JP6210832B2 - 計測方法及び計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光を用いて被検物の表面形状を計測するのに用いる計測方法及び計測装置に関するものである。
近年、カメラ、光学ドライブ、露光装置等の光学機器では、非球面光学素子が多用されており、これらの光学機器の高精度化に伴い、非球面光学素子の形状も高精度化が求められている。このような非球面光学素子の高精度な形状を実現するためには、非球面光学素子の形状を高精度に計測する必要があり、そのための計測装置の1つとしてシャックハルトマンセンサを用いた計測装置が提案されている(特許文献1参照)。
図10にその概略の構成を示すように、この計測装置100により非球面光学素子等の被検物120の形状を計測する際は、被検位置に被検物120を配置する。光源103から出射された光源光は、ビームスプリッタ104で反射され、対物レンズ102を透過してアパーチャ110を経て、被検査面120aの全面に曲率を同じくして照射される。被検査面120aでの反射光は、対物レンズ102とビームスプリッタ104とを透過し、シャックハルトマンセンサ105に入射され、マイクロレンズアレイ106の各マイクロレンズに入射され、それぞれCCDカメラ107上にスポットを形成する。CCDカメラ107により撮影された画像は、フレームグラバ108を経てコンピュータ109に入力され、この画像に基づいてCCDカメラ107上でのスポットの位置の分布(以下、スポット分布という)が演算される。
コンピュータ109は、計測されたスポット分布を、予め基準になる球面波を用いて取得していた基準スポット分布と比較し、各スポットの移動量を算出する。1つのスポット移動量は、1つのマイクロレンズで集光される被検査面120aの領域の傾斜と基準球面波の傾斜との差分であり、全マイクロレンズに亘り積分することで、基準球面に対する被検査面120aの形状誤差を求めることができる。
米国特許第6750958号明細書
しかしながら、特許文献1に記載された計測装置100では、計測された被検査面120aに対する光軸位置のデータは取得できるものの、被検物120の外周部に対する光軸位置のデータを取得することができない。尚、ここでの外周部とは、被検物120の被検査面120a以外の部位で他の部材に取り付ける等、位置決め可能な部位である。即ち、シャックハルトマンセンサ105の視野内には被検物120の外周部の情報が無いため、被検物120の外周部と被検査面120aとの位置関係を高精度に算出することは困難である。ここで、被検査面120aの位置を定義するための代表点を光軸とすると、被検物120の外周部と被検査面120aとの位置関係は、被検物120の外周部と光軸との位置関係となる。
また、シャックハルトマンセンサ105の視野内に被検物120の外周部を入れても、マイクロレンズアレイ106のレンズピッチにより分解能が制限されるため、被検物120の外周部と光軸との位置関係を高精度に算出することは困難である。このため、計測後の被検物120を、例えば鏡筒に組み付ける場合等において、被検物120の外周部と光軸との位置関係を高精度に決定できず、所望の光学性能を発揮できない可能性があった。
本発明は、被検物の外周部と光軸との位置関係を高精度に計測できる計測方法及び計測装置を提供することを目的とする。
本発明は、光源と、シャックハルトマンセンサと、計測光学系と、演算部と、を備える形状計測装置により、被検物を計測する計測方法において、前記演算部は、前記被検物に対して投光された光の反射光から前記シャックハルトマンセンサにて複数の光スポットの位置を計測し、前記複数の光スポットの位置を被検位置データとして取得する取得工程と、知の形状を有する基準面と該基準面の周囲の外周部とを備えると共に該外周部と光軸との位置関係が既知である基準物により形成される複数の光スポットの位置である基準位置データ及び前記被検位置データに基づき、前記被検物の光軸に対する前記被検物の外周部の位置を演算することで計測する第1の計測工程と、記基準位置データ及び前記被検位置データに基づき、前記被検物の被検査面の形状を演算することで計測する第2の計測工程と、を実行することを特徴とする。
また、本発明は、光源と、シャックハルトマンセンサと、計測光学系と、演算部と、を備え、被検物を計測する形状計測装置において、前記演算部は、前記被検物に対して投光された光の反射光から前記シャックハルトマンセンサにて複数の光スポットの位置を計測し、前記複数の光スポットの位置を被検位置データとして取得し、既知の形状を有する基準面と該基準面の周囲の外周部とを備えると共に該外周部と光軸との位置関係が既知である基準物により形成される複数の光スポットの位置である基準位置データ及び前記被検位置データに基づき、前記被検物の光軸に対する前記被検物の外周部の位置を演算することで計測し、前記基準位置データ及び前記被検位置データに基づき、前記被検物の被検査面の形状を演算することで計測することを特徴とする。
本発明によれば、基準位置データ及び被検位置データに基づき、被検物の光軸に対する被検物の外周部の位置を計測すると共に、被検査面の形状を計測する。即ち、シャックハルトマンセンサとの位置関係が既知である基準物に関する基準位置データに基づき、被検物の外周部の位置及び被検査面の形状を計測する。これにより、被検物の外周部と光軸との位置関係を、高精度に計測できるようになる。
本発明の第1実施形態に係る計測装置の概略構成を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る計測装置により、被検物位置関係を演算する際の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る計測装置により被検物位置関係を演算する際の処理手順を示す説明図であり、(a)は基準物を設置した状態、(b)は第1の差分を演算した状態である。また、(c)は被検物を設置し第2の差分を演算した状態、(d)は光軸同士の相対位置関係を演算した状態である。 本発明の第2実施形態に係る計測装置により、被検物位置関係を演算する際の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る計測装置により被検物位置関係を演算する際の処理手順を示す説明図であり、(a)は基準物光軸の座標を演算した状態、(b)は被検物光軸の座標及び光軸同士の相対位置関係を演算した状態である。 本発明の第3実施形態に係る計測装置により、被検物位置関係を演算する際の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る計測装置により被検物位置関係を演算する際の処理手順を示す説明図であり、(a)は基準物を設置し第1の差分を演算した状態、(b)は基準物光軸を計測光学系の光軸に一致させた状態である。また、(c)は被検物を設置し第2の差分を演算した状態、(d)は被検物光軸を計測光学系の光軸に一致させた状態である。 本発明の第4実施形態に係る計測装置の概略構成を示す説明図であり、(a)は全体の概略構成図、(b)はX軸センサ及びY軸センサの拡大図である。 本発明の計測装置で用いられる被検物及び基準物の変形例を示す説明図であり、(a)は円板部の縮径部が外周部であり、(b)は凹部の内周面が外周部であり、(c)は全体形状が円弧形である。 従来の計測装置により被検査面計測を行う場合の概略構成を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、計測装置1は、計測用のレーザダイオード光を光源光として出射するための光源部10と、該光源部10からの光源光が入射されるビームスプリッタ(分離光学系)20と、を備えている。また、この計測装置1は、計測対象物である被検物(光学素子)2及び基準物3を計測位置に位置決めして設置する保持部30と、計測対象物により反射された計測光がビームスプリッタ20を介して入射されるシャックハルトマンセンサ40と、を備えている。本実施形態では、被検物2及び基準物3は、全体形状が略円板形状で、かつ被検査面2aあるいは基準面3aが凸形状である非球面レンズ又は非球面ミラー等としている。
光源部10には、光源光であるレーザダイオード光(光)を出射する光源11が設けられており、該光源11から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ12により波形を平面波にして出射されるようになっている。ここでは、光源11はレーザダイオード光源であるが、これには限られず、白色光源やレーザ光源等を利用してもよい。また、光源部10の構成は一例であり、これに限られないことは勿論であり、例えば光源11とコリメータレンズ12との間に光ファイバを介在させてもよい。
ビームスプリッタ20は、光源部10に対向する入射面21と、計測対象物に対向する入出面22と、シャックハルトマンセンサ40に対向する出射面23とを備えている。ビームスプリッタ20は、入射面21に入射された光源光を入出面22から出射して計測対象物に照射させ、該光線が計測対象物で反射された反射光を入出面22から計測光として入射し、光源光から分離して出射面23から出射するようになっている。
ビームスプリッタ20の入出面22には、対物レンズ24が対向して設けられている。本実施形態では、被検査面2aあるいは基準面3aが凸形状であるので、対物レンズ24は集光レンズとしている。これにより、対物レンズ24は、ビームスプリッタ20の入出面22から出射された光源光を球面波にして計測対象物に照射すると共に、該計測対象物で反射された計測光を入出面22に入射するようになっている。尚、被検物2及び基準物3が凹形状である場合は、対物レンズ24は発散レンズとすることができる。
保持部30は、計測対象物を計測位置に着脱可能に保持するホルダ(設置部)31と、該ホルダ31の位置及び姿勢を調整するためにホルダ31を計測光学系60に対して相対的に移動可能な移動ステージ(移動機構)32とを備えている。ホルダ31は、例えば、水平面のX軸方向及びY軸方向に計測対象物が接触することで固定するようになっている。ここでは、保持部30は移動ステージ32を備えているが、本実施形態では後述するようにホルダ31を固定したまま利用するので、移動ステージ32は備えていなくてもよい。
ホルダ31には、計測対象物として被検物2及び基準物3の少なくとも一方が選択的に着脱可能になっている。被検物2は、被検物光軸2cを有する軸対象非球面の被検査面2aと、ホルダ31に対して位置決め可能なコバ(外周部)2bとを備えている。本実施形態では、コバ2bは、外側面であり、ホルダ31に直接接触することによりX軸方向及びY軸方向に位置決めされるようになっている。また、Z軸(光軸)を中心とする回転方向に対しては、例えばケガキ線を利用して位置決めするようになっている。あるいは、Z軸を中心とする回転方向に対しては、被検物2の外周にオリフラ面(平面)を設けて、位置決めするようにしてもよい。
基準物3は、基準物光軸3cを有する軸対象非球面の基準面3aと、ホルダ31に対して位置決め可能なコバ(外周部)3bとを備えると共に、基準物光軸3cとコバ3bとの位置関係である基準物位置関係が既知となっている。即ち、基準物3は、既知の形状を有する基準面3aと該基準面3aの周囲のコバ3bとを備えると共に、該コバ3bと基準物光軸3cとの位置関係が基準物位置関係として既知であるものとしている。
この基準物位置関係は、他の計測装置を利用する等して、事前に取得したものとなっている。コバ3bは、ホルダ31に直接接触することによりX軸方向及びY軸方向に位置決めされるようになっている。また、Z軸を中心とする回転方向に対しては、例えばケガキ線を利用して位置決めするようになっている。あるいは、Z軸を中心とする回転方向に対しては、基準物3の外周にオリフラ面を設けて、位置決めするようにしてもよい。基準物位置関係は、例えば図3(a)に示すように、基準物光軸3cとコバ3bとのX軸方向の距離がRx、Y軸方向の距離がRyであるように設定している。
基準面3aは、基準物光軸3cの位置だけでなく、基準面3aの形状も既知であるようにしている。これにより、後述するように基準面3aと被検査面2aとの形状の差分を演算することで、被検査面2aの形状を取得することができる。尚、基準面3aの形状は基準物3の設計値を用いても良いが、基準物3の基準面3aを計測し、その計測して得られたデータを基準面3aの形状として設定しても良い。
ここで、図1では、被検査面2a及び基準面3aが凸形状であるので、被検物2及び基準物3は対物レンズ24に対してその焦点よりも近い範囲に設置されているが、これには限られない。例えば、被検査面2a及び基準面3aが凹形状であれば、被検物2及び基準物3は対物レンズ24に対してその焦点よりも遠い範囲に設置する。
被検査面2a又は基準面3aにより反射された計測光は、ビームスプリッタ20の入出面22から入射され、ビームスプリッタ20内で反射され、出射面23から出射されてシャックハルトマンセンサ40に入射するようになっている。
尚、ここでのビームスプリッタ20は偏光を考慮したものではないが、ビームスプリッタ20を偏光ビームスプリッタにすると共に、ビームスプリッタ20に入射する光を直線偏光にしてもよい。この場合、偏光ビームスプリッタに入射する光の偏光方位を偏光ビームスプリッタで透過する方位に設定し、変更ビームスプリッタと対物レンズ24との間に1/4波長板を配置する。被検査面2a又は基準面3aから反射された計測光の偏光方位は1/4波長板を2回通過することで、入射時と90度回転し、計測光の全てが偏光ビームスプリッタで反射してシャックハルトマンセンサ40に入射するので、計測光の利用効率を向上できる。
シャックハルトマンセンサ40は、入射された光線を分割して集光してスポットを形成するマイクロレンズアレイ41と、形成された複数のスポットを撮像するCCDカメラ(2次元センサ)42と、を備えている。シャックハルトマンセンサは、入射光の波面をマイクロレンズアレイ41で分割及び集光し、CCDカメラ42により複数スポットの配列として検出するようになっている。
マイクロレンズアレイ41は、1枚の結像面にそれぞれ集光する複数のマイクロレンズを有している。但し、CCDカメラ42の画素数は、マイクロレンズアレイ41が有するマイクロレンズの総数よりも多い。CCDカメラ42は、マイクロレンズアレイ41の結像面に配置されている。ここでは、撮像素子としてCCDカメラ42を利用しているが、これには限られず、他のカメラを使用してもよい。
形成されるスポットの位置は、シャックハルトマンセンサ40に入射する計測光の波面が平面波であれば各マイクロレンズの各光軸上になる。被検査面2a又は基準面3aとマイクロレンズアレイ41とは、共役に配置されており、各マイクロレンズは被検査面2a又は基準面3aの一領域に対応している。
上述したシャックハルトマンセンサ40は、フレームグラバ55を介して演算部50に接続されている。演算部50は、例えばコンピュータにより構成され、シャックハルトマンセンサ40から取得した計測値に基づき演算を行って、被検物光軸2cとコバ2bとの位置関係を算出するようになっている。演算部50を構成するコンピュータは、例えばCPU51と、各種データを一時的に記憶するRAM52と、各種演算を実行するためのプログラムを記憶するROM53と、入出力インターフェース回路(I/F)54と、を備えている。
CPU51は、シャックハルトマンセンサ40のCCDカメラ42で得られた画像に基づいて、各光スポットの光量重心を求め、光スポットの位置を計算し、スポット分布を取得して、その結果をRAM52に保存するようになっている。更に、CPU51は、スポット分布等のデータに基づいて、被検物2の形状及び被検物光軸2cとコバ2bとの位置関係を算出するようになっている。
被検物2の形状の算出手順としては、予め基準スポット分布を、基準物3を用いて校正データ(基準位置データ)として取得しておく。被検査面2aの1つの領域に基準面3aとの差分があると、その1つの領域の差分の平均値に依存して、その一領域に対応するマイクロレンズのスポット位置が基準位置からずれるようになる。基準面3aによるスポット位置と被検査面2aによるスポット位置とを比較して、計測光の波面収差を求めることで被検査面2aの基準面3aに対する形状誤差を計算する。1つのスポット移動量は1つのマイクロレンズで集光される被検査面2aの領域の傾斜と基準面3aの傾斜との差分であるから、全マイクロレンズに亘って積分することで被検査面2aの全面の基準面3aからの形状誤差を求めることができる。
上述した計測装置1により被検物2の被検物光軸2cとコバ2bとの位置関係を算出する計測方法の手順を、図2に示すフローチャート及び図3に示す説明図に沿って説明する。
まず、図3(a)に示すように、ホルダ31に基準物3のコバ3bを接触させて設置する(図2のステップS1)。この時、基準物3の基準物光軸3cを中心とする回転方向の設置角度は、ケガキ線を利用して位置決めし、基準物位置関係であるX軸方向の半径Rx及びY軸方向の半径Ryがホルダ31に対して適切に位置するようにする。
そして、計測装置1により基準物3の基準面3aの形状を計測する(図2のステップS2)。図3(b)に示すように、CPU51は、計測結果に基づき、後述するツェルニケ関数を利用する手法により、基準物光軸3cと計測光学系60の光軸60aとの差分(第1の差分)を演算する(図2のステップS3)。ここでは、CPU51は、第1の差分として、X軸方向の差分ΔX1とY軸方向の差分ΔY1とを算出する。
そして、基準物3をホルダ31から離脱させ(図2のステップS4)、図3(c)に示すように、ホルダ31に被検物2のコバ2bを接触させて設置する(図2のステップS5)。この時、被検物2の被検物光軸2cを中心とする回転方向の設置角度は、ケガキ線を利用して位置決めすることにより、被検物2と基準物3とを同じ位置に設置する。尚、ここでは、移動ステージ32を固定しておくことにより、ホルダ31を固定したまま利用する。
そして、計測装置1により、被検物2の被検査面2aの形状を計測する(図2のステップS6、取得工程)。即ち、CPU51は、被検物2に対して光源11から出射された光を計測光学系60により投光し、投光した光の反射光からシャックハルトマンセンサ40にて複数の光スポットの位置を計測し、複数の光スポットの位置を被検位置データとして取得する。図3(c)に示すように、CPU51は、計測結果に基づき、ツェルニケ関数を利用する手法により、被検物光軸2cと計測光学系60の光軸60aとの差分(第2の差分)を演算する(図2のステップS7)。ここでは、CPU51は、第2の差分として、X軸方向の差分ΔX2とY軸方向の差分ΔY2とを算出する。
更に、図3(d)に示すように、CPU51は、第1の差分及び第2の差分に基づいて、基準物光軸3cの位置と被検物光軸2cの位置との差分(光軸同士の相対位置関係)を演算する(図2のステップS8)。ここでは、CPU51は、光軸同士の相対位置関係として、X軸方向の差分ΔX=|ΔX1−ΔX2|と、Y軸方向の差分ΔY=|ΔY1−ΔY2|とを算出する。
CPU51は、光軸同士の相対位置関係(ΔX,ΔY)と基準物位置関係とに基づいて、被検物光軸2cとコバ2bとの位置関係である被検物位置関係を演算する(ステップS9、第1の計測工程)。ここでは、CPU51は、基準物位置関係である半径Rx及びRyに対して、X軸方向の差分ΔX及びY軸方向の差分ΔY1を加算又は減算することにより、被検物位置関係を取得することができる。ここでの加減算の選択は、例えば、基準物位置関係である半径Rx及びRyに対して差分が加算される方向にあるのか、あるいは減算される方向にあるのかにより決定する。即ち、CPU51は、基準物3により形成される複数の光スポットの位置である基準位置データ及び被検位置データに基づき、被検物光軸2cに対する被検物2のコバ2bの位置を演算することで計測する。
そして、CPU51は、基準位置データ及び被検位置データに基づき、被検査面2aの形状を演算することで計測する(図2のステップS10、第2の計測工程)。
被検物光軸2cの位置及び被検査面2aの形状の計測の終了後は、基準物3の基準面3aのデータを利用して、次の被検物2をホルダ31に設置して、次の被検物光軸2cの位置及び被検査面2aの形状の計測を行うことができる。即ち、次の被検物2については、図2のステップS5から計測処理を開始することができるので、基準物3の計測をする場合に比べて計測時間を短縮することができる。
尚、上述した手順では、基準物光軸3cと計測光学系60の光軸60aとの差分と、被検物光軸2cと計測光学系60の光軸60aとの差分と、をそれぞれ算出し、各差分間の差分を用いて被検物位置関係を演算しているが、これには限られない。例えば、基準物光軸3cとコバ3bとの基準物位置関係は既知であるので、ステップS3で算出した第1の差分から計測光学系60の光軸60aとコバ3b(ホルダ31)との位置関係を演算することができる。これにより、計測光学系60の光軸60aとホルダ31との位置関係は既知であるので、ステップS7で算出した第2の差分から被検物光軸2cとコバ2b(ホルダ31)との被検物位置関係を演算するようにしてもよい。この場合、上述した手順とは計測光学系60の光軸60aを算出する点で異なるが、第1の差分と第2の差分を算出し、結果的には各差分同士の差分を利用することと同じ原理を利用している。
また、上述した被検物2を製造する際は、まずモールド成形し(成形工程)、上述した計測方法により被検物2の形状を計測することにより、成形された被検物2を評価(評価工程)するようにしている。これにより、高精度な形状の被検物2を得ることができるようになる。
以下、ステップS3及びステップS7での第1の差分及び第2の差分を演算する工程の具体例について、詳細に説明する。ここでは、シャックハルトマンセンサ40で検出された計測光の情報は、CPU51により解析され、ツェルニケ関数にフィッティングされるものとする。軸対称非球面では、ツェルニケ関数にフィットした時の2,3項(ティルト項)は基準面3a又は被検査面2aに照射した球面波に対する基準面3a又は被検査面2aの傾斜を示し、7,8項(コマ項)は光軸方向に直交する方向へのシフトを示す。尚、以下では説明のために被検査面2aを計測する場合について説明するが、基準面3aを計測する場合も同様である。
被検査面2aの設計形状が軸対称非球面f(r)である時、その形状はツェルニケ関数を用いて、数式1のように展開される。
Figure 0006210832
ここで、rはXY座標において数式2のように表される。
Figure 0006210832
また、数式1中、rは被検査面2aの評価半径、Zk2(x,y)はツェルニケ関数の軸対称成分を表す。
次に、被検物光軸2cが計測光学系60の光軸(照射球面波光軸)60aに対して微小量ΔxだけX軸方向にずれて配置されている場合を考える。この時の形状fxs,Δx(x,y)は、数式3のように近似される。
Figure 0006210832
数式3の右辺第2項に含まれる導関数は、ツェルニケ関数f(x,y)により数式4のように展開することができる。
Figure 0006210832
数式4において、Z(x,y)及びZ(x、y)は、ツェルニケ関数のうちの数式5で定義される関数であり、それぞれティルト成分とコマ成分とを表わしている。
Figure 0006210832
数式3乃至5では、被検物光軸2cが計測光学系60の光軸60aに対して微小量ΔxだけX軸方向にずれて配置されている場合を示したが、微小量ΔyだけY軸方向にずれて配置されている場合についても、同様に数式6のように表される。
Figure 0006210832
被検物光軸2cが計測光学系60の光軸60aに対してX軸を中心に微小量θだけ回転している場合、その形状fxt,θx(x,y)は数式7のように表される。
Figure 0006210832
Δfxt(x,y)を求める際には、適当な微小量θを設定した上で、数式8に示す連立方程式を作成する。
Figure 0006210832
数式8に示す連立方程式からfxt,θx(x,y)を求め、数式9に代入する。
Figure 0006210832
このΔfxt(x,y)は、ツェルニケ関数を用いて、数式10のように展開することができる。
Figure 0006210832
数式7乃至10は被検物光軸2cが計測光学系60の光軸60aに対してX軸を中心に微小量θだけ回転している場合であったが、Y軸を中心に微小量θyだけ回転している場合についても同様に、数式11に示すように展開することができる。
Figure 0006210832
従って、被検物光軸2cが計測光学系60の光軸60aに対し、X軸方向にΔx、Y軸方向にΔy移動し、X軸を中心にθx、Y軸を中心にθyだけ回転した時の被検査面形状fΔx,Δy,θx,θy(x,y)は、数式12により表すことができる。
Figure 0006210832
また、その反射波面の非軸対称成分Wr,as(x,y)は、数式13で示すようになる。
Figure 0006210832
この反射波面の非軸対称成分は、計測光学系60を介して倍率aでシャックハルトマンセンサ40に伝達されるため、シャックハルトマンセンサ40に入射する非軸対称成分を有する波面Ws,as(x,y)は、数式14で示すようになる。
Figure 0006210832
ここで、シャックハルトマンセンサ40で得られた波面W(x,y)は、数式15のようにツェルニケ関数に分解することができる。
Figure 0006210832
そして、得られたcs,2、cs,3、cs,7、cs,8は、Δx、Δy、θx、θyに対して数式16の関係を有する。
Figure 0006210832
数式16に示す連立方程式を解くことにより、Δx、Δy、θx、θyを算出することができ、照射している計測光学系60の光軸60aに対する被検物光軸2cの光軸ずれを求めることができる。
上述したように、本実施形態の計測装置1によれば、基準位置データ及び被検位置データに基づき、被検物光軸2cに対する被検物2のコバ2bの位置を計測すると共に、被検査面2aの形状を計測する。即ち、シャックハルトマンセンサ40との位置関係が既知である基準物3に関する基準位置データに基づき、被検物2のコバ2bの位置及び被検査面2aの形状を計測する。これにより、被検物2のコバ2bと被検物光軸2cとの位置関係を、高精度に計測できるようになる。
また、本実施形態の計測装置1によれば、第1の差分及び第2の差分、あるいは必要に応じて計測光学系60の光軸60aを、基準面3aあるいは被検査面2aの反射波面より求めているため、例えば1μm以下の高い精度で算出することができる。このため、被検物2のコバ2bと被検物光軸2cとの被検物位置関係を、高精度に計測できるようになる。
また、本実施形態の計測装置1によれば、被検物2のコバ2bと被検物光軸2cとの被検物位置関係の計測と同時に被検査面2aの形状も計測している。これにより、1回の計測作業で被検査面2aの形状とコバ2bに対する被検物光軸2cの位置関係との両方を取得できるので、作業者の作業工数を増やすことなく被検物位置関係を得ることができるようになる。
上述した本実施形態では、ティルト成分とコマ成分を表す関数としてツェルニケ関数の2、3、7、8項に注目し、被検物光軸2cの差分の大きさを求める場合について説明したが、これには限られない。例えば、コマ成分に関しては、空間周波数の高いより高次のツェルニケ関数に注目して求めるようにしてもよい。
また、本実施形態では、設計形状を用いた場合について説明したが、これには限られず、設計形状を用いずに求めるようにしてもよい。この場合、例えば、これは被検物2を設置し、シャックハルトマンセンサ40に入射した波面からcs,2、cs,7を求める。次に、被検査面2aをX軸方向に微小量Δxだけ移動し、それぞれのツェルニケ係数の変化量Δcs,2(Δx)、Δcs,7(Δx)を求める。この変化量は、b11、b21と数式17の関係にあるので、これによりb11、b21を算出することができる。
Figure 0006210832
更に、X軸を中心に被検査面2aを微小量θxだけ回転し、その前後でのツェルニケ係数の変化量Δcs,2(θx)、Δcs,7(θx)を求める。この変化量は、b12、b22と数式18の関係にあるので、これによりb12、b22を算出することができる。
Figure 0006210832
尚、b33、b34、b43、b44についても同様の方法で算出することができる。
また、本実施形態では、シャックハルトマンセンサ40で得られた波面のデータをそのまま利用する場合について説明したが、これには限られず、例えば、波面のデータを一旦形状に変換してから光軸間の差分を算出するようにしてもよい。この場合、被検物2を設置し、シャックハルトマンセンサ40で波面を計測してから、その波面W(x,y)を形状f(x,y)に変換する。得られた形状f(x,y)を、Δx、Δy、θx、θyをフィッティングパラメータとして、数式19によりフィッティングする。
Figure 0006210832
Δfxt(x,y)、Δfyt(x,y)は、前述の方法等で事前に求めておく。このようなフィッティングによりΔx、Δy、θx、θyを算出することで、被検物光軸2cのずれ量を求めることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る計測装置1について説明する。第2実施形態は、第1実施形態とはCPU51における処理が異なるが、装置自体は同様であるので、第1実施形態と同じく図1を利用し、同一符号を付して説明を省略する。また、基準物3及び被検物2についても、第1実施形態と同様のものとしている。
本実施形態での被検物2の被検物光軸2cとコバ2bとの位置関係を算出する手順を、図4に示すフローチャート及び図5に示す説明図に沿って説明する。
まず、図5(a)に示すように、ホルダ31に基準物3のコバ3bを接触させて設置する(図4のステップS11)。この時、基準物3の基準物光軸3cを中心とする回転方向の設置角度は、ケガキ線を利用して位置決めし、基準物位置関係であるX軸方向の半径Rx及びY軸方向の半径Ryがホルダ31に対して適切に位置するようにする。
そして、計測装置1により基準物3の基準面3aの形状を計測し(図4のステップS12)、CPU51は、撮像画像43において基準物光軸3cの位置を演算して座標(X1,Y1)を取得する(図4のステップS13)。
そして、基準物3をホルダ31から離脱させ(図4のステップS14)、図5(b)に示すように、ホルダ31に被検物2のコバ2bを接触させて設置する(図4のステップS15)。この時、被検物2の被検物光軸2cを中心とする回転方向の設置角度は、ケガキ線を利用して位置決めすることにより、被検物2と基準物3とを同じ位置に設置する。尚、ここでは、移動ステージ32を固定したままにして、ホルダ31を固定したまま利用する。
そして、計測装置1により被検物2の被検査面2aの形状を計測する(図4のステップS16、取得工程)。CPU51は、撮像画像43において被検物光軸2cの位置を演算して座標(X2,Y2)を取得する(図4のステップS17)。
更に、CPU51は、基準物光軸3c及び被検物光軸2cの各位置に基づいて、基準物光軸3cの位置と被検物光軸2cの位置との光軸同士の相対位置関係を演算する(図4のステップS18)。ここでは、CPU51は、光軸同士の相対位置関係として、X軸方向の差分ΔX=|X1−X2|と、Y軸方向の差分ΔY=|Y1−Y2|とを算出する。
CPU51は、光軸同士の相対位置関係(ΔX,ΔY)と基準物位置関係に基づいて、被検物光軸2cとコバ2bとの位置関係である被検物位置関係を演算する(ステップS19、第1の計測工程)。ここでは、CPU51は、基準物位置関係である半径Rx及びRyに対して、X軸方向の差分ΔX及びY軸方向の差分ΔYを加算又は減算することにより、被検物位置関係を取得することができる。ここでの加減算の選択は、例えば、基準物位置関係である半径Rx及びRyに対して差分が加算される方向にあるのか、あるいは減算される方向にあるのかにより決定する。
そして、CPU51は、基準位置データ及び被検位置データに基づき、被検査面2aの形状を演算することで計測する(図4のステップS20、第2の計測工程)。
上述したように本実施形態の計測装置1によれば、基準物光軸3c及び被検物光軸2cの各位置に基づいて光軸同士の相対位置関係を演算しているので、ツェルニケ関数等を利用して計測光学系60の光軸60aを考慮する場合に比べて演算を簡易化できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る計測装置1について説明する。第3実施形態は、第1実施形態とはCPU51における処理が異なるが、装置自体は同様であるので、第1実施形態と同じく図1を利用し、同一符号を付して説明を省略する。また、基準物3及び被検物2についても、第1実施形態と同様のものとしている。
本実施形態での被検物2の被検物光軸2cとコバ2bとの位置関係を算出する手順を、図6に示すフローチャート及び図7に示す説明図に沿って説明する。
まず、図7(a)に示すように、ホルダ31に基準物3のコバ3bを接触させて設置する(図6のステップS21)。この時、基準物3の基準物光軸3cを中心とする回転方向の設置角度は、ケガキ線を利用して位置決めし、基準物位置関係であるX軸方向の半径Rx及びY軸方向の半径Ryがホルダ31に対して適切に位置するようにする(図示省略)。また、移動ステージ32にホルダ31の座標を設定しておき、最初の時点でのホルダ31の適宜位置31aの座標を初期位置(0,0)としておく。
そして、計測装置1により基準物3の基準面3aの形状を計測し(図6のステップS22)、CPU51は、ツェルニケ関数を利用する手法により、基準物光軸3cと計測光学系60の光軸60aとの差分(第1の差分)を演算する(図6のステップS23)。ここでは、CPU51は、第1の差分として、X軸方向の差分ΔX1とY軸方向の差分ΔY1とを算出する。
CPU51は、基準物光軸3cと計測光学系60の光軸60aとが一致しているか否かを判断する。具体的には、CPU51は、第1の差分(ΔX1,ΔY1)が所定の閾値(規定量)以下であるか否かを判断する(図6のステップS24)。ここでの規定量は、被検物位置関係に要求される精度に応じて適宜設定することができ、規定量が小さい程、基準物光軸3cと計測光学系60の光軸60aとを高精度に一致できるので、計測精度を向上できる。
CPU51が、第1の差分(ΔX1,ΔY1)が規定量以下ではないと判断した場合は、第1の差分(ΔX1,ΔY1)を小さくする方向に移動ステージ32を駆動してホルダ31を介して基準物3を移動させる(図6のステップS25)。そして、再度、計測装置1により基準物3の基準面3aの形状を計測する(図6のステップS22)。
また、図7(b)に示すように、CPU51が、第1の差分(ΔX1,ΔY1)が規定量以下であると判断した場合は、ホルダ31の位置(p1,q1)を第1のステージ位置としてRAM52に記憶する(図6のステップS26)。ここでのホルダ31の第1のステージ位置(p1,q1)は、移動ステージ32への制御量あるいはホルダ31の位置検出センサ等を適宜利用して計測し、その位置は初期位置(0,0)から第1の差分(ΔX1,ΔY1)だけ移動した位置となる。また、基準物光軸3cと計測光学系60の光軸60aとが一致してから、必要に応じて、再度、計測装置1により基準物3の基準面3aの形状を計測してもよい。
そして、基準物3をホルダ31から離脱させ(図6のステップS27)、図7(c)に示すように、ホルダ31に被検物2のコバ2bを接触させて設置する(図6のステップS28)。この時、被検物2の被検物光軸2cを中心とする回転方向の設置角度は、ケガキ線を利用して位置決めすることにより、被検物2と基準物3とを同じ位置に設置する。
そして、計測装置1により被検物2の被検査面2aの形状を計測(図6のステップS29、取得工程)する。CPU51は、ツェルニケ関数を利用する手法により、被検物光軸2cと計測光学系60の光軸60aとの差分(第2の差分)を演算する(図6のステップS30)。ここでは、CPU51は、第2の差分として、X軸方向の差分ΔX2とY軸方向の差分ΔY2とを算出する。
CPU51は、被検物光軸2cと計測光学系60の光軸60aとが一致しているか否かを判断する。具体的には、CPU51は、第2の差分(ΔX2,ΔY2)が所定の閾値(規定量)以下であるか否かを判断する(図6のステップS31)。ここでの規定量は、被検物位置関係に要求される精度に応じて適宜設定することができ、規定量が小さい程、被検物光軸2cと計測光学系60の光軸60aとを高精度に一致できるので、計測精度を向上できる。
CPU51が、第2の差分(ΔX2,ΔY2)が規定量以下ではないと判断した場合は、第2の差分(ΔX2,ΔY2)を小さくする方向に移動ステージ32を駆動してホルダ31を介して被検物2を移動させる(図6のステップS32)。そして、再度、計測装置1により被検物2の被検査面2aの形状を計測する(図6のステップS29)。
また、図7(d)に示すように、CPU51が、第2の差分(ΔX2,ΔY2)が規定量以下であると判断した場合は、ホルダ31の位置(p2,q2)を第2のステージ位置としてRAM52に記憶する(図6のステップS33)。ここでのホルダ31の第2のステージ位置(p2,q2)は、移動ステージ32への制御量あるいはホルダ31の位置検出センサ等を適宜利用して計測し、その位置は第1のステージ位置(p1,q1)から第2の差分(ΔX2,ΔY2)だけ移動した位置となる。また、被検物光軸2cと計測光学系60の光軸60aとが一致してから、必要に応じて、再度、計測装置1により被検物2の被検査面2aの形状を計測してもよい。
更に、CPU51は、第1のステージ位置(p1,q1)及び第2のステージ位置(p2,q2)に基づいて、基準物光軸3cの位置と被検物光軸2cの位置との光軸同士の相対位置関係を演算する(図6のステップS34)。ここでは、CPU51は、光軸同士の相対位置関係として、X軸方向の差分ΔX=|p1−p2|=|ΔX1−ΔX2|と、Y軸方向の差分ΔY=|q1−q2|=|ΔY1−ΔY2|とを算出する。
CPU51は、光軸同士の相対位置関係(ΔX,ΔY)と基準物位置関係に基づいて、被検物光軸2cとコバ2bとの位置関係である被検物位置関係を演算する(図6のステップS35、第1の計測工程)。ここでは、CPU51は、基準物位置関係である半径Rx及びRyに対して、X軸方向の差分ΔX及びY軸方向の差分ΔYを加算又は減算することにより、被検物位置関係を取得することができる。ここでの加減算の選択は、例えば、基準物位置関係である半径Rx及びRyに対して差分が加算される方向にあるのか、あるいは減算される方向にあるのかにより決定する。
そして、CPU51は、基準位置データ及び被検位置データに基づき、被検査面2aの形状を演算することで計測する(図6のステップS36、第2の計測工程)。
上述したように本実施形態の計測装置1によれば、基準物光軸3c及び被検物光軸2cをそれぞれ計測光学系60の光軸60aに一致させて、各ステージ位置を利用して光軸同士の相対位置関係を演算している。光軸の一致によりアライメントによる影響が小さいため、形状計測が高精度になり、被検物光軸2cとコバ2bとの関係を計測する精度を向上することができる。
上述した第1乃至第3実施形態では、被検物2及び基準物3をホルダ31に直接突き当てて位置決めする場合について説明したが、これには限られない。例えば、非接触式のセンサを用いて被検物2及び基準物3の位置決めを行うようにしてもよい。この場合、例えば、図8に示す計測装置101のように、被検物2及び基準物3のX軸方向を検出するX軸センサ33と、Y軸方向を検出するY軸センサ34と、頂点位置(Z軸方向)を検出するZ軸センサ35とを用いるようにする。また、被検物2及び基準物3には、光軸方向の回転角度を位置決めするために、X軸方向を向いた平面2d,3dやY軸方向を向いた平面2e,3eを設けることが好ましい。Z軸センサ35は、光路に対して重なる計測位置と退避する退避位置とに移動可能になっており、被検物2及び基準物3の位置決め時には計測位置に位置し、計測装置101による被検物2及び基準物3の計測時には退避位置に位置するようにする。
また、上述した第1乃至第3実施形態では、被検物2及び基準物3の外側面をコバ2b,3bとして位置決めを行うようにした場合について説明したが、これには限られない。例えば、図9(a)に示すように、被検物2(基準物3)が被検査面2a(基準面3a)の反対面側が段状に縮径されている場合、縮径部の外周部をコバ2f(3f)にすることができる。この場合、ホルダ36には、コバ2f(3f)のみに当接する当接部36aを設けるようにする。また、例えば、図9(b)に示すように、被検物2(基準物3)が被検査面2a(基準面3a)の反対面側の中央部が凹んでいる場合、凹部の内周面をコバ2g(3g)(外周部)にすることができる。この場合、ホルダ37には、コバ2g(3g)のみに当接する当接部37aを設けるようにする。
また、上述した第1乃至第3実施形態では、被検物2及び基準物3は全体形状が略円板形状である場合について説明したが、これには限られない。即ち、被検物光軸2c(基準物光軸3c)の部分が無くても、軸対象非球面を有する被検物2(基準物3)の一部の計測を行うことにより、被検物光軸2c(基準物光軸3c)の位置を演算することは可能である。例えば、図9(c)に示すように、被検物2(基準物3)を、円周面にコバ2b(3b)を有する円弧形としたり、あるいは扇形や穴開き等の形状にすることができる。
1…計測装置、2…被検物(光学素子)、2a…被検査面、2b…コバ(外周部)、2c…被検物光軸(被検物の光軸)、3…基準物、3a…基準面、3b…コバ(外周部)、3c…基準物光軸(基準物の光軸)、11…光源、20…ビームスプリッタ、31…ホルダ(設置部)、32…移動ステージ(移動機構)、40…シャックハルトマンセンサ、41…マイクロレンズアレイ、42…CCDカメラ(2次元センサ)、50…演算部、60…計測光学系、60a…計測光学系の光軸。

Claims (9)

  1. 光源と、シャックハルトマンセンサと、計測光学系と、演算部と、を備える形状計測装置により、被検物を計測する計測方法において、
    前記演算部は、
    前記被検物に対して投光された光の反射光から前記シャックハルトマンセンサにて複数の光スポットの位置を計測し、前記複数の光スポットの位置を被検位置データとして取得する取得工程と、
    知の形状を有する基準面と該基準面の周囲の外周部とを備えると共に該外周部と光軸との位置関係が既知である基準物により形成される複数の光スポットの位置である基準位置データ及び前記被検位置データに基づき、前記被検物の光軸に対する前記被検物の外周部の位置を演算することで計測する第1の計測工程と、
    記基準位置データ及び前記被検位置データに基づき、前記被検物の被検査面の形状を演算することで計測する第2の計測工程と、を実行する
    ことを特徴とする計測方法。
  2. 前記第1の計測工程では、前記基準位置データに基づき、前記基準物の光軸と前記計測光学系の光軸との位置の差分である第1の差分を演算し、前記被検位置データに基づき、前記被検物の光軸と前記計測光学系の光軸との位置の差分である第2の差分を演算し、前記第1の差分と前記第2の差分とに基づき、光軸同士の相対位置関係を演算し、前記相対位置関係と前記基準物の光軸及び外周部との関係に基づき、前記被検物の光軸に対する前記被検物の外周部の位置を演算することで計測する、
    ことを特徴とする請求項1記載の計測方法。
  3. 前記第1の計測工程では、前記基準位置データに基づき、前記基準物の光軸の位置を演算し、前記被検位置データに基づき、前記被検物の光軸の位置を演算し、前記基準物の光軸の位置と前記被検物の光軸の位置とに基づき、光軸同士の相対位置関係を演算し、前記相対位置関係と前記基準物の光軸及び外周部との関係に基づき、前記被検物の光軸に対する前記被検物の外周部の位置を演算することで計測する、
    ことを特徴とする請求項1記載の計測方法。
  4. 前記被検物及び前記基準物の少なくとも一方を位置決めして設置する設置部を前記計測光学系に対して相対的に移動させる移動機構を備え、
    前記第1の計測工程では、前記基準面の形状を計測する際に、前記基準物の光軸と前記計測光学系の光軸とを一致させるように、前記移動機構により前記設置部を介して前記基準物を移動させ、前記被検査面の形状を計測する際に、前記被検物の光軸と前記計測光学系の光軸とを一致させるように、前記移動機構により前記設置部を介して前記被検物を移動させ、前記移動機構による前記基準物の移動量と、前記移動機構による前記被検物の移動量と、に基づき、光軸同士の相対位置関係を演算し、前記相対位置関係と前記基準物の光軸及び外周部との関係に基づき、前記被検物の光軸に対する前記被検物の外周部の位置を演算することで計測する、
    ことを特徴とする請求項1記載の計測方法。
  5. 光学素子をモールド成形する成形工程と、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の計測方法を用いて、前記被検物である前記光学素子の形状を計測することにより、成形された前記光学素子を評価する評価工程と、を備える、
    ことを特徴とする光学素子の製造方法。
  6. 光源と、シャックハルトマンセンサと、計測光学系と、演算部と、を備え、被検物を計測する形状計測装置において、
    前記演算部は、
    前記被検物に対して投光された光の反射光から前記シャックハルトマンセンサにて複数の光スポットの位置を計測し、前記複数の光スポットの位置を被検位置データとして取得し、
    既知の形状を有する基準面と該基準面の周囲の外周部とを備えると共に該外周部と光軸との位置関係が既知である基準物により形成される複数の光スポットの位置である基準位置データ及び前記被検位置データに基づき、前記被検物の光軸に対する前記被検物の外周部の位置を演算することで計測し、
    前記基準位置データ及び前記被検位置データに基づき、前記被検物の被検査面の形状を演算することで計測する、
    ことを特徴とする計測装置。
  7. 前記演算部は、前記基準位置データに基づき、前記基準物の光軸と前記計測光学系の光軸との位置の差分である第1の差分を演算し、前記被検位置データに基づき、前記被検物の光軸と前記計測光学系の光軸との位置の差分である第2の差分を演算し、前記第1の差分と前記第2の差分とに基づき、光軸同士の相対位置関係を演算し、前記相対位置関係と前記基準物の光軸及び外周部との関係に基づき、前記被検物の光軸に対する前記被検物の外周部の位置を演算することで計測する、
    ことを特徴とする請求項6記載の計測装置。
  8. 前記演算部は、前記基準位置データに基づき、前記基準物の光軸の位置を演算し、前記被検位置データに基づき、前記被検物の光軸の位置を演算し、前記基準物の光軸の位置と前記被検物の光軸の位置とに基づき、光軸同士の相対位置関係を演算し、前記相対位置関係と前記基準物の光軸及び外周部との関係に基づき、前記被検物の光軸に対する前記被検物の外周部の位置を演算することで計測する、
    ことを特徴とする請求項6記載の計測装置。
  9. 前記被検物及び前記基準物の少なくとも一方を位置決めして設置する設置部を前記計測光学系に対して相対的に移動させる移動機構を備え、
    前記演算部は、前記基準面の形状を計測する際に、前記基準物の光軸と前記計測光学系の光軸とを一致させるように、前記移動機構により前記設置部を介して前記基準物を移動させ、前記被検査面の形状を計測する際に、前記被検物の光軸と前記計測光学系の光軸とを一致させるように、前記移動機構により前記設置部を介して前記被検物を移動させ、前記移動機構による前記基準物の移動量と、前記移動機構による前記被検物の移動量と、に基づき、光軸同士の相対位置関係を演算し、前記相対位置関係と前記基準物の光軸及び外周部との関係に基づき、前記被検物の光軸に対する前記被検物の外周部の位置を演算することで計測する、
    ことを特徴とする請求項6記載の計測装置。
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