JP6206171B2 - 多方向入力構造 - Google Patents
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Description
1) 周方向に離隔してN(Nは2以上の整数)箇所の押し込み部位が設定されたキートップと、
前記押し込み部位のそれぞれに対応して前記キートップの一面側に設けられた押し釦スイッチと、
前記キートップの前記一面側において前記押し釦スイッチそれぞれに対応した位置に設けられたスイッチ押し込み部と、
前記キートップから前記一面側に突出する支柱と、
前記支柱の先端に当接可能に対向配置された固定部材と、
前記キートップの他面側の少なくとも一部を露出させる開口部を有するパネルと、
を備え、
一つの前記押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、前記一つの押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部が前記押し釦スイッチを押してON又はOFFにし、
隣接する前記押し込み部位の間の非設定押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、少なくとも前記隣接する押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部の両方が前記押し釦スイッチをON又はOFFしないように、前記キートップの前記他面側の面と前記パネルとの当接により前記キートップの回動を禁止するよう構成されている多方向入力構造である。
2) 周方向に離隔してN(Nは2以上の整数)箇所の押し込み部位が設定されたキートップと、
前記押し込み部位のそれぞれに対応して前記キートップの一面側に設けられた押し釦スイッチと、
前記キートップの前記一面側において前記押し釦スイッチそれぞれに対応した位置に設けられたスイッチ押し込み部と、
前記キートップから前記一面側に突出する支柱と、
前記支柱の先端に当接可能に対向配置された固定部材と、
前記キートップの他面側の少なくとも一部を露出させる開口部を有するパネルと、
を備え、
一つの前記押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、前記一つの押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部が前記押し釦スイッチを押してON又はOFFにし、
隣接する前記押し込み部位の間の非設定押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、少なくとも前記隣接する押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部の両方が前記押し釦スイッチをON又はOFFしないように、前記キートップの前記他面側の面と前記パネルとの当接又は前記キートップの前記一面側の部位と前記固定部材との当接により前記キートップの回動を禁止するよう構成されており、
前記支柱は、前記固定部材に対し前記N箇所の当接点が得られるようN個の周方向頂部を有する集合支柱又は独立したN個の分割支柱として形成されており、
前記周方向頂部又は前記分割支柱は、前記キートップの中心位置に対し、前記隣接する押し込み部位間の周方向角度における概ね中央となる位置に一つずつ位置し、
前記押し込み部位の一つが前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップは、押し込まれた前記押し込み部位に近い隣接する一対の前記周方向頂部又は一対の前記分割支柱を繋ぐ直線まわりに回動し、
前記非設定押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップは、前記非設定押し込み部位に近い一つの前記周方向頂部又は一つの前記分割支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動することを特徴とする多方向入力構造である。
3) 周方向に離隔してN(Nは2以上の整数)箇所の押し込み部位が設定されたキートップと、
前記押し込み部位のそれぞれに対応して前記キートップの一面側に設けられた押し釦スイッチと、
前記キートップの前記一面側において前記押し釦スイッチそれぞれに対応した位置に設けられたスイッチ押し込み部と、
前記キートップから前記一面側に突出する支柱と、
前記支柱の先端に当接可能に対向配置された固定部材と、
前記キートップの他面側の少なくとも一部を露出させる開口部を有するパネルと、
を備え、
一つの前記押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、前記一つの押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部が前記押し釦スイッチを押してON又はOFFにし、
隣接する前記押し込み部位の間の非設定押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、少なくとも前記隣接する押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部の両方が前記押し釦スイッチをON又はOFFしないように、前記キートップの前記他面側の面と前記パネルとの当接又は前記キートップの前記一面側の部位と前記固定部材との当接により前記キートップの回動を禁止するよう構成されており、
前記回動が前記キートップの前記他面側の面と前記パネルとの当接で禁止される場合、その当接位置は、前記キートップにおける前記一つの押し込み部位に対し前記当接点を挟んで反対側に位置していることを特徴とする多方向入力構造である。
4) 周方向に離隔してN(Nは2以上の整数)箇所の押し込み部位が設定されたキートップと、
前記押し込み部位のそれぞれに対応して前記キートップの一面側に設けられた押し釦スイッチと、
前記キートップの前記一面側において前記押し釦スイッチそれぞれに対応した位置に設けられたスイッチ押し込み部と、
前記キートップから前記一面側に突出する支柱と、
前記支柱の先端に当接可能に対向配置された固定部材と、
前記キートップの他面側の少なくとも一部を露出させる開口部を有するパネルと、
を備え、
一つの前記押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、前記一つの押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部が前記押し釦スイッチを押してON又はOFFにし、
隣接する前記押し込み部位の間の非設定押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、少なくとも前記隣接する押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部の両方が前記押し釦スイッチをON又はOFFしないように、前記キートップの前記他面側の面と前記パネルとの当接又は前記キートップの前記一面側の部位と前記固定部材との当接により前記キートップの回動を禁止するよう構成されており、
前記キートップの他面側の面と前記パネルとの当接は、少なくとも一方に突出形成されたストッパによりなされることを特徴とする多方向入力構造である。
以下の説明において、上下前後左右の各方向を、各図に示される矢印の方向に規定している。この方向は、使用状態の姿勢における方向等とは関係がなく、理解容易のため便宜的に規定している。
多方向入力構造の実施例は、使用者が指で入力するためのキートップ1を備えたスイッチ構造51である。スイッチ構造51は、電子機器(例えばカーオーディオ装置)に搭載され、使用者の押し込み操作により4つのON/OFF動作をそれぞれ独立に実行するものである。
作業者が指などによってキートップ1の上下左右方向のいずれかの縁部を押し込むことで、上下左右の各方向それぞれに独立したON/OFF動作を実行させることができるようになっている。
キートップ1は、この例において、1DINタイプの横長のパネル53に対応するデザインとして横長形状とされている。パネル53は、カーオーディオ装置52の内部に備えられたシャーシ(図示せず)に固定されている。
図2は、キートップ1の前面図であり、図3は、キートップ1の後面図であり、図4は、図3におけるS1−S1断面図であり、図5は、右後方のやや上方から見た斜視図である。
また、キートップ1の周壁部1bは、前後方向の中間位置において、径方向外方に全周で張り出したフランジ部1fを有している。以下、底部1a及び周壁部1bで形成された長丸カップ状部材を、本体部HTとも称する。
詳しく説明すると、突起1c1及び突起1c3は、図3において中心軸線CL1を通る上下方向線LN1上に形成され、突起1c2及び突起1c4は、中心軸線CL1を通る左右方向線LN2上に形成されている。
端部1b1の外周縁側には、後方側に突出する周縁リブ1b2が形成されている。
仮想平面SF1の前後方向位置(中心軸線CL1に沿った位置)は、周縁リブ1b2の先端面1b2aに対して後方側に距離Laだけ離れた位置にある。
図3に示されるように、突起1c2及び突起1c4のそれぞれ最左位置及び最右位置は、上下方向線LN1からそれぞれ距離Wbの位置にある。
突起1c1及び突起1c3のそれぞれ最上位置及び最下位置は、左右方向線LN2からそれぞれ距離Wcの位置にある。
詳しくは、図3及び図4に示されるように、支柱1d1は、上下方向線LN1から左方に距離Lb離れ、左右方向線LN2から上方に距離Lc離れた位置に形成されている。
支柱1d2は、上下方向線LN1から左方に距離Lb離れ、左右方向線LN2から下方に距離Lc離れた位置に形成されている。
支柱1d3は、上下方向線LN1から右方に距離Lb離れ、左右方向線LN2から下方に距離Lc離れた位置に形成されている。
支柱1d4は、上下方向線LN1から右方に寄りLb離れ、左右方向線LN2から上方に距離Lc離れた位置に形成されている。
支柱1d1〜1d4は、強度及び成形時の樹脂流動性確保のため、底部1aから端部1b1と同じ高さとなるよう形成された連結壁1eで連結されている。連結壁1eは、概ねX字状を呈し、周壁部1b対しても複数部位で連結されている。
また、前面1a1における突出マーク1a1a〜1a1dの近傍には、各突起を押し込んだときに発揮されるカーオーディオ装置52としての機能を使用者が把握できるように、マークMが視認可能に表示されている。
また、ヒンジ1h3とヒンジ1h4とは、一端側が、それぞれ周壁部1bの右下部の接続部P3と右上部の接続部P4に接続すると共に、他端側が連結部1h34により連結されて一体のヒンジ体HRを形成している。
ヒンジ体LHは、本体部HTに対し、短手の上下方向よりは、長手の左方向に延びるように、また、ヒンジ体LRは、本体部HTに対し、短手の上下方向よりは、長手の右方向に延びるように形成されている。
図3及び図5において、ヒンジ体HLのヒンジ1h1は、周壁部1bの接続部P1から斜め左上方に延出する延出部1h1aと、延出部1h1aの先端から左方に概ね左右方向線LN2に平行に延在する延在部1h1bと、延在部1h1bの左方先端から弧状に折り返し延在部1h1bよりも左右方向線LN2側に延在部1h1bと概ね平行に延在する戻り延在部1h1cと、戻り延在部1h1cの右方先端に設けられ、前後方向に貫通する孔1h1dを有する固定部1h1eと、を有している。
固定部1h1eと固定部1h2eとは、連結部1h12で上下方向に概ね直状に連結されている。
従って、固定部1h1e〜1h4eが相手部材に固定された状態で、本体部HTは、相手部材に対し、ヒンジ1h1〜1h4の曲げ変形及び捻り変形が容易になっている。
これにより、本体部HTは、固定部材に対して、前後方向の直動,上下方向線LN1回りの回動,左右方向線LN2回りの回動,及びそれらが任意に組み合わされた揺動が可能となっている。
図7は、スイッチ構造51を説明するための断面図である。詳しくは、スイッチ構造51として搭載されたキートップ1における図3のS1−S1位置に対応する断面図である。
図8は、スイッチ構造51を説明するための別の断面図である。詳しくは、スイッチ構造51として搭載されたキートップ1とパネル53とを含む図6のS2−S2位置での部分断面図である。
開口部53aの周縁には、パネル53の後面53bに対して後方側に突出した枠壁部53cが形成されている。
枠壁部53cの内壁における後方側は、後方に向かうに従って開口が広がるように傾斜した内壁面53a1とされ、前方側は、前方に向かうに従って開口が広がるように傾斜した傾斜面53a2とされている。
この例では、ストッパS12,S23,S34,S41の四つである。
ストッパSが形成されている位置は、図6の後方側から見て、中心軸線CL1Aに対して左上,左下,右下,及び右上となる位置であり、この反時計回り順で符号S12,S23,S34,S41を付してある。
例えば、ストッパS41は、後方視において、左右方向線LN2に対し、反時計回り方向に角度αbの位置に設けられている。
角度で説明すると、図6において、ストッパS12及びストッパS34は、中心軸線CL1に直交し、左右方向線LN2に対して角度αbで右下がりとなる直線LN5上に形成されている。ストッパS23及びストッパS41は、中心軸線CL1に直交し、左右方向線LN2に対して角度αbで右上がりとなる直線LN6上に形成されている。
ここで、角度αaと角度αbは、近い角度で設定される。この例では、αa=αbの同じ角度とされている。近い角度は差が概ね15°以下であり、例えば差が10°のαa=30°,αb=40°であってもよい。
図7に一部が示されるように、スイッチ構造51において、ヒンジ体HLの孔1h1d,1h2dがそれぞれボス6a,6bに挿通され、固定部1h1e,1h2eがそれぞれ台座5a,5bに当接し、キートップ1の前方向の位置規制がなされる。
同様に、ヒンジ体HRの孔1h3d,1h4dがそれぞれボス6c,6dに挿通され、固定部1h3e,1h4eがそれぞれ台座5c,5dに当接し、キートップ1の前方向の位置規制がなされる。
このように、ボス6a〜6dによりヒンジ体HL,HRの左右上下方向の位置が決まると、周壁部1bは、開口部53aの内法に対し所定のクリアランスを有して開口部53a内に進入した状態で保持される。
基板8の前面8aは、パネル53に取り付けられたキートップ1の突起1c1〜1c4に対応した位置それぞれに、押し釦スイッチ9が設けられている。スイッチ構造51では、この押し釦スイッチ9として、タクトスイッチ(登録商標)が設けられている。以下、押し釦スイッチ9をタクトスイッチ9とも称する。
タクトスイッチ9は、略箱状のケース9aからスイッチ9bが前方に突出した外観を呈している。スイッチ9bが後方側に所定のストローク(例えば0.2mm)押し込まれると接点がONになり、押し込み力が解除されると、内蔵したばねの反発力により復帰するようになっている。
すなわち、スイッチ押し込み部である突起1c1〜1c4の押し込みによって、タクトスイッチ9の接点がON又はOFFするようになっている。
シールド板7の前面7bの高さ位置は、自然状態のキートップ1における仮想平面SF3の位置とされる。
すなわち、キートップ1に外部から押し込み力が付与されていない自然状態で、キートップ1の支柱1d1〜1d4の先端及び連結部1h12,1h34は、シールド板7の前面7bに当接した状態又は微小クリアランスで当接可能な状態に対向配置されている。
これにより、キートップ1は、連結部1h12,1h34がシールド板7により後方側への移動が規制されると共に、固定部1h1e〜1h4eが台座5a〜5dにより前方側への移動が規制されることで、挟まれるように前後方向の位置が決められている。
また、この自然状態で、図8に示されるように、各ストッパSと各フランジ部1fの前面1faとの間には、所定の隙間が、前後方向の距離DSで生じている。この距離DSについては後述する。
詳しくは、図9はキートップ1に外力が付与されていない自然状態を示し、図10は、キートップ1における突起1c4に対応した前面1a1の突出マーク1a1d(図2も参照)近傍を指で押し込んだ状態を示している。また、図11は、キートップ1の前面1a1における、突出マーク1a1cと突出マーク1a1dとの間の部位A(図2参照)を指で押し込んだ状態を示している。
スイッチ構造51において、キートップ1の突出マーク1a1a〜1a1d近傍部位を押し込んで本体部HTを回動させた場合に、タクトスイッチ9がONになるまで、その回動が許容されるようになっている。
すなわち、少なくとも、所定ストローク(例えば0.2mm)押し込まれてスイッチ9bがONになる。このときの中心軸線CL1の回動角度はθaである。
指を放すと、スイッチ9bの戻り力及びヒンジ体HL,HRの反発力により、キートップ1は、自然状態に復帰する。
一方、上下方向の突出マーク1a1,1a1c近傍部位を押し込んだ場合は、ヒンジ体HL,HRの変形が、主に弾性的捻り変形になる点で異なるものの、概ね同様である。
この回動の禁止は、キートップ1とシールド板7との当接、或いは、キートップ1とパネル53との当接、により行われるようになっている。
より詳しくは、キートップ1のフランジ部1fの前面1faと、パネル53の枠壁部53cに設けられたストッパSとが、いずれかのタクトスイッチ9がONになる前に当接し、キートップ1の回動を禁止するようになっている。
図3及び図11を参照して説明する。
部位Aを後方に向け押し込むと、キートップ1は、部位Aに最も近い支柱1d4とシールド板7との当接点P5を回動支点として矢印DR2の方向に回動する。このとき、部位Aと支柱1d4とを結ぶ直線LN4に直交し当接点P5を通る直線LN7よりも部位A側にある突起は、この回動によりタクトスイッチ9のスイッチ9bを押し込むことになる。図3に示される例では、該当する突起は突起1c4である。
枠壁部53cの端面53c3には、ストッパSが設けられている。ここでは、部位Aに対し回動支点P5を挟んで概ね正反対側に設けられたストッパS23が(図6も参照)、所定の角度だけ回動したキートップ1のフランジ部1fの前面1faに当接するようになっている。
この当接のタイミングが、突起1c4がスイッチ9をONにする前に実行されるように(換言するならば、スイッチ9がONにならないように)、各部位の寸法や位置が設定されている。
ここで、枠壁部53cの端面53c3の前後方向位置は、キートップ1の回動でストッパSよりも先にキートップ1に当接しないように、十分なクリアランスをもって設定されている。
さらに、従来のスイッチ構造でスイッチの同時押しが発生し得る押し込み部位として、キートップ1の斜め右上の部位A(三角付き丸印)が示されている。
この状態において、回動軸線CL2に対し、ストッパS23に対応するフランジ部1fの前面1faの、自然状態からの前方への移動距離である距離D2は、三角形の相似関係から、
D2=(LA2xD1)/LA1
で示される。
そして、スイッチ構造51は、タクトスイッチ9がONになることを許容するので、自然状態のフランジ部1fの前面1faからストッパS23までの距離DSは、少なくとも、次の(数1)を満たすように設定される。
(数1)
DS>D2=D1×LA2/LA1
図13(b)に示されるように、部位A(右端)が距離DNだけ後方に押し込まれたときに、フランジ部1fがストッパS23に当接してキートップ1の回動が禁止されるとする。
この場合、直線LN7(図3参照)よりも部位A側にある突起1c4の、直線LN4に沿った回動支点P5からの距離は距離LA3であり、回動が禁止されるまでの自然状態からの押し込み距離は距離DTである。図13(b)では、距離LA3が距離LA4よりも短い場合を示しているが、等しい場合や長い場合もあり得る。
また、部位Aに対し回動支点P5を挟んで反対側のストッパS23に対応する前面1faの自然状態からの前方への移動距離は距離DSで示される。
距離DSは、三角形の相似関係から、次の(数2)で示される。
(数2)
DT=DS×LA3/LA5
DT<D1となっている必要があり、(数2)から、
(数3)
DT=DS×LA3/LA5<D1
である。
従って、距離DSは、次の(数4)を満たすように設定される。
(数4)
DS<D1×LA5/LA3
(数5)
D1×LA2/LA1<DS<D1×LA5/LA3
この押し込みにより、キートップ1は、回動支点P5を支点として回動する。
回動支点P5は、中心軸線CL1よりも非設定押し込み部位側にある。
より詳しくは、回動支点P5が、隣接する設定押し込み部位の間の周方向角度における中間位置(例えば概ね中央となる位置)に一つずつ設定されるように、支柱1d1〜1d4が設けられている。
また、ストッパSは、キートップ1の、非設定押し込み部位に対し回動支点P5を挟んで概ね反対側となる部位に当接して、キートップ1の回動を規制するように設けられている。
具体的には、距離LA5は、少なくとも、回動支点P5から非設定押し込み部位(部位A)までの距離よりも長くとることができる。
そのため、設定押し込み部位が押し込まれた際の回動の許容と、非設定押し込み部位が押し込まれた際の回動の禁止と、を高精度に、確実に実行できる。
逆に、ストッパSを、弧状に形成すれば、非設定押し込み部位は周方向において広い角度範囲となり、設定押し込み部位の周方向角度範囲を狭くできる。すなわち、いずれか一つのタクトスイッチ9がONになる押し込み範囲が狭くなる。
図14に示されるように、キートップ1の分割支柱である複数(四つ)の支柱1d1〜1d4の替わりに、中心軸線CL1Aの位置に分割支柱を集合して一つにした集合支柱である支柱1Adを設け、連結壁1eを除去した変形例1のキートップ1Aとしてもよい。この支柱と連結壁以外は、キートップ1と同じ形状である。図13は、図5に対応する斜視図である。
支柱1Adは、樹脂の成形流動性を考慮して肉厚が概ね一定となるように横断面形状がH字状とされている。
このH字の周方向頂部となる四隅の端部PA1〜PA4の左右上下方向の位置及び前後方向の位置(高さ位置)が、実施例のキートップ1における支柱1d1〜1d4の位置にそれぞれ対応する。
スイッチ構造51にキートップ1Aを用いても、キートップ1を用いた場合と同様の効果が得られる。
スイッチ構造51におけるストッパSは、実施例や変形例1のようにパネル53側に設けられているものに限定されず、図15に示されるように、キートップ1のフランジ部1fの前面1faに、ストッパSAとして設けられていてもよい。
図14は、図8に対応する図である。
また、ストッパSを、パネル53とフランジ部1fとの両方に設け、それぞれのストッパS同士が当接する構成にしてもよい。
スイッチ構造51におけるストッパSを、キートップ1の、回動支点P5に対し、非設定押し込み部位A側に設け、非設定押し込み部位Aが押し込まれた際に、タクトスイッチ9がONになる前に、シールド板7の前面7bに当接してキートップ1の回動を規制するようにしてもよい。
この場合、ストッパSは、例えば、支柱1d1〜1d4よりも高さが低い柱状のストッパ柱1j4(図3参照)として、底部1aに形成される。また、非設定押し込み部位は周方向においてより狭い角度範囲となり、設定押し込み部位の周方向角度範囲をより広くできる。すなわち、いずれか一つのタクトスイッチ9がONになる押し込み範囲をより広くできる。
1a 底部、 1a1 前面、 1a1a〜1a1d 突出マーク
1b 周壁部、 1b1 端部、 1b2 周縁リブ
1b2a 先端面、 1b3 外周面、 1c1〜1c4 突起
1c1a〜1c4a 先端面、 1d1〜1d4 支柱、 1e 連結壁
1f フランジ部、 1fa 前面、 1h1〜1h4 ヒンジ
1h12,1h34 連結部、 1h1a〜1h4a 延出部
1h1b〜1h4b 延在部
1h1c,1h3c,1h4c 戻り延在部、 1h1d〜1h4d 孔
1h1e〜1h4e 固定部、 1j4 ストッパ柱
5a〜5d 台座
6a〜6d ボス
7 シールド板、 7a 折り曲げ部、 7b 前面
8 基板、 8a 前面
9 タクトスイッチ(押し釦スイッチ)
9a ケース、 9b スイッチ、 9b1 前端面
51 スイッチ構造(多方向入力構造)
52 カーオーディオ装置
53 パネル
53a 開口部、 53a1 内壁面、 53a2 傾斜面
53b 後面、 53c 枠壁部、 53c3 端面
B1〜B4 押し込み部位
CL1,CL1A 中心軸線、 CL2 回動軸線
HL,HR ヒンジ体、 HT 本体部
La〜Ld 距離
LN1 上下方向線、 LN2 左右方向線、 LN3〜LN7 直線
M マーク
P1〜P4 接続部、 P5 回動支点
SF1〜SF3 仮想平面
S,S12,S23,S34,S41,SA ストッパ
Wb,Wc 距離
αa,αb 角度
Claims (4)
- 周方向に離隔してN(Nは2以上の整数)箇所の押し込み部位が設定されたキートップと、
前記押し込み部位のそれぞれに対応して前記キートップの一面側に設けられた押し釦スイッチと、
前記キートップの前記一面側において前記押し釦スイッチそれぞれに対応した位置に設けられたスイッチ押し込み部と、
前記キートップから前記一面側に突出する支柱と、
前記支柱の先端に当接可能に対向配置された固定部材と、
前記キートップの他面側の少なくとも一部を露出させる開口部を有するパネルと、
を備え、
一つの前記押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、前記一つの押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部が前記押し釦スイッチを押してON又はOFFにし、
隣接する前記押し込み部位の間の非設定押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、少なくとも前記隣接する押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部の両方が前記押し釦スイッチをON又はOFFしないように、前記キートップの前記他面側の面と前記パネルとの当接により前記キートップの回動を禁止するよう構成されている多方向入力構造。 - 周方向に離隔してN(Nは2以上の整数)箇所の押し込み部位が設定されたキートップと、
前記押し込み部位のそれぞれに対応して前記キートップの一面側に設けられた押し釦スイッチと、
前記キートップの前記一面側において前記押し釦スイッチそれぞれに対応した位置に設けられたスイッチ押し込み部と、
前記キートップから前記一面側に突出する支柱と、
前記支柱の先端に当接可能に対向配置された固定部材と、
前記キートップの他面側の少なくとも一部を露出させる開口部を有するパネルと、
を備え、
一つの前記押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、前記一つの押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部が前記押し釦スイッチを押してON又はOFFにし、
隣接する前記押し込み部位の間の非設定押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、少なくとも前記隣接する押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部の両方が前記押し釦スイッチをON又はOFFしないように、前記キートップの前記他面側の面と前記パネルとの当接又は前記キートップの前記一面側の部位と前記固定部材との当接により前記キートップの回動を禁止するよう構成されており、
前記支柱は、前記固定部材に対し前記N箇所の当接点が得られるようN個の周方向頂部を有する集合支柱又は独立したN個の分割支柱として形成されており、
前記周方向頂部又は前記分割支柱は、前記キートップの中心位置に対し、前記隣接する押し込み部位間の周方向角度における概ね中央となる位置に一つずつ位置し、
前記押し込み部位の一つが前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップは、押し込まれた前記押し込み部位に近い隣接する一対の前記周方向頂部又は一対の前記分割支柱を繋ぐ直線まわりに回動し、
前記非設定押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップは、前記非設定押し込み部位に近い一つの前記周方向頂部又は一つの前記分割支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動することを特徴とする多方向入力構造。 - 周方向に離隔してN(Nは2以上の整数)箇所の押し込み部位が設定されたキートップと、
前記押し込み部位のそれぞれに対応して前記キートップの一面側に設けられた押し釦スイッチと、
前記キートップの前記一面側において前記押し釦スイッチそれぞれに対応した位置に設けられたスイッチ押し込み部と、
前記キートップから前記一面側に突出する支柱と、
前記支柱の先端に当接可能に対向配置された固定部材と、
前記キートップの他面側の少なくとも一部を露出させる開口部を有するパネルと、
を備え、
一つの前記押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、前記一つの押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部が前記押し釦スイッチを押してON又はOFFにし、
隣接する前記押し込み部位の間の非設定押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、少なくとも前記隣接する押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部の両方が前記押し釦スイッチをON又はOFFしないように、前記キートップの前記他面側の面と前記パネルとの当接又は前記キートップの前記一面側の部位と前記固定部材との当接により前記キートップの回動を禁止するよう構成されており、
前記回動が前記キートップの前記他面側の面と前記パネルとの当接で禁止される場合、その当接位置は、前記キートップにおける前記一つの押し込み部位に対し前記当接点を挟んで反対側に位置していることを特徴とする多方向入力構造。 - 周方向に離隔してN(Nは2以上の整数)箇所の押し込み部位が設定されたキートップと、
前記押し込み部位のそれぞれに対応して前記キートップの一面側に設けられた押し釦スイッチと、
前記キートップの前記一面側において前記押し釦スイッチそれぞれに対応した位置に設けられたスイッチ押し込み部と、
前記キートップから前記一面側に突出する支柱と、
前記支柱の先端に当接可能に対向配置された固定部材と、
前記キートップの他面側の少なくとも一部を露出させる開口部を有するパネルと、
を備え、
一つの前記押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、前記一つの押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部が前記押し釦スイッチを押してON又はOFFにし、
隣接する前記押し込み部位の間の非設定押し込み部位が前記一面側に押し込まれたときに、前記キートップが前記支柱と前記固定部材との当接点まわりに回動すると共に、少なくとも前記隣接する押し込み部位に対応した前記スイッチ押し込み部の両方が前記押し釦スイッチをON又はOFFしないように、前記キートップの前記他面側の面と前記パネルとの当接又は前記キートップの前記一面側の部位と前記固定部材との当接により前記キートップの回動を禁止するよう構成されており、
前記キートップの他面側の面と前記パネルとの当接は、少なくとも一方に突出形成されたストッパによりなされることを特徴とする多方向入力構造。
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