JP6205484B2 - 行動分析装置 - Google Patents
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Description
本願発明の他の側面では、店舗における、商品棚の前で立ち止った時間である立寄り時間と、商品棚に立寄った人数と該商品棚にある商品を購入した人数の比率である立寄り後購入率とを計測する装置を備えた行動分析装置であって、商品棚毎に来店人数と商品棚に立寄った人数の比率である立寄り率を、店舗全体において平面的に平滑化を行う装置を具備し、立寄り時間が長く、立寄り後購入率が低く、平滑化後の立寄り率が低い第1の商品棚と、立寄り時間が短く、立寄り後購入率が高く、平滑化後の立寄り率が高い第2の商品棚と、前記第1の商品棚にある商品と前記第2の商品棚にある商品を入れ換えたときの顧客単価向上期待値を算出する装置を具備する。
本発明において、立寄り時間の長短、立寄り後購入率の高低は、商品特性の傾向を示すための指標として用いられる。よって、何らかの基準を設けて判断できればよく、特に制限はない。判断の手法としては、一つまたは複数の所定の閾値を設けて弁別することができる。また、数値化したデータを並び替え、上位または下位から一定の割合を抽出してもよい。立寄り率の高低についても同様である。
本発明のさらに他の側面は、入力装置、出力装置、処理装置、および記憶装置を備えた装置に関する。入力装置は、所定の地理的範囲に入場した顧客が、所定の地理的範囲に滞在する間携帯する携帯用センサからの行動履歴情報を入力する機能を有する。行動履歴情報は、連続的または離散的な時間と場所に関する情報を含む。処理装置は、この行動履歴情報に基づいて、各顧客が地理的範囲の複数の所定の場所に立ち寄ったか否かを当該場所毎に示す、立寄り情報を抽出する。また、処理装置は、複数の所定の場所毎に、入場者総数と所定の場所に立寄った顧客の人数の比率である立寄り率をマッピングし、さらに、当該立寄り率を二次元的に平滑化する。さらに、処理装置は、平滑化された立寄り率のデータを、出力装置に表示するか、あるいは、記憶装置に記憶させるか、あるいはこれらの両方を行う。
本発明のさらに他の側面は、入力装置、出力装置、処理装置、および記憶装置を備えた装置に関する。入力装置は、所定の地理的範囲に入場した顧客が、所定の地理的範囲に滞在する間携帯する携帯用センサからの行動履歴情報を入力する機能を有する。行動履歴情報は、連続的または離散的な時間と場所に関する情報を含む。処理装置は、この行動履歴情報に基づいて、各顧客が複数の所定の場所に立ち寄った立寄り時間の長さをこれらの場所毎に示す、立寄り時間情報を抽出する。入力装置は、各顧客が複数の所定の場所に配置されている商品を購入したかどうかを、これらの場所毎に示す購買情報を入力する。処理装置は、購買情報と行動履歴情報に基づいて、特定の場所に立寄った人数と所定の場所に配置されている商品を購入した人数の比率である立寄り後購入率を計算する。処理装置は、さらに立寄り時間の長さおよび立寄り後購入率に基づいて、複数の所定の場所に配置されている商品をラベル付して分類するか、あるいは、ソートするか、あるいはこれらの両方を行う。
立ち寄り時間データベース121に格納されるデータについては、図8で後述する。このデータは来店顧客毎に棚別の立寄り時間を集計したものである。
購入金額データベース122に格納されるデータについては、図9で後述する。購入金額122は来店顧客毎に棚別の購入金額を集計したものである。購入金額は、商品毎の価格の差を無視したければ購入点数としてもよい。この場合のデータについては図10で後述する。
比率分析処理123は、立寄り時間121と購入金額122の各々について値の比率または分布を分析し、値が相対的に大きいか小さいかの判定を行う。各々の判定結果は数値化してもよい。
また、比率分析処理123は立寄りの後に購入した比率である立寄り後購入率を算出する。立寄り後購入比率は、例えば立ち寄り時間データベース121を参照して棚毎に立ち寄った顧客数C(すなわち、0以外の棚別立寄り時間を有する顧客数)を集計し、購入金額データベース122を参照して棚毎に商品を購入した顧客数B(すなわち、0以外の棚別購入金額を有する顧客数)を集計し、棚毎にBをCで除せばよい。棚毎に立ち寄った顧客数Cを算出する際、立寄り時間に閾値(例えば30秒以上)を設けてもよい。
また、これらの判定結果の数値から、特定の棚にある特定の商品が、顧客の立寄り時間が長く、立寄り後購入率が低いものであるか、あるいは、顧客の立寄り時間が短く、立寄り後購入率が高いものであるか、を識別できる数値を計算しておいてもよい。例えば、立寄り時間を立寄り後購入率で除した値を用いると、非目的買商品の傾向を持つ商品は大きな値を持つ。この時、両方の値に適当な係数で重みづけをしてもよい。これらの数値化したデータは、立寄り後購入率分析結果データベース124に格納することができる。
判定結果と立寄り後購入率は、立寄り後購入率分析結果124に格納する。立寄り後購入率分析結果データベース124に格納される、立寄り後購入率のデータ例を図11に示す。
立寄り率が高い場所の算出処理141では、平滑化した立寄り率から値が大きい順に並び替えを行う。例えば、後述する図12に示す平滑化立寄り率の順に棚をソートする。
非目的買い商品の検索処理142では、顧客の立寄り時間が長く、立寄り後購入率が低い商品棚を検索する。このために、本実施例では、前述の比率分析処理123による判定結果を用いる。数値化された判定結果は、立寄り後購入率分析結果データベース124に格納されている。検索のためには、格納された「顧客の立寄り時間が長く、立寄り後購入率が低い」という特性を数値化したデータを、値が大きい順に並び替えを行う。
商品配置変更候補の算出処理143では、顧客の立寄り時間が長く、立寄り後購入率が低く、顧客の立寄り率が低い商品棚と、顧客の立寄り時間が短く、立寄り後購入率が高く、顧客の立寄り率が高い商品棚とを算出する。簡単な実現例としては、棚毎に、先に述べた比率分析処理123で数値化した商品の特性と、平滑化した立寄り率の逆数の積を演算し、値が大きい順に並び替えを行う。この時、各々の値に重みづけしてもよい。このようにすると、顧客の立寄り時間が長く、立寄り後購入率が低く、顧客の立寄り率が低い商品棚は、大きな値を持つ。
図5を用いて、棚別の立寄り時間を計測する方法について説明する。図5は、赤外線を用いた通信手段により棚の前に立寄った時間を計測する手法である。ここで、501は来店した顧客に身に着けていただく動線検出センサデバイス、502は赤外線によりIDを送信する赤外線ビーコン、503は商品棚である。本実施例では、動線検出センサデバイス501は、赤外線センサ、IDの受信機能、メモリ等を備えている。商品棚毎に、異なるIDを送信する赤外線ビーコン502を配置することで、動線検出センサデバイス501がそのIDを受信し、どの棚に立寄ったか、どのくらいの時間立寄ったかを計測することが可能である。通信手段に赤外線を使用すると、赤外線の指向性が強いため、赤外線の検知の有無により、顧客が商品棚の方向を向いていた時間を測定することが可能となる。この時間を立寄り時間として用いることにより、単に通り過ぎた場合や、商品棚に対面せず別のことをしている時間を除外することができる。このため、商品を購入するのに迷った可能性の高い時間をより正確に計測可能である。計測した結果は、動線検出センサデバイス501のメモリに蓄積される。
以上のように、図13のリストを元に商品の配置換えを行うことで店舗の売上げ向上が期待できる。
本実施例によれば、立寄り時間が短く、立寄り後購入率が高い商品は目的買いが多く、一方、立寄り時間が長く、立寄り後購入率が低い商品は非目的買いが多い商品である傾向を発見したことにより、立寄り率の高い場所に商品を配置すべきか、立寄り率の低い場所に商品を配置すべきかを自動で判定することが可能である。
本実施例の行動分析装置によれば、購入目的とはしていなかった商品を店舗で見つけることができ、店舗において新しい価値を顧客に提供することが可能である。
本発明において、商品が陳列されている棚毎の、立寄り時間の長短、立寄り後購入率の大小、平滑化後の立寄り率の大小、の各要素の評価方法あるいは数値化方法は、上記の実施例に限られるものではない。種々の他の統計的手法を使うこともできる。また、各要素に重みづけをすることもできる。要するに、特定の商品棚(場所)に特定の商品が配置されている場合、その商品棚が、立寄り時間は長いが立寄り後購入率が低く、平滑化後の立寄り率が低い商品棚であるか、立寄り時間は短いが立寄り後購入率が高く、平滑化後の立寄り率が高い商品棚であるかの傾向を評価できればよい。
本発明の他の実施例は、図1の構成のうち、計測結果データベース101と立寄り率分析処理部103を主要部とした、立寄り率分析システムである。図1のその他の構成は省略することも可能である。すなわち、本実施例の立寄り率分析システムは、図4の下部に示される、立寄り率の高いポイントを抽出することができる。この立寄り率は前述のように平滑化されており、商品特性の影響を低減しているため、商品を置く場所を変更しても影響を受けにくい。図4に示す画像を出力装置に表示することにより、経営者は顧客が立寄る可能性が高いポイントを把握することができるので、商品配置の参考にすることができる。
顧客の立寄り時間が長く、立寄り後購入率が低い商品棚の抽出方法としては、実施例1では傾向を数値化してソートする方法を示した。別の方法としては、立寄り時間および立寄り後購入率に一つまたは複数の閾値を設け、閾値によって商品特性を分類することができる。例えば、立寄り時間が30秒以下かつ立寄り後購入率が80%以上の商品は目的買商品とフラグ付する。また、立寄り時間が3分以上かつ立寄り後購入率が30%以下の商品は非目的買商品とフラグ付する。これらのフラグを商品種別IDと対応付けてデータベース化し、記憶装置に格納しておく。
データベースの内容は随時出力装置で表示できるようにする。表示では、立寄り時間の長さが長くかつ立ち寄り後購入率が低い商品と、立寄り時間の長さが短くかつ立ち寄り後購入率が高い商品とを、識別可能な態様で表示できるようにする。このようにすれば、商品特性が把握できるので、商品の特性に応じて商品棚に配置することができ、売上の向上を図ることができる。
上記の実施例においては、店舗内の商品棚への商品の配置を例にとって説明した。本発明の概念は、これに限らず、例えばショッピングモールや商店街の店舗への、店舗種別の配置にも適用できる。すなわち、ショッピングモール内の店舗等の場合でも、ショッピングモールの構造によって店舗毎に立寄り率の大小があり、各店舗が取り扱う商品の傾向によっては、目的買い商品の傾向が強い(例えば日用品を扱うスーパーマーケット)店舗と、そうでない店舗(例えば土産物屋)があると考えられるからである。
以上の記載において、図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることが可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
102 立寄り後購入率分析の処理
103 立寄り率分析の処理
104 商品配置最適化の処理
105 商品配置リストのデータ
501 動線検出センサデバイス
502 赤外線ビーコン
503 商品棚
Claims (10)
- 店舗における、商品棚の前で立ち止った時間である立寄り時間と、商品棚に立寄った人数と該商品棚にある商品を購入した人数の比率である立寄り後購入率とを計測する装置を備えた行動分析装置であって、
商品棚毎に来店人数と当該商品棚に立寄った人数の比率である立寄り率を得、当該得られた立寄り率を店舗全体において平面上に平滑化を行って1メートル以下の局所的な変動を除去する二次元フィルタを掛ける装置を具備し、
前記立寄り時間が長く、前記立寄り後購入率が低く、前記二次元フィルタ処理後の立寄り率が低い商品棚を算出する装置を具備することを特徴とする行動分析装置。 - 請求項1記載の行動分析装置であって、
前記立寄り時間が短く、前記立寄り後購入率が高く、前記二次元フィルタ処理後の立寄り率が高い商品棚を算出する装置を具備することを特徴とする行動分析装置。 - 請求項1記載の行動分析装置であって、
前記立寄り時間は、赤外線通信により検知される商品棚の前で立ち止った時間を基に計測されることを特徴とする行動分析装置。 - 店舗における、商品棚の前で立ち止った時間である立寄り時間と、商品棚に立寄った人数と該商品棚にある商品を購入した人数の比率である立寄り後購入率とを計測する装置を備えた行動分析装置であって、
商品棚毎に来店人数と商品棚に立寄った人数の比率である立寄り率を得、当該得られた立寄り率を店舗全体において平面的に平滑化を行って1メートル以下の局所的な変動を除去する装置を具備し、
前記立寄り時間が長く、前記立寄り後購入率が低く、前記平滑化後の立寄り率が低い第1の商品棚と、
前記立寄り時間が短く、前記立寄り後購入率が高く、前記平滑化後の立寄り率が高い第2の商品棚と、
前記第1の商品棚にある商品と前記第2の商品棚にある商品を入れ換えたときの顧客単価向上期待値を算出する装置を具備することを特徴とする行動分析装置。 - 請求項4記載の行動分析装置であって、
前記立寄り時間は、赤外線通信により検知される商品棚の前で立ち止った時間を基に計測されることを特徴とする行動分析装置。 - 請求項4記載の行動分析装置であって、
前記平滑化を行う装置は、二次元ローパスフィルタ処理を行うことで前記立寄り率の分解能を3〜5メートルとすることを特徴とする行動分析装置。 - 入力装置、出力装置、処理装置、および記憶装置を備えた装置であって、
前記入力装置は、所定の地理的範囲に入場した顧客が、前記所定の地理的範囲に滞在する間携帯する携帯用センサからの行動履歴情報を入力する機能を有し、
前記行動履歴情報は、連続的または離散的な時間と場所に関する情報を含み、
前記処理装置は、前記行動履歴情報に基づいて、前記各顧客が前記地理的範囲の複数の所定の場所に立ち寄ったか否かを当該場所毎に示す、立寄り情報を抽出する機能を有し、
前記処理装置は、前記複数の所定の場所毎に、入場者総数と前記所定の場所に立寄った顧客の人数の比率である立寄り率をマッピングし、さらに、当該立寄り率を二次元的に平滑化して1メートル以下の局所的な変動を除去する機能を有し、
前記処理装置は、前記平滑化された立寄り率のデータを、前記出力装置に表示するか、あるいは、前記記憶装置に記憶させるか、あるいはこれらの両方を行うことを特徴とする行動分析装置であって、
前記立寄り時間の長さおよび前記立寄り後購入率に基づいて、前記立寄り時間の長さが長くかつ前記立ち寄り後購入率が低い商品と、前記立寄り時間の長さが短くかつ前記立ち寄り後購入率が高い商品とを、識別可能な態様で、前記出力装置に表示することを特徴とする行動分析装置。 - 請求項7記載の行動分析装置であって、
前記処理装置は、前記行動履歴情報に基づいて、前記各顧客が前記複数の所定の場所に立ち寄った立寄り時間の長さを、当該場所毎に示す立寄り時間情報を抽出する機能を有し、
前記入力装置は、前記各顧客が前記複数の所定の場所に配置されている商品を購入したかどうかを、当該場所毎に示す購買情報を入力する機能を有し、
前記処理装置は、上記購買情報と前記行動履歴情報に基づいて、前記所定の場所に立寄った人数と前記所定の場所に配置されている商品を購入した人数の比率である立寄り後購入率を計算する機能を有し、
前記立寄り時間の長さおよび前記立寄り後購入率に基づいて、前記複数の所定の場所に配置されている商品をラベル付けして分類するか、あるいは、ソートするか、あるいはこれらの両方を行うことを特徴とする行動分析装置。 - 請求項8記載の行動分析装置であって、
前記二次元的な平滑化は、二次元ローパスフィルタ処理を行うことで前記立寄り率の分解能を3〜5メートルとすることを特徴とする行動分析装置。 - 請求項8記載の行動分析装置であって、
前記複数の所定の場所に赤外線送信機を備えた商品棚が配置され、
前記携帯用センサは赤外線受信機を備え、
前記処理装置は、前記携帯用センサを携帯した顧客が前記商品棚に対面し、前記赤外線送信機からの赤外線を前記赤外線受信機が検知したことを示す前記行動履歴情報によって、前記各顧客が前記複数の所定の場所に立ち寄ったか否かを判断し、
前記処理装置は、前記携帯用センサを携帯した顧客が前記商品棚に対面し、前記赤外線送信機からの赤外線を前記赤外線受信機が検知した時間長さを示す前記行動履歴情報によって、前記各顧客が前記複数の所定の場所に立ち寄った立寄り時間の長さを判断することを特徴とする行動分析装置。
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