図1に示した物品供給装置100は、物品投入装置10と、搬送装置20と、判別手段30と、ピックアンドプレイス装置としてのロボット40と、袴搬送装置50とを有する。物品供給装置100は、物品投入装置10が投入する長尺形状の物品である容器1を搬送装置20によりピック位置まで搬送し、判別手段30により前後方向を判別された容器1をロボット40によって持ち上げ、一定の姿勢で袴搬送装置50上の袴60に挿入する。容器1は図3に示す如く、胴部2と頭部3とを有する。胴部2は底部2Aを備え、頭部3は首部3Aと口部3Bを備える(図4)。容器1の平面視で、頭部3の外形は胴部2の外形より小さい。以下、物品投入装置10、搬送装置20、判別手段30、ロボット40、袴搬送装置50について説明する。
(物品投入装置10)
物品投入装置10は、図1に示す如く、容器貯槽部(ホッパー)11と、その出口より交互に配置した上下移動床12と固定床13と、最下流の上下移動床12の出口に設けた傾斜シュート14とを備える。傾斜シュート14は搬送装置20の最上流部に接続されている。
物品投入装置10は、複数の上下移動床12の床面を搬送する向きに互いに下り勾配ラインをなすように配置するとともに、複数の固定床13の床面も搬送する向きに互いに下り勾配ラインをなすように配置してある。そして、上下移動床12の上下運動により搬送力を付与された容器1は、固定床13の床面自体の傾斜、更には複数の互いに搬送方向に沿って下り勾配ラインをなす固定床13の床面相互の傾斜に載って滑り、下流側へと搬送される。即ち、物品投入装置10は、容器1の寸法形状や容器貯槽部11からの排出姿勢に関係なく、あらゆる容器1を上下移動床12の床面により突き上げ、固定床13の床面に載せる搬送動作を行ない、それらの容器1を概ね一定量ずつ搬送装置20に投入する。
(搬送装置20)
搬送装置20は、図1に示す如く、物品投入装置10から投入された容器1をV型搬送面20Aに載せ、容器1の長尺方向が該V型搬送面20AのV字谷に倣う一方向に沿って縦方向1列で、ロボット40によるピック位置まで搬送する。容器1の長手方向に直交する幅方向の中央部がV型搬送面20AにおけるV字谷の狭い範囲に位置付けられる。搬送装置20のV型搬送面20Aが搬送する容器1の前後方向はランダムである。本実施例では、左右2基をなす第1と第2の搬送装置20、20が並列配置され、両搬送装置20により縦方向全2列の容器1がロボット40によるピック位置まで搬送される。
搬送装置20は、上流搬送装置20Uと下流搬送装置20Dを直列配置して構成される。本実施例では、左右2基をなす第1と第2の上流搬送装置20U、20Uが並列配置されるとともに、左右2基をなす第1と第2の下流搬送装置20D、20Dが並列配置され、容器1はそれらの上流搬送装置20Uから下流搬送装置20Dへ受け渡されて搬送される。
物品投入装置10から搬送装置20への容器1の排出量は一定でないから、ロボット40によりピックされる容器の時間当たりの量を平準化するため容器1は上流搬送装置20Uにて一旦ストックされた後、下流搬送装置20Dに搬出される。上流搬送装置20Uは一定量の容器1をストックするために、容器1の有無をセンサ等にて確認し、間欠運転又は増減速制御されて運転される。上流搬送装置20Uは容器1をより確実にストックするために、直列をなす2個以上の搬送装置から構成されても良い。上流搬送装置20Uには、下流搬送装置20Dとの間で、容器1の搬送を停止させたり流したりできる開閉式ストッパを設け、該上流搬送装置20Uを連続運転しても良い。上流搬送装置20Uを連続運転するとき、上流搬送装置20Uにより搬送力を付与された容器1が閉じ状態の上記ストッパから飛び出さないように、上流搬送装置20Uは滑り性の良い搬送面とするのが好ましい。
下流搬送装置20Dは上流搬送装置20Uから搬出された容器1をロボット40による持ち上げを行うピック位置まで搬送する。下流搬送装置20Dは、容器1を所定のピック位置まで確実に搬送するために、容器1がピック位置に到達したことを検出するセンサの検出結果によって停止しても良い。或いは、下流搬送装置20Dは、ピック位置にて容器1の搬送を停止する堰、すなわちストッパを設け、下流搬送装置20Dを連続運連することにより、容器1をピック位置まで搬送しても良い。本実施形態ではストッパ20Sを設けた。ピック位置にストッパを設けたときは、下流搬送装置20Dを連続運転するとき下流搬送装置20Dにより搬送力を付与された容器1がピック位置から飛び出さないように、下流搬送装置20Dは滑り性の良い搬送面とするのが好ましい。
下流搬送装置20Dは容器1をV型搬送面20Aに載せて搬送する。搬送面20AがV型であるため、下流搬送装置20Dは、容器1を中央部、又は中央部に近い狭い範囲に位置付けて搬送する。これにより、ロボット40が容器1を把持する位置(搬送装置20の搬送方向に対して直交する方向でのピック位置)を一定化できる。従って、ロボット40による容器1のピック位置を微調整する場合にも該容器1の位置ずれを安価な距離センサや有無を判別するセンサ等で検出することにて対応できる。また、ロボット40による容器1のピック位置が定まっていることから、ロボット40の移動の最適化が容易になり、ロボット40の自由度を後述する如くの5軸以下に低減することもできる。これらの効果はピック位置にストッパを設けることで一層顕著なものになる。
(判別手段30)
判別手段30は、搬送装置20によって搬送された容器1が、ピック位置にてロボット40によりピックされる前に、該容器1の前後方向を判別する。即ち、判別手段30は、図示しないセンサの出力から、容器1の底部2Aと口部3Bのそれぞれが搬送装置20上で搬送方向に沿う前方向と後方向のいずれにあるかを判別する。
判別手段30は、第1と第2の搬送装置20、20の双方に設置され、上流搬送装置20Uによる容器1の搬送過程、下流搬送装置20Dによる容器1の搬送過程、又は下流搬送装置20Dによる容器1の搬送終端(容器1の停止位置)で、容器1の前後方向を判別する。判別手段30が下流搬送装置20Dによる容器1の搬送終端で容器1の前後方向を判別するとき、ストッパ20Sにより容器1が確実に停止していることで、前後判別のミスを回避できる。
判別手段30に接続するセンサは、点状又は線状のビーム光で対象までの距離や対象の有無を判別できるセンサ、対象の色の差を判別できるセンサ、対象の形状を判別できる画像処理装置等がある。点状のビーム光で対象の有無を判別できる光学式センサが最も安価であって好ましい。
(ロボット40)
ピックアンドプレイス装置としてのロボット40の下流搬送装置20Dに対する設置方向は特に限定されないが、下流搬送装置20Dの脇、すなわち搬送方向に直交する方向の一側に設置されることが好ましい。ロボット40は、判別手段30の判別結果に従って作動するように制御され、容器1を袴搬送装置50の容器投入位置(プレイス位置)にある袴60に一定の姿勢でプレイスするように、容器1を搬送装置20上からピックして、姿勢を変えながら移動させプレイスする(図2)。ピックアンドプレイス装置としてのロボット40は床に置くことも天井から吊ることも可能である。
容器1を上述の如くにピックアンドプレイスするピックアンドプレイス装置としては、自動機械、又はロボットが使用できる。自動機械としては、エアー式や電気式の駆動部からなるものや、カムやリンク機構を用いたもの等がある。現在では、自由度の多さ、高速移動、コストの面から、市販のロボットを用いるほうが自動機械よりも有利である。ロボット等のピックアンドプレイス装置は、好ましくは、5軸以上の自由度を有するものが、容器1の扱いに関しての自由度が高くて好ましい。ロボットの種類は限定されないが、垂直多関節型の5軸、6軸、又は7軸を有するもの、スカラロボットの先端に垂直方向に回転できる追加軸を有するもの、パラレルリンクロボットの4軸型において先端に垂直方向に回転できる追加軸を有するもの、パラレルリンクロボットの6軸型が好ましい。この中でもロボットの設置スペースをコンパクトとし、かつ高速動作が可能なパラレルリンクロボットの6軸型が最も適している。
ここで、ピックアンドプレイス装置に必要とされる好適自由度としての5軸とは、以下の軸からなる。5軸のうち3軸は(1〜3軸目は)、XYZ空間の任意の位置に、ピックアンドプレイス装置の物品把持部(ハンド部)を位置決めするために必要な駆動軸である。残り2軸のうち1つの軸は(4軸目は)、XYZ空間のZ軸を中心として物品把持部を回転させることが可能な駆動軸であり、その軸線は、物品把持部と交差していてもしていなくても良い。残り1軸は(5軸目は)、Z軸と垂直をなす(任意方向の)水平向きの軸に対して、物品把持部を回転させることが可能な駆動軸であり、その軸線は、物品把持部と交差していてもしていなくても良い。換言すれば、4軸目は、XYZ空間のZ軸を中心として物品把持部を回転させるロール軸であり、5軸目は、上述のロール軸に対するピッチ軸である。ピックアンドプレイス装置に追加される6軸目の自由度は、上述の4、5軸と異なる(一致せず、平行でもない)回転軸を中心として物品把持部を回転させることが可能な駆動軸である。
また、ピックアンドプレイス装置において、自動機械、又はロボットの容器を把持するエンドエフェクタとも呼ばれるハンド部は、開閉式又は真空吸着式のものが選定される。開閉式ハンド部は、容器1の胴部や首部を掴む。扱う容器1が重かったり、表面に凹凸がある等して真空吸着が困難な場合、開閉式ハンド部が選定される。開閉式ハンド部は電動又はエアー式のものが選ばれ、対象に応じてその開度を調整したい際は電動式が好ましい。真空吸着式ハンド部は通常容器1の胴部を吸着する。扱う容器1が軽量で、容器1の側面が平面や曲面で十分な広さがある等、吸着位置が確保できる場合は、容器を把持したり把持状態から開放したりする時間を短くできることから、真空吸着式が好ましい。真空吸着式ハンド部にて、容器1と接触するところは通常バキュームパッドとする。バキュームパッドは、単純形状よりもジャバラ型のほうが、バキュームパッド先端と容器1との相対位置の微妙なズレに対応が可能でより好ましい。更に、バキュームパッドの取付部にはスプリング等によるバッファ部を設けることで、バキュームパッドを容器1により確実に押し当てて吸着することができさらに好ましい。
図2に示したロボット40は、パラレルリンクロボットであり、ハウジング41に内包される不図示の基礎部と、可動プレート42と、基礎部と可動プレート42を連結するリンク部43とを有する。可動プレート42の下面には取付部材44が設けられ、ハンド部45が取付部材44に取付けられている。
(袴搬送装置50)
袴搬送装置50は、下流搬送装置20の脇のロボットとは反対の側、すなわち搬送方向に直交する方向の他側(ロボット40が設置されている下流搬送装置20Dの一側に対する反対側)に設置され、物品搬送用部材である袴60を循環移動させる。そして、袴搬送装置50は、その循環移動過程で、空の袴60をロボット40による容器1のプレイス位置(物品供給位置)に停止させるように制御される。
以下、袴60と、容器1を袴60に挿入するための周辺設備について詳述する。
袴60は、図3、図4に示す如く、外枠体61を有する。外枠体61は底面板61Aの上に側面枠61Bを一体結合して構成される。袴60は、底面板61Aの上面と、側面枠61Bの内側面にて区画される内側くぼみ部61Jを備えるとともに、くぼみ部61Jの上部を上方に向けて開口する開口部61Kとしている。袴60は、外枠体61の外形形状が一定でありながら、容器1の寸法形状に適合するくぼみ部61Jに種々の形状の容器1を収容可能にするとともに、開口部61Kから容器1を取出し可能にする。尚、外枠体61において、くぼみ部61Jの横断面寸法、開口部61Kの開口寸法は、物品供給装置100が取扱う多様な容器1の平面視の寸法に基づいて決定され、容器1の平面視の外形より十分に大きくなるように設定される。くぼみ部61Jの高さ寸法も、物品供給装置100が取扱う多様な容器1の高さ寸法に基づいて決定される。
袴60は、袴搬送装置50のコンベヤに着脱可能に載置されて循環移動される。袴搬送装置50による袴60の循環移動過程で、外枠体61のくぼみ部61Jに収容された容器1における頭部3の首部3A及び口部3Bの位置は概ね一定であり、充填装置による内容物の充填工程、キャッピング装置によるキャップ締め工程を確実に行なうことができる。また、容器1における胴部2、及び頭部3の首部3A、口部3Bの位置が一定であることから、容器1の取出しも、ロボットや自動機械によって行なうことができる。
ここで、袴60の外枠体61は、前方に臨む側方から容器1をくぼみ部61J(袴60の内部)に挿入可能にする挿入口部61Lを側面枠61Bの前側面に備える。挿入口部61Lは外枠体61における側面枠61Bの前側面の上端から下方に向かう一定範囲が切欠かれ形成される。即ち、外枠体61の上方の開口部61Kと側面の挿入口部61Lとは、連続しており、一体の切欠きとして形成されている。ロボット40は、ハンド部45のバキュームパッド45Aに吸着され保持された容器1の胴部2を、ロボット40によるプレイス位置(物品供給位置)に位置付けられている袴60における外枠体61の前側面に備えた挿入口部61Lに向かって概ね水平方向から移動させることにより、容器1の胴部2を外枠体61の前方に臨む側方からくぼみ部61Jに直ちに挿入できる。尚、本実施形態では一体として形成された外枠体61を切り欠いて上方の開口部61Kと側面の挿入口部61Lとを連続した一体の切欠きとしたが、上方の開口部と側面の挿入口部とを別部材で形成し、それらの別部材を接着やねじ留めなどで固定して一体化することで上方の開口部61Kと側面の挿入口部61Lとを連続した一体の切欠きとしても良い。
これにより、ロボット40は、プレイス位置に搬入した容器1を袴60における外枠体61の上向き開口部61Kの上位まで持ち上げることを要さず、その分の下降ストロークや上昇ストロークを不要とする。ロボット40の移動時間を短く、移動範囲を狭くすることができる。ロボット40の生産性を高め、ロボット40の設置台数を削減したコンパクトな設備を構築できる。
尚、袴60が、図4(A)、(B)に示す如く、外枠体61のくぼみ部61Jに対して挿入口部61Lが設けられている側面枠61Bの前側面に、底面板61Aの上面(くぼみ部61Jの底面でもある)から立ち上がる袖壁61Wを備えるとき、ロボット40の水平移動により挿入口部61Lを通ってくぼみ部61Jに挿入される容器1の底部2Aは該ロボット40の水平移動に続く小さな下降動作によりくぼみ部61Jの底面に着座する。或いは、バキュームパッド45Aの吸着解除により自重で落下してくぼみ部61Jの底面に着座する。くぼみ部61Jの内部に臨む袖壁61Wの上端角部には、落下してくる容器1の底部2Aを入り易くするテーパ処理部tが施される。tの大きさは垂直方向に対し、1〜6mm程度、水平方向に対して1〜6mm程度とされ、tの傾きは水平面に対し30〜80度程度が好ましい。袴60が、図4(A)、(B)に示す如く、挿入口部が設けられている側面に底面板の上面から立ち上がる袖壁61Wを備えることで容器1の搬送時のがたつきを防止できる。
但し、袴60は、図4(C)に示す如く、挿入口部61Lが外枠体61における側面枠61Bの前側面の上端から底面板61Aの上面にまで達する範囲に切欠形成されても良い。このとき、ロボット40により挿入口部61Lを通ってくぼみ部61Jに挿入される容器1の底部2Aは、くぼみ部61Jの底面に近接した高さを保持した状態で水平方向に移動され、バキュームパッド45Aの吸着解除により微小高さだけ落下してくぼみ部61Jの底面に直ちに着座する。図4(C)に示す袴60では、袖壁61Wがないことに対処し、袴搬送装置50による搬送時における容器1のがたつきを防止するため、底面板61Aの上面にゲル等の粘着材61Cを貼ることによって容器1の底部2Aを粘着保持しても良い。
図5、図6に示した袴60は弾性保持体62を有する。弾性保持体62は、外枠体61の内部に取付けられ、容器1の胴部2の形状に合わせて弾性変形し、該容器1の胴部2を出入可能に保持する。
弾性保持体62は、外枠体61の側面枠61Bにおいて、挿入口部61Lが形成された前側面を除く側面の複数カ所、本実施例では左右及び後の3つの側面の各内側面に、所定の間隔を介して、それらの上下方向に渡って延在される。そして、弾性保持体62はその表面62Pをくぼみ部61Jの内部の中央方向に向けて配設され、くぼみ部61Jに挿入される容器1の胴部2に弾発力を付与しつつ接する。弾性保持体62は、外枠体61の側面枠61Bにおいて、相対する左右2つの側面の各内側面に配設されるものでも良い。
弾性保持体62は、外枠体61に上述の如くに配設された状態で、容器1が挿入されたときにくぼみ部61Jの内部の中央方向への弾発力を生成するような材質であれば良い。弾性保持体62は、アクリル樹脂・ポリエステル樹脂・ポリエチレン樹脂等の合成樹脂、ステンレス鋼・バネ鋼等の金属、紙、布、又はゴム等が帯状に形成されたものが用いられ、幅10mm〜30mm程度とされるのが好ましい。
容器1の胴部2の側面と接する上記弾性保持体62の上記表面62Pが平滑面とされているので、外枠体61内に取り付けられた複数の弾性保持体62の間に、容器1の胴部2が容易に挿入できる。表面62Pを、テフロン(登録商標)等でコーティングしたり、滑り性の良いテープ等を貼着したり、弾性保持体62を滑り性の良い超高分子ポリエチレン樹脂とする等、表面の低摩擦化によって更に挿入は容易となる。
弾性保持体62の長さは、物品供給装置100が取扱う多様な容器1の寸法に応じて決定される。具体的には、容器1の胴部2が外枠体61のくぼみ部61Jに収容されて保持されたときに、弾性保持体62が弾性変形し、その弾性力により容器1の胴部2の側面を側方より押すことで容器1を保持するように、弾性保持体62の容器1方向への長さは設定される。弾性保持体62の容器1方向への長さが短かいと、容器1の保持の際に該弾性保持体62の変形量が少なくなり、弾性復元力が弱くなるので、容器1の保持が不安定になる。弾性保持体62の容器1方向への長さが長すぎると、弾性復元力が強くなり、円滑に容器1を外枠体61内に挿入させ難くなる。
本実施例の袴60によれば、ロボット40が容器1の胴部2を袴60における外枠体61の側面の挿入口部61Lに概ね水平方向から通し、該容器1の胴部2を外枠体61の前方に臨む側方からくぼみ部61Jに挿入したとき、弾性保持体62が容器1の胴部2の外形に応じて変形し、容器1の胴部2の側面を複数方向から弾性保持体62の表面62Pで押すので、容器1を複数の弾性保持体62の間に確実に保持することができる。また、弾性保持体62の表面62Pにより容器1の胴部2の側面を複数方向から面で保持するため、容器1を移動させることなく適正な直立状態に保持することができる。更に、外枠体61及び弾性保持体62からなる簡単な構造であり、物品搬送用部材自体が複雑とならずに修理や該弾性保持体62の形状、取付位置等の種々の変更が行ない易い。また更に、弾性保持体62が所定の間隔をなす複数カ所に配されるため、容器1の胴部2を所定の間隔を置いた複数方向から外枠体61の中央方向に向けて押付け、容器1を確実に保持することができる。
即ち、袴60は、多様な寸法形状の容器1に対応し得る弾性保持体62の存在により、寸法形状の異なる容器1の胴部2をスムースに隙間なく受取って該胴部2に弾発力を付与し、該容器1を適正な直立状態に保持する。
図7、図8に示した物品供給装置100は、袴搬送装置50による袴60の循環移動過程で、ロボット40による容器1のプレイス位置(物品供給位置)に位置付けられた袴60における外枠体61の上方に物品押込装置70を設置した。物品押込装置70は、ロボット40が袴60における外枠体61の挿入口部61Lからくぼみ部61Jに挿入し、物品搬送用部材である袴60の内部の底面上、より詳しくはくぼみ部61Jの底面上に位置付けた容器1を、該くぼみ部61Jの底面に向けて押込む。
物品押込装置70は、駆動部71により待機位置と押込位置の間で上下動される押込部72を備え、駆動部71の下降動作により待機位置から下降する押込部72により容器1の頭部3を下方に向けて押込む。物品押込装置70の押込部72が容器1を押込むとき、容器1は既にその胴部2を外枠体61のくぼみ部61Jにロボット40により挿入され、かつ複数の弾性保持体62により適正な直立状態に保持されているから、それらの弾性保持体62が付与している弾発力に抗して安定的にそれらの弾性保持体62内に傾くことなく打込まれる。物品押込装置70の押込部72による押込みによって容器1の底部2Aがくぼみ部61Jの底面に当接するまで押込まれたあとは、複数の弾性保持体62はその弾性復元力により元の形状に戻ろうとしてそれらの表面62Pを容器1における胴部2の側面に接触させ、容器1をくぼみ部61Jの中央方向に押して保持する。
物品押込装置70の駆動部71としては、電動シリンダ又はエアシリンダが選定される。待機位置、押込位置、押込速度等の微調整が必要な際は電動シリンダを選定するのが好ましい。また、高速の押込速度が必要な場合はエアシリンダを選定するのが好ましい。エアシリンダはコスト面でも好ましい。物品押込装置70の先端の押込部72において、容器1と接触する部分は、ウレタンゴム等の若干変形可能な柔軟素材を使用するのが好ましい。
物品押込装置70を設けた物品供給装置100によれば、ロボット40が保持した容器1を袴60における外枠体61の側面に備えてある挿入口部61Lから確実に該外枠体61の内部に挿入し袴60の内部の底面上、より詳しくはくぼみ部61Jの底面上に位置付けたのち、更に該袴60の上方に設置されている物品押込装置70により該外枠体61におけるくぼみ部61Jの底面に至るまで押込むことにより、容器1を簡素な構成により、安定的に袴60に収納させて保持できる。
図9に示した物品押込装置70において、押込部72は容器1の頭部3を受入れるように、前面及び下面が開放され、左右の横面、後面及び天面が閉じた有天溝状の切欠部73を備えた。これによれば、ロボット40が容器1を袴60における外枠体61の挿入口部61Lからその内部に挿入させるように移動させる過程で、該ロボット40が保持している容器1の胴部2を、待機位置にある物品押込装置70の押込部72が備える切欠部73にそのまま受入れる。従って、ロボット40が容器1を袴60に挿入したのち、物品押込装置70は待機位置から空動することなく該容器1を直ちに押込め、容器1の袴60への挿入・押込時間を短くできる。物品押込装置70の押込みのための移動ストロークが小さくなる。
また、容器1は、胴部2が物品押込装置70における押込部72の切欠部73に入り込み、該胴部2の周囲の三面(左右の横面及び後面)が拘束された状態で押込まれるから、物品押込装置70の押込部72の押し込み動作により傾かされることなく、袴60内の弾性保持体62を押し開いて安定的にくぼみ部61Jの底面に至るまで打込まれる。
図10、図11に示した物品供給装置100は、袴搬送装置50による袴60の循環移動過程で、プレイス位置(物品供給位置)に位置付けられた袴60の外枠体61の直上に、物品押込ガイド80を設置した。物品押込ガイド80は、物品押込装置70が前述の如くに袴60のくぼみ部61Jに挿入された容器1の胴部2を該くぼみ部61Jの底面に向けて押込むとき、該容器1の胴部2をくぼみ部61Jの底面に向かう鉛直下方にガイドする。
物品押込ガイド80は、不図示の電動シリンダ又はエアシリンダ等の駆動部により待機位置とガイド位置の間で前後動される。
物品押込ガイド80は、待機位置から前進し、袴60における外枠体61の直上のガイド位置に設定され、外枠体61の挿入口部61Lが設けられている前側面に対応する前面、及び上下面を開いた、概ねコの字状をなす3鉛直面(左右の横面及び後面)からなる。物品押込ガイド80は、ロボット40が袴60の挿入口部61Lからくぼみ部61Jに挿入するように概ね水平移動させてくる容器1の胴部2の上部(くぼみ部61Jに未挿入の胴部2)を前面開放口81から受入れ、この容器1の胴部2をコの字状をなす3鉛直面にて取り囲む。袴60のくぼみ部61Jに水平方向から挿入済の容器1が物品押込装置70により弾性保持体62の弾発力に抗して該くぼみ部61Jの底面に向けて押込まれるとき、物品押込ガイド80は上述の3鉛直面により容器1の押込方向を正しく鉛直方向にガイドし、該容器1を傾かせることがない。すなわち、物品押込ガイド80を採用することで、物品押込装置70による容器1の押込動作をより一層安定化できる。
物品押込装置70が容器1を袴60のくぼみ部61Jに押込完了後、物品押込ガイド80はガイド位置から待機位置に後退し、袴搬送装置50により左右方向に移動される袴60内の容器1との干渉を回避する。
尚、物品押込ガイド80の材質は特に限定されない。物品押込ガイド80において容器1を取り囲む3鉛直面のガイド面は、凹凸のない平滑で滑り性の高いものとすることで、容器1の袴60への挿入を妨げず、また、容器1の表面のキズ付も防止できる。
図12に示した袴60は外枠体61を有する。外枠体61は底面板61Aの上に側面枠61Bを一体結合して構成される。袴60は、底面板61Aの上面と、側面枠61Bの内側面にて区画される内側くぼみ部61Jを備えるとともに、くぼみ部61Jの上部を上方に向けて開口する開口部61Kとしている。袴60は、外枠体61の外形形状が一定でありながら、容器1の寸法形状に適合するくぼみ部61Jに種々の形状の容器1を収容可能にするとともに、開口部61Kから容器1を取出し可能にする。尚、外枠体61において、くぼみ部61Jの横断面寸法、開口部61Kの開口寸法は、物品供給装置100が取扱う多様な容器1の平面視の寸法に基づいて決定され、容器1の平面視の外形より十分に大きくなるように設定される。くぼみ部61Jの高さ寸法も、物品供給装置100が取扱う多様な容器1の高さ寸法に基づいて決定される。
袴60は、袴搬送装置50のコンベヤに着脱可能に載置されて循環移動される。袴搬送装置50による袴60の循環移動過程で、外枠体61のくぼみ部61Jに収容された容器1における頭部3の首部3A及び口部3Bの位置は概ね一定であり、充填装置による内容物の充填工程、キャッピング装置によるキャップ締め工程を確実に行なうことができる。また、容器1における胴部2、及び頭部3の首部3A、口部3Bの位置が一定であることから、容器1の取出しも、ロボットや自動機械によって行なうことができる。
ここで、袴60の外枠体61は、前方に臨む側方から容器1をくぼみ部61J(袴60の内部)に挿入可能にする挿入口部61Lを側面枠61Bの前側面に備える。挿入口部61Lは外枠体61における側面枠61Bの前側面の上端から下方に向かう一定範囲が切欠かれ形成される。すなわち、外枠体61の上方の開口部61Kと側面の挿入口部61Lとは、連続しており、一体の切欠きとして形成されている。ロボット40は、ハンド部45のバキュームパッド45Aに吸着され保持された容器1の胴部2を、ロボット40によるプレイス位置(物品供給位置)に位置付けられている袴60における外枠体61の前側面に備えた挿入口部61Lに向かって概ね水平方向から移動させることにより、容器1の胴部2を外枠体61の前方に臨む側方からくぼみ部61Jに直ちに挿入できる。
これにより、ロボット40は、プレイス位置に搬入した容器1を袴60における外枠体61の上向き開口部61Kの上位まで持ち上げることを要さず、その分の下降ストロークや上昇ストロークを不要とする。ロボット40の移動時間を短く、移動範囲を狭くすることができる。ロボット40の生産性を高め、ロボット40の設置台数を削減したコンパクトな設備を構築できる。
尚、袴60が、前述した図4(A)、(B)に示す如く、外枠体61のくぼみ部61Jに対して挿入口部61Lが設けられている側面枠61Bの前側面に、底面板61Aの上面(くぼみ部61Jの底面でもある)から立ち上がる袖壁61Wを備えるとき、ロボット40の水平移動により挿入口部61Lを通ってくぼみ部61Jに挿入される容器1の底部2Aは該ロボット40の水平移動に続く小さな下降動作によりくぼみ部61Jの底面に着座する。或いは、バキュームパッド45Aの吸着解除により自重で落下してくぼみ部61Jの底面に着座する。くぼみ部61Jの内部に臨む袖壁61Wの上端角部には、落下してくる容器1の底部2Aを入り易くするテーパ処理部tが施される。tの大きさは垂直方向に対し、1〜6mm程度、水平方向に対して1〜6mm程度とされ、tの傾きは水平面に対し30〜80度程度が好ましい。
但し、袴60は、前述した図4(C)に示す如く、挿入口部61Lが外枠体61における側面枠61Bの前側面の上端から底面板61Aの上面にまで達する範囲に切欠形成されても良い。このとき、ロボット40により挿入口部61Lを通ってくぼみ部61Jに挿入される容器1の底部2Aは、くぼみ部61Jの底面に近接した高さを保持した状態で水平方向に移動され、バキュームパッド45Aの吸着解除により微小高さだけ落下してくぼみ部61Jの底面に直ちに着座する。袴60は、袖壁61Wがないことに対応し、袴搬送装置50による搬送時における容器1のがたつきを防止するため、底面板61Aの上面にゲル等の粘着材61Cを貼って容器1の底部2Aを粘着保持しても良い。
また、袴60は弾性保持体62を有する。弾性保持体62は、外枠体61の内部に取付けられ、容器1の胴部2の形状に合わせて弾性変形し、該容器1の胴部2を出入可能に保持する。
弾性保持体62は、外枠体61の側面枠61Bにおいて、挿入口部61Lが形成された前側面を除く側面の複数カ所、本実施例では左右及び後の3つの側面の各内側面に、所定の間隔を介して、それらの上下方向に渡って延在される。そして、弾性保持体62はその表面62Pをくぼみ部61Jの内部の中央方向に向けて配設され、くぼみ部61Jに挿入される容器1の胴部2に弾発力を付与しつつ接する。弾性保持体62は、外枠体61の側面枠61Bにおいて、相対する左右2つの側面の各内側面に配設されるものでも良い。
弾性保持体62は、外枠体61に上述の如くに配設された状態で、容器1が挿入されたときにくぼみ部61Jの内部の中央方向への弾発力を生成するような材質であれば良い。弾性保持体62は、アクリル樹脂・ポリエステル樹脂・ポリエチレン樹脂等の合成樹脂、ステンレス鋼・バネ鋼等の金属、紙、布、又はゴム等が帯状に形成されたものが用いられ、幅10mm〜30mm程度とされるのが好ましい。
容器1の胴部2の側面と接する上記弾性保持体62の上記表面62Pが平滑面とされているので、外枠体61内に取り付けられた複数の弾性保持体62の間に、容器1の胴部2が容易に挿入できる。表面62Pを、テフロン(登録商標)等でコーティングしたり、滑り性の良いテープ等を貼着したり、弾性保持体62を滑り性の良い超高分子ポリエチレン樹脂とする等、表面の低摩擦化によって更に挿入は容易となる。
弾性保持体62の長さは、物品供給装置100が取扱う多様な容器1の寸法に応じて決定される。具体的には、容器1の胴部2が外枠体61のくぼみ部61Jに収容されて保持されたときに、弾性保持体62が弾性変形し、その弾性力により容器1の胴部2の側面を側方より押すことで容器1を保持するように、弾性保持体62の容器1方向への長さは設定される。弾性保持体62の容器1方向への長さが短かいと、容器1の保持の際に該弾性保持体62の変形量が少なくなり、弾性復元力が弱くなるので、容器1の保持が不安定になる。弾性保持体62の容器1方向への長さが長すぎると、弾性復元力が強くなり、円滑に容器1を外枠体61内に挿入させ難くなる。
袴60によれば、ロボット40が容器1の胴部2を袴60における外枠体61の側面の挿入口部61Lに概ね水平方向から通し、該容器1の胴部2を外枠体61の前方に臨む側方からくぼみ部61Jに挿入したとき、弾性保持体62が容器1の胴部2の外形に応じて変形し、容器1の胴部2の側面を複数方向から弾性保持体62の表面62Pで押すので、容器1を複数の弾性保持体62の間に確実に保持することができる。また、弾性保持体62の表面62Pにより容器1の胴部2の側面を複数方向から面で保持するため、容器1を移動させることなく適正な直立状態に保持することができる。更に、外枠体61及び弾性保持体62からなる簡単な構造であり、物品搬送用部材自体が複雑とならずに修理や該弾性保持体62の形状、取付位置等の種々の変更が行ない易い。また更に、弾性保持体62が所定の間隔をなす複数カ所に配されるため、容器1の胴部2を所定の間隔を置いた複数方向から外枠体61の中央方向に向けて押付け、容器1を確実に保持することができる。
即ち、袴60は、多様な寸法形状の容器1に対応し得る弾性保持体62の存在により、寸法形状の異なる容器1の胴部2をスムースに隙間なく受取って該胴部2に弾発力を付与し、該容器1を適正な直立状態に保持する。
また、物品供給装置100は、袴搬送装置50による袴60の循環移動過程で、ロボット40による容器1のプレイス位置(物品供給位置)に位置付けられた袴60における外枠体61の上方に物品押込装置70を設置している。物品押込装置70は、ロボット40が袴60における外枠体61の挿入口部61Lからくぼみ部61Jに挿入し、物品搬送用部材である袴60の内部の底面上、より詳しくはくぼみ部61Jの底面上に位置付けた容器1を、該くぼみ部61Jの底面に向けて押込む。
物品押込装置70は、駆動部71により待機位置と押込位置の間で上下動される押込部72を備え、駆動部71の下降動作により待機位置から下降する押込部72により容器1の頭部3を下方に向けて押込む。物品押込装置70の押込部72が容器1を押込むとき、容器1は既にその胴部2を外枠体61のくぼみ部61Jにロボット40により挿入され、かつ複数の弾性保持体62により適正な直立状態に保持されているから、それらの弾性保持体62が付与している弾発力に抗して安定的にそれらの弾性保持体62内に傾くことなく打込まれる。物品押込装置70の押込部72による押込みによって容器1の底部2Aがくぼみ部61Jの底面に当接するまで押込まれたあとは、複数の弾性保持体62はその弾性復元力により元の形状に戻ろうとしてそれらの表面62Pを容器1における胴部2の側面に接触させ、容器1をくぼみ部61Jの中央方向に押して保持する。
物品押込装置70の駆動部71としては、電動シリンダ又はエアシリンダが選定される。待機位置、押込位置、押込速度等の微調整が必要な際は電動シリンダを選定するのが好ましい。また、高速の押込速度が必要な場合はエアシリンダを選定するのが好ましい。エアシリンダはコスト面でも好ましい。物品押込装置70の先端の押込部72において、容器1と接触する部分は、ウレタンゴム等の若干変形可能な柔軟素材を使用するのが好ましい。
物品押込装置70を設けた物品供給装置100によれば、ロボット40が保持した容器1を袴60における外枠体61の側面に備えてある挿入口部61Lから確実に該外枠体61の内部に挿入し袴60の内部の底面上、より詳しくはくぼみ部61Jの底面上に位置付けたのち、更に該袴60の上方に設置されている物品押込装置70により該外枠体61におけるくぼみ部61Jの底面に至るまで押込むことにより、容器1を簡素な構成により、安定的に袴60に収納させて保持できる。
また、物品押込装置70は、前述した図9に示した物品押込装置70と同様に、押込部72が容器1の頭部3を受入れるように、前面及び下面が開放され、左右の横面、後面及び天面が閉じた有天溝状の切欠部73を備える。これによれば、ロボット40が容器1を袴60における外枠体61の挿入口部61Lからその内部に挿入させるように移動させる過程で、該ロボット40が保持している容器1の胴部2を、待機位置にある物品押込装置70の押込部72が備える切欠部73にそのまま受入れる。従って、ロボット40が容器1を袴60に挿入したのち、物品押込装置70は待機位置から空動することなく該容器1を直ちに押込め、容器1の袴60への挿入・押込時間を短くできる。物品押込装置70の押込みのための移動ストロークが小さくなる。
また、容器1は、胴部2が物品押込装置70における押込部72の切欠部73に入り込み、該胴部2の周囲の三面(左右の横面及び後面)が拘束された状態で押込まれるから、物品押込装置70の押込部72の押し込み動作により傾かされることなく、袴60内の弾性保持体62を押し開いて安定的にくぼみ部61Jの底面に至るまで打込まれる。
また、物品供給装置100は、袴搬送装置50による袴60の循環移動過程で、プレイス位置(物品供給位置)に位置付けられた袴60の外枠体61の直上に、物品押込ガイド80を設置している。物品押込ガイド80は、物品押込装置70が前述の如くに袴60のくぼみ部61Jに挿入された容器1の胴部2を該くぼみ部61Jの底面に向けて押込むとき、該容器1の胴部2をくぼみ部61Jの底面に向かう鉛直下方にガイドする。
物品押込ガイド80は、不図示の電動シリンダ又はエアシリンダ等の駆動部により待機位置とガイド位置の間で前後動される。
物品押込ガイド80は、待機位置から前進し、袴60における外枠体61の直上のガイド位置に設定され、外枠体61の挿入口部61Lが設けられている前側面に対応する前面、及び上下面を開いた、概ねコの字状をなす3鉛直面(左右の横面及び後面)からなる。物品押込ガイド80は、ロボット40が袴60の挿入口部61Lからくぼみ部61Jに挿入するように概ね水平移動させてくる容器1の胴部2の上部(くぼみ部61Jに未挿入の胴部2)を前面開放口81から受入れ、この容器1の胴部2をコの字状をなす3鉛直面にて取り囲む。袴60のくぼみ部61Jに水平方向から挿入済の容器1が物品押込装置70により弾性保持体62の弾発力に抗して該くぼみ部61Jの底面に向けて押込まれるとき、物品押込ガイド80は上述の3鉛直面により容器1の押込方向を正しく鉛直方向にガイドし、該容器1を傾かせることがない。即ち、物品押込ガイド80を採用することで、物品押込装置70による容器1の押込動作をより一層安定化できる。
物品押込装置70が容器1を袴60のくぼみ部61Jに押込完了後、物品押込ガイド80はガイド位置から待機位置に後退し、袴搬送装置50により左右方向に移動される袴60内の容器1との干渉を回避する。
尚、物品押込ガイド80の材質は特に限定されない。物品押込ガイド80において容器1を取り囲む3鉛直面のガイド面は、凹凸のない平滑で滑り性の高いものとすることで、容器1の袴60への挿入を妨げず、また、容器1の表面のキズ付も防止できる。
しかるに、物品押込ガイド80にあっては、図12、図13に示す如く、前述した3鉛直面(図13に示した左右の横面a、b及び後面c)のうち、袴搬送装置50による袴60の移動方向に交差する左右の横面a、bに、容器1における胴部2の上部(くぼみ部61Jに未挿入の胴部2)及び頭部3の輪郭に沿う切欠窓82を備える。物品押込ガイド80は、不図示の取付ブラケットに支持固定されていて、ガイド位置に向けて移動させる必要がない。即ち、物品押込装置70が容器1を袴60のくぼみ部61Jに押込完了後、物品押込ガイド80はガイド位置に停留し続けることができる。袴搬送装置50により左右方向に移動される袴60内の容器1はそれらの胴部2の上部及び頭部3が該物品押込ガイド80の左右の横面a、bの切欠窓82を通過できる。
尚、本発明の物品搬送用部材及び物品供給装置は、容器以外の物品にも適用できる。
上述した各実施形態に関し、本発明は更に以下の物品搬送用部材及び物品供給装置を開示する。
<1>物品を取出し可能にする開口部を上方に向けて開口して備える外枠体を有してなる物品搬送用部材であって、
外枠体が、物品を側方から内部に挿入可能にする挿入口部を側面に備える物品搬送用部材。
<2>外枠体61の上方の開口部と側面の挿入口部とが連続して一体となっている前記<1>に記載の物品搬送用部材。
<3>好ましくは前記物品が長尺形状の容器である前記<1>又は<2>に記載の物品搬送用部材。
<4>好ましくは前記外枠体61が、挿入口部から挿入された物品を収容するくぼみ部を備える前記<1>〜<3>に記載の物品搬送用部材。
<5>好ましくは前記外枠体が、挿入口部を備える側面に、くぼみ部の底面から立ち上がる袖壁を備える前記<4>に記載の物品搬送用部材。
<6>好ましくは前記外枠体が、挿入口部を備える側面に、該側面の上端からくぼみ部の底面までの範囲に渡る挿入口部を備える前記<4>に記載の物品搬送用部材。
<7>好ましくは前記外枠体の内部に取付けられ、物品を出入可能に保持する弾性保持体を有してなる前記<1>〜<6>のいずれか一に記載の物品搬送用部材。
<8>好ましくは前記弾性保持体は、外枠体の挿入口部が形成された側面を除く複数の側面の各内側面に設けられる前記<7>に記載の物品搬送用部材。
<9>好ましくは前記弾性保持体は、外枠体の相対する2つの側面の各内側面に設けられる前記<8>に記載の物品搬送用部材。
<10>好ましくは前記弾性保持体は、アクリル樹脂・ポリエステル樹脂等の合成樹脂、ステンレス鋼・バネ鋼等の金属、紙、布、又はゴム等により形成されたものである前記<7>〜<9>のいずれか一に記載の物品搬送用部材。
<11>好ましくは前記弾性保持体は、帯状に形成されたものである前記<7>〜<10>のいずれか一に記載の物品搬送用部材。
<12>好ましくは前記弾性保持体が幅10mm〜30mm程度とされる前記<11>に記載の物品搬送用部材。
<13>好ましくは前記弾性保持体が、物品に接する表面を平滑面とされる前記<6>〜<12>のいずれか一に記載の物品搬送用部材。
<14>好ましくは前記弾性保持体が、寸法形状の異なる物品をスムースに隙間なく受取って該物品に弾発力を付与し、該物品を直立状態に保持する前記<7>〜<13>のいずれか一に記載の物品搬送用部材。
<15>好ましくは前記<1>〜<14>のいずれか一に記載の物品搬送用部材を用いた物品供給装置であって、
物品搬送用部材を物品供給位置に位置付け可能にし、
ピックアンドプレイス装置が保持した物品を上記物品供給位置に位置付けられた物品搬送用部材における外枠体の側面の挿入口部からその内部に挿入可能にするとともに、
上記物品供給位置に位置付けられた物品搬送用部材における外枠体の上方に設置され、上記ピックアンドプレイス装置が外枠体の挿入口部からその内部に挿入した物品を該外枠体の底面に向けて押込む物品押込装置を有してなる物品供給装置。
<16>好ましくは前記ピックアンドプレイス装置がロボットである前記<15>に記載の物品供給装置。
<17>好ましくは前記ピックアンドプレイス装置が、5軸以上の自由度を有する前記<15>又は<16>に記載の物品供給装置。
<18>好ましくは前記ピックアンドプレイス装置が、物品を把持するハンド部を備える前記<15>〜<17>のいずれか一に記載の物品供給装置。
<19>好ましくは前記ピックアンドプレイス装置のハンド部が、開閉式ハンド部である前記<18>に記載の物品供給装置。
<20>好ましくは前記ピックアンドプレイス装置のハンド部が、真空吸着式ハンド部である前記<18>に記載の物品供給装置。
<21>好ましくは前記ピックアンドプレイス装置が保持した物品を、物品供給位置に位置付けられた物品搬送用部材における外枠体の側面に備えた挿入口部に向かって水平方向から移動させることにより、該物品を外枠体のくぼみ部に直に挿入する前記<15>〜<20>のいずれか一に記載の物品供給装置。
<22>好ましくは前記物品押込装置が物品の頭部を押込む押込部を備え、前記ピックアンドプレイス装置が物品を物品搬送用部材における外枠体の挿入口部からその内部に挿入するときに、該物品の頭部を受入れる切欠部を該押込部に備えてなる前記<15>〜<21>のいずれか一に記載の物品供給装置。
<23>好ましくは前記物品押込装置は、ピックアンドプレイス装置が物品搬送用部材のくぼみ部の底面上に位置付けた物品を、該くぼみ部の底面に向けて押込む前記<22>に記載の物品供給装置。
<24>好ましくは前記物品押込装置は、物品搬送用部材のくぼみ部に挿入され、かつ弾性保持体により直立状態に保持されている物品をそれらの弾性保持体が付与している弾発力に抗してそれらの弾性保持体内に打込む前記<22>又は<23>に記載の物品供給装置。
<25>好ましくは前記物品押込装置が物品の底部を物品搬送用部材のくぼみ部の底面に当接するまで押込んだ後、物品搬送用部材の弾性保持体がその弾性復元力により元の形状に戻ろうとして物品に接触することにより、該物品をくぼみ部の中央方向に押して保持する前記<24>に記載の物品供給装置。
<26>好ましくは前記物品押込装置の押込部に備えた切欠部が、物品の頭部を受入れるように、前面及び下面が開放され、左右の横面、後面及び天面が閉じた有天溝状をなす前記<22>〜<25>のいずれか一に記載の物品供給装置。
<27>好ましくはピックアンドプレイス装置が物品を物品搬送用部材に挿入した後、物品押込装置が待機位置から空動することなく該物品を直ちに押込む前記<22>〜<26>のいずれか一に記載の物品供給装置。
<28>好ましくは前記物品供給位置に位置付けられた物品搬送用部材における外枠体の上方に設置され、前記物品押込装置が押込む物品を外枠体の底面に向けてガイドする物品押込ガイドを有してなる<15>〜<27>のいずれか一に記載の物品供給装置。
<29>好ましくは前記物品押込ガイドは、物品押込装置が物品搬送用部材のくぼみ部に挿入された物品を該くぼみ部の底面に向けて押込むとき、該物品をくぼみ部の底面に向かう鉛直方向にガイドする前記<28>に記載の物品供給装置。
<30>好ましくは前記物品押込ガイドは、物品搬送用部材の外枠体における挿入口部が設けられている前側面に対応する前面、及び上下面を開いた、コの字状をなす3鉛直面からなる前記<29>に記載の物品供給装置。
<31>好ましくは前記物品押込ガイドは、前記3鉛直面のうち、物品搬送用部材の移動方向に交差する左右の横面に、物品の上部の輪郭に沿う切欠部を備える前記<30>に記載の物品供給装置。