、「光学シート」や「光学板」等と呼ばれる部材も含まれる。
≪光学フィルム用基材および光学フィルム≫
図1に示されるように、光学フィルム10は、少なくとも、光学フィルム用基材20と、光学フィルム用基材20に隣接して設けられた第1の機能層30とを備えている。図1に示される光学フィルム10は、第1の機能層30上に形成された第2の機能層40をさらに備えるものである。なお、光学フィルム10は、第2の機能層40を備えていなくともよい。
<光学フィルム用基材>
図1に示される光学フィルム用基材20は、光透過性基材21と、光透過性基材21上に設けられ、光透過性基材に隣接した凹凸層22とを備えている。凹凸層22は光学フィルム用基材20における第1の機能層30側の表面をなす凹凸面22Aを有している。
光学フィルム用基材20は、凹凸面22Aの平均傾斜角をθaとし、凹凸面22Aの最大傾斜角をθmaxとし、光透過性基材21の屈折率をnとし、凹凸層22の屈折率をnとし、第1の機能層30の屈折率をnとし、n≠nとし、n≠nとしたとき、下記式(1)および下記式(2)の関係を満たしている。
θa>tan−1(0.0013/│n−n│) …(1)
θmax<tan−1(0.0087/│n−n│) …(2)
「θa」の定義は、表面粗さ測定器:SE−3400/(株)小坂研究所製取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に従うものとする。具体的には、図2に示されるように、基準長さLに存在する凸部高さの和(h+h+h+・・・+h)を基準長さで割り、その値のアークタンジェントで表すことができる。すなわち、θaは、下記式(3)で表すことができる。
θa=tan−1{(h+h+h+・・・+h)/L} …(3)
θaは、例えば、表面粗さ測定器(型番:SE−3400/(株)小坂研究所製)を用いて、下記の測定条件により測定を行うことができる。
1)表面粗さ検出部の触針((株)小坂研究所製の商品名SE2555N(2μ標準))
・先端曲率半径2μm、頂角90度、材質ダイヤモンド
2)表面粗さ測定器の測定条件
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
θmaxは上記した通り凹凸面の最大傾斜角であり、θmaxは、例えば、凹凸面の表面形状を測定し、そこで得られたデータを解析することにより得られる。表面形状を測定する装置としては、接触式表面粗さ計や非接触式の表面粗さ計(例えば、干渉顕微鏡、共焦点顕微鏡、原子間力顕微鏡等)が挙げられる。これらの中でも、測定の簡便性から干渉顕微鏡が好ましい。このような干渉顕微鏡としては、Zygo社製の「New View」シリーズ等が挙げられる。
干渉顕微鏡を用いる場合、凹凸面の全面に渡る各点の傾斜Δiを求め、傾斜Δiを表面角度θに換算して、そこから、表面角度θの絶対値の相対累積度数が小さい方から90%になるときの表面角度を算出し、この表面角度を「最大傾斜角θmax」とする。ここで、表面角度θの絶対値の相対累積度数が小さい方から90%になるときの表面角度を用いたのは、表面角度θの絶対値の相対累積度数が小さい方から100%になるときの表面角度では、測定での異常値の影響が大きいからである。なお、傾斜Δiは、下記式(4)により求めることができる。
Figure 0006213804
式中、測定面の一つ方向をX方向としたとき、ZはX方向i番目の高さであり、ΔXはサンプリング間隔である。また表面角度θは下記式(5)により換算することができる。
θ=tan−1Δi …(5)
光透過性基材21の屈折率nはアッベ屈折率計(アタゴ社製 NAR−4T)やエリプソメーターによって測定できる。また、凹凸層22の屈折率nおよび第1の機能層30の屈折率nは、それぞれ単独の層を形成した後、アッベ屈折率計(アタゴ社製 NAR−4T)やエリプソメーターによって測定できる。また、光学フィルムとなった後に屈折率を測定する方法としては、各層の硬化膜をカッターなどで削り取り、粉状態のサンプルを作製し、JIS K7142(2008)B法(粉体または粒状の透明材料用)に従ったベッケ法(屈折率が既知のカーギル試薬を用い、前記粉状態のサンプルをスライドガラスなどに置き、そのサンプル上に試薬を滴下し、試薬でサンプルを浸漬する。その様子を顕微鏡観察によって観察し、サンプルと試薬の屈折率が異なることによってサンプル輪郭に生じる輝線;ベッケ線が目視で観察できなくなる試薬の屈折率を、サンプルの屈折率とする方法)を用いることができる。
凹凸面22Aの平均傾斜角θaが上記式(1)の関係を満たしていることが必要であるとしたのは、凹凸面22Aの平均傾斜角θaが上記式(1)を満たせば、以下の理由から、干渉縞が発生したとしても人間の目には干渉縞が認識されにくいからである。ただし、本発明は、以下の理論に拘束されるものではない。
干渉縞のピッチが人間の目の分解能よりも狭い場合には、ピッチが狭すぎて干渉縞として認識されることはない。したがって、人間の目に干渉縞として認識されないためには、干渉縞のピッチを人間の目の分解能よりも狭くすることが必要である。ここで、明暗が矩形状に変化する場合には、視力1の人間の目の分解能は1分であるから、明視距離を25cmとした場合、人間は約70μmのピッチの明暗縞を検知することができる。しかしながら、明暗が矩形ではなく、グラデーションをもって変化する場合には、人間が検知できる感度は数倍から数十倍にも低下することが知られている。干渉縞はグラデーションをもって変化するものであるので、干渉縞(明線)のピッチが300μmであっても、干渉縞は人間の目には認識できないものと考えられる。したがって、干渉縞のピッチが300μm未満であれば干渉縞は人間の目には認識されないものと考えられる。
一方、図3に示されるように、例えば、屈折率がnb1の光透過性基材101上に凹凸面102Aを有する屈折率がnc1の凹凸層102が設けられ、凹凸層102の凹凸面102A上に、凹凸層102側の面(裏面)が凹凸層102の凹凸面102Aの形状と対応する凹凸面となり、かつ凹凸層102側の面とは反対側の面(表面)が平坦となった屈折率がnf1の機能層103が形成されて場合において(ただし、nb1≠nc1、かつnc1≠nf1)、凹凸層102の凹凸面102Aがなす傾斜角をθとし、機能層103の表面で反射される赤色光104、105と、光透過性基材101と凹凸層102との界面で反射される赤色光106、107とが強め合うように干渉して、ピッチAで赤色光の明線R1、R2(以下、赤色光の明線を「赤色明線」と称する。)が発生したと仮定すると、上記の理論からピッチAが300μm未満であれば、赤色明線の干渉縞は、人間の目には認識されないこととなる。そこで、以下、図3において、ピッチAが300μmのときの傾斜角θを求める。なお、青色光や緑色光の明線は、赤色光の明線のピッチよりも狭いピッチで生じるので、赤色光の明線が認識できなければ、青色光や緑色光の明線が生じたとしても、人間の目には認識されない。また、図3に示される凹凸層102は、機能層103の一部を極めて拡大したものである。
まず、図3に示されるピッチA(300μm)を底辺とし、距離Bと高さとする三角形においては、下記式(6)が成り立つ。
tanθ=B/A=B/300 …(6)
式(4)中の距離Bは光学距離ではなく、実際の距離である。
また、赤色光106と赤色光107との光路差をbとすると、距離Bは、下記式(7)で表すことができ、そして下記式(7)をBについて解くと、下記式(8)となる。
b=│2×B×nc1−2×B×nf1
=2×B×│nc1−nf1│ …(7)
B=b/(2×│nc1−nf1│) …(8)
ここで、赤色明線R1と赤色明線R2は隣り合い、しかも赤色光104は赤色光106と、赤色光105は赤色光107と強め合うように干渉しているので、赤色光の一波長を0.78μm(780nm)とすると、光路差bは、赤色光の一波長分、すなわち0.78μmとなる。
式(8)の光路差bに0.78μmを代入するとともに、式(6)のBに式(8)を代入すると、下記式(9)が得られる。
tanθ=0.78/(2×300×│nc1−nf1│) …(9)
そして、式(9)をθについて解くと、下記式(10)が得られる。
θ=tan−1(0.78/600×│nc1−nf1│)
=tan−1(0.0013/│nc1−nf1│) …(10)
したがって、傾斜角θがtan−1(0.0013/│nc1−nf1│)より大きければ、すなわち下記式(11)の関係を満たす傾斜角θであれば、機能層103の表面で反射する光と、光透過性基材101と凹凸層102との界面で反射する光とが干渉して干渉縞が発生したとしても、干渉縞は人間の目には認識されないと言える。
θ>tan−1(0.0013/│nc1−nf1│) …(11)
したがって、光透過性基材101が光透過性基材21であり、凹凸層102が凹凸層22であり、機能層103が第1の機能層30である場合には、上記式(11)中のnc1をnに、またnf1をnに置き換えた下記式(12)の関係を満たす傾斜角θであれば、第1の機能層30の表面で反射する光と、光透過性基材21と凹凸層22との界面で反射する光とが干渉して干渉縞が発生したとしても、干渉縞は人間の目には認識されないこととなる。
θ>tan−1(0.0013/│n−n│) …(12)
そして、上記式(12)中の傾斜角θを平均傾斜角θaに置き換えれば、上記式(1)が得られる。したがって、凹凸面22Aの平均傾斜角が上記式(1)の関係を満たせば、たとえ、第1の機能層30の表面で反射する光と、光透過性基材21と凹凸層22との界面で反射する光とが干渉して干渉縞が生じたとしても、人間の目にはこの干渉縞は認識されにくい。
凹凸面22Aの最大傾斜角θmaxが上記式(2)の関係を満たしていることが必要であるとしたのは、凹凸面22Aの最大傾斜角θmaxが上記式(2)を満たせば、以下の理由から、人間の目には、画質劣化は認識されないからである。ただし、本発明は、以下の理論に拘束されるものではない。
図4に示されるように、屈折率がnb2である光透過性基材201、凹凸面202Aの傾斜角がθであり、かつ屈折率がnc2である凹凸層202、および屈折率がnf2である機能層203がこの順で形成された光学フィルム200において(ただし、nb2≠nc2、かつnc2≠nf2)、nc2>nf2の場合においては、光透過性基材201側から凹凸層202に映像光を光学フィルム200の法線方向Nに沿って入射させた場合には、映像光は凹凸面202Aで偏向して、光学フィルム200の法線方向Nに対する角度がΨとなって機能層203中を進む。機能層203中を進む映像光は機能層203の表面から出射するが、機能層の表面から出射する際に映像光は再度偏向して、光学フィルム200の法線方向Nに対する角度(出射角度)がαとなって機能層203から出射する。ここで、この出射角度αが大きい場合には、人間の目には映像光の画質劣化が認識されてしまう。一方、出射角度αが小さい場合には、たとえ映像光が光学フィルム200の法線方向Nとなっていなくとも、人間の目には映像光の画質劣化が認識されず、光学フィルム200の法線方向Nに映像光が出射された場合と同等の画質と認識される。そこで、人間の目において映像光の画質劣化が認識されにくい出射角度αについて検討すると、まず、JIS K7136には、ヘイズは、試験片を通過する透過光のうち、前方散乱によって、入射光から2.5°以上それた透過光の百分率であることが規定されている。すなわち、ヘイズの定義においては2.5°以上の透過光はヘイズとして測定されるが、2.5°未満の透過光であればヘイズとして測定されない。このようなことから、人間の目に映像光の画質劣化が認識されにくい出射角度αを2.5°未満にすることも考えられる。しかしながら、本発明者は、鋭意検討したところ、実際には、出射角度αが0.5°以上の角度であれば、人間の目において画質劣化が認識されるおそれがあることを見出した。そこで、本発明においては、人間の目に映像光の画質劣化が認識されにくい出射角度αを0.5°未満とすることにした。一方で、出射角度αは凹凸面202Aの傾斜角θによって変化するので、以下、出射角度αが0.5°未満となる凹凸面202Aの傾斜角θを求めることとする。
まず、スネルの法則より、下記式(13)が成り立つ。
c2×sinθ=nf2×sinξ …(13)
式(13)中、ξは、図4に示されるように傾斜角がθである凹凸面202Aにおける法線方向と機能層203中を進む映像光との角度を表す。ここで、図4においてはξ=θ+ψという関係があるので、これを上記式(13)に代入すると、下記式(14)が得られる。
c2×sinθ=nf2×sin(θ+ψ) …(14)
上記式(14)について、三角関数の加法定理を適用すると、下記式(15)が得られる。
c2×sinθ=nf2×(sinθ×cosψ+cosθ×sinψ) …(15)
そして、上記式(15)を変形すると、下記式(16)となる。
sinθ/cosθ=nf2×sinψ/(nc2−nf2cosψ) …(16)
一方、機能層203と空気との界面においては、スネルの法則により、下記式(17)が成り立つ。そして、式(17)を変形すると、下記式(18)が得られる。
f2×sinψ=sinα …(17)
sinψ=sinα/nf2 …(18)
また、三角関数の相互関係から、下記式(19)が成り立つ。そして、上記式(18)を下記式(19)に代入すると、下記式(20)が得られる。
cosψ=(1−sinψ)1/2 …(19)
=(1−sinα/nf2 1/2 …(20)
上記式(16)のsinθ/cosθをtanθとし、上記式(17)および上記式(20)を上記式(16)に代入すると、下記式(21)が得られる。
tanθ=sinα/(nc2−nf2×(1−sinα/nf2 1/2) …(21)
ここで、αが小さいときは、(1−sinα/nf2 1/2=1としてよいので、上記式(21)において(1−sinα/nf2 1/2=1とすると、上記式(21)は、下記式(22)となる。
tanθ=sinα/(nc2−nf2) …(22)
これをθについて解くと、凹凸面202Aの傾斜角θと出射角度αとの関係式である下記式(23)が得られる。
θ=tan−1(sinα/(nc2−nf2)) …(23)
そして、上記式(23)のαに0.5を代入すると、下記式(24)が得られる。
θ=tan−1(0.0087/(nc2−nf2)) …(24)
したがって、θがtan−1(0.0087/(nc2−nf2)よりも小さい値であれば、すなわち、下記式(25)の関係を満たす傾斜角θであれば、画質劣化は人間の目には認識されにくいこととなる。
θ<tan−1(0.0087/(nc2−nf2)) …(25)
上記においては、nc2>nf2の場合について説明したが、nf2>nc2の場合であっても、上記と同様のことが言える。
f2>nc2の場合は、nc2>nf2の場合と異なり、図5に示すようにξ=θ−ψとなるので、上記式(14)ではなく、下記式(26)が成り立つ。
c2×sinθ=nf2×sin(θ−ψ) …(26)
上記式(26)を基に、上記と同様の計算を行うと、下記式(27)が得られる。
θ<tan−1(0.0087/(nf2−nc2)) …(27)
そして、上記式(25)と上記式(27)を一つの式で表すと、下記式(28)となる。
θ<tan−1(0.0087/│nc2−nf2│) …(28)
そして、上記式(28)中の傾斜角θを最大傾斜角θmaxに置き換えれば、上記式(2)が得られる。ここで、上記式(2)において、最大傾斜角θmaxではなく、平均傾斜角θaを用いた場合には、凹凸面の中には平均傾斜角θaよりも大きい傾斜角も存在してしまう。したがって、平均傾斜角θaが上記式(2)を満たしていたとしても、凹凸面の中には平均傾斜角θaよりも大きい傾斜角が存在するので、出射角度αが0.5°以上となる映像光が存在してしまい、人間の目に画質劣化を認識させるおそれがある。これに対し、θmaxは凹凸面に存在する凹凸の最大の傾斜角であるので、凹凸面の中にはθmaxよりも大きい傾斜角は存在しない。このため、出射角度αが0.5°以上となる映像光も存在しないこととなる。このようなことから、上記式(2)においては、平均傾斜角θaではなく、最大傾斜角θmaxを用いている。したがって、n>nの場合、n>nの場合問わず、凹凸面22Aの最大傾斜角θmaxが上記式(2)の関係を満たせば、たとえ画質劣化が生じたとしても、人間の目には画質劣化が認識されにくい。
上記においては、出射角度αが0.5°未満の場合であれば、人間の目には画質劣化が認識されにくいとしたが、人間の目において画質劣化をより認識させないためには出射角度αを0.3°未満とすることが好ましい。したがって、凹凸面22Aのθmaxは下記式(29)を満たすことが好ましい。なお、下記式(29)は、上記式(23)のαに0.3を代入することによって、導き出したものである。
θmax<tan−1(0.0052/│n−n│) …(29)
さらに、上述したように人間の目の分解能は1分(1/60°)であるから、人間の目において画質劣化をより確実に認識させないためには出射角度αを1分以下とすることが特に好ましい。したがって、凹凸面22Aのθmaxは下記式(30)を満たすことが特に好ましい。なお、下記式(30)は、上記式(23)のαに1/60を代入することによって、導き出したものである。
θmax<tan−1(0.0003/│n−n│) …(30)
凹凸層22の屈折率nと第1の機能層30の屈折率nとの差(│n−n│)は0.03以上1.0以下とすることも可能である。│n−n│を1.0以下とした場合には、干渉縞および画質劣化が人間の目により認識されにくくなる。│n−n│の下限は、0.05以上や0.1以上とすることも可能である。
凹凸面22Aにおける粗さ曲線のクルトシスRkuは、5.0未満であることが好ましい。Rkuは、凹凸面22Aを構成する凹凸の尖りを表す指標である。凹凸面22AにおけるRkuが、5.0未満であるので、凹凸面の中に急峻な凹凸が存在せず、人間の目には画質劣化がより認識されにくくなる。
RkuはJIS B0601:2001において定義されており、下記式(31)で表される。
Figure 0006213804
式(31)中、Rqは二乗平均平方根粗さを表し、lrは基準長さを表し、Z(x)は粗さ曲線を表す。
凹凸面22Aにおける粗さ曲線のスキューネスRSkは、1.0以下であることが好ましい。Rskは、凹凸面22Aを構成する凹凸の傾斜角分布の偏り度合いを表す指標である。凹凸面22AにおけるRskが1.0以下であるので、傾斜角分布の偏りが小さく、人間の目には画質劣化がより認識されにくくなる。
RskはJIS B0601:2001において定義されており、下記式(32)で表される。
Figure 0006213804
式(32)中、Rqは二乗平均平方根粗さを表し、lrは基準長さを表し、Z(x)は粗さ曲線を表す。
凹凸層22の凹凸面22Aにおいては、凹凸面22Aを構成する凹凸の平均間隔Smが0.03mm以上0.60mm以下となっていることが好ましく、0.05mm以上0.30mm以下となっていることがより好ましい。凹凸層22の凹凸面22Aにおいては、凹凸面22Aを構成する凹凸の算術平均粗さRaが0.05μm以上0.50μm以下となっていることが好ましく、0.10μm以上0.30μm以下となっていることがより好ましい。凹凸層22の凹凸面22Aにおいては、凹凸面22Aを構成する凹凸の最大高さ粗さRyが0.20μm以上4.0μm以下となっていることが好ましく、0.25μm以上2.0μm以下となっていることがより好ましい。凹凸層22の凹凸面22Aにおいては、凹凸面22Aを構成する凹凸の10点平均粗さRzが0.15μm以上2.0μm以下となっていることが好ましく、0.18μm以上1.5μm以下となっていることがより好ましい。
上記「Sm」、「Ra」、「Ry」および「Rz」の定義は、JIS B0601−1994に従うものとし、上述の表面粗さ測定器(型番:SE−3400/(株)小坂研究所製)を用いて、上述と同様の測定条件により測定を行うことができる。
本発明においては、上記式(1)を満たす平均傾斜角θaを有する凹凸面22Aを形成して、人間の目に干渉縞が認識されにくくするので、光学フィルム10の状態においては、光学フィルム用基材20には、光学フィルム用基材10と第1の機能層30の後述するバインダ樹脂の成分とが混在した混在領域を形成する必要がない。また、混在領域を形成しないことにより、第1の機能層30の厚みを薄くすることができ、製造コストの低減を図ることができる。
(光透過性基材)
光透過性基材21としては、光透過性を有すれば特に限定されない。光透過性基材21としては、セルロールエステル基材であってもよいが、本発明においては、混在領域を形成しなくとも人間の目に干渉縞が認識されにくくすることができるので、混在領域の形成が困難な基材に特に有効である。混在領域の形成が困難な光透過性基材としては、例えば、アクリル基材、ポリエステル基材、ポリカーボネート基材、シクロオレフィンポリマー基材、およびガラス基材等が挙げられる。
セルロースエステル基材としては、例えば、セルローストリアセテート基材、セルロースジアセテート基材が挙げられる。セルロースエステル基材は光透過性に優れており、セルロースアシレート基材の中でもトリアセチルセルロース基材(TAC基材)が好ましい。トリアセチルセルロース基材は、可視光域380〜780nmにおいて、平均光透過率を50%以上とすることが可能な光透過性基材である。トリアセチルセルロース基材の平均光透過率は70%以上、更に85%以上であることが好ましい。
なお、トリアセチルセルロース基材としては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートの如くセルロースとエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分も併用した物であってもよい。また、これらトリアセチルセルロースには、必要に応じて、ジアセチルセルロース等の他のセルロース低級脂肪酸エステル、或いは可塑剤、紫外線吸收剤、易滑剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
アクリル基材としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル基材、ポリ(メタ)アクリル酸エチル基材、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体基材等が挙げられる。
ポリエステル基材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等が挙げられる。
ポリエステル基材に用いられるポリエステルは、これらの上記ポリエステルの共重合体であってもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%以下)の他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので特に好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは汎用性が高く、入手が容易であるからである。本発明においてはポリエチレンテレフタレートのような、汎用性が極めて高いフィルムであっても、表示品質の高い液晶表示装置を作製することが可能な、光学フィルムを得ることができる。更に、ポリエチレンテレフタレートは、透明性、熱又は機械的特性に優れ、延伸加工によりリタデーションの制御が可能であり、固有複屈折が大きく、膜厚が薄くても比較的容易に大きなリタデーションが得られる。
ポリカーボネート基材としては、例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート基材、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート基材等が挙げられる。
シクロオレフィンポリマー基材としては、例えばノルボルネン系モノマーおよび単環シクロオレフィンモノマー等の重合体からなる基材が挙げられる。
ガラス基材としては、例えば、ソーダライムシリカガラス、ホウ珪酸塩ガラス、無アルカリガラス等のガラス基材が挙げられる。
光透過性基材21の屈折率は、1.40以上1.80以下とすることが可能である。なお、光透過性基材21として複屈折性を有する基材を用いる場合、上記「光透過性基材の屈折率」とは、平均屈折率を意味するものとする。
光透過性基材21として、複屈折性を有する基材を用いる場合、特開2011−107198号公報に開示されているように色の異なるムラ(ニジムラ)の発生を抑制する観点から、光透過性基材21は、3000nm以上のリタデーションReを有することが好ましい。リタデーションReは、複屈折性の程度を表す指標である。ニジムラ防止性及び薄膜化の観点から、6000nm以上25000nm以下であることがより好ましく、8000nm以上20000nm以下であることがさらに好ましい。
光透過性基材21のリタデーションRe(単位:nm)は、光透過性基材21の面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(n)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(n)と、光透過性基材の厚みd(単位:nm)とを用いて、下記式(33)で表される。
Re=(n−n)×d …(33)
リタデーションは、例えば、王子計測機器製KOBRA−WRを用いて、測定角0°且つ測定波長548.2nmに設定して、測定された値とすることができる。また、リタデーションは、次の方法でも求めることができる。まず、二枚の偏光板を用いて、光透過性基材の配向軸方向を求め、配向軸方向に対して直交する二つの軸の屈折率(n,n)を、アッベ屈折率計(アタゴ社製 NAR−4T)によって求める。ここで、より大きい屈折率を示す軸を遅相軸と定義する。また、光透過性基材の厚みを例えば電気マイクロメータ(アンリツ社製)を用いて測定する。そして、得られた屈折率を用いて、屈折率差(n−n)(以下、n−nをΔnと称する)を算出し、この屈折率差Δnと光透過性基材21の厚みd(nm)との積により、リタデーションを求めることができる。
屈折率差Δnは、0.05〜0.20であることが好ましい。屈折率差Δnが0.05未満であると、上述したリタデーション値を得るために必要な厚みが厚くなることがある。一方、屈折率差Δnが0.20を超えると、延伸倍率を過度に高くする必要が生じるので、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下することがある。より好ましくは、屈折率差Δnの下限は0.07であり、屈折率差Δnの上限は0.15である。なお、屈折率差Δnが0.15を超える場合、光透過性基材21の種類によっては、耐湿熱性試験での光透過性基材21の耐久性が劣ることがある。耐湿熱性試験での優れた耐久性を確保する観点からは、屈折率差Δnのより好ましい上限は0.12である。
また、光透過性基材21の遅相軸方向における屈折率nとしては、1.60〜1.80であることが好ましく、より好ましい下限は1.65、より好ましい上限は1.75である。また、光透過性基材21の進相軸方向における屈折率nとしては、1.50〜1.70であることが好ましく、より好ましい下限は1.55、より好ましい上限は1.65である。光透過性基材21の遅相軸方向における屈折率nおよび進相軸方向における屈折率nが上記範囲にあり、かつ上述した屈折率差Δnの関係が満たされることで、より好適なニジムラの抑制効果を得ることができる。
例えば、3000nm以上のリタデーションを有するポリエステル基材を得る方法としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルを溶融し、シート状に押出し成形された未延伸ポリエステルをガラス転移温度以上の温度においてテンター等を用いて横延伸後、熱処理を施す方法が挙げられる。上記横延伸温度としては、80〜130℃が好ましく、より好ましくは90〜120℃である。また、横延伸倍率は2.5〜6.0倍が好ましく、より好ましくは3.0〜5.5倍である。上記横延伸倍率が6.0倍を超えると、得られるポリエステル基材の透明性が低下しやすくなり、延伸倍率が2.5倍未満であると、延伸張力も小さくなるため、得られるポリエステル基材の複屈折が小さくなり、所望のリタデーションを得るための膜厚が厚くなってしまう。また、ポリエステル基材をシート状に押出し成形する際に、流れ方向(機械方向)への延伸、すなわち、縦方向延伸を行っても良い。この場合、上記屈折率差Δnの値を上述した好ましい範囲に安定して確保する観点から、上記縦延伸は、延伸倍率が2倍以下であることが好ましい。なお、押出し成形時に縦延伸させることに代えて、上記未延伸ポリエステルの横延伸を上記条件で行った後に、縦延伸を行うようにしてもよい。また、上記熱処理時の処理温度としては、100〜250℃が好ましく、より好ましくは180〜245℃である。
上述した方法で作製したポリエステル基材のリタデーションを3000nm以上に制御する方法としては、延伸倍率や延伸温度、作製するポリエステル基材の膜厚を適宜設定する方法が挙げられる。具体的には、例えば、延伸倍率が高いほど、延伸温度が低いほど、また、膜厚が厚いほど、高いリタデーションを得やすくなり、延伸倍率が低いほど、延伸温度が高いほど、また、膜厚が薄いほど、低いリタデーションを得やすくなる。
光透過性基材21の厚みは、特に限定されないが、通常、5μm以上1000μm以下とすることが可能であり、光透過性基材21の厚みの下限はハンドリング性等の観点から15μm以上が好ましく、25μm以上がより好ましい。光透過性基材21の厚みの上限は薄膜化の観点から80μm以下であることが好ましい。
光透過性基材21として、リタデーションが3000nm以上のポリエステル基材を用いる場合、ポリエステル基材の厚みとしては、15μm以上500μm以下とすることが好ましい。15μm未満であると、ポリエステル基材のリタデーションを3000nm以上にできず、また、力学特性の異方性が顕著となり、裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下することがある。一方、500μmを超えると、高分子フィルム特有のしなやかさが低下し、工業材料としての実用性が低下するおそれがある。上記ポリエステル基材の厚さのより好ましい下限は50μm、より好ましい上限は400μmであり、更により好ましい上限は300μmである。
また、光透過性基材21には本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、けん化処理、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、及び火炎処理等の表面処理を行ってもよい。
(凹凸層)
凹凸層22は、光透過性基材21上に設けられ、光透過性基材21に隣接し、かつ凹凸面22Aを有する層である。凹凸面22Aについては、上述したので、ここでは説明を省略するものとする。
凹凸層22の屈折率nは、光透過性基材21の屈折率nおよび第1の機能層30の屈折率nと同じで値でなければ、屈折率nや屈折率nよりも大きい値であっても、小さい値であってもよい。具体的には、凹凸層22の屈折率は、1.40以上1.80以下とすることが可能である。また、凹凸層22と光透過性基材21との屈折率差は、小さい方が好ましい。
凹凸層22は、凹凸面22Aを有すればよいが、光透過性基材21、特に混在領域の形成が困難な基材と第1の機能層30との密着性を向上させる密着性向上層として機能することが好ましい。
凹凸層22は、例えば、樹脂および微粒子等から構成することが可能であるが、平均傾斜角θaが上記式(1)を満たし、最大傾斜角θmaxが上記式(2)を満たすような凹凸面を有する凹凸層22を形成できる材料であれば、凹凸層22を構成する材料は特に限定されない。なお、以下、上記式(1)および式(2)を満たす凹凸面を、「特異な凹凸面」と称する。
樹脂
凹凸層22が密着性向上層として機能する場合には、凹凸層22に含まれる樹脂は、従来のプライマー層と同様の材料から構成することが可能である。具体的には、凹凸層22に含まれる樹脂は、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニルまたはアクリル酸などとの共重合体、エチレンとスチレンおよび/またはブタジエンなどとの共重合体、オレフィン樹脂などの熱可塑性樹脂および/またはその変性樹脂、光重合性化合物の重合体、およびエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂等の少なくともいずれかから構成することが可能である。
上記光重合性化合物は、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における、「光重合性官能基」とは、光照射により重合反応し得る官能基である。光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。また、光重合性化合物を重合する際に照射される光としては、可視光線、並びに紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線のような電離放射線が挙げられる。
光重合性化合物としては、光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、または光重合性ポリマーが挙げられ、これらを適宜調整して、用いることができる。光重合性化合物としては、光重合性モノマーと、光重合性オリゴマーまたは光重合性ポリマーとの組み合わせが好ましい。
第1の機能層30が光重合性化合物を用いて形成される場合にあっては、光重合性化合物の重合を開始させることが可能な重合開始剤を凹凸層22に添加しておくことが好ましい。これにより、第1の機能層30を硬化させるときに凹凸層22と第1の機能層30とを強固に架橋させることができる。
微粒子
上記微粒子は無機微粒子または有機微粒子のいずれであってもよいが、凹凸層用組成物の塗布膜を乾燥あるいは重合するときに起こる塗布膜の体積収縮に対して耐性を有していれば良い。なお、微粒子の粒径が可視光波長以上の場合にあっては、微粒子の屈折率と樹脂の屈折率との差を実質的に有さないことが透明性を損なわないので好ましい。具体的には、微粒子の屈折率と樹脂の屈折率との差が0.02以下であることが好ましく、0.01以下であることがより好ましい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO)微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、酸化スズ微粒子、アンチモンドープ酸化スズ(略称;ATO)微粒子、酸化亜鉛微粒子等の無機酸化物微粒子が好ましい。無機酸化物微粒子は、機能層中で凝集体を形成することが可能となり、この凝集体の凝集度合により特異な凹凸面を形成することが可能となる。
有機微粒子としては、例えば、プラスチックビーズを挙げることができる。プラスチックビーズとしては、具体例としては、ポリスチレンビーズ、メラミン樹脂ビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、シリコーンビーズ、ベンゾグアナミンビーズ、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合ビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられる。
有機微粒子は、上述した体積収縮において、微粒子が有する体積収縮に対する抵抗力を適度に調整されていることが好ましい。この収縮に対する抵抗力を調整するには、事前に、三次元架橋の程度を変えて作成した、硬さの異なる有機微粒子を含む光学フィルムを複数作成し、光学フィルムの凹凸面を評価することによって、特異な凹凸面となるに適した架橋度合いを選定しておくことが好ましい。
微粒子として無機酸化物粒子を用いる場合、無機酸化物粒子は表面処理が施されていることが好ましい。無機酸化物微粒子に表面処理を施すことにより、微粒子の凹凸層22中での分布を好適に制御することができ、また微粒子自体の耐薬品性および耐鹸化性の向上を図ることもできる。
表面処理としては、微粒子の表面を疎水性にする疎水化処理が好ましい。このような疎水化処理は、微粒子の表面にシラン類やシラザン類等の表面処理剤を化学的に反応させることにより、得ることができる。具体的な表面処理剤としては、例えば、ジメチルジクロロシランやシリコーンオイル、ヘキサメチルジシラザン、オクチルシラン、ヘキサデシルシラン、アミノシラン、メタクリルシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。微粒子が無機酸化物微粒子の場合、無機酸化物微粒子の表面には水酸基が存在しているが、上記のような疎水化処理を施すことにより、無機酸化物微粒子の表面に存在する水酸基が少なくなり、無機酸化物微粒子のBET法により測定される比表面積が小さくなるとともに、無機酸化物微粒子が過度に凝集することを抑制でき、特異な凹凸面を有する凹凸層22を形成することができる。
凹凸層22を形成するには、まず、上記樹脂および/または光重合性化合物と、微粒子とを、必要に応じて後述するハードコート層に用いる公知の添加剤等と共に溶剤に溶解または分散させた凹凸層用組成物を用意する。
そして、この凹凸層用組成物を光透過性基材21の表面に塗布して塗布膜とした後に、乾燥させる。または、必要に応じて乾燥後に熱や紫外線により重合させる。これにより、微粒子の作用により特異な凹凸面22Aを有する凹凸層22を形成することができる。
なお、上記では、微粒子を用いて特異な凹凸面を形成した例について説明したが、微粒子を用いずに特異な凹凸面を形成することも可能である。具体的には、たとえば、光透過性基材上に光重合性化合物または熱硬化性樹脂を含む凹凸層用組成物を塗布し、特異な凹凸面とは逆形状の凹凸面を有する金型とを押圧しながら光重合性化合物または熱硬化性樹脂を重合させることにより、特異な凹凸面を有する凹凸層の形状を転写形成することも可能である。また、互いに相溶性に乏しい二種以上の樹脂を用いることで相分離により特異な凹凸面を有する凹凸層を形成することも可能である。
凹凸層用組成物の調製方法としては、各成分を均一に混合できれば特に限定されず、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ミキサー等の公知の装置を使用して行うことができる。
凹凸層用組成物を塗布する方法としては、スピンコート、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
凹凸層用組成物に光重合性化合物が含まれており、光重合性化合物を硬化させる際の光として、紫外線を用いる場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる紫外線等が利用できる。また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
<第1の機能層>
第1の機能層30は、凹凸層22の凹凸面22Aに隣接する層であって、単層である。また、第1の機能層30は光学フィルム10において、何らかの機能を発揮することを意図された層であり、具体的には、例えば、ハードコート層、帯電防止層、高屈折率層、低屈折率層、防汚層等が挙げられる。
第1の機能層30は、凹凸層22側の面(裏面)は凹凸層22の凹凸面22Aに対応した凹凸面となっており、また凹凸層22側の面とは反対側の面(表面)は平坦となっている。第1の機能層30の表面を平坦とすることにより、白濁感がなく、反射防止フィルムと同等の表面光沢性を得ることができる。例えば、第1の機能層30の表面における算術平均粗さRaが0.10μm以下となっていれば、第1の機能層30の表面は平坦と言える。なお、この「Ra」の定義は、JIS B0601−1994に従うものとする。
本実施形態の第1の機能層30は、ハードコート層として機能するものである。以下ハードコート層について説明する。
(ハードコート層)
「ハードコート層」とは、光学フィルムの耐擦傷性を向上させるための層であり、具体的には、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で「H」以上の硬度を有するものである。
ハードコート層の屈折率は凹凸層の屈折率と同じ値でなければ、屈折率nよりも大きい値であっても、小さい値であってもよい。具体的には、ハードコート層の屈折率は、1.40以上1.80以下とすることが可能である。
ハードコート層の厚みは1.0μm以上10.0μm以下であることが好ましい。ハードコート層の厚みがこの範囲内であれば、所望の硬度を得ることができる。また、ハードコート層の薄膜化を図ることができる一方で、ハードコート層の割れやカールの発生を抑制できる。ハードコート層の厚みは、断面顕微鏡観察により測定することができる。ハードコート層の厚みの下限は1.5μm以上であることがより好ましく、上限は7.0μm以下であることがより好ましく、ハードコート層の厚みは2.0μm以上5.0μm以下であることがさらに好ましい。
ハードコート層は、例えば、少なくともバインダ樹脂を含んでいる。バインダ樹脂は、光照射により光重合性化合物を重合(架橋)させて得られたものである。この光重合性化合物は、凹凸層の欄で説明したように、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。
光重合性化合物としては、光重合性モノマー、光重合性オリゴマー、または光重合性ポリマーが挙げられ、これらを適宜調整して、用いることができる。光重合性化合物としては、光重合性モノマーと、光重合性オリゴマーまたは光重合性ポリマーとの組み合わせが好ましい。
光重合性モノマー
光重合性モノマーは、重量平均分子量が1000未満のものである。光重合性モノマーとしては、光重合性官能基を2つ(すなわち、2官能)以上有する多官能モノマーが好ましい。本明細書において、「重量平均分子量」は、THF等の溶媒に溶解して、従来公知のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリスチレン換算により得られる値である。
2官能以上のモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートや、これらをPO、EO等で変性したものが挙げられる。
これらの中でも硬度が高いハードコート層を得る観点から、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)等が好ましい。
光重合性オリゴマー
光重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000以上10000未満のものである。光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましい。多官能オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、 ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性ポリマー
光重合性ポリマーは、重量平均分子量が10000以上のものであり、重量平均分子量としては10000以上80000以下が好ましく、10000以上40000以下がより好ましい。重量平均分子量が80000を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる光学フィルムの外観が悪化するおそれがある。上記多官能ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ハードコート層は、上記光重合性化合物を含むハードコート層用組成物を、凹凸層の凹凸面に塗布し、乾燥させた後、塗膜状のハードコート層用組成物に紫外線等の光を照射して、光重合性化合物を重合(架橋)させることにより形成することができる。
ハードコート層用組成物には、上記光重合性化合物の他、必要に応じて、上記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、溶剤、重合開始剤を添加してもよい。さらに、ハードコート層用組成物には、ハードコート層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する等の目的に応じて、従来公知の分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
ハードコート層用組成物の調製方法、塗布方法、および硬化させる際の紫外線等は、上記凹凸層用組成物の場合と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
なお、ハードコート層の代わりに帯電防止層を用いた場合には、帯電防止層は、上記ハードコート層用組成物中に帯電防止剤を含有させることで形成することができる。上記帯電防止剤としては従来公知のものを用いることができ、例えば、第4級アンモニウム塩等のカチオン性帯電防止剤や、スズドープ酸化インジウム(ITO)等の微粒子や、導電性ポリマー等を用いることができる。上記帯電防止剤を用いる場合、その含有量は、全固形分の合計質量に対して1〜30質量%であることが好ましい。
<第2の機能層>
第2の機能層40は、第1の機能層30上に形成され、かつ光学フィルム10において、何らかの機能を発揮することを意図された層である。第2の機能層40は、単層のみならず、2以上の層から構成されていてもよい。具体的には、例えば、低屈折率層、または防汚層が挙げられる。本実施形態の第2の機能層40は、ハードコート層より低い屈折率を有する低屈折率層として機能するものであるので、以下低屈折率層について説明する。
(低屈折率層)
低屈折率層は、外部からの光(例えば蛍光灯、自然光等)が光学フィルムの表面にて反射する際に、その反射率を低下させるためのものである。低屈折率層はハードコート層よりも低い屈折率を有する。具体的には、例えば、低屈折率層は、1.45以下の屈折率を有することが好ましく、1.42以下の屈折率を有することがより好ましい。
低屈折率層の厚みは、限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。低屈折率層の厚みd(nm)は、下記式(34)を満たすものが好ましい。
=mλ/(4n) …(34)
上記式中、nは低屈折率層の屈折率を表し、mは正の奇数を表し、好ましくは1であり、λは波長であり、好ましくは480nm以上580nm以下の範囲の値である。
低屈折率層は、低反射率化の観点から、下記式(35)を満たすものが好ましい。
120<n<145 …(35)
低屈折率層は単層で効果が得られるが、より低い最低反射率、あるいはより高い最低反射率を調整する目的で、低屈折率層を2層以上設けることも適宜可能である。2層以上の低屈折率層を設ける場合、各々の低屈折率層の屈折率及び厚みに差異を設けることが好ましい。
低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率粒子を含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ、フッ化マグネシウム等の低屈折率物質の薄膜等のいずれかで構成することが可能である。フッ素系樹脂以外の樹脂については、上述したハードコート層を構成するバインダ樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
シリカは、中空シリカ微粒子であることが好ましく、このような中空シリカ微粒子は、例えば、特開2005−099778号公報の実施例に記載の製造方法にて作製できる。
なお、第2の機能層40として低屈折率層の代わりに防汚層を用いた場合について以下説明する。
(防汚層)
防汚層は、液晶表示装置の最表面に汚れ(指紋、水性又は油性のインキ類、鉛筆等)が付着しにくく、又は付着した場合でも容易に拭取ることができるという役割を担う層である。また、上記防汚層の形成により、液晶表示装置に対して防汚性と耐擦傷性の改善を図ることも可能となる。防汚層は、例えば、防汚染剤及び樹脂を含む組成物により形成することができる。
上記防汚剤は、画像表示装置の最表面の汚れ防止を主目的とするものであり、液晶表示装置に耐擦傷性を付与することもできる。上記防汚染剤としては、例えば、フッ素系化合物、ケイ素系化合物、又は、これらの混合化合物が挙げられる。より具体的には、2−パーフロロオクチルエチルトリアミノシラン等のフロロアルキル基を有するシランカップリング剤等が挙げられ、特に、アミノ基を有するものが好ましくは使用することができる。上記樹脂としては特に限定されず、上述のハードコート層形成用組成物で例示した樹脂材料が挙げられる。
防汚層は、特に最表面になるように形成することが好ましい。防汚層は、例えばハードコート層自身に防汚性能を付与することにより代替することもできる。
<光学フィルムの物性>
光学フィルム10においては、光学フィルム10のヘイズ値をH(%)とし、光学フィルム用基材20の凹凸面22Aに流動パラフィンを介してスライドガラスを重ねて測定されたヘイズ値をHbin(%)としたとき、下記式(36)を満たすことが好ましい。下記式(36)を満たすことにより、第1の機能層30に起因した拡散の程度が低く抑えられ、これにより人間の目には画質劣化がより認識されにくくなる。
│H−Hbin│<0.3 …(36)
光学フィルム10のヘイズ値Hおよびヘイズ値Hbinは、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136に従って測定される。
≪偏光板≫
光学フィルム10は、例えば、偏光板に組み込んで使用することができる。図6は本実施形態に係る光学フィルムを組み込んだ偏光板の概略構成図である。図6に示されるように偏光板50は、光学フィルム10と、偏光素子51と、保護フィルム52とを備えている。偏光素子51は、光学フィルム用基材20における第1の機能層30が形成されている面とは反対側の面に形成されている。保護フィルム52は、偏光素子51における光学フィルム10が設けられている面とは反対側の面に設けられている。保護フィルム52は位相差フィルムであってもよい。
偏光素子51としては、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等が挙げられる。光透過性基材21としてセルロースエステル基材を用いた場合には、光学フィルム10と偏光素子51とを積層する際に、予め光透過性基材21に鹸化処理を施すことが好ましい。鹸化処理を施すことによって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
≪液晶パネル≫
光学フィルム10や偏光板20は、液晶パネルに組み込んで使用することができる。図7は本実施形態に係る光学フィルムを組み込んだ液晶パネルの概略構成図である。
図7に示される液晶パネル60は、光源側(バックライトユニット側)から観察者側に向けて、トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)等の保護フィルム61、偏光素子62、位相差フィルム63、接着剤層64、液晶セル65、接着剤層66、位相差フィルム67、偏光素子51、光学フィルム10の順に積層された構造を有している。液晶セル65は、2枚のガラス基材間に、液晶層、配向膜、電極層、カラーフィルタ等を配置したものである。
位相差フィルム63、67としては、トリアセチルセルロースフィルムやシクロオレフィンポリマーフィルムが挙げられる。位相差フィルム67は、保護フィルム52と同一であってもよい。接着剤層64、66を構成する接着剤としては、感圧接着剤(PSA)が挙げられる。
≪画像表示装置≫
光学フィルム10、偏光板50、液晶パネル60は、画像表示装置に組み込んで使用することができる。画像表示装置としては、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、タブレットPC、電子ペーパー等が挙げられる。図8は本実施形態に係る光学フィルムを組み込んだ画像表示装置の一例である液晶ディスプレイの概略構成図である。
図8に示される画像表示装置70は、液晶ディスプレイである。画像表示装置70は、バックライトユニット71と、バックライトユニット71よりも観察者側に配置された、光学フィルム10を備える液晶パネル60とから構成されている。バックライトユニット71としては、公知のバックライトユニットが使用できる。バックライトユニット71に用いられる光源としては特に限定されないが、白色発光ダイオード(白色LED)が好ましい。白色LEDとは、蛍光体方式、すなわち化合物半導体を使用した青色光又は紫外光を発する発光ダイオードと蛍光体を組み合わせることにより白色を発する素子のことである。なかでも、化合物半導体を使用した青色発光ダイオードとイットリウム・アルミニウム・ガーネット系黄色蛍光体とを組み合わせた発光素子からなる白色発光ダイオードは、連続的で幅広い発光スペクトルを有していることからニジムラの改善に有効であるとともに、発光効率にも優れるため、本発明における上記バックライト光源として好適である。また、消費電力の小さい白色LEDを広汎に利用可能になるので、省エネルギー化の効果も奏することが可能となる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの記載に限定されない。
<凹凸層用組成物の調製>
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、凹凸層用組成物を得た。
(凹凸層用組成物1)
・球状ポリスチレン微粒子(製品名「SX−350H」、屈折率1.59、平均粒径3.5μm、綜研化学社製):15質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(製品名「DHPA」、ダイセル・サイテック社製):30質量部
・ジルコニア微粒子含有ハードコート組成物(製品名「デソライトZ7404」、JSR社製):60質量部
・ポリエステル樹脂(製品名「バイロン103」、東洋紡績社製):30質量部
・架橋剤(製品名「デュラネートMF」、ブロックイソシアネート、旭化成ケミカルズ社製):10質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.005質量部
・メチルエチルケトン:130質量部
上記組成の凹凸層用組成物1により形成した硬化塗膜の単独の屈折率を測定したところ、1.59であった。
(凹凸層用組成物2)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(製品名「DHPA」、ダイセル・サイテック社製):30質量部
・ジルコニア微粒子含有ハードコート組成物(製品名「デソライトZ7404」、JSR社製):60質量部
・ポリエステル樹脂(製品名「バイロン103」、東洋紡績社製):30質量部
・架橋剤(製品名「デュラネートMF」、ブロックイソシアネート、旭化成ケミカルズ社製):10質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名:TSF4460、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.005質量部
・メチルエチルケトン:130質量部
上記組成の凹凸層用組成物2により形成した硬化塗膜の単独の屈折率を測定したところ、1.59であった。
<ハードコート層用組成物の調製>
下記に示す組成となるように各成分を配合して、ハードコート層用組成物を得た。
(ハードコート層用組成物)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(日本化薬社製):100質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:100質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):40質量部
上記組成のハードコート層用組成物により形成した硬化塗膜の単独の屈折率を測定したところ、1.51であった。
<実施例1>
ポリエチレンテレフタレート材料を290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機製)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃にて、延伸倍率4.5倍に延伸した後、その延伸方向とは90度の方向に延伸倍率1.5倍にて延伸を行い、n1x=1.70、n1y=1.60、平均屈折率1.65、膜厚80μm、リタデーション=8000nmの光透過性基材を得た。上記で得られたポリエチレンテレフタレート基材の片面に、凹凸層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、50℃で1分間乾燥させることにより、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が50mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることによって、凹凸面を有する厚さ(硬化時)が4.5μmの凹凸層を形成した。凹凸層を形成した後、ハードコート層用組成物を塗布し、塗膜を形成した。
次いで、形成した塗膜に対して、70℃で2分間乾燥させることにより、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、厚さ(硬化時)が7μmのハードコート層を形成した。これにより実施例1に係る光学フィルムを作製した。
<比較例1>
比較例1においては、凹凸層用組成物1に代えて凹凸層用組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを作製した。
<比較例2>
比較例2においては、凹凸層の膜厚を1.5μmとした以外は、実施例1と同様にして、光学フィルムを作製した。
<平均傾斜角θaの測定>
実施例及び比較例において、ハードコート層を形成する前の段階、すなわちポリエチレンテレフタレート基材あるいはシクロオレフィンポリマー基材上に凹凸層を形成した段階で、凹凸層の凹凸面における平均傾斜角θaを、表面粗さ測定器(型番:SE−3400/(株)小坂研究所製)を用いて、下記の測定条件により測定を行った。
1)表面粗さ検出部の触針((株)小坂研究所製の商品名SE2555N(2μ標準))
・先端曲率半径2μm、頂角90度、材質ダイヤモンド
2)表面粗さ測定器の測定条件
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):0.8mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):4.0mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
<最大傾斜角θmaxの測定>
実施例及び比較例で得られた各光学フィルムのハードコート層が形成されている面とは反対側の面に、透明粘着剤を介して、ガラス板に貼付してサンプルとし、白色干渉顕微鏡(New View7300、Zygo社製)を用いて、以下の条件にて、光学フィルムの表面形状の測定・解析を行った。なお、解析ソフトにはMetroPro ver8.3.2のMicroscope Applicationを用いた。
[測定条件]
対物レンズ:50倍
Zoom:1倍
データ点数:496×496点
解像度(1点当たりの間隔):0.44μm
[解析条件]
Removed:None
Filter:HighPass
FilterType:GaussSpline
Low wavelength:300μm
以上の条件で、カットオフ値300μmの高域フィルタにてうねり成分を除いた凹凸形状が得られる。
Remove spikes: on
Spike Height(xRMS):2.5
以上の条件で、スパイク状のノイズを除去できる。
次に、全面に渡る各点の傾斜Δiを求め、上記式(5)により傾斜Δiを表面角度θに換算して、そこから、表面角度θの絶対値の相対累積度数が小さい方から90%になるときの表面角度を算出して、この表面角度を最大傾斜角θmaxとした。
<干渉縞観察評価>
実施例及び比較例で得られた各光学フィルムのポリエチレンテレフタレート基材あるいはシクロオレフィンポリマー基材におけるハードコート層が形成されている面とは反対側の面に、透明粘着剤を介して、裏面反射を防止するための黒アクリル板を貼り、ハードコート層側から各光学フィルムに光を照射し、目視で観察した。光源としては、フナテック社製の干渉縞検査ランプ(ナトリウムランプ)を使用した。干渉縞の発生を以下の基準により評価した。
◎:干渉縞は確認されなかった。
○:干渉縞はわずかに確認されたが、実用上問題ないレベルであった。
×:干渉縞がはっきりと確認された。
<画質評価>
ソニー社製液晶テレビ「KDL−40X2500」の最表面の偏光板を剥離し、表面塗布のない偏光板を貼付した。次いで、その上に得られた実施例および比較例に係る光学フィルムを、ハードコート層側が最表面となるように、光学フィルム用透明粘着フィルム(全光線透過率91%以上、ヘイズ0.3%以下、膜厚20〜50μmの製品、例えばMHMシリーズ:日栄加工社製など)により貼付した。この液晶テレビを、照度が約200Lxの環境下の室内に設置し、メディアファクトリー社のDVD「オペラ座の怪人」を表示して、液晶テレビから1.5〜2.0m程度離れた場所から上下、左右様々な角度から、この映像を被験者15人が鑑賞することで、下記項目に関して官能評価を実施した。評価基準は以下のとおりである。コントラストが高く、かつ画像に照りや鋭さを感じるか否かで判定した。
◎:良好と答えた人が13人以上
○:良好と答えた人が8〜12人
×:良好と答えた人が7人以下
以下、結果を表1に示す。なお、実施例1および比較例1、2における上記式(1)の右辺は0.93であり、また、実施例1および比較例1、2における上記式(2)の右辺は6.21である。
Figure 0006213804
表1に示されるように、比較例1および2においては、凹凸層における凹凸面の平均傾斜角θaが上記式(1)を満たしていないか、または最大傾斜角θmaxが上記式(2)を満たしていないので、干渉縞が観察されるか画質の劣化が観察された。これに対し、実施例1においては、凹凸層における凹凸面の平均傾斜角θaが上記式(1)を満たしており、かつ最大傾斜角θmaxが上記式(2)を満たしているので、干渉縞が観察されず、また画質劣化も確認されなかった。
10…光学フィルム
20…光学フィルム用基材
21…光透過性基材
22…凹凸層
22A…凹凸面
30…第1の機能層
40…第2の機能層
50…偏光板
51…偏光素子
60…液晶パネル
70…画像表示装置
71…バックライト

Claims (14)

  1. 光学フィルムを備える画像表示装置において人間の目に認識される干渉縞及び映像光画質劣化の発生を抑制する方法であって、前記光学フィルムとして、
    光透過性基材と、前記光透過性基材上に設けられ、かつ前記光透過性基材に隣接した凹凸層とを備える光学フィルム用基材であって、前記凹凸層が、前記光学フィルム用基材の表面をなす凹凸面を有する前記光学フィルム用基材と、
    前記光学フィルム用基材における前記凹凸面に隣接して設けられた第1の機能層とを備え、
    前記凹凸面の平均傾斜角をθaとし、前記凹凸面の最大傾斜角をθmaxとし、前記光透過性基材の屈折率をnとし、前記凹凸層の屈折率をnとし、前記第1の機能層の屈折率をnとし、n≠nとし、n≠nとしたとき、
    θa>tan−1(0.0013/│n−n│)、かつ
    θmax<tan−1(0.0087/│n−n│)の関係を満たす、光学フィルムを使用する、前記方法。
  2. 前記光透過性基材が、アクリル基材、ポリエステル基材、ポリカーボネート基材、シクロオレフィンポリマー基材、およびガラス基材からなる群から選択される基材である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記光透過性基材が、複屈折性を有する基材である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記光透過性基材が、3000nm以上のリタデーションを有する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1の機能層における前記光学フィルム用基材側の面とは反対側の面の算術平均粗さRaが0.10μm以下である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記光学フィルムのヘイズ値をHとし、前記光学フィルム用基材の前記凹凸面に流動パラフィンを介してスライドガラスを重ねて測定されたヘイズ値をHbinとしたとき、 │H−Hbin│<0.3
    の関係を満たす、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記光学フィルムが、前記第1の機能層における前記光学フィルム用基材側の面とは反対側の面に設けられた第2の機能層をさらに備える、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第1の機能層がハードコート層であり、前記第2の機能層が前記第1の機能層より低い屈折率を有する低屈折率層である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記画像表示装置が、偏光板を備え、
    前記偏光板が、
    前記光学フィルムと、
    前記光学フィルムの前記光透過性基材における前記第1の機能層が形成されている面とは反対側の面に形成された偏光素子と
    を備える、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記画像表示装置が、液晶表示パネルを備え、
    前記液晶表示パネルが、
    前記光学フィルム、または、前記光学フィルムと、前記光学フィルムの前記光透過性基材における前記第1の機能層が形成されている面とは反対側の面に形成された偏光素子とを備える偏光板を備える、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記画像表示装置が、
    バックライトユニットと、
    前記光学フィルム、または、前記光学フィルムと、前記光学フィルムの前記光透過性基材における前記第1の機能層が形成されている面とは反対側の面に形成された偏光素子とを備える偏光板と
    を備える、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記バックライトユニットが、白色発光ダイオードを備える、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第1の機能層がバインダ樹脂を含む、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記第1の機能層の屈折率n が、前記凹凸層の屈折率n より大きい、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の方法。
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