JP6203008B2 - 補償光学系及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は補償光学系及び撮像装置に関し、特に、被検物で発生する波面収差を補正する補償光学系及び撮像装置に関するものである。
近年、アクティブな光学素子を用いて、高次の波面収差まで補正する補償光学(Adaptive Optics:以下「AO」)の技術が実用化され、様々な分野に応用されている。これは、検査対象物に照明光を照射したときに、検査対象物自身が持つ光学特性や測定環境の変動などに起因する、検査対象物からの戻り光の波面収差を、波面センサで逐次測定して波面補正器で補正するものである。このような波面補正器としては、形状可変ミラー(Deformable Mirror:以下「DM」)や、空間光変調器(Spatial Light Modulator:以下「SLM」)などがある。AOは、当初は天体観測時の大気の揺らぎによる波面の乱れを補正して解像度を改善する目的で考案されたが、近年、特に導入の効果の大きい適用分野として注目されているのが、眼の網膜の検査システムである。
このような眼科機器として用いられる検査システムとしては、眼底カメラの他に、網膜を面としての2次元像として取得するレーザ走査検眼鏡や、網膜の断層像を非侵襲で取得する光学的干渉断層計が知られている。以下、レーザ走査検眼鏡を「SLO」(Scanning Laser Ophthalmoscope)と記し、光学的干渉断層計を「OCT」(Optical Coherence Tomography)と記す。SLOとOCTは、偏向器により網膜上において光ビームの照射を1次元または2次元走査し、網膜からの反射・後方散乱光を同期計測して、網膜の2次元画像や3次元画像を取得するものである。
取得した画像の、網膜の面方向(横方向)の空間分解能(以下、「横分解能」と記す)は、基本的に網膜上で走査されるビームスポット径で決まり、ビームスポット径が小さいほど取得画像の横分解能を高めることができる。そして、網膜上に集光されたビームスポット径を小さくするためには、眼に入射するビームの径を太くすればよい。しかし、眼球で主に屈折の作用を受け持つ角膜や水晶体の曲面形状や屈折率は一様でなく、このような眼光学系の特性は透過光の波面に高次の収差を発生させる。このため、太いビームを入射しても、網膜上のスポットは所望の径には集光できずに、むしろ広がってしまう。この結果、得られる画像の横分解能は低下し、共焦点光学系では取得する画像信号のS/Nも低下することになる。したがって、従来は眼光学系の持つ収差の影響を受けにくい1mm程度の細いビームを入射させ、網膜上には20μm程度のスポットを形成するのが一般的であった。
このような眼光学系の持つ収差の影響を回避するための手法として、AO技術が導入されつつある。これまでに、この技術を用いて7.5mm程度の太いビームを眼球に入射しても、波面補償により網膜上で回折限界に近い2μm未満にまで集光でき、高解像度のSLOやOCTの画像を取得した例が報告されている。
特許文献1には、照明光源からの光ビームを網膜に集光して2次元走査しながら、網膜から反射した戻り光の一部を用いて波面検出器で波面を検出するSLOの構成が記載されている。この構成では、照明光と戻り光の波面を波面補正器で補正して、戻り光の残りの部分を用いて画像形成する。波面補正器としては、DMを用いることが想定されている。
特許文献2では、波面補正器として液晶型SLMを用いることを想定したSLOの構成が記載されている。ここでは、DMを用いた特許文献1の例と異なり、画像取得や波面検出のための照明光が、SLMを介さずに網膜を照明する構成になっている。
一般にDMは、蒸着膜を最適化すれば、広い波長帯域に対して特性が波長に依存しないため、複数のアプリケーションに適用することができるが、補正値の算出に必要な擬似逆行列の設定など計算が複雑であることと、価格が非常に高価であることが難点である。これに対し、液晶型SLMは、液晶材料が持つ波長分散特性や回折効率の波長依存性を有すること、更に特定の方向の偏光成分しか補正できないという難点がある。しかし、DMに比べて安価であること、測定した波面収差形状をそのまま表示すればよいため、制御が平易であることなどが利点として挙げられる。
液晶型SLMが持つ不利な点については、例えば偏光依存性に関しては照明光の偏光をSLMの変調動作方向に平行な直線偏光になるように制御すれば、効率のロスはある程度抑えられ、波長依存性に関しては波長幅の狭い光源を用いれば問題は発生しない。
特表2005−501587号公報 特開2007−14569号公報
ここで、特許文献2のように、AO系の波面補正器として液晶型SLM、波面検出器として、マイクロレンズアレイと2次元撮像素子を組み合わせたシャック・ハルトマン型波面センサを用いた場合を考える。以下、マイクロレンズアレイ(Micro Lens Array)を「MLA」と記し、シャック・ハルトマン(Hartmann Shack)型波面センサを「HS型波面センサ」と記す。一般に、波面補正器と波面検出器は、光学的に共役に配置する。これは、波面検出器で検出した波面形状データを、そのまま加工せずに波面補正器上で補正データとして形成すればよいからである。これにより、波面補正のフィードバックの時間応答性が上がり、収束性も良くなる。したがって、液晶型SLM上で表示された変調パターンは、HS型波面センサのMLA上に投影(結像)されることになる。
このとき、液晶型SLMの最大位相変調量は2π強、すなわち光路長で1波長分強相当に過ぎないため、数波長以上の収差量を補正する場合には、位相2π(光路長で1波長相当)ごとに補正の制御信号値を折りたたむ。このような位相ラッピング(Phase Wrapping:以下「PW」)を行って変調することが必要になる。したがって、位相変調量2πごとに、PWによる制御信号が不連続になる境界線が現れる。
また、HS型波面センサでは、MLAの各マイクロレンズ(Micro Lens:以下「ML」)によって結像された各スポット群(シャック・ハルトマン像:以下「HS像」)の、それぞれの基準位置からの変位を測定する。そして、この変位からML間の波面片の傾きを算出して、全体の波面形状を導き出す。このとき、PWの境界線が各MLの中心付近に投影されると、結像スポットが崩れてしまう。このようにスポットの形状が崩れると、スポットの検出位置精度が下がるため、正しい波面を求めることができなくなる。
本発明の目的は、液晶型SLMとHS型波面センサを用いた場合にも、補正データのPWのパターンとMLAとの位置関係によって発生するHS像のスポットの乱れを防ぎ、波面検出の精度を維持する技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、
空間光変調器を介して測定光を被検査物に照射する照射手段と、
複数のマイクロレンズを配置してなるマイクロレンズアレイにより、前記被検査物からの戻り光の波面を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した波面に基づき、当該波面を前記空間光変調器において位相ラッピングにより補正するための補正データを取得する取得手段と、
前記補正データにより決定される前記位相ラッピングにより生じる波面の不連続部が、前記マイクロレンズアレイにおいて前記マイクロレンズの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御する制御手段と
を備えることを特徴とする補償光学系が提供される。
本発明によれば、補正データのPWのパターンとMLAとの位置関係によって発生するHS像のスポットの乱れを防ぎ、波面検出の精度を維持する技術を提供することができる。
補償光学系を用いたレーザ走査検眼鏡の構成図。 位相ラッピングの概念図。 SLMの位相ラッピングにより生ずるHS像スポットの特性を示す図。 マイクロレンズアレイの移動機構の概念図。 位相ラッピング部をHSセンサ上で移動するときの概念図。 ピストン収差成分の加算による位相ラッピング部を説明する図。 ピストン収差成分の加算による位相ラッピング部を説明する図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
<<実施形態1>>
(AO−SLOの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像取得装置(検査装置)としての、補償光学(AO)系を用いたレーザ走査検眼鏡(以下「AO−SLO」)100の構成を模式的に示す図である。画像取得用の照明光源4は、中心波長840nm、波長幅20nmの低コヒーレンス光を生成し、発散光として射出する。光源4から射出された発散光は、コリメータレンズ70で平行化された後に、照明光81としてビームスプリッタ71、72を透過した後に、凹面ミラー73、74を介して、液晶型SLM(空間光変調器)1に入射する。
SLM1で反射された光は、凹面ミラー75、76を介して、反射偏向器5に入射し、反射偏向される。反射偏向された光は、凹面ミラー77、78を介して、検査対象物である被検眼6に入射、網膜62上に集光、走査される。ここでは、被検眼6に入射する光の径は約6mmである。このようにして、測定光は、空間光変調器を介して被検査物に照射される。
網膜62上で拡散反射された戻り光82は、被検眼の前眼部61で収差を与えられ、上記の逆の光路を経た後、その一部821はビームスプリッタ72で反射されて、HS(シャック・ハルトマン)センサ2に入射する。HSセンサ2は、ML(マイクロレンズ)を周期的に多数配置したMLA(マイクロレンズアレイ)20により、複数のスポット群(HS像)を撮像素子21に形成する。すなわち、HSセンサ2は、複数のマイクロレンズを配置してなるマイクロレンズアレイにより、被検査物からの戻り光の波面を検出する。HSセンサ2は、検出した波面に係るHS像の画像データをパソコン(情報処理装置)9に送信する。
パソコン9では、波面を算出するために用いる有効域(瞳孔あるいは入射ビーム径に相当)内の各スポットの、基準位置からの変位量から波面法線の傾きを算出して、検出した戻り光82の有効域内の波面収差を計算し、波面補正データを形成する。すなわち、HSセンサ2において検出された波面に基づき、当該波面をSLM1において位相ラッピングにより補正するための補正データが取得される。そして、この波面補正データをSLM1に送信して駆動させる。これにより、SLM1で補正・反射されて被検眼6に入射する照明光81には、被検眼6の持つ収差を相殺する収差が与えられる。その結果、前眼部を透過した後に網膜62に集光されるスポットは、より収差の少ない状態で良好に集光される。なお、パソコン9は所定のコンピュータプログラムに従いその動作を制御する。
被検眼6からの戻り光82も、SLM1によって収差の少ない状態に補正され、HSセンサ2による波面収差の測定値も小さくなる。同時に、ビームスプリッタ72を透過した、戻り光82の他方の光822は、ビームスプリッタ71で反射され、レンズ79によってピンホール30上に集光する。ピンホール30を通過した成分は、光検出器3で検出され、電気信号に変換された後にパソコン9に送信されて、反射偏向器5の反射偏向タイミングと同期を取り、画像を形成する。このフィードバックを繰り返すことにより、波面収差は更に最小化され、網膜62上とピンホール30上のスポットは回折限界レベルにまで小さくなり、明るさ、コントラスト、解像度の良好な画像を取得できる。回折限界の収差が達成できれば、被検眼の収差量によらず、約3μmの高解像度が実現できる。
ここで、HSセンサ2、SLM1、反射偏向器5、被検眼の前眼部61は、光学的に共役になるように、光学系が設計されている。また、網膜62とピンホール30も結像関係にある。また、波面検出用の照明光として、画像取得用の照明光源と異なる波長の光を用いる場合には、HSセンサ2への光路の分岐素子72は、ビームスプリッタでなく、ダイクロイックミラーを用いる。ダイクロイックミラーは画像取得用照明光の波長を透過し、波面検出用照明光の波長を反射させるためである。
(位相ラッピングの境界線に起因する波面検出精度の低下)
液晶型SLMの最大位相変調量は2π強、すなわち光路長で1波長分強相当に過ぎないため、数波長以上の収差量を補正する場合には、位相2π(光路長で1波長相当)ごとに折りたたむPW(位相ラッピング)を行って変調する。したがって、図2に示した補正データの断面図のように、位相変調量λごとに、PWによる非連続部が現れる。以下、このような非連続部を位相ラッピング部(「PW部」と記す)という。
一方、HS像の各スポット位置は、撮像素子21で取得した画像データから、スポットの重心位置または強度ピーク位置として算出されるのが一般的である。このとき、ある被検眼の収差を測定し、波面補正を行った結果、図3のHS像上に破線210で示された、PWによって生じる波面の不連続部が、HSセンサの何れかのMLの中心付近に投影されるとする。すると、白丸で囲われた部分211のように、HS像のスポットが乱れることになるため、波面収差が正しく測定できなくなる。したがって、最終的に波面補正を行った結果の波面収差が、HSセンサ2の測定値としては最小化されたと認識されても、実際には戻り光82には収差が残っているため、画質としては最良の結果にならなくなってしまう。
上記問題の発生を防ぐためには、PWによって生じる波面の不連続部が、HSセンサ2の、少なくとも波面を算出するために使用する有効領域の各MLの中心から離れた位置に入射するようにすればよい。しかし、波面は当然ながら被検眼によって異なり、一定の割合で上記問題が起きることは避けられないため、PW部の座標と、各MLの座標との関係をリアルタイムで把握し、両者が一致しないようにフィードバックをかける必要がある。
(MLAのシフトによる波面検出精度の改善)
本実施形態では、PWによって生じる波面の不連続部と各MLの中心とが一致しないようにする手段として、HSセンサ2のMLA20を、入射する戻り光821に対して、光軸と垂直なxy平面内で相対的にシフトできる移動機構を持つ。
まず、SLM1に波面補正データを表示しない状態で被検眼6の収差をHSセンサ2で測定し、この収差に応じた波面補正データをSLM1に表示する。このときに発生する、図3の波面補正器データ上の黒丸部11をはじめとするPW部の座標群P(x,y)を算出する。ここで、iは1〜mの整数で、mはPW部に該当するデータ点の数である。
SLM1とMLA20は光学的に共役に配置されているから、SLM1とMLA20の間の横倍率をβとすると、MLA20上に結像されるPの像P'は、P'(−β・x,−β・y)になる。
各ML中心の座標をQ(x,y)として(j=1〜n;nは波面検出に使用する有効域のMLの総数)、P 'とQの間の距離|P '|のうちで、最も小さいmin|P '|が、特定の値d(0 < d < p/4)に対して

min|P '| < d ・・・・・(1)

を満たす場合、上記シフト機構によって、dだけP '方向にMLA20をシフトさせる。pは、MLAのピッチである。ここで、MLA20のシフトによって、各MLに対する撮像素子上のセグメント領域もシフトして設定し、波面の算出を行う必要がある。
MLA20のシフト機構を図4に示す。上図が上面図(zx面)、下図が正面図(xy面)となっており、HSセンサ2は、MLA20、撮像素子21、xステージ22、yステージ23から構成されている。補正データのPW位置が、上記条件(1)を満たすとき、P '方向にdだけシフトされるように、x、y各ステージが所定の量だけ移動する。
これにより、図5に示すように、破線210で表わされるPW部の、MLA上における位置をずらし、各ML中心位置に重ならないように((1)を満たす点がないように)することができる。(1)を満たす点がないときは、MLA20のシフトは行わない。このように、MLA20に投影される波面の不連続部とMLの各々の中心位置との間の距離の最小値が、所定の値を上回るように制御することで、波面の不連続部をMLの各々から一定の距離以上に保つことができ、HSスポットの乱れを防ぐことが出来る。
また、MLA20をシフトさせるかどうかの判断基準は、条件(1)でなく、実際のHS像のスポットのピーク強度の値で行ってもよい。被検眼6の収差に応じて、最初の補正データをSLM1に表示したときのHS像の各スポットのピーク強度がIであったとき(j=1〜n;nは波面検出に使用する有効域のMLの総数)、それらの平均値であるAverage[I〜I]に対して、

< a・Average[I〜I] (0<a<1) ・・・・・(2)

となるスポットkが存在するときに、やはりdだけx方向もしくはy方向にMLA20のシフトを行う。係数aの値は、スポットの重心位置の算出誤差に影響しない最小値である必要がある。例えば、0.7〜0.8程度であることが望ましい。このように、SLM1において変調された戻り光がMLA20上に形成する集光スポットの各々のピーク強度が、所定の値を上回るように制御することによっても、HS像の品質を保障することができる。
条件(1)、(2)の何れかを用いてMLA20のシフトを行った場合、あるjやkのハルトマン像のスポットについて改善が見られても、他のMLの座標Qについては逆に条件(1)、(2)を満たしてしまい、スポットが乱れることが起こり得る。この場合には、シフトする方向を変えるか、シフト量を何回か変えて測定して組み合わせることで、全てのスポットが良好なハルトマン像を形成して波面の計算を行うことができる。
更に、第1回の補正による判定では、(1)や(2)の条件を満たさなかったとしても、被検眼は時間と共に光軸と垂直方向に移動することがあるので、時間の経過に伴って満たす状態になることがあり得る。したがって、(1)や(2)の判定とMLA20のシフト動作は、波面検出を行っている間は常に行うことが望ましい。
ここではMLA20をシフトして、各MLとPW部との相対位置をずらすことを行ったが、移動させる対象はMLA20に限られない。例えば、HSセンサ2全体をステージに搭載してシフトさせてもよいし、AO−SLOの装置100全体を被検眼に対して光軸に垂直な方向にシフトさせる方法でも同じ効果は得られる。
上記のように、本実施形態では、補正データにより決定される位相ラッピングにより生じる波面の不連続部が、MLA20においてMLの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御する。このため、本実施形態によれば、波面の不連続な部分がMLの中心に入射されることによる波面検出精度の低下を効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、MLA20を、当該MLAの平面内で移動させてSLM1とMLA20との相対的な位置関係を変えることにより、波面の不連続部がMLの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御する。このため、本実施形態によれば、波面の不連続な部分がMLの中心付近に入射することを直接防ぐことができる。なお、本実施形態では、MLA20を移動させることによりSLM1とMLA20との相対的な位置関係を変える例を説明したが、これに限られないことは前述のとおりである。
<<実施形態2>>
次に、本発明の第2の実施形態の補償光学系を用いた、AO−SLOについて説明する。実施形態1では、MLA20やHSセンサ2をシフトさせることによって、位相ラッピング部(PW部)と各MLとの位置関係を最適化した。これに対して、本実施形態では、物理的なシフトにより波面とMLAとの位置関係を補正するのではなく、SLM1に表示する波面補正データを加工する方法により、同等の効果を実現する。AO−SLOの構成は実施形態1と同様であるため、本実施形態では実施形態1との相違点を中心に説明する。
一般に、被検眼からの戻り光が持つ波面収差が、図6(a)の破線610のような形状であると、図2のように位相ラッピングを行ったとき、SLM1で補正された戻り光の波面は、図6(a)、図6(b)の実線620のような波面の状態になる。収差量が波長λの整数倍であることは、位相差が2πであることを意味するので位相の区別は出来ず、理想的な場合に実線620の波面は平面波として扱われる。しかし実際には、図6(b)の矢印631〜634で示された実線620の不連続部が何れかのML中心に入射すると、ハルトマン像のスポットの乱れが最も大きくなる。
ここで、SLM1に表示する波面補正データに、図7(a)の一点破線740に示すような、ある量のピストン収差成分を加える。これにより補正前の波面が図6(a)の破線610から図7(a)の破線710へシフトするとともに、SLM1で補正された戻り光の波面は実線720へシフトする。その結果、図7(b)の矢印731〜734で示されるPW部の位置が、図6(b)の矢印631〜634で示される初回の波面補正データの場合からずれることになる。よって、本実施形態では、MLAとSLMとの位置関係を機械的にずらすことなく、ML中心とPL部との重なり合いを回避して、波面検出精度を改善することができる。加えるピストン収差量は、min|P '|となるMLの座標Qにおける波面の勾配をαとしたとき、α・d以上の値であればよい。
条件(1)もしくは(2)を満たす点がないときは、波面補正データにピストン収差は加えない。更に、実施形態1の場合と同様に、条件(1)や(2)の判定とピストン収差の追加は、波面検出を行っている間は常に行うことが望ましい。なお、ピストン収差を加えることで、僅かにSLMからの反射光のシフトが発生するが、量的に僅かであり、また波面補正の過程で吸収されるので、影響はほぼ無視できる。
上記のように、本実施形態では、補正データに所定の収差成分を加算することにより、波面の不連続部がMLの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御している。このため、本実施形態によれば、特別な移動手段を設けることなく、波面の不連続な部分がML中心に入射されて波面検出精度が低下することを防止することができる。
以上の各実施形態によれば、液晶型SLMとHS型波面センサを用いた補償光学系においても、収差の形状によらず精度の高い波面検出が可能になり、良好な画像を取得することができる。
<<その他の実施形態>>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (12)

  1. 空間光変調器を介して測定光を被検査物に照射する照射手段と、
    複数のマイクロレンズを配置してなるマイクロレンズアレイにより、前記被検査物からの戻り光の波面を検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出した波面に基づき、当該波面を前記空間光変調器において位相ラッピングにより補正するための補正データを取得する取得手段と、
    前記補正データにより決定される前記位相ラッピングにより生じる波面の不連続部が、前記マイクロレンズアレイにおいて前記マイクロレンズの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする補償光学系。
  2. 前記制御手段は、前記空間光変調器と前記マイクロレンズアレイとの相対的な位置関係を変える移動手段により、前記波面の不連続部が前記マイクロレンズの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御することを特徴とする請求項1に記載の補償光学系。
  3. 前記移動手段は、前記マイクロレンズアレイを、当該アレイの平面内で移動させることにより、前記相対的な位置関係を変えることを特徴とする請求項2に記載の補償光学系。
  4. 前記制御手段は、前記補正データに所定の収差成分を加算することにより、前記波面の不連続部が前記マイクロレンズの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御することを特徴とする請求項1に記載の補償光学系。
  5. 前記制御手段は、前記マイクロレンズアレイに投影される前記波面の不連続部と、前記マイクロレンズの各々の中心位置と、の間の距離の最小値が、所定の値を上回るように制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の補償光学系。
  6. 前記制御手段は、前記空間光変調器において変調された前記戻り光が前記マイクロレンズアレイに形成する集光スポットの各々のピーク強度が、所定の値を上回るように制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の補償光学系。
  7. 測定光を被検査物に照射し、その戻り光により被検査物の画像を取得する検査装置であって、
    前記測定光を位相ラッピングにより変調する空間光変調器と、
    複数のマイクロレンズを配置してなるマイクロレンズアレイにより、前記被検査物からの戻り光の波面を検出する検出手段と、
    前記位相ラッピングにより生じる波面の不連続部が、前記マイクロレンズアレイにおいて前記マイクロレンズの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする検査装置。
  8. 空間光変調器を介して測定光を被検査物に照射する照射手段と、複数のマイクロレンズを配置してなるマイクロレンズアレイにより、前記被検査物からの戻り光の波面を検出する検出手段と、を備えた補償光学系の動作を制御する情報処理装置であって、
    前記検出手段が検出した波面に基づき、当該波面を前記空間光変調器において位相ラッピングにより補正するための補正データを取得する取得手段と、
    前記補正データにより決定される前記位相ラッピングにより生じる波面の不連続部が、前記マイクロレンズアレイにおいて前記マイクロレンズの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  9. 補償光学系の制御方法であって、
    照射手段が、空間光変調器を介して測定光を被検査物に照射する照射工程と、
    検出手段が、複数のマイクロレンズを配置してなるマイクロレンズアレイにより、前記被検査物からの戻り光の波面を検出する検出工程と、
    取得手段が、前記検出工程において検出した波面に基づき、当該波面を前記空間光変調器において位相ラッピングにより補正するための補正データを取得する取得工程と、
    制御手段が、前記補正データにより決定される前記位相ラッピングにより生じる波面の不連続部が、前記マイクロレンズアレイにおいて前記マイクロレンズの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御する制御工程と
    を有することを特徴とする補償光学系の制御方法。
  10. 測定光を被検査物に照射し、その戻り光により被検査物の画像を取得する検査装置の制御方法であって、
    空間光変調器が、前記測定光を位相ラッピングにより変調する工程と、
    検出手段が、複数のマイクロレンズを配置してなるマイクロレンズアレイにより、前記被検査物からの戻り光の波面を検出する検出工程と、
    制御手段が、前記位相ラッピングにより生じる波面の不連続部が、前記マイクロレンズアレイにおいて前記マイクロレンズの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御する制御工程と
    を有することを特徴とする検査装置の制御方法。
  11. 空間光変調器を介して測定光を被検査物に照射する照射手段と、複数のマイクロレンズを配置してなるマイクロレンズアレイにより、前記被検査物からの戻り光の波面を検出する検出手段と、を備えた補償光学系の動作を制御する情報処理装置の制御方法であって、
    取得手段が、前記検出手段により検出された波面に基づき、当該波面を前記空間光変調器において位相ラッピングにより補正するための補正データを取得する取得工程と、
    制御手段が、前記補正データにより決定される前記位相ラッピングにより生じる波面の不連続部が、前記マイクロレンズアレイにおいて前記マイクロレンズの各々の中心から一定以上の距離を保つように制御する制御工程と
    を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
  12. コンピュータを請求項8に記載の情報処理装置が備える各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
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