<第1実施形態>
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、パチンコ遊技機1の各部の前方向をパチンコ遊技機1から当該パチンコ遊技機1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機1の各部の後方向をパチンコ遊技機1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機1に近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠50を備えている。遊技機枠50は、遊技盤2が取り付けられる遊技盤取付枠51と、遊技盤取付枠51に回転自在に支持される前枠53と、を備える。前枠53は遊技盤取付枠51に対して開閉が可能である。前枠53には、透明のガラス板(図示無し)が取り付けられている。前枠53が閉じられているとき、遊技盤取付枠51に取り付けられた遊技盤2とガラス板とは対面する。よって、パチンコ遊技機1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機1の前方にいる遊技者は、図1に示すように、ガラス板を通して、遊技盤2に形成された遊技領域3を視認することができる。なお、ガラス板の代わりに透明な合成樹脂板等を用いてもよい。パチンコ遊技機1の前方から遊技領域3を視認可能であればよい。
前枠53の前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル60が設けられている。ハンドル60が操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置112が発射モータ113に駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル60の回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠53の前面の下部中央には、ハンドル60に供給される遊技球を貯留する打球供給皿(所謂「上皿」)61と、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(所謂「下皿」)62と、が設けられている。
打球供給皿61の上面には、下方に押下操作可能な演出ボタン63が設けられている。また、前枠53の前面上部の左側および右側のそれぞれに、音を出力可能なスピーカ67が設けられている。また前枠53の前面中部の左側に、発光可能な枠ランプ66が設けられている。
次に、遊技盤2などについて説明する。遊技盤2は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤2の略中央には正面視略円形の開口部10Aが形成された正面視略円形リング状のセンター装飾体10が設けられている。
また、遊技盤2の背面側には、画像を表示可能な画像表示装置7が設けられている。そして、遊技盤2と画像表示装置7との間には、作動可能な盤可動体15Kが設けられている。盤可動体15Kは、盤可動装置15を構成している。第1実施形態では、画像表示装置7は、3D液晶ディスプレイで構成されている。盤可動体15Kが待機状態にあるとき(初期位置で待機しているとき)、図1に示すように、その大部分がセンター装飾体10の開口部10Aの上端部から視認可能に保持されている。このとき、画像表示装置7の表示部7aの上端部は盤可動体15Kの視認される部分で覆われている。すなわち、表示部7aは、センター装飾体10の開口部10Aにおける盤可動体15Kに覆われていない部分から視認可能である。盤可動体15Kは、初期位置(待機状態)から、正面視で表示部7aの略中心位置まで下降(下方に移動)し、その位置で停止することができる。この場合、表示部7aは、盤可動体15Kが待機状態のときに比べて多くの領域を盤可動体15Kに覆われる。
遊技盤2の前面にはレール部材4が設けられている。そして、遊技盤2の前面には、レール部材4やセンター装飾体10などで囲まれた遊技領域3が形成されている。すなわち、遊技盤2の前面が、レール部材4やセンター装飾体10によって、遊技領域3とそれ以外の領域とに仕切られている。遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域3には、多数の遊技用くぎ(図1の遊技領域3における多数の小さな白抜きの円)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域3に進入して遊技領域3を流下する遊技球を、後述する第1始動口20、第2始動口22、一般入賞口27、ゲート28(左ゲート281および右ゲート282)、第1大入賞口30、および、第2大入賞口32などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の直下には、第1始動口20が形成された第1始動入賞装置21と、第2始動口22が形成された第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)23と、を備える始動入賞装置ユニットSUが設けられている。第1始動入賞装置21は、始動入賞装置ユニットSUの左右方向の略中央の上端部に配されている。第2始動入賞装置23は、第1始動入賞装置21の下方、換言すると、始動入賞装置ユニットSUの下部の略中央に配されている。
第1始動入賞装置21は不動である。そのため、第1始動口20は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口20への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口20へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー23は、作動可能な電チュー開閉部材23Kを備えている。電チュー開閉部材23Kは平面視略縦長長方形の舌状片からなり、通常の閉状態では第2始動口22内に収納されている。詳細には、その前方側先端が遊技領域3(遊技盤2の表面)に略一致して、電チュー開閉部材23Kの全体が第2始動口22の内部に収納されている。電チュー開閉部材23Kはその収納されている状態から前後方向に移動(進退)することができる。電チュー開閉部材23Kが前方へ移動すると、電チュー開閉部材23Kが遊技領域3に垂直に突出した状態になり、流下する遊技球を受け止めて第2始動口22の中に呼び込むことができる。このように、電チュー開閉部材23Kが突出状態になることを「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口22への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材23Kが第2始動口22の内部に収納されている状態を「閉状態」ともいう。このように、電チュー開閉部材23Kの作動によって第2始動口22が開閉する。
遊技球の第2始動口22への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口22へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域3における第1始動入賞装置21の左側には、1つの一般入賞口27が設けられている。また、電チュー23の右側には、1つの一般入賞口27が設けられている。遊技球が一般入賞口27へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、正面視で画像表示装置7の左側および右側には、遊技球が通過可能な左ゲート281および右ゲート282が設けられている。以下において、左ゲート281と右ゲート282とを総称して、「ゲート28」という。遊技球のゲート28の通過は、電チュー23を開放する(補助遊技を実行する)か否かを決める普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定)および普図の可変表示の契機となっている。
また、遊技領域3における始動入賞装置ユニットSUの右側には、第1大入賞口30が形成された第1大入賞装置31(以下、「通常AT31」ともいう)を備える通常ATユニットTUが設けられている。また、通常ATユニットTUの一部(上部)には、遊技球が流下可能な遊技領域3が形成されている。そして、通常ATユニットTUに形成された遊技領域3において、その形状に沿って遊技球を転動させることが可能な流路37も備えている。流路37は、全体で左へ向かって下降する傾斜面で構成されている。
第1大入賞装置31は、電チュー23の右斜め上方、言い換えれば、正面視で画像表示装置7の下方で右ゲート282の下流域側に設けられている。第1大入賞装置31は、作動可能な通常AT開閉部材31Kを備える。通常AT開閉部材31Kは平面視略横長長方形の平板からなり、通常の閉状態では、通常ATユニットTUに形成された遊技領域3から垂直に突出し、第1大入賞口30を閉鎖しつつ、遊技球が流下可能な流路37の中央部分を形成している。また、流路37における通常AT開閉部材31Kの右側には、通常AT開閉部材31Kより上流側となる右側傾斜面371が形成され、流路37における通常AT開閉部材31Kの左側には、通常AT開閉部材31Kより下流側となる左側傾斜面372が形成されている。
通常AT開閉部材31Kはその突出している状態から後方に移動することができる。通常AT開閉部材31Kが後方に移動すると、その前方側先端が遊技領域3(始動入賞装置ユニットSUの表面)に略一致して、通常AT開閉部材31Kの全体が始動入賞装置ユニットSUの内部に収納される。通常AT開閉部材31Kが収納されると、第1大入賞口30が開放されるので、遊技球が第1大入賞口30の中に入球することができる。このように、通常AT開閉部材31Kが収納状態になることを「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口30への入球が可能となる。一方、通常AT開閉部材31Kが遊技領域3から突出している状態を「閉状態」ともいう。このように、通常AT開閉部材31Kの作動によって第1大入賞口30が開閉する。遊技球が第1大入賞口30へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技領域3における右ゲート282の左下には、第2大入賞口32が形成された第2大入賞装置33(以下、「VAT33」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置33は、作動可能なVAT開閉部材33Kを備えている。VAT開閉部材33Kは正面視で羽根のような形状を呈している棒状体であり、通常は水平方向に対して略90度の姿勢で保持され、第2大入賞口32を塞いでいる。VAT開閉部材33Kは下端を中心に、上端が右側へ倒れるように略70度回転し、開状態をとることができる。VAT開閉部材33Kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口32への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材33Kが第2大入賞口32を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材33Kの作動によって第2大入賞口32が開閉する。遊技球が第2大入賞口32へ入賞すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図2を用いて、第2大入賞装置33について詳細に説明する。第2大入賞装置33の内部には、第2大入賞口32に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ32aが設けられている。
第2大入賞口センサ32aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域34と非特定領域35とが設けられている。第2大入賞口センサ32aを通過した遊技球は、振分装置36によって、特定領域34か非特定領域35かに振り分けられる。振分装置36は、略矩形状の平板からなる振分部材36Kと、振分部材36Kを駆動する振分ソレノイド36Sとを備えている。振分部材36Kは、振分ソレノイド36Sの駆動により、鉛直方向に保持された状態と水平方向に保持された状態との間を回転可能に構成されている。
振分ソレノイド36Sが通電されていないとき、振分部材36Kは特定領域34への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図2の振分部材36Kが左側に傾いている状態)にある。振分部材36Kが第1状態にあるときは、第2大入賞口32に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ32aを通過した後、特定領域34を通過することは不可能であり、非特定領域35を通過する。この第2大入賞口32から非特定領域35まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド36Sが通電されているとき、振分部材36Kは遊技球の特定領域34の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図2の振分部材36Kが右側に傾いている状態)にある。振分部材36Kが第2状態にあるときは、第2大入賞口32に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ32aを通過したあと特定領域34を通過容易である。この第2大入賞口32から特定領域34まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材36Kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材36Kの通常の状態であるといえる。そして、後述する小当たり遊技のオープニングにおいてのみ、振分ソレノイド36Sが通電され、第2状態に変化することができる。
特定領域34と非特定領域35には、各領域34、35を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ34a、非特定領域センサ35aが設けられている。
なお、パチンコ遊技機1では、遊技球の特定領域34の通過(特定領域34への進入)が後述の大当たり遊技の実行の契機となっている。つまり、特定領域34への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っているということができ、遊技球の特定領域34の通過を「大当たり当選」とみなすことができる。上述の第1特図抽選又は第2特図抽選で大当たりに当選し、後述する大当たり図柄が停止表示することを「1種大当たり」といい、遊技球が特定領域34を通過することを「2種大当たり」という。なお、「1種大当たり」のことを「直撃大当たり」ともいう。
また、遊技領域3の略最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外部へ排出する2つのアウト口29が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域3は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域3Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル60の操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域3Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル60の操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技用くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口20と、左ゲート281と、1つの一般入賞口27と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口20、左ゲート281、または、一般入賞口27への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口22と、右ゲート282と、第1大入賞口30と、第2大入賞口32と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、右ゲート282の通過や、第2始動口22、第1大入賞口30、または、第2大入賞口32への入賞を狙うことができる。
ここで、図3を用いて、左打ちおよび右打ちによって発射された遊技球の第1始動口20、第2始動口22、および第1大入賞口30の周辺での挙動について詳細に説明する。第1始動入賞装置21などを備えた始動入賞装置ユニットSUには、通常ATユニットTUと同様に、遊技球が流下可能な遊技領域3が形成されている。そして、遊技領域3における第1始動口20と第2始動口22との間には、第1流路R1を流下した遊技球の第2始動口22への入賞を抑制する入球抑制部ECが設けられている。入球抑制部ECは遊技領域3に対してほぼ垂直に配された壁部で構成され、第1始動口20の右側方から第2始動口22の左側方まで、右から左にかけて下降する傾斜状に形成されている。入球抑制部ECの右端は第1始動口20から略右側方に所定距離(例えば、遊技球4つ分)をおいた位置に形成され、入球抑制部ECの左端は第2始動口22から略左側方に所定距離(例えば、遊技球4つ分)をおいた位置に形成されている。よって、入球抑制部ECによって、第1始動口20と第2始動口22とが隔ててられている。
入球抑制部ECの上面ECaは、右から左にかけて下方に傾斜している。よって、入球抑制部ECの上面ECaは、第1始動口20の右側を流下する遊技球B1を、第2始動口22の左側方に誘導する誘導面として機能する。第2始動口22の左側方に誘導された遊技球は、入球抑制部ECの近傍に配されたアウト口29(図1参照)へ誘導されて排出される。また、第1始動口20の左側を流下する遊技球B2も、入球抑制部ECの上面ECaに至ると、その上面ECaを転動してアウト口29へ誘導されて排出される。このようにパチンコ遊技機1は、第1流路R1を流下した遊技球が基本的には第2始動口22へ入球することがないように構成されている。すなわち、左打ちされた遊技球の第2始動口22への入球が規制されている。なお、入球抑制部ECは、第1流路R1を流下した遊技球が第2始動口22へ入球しないように誘導する第1の誘導路GP1を形成していると言える。
また、始動入賞装置ユニットSUにおける入球抑制部ECの下方には、右側に開口した開口部SUaが設けられている。この開口部SUaは、遊技球が始動入賞装置ユニットSUの右脇に形成された通路TPにつながっており、第2始動口22へ遊技球を誘導する第2の誘導路GP2の入口となっている。よって、この通路TPを流下する遊技球B3については、第2始動口22へ入賞することが可能である。その結果、第1流路R1を流下する遊技球であっても跳ねるなどして入球抑制部ECの右端部よりも右方の通路TPに至ると、第2始動口22に入賞することができる。つまり、第1実施形態では、始動入賞装置ユニットSUに入球抑制部ECを設けているものの、第1流路R1を流下する遊技球が第2始動口22へ入賞する可能性を完全になくしているわけではない。
また、通常ATユニットTUには、流路37を転動する遊技球B4を開口部SUaへ誘導可能なつなぎ部DUaが流路37の下流側端部からつながって形成されている。よって、第2流路R2を流下する遊技球B4についてもつなぎ部DUaを通って第2始動口22へ入賞することが可能である
また、始動入賞装置ユニットSUにおける開口部SUaの下方には、一般入賞口27が設けられている。よって、遊技球B3または遊技球B4は、開口部SUaに入球しなかった場合には、この一般入賞口27に入賞する可能性がある。このように、始動入賞装置ユニットSUに一般入賞口27が設けられているため、第2始動口22への入賞に対する賞球の数を少なくしても、一般入賞口27への入賞に基づく賞球によって、後述する時短状態におけるベースが低くなり過ぎることを防ぐことが可能となっている。
なお、遊技球B3あるいは遊技球B4が始動入賞装置ユニットSUの開口部SUaにも一般入賞口27にも入球しなかった場合には、アウト口29へ誘導されて排出される。
そして、第1実施形態では、第1流路R1と第2流路R2とは、それぞれの下流部で合流している。第1流路R1と第2流路R2とに共通している流路を合流部GRと称することとする。この合流部GRに、第2始動口22(電チュー23)、一般入賞口27、およびアウト口29が配されていることになる。
また、遊技盤2の前面に形成された遊技領域3の右下(遊技領域3以外の部分)には表示器類40が配置されている。図4に示すように、表示器類40には、特図1を可変表示することができる特図1表示器411、特図2を可変表示することができる特図2表示器412、及び、普図を可変表示する普図表示器42が含まれている。また、表示器類40には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器411による特図1の可変表示が保留されている数)を表示することができる特図1保留表示器431、後述する特図2保留数(U2:特図2表示器412による特図2の可変表示が保留されている数)を表示することができる特図2保留表示器432が含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口22への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器411および特図2表示器412を総称して特図表示器41という。さらに、特図1保留表示器431および特図2保留表示器432を総称して特図保留表示器43という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特図)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図:後述する大当たり図柄、または、小当たり図柄)である場合には、停止表示された特定の特図の種類に応じた開放態様にて大入賞口30、32を開放させる特別遊技(小当たり遊技および大当たり遊技)が行われる。
特図表示器41は、横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器41は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果が小当たりである場合には、特図表示器41「□■■■■■■■」というように一番左にあるLEDのみの点灯で構成される小当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器41「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口20または第2始動口22へ入賞(入球)すると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として特図保留記憶部85(図5参照)に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球が第1始動口20へ入賞(入球)したことにより取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、遊技球が第2始動口22へ入賞(入球)したことにより取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部85の中の特図1保留記憶部851(図5参照)に記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部85の中の特図2保留記憶部852(図5参照)に記憶される。特図1保留記憶部851に記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部852に記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限がある。第1実施形態において、特図1保留数の上限値は「4」に設定され、特図2保留数の上限値は「1」に設定されている。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口20または第2始動口22へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、所定個数を上限として、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器43に表示される。特図1保留表示器431と特図2保留表示器432のそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示する。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図、すなわち、当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態および当たり図柄の種別に応じた開放態様にて第2始動口22(電チュー23)が開放する補助遊技が行われる。
普図表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器42は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図の変動表示は、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって行われる。普図の変動表示の態様は、第1実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機1では、遊技球がゲート28を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報)が取得されることがある。なお、以下において、遊技球がゲート28を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5および図6に基づいて、パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図5および図6に示すように、パチンコ遊技機1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う主制御基板80、主制御基板80による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出、普図変動演出、補助遊技演出)、客待ち演出、演出ボタン63の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行うサブ制御基板90、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板110等を遊技盤2の画像表示装置7よりさらに背面側に備えている。主制御基板80は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけ、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御回路107、および音声制御回路106とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7、盤可動装置15、枠ランプ66、および、スピーカ67等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板160を備えている。電源基板160は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板160には、バックアップ電源回路161が設けられている。バックアップ電源回路161は、パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板160には、電源スイッチ165が接続されている。電源スイッチ165のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図5に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)88が含まれている。
ROM83には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、ROM83には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、小当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、特図確定時間判定テーブル、始動入賞コマンド特定テーブル、特別遊技制御テーブル、時短規定回数判定テーブル、当たり判定テーブル、当たり図柄種別判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、ROM83は外付けであってもよい。また、RAM84には、前述した特図保留記憶部85などが設けられている。
また、主制御基板80には、RAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ89が実装されている。
主制御基板80には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、主制御基板80には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板80は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
主制御基板80に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ22a、一般入賞口センサ27a、左ゲートセンサ281a、右ゲートセンサ282a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ32a、特定領域センサ34a、および、非特定領域センサ35aが含まれている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ27aは、一般入賞口27に入賞した遊技球を検知する。左ゲートセンサ281aは、左ゲート281に設けられており、左ゲート281を通過した遊技球を検知する。右ゲートセンサ282aは、右ゲート282に設けられており、右ゲート282を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ32aは、第2大入賞口32に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ34aは、特定領域34を通過(特定領域34に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ35aは、非特定領域35を通過(非特定領域35に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板80に出力する。
また、主制御基板80に接続されている各種ソレノイド類には、電チューソレノイド23S、第1大入賞口ソレノイド31S、第2大入賞口ソレノイド33Sおよび振分ソレノイド36Sが含まれている。電チューソレノイド23Sは、電チュー23の電チュー開閉部材23Kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド31Sは、第1大入賞装置31の通常AT開閉部材31Kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド33Sは、第2大入賞装置33のVAT開閉部材33Kを駆動する。振分ソレノイド36Sは、振分装置36の振分部材36Kを駆動する。
さらに主制御基板80には、表示器類40(特図表示器41、普図表示器42、および、特図保留表示器43)が接続されている。これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。なお、発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のための賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のための貸球センサ132により検知される。
また、ハンドル60には、遊技者などの人のハンドル60への接触を検知可能なタッチスイッチ114が設けられている。遊技者によるハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114が遊技者のハンドル60への接触を検知し、検知信号を払出制御基板110に出力する。また、ハンドル60には、ハンドル60の回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ115が接続されている。発射装置112は、発射ボリュームつまみ115が検出したハンドル60の回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113を駆動させる。なお、パチンコ遊技機1においては、ハンドル60への回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板90に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板90は、主制御基板80から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板80による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、主制御基板80による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)98が含まれている。
また、ROM93には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、ROM93には、後述する保留変化予告判定テーブル、停止図柄判定テーブル、特図変動演出パターン判定テーブル、前兆演出ガセ実行判定テーブル、保留変化予告種別判定テーブル、保変予兆演出ガセ実行判定テーブル、前兆演出種別判定テーブル、および、ファーストチャレンジ演出パターン判定テーブルなどが格納されている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板90には、リアルタイムクロック(RTC)99が実装されている。RTC99は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC99は、パチンコ遊技機1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板160が備えるバックアップ電源回路161から供給される電力によって動作する。このため、RTC99は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC99に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板90には、画像制御基板100が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板80による遊技の進行に応じて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板90と画像制御基板100との接続は、サブ制御基板90から画像制御基板100への信号の送信と、画像制御基板100からサブ制御基板90への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板100は、画像制御のためのプログラム等を記憶した制御用ROM103、ワークメモリとして使用される制御用RAM104、及び、制御用ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。また、画像制御基板100は、画像表示装置7に表示される画像のデータを記憶したCGROM143、CGROM143に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM144、及び、VDP(Video Display Processor)142を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM143には、例えば、画像表示装置7に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP142は、演出制御用マイコン91からの指令に基づきCPU102によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM143から画像データを読み出してVRAM144内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM144内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置7に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部7aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板80による遊技の進行に応じて、音声制御回路106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ67から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御回路106を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100の制御用ROM103に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類や駆動源となる各種ソレノイド類やモータ類が接続されている。サブ制御基板90には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板90は、各種ソレノイド類やモータ類に信号を出力する。
サブ制御基板90に接続されている各種スイッチ類には、演出ボタン検出スイッチ63aが含まれている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63が押下操作されたことを検出する。演出ボタン検出スイッチ63aは、操作されたことを検出すると、その検出内容に応じた信号をサブ制御基板90に出力する。
サブ制御基板90に接続された各種ソレノイド類には、盤可動体ソレノイド15Sが含まれている。盤可動体ソレノイド15Sは、盤可動体15Kを駆動して作動させる。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15Kの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路107を介して、盤可動体15Kの動作を制御する。なお、盤可動体15Kと盤可動体ソレノイド15Sとによって盤可動装置15が構成される。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路107を介して枠ランプ66等の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路107を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ66等の点灯制御、および、盤可動体15Kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.主制御基板80による遊技の説明
次に、主制御基板80により行われる遊技について説明する。最初に普図に関わる遊技について説明する。主制御基板80は、発射された遊技球がゲート28を通過すると、普図の可変表示または補助遊技が行われていないことを条件に、普図抽選を行う。主制御基板80は、普図抽選を行うと、普図表示器42において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート28の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート28の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート28を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
主制御基板80は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図7(A)に示すように、普通図柄乱数と当たり図柄種別乱数とがある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。当たり図柄種別乱数は当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、普通図柄乱数の範囲は、0〜255である。当たり図柄種別乱数の範囲は、0〜65535である。
次に、普図関係乱数を用いて行われる各判定について説明する。最初に、当たり判定について説明する。当たり判定は、図8(A)に示す当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。
次に、当たり図柄種別判定について説明する。当たり図柄種別判定は、当たり判定の結果が当たりである場合に、図8(B)に示す当たり図柄種別判定テーブルを用いて当たり図柄の種別(当たり図柄種別)を決定するための判定である。当たり図柄の種別には、当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される当たりの構成要素が対応付けられている。当たり図柄種別に対応付けられた当たりの内容(当たりの構成要素)については後述する。
当たり図柄種別判定テーブルでは、当たり図柄種別判定の結果である当たり図柄種別に、当たり図柄種別乱数の判定値(当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した当たり図柄種別乱数を当たり図柄種別判定テーブルに照合して、当たり図柄の種別を判定する。図8(B)に示すように、当たり図柄として、当たり図柄A〜当たり図柄Cの3種類の当たり図柄が設けられている。
なお、当たりの当選確率および当たり図柄種別の振分率(%)は図8(A)〜図8(B)に限られず、適宜に設定することができる。また、当たり図柄の種別は、図8(A)〜図8(B)に示す3種類の当たり図柄に限らず、適宜に設定することができる。例えば、3種類より多い又は少ない種類の当たり図柄が当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。
次に、普図の変動パターン判定(普図変動パターン判定)について説明する。普図変動パターン判定は、図8(C)に示す普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の変動表示に関する所定事項に関する識別情報である。普図変動パターンには、普図変動時間の他、当たり判定の結果も含まれている。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普通図柄毎に1つ格納されている。すなわち、主制御基板80は、非時短状態においては、ハズレの普通図柄(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動パターンFHP1に決定し、当たり図柄Aを停止表示する場合の普図変動表示については普図変動パターンFHP2に決定し、当たり図柄Bを停止表示する場合の普図変動表示については普図変動パターンFHP3に決定し、当たり図柄Cを停止表示する場合の普図変動表示については普図変動パターンFHP4に決定する。また、主制御基板80は、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動パターンFHP5に決定し、当たり図柄Aを停止表示する場合の普図変動表示については普図変動パターンFHP6に決定し、当たり図柄Bを停止表示する場合の普図変動表示については普図変動パターンFHP7に決定し、当たり図柄Cを停止表示する場合の普図変動表示については普図変動パターンFHP8に決定する。普図変動パターンFHP1、FHP4〜FHP8に対応付けられた普図変動時間は1秒であり、普図変動パターンFHP2に対応付けられた普図変動時間は30秒であり、普図変動パターンFHP3に対応付けられた普図変動時間は25秒である。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図変動表示が、普図表示器42で行われる。
このように、当たり判定、当たり図柄種別判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器42において普図の可変表示が行われる。そして、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると、その当たり図柄の種別に応じた補助遊技が実行される。
補助遊技は、電チュー23の開閉と、補助遊技が開始してから、言い換えると、当たり図柄の停止表示が所定の普図確定時間行われてから、初回の電チュー23の開放が開始されるまで電チュー23が閉状態で保持されるオープニングと、最終回の電チュー23の開放が終了してから補助遊技が終了するまで電チュー23が閉状態で保持されるエンディングとで構成される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、当たりの内容には、電チュー23が開放する回数、各開放についての開放時間、オープニングの時間(オープニング時間:OP時間)、エンディングの時間(エンディング時間:ED時間)などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)および当たり図柄種別に対応付けられている。主制御基板80は、遊技状態(非時短状態/時短状態)および当たり図柄種別に基づいて、図8(D)に示す補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)および当たり図柄種別に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。よって、主制御基板80は、当たり図柄が停止表示されると、遊技状態および当たり図柄に応じた補助遊技を実行する。ここで、遊技状態に応じた補助遊技について説明する。
非時短状態における当たり図柄Aに対応付けられた補助遊技では、6.00秒のオープニングの後、電チュー23が1回開放する。このときの開放時間は5.00秒である。そして、電チュー23の開放の後、0.008秒のエンディングを経て補助遊技が終了する。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を電チュー23に入賞させるのは容易である。なお、以下において、非時短状態における当たり図柄Aに対応付けられた補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
非時短状態における当たり図柄B、当たり図柄Cに対応付けられた補助遊技では、0.008秒のオープニングの後、電チュー23が1回開放する。このときの開放時間は0.02秒である。そして、電チュー23の開放の後、0.008秒のエンディングを経て終了する。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を電チュー23に入賞させるのは困難である。なお、以下において、非時短状態における当たり図柄B、Cに対応付けられた補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。
時短状態における当たり図柄A〜当たり図柄Cに対応付けられた補助遊技では、0.008秒のオープニングの後、電チュー23が1回開放する。このときの開放時間は3.00秒である。そして、電チュー23の開放の後、0.008秒のエンディングを経て終了する。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を電チュー23に入賞させるのは容易である。
次に、特図に関わる遊技について説明する。発射された遊技球が第1始動口20に入賞すると、特図1保留数(U1)が4未満であることを条件に、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器411において、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄、小当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、小当たりおよびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。小当たり図柄が停止表示されると、小当たり遊技が実行される。小当たり遊技中に遊技球が特定領域34に進入すると、小当たり遊技後に大当たり遊技状態が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技または小当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、発射された遊技球が第2始動口22に入賞すると、特図2保留数(U2)が1未満であることを条件に、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器412において、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、小当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、小当たりおよびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。小当たり図柄が停止表示されると、小当たり遊技が実行される。小当たり遊技中に遊技球が特定領域34に進入すると、小当たり遊技後に大当たり遊技状態が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技または小当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、特図1保留数(U1)が4未満であるときに第1始動口20に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、特図2保留数(U2)が1未満であるときに第2始動口22に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普通図柄のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
主制御基板80は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、小当たり遊技、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図7(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、小当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。小当たり図柄種別乱数は小当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、特別図柄乱数の範囲は、0〜65535である。大当たり図柄種別乱数の範囲は、0〜199である。小当たり図柄種別乱数の範囲は、0〜199である。リーチ乱数の範囲は、0〜255である。特図変動パターン乱数の範囲は、0〜99である。
次に、特図関係乱数を用いて行われる各判定について説明する。最初に、大当たり判定について説明する。大当たり判定は、図9(A)に示す大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり判定が起因する(当該大当たり判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり判定テーブル(第1大当たり判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり判定テーブル(第2大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、小当たりおよびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。主制御基板80は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、小当たりまたはハズレの何れであるかを判定する。図9(A)に示すように、特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり判定テーブルの方が、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり判定テーブルよりも、小当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
次に、大当たり図柄種別判定について説明する。大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図9(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別には、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。第1始動口20に入賞した場合の(特図1に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄1A〜大当たり図柄1Bの2種類の大当たり図柄が設けられている。一方、第2始動口22に入賞した場合の(特図2に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄2A〜大当たり図柄2Bの2種類の大当たり図柄が設けられている。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
なお、大当たりの当選確率および大当たり図柄種別の振分率(%)は図9(A)および図9(B)に限られず、適宜に設定することができる。また、大当たり図柄の種別は、図9(B)に示す4種類の大当たり図柄に限らず、適宜に設定することができる。例えば、第1大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、2種類より多い又は少ない種類の大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。また、第2大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、2種類より多い又は少ない種類の大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。
次に、小当たり図柄種別判定について説明する。小当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が小当たりである場合に、図9(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルを用いて小当たり図柄の種別(小当たり図柄種別)を決定するための判定である。小当たり図柄の種別には、小当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される小当たりの構成要素が対応付けられている。
小当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該小当たり図柄種別判定が起因する(当該小当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、小当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる小当たり図柄種別判定テーブル(第1小当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる小当たり図柄種別判定テーブル(第2小当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
各小当たり図柄種別判定テーブルでは、小当たり図柄種別判定の結果である小当たり図柄種別に、小当たり図柄種別乱数の判定値(小当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した小当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、小当たり図柄の種別を判定する。第1始動口20に入賞した場合の(特図1に係る)小当たり図柄として、小当たり図柄1の1種類の小当たり図柄1が設けられている。一方、第2始動口22に入賞した場合の(特図2に係る)小当たり図柄として、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cの3種類の小当たり図柄が設けられている。そして、第1小当たり図柄種別判定テーブルおよび第2小当たり図柄種別判定テーブルでは、小当たり図柄種別乱数判定値が各種小当たり図柄に適宜に振り分けられている。
なお、小当たりの当選確率および小当たり図柄種別の振分率(%)は図9(A)および図9(C)に限られず、適宜に設定することができる。また、小当たり図柄の種別は、図9(C)に示す4種類の小当たり図柄に限らず、適宜に設定することができる。例えば、第1小当たり図柄種別判定テーブルにおいて、1種類より多い種類の小当たり図柄が小当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。また、第2小当たり図柄種別判定テーブルにおいて、3種類より多い又は少ない種類の小当たり図柄が小当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。
次に、リーチ判定について説明する。リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図9(D)に示すリーチ判定テーブルを用いてリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。ここで、リーチについて説明するために、リーチの前提となる特図変動演出について説明する。
特図の可変表示が行われると、当該特図の可変表示に応じて、特図変動演出が行われる。特図変動演出は、画像表示装置7、盤可動装置15、演出ボタン63、枠ランプ66、および、スピーカ67などの様々な演出装置を用いて行われる。特図変動演出として、画像表示装置7の表示部7aでは、当該特図の可変表示に同期または略同期した演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、特図の変動表示に伴って演出図柄の変動表示が行われ、特図の変動停止(停止表示)に伴って、演出図柄の変動停止(停止表示)が行われる。なお、演出図柄を変動表示する演出を演出図柄変動演出ともいう。演出図柄変動演出は「特図変動演出」の一部を構成している。
演出図柄は、例えば、表示部7aにおいて、相対的に左側に表示される左演出図柄EZ1と、相対的に真ん中に表示される中演出図柄EZ2と、相対的に右側に表示される右演出図柄EZ3とで構成される(図17など参照)。なお、以下において、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を総称する場合に「演出図柄EZ1、EZ2、EZ3」という場合もある。
演出図柄EZ1、EZ2、EZ3はそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字などで構成される。そして、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示においては、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3を構成する数字が表示部7aの上から下にスクロールするなどして、表示部7a内に表示される(視認される)数字が次々に入れ替わる。なお、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様に限られず、左右方向(例えば、右から左)にスクロールする態様など他の態様であってもよい。また、スクロール表示ではなく所定の定位置で演出図柄を構成する数字が次々に入れ替わる(例えば、その定位置で自転する)態様であってもよい。また、特図変動演出では、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3のほか、後述する背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
そして、特図が停止表示されるときに、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が所定の配列(組み合わせ)で停止表示される。すなわち、変動表示において表示部7a内で次々に入れ替わっていた様々な数字が1つに特定される。このとき、停止表示した(特定された)演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の組み合わせによって、特図表示器41にて停止表示される特図(可変表示の結果、つまりは特別図柄抽選の結果)が、わかりやすく表示される。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には特図抽選の結果を特図1表示器411や特図2表示器412により把握するのではなく、画像表示装置7の表示部7aにて把握する。
そして、リーチとは、変動演出において、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3を用いて遊技者に大当たりを期待させるための演出である。具体的に、リーチは、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3のうちでスクロール表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、スクロール表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「5↓5」の状態)のことである(図18(D)参照)。なお、リーチにおいてスクロール表示されていない演出図柄は、表示部7a内の所定位置で仮停止している。仮停止とは、所定の演出図柄が略所定位置で留まり(所定の演出図柄が表示部7a内に表示され続け)、すなわち、異なる演出図柄に入れ替わることはないものの、微小な変動(例えば、多少の上下方向の往復運動の繰り返し、また、多少の揺動の繰り返し、また、拡大と縮小の繰り返しなど)のことである。なお、仮停止の態様はこれらに限られない。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短リーチ判定テーブル)とがある。非時短状態と時短状態についての詳細は後述するが、非時短状態と時短状態は、特別図柄の変動表示に要する時間(特図変動表示の開始時から表示結果の導出時までの時間:特図変動時間)に影響を及ぼす遊技状態であり、時短状態では、非時短状態よりも特図変動時間が短くなり易い。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図9(D)に示すように、非時短状態で用いられるリーチ判定テーブルの方が、時短状態で用いられるリーチ判定テーブルよりも、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値が多く振り分けられている。リーチ判定の結果が「リーチ有り(リーチを発生させる)」であると、大抵の場合は特図変動演出でリーチが発生する。一方、リーチ判定の結果が「リーチ無し(リーチを発生させない)」であると、特図変動演出でリーチが発生しない。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
ところで、特図可変表示が行われているときに、表示部7aにおいて、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の可変表示の他に、小図柄の可変表示も行われる。小図柄の可変表示は、例えば、表示部7aにおける右端の上下方向を三等分したうちの中央部分および上側部分で行われる。小図柄は、相対的に上側に表示される上小図柄KZ1と、相対的に上下方向の真ん中に表示される中小図柄KZ2と、相対的に下側に表示される下小図柄KZ3と、で構成される(図17など参照)。なお、以下において、上小図柄KZ1、中小図柄KZ2および下小図柄KZ3を総称する場合に「小図柄KZ1、KZ2、KZ3」という場合もある。
小図柄KZ1、KZ2、KZ3は、特図変動表示の開始に伴って変動表示する。すなわち、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示と小図柄KZ1、KZ2、KZ3の変動表示が同時に又は略同時に開始される。小図柄KZ1、KZ2、KZ3はそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字などで構成される。そして、小図柄KZ1、KZ2、KZ3の変動表示においては、小図柄KZ1、KZ2、KZ3のそれぞれがその場で異なる数字に次々と入れ替われる。よって、特図変動表示が行われている間、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示と小図柄KZ1、KZ2、KZ3の変動表示が行われている。そして、小図柄KZ1、KZ2、KZ3の変動表示は、特図変動表示の停止に伴って停止する。すなわち、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示と小図柄KZ1、KZ2、KZ3の停止表示とが同時に又は略同時に開始される。演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示と小図柄KZ1、KZ2、KZ3の停止表示とは、基本的に同じ数字の組み合わせ(停止表示態様)で行われる。なお、詳細は後述するが演出図柄EZ1、EZ2、EZ3は完全に停止表示される前に、仮停止表示されるが、小図柄KZ1、KZ2、KZ3については仮停止表示が行われない。また、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3がリーチ状態のとき、小図柄KZ1、KZ2、KZ3はリーチ状態になっておらず、3つの小図柄KZ1、KZ2、KZ3が変動表示している。
次に、特別図柄の変動パターン判定について説明する。特別図柄の変動パターン判定(特図変動パターン判定)は、大当たり判定の結果が大当たり、小当たりおよびハズレの何れの場合にも、図10〜図11に示す特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特別図柄の変動表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定である。特図変動パターンとは、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する情報も含まれている。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる変動表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図10)と、特図2の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図11)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短状態用の特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルおよび特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、小当たり用、リーチ有りハズレ用、および、リーチ無しハズレ用がある。同様に、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルおよび特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、小大当たり用、リーチ有りハズレ用、および、リーチ無しハズレ用がある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。
以上のように特別図柄の種別や遊技状態などに関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルでは、特図変動パターン判定の結果である特図変動パターンに、特図変動パターン乱数の判定値(特図変動パターン乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した特図変動パターン乱数を特図変動パターン判定テーブルに照合して、特図変動パターンを判定する。そして、この判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特別図柄の変動表示が、特図表示器41で行われる。
そして、特別図柄の変動表示が行われているときに、特図変動パターンに基づいた特図変動演出が行われる。特図変動演出には、演出図柄の変動表示が開始してから変動表示態様が通常の通常態様を維持したまま変動表示が終了する通常特図変動演出と、演出図柄の変動表示が開始してから変動表示態様が通常とは異なる特別態様になる特別特図変動演出とがある。ここで、特別態様には、前述したリーチがある。
特図変動パターンには、特図変動時間に基づいた特図変動演出の演出内容を構成する演出フローに関する情報が含まれている。この特図変動演出の演出フローは、図10〜図11に示す特図変動パターン判定テーブルの右から3番目の項目に示している。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する各演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、ラストチャレンジ演出(ラストチャレ)、および、再チャレンジ演出(再チャレ)がある。
通常変動は、基本的には、演出図柄が特別態様になることなく、1つ1つの演出図柄を認識困難な程度に高速で変動表示する演出のことである。そして、通常特図変動演出の全部分(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、特別特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されている。
Nリーチは、リーチが成立(確定)した直後に、当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチおよびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。大当たりの場合、残りの1つの演出図柄は、基本的にはリーチを構成する演出図柄と同一の演出図柄で停止する。小当たりの場合、残りの1つの演出図柄は、先に停止している他の演出図柄との組み合わせで小当たりを示す演出図柄で停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチから次の演出(第1実施形態では、LリーチまたはSPリーチ」)に発展する(切り替わる)。
Lリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部7aの左上、右演出図柄EZ3は表示部7aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像が表示され(映像が流され)、Nリーチよりも長い時間行われる演出である。なお、Lリーチでは、主に表示部7aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、所定のストーリーで構成されるシーンが表示される。
SPリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部7aの左上、右演出図柄EZ3は表示部7aの右上)に移動した状態で、Lリーチ用の背景画像よりも長い時間の専用の背景画像が表示される(映像が流れる)演出である。なお、SPリーチでは、主に表示部7aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、所定のキャラクタが敵の基地で敵キャラクタとバトルするシーンが表示される(バトルする映像が表示部7aで流れる)。
なお、Nリーチ、Lリーチ、および、SPリーチにおける「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、および、SPリーチにおいてずっとリーチを構成する演出図柄が表示部7aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部7aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。
また、ラストチャレンジ演出(ラストチャレ)は、主として非時短状態における特図2可変表示に応じて実行可能な演出であり、後述する普図変動演出および補助遊技演出などの後に続けて発展的に行われる(実行される)。そして、ラストチャレンジ演出はリーチの成否とは関係なく実行される演出である。ラストチャレンジ演出では、専用の背景画像が表示される(専用の映像が流れる)。ラストチャレンジ演出に専用の背景画像にて、主人公キャラクタが所定の挑戦(最後の挑戦)に成功するか失敗するかの映像が表示される。
また、再チャレンジ演出(再チャレ)は、主として非時短状態における特図2可変表示に応じて実行可能な演出であり、ラストチャレンジ演出の後に続けて復活的に行われる(実行される)。そして、再チャレンジ演出もリーチの成否とは関係なく実行される演出である。再チャレンジ演出では、専用の背景画像が表示される(専用の映像が流れる)。再チャレンジ演出に専用の背景画像にて、主人公キャラクタが所定のミッション(再ミッション)をクリアできるか否かの映像が表示される。
なお、図10〜図11の表の右端の欄に示すように、特図(大当たり判定結果)および変動演出の演出内容に関する情報を含む特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すこととする。また、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」ともいう。同様に、小当たりに係る特図変動パターンのことを「小当たり変動」、リーチ有りハズレの中でSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチハズレ変動」、リーチ有りハズレの中でLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチハズレ変動」、リーチ有りハズレの中でNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
また、非時短状態で選択可能な通常Aハズレ変動〜通常Cハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローはともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が13秒、8秒と4秒とで異なっている。同様に、時短状態で選択可能な短縮Aハズレ変動と短縮Bハズレ変動に係る変動演出の演出フローもともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が6秒と3秒とで異なっている。
次に、特別図柄の確定時間判定について説明する。特別図柄の確定時間判定(特図確定時間判定)は、大当たり判定の結果が大当たり、小当たりおよびハズレの何れの場合にも、図12に示す特別図柄の確定時間判定テーブル(特図確定時間判定テーブル)を用いて、特別図柄の停止表示に要する時間(特図確定時間)を決定するための判定である。特別図柄の停止表示は、特別図柄の変動表示の後に行われるが、この停止表示に要する時間が特図確定時間である。よって、特図保留がある状況において、現在実行中の特図変動表示が終了して特図停止表示が行われる場合、特図変動表示が停止すると、その時点から特図確定時間が経過したことによって次の特図可変表示が開始される。
そして、特図確定時間判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、特図確定時間判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図確定時間判定テーブル(非時短状態用の特図確定時間判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図確定時間判定テーブル(時短状態用の特図確定時間判定テーブル)とがある。
また、特図確定時間判定テーブルは、判定対象となる停止表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図確定時間判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、特図確定時間判定テーブルには、特図1の停止表示を行うときに用いられる特図確定時間判定テーブル(特図1確定時間判定テーブル)と、特図2の停止表示を行うときに用いられる特図確定時間判定テーブル(特図2確定時間判定テーブル)とがある。
つまり、特図確定時間判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1用の特図確定時間判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる特図2用の特図確定時間判定テーブルと、時短状態のときに用いられる特図1用の特図確定時間判定テーブルと、時短状態のときに用いられる特図2用の特図確定時間判定テーブルと、がある。
以上のように、遊技状態と特別図柄の種別に関連付けられた各特図確定時間判定テーブルには、特図確定時間が大当たり判定結果(大当たり、小当たりおよびハズレ)に対応付けられて格納されている。よって、主制御基板80は、大当たり判定の結果を特図確定時間判定テーブルに照合して、特図確定時間を判定する。そして、この判定で決定された特図確定時間の特別図柄の停止表示が、特図表示器41で行われる。
なお、特別図柄の停止表示が行われているときに、表示部7aにおいて、演出図柄の停止表示と小図柄の停止表示が行われる。ただし、詳細は後述するが、特別図柄の停止表示が行われているときに、小図柄の停止表示は必ず行われるが、演出図柄の停止表示については、行われないこともある。
また、主制御基板80は、遊技球が始動口20、22に入賞して、特図関係乱数を取得すると、一旦、RAM84の特図保留記憶部85とは異なる領域(例えば、バッファ)に記憶し、当該乱数に基づいて始動入賞コマンドを特定してサブ制御基板90に送信する。始動入賞コマンドには、取得された特図関係乱数に基づいて行われる特図変動パターン判定で決定される特図変動パターンの情報(特図変動パターン情報)が含まれている。前述の通り、特図変動パターンには、始動口の種別、言い換えれば、特図の種別に関する情報が含まれているので、始動入賞コマンドには、その始動入賞コマンドを発生させた始動口の種別に関する情報(入賞始動口情報)、言い換えれば、その始動入賞コマンドを発生させた入賞により行われる可変表示の特図の種別(特図種別情報)も含まれている。また、特図変動パターンには、大当たり、小当たり、または、ハズレの何れであるかの情報(当否情報)と、リーチの有無の情報(リーチ情報)も含まれているので、始動入賞コマンドには、当否情報とリーチ情報も含まれていることになる。
主制御基板80は、取得した特図関係乱数に基づいて、図13に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて始動入賞コマンドを特定する。始動入賞コマンド特定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、始動入賞コマンド特定テーブルには、第1始動口20に入賞した場合の始動入賞コマンド特定テーブル(第1始動入賞コマンド特定テーブル)と、第2始動口22に入賞した場合の始動入賞コマンド特定テーブル(第2始動入賞コマンド特定テーブル)とがある。
また、始動入賞コマンド特定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、始動入賞コマンド特定テーブルには、非時短状態のときに用いられる始動入賞コマンド特定テーブル(非時短状態用の始動入賞コマンド特定テーブル)と時短状態のときに用いられる始動入賞コマンド特定テーブル(時短状態用の始動入賞コマンド特定テーブル)とがある。
つまり、始動入賞コマンド特定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1始動入賞コマンド特定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1始動入賞コマンド特定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2始動入賞コマンド特定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2始動入賞コマンド特定テーブルと、がある。
なお、始動入賞コマンドは、少なくとも当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜に変更可能である。前述のとおり、特図関係乱数に基づいて特別図柄の可変表示が行われるが、その特図関係乱数に基づいて実行される特別図柄の可変表示よりも前に、当否情報などをサブ制御基板90に送信することで、後述する保留変化予告などの大当たり期待度を示唆する先読み演出を実行可能にし、遊技興趣を向上させる。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、小当たり図柄種別判定、リーチ判定、特図変動パターン判定および特図確定時間判定が行われることによって、特図表示器41において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。また、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、小当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、小当たり遊技が実行される。小当たり遊技において遊技球が特定領域34を通過すると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技と小当たり遊技について説明する。なお、以下において、大当たり遊技と小当たり遊技とを総称して「特別遊技」という。
最初に、小当たり遊技について説明する。小当たり遊技は、第2大入賞口32の1回の開閉と、小当たり遊技が開始してから第2大入賞口32の開放が開始されるまで大入賞口30、32が閉状態で保持されるオープニング(OPとも表記する)と、第2大入賞口32の開放が終了してから小当たり遊技が終了するまで大入賞口30、32が閉状態で保持されるエンディング(EDとも表記する)とで構成される。
小当たり遊技を構成する要素(小当たり遊技構成要素)は、当該小当たり遊技の契機となる停止表示された小当たり図柄の種別に対応付けられている。小当たり遊技構成要素には、第2大入賞口32の開放時間、オープニングの時間(小当たりオープニング時間)、エンディングの時間(小当たりエンディング時間)などが含まれている。
そして、小当たり遊技構成要素は、小当たり遊技を制御するための特別遊技制御テーブルに格納されている。特別遊技制御テーブルは、図14に示すように、小当たり図柄に対応付けられている。よって、主制御基板80は、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた特別遊技制御テーブルを用いて小当たり遊技を実行(制御)する。ここで、小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技について説明する。
小当たり図柄には、特図1抽選によって当選可能な(特図1可変表示で停止表示可能な)小当たり図柄1と、特図2抽選によって当選可能な(特図2可変表示で停止表示可能な)小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cとの4種類の小当たり図柄がある。
小当たり図柄1に応じた小当たり遊技では、4.600秒のオープニングの後、第2大入賞口32が開放し、1.6秒経過すると閉鎖する。すなわち、第2大入賞口32が1.6秒間開放する。そして、この第2大入賞口32の1回の開閉の後、3.000秒のエンディングを経て、小当たり遊技が終了する。
小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた小当たり遊技では、0.008秒のオープニングの後、第2大入賞口32が開放し、1.6秒経過すると閉鎖する。すなわち、第2大入賞口32が1.6秒間開放する。そして、この第2大入賞口32の1回の開閉の後、6.000秒のエンディングを経て、小当たり遊技が終了する。また、パチンコ遊技機1においては、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた小当たり遊技のオープニング時間が極端に短く、さらに第2大入賞口32の開放時間は遊技球を入球させるのに可能な時間であるが容易な時間ではなく、決して長くはなく基本的には短いことから、当該小当たり遊技が開始してから遊技球を発射させても第2大入賞口32に入球させることが困難または不可能である。言い換えると、第2大入賞口32は、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた小当たり遊技が開始してから遊技球を発射させて第2大入賞口32に入球させることが容易ではない位置もしくは困難な位置または不可能な位置に配されている。
このように小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技が実行されるが、小当たり遊技が開始されると、言い換えると、小当たりオープニングの開始から、振分装置36の振分部材36Kが、小当たり図柄の種別に関係なく、一定の動作態様で作動する。ここで、小当たり遊技における振分部材36Kの作動態様について説明する。
振分部材36Kは通常は、通過阻止状態で保持されているが、小当たりオープニングが開始されてから0.008秒(8ms)が経過すると、通過許可状態にされ、その状態が4.600秒(4600ms)保持された後、通過阻止状態に戻される。この結果、小当たり図柄1、2A〜2Cに応じた7.608秒の小当たり遊技において、振分部材36Kは、「0.008秒の通過阻止状態→4.6秒の通過許可状態→3.000秒の通過阻止状態」からなる一連の一定の作動態様で制御される。なお、特定領域34は、振分部材36Kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材36Kの作動態様は、特定領域34の開閉態様ということができる。以下において、振分部材36Kの作動態様のことを「特定領域34の開閉態様」ともいう。
このように、振分部材36Kが一定の作動態様(特定領域34が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材36Kの一定の作動態様(特定領域34の一定の開閉態様)と、小当たり遊技における第2大入賞口32の開閉態様との組み合わせで、小当たり遊技において遊技球を特定領域34に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。すなわち、小当たり図柄1に応じた小当たり遊技では、4.600秒の小当たりオープニングが行われた後に第2大入賞口32が1.6秒間開放するので、振分部材36Kが通過許可状態で保持されている期間と、第2大入賞口32が開放している期間とで重複する期間は、振分部材36Kの通過許可状態の最後の0.008秒間しかない。よって、小当たり図柄1に応じた小当たり遊技において、遊技球を特定領域34に進入させることは困難である。一方、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた小当たり遊技では、0.008秒のオープニングが行われた後に第2大入賞口32が1.6秒間開放するので、振分部材36Kが通過許可状態で保持されている期間と、第2大入賞口32が開放している期間とで重複する期間は、第2大入賞口32が開放している全期間の1.6秒である。よって、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた小当たり遊技において、遊技球を特定領域34に進入させることは容易である。このように、特定領域34の開閉態様と、第2大入賞口32の開閉態様との組み合わせによって、遊技球を特定領域34に進入させることの困難性(容易性)が設定される。以下において、遊技球が特定領域34に進入(特定領域34を通過)することを「V通過」ともいう。小当たり遊技中にV通過すると、当該小当たり遊技の終了に伴って、小当たり図柄に応じた大当たり遊技が実行される。また、特定領域34が開状態にあることを「V開放」ともいう。
なお、小当たり図柄1に応じた小当たり遊技ではV通過し難いことから、小当たり図柄1に応じた小当たり遊技を「V非通過小当たり遊技」といい、小当たり図柄1を「V非通過小当たり」ともいう。また、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた小当たり遊技ではV通過し易いことから、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた小当たり遊技を「V通過小当たり遊技」といい、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに「V通過小当たり」ともいう。
次に、大当たり遊技について説明する。前述の通り、大当たり遊技は、大当たり図柄が停止表示することによって(1種大当たりにより)、または、小当たり図柄が停止表示して実行された小当たり遊技において遊技球が特定領域34を通過することによって(2種大当たりにより)、実行される。
大当たり遊技は、第1大入賞口30の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまで大入賞口30、32が閉状態で保持されるオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまで大入賞口30、32が閉状態で保持されるエンディング(EDとも表記する)とで構成される。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における第1大入賞口30の開放回数、第1大入賞口30の開放時間、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間:OP時間)、エンディングの時間(エンディング時間:ED時間)などが含まれている。大当たり遊技構成要素は、大当たり遊技を制御するための特別遊技制御テーブルに格納されている。特別遊技制御テーブルは、図14に示すように、大当たり図柄および小当たり図柄毎に設定されている。
大当たり図柄1A、大当たり図柄1B、大当たり図柄2A、および、大当たり図柄2Bに応じた大当たり遊技においては、10.000秒のオープニングの後、15回のラウンド遊技が実行される。各ラウンド遊技において、閉鎖していた第1大入賞口30が最大29.5秒にわたって開放した後に再び閉鎖する。ここで「最大」となっているのは、1回のラウンド遊技において遊技球が所定の規定個数(入賞規定個数:第1実施形態では「9」個)大入賞口30、32に入賞すると、そのラウンド遊技において第1大入賞口30が29.5秒開放していなくてもその時点で強制的に閉鎖させられるからである。また、各ラウンド遊技においては、第1大入賞口30の開放が終了した後、2.0秒間閉鎖状態が保持される。この第1大入賞口30の開放後の閉鎖状態を「インターバル」ともいう。そして、ラウンド遊技が15回実行されると、15.000秒のエンディングを経て、大当たり遊技が終了する。
このように、大当たり図柄1A、大当たり図柄1B、大当たり図柄2A、および、大当たり図柄2Bに応じた大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は15回であり、実質的なラウンド遊技の回数も15回である。実質的なラウンド遊技とは、現実的に入賞規定個数まで遊技球を入賞させることが可能なラウンド遊技のことである。なお、以下において、大当たり図柄1A、大当たり図柄1B、大当たり図柄2A、大当たり図柄2B、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた大当たり遊技のことを、「15R大当たり遊技」という。
小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた大当たり遊技においては、小当たり遊技が終了した後、10.000秒のオープニングを挟んで、15回のラウンド遊技が実行される。なお、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた大当たり遊技については、小当たり遊技を1ラウンドと見なし、15回のラウンド遊技のうちの1回目のラウンド遊技から15回目のラウンド遊技を、2ラウンド〜16ラウンドとして取り扱う。その結果、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行回数は16回になる。小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた大当たり遊技の2ラウンド〜16ラウンドにおいて、第1大入賞口30は、最大29.5秒にわたって開放した後に閉鎖する。また、15R大当たり遊技と同様に、2ラウンド〜16ラウンドにおいては、第1大入賞口30の開放が終了した後、第1大入賞口30は2.0秒間の閉鎖状態で保持される。そして、ラウンド遊技が15回実行されると、15.000秒のエンディングを経て、大当たり遊技が終了する。
このように、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回である。そして、1ラウンドを構成する小当たり遊技における第2大入賞口32の開放時間は1.6秒であるので、当該小当たり遊技中、すなわち、1ラウンドにおいて、遊技球を第2大入賞口32に入賞規定個数入賞させることは困難である。したがって、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた大当たり遊技における実質的なラウンド遊技の回数は15回である。そこで、以下において、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた大当たり遊技のことも、「15R大当たり遊技」という。
小当たり図柄1に応じた大当たり遊技においても、小当たり遊技が終了した後、10.000秒のオープニングを挟んで、15回のラウンド遊技が実行され、10.000秒のエンディングを経て当該大当たり遊技が終了する。また、小当たり図柄1に応じた大当たり遊技においても、小当たり遊技を1ラウンドとして見なして、15回のラウンド遊技のうちの1回目のラウンド遊技〜15回目のラウンド遊技を、2ラウンド〜16ラウンドとして取り扱う。よって、小当たり図柄1に応じた大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行回数も16回になる。しかしながら、小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cに応じた15R大当たり遊技と異なって、1回のラウンド遊技で最大で29.5秒にわたって第1大入賞口30が開放するのは2ラウンドから6ラウンドまでであり、7ラウンドから16ラウンドまでは1回の開放で最大で0.1秒にわたって第1大入賞口30が開放する。この大当たり遊技の7ラウンドから16ラウンドまでは、第1大入賞口30の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口30への入賞が見込めないラウンド遊技となっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は5回である。そこで、小当たり図柄1に応じた大当たり遊技のことを、「5R大当たり遊技」ともいう。
以上のように大当たり遊技が行われると、主制御基板80は、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後の遊技状態を新たに設定する。具体的には、主制御基板80は、大当たり遊技の終了に伴って時短状態を設定する。ここで、新たに設定された時短状態は、その時短状態で大当たりに当選することなく、予め定められた所定回数(時短規定回数)の特図の可変表示が実行されることにより、または、時短規定回数の特図の可変表示が実行される前に大当たりに当選して大当たり遊技が実行されることにより、終了する。すなわち、時短規定回数は、新たに設定される時短状態の規定期間を構成し、当該時短状態の原因となる大当たり当選時の遊技状態と、当該大当たり当選に係る大当たり図柄種別または小当たり図柄種別とに基づいて設定される。具体的には、図15に示す時短規定回数判定テーブルに基づいて決定される。
大当たり図柄1Aまたは大当たり図柄2Aに当選した場合に設定される時短状態の時短規定回数は、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、100回である。また、大当たり図柄1Bまたは大当たり図柄2Bに当選した場合に設定される時短状態の時短規定回数は、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、5回である。
また、小当たり図柄1に当選した場合に設定される時短状態の時短規定回数は、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、5回である。また、小当たり図柄2Aに当選した場合に設定される時短状態の時短規定回数は、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、100回である。また、小当たり図柄2Cに当選した場合に設定される時短状態の時短規定回数は、大当たり当選時の遊技状態に関わらず、5回である。また、小当たり図柄2Bに当選した場合に設定される時短状態の時短規定回数は、大当たり当選時の遊技状態が非時短状態であれば100回であり、時短状態であれば5回である。
特図1についての大当たり図柄種別判定において、時短規定回数が相対的に多い大当たり図柄(大当たり図柄1A)の振分率が50%であるのに対して、特図2についての大当たり図柄種別判定において、時短規定回数が相対的に多い大当たり図柄(大当たり図柄2A)の振分率が70%である(図9(B)参照)。また、特図1についての大当たり判定において、小当たりに当選する確率が約1%であるのに対して、特図2についての大当たり判定において、小当たりに当選する確率が約16%である(図9(A)参照)。このようにパチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる特図1抽選よりも、第2始動口22に遊技球が入賞して行われる特図2抽選の方が、遊技者にとって有利に設定されている。
次に、第1実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の遊技状態として、通常の遊技状態である通常遊技状態と時短状態とがある。時短状態では、特図変動時間が、通常遊技状態よりも短くなり易い。具体的に、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われる(図10〜図11参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態では、普図変動時間が通常遊技状態よりも短くなり易い。第1実施形態では、普図変動時間は、遊技状態に関連付けられた普図変動パターン判定テーブルに基づいて決定される。具体的に、普図変動時間は、非時短状態においては1.0秒、30.0秒、または、25.0秒の何れかに決定され、時短状態においては1.0秒に決定される。よって、時短状態の方が、普図抽選の単位時間当たりの実行回数が多い。このことと、当たり判定において当たりと判定される確率は通常遊技状態と時短状態とで同一であることとを鑑みると、時短状態の方が単位時間当たりの補助遊技の実行回数が多いということができる。
さらに、時短状態では、1回の補助遊技における電チュー23の開放時間が通常状態よりも長くなり易い。これは、通常遊技状態では、1回の補助遊技で、70/65536の確率で5.0秒電チュー23が開放し、65446/65536の確率で0.02秒電チュー23が開放する結果、電チュー23の開放時間の期待値が、5.0秒×(70/65536)+0.02秒×(65446/65536)=0.025秒であるのに対し、時短状態における1回の補助遊技での電チュー23の開放時間は3.0秒であるからである。
このように時短状態では、通常遊技状態に比して、単位時間当たりの電チュー23の開放時間が長くなり、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。
なお、時短状態では、通常遊技状態に比して、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー23の開放時間が長くなり易く、普図に係る遊技について2つの点で、遊技者に有利に設定されているが、この遊技者に有利に設定されているのは何れか一方であってもよい。また、これらに加えて、または、これらの有利な点が設定されておらずに、時短状態の方が通常遊技状態よりも当たり判定で当たりと判定される確率が高くなるようにしてもよい。最終的に、時短状態では、通常遊技状態に比して、単位時間当たりの電チュー23の開放時間が長くなり、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞し易くなればよい。また、通常遊技状態のことを時短状態が設定されていない「非時短状態」ともいう。そして、パチンコ遊技機1においては、普通図柄の当たり判定における当たりの当選確率、当たり図柄種別判定における当たり図柄Aの当選確率、普図変動時間、補助遊技における第2始動口22の開放時間、遊技用くぎの配列、並びに、第1始動口20および第2始動口22の位置などの第1始動口20や第2始動口22への入賞に影響を与えるすべての要素を考慮すると、非時短状態(通常遊技状態)においては第2始動口22(電チュー23)よりも第1始動口20の方が入賞させ易く、時短状態においては第1始動口20よりも第2始動口22(電チュー23)の方が入賞させ易くなるよう構成されている。
なお、パチンコ遊技機1で初めて電源投入された後の遊技状態は、「通常遊技状態」である。また、大当たり遊技中は、遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、大当たり遊技の開始に伴って、遊技状態がリセットされて、通常遊技状態が設定される。
4.サブ制御基板90による演出の説明
前述のように、主制御基板80は、遊技球が始動口20、22に入賞することによって、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技などを行う。そして、サブ制御基板90は、これらの主制御基板80が行う遊技の内容に応じて、種々の演出を実行する。以下に、サブ制御基板90により行われる種々の演出の具体例について図16〜図37を用いて説明する。なお、図16〜図36では、各種演出を説明するために、パチンコ遊技機1の表示部7aを部分的に簡略化して抽出している。
4−1.特図変動演出
最初に、特図変動演出について説明する。サブ制御基板90は、特別図柄の可変表示が開始されると、特別図柄の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を制御する。特図変動演出では、表示部7aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の可変表示が行われる。演出図柄の可変表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。演出図柄の変動表示が行われているときには、大当たりに当選したことの可能性(所謂「大当たり期待度」)が示唆されることがある。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
特図変動演出の演出内容は演出モードに関連づけられている。演出モードは、特図変動演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。第1実施形態では、演出モードとして、通常演出モードと、時短演出モードとが設定されている。よって、特図変動演出には、通常演出モードによる特図変動演出と、時短演出モードによる特図変動演出とがある。
通常演出モードは、通常遊技状態において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。通常演出モードが設定されているときに、表示部7aにおいて山の背景画像が表示される。一方、時短演出モードは、時短状態において設定可能な演出モードであり、時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードが設定されているときに、表示部7aにおいて宇宙の背景画像が表示される。ここでの背景画像というのは、主に、特別変動演出におけるLリーチ、SPリーチ、および、後述するVへの挑戦演出以外の演出、言い換えると、通常変動演出における全区間と、リーチが成立する特別変動演出におけるLリーチまたはSPリーチ前(特図変動演出の開始からリーチまでの区間+Nリーチ中)までの区間と、特図変動演出およびデモ演出が実行されていないときの背景画像のことである。後述するように、Lリーチ、SPリーチ、および、Vへの挑戦演出では、その演出に専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおける背景画像には、図16に示すように、昼間の山の景色を表す背景画像G100(昼間通常用背景画像G100)と、夜間の山の景色を表す背景画像G101(夜間通常用背景画像G101)と、夕方の山の景色を表す背景画像G102(夕方通常用背景画像G102)と、がある。そして、昼間通常用背景画像G100と、夜間通常用背景画像G101と、夕方通常用背景画像G102とは、その通常用背景画像が表示されているときに、大当たりに当選することなく50回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。第1実施形態では、昼間通常用背景画像G100が表示されているときに50回の特図変動演出が行われると昼間通常用背景画像G100から夕方通常用背景画像G102に切り替わり、夕方通常用背景画像G102が表示されているときに50回の特図変動演出が行われると夕方通常用背景画像G102から夜間通常用背景画像G101に切り替わり、夜間通常用背景画像G101が表示されているときに50回の特図変動演出が行われると夜間通常用背景画像G101から昼間通常用背景画像G100に切り替わる。つまり、昼間通常用背景画像G100→夕方通常用背景画像G102→夜間通常用背景画像G101→昼間通常用背景画像G100・・・と、所定の順序で通常用背景画像が切り替わっていく。なお、パチンコ遊技機1の電源が投入された直後は、昼間通常用背景画像G100が表示される。
次に、表示部7aにおいて演出を行う領域について説明する。図17(A)に示すように、表示部7aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側をそれぞれ、左側演出図柄領域70a1、中央演出図柄領域70a2、および右側演出図柄領域70a3とする。左側演出図柄領域70a1は、特図変動演出における通常演出およびNリーチと、演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中央演出図柄領域70a2および右側演出図柄領域70a3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図17(A)に示すように、表示部7aの右端部を鉛直方向に3つに略均等に分けた中央および上側をそれぞれ、特図1対応小図柄領域71aおよび特図2対応小図柄領域72aとする。特図1対応小図柄領域71aは、特図1可変表示が行われているときに小図柄KZ1、KZ2、KZ3を可変表示する領域である。また、特図2対応小図柄領域72aは、特図2可変表示が行われているときに小図柄を可変表示する領域である。
なお、図17(A)において、左側演出図柄領域70a1、中央演出図柄領域70a2、右側演出図柄領域70a3、特図1対応小図柄領域71aおよび特図2対応小図柄領域72aは破線で明示されているが、これは左側演出図柄領域70a1、中央演出図柄領域70a2、右側演出図柄領域70a3、特図1対応小図柄領域71aおよび特図2対応小図柄領域72aの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、特図変動演出の具体例について説明する。ただし、以下において、通常演出モードが設定されており、表示部7aに昼間通常用背景画像G100が表示されているときに行われる特図変動演出について説明する。例えば、図17(A)に示すように、表示部7aにおいて、昼間通常用背景画像G100の上に、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されると共に、上小図柄KZ1、中小図柄KZ2および下小図柄KZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の変動表示を待機している状態から、特別図柄の変動表示が開始されると、図17(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示が開始されると共に、上小図柄KZ1、中小図柄KZ2および下小図柄KZ3の変動表示が開始される。そして、この新たに開始された特別図柄の変動表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常Aハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われる。演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図17(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に図17(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、図17(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止する。そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が、図17(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われる)。仮停止していた演出図柄EZ1、EZ2、EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1、KZ2、KZ3が、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1、KZ2、KZ3の停止表示も行われる。
なお、図17の例では、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
次に、リーチが発生する場合の特図変動演出について説明する。この場合も前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部7aにおいて、図18(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、上小図柄KZ1、中小図柄KZ2および下小図柄KZ3が停止表示されている状態から、特別図柄の変動表示が開始されて、図18(B)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示が開始すると共に、上小図柄KZ1、中小図柄KZ2および下小図柄KZ3の変動表示が開始するとする。そして、例えば図18(C)に示すように、数字「5」からなる左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に、図18(D)に示すように、同一の数字「5」からなる右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生または成立する)。演出図柄でリーチが成立しても、上小図柄KZ1、中小図柄KZ2および下小図柄KZ3の変動表示は継続して行われている。
なお、図18の例では、リーチが発生する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
次に、リーチが成立した後に、リーチが保持された状態で行われる演出(リーチ演出)について説明する。図18(D)に示すように、リーチが成立すると、その時点からNリーチが開始される。Nリーチでは、図19(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
ここで、実行中の特図変動演出がNリーチで終了する場合は、このNリーチの状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止して特図抽選の結果に応じた演出図柄の停止表示が行われる。実行中の特図変動演出が起因する特図抽選の抽選結果が「ハズレ」であると、ハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。この特図変動演出では、リーチが発生しているので、図19(B)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図19(B−1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図19(C−1)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。また、仮停止していた演出図柄EZ1、EZ2、EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1、KZ2、KZ3が、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1、KZ2、KZ3の停止表示も行われる。
一方、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であり、特図変動演出がNリーチで終了する場合は、図19(B−2)に示すように、例えば、リーチを構成する数字と同一の数字からなる中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止し、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図19(C−2)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、ゾロ目などの大当たりに特有な当たり目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。また、仮停止していた演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が大当たりに特有な当たり目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1、KZ2、KZ3が、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3と同一の大当たりに特有な当たり目で一斉に停止し、小図柄KZ1、KZ2、KZ3の停止表示も行われる。
また、Nリーチで終了しない場合、言い換えれば、LリーチやSPリーチに発展する場合は、例えばNリーチで終了する場合の中演出図柄EZ2が仮停止するタイミングと大体同じタイミングで、中演出図柄EZ2が再び通常態様の(高速で)変動表示を行い、LリーチやSPリーチへ突入する。
NリーチからLリーチに発展すると、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部7aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部7aの右上に移動する(図20(A−1)参照)。また、昼間通常用背景画像G100からLリーチ専用の背景画像G105に切り替わる(図20(A−1)参照)。Lリーチ専用の背景画像G105は、街中で主人公キャラと敵キャラとがバトルする2DCGによる映像(シーン)で構成されている。一方、NリーチからSPリーチに発展する場合も、Lリーチと同様に、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部7aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部7aの右上に移動する(図20(A−2)参照)。また、昼間通常用背景画像G100からSPリーチ専用の背景画像G106に切り替わる(図20(A−2)参照)。SPリーチ専用の背景画像G106は、敵のアジトで主人公キャラと敵キャラとがバトルする3DCGによる映像(シーン)で構成されている。
そして、ハズレであると、最終的には図20(B−1)に示すように、Lリーチ専用の背景画像G105またはSPリーチ専用の背景画像G106から昼間通常用背景画像G100に切り替わると共に、ハズレを示す演出図柄の停止表示(演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示および小図柄KZ1、KZ2、KZ3の停止表示)が行われ、次の特図変動演出が行われる。一方、大当たりであると、最終的には図20(B−2)に示すように、Lリーチ専用の背景画像G105またはSPリーチ専用の背景画像G106から昼間通常用背景画像G100に切り替わると共に、大当たりを示す演出図柄の停止表示(演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示および小図柄KZ1、KZ2、KZ3の停止表示)が行われ、大当たり遊技演出が行われる。
4−2.保留演出
次に、特図1保留に応じた保留演出について説明する。なお、保留演出の説明において、小図柄KZ1〜KZ3の表示や説明は省略するものとする。
前述したように、第1始動口20に遊技球が入賞し、特図1関係乱数を取得したとしても、その時に特図可変表示が実行されている場合、または、特別遊技が実行されている場合は、その取得した特図1関係乱数に基づいて即座に特図1可変表示を行うことができない。そのような場合は、主制御基板80は、特図1関係乱数をRAM84の特図1保留記憶部851に記憶し、特図1可変表示を保留する。特図1可変表示が保留されると、言い換えれば、特図1保留が発生すると、サブ制御基板90は、当該特図1保留を表す保留演出を行う。具体的には、主制御基板80は、取得した特図1関係乱数に基づいて、当否情報や特図変動パターン情報などを含む始動入賞コマンドを特定して、サブ制御基板90に送信する。サブ制御基板90は、送信された始動入賞コマンドに基づいて保留演出を実行する。
保留演出は、図21(A)に示すように、表示部7aの下端部における略中央の一区画に形成された保留表示領域73aにおいて行われる。保留表示領域73aは、保留表示領域73aを左右方向に4つに略均等に分割した第1領域73a1、第2領域73a2、第3領域73a3、および、第4領域73a4で構成されている。すなわち、保留表示領域73aにおいて、第1領域73a1〜第4領域73a4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。第1領域73a1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域73a2〜第4領域73a4には、保留されている特図1保留の中で2〜4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて2〜4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。なお、以下において、第1領域73a1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域73a2、第3領域73a3、および第4領域73a4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」〜「保留順4」と称する。
また、保留表示領域73aの左隣には、当該変動表示領域74aが形成されている。当該変動表示領域74aには、現在実行中の特図1変動表示を表す変動アイコンが表示される。よって、当該変動表示領域74aに表示される変動アイコンが示す対象は、保留表示領域73aに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と変動アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と変動アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと変動アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。
なお、図21(A)において保留表示領域73aおよび当該変動表示領域74aは破線で明示されているが、これは保留表示領域73aおよび当該変動表示領域74aの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、以下の保留演出と後述するVへの挑戦演出の説明については、保留表示領域73aおよび当該変動表示領域74aは記載しない。
次に、保留演出の具体例について説明する。前提として、現在、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図21(B)に示すように、前述した不図示の第1領域73a1において、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留(保留順1の特図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域73a2において、保留アイコンHA2が表す特図1保留の次に発生した特図1保留(保留順2の特図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該変動表示領域74aには、現在実行中の特図1変動表示を表す変動アイコンHA1が表示されている。なお、図21(B)で表示されているアイコンHA1〜HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域73aの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部85に記憶されている特図関係乱数に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図21(C)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた変動アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、第1領域73a1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該変動表示領域74aに移動し、第2領域73a2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域73a1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3を現在の状況に適応させるためである。
また、当該変動表示領域74aに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該変動表示領域74aに表示される際に変動アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域73aに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該変動表示領域74aに表示されているアイコンについては「変動」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが変動アイコンとして表示される。また、保留アイコンから変動アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域73aから当該変動表示領域74aに移動する際に、約2倍に拡大する。
そして、この状況から第1始動口20に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図21(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域73a2に表示される。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、サブ制御基板90は、始動入賞コマンドに基づいて保留演出を実行するが、当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様で表示するか、特別態様で表示するかを判定する。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留変化予告」という。保留変化予告は、特別図柄の可変表示が保留されている事前の段階から大当たり期待度を示唆する演出(所謂「先読み演出」)である。サブ制御基板90は、当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、所定の確率で保留アイコンの表示態様を特別態様にする。このように、保留アイコンの表示態様が特別態様であると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。そして、第1実施形態では、保留変化予告の演出種別は3種類設けられている。次に、保留変化予告について説明する。保留変化予告の具体例として、図21(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留変化予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口20への入賞時)に保留変化予告が行われる保留変化予告種別がある。例えば、図22(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図21(D)の状況)から、第1始動口20に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図22(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図22(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域73a2に表示されるが、その直後に、図22(C)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図22(C)において灰色)に変化する(保留変化予告が行われる)。なお、図22の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
次の保留変化予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留のシフト時に保留変化予告が行われる保留変化予告種別がある。例えば、図23(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図21(D)の状況)から、第1始動口20に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図23(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図23(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域73a2に表示される。そして、図23(C)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた変動アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図23(D)に示すように、第1領域73a1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該変動表示領域74aに移動し、第2領域73a2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域73a1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域73a2から第1領域73a1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(図23(D)において灰色)に変化する(保留変化予告が行われる)。
次の保留変化予告の種別として、保留アイコンが所定位置で停滞しているときに、換言すれば、特図変動表示が開始してから保留アイコンの移動が終わった後に、他の画像からアクションを受けることで特別態様になる保留変化予告種別がある。例えば、図24(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図21(D)の状況)から、第1始動口20に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図24(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図24(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域73a2に表示される。そして、図24(C)に示すように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた変動アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて新たな特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図24(D)に示すように、第1領域73a1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該変動表示領域74aに移動し、第2領域73a2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域73a1に移動する。
新たな特図変動演出が開始されてから1秒が経過した時に、図24(E)に示すように、表示部7aの右上隅部あたりから、小型飛行物体を表す画像G1(小型飛行物体画像G1)が出現し、水平方向左方へ移動する。次に、図24(F)に示すように、小型飛行物体画像G1が、保留アイコンHA4の真上辺りに差し掛かったときに、小型飛行物体画像G1から保留アイコンHA4に向けて、閃光を表す画像(閃光画像G2)が発射される。そして、図24(G)に示すように、閃光画像G2が保留アイコンHA4に衝突したときに、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図24(D)において灰色)に変化し(保留変化予告が行われ)、図24(H)に示すように、小型飛行物体画像G1が表示部7aの左上隅部からフェードアウトしていく。
以上のように、特図1保留の発生時(入賞時)に保留変化予告が行われる保留変化予告種別と、特図1保留のシフト時に保留変化予告が行われる保留変化予告種別と、特図変動表示が開始してから保留アイコンの移動が終わった後に行われる保留変化予告種別とがある。以下において、入賞時に行われる保留変化予告を入賞時保留変化予告と称し、シフト時に行われる保留変化予告をシフト時保留変化予告と称し、シフトが終わった後に行われる保留変化予告を変動中保留変化予告と称する。
また、詳細な説明は省略するが、変動中保留変化予告の場合と同様に、小型飛行物体画像G1が出現して水平方向左方へ移動するが、閃光画像G2が発射されることなく、表示部7aの左上隅部からフェードアウトすることがある。すなわち、小型飛行物体画像G1が出現するが、変動中保留変化予告が行われない場合がある。よって、小型飛行物体画像G1が出現しただけでは、変動中保留変化予告が行われるとは限らない。このように、小型飛行物体画像G1を出現させることによって、遊技者の保留変化予告に対する期待感を高めさせることができる。以下において、小型飛行物体画像G1が出現して、閃光画像G2を発射する位置程度まで水平方向左方へ移動し、保留変化予告が行われる可能性があることを示唆する演出のことを「保変予兆演出」ともいう。また、保変予兆演出が行われたが、変動中保留変化予告が行われなかったことを「変動中保留変化予告ガセ」ともいう。
4−3.Vへの挑戦演出
次に、通常演出モードにおいて実行可能なVへの挑戦演出について説明する。Vへの挑戦演出は通常演出モードにおいて実行可能であり、時短状態よりも遊技者に不利な通常遊技状態(非時短状態)において、最終的には特図2抽選による小当たり当選に向かう演出、言い換えれば、V通過小当たり遊技の実行に対して期待を持たせる演出である。Vへの挑戦演出は、主に、先に行われるVへの挑戦演出前半と、Vへの挑戦演出前半の後に実行されるVへの挑戦演出後半とで、構成されている。Vへの挑戦演出前半の演出内容と、Vへの挑戦演出後半の演出内容とは関連している。Vへの挑戦演出前半は、FHP2(当たり図柄A)の普図変動表示またはFHP3(当たり図柄B)の普図変動表示を契機に行われ、V通過小当たり遊技の前提となる当たり図柄Aに応じた補助遊技(ロング開放補助遊技)を実行させることができるか否かの演出(電チュー23のロング開放をかけた演出)である。Vへの挑戦演出後半は、当たり図柄Aに応じた補助遊技において電チュー23に遊技球が入球することにより行われる特図2可変表示を契機に行われ、基本的には小当たり遊技を実行させることができるか否かの演出(V通過をかけた演出)である。ここで、図25を用いて、Vへの挑戦演出の演出フローについて説明する。
Vへの挑戦演出前半はFHP2(当たり図柄A)の普図変動表示またはFHP3(当たり図柄B)の普図変動表示(以下、これらの普図変動表示を「特定普図変動表示」という)が行われているときに行われるが、その特定普図変動表示が開始されると、Vへの挑戦演出前半が行われる前にまずは、Vへの挑戦演出が実行されるか否かの、言い換えれば、Vへの挑戦演出が実行される可能性があることを示唆する(Vへの挑戦演出をかけた)前兆演出が行われる。なお、特定普図変動表示の開始に伴って前兆演出が行われると、その後に必ずVへの挑戦演出が行われるが、前兆演出は、通常Aハズレ変動または通常Bハズレ変動の開始に伴っても実行される。ただし、この場合は、前兆演出の後に続けてVへの挑戦演出は実行されない。すなわち、前兆演出が行われてもVへの挑戦演出が実行されるとは限らない。これは、前兆演出が行われた後に必ずVへの挑戦演出が行われるようにすると、前兆演出が実行されたことによって、Vへの挑戦演出が行われることが明らかになり、前兆演出の演出効果が低下するからである。以下において、通常Aハズレ変動または通常Bハズレ変動の開始に伴っても実行され、その後にVへの挑戦演出が行われない前兆演出のことを「前兆演出ガセ」と称する。
前兆演出の後に、Vへの挑戦演出前半が行われると最初に、ファーストチャレンジ演出が行われる。ファーストチャレンジ演出は、最初の挑戦をクリアできるか否か(最初の挑戦に成功するか失敗するか)の演出である。最初の挑戦に成功すると、Vへの挑戦演出後半に進むことが可能となり、最初の挑戦に失敗すると、Vへの挑戦演出後半に進むことができず、Vへの挑戦演出が終了する。普図変動表示の後に電チュー23がロング開放するFHP2の普図変動表示において最初の挑戦に成功するVへの挑戦演出前半(Vへの挑戦演出前半成功)が行われ、普図変動表示の後に電チュー23がショート開放するFHP3の普図変動表示において最初の挑戦に失敗するVへの挑戦演出前半(Vへの挑戦演出前半失敗)が行われる。
Vへの挑戦演出前半成功において、ファーストチャレンジ演出が終了すると、次に、引き続いて、電チュー23へ向けて遊技球を発射させることを促す電チュー発射促進演出が行われる。これは、電チュー発射促進演出の開始後に電チュー23がロング開放する(ロング開放補助遊技が行われる)ので、遊技者に電チュー23がロング開放する機会を逃させないためである。なお、電チュー発射促進演出は、FHP2(当たり図柄A)の普図変動表示において行われるが、当該普図変動表示の後に行われるロング開放補助遊技においても行われる。すなわち、電チュー発射促進演出は、FHP2(当たり図柄A)の普図変動表示とロング開放補助遊技とにかけて行われる。換言すれば、電チュー発射促進演出は、FHP2(当たり図柄A)の普図変動表示が終了する前に開始し、ロング開放補助遊技の途中で終了する。
ロング開放補助遊技において、電チュー23に遊技球が入球できなかった場合、当該入球できなかったことに応じた電チュー非入賞演出が行われてVへの挑戦演出前半(Vへの挑戦演出)が終了する。
ロング開放補助遊技において、電チュー23に遊技球が入球すると、当該入球に基づいて、特図2可変表示が実行され、当該特図2可変表示に応じてVへの挑戦演出後半が行われる。そして、Vへの挑戦演出前半とVへの挑戦演出後半との間に、それらの演出をつなぐためのつなぎ演出が行われる。つなぎ演出は、先に行われる補助遊技中つなぎ演出と、補助遊技中つなぎ演出の後に実行可能な特図1変動中つなぎ演出と、で構成される。
補助遊技中つなぎ演出は、電チュー23へ遊技球が入球したことによって行われ、ロング開放補助遊技が終了するまで行われる。特図1変動中つなぎ演出は、ロング開放補助遊技が終了してから、その後に特図2変動表示の開始条件が成立するまで行われる。特図2変動表示の開始条件は、特図1可変表示および特別遊技が行われていないこと、または、特図1保留数が1以上である場合に現在実行中の特図1可変表示が終了することである。なお、ロング開放補助遊技が終了する前に特図2変動表示の開始条件が成立していると、電チュー23に遊技球が入球してすぐに特図2可変表示が開始されるので、補助遊技中つなぎ演出および特図1変動中つなぎ演出は行われない。
Vへの挑戦演出後半が行われると、最初に、ラストチャレンジ演出が行われる。ラストチャレンジ演出は、建前上(基本的には)最後の挑戦をクリアできるか否か(最後の挑戦に成功するか失敗するか)の演出である。建前上最後の挑戦(ラストチャレンジ)に成功すると、小当たり遊技が行われるため、VAT33への遊技球の発射を促進するVAT発射促進演出が行われて、Vへの挑戦演出後半が終了する。最後の挑戦に失敗すると、そのまま特図2変動表示の終了に伴ってVへの挑戦演出後半が終了する場合と、すぐに特図2変動表示が終了せずに復活チャレンジ演出が行われる場合とに分岐する。
復活チャレンジ演出では、本当に(例外的に)最後の挑戦をクリアできるか否か(最後の挑戦に成功するか失敗するか)の演出である。本当に最後の挑戦(ラストチャレンジ)に成功すると、小当たり遊技が行われるため、VAT発射促進演出が行われて、Vへの挑戦演出後半が終了する。最後の挑戦に失敗すると、そのまま特図2変動表示の終了に伴ってVへの挑戦演出後半が終了する。
このように、Vへの挑戦演出後半において、最後の挑戦に成功することと失敗することとがあるが、復活チャレンジ演出の有無に関係なく、最終的に最後の挑戦に成功するVへの挑戦演出後半を「Vへの挑戦演出後半成功」と称し、最終的に最後の挑戦に失敗するVへの挑戦演出後半を「Vへの挑戦演出後半失敗」と称する。また、復活チャレンジ演出が行われないVへの挑戦演出後半成功のことを「通常Vへの挑戦演出後半成功」と称し、復活チャレンジ演出が行われるVへの挑戦演出後半成功のことを「復活Vへの挑戦演出後半成功」と称す。復活チャレンジ演出が行われないVへの挑戦演出後半失敗のことを「通常Vへの挑戦演出後半失敗」と称し、復活チャレンジ演出が行われるVへの挑戦演出後半失敗のことを「復活Vへの挑戦演出後半失敗」と称す。復活チャレンジ演出が行われないVへの挑戦演出後半のことを「通常Vへの挑戦演出後半」と称し、復活チャレンジ演出が行われるVへの挑戦演出後半のことを「復活Vへの挑戦演出後半」と称す。そして、Vへの挑戦演出後半成功は、大当たり変動または小当たり変動の特図2変動表示で行われ、Vへの挑戦演出後半失敗は、ハズレ変動の特図2変動表示で行われる。
以上のように、普図変動表示および補助遊技において前兆演出およびVへの挑戦演出前半が行われ、特図2変動表示においてVへの挑戦演出後半が行われるが、前兆演出およびVへの挑戦演出前半において普図変動表示が行われている部分を「普図変動演出」ともいい、Vへの挑戦演出前半において補助遊技が行われている部分を「補助遊技演出」ともいう。また、Vへの挑戦演出後半のことを「特図2変動演出」ともいう。
次に、Vへの挑戦演出の具体例について説明する。Vへの挑戦演出の具体例の前提として、図37に示すタイムチャートのように遊技が進行する(様々な事象が発生する)ものとする。最初に、図26(A)に示すように、特図1変動表示中であり(図37における特図1変動表示(1))、それに伴って、昼間通常用背景画像G100に重畳的に演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示および小図柄KZ1〜KZ3の変動表示が行われ、変動アイコンHA1が表示されているとする。また、特図1保留数が3であり、通常態様の保留アイコンHA2〜HA4が表示されているとする。さらに、このとき、普図可変表示および補助遊技は実行されていないものとする。また、アイコンHA1〜HA4に係る特図1判定結果は「リーチ無しハズレ」であるとする。
そして、この状況において、遊技球が左ゲート281を通過したとすると、普図抽選が行われ、普図変動表示が開始される。ここでの普図抽選の結果が当たりAまたは当たりBであると、普図変動表示の開始と共に前兆演出が行われる。前述の通り、前兆演出は、Vへの挑戦演出をかけた演出である。前兆演出が開始されると、最初に、図26(B)に示すように、表示部7aにおいて、昼間通常用背景画像G100から前兆演出に専用の前兆演出用第1背景画像G110に切り替わると共に、演出図柄EZ1〜EZ3およびアイコンHA1〜HA4が非表示になる。また、前兆演出用第1背景画像G110と共に、「Vへの挑戦」というVへの挑戦演出に関連づけられたタイトルを表す文字を縁取ったタイトル画像G9が表示される。なお、前兆演出用第1背景画像G110の態様は適宜に設定されるが、第1実施形態では、赤色の単色背景で構成されている。また、タイトル画像G9は白色で構成されている。
前兆演出において次に、図26(C)に示すように、前兆演出用第1背景画像G110に替わって、前兆演出用第1背景画像G110と異なる別の前兆演出に専用の前兆演出用第2背景画像G111が表示される。すなわち、前兆演出用第1背景画像G110から前兆演出用第2背景画像G111に切り替わる。なお、前兆演出用第2背景画像G111の態様は適宜に設定されるが、第1実施形態では、青色の単色背景で構成されている。
また、表示部7aにおいて前兆演出用第2背景画像G111に重畳的に横長矩形状の縮小画面画像G10が表示されると共に、縮小画面画像G10の中に、その直前まで表示部7aに表示されていた前兆演出用第1背景画像G110が表示される。すなわち、縮小画面画像G10の表示に伴って、前兆演出用第1背景画像G110が縮小画面画像G10の中に移動したように見える。ここでの描画処理としては、縮小画面画像G10および前兆演出用第1背景画像G110を、前兆演出用第2背景画像G111およびタイトル画像G9よりも上位(表層側)のレイヤーで表示している。すなわち、前兆演出用第2背景画像G111およびタイトル画像G9は、縮小画面画像G10および前兆演出用第1背景画像G110の範囲を欠いて描画(表示)されているのではなく、縮小画面画像G10の下層側で、縮小画面画像G10および前兆演出用第1背景画像G110の範囲も何かしらが描画(表示)されている。その結果、前兆演出用第2背景画像G111およびタイトル画像G9の縮小画面画像G10および前兆演出用第1背景画像G110と重なる範囲が縮小画面画像G10および前兆演出用第1背景画像G110によって隠されている。
このように、縮小画面画像G10が表示されたことにより、表示部7aにおいて、縮小画面画像G10の中で表示される表示部7aの一部分と、縮小画面画像G10の下層側で表示部7aにおける全範囲で表示される部分との2つの表示部が形成されたことになる。以下において、縮小画面画像G10の中で表示される部分を「特別領域」と称し、縮小画面画像G10の下層側で表示部7aにおける全範囲で表示される部分を「通常領域」と称する。
次に、図26(D)に示すように、図26(C)の状態から、前兆演出用第1背景画像G110を含んだ縮小画面画像G10が左下隅に吸い寄せられるように移動しながら縮小する。このとき、前兆演出用第1背景画像G110を含んだ縮小画面画像G10の縮小に伴ってタイトル画像G9が徐々に現れる。そして、前兆演出用第1背景画像G110を含んだ縮小画面画像G10の縮小が所定程度(例えば、タイトル画像G9の一部分(数分の1)が現れる程度)進んだ後に、Vへの挑戦演出が実行されるか否かに分岐する。すなわち、縮小画面画像G10の縮小が所定程度進んだ時点が、この前兆演出の後にVへの挑戦演出が実行されるか否かの分岐点となる。
ここで、Vへの挑戦演出が実行される場合は、図26(D)に示すような状態の後に、図27(A−1)に示すように、前兆演出用第1背景画像G110を含んだ縮小画面画像G10の縮小がタイトル画像G9のほぼ全体が現れる程度まで一気に進み、図27(B−1)に示すように、タイトル画像G9の縁取られた内側が赤色で塗りつぶされるように、Vへの挑戦演出が実行される(Vへの挑戦演出に突入する)ことを報知する画像G11(Vへの挑戦演出実行報知画像G11:図27(B−1)において「Vへの挑戦」)が表示される。このような、タイトル画像G9のほぼ全体が現れる程度まで縮小画面画像G10の縮小が進むことと、Vへの挑戦演出実行報知画像G11の表示が、Vへの挑戦演出が実行される(Vへの挑戦演出に突入する)ことを報知する演出(Vへの挑戦演出実行報知演出)を構成している。
一方、Vへの挑戦演出が実行されない場合、すなわち、実行中の前兆演出が前兆演出ガセであった場合は、図26(D)に示すような状態の後、縮小画面画像G10が全体で右斜め上方に拡大していき、最終的には、図27(A−2)に示すように、縮小画面画像G10が表示部7aの全範囲を覆い尽くした後に、昼間通常用背景画像G100、演出図柄EZ1〜EZ3およびアイコンHA1〜アイコンHA4が表示される。すなわち、表示部7aについて、特別領域と通常領域とが形成された特別状態から元の通常状態に戻る。このような前兆演出用第1背景画像G110を含んだ縮小画面画像G10の拡大(表示部7aの特別状態の終了)が、前兆演出ガセであったことを報知する演出(前兆演出ガセ報知演出)、言い換えれば、Vへの挑戦演出が実行されない(Vへの挑戦演出に突入しない)ことを報知する演出(Vへの挑戦演出不実行報知演出)を構成する。なお、ここで説明している具体例では、この演出図柄EZ1〜EZ3が出現するタイミングで特図1変動表示が行われているので、表示された演出図柄EZ1〜EZ3も変動している。
前兆演出ガセが終わった後は、通常通りに(前兆演出が行われない場合と同様に)、演出が進行する。よって、例えば、図27(B−2)に示すように、ハズレ特図の停止表示のタイミングで、リーチ無しハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われると共に、変動アイコンHA1が消去され、図27(C−2)に示すように、特図1変動表示の開始(図37における特図1変動表示(2))に伴って、演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の変動表示が行われ、アイコンHA1〜アイコンHA4が1つ左にシフトする。
なお、図26(B)〜図26(D)に示すように、縮小画面画像G10が出現してから縮小画面画像G10の縮小がタイトル画像G9の一部分を隠す所定程度まで進んでいる分岐点までが前兆演出を構成している。また、図26(D)に示すような縮小画面画像G10の縮小が所定程度進んだ状態は所定時間(第1実施形態では2秒)維持される。この維持によって、縮小画面画像G10がさらに縮小されて、Vへの挑戦演出に突入することができるか否かを煽っている。
Vへの挑戦演出実行報知演出が行われると、Vへの挑戦演出、詳細には、Vへの挑戦演出前半のファーストチャレンジ演出に突入する。ファーストチャレンジ演出に突入すると、前兆演出用第2背景画像G111からファーストチャレンジ演出に専用の背景画像G112(ファーストチャレンジ用背景画像G112)に切り替わる。また、Vへの挑戦演出前半に突入すると、最初は、ファーストチャレンジ演出の演出内容である最初の挑戦の内容を説明する画像G12(ファーストチャレンジ内容説明画像G12:図27(C−1)において「ファーストチャレンジ ロゴに変身せよ」)が表示部7aに表示される。第1実施形態では、最初の挑戦として、主人公キャラクタ「ロゴ」が変身することが設定されている。よって、図27(C−1)に示すように、ファーストチャレンジ用背景画像G112において、変身していない主人公キャラクタ「ロゴ」が表示される。
ファーストチャレンジ内容説明画像G12は、複数種類の色で表示される。その色として、赤色、緑色および白色が設定されている。このファーストチャレンジ内容説明画像G12を表す色は、ファーストチャレンジ演出の演出態様(演出パターン:ファーストチャレンジ演出パターン)を構成している。そして、ファーストチャレンジ内容説明画像G12の色は、最初の挑戦に成功することの期待度、換言すると、当たり図柄Aの普図変動表示であることの期待度(ロング開放補助遊技の実行に対する期待度)を示唆する。ファーストチャレンジ内容説明画像G12の色が示唆するロング開放補助遊技の実行に対する期待度は、赤色>緑色>白色の順で高い。
ここで、Vへの挑戦演出前半が開始されたときに、特図1保留数≧1であること、または、特図1保留数=0且つ特図1変動表示中であることを条件に、Vへの挑戦演出実行報知演出の際に表示部7aに表示されていた縮小画面画像G10が継続して表示される(特別領域が継続して形成される)。ただし、縮小画面画像G10の中では、Vへの挑戦演出が開始された後は、Vへの挑戦演出が行われなかった場合に表示部7aにおいて行われる特図変動演出および保留演出が行われる。そして、ここでの特図変動演出には、特図1可変表示に応じた小図柄KZ1〜KZ3の可変表示は含まれない。特図1可変表示に応じた小図柄KZ1〜KZ3の可変表示は、前兆演出およびVへの挑戦演出の実行中も、それらの演出の影響を受けることなく、特図1対応小図柄領域71aにおいて実行される。
よって、図27(C−1)に示すように、特別領域である縮小画面画像G10においては、昼間通常用背景画像G100の上から、演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示およびアイコンHA2〜HA4の表示が行われる。すなわち、Vへの挑戦演出後半が開始されると、昼間通常用背景画像G100の表示、演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示およびアイコンHA2〜HA4の表示が、前兆演出の開始前よりも縮小状態で行われる。そして、通常領域においては、普図変動表示に応じたVへの挑戦演出前半が行われると共に、特図1可変表示に応じた小図柄KZ1〜KZ3の可変表示が行われる。また、図示はされていないが、特図変動演出においては、画像による特図変動演出の他に、特図変動表示に応じて、スピーカ67から出力される音声による特図変動演出や、枠ランプ66から照射される発光による特図変動演出も適宜に実行される。そして、特図変動演出中に前兆演出が開始されると、音声や発光による特図変動演出から、普図変動表示に応じて、音声や発光による前兆演出およびVへの挑戦演出前半が適宜に行われる。つまり、音声演出や発光演出について、特図変動表示に応じた特図変動演出用の音声演出や発光演出から、普図変動表示に応じた普図変動演出(前兆演出・Vへの挑戦演出前半)用の音声演出や発光演出に切り替わる。なお、第1実施形態では、音声や発光による前兆演出が実行され、音声や発光については前兆演出の開始時に特図変動演出から前兆演出に切り替わっているが、音声や発光による前兆演出が実行されず、Vへの挑戦演出前半が開始されるまで音声や発光による特図変動演出が実行され、音声や発光についてはVへの挑戦演出前半の開始時に特図変動演出からVへの挑戦演出前半に切り替わるようにしてもよい。
そして、図27(D−1)に示すように、ファーストチャレンジ内容説明画像G12が消去された後に、図28(A)に示すように、ファーストチャレンジ用背景画像G112における主人公キャラクタ「ロゴ」に、注目を向けるエフェクトがつけられる。このように、ファーストチャレンジ用背景画像G112における主人公キャラクタ「ロゴ」に注目が向けられるエフェクトがつけられた後に、最初の挑戦に成功するか失敗するかが決定される(最初の挑戦の結果が報知される)。すなわち、主人公キャラクタ「ロゴ」に注目が向けられるエフェクトがつけられた時点が、最初の挑戦に成功するか失敗するかの分岐点となる。
ここで、最初の挑戦に成功する場合、具体的には、主人公キャラクタ「ロゴ」が変身する場合、言い換えると、普図抽選結果が当たりA(FTP2の普図変動表示)であった場合には、図28(B−1)に示すように、ファーストチャレンジ用背景画像G112における主人公キャラクタ「ロゴ」が変身し、図28(C−1)に示すように最初の挑戦に成功した(主人公キャラクタ「ロゴ」が変身した)ことを表す画像G13(ファーストチャレンジ成功報知画像G13)が表示される。このファーストチャレンジ成功報知画像G13の表示は、Vへの挑戦演出前半に係る最初の挑戦が成功であることを報知する演出(ファーストチャレンジ成功報知演出)を構成している。
一方、最初の挑戦に失敗する場合、具体的には、主人公キャラクタ「ロゴ」が変身しない場合、言い換えると、普図抽選結果が当たりB(FTP3の普図変動表示)であった場合には、図28(B−2)に示すように、ファーストチャレンジ用背景画像G112における主人公キャラクタ「ロゴ」が変身することなく、図28(C−2)に示すように縮小画面画像G10が全体で右斜め上方に拡大していく。そして、最終的には、図28(D−2)に示すように、縮小画面画像G10が表示部7aの全範囲を覆い尽くしつつ消滅する。言い換えると、特別領域が通常領域を徐々に浸食していき、最終的に通常領域に取って代わって消滅する。このように、縮小画面画像G10の拡大が、Vへの挑戦演出前半に係る最初の挑戦が失敗であることを報知する演出(ファーストチャレンジ失敗報知演出)を構成している。また、ファーストチャレンジ失敗報知演出が行われている間、縮小画面画像G10(特別領域)においては、小図柄KZ1〜KZ3の可変表示を除く特図変動演出および保留演出が行われている。
また、ここで説明している具体例では、図28(B−1)または図28(B−2)の状況で、ハズレ特図の停止表示が行われ、それに応じて、縮小画面画像G10(表示部7aの特別領域)において、リーチ無しハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われると共に、変動アイコンHA2が消去される。そして、図28(C−1)または図28(C−2)に示すように、特図1変動表示(図37における特図1変動表示(3))の開始に伴って、演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の変動表示が開始すると共に、アイコンHA3〜アイコンHA4が1つ左にシフトする。
ファーストチャレンジ成功報知演出の後には、当たり図柄Aに応じた補助遊技(ロング開放補助遊技)が行われるので、遊技者が電チュー23に遊技球を入球させることを失敗しないように(遊技者が遊技利益獲得の機会を逸しないために)、電チュー23へ向けた遊技球の発射を促す演出(電チュー発射促進演出)が実行される。電チュー発射促進演出が開始されると、ファーストチャレンジ用背景画像G112から電チュー発射促進演出用背景画像G113に切り替わる。
図29(A)に示すように、電チュー発射促進演出用背景画像G14には、電チュー23へ向けた遊技球の発射を促す画像G14(電チュー発射促進画像G14)が表示される。電チュー発射促進画像G14は、遊技球が発射されて電チュー23へ向かう軌道を表す画像G141(電チュー発射軌道画像G141)と、電チュー23の位置を明示するための画像G142(電チュー位置画像G142)と、入球させる対象(遊技球の発射の照準)が電チュー23であることを示唆する画像G143(電チュー照準画像G143)と、電チュー23へ入球させるために右打ちする必要があることを報知する画像G144(電チュー用右打ち報知画像G144)と、からなる。
電チュー発射促進演出は、普図変動表示から補助遊技にかけて行われる。具体的には、普図変動表示が終了する所定時間(第1実施形態では、4秒)前から、電チュー発射促進演出が開始され、その普図変動表示中に遊技球が電チュー23に向けて移動している軌跡をなぞるように発射軌道画像G141が表示される。そして、補助遊技が開始されるときに、電チュー発射軌道画像G141に加えて、電チュー位置画像G142、電チュー照準画像G143および右打ち報知画像G144が表示される。
なお、図示はしていないが、電チュー発射促進演出が行われている間に、ハズレ特図の停止表示が行われ、次に特図1変動表示(図37における特図1変動表示(2))3が開始されているものとする。よって、電チュー発射促進演出が行われている間に、表示部7aの特別領域において、ハズレ特図の停止表示に伴って、リーチ無しハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われると共に、変動アイコンHA2が消去され、特図1変動表示の開始に伴って、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が行われ、アイコンHA3〜アイコンHA4が1つ左にシフトする。また、表示部7aの通常領域において、ハズレ特図の停止表示に伴って、リーチ無しハズレを示す小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われると共に、特図1変動表示の開始に伴って、小図柄KZ1〜KZ3の変動表示が行われ、アイコンHA3〜アイコンHA4が1つ左にシフトする。
そして、補助遊技が終了する所定時間(第1実施形態において、3秒)前までに電チュー23に遊技球が入球すると、特図2判定および特図2可変表示の実行が確定したことになるので、次の演出が行われるまでの間をつなぐ演出として、補助遊技の終了まで補助遊技中つなぎ演出が行われる。
補助遊技中つなぎ演出が行われると、電チュー発射促進演出用背景画像G113から、補助遊技中つなぎ演出用背景画像G114に切り替わる。図29(B−1)に示すように、補助遊技中つなぎ演出用背景画像G114は、画面全体が通常用背景画像G100〜G102やファーストチャレンジ用背景画像G112などと比べて薄暗く構成されており、その薄暗い画面に変身している主人公キャラクタ「ロゴ」が表示されている。また、補助遊技中つなぎ演出では、電キュー23に遊技球が入球したことを報知するために、補助遊技中つなぎ演出用背景画像G114の上に、電チュー23に遊技球が入球したことを報知する画像G15(電チュー入球報知画像G15:図29(B−1)において「スタンバイOK」)が表示される。この補助遊技中つなぎ演出用背景画像G114の表示と、電チュー入球報知画像G15の表示とが、補助遊技中つなぎ演出を構成している。
補助遊技が終了する所定時間(第1実施形態では、3秒)前までに電チュー23に遊技球が入球していない場合、その時点では特図2判定および特図2可変表示が行われることが確定していないので、補助遊技が終了する所定時間(第1実施形態では3秒)前になった時点で、図29(B−2)に示すように、電チュー発射促進演出用背景画像G113から補助遊技中つなぎ演出用背景画像G114に切り替わり、変身している主人公キャラクタ「ロゴ」の表示が行われる。すなわち、補助遊技中つなぎ演出の一部が行われる。
補助遊技が終了するまでの所定時間(第1実施形態では、3秒)の間に電チュー23に遊技球が入球しなければ、図29(C−2)に示すように、補助遊技中つなぎ演出の一部である変身している主人公キャラクタ「ロゴ」の上から、縮小画面画像G10が全体で右斜め上方に拡大していく。そして、最終的には、図29(D−2)に示すように、縮小画面画像G10が表示部7aの全範囲を覆い尽くしつつ消滅する。言い換えると、特別領域が通常領域を徐々に浸食していき、最終的に通常領域に取って代わり、発展的に消滅する。このような縮小画面画像G10の拡大が、当たり図柄Aに応じた補助遊技(ロング開放補助遊技)で電チュー23に遊技球が入球できなかったことを報知する演出(電チュー非入賞演出)を構成している。
なお、補助遊技が終了するまでの所定時間(3秒)の間に遊技球が電チュー23に入球すると、補助遊技中つなぎ演出用背景画像G114に重畳的に電チュー入球報知画像G15が表示される(図29(B−1)参照)。すなわち、補助遊技中つなぎ演出が完成する。
ここで説明している具体例では、補助遊技の終了時点で、特図1変動表示が継続して実行されているので(図37における特図1変動表示(4))、補助遊技が終了してすぐに、特図2判定および特図2可変表示を実行することができない。補助遊技が終了した時点で特図1可変表示が行われている場合は、補助遊技が終了した時点から当該特図1可変表示が終了するまで、換言すると、当該特図2可変表示が実行されるまで、次の特図2可変表示に応じたVへの挑戦演出後半につなぐ特図1変動中つなぎ演出が行われる。なお、前述の通り、補助遊技が終了した時点で特図1可変表示が行われていない場合、特図1変動中つなぎ演出は実行されない。
特図1変動中つなぎ演出が開始されると、図30(A)に示すように、表示部7aの通常領域において補助遊技中つなぎ演出用背景画像G114からに特図1変動中つなぎ演出用背景画像G115に切り替わると共に、特図2可変表示が開始されるまでの待機中であることを報知する画像G16(特図2可変表示待機中報知画像G16)が表示される。なお、特図1変動中つなぎ演出用背景画像G115においては、変身している主人公キャラクタ「ロゴ」と、敵キャラクタとが対峙している映像が表示される。そして、特図1可変表示が終了し、図30(A)に示すように、特別領域において、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われ、通常領域において、小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われ、変動アイコンHA4が消去されると、特図1変動中つなぎ演出が終了してVへの挑戦演出後半、詳細には、ラストチャレンジ演出が開始される。
特図1可変表示から特図2可変表示に切り替わり、Vへの挑戦演出後半が開始されると、図30(B)に示すように、特図2可変表示に応じたVへの挑戦演出後半が通常領域で行われるので、縮小画面画像G10は消去される。すなわち、実質的には、表示部7aについて、特別領域と通常領域とを持った特別状態から通常状態に戻る。しかしながら、Vへの挑戦演出後半が行われている間は、演出図柄EZ1〜EZ3は表示されない。また、特図2可変表示が開始されたので、小図柄KZ1〜KZ3の表示位置は、特図1対応小図柄領域71aから特図2対応小図柄領域72aに移動する。すなわち、Vへの挑戦演出後半では、特図2対応小図柄領域72aにて小図柄KZ1〜KZ3の可変表示が行われる。
さらに、Vへの挑戦演出後半を構成するラストチャレンジ演出が開始されると、表示部7aでは、特図1変動中つなぎ演出用背景画像G115からラストチャレンジ演出に専用の背景画像G116(ラストチャレンジ用背景画像G116)に切り替わる。また、Vへの挑戦演出後半が実行された(Vへの挑戦演出後半に突入した)ことを報知する画像G17(Vへの挑戦演出後半実行報知画像G17)がラストチャレンジ用背景画像G116に重畳的に表示される。
続いて、Vへの挑戦演出後半において、図30(C)に示すように、ラストチャレンジ演出の演出内容である最後の挑戦の内容を説明する画像G18(ラストトチャレンジ内容説明画像G18:図30(C)において「ラストチャレンジ 敵キャラタを成敗せよ」)が表示部7aに表示され、図30(D)に示すように、ラストチャレンジ用背景画像G116において、最後の挑戦を紹介する少女キャラクタと、主人公キャラクタの対決の相手となる敵キャラクタとが表示される。最後の挑戦として、主人公キャラクタ「ロゴ」が敵キャラクタを成敗することが設定されている。また、図30(D)に示す少女キャラクタと敵キャラクタの表示は、ラストチャレンジ演出の導入部分(ラストチャレンジ導入演出)を構成する。
そして、ラストチャレンジ用背景画像G116において、主人公キャラクタ「ロゴ」と敵キャラクタとのバトルが繰り広げられ、図31(A)に示すように、敵キャラクタが主人公キャラクタ「ロゴ」の攻撃を受けると、その後、敵キャラクタが成敗される場合と成敗されない場合とに分かれる。すなわち、図31(A)に示す敵キャラクタが主人公キャラクタ「ロゴ」から攻撃を受けている場面が、最後の挑戦に成功するか失敗するかの分岐点を構成する。
ここで、図示はしていないが、主人公キャラクタの敵キャラクタに対する攻撃として、複数種類の攻撃が設定されている。その攻撃として、剣で攻撃、槍で攻撃およびパンチで攻撃が設定されている。この攻撃の内容は、ラストチャレンジ演出の演出態様(演出パターン:ラストチャレンジ演出パターン)を構成している。そして、ラストチャレンジ演出における主人公キャラクタの攻撃の内容は、最後の挑戦に成功することの期待度、換言すると、特別遊技の実行に対する期待度(特別遊技実行期待度)を示唆する。攻撃の内容が示唆する特別遊技実行期待度は、剣>槍>パンチの順で高い。
そして、最後の挑戦が成功であれば、その後にV通過小当たり遊技が行われるので、図31(B−1)に示すように、V通過を暗示させる画像G19(V通過暗示画像G19)が表示され、図31(C−1)に示すように、敵キャラクタを成敗し、最後の挑戦に成功したことを報知する画像G20(ラストチャレンジ成功報知画像G20)が表示される。V通過暗示画像G19およびラストチャレンジ成功報知画像G20の表示は、最後の挑戦に成功できたことを報知する演出(ラストチャレンジ成功報知演出)を構成する。続けて、V通過小当たり遊技が行われるので、遊技者がVAT33に遊技球を入球させることを逃さないために、右打ちすることを事前に示唆する画像G21(右打ち事前示唆画像G21:図32(A)において「さあ、右打ちの準備だ」)を表示し、図32(B)に示すように、遊技者がVAT33に遊技球を入球させることを失敗しないように(遊技者が遊技利益獲得の機会を逸しないために)、VAT33へ向けた遊技球の発射を促す演出(VAT発射促進演出)が実行される。VAT発射促進演出が開始されると、ラストチャレンジ用背景画像G116からVAT発射促進演出用背景画像G117に切り替わる。
図32(B)に示すように、VAT発射促進演出用背景画像G117には、VAT33へ向けた遊技球の発射を促す画像G22(VAT発射促進画像G22)が表示される。VAT発射促進画像G22は、遊技球が発射されてVAT33へ向かう軌道を表す画像G221(VAT発射軌道画像G221)と、VAT33の位置を明示するための画像G222(VAT位置画像G222)と、入球させる対象(遊技球の発射の照準)がVAT33であることを示唆する画像G223(VAT照準画像G223)と、VAT33へ入球させるために右打ちする必要があることを報知する画像G224(VAT用右打ち報知画像G224)と、からなる。VAT発射促進演出においては、最初に、遊技球がVAT33に向けて移動している軌跡をなぞるようにVAT発射軌道画像G221が表示され、続いて、VAT発射軌道画像G221に加えて、VAT位置画像G222、VAT照準画像G223およびVAT用右打ち報知画像G224が表示される。
そして、最後に、VAT発射促進演出から、小当たり遊技に突入することを報知する演出(小当たり遊技突入演出)に切り替わる。小当たり遊技突入演出が開始されると、表示部7aでは、VAT発射促進演出用背景画像G117から、小当たり遊技突入演出に専用の背景画像G118(小当たり遊技突入演出用背景画像118)に切り替わる。小当たり遊技突入演出用背景画像118には、小当たり遊技から発展的に実行可能な大当たり遊技を表すタイトルの画像G23(大当たり遊技タイトル画像G23:図32(C)において「BIG BONUS」)が表示される。
ここで、VAT発射促進演出および小当たり遊技突入演出は、特図2停止表示において行われる。よって、特図2停止表示の開始に伴って、VAT発射促進演出が開始され、特図2停止表示の終了に伴って小当たり遊技突入演出が終了する。よって、VAT発射促進演出および小当たり遊技突入演出が行われている間は、小当たり当選を示す小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われている(図32(B)〜図32(C)参照)。
一方、最後の挑戦が失敗であれば、図31(B−2)に示すように、ラストチャレンジ用背景画像G116において、主人公キャラクタ「ロゴ」の攻撃に耐え、仁王立ちをしている敵キャラクタが表示され、図33(A)に示すように、所定時間(例えば、2秒)ブラックアウトする。そして、このブラックアウトの後、2つのパターンで演出が展開される。なお、仁王立ちをしている敵キャラクタの表示は、最後の挑戦に失敗したことを報知する演出(ラストチャレンジ失敗報知演出)を構成する。
1つ目のパターンとしては、ブラックアウト(図33(A))の後に、図33(B−1)に示すように、ハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3の仮停止表示が行われ、図33(C−1)に示すように、ハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われる。すなわち、特図2変動表示が終了するために、Vへの挑戦演出後半が終了する。2つ目のパターンとしては、ブラックアウト(図33(A))の後に、復活チャレンジ演出が行われる。復活チャレンジ演出とは、一度、最後の挑戦に失敗してハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われるかのように思わせた後に、再度、最後の挑戦を行う演出である。すなわち、特図2変動表示が継続するため、Vへの挑戦演出後半が終了しない。復活チャレンジ演出が開始されると、図33(B−2)に示すように、ラストチャレンジ用背景画像G116において、復活チャレンジ演出の開始を告げるフレーズ(図33(B−2)において「もう一度やらせてください!」)が表示され、図33(C−2)に示すように、ラストチャレンジ導入演出が実行され、図33(D−2)に示すように、次に行われる最後の挑戦の回数を示す画像G24(ラストチャレンジ回数報知画像G24)が表示され、2回目のラストチャレンジ演出が行われる。なお、ここでは、1回目のVへの挑戦演出後半における復活チャレンジ演出であるので、最後の挑戦の回数は2回目であり、ラストチャレンジ回数報知画像G24は「2回目」を表している(図33(D−2)において「2ND」)。これは、例えば、補助遊技における1回目の第2始動口22への入球が行われたときに特図1可変表示が行われておらず、当該入球が行われた直後に特図2可変表示が開始し、その開始後で補助遊技が終了するまでの間に第2始動口22に遊技球が入球すると特図2保留が発生し、当該特図2可変表示の結果がハズレであると2回目のVへの挑戦演出後半が行われるからである。2回目のラストチャレンジ演出が行われると、その後は1回目のラストチャレンジ演出の場合と同様にように、最後の挑戦に成功し、ラストミッション成功報知演出、VAT発射促進演出、小当たり遊技突入演出が順に行われるか(図31(B−1)、図31(C−1)、図32(A)〜図32(C))、または、最後の挑戦に失敗し、ハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3の仮停止表示、ハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が順に行われる(図31(B−2)、図33(B−1)〜図33(C−1))。
次に、前述の前兆演出とは異なる演出内容の前兆演出について説明する。例えば、前述の図26(A)に示す状況において、図34(A)に示すように、表示部7aの右上隅部あたりから、小型飛行物体画像G1が出現し、水平方向左方へ移動する。次に、図34(B)に示すように、小型飛行物体画像G1が保留アイコンHA2の真上辺りに差し掛かったときに、小型飛行物体画像G1から保留アイコンHA2に向けて、閃光画像G2が発射する。すなわち、保変予兆演出が行われる。そして、保留演出の場合とは異なり、保留アイコンHA2の手前で何かに衝突したかのように閃光画像G2が止まる。すると、図34(C)に示すように、閃光画像G2が止まった位置から、Vへの挑戦演出が行われることを示唆する画像G25(Vへの挑戦演出示唆画像G25:図34(B)において「Vへの挑戦」)が出現して、保留表示領域73aの右側まで移動する。
そして、図35(A)に示すように、表示部7aにおいて、昼間通常用背景画像G100から前兆演出用第2背景画像G111に切り替わると共に、前兆演出用第2背景画像G111に重畳的に、縮小画面画像G10が表示される。続いて、図35(B)に示すように、縮小画面画像G10が左下隅に吸い寄せられるように移動しながら縮小され、縮小画面画像G10の縮小がタイトル画像G9のほぼ全体が現れる程度まで進んで、タイトル画像G9の縁取られた内側が赤色で塗りつぶされるようにVへの挑戦演出実行報知画像G11が表示され、Vへの挑戦演出前半の実行が確定する。そして最終的に図35(C)に示すように、Vへの挑戦演出前半に突入する。このように、保留変化予告からVへの挑戦演出に突入する場合もある。すなわち、保留変化予告が実行される可能性があることを示唆する保変予兆演出は、Vへの挑戦演出が実行される可能性があることを示唆する前兆演出も構成している。
また、この場合の縮小画面画像G10の縮小は、前述の前兆演出のように、所定程度まで進んで一旦止まって所定時間維持された後に、さらにタイトル画像G9のほぼ全体が現れる程度まで進むというように多段階で行われるのではなく、一気に且つ短時間で、最後まで(タイトル画像G9のほぼ全体が現れる程度まで)進む。これは、前述の前兆演出は、縮小画面画像G10の縮小が所定程度まで進んだ段階で縮小画面画像G10の縮小を所定時間維持することで、さらに縮小が進みVへの挑戦演出前半に突入するか否かを煽っているのに対し、今回の前兆演出は、小型飛行物体画像G1を出現させることで、Vへの挑戦演出示唆画像G25が出現してVへの挑戦演出前半に突入するか否かも煽っているからである。よって、Vへの挑戦演出示唆画像G25が出現すると必ずVへの挑戦演出前半が行われ(図35(C)参照)、Vへの挑戦演出示唆画像G25の表示は、Vへの挑戦演出が行われることを示唆する演出(Vへの挑戦演出示唆演出)を構成している。また、ここでの具体例では、図35(B)に示すように、縮小画面画像G10の縮小がタイトル画像G9のほぼ全体が現れる程度まで進んで、Vへの挑戦演出実行報知画像G11が表示されたときに、特図1停止表示が行われるので、表示部7aの特別領域において、リーチ無しハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われ、表示部7aの通常領域において、リーチ無しハズレを示す小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われている。
以下において、縮小画面画像G10の縮小が所定程度まで進んだ段階で縮小画面画像G10の縮小を所定時間維持することで、さらに縮小が進みVへの挑戦演出前半に突入するか否かを煽る前兆演出を「前兆演出A」と称し、小型飛行物体画像G1を出現させる(保変予兆演出を実行する)ことで、Vへの挑戦演出示唆画像G25が出現してVへの挑戦演出前半に突入するか否かを煽る前兆演出「前兆演出B」と称する。
また、前述したように、保変予兆演出が行われた後に、保留変化予告が行われない場合があるが、保変予兆演出が行われた後に、保留変化予告およびVへの挑戦演出の何れも行われない場合もある。この場合、小型飛行物体画像G1は出現した後に左方向へ進むが、右方向閃光画像G2を発射することなく、表示部7aの左上端からフェードアウトする。このように、その後に保留変化予告またはVへの挑戦演出が行われない保変予兆演出のことを「保変予兆演出ガセ」という。
なお、縮小画面画像G10が出現した後は、縮小画面画像G10の中で、小図柄KZ1、KZ2、KZ3を除く特図変動演出および保留演出が行われる。すなわち、小図柄KZ1、KZ2、KZ3を除く特図変動演出および保留演出が縮小画面画像G10(表示部7aの特別領域)に場所を変えて行われる。
次に、前兆演出Aの規制について説明する。なお、以下において、規制されていない前兆演出Aのことを「通常の前兆演出A」と称し、規制されている前兆演出Aのことを「規制の前兆演出A」と称し、特図1停止表示が行われているときに、前兆演出Aが行われる場合は、前兆演出Aの実行を規制(制限)して演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示を優先して行う。例えば、図36(A)に示すようにリーチ無しハズレを示す演出図柄EZ1〜EZ3の仮停止表示が行われていて、停止表示しようとするときに、左ゲート281を遊技球が通過して普図変動表示の開始に伴って前兆演出Aが開始されようとする。この場合、前述の通常の前兆演出Aのように、表示部7aにおいて、昼間通常用背景画像G100から前兆演出用第1背景画像G110に切り替わり、演出図柄EZ1〜演出図柄EZ3が消去されることはなく、図36(B)に示すように、昼間通常用背景画像G100に重畳的に演出図柄EZ1〜演出図柄EZ3が表示されている状態が維持される。また、普図変動表示の開始に伴って縮小画面画像G10が表示されるが、縮小画面画像G10は、Vへの挑戦演出開始報知演出のときと同じ位置且つ同じ大きさで表示される。そして、ここで表示された縮小画面画像G10の中に、すなわち、表示部7aの特別領域において、Vへの挑戦演出実行報知演出を構成し、通常の前兆演出Aで通常領域に表示されていた前兆演出用第2背景画像G111およびタイトル画像G9(図26(C)、図26(D)、図27(A−1)参照)が表示される。
そして、特図1変動表示が開始されると、図36(C)に示すように、表示部7aの通常領域において、演出図柄EZ1〜EZ3が消去され、小図柄KZ1〜KZ3の変動表示が開始され、特図1停止表示が行われていたときに特別領域に表示されていた前兆演出用第2背景画像G111およびタイトル画像G9が通常領域に表示され、特別領域において前兆演出用第1背景画像G110が表示される。その後、図36(D)に示すように、タイトル画像G9の縁取られた内側が赤色で塗りつぶされるようにVへの挑戦演出実行報知画像G11が表示され、図27(C−1)に示すようにVへの挑戦演出前半に突入する。このように、禁則の前兆演出Aでは、通常の前兆演出Aのように、縮小画面画像G10の縮小によって、Vへの挑戦演出前半へ突入することができるか否かを煽ることはない。しかしながら、最終的には、通常の前兆演出Aと同様に、表示部7aの通常領域において、前兆演出用第2背景画像G111の上から、タイトル画像G9の縁取られた内側が赤色で塗りつぶされるようにVへの挑戦演出実行報知画像G11が表示され、表示部7aの特別領域において、前兆演出用第1背景画像G110が表示される。また、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われ、前兆演出Aの実行が規制されている間、縮小画面画像G10を、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3を視認可能な範囲で表示し、縮小画面画像G10の中で前兆演出用第2背景画像G111およびタイトル画像G9を表示することで、前兆演出Aが行われていることが示唆されている。
以上のように、パチンコ遊技機1においては、特図1変動表示という単体の図柄の変動表示において行われる特図変動演出の他に、普図変動表示と特図2変動表示の異なる図柄の変動表示にまたがって行われる一連の演出(Vへの挑戦演出)があるので、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出のバリエーションが増え、遊技興趣が向上する。ここで、先に行われる普図変動表示においてはVへの挑戦前半(特に、ファーストチャレンジ演出)が行われ、後に行われる特図2変動表示においては、Vへの挑戦前半(特に、ファーストチャレンジ演出)の続きとなり演出内容が関連するVへの挑戦後半(特に、ラストチャレンジ演出)が行われるので、演出の面白みが増して演出効果が向上する。
また、パチンコ遊技機1については、通常遊技状態において、相対的にV通過小当たりに当選し易い特図2抽選を発生させる第2始動口22が開放し難いため、基本的には、左打ちで遊技球を発射させて、相対的にV通過小当たりに当選し難い特図1抽選を発生させる第1始動口20へ入球させ、特図1可変表示を繰り返し行いながら大当たり当選または小当たり当選を狙う遊技が行われる。しかしながら、左打ちで第1始動口20を狙って遊技球を発射させている中で遊技球が左ゲート281を通過すると普図抽選が行われ、普図抽選で当たり図柄Aに当選すると通常遊技状態であるにも関わらず、ロング開放補助遊技が実行され、第2始動口22が入球容易な時間開放する。第2始動口22に入球させると特図2抽選が行われる。特図2抽選では特図1抽選に比べて高確率で小当たり当選することができる。特図2抽選で小当たり当選するとV通過小当たり遊技が行われるので、基本的にはV通過小当たり遊技中にV通過させて、大当たり遊技を実行させた後に時短状態に突入することができる。よって、通常遊技状態のおける普図抽選で当たり図柄Aに当選してロング開放補助遊技を実行させ、さらにロング開放補助遊技中に第2始動口22に遊技球を入球させて特図2抽選でV通過小当たり当選してV通過小当たり遊技を実行させることにより、時短状態に突入することができるか否かも特徴的な遊技性(醍醐味)の1つである。そこで、当たり図柄Aまたは当たり図柄Bに係る普図変動表示において、ロング開放補助遊技をかけたVへの挑戦演出前半(ファーストチャレンジ演出)を行い、次いで特図2変動表示において、V通過小当たり遊技をかけたVへの挑戦演出後半(ラストチャレンジ演出)を行っている。つまり、段階的に発展する遊技性に応じたVへの挑戦演出が行われているので、遊技興趣が向上する。
さらに、このような特徴的な遊技性の後半を形成する特図2可変表示は、前半を形成する普図可変表示で当たり図柄Aが導出されないと実行されない。すなわち、Vへの挑戦演出前半が実行されたとしても、普図可変表示の表示結果(ファーストチャレンジ演出での最初の挑戦の結果)次第では、特図2可変表示を実行させることができず、Vへの挑戦演出がVへの挑戦演出前半で終了する(Vへの挑戦演出後半に進むことができない)。よって、遊技者のドキドキ感を高め、遊技興趣を向上させることができる。そして、反対に、普図可変表示と直接的な関連性のない(普図可変表示から発展的に実行されることがない)特図1可変表示に応じた特図変動演出と、普図変動演出および補助遊技演出とにまたがっては、Vへの挑戦演出のような演出内容が関連する一連の演出が実行されない。よって、演出効果の低下を防ぐことができる。
また、第2始動口22が開放し易く、さらに特図2保留の消化の周期が早い時短状態においては、普図変動表示と特図2変動表示とにまたがって一連の演出は実行されない。これにより、演出が煩わしくなって演出効果が低下することを防ぐことができる。
まだ、パチンコ遊技機1では、普図変動演出(前兆演出およびVへの挑戦前半)は、特図1変動表示に応じた特図変動演出よりも大きく(広い範囲で)行われるので、普図変動演出の演出効果の低下を防ぐことができる。この場合、表示部7aで行われている特図変動演出が縮小されるので、より一層、普図変動演出の演出効果の低下を防ぎ、遊技興趣を向上させることができる。さらに、普図変動演出、詳細には、普図変動演出の最初に行われる前兆演出が開始されると、表示部7aにおいて縮小画面画像G10が表示され、表示部7aにおいて相対的に大きな通常領域と小さな特別領域とが形成され、通常領域において、特図1変動表示に応じた特図変動演出に替えて普図変動演出が行われ、その代わりに特別領域で特図1変動表示に応じた特図変動演出が行われる。これにより、普図変動演出と特図変動演出とが混在することを防止し、演出効果の低下を防ぐことができる。
また、Vへの挑戦演出(普図変動演出および特図2可変表示に応じた特図2変動演出)が開始されると、特図抽選演出に含まれる演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の可変表示は縮小されて表示部7aの特別領域に移動するが、小図柄KZ1、KZ2、KZ3の可変表示は、Vへの挑戦演出が実行されても、Vへの挑戦演出の実行前と同じ大きさ且つ同じ位置で行われるので、特図1可変表示の実行状況について容易に理解することができる。
また、特図1変動表示が行われているときに前兆演出が開始されると、縮小画面画像G10が、表示部7aにおける演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の変動表示が行われていた範囲に表示され、変動表示していた演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が消去される。しかしながら、特図抽選結果を表す特図1停止表示が行われている間は、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が優先されて前兆演出が規制される。具体的には、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示を行うと共に、停止表示している演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の内容を容易に視認できる範囲に縮小画面画像G10が表示される(停止表示している演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の内容を容易に視認できるように前兆演出が実行される)。このように、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が優先されて前兆演出が規制されることによって、遊技者に特図1抽選結果を確実に知らせ、遊技興趣の低下を防ぐことができる。
また、特図1変動表示が行われているときに前兆演出が開始されると、変動表示していた演出図柄EZ1、EZ2、EZ3が消去されることにより、前兆演出の演出効果の低下を防ぐことができる。また、小図柄KZ1、KZ2、KZ3は、前兆演出が実行されても、前兆演出の実行前と同じ大きさ且つ同じ位置で可変表示されるので、特図1可変表示の実行状況について容易に理解することができる。
また、パチンコ遊技機1においては、小型飛行物体画像G1が出現して左方向に移動する保変予兆演出が行われた後に、保留変化予告が行われずに、Vへの挑戦演出前半が実行されることがある。すなわち、保留変化予告が行われる可能性があることを示唆する保変予兆演出が、Vへの挑戦演出前半に突入するか否かを煽る前兆演出も兼ねている。このように、小型飛行物体画像G1が出現して左方向に移動すると、保留変化予告の他にVへの挑戦演出前半(普図変動演出)が実行される可能性もある。このように演出の展開先が複数存在することによって演出の面白みが増すので、遊技興趣が向上する。しかも、一方の展開先である保留変化予告は大当たり期待度を示唆し、他方の展開先であるVへの挑戦演出前半はロング開放補助遊技の実行に対する期待度を示唆するので、遊技性が複雑化され、遊技興趣がさらに向上する。さらに、保留変化予告は、現在実行中の特図1可変表示に対する大当たり期待度ではなく、未だ開始されておらず将来的に実行される特図1可変表示に対する大当たり期待度であるので、遊技性の複雑性が増し、さらに遊技興趣が向上する。
また、通常遊技状態において、特図1変動表示およびロング開放補助遊技が実行されているときに第2始動口22に遊技球が入球すると、表示部7aの通常領域において、その後に行われる所定演出(例えば、特図1変動中つなぎ演出)までの間をつなぐ補助遊技中つなぎ演出が行われるので、遊技の単調化を軽減し、遊技興趣の低下を防ぐことができる。また、補助遊技中に第2始動口22に遊技球が入球しない場合は、その入球できなかったことに応じた電チュー非入賞演出が実行されるので、遊技者にロング開放補助遊技中に第2始動口22に入球させることができなかったことを気付かせることができる。
また、ロング開放補助遊技中に遊技球が第2始動口22に入球した後に表示部7aの通常領域において行われる所定演出が開始すると、補助遊技中つなぎ演出が終了するので、すなわち、表示部7aの通常領域においては、所定演出が補助遊技中つなぎ演出から切り替えられて行われるので、所定演出の演出効果の低下を防ぐことができる。
また、ロング開放補助遊技中は表示部7aの通常領域において電チュー発射促進演出が行われているが、そのとき第2始動口22に遊技球が入球すると、特図1変動表示の実行中であれば電チュー発射促進演出から補助遊技中つなぎ演出に切り替わる。ここで、特図2保留の上限値が「1」であるので、補助遊技中に遊技球が電チュー23にすると、それ以上入球させても特図2保留を増やすことはできない。よって、補助遊技中に遊技球が電チュー23にすると電チュー23への入球を促進する必要性が低下する。つまり、電チュー23への入球を促進する必要性が低下したタイミングと、電チュー発射促進演出から補助遊技中つなぎ演出に切り替わるタイミングとが一致している。このように遊技の状況の変化に応じて演出が切り替わるので、演出効果がさらに向上する。
また、特図1変動表示が行われているときのロング補助遊技中に第2始動口22に遊技球が入球して特図2保留が発生し、当該ロング開放補助遊技が終了するときに当該特図1変動表示が継続している場合、当該ロング開放補助遊技の終了に伴って補助遊技中つなぎ演出から、当該特図2保留に基づく特図2変動表示に応じた特図変動演出(Vへの挑戦演出後半)につなぐ特図1変動中つなぎ演出に切り替えるので、遊技の単調化を防ぎ、遊技興趣の低下を防ぐことができる。
また、ロング開放補助遊技が行われているが特図1変動表示が行われていないときに遊技球が第2始動口22に入球して即座に特図2の可変表示が開始される場合、補助遊技中つなぎ演出および特図1変動中つなぎ演出を行うことなく、特図2変動表示に応じた特図変動演出(Vへの挑戦演出後半)を行うので、補助遊技中つなぎ演出、特図1変動中つなぎ演出および特図変動演出(Vへの挑戦演出後半)の演出効果の低下を防ぐことができる。
また、パチンコ遊技機1においては、特図2抽選に係る小当たり図柄(小当たり図柄2A〜小当たり図柄2C)についての特図停止時間は時短状態よりも通常遊技状態の方が長い。ここで、特図2抽選に係る小当たり図柄はV通過小当たりであり、特図2抽選の方がV通過小当たりに当選し易いが、通常遊技状態では、第2始動口22が開放し難いため、滅多にV通過小当たり遊技が実行されない。よって、通常遊技状態でV通過小当たり遊技が実行されたにもかかわらず、遊技者がその機会を逃すと、遊技者が被る不利益は大きい。そこで、通常遊技状態における特図2抽選に係る小当たり図柄(小当たり図柄2A〜小当たり図柄2C)についての特図停止時間を相対的に長くすることで、通常遊技状態におけるV通過小当たり遊技の機会を逃し難くして遊技者が被る不利益を軽減することができるので、遊技興趣の低下を防ぐことができる。また、時短状態では、第2始動口22が開放し易く、特図2抽選の方が小当たりに当選し易いため、基本的に、第2始動口22を狙って遊技球を発射させ、特図2抽選を行う遊技が行われる。そのため、時短状態では通常遊技状態よりも高い頻度で特図2に係る小当たり図柄(小当たり図柄2A〜小当たり図柄2C)が停止表示される。そこで、時短状態においては特図2抽選に係る小当たり図柄(小当たり図柄2A〜小当たり図柄2C)についての特図停止時間を相対的に短くすることで、遊技の進行を円滑にし、遊技興趣が低下することを防止することができる。
また、小当たり遊技では、VAT33が開放することから、V通過小当たり遊技前に行われる小当たり図柄2A〜小当たり図柄2Cの停止表示においてVAT発射促進演出を行うことで、遊技者が小当たり遊技中にVAT33へ入球し損なうことを防止し、遊技者が被る不利益を軽減することができる。また、振分装置36が小当たり遊技の開始時から一定態様で作動する条件下において、時短状態中はテンポ良く遊技を進行させるために、V通過小当たり遊技の小当たりオープニング時間が短く設定されている。よって、通常遊技状態においてV通過小当たり遊技が開始されてしまうと、すぐにVAT33が開放してしまうので、遊技者はせっかくのV通過小当たり遊技の機会にV通過させることができない。そこで、通常遊技状態における特図2抽選に係る小当たり図柄についての特図確定時間を長くすることで、小当たり図柄の停止表示開始時からVAT33が開始するまでの時間を確保することができる。また、その長時間の小当たり図柄の停止表示中にVAT発射促進演出を行うことで、遊技者に確実にVAT33に遊技球を入球させることができる。
5.遊技制御用マイコン81による遊技の制御
[主制御メイン処理]
次に図38〜図56に基づいて遊技制御用マイコン81による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン81による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、ROM83から図38に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、RAM84へのアクセスの許可設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図7(A)および図7(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図39に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン81は、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図38の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図7(A)および図7(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置36を制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。振分装置制御処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン81は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、RAM84に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口20用の賞球カウンタ、第2始動口22用の賞球カウンタ、第1大入賞口30用の賞球カウンタ、第2大入賞口32用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口27用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板110に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン81は、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し(図38参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン81は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検出処理]
次に、図40〜図42を用いてセンサ検出処理について説明する。センサ検出処理(S104)ではまず、一般入賞口27に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ27aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口27に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口27に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口27用の賞球カウンタに、一般入賞口27への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、左ゲートセンサ281aまたは右ゲートセンサ282aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート28を通過していなければ(S203でNO)、ステップS206に進む。一方、遊技球がゲート28を通過していれば(S203でYES)、後述する普図動作ステータス=1あるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普図動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS206に進み、普図動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数と、当たり図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−AS)のカウンタ値が示す当たり図柄種別乱数とを取得し、取得した普通図柄乱数および当たり図柄種別乱数を、RAM84に設けられた普図記憶部に格納して(S205)、ステップS206に進む。
ステップS206では、第2始動口22に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ22aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口22に遊技球が入賞していない場合(S206でNO)にはステップS213に進み、第2始動口22に遊技球が入賞した場合には(S206でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S207)。第2始動口賞球処理では、第2始動口22用の賞球カウンタに、第2始動口22への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的にはRAM84に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「1」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S208)。特図2保留数が「1」以上である場合(S208でYES)には、ステップS213に進むが、特図2保留数が「1」以上でない(「1」未満である)場合には(S208でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S209)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器432が示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−AS)、小当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−KS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−THP)からなる特図2関係乱数を取得し、RAM84に設けられた特図関係乱数用バッファに記憶する(S210)。
次に、第2始動入賞コマンド特定処理を行う(S211)。第2始動入賞コマンド特定処理では、図13に示す第2始動口用の始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS210で取得した特図2関係乱数とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS210で取得した特図2関係乱数を特図2保留記憶部852に記憶する(S212)。
続いて、ステップS213では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S213でNO)にはステップS220に進み、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S213でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S214)。第1始動口賞球処理では、第1始動口20用の賞球カウンタに、第1始動口20への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的にはRAM84に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S215)。特図1保留数が「4」以上である場合(S215でYES)には、ステップS220に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S215でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S216)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器431が示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−AS)、小当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−KS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−THP)からなる特図1関係乱数を取得し、RAM84に設けられた特図関係乱数用バッファに記憶する(S217)。
次に、第1始動入賞コマンド特定処理を行う(S218)。第1始動入賞コマンド特定処理では、図13に示す第1始動口用の始動入賞コマンド特定テーブルに、現在の遊技状態とステップS217で取得した特図1関係乱数とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS217で取得した特図1関係乱数を特図1保留記憶部851のうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S219)。
ステップS220では、第1大入賞口30に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1大入賞口センサ30aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1大入賞口30に遊技球が入賞していない場合(S220でNO)にはステップS224に進み、第1大入賞口30に遊技球が入賞した場合には(S220でYES)、RAM84に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S221)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において第1大入賞口30および第2大入賞口32に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。第1実施形態では、入賞規定個数は「9」に設定されている。よって、ステップS221の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S221でYES)、ステップS224に進み、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S221でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S222)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための第1大入賞口賞球処理を行い(S223)、ステップS224に進む。なお、第1大入賞口賞球処理では、第1大入賞口30用の賞球カウンタに、第1大入賞口30への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
遊技制御用マイコン81は、ステップS224では、第2大入賞口32に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2大入賞口センサ32aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2大入賞口32に遊技球が入賞していない場合(S224でNO)にはステップS228に進み、第2大入賞口32に遊技球が入賞した場合には(S224でYES)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S225)。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S225でYES)、ステップS228に進み、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S225でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S226)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための第2大入賞口賞球処理を行い(S227)、ステップS228に進む。なお、第2大入賞口賞球処理では、第2大入賞口32用の賞球カウンタに、第2大入賞口32への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
遊技制御用マイコン81は、ステップS228では、遊技球が特定領域34を通過(特定領域34に進入)したか否か、即ち、特定領域センサ34aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球が特定領域34を通過していない場合(S228でNO)にはセンサ検出処理を終え、遊技球が特定領域34を通過した場合には(S228でYES)、V有効期間中であるか否かを判定する(S229)。V有効期間は、後述する振分装置制御処理(図56参照)におけるステップS2005で設定される期間である。V有効期間中でなければ(S229でNO)、センサ検出処理を終え、V有効期間中であれば(S229でYES)、V有効期間における特定領域34の通過(V通過)に応じたV通過処理を行い(S230)、センサ検出処理を終了する。遊技制御用マイコン81は、V通過処理では、V有効期間中に遊技球が特定領域34を通過(特定領域34に進入)したことを示すVフラグをRAM84の所定領域にONし、V通過コマンドを出力バッファにセットし、小当たり遊技中にV通過したことにより大当たり当選(2種大当たり)したので、大当たり当選時の遊技状態として、現在の遊技状態を示す大当たり当選時遊技状態データをRAM84の所定領域にセットする。
[普通動作処理]
次に、普図表示器42および電チュー23の制御に関する普通動作処理について説明する。図43に示すように、普図表示器42および電チュー23に関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理については後述する。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理については後述する。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理については後述する。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)については後述する。
[普通図柄待機処理]
図44に示すように、普通図柄待機処理(S1102)ではまず、普図関係柄乱数が記憶されているか否かを判定する(S1201)。普図関係乱数が記憶されていない場合(S1201でNO)、普通図柄待機処理を終了し、普図関係乱数が記憶されている場合(S1201でYES)、普図判定処理(S1202)を行う。
遊技制御用マイコン81は、普図判定処理(S1202)では、記憶されている普図関係関数の中の普通図柄乱数を読み出して、当たり判定テーブル(図8(A)参照)に基づいて、当否の判定(当たり判定)を行う。当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ普図データをRAM84の普図バッファにセットする。一方、当たり判定の結果が「当たり」であれば、記憶されている普図関係関数の中の当たり図柄種別乱数を読み出して、当たり図柄種別判定テーブル(図8(B)参照)に基づいて、当たり図柄の種別を判定する当たり図柄種別判定を行う。この判定を行うと、当たり図柄の種別を表す当たり普図データをRAM84の普図バッファにセットする。
次に、遊技制御用マイコン81は、現在、通常遊技状態(非時短状態)であるか否かを判定する(S1203)。通常遊技状態であれば(S1203でYES)通常遊技状態用の普図変動パターン判定テーブルを選択して(S1204)ステップS1206に進み、通常遊技状態でなければ(S1203でNO)時短状態用の普図変動パターン判定テーブルを選択して(S1205)ステップS1206に進む。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1206において、普図変動パターン判定を行う。具体的には、ステップS1204またはステップS1205で選択した普図変動パターン判定テーブルに、ステップS1202での普図判定結果である停止普図(ハズレ普図、当たり図柄A、当たり図柄B、当たり図柄C)を照合して、普図変動パターンを判定する。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS1206で決定された普図変動パターンを示す普図変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットし(S1207)、ステップS1206で決定された普図変動パターンに応じた普図変動時間を普通動作用タイマにセットし(S1208)、その普図変動時間の普通図柄の変動表示を普図表示器42に開始させる(S1209)。なお、普通動作用タイマは図39のその他の処理(S108)において更新される。
次に、遊技制御用マイコン81は、普図関係乱数を消去(普図記憶部をクリア)し(S1210)、普通動作ステータスを「2」に変更し(S1211)、普通図柄待機処理を終了する。
[普通図柄変動中処理]
図45に示すように、遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動処理(S1103)ではまず、普通図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、普図変動表示を開始してからステップS1208で普通動作用タイマにセットした普図変動時間が経過したか否かを判定する(S1251)。普通図柄の変動表示を終了させない場合(S1251でNO)、普通図柄変動処理を終了し、普通図柄の変動表示を終了させる場合(S1251でYES)、普図表示器42に、ステップS1202で決定した普図の停止表示を行わせ(S1252)、普図停止表示に要する時間(普図確定時間:第1実施形態では0.5秒)を普通動作用タイマにセットし(S1253)、普図の変動表示が停止することを示す普図変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットし(S1254)、普通動作ステータスを「3」に変更し(S1255)、普通図柄変動処理を終了する。
[普通図柄確定処理]
図46に示すように、遊技制御用マイコン81は、普通図柄確定処理(S1104)ではまず、普通図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、普図の停止表示を開始(普図の変動表示を終了)してからステップS1253で普通動作用タイマにセットした普図確定時間が経過したか否かを判定する(S1301)。普図確定時間が経過していない場合(S1301でNO)、普通図柄確定処理を終了し、普図確定時間が経過した場合(S1301でYES)、現在、当たり図柄が停止表示されているか否かを判定する(S1302)。当たり図柄が停止表示されていなければ(S1302でNO)、新たな普通図柄の可変表示を実行させるために普通動作ステータスを「1」に変更し(S1305)、普通図柄確定処理を終了する。一方、当たり図柄が停止表示されていれば(S1302でYES)、補助遊技を開始させるための補助遊技準備処理を行い(S1303)、補助遊技を実行させるために普通動作ステータスを「4」に変更し(S1304)、普通図柄確定処理を終了する。補助遊技準備処理では、現在の遊技状態および当たり図柄種別に応じた補助遊技制御テーブル(TBLNo.4−1〜4−3:図8(D)参照)をRAM84の所定領域にセットし、所定のOP時間を普通動作用タイマにセットし、電チュー23の開放回数を、RAM84に設けられた電チュー開放残り回数カウンタにセットする。これは、補助遊技における電チュー23の開放回数を把握するためである。
[補助遊技制御処理]
図47に示すように、遊技制御用マイコン81は、補助遊技制御処理(S1105)ではまず、補助遊技のエンディング中であることを示す当たりエンディングフラグがONであるか否かを判定する(S1351)。当たりエンディングフラグがONであれば(ステップS1351でYES)、ステップS1362に進み、当たりエンディングフラグがONでなければ(ステップS1351でNO)、電チュー23(第2始動口22)が開放中であるか否かを判定する(S1352)。電チュー23が開放中であれば(S1352でYES)、ステップS1355に進み、電チュー23が開放中でなければ(S1352でNO)、電チュー23(第2始動口22)を開放させる時間(電チュー開放時間)であるか否か、言い換えれば、ステップS1303でOP時間をセットした普通動作用タイマ=0か否かを判定する(S1353)。
電チュー開放時間でなければ(ステップS1353でNO)、補助遊技制御処理を終える。一方、電チュー開放時間であれば(ステップS1353でYES)、電チュー開放処理を行って(S1354)、補助遊技制御処理を終える。電チュー開放処理では、ステップS1303でセットされた補助遊技制御パターンテーブルおよび開放回数カウンタを参照して、開放順序に応じた開放時間を普通動作用タイマにセットすると共に、電チュー23を開放させるために電チューソレノイド23Sに通電して電チュー開閉部材23Kを駆動させて第2始動口22を開放させる。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1355において、電チュー23の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。第1実施形態では、閉鎖条件は、その開放における電チュー23(第2始動口22)への入賞個数が規定の最大入賞個数(第1実施形態では1回の開放あたり9個)に達したこと、又は、電チュー23を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち電チュー23が開放してから所定の開放時間が経過した、言い換えれば、普通動作用タイマ=0)の何れかが満たされていることである。そして、電チュー23の閉鎖条件が成立していなければ(S1355でNO)、補助遊技制御処理を終え、電チュー23の閉鎖条件が成立していれば(S1355でYES)、電チュー閉鎖処理を行う(S1356)。電チュー閉鎖処理では、電チューソレノイド23Sを通電して電チュー開閉部材23Kを駆動させて電チュー23を閉鎖する。
次に、遊技制御用マイコン81は、電チュー開放残り回数カウンタの値を1ディクリメントし(S1357)、電チュー開放残り回数カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1358)。電チュー開放残り回数カウンタの値が「0」でなければ(S1358でNO)、補助遊技制御処理を終え(S1358でNO)、電チュー開放残り回数カウンタの値が「0」であれば(S1358でYES)、当たりエンディングフラグをRAM84の所定領域にONし(S1359)、ステップS1303でセットされた補助遊技制御テーブルを参照して、補助遊技のED時間を普通動作用タイマにセットし(S1360)、補助遊技のエンディングが開始されることを示す当たりエンディングコマンドをRAM84の出力バッファにセットし(S1361)、補助遊技制御処理を終了する。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1362においては、補助遊技のエンディングが終了するか否か、言い換えると、補助遊技のエンディングが開始されてからステップS1360でセットされたED時間が経過したか否か、さらに言い換えると、ステップS1360でED時間がセットされた普通動作タイマ=0であるか否かを判定する。補助遊技のエンディングが終了しない場合(S1362でNO)、補助遊技制御処理を終了し、補助遊技のエンディングが終了する場合(S1362でYES)、当たりエンディングフラグをOFFし(S1363)、普通動作ステータスを「1」に変更して(S1364)、補助遊技制御処理を終了する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器41、特図保留表示器43および大入賞装置31、33の制御に関する特別動作処理について説明する。図48に示すように、特図表示器41、特図保留表示器43および大入賞装置31、33に関する処理は、6つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5,6」が割り当てられている。遊技制御用マイコン81は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行い、「特別動作ステータス」が「6」である場合には、小当たり遊技制御処理(S1507)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技および小当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。大当たり遊技制御処理については後に詳述する。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に大当たり図柄などに応じて遊技状態を設定する処理である。遊技状態設定処理については後に詳述する。
小当たり遊技制御処理(S1507)は、大当たり遊技において行われる処理である。小当たり遊技制御処理については後に詳述する。
[特別図柄待機処理]
次に図49を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口22への入賞に起因して取得した特図2関係乱数の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した特図1関係乱数の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口22への入賞に起因して取得した特図2関係乱数の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。
特図2判定処理(S1602)では、特図2保留記憶部852に記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、第2大当たり判定テーブル(図9(A)参照)に基づいて、大当たり、小当たり、または、ハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して、第2大当たり図柄種別判定テーブル(図9(B)参照)に基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データをRAM84に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドをRAM84に設けられた出力バッファにセットする。また、大当たり当選時の遊技状態として、現在の遊技状態を示す大当たり当選時遊技状態データをRAM84の所定領域にセットする。また、大当たり判定の結果が小当たりであれば、小当たり図柄種別乱数を読み出して、第2小当たり図柄種別判定テーブル(図9(C)参照)に基づいて小当たり図柄種別の判定(小当たり図柄種別判定)を行う。そして、小当たり図柄種別を表す小当たり図柄データをRAM84に設けられた特図バッファにセットすると共に、小当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドをRAM84に設けられた出力バッファにセットする。また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図2変動パターン判定処理(S1603)について図50を用いて説明する。特図2変動パターン判定処理では、まず、現在通常遊技状態(非時短状態)であるか否かを判定する(S1651)。通常遊技状態であれば(S1651でYES)、通常遊技状態用の特図2変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、通常遊技状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定結果が「大当たり」であったか否かを判定する。大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図2変動パターン判定テーブルの中から大当たり用の特図2変動パターン判定テーブルを選択(S1661)してからステップS1662に進み、大当たりでなければ(S1654でNO)、大当たり判定結果が「小当たり」であったか否かを判定する(S1655)。小当たりであれば(S1655でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図2変動パターン判定テーブルの中から小当たり用の特図2変動パターン判定テーブルを選択(S1660)してからステップS1662に進み、小当たりでなければ(S1655でNO)、リーチ判定を行う(S1656)。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブル(図9(D)参照)に照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
次に、ステップS1656でのリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1657)。リーチ有りであれば(S1657でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図2変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1662に進み、リーチ有りでなければ(S1657でNO)、現在の特図2保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図2変動パターン判定テーブルの中から特図2保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1662に進む。ただし、第1実施形態では、リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは特図2保留数に関係なく1種類しか設けられていないので、この処理では、現在の遊技状態に関連づけられた1つのリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルが選択される。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1662において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1658〜ステップS1661の何れかで選択した特図2変動パターン判定テーブルに照合して、特図2変動パターンを判定する特図2変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン81は、決定された特図2変動パターンを示す特図2変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1663)、決定された特図2変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1664)、特図2変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。なお、特別動作用タイマは図39のその他の処理(S108)において、4ms分、更新される。また、セットされる特図2変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図2であるということ)に関する情報、特図2判定処理(S1602)で行われた大当たり判定の結果に関する情報や特図2変動パターン判定処理(S1603)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS1603で決定された特図2変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器412に特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図2保留記憶部852における各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部852における保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器432が示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した特図1関係乱数の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。特図1判定処理(S1609)は、特図2判定処理(S1602)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図1変動パターン判定処理(S1610)は、基本的には特図2変動パターン判定処理(S1603)と同様の処理であるため説明を省略する。ただし、特図1変動パターン判定処理では、特図1抽選の結果がリーチ無しハズレである場合は、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択する。
次に、遊技制御用マイコン81は、ステップS1610で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器411に特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図1保留記憶部851における各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部851における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器431が示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように第1実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして第1実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている(図9(B)および図9(C)参照)。
[特別図柄変動処理]
次に図51を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄変動処理(S1503)ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器41に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、小当たり図柄データまたはハズレ図柄データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、特図確定時間を判定する特図確定時間判定を行い(S1703)、判定された特図確定時間を特別動作用タイマにセットし(S1704)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1705)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1706)、特別図柄変動処理を終了する。前述の通り、特図確定時間判定テーブルは、遊技状態(通常遊技状態/時短状態)と特図種別(特図1/特図2)に関連づけられており、各特図確定時間判定テーブルにおいて特図確定時間が大当たり判定結果に対応づけられている格納されている。
[特別図柄確定処理]
次に図52を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1704で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1752)。
現在時短状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1756に進み、現在、時短状態であれば(S1752でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」ディクリメントし(S1753)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1754)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1754でNO)、ステップS1756に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1754でYES)、時短状態から非時短状態に移行させる(時短フラグをOFFする)(S1755)。すなわち、通常遊技状態(非時短状態)を設定する。
次に、現在の遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1756)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1757)。大当たり図柄でなければ(S1757でNO)、現在停止表示している特別図柄が小当たり図柄か否かを判定する(S1761)。小当たり図柄でなければ(S1761でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更し(S1764)、特別図柄確定処理を終了する。
一方、ステップS1757において大当たり図柄であれば(S1757でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、時短フラグをOFFし、時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1758)。続いて、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技準備処理を行い(S1759)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1760)、特別図柄確定処理を終了する。大当たり遊技準備処理では、大当たり図柄の種別に応じた特別遊技制御テーブル(TBLNo.11−1〜11−3)をRAM84の所定領域にセットし、大当たり遊技のオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグをRAM84の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットし、大当たり図柄の種別に応じた大当たりオープニングコマンドをRAM84の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じた大当たりオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
また、ステップS1761において小当たり図柄であれば(S1761でYES)、遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技準備処理を行い(S1762)、特別動作ステータスを「6」に変更し(S1763)、特別図柄確定処理を終了する。小当たり遊技準備処理では、小当たり図柄の種別に応じた特別遊技制御テーブル(TBLNo.11−2〜11−3)をRAM84の所定領域にセットし、小当たり遊技のオープニング中であることを示す小当たりオープニングフラグをRAM84の所定領域にONし、小当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(小当たり遊技が開始されてから最初の第2大入賞口32の開放が開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットし、第2大入賞口32の開放回数を、RAM84に設けられたAT開放回数カウンタにセットし、小当たり図柄の種別に応じた小当たりオープニングコマンドをRAM84の出力バッファにセットし、振分装置36の制御を行うことを示す振分装置制御フラグをRAM84の所定領域にONし、小当たり遊技が開始してから特定領域34を開放(V開放)させるまでの時間(第1実施形態では、0.008秒)を、RAM84に設けられたV開閉制御用タイマにセットする。小当たり図柄の種別に応じた小当たりオープニングコマンドは、その停止表示した小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技(小当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
[大当たり遊技制御処理]
図53に示すように、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技制御処理(S1505)ではまず、オープニングフラグがONであるか否かを判定する(S1801)。大当たりオープニングフラグがONでなければ(S1801でNO)、ステップS1808に進み、大当たりオープニングフラグがONであれば(S1801でYES)、大当たり遊技のオープニング(大当たりオープニング)を終了させるか否か、言い換えれば、ステップS1759でオープニング時間がセットされた特別動作用タイマ=0となり、オープニングが開始してからオープニング時間が経過したか否かを判定する(S1802)。オープニングを終了させない場合(S1802でNO)、大当たり遊技制御処理を終了し、オープニングを終了させる場合(S1802でYES)、大当たりオープニングフラグをOFFし(S1803)、ラウンド回数カウンタのカウンタ値が、実行中の大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行回数(以下、「実行ラウンド数」という)であるか否かを判定する(S1804)。後述するように、ラウンド回数カウンタは、各ラウンド遊技の開始時に「1」インクリメントされる。ラウンド回数カウンタのカウンタ値が実行ラウンド数であると、言い換えれば、実行中の大当たり遊技における全てのラウンド遊技が実行されると(S1804でYES)、ステップS1813に進み、ラウンド回数カウンタのカウンタ値が実行ラウンド数でないと(S1804でNO)、ステップS1805に進む。
続いて遊技制御用マイコン81は、ラウンド回数カウンタを「1」インクリメントし(S1805)、ステップS1759でセットした特別遊技制御テーブルとこれから開始するラウンド遊技のラウンド数とに基づいて、第1大入賞口30を開放させるための大入賞口開放処理を行い(S1806)、これから開始するラウンド遊技のラウンド数を表すラウンド数指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットし(S1807)、大当たり遊技制御処理を終了する。遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放処理において、第1大入賞口ソレノイド31Sを通電して通常AT開閉部材31Kを駆動させて第1大入賞口30を開放させ、RAM84の所定領域に第1大入賞口30が開放中であることを示す大入賞口開放フラグをONし、特別遊技制御テーブルを参照してこれから開始するラウンド遊技における第1大入賞口30の開放時間を特別動作用タイマにセットする。
ステップS1808において、遊技制御用マイコン81は、後述する大当たり遊技のエンディング中であることを示す大当たりエンディングフラグがONであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン81は、大当たりエンディングフラグがONであると(S1808でYES)ステップS1816に処理を移し、大当たりエンディングフラグがONでないと(S1808でNO)、現在、大入賞口(第1大入賞口30)が開放中であるか否かを判定する(S1809)。大入賞口(第1大入賞口30)が開放中であるか否かは、大入賞口開放フラグがONであるか否かで判断される。遊技制御用マイコン81は、大入賞口(第1大入賞口30)が開放中でなければ(S1809でNO)ステップS1812に進み、大入賞口(第1大入賞口30)が開放中であれば(S1809でYES)、大入賞口開放終了条件が成立したか否かを判定する(S1810)。大入賞口開放終了条件は、そのラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口32)への入賞規定個数に達したこと、又は、そのラウンド遊技において大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口32)が開放してから所定の開放時間が経過したこと(ステップS1806で第1大入賞口30の開放時間がセットされた特別動作用タイマが「0」になったこと)の何れかが満たされていることである。
遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放終了条件が成立していないと(S1810でNO)大当たり遊技制御処理を終了し、大入賞口開放終了条件が成立していると(S1810でYES)大入賞口閉鎖処理を行う(S1811)。遊技制御用マイコン81は、大入賞口閉鎖処理において、第1大入賞口ソレノイド31Sを通電して通常AT開閉部材31Kを駆動させて第1大入賞口30を閉鎖させ、大入賞口開放フラグをOFFし、特別遊技制御テーブルを参照して実行中のラウンド遊技における第1大入賞口30の閉鎖時間を特別動作用タイマにセットする。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1812において、インターバル終了条件が終了したか否かを判定する。インターバル終了条件は、そのラウンド遊技において大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口32)が閉鎖してから所定の閉鎖時間が経過したこと(ステップS1811で第1大入賞口30の閉鎖時間がセットされた特別動作用タイマが「0」になったこと)である。遊技制御用マイコン81は、インターバル終了条件が成立していないと(S1812でNO)大当たり遊技制御処理を終了し、インターバル終了条件が成立していると(S1812でYES)、ステップS1804に進む。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1804でラウンド回数カウンタのカウンタ値が実行ラウンド数であると判定すると(S1804でYES)、大当たり遊技のエンディング中であることを示す大当たりエンディングフラグをRAM84の所定領域にONし(S1813)、大当たり図柄の種別に応じて、所定のエンディング時間(全てのラウンド遊技が終了されてから大当たり遊技が終了するまでの時間)を特別動作用タイマにセットし(S1814)、大当たり図柄の種別に応じた大当たりエンディングコマンドをRAM84の出力バッファにセットし(S1815)、大当たり遊技制御処理を終える。大当たり図柄の種別に応じた大当たりエンディングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技のエンディングが開始されることを表す。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1816において、大当たり遊技のエンディング(大当たりエンディング)を終了させるか否か、言い換えれば、ステップS1814でエンディング時間がセットされた特別動作用タイマ=0となり、エンディングが開始してからエンディング時間が経過したか否かを判定する。大当たりエンディングを終了させない場合(S1816でNO)、大当たり遊技制御処理を終了し、大当たりエンディングを終了させる場合(S1816でYES)、大当たりエンディングフラグをOFFし(S1817)、特別動作ステータスを「5」に変更し(S1818)、大当たり遊技制御処理を終了する。
[遊技状態設定処理]
次に図54を用いて遊技状態設定処理について説明する。遊技制御用マイコン81は、遊技状態設定処理(S1506)ではまず、時短状態を設定、すなわち、RAM84の所定領域に時短フラグをONし(S1851)、設定した時短状態を示す遊技状態コマンドを出力バッファにセットする(S1852)。
次に、遊技制御用マイコン81は、当該遊技状態設定処理に係る大当たり遊技が起因する大当たり図柄または小当たり図柄を確認し(S1853)、大当たり当選時の遊技状態を確認し(S1854)、それらを時短規定回数判定テーブルに照合して時短規定回数を判定する時短規定回数判定を行い(S1855)、その時短規定回数を時短残り回数カウンタにセットし(S1856)、特別動作ステータスを1に変更し(S1857)、遊技状態設定処理を終了する。なお、大当たり当選時の遊技状態は、ステップS230、または、ステップS1602もしくはステップS1609でセットされた大当たり当選時遊技状態データが参照される。
[小当たり遊技制御処理]
図55に示すように、遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技制御処理(S1507)ではまず、小当たりオープニングフラグがONであるか否かを判定する(S1901)。小当たりオープニングフラグがONでなければ(S1901でNO)、ステップS1907に進み、小当たりオープニングフラグがONであれば(S1901でYES)、小当たり遊技のオープニング(小当たりオープニング)を終了させるか否か、言い換えれば、ステップS1762でオープニング時間がセットされた特別動作用タイマ=0となり、オープニングが開始してからオープニング時間が経過したか否かを判定する(S1902)。小当たりオープニングを終了させない場合(S1902でNO)、小当たり遊技制御処理を終了し、小当たりオープニングを終了させる場合(S1902でYES)、小当たりオープニングフラグをOFFし(S1903)、AT開放回数カウンタのカウンタ値が、実行中の小当たり遊技における第2大入賞口32の開放回数(以下、「実行AT開放数」という)であるか否かを判定する(S1904)。後述するように、AT開放回数カウンタは、各開放開始時に「1」インクリメントされる。AT開放回数カウンタのカウンタ値が実行AT開放数であると、言い換えれば、実行中の小当たり遊技における全ての第2大入賞口32の開放が終了すると(S1904でYES)、ステップS1912に進み、AT開放回数カウンタのカウンタ値が実行AT開放数でないと(S1904でNO)、ステップS1905に進む。
続いて遊技制御用マイコン81は、AT開放回数カウンタを「1」インクリメントし(S1905)、ステップS1762でセットした特別遊技制御テーブルとこれから開始する第2大入賞口32の開放の順番とに基づいて、第2大入賞口32を開放させるための大入賞口開放処理を行い(S1906)、小当たり遊技制御処理を終了する。遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放処理において、第2大入賞口ソレノイド33Sを通電してVAT開閉部材33Kを駆動させて第2大入賞口32を開放させ、RAM84の所定領域に第2大入賞口32が開放中であることを示す大入賞口開放フラグをONし、特別遊技制御テーブルを参照してこれから開始する第2大入賞口32の開放の開放時間を特別動作用タイマにセットする。
ステップS1907において、遊技制御用マイコン81は、後述する小当たり遊技のエンディング中であることを示す小当たりエンディングフラグがONであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン81は、小当たりエンディングフラグがONであると(S1907でYES)ステップS1920に処理を移し、小当たりエンディングフラグがONでないと(S1907でNO)、現在、大入賞口(第2大入賞口32)が開放中であるか否かを判定する(S1908)。大入賞口(第2大入賞口32)が開放中であるか否かは、大入賞口開放フラグがONであるか否かで判断される。遊技制御用マイコン81は、大入賞口(第2大入賞口32)が開放中でなければ(S1908でNO)ステップS1911に進み、大入賞口(第2大入賞口32)が開放中であれば(S1908でYES)、大入賞口開放終了条件が成立したか否かを判定する(S1909)。大入賞口開放終了条件は、その小当たり遊技における大入賞口(第2大入賞口32)への入賞規定個数(第1実施形態において「9」個)に達したこと、又は、大入賞口(第2大入賞口32)が開放してから所定の開放時間が経過したこと(ステップS1906で第2大入賞口32の開放時間がセットされた特別動作用タイマが「0」になったこと)の何れかが満たされていることである。
遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放終了条件が成立していないと(S1909でNO)小当たり遊技制御処理を終了し、大入賞口開放終了条件が成立していると(S1909でYES)大入賞口閉鎖処理を行う(S1910)。遊技制御用マイコン81は、大入賞口閉鎖処理において、第2大入賞口ソレノイド33Sを通電してVAT開閉部材33Kを駆動させて第2大入賞口32を閉鎖させ、大入賞口開放フラグをOFFし、特別遊技制御テーブルを参照して第2大入賞口32の閉鎖時間を特別動作用タイマにセットする。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1910において、インターバル終了条件が終了したか否かを判定する。インターバル終了条件は、大入賞口(第2大入賞口32)が閉鎖してから所定の閉鎖時間が経過したこと(ステップS1910で第2大入賞口32の閉鎖時間がセットされた特別動作用タイマが「0」になったこと)である。遊技制御用マイコン81は、インターバル終了条件が成立していないと(S1911でNO)小当たり遊技制御処理を終了し、インターバル終了条件が成立していると(S1911でYES)、ステップS1904に進む。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1904においてAT開放回数カウンタのカウンタ値が実行AT開放数であると判定すると(S1904でYES)、VフラグがONであるか否か、すなわち、小当たり遊技中にV通過したか否かを判定する(S1912)。
VフラグがONであると(S1912でYES)、小当たり遊技後に大当たり遊技が行われるので、VフラグをOFFし(S1913)、遊技状態をリセットし(通常遊技状態を設定する。具体的には、時短フラグをOFFし、時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1914)、大当たり遊技準備処理を行い(S1915)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1916)、小当たり遊技制御処理を終了する。大当たり遊技準備処理では、小当たり図柄の種別に応じた特別遊技制御テーブル(TBLNo.10−2〜10−3)をRAM84の所定領域にセットし、大当たり遊技のオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグをRAM84の所定領域にONし、小当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから2ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットし、大当たり図柄の種別に応じた大当たりオープニングコマンドをRAM84の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じた大当たりオープニングコマンドは、その停止表示した小当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
VフラグがONでないと(S1912でNO)、大当たり遊技が行われないので、小当たり遊技のエンディング中であることを示す小当たりエンディングフラグをRAM84の所定領域にONし(S1917)、小当たり図柄の種別に応じて、所定のエンディング時間(全ての第2大入賞口32の開放が終了されてから小当たり遊技が終了するまでの時間)を特別動作用タイマにセットし(S1918)、小当たり図柄の種別に応じた小当たりエンディングコマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S1919)。小当たり図柄の種別に応じた小当たりエンディングコマンドは、その停止表示した小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技のエンディングが開始されることを表す。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1920において、小当たり遊技のエンディング(小当たりエンディング)を終了させるか否か、言い換えれば、ステップS1918でエンディング時間がセットされた特別動作用タイマ=0となり、小当たりエンディングが開始してからエンディング時間が経過したか否かを判定する。小当たりエンディングを終了させない場合(S1920でNO)、小当たり遊技制御処理を終了し、小当たりエンディングを終了させる場合(S1920でYES)、小当たりエンディングフラグをOFFし(S1921)、特別動作ステータスを「1」に変更し(S1922)、小当たり遊技制御処理を終了する。
[振分装置制御処理]
図56に示すように、遊技制御用マイコン81は、振分装置制御処理(S107)ではまず、振分装置制御フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。前述の通り、振分装置制御フラグは、ステップS1762の小当たり遊技準備処理によってONされる。遊技制御用マイコン81は、振分装置制御フラグがONでないと(S2001でNO)振分装置制御処理を終え、振分装置制御フラグがONであると(S2001でYES)、振分部材36Kが通過許可状態にありV開放中であること示すV開放中フラグがONであるか否かを判定する(S2002)。V開放中フラグがONであると(S2002でYES)ステップS2007に進み、V開放中フラグがONでないと(S2002でNO)、小当たり遊技が開始されてから特定領域34を開状態に(V開放)する時間(V開放開始時間)であるか否か、詳細には、ステップS1762の小当たり遊技準備処理においてV開閉制御用タイマにセットされた時間(V開放開始時間)が0になったか否かを判定する(S2003)。遊技制御用マイコン81は、V開放開始時間でないと(S2003でNO)振分装置制御処理を終え、V開放開始時間であると(S2003でYES)、振分部材作動処理を行い(S2004)、V有効期間設定処理を行い(S2005)、V開放中フラグをRAM84の所定領域にONし(S2006)、振分装置制御処理を終える。
振分部材作動処理では、振分ソレノイド36Sを通電して振分部材36Kを駆動させて特定領域34を開状態にすると共に、特定領域34を開状態にする時間(第1実施形態では、4.6秒)をV開閉制御用タイマにセットする。このV開閉制御用タイマにセットされた特定領域34を開状態にする時間が、後述するV開放終了時間となる。
また、V有効期間設定処理では、上記のような振分部材36Kの一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ34aによる遊技球の検知があった場合にその検知を有効なものとする期間であり、V有効期間においてはVフラグがONされる。よって、遊技制御用マイコン81は、RAM84の所定領域にVフラグをONする。
また、ステップS2007において、遊技制御用マイコン81は、V開放終了時間であるか否か、詳細には、ステップS2004でV開放終了時間がセットされたV開閉制御用タイマが0になったか否かを判定する。遊技制御用マイコン81は、V開放終了時間でないと(S2007でNO)振分装置制御処理を終え、V開放終了時間であると(S2007でYES)、V開放中フラグをOFFし(S2008)、設定されているV有効期間を解除(終了)するためのV有効期間解除処理を行い(S2009)、振分装置制御フラグをOFFし(S2010)、振分装置制御処理を終える。遊技制御用マイコン81は、V有効期間解除処理においてVフラグをOFFする。
なお、第1実施形態では、V有効期間は、特定領域34の開状態の終了に伴って解除されているが、特定領域34の開状態が開始した時点からV開放終了時間よりも長い時間が経過した時に解除してもよい。これは、振分部材36Kの配置位置を通過した遊技球が特定領域34に至るまでのタイムラグを考慮し、遊技者が被る不利益を軽減するためである。
6.演出制御用マイコン91による演出の制御
[サブ制御メイン処理]
次に図57〜図71のフローチャートを用いて、演出制御用マイコン91による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン91による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、図57に示したサブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する保留変化予告判定用乱数、前兆演出ガセ実行判定用乱数、保留変化予告種別判定用乱数、保変予兆演出ガセ実行判定用乱数、前兆演出種別判定用乱数、ファーストチャレンジ演出パターン判定用乱数、停止図柄判定用乱数、および、特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する入賞時保留変化予告開始コマンド、シフト時保留変化予告開始コマンド、変動中保留変化予告開始コマンド、特図変動演出開始コマンド、前兆演出ガセ開始コマンド、保変予兆演出開始コマンド、前兆演出規制開始コマンド、前兆演出規制終了コマンド、縮小画面表示終了コマンド、Vへの挑戦演出後半2回目開始コマンド、普図変動演出開始コマンド、補助遊技中つなぎ演出開始コマンド、特図1変動中つなぎ演出開始コマンド、電チュー非入賞演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、および、エンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、表示部7aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、ランプ制御回路107を介して枠ランプ66を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体15Kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、普図変動演出、補助遊技演出、操作促進演出、および、客待ち演出等がある。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、STB信号(ストローブ信号)、すなわち、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
また、1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理(S4011)において、演出ボタン検出スイッチ63aからの検出信号に基づいて演出ボタンスイッチデータを作成する入力処理を行う。また、演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理(S4011)において、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4206)で作成されたランプデータをランプ制御回路107に出力するランプ制御処理を行う。つまり、演出制御用マイコン91は、ランプデータに従って枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。また、演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理(S4011)において、所定のタイミングで盤可動体15Kを駆動させるべく、駆動データを作成し、または、出力する駆動制御処理を行う。後述の10msタイマ割り込み処理における各処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、演出制御用マイコン91は、駆動データに従って、盤可動体15Kを所定の動作態様で駆動させる。さらに、演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理(S4011)において、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図58を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン91は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述する。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動演出、普図変動演出、大当たり遊技演出、補助遊技演出、操作促進演出、および、客待ち演出などの各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する演出タイマ更新処理を行う(S4202)。さらに、客待ち演出を開始させるための客待ち演出実行処理(S4203)を行う。
次いで、演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理で作成した演出ボタンスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用の演出ボタンスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4204)。演出制御用マイコン91は、スイッチ状態取得処理によって、演出ボタン63の操作の有無を認識することができる。
次いで、演出制御用マイコン91は、規制の前兆演出Aを通常の前兆演出Aに戻すための前兆演出規制解除判定処理を行う(S4205)。前兆演出規制解除判定処理については後述する。
その後、演出制御用マイコン91は、その他の処理として、後述するように、出力バッファにセットされ、画像制御基板100に送信される特図変動演出開始コマンド、前兆演出ガセ開始コマンド、保変予兆演出ガセ開始コマンド、普図変動演出開始コマンド、補助遊技中つなぎ演出開始コマンド、特図1変動中つなぎ演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、および、エンディング演出開始コマンドが示す演出内容などに基づいて、ランプデータ(枠ランプ66の点灯を制御するデータ)の作成、および、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路106への出力などを行う(S4206)。
[受信コマンド解析処理]
次に図59〜図61を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理ではまず、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン91は、第1始動口20や第2始動口22に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理については後述する。
ステップS4303において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドをRAM94にある図柄指定コマンド記憶部96に記憶する(S4304)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報(特図解析結果)は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
ステップS4305において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)、保留アイコンをシフトさせるための保留アイコンシフト処理(S4307)、および、時短残り回数を表す時短残り回数表示を更新するための演出モード残り回数表示制御処理(S4308)を行う。特図変動演出開始処理および保留アイコンシフト処理については後述する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4314に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4309でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄や小図柄の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4310)、変動アイコンを消去するための変動アイコン消去処理(S4311)、前兆演出を非表示させるか否かを判定する前兆演出規制処理(S4312)、縮小画面の表示を終了させるか否かを判定する縮小画面表示終了判定処理(S4313)を行う。
特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄や小図柄の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。画像制御基板100は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄や小図柄を停止)する。さらに、特図変動演出終了処理では、実行中の特図変動演出が、Vへの挑戦演出後半成功であるか否かを判定し、Vへの挑戦演出後半成功であると、VAT発射促進演出および小当たり遊技突入演出を実行させるためのコマンドをRAM94の出力バッファにセットする。図11に示すように、通常遊技状態における特図2抽選で小当たりした場合、すなわち、Vへの挑戦演出後半成功が行われた場合、その後に行われる特図2停止表示の特図確定時間は13秒と、他の場合に比べて長く設定されている。よって、画像制御基板100は、そのコマンドを受信すると、特図2停止表示中において、最初にVAT発射促進演出を実行し、次に小当たり遊技突入演出を実行する。
また、変動アイコン消去処理では、変動アイコンを消去することを示す変動アイコン表示終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。画像制御基板100は、変動アイコン表示終了コマンドを受信すると、表示中の変動アイコンを消去する。前兆演出規制処理(S4312)および縮小画面表示終了判定処理(S4313)については後述する。
ステップS4314において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たりオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりオープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、大当たりオープニングコマンドを受信していなければ(S4314でNO)、ステップS4316に進む一方、大当たりオープニングコマンドを受信していれば(S4314でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4315)。演出制御用マイコン91は、大当たりオープニング演出開始処理では、大当たりオープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4316において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4316でNO)、ステップS4318に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4316でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4317)。演出制御用マイコン91は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4318において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たりエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、大当たりエンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。大当たりエンディングコマンドを受信していなければ(S4318でNO)、ステップS4321に進む一方、大当たりエンディングコマンドを受信していれば(S4318でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4319)および演出モード設定処理(S4320)を行う。
演出制御用マイコン91は、大当たりエンディング演出開始処理において、大当たりエンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン91は、演出モード設定処理において、大当たりエンディングコマンドの解析結果などに基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定するための処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
ステップS4321において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から小当たりオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、小当たりオープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、小当たりオープニングコマンドを受信していなければ(S4321でNO)、ステップS4323に進む一方、小当たりオープニングコマンドを受信していれば(S4321でYES)、小当たり遊技のオープニングの開始に伴う小当たりオープニング演出開始処理を行う(S4322)。演出制御用マイコン91は、通常遊技状態における特図2抽選により実行される小当たり遊技についての小当たりオープニング演出開始処理では、小当たりオープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される小当たり遊技のオープニングに応じた小当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば小当たりオープニング演出の演出内容(小当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した小当たりオープニング演出パターンにて小当たりオープニング演出を開始するための小当たりオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4323において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か、言い換えれば、V通過コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。V通過コマンドを受信していなければ(S4323でNO)、ステップS4325に進む一方、V通過コマンドを受信していれば(S4323でYES)、V通過に伴うV通過演出開始処理を行う(S4324)。演出制御用マイコン91は、V通過演出開始処理では、当該V通過が、実行中の小当たり遊技における最初のV通過であるか否かを判定し、最初のV通過であれば、V通過を報知するためのV通過演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。最初のV通過でなければ、V通過演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットすることなく、そのままV通過演出開始処理を終える。すなわち、小当たり遊技における最初のV通過に応じてのみV通過演出が行われる。
ステップS4325において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から小当たりエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、小当たりエンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、小当たりエンディングコマンドを受信していなければ(S4325でNO)、ステップS4327に進む一方、小当たりエンディングコマンドを受信していれば(S4325でYES)、小当たり遊技のエンディングの開始に伴う小当たりエンディング演出開始処理を行う(S4326)。演出制御用マイコン91は、通常遊技状態における特図2抽選により実行される小当たり遊技についての小当たりエンディング演出開始処理では、小当たりエンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される小当たり遊技のエンディングに応じた小当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば小当たりエンディング演出の演出内容(小当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した小当たりエンディング演出パターンにて小当たりエンディング演出を開始するための小当たりエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4327において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4327でNO)、ステップS4329に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4327でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4328)。遊技状態設定処理において、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグをRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」をRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が時短状態であれば遊技状態フラグ「01H」をRAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4329において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から普図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、普図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。普図変動開始コマンドを受信していなければ(S4329でNO)、ステップS4331に進む一方、普図変動開始コマンドを受信していれば(S4329でYES)、普図変動演出の演出内容を決定し、普図変動演出を開始させるための普図変動演出判定処理(S4330)を行う。普図変動演出判定処理については後述する。
ステップS4331において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から当たりオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、当たりオープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、当たりオープニングコマンドを受信していなければ(S4331でNO)、ステップS4333に進む一方、当たりオープニングコマンドを受信していれば(S4331でYES)、補助遊技の開始に伴う補助遊技開始時処理を行う(S4332)。補助遊技開始時処理については後述する。
ステップS4333において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から当たりエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、当たりエンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、当たりエンディングコマンドを受信していなければ(S4333でNO)、ステップS4335に進む一方、当たりエンディングコマンドを受信していれば(S4333でYES)、補助遊技の終了に伴う補助遊技終了時処理を行う(S4334)。補助遊技終了時処理については後述する。
ステップS4335において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4335でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4335でYES)、客待ち演出待機処理を行う(S4336)。演出制御用マイコン91は、客待ち演出待機処理では、演出図柄や小図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、この待機時間が経過したか否かはステップS4203の客待ち演出実行処理で監視される。演出制御用マイコン91は、ステップS4203の客待ち演出実行処理で、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
[始動入賞時処理]
次に図62を用いて始動入賞時処理について説明する。演出制御用マイコン91は、始動入賞時処理ではまず、受信した始動入賞コマンドをRAM94の中にある始動入賞コマンド保留記憶部95に記憶する(S4401)。ここで、演出制御用マイコン91は、第1始動入賞コマンドであれば始動入賞コマンド保留記憶部95の中の第1始動入賞コマンド保留記憶部951に記憶する。一方、演出制御用マイコン91は、第2始動入賞コマンドであれば始動入賞コマンド保留記憶部95の中の第2始動入賞コマンド保留記憶部952に記憶する。なお、第1始動入賞コマンド保留記憶部951および第2始動入賞コマンド保留記憶部952は、RAM84の特図1保留記憶部851および特図2保留記憶部852と同様に構成されている。
次に、演出制御用マイコン91は、記憶した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであるか否かを判定する(S4402)。第1始動入賞コマンドでなければ(S4402でNO)ステップS4413に進み、第1始動入賞コマンドであれば(S4402でYES)、演出制御用マイコン91は、RAM94に設けられた特図1保留数を表す特図1保留数カウンタを「1」インクリメントし(S4403)、現在通常演出モードであるか否かを判定する(S4404)。ここで、通常演出モードでなければ(S4404でNO)始動入賞時処理を終え、通常演出モードであれば(S4404でYES)、第1始動入賞コマンドに係る特図1保留に対応する通常態様の特図1保留アイコンを表示させるための特図1保留アイコン表示開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4405)。セットされた特図1保留アイコン表示開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、表示部7aにて通常態様の特図1保留アイコンを表示する。特図1保留アイコンは、記憶された第1始動入賞コマンドに係る特図1保留を含めた特図1保留数に応じた保留表示領域73aの所定位置(第1領域73a1〜第4領域73a4の何れか)に表示される。
続いて、ステップS4401で記憶した第1始動入賞コマンドが示す情報(当否情報および特図変動パターン情報)に基づいて、保留変化予告を実行するか否かと実行した場合の実行時期を判定する保留変化予告判定を行うための保留変化予告判定テーブルを選択する(S4406)。なお、以下において、第1始動入賞コマンドが示す当否情報と特図変動パターン情報のことを「事前判定結果情報」という。図72〜図77に示すように、保留変化予告判定テーブルは、第1始動入賞コマンドが示す事前判定結果情報(当否情報および特図変動パターン情報)と現在の特図1保留数に関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン91は、第1始動入賞コマンドが示す事前判定結果情報(当否情報および特図変動パターン情報)と現在の特図1保留数に関連付けられた保留変化予告判定テーブルを1つ選択する。
各保留変化予告判定テーブルには、所定の(図72〜図77に記載の)振分率(%)となるように、保留変化予告実行パターンに保留変化予告判定用乱数の値(保留変化予告実行パターン判定値)が振り分けられている。保留変化予告実行パターンには、保留変化予告を実行することを示す保留変化予告実行パターン01〜保留変化予告実行パターン04と、保留変化予告の不実行を示す保留変化予告実行パターン05と、がある。保留変化予告実行パターン01〜保留変化予告実行パターン04は、それぞれ保留変化予告の実行時期(図72〜図77において「保留アイコンの変化タイミング」と表記している欄の「入賞時」、「次の変動」、「2つ後の変動」および「3つ後の変動」)によって区別されている。具体的に、保留変化予告実行パターン01は、ステップS4401で記憶された第1始動入賞コマンドに対応する特図1保留の発生の際、すなわち、特図1保留アイコンを表示した直後に保留変化予告を実行することを表している。また、保留変化予告実行パターン02は、次に開始される特図変動表示中(図72〜図77において「次の変動」と表記)に先読み演出を実行することを表している。保留変化予告実行パターン03は、次々回に開始される特図変動表示中(図72〜図77において「2つ後の変動」と表記)に保留変化予告を実行することを表している。保留変化予告実行パターン04は、次々々回に開始される特図変動表示中(図72〜図77において「3つ後の変動」と表記)に保留変化予告を実行することを表している。
次に、演出制御用マイコン91は、保留変化予告判定用乱数カウンタが示す値を保留変化予告判定用乱数として取得し(S4407)、取得した保留変化予告判定用乱数に基づいて保留変化予告判定を行う(S4408)。
演出制御用マイコン91は、保留変化予告判定において、ステップS4406で選択したテーブルに、ステップS4407で取得した保留変化予告判定用乱数を照合し、保留変化予告実行パターンを決定する。
そして、演出制御用マイコン91は、ステップS4409の保留変化予告判定の結果が保留変化予告の実行であるか否かを判定する(S4409)。保留変化予告の実行でなければ(S4409でNO)、始動入賞時処理を終了し、保留変化予告の実行であれば(S4409でYES)、保留変化予告実行パターンを表す保留変化予告データを、ステップS4401で記憶した第1始動入賞コマンドに関連づけて、RAM94の所定領域にセットし(S4410)、セットした保留変化予告データが表す保留変化予告の実行時期が入賞時であるか否か、すなわち、保留変化予告実行パターン01を表す保留変化予告データがセットされたか否かを判定する(S4411)。保留変化予告の実行時期が入賞時でなければ(S4411でNO)始動入賞時処理を終了し、保留変化予告の実行時期が入賞時であれば(S4411でYES)、保留アイコンの表示態様を特別態様に変化させることを表す、すなわち、これから表示する保留アイコンを用いて保留変化予告を行うことを表す入賞時保留変化予告開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4412)、始動入賞時処理を終える。なお、ステップS4413で入賞時保留変化予告開始コマンドがRAM94の出力バッファにセットされると、その時点で特図1保留アイコン表示開始コマンドと入賞時保留変化予告開始コマンドが出力バッファにセットされていることになるが、特図1保留アイコン表示開始コマンドが先に画像制御基板100に出力され、通常態様の特図1保留アイコンが表示された直後に、当該特図1保留アイコンが特別態様に変化する。
また、演出制御用マイコン91は、ステップS4401で記憶した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドでなければ(S4402でNO)、現在、通常演出モードであるか否かを判定する(S4413)。ここで、通常演出モードでなければ(S4413でNO)始動入賞時処理を終え、通常演出モードであれば(S4413でYES)、通常遊技状態におけるロング開放補助遊技中であることを表す補助遊技中フラグがONであるか否かを判定する(S4414)。補助遊技中フラグがONでなければ(S4414でNO)始動入賞時処理を終え、補助遊技中フラグがONであれば(S4414でYES)、補助遊技中つなぎ演出が行われていることを表す補助遊技中つなぎ演出フラグがONであるか否かを判定する(S4415)。補助遊技中つなぎ演出フラグがONであれば(S4415でYES)始動入賞時処理を終え、補助遊技中つなぎ演出フラグがONでなければ(S4415でNO)、現在、特図1可変表示中であるか否かを判定する(S4416)。特図1可変表示中でなければ(S4416でNO)始動入賞時処理を終え、特図1可変表示中であれば(S4416でYES)、補助遊技中つなぎ演出を開始させることを示す補助遊技中つなぎ演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S4417)、補助遊技中つなぎ演出フラグをRAM94の所定領域にONし(S4418)、始動入賞時処理を終える。
なお、セットされた補助遊技中つなぎ演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から補助遊技中つなぎ演出に関する画像を読み出して、画像表示装置7の表示部7aにて補助遊技中つなぎ演出を開始する。
[特図変動演出開始処理]
次に図63〜図64を用いて特図変動演出開始処理について説明する。演出制御用マイコン91は、特図変動演出開始処理ではまず、受信した特図変動開始コマンドをRAM94の中にある特図変動パターン記憶部97に記憶する(S4501)。
次に、演出制御用マイコン91は、最終的に停止表示させる演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の組み合わせ(以下において、「停止演出図柄」という)と小図柄KZ1、KZ2、KZ3の組み合わせ(以下において、「停止小図柄」という)を決定する停止図柄決定処理を行う(S4502)。なお、第1実施形態では、特図の停止表示が行われる際に必ず小図柄KZ1、KZ2、KZ3の停止表示は行われるが、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の停止表示が行われない場合もある。停止図柄決定処理では、まず、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、小当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止演出図柄および停止小図柄を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン91は、停止図柄の種別および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の停止演出図柄および停止小図柄に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン91は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。演出制御用マイコン91は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止図柄(停止演出図柄および停止小図柄)を決定して、決定した停止図柄(停止演出図柄および停止小図柄)を表すデータをRAM94の所定領域にセットする。
次に、演出制御用マイコン91は、特図変動演出の演出内容(変動演出パターン)を決定する特図変動演出パターン決定処理を行う(S4503)。特図変動演出パターン決定処理では、特図変動演出パターン判定用乱数を取得するとともに、演出モードおよび特図変動パターンに対応付けられて複数設けられている特図変動演出パターン判定テーブルの中から、現在の演出モードおよび特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて1つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を判定することにより、特図変動演出パターンを決定する。特図変動演出パターンが決定されれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、操作促進演出の有無、操作促進演出の内容、演出展開構成などの種類等からなる変動演出の演出内容が決まることとなる。
なお、特図変動演出パターンの一例として、図78に、通常演出モードにおける特図2変動パターン用の特図変動演出パターン判定テーブルを示す。ここで、図78の特図変動演出の演出内容は、ラストチャレンジ演出の演出内容、すなわち、主人公キャラクタの攻撃の内容に対応付けられている。そして、V挑戦後半復活大当たり変動、V挑戦後半復活小当たり変動、および、V挑戦後半復活ハズレ変動の演出内容には「→」が記載されており、その「→」を挟んで2つの攻撃内容が記載されている。これは、これらの特図変動パターンに応じた特図変動演出では、復活チャレンジ演出が行われ、2回のラストチャレンジ演出が行われることから、「→」の左側の攻撃内容が1回目のラストチャレンジ演出における攻撃内容を表し、「→」の右側の攻撃内容が2回目のラストチャレンジ演出における攻撃内容を表している。
次に、演出制御用マイコン91は、決定した停止図柄および特図変動演出パターンなどからなる特図変動演出の演出内容を示す特図変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4504)。特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置7で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカ67から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ66で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体15Kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。ステップS4504でセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置7の表示部7aにて画像による特図変動演出を行う。また、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板100に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路106を介してスピーカ67から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、ランプ制御回路107を介して枠ランプ66を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体15Kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動パターンが示す特図変動時間を特図変動演出の時間(特図変動演出時間)として特図変動演出タイマにセットし、特図変動演出が開始されてから経過する時間(特図変動演出経過時間)の計測を開始する(S4505)。特図変動演出タイマにセットされた特図変動演出時間は、ステップS4202の演出タイマ更新処理によって、10msおきに、10ms分、更新される。演出制御用マイコン91は、特図変動演出タイマによって、特図変動演出経過時間を認識することができる。
続いて演出制御用マイコン91は、前兆演出ガセの実行可否を決定する前兆演出ガセ実行判定処理を行う(S4506)。ここで、前兆演出判定処理について、図64を用いて説明する。
演出制御用マイコン91は、前兆演出ガセ実行判定処理ではまず、現在通常演出モードであるか否かを判定する(S4601)。前兆演出ガセは通常演出モードで行われる演出であるからである。通常演出モードでなければ(S4601でNO)前兆演出ガセ実行判定処理を終えて、ステップS4306の特図変動演出開始処理に戻り、通常演出モードであれば(S4601でYES)、これから開始される特図変動演出に係る特図変動パターンは通常ハズレ変動であるか否かを判定する(S4602)。前兆演出ガセは通常ハズレ変動の特図変動演出で行われる演出であるからである。通常ハズレ変動でなければ(S4602でNO)前兆演出ガセ実行判定処理を終えて、ステップS4306の特図変動演出開始処理に戻り、通常ハズレ変動であれば(S4602でYES)、前兆演出ガセ実行判定用乱数カウンタが示す値を前兆演出ガセ実行判定用乱数として取得し(S4603)、取得した前兆演出ガセ実行判定用乱数に基づいて前兆演出ガセ実行判定を行う(S4604)。
前兆演出ガセ実行判定は、ROM93に格納されている前兆演出ガセ実行判定テーブルを用いて行われる。第1実施形態では、前兆演出ガセ実行判定テーブルは1つ設けられている。前兆演出ガセ実行判定テーブルには、所定の(図79に記載の)振分率(%)となるように、前兆演出ガセの実行の可否に前兆演出ガセ実行判定用乱数の値(前兆演出ガセ実行判定値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、前兆演出ガセ実行判定において、前兆演出ガセ実行判定テーブルに、ステップS4603で取得した前兆演出ガセ実行判定用乱数を照合し、前兆演出ガセの実行の可否を決定する。
そして、演出制御用マイコン91は、ステップS4604の前兆演出ガセ実行判定の結果が前兆演出ガセの実行であるか否かを判定する(S4605)。前兆演出ガセの実行でなければ(S4605でNO)、前兆演出ガセ実行判定処理を終えて、ステップS4306の特図変動演出開始処理に戻り、前兆演出ガセの実行であれば(S4605でYES)、前兆演出ガセの開始を表す前兆演出ガセ開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4606)。前兆演出ガセ開始コマンドには、画像表示装置7で行われる画像による前兆演出ガセの他に、スピーカ67から出力される音声による前兆演出ガセ、および、枠ランプ66で行われる発光による前兆演出ガセの演出内容の演出内容が含まれている。ステップS4605でセットされた前兆演出ガセ開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、これから開始される特図変動演出が開始してから1秒経過した時に、画像表示装置7の表示部7aにて画像による前兆演出ガセを行う。また、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100によって行われる画像による前兆演出ガセが行われている間、画像制御基板100に送信された前兆演出ガセ開始コマンドが示す前兆演出ガセの演出内容に応じて、音声制御回路106を介してスピーカ67から音声を出力させ(音声による前兆演出ガセを実行し)、また、ランプ制御回路107を介して枠ランプ66を発光させる(発光による前兆演出ガセを実行する)。
そして、演出制御用マイコン91は、前兆演出ガセの実行中であることを表す前兆演出ガセフラグをRAM94の所定領域にセットし(S4607)、前兆演出ガセに要する時間(前兆演出ガセ演出時間)を前兆演出ガセタイマにセットし、前兆演出ガセが開始されてから経過する時間(前兆演出ガセ経過時間)の計測を開始し(S4608)、前兆演出ガセ実行判定処理を終了して、ステップS4306の特図変動演出開始処理に戻る。なお、前兆演出ガセ演出タイマにセットされた前兆演出ガセ時間は、ステップS4202の演出タイマ更新処理によって、10msおきに、10ms分、更新される。演出制御用マイコン91は、前兆演出ガセタイマによって、前兆演出ガセ経過時間を認識することができる。
次に、演出制御用マイコン91は、特図変動演出開始処理にて、ステップS4501で記憶した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンを参照して、これから特図2変動表示に応じた特図変動演出が開始されるか否か、言い換えると、これから特図2変動表示が開始されるか否かを判定する(S4507)。特図2変動表示が開始されないのであれば(S4507でNO)特図変動演出開始処理を終え、特図2変動表示が開始されるのであれば(S4507でYES)、補助遊技中つなぎ演出フラグがONであるか否かを判定する(S4508)。補助遊技中つなぎ演出フラグがONでなければ(S4508でNO)特図変動演出開始処理を終え、補助遊技中つなぎ演出フラグがONであれば(S4508でYES)、補助遊技中つなぎ演出フラグをOFFし(S4509)、電チュー非入賞演出禁止フラグをRAM94の所定領域にONし(S4510)、特図変動演出開始処理を終える。これは、補助遊技が実行されているときに特図2変動表示が開始されてVへの挑戦演出後半が実行されているにも関わらず、補助遊技が終了するときに電チュー非入賞演出が開始されることを防ぐためである。
[保留アイコンシフト処理]
次に図65を用いて保留アイコンシフト処理について説明する。演出制御用マイコン91は、保留アイコンシフト処理ではまず、保留アイコンシフト開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4701)。セットされた保留アイコンシフト開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示部7aの保留表示領域73aにて表示している全ての保留アイコンのそれぞれを1つ左に、言い換えれば、各保留アイコンに係る保留順が1つ減るように移動させる。
次に、演出制御用マイコン91は、記憶されている各始動入賞コマンドに係る保留順と、各始動入賞コマンドに関連づけられている保留変化予告データとに基づいて、これから開始される特図変動演出にて保留変化予告を行うか否かを判定する(S4702)。保留変化予告を行わなければ(S4702でNO)ステップS4708に進み、保留変化予告を行えば(S4702でYES)これから開始される特図変動演出の特図変動演出時間が通常Cハズレ変動の特図変動時間(4秒)より長いか否かを判定する(S4703)。これは、特図変動演出の特図変動演出時間が通常Cハズレ変動の特図変動時間より長くなれければ、保変予兆演出を伴う変動中保留変化予告を実行させることができないため、通常Cハズレ変動の特図変動時間より長いか否かで実行可能な保留変化予告の種別が異なるからである。なお、保変予兆演出の演出時間は4秒に設定されている。
これから開始される特図変動演出の特図変動演出時間が通常Cハズレ変動の特図変動時間より長くなければ(S4703でNO)シフト時保留変化予告開始コマンドをセットして(S4707)、保留アイコンシフト処理を終える。セットされたシフト時保留変化予告開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、保留変化予告の対象となる保留アイコンがシフトされる際に保留アイコンの表示態様を通常態様から特別態様に変化させる(シフト時保留変化予告を実行させる)。
一方、これから開始される特図変動演出の特図変動演出時間が通常Cハズレ変動の特図変動時間より長ければ(S4703でYES)、保留変化予告種別判定用乱数カウンタが示す値を保留変化予告種別判定用乱数として取得し(S4704)、取得した保留変化予告種別判定用乱数に基づいて保留変化予告種別判定を行う(S4705)。
保留変化予告種別判定は、ROM93に格納されている保留変化予告種別判定テーブルを用いて行われる。第1実施形態では、保留変化予告種別判定テーブルは1つ設けられている。図80に示すように、保留変化予告種別判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、保留変化予告種別に保留変化予告種別判定用乱数の値(保留変化予告種別判定値)が振り分けられている。第1実施形態では、シフト時保留変化予告と変動中保留変化予告に50%ずつ保留変化予告種別判定値が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、保留変化予告種別判定において、保留変化予告種別判定テーブルに、ステップS4704で取得した保留変化予告種別判定用乱数を照合し、保留変化予告種別を決定する。
続けて、演出制御用マイコン91は、ステップS4705で決定した保留変化予告種別に対応する保留変化予告演出開始コマンド(シフト時保留変化予告開始コマンドまたは変動中保留変化予告開始コマンド)をRAM94の出力バッファにセットして(S4706)、保留アイコンシフト処理を終える。セットされた変動中保留変化予告開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、特図変動演出が開始されてから1秒後に保変予兆演出を開始させ、保留変化予告の対象となる保留アイコンの表示態様を通常態様から特別態様に変化させる(変動中保留変化予告を実行させる)。
演出制御用マイコン91は、ステップS4702において保留変化予告を行わないと判定すると(S4702でNO)現在、通常演出モードであるか否かを判定する(S4708)。通常演出モードでなければ(S4708でNO)保留アイコンシフト処理を終え、通常演出モードであれば(S4708でYES)Vへの挑戦演出を実行中であるか否かを判定する(S4709)。Vへの挑戦演出を実行中であれば(S4709でYES)保留アイコンシフト処理を終え、Vへの挑戦演出を実行中でなければ(S4709でNO)特図1保留数が「1」以上であるか否か、すなわち、特図1保留に応じた保留アイコンを表示しているか否かを判定する(S4710)。特図1保留数が「1」以上でなければ(S4710でNO)保留アイコンシフト処理を終え、特図1保留数が「1」以上であれば(S4710でYES)これから開始される特図変動演出の特図変動演出時間が通常Cハズレ変動の特図変動時間(4秒)より長いか否かを判定する(S4711)。これは、特図変動演出の特図変動演出時間が通常Cハズレ変動の特図変動時間より長くなれければ、特図変動演出中に保変予兆演出ガセを実行させることができないからである。
これから開始される特図変動演出の特図変動演出時間が通常Cハズレ変動の特図変動時間より長くなければ(S4711でNO)保留アイコンシフト処理を終え、これから開始される特図変動演出の特図変動演出時間が通常Cハズレ変動の特図変動時間より長ければ(S4711でYES)、保変予兆演出ガセ実行判定用乱数カウンタが示す値を保変予兆演出ガセ実行判定用乱数として取得し(S4712)、取得した保変予兆演出ガセ実行判定用乱数に基づいて保変予兆演出ガセ実行判定を行う(S4713)。
保変予兆演出ガセ実行判定は、ROM93に格納されている保変予兆演出ガセ実行判定テーブルを用いて行われる。第1実施形態では、保変予兆演出ガセ実行判定テーブルは、大当たり判定結果とリーチ判定結果とに関連づけられて4つ設けられている。図81に示すように、各保変予兆演出ガセ実行判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、保変予兆演出ガセ実行の可否に保変予兆演出ガセ実行判定用乱数の値(保変予兆演出ガセ実行判定値)が振り分けられている。演出制御用マイコン91は、保変予兆演出ガセ実行判定において、ステップS4501で記憶した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンを参照して、大当たり判定結果とリーチ判定結果に関連づけられた保変予兆演出ガセ実行判定テーブルを選択し、選択した保変予兆演出ガセ実行判定テーブルにステップS4712で取得した保変予兆演出ガセ実行判定用乱数を照合し、保変予兆演出ガセの実行の可否を決定する。
そして、演出制御用マイコン91は、保変予兆演出ガセ実行判定の結果が保変予兆演出ガセの実行であるか否かを判定する(S4714)。保変予兆演出ガセの実行でなければ(S4714でNO)保留アイコンシフト処理を終え、保変予兆演出ガセの実行であれば(S4714でYES)保変予兆演出ガセの演出内容を示す保変予兆演出ガセ開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4715)、保留アイコンシフト処理を終える。セットされた保変予兆演出ガセ開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、特図変動演出が開始されてから1秒後に保変予兆演出ガセを開始させる。
[前兆演出規制処理]
次に図66を用いて、前兆演出Aの規制に関する前兆演出規制処理について説明する。演出制御用マイコン91は、前兆演出規制処理ではまず、前兆演出フラグがONであるか否かを判定する(S4801)。前兆演出フラグがONでなければ(S4801でNO)前兆演出規制処理を終え、前兆演出フラグがONであれば(S4801でYES)、前兆演出Aが規制されていることを表す前兆演出規制フラグをRAM94の所定領域にONし(S4802)、前兆演出を規制する時間(前兆演出規制時間)を前兆演出規制用タイマにセットし、前兆演出が規制されてから経過する時間の計測を開始し(S4803)、前兆演出を規制することを示す前兆演出規制開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S4804)、前兆演出規制処理を終了する。
なお、前兆演出規制時間は、これから行われる特図停止表示の特図確定時間と同一に設定されている。前兆演出規制用タイマにセットされた前兆演出規制時間は、ステップS4202の演出タイマ更新処理によって、10msおきに、10ms分、更新される。演出制御用マイコン91は、前兆演出規制用タイマによって、前兆演出Aが規制されてから経過する時間を認識することができる。また、セットされた前兆演出規制開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、図36(B)に示すように、停止表示中の演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の内容を容易に視認できるように、通常の前兆演出Aより小さく且つ極力演出図柄EZ1、EZ2、EZ3と重ならない範囲に、縮小画面画像G10を表示すると共に、通常の前兆演出Aであれば表示部7aの通常領域に表示する前兆演出用第2背景画像G111およびタイトル画像G9などをその縮小画面画像G10(特別領域)の中に表示する。
[縮小画面表示終了判定処理]
次に図67を用いて、Vへの挑戦演出に係る縮小画面画像G10の表示を終了するか否かを判定する縮小画面表示終了判定処理について説明する。演出制御用マイコン91は、縮小画面表示終了判定処理ではまず、現在、Vへの挑戦演出の実行中であるか否かを判定する(S4901)。縮小画面画像G10はVへの挑戦演出の実行中において表示可能であるからである。なお、ここでのVへの挑戦演出にはつなぎ演出(補助遊技つなぎ演出および特図1変動中つなぎ演出)も含まれている。
演出制御用マイコン91は、Vへの挑戦演出の実行中でなければ(S4901でNO)縮小画面表示終了判定処理を終え、Vへの挑戦演出の実行中であれば(S4901でYES)、縮小画面表示終了判定処理が起因する特図変動停止コマンドに係る特図停止表示の停止表示の対象は特図1であるか否かを判定する(S4902)。特図1の停止表示が行われることに伴って、縮小画面画像G10の表示を終了させるからである。特図1でなければ(S4902でNO)ステップS4907に進み、特図1であれば(S4902でYES)、停止表示した特図1は大当たり図柄であるか否かを判定する(S4903)。
演出制御用マイコン91は、大当たり図柄であれば(S4903でYES)、Vへの挑戦演出を強制終了することを示すVへの挑戦演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S4904)、縮小画面画像G10の表示を終了させることを示す縮小画面表示終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S4906)、縮小画面表示終了判定処理を終了する。なお、ここでのVへの挑戦演出には補助遊技つなぎ演出も含まれている。
セットされた縮小画面表示終了コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、当該コマンドを受信してから特図確定時間が経過したときに、表示部7aに表示されている縮小画面画像G10を消去し、表示部7aを特別状態から通常状態に戻す。また、セットされたVへの挑戦演出終了コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、ステップS4906でセットされた縮小画面表示終了コマンドに応じた縮小画面画像G10の消去に伴って、Vへの挑戦演出を強制終了させる。よって、Vへの挑戦演出の実行中であっても、大当たりに当選すると、Vへの挑戦演出が強制終了されて大当たり遊技演出が開始される。
一方、停止表示した特図1が大当たり図柄でなければ(S4903でNO)特図2保留数=1であるか否か、すなわち、特図変動表示が停止してから特図確定時間が経過すると特図2可変表示を開始できるか否かを判定する(S4905)。特図2保留数=1であれば(S4905でYES)ステップS4906に進み、特図2保留数=1でなければ(S4905でNO)縮小画面表示終了判定処理を終える。
また、演出制御用マイコン91は、ステップS4907において、停止表示した特図2はハズレ特図であるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、ハズレ特図でなければ(S4907でNO)縮小画面表示終了判定処理を終え、ハズレ特図であれば(S4907でYES)、特図2保留数=1であるか否かを判定する(S4908)。特図2保留数=1でなければ(S4908でNO)縮小画面表示終了判定処理を終え、特図2保留数=1であれば(S4908でYES)、2回目の特図2変動表示に応じたVへの挑戦演出後半の開始を示すVへの挑戦演出後半2回目開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S4909)、縮小画面表示終了判定処理を終了する。セットされたVへの挑戦演出後半2回目開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、次の特図2変動表示に応じた2回目のVへの挑戦演出後半(特図変動演出)が開始される際に、表示部7aに、最後の挑戦の実行回数を表すラストチャレンジ回数報知画像G24を表示する。具体的には、1回目のVへの挑戦演出後半が通常Vへの挑戦演出後半であると、2回目のVへの挑戦演出後半で最初に行われる最後の挑戦の実行回数は「2回目」であるので、2回を表す「2ND」を表すラストチャレンジ回数報知画像G24が表示される。一方、1回目のVへの挑戦演出後半が復活Vへの挑戦演出後半であると、2回目のVへの挑戦演出後半で最初に行われる最後の挑戦の実行回数は「3回目」であるので、3回を表す「3rd」を表すラストチャレンジ回数報知画像G24が表示される。
[普図変動演出判定処理]
次に図68を用いて、普図変動演出(前兆演出+Vへの挑戦演出の前半など)の実行の有無及び実行する場合の演出内容を判定する普図変動演出判定処理について説明する。演出制御用マイコン91は、普図変動演出判定処理ではまず、現在通常演出モードであるか否かを判定する(S5001)。普図変動演出は通常演出モードで行われる演出であるからである。
演出制御用マイコン91は、通常演出モードでなければ(S5001でNO)普図変動演出判定処理を終えて、通常演出モードであれば(S5001でYES)、現在、特別遊技中または特図2可変表示中であるか否かを判定する(S5002)。大入賞口30、32の開放を伴い、遊技者に有利な状況である特別遊技中は普図変動演出の実行を規制(禁止)するためである。また、特図2可変表示中ということは、Vへの挑戦演出後半が行われているので、特図2可変表示中は普図変動演出の実行を規制(禁止)するためである。
演出制御用マイコン91は、特別遊技中または特図2可変表示中であれば(S5002でYES)、普図変動演出判定処理を終えて、特別遊技中または特図2可変表示中でなければ(S5002でNO)、受信割り込み処理で受信バッファに格納した普図変動開始コマンドが示す情報(普図変動パターン)に基づいて、これから開始する普図変動表示が当たり図柄Aまたは当たり図柄Bの普図変動表示であるか否かを判定する(S5003)。当たり図柄Aまたは当たり図柄Bの普図変動表示であれば(S5003でYES)、特図1保留数が「1」以上であるか否かを判定する(S5004)。当たり図柄Aまたは当たり図柄Bの普図変動表示のときに前兆演出やVへの挑戦演出前半が行われるからである。特図1保留数が「1」以上であれば(S5004でYES)、特図1保留あり用の前兆演出種別判定テーブルを選択して(S5005)ステップS5007に進み、特図1保留数が「1」以上でなければ(S5004でNO)特図1保留なし用の前兆演出種別判定テーブルを選択して(S5006)ステップS5007に進む。
図82に示すように、各前兆演出種別判定テーブルには、所定の(図82に記載の)振分率(%)となるように、前兆演出種別(前兆演出Aと前兆演出B)に前兆演出種別判定用乱数の値(前兆演出種別判定値)が振り分けられている。前兆演出種別には、縮小画面画像G10の段階的な縮小を伴う前兆演出Aと、保変予兆演出を伴う前兆演出Bとがある。
次に、演出制御用マイコン91は、前兆演出種別判定用乱数カウンタが示す値を前兆演出種別判定用乱数として取得し(S5007)、取得した前兆演出種別判定用乱数に基づいて前兆演出種別判定を行う(S5008)。
演出制御用マイコン91は、前兆演出種別判定において、ステップS5005またはステップS5006で選択した前兆演出種別判定テーブルに、ステップS5007で取得した前兆演出種別判定用乱数を照合し、前兆演出種別を決定する。
そして、演出制御用マイコン91は、前兆演出種別を表す前兆演出種別データを、RAM94の所定領域にセットし(S5009)、ステップS5010に進む。
ステップS5010において、演出制御用マイコン91は、これから開始する普図変動表示が当たり図柄Aの普図変動表示であるか否かを判定する。当たり図柄Aの普図変動表示であれば(S5010でYES)、当たり図柄A用のファーストチャレンジ演出パターン判定テーブルを選択して(S5011)ステップS5013に進み、当たり図柄Aの普図変動表示でなければ(S5010でNO)、当たり図柄B用のファーストチャレンジ演出パターン判定テーブルを選択して(S5012)ステップS5013に進む。
図83に示すように、各ファーストチャレンジ演出パターン判定テーブルには、所定の(図83に記載の)振分率(%)となるように、ファーストチャレンジ演出パターン判定テーブルにファーストチャレンジ演出パターン判定用乱数の値(ファーストチャレンジ演出パターン判定値)が振り分けられている。ファーストチャレンジ演出パターンには、ファーストチャレンジ演出の演出内容を示すファーストチャレンジ演出パターン01〜ファーストチャレンジ演出パターン03がある。ファーストチャレンジ演出パターン01は、前述のファーストチャレンジ内容説明画像G12の色が赤色であることを表している。ファーストチャレンジ演出パターン02は、ファーストチャレンジ内容説明画像G12の色が緑色であることを表している。ファーストチャレンジ演出パターン03は、ファーストチャレンジ内容説明画像G12の色が白色であることを表している。
次に、演出制御用マイコン91は、ファーストチャレンジ演出パターン判定用乱数カウンタが示す値をファーストチャレンジ演出パターン判定用乱数として取得し(S5013)、取得したファーストチャレンジ演出パターン判定用乱数に基づいてファーストチャレンジ演出パターン判定を行う(S5014)。
演出制御用マイコン91は、ファーストチャレンジ演出パターン判定において、ステップS5011またはステップS5012で選択したファーストチャレンジ演出パターン判定テーブルに、ステップS5013で取得したファーストチャレンジ演出パターン判定用乱数を照合し、ファーストチャレンジ演出パターンを決定する。
そして、演出制御用マイコン91は、ファーストチャレンジ演出パターンを表すファーストチャレンジ演出データを、RAM94の所定領域にセットし(S5015)、ステップS5008における前兆演出種別判定の判定結果(前兆演出種別)およびステップS5014におけるファーストチャレンジ演出パターン判定の判定結果(ファーストチャレンジ演出パターン)などが含まれた普図変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5016)、前兆演出の実行中であることを表す前兆演出フラグをRAM94の所定領域にセットし(S5017)、前兆演出の演出時間(前兆演出時間)を前兆演出タイマにセットし、前兆演出が開始されてから経過する時間の計測を開始し(S5018)、普図変動演出判定処理を終了する。
前兆演出タイマにセットされた前兆演出時間は、ステップS4202の演出タイマ更新処理によって、10msおきに、10ms分、更新される。演出制御用マイコン91は、前兆演出タイマによって、前兆演出が開始されてから経過した時間を認識することができる。また、セットされた普図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置7の表示部7aにて画像による普図変動演出を行う。また、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100によって行われる画像による普図変動演出が行われている間、画像制御基板100に送信された普図変動演出開始コマンドが示す普図変動演出の演出内容に応じて、音声制御回路106を介してスピーカ67から音声を出力させ(音声による普図変動演出を実行し、音声による特図変動演出から音声による普図変動演出に切り替え)、また、ランプ制御回路107を介して枠ランプ66を発光させる(発光による普図変動演出を実行し、発光による特図変動演出から発光による普図変動演出に切り替える)。
[補助遊技開始時処理]
次に図69を用いて、ロング開放補助遊技の開始に応じた補助遊技開始時処理について説明する。演出制御用マイコン91は、補助遊技開始時処理ではまず、現在通常演出モードであるか否かを判定する(S5101)。通常演出モードでなければ(S5101でNO)補助遊技開始時処理を終えて、通常演出モードであれば(S5101でYES)、当たりオープニングコマンドが示す情報(当たり図柄種別)に基づいて、これから開始する補助遊技が当たり図柄Aに応じた補助遊技(ロング開放補助遊技)であるか否かを判定する(S5102)。当たり図柄Aの補助遊技でなければ(S5102でNO)補助遊技開始時処理を終え、当たり図柄Aの補助遊技であれば(S5102でYES)、通常遊技状態における当たり図柄Aに応じた補助遊技(ロング開放補助遊技)の実行中であることを表す補助遊技中フラグをRAM94の所定領域にONし(S5103)、補助遊技開始時処理を終える。
[補助遊技終了時処理]
次に図70を用いて、通常演出モードにおいて電チュー23がロング開放する補助遊技が終了することに応じた補助遊技終了時処理について説明する。演出制御用マイコン91は、補助遊技終了時処理ではまず、補助遊技中フラグがONであるか否かを判定する(S5201)。補助遊技中フラグがONでなければ(S5201でNO)補助遊技終了時処理を終えて、補助遊技中フラグがONであれば(S5201でYES)、補助遊技中フラグをOFFし(S5202)、補助遊技中つなぎ演出フラグがONであるか否かを判定する(S5203)。補助遊技中つなぎ演出フラグがONでなければ(S5203でNO)ステップS5207に進み、補助遊技中フラグがONであれば(S5203でYES)、補助遊技中つなぎ演出フラグをOFFし(S5204)、現在、特図1変動表示中であるか否かを判定する(S5205)。
演出制御用マイコン91は、特図1変動表示中でなければ(S5205でNO)補助遊技終了時処理を終え、特図1変動表示中であれば(S5205でYES)、特図1変動中つなぎ演出の演出内容を示す特図1変動中つなぎ演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S5206)、補助遊技終了時処理を終える。セットされた特図1変動中つなぎ演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置7の表示部7aにて特図1変動中つなぎ演出を行う。
また、ステップS5207において、演出制御用マイコン91は、電チュー非入賞演出禁止フラグがONであるか否かを判定する。電チュー非入賞演出禁止フラグがONであれば(S5207でYES)、電チュー非入賞演出禁止フラグをOFFし(S5208)、補助遊技終了時処理を終え、電チュー非入賞演出禁止フラグがONでなければ(S5207でNO)電チュー非入賞演出の演出内容を示す電チュー非入賞演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S5209)、補助遊技終了時処理を終える。セットされた電チュー非入賞演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、制御用ROM103から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置7の表示部7aにて電チュー非入賞演出を行う。
[前兆演出規制解除判定処理]
次に図71を用いて、規制されている前兆演出Aの規制を解除するための前兆演出規制解除判定処理について説明する。演出制御用マイコン91は、前兆演出規制解除判定処理ではまず、前兆演出規制フラグがONであるか否かを判定する(S5301)。
演出制御用マイコン91は、前兆演出規制フラグがONでなければ(S5301でNO)前兆演出規制解除判定処理を終え、前兆演出規制フラグがONであれば(S5301でYES)、前兆演出Aの規制が開始されてから前兆演出規制時間が経過して、前兆演出の規制を解除する時間になったか否か、言い換えれば、ステップS4803で前兆演出規制時間がセットされた前兆演出規制用タイマ=0となったか否かを判定する(S5302)。
演出制御用マイコン91は、前兆演出規制時間が経過していなければ(S5302でNO)前兆演出規制解除判定処理を終え、前兆演出規制時間が経過していれば(S5302でYES)、前兆演出規制フラグをOFFし(S5303)、前兆演出Aの規制を終了(解除)することを示す前兆演出規制終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットし(S5304)、前兆演出規制解除判定処理を終了する。
なお、セットされた前兆演出規制終了コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示部7aの通常領域に表示していた演出図柄EZ1、EZ2、EZ3を消去すると共に、通常の前兆演出Aと同様に、表示部7aの通常領域において前兆演出用第2背景画像G111およびタイトル画像G9などを表示し、前兆演出用第1背景画像G110を含んだ縮小画面画像G10を表示する(図36(C)参照)。なお、このときに表示する前兆演出用第1背景画像G110を含んだ縮小画面画像G10は、前兆演出Aが規制されていなかったら表示されている時点からその続きを表示させる。
7.その他の変更例
以下、本発明の遊技機について、第1実施形態で説明したパチンコ遊技機1の構成の変更例について説明する。
第1実施形態では、画像を表示可能な装置として、画像表示装置7が設けられており、画像表示装置7において、当たり図柄Aまたは当たり図柄Bの普図変動表示が開始されると、縮小画面画像G10を表示し、縮小画面画像G10が表示される前まで表示部7aに表示されていた演出図柄EZ1〜EZ3、通常用背景画像G100およびアイコンHA1〜HA4を、特別領域としての縮小画面画像G10に移動させて、これらの画像が表示されていた通常領域で前兆演出、Vへの挑戦演出、およびつなぎ演出を行っている。しかしながら、演出図柄EZ1〜EZ3、通常用背景画像G100およびアイコンHA1〜HA4を移動させる先として、特別領域としての縮小画面画像G10に限られない。例えば、遊技盤2には、画像表示装置7の他に、画像表示装置7よりも小型で画像を表示可能な表示装置が所定位置(例えば、盤可動体15Kが設けられている位置のように表示部7aの上端部の前面側や、表示部7aの下端部、左部又は右部の前面側)に設けられており、当たり図柄Aまたは当たり図柄Bの普図変動表示が開始されると、それまで表示部7aに行われていた演出図柄EZ1〜EZ3、通常用背景画像G100およびアイコンHA1〜HA4を、その表示装置に移動させて、その表示装置でそれまで行われていた特図変動演出や保留演出の続きを行っても良い。また、画像表示装置7以外の表示装置は、遊技盤2ではなく、上皿61に設けられ、その表示面が上皿61の上面と略面一状態となるようにしても良い。すなわち、画像表示装置7以外の表示装置を、表示部7aを見る遊技者が表示部7aよりも視認困難な位置に設けても良い。
また、第1実施形態では、ショート開放補助遊技を発生させる当たり図柄Bの普図変動表示のときにファーストチャレンジ演出で失敗する普図変動演出が行われるが、この普図変動演出が行われるのは、当たり図柄Bの普図変動表示に限られない。例えば、当たり図柄の種類は当たり図柄Aのみであり、ハズレ普図のときの普図変動時間には、ファーストチャレンジ演出を実行禁止の普図変動時間(例えば、1秒)とファーストチャレンジ演出を実行可能な普図変動時間(例えば、25秒)とがあり、所定の確率(例えば、1%)でファーストチャレンジ演出を実行可能な普図変動時間が選択されるようにしても良い。
また、第1実施形態では、当たり図柄Aの普図変動時間と当たり図柄Bの普図変動時間は、それぞれ1種類設定されているが、双方または何れか一方については複数種類設定し、複数種類のものは所定の抽選により決定するようにしてもよい。すなわち、前兆演出やファーストチャレンジ演出(Vへの挑戦演出前半)の演出時間を複数設定してもよい。この場合、例えば、ファーストチャレンジ演出(Vへの挑戦演出前半)の演出時間が長い方がロング開放補助遊技が実行される期待度が高くなるようにしても良い。また、前兆演出の演出時間が長い方がVへの挑戦演出が実行される期待度が高くするようにしても良い。
また、第1実施形態では、通常Vへの挑戦演出後半成功および通常Vへの挑戦演出後半失敗に係る特図変動時間はそれぞれ1種類設定されているが、双方または何れか一方については複数種類設定し、複数種類のものは所定の抽選により決定するようにしてもよい。すなわち、ラストチャレンジ演出(通常Vへの挑戦演出後半)の演出時間を複数設定してもよい。この場合、例えば、ラストチャレンジ演出(通常Vへの挑戦演出後半)の演出時間が長い方が特別遊技が実行される期待度が高くなるようにしても良い。復活Vへの挑戦演出後半についても同様である。
また、第1実施形態では、遊技球が第2始動口22へ入球容易な補助遊技として、当たり図柄Aに応じた補助遊技のみ設定されているが、第2始動口22の開放時間の異なる複数の補助遊技が設定されていても良い。例えば、第2始動口22の2.5秒開放が1回行われる補助遊技(不利ロング開放補助遊技)と、第2始動口22の2.5秒開放が2回行われる補助遊技(有利ロング開放補助遊技)と、が設けられていても良い。この場合、不利ロング開放補助遊技を発生させる当たり図柄と、有利ロング開放補助遊技を発生させる当たり図柄とを異ならせて設けても良い。また、この場合には、Vへの挑戦演出前半(例えば、ファーストチャレンジ演出)や前兆演出の演出内容・演出時間によって、有利ロング開放補助遊技の実行に対する期待度を示唆しても良い。
V通過小当たり遊技は1種類のみ設定されているが、V通過の容易性の異なる複数種類のV通過小当たり遊技を設けても良い。例えば、開放時間は同一であるが、OP時間が0.008秒のV通過小当たり遊技(有利V通過小当たり遊技)と、OP時間が3.7秒のV通過小当たり遊技(不利V通過小当たり遊技)とを設けても良い。この場合、小当たりオープニングが開始してから0.008秒経過した時点から4.6秒間、V開放することからOP時間が0.008秒のV通過小当たり遊技の方がV通過させ易い。そして、この場合には、通常Vへの挑戦演出後半(例えば、ラストチャレンジ演出)の演出内容・演出時間によって、有利V通過小当たり遊技の実行に対する期待度を示唆しても良い。
また、第1実施形態では、Vへの挑戦演出後半において、復活チャレンジ演出が実行可能であるが、復活チャレンジ演出が設けられていなくても良い。また、復活チャレンジ演出のように、2回目の最後の挑戦で成功する場合と失敗する場合を設けるのではなく、1回目の最後の挑戦で失敗した後のハズレを示す演出図柄の仮停止表示から、大当たり又は小当たり当選を報知する報知演出を実行可能にし、1回目の最後の挑戦で失敗した後のハズレを示す演出図柄の仮停止表示の後にVへの挑戦演出後半(特図変動演出)が継続する場合は、ハズレることなく、必ず大当たり当選又は小当たり当選の報知に至るようにしても良い。
また、Vへの挑戦演出前半とVへの挑戦演出後半の演出内容は第1実施形態に限られず適宜に設定することができる。Vへの挑戦演出前半とVへの挑戦演出後半とが関連性を有していれば良い。ここでの関連性に、ファーストチャレンジ演出(最初の挑戦)の後にラストチャレンジ演出(最後の挑戦)に発展するような連続性は必須ではない。大局的に見て、Vへの挑戦演出前半とVへの挑戦演出後半とで一体的な一つの演出とみなせればよい。
また、第1実施形態では、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3および小図柄KZ1、KZ2、KZ3の停止表示中、すなわち特図停止表示中に前兆演出の実行を規制しているが、この規制する期間として、当該停止表示直前の演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の仮停止表示中も含めても良い。この場合、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3のうちの1つが仮停止した時点から規制を開始しても良く、また、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の全てが仮停止した時点から規制を開始しても良い。
また、第1実施形態では、Vへの挑戦演出(Vへの挑戦演出前半)の実行に対する期待度(Vへの挑戦演出実行期待度)を示唆する前兆演出の種別として、前兆演出Aと前兆演出Bの2種類が設けられているが、3種類以上であっても1種類であっても良い。また、第1実施形態では、何れの種別の前兆演出が行われてもVへの挑戦演出実行期待度に差がないが(図82参照)、前兆演出の種別によってVへの挑戦演出実行期待度が異なるように構成しても良い。さらに、第1実施形態では、前兆演出Aと前兆演出Bの演出態様は1種類であるが、双方または何れか一方については演出態様を複数設定しても良い。この場合、前兆演出の演出態様によって、Vへの挑戦演出実行期待度が異なるように構成しても良く、同一になるように構成しても良い。
また、第1実施形態では、保留変化予告の実行、Vへの挑戦演出の実行、または、何れの演出も不実行に分岐する演出、すなわち、Vへの挑戦演出(Vへの挑戦演出前半)の前兆演出も兼ねている保変予兆演出(前兆演出B)の種別は1種類であるが、複数種類設けても良い。この場合、保変予兆演出の演出種別によって、Vへの挑戦演出実行期待度が異なるように構成しても良く、同一になるように構成しても良い。
また、第1実施形態では、普図変動表示が行われているときから、すなわち、普図変動演出の一部として電チュー操作促進演出が行われているが、電チュー操作促進演出は、ロング開放補助遊技の開始に伴って実行させても良い。すなわち、普図変動演出では前兆演出とファーストチャレンジ演出とが行われるようにしても良い。
また、前兆演出は、普図変動表示の開始に伴って実行されているが、普図可変表示についても、特図可変表示のように保留可能に構成し、さらには普図関係乱数が取得されると、始動入賞コマンドのような事前判定結果を特定可能なコマンドを送信するように構成し、そのコマンドから取得可能な情報に基づいて、当たり図柄Aまたは当たり図柄Bの普図変動表示の開始前から前兆演出を実行可能にしても良い。また、そのコマンドから取得可能な情報に基づいて、当たり図柄Aまたは当たり図柄Bの普図変動表示が行われない場合に前兆演出ガセを実行可能にしても良い。
また、第1実施形態では、ロング開放補助遊技中に遊技球が電チュー23に入賞できなかったことに応じて電チュー非入賞演出が行われているが、電チュー非入賞演出を設けなくても良い。また、ロング開放補助遊技中に遊技球が電チュー23に入賞したことに応じて補助遊技中つなぎ演出が行われているが、補助遊技中つなぎ演出は実行されず、つなぎ演出として、特図1変動中つなぎ演出のみが行われるように構成しても良い。なお、電チュー非入賞演出、補助遊技中つなぎ演出および特図1変動中つなぎ演出の演出態様は第1実施形態に限られず、適宜に設定することができる。
また、第1実施形態では、前兆演出Aが開始されてからファーストチャレンジ演出が開始されるまでの間(図24(B)〜図25(B−1))、縮小画面画像G10(表示部7aの特別領域)において、前兆演出用第1背景画像G110が表示される前兆演出Aが行われているが、縮小画面画像G10が表示される直前まで表示部7aで表示されていた小図柄KZ1〜KZ3の可変表示を除く特図変動演出の続きを行うようにしても良い。
また、第1実施形態では、特図1抽選と特図2抽選で大当たりに当選する可能性があるが、少なくとも何れか一方に大当たりが含まれていなくても良い。また、特図1抽選と特図2抽選とで、小当たりに当選する確率は同一であるが、特図2抽選で小当たりに当選した場合の方が、2種大当たりにより実行される大当たり遊技後の時短状態の時短規定回数が多くなるように設定されていても良い。また、2種大当たりが設けられておらず、特図2抽選での方が、実質的なラウンド遊技の回数が多い大当たり遊技を発生させる大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。
さらに、第1実施形態では、特図抽選で大当たりに当選する確率(1種大当たり)は一定であるが、当該大当たりに当選する確率について、通常の確率の通常確率状態と、通常確率よりも高い高確率の高確率状態とを設定可能にしても良い。この場合、大当たり遊技中に第2大入賞口32が開放するラウンド遊技があり、その第2大入賞口32の開放中に特定領域34が開放可能であり、当該大当たり遊技中にV通過すると大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される構成にしても良い。そして、相対的にV通過容易な大当たり遊技と相対的にV通過困難な大当たり遊技とがあり、特図2抽選での方が、V通過容易な大当たり遊技を発生させる大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。また、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される条件として、V通過ではなく、大当たり図柄の種類にしても良い。この場合、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定する大当たり図柄の当選確率は特図1抽選と特図2抽選とで同一であるが、特図2抽選での方が、実質的なラウンド遊技の回数が多い大当たり遊技を発生させる大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。
段落0497〜段落0498において、特図2抽選の方が遊技者に有利になり得る構成を挙げたが、これは適宜に組み合わせて、特図2抽選の方が遊技者に有利になるように構成しても良い。
また、第1実施形態では、大当たり遊技後の終了に伴って必ず時短状態が設定されるが、小当たり図柄または大当たり図柄の種別に応じて時短状態が設定されるか否かを決定しても良い。この場合、特図2抽選での方が、大当たり遊技後の終了に伴って時短状態が設定される大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。
また、第1実施形態では、振分装置36が小当たり遊技の開始時から一定態様で作動し、言い換えると、特定領域34が小当たり遊技の開始時から一定態様で開閉し、この作動態様(開閉態様)は1種類設定されているが、複数種類の作動態様(開閉態様)が設定されており、第2大入賞口32に入賞する(第2大入賞口センサ32aが遊技球を検知する)ことに基づいて作動態様(開閉態様)が切り替わるようにしても良い。
また、第1実施形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1、KZ2、KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1、KZ2、KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特図1と特図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特図1と特図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置7の表示部7aで表示し、サブ制御基板90にその制御を行わせても良い。また、センター装飾体10や遊技盤2の遊技領域3以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板80またはサブ制御基板90に行わせても良い。
また、第1実施形態では、特図1保留数の上限値が「4」であり、特図2保留数の上限値が「1」であるが、上限値はこれらの値に限定されず、適宜に設定しても良い。また、第1実施形態では、普図可変表示については、特図可変表示のように保留させる機能が設けられていないが、普図可変表示についても、所定の上限値の範囲で保留可能にしても良い。さらには、特図保留数や普図保留数について、上限値を設けなくても良い。
また、第1実施形態では、特図2保留が優先的に消化されるが、特図1保留が優先的に消化されるように構成しても良い。また、特図1保留と特図2保留について、発生した順番で消化されるようにしても良い。
また、第1実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板80が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板90が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板100を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。
また、第1実施形態では、普図変動演出または補助遊技演出(Vへの挑戦演出)を行っているときに、1種大当たりすると、縮小画面画像G10が消去されると共に普図変動演出または補助遊技演出(Vへの挑戦演出)が強制終了されて、通常状態の表示部7aにて大当たり遊技演出が行われる。ここで、2種大当たりした場合も同様とする。例えば、普図変動演出または補助遊技演出(Vへの挑戦演出)が実行されているときに、小当たり図柄1に応じた小当たり遊技(V非通過小当たり遊技)でV通過すると、当該V通過に基づく大当たり遊技が開始されるときに、縮小画面画像G10が消去されると共に普図変動演出または補助遊技演出(Vへの挑戦演出)が強制終了されて、通常状態の表示部7aにて大当たり遊技演出が行われるとする。
また、普図変動演出または補助遊技演出(Vへの挑戦演出)を行っているときに、1種大当たりまたは2種大当たりした場合、縮小画面画像G10を消去せずに、すなわち、表示部7aを特別状態に維持したまま、普図変動演出または補助遊技演出を縮小画面画像G10(特別領域)に移してそのまま実行すると共に、通常領域において大当たり遊技に応じた大当たり遊技演出を行っても良い。また、普図変動演出または補助遊技演出(Vへの挑戦演出)を行っているときに、1種大当たりまたは2種大当たりした場合、表示部7aを特別状態に維持したままにし、普図変動演出または補助遊技演出をそのまま通常領域で行うと共に、縮小画面画像G10(特別領域)において大当たり遊技に応じた大当たり遊技演出を行っても良い。
また、第1実施形態では、通常演出モードにおいて、大当たりに当選することなく50回の特図変動演出が行われる度に、昼間通常用背景画像G100→夕方通常用背景画像G102→夜間通常用背景画像G101→昼間通常用背景画像G100・・・と、所定の順序で通常用背景画像が切り替わっていくが、通常遊技状態において小当たり当選したことによって行われる小当たり遊技においてV通過しない場合も通常用背景画像が切り替わるようにしてもよい。よって、例えば、昼間通常用背景画像G100が表示されているときに小当たり当選したことによって行われた小当たり遊技でV通過しない場合、当該小当たり遊技のエンディングにおいて昼間通常用背景画像G100から夕方通常用背景画像G102に切り替わる。そして、そのように通常用背景画像が切り替わることを前提として、通常演出モードにおいて、特図1抽選で小当たり当選したことによって行われた小当たり遊技でV通過できず、その小当たり遊技のエンディング時に縮小画面画像G10が表示されている場合は、縮小画面画像G10において通常用背景画像が切り替わるようにしても良い。
また、第1実施形態では、特図2保留がない状況で特図1の停止表示が行われて客待ち状態(特図可変表示および特別遊技の何れも行われていない状態:客待ちフラグがONの状態)に突入した場合でも、縮小画面画像G10は表示され続ける(図67参照)。ここで、客待ち状態に突入してから客待ち演出待機時間が経過した時に未だ普図変動演出または補助遊技演出が実行されていると、縮小画面画像G10(表示部7aの特別領域)において客待ち演出が開始されるものとする。
また、通常状態の表示部7aにて客待ち演出が行われている状況で遊技球がゲート28を通過した結果、当たり図柄Aまたは当たり図柄Bの普図変動表示が開始されると、表示部7aに縮小画面画像G10が表示されて(表示部7aにて通常領域と特別領域とが形成されて)前兆演出が行われた後にファーストチャレンジ演出に突入する。ここでファーストチャレンジ演出の開始時に特図1変動表示が行われていないと、縮小画面画像G10(表示部7aの特別領域)において客待ち演出がそのまま続けて行われるものとする。
また、その縮小画面画像G10(表示部7aの特別領域)において客待ち演出が行われている状況で、第1始動口20に遊技球が入球すると、縮小画面画像G10(表示部7aの特別領域)において、演出図柄EZ1、EZ2、EZ3の可変表示を含む特図変動演出が開始されるものとする。
また、第1実施形態では、縮小画面画像G10において、縮小画面画像G10が表示されていない場合と同様に、保留変化予告が行われるが、縮小画面画像G10が表示されている間は、保留変化予告の実行を規制しても良い。ここでの規制とは、例えば、保留変化予告の禁止や実行割合の減少のことをいう。
8.実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A〜発明Fが開示されている。発明A〜発明Fの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1〜A6の総称であり、発明Bは、以下の発明B1〜B8の総称であり、発明Cは、以下の発明C1〜C4の総称であり、発明Dは、以下の発明D1〜D6の総称であり、発明Eは、以下の発明E1〜E7の総称であり、発明Fは、以下の発明F1〜F5の総称である。
8−1−1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
第1条件の成立(遊技球がゲート28を通過する)により第1図柄(普図)を変動表示させた後に停止表示させることが可能な第1図柄表示制御手段(ステップS1102〜ステップS1104を行う遊技制御用マイコン81)と、
特定の第1図柄が停止表示(当たり図柄)すると、遊技者に有利な第1特定遊技(補助遊技)を実行可能な第1特定遊技制御手段(ステップS1105を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記第1条件と異なる第2条件の成立(遊技球が第2始動口22を通過する)により、前記第1図柄と異なる第2図柄(特図2)を変動表示させた後に停止表示させることが可能な第2図柄表示制御手段(ステップS1502〜ステップS1504を行う遊技制御用マイコン81)と、
特定の第2図柄(小当たり図柄)が停止表示すると、前記第1特定遊技と異なる遊技者に有利な第2特定遊技(小当たり遊技)を実行可能な第2特定遊技制御手段(ステップS1507を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記第1図柄の変動表示と前記第2図柄の変動表示にまたがって所定演出(Vへの挑戦演出)を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備えることを特徴とする遊技機。
8−1−2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記第1特定遊技は、閉態様と開態様をとり得る第1可変入賞領域(第2始動口22)の開態様を伴い、
前記第2特定遊技は、前記第1可変入賞領域と異なり、閉態様と開態様をとり得る第2可変入賞領域(第2大入賞口32)の開態様を伴うことを特徴とする。
8−1−3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A2に係る遊技機であって、
前記第2条件は、遊技球が前記第1可変入賞領域を通過することであることを特徴とする。
8−1−4.発明A4
発明A4に係る遊技機は、
発明A1乃至発明A3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記所定演出は、
画像を表示可能な表示部(表示部7a)で行われ、
前記第1図柄の変動表示において行われる前半演出(Vへの挑戦前半)と、前記第2図柄の変動表示において行われ、前記前半演出の続きを構成する後半演出(Vへの挑戦後半)と、で構成されていることを特徴とする。
8−1−5.発明A5
発明A5に係る遊技機は、
発明A1乃至発明A4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記所定演出は、
通常遊技状態、または、前記通常遊技状態よりも前記第1可変入賞領域が前記開態様になり易い特定遊技状態(時短状態)で制御可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン81)を備え、
前記演出制御手段は、前記通常遊技状態において前記所定演出を実行可能であることを特徴とする。
8−1−6.発明A6
発明A6に係る遊技機は、
発明A2乃至発明A5の何れか1つに係る遊技機であって、
前記第2特定遊技において前記第2可変入賞領域を通過した遊技球が特定領域(特定領域34)を通過すると、当該第2特定遊技の後に、遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技)で制御され、
前記演出制御手段は、前記有利遊技状態において前記第1条件が成立すると、前記所定演出の実行を規制することを特徴とする。
なお、発明Aによれば、先行技術文献としての特開2016−159147号公報に記載の遊技機についての次に説明する課題Aに対して、遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2016−159147号公報に記載の遊技機では、遊技球が入賞ゲートを通過すると、普通図柄の可変表示が行われる。普通図柄の可変表示において、普通図柄の変動表示の後に表示結果として当たり図柄が停止表示されると、可変の第2始動口の開放を伴う補助遊技が実行される。そして、第2始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の可変表示が行われる。特別図柄の可変表示において、特別図柄の変動表示の後に表示結果として大当たり図柄が停止表示されると、大入賞口の開放を伴う特別遊技が実行される。ここで、普通図柄の変動表示が行われることによって、普図演出が行われる。普図演出において、普図演出の結果として特定の図柄が停止すると、第2始動口の開放時間が長い補助遊技が実行される。そして、この補助遊技中には、開放時間が長い開放中であることなど示唆するロング開放演出が行われる。また、この補助遊技中に第2始動口に遊技球が入球する度に、第2始動口に入球したことを示唆する演出(第2保留アイコンの表示)が行われる。しかしながら、このような異なる図柄の変動表示が行われる遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題Aとするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明A1は、この課題Aに対して「第1図柄の変動表示と第2図柄の変動表示にまたがって所定演出(Vへの挑戦演出)を実行可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)」という、特開2016−159147号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、遊技興趣を向上させることができるという有利な効果を奏する。
8−2−1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
遊技球が始動領域(始動口20、22)を通過することにより特別図柄の可変表示を実行可能であり、前記特別図柄の可変表示において特定の表示結果(大当たり図柄や小当たり図柄)が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技制御手段(主制御基板80)と、
前記特別図柄の可変表示が行われているときに、所定の表示領域(表示部7a)において、当該特別図柄の可変表示に応じた演出図柄の可変表示を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)と、を備えた遊技機であって、
前記遊技制御手段は、所定条件が成立(遊技球がゲート28を通過)することにより普通図柄の可変表示を実行可能であり、前記普通図柄の可変表示において特定の表示結果(当たり図柄)が導出されると、前記始動領域を構成し、閉状態と開状態とをとり得る可変始動領域(第2始動口22)の開状態を伴う補助遊技を実行可能であり、
前記演出制御手段は、前記特別図柄の可変表示が行われているときに前記普通図柄の可変表示が開始されると、前記所定の表示領域において、前記演出図柄の可変表示よりも大きく、当該普通図柄の可変表示に応じた所定演出(普図変動演出)を実行可能であることを特徴とする。
8−2−2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記所定演出を実行することに伴って、可変表示している前記演出図柄を縮小させることを特徴とする。
8−2−3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B2に係る遊技機であって、
第1表示領域(表示部7aの通常領域)と、前記第1表示領域よりも小さい第2表示領域(表示部7aの特別領域:縮小画面画像G10)とを、備え、
前記演出制御手段は、
前記所定演出が行われていないときに、前記第1表示領域で前記演出図柄の可変表示を実行可能であり、
前記前記特別図柄の可変表示が行われているときに前記普通図柄の可変表示が開始されると、前記第1表示領域において前記所定演出を行い、前記演出図柄の可変表示を前記第1表示領域から前記第2表示領域に切り替えて行うことが可能であることを特徴とする。
8−2−4.発明B4
発明B4に係る遊技機は、
発明B3に係る遊技機であって、
前記第1表示領域において、前記所定演出の実行の有無にかかわらず、前記特別図柄の可変表示に応じた特殊図柄(小図柄KZ1、KZ2、KZ3)の可変表示を実行可能な特殊図柄表示制御手段を備えることを特徴とする。
8−2−5.発明B5
発明B5に係る遊技機は、
発明B1乃至発明B4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄の可変表示が行われているときに、前記所定の表示領域において、前記演出図柄の背景となる背景画像(通常演出モードにおける背景画像G100〜G102など)を表示可能であり、
前記所定演出を実行することに伴って、可変表示している前記演出図柄および前記背景画像を縮小させることを特徴とする。
8−2−6.発明B6
発明B6に係る遊技機は、
発明B1乃至発明B4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄の可変表示が行われているときに、前記演出図柄の可変表示に応じた音声演出を実行可能であり、
前記所定演出を実行することに伴って、可変表示している前記演出図柄を縮小させると共に、当該演出図柄の可変表示に応じた音声演出から当該所定演出に応じた音声演出に切り替え可能であることを特徴とする。
8−2−7.発明B7
発明B7に係る遊技機は、
発明B1乃至発明B4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄の可変表示が行われているときに、前記演出図柄の可変表示に応じた発光演出を実行可能であり、
前記所定演出を実行することに伴って、可変表示している前記演出図柄を縮小させると共に、当該演出図柄の可変表示に応じた発光演出から当該所定演出に応じた発光演出に切り替え可能であることを特徴とする。
8−2−8.発明B8
発明B8に係る遊技機は、
発明B1乃至発明B4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄の可変表示が行われているときに、前記演出図柄の可変表示とは別に当該演出図柄の可変表示に応じた演出を実行可能であり、
前記所定演出を実行することに伴って、可変表示している前記演出図柄を縮小させると共に、当該演出図柄の可変表示に応じた演出から当該所定演出に応じた演出に切り替え可能であることを特徴とする。
なお、発明Bによれば、先行技術文献としての特開2016−159147号公報に記載の遊技機についての次に説明する課題Bに対して、遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2016−159147号公報に記載の遊技機では、始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の可変表示が行われる。特別図柄の可変表示において、特別図柄の変動表示の後に表示結果として大当たり図柄が停止表示されると、大入賞口の開放を伴う特別遊技が実行される。また、遊技球が入賞ゲートを通過すると、普通図柄の可変表示が行われる。普通図柄の可変表示において、普通図柄の変動表示の後に表示結果として当たり図柄が停止表示されると、始動口である可変の第2始動口の開放を伴う補助遊技が実行される。ここで、特別図柄の変動表示が行われているときに、画像表示装置7の略全表示領域において、演出図柄の変動表示を含んだ特図抽選演出が行われる。そして、例えば、特図抽選演出が行われているときに普通図柄の変動表示が開始されると、普図演出が開始される場合がある。普図演出が開始されると、特図抽選演出が行われている画像表示装置7の表示領域において、小さな箱を表す画像(ボックスB)が出現する。普図演出は、複数種類の特殊演出図柄が付されたリールLがボックスBの中で回転する演出である。そして、リールLが停止したときにボックスBから現れている図柄に応じて所定事項(開放時間の長い補助遊技が実行されることや大当たり期待度)が示唆されている。しかしながら、このような普通図柄の変動表示に応じた演出が行われる遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題Bとするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明B1は、この課題Bに対して、「演出制御手段は、特別図柄の可変表示が行われているときに普通図柄の可変表示が開始されると、所定の表示領域において、演出図柄の可変表示よりも大きく、当該普通図柄の可変表示に応じた所定演出(普図変動演出)を実行可能である」という、特開2016−159147号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、遊技興趣を向上させることができるという有利な効果を奏する。
8−3−1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
所定条件の成立(始動口20、22に遊技球が入球すること)により、特別図柄を変動表示させた後に停止表示させ、特定の特別図柄が停止表示すると、遊技者に有利な特別遊技を実行可能であり、
画像を表示可能な表示部(表示部7a)にて、特別図柄の変動表示および停止表示に応じた演出図柄の変動表示および停止表示を実行可能な遊技機であって、
前記表示部における前記演出図柄が表示される範囲において特定演出(前兆演出A)を実行可能な演出制御手段(サブ制御基板90)を備え、
前記演出制御手段は、前記演出図柄の停止表示が行われているときには、前記特定演出を規制することを特徴とする。
8−3−2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記演出図柄の変動表示が行われているときに前記特定演出が開始されると、当該変動表示中の前記演出図柄を非表示にすることが可能であることを特徴とする。
8−3−3.発明C3
発明C3に係る遊技機は、
発明C2に係る遊技機であって、
前記特別図柄の変動表示および停止表示に応じて、前記演出図柄とは異なる特殊図柄(小図柄KZ1、KZ2、KZ3)の変動表示および停止表示を実行可能な特殊図柄表示制御手段(サブ制御基板90)を備え、
前記特殊図柄表示制御手段は、前記特定演出の実行の有無にかかわらず、前記表示部にて前記特殊図柄の変動表示および停止表示を実行可能であることを特徴とする。
8−3−4.発明C4
発明C4に係る遊技機は、
発明C1乃至発明C3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記所定条件には、遊技球が始動領域(始動口20、22)を通過することが含まれ、
前記所定条件とは異なる条件の成立により行われる普通図柄の可変表示にて特定の表示結果が導出されると、前記始動領域を構成し、閉状態と開状態とをとり得る可変始動領域(第2始動口22)の開状態を伴う補助遊技を実行可能な遊技制御手段(主制御基板80)を備え、
前記演出制御手段は、前記普通図柄の可変表示が開始されることによって前記特定演出を実行可能であることを特徴とする。
なお、発明Cによれば、先行技術文献としての特開2015−208575号公報に記載の遊技機についての次に説明する課題Cに対して、遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2015−208575号公報に記載の遊技機では、始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の可変表示が行われる。特別図柄の可変表示において、特別図柄の変動表示の後に表示結果として大当たり図柄が停止表示されると、大入賞口の開放を伴う特別遊技が実行される。また、遊技球が入賞ゲートを通過すると、普通図柄の可変表示が行われる。普通図柄の可変表示において、普通図柄の変動表示の後に表示結果として当たり図柄が停止表示されると、始動口である可変の第2始動口の開放を伴う補助遊技が実行される。ここで、画像表示装置7の表示領域において、特別図柄の可変表示に応じた演出図柄の可変表示が行われる。演出図柄の可変表示では、最初に特別図柄の変動表示に応じて演出図柄の変動表示が行われ、次いで、特別図柄の停止表示に応じて、停止表示した特別図柄を表す演出図柄の停止表示が行われる。また、普通図柄の変動表示が開始されると、ルーレット演出が開始される場合がある。ルーレット演出が開始されると、画像表示装置7の表示領域における演出図柄の可変表示が行われている範囲において、レール画像R1が出現する。しかしながら、ルーレット演出が、演出図柄の変動表示中に開始されても、そのルーレット演出が実行されているときに演出図柄の変動が停止して、演出図柄の停止表示を迎えるおそれがある。その場合、ルーレット演出が演出図柄の停止表示の妨げとなり、遊技興趣が低下する。そこで、課題Cとするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明C1は、この課題Cに対して「演出制御手段は、演出図柄の停止表示が行われているときには、特定演出を規制する」という、特開2015−208575号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、遊技興趣を向上させることができるという有利な効果を奏する。
8−4−1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
第1条件の成立(遊技球が始動口20、22に入球すること)により、第1図柄(特別図柄)を変動表示させた後に停止表示させることが可能であり、特定の第1図柄(大当たり図柄や小当たり図柄)が停止表示すると、遊技者に有利な第1特定遊技(特別遊技)を実行可能である遊技制御手段(主制御基板80)と、
前記第1図柄が変動表示しているときに、画像を表示可能な表示部(表示部7a)にて、所定演出(保留変化予告)が実行される可能性があることを示唆する示唆演出(保変予兆演出)を行った後に当該所定演出を実行可能である演出制御手段(サブ制御基板90)と、を備える遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記第1条件と異なる第2条件の成立(遊技球がゲート28を通過すること)により、第2図柄(普通図柄)の可変表示を実行可能であり、当該可変表示において特定の表示結果(当たり図柄)が導出されると、前記第1特定遊技と異なる第2特定遊技(補助遊技)を実行可能であり、
前記演出制御手段は、前記示唆演出を行った後に、前記所定演出を実行せずに、前記所定演出と異なる演出(普図変動演出)を実行可能であることを特徴とする。
8−4−2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
発明D1に係る遊技機であって、
前記所定演出と異なる演出は、前記第2条件の成立に基づく前記第2図柄の可変表示に応じた演出であり、
前記第1図柄が変動表示しているときに前記第2条件が成立した場合、前記示唆演出を行った後に、前記所定演出を実行せずに、当該第2条件の成立に基づく前記第2図柄の可変表示に応じた演出を実行可能であることを特徴とする。
8−4−3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
発明D2に係る遊技機であって、
前記第1条件は、遊技球が始動領域(第1始動口20や第2始動口22)を通過することであり、
前記第1特定遊技は、閉状態と開状態とをとり得る可変入賞領域(第1大入賞口30や第2大入賞口32)の開状態を伴い、
前記第2特定遊技は、前記始動領域を構成し、閉状態と開状態とをとり得る可変始動領域(第2始動口22)の開状態を伴うことを特徴とする。
8−4−4.発明D4
発明D4に係る遊技機は、
発明D3に係る遊技機であって、
前記所定演出は、前記特定の第1図柄が停止表示されることの期待度を示唆する演出であることを特徴とする。
8−4−5.発明D5
発明D5に係る遊技機は、
発明D4に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
前記第1図柄の変動表示を開始させることができないときに前記第1条件が成立すると、当該開始させることができない前記第1図柄の変動表示に関する情報を保留情報として記憶する保留記憶手段(特図保留記憶部85)と、
前記第1図柄の変動表示が開始するときに前記保留記憶手段に記憶された前記保留情報に基づいて、前記特定の第1図柄を停止表示させるか否かを判定する第1判定手段(ステップS1603またはステップS1610を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記第1条件の成立により、前記第1判定手段の判定より前に前記特定の第1図柄を停止表示させるか否かを判定する第2判定手段(ステップS211またはステップS218を行う遊技制御用マイコン81)と、を有し、
前記演出制御手段は、
前記保留情報の数に応じた保留表示(保留アイコン)を保留表示部(保留表示領域73a)において表示可能であり、
前記第2判定手段による判定結果に基づいて、前記保留表示を用いて前記所定演出を実行可能であることを特徴とする。
8−4−6.発明D6
発明D6に係る遊技機は、
発明D1乃至発明D5の何れか1つに係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記示唆演出を行った後に、前記所定演出、および、前記所定演出と異なる演出(普図変動演出)の何れも実行しないことが可能であることを特徴とする。
なお、発明Dによれば、先行技術文献としての特開2016−039887号公報に記載の遊技機についての次に説明する課題Dに対して、図柄の変動表示に応じた演出の演出効果が向上するという効果を奏する。特開2016−039887号公報に記載の遊技機では、始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の可変表示が行われる。特別図柄の可変表示において、特別図柄の変動表示の後に表示結果として大当たり図柄が停止表示されると、大入賞口の開放を伴う特別遊技が実行される。また、遊技球が入賞ゲートを通過すると、普通図柄の可変表示が行われる。普通図柄の可変表示において、普通図柄の変動表示の後に表示結果として当たり図柄が停止表示されると、始動口である可変の第2始動口の開放を伴う補助遊技が実行される。ここで、特別図柄の変動表示が行われているときに、画像表示装置7の表示領域において、演出図柄の変動表示を含んだ特図抽選演出が行われる。そして、例えば、特図抽選演出が行われているときに普通図柄の変動表示が開始されると、普図演出が開始される場合がある。普図演出が開始されると、特図抽選演出が行われている画像表示装置7の表示領域において、ボックスBが出現する。そして、ボックスBの中で、複数種類の特殊演出図柄が付されたリールLが回転し、所定時間経過した後に停止する。このとき、ボックスBから現れている特殊演出図柄によって所定事項(開放時間の長い補助遊技が実行されることや大当たり期待度)が示唆されている。このような普図演出が行われることによって遊技興趣の向上が図られているが、ボックスBが出現すると必ず普図演出が開始される。そのため、ボックスBが出現した時点で普図演出が実行されることが遊技者に容易に理解される。そこで、課題Dとするところは、図柄の変動表示に応じた演出の演出効果が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明D1は、この課題Dに対して「演出制御手段は、第1図柄が変動表示しているときに第2条件が成立した場合、示唆演出を行った後に、所定演出を実行せずに、第2条件の成立に基づく第2図柄の可変表示に応じた演出を実行可能である」という、特開2016−039887号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、図柄の変動表示に応じた演出の演出効果が向上することができるという有利な効果を奏する。
8−5−1.発明E1
発明E1に係る遊技機は、
所定条件の成立(遊技球がゲート28を通過すること)により、図柄(普通図柄)の可変表示を行い、前記図柄の可変表示で特定の表示結果(当たり図柄A)が導出されると、閉状態と開状態とをとり得る可変始動領域(第2始動口22)の前記開状態を伴う補助遊技を実行可能な遊技機であって、
前記補助遊技が実行されているときに遊技球が前記可変始動領域を通過することに基づいて、当該通過後に実行される所定演出(Vへの挑戦演出後半や特図1変動中つなぎ演出)につなぐ特定つなぎ演出(補助遊技中つなぎ演出)を実行可能な演出制御手段(演出制御基板90)を備えることを特徴とする遊技機。
8−5−2.発明E2
発明E2に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記補助遊技が実行されているときに遊技球が前記可変始動領域を通過しなかった場合、前記補助遊技の終了に伴って、当該通過しないことに応じた演出(電チュー非入賞演出)を実行可能であることを特徴とする。
8−5−3.発明E3
発明E3に係る遊技機は、
発明1または発明E2に係る遊技機であって、
前記補助遊技において、前記可変始動領域が前記開状態になることを示唆する示唆演出(電チュー発射促進演出)を実行可能であり、前記示唆演出が実行されているときに遊技球が前記可変始動領域を通過すると、前記示唆演出から前記特定つなぎ演出に切り替えられることを特徴とする。
8−5−4.発明E4
発明E4に係る遊技機は、
発明E1乃至発明E3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記所定演出の開始に伴って前記特定つなぎ演出を終了させることを特徴とする。
8−5−5.発明E5
発明E5に係る遊技機は、
発明E1乃至発明E4の何れか1つに係る遊技機であって、
前記所定演出は、前記補助遊技が実行されているときに遊技球が前記可変始動領域を通過することを条件として実行され、前記所定演出と前記特定つなぎ演出の演出内容とは関連していることを特徴とする。
8−5−6.発明E6
発明E6に係る遊技機は、
発明E1乃至発明E5の何れか1つに係る遊技機であって、
前記可変始動領域の他に、特定始動領域(第1始動口20)が設けられ、
遊技球が前記特定始動領域を通過することにより、第1図柄(第1特別図柄)の可変表示を行い、遊技球が前記可変始動領域を通過することにより、前記第1図柄と異なる第2図柄(第1特別図柄)の可変表示を行う図柄表示制御手段(ステップS1502〜ステップS1504を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記第1図柄の可変表示または前記第2図柄の可変表示において特定の表示結果(大当たり図柄や小当たり図柄)が導出されると、閉状態と開状態とをとり得る可変入賞領域(第1大入賞口30や第2大入賞口32)の前記開状態を伴う特別遊技を実行可能な特別遊技制御手段(ステップS1505〜ステップS1507を行う遊技制御用マイコン81)と、
開始されていない前記第1図柄の可変表示を保留情報(特図1保留)として記憶する第1保留記憶手段(特図1保留記憶部851)と、
開始されていない前記第2図柄の可変表示を保留情報(特図2保留)として記憶する第2保留記憶手段(特図2保留記憶部852)と、を備え、
前記図柄表示制御手段は、前記第1図柄の可変表示よりも前記第2図柄の可変表示を優先して実行可能であり、
前記演出制御手段は、
前記第2図柄の可変表示に応じた演出(Vへの挑戦後半)を実行可能であり、
前記第1図柄の可変表示および前記補助遊技が実行されているときに遊技球が前記可変始動領域を通過し、当該補助遊技の終了時に当該第1図柄の可変表示が行われている場合、前記特定つなぎ演出と当該第2図柄の可変表示に応じた演出との間をつなぐ特殊つなぎ演出(特図1変動中つなぎ演出)を実行可能であることを特徴とする。
8−5−7.発明E7
発明E7に係る遊技機は、
発明E6に係る遊技機であって、
前記補助遊技が行われているが前記第1図柄の可変表示が行われていないときに遊技球が前記可変始動領域を通過して前記第2図柄の可変表示が開始される場合、前記演出制御手段は、前記特定つなぎ演出および前記特殊つなぎ演出を行うことなく、前記第2図柄の可変表示に応じた演出を行うことを特徴とする。
なお、発明Eによれば、先行技術文献としての特開2012−139553号公報に記載の遊技機についての次に説明する課題Eに対して、遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2012−139553号公報に記載の遊技機では、遊技機では、第1始動口に遊技球が入球すると、第1特別図柄の可変表示が行われる。第1特別図柄の可変表示において、第1特別図柄の変動表示の後に表示結果として大当たり図柄が停止表示されると、大入賞口の開放を伴う特別遊技が実行される。また、遊技球が入賞ゲートを通過すると、普通図柄の可変表示が行われる。普通図柄の可変表示において、普通図柄の変動表示の後に表示結果として当たり図柄が停止表示されると、始動口である可変の第2始動口の開放を伴う補助遊技が実行される。ここで、第1特別図柄の変動表示が行われているときに、画像表示装置7の表示領域において、演出図柄の変動表示を含んだ特図抽選演出が行われる。そして、例えば、特図抽選演出が行われているときに普通図柄の変動表示が開始されると、普図演出が開始される場合がある。普図演出は、画像表示装置7の表示領域において特図抽選演出と共に行われる。普図演出において、普図演出の結果として特定の図柄が停止すると、第2始動口の開放時間が長い補助遊技が実行される。この補助遊技中には、画像表示装置7の表示領域において、ロング開放演出が特図抽選演出と共に行われる。ロング開放演出は、第2始動口のロング開放が行われるまでの間にロング開放を予告するロング開放予告演出と、ロング開放が行われてから補助遊技が終了するまでの間にロング開放中であることなど示唆するロング開放中演出とで構成される。また、この補助遊技中に第2始動口に遊技球が入球することを契機に、第2始動口に入球したことを示唆する第2特図保留演出と、第2始動口への入球に対する賞球の個数を表したロング開放中入賞演出のそれぞれが、ロング開放演出と別に行われる。そして、補助遊技の終了に伴ってロング開放演出が終了すると、それまでとは異なる背景画像による特別演出が行われる。しかしながら、この第2始動口のような可変始動領域の開放を伴う補助遊技を実行可能な遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題Eとするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明E1は、この課題Eに対して「補助遊技が実行されているときに遊技球が可変始動領域を通過することに基づいて、当該通過後に実行される所定演出が実行されるまでの間をつなぐ特定つなぎ演出を実行可能な演出制御手段を備える」という、特開2012−139553号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、遊技興趣を向上させることができるという有利な効果を奏する。
8−6−1.発明F1
発明F1に係る遊技機は、
閉鎖態様と開放態様とをとり得る可変始動領域(第2始動口22)と、
通常遊技状態、または、前記可変始動領域が前記開放態様になり易い特定遊技状態(時短状態)で制御可能な遊技状態制御手段(主制御基板80)と、
遊技球が前記可変始動領域を通過することにより、図柄の可変表示を実行可能な図柄表示制御手段(主制御基板80)と、
前記図柄表示制御手段により前記図柄の可変表示の表示結果として特定の図柄(小当たり図柄)が停止表示されてから所定の確定時間が経過すると、遊技者に有利な特定遊技(小当たり遊技)を実行可能な特定遊技制御手段(主制御基板80)と、を備え、
前記図柄表示制御手段は、前記特定遊技状態よりも前記通常遊技状態においての方が前記特定の図柄に係る確定時間を長くすることが可能であることを特徴とする。
8−6−2.発明F2
発明F2に係る遊技機は、
発明F1に係る遊技機であって、
閉状態と開状態とをとり得る可変入賞領域(第2大入賞口32)が設けられ、
前記特定遊技は、前記可変入賞領域の前記開状態を伴い、
前記通常遊技状態において、前記特定の図柄が停止表示されてから前記所定の確定時間が経過するまでの間、遊技球を前記可変入賞領域へ向けて遊技球を発射させることを報知する報知制御手段(VAT発射促進演出を行うサブ制御基板90)と、を備えることを特徴とする。
8−6−3.発明F3
発明F3に係る遊技機は、
発明F2に係る遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記特定遊技において前記可変入賞領域を通過した遊技球が特定領域(特定領域34)を通過すると、当該特定遊技の後に前記特定遊技状態で制御可能であり、前記特定遊技において遊技球が前記特定領域を通過しないと、当該特定遊技の後に前記特定遊技状態で制御しないことを特徴とする。
8−6−4.発明F4
発明F4に係る遊技機は、
発明F3に係る遊技機であって、
遊技者の発射操作に応じて遊技球を発射可能な発射装置(発射装置112)を備え、
前記可変始動領域の他に、特定始動領域(第1始動口20)が設けられ、
前記図柄には第1図柄(特図1)と第2図柄(特図2)とがあり、
前記図柄表示制御手段は、
遊技球が前記特定始動領域を通過することにより、前記第1図柄の可変表示を実行可能であり、
遊技球が前記可変始動領域を通過することにより、前記第2図柄の可変表示を実行可能であり、
前記特定遊技制御手段は、前記第2図柄の可変表示の表示結果として特定の第2図柄が停止表示されると、前記特定遊技を実行可能であり、
前記通常遊技状態においては前記可変始動領域よりも前記特定始動領域の方が遊技球を通過させ易く、前記特定遊技状態においては前記特定始動領域よりも前記可変始動領域の方が遊技球を通過させ易く、
前記特定始動領域と、前記可変入賞領域とは、異なる発射操作で打ち分け可能な位置に配されており、
前記可変入賞領域は、前記特定遊技が開始してから遊技球を発射させても前記可変入賞領域を通過させることが容易ではない位置に配されていることを特徴とする。
8−6−5.発明F5
発明F5に係る遊技機は、
発明F1乃至発明F4の何れか1つに係る遊技機であって、
閉状態と開状態とをとり得る可変入賞領域(第2大入賞口32)が設けられ、
前記特定の図柄には、第1の図柄(小当たり図柄)と第2の図柄(大当たり図柄)とがあり、
前記特定遊技には、前記可変入賞領域の前記開状態を伴う第1特定遊技(小当たり遊技)と、前記第1特定遊技よりも遊技者に有利な第2特定遊技(大当たり遊技)とがあり、
前記特定遊技制御手段は、
前記図柄表示制御手段により前記図柄の可変表示の表示結果として前記第1の図柄(小当たり図柄)が停止表示されてから第1の確定時間が経過すると、前記第1特定遊技を実行可能な第1特定遊技制御手段と、
前記図柄表示制御手段により前記図柄の可変表示の表示結果として前記第2の図柄(小当たり図柄)が停止表示されてから第2の確定時間が経過すると、前記第2特定遊技を実行可能な第2特定遊技制御手段と、を有し、
前記第2特定遊技制御手段は、前記第1特定遊技において前記可変入賞領域を通過した遊技球が特定領域(特定領域34)を通過する場合、当該第1特定遊技の後に前記第2特定遊技を実行する一方、前記第1特定遊技において遊技球が前記特定領域を通過しない場合、当該第1特定遊技の後に前記第2特定遊技を実行せず、
前記通常遊技状態においては、前記第2図柄に係る確定時間よりも前記第1図柄に係る特定時間の方が長いことを特徴とする。
なお、発明Fによれば、先行技術文献としての特開2016−159147号公報に記載の遊技機についての次に説明する課題Fに対して、遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2016−159147号公報に記載の遊技機では、遊技球が入賞ゲートを通過すると、普通図柄の可変表示が行われる。普通図柄の可変表示において、普通図柄の変動表示の後に表示結果として停止表示が行われる。ここで、当たり図柄が停止表示されると、可変の第2始動口の開放を伴う補助遊技が実行される。そして、第2始動口に遊技球が入球すると、特別図柄の可変表示が行われる。特別図柄の可変表示において、特別図柄の変動表示の後に表示結果として停止表示が行われる。ここで、大当たり図柄または小当たり図柄が停止表示されると、大入賞口の開放を伴う特別遊技が実行される。特開2016−159147号公報に記載の遊技機では、さらに、通常遊技状態(低ベース状態)または通常遊技状態より第2始動口が開放し易い時短遊技状態(高ベース状態)にて遊技が制御される。そして、特別図柄の停止表示に要する時間は、通常遊技状態と時短遊技状態とで同一に設定されている。しかしながら、第2始動口のような可変始動領域が開放し易い時短遊技状態で制御可能である遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題Fとするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。そして、発明F1は、この課題Fに対して「図柄表示制御手段は、特定遊技状態よりも通常遊技状態においての方が、特定の図柄の停止表示を長時間行う」という、特開2016−159147号公報に記載の遊技機が備えない構成によって、遊技興趣を向上させることができる有利な効果を奏する。