本発明の実施の形態を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施の形態を図面を用いて説明すると、本実施の形態のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、リール2L、リール2C、リール2R)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや配当表などが印刷された下部パネル1dが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施の形態では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施の形態では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施の形態では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLNに予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLNに、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインLNに表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、乱数発生回路42、サンプリング回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えている。メイン制御部41は、ROM41bに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
乱数発生回路42は、所定数のパルスを発生するたびにカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。メインCPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数値として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メインCPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
メイン制御部41のCPU41aは、ROMから読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。
このように、メイン制御部41では、CPU41aがROM41bに格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はCPU41a)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU41aがプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるRAM41cは、ゲーム制御用のワークエリアを提供し、ワークRAMとして使用される。RAM41cはバックアップRAMとしても使用され、スロットマシンへの電力供給が停止しても、例えば、電源断が発生したときに、後述する内部抽選に関する制御で用いるデータや、メダルの払出に関する制御で用いるデータ、リールの回転および停止に関する制御で用いるデータ、コマンドの入出力に関する制御で用いるデータなどが格納される。
メイン制御部41が備えるROM41aには、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM41bには、CPU41aが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM41bには、CPU41aが遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM41cには、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。RAM41cとしては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU41aがROM41bから命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU41aにおける1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
サブ制御部91が備えるRAM91cは、液晶表示やランプ表示、音出力などの各種演出制御用のワークエリアを提供し、ワークRAMとして使用される。RAM91cはバックアップRAMとしても使用され、スロットマシンへの電力供給が停止しても、例えば、電源断が発生したときに、後述するATに関する制御で用いるデータ、画像の表示に関する制御で用いるデータなどが格納される。
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(通常、内部中、BB(RB))に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ラインLN(以下では、有効化された入賞ラインLNを単に入賞ラインLNと呼ぶ)に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM41cに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、後述するRTを特定するためのRTフラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値、RTフラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、リール2Lのみ停止しているか、リール2Cのみ停止しているか、リール2Rのみ停止しているか、左、リール2Cが停止しているか、左、リール2Rが停止しているか、中、リール2Rが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインLNに揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシして停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインLNに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインLNに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシして停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ラインLNに揃わないようになっている。
なお、本実施の形態では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ラインLNに揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ラインLNに揃える制御を行っても良い。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ラインLNに揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ラインLNに揃わないようになっている。
本実施の形態においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例えば、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
次に、本実施の形態におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を、図5〜図12に基づいて以下に説明する。
メイン制御部41は、リセット回路49からシステムリセット信号が入力されると、図5のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行う。
まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa1)、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される(Sa2)。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可した後(Sa3)、内部抽選制御モジュールに対するバックアップフラグが外部メモリ(バックアップRAM)にセットされているか否かを判定する(Sa4)。なお、この実施の形態では、電源断の発生時に、バックアップデータに対してバックアップフラグがセットされる。
バックアップフラグがセットされている場合には、バックアップフラグをクリアする(Sa5)。バックアップフラグをクリアした後、バックアップデータの排他的論理和を求めてチェックサムを計算し、計算したチェックサムが、バックアップされているチェックサムと一致するか否かを判定する(Sa6)。なお、バックアップされているチェックサムは、電源断の発生時に、バックアップデータに対してチェックサムが計算されてセットされる。また、チェックサムとは、バックアップRAMの各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、バックアップRAM内の全ての領域に格納されたバックアップデータに基づいて排他的論理和を求めた値が0であれば、チェックサムは0となり、バックアップRAM内の全ての領域に格納されたバックアップデータに基づいて排他的論理和を求めた値が1であれば、チェックサムは1となる。
Sa6においてチェックサムが一致していないことを判定した場合、または、Sa4においてバックアップフラグがセットされていないことを判定した場合には、RAM41cおよびバックアップRAMの全ての格納領域を初期化する初期化処理を実行した後(Sa14)、設定キースイッチ37がonか否かを判定する(Sa15)。設定キースイッチ37がonであれば、設定変更中であることを示す設定変更中コマンドを生成するとともに、生成した設定変更中コマンドをコマンドバッファに格納する(Sa12)。なお、設定変更中コマンドは、ステップSa17の処理の後、後述するタイマ割込処理におけるステップSk16のコマンド送信処理と同様の処理が実行されることによって直ちに送信される。次いで、図7〜図8において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa18)、当選役の当選確率の変更などを行う設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図6に示す遊技制御処理に移行する。
Sa15のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa16)、RAM異常を示すエラーコマンドを生成し、生成したエラーコマンドをコマンドバッファに格納する(Sa17)。なお、エラーコマンドは、ステップSa17の処理の後、後述するタイマ割込処理におけるステップSk16のコマンド送信処理と同様の処理が実行されることによって直ちに送信される。次いで、図7〜図8において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa18)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。そして、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどして、RAM異常エラー状態が解除されると、図6に示す遊技制御処理に移行する。
Sa6において、チェックサムが一致していることを判定した場合には、設定キースイッチ37がonか否かを判定する(Sa7)。設定キースイッチ37がonであれば、RAM41cの全ての格納領域を初期化する初期化処理を実行した後(Sa11)、前述したSa12〜Sa13の処理を行い、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。そして、設定変更処理が終了すると、図6に示す遊技制御処理に移行する。
Sa7のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであることが判定された場合には、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰する(Sa8)。そして、復帰コマンドを生成して、生成したコマンドをコマンドバッファに格納し(Sa9)、図7〜図8において説明するメイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で実行するタイマ割込処理(メイン)の割込を許可して(Sa10)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。なお、復帰コマンドは、メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに割り当てられたコマンド送信用バッファに格納され、ステップSa31〜S37の後、後述するタイマ割込処理におけるステップSk16のコマンド送信処理と同様の処理が実行されることによって直ちに送信される。なお、電断前に図6に示す遊技制御処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa8で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値に基づいて、ゲーム処理のSd1〜Sd7の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。また、例えば、電断前に図7〜図8に示すタイマ割込処理中のいずれかの処理が行われていた場合には、Sa8で復帰されたプログラムカウンタ(PC)の値に基づいて、タイマ割込処理のSk1〜Sk26の処理のうち、電断前に行われていた処理に戻る。
なお、エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドである。
設定変更中コマンドは、設定変更中であることを示すコマンドである。設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定変更中であることを示す設定変更中コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドである。
なお、起動処理(メイン)においては、上記のコマンドに加え、投入枚数コマンド、ボーナス種別コマンド、遊技状態コマンド、RT情報1コマンド、復帰時内部当選コマンドが生成され、生成されたコマンドはコマンドバッファに格納される。そして、コマンドバッファに格納されたコマンドは、メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに割り当てられたコマンド送信用バッファに格納され、ステップSa31〜S37の後、後述するタイマ割込処理におけるステップSk16のコマンド送信処理と同様の処理が実行されることによって直ちに送信される。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数を指定するコマンドである。
ボーナス種別コマンドは、BBが実行されているか否か及び実行されているBBがBB1〜BB4のいずれであるかを指定するコマンドである。
遊技状態コマンドは、実行中の遊技状態(BB中、RB中、再遊技中、設定変更中)を指定するコマンドである。
RT情報1コマンドは、RT状態か否か及びRT状態の種類(図12に示すRT0〜4)を指定するコマンドである。
復帰時当選番号コマンドは、電断発生時の内部当選結果(内部当選フラグのフラグ番号)を指定するコマンドである。
なお、本実施の形態では、メイン制御部41からサブ制御部91に送信されるコマンドとして、上述したエラーコマンド、設定変更中コマンド、復帰コマンド、投入枚数コマンド、ボーナス種別コマンド、遊技状態コマンド、RT情報1コマンド、復帰時内部当選コマンドの他に、当選番号コマンド、内部当選コマンド、入賞番号コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、RT情報2コマンドがある。
当選番号コマンドは、内部当選結果(内部当選フラグのフラグ番号)を指定するコマンドである。
内部当選コマンドは、BBが内部当選しているか否か及び内部当選したBBの種類(図12に示すBB1〜4)及びメイン制御部41が演出を実行するか否か(例えば、フリーズ演出)を指定するコマンドである。
入賞番号コマンドは、入賞した当選役の種類を指定するコマンドである。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドである。リール停止コマンドは、停止するリールがリール2L、リール2C、リール2Rのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドである。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
RT情報2コマンドは、RT状態か否か及びRT状態の種類(図12に示すRT0〜4)及びBB内部当選中であるか否かを指定するコマンドである。
なお、エラーコマンド、設定変更中コマンド、復帰コマンド、投入枚数コマンド、ボーナス種別コマンド、遊技状態コマンド、RT情報1コマンド、復帰時内部当選コマンドとは異なり、当選番号コマンド、内部当選コマンド、入賞番号コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、RT情報2コマンドについては、メイン制御部41のRAM41cの特別ワークに設けられたコマンド送信用バッファに一時的に格納され、図7〜図8に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。
図6は、メイン制御部41が実行する遊技制御処理の制御内容を示すフローチャートである。
遊技制御処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)、入出力処理(Sd7)を順に実行し、入出力処理(Sd7)が終了すると、再びBET処理(Sd1)に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理は、メイン制御部41により内部抽選モジュールに従って実行される処理である。Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理は、メイン制御部41によりリール回転制御モジュールに従って実行される処理である。Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。リール2L、2C、2Rが回転開始したことを示すリール回転コマンド及び停止されるリールの種類および該リールについて停止される図柄を示すリール停止コマンドは、リール回転処理において生成し、コマンドバッファに格納する。コマンドバッファに格納された各コマンドは、図8〜図9に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるコマンド送信処理(Sk16)においてサブ制御部91に送信される。その後、操作された停止ボタンに対応するリール(2L、2C、2Rのいずれか)の回転が停止するまで待機する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理は、メイン制御部41により払出制御モジュールに従って実行される処理である。Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
Sd7のステップにおける入出力処理は、メイン制御部41により入出力制御モジュールに従って実行される処理である。Sd7のステップにおける入出力処理では、入力ポートの入力状態を監視して各種スイッチ類の入力の有無を検出し、検出結果を入力バッファにセットするなどの処理を行う。なお、この実施の形態では、例えば、後述する図7〜図8に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるSk21のスイッチ入力判定処理やSk23の停止スイッチ処理では、Sd7でセットされた入力バッファの状態を見て各スイッチがonしたか否かを確認する。また、Sd7のステップにおける入出力処理では、出力バッファの状態に基づいて各種ソレノイドやLEDに出力信号を出力する処理を行う。なお、この実施の形態では、例えば、後述する図7〜図8に示すタイマ割込処理(メイン)で実行されるSk12のLEDダイナミック表示処理などで出力バッファにLEDなどの各種出力値がセットされる。
図7〜図8は、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で起動処理や遊技制御処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sk1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sk2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sk2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sk3)、電断フラグが設定されていなければ、Sk4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、電断処理(メイン)に移行する。電断処理(メイン)では、図5で示す起動処理(メイン)のSa4の判定で用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、図5で示す起動処理(メイン)のSa6の判定で用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
Sk4のステップでは、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk5)。この実施形態では、タイマ割込1とは、モータを制御してリールの開始制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するリール始動処理など、Sk9〜Sk11の処理が行われる。また、タイマ割込2とは、LED表示制御や、時間カウンタの更新、ドア開閉状態の監視、制御信号等の出力制御、コマンドおよび外部出力信号の更新を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するLEDダイナミック表示処理など、Sk12〜Sk17の処理が行われる。また、タイマ割込3とは、リールの原点通過を検出したり、スイッチ入力を監視したり、乱数値の読み出しを行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する原点通過時処理など、Sk20〜Sk22の処理が行われる。また、タイマ割込4とは、停止スイッチの入力を検出してリールの停止制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する停止スイッチ処理など、Sk23〜Sk25の処理が行われる。Sk5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk10のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk24の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk11)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk8のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sk15)、コマンドバッファに設定された設定変更中コマンドや復帰コマンド、エラーコマンド等の各種コマンドをサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sk17)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk20)、スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rなど)の検出状態に変化があったか否かの判定、操作検出コマンドの送信要求等を行うスイッチ入力判定処理(Sk21)、乱数値レジスタR1Dから数値データを読み出して乱数値格納ワークに格納する乱数値読出処理(Sk22)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
Sk26のステップでは、Sk1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、割込前の処理に戻る。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
本実施の形態のスロットマシン1においては、入賞ラインLNに予め定められた図柄組み合わせが揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
なお、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
図9〜図11は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図12は、メイン制御部41により制御される遊技状態及びRTの遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図12に示すように、遊技状態として、通常遊技状態、内部中1、内部中2、RB、BB(RB)のいずれかに制御される。また、RTとは、リプレイとなる確率が高められたリプレイタイムのことであり、通常遊技状態(以下、通常遊技状態を通常と称す)においては、RT0〜4のいずれかの種類のRT(リプレイタイム)に制御される。
入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1〜4、レギュラーボーナス1、2の6種類のボーナスが含まれる。
BB1は、入賞ラインLNに「黒7−黒7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインLNに「網7−網7−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインLNに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインLNに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインLNに「黒7−白7−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB4のいずれかに入賞すると、BB中レギュラーボーナス(以下、BBRBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行される。
BB1〜BB4のいずれかの入賞に起因して発生したビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RB1は、入賞ラインLNに「網7−網7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。RB2は、入賞ラインLNに「白7−白7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
RB1、RB2のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。
RB1、RB2のいずれかの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
図12に示すように、BB1、BB3、RB2のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中1・RT0に制御され、BB2、BB4、RB1のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中2・RT0に制御される。また、図12に示すように、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、通常・RT4に制御される。
後述する内部抽選においてBB1〜BB4、RB1、RB2のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB4、RB1、RB2を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「網7」))は、各々、リール2L2L、リール2C2C、リール2R2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。
次に、図9を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、中段スイカ、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、1枚役、右上がりベル、右上がりベベリ、右上がりリベベが含まれる。
例えば、中段ベルは、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、ベルは、リール2L2L、リール2C2C、リール2R2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において中段ベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
以下、右下がりベル、上段ベル1〜8、中段スイカ、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、1枚役、右上がりベル、右上がりベベリ、右上がりリベベも同様に、図9に示す図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となり、図9に示す払い出し枚数のメダルが払い出される。なお、図3に示すように、右下がりベル、右上がりベル、右上がりベベリ、右上がりリベベは構成図柄が5コマ以内に配置されているため、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができるが、上段ベル1〜8、中段スイカ、右下がりスイカ、上段スイカ、下段チェリー、中段チェリー、1枚役は、構成図柄が5コマ以内に配置されていない箇所があるので、構成図柄が5コマ以内に配置されていないリールに対応するストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。
次に、図10を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、2、特殊リプレイ、SP(スペシャル)リプレイが含まれる。
例えば、通常リプレイは、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ、プラムは、リール2L2L、リール2C2C、リール2R2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
以下、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、2、特殊リプレイ、SP(スペシャル)リプレイも同様に、図10で示す図柄の組み合わせが揃ったときに入賞となる。また、図3に示すように、これらの各リプレイも構成図柄が5コマ以内に配置されているので、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図12に示すように、通常・RT0において転落リプレイに入賞した後は、RT1に制御される。
また、通常・RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1または昇格リプレイ2)に入賞した後は、通常・RT0に制御される。後述するように、昇格リプレイは、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4における内部抽選において特別役と昇格リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4においては昇格リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4から通常・RT0に制御されないように構成されており、通常・RT1であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、当該通常・RT1からのみ通常・RT0に制御されるように構成されている。
また、通常・RT1、通常・RT3において特殊リプレイに入賞した後は、通常・RT2に制御される。後述するように、特殊リプレイは、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選において特別役と特殊リプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT1、通常・RT4においては特殊リプレイに入賞しない。その結果、通常・RT1、通常・RT4から通常・RT2に制御されないように構成されており、通常・RT0、通常・RT3であるときにのみ特殊リプレイ入賞し、当該通常・RT0、通常・RT3からのみ通常・RT2に制御されるように構成されている。なお、通常・RT2において特殊リプレイが入賞した場合には、通常・RT2が維持されることとなる。
図12に示すように、通常・RT2においてSPリプレイに入賞した後は、通常・RT3に制御される。後述するように、SPリプレイは、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4における内部抽選において特別役とSPリプレイが同時に当選した場合には、その時点で内部中1・RT0または内部中2・RT0に制御される。このため、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4においてはSPリプレイに入賞しない。その結果、通常・RT0、通常・RT1、通常・RT4から通常・RT3に制御されないように構成されており、通常・RT2であるときにのみSPリプレイ入賞し、当該通常・RT2からのみ通常・RT3に制御されるように構成されている。なお、通常・RT3において特殊リプレイが入賞した場合には、通常・RT3が維持されることとなる。
次に、図11を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、図11に示すように、例えば「リプレイ−オレンジ−ベル」など、20種類の組み合わせで構成されている。本実施の形態では、後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、上記の移行出目が入賞ラインLNに揃う。
図12に示すように、通常・RT0、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4において移行出目が入賞ラインLNに揃った後は、通常・RT1に制御される。なお、通常・RT1において移行出目が入賞ラインLNに揃った場合には、通常・RT1が維持されることとなる。
次に、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施の形態では、遊技状態が、通常遊技状態であるか、内部中1(BB1、BB3、RB2が当選している状態)であるか、内部中2(BB2、BB4、RB1が当選している状態)であるか、BB(RB)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象となる役及びその当選確率が異なる。さらに遊技状態が通常遊技状態であれば、RT0〜4の種類によって、内部抽選の対象となる再遊技役及びその当選確率の少なくとも一方が異なる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。以下において、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
通常・RT0であるときには、BB1、BB1+弱スイカ、BB1+強スイカ、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+中段チェリー、BB1+1枚役、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB1+SPリプレイ、BB2、BB2+弱スイカ、BB2+強スイカ、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+中段チェリー、BB2+1枚役、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱スイカ、BB3+強スイカ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+中段チェリー、BB3+1枚役、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+中段チェリー、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+強スイカ、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB1+1枚役、RB2、RB2+弱スイカ、RB2+強スイカ、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、RB2+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR14、リプレイGR15、リプレイGR16、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23、リプレイGR24、リプレイGR25が内部抽選の対象役となる。
なお、弱スイカとは、上段スイカ+右下がりスイカである。すなわち上段スイカが入賞した場合に、弱スイカであることを認識できる。強スイカとは中段スイカ+右下がりスイカである。すなわち中段スイカが入賞した場合に、強スイカであることを認識できる。弱チェリーとは、下段チェリー単独であり、強チェリーとは、下段チェリー+1枚役である。弱チェリーでは、中段に「BAR−ベル−ANY(図柄の種類を問わない、すなわちどの図柄が停止しても良いことを示す)」の組み合わせが揃うことで弱チェリーであることを認識できるのに対して、強チェリーでは、中段に「BAR−オレンジ−ANY」又は「BAR−BAR−ANY」の組み合わせが揃うことで強チェリーであることを認識できる。
また、昇格リプレイとは、昇格リプレイ1+昇格リプレイ2である。ベルとは、中段ベル+右下がりベルである。左ベル1とは、右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8であり、左ベル2とは、右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7であり、左ベル3とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル3であり、左ベル4とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル4である。左ベル1〜4を単に左ベルとも呼ぶ。中ベル1とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル5であり、中ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル6であり、中ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル7であり、中ベル4とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル8である。中ベル1〜4を単に中ベルとも呼ぶ。右ベル1とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル5であり、右ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル7であり、右ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル6であり、右ベル4とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル8である。右ベル1〜4を単に右ベルとも呼ぶ。また、これら左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4を単に押し順ベルとも呼ぶ。
リプレイGR11とは、転落リプレイ+昇格リプレイ2であり、リプレイGR12とは、転落リプレイ+昇格リプレイ2+通常リプレイであり、リプレイGR13とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1であり、リプレイGR14とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+通常リプレイであり、リプレイGR15とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2であり、リプレイGR16とは、転落リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+通常リプレイである。
リプレイGR21とは、転落リプレイ+特殊リプレイであり、リプレイGR22とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR23とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR24とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR25とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+昇格リプレイ1である。
通常・RT1であるときには、BB1、BB1+弱スイカ、BB1+強スイカ、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+中段チェリー、BB1+1枚役、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB1+SPリプレイ、BB2、BB2+弱スイカ、BB2+強スイカ、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+中段チェリー、BB2+1枚役、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱スイカ、BB3+強スイカ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+中段チェリー、BB3+1枚役、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+中段チェリー、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+強スイカ、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB1+1枚役、RB2、RB2+弱スイカ、RB2+強スイカ、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、RB2+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象役となる。
リプレイGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1であり、リプレイGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2であり、リプレイGR3とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+下段リプレイであり、リプレイGR4とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+下段リプレイであり、リプレイGR5とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2であり、リプレイGR6とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2+下段リプレイである。
通常・RT2であるときには、BB1、BB1+弱スイカ、BB1+強スイカ、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+中段チェリー、BB1+1枚役、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB1+SPリプレイ、BB2、BB2+弱スイカ、BB2+強スイカ、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+中段チェリー、BB2+1枚役、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱スイカ、BB3+強スイカ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+中段チェリー、BB3+1枚役、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+中段チェリー、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+強スイカ、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB1+1枚役、RB2、RB2+弱スイカ、RB2+強スイカ、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、RB2+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR31、リプレイGR32、リプレイGR33、リプレイGR34、リプレイGR35、リプレイGR36が内部抽選の対象役となる。
リプレイGR31とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR32とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイ+転落リプレイであり、リプレイGR33とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR34とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+下段リプレイ+転落リプレイであり、リプレイGR35とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR36とは、特殊リプレイ+SPリプレイ+通常リプレイ+下段リプレイ+転落リプレイである。
通常・RT3であるときには、BB1、BB1+弱スイカ、BB1+強スイカ、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+中段チェリー、BB1+1枚役、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB1+SPリプレイ、BB2、BB2+弱スイカ、BB2+強スイカ、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+中段チェリー、BB2+1枚役、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱スイカ、BB3+強スイカ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+中段チェリー、BB3+1枚役、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+中段チェリー、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+強スイカ、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB1+1枚役、RB2、RB2+弱スイカ、RB2+強スイカ、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、RB2+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、リプレイGR31、リプレイGR32、リプレイGR33、リプレイGR34、リプレイGR35、リプレイGR36、SPリプレイが内部抽選の対象役となる。
通常・RT4であるときには、BB1、BB1+弱スイカ、BB1+強スイカ、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+中段チェリー、BB1+1枚役、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB1+SPリプレイ、BB2、BB2+弱スイカ、BB2+強スイカ、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+中段チェリー、BB2+1枚役、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱スイカ、BB3+強スイカ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+中段チェリー、BB3+1枚役、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+中段チェリー、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+強スイカ、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB1+1枚役、RB2、RB2+弱スイカ、RB2+強スイカ、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、RB2+1枚役、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
内部中1・RT0、内部中2・RT0であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、下段リプレイ、SPリプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイが内部抽選の対象役となる。
BBRB・RT0であるときには、弱チェリー、全役が内部抽選の対象役となり、RB・RT0であるときには、全役、RBベル1、RBベル2、RBベル3が内部抽選の対象役となる。
全役とは、右上がりベベリ以外の全ての小役、すなわち中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりリベベである。
RBベル1とは、右上がりベル+右上がりリベベであり、RBベル2とは、右上がりベル+右上がりリベベ+右上がりベリリであり、RBベル3とは、全ての小役、すなわち中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりベベリ+右上がりリベベである。
また、通常・RT0〜4などにおいて、BB1〜BB4、RB1、RB2のいずれかと同時当選し得る弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイの判定値数は、内部中1・RT0、内部中2・RT0においては、各々、ボーナスと別個に読み出される、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイに加算されているため、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、SPリプレイ各々の当選確率が一定となるように担保されている。
このように、遊技状態が通常遊技状態であるか、内部中1、2であるか、BB(RB)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象役が異なるとともに、BB(RB)やRBでは、小役の当選確率が通常遊技状態及び内部中よりも高く定められた抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態が内部中1、2である場合には、内部中1であるか、内部中2であるか、によって内部抽選の対象役は変わらないが、内部中1であるか、内部中2であるか、によって対象となる再遊技役の当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態が通常遊技状態である場合には、RT0〜4のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜4のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役及びその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
詳しくは後述するように、本実施の形態では、複数種類の小役(ベル)や複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、当選した小役や再遊技役の種類及びストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順に応じて定められた小役の図柄組み合わせや再遊技役の図柄組み合わせを入賞ラインLNに最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。そこで、図13〜図15を用いて同時に当選する小役や再遊技役の種類について具体的に説明するが、図13は、同時に当選する小役や再遊技役の一覧を示す。また、図14は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を示し、図15は、複数の小役が同時当選したときのリール制御を示す。
図13及び図14に示すように、例えば、リプレイGR1(通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
また、リプレイGR2〜6も同様に、所定の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1又は昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、所定の順番以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2及び通常リプレイを構成する図柄は、リール2L2L、リール2C2C、リール2R2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2または通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプレイGR1〜6が内部抽選の対象となる通常・RT1において、リプレイGR1〜6のいずれかが当選していれば1/6の確率で昇格リプレイが入賞することとなり、通常・RT0に移行することとなる。
また、リプレイGR11〜16も同様に、所定の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1又は昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、所定の順番以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2及び転落リプレイを構成する図柄は、リール2L2L、リール2C2C、リール2R2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2または転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプレイGR11〜16が内部抽選の対象となる通常・RT0において、リプレイGR11〜16のいずれかが当選していれば1/6の確率で昇格リプレイが入賞して通常・RT0が維持される一方で、5/6の確率で転落リプレイが入賞して通常・RT1に移行することとなる。
また、リプレイGR21〜25では、所定の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、所定の順番以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、特殊リプレイ及び転落リプレイを構成する図柄は、リール2L2L、リール2C2C、リール2R2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、特殊リプレイまたは転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプレイGR21〜25が内部抽選の対象となる通常・RT0において、リプレイGR21〜25のいずれかが当選していれば1/5の確率で特殊リプレイが入賞して通常・RT2に移行することとなる一方で、4/5の確率で転落リプレイが入賞して通常・RT1に移行することとなる。
また、リプレイGR31〜36では、所定の順番(左押し)で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうちSPリプレイ又は通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、所定の順番以外の順番で停止操作がなされた場合には、特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、SPリプレイ、特殊リプレイ及び通常リプレイを構成する図柄は、リール2L2L、リール2C2C、リール2R2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、SPリプレイ、特殊リプレイまたは通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このため、リプレイGR31〜36が内部抽選の対象となる通常・RT2において、リプレイGR31〜36のいずれかが当選していれば1/6の確率でSPリプレイが入賞して通常・RT3へ移行させることができる一方で、5/6の確率で通常リプレイまたは特殊リプレイが入賞して通常・RT2が維持されることとなる。また、後述のようにSPリプレイが入賞すると、報知期間であるアシストタイム(以下、ATと称する)でのゲームを行う権利が得られるナビストックが1つ以上必ず付与されることとなるため、通常・RT2において、リプレイGR31〜36のいずれかが当選していれば1/6の確率でSPリプレイが入賞してナビストックが1つ以上付与され、かつSPリプレイに入賞しやすい、すなわちナビストックが付与される可能性の高い通常・RT3へ移行させることができる。
サブ制御部91は、AT抽選処理を実行することにより、ATに制御可能な状態にするか否かのAT抽選を行う。AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定のAT抽選条件(RT0〜4において、前述した内部抽選の抽選対象役であるチェリー(弱チェリー、強チェリー、中段チェリー)または同じく内部抽選の抽選対象役であるSPリプレイが当選したとき)が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。本実施の形態においては、AT抽選の当選確率は、例えば、弱チェリーに当選したときは1/10、強チェリーに当選したときは1/2、中段チェリーに当選したときは1/2、SPリプレイに当選したときは1/1に設定されている。AT抽選では、ナビストック数を付与するか否か、ナビストック数をいくら付与するかが決定される。ナビストック数とは、ATに制御可能となる期間を示す。ナビストックがある状態でATを開始するか否かを決定するAT開始抽選に当選した場合には、ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数(本実施の形態では30G、50G、70G、90G、111G、222G、333G、555G)の間、ATに制御し、その間ナビ演出が実行される。このため、決定されたナビストック数が多い程、長い期間にわたりATに制御されるため、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。AT開始抽選の抽選条件としては、例えば、RT0〜4において、チェリー(弱チェリー、強チェリー、中段チェリー)またはSPリプレイが当選したとき、BBまたはRBが終了したときが設定されている。
また、リプレイGR31〜36が内部抽選の対象となる通常・RT3において、リプレイGR31〜36のいずれかが当選していれば1/6の確率でSPリプレイが入賞して後述するナビストックが1つ以上付与される一方で、1/6の確率で通常リプレイが入賞して通常・RT3が維持され、4/6の確率で特殊リプレイが入賞して通常・RT2へ移行することとなる。
図13及び図15に示すように、左ベル1〜5が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2〜8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、右下がりベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、左ベル1〜4が当選した場合に、左押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず右下がりベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、左ベル1〜4が当選した場合でも、中押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
また、中ベル1〜4が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1〜8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、中ベル1〜4が当選した場合に、中押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、中ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
右ベル1〜4が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1〜8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、右ベル1〜4が当選した場合に、右押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、右ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは中押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
このように本実施の形態では、左ベル、中ベル、右ベル、すなわち押し順ベルのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で停止操作を行うことで、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、1/4で上段ベルが揃うが、3/4で上段ベルが揃わず移行出目が揃うこともある。
このため、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできないことから、1/3の割合で右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、2/3の割合ではさらに1/4でしか上段ベルを入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。
RBベル1(右上がりベル+右上がりリベベ)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右上がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、右上がりリベベの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
RBベル2(右上がりベル+右上がりリベベ+右上がりベリリ)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右上がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しで停止操作がなされた場合には右上がりベベリの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右押しで停止操作がなされた場合には、右上がりリベベの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
RBベル3(中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりベベリ+右上がりリベベ)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右上がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には右上がりベベリの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、右上がりベル、右上がりリベベ、右上がりベベリの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、RBベル1〜4が当選した場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず右上がりベル、右上がりリベベ、右上がりベベリのいずれかの組み合わせが入賞ラインLNに揃って10枚のメダルが払い出されることとなるが、1/3の割合でのみ、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右上がりに揃うこととなる。
また、特に図示しないが、ベル(中段ベル+右下がりベル)が当選した場合には、リールの停止順及び操作のタイミングに関わらず、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うように制御される。
また、全役(中段ベル+右下がりベル+上段ベル1+上段ベル2+上段ベル3+上段ベル4+上段ベル5+上段ベル6+上段ベル7+上段ベル8+中段スイカ+右下がりスイカ+上段スイカ+下段チェリー+中段チェリー+1枚役+右上がりベル+右上がりリベベ)が当選した場合には、リールの停止順及び操作のタイミングに関わらず、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右上がりに揃うように制御される。
本実施の形態では、図12に示すように、通常遊技状態、内部中1、内部中2、RB、BB(RB)のいずれかに制御され、さらに通常遊技状態においては、RT0〜4のいずれかに制御される。
通常・RT0は、通常・RT1において昇格リプレイが入賞したとき(リプレイGR1〜6のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)、通常・RT1、通常・RT2が規定ゲーム数の消化により終了したときに移行する。そして、通常・RT0は、通常・RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止により通常・RT1に移行するか、特殊リプレイの入賞により通常・RT2に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT1は、通常・RT0、通常・RT2、通常・RT3、通常・RT4において移行出目が停止するか、通常・RT0において転落リプレイが入賞したときに移行する。そして、通常・RT1は、1ゲーム毎に、RT残りゲーム数が減算されるようになっており、規定ゲーム数(本実施の形態では1000G)消化してRT残りゲーム数が0となることで通常・RT0に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT2は、通常・RT0または通常・RT3において特殊リプレイが入賞したときに移行する。そして、通常・RT2は、1ゲーム毎に、RT残りゲーム数が減算されるようになっており、規定ゲーム数(本実施の形態では30G)消化してRT残りゲーム数が0となることで通常・RT0に移行するか、SPリプレイが入賞して通常・RT3に移行するか、移行出目が停止して通常・RT1に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT3は、通常・RT2においてSPリプレイが入賞したときに移行する。そして、通常・RT3は、通常・RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、特殊リプレイが入賞して通常・RT2に移行するか、移行出目が停止して通常・RT1に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
通常・RT4は、BB(RB)、RBの終了時に移行する。そして、通常・RT4は、通常・RT4に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目が停止してRT1に移行するか、特別役が当選して内部中1または内部中2に移行することで終了する。
内部中1は、通常遊技状態において特別役のうちBB1、BB3、RB2が当選したときに移行する。そして、内部中1は、内部中に移行してからのゲーム数に関わらず、内部中1に移行する契機となった特別役が入賞してBB(RB)またはRBに移行することで終了する。
内部中2は、通常遊技状態において特別役のうちBB2、BB4、RB1が当選したときに移行する。そして、内部中2は、内部中に移行してからのゲーム数に関わらず、内部中2に移行する契機となった特別役が入賞してBB(RB)またはRBに移行することで終了する。
RBは、内部中1、2においてRB1またはRB2が入賞したときに移行する。そして、RBは、12ゲーム消化するか、6回入賞することで終了する。
BB(RB)は、内部中においてBBが入賞したときに移行する。そして、BB(RB)は、BB(RB)に移行してからのゲーム数に関わらず、BB(RB)に払い出されたメダルの総数が規定数を超えることで終了する。
また、本実施の形態におけるスロットマシンは、遊技状態がRT0〜4であるときに、サブ制御部91は、図18に示すAT制御処理を行うことにより、ATフラグからATを実行中である旨が特定されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときにナビ演出を実行する。
ここで本実施の形態の遊技状態及びRTの移行状況について説明すると、図12に示すように、RBまたはBB(RB)が終了すると、通常・RT4に移行する。
通常・RT4では、移行出目が停止することで、RT1に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT4において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止することとなるため、RBまたはBB(RB)の終了後に移行した通常・RT4において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に、通常・RT1に移行することとなる。
通常・RT1では、特別役も当選せず、昇格リプレイも入賞せずに規定ゲーム数(1000G)消化するか、昇格リプレイが入賞することで通常・RT0に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT1においてリプレイGR1〜6が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、通常・RT1では、リプレイGR1〜6が当選し、停止順に正解することで通常・RT0へ移行することとなる。
通常・RT0では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することで通常・RT1に移行し、特殊リプレイが入賞することで通常・RT2へ移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT0においてリプレイGR11〜16が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞し、不正解であると転落リプレイが入賞する。また、通常・RT0においてリプレイGR21〜25が当選し、停止順が正解することで特殊リプレイが入賞し、不正解であると転落リプレイが入賞する。また、通常・RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT0では、リプレイGR21〜25が当選し、停止順が正解することで通常・RT2へ移行し、リプレイGR11〜16が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。
通常・RT2では、特別役も当選せず、SPリプレイも入賞せずに規定ゲーム数(30G)消化することで通常・RT0に移行し、SPリプレイが入賞することで通常・RT3に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT2においてリプレイGR31〜36が当選し、停止順が正解することでSPリプレイが入賞する。また、通常・RT2において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT2では、リプレイGR31〜36が当選し、停止順が正解することで通常・RT3へ移行し、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。
通常・RT3では、特殊リプレイが入賞することでRT2に移行し、移行出目が停止することで通常・RT1に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じて内部中1または内部中2に移行する。
通常・RT3においてリプレイGR31〜36が当選し、停止順が正解することでSPリプレイまたは通常リプレイが入賞し、不正解であると特殊リプレイが入賞する。また、通常・RT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、通常・RT3では、リプレイGR31〜36が当選し、停止順が不正解となることで通常・RT2へ移行し、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合に通常・RT1へ移行することとなる。
内部中1、2では、当該内部中へ移行する契機となった特別役が入賞することでRBまたはBB(RB)に移行する。
以上のように遊技状態及びRTの移行状況が設定されているが、後述する図18のAT制御処理において実行されるナビ演出は、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに実行する。ナビ対象役として、通常・RT1であるときにはリプレイGR1〜6、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が設定されている。また、通常・RT0であるときにはリプレイGR11〜16、リプレイGR21〜25、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が設定されている。通常・RT2であるときにはリプレイGR31〜36、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が設定されている。また、通常・RT4では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が設定されている。リプレイGR1〜36に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイや特殊リプレイ、SPリプレイを入賞させるためのストップスイッチの押し順が液晶表示器51からのナビ画像の表示やスピーカ53からのナビ音声の出力によって報知される。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてベルを入賞させるためのストップスイッチの押し順が液晶表示器51からのナビ画像の表示やスピーカ53からのナビ音声の出力によって報知される。そして、ナビ画像やナビ音声にしたがってストップスイッチを押下することにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、SPリプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイ入賞回避させることができる。以下、RT0〜4においてナビ対象役となる左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4を「押し順ベル」と称し、リプレイGR1〜36のうちRT0〜2においてナビ対象役となったリプレイGRを「押し順リプレイ」と称することがある。
次に、本実施の形態におけるサブ制御部91が実行する各種制御内容を、図16〜図26に基づいて以下に説明する。
サブ制御部91は、リセット回路95からシステムリセット信号が入力されると、図16のフローチャートに示す起動処理(サブ)を行う。
まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sn1)、RAM91cおよび外部メモリ(バックアップRAM)へのアクセスを許可する(Sn2)。次いで、図5の起動処理(メイン)のSa9で生成された復帰コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sn3)。復帰コマンドを受信していない場合には、図5の起動処理(メイン)のSa12で生成された設定変更中コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Sn4)。設定変更中コマンドを受信した場合には、設定変更中コマンドを受信したことを示す設定変更中コマンド受信フラグをRAM91cの所定領域にセットする(Sn5)。
設定変更中コマンド受信フラグをセットした後、RAM91cにバックアップフラグがセットされているか否かを判定する(Sn6)。バックアップフラグがセットされていることを判定した場合には、バックアップフラグをクリアする(Sn7)。バックアップフラグをクリアした後、バックアップRAMに格納されている領域のバックアップデータの排他的論理和を求めチェックサムを計算する(Sn8)。この後、計算したチェックサムが、バックアップされているチェックサムと一致するか否かを判定する(Sn9)。チェックサムが一致している場合には、設定変更中コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(Sn10)。
設定変更中コマンドを受信していないことが判定された場合には、図5の起動処理(メイン)のSa13で生成されたエラーコマンドをメイン制御部41から受信したか否かが判定される(Sn13)。エラーコマンドを受信していることが判定された場合には、RAM91cの初期化を実行し(Sn14)、エラー処理が行われる(Sn15)。エラー処理では、エラー報知がなされ、例えば、遊技店員によってリセット/設定スイッチ38が操作されるなどしてエラー状態が解除されると、エラー報知が終了して元の状態に復帰する。Sn13において、エラーコマンドを受信していないことが判定された場合、すなわち、設定変更中コマンドおよび復帰コマンドおよびエラーコマンドを受信していない場合には、RAM91cの初期化を実行する(Sn12)。Sn12の処理が終了した後は、タイマ割込に応じて、図17で示すタイマ割込処理(サブ)が行われる。
図17は、CPU91cが内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)のフローチャートである。
タイマ割込処理(サブ)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sp2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sp2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sp3)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、図16で示す起動処理(サブ)のSn6の判定で用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、図16で示す起動処理(サブ)のSn9の判定で用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(Sp4)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
コマンド解析処理が終了した後は、AT開始判定処理(Sp5)を実行する。AT開始判定処理では、前述したナビストックがある場合に、後述するATを開始するための開始条件(以下に「AT開始条件」とも称する)が成立したか否かを判定する。なお、本実施形態では、AT開始条件は、ATを開始するか否かを決定するAT開始抽選に当選したことを例に挙げて説明する。AT開始抽選の抽選条件としては、例えば、RT0〜4において、チェリー(弱チェリー、強チェリー、中段チェリー)またはSPリプレイが当選したとき、BBまたはRBが終了したときが設定されている。
AT開始条件が成立したことを判定した場合には、ATを実行することを示すATフラグをRAM91cの所定領域にセットするとともに、ナビストックを1つ減らす処理を行ってATのゲーム数を示すATゲーム数カウンタにATで実行するゲーム数をセットする。AT開始判定処理は終了した後は、図18で示すAT制御処理を実行する(Sp6)。
AT制御処理では、前述したナビ演出の実行に関する処理などを行うことによってATでのゲームを実行する。
AT制御処理が終了した後は、図19に示す上乗せ演出開始判定処理を実行する(Sp7)。上乗せ演出開始判定処理では、AT中にATを中断してATでのゲーム数を上乗せするか否かを決定するための上乗せ演出を実行するか否かを決定する。
上乗せ演出開始判定処理で上乗せ演出を開始することを決定した場合には、上乗せ演出制御処理を実行する(Sp8)。上乗せ演出制御処理では、前述した上乗せ演出を実行する。
次に図18を用いて、図17のタイマ割込処理(サブ)のSp6で実行するAT制御処理について説明する。
図18に示すように、まず、サブ制御部91は、図19のタイマ割込処理(サブ)のSp5の処理によってATフラグがセットされたか否かを判定する(Se1)。ATフラグがセットされていないことを判定した場合、すなわちAT中でない場合には処理を終了する。ATフラグがセットされていることを判定した場合、すなわちAT中の場合には、ATでのゲーム数のカウントを中断することを示すAT中断フラグが図19のSb9の処理によってセットされたか否かを判定する(Se2)。AT中断フラグがセットされている場合にはSe5の処理に進む。AT中断フラグがセットされていない場合には、リール回転開始コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する(Se3)。これにより、AT中のゲームが開始されたか否かを判定する。
リール回転開始コマンドを受信したことを判定した場合には、ATでのゲーム数をカウントするATゲーム数カウンタを1デクリメントする(Se4)。Se3においてリール回転開始コマンドを受信しなかったことを判定した場合又はSe4においてATゲーム数カウンタをデクリメントした後には、メイン制御部41から当選番号コマンドを受信したか否かを判定する(Se5)。
当選番号コマンドを受信しなかったことを判定した場合には処理を終了する。当選番号コマンドを受信したことを判定した場合には、受信した当選番号コマンドに基づいて内部抽選の当選結果を特定する内部抽選結果解析処理を行う(Se6)。
内部抽選結果解析処理を行った結果、ナビ対象役である押し順ベルまたは押し順リプレイに当選していないことを特定した場合には(Se7)、Se9の処理に進む。一方、内部抽選結果解析処理を行った結果、ナビ対象役である押し順ベルまたは押し順リプレイに当選したことを特定した場合には(Se7)、ナビ演出を実行する(Se8)。Se9の処理では、ATゲーム数カウンタを参照して、ATカウンタの値が0になったか否かを判定する(Se9)。すわなち、ATでのゲーム数(以下、「ATゲーム数」とも称する)が所定回数に達してATでの残りゲーム数がなくなったか否かを判定する。ATゲーム数カウンタの値が0になったことを判定した場合には、ATフラグをクリアし(Se10)、処理を終了する。ATゲーム数カウンタの値が0になっていないことを判定した場合にはそのまま処理を終了する。
次に、図19を用いて、図17のタイマ割込処理(サブ)のSp7で実行する上乗せ演出開始判定処理について説明する。
図19に示すように、サブ制御部91は、ATフラグがセットされているか否か、すなわちAT中であるか否かを判定する(Sb1)。ATフラグがセットされていないことを判定した場合には処理を終了する。ATフラグがセットされていることを判定した場合にはメイン制御部41から当選番号コマンドを受信したか否かを判定する(Sb2)。
当選番号コマンドを受信していないことを判定した場合には処理を終了する。当選番号コマンドを受信したことを判定した場合には上乗せ演出開始抽選対象役に当選したか否か、具体的には、スイカ又は弱チェリー又は強チェリーに当選したか否かを受信した当選番号コマンドに基づいて判定する(Sb3)。上乗せ演出開始抽選対象役に当選していないことを判定した場合には処理を終了する。上乗せ演出開始抽選対象役に当選したことを判定した場合には、上乗せ演出を開始するか否かを決定する上乗せ演出開始抽選処理を実行する(Sb4)。次いで、上乗せ演出開始抽選処理で実行した上乗せ演出開始抽選に当選したか否かを判定する(Sb5)。
ここで、図20を用いて上乗せ演出開始抽選で用いる上乗せ演出突入率テーブルについて具体的に説明する。
図20に示すように、上乗せ演出突入率テーブルでは、スイカに当選した場合は上乗せ演出が開始される確率(突入率)が5%に設定されている。また、弱チェリーに当選した場合は上乗せ演出が開始される確率(突入率)が12%に設定されている。また、強チェリーに当選した場合は上乗せ演出が開始される確率(突入率)が25%に設定されている。
図19に示すように、Sb5において、上乗せ演出開始抽選に当選しなかったことを判定した場合には処理を終了する。上乗せ演出開始抽選に当選したことを判定した場合には、上乗せ演出を実行するゲーム数である上乗せ演出回数を決定する上乗せ演出回数抽選処理を実行する(Sb6)。上乗せ演出回数抽選処理では上乗せ演出回数を決定するが、選択されたゲーム数に応じて上乗せ演出の演出状態も同時に決定する。上乗せ演出の演出状態は第1演出状態と第2演出状態とが設定されている。詳しくは後述するように、これらの演出状態は、上乗せされるATゲーム数の期待値や上乗せ演出の継続回数が異なっている。具体的には、第1演出状態よりも第2演出状態のほうが上乗せされるATゲーム数への期待値が高い、すなわち、第2演出状態のほうは上乗せされるATゲーム数が多くなりやすくなっている。このため、第1演出状態よりも第2演出状態のほうが、特典であるATの価値(上乗せされるATゲーム数)が大きいといえる。また、第1演出状態よりも第2演出状態のほうが上乗せ演出回数が多くなる。
ここで、図21を用いて上乗せ演出回数抽選で用いる上乗せ演出回数振り分けテーブルについて具体的に説明する。
図21に示すように、上乗せ演出回数振り分けテーブルでは、上乗せ演出回数が10回になる確率が65%、20回になる確率が20%、30回になる確率が14%、80回になる確率が1%に設定されている。第1演出状態では上乗せ演出回数が10回〜30回に設定され、第2演出状態では上乗せ演出回数が80回に設定されている。このため、上乗せ演出回数が10回〜30回になると、これに併せて第1演出状態とすることが決定され、上乗せ演出回数が80回になると、これに併せて第2演出状態とすることが決定される。
図19に示すように、上乗せ演出回数抽選処理が終了した後は、上乗せ演出回数カウンタに上乗せ演出回数をセットする(Sb7)。次いで、上乗せ演出状態に応じた上乗せ演出フラグをセットする(Sb8)。第1演出状態に決定した場合には第1演出状態を示す上乗せ演出フラグ1をセットし、第2演出状態に決定した場合には第2演出状態を示す上乗せ演出フラグ2をセットする。次いでATでのゲーム数のカウントを中断することを示すAT中断フラグをセットする(Sb9)。
AT中断フラグのセット後、第2演出状態とすることに決定したか否かを判定する(Sb10)。第2演出状態とすることに決定しなかったこと、すなわち第1演出状態とすることに決定したことを判定した場合には第1演出状態に対応する演出の実行を開始して処理を終了する(Sb15)。第1演出状態に対応する演出は、例えば、液晶表示器51から第1演出状態に対応した独特のキャラクター(例えば、キャラクターA)などを表示させるとともに、第1演出状態に対応した色(例えば、青色)の背景を表示する。
一方、第2演出状態とすることに決定したことを判定した場合には、第2演出状態において第1演出状態と同一態様の共通演出を実行するか否かを決定する共通演出実行抽選処理を実行する(Sb11)。共通演出実行抽選処理における共通演出抽選の実行によって第1演出と同一態様の共通演出を実行することを決定したか否かを判定する(Sb12)。共通演出を実行することに決定したことを判定した場合には、共通演出を実行することを示す共通演出フラグをセットし(Sb13)、共通演出として第1演出状態に対応する演出の実行を開始して処理を終了する(Sb14)。共通演出は、例えば、液晶表示器51から第1演出状態に対応した独特のキャラクター(例えば、キャラクターA)などを表示させるとともに、第1演出状態に対応した色(例えば、青色)の背景を表示する。
共通演出を実行することに決定しなかったことを判定した場合には、第2演出状態に対応する演出の実行を開始して処理を終了する(Sb16)。第2演出状態に対応する演出は、例えば、液晶表示器51から第2演出状態に対応した独特のキャラクター(例えば、キャラクターB)などを表示させるとともに、第2演出状態に対応した色(例えば、赤色)の背景を表示する。
このように、第2演出状態であっても第1演出状態と同一態様の共通演出が実行される場合があるので、共通演出が実行されている間は第1演出状態であるのか第2演出状態であるのかを識別することができない。よって、共通演出が実行されている間は、第2演出状態であることへの期待感を遊技者に抱かせることができ、また、共通演出は第1演出状態での演出と同一態様なので、仮に第1演出状態であっても第2演出状態であることへの期待感を遊技者に抱かせることができる。
次に、図22を用いて、図17のタイマ割込処理(サブ)のSp8で実行する上乗せ演出制御処理について説明する。
図22に示すように、サブ制御部91は、先ず、図19のSb8の処理において上乗せ演出フラグをセットしたか否かを判定する(Sc1)。上乗せ演出フラグをセットしていないことを判定した場合には処理を終了する。上乗せ演出フラグをセットしたことを判定した場合には、メイン制御部41からリール回転開始コマンドを受信したか否か、すなわちゲームスタートしたか否かを判定する(Sc2)。リール回転開始コマンドを受信したことを判定した場合には、図19のSb7でセットした上乗せ演出回数カウンタのカウント値を1デクリメントする(Sc3)。
Sc3の処理の終了後又はSc2でリール回転開始コマンドを受信していないことを判定した場合には、図19のSb13で共通演出フラグをセットしたか否かを判定する(Sc4)。共有演出フラグをセットしていないことを判定した場合にはSc8の処理に進む。共通演出フラグをセットしたことを判定した場合には、共通演出(すなわち、第1演出状態に対応した演出)から第2演出状態に対応した演出に切り替えるか否かを決定する演出切替抽選処理を実行する(Sc5)。
次いで、演出切替抽選処理における演出切替抽選によって第2演出状態に対応する演出に切り替えることを決定したか否かを判定する(Sc6)。演出切替抽選によって第2演出状態に対応する演出に切り替えないことを決定した場合にはSc8の処理に進む。演出切替抽選によって第2演出状態に対応する演出に切り替えることを決定した場合には第2演出状態に対応する演出の実行を開始する(Sc7)。具体的には、例えば、液晶表示器51から第2演出状態に対応した独特のキャラクター(例えば、キャラクターB)などを表示させるとともに、第2演出状態に対応した色(例えば、赤色)の背景を表示する。
次いで、メイン制御部41から当選番号コマンドを受信したか否かを判定する(Sc8)。当選番号コマンドを受信しなかったことを判定した場合にはSc15の処理に進む。当選番号コマンドを受信したことを判定した場合には、当選番号コマンドに基づいてAT上乗せ対象役に当選したか否かを判定する(Sc9)。具体的には、押し順ベル、弱チェリー、強チェリー、スイカ、ハズレ、ボーナスのいずれかに当選したか否かを判定する。
AT上乗せ対象役に当選しなかったことを判定した場合にはSc14の処理に進む。AT上乗せ対象役に当選したことを判定した場合には、ATゲーム数にゲーム数を上乗せ(追加)するか否かを決定するAT上乗せ抽選処理を実行する(Sc10)。
次いで、AT上乗せ抽選処理に当選したか否かを判定する(Sc11)。AT上乗せ抽選に当選しなかったことを判定した場合にはSc15の処理に進む。AT上乗せ抽選に当選したことを判定した場合には、演出状態に応じた振り分け率で上乗せするATゲーム数(以下、「上乗せゲーム数」とも称する)を決定する上乗せゲーム数抽選処理を実行する(Sc12)。
ここで、図23及び図24を用いて、上乗せゲーム数抽選処理で実行する上乗せゲーム数抽選で用いる第1演出状態上乗せゲーム数振り分けテーブル及び第2演出状態上乗せゲーム数振り分けテーブルについて説明する。
図23に示すように、第1演出状態上乗せゲーム数振り分けテーブルは第1演出状態での上乗せゲーム数抽選で用いられる。
第1演出状態上乗せゲーム数振り分けテーブルでは、押し順ベルに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が87%、30ゲームとなる確率が10%、50ゲームとなる確率が2%、100ゲームとなる確率が1%、300ゲームとなる確率が0%に設定されている。
また、弱チェリーに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が77%、30ゲームとなる確率が20%、50ゲームとなる確率が2%、100ゲームとなる確率が1%、300ゲームとなる確率が0%に設定されている。
また、強チェリーに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が67%、30ゲームとなる確率が30%、50ゲームとなる確率が2%、100ゲームとなる確率が1%、300ゲームとなる確率が0%に設定されている。
また、スイカに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が57%、30ゲームとなる確率が40%、50ゲームとなる確率が2%、100ゲームとなる確率が1%、300ゲームとなる確率が0%に設定されている。
また、ハズレに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が47%、30ゲームとなる確率が50%、50ゲームとなる確率が2%、100ゲームとなる確率が1%、300ゲームとなる確率が0%に設定されている。
また、ボーナスに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が37%、30ゲームとなる確率が60%、50ゲームとなる確率が2%、100ゲームとなる確率が1%、300ゲームとなる確率が0%に設定されている。
図24に示すように、第2演出状態上乗せゲーム数振り分けテーブルは第2演出状態での上乗せゲーム数抽選で用いられる。
第2演出状態上乗せゲーム数振り分けテーブルでは、押し順ベルに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が69%、30ゲームとなる確率が15%、50ゲームとなる確率が10%、100ゲームとなる確率が5%、300ゲームとなる確率が1%に設定されている。
また、弱チェリーに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が48%、30ゲームとなる確率が35%、50ゲームとなる確率が10%、100ゲームとなる確率が5%、300ゲームとなる確率が2%に設定されている。
また、強チェリーに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が37%、30ゲームとなる確率が45%、50ゲームとなる確率が10%、100ゲームとなる確率が5%、300ゲームとなる確率が3%に設定されている。
また、スイカに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が27%、30ゲームとなる確率が55%、50ゲームとなる確率が10%、100ゲームとなる確率が5%、300ゲームとなる確率が3%に設定されている。
また、ハズレに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が27%、30ゲームとなる確率が55%、50ゲームとなる確率が10%、100ゲームとなる確率が5%、300ゲームとなる確率が3%に設定されている。
また、ボーナスに当選した場合は、上乗せゲーム数が10ゲームとなる確率が7%、30ゲームとなる確率が55%、50ゲームとなる確率が30%、100ゲームとなる確率が5%、300ゲームとなる確率が3%に設定されている。
以上のように、第2演出状態では300ゲームが上乗せされる可能性があるが、第1演出状態では300ゲームが上乗せされることのないように設定されている。また、第2演出状態では、50ゲーム又は100ゲームが選択される可能性が第1演出状態よりも高くなっている。このため、第2演出状態のほうが上乗せされるゲーム数への期待値が高く、第2演出状態のほうが第1演出状態よりも価値(上乗せゲーム数)の大きい特典(ATゲームの上乗せ)が得られる。
図22に示すように、Sc12において上乗せゲーム数抽選処理が終了した後は、上乗せゲーム数抽選の抽選結果に応じた上乗せゲーム数に相当する値をATゲーム数カウンタのカウント値に上乗せする(Sc13)。Sc14では、図25に示す上乗せゲーム数演出処理を実行する(Sc14)。詳しくは図25で後述するように、上乗せゲーム数演出処理では、ATゲーム数を上乗せすることを決定した場合に上乗せゲーム数を報知する演出を行う処理である。上乗せゲーム数演出処理が終了した後は、図26に示すゲーム差報知処理を実行する(Sc15)。詳しくは図26で後述するように、ゲーム差報知処理では、報知した上乗せゲーム数と、実際に上乗せされた上乗せゲーム数との差異を報知する処理を実行する。次いで、上乗せ演出回数カウンタが0であるか否かを判定する(Sc16)。上乗せ演出回数カウンタが0でないことを判定した場合には処理を終了する。上乗せ演出回数カウンタが0であることを判定した場合には上乗せ演出フラグ及びAT中断フラグをクリアして処理を終了する(Sc17)。
次に、図25を用いて、図22の上乗せ演出制御処理のSp14で実行する上乗せゲーム数演出処理について説明する。
図25に示すように、上乗せゲーム数演出処理では、サブ制御部91は、先ず、図22のSc12の処理によって、50ゲーム又は100ゲーム又は300ゲームを上乗せすることに決定したか否かを判定する(Sg1)。
50ゲーム又は100ゲーム又は300ゲームを上乗せしないことを判定した場合には、図22のSc12の上乗せゲーム数抽選処理で決定した上乗せゲーム数の報知を行って処理を終了する(Sg2)。報知は、例えば液晶表示器51からゲーム数の表示を行うことによって行う。
50ゲーム又は100ゲーム又は300ゲームを上乗せすることを判定した場合には、上乗せゲーム数抽選により決定した上乗せゲーム数よりも少ないゲーム数を報知するか否かを決定する過小報知実行抽選処理を実行する(Sg3)。
次いで、過小報知実行抽選処理における過小報知実行抽選によって上乗せゲーム数を少なく報知することを決定したか否かを判定する(Sg4)。
過小報知実行抽選によって上乗せゲーム数を少なく報知することに決定したことを判定した場合には、上乗せゲーム数抽選で決定した上乗せゲーム数よりも少なく、かつ第1演出状態で決定され得る上乗せゲーム数(例えば30ゲーム)を報知する(Sg5)。また、Sg5の処理を行った後に、上乗せゲーム数抽選で決定した上乗せゲーム数よりも少なく、かつ第1演出状態で決定され得る上乗せゲーム数を報知したことを示す過小報知フラグをセットして処理を終了する(Sg6)。
このとき、第1演出状態では、10ゲーム〜30ゲームの上乗せゲーム数が選択される確率が高いことから、遊技者は、上乗せゲーム数の報知から、第1演出状態であるのか又は第2演出状態であるのかを察知することが困難となる。
一方、過小報知実行抽選によって上乗せゲーム数を少なく報知することに決定しなかったことを判定した場合には、図22のSc12の上乗せゲーム数抽選処理で決定した上乗せゲーム数の報知を行って処理を終了する(Sg2)。
なお、本実施の形態では、上乗せゲーム数抽選で決定した上乗せゲーム数よりも少ない上乗せゲーム数を報知するにあたって一律に第1演出状態で決定され得る30ゲームが上乗せされたことを報知しているが、第1演出状態で決定され得るゲーム数のいずれを報知するかを決定してもよい。この場合には、第1演出状態でのゲーム数の振り分け率と同様の確率で振り分けを行うと、第2演出状態であることを察知することを困難にすることができる。
次に、図26を用いて、図22の上乗せ演出制御処理のSp15で実行するゲーム差報知処理について説明する。
図26に示すように、ゲーム差報知処理では、サブ制御部91は、先ず、図25のSg6において過小報知フラグをセットしたか否かを判定する(Sf1)。過小報知フラグをセットしていないことを判定した場合には処理を終了する。また、過小報知フラグをセットしたことを判定した場合には、図22のSc4において共通演出フラグをセットしたか否かを判定する(Sf2)。共通演出フラグをセットしていないことを判定した場合にはSf4の処理に進む。
共通演出フラグをセットしたことを判定した場合には、図22のSc5において、第2演出状態に対応する演出に切り替えることを決定したか否かを判定する(Sf3)。
第2演出状態に対応する演出に切り替えることを決定した場合にはSf7の処理に進む。Sf3で第2演出状態に対応する演出に切り替えることを決定しなかった場合又はSf2で共通演出フラグをセットしていないことを判定した場合には、上乗せ演出回数カウンタのカウント値に基づいて第1演出状態でのゲーム数が所定回数に達したか否かを判定する(Sf4)。
第1演出状態でのゲーム数が所定回数(例えば、31回)に達したことを判定した場合にはSf7の処理に進む。第1演出状態でのゲーム数が所定回数に達していないことを判定した場合には、図22のSc12において上乗せゲーム数が300ゲームに決定されたか否かを判定する(Sf5)。なお、本実施の形態では、図21に示すように、第1演出状態でのゲーム数が31回以上になると第2演出状態であることが分かるため、Sf4においては、ゲーム数が31回に達したか否かを判定しているが、図21で決定される各ゲーム数の次ゲーム(すなわち、11回、21回、31回)で第1演出状態でのゲーム数が所定回数に達したか否かを判定してもよい。
上乗せゲーム数が300ゲームに決定されたことを判定した場合にはSf7の処理に進む。上乗せゲーム数が300ゲームに決定されなかったことを判定した場合には、報知した上乗せゲーム数と、実際に上乗せされた上乗せゲーム数との差が所定回数以上になったか否かを判定する(Sf6)。
報知した上乗せゲーム数と、実際に上乗せされた上乗せゲーム数との差が所定回数以上になったことを判定した場合にはSf7の処理に進む。報知した上乗せゲーム数と、実際に上乗せされた上乗せゲーム数との差が所定回数以上になっていないことを判定した場合には処理を終了する。Sf7の処理では、報知した上乗せゲーム数と、実際に上乗せされた上乗せゲーム数との差を報知する(Sf7)。また、Sf7の処理に併せて過小報知フラグをクリアする。
以上のように、Sf7の処理において、報知した上乗せゲーム数と、実際に上乗せされた上乗せゲーム数との差を報知するので、共通演出が実行されたときに第2演出状態であることへの期待感を抱かせることが可能になり、上乗せゲーム数が増えることへの期待感を高め、ゲームの興趣を向上させることができる。
また、Sf3の処理において、第2演出状態に対応する演出に切り替えることを決定したことを判定した場合にSf7の処理において報知を行うので、第2演出状態であることを遊技者が認識したタイミングで上乗せゲーム数が増えることがあるので、ゲームの興趣を向上させることができる。
また、Sf4の処理において、第1演出状態でのゲーム数が所定回数に達したことを判定した場合にSf7の処理において報知を行うので、所定回数のゲームを行えば実際の上乗せゲーム数を知ることができ、ゲームの興趣を向上させることができる。
また、Sf5の処理において、上乗せゲーム数が300ゲームに決定されたことを判定した場合にSf7の処理において報知を行うので、報知の内容に矛盾が生じることを防止することができる。また、第2演出状態特有の上乗せゲーム数に決定されたことを遊技者に認識させることができ、ゲームの興趣を高めることができる。
また、Sf6の処理において、報知した上乗せゲーム数と、実際に上乗せされた上乗せゲーム数との差が所定回数以上になったことを判定した場合にSf7の処理において報知を行うので、実際に決定した上乗せゲーム数と報知された上乗せゲーム数との差が大きくなって、遊技者が報知を信用できなくなる不信感を抱くことを防止することができる。
なお、本実施の形態では、報知した上乗せゲーム数と、実際に上乗せされた上乗せゲーム数との差を報知するにあたって、必ず第2演出状態に対応する演出に切り替えていないが、報知に併せて演出を第2演出状態に対応する演出に切り替えてもよい。
次に、上記実施の形態の変形例について図27を用いて説明する。本実施例においては、図22のSc11においてAT上乗せ抽選に当選したことに基づいて、ATゲーム数が上乗せされたことを示唆する演出を実行する。そして、図27に示す上乗せゲーム数演出抽選テーブルは、演出を選択するための抽選で用いられるテーブルである。
図27に示すように、上乗せゲーム数演出抽選テーブルは、第1演出状態では、演出Aの選択確率が40%、演出Bの選択確率が30%、演出Cの選択確率が30%、演出Dの選択確率が0%、演出Eの選択確率が0%に設定されている。
また、第2演出状態では、演出Aの選択確率が40%、演出Bの選択確率が30%、演出Cの選択確率が0%、演出Dの選択確率が29%、演出Eの選択確率が1%に設定されている。以上から、演出Eは第2演出状態でのみ選択されるが、他の演出に比べて選択される確率が非常に低い、いわゆるレア演出になっている。
サブ制御部91は、上記のように構成された上乗せゲーム数演出抽選テーブルを用いて、図22のSc11においてAT上乗せ抽選に当選したことに基づいて、演出状態に応じて上乗せゲーム数演出抽選テーブルに設定された演出のうちからいずれかを選択する。そして、上乗せゲーム数演出抽選テーブルで設定された演出のうちから抽選で選択された演出を例えば液晶表示器51からのキャラクターの表示などによって実行するが、演出Eが選択された場合には、演出Eよりも選択確率が高く、すなわちレア度が低く、第1演出状態と共通の演出Aや演出Bを実行する。そして、図26のSf3〜Sf6のいずれかの条件が満たされたkとに基づいて演出Eを実行する。これにより、実行されたレア度の低い演出A又はB(価値の小さい特典)と、実際に決定されたレア度の高い演出E(価値の大きい特典)とのレア度の差異を認識することができる。これにより、共通演出が実行されたときに第2演出状態であることへの期待感を抱かせることが可能になり、上乗せゲーム数が増えることへの期待感を高め、ゲームの興趣を向上させることができる。
次に、本発明をパチンコ遊技機に適用した例について、図28〜図33を用いて説明する。
図28に示すように、パチンコ遊技機200は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機200は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠201を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤205を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠201の下部表面には打球供給皿(上皿)202がある。打球供給皿202の下部には、打球供給皿202に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿203や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)204が設けられている。また、ガラス扉枠201の背面には、遊技盤205が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤205は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤205の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域206が形成されている。
余剰球受皿(下皿)203を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ224が取り付けられている。
打球供給皿(上皿)202を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ224の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン223が設けられている。プッシュボタン223の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン223に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられている。
遊技領域206の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置208が設けられている。演出表示装置208の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置208は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。具体的には、この実施の形態では、演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置208の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。
演出表示装置208は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器207aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置208で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器207bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置208で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置208において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置208に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置208の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域208a,208bが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域208aと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域208bとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置208を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置208上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置208の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域208aと第2特別図柄用の第4図柄表示領域208bを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域208a,208bを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器207aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域208aにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器207bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器207aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域208aにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色)で表示される。また、第2特別図柄表示器207bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域208bにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色)で表示される。
演出表示装置208の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)207aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器207aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器207aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置208の右方(第1特別図柄表示器207aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)207bも設けられている。第2特別図柄表示器207bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器207bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器207aと第2特別図柄表示器207bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口210または第2始動入賞口211を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置208の下方には、第1始動入賞口210を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口210に入賞した遊技球は、遊技盤205の背面に導かれ、第1始動口スイッチ210aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)210を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口211を有する可変入賞球装置212が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)211に入賞した遊技球は、遊技盤205の背面に導かれ、第2始動口スイッチ211aによって検出される。可変入賞球装置212は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置212が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口211に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置212が開状態になっている状態では、第1始動入賞口210よりも、第2始動入賞口211に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置212が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口211に入賞しない。従って、可変入賞球装置212が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口211よりも、第1始動入賞口210に遊技球が入賞しやすい。他方、可変入賞球装置212が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置212に向かう遊技球は第2始動入賞口211に極めて入賞しやすい。
以下、第1始動入賞口210と第2始動入賞口211とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器207bの上方には、第2始動入賞口211に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器214bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器214bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器207bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器214bのさらに上方には、第1始動入賞口210に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器214aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器214aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器207aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置208の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部214cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部214dとが設けられている。
演出表示装置208は、第1特別図柄表示器207aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器207bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器207aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置208における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器207bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置208における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器207aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器207bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置208において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。また、演出表示装置208には、演出図柄を変動表示可能な左、中および右の3つの変動表示領域が設けられている。そして、例えば、左、中および右の全ての変動表示領域が同じ図柄で揃った状態で停止されると、大当り図柄が停止表示された状態となる。
また、可変入賞球装置212の下方には、特別可変入賞球装置215が設けられている。特別可変入賞球装置215は開閉板を備え、第1特別図柄表示器207aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器207bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド2166によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ217で検出される。
演出表示装置208の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器209が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器209は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器209は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。
遊技球がゲート221を通過しゲートスイッチ221aで検出されると、普通図柄表示器209の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器209における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置212が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置212の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口211に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器209の近傍には、ゲート221を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器222が設けられている。ゲート221への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ221aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器222は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器209の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器209における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置212の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置212の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤205の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域206の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ219が設けられている。遊技領域206の外周には、前面枠に設けられた枠LED220が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル204を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域206に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域206を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域206に入り、その後、遊技領域206を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口210に入り第1始動口スイッチ210aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器207aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置208において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口210への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口211に入り第2始動口スイッチ211aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器207bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置208において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口211への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
本発明を適用したパチンコ遊技機は、遊技制御基板と演出制御基板とを備えている。遊技制御基板には、プログラムに従ってパチンコ遊技機を制御する遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM、プログラムに従って制御動作を行うCPUおよびI/Oポート部を含む。RAMは、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAMの一部または全部の内容は保存される。
また、演出制御基板には演出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータは、中継基板を介して遊技制御用マイクロコンピュータから演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置の表示制御を行う。
次に、図28で説明したパチンコ遊技機の動作について説明する。図29は、遊技制御基板における遊技制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータは、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータは、まず、必要な初期設定を行う。
図29に示すように、初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータは、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、遊技制御用マイクロコンピュータのCPUが内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータは、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータは、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータは初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、遊技制御用マイクロコンピュータは、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータは、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータのROMに格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、遊技制御用マイクロコンピュータは、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、バックアップRAMに保存されている表示結果(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータは、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。また、遊技制御用マイクロコンピュータのROMに格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータは、演出制御基板を初期化するための初期化指定コマンドを演出制御基板に送信する(ステップS13)。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、乱数回路を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータに内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータは、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。なお、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータは、図30に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、遊技制御用マイクロコンピュータは、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路を介して、例えば、ゲートスイッチ221a、第1始動口スイッチ210a、第2始動口スイッチ211aおよびカウントスイッチ217の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータは、第1特別図柄表示器207a、第2特別図柄表示器207b、普通図柄表示器209、第1特別図柄保留記憶表示器214a、第2特別図柄保留記憶表示器214b、普通図柄保留記憶表示器222の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器207a、第2特別図柄表示器207bおよび普通図柄表示器209については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。遊技制御用マイクロコンピュータは、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器207a、第2特別図柄表示器207bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
なお、本実施の形態では、時短状態への制御は特別図柄プロセス処理にて行われる。時短状態を決定するゲーム状態として第1ゲーム状態と第2ゲーム状態とが設けられている。そして、大当りの抽選時に併せて大当り種別を決定することにより、いずれのゲーム状態とするかが決定される。第1ゲーム状態では時短状態でのゲーム数(すなわち図柄の変動回数)が20ゲーム又は50ゲームのいずれかから選択され、第2ゲーム状態では時短状態でのゲーム数が50ゲーム又は100ゲームのいずれかから決定される。第1ゲーム状態と第2ゲーム状態とは所定条件(例えば図柄の変動回数が所定回数に達したとき、あるいは、所定の抽選に当選したときなど)が満たされたときに切り替えられる。特別図柄プロセス処理では、決定した大当り種別に基づいて時短状態でのゲーム数を識別する。すなわち、時短ゲーム数が20回の大当りと時短ゲーム数が50回の大当りと時短ゲーム数が100回の大当りとを区別することにより、時短ゲーム数の制御を行っている。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータは、普通図柄を表示する普通図柄表示器の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。遊技制御用マイクロコンピュータは、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータは、演出制御用マイクロコンピュータに演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータは、第1始動口スイッチ210a、第2始動口スイッチ211aおよびカウントスイッチ217の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、始動口スイッチやカウントスイッチのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、遊技制御用マイクロコンピュータは、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータは、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図31は、演出制御基板に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータは、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータは、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータは、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータは、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置の表示制御を実行する。具体的には、プロセスデータの内容に従って演出装置(演出図柄を可変表示する演出用部品としての演出表示装置208、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ219)の制御を実行する。例えば、表示制御実行データに従って、演出表示装置208において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDPに指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ219からの音声出力を行わせるために、音声出力基板に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータは、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置の第4図柄表示領域において第4図柄の表示制御を実行する。
上記のように構成されたパチンコ遊技機200に本発明を適用した場合に、例えば図32及び図33で示すような時短演出抽選テーブルを用いる。
図32に示す時短演出抽選テーブルは第1ゲーム状態における図31のS705の演出プロセス処理において演出を選択する際に用いられる。すなわち、第1ゲーム状態の時短状態において演出を決定する際に用いられる。図中の時短演出抽選テーブルでは、時短ゲーム数が20ゲームのときには演出Xを選択する確率が60%、演出Yを選択する確率が40%に設定されている。また、時短ゲーム数が50ゲームのときには演出Xを選択する確率が40%、演出Yを選択する確率が60%に設定されている。
図33に示す時短演出抽選テーブルは第2ゲーム状態における図31のS705の演出プロセス処理において演出を選択する際に用いられる。すなわち、第2ゲーム状態の時短状態において演出を決定する際に用いられる。図中の時短演出抽選テーブルでは、時短ゲーム数が50ゲームのときには演出Xを選択する確率が70%、演出Yを選択する確率が30%に設定されている。また、時短ゲーム数が100ゲームのときには演出Xを選択する確率が30%、演出Yを選択する確率が70%に設定されている。すなわち、演出A,Bは共通演出となっており、演出の態様からは第1ゲーム状態であるか第2ゲーム状態であるかを識別できないようになっている。
そして、図31のS705の演出プロセス処理において例えば、第2ゲーム状態で100ゲームの時短ゲーム数が決定された場合には、まず、時短ゲーム数が20ゲームであることを報知する。そして、第2ゲーム状態で20ゲームが行われた後に、報知された時短ゲーム数である20ゲームと、実際に決定された時短ゲーム数100ゲームとの差である80ゲームが残りの時短ゲーム数であるとして報知する。これにより、共通演出が実行されたときに第2ゲーム状態であることへの期待感を抱かせることが可能になり、時短ゲーム数が増えることへの期待感を高め、ゲームの興趣を向上させることができる。
なお、時短ゲーム数を特典の価値として例に挙げて説明したが、確変状態の有無を特典の価値としたパチンコ遊技機に本発明を適用することもできる。例えば、確変状態に移行させる種別の大当り(確変付き大当り)時に、確変状態に移行しないことを示す大当り図柄(確変なし大当りに対応する図柄)を表示するとともに、確変なし大当りで実行しうる演出を共通演出として大当り中に実行し、所定の特別条件が満たされたときに、特典の価値の差異として、確変付き大当りであることを報知する。これにより、共通演出が実行されたときに確変状態に移行することへの期待感を抱かせることが可能になり、確変状態への期待感を高め、ゲームの興趣を向上させることができる。
また、確変状態での図柄の変動回数が大当たり種別によって異なるパチンコ遊技機にも本発明を適用することもできる。例えば、図柄の変動回数が多い確変状態に移行したときに、これよりも少ない変動回数かつ他の大当たり種別で決定されうる変動回数を報知する。また、図柄の変動回数が少ない確変状態に移行したときに実行する演出を共通演出として実行する。そして、確変状態中に所定の特別条件が満たされたときに、特典の価値の差異として、報知された図柄の変動回数と実際に実行される図柄の変動回数の差を報知する。これにより、共通演出が実行されたときに確変状態に移行することへの期待感を抱かせることが可能になり、確変状態への期待感を高め、ゲームの興趣を向上させることができる。
また、ラウンド数の異なる大当たりが設定されたパチンコ遊技機にも本発明を適用することもできる。例えば、ラウンド数の多い大当たり状態に移行したときに、これよりも少ないラウンド数かつ他の大当たりで決定されうるラウンド数を報知する。また、ラウンド数が少ない大当たり状態に移行したときに実行する演出を共通演出として実行する。そして、大当たり中に所定の特別条件が満たされたときに、特典の価値の差異として、報知されたラウンド数と実際に実行されるラウンド数の差を報知する。これにより、共通演出が実行されたときにラウンド数の多い大当たり状態であることへの期待感を抱かせることが可能になり、ラウンド数の多い大当たり状態への期待感を高め、ゲームの興趣を向上させることができる。
以上のように本実施の形態では、第2遊技状態(例えば、第2演出状態)に制御されているときに特典(AT)が付与された場合に該付与された特典の価値(例えば、上乗せゲーム数)よりも小さくかつ第1遊技状態(例えば、第1演出状態)で付与され得る価値を報知し、所定の特別条件が成立した場合に報知した価値と付与された価値との差を報知する(例えば、図22のSc10の処理を実行し、Sc11で「Y」と判定された場合にSc14の処理を実行して図25におけるSg5の処理を実行する部分及び図26におけるSf3、Sf4、Sf5、Sf6の条件が満たされた場合にSf7の処理を実行する部分)。
よって、共通演出が実行されたときに第2遊技状態であることへの期待感を抱かせることが可能になり、価値の大きい特典が付与されることへの期待感を高め、ゲームの興趣を向上させることができる。
なお、上記実施の形態では、ATの上乗せゲーム数やレア度の異なる演出や時短ゲーム数を特典の価値の差として報知する例として挙げたが、例えば、ATを継続するか否かを抽選により決定するスロットマシンにおけるATの継続率、あるいは、ATのナビストック数、ATに移行する確率(すなわち、AT抽選やAT開始抽選に当選する確率が高い状態)、あるいは、有利なRTへ移行する確率などを特典の価値の差として報知するスロットマシンや、大当り中のラウンド数や確率状態に移行する可能性を特典の価値の差として報知するパチンコ遊技機、設定示唆演出、あるいは、演出種類、あるいは、プレミアム演出(すなわちレア度の高い演出)が出現する確率、遊技者に携帯端末の壁紙や音楽を付与するための二次元コードを表示する確率、携帯端末の壁紙や音楽を付与する確率などを特典の価値の差として報知する遊技機など、上記の実施形態と異なる特典の価値に対して報知を行う遊技機に上記の実施形態で示した構成を適用して、請求項1に係る発明を実現することが可能である。
また、上記実施の形態では、上乗せゲーム数の差を直接的に報知する例を挙げたが、例えば、決定した上乗せゲーム数よりも少ない上乗せゲーム数を報知した後に実際の上乗せゲーム数を報知するなど、実際に付与される特典の価値を報知することによって特典の価値の差を間接的に報知する遊技機に上記の実施形態で示した構成を適用して、請求項1に係る発明を実現することが可能である。
また、上記の実施形態では、共通演出や特典の価値の差の報知を行うにあたって液晶表示器51を用いる例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で共通演出及び特典の価値の差を報知する遊技機に上記の実施形態で示した構成を適用して、請求項1に係る発明を実現することが可能である。また、共通演出や報知は他の機能を有する装置の一部を利用して行ってもよいし(例えば、リールLED55を用いて報知を行う場合にリールLED55はリールを背面側から照明する機能を有する)、報知のみを行う装置を設けて行ってもよい。
また、上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンやパチンコ遊技機を例に挙げて説明したが、これに限定されることなく、例えば、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項1に係る発明を実現することが可能である。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させた場合に、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本発明の遊技機は、メダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものでなく、例えばメダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得る遊技機も本発明の遊技機に含まれるものである。
また、本実施の形態では、所定回数のゲームを行ったことに基づいて、共通演出の実行によって報知した価値と第2遊技状態で実際に付与された特典の価値との差を報知する(例えば、図26におけるSf4の処理で「Y」と判定した場合にSf7の処理を実行する部分)。
よって、所定回数のゲームを行えば特典の価値の大きさを知ることができるので、ゲームの興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態では、第2遊技状態に対応する演出を実行することが決定されたことに基づいて、共通演出の実行によって報知した価値と第2遊技状態で実際に付与された特典の価値との差を報知する(例えば、図26におけるSf3の処理で「Y」と判定した場合にSf7の処理を実行する部分)。
よって、第2遊技状態であることを遊技者が認識したタイミングで特典の価値が大きくなることがあるので、ゲームの興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態では、第1遊技状態では付与されることのない価値の特典が第2遊技状態で付与されたことに基づいて、共通演出の実行によって報知した価値と第2遊技状態で実際に付与された特典の価値との差を報知する(例えば、図26におけるSf5の処理で「Y」と判定した場合にSf7の処理を実行する部分)。
よって、報知の内容に矛盾が生じることを防止することができる。また、第2遊技状態特有の価値の特典が付与されたことを遊技者に認識させることができる。
また、本実施の形態では、共通演出の実行によって報知した価値と第2遊技状態で実際に付与された特典の価値との差が所定の大きさを超えたことに基づいて、共通演出の実行によって報知した価値と第2遊技状態で実際に付与された特典の価値との差を報知する(例えば、図26におけるSf6の処理で「Y」と判定した場合にSf7の処理を実行する部分)。
よって、付与された特典の価値と報知された価値との差が大きくなって、遊技者が報知を信用できなくなる不信感を抱くことを防止することができる。