JP6212372B2 - 機能性膜の製造方法及び機能性膜 - Google Patents

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Description

本発明は、機能性膜の製造方法及び機能性膜に関する。
近年、世界的な温暖化現象により環境に対する意識が高まり、炭酸ガス等の温暖化ガスを発生しない新しいエネルギーシステムが関心を集めている。
例えば、太陽電池発電や太陽熱発電、風力発電等の環境に優しい再生可能なエネルギーは、炭酸ガス等の温暖化を誘発するといわれているガスを排出しないため、クリーンなエネルギーとして研究開発が盛んに行われている。
中でも、太陽電池発電や太陽熱発電は、安全性や扱いやすさに優れていることから、今後、一層注目を浴びると考えられている。
代表的な太陽熱発電方法としては、集中方式(中央タワー式)、分散方式(パラボリックトラフ)、ディッシュ/スターリング方式がある。
これらは太陽光を反射鏡によって一部分に集光し、その集光熱によって熱電変換により電気エネルギーを得る方式である。そのため、これらの方式では、ロスを少なく光を集光するかが重要であり、集光効率を向上させるために、表面に様々な機能性膜(防汚性、反射防止性、防曇性等を有する膜)を形成することが検討されている。
受光面の表面の汚れを防止する技術としては、例えば特許文献1に、アナターゼ型酸化チタン含有層上に、アンモニア水に溶解させたタングステン酸と蒸留水とを加えたコーティング液を塗布し、700℃で焼付け処理を施して酸化タングステンからなる層を形成して、防汚性を有する表面層を形成する技術が開示されている。
また、基材表面に反射防止性能を付与する技術としては、例えば特許文献2に、アルコキシシランを加水分解、縮合させるゾルゲル法によって調製した後のゾル液とシリカ微粒子とを併用した、反射防止性を有するシリカ系薄膜を形成する技術が開示されている。
また、反射防止性、曇り防止性を付与する技術としては、例えば特許文献3に、加水分解性ケイ酸塩オリゴマーである前駆体製剤を基板上にコーティングし、塩基、水分、及びオリゴマーの加水分解を抑制する抑制剤を含む気体雰囲気において、硬化処理を施すことにより、反射防止性及び曇り防止性を有するシリカ様薄層を形成する技術が開示されている。
さらに、反射防止膜を形成する技術としては、例えば特許文献4には、界面活性剤と珪酸ナトリウムとを用いてシリカ複合体を形成した後、前記界面活性剤を溶媒洗浄して除去し、メソポーラスシリカを含有する反射防止膜を形成する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜4に開示されている技術は、いずれも実験室レベルでは十分性能を発揮することが可能であるが、実用レベルにおける大判サイズの膜形成技術としては、性能を十分に発揮することは容易ではないという問題を有している。
また、特許文献1〜4には、ガラス基板上に、金属酸化被膜を形成する方法として、例えば、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、浸漬法、スプレー法、スピンコート法、フロー法などが採用されているが、これらの方法は、いずれも膜形成するために要する時間が長く、ことに大面積サイズ基板においては、そのタクトが非常に長くなるため、生産性が低下し大幅なコスト高を招来するという問題を有している。
一方、特許文献5及び6には、上述した問題点に鑑み、コーティング溶液を固形分濃度0.01〜0.2質量%にし、粘度を2〜10cPとなるように調製した後、被膜し、加熱成膜することによりゾルゲル膜を形成する方法が開示されている。
特開平10−114545号公報 特開平10−133002号公報 特表2008−542009号公報 特開2006−308832号公報 特開平6−136545号公報 特開平4−305274号公報
しかしながら、特許文献5に記載されている技術によると、低粘度塗料をカーテンフロー形成可能なスリット幅に設定して塗布する場合、必要量以上の塗料が基材に塗布されるため、膜厚むら、乾燥むらが生じ、乾燥後、均一な薄膜を形成することが困難であるという問題を有している。また、塗料塗布量を抑制するために前記スリット幅を狭めると、カーテンフローに切れが生じ、均一かつ平滑な塗布を行うことが困難になるという問題も有している。
さらに特許文献6に記載されている技術においては、塗布直後に傾斜姿勢を維持したままレベリングを行うが、ある角度以下の傾斜姿勢を維持して前記レベリングを行うと、薄膜を形成するためには長時間必要となり、ゴミが付着しやすく十分な生産性が確保できないという問題を有している。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、基材表面に薄膜を平滑に形成可能で、かつゴミ付着のない機能性膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の課題を解決すべく検討を行った結果、基材を当該基材表面が水平面に対して所定の角度範囲となるように傾斜させ、当該基材を傾斜させた状態を維持したまま、基材表面にコーティング剤を基材の体積の1/10以上、塗布する工程と、前記基材をさらに、基材表面が水平面に対して所定の角度範囲となるように傾斜させ、当該基材を傾斜させた状態で維持する工程と、を実施し、機能性膜を製造することにより、上記従来技術の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
〔1〕
機能性膜の形成面である基材表面が、水平面に対し、50°以下の角度θ1になるように基材を傾斜させ、当該基材を傾斜させた状態を維持したまま、コーティング剤を前記基材に注ぎかけ、当該基材の体積の1/10以上塗布する塗布工程と、
前記基材を、さらに、基材表面が水平面に対し、100°以上150°以下の角度θ2になるように傾斜させ、当該基材を傾斜させた状態を維持する、傾斜状態維持工程と、
コーティング剤を塗布した基材を、100℃以下の温度で温風乾燥、赤外線乾燥、送風乾燥の、少なくともいずれかを行う乾燥工程と、
を、有する機能性膜の製造方法。
〔2〕
前記基材上に塗布されたコーティング剤のうちの、40質量%以上99.9質量%以下
を、前記基材から流し落とす工程を有する、前記〔1〕に記載の機能性膜の製造方法。
〔3〕
前記コーティング剤は、固形分が1質量%以上15質量%以下であり、粘度が1mPa
s〜20mPasであり、表面張力が20mN/m以上75mN/m以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の機能性膜の製造方法。
〔4〕
前記基材が、太陽熱発電用ミラー又は太陽電池用ガラスである、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の機能性膜の製造方法。
本発明の機能性膜の製造方法によれば、薄膜かつ平滑で、ゴミ付着のない機能性膜を、製造することができる。
本実施形態の機能性膜の製造方法の概略説明図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明するが、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施することができる。
〔機能性膜の製造方法〕
本実施形態の機能性膜の製造方法は、
基材表面が、水平面に対し、50°以下の角度θ1になるように基材を傾斜させ、当該基材を傾斜させた状態を維持したまま、コーティング剤を前記基材の体積の1/10以上塗布する塗布工程と、
前記基材を、さらに、基材表面が水平面に対し、50°より大きく180°より小さい角度θ2になるように傾斜させ、当該基材を傾斜させた状態を維持する、傾斜状態維持工程と、
を、有する。
図1を参照にしながら、本実施形態の機能性膜の製造方法について説明する。
図1は、本実施形態の機能性膜の製造方法の説明図であって、機能性膜の製造装置の一例の概略図を示す。
機能性膜の製造装置は、図1に示すように、基材挿入用ベルトコンベアー1と、コーティング剤を塗布する工程を実施するための塗布部2と、基材排出用ベルトコンベアー3とを具備する塗布装置を具備している。
前記基材挿入用ベルトコンベアー1と基材排出用ベルトコンベアー3との間には、前記コーティング剤を基材10の表面に塗布する塗布部2が配置されており、基材10は、矢印Aに示すように、基材挿入用ベルトコンベアー1から塗布部2を介して基材排出用ベルトコンベアー3方向へと搬送されるようになされている。
具体的には、基材挿入用ベルトコンベアー1上においては、所定の基材10が、当該基材表面が水平面に対して所定の角度θ1に載置され、当該基材は、前記基材挿入用ベルトコンベアー1により塗布部2の方向へと搬送される。
塗布部2においては、上部から供給され、例えばカーテン状又はスプレー状のコーティング剤20の領域を、基材10が通過するようになされている。
なお、上記角度θ1は基材10の任意の片端を基準とし、重力方向に対して垂直の方向を水平方向(0°)としたとき、50°以下の傾斜角度とする。
なお、本実施形態の機能成膜の製造方法においては、基材体積の1/10以上のコーティング剤を基材10に塗布し、基材表面を完全に覆う。基材体積の1/10以上であれば塗膜を形成するのに必要最低限のコーティング剤よりも過剰であってもよい。
前記基材10が、基材挿入用ベルトコンベアーの搬送に従い、塗布部2でコーティング剤20が供給される領域を通過することにより、基材10上に塗布がなされ、塗膜21が形成される。
余剰のコーティング剤は、塗布部2の下部に設けられた回収部30で回収される。
基材10は、基材排出用ベルトコンベアー3によって排出される(塗布工程)。
その後、基材10に塗布された塗膜が流動性を有している間に、傾斜手段4により、当該基材10を、水平面に対し、所望の角度θ2に傾斜させ、基材10を前記角度θ2に傾斜させた状態で、所定の時間維持する。
なお、上記角度θ2は基材10の任意の片端を基準とし、重力方向に対して垂直の方向を水平方向(0°)としたとき、50°よりも大きく、180°よりも小さい傾斜角度とする。
上記のように、基材10を角度θ2に傾斜させた状態を維持し、基材10上に塗布された過剰なコーティング剤を流し落としながらレベリングを行う(傾斜状態維持工程)。
流し落としたコーティング剤は、図1中、矢印Bに示すように、再び塗布部2に返送する。
上述したように、過剰なコーティング剤を流し落とした基材10は、必要に応じて所定の乾燥手段5によって乾燥処理を施すことが好ましい(乾燥工程)。
前記乾燥処理は、自然乾燥、加熱乾燥、送風乾燥のいずれでもよい。
上述した工程を経ることにより、基材10上の過剰なコーティング剤が流し落とされ、乾燥処理によって、流動性がなく、均一かつ平滑な塗膜を形成することができる。
その後、傾斜角度θ=0°に戻して水平状態とし、ベルトコンベアー6により系外に送出する。
このとき、さらに必要に応じて100℃以下の温度で所定時間の乾燥処理を施してもよい。
上述したようにして基材10上の塗膜が硬化され、塗布が完了し、機能性膜22が得られる。
以下、本実施形態の機能性膜の製造方法の各工程について詳細に説明する。
(塗布工程)
本実施形態の機能性膜の製造方法においては、塗布の方法は、特に限定されるものではなく、基材の大きさ・形に応じて、どんな塗布手段を用いてもよく、基材体積の1/10以上のコーティング剤を、基材に塗布し、基材表面を完全に覆うように塗布できればよい。
塗布方法としては、例えば、スプレー法、カーテンフロー法、ロール法、スリット法等が挙げられる
本実施形態においては、基材は、従来公知のものを用いることができ、特に限定されない。例えば、フロート板ガラス、白板ガラス、青板ガラス、強化ガラス、石英ガラス、ミラー、アルミミラー、ステンレスミラー等が挙げられる。また、湾曲したガラス、及びミラーも用いることができる。
本実施形態の機能性膜の製造方法は、大判サイズのコーティングに最適な方法であるため、太陽熱発電用ミラー、太陽電池用ガラスを基材として用い、太陽熱発電設備や太陽電池を製造する際の製膜方法として好適である。
塗布工程においては、基材表面が、水平面に対し、50°以下の角度θ1になるように基材を傾斜させ、当該基材を傾斜させた状態を維持したまま、コーティング剤を前記基材の体積の1/10以上塗布する。
前記角度θ1を50°以下とすることにより、塗布時に基材に自重で均一にむらなく塗り広げることができるようにする効果が得られる。前記角度θ1は、45°以下であることが好ましく、30°以下であることがより好ましい。
また、基材体積の1/10以上のコーティング剤を基材表面に塗布することにより必要量以上の塗料で基材を十分覆い、自重で速やかに流される効果が得られる。
コーティング剤は、基材体積の1/9以上であることが好ましく、1/5以上であることがより好ましい。
(傾斜状態維持工程)
本実施形態の機能性膜の製造方法においては、前記塗布工程の直後から所定時間、基材を水平面に対し、50°より大きく180°より小さい傾斜角度θ2になるように傾斜させ、前記基材を傾斜させた状態で維持する。
前記所定時間に関しては、コーティング剤の自重により過剰に塗布されたコーティング剤が流れ落ち、基材上のコーティング剤に流動性がなくなるまで維持させる観点から、5分以上15分以下が好ましく、5分以上12分以下がより好ましく、5分以上10分以下がさらに好ましい。
この傾斜状態維持工程により、前記角度θ2を50°よりも大きく180°よりも小さい角度として基材を維持することにより、機能性膜表面に対するゴミの付着を効果的に低減させることができる。
前記角度θ2は、コーティング剤のレベリング性及び機能性膜の生産性を向上させる観点から、90°より大きく150°より小さい角度とすることが好ましく、100°以上150°以下の角度とすることがより好ましい。
前記傾斜状態維持工程においては、前記基材上に塗布されたコーティング剤を、基材上に塗布されたコーティング剤全体の40質量%以上99.9質量%以下、流し落とすことが好ましい。
これにより、前記(塗布工程)で、過剰に塗布されたコーティング剤を十分に流し落とし、必要量分を基材表面に残すことができる。
より好ましくは60質量%以上99.9質量%以下、さらに好ましくは80質量%以上99.9質量%以下、流し落とす。
上述したように、基材上からコーティング剤を除去した後、所望のタイミングで基材の傾斜角度を0°に戻す。
基材を0°に戻すタイミングは、特に限定されないが、上述したように、コーティング剤が十分に流し落とされ、基材上に塗布されたコーティング剤の流動性がなくなっていればよい。
また、後述するように、乾燥工程を経た後に、基材の傾きを0°に戻してもよい。
(乾燥工程)
上記のように、基材上からコーティング剤を十分に除去した後、100℃以下の温度で乾燥処理を行うことが好ましい。
なお、乾燥処理は、基材の傾斜角度を0°に戻した後に行ってもよいが、基材を上記角度θ2に傾斜させた状態を維持したまま行うことが、ゴミ付着を軽減する観点から好ましい。
乾燥処理の温度は、急激な乾燥による乾燥ムラの発生を防止する観点から、100℃以下とすることが好ましく、50℃以下とすることがより好ましく、40℃以下とすることがさらに好ましい。
乾燥方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、自然乾燥、温風乾燥、赤外線乾燥、送風乾燥等が挙げられ、それぞれを単独で使用してもよく、2つ以上を組み合わせて使用してもよい。
(コーティング剤)
本実施形態に用いられるコーティング剤としては、従来公知の親水性コーティング剤などを使用できるが、有機溶媒の含有量が少なく、100℃以下の温度で乾燥、硬化可能な、いわゆる低温硬化タイプのコーティング剤が好ましい。
なお、前記親水性とは、当該コーティング剤により形成した機能性膜の、20℃での水の接触角が60°以下である場合を言うが、特に水の接触角が30°以下であると、降雨等の水による自己浄化能(セルフクリーニング)による耐汚染性を発現するので好ましい。
さらに優れた耐汚染性発現や防曇性発現の観点から、前記水の接触角は20°以下であることがより好ましく、10°以下であることがさらに好ましく、5°以下であることがさらにより好ましい。
本実施形態において用いるコーティング剤の固形分濃度は、薄膜を形成させる観点と、使用するコーティング剤の粘度を低く保つ観点から1質量%以上15質量%以下にすることが好ましい。より好ましくは1質量%以上10質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以上6質量%以下である。
本実施形態において用いるコーティング剤の粘度は、所定時間内に、過剰のコーティング剤を流し落とし、必要量のみ基材上に残すという観点から、1mPas以上20mPas以下であることが好ましく、1mPas以上10mPas以下であることがより好ましい。さらに好ましくは1mPas以上7.5mPas以下であり、さらにより好ましくは1mPas以上5mPas以下である。
コーティング剤の粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態において用いるコーティング剤の表面張力は、コーティング剤を流し落とした後も10nm〜1000nmの膜厚に調整可能として良好な外観特性を得ることを可能とし、基材表面に十分塗れ広がりながら保持される効果を得る観点から、20mN/m以上75mN/m以下にすることが好ましい。より好ましくは25mN/m以上50mN/m以下であり、さらに好ましくは30mN/m以上40mN/m以下である。
コーティング剤の表面張力は、後述する実施例に記載の方法により測定することができ
る。また、コーティング剤の粘度及び表面張力は、固形分濃度を調整することにより所望
の値に制御することができる。
前記低温硬化タイプのコーティング剤としては、国際公開2007/069596号に記載のコーティング剤が好ましい例として挙げられる。
当該コーティング剤は、数平均粒子径が1〜400nmの金属酸化物(A)と、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)、及び2級アミド基及び3級アミド基の少なくとも一方を有するビニル単量体(b2)(以下、2級及び/又は2級アミド基を有するビニル単量体(b2)と記載する場合がある。)を重合して得られる数平均粒子径が10〜800nmである重合体エマルジョン粒子(B)を含む。
前記低温硬化タイプのコーティング剤においては、金属酸化物(A)は、重合体エマルジョン粒子(B)と相互作用することにより重合体エマルジョン粒子(B)の硬化剤として機能する。これにより前記コーティング剤を用いることにより、耐候性、耐薬品性、光学特性、さらには、防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた機能性膜が得られる。
ここで、前記金属酸化物(A)と重合体エマルジョン粒子(B)との相互作用としては、例えば、金属酸化物(A)が有する水酸基と重合体エマルジョン粒子(B)が有する2級及び/又は3級アミド基との水素結合や、金属酸化物(A)が有する水酸基と重合体エマルジョン粒子(B)を構成する加水分解性金属化合物(b1)の重合生成物との縮合(化学結合)等が挙げられる。
前記金属酸化物(A)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化鉛、酸化鉄、珪酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化セリウム及びそれらの複合酸化物等が挙げられる。
これらの中でも、表面水酸基の多い二酸化珪素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化アンチモン及びそれらの複合酸化物等が好ましい。
また、前記金属酸化物(A)として光触媒を選択すると、上記コーティング剤から形成される機能性膜は、光照射により光触媒活性及び/又は親水性を発現するため非常に好ましい。
本実施形態においては、用いる金属酸化物(A)の形態が、機能性膜の光学特性等の機能発現にとって重要な因子となる。
本実施形態に好適に使用される金属酸化物(A)としては、1次粒子と2次粒子との混合物(1次粒子、2次粒子何れかのみでもよい)の数平均粒子径が1〜400nmの金属酸化物(A)ゾル又は金属酸化物(A)分散液が好ましい。
特に数平均粒子径が1〜100nmの金属酸化物(A)ゾル又は金属酸化物(A)分散液を使用した場合、上記コーティング剤からは透明性に優れた機能性膜を得ることができるためより好ましい。さらに好ましくは数平均粒子径が3〜80nm、さらにより好ましくは5〜50nmの金属酸化物(A)ゾル又は金属酸化物(A)分散液が好適に選択される。
また、本実施形態で用いられるコーティング剤においては、下記式(1)で表されるトリオルガノシラン単位、下記式(2)で表されるモノオキシジオルガノシラン単位、下記式(3)で表されるジオキシオルガノシラン単位、下記式(4)で表されるトリオキシシラン単位、及びジフルオロメチレン単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる変性剤化合物を用いて、前記金属酸化物(A)を変性処理することにより得られる、溶媒に対する分散安定性、化学的安定性、耐久性等に優れた変性金属酸化物(A’)を、前記金属酸化物(A)に代えて又は金属酸化物(A)とともに用いてもよい。
Si− ・・・(1)
(式(1)中、Rは、各々独立して直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30個のフルオロアルキル基、直鎖状又は分岐状の炭素数2〜30個のアルケニル基、フェニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は水酸基を表す。)
−(RSiO)− ・・・(2)
(式(2)中、Rは、前記式(1)で定義した通りである。)
(式(3)中、Rは、前記式(1)で定義した通りである。)
前記コーティング剤に含まれる前記重合体エマルジョン粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素金属化合物(b1)と、2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)とを、それぞれ重合することにより得ることができる。
前記重合体エマルジョン粒子(B)の重合の際、加水分解性珪素化合物(b1)の配合量は、重合安定性の観点から、重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して好ましくは、(b1)/(B)=0.01/100〜80/100であり、より好ましくは0.1/100〜70/100であり、さらに好ましくは0.2/100〜40/100である。
加水分解性珪素化合物(b1)に対する2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の質量比(b2)/(b1)は、重合安定性の観点から、5/95〜95/5であることが好ましく、より好ましくは10/90〜90/10である。
このようにして得られる重合体エマルジョン粒子(B)は、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物が有する水酸基と、2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合生成物とが、水素結合により複合化されたものとなる。
前記重合体エマルジョン粒子(B)を製造するために用いる前記加水分解性珪素化合物(b1)としては、下記式(5)で表される化合物やその縮合生成物、シランカップリング剤が挙げられる。
SiWxR’y ・・・(5)
(式(5)中、Wは炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基、アミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。
R’は、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の炭化水素基を表す。
xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数である。
また、x+y=4である。)
加水分解性珪素化合物(b1)が前記シランカップリング剤であるとき、当該シランカップリング剤は、ビニル重合性基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、イソシアネート基等の有機物と反応性を有する官能基が分子内に存在するものであることが必要である。
前記加水分解性珪素化合物(b1)としての珪素アルコキシド及びシランカップリング剤の具体例としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン類等を挙げることができる。
また、これらの加水分解性珪素化合物(b1)としての珪素アルコキシドやシランカップリング剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
加水分解性珪素化合物(b1)としての珪素アルコキシドやシランカップリング剤は、縮合生成物として使用してもよく、かかる場合、縮合生成物のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算重量平均分子量は、重合安定性の観点から好ましくは200〜5000、より好ましくは300〜1000である。
上述の加水分解性珪素化合物(b1)としての珪素アルコキシドの中では、フェニル基を有する珪素アルコキシド、例えばフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等は、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に優れるため好ましい。
また、上述の加水分解性珪素化合物(b1)の中でも、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2−トリメトキシシリルエチルビニルエーテル等のビニル重合性基を有するシランカップリング剤や、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基を有するシランカップリング剤は、上述した2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)と共重合又は連鎖移動反応して化学結合を生成することが可能であるため好ましい。このため、ビニル重合性基やメルカプト基を有するシランカップリング剤を、単独で又は上述した珪素アルコキシド、前記ビニル重合性基やメルカプト基を有するシランカップリング剤以外のシランカップリング剤、及びそれらの縮合生成物と混合若しくは複合化させて用いた場合、上述した重合体エマルジョン粒子(B)を構成する加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物と2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合生成物は、水素結合に加えて化学結合により複合化できる。この様な重合体エマルジョン粒子(B)を含有する上記コーティング剤は、耐候性、耐薬品性、光学特性、強度等に優れた機能性膜を形成することができるため、非常に好ましい。
本実施形態において用いるコーティング剤に含まれる前記加水分解性珪素化合物(b1)としては、ビニル重合性基を有するシランカップリング剤を用いることが機能性膜の耐候性の観点から好ましく、この場合において、ビニル重合性基を有するシランカップリング剤の配合量は、重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下であることが重合安定性の面から好ましい。さらに好ましくは0.1質量部以上10質量部以下である。
また、前記加水分解性珪素化合物(b1)としてのビニル重合性基を有するシランカップリング剤の含有量は、重合安定性の面から、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)100質量部に対して好ましくは0.1質量部以上100質量部以下であり、より好ましくは0.5質量部以上50質量部以下である。
本実施形態においては、上述した加水分解性珪素化合物(b1)として、環状シロキサンオリゴマーを併用してもよい。
環状シロキサンオリゴマーの併用により、柔軟性等に優れた機能性膜を形成することができる。
環状シロキサンオリゴマーとしては、下記式(6)で表される化合物が挙げられる。
(R’’SiO)・・・(6)
(式(6)中、R’’は、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数が1〜30個のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、及び置換されていないか又は炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはハロゲン原子により置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。mは整数であり、2≦m≦20である。)
上記環状シロキサンオリゴマーの中で、反応性等の点からオクタメチルシクロテトラシロキサン等の環状ジメチルシロキサンオリゴマーが好ましい。
本実施形態において用いるコーティング剤に含まれる重合体エマルジョン粒子(B)を製造するために用いる、前記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)としては、例えば、N−アルキル又はN−アルキレン置換(メタ)アクリルアミドが挙げられ、以下に限定されるものではないが、例えば、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタアクリルアミド、N−メチル-N-エチルアクリルアミド、N−メチル-N-エチルメタアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタアクリルアミド、N−n−プロピルメタアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−アクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミド等が挙げられる。
本実施形態において用いるコーティング剤に含まれる、前記重合体エマルジョン粒子(B)を製造するために用いる、前記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)としては、3級アミド基を有するビニル単量体を用いることが、上述した加水分解性珪素化合物(b1)や、金属酸化物との間の水素結合性が強まる観点からより好ましい。
前記2級及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の中で、特にN,N−ジエチルアクリルアミドは、水及び乳化剤の存在下における重合安定性に非常に優れるとともに、上述した加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物の水酸基や金属酸化物(A)の水酸基と強固な水素結合を形成することが可能であるため、さらに好ましい。
前記2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の使用量は、得られる重合体エマルジョン粒子(B)に対する質量比(b2)/(B)において、0.1以上0.5以下であることが好ましく、また上述した金属酸化物(A)に対する質量比(b2)/(A)において、0.1以上1.0以下であることが好ましい。この範囲で(b2)が存在した場合、(b1)の重合生成物が有する水酸基との水素結合力と、金属酸化物(A)との配合安定性が両立して好ましい。
また、前記2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合を、これと共重合可能な他のビニル単量体(b3)(以下、単にビニル単量体(b3)と記載する場合がある。)と共に行うと、生成する重合生成物の特性(ガラス転移温度、分子量、水素結合力、極性、分散安定性、耐候性、加水分解性珪素化合物(b1)の重合生成物との相溶性等)を制御することが可能となり好ましい。
前記ビニル単量体(b3)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類の他、カルボキシル基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル系単量体、グリシジル基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体、アニオン型ビニル単量体のような官能基を含有する単量体等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキル部の炭素数が1〜50の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
前記(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートの具体例としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
なお、本明細書中で、(メタ)アクリルとはメタアクリル又はアクリルを簡便に表記したものである。
(メタ)アクリル酸エステルの使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において好ましくは0〜99.9質量%、より好ましくは5〜80質量%である。ここで、全ビニル単量体とは、2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)とこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)の総量である。
前記カルボキシル基含有ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、無水マレイン酸、又はイタコン酸、マレイン酸、フマール酸等の2塩基酸のハーフエステル等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニル単量体を用いることによって、重合体エマルジョン粒子(B)にカルボキシル基を導入することができ、エマルジョンとしての安定性を向上させ、外部からの分散破壊作用に抵抗力を持たせることが可能となる。この際、導入したカルボキシル基は、一部又は全部を、アンモニアやトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類やNaOH、KOH等の塩基で中和することもできる。
カルボキシル基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において0〜50質量%であることが、目的とする機能性膜の耐水性の観点から好ましい。より好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
また、前記水酸基含有ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピリ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ−2−ヒドロキシエチルモノブチルフマレート、アリルアルコールやエチレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレート、さらには、「プラクセルFM、FAモノマー」(ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名)や、その他のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類等が挙げられる。
前記(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレートの具体例としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
また、前記(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレートの具体例としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
水酸基含有ビニル単量体を用いることによって、2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)との重合生成物の水素結合力を制御することが可能となるとともに、重合体エマルジョン粒子(B)の水分散安定性を向上させることが可能となる。
上述した水酸基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において好ましくは0〜80質量%、より好ましくは0.1〜50質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
また、前記グリシジル基含有ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルジメチルグリシジルエーテル等が挙げられる。
グリシジル基含有ビニル単量体や、カルボニル基含有ビニル単量体を使用すると、重合体エマルジョン粒子(B)が反応性を有し、ヒドラジン誘導体やカルボン酸誘導体、イソシアネート誘導体等により架橋させることにより耐溶剤性等の優れた機能性膜の形成が可能となる。
前記グリシジル基含有ビニル単量体や、カルボニル基含有ビニル単量体の使用量は、1種又は2種以上の混合物として、全ビニル単量体中において好ましくは0〜50質量%、よりこのましくは0〜10質量%、よりさらに好ましくは0〜5質量%である。
なお、前記全ビニル単量体とは(b2)+(b3)である。
本実施形態において用いるコーティング剤に含まれる、上述した重合体エマルジョン粒子を重合する際に用いる乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤、酸性乳化剤のアルカリ金属(Li、Na、K等)塩、酸性乳化剤のアンモニウム塩、脂肪酸石鹸等のアニオン性界面活性剤や、例えばアルキルトリメチルアンモニウムブロミド、アルキルピリジニウムブロミド、イミダゾリニウムラウレート等の四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩型のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等のノニオン型界面活性剤やラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤等が挙げられる。
前記乳化剤の中で、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤を選択すると、重合体エマルジョン粒子(B)の水分散安定性が非常に良好になると共に、重合体エマルジョン粒子(B)を含有するコーティング剤を用いることにより、耐水性、耐薬品性、光学特性、強度等に優れた機能性膜が得られるため、非常に好ましい。
前記ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体、硫酸エステル基を有するビニル単量体やそれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、ポリオキシエチレン等のノニオン基を有するビニル単量体、4級アンモニウム塩を有するビニル単量体等が挙げられる。
前記反応性乳化剤としては、具体的には、スルホン酸基又はスルホネート基を有するビニル単量体の塩を例にとると、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつスルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基、炭素数6又は10のアリール基及びコハク酸基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物であるか、スルホン酸基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基が結合しているビニル基を有するビニルスルホネート化合物である。硫酸エステル基を有するビニル単量体は、ラジカル重合性の二重結合を有し、かつ硫酸エステル基のアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩である基により一部が置換された、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜4のアルキルエーテル基、炭素数2〜4のポリアルキルエーテル基及び炭素数6又は10のアリール基からなる群から選ばれる置換基を有する化合物が挙げられる。
前記反応性乳化剤の使用量は、重合安定性の観点から、重合体エマルジョン粒子(B)100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、0.001〜5質量部がより好ましい。
前記加水分解性珪素化合物(b1)、及び2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合は、それぞれの重合触媒の存在下で実施することが好ましい。
ここで、加水分解珪素化合物(b1)の重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類、酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類、硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類、酸性又は弱酸性の無機塩、フタル酸、リン酸、硝酸のような酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシランのような塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレートのような錫化合物等が挙げられる。
これらの中で、加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての作用を有する酸性乳化剤類、特に炭素数が5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(ドデシルベンゼンスルホン酸等)が好ましい。
加水分解性珪素化合物(b1)の重合触媒の使用量としては、全ビニル単量体100質量部に対して、0.001〜5質量部とすることが好ましい。
一方、2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合触媒としては、熱又は還元性物質などによってラジカル分解してビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好適であり、水溶性又は油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が使用される。
このようなラジカル重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合触媒の使用量としては、全ビニル単量体100質量部に対して、0.001〜5質量部の配合が好ましい。なお、重合速度の促進、及び70℃以下での低温の重合を望むときには、例えば重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。
上述したように、前記コーティング剤に用いる重合体エマルジョン粒子(B)は、水及び乳化剤の存在下で、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、さらには、必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)を、好ましくは重合触媒存在下で重合することにより得ることができる。
ここで、加水分解性珪素化合物(b1)、及び2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)の重合は、別々に実施することも可能であるが、同時に実施することにより水素結合等によるミクロな有機無機複合化が達成できるので好ましい。
また、本実施形態において、コーティング剤に用いる重合体エマルジョン粒子(B)は、粒子径が10〜800nmであることが好ましい。この様な粒子径の範囲に調整し、粒子径が1〜400nmの金属酸化物(A)と組み合わせてコーティング剤とすることにより、耐候性、耐薬品性、光学特性、更には防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた機能性膜を形成することが可能となる。また、重合体エマルジョン粒子(B)の粒子径は50〜300nmであると、得られる機能性膜の透明性が向上し、より好ましい。
このような粒子径の重合体エマルジョン粒子(B)を得る方法としては、乳化剤がミセルを形成するのに十分な量の水の存在下で、加水分解性金属化合物(b1)及び2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)を重合する、いわゆる乳化重合が最も適した方法である。
乳化重合の具体的な方法としては、例えば、加水分解性珪素化合物(b1)及び2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、さらには必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)を、そのまま、又は乳化した状態で、一括若しくは分割で、又は連続的に反応容器中に滴下し、前記重合触媒の存在下、好ましくは大気圧から必要により10MPaの圧力下で、約30〜150℃の反応温度で重合させればよい。
場合によっては、これ以上の圧力で、又はこれ以下の温度条件で重合を行っても差し支えない。
加水分解性珪素化合物(b1)及び全ビニル単量体量の総量と、水との比率は、最終固形分量が0.1〜70質量%、好ましくは1〜55質量%の範囲になるように設定するのが好ましい。
また、上述した乳化重合をするにあたり、粒子径を成長又は制御させるために、予め水相中にエマルジョン粒子を存在させて重合させるシード重合法によってもよい。
重合反応は、系中のpHが好ましくは1.0〜10.0、より好ましくは1.0〜6.0の範囲で進行させればよい。
pHは、燐酸二ナトリウムやボラックス、又は、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどのpH緩衝剤を用いて調節することが可能である。
本実施形態において、重合体エマルジョン粒子(B)が2層以上の層から形成されるコア/シェル構造であると、該重合体エマルジョン粒子(B)を含有する上記コーティング剤からは、機械的物性(強度と柔軟性のバランス等)に優れた機能性膜を形成することが可能となり好ましい。
特に、当該重合体エマルジョン粒子(B)の最内層の、加水分解性珪素化合物(b1)に対する2級アミド基及び3級アミド基の少なくとも一方を有するビニル単量体(b2)の質量比(b2)/(b1)が1.0以下であり、かつ最外層の質量比(b2)/(b1)が0.1以上5.0以下であると、得られる機能性膜は、耐候性、機械的物性が共に特に良好となり、好ましい。
前記コア/シェル構造の重合体エマルジョン粒子(B)を製造する方法として、多段乳化重合が非常に有用である。
ここで、多段乳化重合とは、2種類以上の異なった組成の加水分解性珪素化合物(b1)や2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、さらには、必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)を調整し、これらを別々の段階に分けて重合することを意味する。
以下に、多段乳化重合の中で最も単純で有用な2段乳化重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成を例に、多段乳化重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成について説明する。
2段乳化重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成方法としては、例えば、水及び乳化剤の存在下に、2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)及び/又は加水分解性珪素化合物(b1)を重合してシード粒子を得ておき、このシード粒子の存在下に、前記加水分解性珪素化合物(b1)及び2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)を重合する方法を例示できる。
前記2段乳化重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成は、第1系列:2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)、及び/又は加水分解性金属化合物(b1)を供給して、乳化重合する第1段の重合と、前記第1段に引き続き、第2系列:加水分解性金属化合物(b1)並びに2級アミド基及び/又は3級アミド基を有するビニル単量体(b2)、必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル単量体(b3)を供給し、水性媒体中において乳化重合する、第2段の重合からなる、2段階の重合行程により行われる。
この際、前記第1系列中の固形分質量(M1)と、前記第2系列中の固形分質量(M2)との質量比は、重合安定性の観点から、好ましくは(M1)/(M2)=9/1〜1/9、より好ましくは8/2〜2/8である。
本実施形態において、好ましいコア/シェル構造の重合体の特徴は、第1段の重合で得られたシード粒子の粒子径が、粒径分布(体積平均粒子径/数平均分散粒子径)の大きな変化なしに(好ましくは単分散の状態で)、第2段の重合によって大きくなる(粒子径の増大)ことを挙げることができる。
また、コア/シェル構造の確認は、例えば、透過型電子顕微鏡等による形態観察や粘弾性測定による解析等により実施することが可能である。
重合体エマルジョン粒子(B)を、水及び乳化剤の存在下に加水分解性珪素化合物(b1)を重合して得られるシード粒子の存在下に加水分解性珪素化合物(b1)及び2級アミド基及び3級アミド基の少なくとも一方を有するビニル単量体(b2)を重合した場合は重合安定性に優れており好ましい。
また、上述したコア/シェル構造の重合体エマルジョン粒子(B)において、コア相のガラス転移温度(Tg)が0℃以下、すなわち上記シード粒子のガラス転移温度が0℃以下のものは、それを含有するコーティング剤からは室温における柔軟性に優れ、割れ等が生じにくい機能性膜を形成することが可能となり、好ましい。
前記重合体エマルジョン粒子の製造の際、3段以上の多段乳化重合を実施する場合は、上述した2段重合による重合体エマルジョン粒子(B)の合成例を参考に、重合する系列の数を増加させればよい。
本実施形態において用いるコーティング剤中の金属酸化物(A)と重合体エマルジョン粒子(B)の質量比(A)/(B)は、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは5/95〜90/10、さらに好ましくは9/91〜83/17である。この範囲で配合された機能性膜は、透明性、耐汚染性に優れている。
本実施形態において用いるコーティング剤は、無溶媒の状態であっても水に分散した状態であってもよく、特に制限はないが、塗料として用いる場合は、粘度調整の観点から水に分散した状態が好ましい。この際、コーティング剤の固形分は、当該コーティング剤の全質量基準で、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.1〜20質量%である。
また、本実施形態において用いるコーティング剤には、水素結合等による金属酸化物(A)と重合体エマルジョン粒子(B)の相互作用を制御する目的で、アルコール類を添加することもできる。アルコールの添加により、貯蔵安定性等が非常に向上する。
前記アルコール類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、変性エタノール、グリセリン、アルキル鎖の炭素数が3〜8のモノアルキルモノグリセリルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル又はジないしテトラエチレングリコールモノフェニルエーテルが挙げられる。これらの中で、環境上の観点から、エタノールが好ましい。
本実施形態において用いるコーティング剤は、塗料、建材の仕上げ材、接着剤、粘着剤、紙加工剤又は織布、不織布の仕上げ材、更にはシーリング剤、接着剤、インキ、コーティング材、注型材、エラストマー、フォームやプラスチック原料、繊維処理剤など広範に使用可能である。
上述したコーティング剤を用いることにより、皮膜状、シート状、繊維状又は成形体等、各種態様に成膜が可能である。
本実施形態の機能性膜の製造方法により得られる機能性膜は、耐候性、耐薬品性等に優れ、また23℃における水接触角が60°以下となり防汚性にも優れる。特に、金属酸化物(A)として二酸化珪素及び/又は光触媒活性を有する金属酸化物(光触媒)を用いた場合は、23℃における水接触角が30°以下となり、防汚性、防曇性、帯電防止性等に優れた機能性膜が得られる。
本実施形態の機能性膜においては、コーティング剤を構成する金属酸化物(A)と重合体エマルジョン粒子(B)の質量比(A)/(B)を最適な範囲に調整することが好ましい。前記質量比(A)/(B)の最適範囲は、例えば、質量比(A)/(B)を変化させたコーティング剤から生成する機能性膜の透明性を測定し、相対的に透明性が良好な質量比(A)/(B)の範囲を特定することにより選択できる。ここで、使用する金属酸化物(A)と重合体エマルジョン粒子(B)の最適な質量比(A)/(B)の範囲は、金属酸化物(A)の表面積(SA)の総和と重合体エマルジョン粒子(B)の表面積(SB)の総和の桁数の差が3桁以内となるように制御することが、粒子の凝集や塗膜のクラック発生を防止し、最適な塗膜性能安定性を得ることができる観点から好ましい。
金属酸化物(A)および重合体エマルジョン粒子(B)の表面積は、金属酸化物(A)及び重合体エマルジョン粒子(B)の各々の粒径、及び各々の配合質量数から計算することができる。
本実施形態において用いるコーティング剤の重合体エマルジョン粒子(B)は、コア/シェル構造を有していることが好ましく、そのシェル相が金属酸化物(A)と相互作用した状態で連続層を形成し、粒子状のコア相が該連続層中に存在するものであることが好ましい。このようなコーティング剤を用いることにより、耐薬品性、光学特性に優れ、機械的特性(強度と柔軟性のバランス等)にも優れた機能性膜が得られる。
〔用途〕
本実施形態により得られる機能性膜は、種々の機能性(反射防止特性、防汚性、防曇性等)に優れているため、これを太陽電池用の部材(ガラス及びモジュール等)、太陽発電用ミラー、及び太陽電池用レンズ等として用いた太陽熱発電設備、太陽電池に応用することができる。
以下、本発明について、具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔コーティング剤及び機能性膜の評価試験〕
コーティング剤及び機能性膜の評価試験を以下のようにして実施した。
なお、各種物性は下記の方法で評価した。
また、本試験において、特に断りがない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
(コーティング剤の粘度)
23℃で音叉型粘度計(CJV−5000 A&D 製)を用いて測定した。
(重合体エマルジョン粒子(LTX−1)の数平均粒子径)
試料(重合体エマルジョン粒子(LTX−1)水分散体)中の固形分含有量が0.1〜20質量%となるように溶媒を加えて希釈し、湿式粒度分析計(日機装製マイクロトラックUPA−9230)を用いて測定した。
(水接触角)
実施例及び比較例で製造した機能性膜の表面(コーティング剤の塗工面)に脱イオン水の水滴を乗せ、23℃で1分間放置した後、接触角測定装置(協和界面科学製 DM−501型接触角計)を用いて測定した。
(表面張力)
実施例及び比較例で製造したコーティング剤の表面張力を、自動表面張力計(協和界面科学製 DY−300)を用いて測定した。
(wet膜厚)
実施例及び比較例で製造したコーティング剤を、質量が既知の300mm×200mm角ガラスに、当該ガラスを設定傾斜角度θ1として塗布し、塗布後、設定傾斜角度θ2に5秒維持させた後のガラス+塗膜の全質量を測定した。コーティング剤の比重を1として、塗布膜厚(wet膜厚)を算出した。
(液だれ)
実施例及び比較例で製造した機能性膜の表面状態に関し、コーティング剤が重力によって滴を形成した、あるいは表面張力によって部分的に液だまりが発生した状況を目視で判定した。
判定基準は以下のとおりとした。
A:液滴及び/又は液だまりがほとんどない;
B:液滴及び/又は液だまりが多い。
(外観)
実施例及び比較例で製造した機能性膜の、微小クラックの状況をマイクロスコープ50倍で観察し判定した。
判定基準は以下のとおりとした。
A:クラック無し
B:ややクラック有り
C:クラック多い。
(ゴミ付着)
実施例及び比較例で製造した機能性膜の、ほこり等の付着の状況を目視で判定した。
A:ゴミ付着なし
B:ゴミ付着あり
(機能性膜の膜厚)
FE−3000型反射分光計(大塚電子株式会社製)を用いて、波長230〜800nmの範囲での反射スペクトルを測定し、最小二乗法解析により反射防止膜の膜厚を評価した。
(傾斜前後の塗料質量変化率)
実施例及び比較例で製造したコーティング剤を、質量が既知の300mm×200mm角ガラスに、当該ガラス設定傾斜角度θ1として塗装した直後のガラス+コーティング剤の全質量を測定した後、ガラスの質量を差し引いてコーティング剤の質量を算出した(X)。その後、設定傾斜角度θ2に5秒維持させた後のガラス+コーティング剤の全質量を測定した後、ガラスの質量を差し引いてコーティング剤の質量を算出した(Y)。次式から傾斜前後の塗料質量変化率(Z)を導き出した。
Z=(X−Y)/X ×100
(重合体エマルジョン粒子(LTX−1)水分散体の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水1600g、ドデシルベンゼンスルホン酸4gを投入した後、撹拌下で温度を80℃に加温した。
これに、ジメチルジメトキシシラン185g、フェニルトリメトキシシラン117gの混合液を反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて滴下し、その後、反応容器中の温度が80℃の状態で約1時間撹拌を続行した。
次に、アクリル酸ブチル150g、テトラエトキシシラン30g、フェニルトリメトキシシラン145g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.3gの混合液とジエチルアクリルアミド165g、アクリル酸3g、反応性乳化剤(商品名「アデカリアソープSR−1025」、旭電化社製、固形分25質量%水溶液)13g、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液40g、イオン交換水1900gの混合液とを、反応容器中の温度を80℃に保った状態で約2時間かけて同時に滴下した。
さらに熱養生として、反応容器中の温度が80℃の状態で約4時間撹拌を続行した。
その後、室温まで冷却し、100メッシュの金網で濾過し固形分14.08質量%、水相成分8.91質量%、数平均粒子径131nmの重合体エマルジョン粒子(LTX−1)水分散体を得た。
〔実施例1〕
下記表1に示す配合量で、数平均分散粒子径8nmの粒子を有する水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業社製)と、重合体エマルジョン粒子(LTX−1)の水分散体とを加え、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を25℃で加え、1%塩酸水溶液でpH2に調整し、3時間撹拌してコーティング剤を得た。
このコーティング剤を20%エタノール水で希釈し固形分を6.0%に調整するとともに、表面張力も調整した。
基材として300mm×200mm、厚み2mmのアルミミラーを、水平面(0°)に対して傾斜角度θ1=30°に静置させ、メスシリンダーで12cm測り取った前記コーティング剤を、前記基材の表面に均一に当該コーティング剤で完全に覆うように上端から基材表面へ注ぎかけた。
その後、前記基材を水平面(0°)から傾斜角度θ2=100°に引き起こし、当該傾斜角度θ2で基材を維持したまま5分間保持し、室温(25℃)にて0.6m/sで送風乾燥を5分間施し、機能性膜を得た。その後、基材を再び水平(0°)に戻し、機能性膜が形成された部材を得た。
乾燥完了時間は、当該傾斜角度θ2で基材を維持したまま5分間保持した後、送風乾燥を開始してから送風乾燥完了までの時間を測定するものとし、5分であった。
得られた機能性膜の評価結果を下記表1に示す。
〔実施例2〕
基材として300mm×200mm、厚み2mmのアルミミラーを、水平面(0°)に対して傾斜角度θ1=30°に静置させ、メスシリンダーで120cm測り取った前記コーティング剤を、前記基材の表面に均一に当該コーティング剤で完全に覆うように上端から基材表面へ注ぎかけた。
さらに水平面(0°)から傾斜角度θ2=100°に引き起こし、当該傾斜角度θ2を維持したまま5分間保持し、室温(25℃)にて0.6m/sで送風乾燥を5分間施し、機能性膜を得た。その後、基材を再び水平(0°)に戻し、機能性膜が形成された部材を得た。
乾燥完了時間は、当該傾斜角度θ2で基材を維持したまま5分間保持した後、送風乾燥を開始してから送風乾燥完了までの時間を測定するものとし、5分であった。
得られた機能性膜の評価結果を下記表1に示す。
〔実施例3〕
前記コーティング剤をメスシリンダーで100cm測り取り、ハンドスプレー(W−101 アネスト岩田製)に当該コーティング剤を充填した。
基材として300mm×200mm、厚み2mmのアルミミラーを、水平面(0°)に対して傾斜角度θ1=30°に静置させ、基材表面上端から表面をコーティング剤で完全に覆うように基材表面へスプレーして、充填量分全てを塗布した。
さらに水平面(0°)から傾斜角度θ2=100°に引き起こし、当該傾斜角度θ2を維持したまま5分間保持し、室温(25℃)にて0.6m/sで送風乾燥を5分間施し、機能性膜を得た。その後、基材を水平(0°)に戻し、機能性膜が形成された部材を得た。乾燥完了時間は、当該傾斜角度θ2で基材を維持したまま5分間保持した後、送風乾燥を開始してから送風乾燥完了までの時間を測定するものとし、5分であった。
得られた機能成膜の評価結果を下記表1に示す。
(比較例1)
下記表1に示す配合量で、数平均分散粒子径8nmの粒子を有する水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業社製)と、重合体エマルジョン粒子(LTX−1)の水分散体とを加え、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を25℃で加え、1%塩酸水溶液でpH2に調整し、3時間撹拌してコーティング剤を得た。
このコーティング剤を20%エタノール水で希釈し固形分を6.0%に調整するとともに、表面張力も調整した。
基材として300mm×200mm、厚み2mmのアルミミラーを、水平面(0°)に対して傾斜角度θ1=0°に静置させ、メスシリンダーで12cm測り取った前記コーティング剤を、前記基材の表面に均一に当該コーティング剤で完全に覆うように上端から基材表面へ注ぎかけた。
その後、前記基材を水平面(0°)から傾斜角度θ2=0°にし、当該傾斜角度θ2で基材を維持したまま5分間保持し、室温(25℃)にて0.6m/sで送風乾燥を5分間施し、機能性膜を得た。その後、基材を再び水平(0°)に戻し、機能性膜が形成された部材を得た。乾燥完了時間は、当該傾斜角度θ2で基材を維持したまま5分間保持した後、送風乾燥を開始してから送風乾燥完了までの時間を測定するものとし、15分であった。
得られた機能性膜の評価結果を下記表1に示す。
(比較例2)
下記表1に示す配合量で、数平均分散粒子径8nmの粒子を有する水分散コロイダルシリカ(商品名「スノーテックスOS」、日産化学工業社製)と、重合体エマルジョン粒子(LTX−1)の水分散体とを加え、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物(三菱化学社製「MS−56」)を25℃で加え、1%塩酸水溶液でpH2に調整し、3時間撹拌してコーティング剤を得た。
このコーティング剤を20%エタノール水で希釈し固形分を6.0%に調整するとともに、表面張力も調整した。
基材として300mm×200mm、厚み2mmのアルミミラーを、水平面(0°)に対して傾斜角度θ1=30°に静置させ、メスシリンダーで12cm測り取った前記コーティング剤を、前記基材の表面に均一に当該コーティング剤で完全に覆うように上端から基材表面へ注ぎかけた。
その後、前記基材を水平面(0°)から傾斜角度θ2=45°にし、当該傾斜角度θ2で基材を維持したまま5分間保持し、室温(25℃)にて0.6m/sで送風乾燥を5分間施し、機能性膜を得た。その後、基材を再び水平(0°)に戻し、機能性膜が形成された部材を得た。乾燥完了時間は、当該傾斜角度θ2で基材を維持したまま5分間保持した後、送風乾燥を開始してから送風乾燥完了までの時間を測定するものとし、8分であった。
得られた機能性膜の評価結果を下記表1に示す。
実施例1、2、3によれば、薄膜かつ平滑で、ゴミ付着のない機能性膜を製造することができた。
本発明の製造方法は、太陽熱発電用ミラーの表面に機能成膜を製膜する技術として、産業上の利用可能性がある。
1 基材挿入用ベルトコンベアー
2 塗布部
3 基材排出用ベルトコンベアー
4 傾斜手段
5 乾燥手段
6 ベルトコンベアー
10 基材
20 コーティング剤
21 塗膜
22 機能性膜
30 回収部

Claims (4)

  1. 機能性膜の形成面である基材表面が、水平面に対し、50°以下の角度θ1になるように基材を傾斜させ、当該基材を傾斜させた状態を維持したまま、コーティング剤を前記基材に注ぎかけ、当該基材の体積の1/10以上塗布する塗布工程と、
    前記基材を、さらに、基材表面が水平面に対し、100°以上150°以下の角度θ2になるように傾斜させ、当該基材を傾斜させた状態を維持する、傾斜状態維持工程と、
    コーティング剤を塗布した基材を、100℃以下の温度で温風乾燥、赤外線乾燥、送風乾燥の、少なくともいずれかを行う乾燥工程と、
    を、有する機能性膜の製造方法。
  2. 前記基材上に塗布されたコーティング剤のうちの、40質量%以上99.9質量%以下
    を、前記基材から流し落とす工程を有する、請求項1に記載の機能性膜の製造方法。
  3. 前記コーティング剤は、
    固形分が1質量%以上15質量%以下であり、
    粘度が1mPas〜20mPasであり、
    表面張力が20mN/m以上75mN/m以下である、
    請求項1又は2に記載の機能性膜の製造方法。
  4. 前記基材が、
    太陽熱発電用ミラー又は太陽電池用ガラスである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の機能性膜の製造方法。
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