JP6212707B2 - 植物へのストレスを軽減する薬剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、植物へのストレスを軽減する薬剤組成物に関する。より詳細に、本発明は、植物の生長に影響を及ぼす、生物的ストレス、物理的ストレス若しくは化学的ストレスを軽減する薬剤組成物に関する。
農地あるいは一般家庭で栽培される植物は、常に様々な生物的あるいは非生物的なストレスに曝されている。品種改良が成された農作物は一般的にこれらのストレスに対する抵抗性が低い傾向がある。病害虫や雑草などの生物的ストレスを軽減し、収量を維持するために、殺菌剤、殺虫剤、除草剤などの農薬が使用されている。しかし、農薬は、効果が不十分であったり、使用方法を誤ると薬害を生じたり、病害虫や雑草が農薬に対して抵抗性を発達させたり、環境生物に対する安全性に懸念が生じたりする。また、温度、水分、照度、土壌pH、塩濃度などの環境ストレスに対しては、適地栽培、育種改良、灌漑、温室、土壌改良などで対応している。植物生長調節剤などによってストレス抵抗性を付与する試みも行なわれているが、効果は十分と言えない。さらに、植物ウイルス病は穀類、野菜類、果樹類などの重要作物に深刻な被害を与える。しかし、これまでに植物ウイルス病に対して実用的な効果を十分に発揮する薬剤は見出されていない。
ところで、非特許文献1においてアスコルビン酸が病害抵抗性やホルモン作用などに関与すること、非特許文献2においてアスコルビン酸が植物の老化に影響していることがそれぞれ報告されている。しかし、アスコルビン酸は植物体内に高濃度で存在しているため、外部からアスコルビン酸を植物に与えてもそれによる生理的な影響は僅かであり、実用的な効果はほとんどない。
これに対して、特許文献1は、アスコルビン酸のある種の誘導体が植物のウイルス病害に対して予防的および治療的に効果を発揮するとしてそれを植物に施用することを提案している。また、特許文献2は、硫酸ネオマイシンなどの抗菌性抗生物質とアスコルビン酸とを含有する組成物を開示し、この組成物によって植物疾患を抑制できると述べている。また、農薬活性成分の安定化(特許文献3)や放出制御(特許文献4)などの目的で、アスコルビン酸を農薬と併用した例が提案されている。
ビタミン79(2):116-117(2005) 園芸学研究6(2):169-175
WO2011/030816 特表2001−508808号公報 特開2001−342102号公報 特開2010−168298号公報
本発明の目的は、植物の生長に影響を及ぼす、生物的ストレス、物理的ストレス若しくは化学的ストレスを軽減する薬剤組成物を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、以下の態様の発明を完成するに至った。
〔1〕 式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの物質(A)と、
植物の生理作用に影響を及ぼす物質(B)と
を含有する植物へのストレスを軽減する薬剤組成物。
Figure 0006212707

[式(I)中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO32、グリコシル基または−COR11を示す。R11は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基を示す。]
Figure 0006212707

[式(II)中、R5およびR6はそれぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO32、グリコシル基または−COR11を示す。R11は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基を示す。]
〔2〕 物質(B)が、殺菌剤、殺虫剤、植物成長調整剤、および除草剤からなる群から選ばれる少なくとも一つである、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕 物質(B)が、呼吸阻害剤である、〔1〕に記載の組成物。
〔4〕 物質(B)が、ストロビルリン系化合物である、〔1〕に記載の組成物。
〔5〕 物質(A)が、式(I)[ただし、すべてのR1〜R4が同時に水素原子であることはない。]で表される化合物またはその塩である、〔1〕に記載の組成物。
〔6〕 物質(A)が、式(I)[ただし、R1〜R4のうち少なくとも一つは−COR11を示し、R11は、無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルケニル基を示す。]で表される化合物またはその塩である、〔1〕に記載の組成物。
〔7〕 物質(A)が、式(I)[ただし、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、または−COR11を示し、且つR1〜R4のうち少なくとも一つは−COR11を示す。R11は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基を示す。−COR11のうち少なくとも一つはその中のR11が、無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルケニル基を示す。]で表される化合物またはその塩である、〔1〕に記載の組成物。
〔8〕 前記〔1〕〜〔7〕のいずれか一つに記載の組成物を植物に施用することを含む、植物へのストレスを軽減する方法。
〔9〕 前記ストレスが、植物ウイルス、植物病原細菌、植物病原糸状菌、害虫若しくは雑草による生物的ストレス;または、高温、低温、高照度、低照度、過湿、乾燥、塩分、酸性、農薬、化学物質若しくは重金属による物理的若しくは化学的ストレスのいずれか少なくとも一つである、〔8〕に記載の方法。
本発明の組成物は、植物の生長に影響を及ぼす、生物的ストレス、物理的ストレス若しくは化学的ストレスに対する抵抗性を植物に付与する効果を有する。本発明の組成物を植物に施用すると、植物のストレスに対する抵抗性が高まるので、例えば、植物の生理作用に影響を及ぼす物質などを含む農薬などによる薬害を軽減でき、またウイルス病を含む植物病害の被害を軽減できる。また、高温、低温、乾燥、土壌条件などの劣悪な環境条件においても収穫量の減少や品質の低下などを防止することができる。
本発明に係る植物へのストレスを軽減する薬剤組成物は、物質(A)と、植物の生理作用に影響を及ぼす物質(B)とを含有するものである。
(物質(A))
物質(A)は、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一つである。
式(I)中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO32、グリコシル基または−COR11を示す。
式(II)中、R5およびR6はそれぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO32、グリコシル基または−COR11を示す。
グリコシル基は、単糖若しくは低分子量の少糖などの糖残基(具体的には、糖部分のヘミアセタール性ヒドロキシ基を除去して結合位置とした分子の部分構造)である。単糖としては、グルコース、ガラクトース、フルクトース、ラムノース等が、少糖としては、ルチノース、ビシアノース、ラクトース、マルトース、シュクロース等が挙げられる。従って、グリコシル基は、例えば、グルコシル基、ガラクトシル基、フルクトシル基、ラムノシル基等を含む。また、グリコシル基にはこれら基の任意の組み合わせが、1→2結合、1→3結合、1→4結合又は1→6結合で結合し、二糖となった基も含まれる。
−COR11における、R11は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基を示す。
ここで、「無置換の」の用語は、該基が母核となる基のみであることを意味する。なお、「置換基を有する」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換の」の意味である。
一方、「置換基を有する」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と異なる若しくは同じ構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に置換された他の基である。置換基は一つであってもよいし、二つ以上であってもよい。二つ以上の置換基は同じのものであってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、置換基を有するC1〜30アルキル基は、母核となる基がC1〜30アルキル基で、これのいずれかの水素原子が異なる構造の基(「置換基」)で置換されているものである。
11における「C1〜30アルキル基」は、炭素原子1〜30個で構成される飽和炭化水素基である。C1〜30アルキル基は直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。C1〜30アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、i−ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基(ミリスチル基)、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(セチル基、パルミチル基)、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、トリアコンチル基などが挙げられる。
11における「C2〜30アルケニル基」は、炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ有する炭素原子2〜30個で構成される不飽和炭化水素基である。C2〜30アルケニル基は直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。C2〜30アルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、1−メチル−アリル基、2−メチル−アリル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、トリアコンテニル基などが挙げられる。
C1〜30アルキル基またはC2〜30アルケニル基の「置換基」となり得る基としては、ヒドロキシル基;メルカプト基;アミノ基;ニトロ基;塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−クロロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基等のハロアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基;フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基等のアリールチオ基;メチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアルキルアミノ基;アニリノ基、1−ナフチルアミノ基等のアリールアミノ基;シアノ基;等を例示することができる。
上記R11は、無置換の若しくは置換基を有するC8〜20アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC8〜20アルケニル基が好ましい。
物質(A)は、式(I)で表される化合物またはその塩が好ましい。さらに、式(I)中のR1〜R4が同時に水素原子でないことが好ましい。
また、物質(A)は、式(I)[R1〜R4のうち少なくとも一つは−COR11を示す。ただし、R11は、無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルケニル基を示す。]で表される化合物またはその塩であることが好ましい。
なお、「C12〜30アルキル基」としては、例えば、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基(ミリスチル基)、ペンタデシル基、ヘキサデシル基(セチル基、パルミチル基)、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、トリアコンチル基などが挙げられる。
「置換基を有するC12〜30アルキル基」としては、例えば、2−ヒドロキシトリデシル基、1−ヒドロキシペンタデシル基、11−ヒドロキシヘプタデシル基、1−アミノヘプタデシル基などが挙げられる。
「C12〜30アルケニル基」としては、例えば、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、トリアコンテニル基などが挙げられる。
「置換基を有するC12〜30アルケニル基」としては、例えば、7−ヒドロキシ−8−ペンタデセニル基、1−ヒドロキシ−8−ペプタデセニル基、1−アミノ−8−ヘプタデセニル基などが挙げられる。
さらに、物質(A)は、式(I)[R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、または−COR11表し、R1〜R4のうち少なくとも一つは−COR11を示し、R11は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基を示し、且つ−COR11のうち少なくとも一つはその中のR11が、無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルケニル基を示す。]で表される化合物またはその塩であることが好ましい。
上記のような物質(A)の具体例としては、アスコルビン酸6−ミリステート、アスコルビン酸6−パルミテート、アスコルビン酸6−ステアレート、アスコルビン酸2−ミリステート、アスコルビン酸2−パルミテート、アスコルビン酸2−ステアレート、アスコルビン酸2,6−ジミリステート、アスコルビン酸2,6−ジパルミテート、アスコルビン酸2,6−ジステアレート等を挙げることができる。
本発明に用いられる式(I)で表される化合物の塩、および式(II)で表される化合物の塩は、農園芸学的に許容される塩であれば、特に制限されない。例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。
本発明に用いられる物質(A)は、公知の合成手法により得ることができる。例えば、R1〜R4のいずれかに−COR11を導入するための脂肪酸化合物とアスコルビン酸とのエステル化反応、R1〜R4のいずれかに−PO32を導入するためのリン酸化合物とアスコルビン酸とのエステル化反応、R1〜R4のいずれかに−SO3Hを導入するための硫酸化合物とアスコルビン酸とのエステル化反応、およびその他の公知の反応を用いて合成することができる。また、上記合成法によって得られる物質(A)を、抽出、蒸留、クロマトグラフなどの公知の方法によって精製することができる。また本発明に用いられる物質(A)の多くは市販されているので、それらを使用することも可能である。
なお、物質(A)の構造は、IRスペクトル、NMRスペクトル、マススペクトル、元素分析等の公知の分析手段により、同定、確認することができる。
物質(A)は、一つを単独で用いてもよいが、少なくとも二つを組み合わせて用いることが好ましい。二つを組み合わせて用いる場合、物質(A)は、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、およびそれらの塩からなる群から選ばれる物質のうちの水溶性のもの(A1)と、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、およびそれらの塩からなる群から選ばれる物質のうちの脂溶性のもの(A2)とを含有する組成物であることが、物質(A)の効果が相乗的に増強されるので好ましい。
二つを組み合わせて用いる場合、より具体的に、物質(A)は、式(Ia)で表される化合物、式(IIa)で表される化合物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの水溶性物質(A1)と、式(Ib)で表される化合物、式(IIb)で表される化合物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの脂溶性物質(A2)とを含有する組成物であることが好ましい。
Figure 0006212707

[式(Ia)中、R1a〜R4aはそれぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO32、またはグリコシル基を示す。]
Figure 0006212707

[式(IIa)中、R5aおよびR6aはそれぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO32、またはグリコシル基を示す。]
Figure 0006212707

[式(Ib)中、R1b〜R4bはそれぞれ独立して、水素原子、または−COR11を示す。R1b〜R4bのうち少なくとも一つは−COR11を示し、R11は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基を、好ましくは無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルケニル基を示す。]
Figure 0006212707

[式(IIb)中、R5bおよびR6bはそれぞれ独立して、水素原子、または−COR11を示す。R5bおよびR6bのうち少なくとも一つは−COR11を示し、R11は、無置換の若しくは置換基を有するC1〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC2〜30アルケニル基を、好ましくは無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルケニル基を示す。]
水溶性物質(A1)に対する脂溶性物質(A2)の質量比は、通常0.001〜1000、好ましくは0.1〜10である。
(物質(B))
本発明に用いられる植物の生理作用に影響を及ぼす物質(B)としては、除草剤、成長調節剤、植物ホルモン、病原菌に対する抵抗性誘導剤、使用濃度を高くすると薬害を示す殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤、微生物農薬、肥料、界面活性剤などが挙げられる。これらのうち、殺菌剤、殺虫剤、植物成長調整剤、および除草剤からなる群から選ばれる少なくとも一つが好ましい。また物質(B)は呼吸阻害剤であることが好ましい。さらに物質(B)はストロビルリン系化合物であることが好ましい。
殺菌剤としては、キャプタン、フォルペット、チウラム、ジラム、ジネブ、マンネブ、マンコゼブ、プロピネブ、ポリカーバメート、クロロタロニル、キントゼン、キャプタホル、イプロジオン、プロシミドン、フルオロイミド、メプロニル、フルトラニル、ペンシクロン、オキシカルボキシン、ホセチルアルミニウム、プロパモカーブ、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、プロチオコナゾール、フェンブコナゾール、ジクロブトラゾール、ビテルタノール、ミクロブタニル、フルシラゾール、ヘキサコナゾール、エタコナゾール、フルオトリマゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、フルトリアフェン、ペンコナゾール、ジニコナゾール、シプロコナゾール、フェナリモール、トリフルミゾール、プロクロラズ、イマザリル、クレソキシムメチル、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、ピラクロストロビン、オリサストロビン、ペフラゾエート、トリデモルフ、フェンプロピモルフ、トリホリン、ブチオベート、ピリフェノックス、アニラジン、ポリオキシン、メタラキシル、オキサジキシル、フララキシル、イソプロチオラン、プロベナゾール、ピロールニトリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、バリダマイシン、硫酸ジヒドロストレプトマイシン、ベノミル、カルベンダジム、チオファネートメチル、ヒメキサゾール、塩基性塩化銅、塩基性硫酸銅、フェンチンアセテート、水酸化トリフェニル錫、ジエトフェンカルブ、キノメチオナート、ビナパクリル、レシチン、重曹、ジチアノン、ジノカップ、フェナミノスルフ、ジクロメジン、グアザチン、ドジン、IBP、エディフェンホス、メパニピリム、フェルムゾン、トリクラミド、メタスルホカルブ、フルアジナム、エトキノラック、ジメトモルフ、ピロキロン、テクロフタラム、フサライド、フェナジンオキシド、チアベンダゾール、トリシクラゾール、ビンクロゾリン、シモキサニル、グアザチン、プロパモカルブ塩酸塩、オキソリニック酸、シフルフェナミド、イミノクタジン、トリアジン、フェンヘキサミド、シアゾファミド、シプロジニル、カルプロパミド、ボスカリド等の殺菌剤;また、プロベナゾール、チアジニル等の病原菌に対する抵抗性誘導剤が挙げられる。
このうちで、クレソキシムメチル、トリフロキシストロビン、アゾキシストロビン、ピラクロストロビン、オリサストロビン等のストロビルリン系殺菌剤が特に好ましい。
除草剤としては、2,4−D、MCPA、クロメプロップ、ジカンバ、クロロトルロン、ジウロン、リニュロン、イソウロン、フェニュロン、ネブロン、シマジン、アトラジン、シメトリン、プロメトリン、ヘキサジノン、プロパジン、デスメトリン、テルブメトン、プロパニル、ブロモキシニル、アイオキシニル、ピリデート、クロリダゾン、ベンタゾン、クロメトキシフェン、ビフェノックス、アシフルオルフェンナトリウム塩、フルミオキサジン、チジアジミン、オキサジアゾン、スルフェントラゾン、ペントキサゾン、ピラクロニル、ピラゾリネート、ピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ、メソトリオン、イソキサフルトール、イソキサクロロトール、アミトロール、アクロニフェン、ジフルフェニカン、ベンゾビシクロン、ジクロホップメチル、フルアジホップブチル、アロキシジムナトリウム塩、クレソジム、セトキシジム、トラルコキシジム、テプラロキシジム、ベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、リムスルフロン、イマゾスルフロン、プロスルフロン、フルメツラム、ジクロスラム、メトスルファム、イマザピル、イマザキン、ピリチオバックナトリウム塩、ビスピリバックナトリウム塩、ピリミノバックメチル、フルカーバゾン、プロポキシカルバゾン、グリホサート、グリホサートアンモニウム塩、グルホシネート、トリフルラリン、ペンディメタリン、ベンフルラリン、プロジアミン、プロファム、ジチオピル、アラクロール、メトラクロール、ペトキサマイド、アセトクロール、プロパクロール、ジメテナミド、ジフェナミド、ナプロパミド、メフェナセット、フェントラザミド、モリネート、ジメピペレート、シクロエート、エスプロカルブ、チオベンカルブ、チオカルバジル、ベンスリド、ダラポン、アシュラム、DNOC、ジノゼブ、フルポキサム、トリアジフラム、キンクロラック、シンメチリン、ダゾメット、ダイムロン、エトベンザニド、オキサジクロメホン、ピリブチカルブ等が挙げられる。
殺虫剤としては、フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラソン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルボス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、サリチオン、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、エチルチオメトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルディカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、BPMC、MTMC、MIPC、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ等の有機リン系殺虫剤及びカーバメート系殺虫剤;ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメスリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、ピレトリン、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、ジメスリン、プロパスリン、フェノトリン、プロトリン、フルバリネート、シフルトリン、シハロトリン、フルシトリネート、エトフェンプロックス、シクロプロトリン、トラロメトリン、シラフルオフェン、アクリナトリン等のピレスロイド系殺虫剤;イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン、ニチアジン等のネオニコチノイド系殺虫剤;ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、メトプレン、ベンゾエピン、ジアフェンチウロン、フィプロニル、硫酸ニコチン、ロテノン、メタアルデヒド、アセタミプリド、クロルフェナピル、ニテンピラム、チアクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン、インドキサカルブ、ピメトロジン、スピノサド、エマメクチン、ピリダリル、テブフェノジド、クロマフェノジド、メトキシフェノジド、トルフェンピラド、フルベンジアミド、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール等のベンゾイルウレア系その他の殺虫剤;フェナミホス、ホスチアゼート、カズサホス等の殺線虫剤;クロルベンジレート、フェニソブロモレート、ジコホル、アミトラズ、BPPS、ベンゾメート、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ポリナクチン、キノメチオネート、CPCBS、テトラジホン、アベルメクチン、ミルベメクチン、クロフェンテジン、シヘキサチン、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、シエノピラフェン、シフルメトフェン、ピリミジフェン、フェノチオカルブ、ジエノクロル、フルアクリピリム、アセキノシル、ビフェナゼート、エトキサゾール、スピロディクロフェン、フェナザキン等の殺ダニ剤;BT剤等の微生物由来製剤;等が挙げられる。
このうちで、イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、チアクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、ジノテフラン、ニチアジン等のネオニコチノイド系殺虫剤、およびクロルフェナピル、ピメトロジン、ピリダベン、フェンピロキシメート、トルフェンピラド、テブフェンピラド、シエノピラフェン、シフルメトフェン、フルアクリピリム、アセキノシル、フェナザキン等の呼吸阻害効果を有する殺虫剤若しくは殺ダニ剤が特に好ましい。
植物ホルモンとしては、ジベレリン類(例えばジベレリンA3、ジベレリンA4、ジベレリンA7等)、オーキシン類(例えば2,4−D、IAA、NAA等)、サイトカイニン類(例えばカイネチン、ベンジルアデニン等)、アブシジン酸、ジャスモン酸類、ブラシノステロイド類、ストリゴラクトン類、サリチル酸等が挙げられる。
植物成長調整剤としては、上記の植物ホルモンのほか、ヒメキサゾール、ウニコナゾール、トリネキサパック、ダミノジッド、シアナミド等が挙げられる。
肥料としては、窒素質肥料、リン酸質肥料、カリ質肥料、石灰質肥料、苦土質肥料、ケイ酸質肥料、微量要素肥料、動物質肥料、植物質肥料等が挙げられる。肥料の水溶性成分濃度が高過ぎる場合、根や葉が萎れる、枯れるなどの肥料障害を植物に与える場合がある。また硫酸アンモニウムなどの特定の種類の肥料を大量使用した場合には土壌の酸性化を通じて植物の生育を害する場合がある。
界面活性剤は、農薬製剤の補助成分として、一部殺虫剤・殺ダニ剤の有効成分として、あるいは展着剤として用いられるものである。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸の共重合物等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、メチル・ポリオキシエチレン・アルキルアンモニウムクロライド、アルキル・N−メチルピリジウムブロマイド、モノ又はジアルキルメチル化アンモニウムクロライド、アルキルペンタメチルプロピレンジアミンジクロライド、アルキルジメチルベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ジアルキルジアミノエチルベタイン、アルキルジメチルベンジルベタイン、ジアルキルジアミノエチルグリシン、アルキルジメチルベンジルグリシン等の両性界面活性剤;等が挙げられる。
本発明に係る薬剤組成物は、物質(A)と物質(B)とを公知の方法によって混ぜ合わせることによって得ることができる。 物質(A)に対する物質(B)の質量比は、通常0.0001〜100、好ましくは0.001〜100、より好ましくは0.01〜10である。
また、本発明に係る薬剤組成物は、水和剤、乳剤、水溶剤、顆粒水和剤、粉剤、錠剤などの製剤に調製することができる。製剤への調製方法は、特に制限されず、剤形に応じて公知の調製方法を採用することができる。
本発明の薬剤組成物の植物への施用の仕方は、特に制限されず、農園芸分野において公知の施用方法を採用することができる。また、植物への施用の仕方は、対象となる植物の種類等に応じて適宜決定することができる。例えば、茎葉散布、浸漬処理、土壌潅注、種子処理、水耕液処理、くん煙処理、常温煙霧処理等による施用が好ましいものとして挙げることができる。本発明の薬剤組成物は、土壌栽培、水耕栽培などの栽培形態によって制限されずに使用可能である。また、成長点培養等の特殊な環境での使用でも優れた効果を奏することができる。本発明の薬剤組成物の施用量は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、防除対象病害、対象作物等に応じて、適宜決定することができる。
本発明の薬剤組成物を施用可能な植物は、特に限定されず、食用植物若しくは非食用植物のいずれでもよい。例えば、イネ、コムギ、トウモロコシ等の穀類、ダイズ、アズキ、ラッカセイ等の豆類、カンキツ、リンゴ、ナシ、ブドウ、モモ等の果樹類、トマト、レタス、キャベツ、タマネギ、ネギ、ピーマン等の野菜類、キュウリ、スイカ、メロン、カボチャ等の瓜類、ジャガイモ、サツマイモ、ナガイモ、ニンジン、ダイコン等の根菜類、ワタ、テンサイ、ホップ、サトウキビ、ゴム、コーヒー、タバコ、茶等の加工用作物類、ライグラス、チモシ、オーチャードグラス等の牧草、ベントグラス、コウライシバ等の芝類等が挙げられる。
本発明の薬剤組成物が対象とするストレスには、植物ウイルス、植物病原細菌、植物病原糸状菌、害虫若しくは雑草による生物的ストレス; 高温、低温、高照度、低照度、過湿、乾燥、塩分、酸性、農薬、化学物質若しくは重金属による物理的若しくは化学的ストレスが挙げられる。
ストレスの原因になる植物ウイルスは、特に限定されない。例えば、一本鎖DNAをゲノムとして持つジェミニウイルス類、二本鎖DNAをゲノムとして持つカリフラワーモザイクウイルス、一本鎖RNAをゲノムとして持つタバコモザイクウイルス、トマトブッシースタントウイルス、二本鎖RNAをゲノムとして持つイネラギッドスタントウイルスなどを、好ましいものとして挙げることができる。
ストレスの原因になる植物病原細菌は、特に限定されない。例えば、イネの苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、褐条病(Acidovorax avenae)、もみ枯細菌病(Burkholderia glumae)、白葉枯病(Xanthomonas campestris pv. oryzae)、キュウリ斑点細菌病(Pseudomonas lachrymans)、ハクサイ軟腐病(Erwinia carotovora)などが挙げられる。
ストレスの原因になる植物病原糸状菌は特に限定されない。例えば、イネのいもち病(Pyricularia oryzae)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、コムギのうどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.tritici)、赤かび病(Gibberella zeae)、赤さび病(Puccinia recondita)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、オオムギの裸黒穂病(Ustilago tritici) 、キュウリのうどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、炭そ病(Colletotrichum orbiculare)、黒星病(Cladosporium cucumerinum)、褐斑病(Corynespora cassicola)、トマトの葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans)などが挙げられる。
ストレスの原因になる害虫は特に限定されないが、例えば
鱗翅目害虫、例えば、ヨトウガ、アワヨトウ、ハスモンヨトウ、タマナヤガ、チャノコカクモンハマキ、チャハマキ、モモシンクイガ、ナシヒメシンクイ、ミカンハモグリガ、チャノホソガ、キンモンホソガ、マイマイガ、チャドクガ、ニカメイガ、コブノメイガ、ヨーロピアンコーンボーラー、アメリカシロヒトリ、スジマダラメイガ、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属、アグロティス属、イガ、アワノメイガ、オオモンシロチョウ、タバコバッドワーム、コナガ、ネキリムシ(ヤガ科の一種)など;
半翅目害虫、例えば、ニセダイコンアブラムシ、ムギクビレアブラムシ、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ、マメクロアブラムシ等のアブラムシ類;オンシツコナジラミ、タバココナジラミ、シルバーリーフコナジラミ等のコナジラミ類;ホシカメムシ、ホソヘリカメムシ、アオクサカメムシ、ヤノネカイガラムシ、クワコナカイガラムシ、ナシキジラミ、ナシグンバイムシ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカ、セジロウンカ、ツマグロヨコバイなど;
甲虫目害虫、例えば、キスジノミハムシ、ウリハムシ、コロラドハムシ、マスタードビートル、イネミズゾウムシ、コクゾウムシ、アズキゾウムシ、マメコガネ、ヒメコガネ、コーンルートワーム、ジアブロティカ属、タバコシバンムシ、ヒラタキクイムシ、マツノマダラカミキリ、ゴマダラカミキリ、アグリオティス属、ニジュウヤホシテントウ、コクヌスト、ワタミゾウムシなど;
直翅目害虫、例えば、イナゴ、トノサマバッタなど;
アザミウマ目害虫、例えば、ミナミキイロアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ネギアザミウマ、ヒラズハナアザミウマなど;
双翅目害虫、例えば、ウリミバエ、ミカンコミバエ、イネハモグリバエなど;
ダニ類、例えば、ナミハダニ、ニセナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、ヒメハダニ等のハダニ類;ミカンサビダニ、リンゴサビダニ、チャノホコリダニ、ロビンネダニなど;
等が挙げられる。この中で適用が特に好ましい害虫としては、植物ウイルスを媒介するアブラムシ類、コナジラミ類、アザミウマ類、ハダニ類などが挙げられる。
ストレスの原因になる雑草は特に限定されないが、イヌビエ、ヤセイモロコシ、アキノエノコログサ、エノコログサ、キンエノコログサ、スズメノテッポウ、メヒシバ、オヒシバ、スズメノカタビラ、イヌビエなどのイネ科雑草、オナモミ、ブタクサ、オオブタクサ、ヒメジョオン、ハルジオン、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、オニタビラコ、アレチノギク、チチコグサ、センダングサ、ヨモギなどのキク科雑草、カタバミ、オオバコ、タデ、ナズナ、タネツケバナ、ヤエムグラ、イチビ、チドメグサ、イヌホオズキ、アメリカアサガオ、イヌビユ、アオビユ、アオゲイトウ、アカザ、シロザ、ツボスミレ、アメリカキンゴジカ、シロツメクサ、エビスグサ、ホタルイ、マツバイ、ミズガヤツリ、コナギ、アゼナ、ミゾハコベ、ウリカワ等が挙げられる。好ましくは、アフリカで穀物、豆類、ナス、トマト、などの作物に寄生し大幅な収穫量減を招いている、ゴマノハグサ科のストライガ属やハマウツボ科のオロバンキ属などの植物寄生植物などが挙げられ、また、グリホサート耐性雑草であるヒユ科のオオホナガアオゲイトウ、キク科のブタクサやケナシヒメムカシヨモギなどが挙げられる。
ストレスの原因になる高温や低温は特に限定されない。例えば、イネの生育および品質を低下させる高温障害や低温障害、トマトなどのナス科作物の着果率を低下させる高温障害、レタスなどの特にトンネル栽培や温室栽培において起こりがちな高温障害、西洋芝の生育を阻害する高温障害、茶や柑橘類等の果樹類の凍霜害などが挙げられる。
ストレスの原因になる過湿や乾燥は特に限定されない。例えば、過剰な降雨、潅水や、排水の悪い土壌に起因する過湿による作物の生育不良、病害に対する抵抗性の低下、あるいは、降雨、潅水の不足や、砂質土壌に起因する乾燥による作物の萎凋などである。
ストレスの原因になる土壌物性は特に限定されない。例えば、塩分を含有する土壌、酸性土壌あるいはアルカリ性土壌における作物の生育障害などである。このうち、塩分を含有する土壌および酸性土壌における生育不良に対する効果、特にホウレンソウ、エンドウ、ソラマメ、タマネギ、アスパラガス、レタス、ゴボウなどの酸性土壌に弱い作物の生育不良に対する効果が高く、これらの作物の収量や品質を向上させる効果がある。
ストレスの原因になる化学物質は特に限定されないが、除草剤、成長調節剤、植物ホルモン、病害抵抗性誘導剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤などの農薬、肥料、界面活性剤、他の植物により生産され作物に影響を与えるアレロパシー物質などから選ばれる少なくとも1種類の化合物が挙げられる。
ストレスの原因になる農薬は特に限定されず、例えば、植物の生理作用に影響を及ぼす物質として例示したものが挙げられる。
ストレスの原因になる薬害は、例えば、使用規準を超えた濃度や適用外の作物に処理した場合の薬害、さらに高温条件や強光条件下で生じる薬害などである。本発明によりこれらの薬害が抑制されることで、農薬の適用範囲を従来適用されていたものより広くすることも可能である。
ストレスの原因になる重金属は特に限定されず、例えば、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、錫、クロム、鉛、カドミウム、水銀、ヒ素などが例示される。
本発明に係る薬剤組成物を植物に施用すると、ストレスに対する抵抗性を植物に付与することができ、さらに植物の農薬による薬害を軽減することができる。薬害の軽減対象とある農薬としては殺菌剤、殺虫剤、植物成長調整剤、および除草剤からなる群から選ばれる少なくとも一つを含むものが好ましいものとして挙げられる。また、薬害の軽減対象とある農薬としては、前述した、植物の生理作用に影響を及ぼす物質(B)を含むものが好ましいものとして挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定されるものではない。
アスコルビン酸、イソアスコルビン酸またはデヒドロアスコルビン酸を公知の反応によってエステル化、グリコシル化、または酸化させることによって、各種の物質(A)を合成した。合成した物質(A)の一部を表1および表2に示す。表1中のR1〜R4は、式(I)中のR1〜R4に対応するものである。表2中のR5およびR6は、式(II)中のR5およびR6に対応するものである。
Figure 0006212707
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次に、本発明に関する製剤例を若干示す。製剤の配合処方は、本製剤実施例に限定されることなく、広い範囲で変更可能である。製剤実施例中の部は重量部を示す。

(製剤実施例1)水和剤
物質(A) 10部
物質(B) 10部
ホワイトカーボン 20部
ケイソウ土 52部
アルキル硫酸ソーダ 8部
以上を均一に混合、微細に粉砕して、水和剤を得る。
(製剤実施例2)乳剤
物質(A) 10部
物質(B) 10部
キシレン 55部
ジメチルホルムアミド 15部
ポリオキシエチレンフェニルエーテル 10部
以上を混合、溶解して乳剤を得る。
(製剤実施例3)粒剤
物質(A) 5部
物質(B) 5部
タルク 37部
クレー 36部
ベントナイト 10部
アルキル硫酸ソーダ 7部
以上を均一に混合して微細に粉砕後、造粒して粒剤を得る。
(製剤実施例4)フロアブル剤
物質(A) 5部
物質(B) 5部
ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテルエーテル 2部
ジアルキルスルホサクシネートナトリウム塩 0.5部
グリセリン 5部
キサンタンガム 0.3部
水 82.2部
以上を混合し、湿式粉砕して、フロアブル剤を得る。
(製剤実施例5)顆粒水和剤
物質(A) 15部
物質(B) 15部
無機担体 70部
以上を均一に混合して微粉に粉砕後、造粒して顆粒水和剤を得る。
試験例1 シロイヌナズナに対する高温障害の軽減効果評価試験
表3〜6に示す処方にてN,N−ジメチルホルムアミド溶液を調製し、試験用の薬剤組成物1〜12とした。
水耕栽培用スポンジ片の上に表面消毒したシロイヌナズナの種子を10粒ずつ播いて、22℃、明所16時間、暗所8時間で14日間育成させて、試験用幼苗を用意した。
該幼苗の株元に上記薬剤組成物100μlを滴下し、22℃、明所16時間、暗所8時間で2日間育成させた。
その後、該幼苗を、35℃、暗所に1時間放置し、次いで45℃、暗所に2時間放置し、幼苗に高温障害が生じるようにした。
前記幼苗を、22℃、明所16時間、暗所8時間の育成条件に戻し、4日経過時に高温障害の状態を調査した。
0(障害なし)〜5(本葉の萎れ2枚以上)の6段階の高温障害指数で評価した。溶媒DMFのみの処理区(薬剤組成物6)と比較した高温障害軽減率(%)を次式により算出した。
高温障害軽減率=((溶媒のみ処理区の障害指数)−(各処理区の障害指数))
/(溶媒のみ処理区の障害指数) ×100
その結果を表3〜6に示す。
Figure 0006212707
Figure 0006212707
Figure 0006212707
Figure 0006212707
試験例2 ナスに対する低温障害の軽減効果評価試験
温室内で4−6葉期まで育成したナス(品種:千両2号、3連)を用意した。
アスコルビン酸パルミテート30%顆粒水和剤と、N,N−ジメチルホルムアミドで40%に溶解したピラクロストロビンとを、水道水で表7に記載した濃度となるように希釈して苗全体に十分量を散布した。風乾後、18℃で明所16時間および13℃で暗所8時間の条件下で1日間生育させた。次いで、13℃で明所16時間および8℃で暗所8時間の条件下で15日間生育させた。15日間経過時に障害程度を調査した。
処理後の展開葉で変色した部分の面積を計測し、0(変色なし)、1(全体の1/4まで変色)、2(全体の1/2まで変色)、3(全体の1/2以上変色)の4段階の障害指数で評価し、障害軽減率を下式で算出した。
低温障害軽減率=((無処理区の障害指数)−(各処理区の障害指数))
/(無処理区の障害指数) ×100
その結果を表7に示す。
Figure 0006212707
試験例3 トマトに対する高温障害の軽減効果評価試験
温室内で4葉期まで育成したトマト(品種:桃太郎、2連)を用意した。
アスコルビン酸パルミテート30%顆粒水和剤と表8に記載の物質(B)を含有する市販剤を、水道水で表8に記載した濃度に希釈して苗全体に十分量を散布した。風乾後、明条件40℃16時間、暗条件30℃8時間のサイクルで栽培した。散布後4日経過時に障害程度を調査した。
障害は高温による影響で生じた壊死の程度を、0(壊死なし)〜10(枯死)の11段階の障害指数で評価した。これから次式により障害軽減率を算出した。
障害軽減率=((溶媒のみ処理区の障害指数)−(各処理区の障害指数))
/(溶媒のみ処理区の障害指数) ×100
その結果を表8に示す。
Figure 0006212707
試験例4 トマトに対する強光障害の軽減効果評価試験
温室内で2葉期まで育成したトマト(品種:麗容、2連)を用意した。
アスコルビン酸パルミテート30%顆粒水和剤とN,N−ジメチルホルムアミドで40%に溶解したピラクロストロビンとを、水道水で表9に記載した濃度に希釈して苗全体に十分量を散布した。風乾後、夏季炎天下の強光に当てた。散布後4日経過時に障害程度を調査した。
光による影響で生じた壊死の程度を、0(壊死なし)〜10(枯死)の11段階の障害指数で評価した。これから次式により障害軽減率を算出した。
強光障害軽減率=((無処理区の障害指数)−(各処理区の障害指数))
/(無処理区の障害指数) ×100
その結果を表9に示す。
Figure 0006212707
試験例4 キュウリに対する冠水障害の軽減効果評価試験
温室内で2葉期まで育成したキュウリ(品種:相模半白節成、2連)を用意した。
アスコルビン酸パルミテートの30%顆粒水和剤と、N,N−ジメチルホルムアミドで40%に溶解したピラクロストロビンとを、水道水で表10に記載した濃度に希釈して十分量を散布した。散布後2日経過時から子葉の直下まで湛水状態にし、散布後11日経過時にキュウリの地上部と根部それぞれの生重量を測定した。これから次式により障害軽減率を算出した。
冠水障害軽減率=((各処理区の生重量)−(無処理区の生重量))
/(無処理区の生重量) ×100
結果を表10に示す。
Figure 0006212707
試験例5 ダイズに対する冠水障害の軽減効果評価試験
温室内で2葉期まで育成したダイズ(品種:エンレイ、2連)を用意した。
アスコルビン酸パルミテートの30%顆粒水和剤と、N,N−ジメチルホルムアミドで40%に溶解したピラクロストロビンとを、水道水で表11に記載した濃度に希釈して十分量を散布した。散布後2日経過時から子葉の直下まで湛水状態にし、散布後11日経過時にダイズの地上部と根部それぞれの生重量を測定した。これから次式により障害軽減率を算出した。
冠水障害軽減率=((各処理区の生重量)−(無処理区の生重量))
/(無処理区の生重量) ×100
結果を表11に示す。
Figure 0006212707
試験例6 キュウリに対する酸性障害の軽減効果評価試験
100mlのコルベンにて2葉期まで水耕育成したキュウリ(品種:相模半白節成、2連)を用意した。
アスコルビン酸パルミテートの30%顆粒水和剤と、N,N−ジメチルホルムアミドで40%に溶解したピラクロストロビンとを、水道水で表12に記載した濃度に希釈して苗全体に十分量を散布した。散布後2日経過時に水耕液を1N塩酸でpH4に調整し、該キュウリを継続して水耕育成した。散布後17日経過時にキュウリの葉齢を調査した。これから次式により障害軽減率を算出した。
酸性障害軽減率=((各処理区の葉齢)−(無処理区の葉齢))
/(無処理区の葉齢) ×100
結果を表12に示す。
Figure 0006212707
試験例7 ダイズに対する酸性障害の軽減効果評価試験
100mlのコルベンにて2葉期まで水耕育成したダイズ(品種:エンレイ、2連)を用意した。
アスコルビン酸パルミテートの30%顆粒水和剤と、N,N−ジメチルホルムアミドで40%に溶解したピラクロストロビンとを、水道水で表13に記載した濃度に希釈して苗全体に十分量を散布した。散布後2日経過時に水耕液を1N塩酸でpH4に調整し、該ダイズを継続して水耕育成した。散布後11日経過時にダイズの障害を調査した。
壊死の程度を、0(壊死なし)〜10(枯死)の11段階の障害指数で評価した。これから次式により障害軽減率を算出した。
酸性障害軽減率=((無処理区の障害指数)−(各処理区の障害指数))
/(無処理区の障害指数) ×100
結果を表13に示す。
Figure 0006212707
試験例8 キュウリに対する塩障害の軽減効果評価試験
温室内で1.5葉期まで水耕育成したキュウリ(品種:相模半白、2連)を用意した。
アスコルビン酸パルミテートの30%顆粒水和剤と、表14に記載の物質(B)を含有する市販品とを、水道水で表14に記載した濃度に希釈して苗全体に十分量を散布した。風乾後、温室で通常の潅水で栽培した。散布後3日経過時から0.1%塩化ナトリウム水溶液による潅水に切り替えて栽培した。散布後20日経過時に地上部の生重量を測定した。これから次式により障害軽減率を算出した。なお、薬剤散布せずに通常の潅水で栽培を20日間行ったものを通常潅水区と表記する。
障害軽減率=((各処理区の生重量)−(無処理区の生重量))
/((通常潅水区の生重量)−(無処理区の生重量)) ×100
結果を表14に示す。
Figure 0006212707
試験例9 キュウリに対する塩障害の軽減効果評価試験
温室内で2葉期まで水耕育成したキュウリ(品種:相模半白節成、2連)を用意した。
アスコルビン酸パルミテートの30%顆粒水和剤と、N,N−ジメチルホルムアミドで40%に調整したピラクロストロビンとを、水道水で表15に記載した濃度に希釈して苗全体に十分量を散布した。風乾後、温室で通常の潅水で栽培した。散布後2日経過時から2cm深の0.1%塩化ナトリウム水溶液の湛水状態に切り替えて栽培した。散布後11日経過時に地上部および根部それぞれの生重量を測定した。これから次式により障害軽減率を算出した。
塩障害軽減率=((各処理区の生重量)−(無処理区の生重量))
/(無処理区の生重量) ×100
結果を表15に示す。
Figure 0006212707
試験例10 ダイズに対する塩障害の軽減効果評価試験
温室内で2葉期まで水耕育成したダイズ(品種:エンレイ、2連)を用意した。
アスコルビン酸パルミテートの30%顆粒水和剤と、N,N−ジメチルホルムアミドで40%に調整したピラクロストロビンを水道水で表16に記載した濃度に希釈して苗全体に十分量を散布した。風乾後、温室で通常の潅水で栽培した。散布後2日経過時から2cm深の0.1%塩化ナトリウム水溶液の湛水状態に切り替えて栽培した。散布後11経過時に地上部および根部それぞれの生重量を測定した。これから次式により障害軽減率を算出した。
障害軽減率=((各処理区の生重量)−(無処理区の生重量))
/(無処理区の生重量) ×100
結果を表16に示す。
Figure 0006212707
試験例11 トマトに対する薬害の軽減効果評価試験
表17に示す処方にてN,N−ジメチルホルムアミド溶液を調製し、試験用の薬剤組成物とした。
温室内で4葉期まで育成したトマト苗(品種:桃太郎)を用意した。
該トマト苗の茎葉部に、液が垂れ落ちる程の量の上記薬剤組成物を散布した。風乾後、日本の3月の平年の温湿度条件下において栽培した。散布後7日経過時に葉の褐変程度や伸長抑制などの薬害を調査した。
薬害は0(障害なし)〜10(枯死)の11段階の薬害指数で評価した。
溶媒DMFのみの処理区と比較した薬害軽減率を次式により算出した。
薬害軽減率=((溶媒のみ処理区の薬害指数)−(各処理区の薬害指数))
/(溶媒のみ処理区の薬害指数) ×100
その結果を表17に示す。
Figure 0006212707
試験例12 イネに対する病害ストレスの軽減効果試験
イネ(品種:コシヒカリ、10連)の苗を用意した。アスコルビン酸パルミテートの30%顆粒水和剤と、N,N−ジメチルホルムアミドで5%に調整したピラクロストロビンとを、水道水で表18に記載した濃度に希釈し、これらの十分量を苗全体に散布した。風乾後1日経過時にいもち病菌を接種した。接種後11日経過時にいもち病斑数を調査した。これから防除価を次式により算出した。
防除価=((無処理区の病斑数)−(各処理区の病斑数))
/(無処理区の病斑数) ×100
その結果を表18に示す。
Figure 0006212707
試験例13 イネに対する病害ストレスの軽減効果試験
イネ(品種:コシヒカリ、4葉期、5株1連)の苗を用意した。プロベナゾール96mgを含有する市販剤を水面施用した。アスコルビン酸パルミテートの30%顆粒水和剤を水道水で表19に記載した濃度に希釈し、十分量を、水面施用後2日経過時に苗全体に散布した。風乾後1日経過時にいもち病菌を接種した。接種後11日経過時にいもち発病面積を調査した。1株当たりの発病指数として、発病なしを0、発病面積25%未満を1、発病面積25%以上50%未満を2、発病面積50%以上75%未満を3、発病面積75%以上を4とする5段階で評価した。これから防除価を次式により算出した。
防除価=((無処理区の発病指数)−(各処理区の発病指数))
/(無処理区の発病指数) ×100
その結果を表19に示す。
Figure 0006212707

Claims (7)

  1. 式(I):
    Figure 0006212707

    [式(I)中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子または−COR11を示し、R1〜R4のうち少なくとも一つは−COR11を示し、R11は、無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルキル基または無置換の若しくは置換基を有するC12〜30アルケニル基を示す。]で表される化合物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの物質(A)と、
    ピラクロストロビン、フルアジナム、トリフロキシストロビン、チオファネートメチル、ボスカリド、シフルフェナミド、ピメトロジン、およびシエノピラフェンから選ばれる少なくとも一つの物質(B)と
    を含有する植物へのストレスを軽減する薬剤組成物。
  2. 物質(A)がアスコルビン酸パルミテートである、請求項1に記載の組成物。
  3. 式(Ia):
    Figure 0006212707

    [式(Ia)中、R1a〜R4aはそれぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO32、またはグリコシル基を示す。]で表される化合物、
    式(IIa):
    Figure 0006212707

    [式(IIa)中、R5aおよびR6aはそれぞれ独立して、水素原子、−SO3H、−PO32、またはグリコシル基を示す。]で表される化合物、および
    それらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一つの水溶性物質(A1)をさらに含有する、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 水溶性物質(A1)に対する物質(A)の質量比が、0.001〜1000である、請求項に記載の組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一つに記載の組成物を植物に施用することを含む、植物へのストレスを軽減する方法。
  6. 前記ストレスが、植物ウイルス、植物病原細菌、植物病原糸状菌、害虫若しくは雑草による生物的ストレス;または、高温、低温、高照度、低照度、過湿、乾燥、塩分、酸性、農薬、化学物質若しくは重金属による物理的若しくは化学的ストレスのいずれか少なくとも一つである、請求項に記載の方法。
  7. 植物が、穀類、豆類、果樹類、野菜類、瓜類、根菜類、加工用作物類、牧草または芝類である、請求項またはに記載の方法。
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