[第1実施形態]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の実施形態としての遊技機1について説明する。
[遊技機1の構成]
図1を参照しつつ、遊技機1の概略構成について説明する。図1は、遊技機1の概略正面図である。
図1に示されるように、遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤100と、遊技盤100を囲む枠部材101とを備えている。
枠部材101は、遊技盤100と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持するいわゆるガラス枠であり、このガラス板と遊技盤100とによって遊技球が流下可能な遊技領域102が形成されている。
枠部材101は、その上部中央に、演出などで発光する枠ランプ103を有している。枠ランプ103の左右両側に、スピーカ104を有している。
また、枠部材101は、その下部が遊技者側へ突出させて構成されており、その突出部分の上面に、円形の演出ボタン105を有している。演出ボタン105の左側手前に、4つの押しボタンからなる演出キー106を有している。さらに、演出ボタン105の奥側には、遊技球を発射装置(不図示)へ案内する皿107が設けられている。
枠部材101は、その右側下部に、ハンドル108を有している。ハンドル108には、レバー109が回転可能に取り付けられている。また、レバー109の回転にかかわらず、一時的に遊技球の発射を停止するための停止ボタン110が設けられている。なお、遊技盤100の右下端部には、表示器111が設けられている。
一方、ガラス板と共に遊技領域102を形成する遊技盤100は、その中央に、液晶表示装置121を有している。また、液晶表示装置121の上方に、演出などで発光する盤ランプ122を有している。また、遊技盤100は、その遊技領域102に、第1始動装置123、第2始動装置124、開閉部材125、ゲート126、大入賞装置127、及び、4つの一般入賞装置128を有している。
第1始動装置123及び第2始動装置124は、遊技領域102の中央で液晶表示装置121の下方に設けられている。第2始動装置124の近傍には、開閉部材125が設けられている。開閉部材125は、第2始動装置124を開放/閉塞するための電動チューリップである。
液晶表示装置121の右側には、ゲート126が設けられている。ゲート126の下方には、横幅の広い大入賞装置127が設けられている。
一般入賞装置128は、左側下部に3つ設けられており、右側下部に残りの1つが設けられている。遊技領域102の最下部には、入賞しなかった遊技球を排出する排出装置129が設けられている。
このような構成により、遊技者がハンドル108を握ってレバー109を時計方向に回転させると、皿107に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、レバー109の回転角度に応じた打球力で遊技領域102へと発射される。
遊技盤100には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域102における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤100に沿って落下する。なお、上述したように遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン110を操作することによって一時的に停止される。
遊技者がハンドル108のレバー109を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印130に例示されるように遊技領域102における左側領域を流下する。一方、遊技者がレバー109を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印131に例示されるように遊技領域102における右側領域を流下する。したがって、ゲート126や大入賞装置127へ入賞させる際は「右打ち」が必要となってくる。
第1始動装置123は、常時開放されている始動装置である。一方、第2始動装置124は、通常時は開閉部材125によって閉塞されている。開閉部材125は、ゲート126への遊技球の入球を条件とする判定結果に基づいて、第2始動装置124を開放するように姿勢変化する。このときは、第2始動装置124が開放されることになり、遊技球が入球し易い状態が作出される。遊技球が第1始動装置123又は第2始動装置124へ入球した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かが判定され、その判定結果が表示器111に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動装置123を通過した遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」ということとし、第2始動装置124への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」ということとし、これらの判定を総称して「特別図柄判定」ということとする。また、ゲート126への遊技球の入球を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
大入賞装置127は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。大入賞装置127の開口部には、大入賞装置127を開閉するプレートが設けられている。大入賞装置127は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器111に停止表示された場合、すなわち大当たりが発生した場合、上記プレートを作動させて大入賞装置127を開放する大当たり遊技が実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に「右打ち」を行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
一般入賞装置128は、常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球がある入賞装置である。なお、第1始動装置123等とは異なり、一般入賞装置128に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[表示器111の構成]
図2は、図1における表示器111の拡大図である。表示器111は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図2に示されるように、第1特別図柄表示器201、第2特別図柄表示器202、第1特別図柄保留表示器203、第2特別図柄保留表示器204、普通図柄表示器205、及び、普通図柄保留表示器206を有している。
第1特別図柄表示器201は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。この第1特別図柄表示器201には、第1特別図柄判定の結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は第1特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第2特別図柄表示器202は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。この第2特別図柄表示器202には、第2特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は第2特別図柄判定の結果がハズレであることを示すハズレ図柄が停止表示される。
ところで、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第1始動装置123に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第1特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態における遊技機1は、第1始動装置123に遊技球が入賞しても即座に第1特別図柄判定を実行できない場合に、第1特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第1特別図柄保留表示器203は、このようにして保留された第1特別図柄判定の保留数を表示する。
同様に、特別図柄判定に係る図柄の変動表示中や大当たり遊技中など、第2始動装置124に新たに遊技球が入賞した場合、この入賞を契機とする第2特別図柄判定及び図柄の変動表示を即座に実行することができない。そこで、本実施形態における遊技機1は、第2始動装置124に遊技球が入賞しても即座に第2特別図柄判定を実行できない場合に、第2特別図柄判定の権利が保留されるように構成されている。第2特別図柄保留表示器204は、このようにして保留された第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器205は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す停止図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。なお、例えば普通図柄表示器205における図柄の変動表示中など、遊技球がゲート126を通過しても普通図柄判定及び普通図柄判定に係る図柄の変動表示を即座に実行できない場合には、普通図柄判定の権利が保留される。普通図柄保留表示器206は、このようして保留された普通図柄判定の保留数を表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器205に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[遊技機1の内部構成]
図3は、遊技機1のブロック図である。遊技機1は、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、画像制御基板330、ランプ制御基板340、発射制御基板350、及び電源基板360を備えている。
主制御基板300は、遊技機の基本動作を制御する。主制御基板300は、ワンチップマイコン301を備えており、ワンチップマイコン301は、メインCPU301a、メインROM301bおよびメインRAM301cを含んでいる。また、主制御基板300は、主制御用の入力ポート及び出力ポート(いずれも不図示)を備えている。
この主制御用の入力ポートには、一般入賞装置128に遊技球が入球したことを検知する一般入賞装置検出スイッチ302、普通図柄ゲート126に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ303、第1始動装置123に遊技球が入球したことを検知する第1始動装置検出スイッチ304、第2始動装置124に遊技球が入球したことを検知する第2始動装置検出スイッチ305、大入賞装置127に遊技球が入球したことを検知する入賞装置検出スイッチ306、及び、払出制御基板310が接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板300に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、開閉部材125を開閉動作させる始動装置開閉ソレノイド307、大入賞装置127を開閉するプレートを動作させる大入賞装置開閉ソレノイド308、特別図柄及び普通図柄を表示する図柄表示器201,202,205、特別図柄判定の保留数及び普通図柄判定の保留数を表示する図柄保留表示器203,204,206、及び、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板309、払出制御基板310、及び、演出制御基板320が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
なお、遊技情報出力端子板309は、主制御基板300において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板309は主制御基板300と配線接続され、遊技情報出力端子板309には、遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
主制御基板300のワンチップマイコン301において、メインCPU301aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づき、メインROM301bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
また、メインROM301bには、遊技制御用のプログラムや各種遊技に必要なテーブルが記憶されている。例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターンテーブル等が記憶されている。なお、ここに挙げたテーブルは一部に過ぎず、さらに多数のテーブルが設けられている。
さらにまた、メインRAM301cは、メインCPU301aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、メインRAM301cには、普通図柄判定の保留数T、普通図柄乱数、特別図柄の保留数U1,U2、ラウンド数R、大入賞装置への入球数Y、確変遊技フラグ、時短遊技フラグなどが記憶される。なお、ここに挙げたものの他にも、多数の情報が記憶される。
払出制御基板310は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板310は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板300に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計測スイッチ311、扉開放スイッチ312、及び、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板300に送信する。また、払出制御基板310の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ313が接続されている。払出CPUは、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ313を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板320は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板320は、サブCPU320a、サブROM320b、サブRAM320cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から演出制御基板320への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU320aは、主制御基板300から送信されたコマンド、演出ボタン検出スイッチ321、演出キー検出スイッチ322、及び、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM320bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。サブRAM320cは、サブCPU320aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
例えば、演出制御基板320におけるサブCPU320aは、主制御基板300から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、液晶表示装置121、音声出力装置331、演出用駆動装置341、演出用照明装置342に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板330やランプ制御基板340へ送信する。
演出制御基板320のサブROM320bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板300から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する装飾図柄の組み合わせを決定するための装飾図柄決定テーブル等がサブROM320bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板320のサブRAM320cは、複数の記憶領域を有している。これらの記憶領域には、遊技状態、演出モード、演出パターン、装飾図柄、計数カウンタ、発射操作情報等が記憶される。なお、この他にも多数の情報が記憶される。
画像制御基板330は、液晶表示装置121の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、制御ROM、制御RAM、CGROM、VRAM、VDPと、音声CPU、音声ROM、及び、音声RAMを備えている。この画像制御基板330は、演出制御基板320に双方向通信可能に接続されており、その出力側に液晶表示装置121および音声出力装置331が接続されている。
画像CPUは、演出制御基板320から受信したコマンドに基づいて、VDPに所定の画像を表示させる制御を行う。制御RAMは、画像CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、制御ROMから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。また、制御ROMには、画像CPUの制御処理のプログラムや、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報などが記憶されている。
CGROMには、液晶表示装置121に表示される装飾図柄や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板320から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、CGROMに格納された所定の画像データをVRAMに展開させ、VRAMに展開された画像データを液晶表示装置121に表示させる制御を行う。
また、音声ROMには、音声出力装置331から出力するための音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板320から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置331における音声出力制御を行う。
ランプ制御基板340は、遊技盤100に設けられた盤ランプ122を点灯制御したり、枠部材101に設けられた枠ランプ103を制御したりする。また、演出用駆動装置341を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板340は、演出制御基板320に接続されており、演出制御基板320から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
発射制御基板350は、タッチセンサ351からのタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム352から供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド353や玉送りソレノイド354に対する通電制御を行う。
タッチセンサ351は、遊技者がハンドル108に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成され、遊技者がハンドル108に触れたことを検知すると、発射制御基板350に発射用ソレノイド353の通電を許可するタッチ信号を出力する。
発射ボリューム352は、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム352に印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板350へ供給する。
ここで、発射用ソレノイド353の回転速度は、発射制御基板350に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間に発射される遊技球の個数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
なお、タッチセンサ351からのタッチ信号及び発射ボリューム352からの電圧信号は、演出制御基板320へ入力されるようになっている。これにより、演出制御基板320において遊技球の発射を検出可能となる。
電源基板360は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給する。具体的には、主制御基板300、払出制御基板310、演出制御基板320、発射制御基板350へ電源電圧を供給する。また、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板300に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU301aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU301aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
[各種テーブル]
図4、図5、図6及び図9を用い、メインROM301bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
図4(A)及び(B)は、「大当たりの判定」に用いられる大当り判定テーブルを示している。図4(A)は、第1特別図柄の大当り判定テーブルであり、図4(B)は、第2特別図柄の大当り判定テーブルである。
大当り判定テーブルは、遊技状態及び取得された大当たり乱数に基づいて、「大当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。大当たり乱数は、「0」〜「65535」のいずれかの数値として、第1始動装置123又は第2始動装置124への入球時に取得される。
ここで図4(A)及び(B)に示す遊技状態について説明を加える。
本実施形態においては、大当たりの判定に関する状態として「非確変遊技状態」と「確変遊技状態」とを有する。
[非確変遊技状態]
「非確変遊技状態」というのは、第1始動装置123または第2始動装置124に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの判定において、大当たりとなる確率が1/164.84に設定された遊技状態をいう。これに対して「確変遊技状態」というのは、上記大当たりとなる確率が1/131.07に設定された遊技状態をいう。
つまり、「確変遊技状態」は、「非確変遊技状態」よりも、大当たり判定の確率が高くなっている。確変遊技状態のときには、後述する確変遊技フラグが「ON」にセットされており、非確変遊技状態のときには、確変遊技フラグが「OFF」になっている。また、非確変遊技状態から確変遊技状態に移行するのは、大当たり遊技を終了した後である。
本実施形態では、非確変遊技状態における大当たり確率が「1/163.84」となっており、確変遊技状態における大当たり確率が「1/131.07」となっているため、確変遊技状態がとりたてて遊技者に有利な状態であるというわけではない。本遊技機1では、時短遊技状態の継続が遊技を有利に進める上で重要となる。
なお、非確変遊技状態が確変遊技状態と同様の確率であってもよい。例えば非確変遊技状態における大当たり確率が「1/163.84」なのに対し確変遊技状態における大当たり確率を「1/163.7」などとしてもよい。この場合は、特に時短遊技状態の継続の重要性が増す。また、いわゆる甘デジと呼ばれる程度の確率、例えば1/100程度の大当たり確率を採用してもよい。
なお、「大当たり」とは、大入賞装置127を開放させる特別遊技である。具体的には、第1始動装置123または第2始動装置124に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの判定において、大当りに当選したときに実行される遊技をいう。
「大当たり」においては、大入賞装置127が開放されるラウンド遊技を複数回行う。後述するように15Rのラウンド遊技からなる15R大当たりや、6Rのラウンド遊技からなる6R大当たりがある。ただし、大入賞装置127の開放にはロング開放とショート開放とがあり、6回のロング開放のラウンド遊技と9回のショート開放のラウンド遊技とで構成される15R大当たりや、6回のショート開放のラウンド遊技で構成される6R大当たりがある。出玉が期待できるのはロング開放のラウンド遊技であるため、6回のロング開放のラウンド遊技と7回のショート開放のラウンド遊技とで構成される15R大当たりを、実質6R大当たりという。また、6回のショート開放で構成される6R大当たりを、実質0R大当たりという。
ロング開放のラウンド遊技では、大入賞装置127に規定個数(本実施形態では9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。また、規定個数の遊技球が入球しないときでも、規定秒数(本実施形態では29.5秒)が経過すると、1回のラウンド遊技が終了となる。このようなロング開放のラウンド遊技では、大入賞装置127に遊技球が入球し易くなるとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能である。なお、「大当たり」のときには、ハンドル108のレバー109を大きく回転させる、いわゆる「右打ち」で遊技を行うこととなる。
一方、ショート開放のラウンド遊技は、例えば0.1秒だけ大入賞装置127が開放されて、1回のラウンド遊技が終了となる。これはいわゆる「パカ」と呼ばれる開放態様であり、遊技球が入球困難な開放態様である。したがって、ショート開放のときは、大入賞装置127への遊技球の入球は期待できず、ほとんど賞球は望めない。
図4(A)に示す第1特別図柄の大当り判定テーブルによれば、非確変遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「0」〜「399」のときに大当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「0」〜「499」のときに大当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。
大当たり乱数の乱数範囲が「0」〜「65535」であるから、非確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/163.84であり、確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/131.07である。
図4(B)に示す第2特別図柄の大当り判定テーブルも、第1特別図柄の大当たり判定テーブルと同様となっている。すなわち、非確変遊技状態であるときには、取得された大当たり乱数が「0」〜「399」のときに大当たりと判定される。一方、確変遊技状態であるときには、「0」〜「499」のときに大当たりと判定される。なお、上記以外の値であった場合には「ハズレ」と判定される。
大当たり乱数の乱数範囲が「0」〜「65535」であるから、非確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/163.84であり、確変遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/131.07である。
図4(C)は、「普通図柄の当たり判定」に用いられる当たり判定テーブルを例示する説明図である。
当たり判定テーブルは、遊技状態及び取得された普通図柄乱数に基づいて、「当たり」又は「ハズレ」を判定するものである。普通図柄乱数は、「0」〜「65535」のいずれかの数値として、ゲート126の通過時に取得される。
ここで図4(C)に示す遊技状態について説明を加える。
本実施形態では、開閉部材125に関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。上述した大当たりの判定に関する状態(非確変遊技状態、確変遊技状態)と開閉部材125に関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「非確変遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されている。「非確変遊技状態」かつ「非時短遊技状態」を「通常遊技状態」ともいう。
本実施形態において、「時短遊技状態」とは第2始動装置124に入球し易い状態をいい、「非時短遊技状態」とは第2始動装置124に入球し難い状態をいう。これらの状態は、普通図柄の当たり判定の確率、普通図柄の変動時間、及び、開閉部材125の開放時間のうち少なくとも一つを変更することで作出される。
本実施形態において、「非時短遊技状態」では、ゲート126を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示器205において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから12秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、開閉部材125の可動により第2始動装置124への開口部が約0.2秒間開放される。
これに対して「時短遊技状態」では、ゲート126を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の当たり判定において、その判定結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動装置124への開口部の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定されている。
さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の当たり判定において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグが「ON」にセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグが「OFF」になっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、ゲート126を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動装置124への開口部が開放状態に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技の進行において遊技球の消費が抑えられる。また、時短遊技状態では、第2始動装置124への入球が容易となるため、変動パターンテーブル(後述)を異なるものとし、特別図柄の変動時間が短くなるように変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
また、ゲート126が遊技盤100の右側に設けられていることから、「時短遊技状態」のときには、ハンドル108のレバー109を大きく回転させた、いわゆる「右打ち」で遊技を行うこととなる。
図4(C)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「0」のときに当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、普通図柄乱数が「0」〜「65534」のいずれかであるときに当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
普通図柄乱数の範囲が「0」〜「65535」であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
なお、時短遊技状態は、上述したように、普通図柄の当たり判定の確率、普通図柄の変動時間、及び、開閉部材125の開放時間のうち少なくとも一つを変更することで作出される。
このように「非確変遊技状態」か「確変遊技状態」か、また、「非時短遊技状態」か「時短遊技状態」か、の組み合わせで種々の遊技状態が実現される。
「非確変遊技状態」かつ「非時短遊技状態」を上述のごとく「通常遊技状態」とする。
また、「確変遊技状態」かつ「時短遊技状態」を「高確時短遊技状態」とする。この高確時短遊技状態は、大当たり判定確率が高くなり、しかも、第2始動装置124に入球し易く遊技球の消費が抑えられる状態である。
さらにまた、「非確変遊技状態」かつ「時短遊技状態」を「低確時短遊技状態」とする。この低確時短遊技状態は、大当たり判定確率は高くなっていないものの、第2始動装置124に入球し易く遊技球の消費が抑えられる状態である。
また、「確変遊技状態」かつ「非時短遊技状態」を「潜伏確変遊技状態」とする。この潜伏確変遊技状態は、通常「左打ち」で遊技され、遊技球の消費は抑えられないものの、大当たり判定確率が高くなっている状態である。
図4(D)は、「小当たり判定」に用いられる小当たり判定テーブルを例示する説明図である。
小当たり判定テーブルは、取得された大当たり乱数に基づいて、第1特別図柄で「小当たり」を判定するものである。大当たり乱数は、「0」〜「65535」のいずれかの数値として取得される。小当たりは「ハズレ」の一種であり、1.8秒の期間に大入賞装置127が開放されるものである。したがって、上述した遊技状態の移行契機とならない。
図4(D)に示す小当り判定テーブルによれば、第1特別図柄判定で大当たり乱数が「500」〜「699」のいずれかであるときに、小当たりと判定される。第2特別図柄判定では、小当たり判定は行うものの小当たり判定のための乱数値が設定されておらず、小当たりが実行されることはない。大当たり乱数の範囲が「0」〜「65535」であるから、小当たりと判定される確率は200/65536=1/327.68である。なお、第2特別図柄判定において小当たり判定自体を行わない構成としてもよい。
[図柄決定テーブル]
図5は第1特別図柄の大当たり図柄を決定する図柄決定テーブルを例示する説明図である。また、図6は第2特別図柄の大当たり図柄を決定する図柄決定テーブルを例示する説明図である。
第1始動装置123または第2始動装置124に遊技球が入球したときに取得される「大当たり図柄用乱数」に基づいて、大当たりの「種別」が「大当たり図柄」として決定される。
以下、図5及び図6を参照し、大当たり図柄について順に説明する。図5及び図6に示した「低時短なし」は上述した「通常遊技状態」を意味する。同様に、「高時短なし」は「潜伏確変遊技状態」を意味し、「高時短あり」は「高確時短遊技状態」を意味し、「低時短あり」は「低確時短遊技状態」を意味する。
また、特別図柄に対応する液晶表示装置121上に表示される図柄を演出図柄といい、演出図柄の図柄停止組合せにより特別図柄判定の結果を遊技者に報知している。この演出図柄には、左図柄、右図柄、中図柄、第4図柄が含まれており、左図柄、右図柄、中図柄、は縦方向にスクロール表示され、第4図柄は点灯、点滅などで液晶表示装置121上に、あるいは、LEDなどを用いて表示される。そして、特別図柄の変動停止に伴い、特別図柄判定の結果を示す組合せで左図柄、右図柄、中図柄、第4図柄(図示せず)がそれぞれ停止表示される。例えば、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止していき、左図柄、右図柄、中図柄が確定的に停止表示される時、第4図柄が「赤」や「青」や「緑」で停止するという具合である。このとき、左図柄、右図柄、中図柄の組合せが同じ態様で停止されて異なる大当たりを報知する場合が存在するが、第4図柄の停止態様を異ならせることにより、それぞれ異なる大当たりを報知している(例えば、「4」「4」「4」の組み合わせで停止表示され、第4図柄が「赤」で停止表示されていれば特定図柄αであることを報知し、「4」「4」「4」の組み合わせで停止表示され、第4図柄が「青」で停止表示されていれば特定図柄βであることを報知する)。なお、第4図柄は遊技者が視認困難な場所や、視認困難な態様で変動表示および停止表示させることで効果的に演出を行うことが可能となっている。左図柄と右図柄で同様図柄(例えば同じ数字)が停止した場合を「リーチ」という。以下では、適宜「左図柄」を単に「左」、右図柄を単に「右」、中図柄を単に「中」と記載することもある。
(1)特定図柄A:15R確変大当たり
15回のロング開放のラウンド遊技から構成される大当たりである。これは、演出図柄が特定の組み合わせ(左右中の図柄が「7,7,7」)となる「15R確変図柄揃い大当たり」である。大当たり遊技終了後に、高確時短遊技状態で遊技が制御される。このときの時短変動回数は8000回となる。なお、時短変動回数8000回は、実質的に次回の大当たりまでを保障するものである(以下、同様)。以下では、時短遊技状態を単に「時短」と記述することもある。また、時短変動回数X回を単に「時短X回」と記述することもある。特定図柄Aは、大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄判定では6/200で割り振られ、第2特別図柄判定では20/200で割り振られる。
(2)特定図柄B:6R確変大当たり
6回のロング開放のラウンド遊技から構成される大当たりである。これは、演出図柄が特定の組み合わせ(左右中の図柄が「7,7,7」以外の数、例えば「4,4,4」)となる「6R確変図柄揃い大当たり」である。大当たり遊技終了後に、高確時短遊技状態で遊技が制御される。このときの時短変動回数は100回または8000回となる。具体的には、大当たり時の遊技状態が「時短なし」となっている場合には100回となり、「時短あり」となっている場合は8000回となる。大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄判定では20/200で割り振られ、第2特別図柄判定では10/200で割り振られる。ここで「大当たり時の遊技状態」とは、大当たりと判定されたときの遊技状態である(以下、同様)。
(3)特定図柄C:6R確変大当たり(実質0R)
6回のショート開放のラウンド遊技から構成される大当たりである。ラウンド遊技が全てショート開放となっているため、実質0Rの大当たり(出玉なしの大当たり)である。これは、演出図柄が特殊な組み合わせ(中図柄が「CHANCE図柄」)となる「突然大当たり」である。
「小当たり」の場合も、中図柄に同様の図柄が停止する。「突然大当たり」と「小当たり」とは、大入賞装置127の開放態様が類似している。たとえば、「突然大当たり」では、6回のショート開放のラウンド遊技から構成されるのに対し、「小当たり」では、最大1.8秒の期間に「突然大当たり」と同様に6回の大入賞装置127の開閉動作を行う。そして「突然大当たり」及び「小当たり」ではその演出も同様となっている。
これにより「突然大当たり」と「小当たり」とは見分けがつかないものとなっている。ただし、特別図柄に対し演出図柄は一対一に対応するため、一見同じように見える場合でも、演出図柄の一部を構成する第4図柄は異なっている(以下、同様)。具体的には、演出図柄のうち左右中の図柄は、例えば「5,CHANCE図柄,5」という表示が行われるが、第4図柄が「赤」のときは「突然大当たり」(特定図柄C)であり、第4図柄が「青」のときは「小当たり」(ハズレ図柄)であるという具合である。
小当たりは、上述したように「ハズレ」の一種であり、遊技状態の移行を行わない。これに対し、「突然大当たり」は、その後、高確時短遊技状態で遊技が制御される。つまり、「小当たり」と類似する演出図柄を停止させ類似する演出を行い、大入賞装置127の開放を遊技者に明確に報知せず、遊技状態を高確時短遊技状態に移行させて、あたかも「突然に」確変になったように見せるものが、いわゆる「突確」と呼ばれる「突然大当たり」である。
大当たり遊技は、オープニング、複数のラウンド遊技、エンディングで構成される。オープニングは、最初に大入賞装置127が開放され始めるまでの期間をいう。ラウンド遊技は、大入賞装置127が開放されてから次に閉塞されるまでの一回の開放期間をいう。エンディングは、最初のラウンド遊技の終了後、次の変動が開始されるまでの期間をいう。また、ラウンド遊技とラウンド遊技との間にはインターバル(大入賞装置127の閉塞期間)が存在する。
オープニング中に行われる演出を「オープニング演出」という。オープニング演出は大当たりを報知する味方キャラクタによる「おめでとう」などのメッセージが表示される演出であることが例示される。ラウンド遊技中に行われる演出を「ラウンド演出」という。ラウンド演出は、味方キャラクタが敵キャラクタとバトルを行う種々のバトルシーンを表示する演出であることが例示される。エンディング中に行われる演出を「エンディング演出」という。エンディング演出は、大当たり遊技後の遊技状態を報知する演出であることが例示される。なお、ラウンド演出は、複数のラウンド遊技を跨ぐ演出(インターバルを含む場合もある)であることも考えられる。また、各ラウンド演出をラウンド遊技毎に異なるものとし、インターバルには、それ専用の演出を行うようにしてもよい。
「突然大当たり」は、大当たりの一種であるため、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出が行われるのであるが、他の大当たりとは異なる演出となっている。例えばオープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出を通じて、何かしら遊技者にとって有利な遊技状態への移行を期待させる演出とすることが例示される。なお、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出を一連の演出としてもよい。このような演出は、他の大当たりとは異なるものとなっているため、遊技者の期待を高めることができ、演出後、突然に「右打ち」の指示が出て「確変」となることで、遊技者に驚きを与えることができる。一方、小当たりの場合も、類似の演出を行うため、遊技者の期待を高めることができるが、上述したように小当たりはハズレの一種であるため、遊技状態の移行を伴うことはない。
このときの時短変動回数は8000回となる。大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄判定では12/200で割り振られ、第2特別図柄判定では0/200で割り振られる。すなわち第2特別図柄判定で特定図柄Cが割り振られることはない。
(4)特定図柄D:15R確変大当たり
15回のロング開放のラウンド遊技から構成される大当たりである。これは、演出図柄が特殊な組み合わせ(中図柄が「RUSH図柄」)となる大当たりであり、以下「15R確変RUSH当たり」とも記載する。大当たり遊技終了後に、高確時短遊技状態で遊技が制御される。このときの時短変動回数は8000回となる。大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄判定では2/200で割り振られ、第2特別図柄判定では12/200で割り振られる。
(5)特定図柄E:6R確変大当たり
6回のロング開放のラウンド遊技から構成される大当たりである。これは、演出図柄が特殊な組み合わせ(中図柄が「RUSH図柄」)となる大当たりであり、以下「6R確変RUSH当たり」とも記載する。大当たり遊技終了後に、高確時短遊技状態で遊技が制御される。このときの時短変動回数は100回または8000回となる。具体的には、大当たり時の遊技状態が「時短なし」となっている場合には100回となり、「時短あり」となっている場合は8000回となる。大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄判定では4/200で割り振られ、第2特別図柄判定でも4/200で割り振られる。
(6)通常図柄A:6R通常大当たり
6回のロング開放のラウンド遊技から構成される大当たりである。これは、演出図柄が特殊な組み合わせ(中図柄が「RUSH図柄」)となる大当たりであり、以下「6R通常RUSH当たり」とも記載する。大当たり遊技終了後に低確時短遊技状態で遊技が制御される。このときの時短変動回数は100回となる。大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄判定では12/200で割り振られ、第2特別図柄判定では16/200で割り振られる。
(4)〜(6)は、中図柄が「RUSH図柄」となり、見た目上いずれの大当たりであるかが分かり難いものとなっている。これは、ランクアップボーナスと呼ばれるものである。例えば大当たり遊技の開始時には、15Rなのか6Rなのかを報知しないようにすることで、遊技者に対し、15Rとなることを期待させることができるという具合である。具体的には、最初は6R大当たりの表示を行い、1〜6Rの間に15Rへの昇格演出を行うようにしてもよい。あるいは、6Rのラウンド遊技において、7Rのラウンド遊技への継続演出を行うようにしてもよい。7Rに継続すれば15R大当たりが確定するという具合である。なお、ランクアップボーナスについては後述する。なお、上述したように特別図柄に対し演出図柄は一対一に対応するため、左右中の図柄は同じであっても(中図柄が「RUSH図柄」)、演出図柄の一部を構成する第4図柄は異なっている。具体的には、演出図柄のうち左右中の図柄は、例えば「2,RUSH図柄,2」という表示が行われるが、第4図柄が「赤」のときは「15R確変RUSH当たり」(特定図柄D)であり、第4図柄が「青」のときは「6R確変RUSH当たり」(特定図柄E)であり、第4図柄が「緑」のときは「6R通常RUSH当たり」(通常図柄A)であるという具合である。
(7)通常図柄B:15R通常大当たり
15回のロング開放のラウンド遊技から構成される大当たりである。これは、演出図柄が特定の組み合わせ(左右中の図柄が「7,7,7」)となる「15R通常図柄揃い大当たり」である。大当たり遊技終了後に、低確時短遊技状態で遊技が制御される。このときの時短変動回数は100回となる。大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄判定では0/200で割り振られ、第2特別図柄判定では70/200で割り振られる。すなわち第1特別図柄で通常図柄Bが割り振られることはない。
特定図柄Aと通常図柄Bは、ともに「7,7,7」の図柄が揃う15R大当たりである。上述したように特別図柄に対し演出図柄は一対一に対応するため、左右中の図柄は「7,7,7」であっても、演出図柄の一部を構成する第4図柄は異なっている。具体的には、演出図柄のうち左右中の図柄は、例えば「7,7,7」という表示が行われるが、第4図柄が「赤」のときは「15R確変図柄揃い大当たり」(特定図柄A)であり、第4図柄が「青」のときは「15R通常図柄揃い大当たり」(通常図柄B)であるという具合である。これらの大当たりでは、15Rである旨の報知が行われるが、特定図柄Aでは時短変動回数が8000回となるのに対し、通常図柄Bでは時短変動回数が100回となる。また、特定図柄Aでは確変遊技状態で遊技が制御されるが、通常図柄Bでは非確変遊技状態で遊技が制御される。
遊技者にとっては、ともに「7,7,7」の図柄が揃う大当たりであるため、特定図柄Aの大当たりなのか通常図柄Bの大当たりなのかが分からないようになっている。その意味で、遊技者に特定図柄Aの大当たりであってほしいとの期待を持たせることができる。なお、この場合、大当たり遊技におけるオープニング演出については同様のものとすることが考えられる。そして、大当たり遊技の終了後、後述するモード移行によっていずれの大当たりであったのかを報知することが例示される。あるいは、ラウンド演出やエンディング演出でいずれの大当たりであったのかを報知するようにしてもよい。
(8)通常図柄C,D:6R通常大当たり
6回のロング開放のラウンド遊技から構成される大当たりである。これは、演出図柄が特定の組み合わせ(左右中の図柄が「7,7,7」以外の数、例えば「4,4,4」)となる「6R通常図柄揃い大当たり」である。上述したように演出図柄を構成する第4図柄は異なる。具体的には、演出図柄のうち左右中の図柄は、例えば「4,4,4」という表示が行われるが、第4図柄が「赤」のときは「6R通常図柄揃い大当たり」(通常図柄C)であり、第4図柄が「青」のときは「6R通常図柄揃い大当たり」(通常図柄D)であるという具合である。大当たり遊技終了後に、低確時短遊技状態で遊技が制御される。このときの時短変動回数は通常図柄Cでは100回となる。また、通常図柄Dでは、大当たり時の遊技状態が「時短なし」となっている場合には15回となり、「時短あり」となっている場合は100回となる。通常図柄Cは、大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄判定では40/200で割り振られ、第2特別図柄判定では68/200で割り振られる。また、通常図柄Dは、第1特別図柄判定では64/200で割り振られ、第2特別図柄判定では0/200で割り振られる。すなわち第2特定図柄で通常図柄Dが割り振られることはない。
通常図柄C,Dの違いは、大当たり終了後、時短100回となるのか時短15回となるのかである。いずれの大当たりでも、大当たり遊技終了後の変動15回転目で、時短遊技状態の継続を煽る演出が行われる。通常図柄Cでは、時短遊技状態が継続するのに対し、通常図柄Dでは時短遊技状態が終了して通常遊技状態となる。
なお、時短遊技状態では、第2特別図柄判定が優先されるため、第2特別図柄判定に限れば通常図柄Dに割り振られることはない。ただし、時短遊技状態といっても、第2特別図柄判定の保留がないときに第1特別図柄判定が行われる場合がある。このときは、通常図柄Dが割り振られたとしても、100回の時短遊技状態となる。
(9)通常図柄E,F:15R通常大当たり(実質6R)
6回のロング開放のラウンド遊技と9回のショート開放のラウンド遊技とから構成される大当たりである。これは、演出図柄が特殊な組み合わせ(中図柄が「特訓」を示す図柄)となる大当たりであり、以下「訓練当たり」とも記載する。上述したように演出図柄を構成する第4図柄は異なる。具体的には、演出図柄のうち左右中の図柄は、例えば「8,「特訓」を示す図柄,8」という表示が行われるが、第4図柄が「赤」のときは「訓練当たり」(通常図柄E)であり、第4図柄が「青」のときは「訓練当たり」(通常図柄F)であるという具合である。大当たり遊技終了後に、低確時短遊技状態で遊技が制御される。このときの時短変動回数は通常図柄Eでは100回となる。また、通常図柄Fでは、大当たり時の遊技状態が「時短なし」となっている場合は時短変動回数が0回となり、「時短あり」となっている場合は時短変動回数が100回となる。通常図柄Eは、大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄判定では10/200で割り振られ、第2特別図柄判定では0/200で割り振られる。すなわち第2特定図柄で通常図柄Eが割り振られることはない。通常図柄Fは、大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄判定では30/200で割り振られ、第2特別図柄判定では0/200で割り振られる。すなわち第2特定図柄で通常図柄Fが割り振られることはない。
通常図柄E,Fの違いは、大当たり終了後、時短100となるのか時短0回となるのかである。通常図柄Eの大当たりでは、大当たり遊技中の演出で「訓練成功」となり、時短遊技状態となる。一方、通常図柄Fの大当たりでは、大当たり遊技中の演出で「訓練失敗」となり、通常遊技状態となる。
なお、時短遊技状態では、第2特別図柄判定が優先されるため、第2特別図柄判定に限れば通常図柄E,Fに割り振られることはないが、第2特別図柄判定の保留がないときに第1特別図柄判定が行われる場合がある。このときは、通常図柄Fが割り振られたとしても、100回の時短遊技状態となる。
なお、上記(3)〜(6)及び(9)では、演出図柄の特殊な組み合わせとして、中図柄に所定の図柄が停止することを例に挙げているが、ハズレと同様のバラケ目であってもよい。また、「1,2,3」などのチャンス目であってもよい。
また、時短変動回数は、大当たりの種別や遊技状態によって様々に設定されるが、上記(1)〜(5)の確変大当たりにおける確変遊技状態の継続回数はいずれも8000回となっている。したがって、(2)や(5)の大当たりで時短100回となったとき、時短100回が終了して時短抜けとなった場合は、潜伏確変遊技状態となる。
図7は、大当たりの開放パターンを例示する説明図である。
図7(A)は、15回のロング開放のラウンド遊技で構成される15R大当たりの開放パターンを示している。これを「開放パターン1」と以下記載する。上述した特定図柄A,D、通常図柄Bの大当たりがこのパターンとなる。
図7(B)は、6回のロング開放のラウンド遊技で構成される6R大当たりの開放パターンを示している。これを「開放パターン2」と以下記載する。上述した特定図柄B,E、通常図柄A,C,Dの大当たりがこのパターンとなる。
図7(C)は、6回のロング開放のラウンド遊技と9回のショート開放のラウンド遊技とから構成される実質6R大当たりの開放パターンを示している。これを「開放パターン3」と以下記載する。上述した通常図柄E,Fの大当たりがこのパターンとなる。
図7(D)は、6回のショート開放のラウンド遊技で構成される実質0R大当たりの開放パターンを示している。これを「開放パターン4」と以下記載する。上述した特定図柄Cの大当たりがこのパターンとなる。なお、小当たりもこのパターンとなる。小当たりは、上述したようにハズレの一種であるため、ラウンド遊技が行われるわけではなく、大入賞装置127の開放パターンが同一になっている。
[ゲームフローと変動パターンテーブル]
図8は、本実施形態の遊技機1のゲームフローを模式的に示す説明図である。図9〜図11は、変動パターンテーブルを示す説明図である。
図8の左側に示す「通常遊技」は、非時短遊技状態であり、通常遊技状態又は潜伏確変遊技状態のいずれかで滞在する。このときは「左打ち」で遊技が行われる。また、背景チェンジなどを行って遊技性を高めている。
この通常遊技では、通常モードで遊技が行われる。通常モードとは、変動パターンテーブルとして、図9に示す「通常時テーブル」が選択されている場合である。この通常時テーブルは、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定で共通とする。図9(A)に特別図柄判定の保留が「4」のときの「通常時テーブル(保留4)」を示し、図9(B)に特別図柄判定の保留が「3」のときの「通常時テーブル(保留3)」を示し、図9(D)に特別図柄判定の保留が「1」又は「2」のときの「通常時テーブル(保留1〜2)」を示す。
このように通常モードでは、まず、特別図柄判定の「保留数」に基づいて変動パターンテーブルが選択される。保留数が「4」であるものとし、(A)の通常時テーブル(保留4)が選択されたものとして説明を続ける。
次に、大当たり判定の結果(図中では「当落」と示した)が「ハズレ」であるか「大当たり」であるかにより、選択される変動パターンが異なってくる。
「ハズレ」の場合、リーチ乱数を参照し、「リーチなし」の場合は、変動パターンT1が選択される。「リーチあり」の場合は、変動パターンT2〜T5のいずれかが選択される。変動パターンT2〜T5の選択は、変動パターン乱数に基づいて行われる。変動パターンT2は「70%」の割合で選択される。変動パターンT3は「15%」の割合で選択される。変動パターンT4は「10%」の割合で選択される。変動パターンT5は「5%」の割合で選択される。
「大当たり」の場合、変動パターン乱数を参照し、変動パターンT2A〜T5Aのいずれかが選択される。変動パターンT2Aは「5%」の割合で選択され、変動パターンT3Aは「20%」の割合で選択され、変動パターンT4Aは「30%」の割合で選択され、変動パターンT5Aは「45%」の割合で選択される。
選択された変動パターンは、主制御基板300から演出制御基板320へ送信される。
演出制御基板320では、変動パターンに応じた演出を行う。これらの演出を図中には「演出内容」として示した。演出内容は、演出制御基板320で詳細に決定されるが、ここでは、変動パターンに対する理解を容易にするため、演出の概要を示す。
変動パターンT1では「バラハズレ」の演出が行われる。変動時間は3秒である。「バラハズレ」は、演出図柄が左、右、中の順に停止し、3つの図柄がバラバラに停止(バラケ目で停止)するものである。
変動パターンT2では「ノーマルリーチ演出ハズレ」の演出が行われる。変動パターンT2Aでは「ノーマルリーチ演出当たり」の演出が行われる。ともに変動時間は10秒である。「ノーマルリーチ」は、演出図柄の左及び右の図柄が同じ数字となり、中図柄が揃うことを煽る演出である。変動パターンT2では、中図柄に左右の図柄と異なるものが停止する。変動パターンT2Aでは、中図柄に左右の図柄と同じものが停止する。あるいは、特殊な図柄が停止する。特殊な図柄は、上述した通り、「CHANCE図柄」、「RUSH図柄」及び「訓練を示す図柄」のいずれかである。当たりのときの演出図柄の態様は以下でも同様である。
変動パターンT3では「SPリーチ1演出ハズレ」の演出が行われる。変動パターンT3Aでは「SPリーチ1演出当たり」の演出が行われる。変動パターンT4では「SPリーチ2演出ハズレ」の演出が行われる。変動パターンT4Aでは「SPリーチ2演出当たり」の演出が行われる。いずれも変動時間は20秒である。「SPリーチ」とは、ノーマルリーチから発展して大当たりを期待させる演出を行うものである。具体的には、演出図柄が例えば液晶表示装置121の左下などに小さく表示され、液晶表示装置121の中央で「レースで勝利」、「隠されたお宝発見」、「特定のキャラクタの出現」などの演出を行う。「大当たり」のときはレースで勝利したり、隠されたお宝を発見したり、特定キャラクタが出現したりする。「ハズレ」のときはレースで敗北したり、隠されたお宝を発見ができなかったり、特定キャラクタが出現しなかったりする。本実施形態では、このようなSPリーチが2種類用意されている。
変動パターンT5では「バトル演出ハズレ」の演出が行われる。変動パターンT5Aでは「バトル演出当たり」の演出が行われる。いずれも変動時間は20秒である。バトル演出とは、上述したSPリーチの一態様であり、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦いを繰り広げる演出である。「大当たり」のときは味方キャラクタが勝利し、「ハズレ」のときは味方キャラクタが敗北する。
なお、SPリーチがさらに発展して大当たりを期待させる「SPSPリーチ」を行うようにしてもよい。SPSPリーチは、大当たり期待度の高い演出であり、例えばSPリーチではアニメであるのに対し、SPSPリーチでは実写映像などを取り入れたものであることが例示される。
上述のように、変動パターンT3,T4,T5では、中図柄に左右の図柄と異なるものが停止する。変動パターンT3A,T4A,T5Aでは、中図柄に左右の図柄と同じものが停止する。あるいは、特殊な図柄が停止する。
なお、図9(B)及び(C)に示す通常時テーブル(保留3)及び通常時テーブル(保留1〜2)では、バラハズレとなる変動パターンT6,T7が、図9(A)に示す通常時テーブル(保留4)と異なっている。具体的には、保留数が多くなるほど、バラハズレのときの変動時間が短くなるようにして保留の消化が促進されるようになっている。
以上詳述したように、図8に示す「通常遊技」では、図9に示した「通常時テーブル」が選択される。この通常時テーブルが選択されている状態を「通常モード」と呼ぶ。
通常モードは、非時短遊技状態であって「左打ち」となり遊技領域102の右側のゲート126を遊技球が通過することは皆無であるため、主として、第1特別図柄判定が行われる。もちろん「右打ち」によるゲート126の通過により、第2特別図柄判定が行われることもあり得る。
通常遊技状態又は潜伏確変遊技状態で通常図柄Fの大当たりとなった場合を除き、大当たり遊技の終了後には、低確時短遊技状態又は高確時短遊技状態で遊技が制御される。このときは、セットされる変動パターンテーブルが異なってくる。
[チャンス15モードテーブル]
チャンス15モードテーブルは、大当たり遊技終了後1〜15回転目まで選択され得る変動パターンテーブルである。図10に示すごとくである。図10(A)は、大当たり遊技終了後1〜14回転まで選択され得るテーブルであり、図10(B)は、大当たり遊技終了後、15回転目に選択され得るテーブルである。図10に示す「チャンス15モードテーブル」が選択されている状態を「チャンス15モード」と呼ぶ。
図10(A)に示すチャンス15モードテーブルでは、大当たり判定の結果に応じて、「ハズレ」であれば変動パターンK1が選択される。変動パターンK1は変動時間が6秒である。変動パターンK1は「起き上がり演出ハズレ」の演出となる。具体的には、味方キャラクタが起き上がろうとする演出が行われ、最終的に倒れる。一方、「大当たり」であれば変動パターンK1Aが選択される。変動パターンK1Aは変動時間が6。5秒である。変動パターンK1Aは「起き上がり演出当たり」の演出となる。具体的には、味方キャラクタが起き上がろうとする演出が行われ、最終的に起き上がる。もちろん、「ハズレ」及び「大当たり」の変動パターンをそれぞれ2以上用意してもよい。
チャンス15モードの15回転目では、後述するチャンスモード移行の煽り演出を行うため、変動パターンテーブルが変更される。図10(B)に示すチャンス15モードテーブル(15回転目)では、「ハズレ」であって前回の大当たりとなった図柄に応じて設定された時短変動回数が100回となっているときは、変動パターンN1が選択される。変動パターンN1は「起き上がり演出ハズレ→突入成功」の演出となる。具体的には、味方キャラクタが起き上がろうとする演出が行われて倒れた後、後述するチャンスモードへの突入演出が行われ、突入成功となる。一方、「ハズレ」であって前回の大当たりとなった図柄に応じて設定された時短変動回数が15回となっているときは、変動パターンN2が選択される。変動パターンN2は「起き上がり演出ハズレ→突入失敗」の演出となる。具体的には、味方キャラクタが起き上がろうとする演出が行われて倒れた後、後述するチャンスモードへの突入演出が行われ、突入失敗となる。一方、「大当たり」であれば変動パターンK1Aが選択される。変動パターンK1Aは上述の通りである。
[チャンスモードテーブル]
チャンスモードテーブルは、大当たり遊技終了後100回転目まで選択され得る変動パターンテーブルである。図11に示すごとくである。図11(A)は、大当たり遊技終了後1〜99回転まで選択され得るテーブルである。ただし、チャンス15モードを経由する場合、図11(A)のテーブルは、大当たり遊技終了後16〜99回転まで選択される。図11(B)は、大当たり遊技終了後、100回転目に選択され得るテーブルである。図11に示す「チャンスモードテーブル」がセットされている状態を、「チャンスモード」という。
変動パターンL1,L2は、「ハズレ」であって「リーチなし」のときに選択される。変動パターン乱数に基づく選択割合は、変動パターンL1が「80%」となっており、変動パターンL2が「20%」となっている。
変動パターンL1では、「バラハズレ」の演出が行われる。変動時間は3秒である。変動パターンL2では、「リーチ煽り失敗」の演出が行われる。「リーチ煽り」とは、リーチになるか否かを煽る演出である。例えば、左図柄が「4」で停止した後、右図柄が「3」となるか「4」となるかを煽るという具合である。ここで「4」とならず「3」で停止した場合、リーチ煽り失敗となる。
ここで変動時間が3秒の「バラハズレ」の選択割合が大きくなっているのは、時短遊技状態において第2特別図柄判定の保留の消化を促進させるためである。したがって、第2特別図柄判定の保留が「1」や「2」であるときは、反対に保留を増加させるという意味で、このテーブルに比べて変動パターンL2の選択割合が大きなテーブルを採用してもよい。
変動パターンL3,L4,L5,L6,L7は、「ハズレ」であって「リーチあり」のときに選択される。変動パターン乱数に基づく選択割合は、それぞれ「5%」、「10%」、「15%」、「20%」、「50%」となっている。変動パターンL3〜L7では、「リーチ煽り成功→バトル負け」の演出が行われる。いずれも変動時間は、20秒となっている。変動パターンL3〜L7の違いは、バトル演出を行う敵キャラクタが異なることである。敵キャラクタはA〜Eまで5種類用意されている。このとき、敵キャラクタE→D→C→B→Aの順に、すなわち変動パターンL7→L6→L5→L4→L3の順に選択されやすくなっている。
変動パターンL3A,L4A,L5A,L6A,L7Aは、「大当たり」のときに選択される。変動パターン乱数に基づく選択割合は、それぞれ「35%」、「25%」、「20%」、「15%」及び「5%」となっている。変動パターンL3A〜L7Aでは、「リーチ煽り成功→バトル勝ち」の演出が行われる。いずれも変動時間は、22秒となっている。変動パターンL3A〜L7Aの違いは、バトル演出を行う敵キャラクタが異なることである。敵キャラクタはA〜Eまで5種類用意されている。敵キャラクタA→B→C→D→Eの順に、すなわち変動パターンL3A→L4A→L5A→L6A→L7Aの順に選択されやすくなっている。
このような選択割合により大当たりへの期待度合いを示す「信頼度」は、敵キャラクタE→D→C→B→Aの順に大きくなっており、敵キャラクタAが最も大きく敵キャラクタEが最も小さくなっている。つまり、敵キャラクタAは「大当たり」のときに最も選択され易く「ハズレ」のときに最も選択され難くなっているため、敵キャラクタAが登場したときには味方キャラクタが勝利する可能性が高くなる。一方、敵キャラクタEは「大当たり」のときに最も選択され難く「ハズレ」のときに最も選択され易くなっているため、敵キャラクタEが登場したときには味方キャラクタが敗北する可能性が高くなる。そのため、敵キャラクタAは「雑魚敵」であり、敵キャラクタEは「強敵」という位置づけとなる。すなわち「信頼度」とは、あるバトル演出が選択されたときの「大当たり」となる確率を示すものである。
チャンスモードの最終回転(大当たり遊技終了後の100回転目)では、後述する超チャンスモード移行の煽り演出を行うため、変動パターンテーブルが変更される。図11(B)に示すチャンスモードテーブル(100回転目)では、「ハズレ」であって前回の大当たりとなった図柄に応じて設定された時短変動回数が8000回となっているときは、変動パターンO1が選択される。変動パターンO1は「バラハズレ→突入成功」の演出となる。具体的には、バラハズレとなった後、後述する超チャンスモードへの突入演出が行われ、突入成功となる。一方、「ハズレ」であって前回の大当たりとなった図柄に応じて設定された時短変動回数が100回となっているときは、変動パターンO2が選択される。変動パターンO2は「バラハズレ→突入失敗」の演出となる。具体的には、バラハズレとなった後、後述する超チャンスモードへの突入演出が行われ、突入失敗となる。一方、「大当たり」であれば変動パターンL3A〜L7Aが選択される。変動パターンL3A〜L7Aは上述した通りである。
[超チャンスモードテーブル]
超チャンスモードテーブルは、大当たり遊技終了後101回転〜8000回転まで選択され得る変動パターンテーブルである。図12に示すごとくである。この超チャンスモードテーブルが選択されている状態を「超チャンスモード」という。
「ハズレ」のときは、変動パターンM1が選択される。変動パターンM1では、「バラハズレ」の演出が行われる。変動時間は1.5秒である。つまり、「ハズレ」の場合は、チャンスモードよりも高速で消化されるようになっている。
「大当たり」のときは、変動パターンM2A〜M6Aのいずれかが選択される。変動パターンM2A〜M6Aでは、「リーチ煽り成功→バトル勝ち」の演出が行われる。いずれも変動時間は、22秒となっている。変動パターンM2A〜M6Aの違いは、バトル演出を行う敵キャラクタが異なることである。敵キャラクタはA〜Eまで5種類用意されている。選択割合は、それぞれ「35%」、「25%」、「20%」、「15%」及び「5%」となっており、敵キャラクタA→B→C→D→Eの順に、すなわち変動パターンL3A→L4A→L5A→L6A→L7Aの順に選択されやすくなっている。
これにより大当たりへの期待度合いを示す「信頼度」は、敵キャラクタE→D→C→B→Aの順に大きくなっており、敵キャラクタAが最も大きく敵キャラクタEが最も小さくなっている。
超チャンスモードテーブルから分かるように、超チャンスモードでは、「リーチ煽り失敗」及び「リーチ煽り成功→バトル負け」に対応する変動パターンが選択されない。したがって、リーチ煽りの演出が発生した段階で「大当たり」が確定する。
なお、チャンス15モードテーブル、チャンスモードテーブル、及び、超チャンスモードテーブルにおいては、時短遊技状態で選択されるため保留の消化を促進するために保留数に限らず同一のテーブルを採用している。ただし、通常時テーブルと同様、保留数に応じてテーブルを変更してもよい。例えば上述したように、第2特別図柄判定の保留が「1」や「2」であるときは、反対に保留を増加させるという意味で、「バラハズレ」のとき
の変動時間が比較的長く設定されたテーブルに変更してもよい。
上述した「通常モード」、「チャンス15モード」、「チャンスモード」及び「超チャンスモード」では、背景、BGM、演出図柄などが異なっており、それぞれのモードに滞在していることを遊技者が認識し易くなっている。
図8の説明に戻り、大当たり遊技終了後、大当たりの種類によって移行するモードが決定される。このとき、超チャンスモードへの移行は、必ずチャンスモードを経由する。
次に、大当たりの種別によって作出される遊技性について説明する。図8中の「特1当たり」は、第1特別図柄判定での当たりを示している。また、「特2当たり」は、第2特別図柄判定での当たりを示している。
[超チャンスボーナス]
超チャンスボーナスには、特1当たりでは特定図柄Aの「15R確変図柄揃い大当たり」が該当する。また、特2当たりでは特定図柄Aの「15R確変図柄揃い大当たり」及び通常図柄Bの「15R通常図柄揃い大当たり」が該当する。
超チャンスボーナスは、液晶表示装置121に表示される演出図柄の左右中の図柄が「7,7,7」で停止する大当たりであり、15R大当たりである。大当たり遊技後、いずれもチャンスモードへ移行する。特1当たりの場合は、常に時短8000回となるため、チャンスモードから超チャンスモードへ移行する。一方、特2当たりの場合は、特定図柄Aの大当たりの場合は時短8000回となりチャンスモードから超チャンスモードへ移行するが、通常図柄Bの大当たりの場合は時短100回となりチャンスモードから超チャンスモードへ移行しない。したがって、特2当たりの「超チャンスボーナス」は、確変遊技状態となっていることを期待させるとともに、超チャンスモードへの移行を遊技者に期待させるボーナスとなっている。超チャンスモードへ移行したときは、高確時短遊技状態が確定となる(以下、同様)。
[チャンスボーナス]
チャンスボーナスには、特1当たりでは特定図柄Bの「6R確変図柄揃い大当たり」、通常図柄C,Dの「6R通常図柄揃い大当たり」が該当する。また、第2当たりでは特定図柄Bの「6R確変図柄揃い大当たり」、通常図柄Cの「6R通常図柄揃い大当たり」が該当する。
チャンスボーナスは、液晶表示装置121に表示される演出図柄が「7,7,7」以外の組み合わせ(例えば「4,4,4」)で停止する大当たりであり、6R大当たりである。大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態の場合、特定図柄Bでは時短100回、通常図柄Cでは時短100回、通常図柄Dでは時短15回となる。一方、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態の場合、特定図柄Bでは時短8000回、通常図柄Cでは時短100回、通常図柄Dでは時短100回となる。そして、チャンスボーナスにおけるモードの移行は以下のごとくとなっている。
[特1当たりチャンスボーナス(非時短遊技状態)]
特定図柄B:チャンス15モード→チャンスモード
通常図柄C:チャンス15モード→チャンスモード
通常図柄D:チャンス15モード
[特1当たりチャンスボーナス(時短遊技状態)]
特定図柄B:チャンスモード→超チャンスモード
通常図柄C:チャンス15モード→チャンスモード
通常図柄D:チャンス15モード→チャンスモード
[特2当たりチャンスボーナス(非時短遊技状態)]
特定図柄B:チャンス15モード→チャンスモード
通常図柄C:チャンス15モード→チャンスモード
[特2当たりチャンスボーナス(時短遊技状態)]
特定図柄B:チャンスモード→超チャンスモード
通常図柄C:チャンスモード
このように、特定図柄B、通常図柄C,Dは、チャンス15モードへの移行契機となり得る。チャンス15モードへ移行し、その後、チャンスモードへ移行する場合、チャンスモードの滞在回数は、85(100−15)回となる。一方、チャンスモードで直接移行する場合は、チャンスモードの滞在回数は100回となる。
これにより、チャンスボーナスは、確変遊技状態となっていることを期待させるとともに、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態においてはチャンスモードへの移行を期待させるボーナスとなっており、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態においては超チャンスモードへの移行を期待させるボーナスとなっている。また、いずれも高確時短遊技状態を期待させるボーナスとなっている。
特1当たりに着目すると、特定図柄Bについて、非時短遊技状態と時短遊技状態とで移行先のモードが異なっている。これにより、特2当たりとの整合を取ることができる。また、特2当たりでは通常図柄Dが選択されないため、非時短遊技状態において必ず時短100回が付与される点で有利である。
[RUSH当たり]
RUSH当たりは、特1当たり及び特2当たりともに、特定図柄Dの「15R確変RUSH当たり」、特定図柄Eの「6R確変RUSH当たり」、通常図柄Aの「6R通常RUSH当たり」が該当する。
RUSH当たりは、液晶表示装置121に表示される演出図柄の中図柄が「RUSH図柄」で停止する大当たりである。特定図柄Dでは15R大当たりとなり、特定図柄E,通常図柄Aでは6R大当たりとなる。大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態の場合、特定図柄Dでは時短8000回、特定図柄Eでは時短100回、通常図柄Aでは時短100回となる。一方、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態の場合、特定図柄Dでは時短8000回、特定図柄Eでは時短8000回、通常図柄Aでは時短100回となる。そして、RUSH当たりにおけるモードの移行は以下のごとくとなっている。
[非時短遊技状態]
特定図柄D:チャンスモード→超チャンスモード
特定図柄E:チャンスモード
通常図柄A:チャンスモード
[時短遊技状態]
特定図柄D:チャンスモード→超チャンスモード
特定図柄E:チャンスモード→超チャンスモード
通常図柄A:チャンスモード
これにより、RUSH当たりは、15R大当たりであることを期待させるランクアップボーナスとなっている。ランクアップボーナスとは、大当たり遊技の開始時に何ラウンドの大当たりか分からず、大当たり遊技の途中にラウンド数が追加されたかに見せ掛けるものである。つまり、大当たり遊技の開始時には、15Rなのか6Rなのかを報知しないようにすることで、遊技者に対し、15Rとなることを期待させることができる。例えば、最初は6R大当たりの表示を行い、1〜6Rの間に(例えば最初の3Rの間に)15Rへの昇格演出を行うようにしてもよい。あるいは、6Rのラウンド遊技において、7Rのラウンド遊技への継続演出を行うようにしてもよい。7Rに継続すれば15R大当たりが確定するという具合である。また、RUSH当たりは、大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御されること、超チャンスモードへ移行すること、を期待させるボーナスとなっている。大当たり遊技終了後に確変遊技状態で遊技が制御されることは、例えばエンディング演出などで報知することが考えられる。あるいは、報知しないようにして遊技者に期待感を抱かせるようにしてもよい。さらに、超チャンスモードへ移行することは、同様にエンディング演出などで報知してもよいし、チャンスモードにおける超チャンスモードへの突入を煽る演出で報知してもよい。
[訓練チャレンジ]
訓練チャレンジは、特1当たり特有のものであり、通常図柄E,Fの「訓練当たり」が該当する。
訓練チャレンジは、液晶表示装置121に表示される演出図柄の中図柄が「訓練を示す図柄」で停止する大当たりであり、実質6R大当たりである。大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態の場合、通常図柄Eでは時短100回となり、通常図柄Fでは時短0回となる。一方、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態の場合、通常図柄E,Fともに時短100回となる。訓練チャレンジにおけるモードの移行は以下のごとくとなっている。
[非時短遊技状態]
通常図柄E:チャンスモード
通常図柄F:通常モード(モード移行せず)
[時短遊技状態]
通常図柄E:チャンスモード
通常図柄F:チャンスモード
これにより、訓練チャレンジは、大当たり遊技中の演出で訓練成功を煽るボーナスであり、チャンスモードへの移行を期待させるボーナスである。時短遊技状態では必ずチャンスモードへ突入する。
[突然当たり/小当たり]
突然当たり/小当たりは、特1当たり特有のものであり、特定図柄Cの「突然大当たり」及びハズレの一種である「小当たり」が該当する。
突然当たり/小当たりは、液晶表示装置121に表示される演出図柄の中図柄が「CHANCE図柄」で停止するものである。突然大当たりは、実質0Rの大当たりであり、大当たり時の遊技状態にかかわらず、時短8000回となる。小当たりは、ハズレの一種であり、遊技状態の移行を伴わない。そして、上述したように、小当たりにおける大入賞装置127の開放態様及び演出は特定図柄Cの大当たりと同様となっている。突然当たり/小当たりにおけるモードの移行は以下のごとくとなっている。
[非時短遊技状態及び時短遊技状態共通]
特定図柄C:チャンスモード→超チャンスモード
小当たり:通常モード(モード移行せず)
これにより、CHANCE図柄が停止することで遊技者に高確時短遊技状態への移行を期待させるものとなっている。
なお、大当たりとならずに設定された時短変動回数に到達すると、時短終了の演出が行われて通常モードへ移行する。このとき、時短遊技フラグがOFFにされる。
[主制御基板300のタイマ割込処理]
図13を用いて、主制御基板300において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図13は、主制御基板300において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。主制御基板300は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図13に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図13以降のフローチャートに基づいて説明する主制御基板300の処理は、メインROM301bに記憶されているプログラムに基づいてメインCPU301aが実行するものである。
まず、S1301では、乱数更新処理を実行する。この処理は、大当たり乱数、大当たり図柄用乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数値を更新するものである。これらの乱数値は、この処理が行われる毎に「1」加算される。なお、各乱数値は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻される。
S1302では、スイッチ処理を行う。この処理は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に実行されるものである。なお、スイッチ処理の詳細については後述する。
S1303では、特別図柄処理を行う。この処理は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の結果を示す停止図柄を停止表示させる処理等を含む。なお、特別図柄処理の詳細については後述する。
S1304では、普通図柄処理を行う。この処理は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器205に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む。この普通図柄処理の詳細については後述する。
S1305では、開閉部材処理を行う。この処理は、普通図柄判定を行った結果、第2始動装置124への開口部を開放すると判定した場合に、開閉部材125を作動させるものである。開閉部材処理の詳細については後述する。
S1306では、大入賞装置開放制御処理を行う。この処理は、S1303において大当たりであると判定した場合、大入賞装置開閉ソレノイド308を制御して大入賞装置127を開放するものである。また、ソレノイド372を制御してチャンス入賞装置141及びV領域を開放するものである。大入賞装置開放制御処理の詳細については後述する。
S1307では、賞球処理を実行する。この処理は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御するものである。
S1308では、送信処理を実行する。この処理は、S1307以前の処理ステップにおいてメインRAM301cにセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板320に送信するものである。
[スイッチ処理]
図14は、図13のS1302におけるスイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1401では、第1始動装置スイッチ処理を実行する。この処理は、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号の入力の有無を監視して、S1301の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄用乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。第1始動装置スイッチ処理については、さらに後述する。
続くS1402では、第2始動装置スイッチ処理を実行する。この処理は、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号の入力の有無を監視して、S1301の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄用乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。第2始動装置スイッチ処理についてはさらに後述する。
次のS1403では、ゲートスイッチ処理を実行する。この処理は、ゲート検出スイッチ303からの検知信号の入力の有無を監視して、S1301の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲート検出スイッチ303からの検知信号が入力された時点の値を取得するものである。ゲートスイッチ処理についてはさらに後述する。
[第1始動装置スイッチ処理]
図15は、図14のS1401における第1始動装置スイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1501では、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったか否かを判定する。この処理は、第1始動装置検出スイッチ304からの検知信号(第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったか否かを判定するものである。ここで第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になったと判定した場合(S1501:YES)、S1502へ移行する。一方、第1始動装置検出スイッチ304が「ON」になっていないと判定した場合(S1501:NO)、以降の処理を実行せず、第1始動装置スイッチ処理を終了する。
S1502では、保留数U1が最大保留数Umax1未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、予めメインROM301bに記憶されている最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここで、U1<Umax1であると判断された場合(S1502:YES)、S1503へ移行する。一方、U1≧Umax1であると判断された場合(S1502:NO)、以降の処理を実行せず、第1始動装置スイッチ処理を終了する。
S1503では、保留数U1の値を「1」加算した値に更新する。
S1504〜S1507では、各種乱数を取得する。この処理は、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり図柄用乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM301cに格納するものである。
S1508では、事前判定処理を行う。ここでは、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択を事前に行う。事前判定処理については後述する。
S1509では、保留コマンドをセットする。保留コマンドには、第1特別図柄に係る保留であるか第2特別図柄に係る保留であるかを区別する「始動装置データ」、何番目の保留であるかを示す「保留数データ」(すなわち保留数U1)、大当たり種類及びハズレを示す「停止図柄データ」、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
なお、S1509でセットされた保留コマンドは、図13のS1308にて演出制御基板320へ送信される。
[第2始動装置スイッチ処理]
図16は、図14のS1402における第2始動装置スイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。第2始動装置スイッチ処理は、上述した第1始動装置スイッチ処理と同様のものである。
最初のS1601では、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったか否かを判定する。この処理は、第2始動装置検出スイッチ305からの検知信号(第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったか否かを判定するものである。ここで第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になったと判定した場合(S1601:YES)、S1602へ移行する。一方、第2始動装置検出スイッチ305が「ON」になっていないと判定した場合(S1601:NO)、以降の処理を実行せず、第2始動装置スイッチ処理を終了する。
S1602では、保留数U2が最大保留数Umax2未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている第2特別図柄保留数U2が、予めメインROM301bに記憶されている最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここで、U2<Umax2であると判断された場合(S1602:YES)、S1603へ移行する。一方、U2≧Umax2であると判断された場合(S1602:NO)、以降の処理を実行せず、第2始動装置スイッチ処理を終了する。
S1603では、保留数U2の値を「1」加算した値に更新する。
S1604〜S1607では、各種乱数を取得する。この処理は、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、大当たり図柄用乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得し、これらの乱数を対応付けてメインRAM301cに格納するものである。
S1608では、事前判定処理を行う。ここでは、大当たり判定、大当たり図柄の決定、及び、変動パターンの選択を事前に行う。事前判定処理については後述する。
S1609では、保留コマンドをセットする。保留コマンドには、変動パターンを示す「変動パターンデータ」が含まれる。
なお、S1609でセットされた保留コマンドは、図13のS1308にて演出制御基板320へ送信される。
[事前判定処理]
図17は、図15中のS1508及び図16中のS1608で実行される事前判定処理の詳細を示すフローチャートである。
S1701では、S1504又はS1604で取得した大当たり乱数に基づいて大当たりであるか否かを判断する。この判断は、図4(A)及び(B)に示した大当たり判定テーブルと同様の、図示しない「先読み判定テーブル」に基づいて行われる。非確変遊技状態であれば、大当たり乱数が「0」〜「399」であるときに大当たりと判断され、確変遊技状態であれば、大当たり乱数が「0」〜「499」のいずれかであれば、大当たりと判断される。ここで大当たりであると判断された場合(S1701:YES)、S1702へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S1701:NO)、S1703へ移行する。
S1702では、大当たり図柄を決定する。大当たり図柄は、大当たりの種別を示すものであり、大当たり図柄用乱数に基づき、図5及び図6に示した大当たりにおける図柄決定テーブルと同様の、図示しない「先読み図柄決定テーブル」を用いて行われる。
S1703では、S1504又はS1604で取得した大当たり乱数に基づいて小当たりであるか否かを判断する。この処理は、図4(D)に示した小当たり判定テーブルと同様の、図示しない「先読み小当たり判定テーブル」に基づいて行われる。大当たり乱数が「500」〜「699」のいずれかであるときに小当たりであると判断される。ここで小当たりであると判断された場合(S1703:YES)、S1704へ移行する。一方、小当たりでないと判断された場合(S703:NO)、S1705へ移行する。
S1704では、小当たり図柄を決定する。この処理は、図示しない「先読みハズレ、小当たり判定テーブル」に基づいて行われる。
S1705では、ハズレ図柄を決定する。この処理は、図示しない「先読みハズレ、小当たり判定テーブル」に基づいて行われる。S1705の処理終了後、S1706へ移行する。
S1706では、先読み用変動パターンを選択する。先読み変動パターンテーブルは、図9(A)〜(D)に示したものと同様である。ハズレの場合は、遊技状態、保留数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて変動パターンが選択される。一方、大当たり及び小当たりの場合は、変動パターン乱数に基づいて変動パターンが選択される。
S1707では、保留コマンドを生成する。保留コマンドには、上述した「変動パターンデータ」が含まれる。変動パターンは、ハズレのときと当たりのときとで異なるため、保留コマンドに基づいて判定結果の当落を判断することが可能となる。
[ゲートスイッチ処理]
図18は、図14のS1403におけるゲートスイッチ処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1801では、ゲート検出スイッチ303が「ON」となったか否かを判断する。この処理は、ゲート検出スイッチ303からの検知信号(ゲート検出スイッチ303が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、ゲート検出スイッチ303が「ON」になったか否かを判断するものである。ここでゲート検出スイッチ303が「ON」になったと判断された場合(S1801:YES)、S1802へ移行する。一方、ゲート検出スイッチ303が「ON」になっていないと判断された場合(S1801:NO)、以降の処理を実行せず、ゲートスイッチ処理を終了する。
S1802では、保留数Tが最大保留数Tmax未満であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている普通図柄判定の保留数Tが、メインROM301bに予め記憶されている普通図柄判定の最大保留数Tmax(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判断するものである。ここでT<Tmaxであると判断された場合(S1802:YES)、S1803へ移行する。一方、T≧Tmaxであると判断された場合(S1802:NO)、以降の処理を実行せずに、ゲートスイッチ処理を終了する。
S1803では、保留数Tを「1」加算した値に更新する。続くS1804では、普通図柄判定に使用される普通図柄乱数を取得して、メインRAM301cに格納する。
[特別図柄処理]
図19を用いて、主制御基板300によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。図19は、図13のS1303の特別図柄処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS1901では、大当たり遊技中であるか否かを判断する。大当たり遊技中である場合には、メインRAM301cに記憶される大当たり遊技フラグが「ON」にされる。この処理は、メインRAM301cに記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断するものである。ここで大当たり遊技中であると判断された場合(S1901:YES)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。一方、大当たり遊技中でないと判断された場合(S1901:NO)、S1902へ移行する。
S1902では、特別図柄の変動表示中であるか否かを判断する。ここで特別図柄の変動表示中でないと判断された場合(S1902:NO)、S1903へ移行する。一方、特別図柄の変動表示中であると判断された場合(S1902:YES)、S1911へ移行する。
S1903では、第1特別図柄判定の保留数U1又は第2特別図柄判定の保留数U2のうちいずれか一方が「0」よりも大きいか否かを判断する。ここでU1>0又はU2>0であると判断された場合(S1903:YES)、S1904へ移行する。一方、U1=U2=0であると判断された場合(S1903:NO)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。
S1904では、保留数U2が0よりも大きいときは、保留数U2から「1」を減じて保留数U2を更新する。一方、保留数U2が「0」であるときは、保留数U1から「1」を減じて保留数U1を更新する。すなわち、第2特別図柄判定に係る保留を優先的に消化する。
S1905では、記憶領域のシフト処理を行う。この処理は、メインRAM301cの記憶領域に対するシフト処理を実行するものである。具体的には、S1904で減算した第1又は第2特別図柄判定の大当たり乱数、大当たり図柄用乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数について、保留記憶領域に最初に格納されたもの(最も古いもの)を判定用記憶領域にシフトさせ、残りのものを判定用記憶領域側にシフトさせる。
S1906では、大当たり判定処理を実行する。この処理は、判定用記憶領域に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行するものである。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たり、小当たり及びハズレのいずれであるかが判定され、その判定結果がメインRAM301cにセットされる。そして、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類を示す大当たり図柄が決定され、小当たりであると判定された場合には小当たりを示す小当たり図柄が決定され、ハズレであると判定された場合にはハズレを示すハズレ図柄が決定される。なお、大当たり判定処理の詳細については後述する。
S1907では、変動パターン選択処理を実行する。具体的には、メインROM301bに予め記憶されている変動パターンテーブルを参照して、S1906における大当たり判定の判定結果、メインRAM301cにセットされた停止図柄データ、現在の遊技状態、特別図柄判定の保留数U1又はU2、判定用記憶領域に記憶されているリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する。このS1907の処理が行われることによって、リーチ有り演出を行うか、或いはリーチ無し演出を行うかも併せて決定される。変動パターン選択処理の詳細については後述する。
S1908では、変動開始コマンドをセットする。この処理は、S1906の処理で設定した停止図柄データ、S1907の処理で設定した変動パターンを示す変動パターンデータ、遊技機1の遊技状態を示す遊技状態データ等を含む変動開始コマンドをメインRAM301cにセットするものである。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、S1308の送信処理によって演出制御基板320に送信される。
これに対して、演出制御基板320は、主制御基板300から受信した変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の結果を特定し、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判定し、特別図柄が変動表示される変動時間を取得し、遊技機1の遊技状態を特定する。そして、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202における特別図柄の変動表示に伴って、液晶表示装置121にどのようなパターンで装飾図柄を変動表示させるか、音声出力装置331からどのような音を出力するか、枠ランプ103をどのような発光パターンで発光させるか等を決定し、決定した内容の演出を画像制御基板330及びランプ制御基板340に実行させる。
S1909では、変動表示を開始する。この処理は、S1908の処理でセットした変動開始コマンドに含まれているデータに基づいて、特別図柄の変動表示を開始するものである。なお、この特別図柄の変動表示は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202を用いて行われる。
S1910では、変動時間の計測を開始する。この処理は、変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始するものである。
次のS1911では、変動時間が経過したか否かを判断する。この処理は、S1910における変動時間の計測開始から、S1907の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判断するものである。ここで、変動時間が経過していないと判断された場合(S1911:NO)、以降の処理を実行せず、特別図柄処理を終了する。一方、変動時間が経過したと判断された場合(S1911:YES)、S1912へ移行する。
S1912では、図柄確定コマンドをセットする。この処理は、第1特別図柄表示器201又は第2特別図柄表示器202に特別図柄判定の判定結果を示す停止図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM301cにセットするものである。図柄確定コマンドは、S1008における送信処理によって演出制御基板320に送信される。これにより、液晶表示装置121に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
S1913では、変動表示を終了する。この処理は、S1909の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了するものである。その際、S1906の処理で設定した停止図柄データ(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器201,202に停止表示させる。具体的には、第1特別図柄表示器201において特別図柄が変動表示されていた場合には第1特別図柄表示器201に大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させ、第2特別図柄表示器202において特別図柄が変動表示されていた場合には第2特別図柄表示器202に大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させる。
S1914では、計測した変動時間をリセットする。この処理は、S1910の処理で計測を開始した変動時間をリセットするものである。
続くS1915では、停止中処理を実行する。この処理は、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む。停止中処理の詳細については後述する。
[大当たり判定処理]
図20は、図19のS1906における大当たり判定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2001では、大当たり判定を行う。ここで、第1始動装置123への入賞に係る大当たり判定を実行する場合、メインROM301bに予め記憶されている第1特別図柄の大当たり判定テーブル(図4(A)参照)を用いる。一方、第2始動装置124への入賞に係る大当たり判定を実行する場合、メインROM301bに予め記憶されている第2特別図柄の大当たり判定テーブル(図4(B)参照)を用いる。なお、本実施形態では、第1特別図柄の大当たり判定テーブルも第2特別図柄の大当たり判定テーブルも共通のものとなっている。
第1特別図柄及び第2特別図柄の大当たり判定テーブルには、大当たりの値が記述されている。そこで、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり判定テーブルに記述されている値と一致するか否かで大当たりを判定する。遊技状態が非確変遊技状態である場合、大当たり乱数が「0」〜「655」のいずれかであれば大当たりと判定される。また、遊技状態が確変遊技状態である場合、大当たり乱数が「0」〜「656」のいずれかであれば大当たりと判定される。
続くS2002では、大当たりであるか否かを判断する。この処理は、S2001の判定結果に基づき、大当たりであるか否かを判断するものである。ここで大当たりであると判断された場合(S2002:YES)、S2003へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(S2002:NO)、S2004へ移行する。
S2003では、大当たり図柄をセットする。この処理は、メインRAM301cに記憶されている大当たりにおける図柄判定テーブル(図5及び図6参照)を用い大当たりの種類を決定するものである。ここでは、判定用記憶領域に記憶されている大当たり図柄用乱数に基づき、第1特別図柄の場合には、図5に示す割り振りで大当たり図柄が決定される。第2特別図柄の場合には、図6に示す割り振りで大当たり図柄が決定される。
S2004では、小当たり判定を行う。ここで、第1始動装置123への入賞に係る小当たり判定を実行する場合も、第2始動装置124への入賞に係る小当たり判定を実行する場合も、メインROM301bに予め記憶されている特別図柄の小当たり判定テーブル(図4(D)参照)を用いる。特別図柄の小当たり判定テーブルには、小当たりの値が記述されている。そこで、判定用記憶領域に記憶されている大当たり乱数が、小当たり判定テーブルに記述されている値と一致するか否かで小当たりを判定する。小当たりについては、遊技状態にかかわらず、大当たり乱数が「657」〜「787」であれば小当たりと判定される。
S2005では、小当たりであるか否かを判断する。この処理は、S2004の判定結果に基づき、小当たりであるか否かを判断するものである。ここで小当たりであると判断された場合(S2005:YES)、S2006へ移行する。一方、小当たりでないと判断された場合(S2005:NO)、S2007へ移行する。
S2006では、小当たり図柄をセットする。この処理は、メインRAM301cに記憶されているハズレ、小当たりにおける図柄決定テーブルを用い、小当たり図柄を決定する。
S2007では、ハズレ図柄をセットする。この処理は、メインRAM301cに記憶されているハズレ、小当たりにおける図柄決定テーブルを用いハズレ図柄を決定する。
[変動パターン選択処理]
図21は、図19のS1907における変動パターン選択処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2101では、時短遊技状態であるか否かを判断する。時短遊技状態であるときは、時短遊技フラグが「ON」となっている。ここで時短遊技状態であると判断された場合(S2101:YES)、S2103へ移行する。一方、時短遊技状態でないと判断された場合(S2101:NO)、S2102にて通常時テーブルをセットし、S2108へ移行する。S2102では、保留数に基づき、特別図柄判定の保留数が「4」であるときは通常時テーブル(保留4)(図9(A)参照)をセットし、特別図柄判定の保留数が「3」であるときは通常時テーブル(保留3)(図9(B)参照)をセットし、特別図柄判定の保留数が「1」又は「2」であるときは通常時テーブル(保留1〜2)(図9(C)参照)をセットする。
S2103では、大当たり遊技終了後の変動回数が「100」以下であるか否かを判断する。ここで100以下である場合(S2103:YES)、S2105へ移行する。一方、100を上回っているときは、S2104にて超チャンスモードテーブル(図12参照)をセットし、S2108へ移行する。超チャンスモードテーブルがセットされることで、超チャンスモードとなる。
S2105では、チャンス15モード中であるか否かを判断する。ここでチャンス15モード中であると判断された場合(S2105:YES)、S2106にてチャンス15モードテーブルをセットし、S2108へ移行する。チャンス15モードテーブルがセットされることで、チャンスモードとなる。S2106では、大当たり遊技終了後の変動回数が1〜14回転のときはチャンス15モードテーブル(図10(A)参照)をセットし、15回転目のときはチャンス15モードテーブル(15回転目)(図10(B)参照)をセットする。一方、チャンス15モード中でないと判断された場合(S2105:NO)、S2107にてチャンスモードテーブルをセットして、S2108へ移行する。チャンスモードテーブルがセットされることで、チャンスモードとなる。S2107では、大当たり遊技終了後の変動回数が1〜99回転であるときはチャンスモードテーブル(図11(A)参照)をセットし、100回転目であるときはチャンスモードテーブル(100回転目)(図11(B)参照)をセットする。
S2108では、変動パターンを選択する。変動パターンの選択はセットされた変動パターンテーブルを参照することで行われる。選択した変動パターンは、メインRAM301cにセットされる。この変動パターンは、S1908にてセットされる変動開始コマンドに含まれ、S1308の送信処理によって演出制御基板320へ送信される。
[停止中処理]
図22は、図19中のS1915における停止中処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2201では、大当たり又は小当たりであるかを判断する。この処理は、図20のS2001及びS2004の判定結果に基づいて、大当たり又は小当たりを判断するものである。ここで大当たり又は小当たりであると判断された場合(S2201:YES)、S2202にて大当たり時の遊技状態をメインRAM301cに格納し、S2203にて大当たり遊技フラグ又は小当たりフラグを「ON」に設定して、その後、S2204へ移行する。S2202では、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であるときは大当たり連荘の回数をインクリメントする。大当たり連荘の回数は、メインRAM301cに記憶されるものであり、時短遊技状態から非時短遊技状態へ移行(以下「時短抜け」という)せず、大当たりが連続している回数である。大当たり連荘の回数は、時短抜けしたときにリセットされて「0」となる。ここで大当たり連荘の回数をインクリメントして管理することで、時短遊技中の演出表示で大当たり連荘の回数の表示が可能となる。また、時短抜けのときのリザルト表示(結果表示)で当該大当たり連荘の回数の表示が可能となる。さらにまた、本実施形態では、大当たり連荘の回数に応じて演出を異ならせている。一方、大当たり及び小当たりのいずれでもないと判断された場合(S2201:NO)、S2208へ移行する。
S2204では、確変遊技フラグ及び時短遊技フラグのうち少なくとも一方が「ON」であるか否かを判断する。確変遊技フラグ及び時短遊技フラグはメインRAM301cに記憶されており、確変遊技状態で遊技が制御されているときは確変遊技フラグが「ON」となっており、時短遊技状態で遊技が制御されているときは時短遊技フラグが「ON」となっている。ここで確変遊技フラグ及び時短遊技フラグのうち少なくとも一方が「ON」であると判断された場合(S2204:YES)、S2205にて時短遊技フラグを「OFF」とし、S2206にて確変遊技フラグを「OFF」として、S2207へ移行する。つまり、大当たり遊技中は、通常遊技状態となる。一方、確変遊技フラグ及び時短遊技フラグがいずれも「OFF」であるときは(S2204:NO)、S2205及びS2206の処理を実行せず、S2207へ移行する。
S2207では、メインRAM301cに、オープニングコマンドをセットする。オープニングとは、大当たり遊技が開始されてから最初に大入賞装置127が開放され始めるまでの期間をいう。オープニングコマンドは、オープニングが開始されることを通知するためのコマンドであり、S1308の送信処理により演出制御基板320に送信される。ここでセットされるオープニングコマンドには、大当たり連荘の回数が含まれる。また、大当たり時の遊技状態は、後述するようにエンディングコマンドとともに送信される。
S2208では、時短遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。ここで時短遊技フラグが「ON」となっていると判断された場合(S2208:YES)、S2209へ移行する。この場合は、時短遊技状態となっているときであり、時短変動回数Wをデクリメントするためである。一方、時短遊技フラグが「ON」でないと判断された場合(S2208:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」である場合には、非時短遊技状態であるため、以降の処理を実行せず、停止中処理を終了する。
S2209では、時短変動回数Wから「1」を減じ、時短変動回数Wを更新する。時短変動回数Wは、メインRAM301cに記憶される。
S2210では、時短変動回数Wが「0」であるか否かを判定する。ここでW=0であると判定された場合(S2210:YES)、S2211にて時短遊技フラグを「OFF」とし大当たり連荘の回数をリセットして「0」にして、その後、停止中処理を終了する。すなわち、時短抜けとなる。一方、W≠0である場合(S2210:NO)、以降の処理を実行せず、停止中処理を終了する。
[普通図柄処理]
図23は、図13のS1304における普通図柄処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2301では、補助遊技フラグが「ON」であるか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている補助遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判定するものである。補助遊技フラグは、開閉部材125が規定時間だけ開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作を規定回数行う補助遊技中であるか否かを示すフラグであり、補助遊技中は「ON」に設定され、補助遊技中でないときは「OFF」に設定される。ここで補助遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S2301:YES)、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。この場合、S1005の開閉部材処理へ移ることになる。一方、補助遊技フラグが「ON」でないと判断された場合(S2301:NO)、すなわち補助遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、S2302へ移行する。
S2302では、普通図柄が変動中であるか否かを判断する。この処理は、普通図柄表示器205における変動表示が行われているか否かを判断するものである。ここで普通図柄が変動中でないと判断された場合(S2302:NO)、S2303へ移行する。一方、普通図柄が変動中であると判断された場合(S2302:YES)、S2314へ移行する。
普通図柄が変動中でない場合に移行するS2303では、普通図柄判定の保留数Tが「1」以上であるか否かを判定する。ここで保留数Tが「1」以上であると判定された場合(S2303:YES)、S2304へ移行する。一方、保留数Tが「1」以上でないと判定された場合(S2303:NO)、すなわち保留数Tが「0」である場合には、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
S2304では、保留数Tを「1」減算した値に更新する。そして、S2305にて、当たり乱数判定処理を行う。この処理は、図14のS1404にてメインRAM301cに記憶された普通図柄乱数の中で最も古い普通図柄乱数が、予めメインROM301bに記憶されている普通図柄判定に係る当選値のいずれかと一致するか否かを判定するものである。
S2306では、当たりであるか否かを判断する。この処理は、S2305の判定結果に基づいて、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断するものである。ここで当たりであると判断された場合(S2306:YES)、S2307にて当たり図柄をメインRAM301cにセットし、その後、S2309へ移行する。一方、当たりでないと判定された場合(S2306:NO)、すなわちハズレである場合には、S2308にてハズレ図柄をメインRAM301cにセットし、その後、S2309へ移行する。
S2309では、非時短遊技状態であるか否かを判断する。この処理は、時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、遊技機1の現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか否かを判定するものである。ここで非時短遊技状態であると判定された場合(S2309:YES)、S2310にて普通図柄変動時間を12秒にセットし、その後、S2312へ移行する。一方、非時短遊技状態でないと判定された場合(S2309:NO)、すなわち時短遊技状態である場合には、普通図柄変動時間を3秒にセットし、その後、S2312へ移行する。普通図柄変動時間は、普通図柄表示器205に普通図柄を変動表示させる時間である。ここでセットされた普通図柄変動時間は、メインRAM301cに一時的に記憶される。
S2312では、普通図柄表示器205による普通図柄の変動を開始する。そして、S2313では、その変動表示開始からの経過時間の計測を開始する。
一方、普通図柄が変動中である場合に移行するS2314では、普通図柄の変動を終了させるか否かを判断する。具体的には、S2313の処理によって計測を開始した経過時間が、S2310又はS2311でセットした普通図柄変動時間に達したか否かに基づいて、普通図柄の変動表示を終了させるか否かを判断する。ここで普通図柄の変動を終了させると判断された場合(S2314:YES)、S2315にて普通図柄表示器205における普通図柄の変動表示を終了させ当たり図柄又はハズレ図柄を停止表示させて、その後、S2316へ移行する。一方、普通図柄の変動を終了させないと判断された場合(S2314:NO)、以降の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
S2316では、経過時間をリセットする。この処理は、S2313の処理で計測を開始した経過時間をリセットするものである。
S2317では、S2306と同様、普通図柄判定の判定結果が当たりであるか否かを判断する。ここで当たりであると判断された場合(S2317:YES)、S2318に補助遊技フラグを「ON」に設定し、その後、普通図柄処理を終了する。一方、当たりでないと判断された場合(S2317:NO)、S2318の処理を実行せず、普通図柄処理を終了する。
[開閉部材処理]
図24は、図13のS1305における開閉部材処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2401では、補助遊技フラグが「ON」になっているか否かを判断する。ここで補助遊技フラグが「ON」になっていると判断された場合(S2401:YES)、S2402へ移行する。一方、補助遊技フラグが「ON」になっていないと判断された場合(S2401:NO)、すなわち補助遊技フラグが「OFF」になっている場合には、以降の処理を実行せず、開閉部材処理を終了する。
S2402では、開閉部材125が動作中であるか否かを判断する。ここで開閉部材125が動作中であると判断された場合(S2402:YES)、S2407へ移行する。一方、開閉部材125が動作中でないと判断された場合(S2402:NO)、S2403へ移行する。
S2403では、非時短遊技状態であるか否かを判断する。ここで非時短遊技状態であると判断された場合(S2403:YES)、S2404にて動作パターンをセットし、その後、S2406へ移行する。S2404では、開閉部材125の動作パターンとして、第2始動装置124を0.1秒間開放する動作を2回行う動作パターンをメインRAM301cにセットする。これにより、合計0.2秒間の開放が実現される。一方、非時短遊技状態でないと判定された場合(S2403:NO)、すなわち時短遊技状態である場合には、S2405にて動作パターンをセットし、その後、S2406へ移行する。S2405では、開閉部材125の動作パターンとして、第2始動装置124を0.5秒間開放する動作を7回行う動作パターンをメインRAM301cにセットする。これにより、合計3.5秒間の開放が実現される。
S2406では、開閉部材125の動作を開始する。この処理は、S2404又はS2405でセットした動作パターンで、開閉部材125の動作を開始させるものである。
S2407では、動作が完了したか否かを判断する。ここで開閉部材125の動作が完了したと判断された場合(S2407:YES)、S2408にて補助遊技フラグを「OFF」に設定し、その後、開閉部材処理を終了する。これにより、補助遊技が終了する。一方、開閉部材125の動作が完了していないと判断された場合(S2407:NO)、S2408の処理を実行せず、開閉部材処理を終了する。
[大入賞装置開放制御処理]
図25は、図13のステップS1306における大入賞装置開放制御処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2501では、遊技フラグが「ON」に設定されているか否かを判断する。この処理は、大当たり遊技フラグが「ON」または小当たり遊技フラグが「ON」となっていることを判断するものである。ここで遊技フラグが「ON」に設定されていると判断された場合(S2501:YES)、S2502へ移行する。一方、遊技フラグが「ON」に設定されていないと判断された場合(S2501:NO)、すなわち大当たり遊技フラグが「OFF」に設定されている場合には、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2502では、オープニング中であるか否かを判断する。図22中のS2206の処理によって大当たり遊技に係るオープニングコマンドをセットしてからの経過時間が所定のオープニング時間に達したか否かに基づいて、大当たり遊技のオープニング中であるか否かを判断するという具合である。ここでオープニング中であると判断された場合(S2502:YES)、S2503へ移行する。一方、オープニング中でないと判断された場合(S2502:NO)、S2511へ移行する。
S2503では、オープニング時間が経過したか否かを判断する。ここでオープニング時間が経過したと判断された場合(S2503:YES)、S2504へ移行する。一方、オープニング時間が経過していないと判断された場合(S2503:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2504では、開放パターン設定処理を実行する。この処理は、大当たり遊技の開放パターンを設定するものである。ここでは、ラウンド遊技の回数、ラウンド遊技における開放時間をはじめ、ラウンド遊技と次のラウンド遊技とのインターバル時間や、最終ラウンド終了後のエンディング時間など、大当たり遊技に関する各種時間も設定される。なお、ここではラウンド数Rを「0」に初期化する処理も行われる。開放パターン設定処理の詳細については後述する。
S2505では、大入賞装置127への遊技球の入賞数Yを「0」としてリセットする。続くS2506では、メインRAM301cに記憶される大当たり中のラウンド数Rを「1」加算した値に更新する。ラウンド数Rは、大当たり開始前は「0」に設定されており、S2506の処理が実行される毎に「1」加算される。
S2507では、大入賞装置127又はチャンス入賞装置141の開放制御を開始する。続くS2508では、S2507の開放制御が開始されてからの経過時間である開放時間の計測を開始する。次のS2509では、ラウンド開始コマンドをセットする。この処理は、ラウンド遊技が開始されたことを通知するラウンド開始コマンドをメインRAM301cにセットするものである。S2509の処理終了後、S2516へ移行する。
オープニング中でないと判定された場合に移行するS2511では、エンディング中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインRAM301cに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、最終ラウンド終了直後のエンディング中であるか否かを判断するものである。ここでエンディング中であると判断された場合(S2511:YES)、S2524へ移行する。一方、エンディング中でないと判断された場合(S2511:NO)、S2512へ移行する。
S2512では、インターバル中であるか否かを判断する。この処理は、例えばメインRAM301cに記憶されている現在の状態が大当たり遊技におけるどの時点であるかを示す情報に基づいて、インターバル中(ラウンド遊技と次のラウンド遊技との間)であるか否かを判断するものである。ここでインターバル中であると判断された場合(S2512:YES)、S2513へ移行する。一方、インターバル中でないと判断した場合(S2512:NO)、S2514へ移行する。
S2513では、インターバル時間が経過したか否かを判断する。この処理は、前回のラウンド終了時に大入賞装置127が閉塞してから、S2504の処理によって設定されたインターバル時間が経過したか否かを判断するものである。ここでインターバル時間が経過したと判断された場合(S2513:YES)、次のラウンドを開始するタイミングになっているため、S2506へ移行する。一方、インターバル時間が経過していないと判断された場合(S2513:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2514では、入賞装置検出スイッチが「ON」になったか否かを判断する。この処理は、入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったか否かを判断するものである。入賞装置検出スイッチ306は、大入賞装置127への遊技球の入球を検出するスイッチである。ここで入賞装置検出スイッチ306が「ON」になったと判断された場合(S2514:YES)、S2515にて入球判定処理を実行し、その後、S2516へ移行する。入球判定処理は、入賞数Yをインクリメントする処理である。一方、入賞装置検出スイッチ306が「ON」になっていないと判断された場合(S2514:NO)、S2515の処理を実行せず、S2516へ移行する。
S2516では、開放動作終了か否かを判断する。この処理は、大入賞装置127の当該ラウンド遊技における動作が終了したか否かを判断するものである。ここで、開放動作が終了したと判断された場合(S2516:YES)、S2517の処理を実行せず、S2518へ移行する。一方、開放動作が終了していないと判断された場合(S2516:NO)、S2517へ移行する。
S2517では、入賞数Yが入賞上限数Ymaxとなったか否かを判断する。この処理は、メインRAM301cに記憶されている今回のラウンドにおける遊技球の入賞数Yが、予めメインROM301bに記憶されている大入賞装置127の閉塞タイミングを規定する入賞上限数Ymax(例えば「9」)と一致するか否かを判断するものである。ここでY=Ymaxであると判断された場合(S2517:YES)、S2518へ移行する。一方、Y≠Ymaxであると判断された場合(S2517:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2518では、開放制御を終了する。これにより、大入賞装置127が閉塞される。
S2519では、ラウンド数Rがラウンド上限数Rmaxとなったか否かを判断する。ここでR=Rmaxであると判断された場合(S2519:YES)、S2521へ移行する。一方、R≠Rmaxであると判断された場合(S2519:NO)、S2520にてインターバル時間の計測を開始し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。S2520の処理は、次のラウンドの開始タイミングを制御するために、大入賞装置127が閉塞されてからの経過時間であるインターバル時間の計測を開始するものである。このインターバル時間は、S2513の処理に使用される。
S2521では、エンディング時間の計測を開始する。そして、S2522では、ラウンド数Rを「0」としてリセットする。さらに、S2523では、エンディングコマンドをメインRAM301cにセットする。このエンディングコマンドは、大入賞装置127の最後の開放が終了したことを通知するコマンドであり、ステップS1008の送信処理によって演出制御基板320に送信される。なお、本実施形態では、エンディングコマンドに「大当たり図柄」および「大当たり時の遊技状態」を特定可能な情報が含まれる。
S2524では、エンディング時間が経過したか否かを判断する。この処理は、S2521の処理によって計測を開始したエンディング時間が、S2504の処理によって設定された設定エンディング時間に達したか否かを判断するものである。ここでエンディング時間が経過したと判断された場合(S2524:YES)、S2525へ移行する。一方、エンディング時間が経過していないと判断された場合(S2524:NO)、以降の処理を実行せず、大入賞装置開放制御処理を終了する。
S2525では、遊技状態設定処理を実行する。遊技状態設定処理は、大当たり遊技終了後の遊技機1の遊技状態を設定するものである。遊技状態設定処理の詳細については後述する。
S2526では遊技フラグを「OFF」し、その後、大入賞装置開放制御処理を終了する。大当たり遊技フラグを「OFF」にすることで、大当たり遊技が終了することになる。小当たり遊技フラグを「OFF」にすることで、小当たり遊技が終了することになる。
[開放パターン設定処理]
図26は、図25のS2504における開放パターン設定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2601では、大当たり図柄を取得する。この処理は、大当たりとなったときに決定される大当たり図柄を取得するものである。
S2602では、開放パターン選択処理を実行する。これにより、開放パターンが選択される。開放パターン選択処理の詳細については後述する。
[開放パターン選択処理]
図27は、図26中のS2602で実行される開放パターン選択処理の詳細を示す説明図である。
S2701では、15R大当たりであるか否かを判断する。ここでは実質6Rの15R大当たりは除かれるものとする。ここで15R大当たりであると判断された場合(S2701:YES)、S2702にて開放パターン1(図7(A)参照)を選択し、その後、開放パターン選択処理を終了する。一方、15R大当たりでないと判断された場合(S2701:NO)、S2703へ移行する。
S2703では、6R大当たりであるか否かを判断する。ここでは実質0Rの6R大当たりは除かれるものとする。ここで6R大当たりであると判断された場合(S2703:YES)、S2704にて開放パターン2(図7(B)参照)を選択し、その後、開放パターン選択処理を終了する。一方、6R大当たりでないと判断された場合(S2703:NO)、S2705へ移行する。
S2705では、実質6R大当たりであるか否かを判断する。ここで実質6R大当たりであると判断された場合(S2705:YES)、S2706にて開放パターン3(図7(C)参照)を選択し、その後、開放パターン選択処理を終了する。一方、実質6R大当たりでないと判断された場合(S2705:NO)、S2707へ移行する。
S2707では、実質0R大当たりであるか否かを判断する。ここで実質0R大当たりであると判断された場合(S2707:YES)、S2708にて開放パターン4(図7(D)参照)を選択し、その後、開放パターン選択処理を終了する。一方、実質0R大当たりでないと判断された場合(S2707:NO)、S2709へ移行する。
S2709では、小当たりであるか否かを判断する。ここで小当たりであると判断された場合(S2709:YES)、S2710にて開放パターン4(図7(D)参照)を選択し、その後、開放パターン選択処理を終了する。一方、小当たりでないと判断された場合(S2709:NO)、S2710の処理を実行せず、開放パターン選択処理を終了する。
[遊技状態設定処理]
図28は、図25のS2525における遊技状態設定処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS2801では、大当たり図柄を取得する。大当たり図柄は、大当たり判定処理にてS2003でセットされたものである。
S2802では、大当たり図柄が特定図柄A,C,Dのいずれかであるか否かを判断する。ここで特定図柄A,C,Dのいずれかであると判断された場合(S2802:YES)、S2803にて第1設定処理を実行し、その後、遊技状態設定処理を終了する。第1設定処理については後述する。一方、特定図柄A,C,Dのいずれでもないと判断された場合(S2802:NO)、S2804へ移行する。
S2804では、大当たり図柄が特定図柄B,Eのいずれかであるか否かを判断する。ここで特定図柄B,Eのいずれかであると判断された場合(S2804:YES)、S2805にて第2設定処理を実行し、その後、遊技状態設定処理を終了する。第2設定処理については後述する。一方、特定図柄B,Eのいずれでもないと判断された場合(S2804:NO)、S2806へ移行する。
S2806では、大当たり図柄が通常図柄A,B,C,Eのいずれかであるか否かを判断する。ここで通常図柄A,B,C,Eのいずれかであると判断された場合(S2806:YES)、S2807にて第3設定処理を実行し、その後、遊技状態設定処理を終了する。第3設定処理については後述する。一方、通常図柄A,B,C,Eのいずれでもないと判断された場合(S2806:NO)、S2808へ移行する。
S2808では、大当たり図柄が通常図柄Dであるか否かを判断する。ここで通常図柄Dであると判断された場合(S2808:YES)、S2809にて第4設定処理を実行し、その後、遊技状態設定処理を終了する。第4設定処理については後述する。一方、通常図柄Dでないと判断された場合(S2808:NO)、S2810へ移行する。
S2810では、大当たり図柄が通常図柄Fであるか否かを判断する。ここで通常図柄Fであると判断された場合(S2810:YES)、S2811にて第5設定処理を実行し、その後、遊技状態設定処理を終了する。第5設定処理については後述する。一方、通常図柄Fでないと判断された場合(S2810:NO)、S2811の処理を実行せず、遊技状態設定処理を終了する。
[第1設定処理]
図29は、図28中のS2803で実行される第1設定処理の詳細を示すフローチャートである。
S2901では、確変遊技フラグを「ON」にする。S2902では、時短遊技フラグを「ON」にする。S2903では、時短変動回数Wを「8000」とする。これにより、次回の遊技状態が「高確時短遊技状態」となり、時短変動回数が8000回となる。なお、確変遊技状態(高確遊技状態)が継続する確変変動回数は常に「8000」として設定される(以下の設定処理でも同様)。
[第2設定処理]
図30は、図28中のS2805で実行される第2設定処理の詳細を示すフローチャートである。
S3001では、確変遊技フラグを「ON」にする。続くS3002では、時短遊技フラグを「ON」にする。
S3003では、大当たり時遊技状態を取得する。大当たり時遊技状態は、図22中のS2202にて格納されている。
S3004では、時短遊技状態であったか否かを判断する。この処理は、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であったか否かを判断するものである。ここで時短遊技状態であったと判断された場合(S3004:YES)、S3005にて時短変動回数Wを「8000」とし、その後、第2設定処理を終了する。一方、時短遊技状態でなかったと判断された場合(S3004:NO)、すなわち非時短遊技状態であったときには、S3006にて時短変動回数を「100」とし、その後、第2設定処理を終了する。
これにより、次回の遊技状態が「高確時短遊技状態」となり、時短変動回数が8000回または100回となる。
[第3設定処理]
図31は、図28中のS2807で実行される第3設定処理の詳細を示すフローチャートである。
S3101では、確変遊技フラグを「OFF」にする。S3102では、時短遊技フラグを「ON」にする。S3103では、時短変動回数Wを「100」とする。これにより、次回の遊技状態が「低確時短遊技状態」となり、時短変動回数が100回となる。
[第4設定処理]
図32は、図28中のS2809で実行される第4設定処理の詳細を示すフローチャートである。
S3201では、確変遊技フラグを「OFF」にする。続くS3202では、時短遊技フラグを「ON」にする。
S3203では、大当たり時遊技状態を取得する。大当たり時遊技状態は、図22中のS2202にて格納されている。
S3204では、時短遊技状態であったか否かを判断する。この処理は、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であったか否かを判断するものである。ここで時短遊技状態であったと判断された場合(S3204:YES)、S3205にて時短変動回数Wを「100」とし、その後、第4設定処理を終了する。一方、時短遊技状態でなかったと判断された場合(S3204:NO)、すなわち非時短遊技状態であったときには、S3206にて時短変動回数を「15」とし、その後、第4設定処理を終了する。
これにより、次回の遊技状態が「低確時短遊技状態」となり、時短変動回数が100回または15回となる。
[第5設定処理]
図33は、図28中のS2811で実行される第5設定処理の詳細を示すフローチャートである。
S3301では、確変遊技フラグを「OFF」にする。続くS3302では、時短遊技フラグを「ON」にする。
S3303では、大当たり時遊技状態を取得する。大当たり時遊技状態は、図22中のS2202にて格納されている。
S3304では、時短遊技状態であったか否かを判断する。この処理は、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であったか否かを判断するものである。ここで時短遊技状態であったと判断された場合(S3304:YES)、S3305にて時短変動回数Wを「100」とし、その後、第5設定処理を終了する。一方、時短遊技状態でなかったと判断された場合(S3304:NO)、すなわち非時短遊技状態であったときには、S3306にて時短変動回数を「0」とし、S3307にて時短遊技フラグを「OFF」にして、その後、第5設定処理を終了する。
これにより、次回の遊技状態が「低確時短遊技状態」となり、時短変動回数が100回となる。あるいは、次回の遊技状態が「通常遊技状態」となる。
[演出制御基板320のタイマ割込処理]
図34を用いて、演出制御基板320のタイマ割込み処理の内容について説明する。図34は、演出制御基板320のサブCPU320aによって行われるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本処理は、演出制御基板320に設けられた図示しないリセット用クロックパルス発生回路によって、演出制御基板320の電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、所定の周期(例えば2ms)毎に繰り返し実行される。また、図34のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板320で行われる処理は、サブROM320bに記憶されているプログラムに基づいて実行される。さらにまた、本発明に関係しない処理については適宜省略して示す。
電源投入を契機にして、サブCPU320aは起動プログラムを実行し、これによって、メモリ(例えば、サブRAM320c)等の各ユニットの初期化等を行う。初期化が行われた後、サブROM320bに記憶されたプログラムがサブRAM320cに読み込まれ、サブCPU320aによって当該プログラムが実行される。
最初のS3401では、演出用乱数を更新する。この処理は、演出に用いる各種乱数を更新するものである。具体的には、各種乱数に「1」を加算して更新し、所定の値まで到達すると「0」にリセットする。本実施形態では、保留変化に関する「保変乱数」、演出指定コマンドを選択するための「演出乱数」、ゾーン演出の実行を決定するための「ゾーン乱数」が含まれる。保留変化とは、大当たりへの期待度を示す信頼度に基づき、特別図柄判定の保留を示す保留表示を変化させるものである。保留変化を以下単に「保変」ともいう。保変を行うために保変シナリオを選択するのであるが、ここで利用されるのが「保変乱数」である。また、主制御基板300からの変動パターンに基づいて演出制御基板320のサブCPU320aが演出指定コマンドを選択するのであるが、ここで利用されるのが「演出乱数」である。特別図柄判定の保留に対する事前判定結果に基づきゾーン演出が行われるのであるが、このゾーン演出の開始の抽選(以下「ゾーン突入抽選」という)に利用されるのが「ゾーン乱数」である。
S3402では、保留処理を実行する。この処理は、主制御基板300から保留コマンドが送信されたときに実行される。保留処理の詳細については後述する。
S3403では、変動処理を実行する。この処理は、主制御基板300から変動開始コマンドが送信されたときに実行される。この変動処理の中で演出決定処理を実行する。変動処理の詳細については後述する。
S3404では、大当たり処理を実行する。大当たり処理には、オープニングにおける処理であるオープニング処理、ラウンド遊技中の処理であるラウンド処理、エンディングにおける処理であるエンディング処理が含まれる。これらの処理のうちエンディング処理については後述する。
S3405では、送信処理を行う。この処理は、S3404までの処理でセットされたコマンドを画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信するものである。
[保留処理]
図35は、図34のS3402で実行される保留処理の詳細を示すフローチャートである。
最初のS3501では、保変乱数及びゾーン乱数を取得する。保変乱数は「0」〜「99」までのいずれかの値をとるものであり、取得した保変乱数は、サブRAM320cに格納する。ゾーン乱数も「0」〜「99」のいずれかの値をとるものであり、取得したゾーン乱数は、サブRAM320cに格納する。
S3502では、変動パターンを取得する。保留コマンドには、仮決定された変動パターン(S1706)が含まれる。取得した変動パターンは、事前判定情報としてサブRAM320cに記憶される。
S3503では、事前判定情報を取得する。この処理は、サブRAM320cに記憶されている事前判定情報を取得するものである。
事前判定情報は、図36(A)に示すごとく第1特別図柄に対応する第1領域、第2領域、第3領域、第4領域、第2特別図柄判定に係る第1領域、第2領域、第3領域、第4領域の合計8つの領域に記憶される変動パターンの情報である。例えば第1特別図柄判定の3つ目の保留である第3保留の情報は、第1特別図柄に対応する第3領域に、仮決定された変動パターンの情報として記憶されるという具合である。
第1特別図柄の変動が開始されると保留のシフトが行われるが、このとき第1領域の情報が消去されて、第2領域の情報が第1領域へ、第3領域の情報が第2領域へ、第4領域の情報が第3領域へ移動される。第2特別図柄についても同様である。図36(A)では、第1特別図柄判定の保留が3つある様子が示されており、第1領域に変動パターンT2が記憶され、第2領域に変動パターンT4が記憶され、第3領域に変動パターンT4Aが記憶されている。図37などから分かるように、変動パターンT2は「リーチ演出ハズレ」に対応する変動パターンであり、変動パターンT4は「SPリーチ2演出ハズレ」に対応する変動パターンであり、変動パターンT4Aは「SPリーチ2演出当たり」の変動パターンである。
S3504では、S3503で取得した事前判定情報に基づき、詳しくはS3502で取得した変動パターンに基づく事前判定情報よりも以前に記憶された事前判定情報に基づき、大当たり又はリーチ演出を行う変動パターンがあるか否かを判断する。ここで大当たり又はリーチ演出を行う変動パターンがあると判断された場合(S3504:YES)、S3509へ移行する。一方、大当たり及びリーチ演出を行う変動パターンがないと判断された場合(S3504:NO)、S3505へ移行する。
S3505では、ゾーン演出中であるか否かを判断する。
ここでゾーン演出について説明を加える。
ゾーン演出とは、背景などを専用のものに切り替え、大当たりを期待させる演出である。背景の他、BGMを専用のものにしたり、演出図柄を専用のものにしたりすることが例示される。ゾーン演出は、事前判定に基づく演出である。本実施形態では、保留コマンドとともに送信される変動パターンに基づいてゾーン突入抽選を行い、ゾーン演出の開始が決定されると、次変動からゾーン演出を開始する。また、該当する保留の変動が終了すると、ゾーン演出を終了する。したがって、最大4変動に跨がる演出となっている。
なお、ゾーン演出の開始が決定されたときに、必ずしも次変動からゾーン演出を開始する構成でなくてもよい。例えば、本実施形態では、S3504で事前判定情報に基づきリーチ演出があるときにはゾーン突入抽選を行わないようにしていた。これに対し、ゾーン突入抽選を先に行い、事前判定情報に基づきリーチ演出があるときには、当該リーチ演出の変動が終了した後にゾーン演出を開始する構成としてもよい。この場合、後述する保変テーブルと同様に、ゾーンに係るシナリオを選択するようにすることが例示される。上述したようなリーチ演出があるときは、当該リーチ演出の変動終了後にゾーン演出を開始するシナリオを選択するようにすればよい。
S3505でゾーン演出中であると判断された場合(S3505:YES)、S3507へ移行する。一方、ゾーン演出中でないと判断された場合(S3505:NO)、S3506へ移行する。
S3506では、ゾーン突入抽選を行う。この処理は、S3502で取得した変動パターンとゾーン乱数に基づいてゾーン突入抽選を行うものである。なお、本実施形態では、非時短遊技状態においてゾーン突入抽選を行う。時短遊技状態では、変動回数によって変動パターンテーブルが変わるため、事前判定に基づくゾーン突入抽選を行わない。
図37は、ゾーン突入抽選におけるゾーン突入確率と保留変化を行うか否かの保変抽選の有無を変動パターン毎に示したものである。保留変化は、保留表示が「緑」、「赤」、「虹」に変わるものとなっている。このとき、「緑」よりも「赤」が信頼度が高く、「虹」の場合は大当たり確定(いわゆる鉄板)となっている。図37に示すように、ゾーン突入抽選及び保変抽選がともに行われるのは、非時短遊技状態の場合であり、保変抽選のみが行われるのは、時短遊技状態の場合である。いずれも「リーチあり」の場合及び「大当たり」の場合に抽選が行われる。
S3507では、大当たりか否か、ゾーン演出を実行するか否かで保変テーブルを選択する。
ここで保変テーブルについて説明する。図38及び図39は、第4保留時の保変テーブルである。また、図40及び図41は、第3保留時の保変テーブルである。大当たりか否か、ゾーン演出有りか否かで、それぞれ4種類のテーブルに分かれている。
例えば第3保留時に仮決定された変動パターンが変動パターンT5である場合、ハズレであるため、ゾーン演出有りならば図41(A)のテーブルが選択される。ゾーン演出無しならば図41(B)のテーブルが選択される。
S3508では、保変に関するシナリオを選択する。
ここで保変シナリオについて説明する。例えば図38(A)は、第4保留時の保変テーブルであり、事前判定の結果が大当たりで、ゾーン演出有りの場合である。保変乱数によって、シナリオ401〜417のいずれかが選択される。「第4」は、第4保留時(入球時)を示し、同様に「第3」は第3保留時、「第2」は第2保留時、「第1」は第1保留時、「当該」は当該変動時を示す。保変シナリオは、第4保留時(入球時)において、どのタイミング(どの変動)で保留表示を何色に変化させるかを示している。例えばシナリオ401は、保留変化させないときのシナリオであり、20%の割合で選択される。また例えばシナリオ410は、第4保留時(入球時)に「緑」に変化し、保留が消化されるごとに、第3保留時が「緑」、第2保留時が「緑」、第1保留時が「緑」、当該変動時に「赤」となるものであり、5%の割合で選択される。図中の「変化割合」は、当該変動時に何色になるかを割合で示したものであり、変化しない場合が「20%」、緑に変化する場合が「25%」、赤に変化する場合が「49%」、虹に変化する場合が「1%」となっている。
これに対し、同じ大当たりでもゾーン演出無しの場合を示すのが、図38(B)である。この場合、変化しない場合が「40%」、緑に変化する場合が「30%」、赤に変化する場合が「29%」、虹に変化する場合が「1%」となっている。つまり、ゾーン演出無しの場合は、保留変化しにくくなっている。
同様に第4保留時の事前判定でハズレの場合に、ゾーン演出有りの場合とゾーン演出無しの場合を示すのが、図39(A)及び(B)である。
また、第3保留時の事前判定で大当たりの場合に、ゾーン演出有りの場合とゾーン演出無しの場合を示すのが、図40(A)及び(B)である。
さらにまた、第3保留時の事前判定でハズレの場合に、ゾーン演出有りの場合とゾーン演出無しの場合を示すのが、図41(A)及び(B)である。
なお、第2保留時及び第1保留時の保変テーブルは図示しないが、同様に作成可能である。具体的には、保留変化させない場合の割合を、大当たりであるか否か、ゾーン演出の有無で同じになるようにすればよい。
S3506のゾーン突入抽選の結果、及び、S3508で選択された保変シナリオは、事前判定情報に紐付けて記憶する。図36(B)に示すごとくである。
S3509では、保留表示指定コマンドをセットする。保留表示指定コマンドは、S3405の送信処理によって、画像制御基板330へ送信される。これにより、液晶表示装置121の下部に保変を含む保留表示が行われる。
[変動処理]
図42は、図34のS3403の変動処理の詳細を示すフローチャートである。
S4201では、事前判定情報のシフトを行う。この処理は、図36に示した事前判定情報をシフトするものである。上述したように、第1領域の情報を消去し、第2領域を第1領域へ、第3領域を第2領へ、第4領域を第3領域へシフトする。
S4202では、演出決定処理を行う。この処理は、当該変動においてどのような演出を行うかを決定するものである。演出決定処理の詳細については後述する。
S4203では、演出ボタン処理を行う。この処理は、演出ボタン105及び演出キー106からの入力を、演出ボタン検出スイッチ321及び演出キー検出スイッチ322からの信号で判断し、それに応じた演出を行うものである。
[演出決定処理]
図43は、図42のS4202で実行される演出決定処理の詳細を示すフローチャートである。
S4301では、変動パターンを取得する。この処理は、図21のS2108で選択されて送信された変動パターンを取得するものである。
S4302では、ゾーン抽選結果を取得する。この処理は、事前判定情報に紐付けて記憶されたゾーン抽選結果を取得するものである。
S4303では、保変シナリオを取得する。この処理は、事前判定情報に紐付けて記憶された保変シナリオを取得するものである。
S4304では、大当たり連荘の回数を取得する。大当たり連荘の回数は、S2202にて格納されてオープニングコマンドとともに送信される。演出制御基板320では、サブCPU320aがオープニングコマンドを受信した際、大当たり連荘の回数をサブRAM320cに格納する。この処理は、サブRAM320cに格納された大当たり連荘の回数を取得するものである。
S4305では、保留連情報を取得する。保留連とは、大当たり遊技終了後の保留内に次の大当たりが含まれる場合をいう。後述するように、保留連情報は、エンディング処理においてサブRAM320cに格納されるようになっている。
S4306では、演出乱数を取得する。演出乱数とは、演出指定コマンドを選択する際に用いる乱数であり、「0」〜「99」のいずれかの値をとるものである。取得した演出乱数は、サブRAM320cに格納されるようになっている。
S4307では、演出パターンテーブルを決定する。この処理は、ゾーン抽選結果、大当たり連荘の回数、保留連情報、及び、変動パターンに基づいて、演出パターンテーブルを決定するものである。
[演出パターンテーブル]
ここで、演出パターンテーブルについて説明する。
図44(A)は通常モードの演出パターンテーブルを例示し、図44(B)は通常モードでゾーン演出有りの場合の演出パターンテーブルを例示している。ゾーン演出有りの場合、専用の背景、又は、専用のBGM、演出図柄などになるため、演出パターンテーブルが異なっている。例えば、変動パターンT1が主制御基板300から送信された場合、ゾーン演出無しのときは、演出指定コマンド1が選択される。一方、同一の変動パターンT1が主制御基板300から送信された場合、ゾーン演出有りのときは、演出指定コマンドZ1が選択される。これにより、ゾーン演出が実現される。ゾーン演出の有無は、変動パターンT1が主制御基板300から送信される当該変動以前の情報として取得される事前判定情報に基づき(S3503)、ゾーン突入抽選が行われ(S3506)、ゾーン突入抽選に当選した場合はゾーン演出有りとなり、ゾーン突入抽選に落選した場合はゾーン無しとなる。
なお、上述したように、通常モードではゾーン演出の他に背景チェンジなどを行う。したがって、各種背景ごとに演出パターンテーブルが変わってくる。ここでは説明が煩雑になることを避けるため、各種背景毎の演出パターンテーブルについては省略する。
図45(A)は、チャンス15モードにおける変動パターンに対応する演出パターンテーブルである。図45(B)は、チャンスモードにおける変動パターンに対応する演出パターンテーブルである。図45(C)は、超チャンスモードにおける変動パターンに対応する変動パターンテーブルである。
ただし、チャンスモード及び超チャンスモードでセットされる演出パターンテーブルは、大当たり連荘の回数によって異なってくる。図46(A)は、大当たり連荘10回目におけるチャンスモードでセットされる演出パターンテーブルである。図46(B)は、大当たり連荘10回目において超チャンスモードでセットされる演出パターンテーブルである。大当たり連荘の回数は上述したようにS4304で取得され、この大当たり連荘の回数が「10」であれば、S4307で、図46(A)及び(B)に示す演出パターンテーブルがセットされる。大当たり連荘10回目におけるチャンスモード及び超チャンスモードは、バトル演出において固定的に敵キャラクタEが選択されるモードである。
また、保留連となった場合も、チャンスモードでセットされる演出パターンテーブルが異なってくる。図47(A)は、保留連のときに、チャンスモードでセットされる演出パターンテーブルである。
図43の説明に戻り、S4308では、演出指定コマンドを選択する。演出パターンテーブルにおいて、変動パターンに対し一つの演出指定コマンドが対応している場合は、対応する演出指定コマンドが選択される。変動パターンに対し、複数(本実施形態では「2」)の演出指定コマンドが対応している場合は、S4306で取得した演出乱数を用いた振り分けを行う。
S4309では、演出指定コマンドをセットする。この処理は、S4308で選択した演出指定コマンドをサブRAM320cにセットするものである。S3405の処理により、演出指定コマンドは、画像制御基板330及びランプ制御基板340へ出力される。
S4310では、保変シナリオに基づく保留表示指定コマンドをセットする。この処理は、サブRAM320cに保留表示指定コマンドをセットするものである。S3405の処理により、保留表示指定コマンドは、画像制御基板330及びランプ制御基板340へ出力される。保留表示指定コマンドは、当該変動においてどの保留を変化させるかを示すコマンドである。
(プレミア演出)
本実施形態では、大当たりの変動パターンに対応して2つの演出指定コマンドが対応付けられている。例えば、通常モードにおける演出パターンテーブル(図44(A)参照)を見ると、変動パターンT2Aに対し、演出指定コマンド6及び演出指定コマンド6P(プレミア)が対応している。この場合、演出乱数に基づき、99%の確率で演出指定コマンド6が選択され、1%の確率で演出指定コマンド6Pが選択される。
演出パターン6Pが選択された場合は、演出内容に加え、プレミア演出が実行される。プレミア演出とは、低確率で選択されるレアな演出であり、当該演出が行われることで大当たりが確定する演出である。具体的には、狸をデフォルメしたキャラクタ等の特定のキャラクタが登場する演出であったり、遊技機1のテーマに沿ったお宝的な画像の表示演出であったりすることが例示される。
同様に、図44(B)、図45(A)〜(C)、図46(A)及び(B)、図47においても、大当たりの変動パターンに対応して、「プレミア演出」が選択されるようになっている。ただし、時短遊技状態ではバトル演出が基本となるため、バトル演出に加えてプレミア画像などが表示される演出となる。
ここで特に、通常モードに対応する演出パターンテーブル(図44参照)では大当たりに対してプレミア演出が選択される割合が「1%」であるのに対し、チャンス15モードに対応する演出パターンテーブル(図45(A)参照)では、大当たりに対しプレミア演出が選択される割合が「2%」となっている。同様に、チャンス15モードに対応する演出パターンテーブル(図45(A)参照)では大当たりに対しプレミア演出が選択される割合が「2%」であるのに対し、チャンスモードに対応する演出パターンテーブル(図45(B),図46(A)参照)では、プレミア演出が選択される割合が「3%」になっている。また、チャンスモードに対応する演出パターンテーブル(図45(B),図46(A)参照)では大当たりに対しプレミア演出が選択される割合が「3%」であるのに対し、超チャンスモードに対応する演出パターンテーブル(図45(C),図46(B)参照)では、プレミア演出が選択される割合が「7%」になっている。
すなわち、プレミア演出が選択される割合は、通常モード→チャンス15モード→チャンスモード→超チャンスモードの順に大きくなっている。
(大当たり連荘10回目の演出)
上述したように、大当たり連荘10回目では、チャンスモードにおいて、図45(B)の演出パターンテーブルに代え、図46(A)に示した演出パターンテーブルが選択される。また、大当たり連荘10回目では、超チャンスモードにおいて、図45(C)の演出パターンテーブルに代えて、図46(B)に示した演出パターンテーブルが選択される。
図46(A)に示した演出パターンテーブルでは、変動パターンL3〜L7のいずれに対しても、演出指定コマンド37が選択される。また、変動パターンL3A〜L7Aのいずれに対しても、演出指定コマンド42又は演出指定コマンド42P(プレミア)が選択される。図46(B)に示した演出パターンテーブルでは、変動パターンM2A〜M6Aのいずれに対しても、演出指定コマンド56又は演出指定コマンド56P(プレミア)が選択される。これにより、チャンスモード及び超チャンスモードのバトル演出において固定的に敵キャラクタEが登場する。敵キャラクタEは、図45(B)及び(C)の演出パターンテーブルが選択されたときには、最も大当たりへの信頼度が低いキャラクタとなっている。つまり、大当たり連荘10回目には、最も大当たりへの信頼度が低い敵キャラクタEが固定的に選択されるのである。これにより、通常(大当たり連荘10回目以外)は信頼度が最も低い敵キャラクタEが登場することで味方キャラクタの敗北の演出ばかり見ている遊技者にとって、敵キャラクタEに対し味方キャラクタが勝利する演出が見られる可能性が高くなり、遊技者に喜びを与えることができる。
(保留連の演出)
保留連のときは、チャンスモードにおいて、演出パターンテーブル(図45(B)参照)に代え、図47に示した演出パターンテーブルが選択される。図47に示した演出パターンテーブルは、図45(B)の演出パターンテーブルと異なり、変動パターンL2に対応する「リーチ煽り失敗(ハズレ)」、変動パターンL3〜L7に対応する「リーチ煽り成功→バトル負け」の演出がすべて「バラハズレ」となっている。
また、変動パターンL3A〜L7Aに対し、「超チャンスモード」の演出指定コマンド52,52P,53、53P,54,54P,55,55Pが対応している。
すなわち、リーチ煽りが発生したときには必ずバトル演出で勝利する「超チャンスモード」と同様の演出となる。図47の演出パターンテーブルは、チャンスモードで選択されるのであるが、見かけ上「超チャンスモード」であるかのごとく演出を行うものである。これを「疑似超チャンスモード」ということにする。また、疑似超チャンスモードでは、演出指定コマンド52P〜55Pのプレミア演出が選択される割合が7%となっており、超チャンスモードと同様の割合となっている。
[エンディング処理]
図48は、図34中のS3404で実行される大当たり処理に含まれるエンディング処理の詳細を示すフローチャートである。このエンディング処理は、主制御基板300からのエンディングコマンドに基づいて実行される。
S4801では、エンディングコマンドを解析する。大当たり図柄及び大当たり時の遊技状態が含まれる。この処理は、エンディングコマンドに含まれる情報を解析するものである。
S4802では、大当たり図柄、及び、大当たり時の遊技状態に基づいて、移行先のモードを設定する。
S4803では、保留に大当たりかあるか否かを判断する。この判断は、事前判定情報(図36参照)に基づいて行われる。ここで保留に大当たりがあると判断された場合(S3803:YES)、S4804にて保留連情報をサブRAM320cに格納し、S4805へ移行する。一方、保留に大当たりがないと判断された場合(S4803:NO)、S4804の処理を実行せず、S4805へ移行する。
S4805では、エンディング演出指定コマンドをセットする。これにより、エンディング演出が実行される。エンディング演出は、大当たり遊技の終了を報知するとともに移行先のモードを報知するものとすることが例示される。
[モード移行]
図48中のS4802で大当たり終了後の移行先のモードを設定することは既に述べた。これについて説明する。
図49は、第1特別図柄の大当たり図柄と大当たり時の遊技状態とで決定されるモード移行を示す説明図である。図50は、第2特別図柄の大当たり図柄と大当たり時の遊技状態とで決定されるモード移行を示す説明図である。
超チャンスモードは、時短8000回が設定されたときに移行するモードであり、実質的に、次回の大当たりまで継続されることとなる。この超チャンスモードへの移行は、必ずチャンスモードから行われる。つまり、大当たり遊技終了後に超チャンスモードへ直接移行することはない。チャンスモード及びチャンス15モードは、それぞれ時短100回転、時短15回転であるため、その間に大当たりとならないときは、時短抜けとなって、通常モードへ移行する。まとめるとモード移行は、次の4種類のうちのいずれかとなる。
(1)チャンス15モード
(2)チャンス15モード→チャンスモード
(3)チャンスモード
(4)チャンスモード→超チャンスモード
なお、大当たり遊技終了後に、そのまま通常モードへ移行する場合もある。第1特別図柄における通常図柄Fの大当たりで非時短遊技状態のときがそれである(図49参照)。
また、チャンス15モードを経由するチャンスモードは、16〜100回転の85回転となる。一方、チャンス15モードを経由しないチャンスモードは、1〜99回転の100回転となる。
[第1特別図柄]
図49に基づき、大当たり後のモード移行について順に説明する。
(1)特定図柄Aで大当たりとなった場合
このときは、大当たり時の遊技状態にかかわらず、チャンスモード→超チャンスモードの順にモード移行を行う。
(2)特定図柄Bで大当たりとなった場合
このときは、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態であれば、チャンス15モード→チャンスモードの順に移行する。このとき、チャンスモードの滞在回数は85回となる。一方、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であれば、チャンスモード→超チャンスモードの順にモード移行する。
(3)特定図柄Cで大当たりとなった場合
このときは、チャンスモード→超チャンスモードの順にモード移行する。特定図柄Cは、実質0R大当たりであり、いわゆる突確である。特定図柄Cは、超チャンスモード確定の大当たりであるが、チャンスモード中(時短中)に特定図柄Cで大当たりとなった場合、チャンスモードを最初から行うこととなる。このときはチャンスモードが継続する旨の継続演出が行われる。
(4)特定図柄D,Eおよび通常図柄Aで大当たりとなった場合
特定図柄Dで大当たりとなった場合、超チャンスモード確定となり、チャンスモード→超チャンスモードの順にモード移行する。特定図柄Eで大当たりとなった場合、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態であればチャンスモードへ移行する。このときは100回のチャンスモード終了後、通常モードへ移行する。特定図柄Eで大当たりとなった場合、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であればチャンスモード→超チャンスモードの順に移行する。通常図柄Aで大当たりとなった場合、チャンスモードへ移行する。このときは100回のチャンスモード終了後、通常モードへ移行する。
(5)通常図柄C,Dで大当たりとなった場合
通常図柄Cで大当たりとなった場合、チャンスモードへ移行する。このときは、100回のチャンスモード終了後、通常モードへ移行する。
通常図柄Dで大当たりとなった場合、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態であればチャンス15モードへ移行する。このときは、15回のチャンス15モード終了後、通常モードへ移行する。大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であれば、チャンス15モード→チャンスモードの順にモード移行する。チャンスモードの滞在回数は85回となり、85回のチャンスモードの終了後、通常モードへ移行する。
(6)通常図柄E,Fで大当たりとなった場合
通常図柄Eで大当たりとなった場合、チャンスモードへ移行する。このときは、100回のチャンスモード終了後、通常モードへ移行する。
通常図柄Fで大当たりとなった場合、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態であれば、時短遊技状態とならず、通常モードへ移行する。大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であれば、チャンスモードへ移行する。このときは100回のチャンスモード終了後、通常モードへ移行する。
[第2特別図柄]
図50に基づき、大当たり後のモード移行について順に説明する。
(1)特定図柄A,Dで大当たりとなった場合、大当たり時の遊技状態によらず、チャンスモード→超チャンスモードの順に移行する。
(2)特定図柄Bで大当たりとなった場合、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態であればチャンス15モード→チャンスモードの順に移行する。このとき、チャンスモードの滞在回数は85回転となって、85回のチャンスモードの終了後、通常モードへ移行する。
(3)特定図柄Eで大当たりとなった場合、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態であればチャンスモードへ移行する。100回のチャンスモードの終了後、通常モードへ移行する。一方、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であれば、チャンスモード→超チャンスモードの順に移行する。
(4)通常図柄A,B,Cで大当たりとなった場合、大当たり時の遊技状態によらず、チャンスモードへ移行する。このときは、100回のチャンスモード終了後、通常モードへ移行する。
本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄において特定図柄Bで大当たりとなった場合、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態であればチャンス15モード→チャンスモードの順に移行する。一方、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であればチャンスモードへ直接移行し、その後、超チャンスモードへ移行する。つまり、特定図柄Bの大当たりでは、大当たり時の遊技状態によって、モード移行先が異なってくる。
また、特定図柄Bで大当たりとなった場合、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態であればチャンス15モードを経由してチャンスモードへ移行する。一方、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態であれば、チャンス15モードを経由せず、チャンスモード→超チャンスモードの順に移行する。したがって、非時短遊技状態のときはチャンスモードの滞在回数が85回となり、時短遊技状態のときはチャンスモードの滞在回数が100回となる。
保留に大当たりがあるときは(S4803:YES)、保留連情報を格納する(S4804)。これにより、チャンスモードにおいて図47に示した演出パターンテーブルが選択される(S4307)。結果として、疑似超チャンスモードの演出が行われる。疑似チャンスモードでは、背景なども超チャンスモードと同じにし、リーチ煽りの失敗がなくリーチ煽り成功となれば必ずバトルに勝利する演出をすることで、超チャンスモードへ移行したものと遊技者を錯覚させることができる。つまり、主制御基板300側ではチャンスモードの変動パターンを送信するのであるが、見かけ上は、超チャンスモードに突入したかに見えるようになっている。疑似超チャンスモードにおけるプレミア演出の選択確率は、本来の超チャンスモードと同様になっている。
なお、背景などを超チャンスモードと同じにし、演出に関しては、チャンスモードの演出を行うように構成してもよい。すなわち、主制御基板300側ではチャンスモードの変動パターンを送信するため、疑似超チャンスモードにおいて、変動パターンL2に対応してリーチ煽り失敗(ハズレ)の演出を行ったり、変動パターンL3〜L7に対応してリーチ煽り成功→バトル負けの演出を行ったりするように構成してもよい。
[モード演出の具体的な表示例]
図51は、チャンス15モードの演出を示している。
図51(A)に示すように、チャンス15モードでは、画面上部に「チャンス15モード」との表示がなされ、「5/15」との表示がなされている。これは「チャンス15モード」に滞在していることを示すとともに、15回の変動における5回転目であることを示している。ここでは左図柄が「5」となっており、右図柄及び中図柄が変動中となっている。画面右下部には、第2特別図柄の保留が示されている。この保留表示と同様に、画面中央下部に当該変動が示されている。
チャンス15モードでは各変動で、図51(A)に示すように、味方キャラクタが起き上がろうとする演出が行われる。このとき、図51(B)に示すように味方キャラクタが最終的に倒れると「ハズレ」となる。この例では、「5,1,3」のハズレ目で演出図柄が停止している。一方、図51(C)に示すように味方キャラクタが最終的に起き上がると「大当たり」となる。この例では、「5,5,5」の図柄揃いの態様で演出図柄が停止している。
図52は、チャンスモード及び超チャンスモードの演出を示している。
図52(A)に示すように、チャンスモードでは、画面上部に「チャンスモード」との表示がなされる。そしてその右側に、「23/100(残り77)」との表示がなされている。これは、チャンスモードに滞在していることを示すとともに、100回の変動における23回転目であり、残りの滞在回数が77回ということを示すものである。
ただし、図51に示したチャンス15モードを経由する場合、図52(B)に示すように、画面上部に「チャンスモード」との表示がなされ、その右側に「23/85(残り62)」との表示がなされる。つまり、チャンスモードの滞在回数は100回なのであるが、チャンス15モードを経由することで、15回の変動回数分が減らされて、チャンスモードの滞在回数が85(100−15)回となるのである。これは、チャンスモードに滞在していることを示すとともに、85回の変動における23回転目であり、残りの滞在回数が62回ということを示すものである。すなわち、チャンスモードの滞在回数が異なることが認識可能な表示が行われる。
上述のように、チャンス15モードを経由しないときはチャンスモードの滞在回数は100回であるため、チャンスモードの開始時は、「1/100(残り99回)」の表示がなされる。そして、変動が繰り返される毎に、「2/100(残り98回)」→「3/100(残り97回)」→「4/100(残り96回)」→・・・という具合に、分数表示の分子がインクリメントされ、残り回数がデクリメントされることになる。一方、チャンス15モードを経由するときはチャンスモードの滞在回数は85回であるため、チャンスモードの開始時は、「1/85(残り84回)」の表示がなされる。そして、変動が繰り返される毎に、「2/85(残り83回)」→「3/85(残り82回)」→「4/85(残り81回)」→・・・という具合に、分数表示の分子がインクリメントされ、残り回数がデクリメントされることになる。
図52(C)に示すように、超チャンスモードでは、画面上部に「超チャンスモード」との表示がなされる。そしてその右側に、次回の大当たりまで継続することを示す無限大のマークが表示される。つまり、時短回数は8000回と有限に設定されるが、確率的には時短を抜けるまでの間に大当たりになるという意味で、実質的に次回の大当たりまで継続することを示す無限大のマークを表示する。
チャンスモード及び超チャンスモードでは、リーチ煽り演出が行われ、リーチ煽り成功となるとバトル演出が行われる。このリーチ煽り演出及びバトル演出について具体的に説明する。
[リーチ煽り演出]
図53(A)は、リーチ煽り演出を示す説明図である。リーチ煽り演出とは、リーチになるか否かを煽る演出である。図53(A)に示すように、左図柄に「4」が停止した後、右図柄が「4」となるか「3」となるかを煽るという具合である。ここで「4」になればリーチ煽り成功となり、バトル演出が開始される。一方、「3」になればリーチ煽り失敗となり、ハズレとなる。図45(B)に示したように、リーチ煽り成功となるときは、チャンスモードにおいて、変動パターンL3〜L7,L3A〜L7Aが送信されたときである。一方、リーチ煽り失敗となるのは、変動パターンL2が送信されたときである。
なお、超チャンスモードでは、「リーチ煽り失敗」の変動パターンが選択されないため、変動パターンM2A〜M6Aが送信されたとき、すべてリーチ煽り成功となる(図45(C)参照)。
[バトル演出]
図53(B)及び(C)はバトル演出の敵キャラクタ選択演出を示す説明図である。なお、敵キャラクタ選択演出は、チャンスモード及び超チャンスモードで同様であるため、チャンスモードを例に挙げて説明する。
図53(B)に示すように、敵キャラクタA〜Eが登場し、例えばルーレットなどによって敵キャラクタA〜Eのうちの一人が選択される。その後、図53(C)に示すように、バトル演出が開始される。ここでは敵キャラクタCが選択されているが、このときは、主制御基板300にて、変動パターンL5,変動パターンL5Aが選択されている(超チャンスモードでは、変動パターンM4A)。演出制御基板320では、サブCPU320aが、変動パターンL5,L5Aに応じた演出指定コマンド35,40,40Pを選択することで(超チャンスモードでは、変動パターンM4Aに応じた演出指定コマンド54,54Pを選択することで)、敵キャラクタCとのバトル演出が行われる。
そして、演出指定コマンド35が選択された場合は、図54(A)に示すように、味方キャラクタが敗北した演出となり、中図柄が異なる態様(図中では「4,5,4,」)で演出図柄が停止する。一方、演出指定コマンド40,40P(超チャンスモードでは演出指定コマンド54,54P)が選択された場合は、図54(B)に示すように、味方キャラクタが勝利した演出となり、例えば図柄が揃う態様(図中では「4,4,4」)で演出図柄が停止する。
敵キャラクタA〜Eは、大当たりの信頼度が予め決められた数値となるように、その出現率(選択率)が割り振られている。したがって、敵キャラクタA〜Eのいずれが選択されるかで遊技者の大当たりへの期待を大きくしたり小さくしたりすることができる。このとき、敵キャラクタEが選択されると、大当たりへの期待は小さくなる。
この点、大当たり連荘10回目では、選択される演出パターンテーブルが異なる(図46参照)。このときは、変動パターンL3〜L7に対し演出指定コマンド37が選択される。また、変動パターンL3A〜L7Aに対し演出指定コマンド42,42Pが選択される。超チャンスモードにおいては、変動パターンM2A〜M6Aに対し演出指定コマンド56,56Pが選択される。これにより、大当たり連荘10回目のバトル演出では固定的に敵キャラクタEが選択されることとなる(図54(C)参照)。
したがって、遊技者は、とうとう大当たり連荘が終わってしまうかもしれないという不安に駆られる可能性が高い。ところが、この場合、敵キャラクタEは大当たりの信頼度に応じて選択されたものではないため、当たりとなったときには、信頼度を信じて不安に駆られた遊技者を驚かせることができる。また、通常(大当たり連荘10回目以外)は信頼度が最も低い敵キャラクタEが登場することで味方キャラクタの敗北の演出ばかり見ている遊技者にとって、敵キャラクタEに対し味方キャラクタが勝利する演出が見られる可能性が高くなり、遊技者に喜びを与えることができる。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、演出決定処理において、演出パターンテーブルを選択し(図43中のS4307)、演出指定コマンドを選択してセットしていた(S4308,S4309)。このとき、プレミア演出が行われる演出指定コマンドが用意されており、当該演出指定コマンドに振り分けられるとプレミア演出が実現されるようになっていた(図45など参照)。
これに対し、本第2実施形態は、演出指定コマンドとは別に、予告指定コマンド、カットイン指定コマンド、及び、プレミア指定コマンドを用いる構成となっている。
予告指定コマンドは、予告演出を実現するためのコマンドである。予告演出とは、変動開始の際に、キャラクタを登場させるなどして、当該変動を盛り上げる演出をいう。もちろん、変動開始に際する役物の可動や、盤ランプ、枠ランプの点灯などであってもよい。
カットイン指定コマンドは、カットインを実現するためのコマンドである。カットインとは、リーチ演出などにおいて、画像などを短時間表示するなどして、当該変動を盛り上げる演出をいう。
通常は、信頼度が高いほど、予告演出が派手であったり、カットインする画像が大きかったりするため、遊技者に対し大当たりを期待させることができる。
プレミア指定コマンドは、上述したプレミア演出を実現するためのコマンドである。
ここでは、チャンスモードのときを例に挙げて、チャンスモードで選択されるテーブルについて説明する。他のモードでも同様である。
チャンスモードでは、図45(B)に示した演出パターンテーブルが選択されることは既に述べたが、この演出パターンテーブルに代え、図55に示す演出パターンテーブルを採用する。
そして、図55の演出パターンテーブルとは別に、図56に示すような予告パターンテーブル(図56(A)参照)、カットインパターンテーブル(図56(B)参照)、プレミア演出パターンテーブル(図56(C)参照)を用意する。
[予告パターンテーブル]
予告指定コマンドとして、予告指定コマンド11〜13が用意されている。予告指定コマンド11は、予告を行わないものである。予告指定コマンド12は、チビキャラが登場するものである。例えばアクションヒーローの場合、当該ヒーローをデフォルメした小さなキャラクタを登場させるという具合である。予告指定コマンド13は、デカキャラが登場するものである。例えばアクションヒーローの場合、当該ヒーローが登場するという具合である。いずれも変動直後にキャラクタが登場するものとする。
変動パターンL1〜L6(ハズレの変動パターン)に対しては、予告指定コマンド11〜13のいずれかが選択される。予告指定コマンド11が選択される割合は26/30となっており、予告指定コマンド12が選択される割合は3/30となっており、予告指定コマンド13が選択される割合は1/30となっている。
また、変動パターンL3A〜L6A(大当たりの変動パターン)に対しても、予告指定コマンド11〜13のいずれかが選択される。予告指定コマンド11が選択される割合は18/30となっており、予告指定コマンド12が選択される割合は5/30となっており、予告指定コマンド13が選択される割合は7/30となっている。
さらにまた、変動パターンO1,O2(ハズレ→モード突入演出)に対しては、予告指定コマンド11,12のいずれかが選択される。予告指定コマンド11が選択される割合は27/30となっており、予告指定コマンド12が選択される割合は3/30となっている。
このような予告指定コマンド11〜13の割り振りにより、大当たりの変動パターンの場合は予告演出が発生し易く、しかもデカキャラが登場し易くなっているため、デカキャラの登場により、遊技者に大当たりを期待させることができる。
[カットインパターンテーブル]
カットイン指定コマンドとして、カットイン指定コマンド11〜13が用意されている。カットイン指定コマンド11は、カットインを行わないものである。カットイン指定コマンド12は、液晶表示装置121の表示領域の中央に、小さな画像を表示するものである。カットイン指定コマンド13は、液晶表示装置121の表示領域いっぱいに、大きな画像を表示するものである。
変動パターンL1〜L6(ハズレの変動パターン)に対しては、カットイン指定コマンド11〜13のいずれかが選択される。カットイン指定コマンド11が選択される割合は23/30となっており、カットイン指定コマンド12が選択される割合は6/30となっており、カットイン指定コマンド13が選択される割合は1/30となっている。
また、変動パターンL3A〜L6A(大当たりの変動パターン)に対しても、カットイン指定コマンド11〜13のいずれかが選択される。カットイン指定コマンド11が選択される割合は13/30となっており、カットイン指定コマンド12が選択される割合は7/30となっており、カットイン指定コマンド13が選択される割合は10/30となっている。
さらにまた、変動パターンO1,O2(ハズレ→モード突入演出)に対しては、カットイン指定コマンド11,12のいずれかが選択される。カットイン指定コマンド11が選択される割合は24/30となっており、カットイン指定コマンド12が選択される割合は6/30となっている。
このようなカットイン指定コマンド11〜13の割り振りにより、大当たりの変動パターンの場合はカットインが発生し易く、しかも大画像のカットインが生じやすくなっているため、大画像のカットインにより、遊技者に大当たりを期待させることができる。
[プレミア演出パターンテーブル]
プレミア指定コマンドとして、プレミア指定コマンド11〜14が用意されている。プレミア指定コマンド11は、プレミア演出を行わないものである。プレミア指定コマンド12は、狸をデフォルメしたキャラクタ画像が表示されるものである。プレミア指定コマンド13は、丸い女の子をデフォルメしたキャラクタ画像が表示されるものである。丸い女の子は、「がんばれ、がんばれ」とメッセージを送ることが例示される。プレミア指定コマンド14は、ヒョウ柄の忍者をデフォルメしたキャラクタ画像が表示されるものである。
プレミア演出が発生した場合は必ず大当たりとなる。つまり、大当たりの変動パターンL3A〜L6Aに対し、プレミア指定コマンド11〜14のいずれかが選択される。プレミア指定コマンド11が選択される割合は25/30となっており、プレミア指定コマンド12が選択される割合は2/30となっており、プレミア指定コマンド13が選択される割合は2/30となっており、プレミア指定コマンド14が選択される割合は、1/30となっている。プレミア演出は、出現すれば大当たりが確定するため、遊技者を驚かせることができる。
図57は、各モードのプレミア演出パターンテーブルを例示している。
ここで選択されるプレミア指定コマンドは、チャンスモードと同様、プレミア指定コマンド11〜14であるが、選択割合が異なっている。
図57(A)に示すプレミア演出パターンテーブル(通常モード)では、プレミア指定コマンド11が28/30で選択され、プレミア指定コマンド12が1/30で選択され、プレミア指定コマンド13が1/30で選択され、プレミア指定コマンド14が0/30で選択される。つまり、通常モードでは、プレミア指定コマンド14が選択されることはない。したがって、何らかのプレミア演出が行われる割合は2/30となる。
図57(B)に示すプレミア演出パターンテーブル(チャンス15モード)では、プレミア指定コマンド11が27/30で選択され、プレミア指定コマンド12が1/30で選択され、プレミア指定コマンド13が1/30で選択され、プレミア指定コマンド14が1/30で選択される。したがって、何らかのプレミア演出が行われる割合は3/30となる。
図57(C)に示すプレミア演出パターンテーブル(超チャンスモード)では、プレミア指定コマンド11が21/30で選択され、プレミア指定コマンド12が3/30で選択され、プレミア指定コマンド13が3/30で選択され、プレミア指定コマンド14が3/30で選択される。したがって、何らかのプレミア演出が行われる割合は9/30となる。
図57(d)に示すプレミア演出パターンテーブル(保留連、疑似超チャンスモード)では、プレミア指定コマンド11が21/30で選択され、プレミア指定コマンド12が3/30で選択され、プレミア指定コマンド13が3/30で選択され、プレミア指定コマンド14が3/30で選択される。したがって、何らかのプレミア演出が行われる割合は9/30となる。
つまり、超チャンスモードが最もプレミア演出が出現し易く、チャンスモード、チャンス15モード、通常モードの順となっている。なお、疑似超チャンスモード(内部的にはチャンスモード)におけるプレミア演出の選択確率は、本来の超チャンスモードと同様になっている。
なお、プレミア演出が発生した場合は大当たり確定となるため、当然ながら、ハズレの場合にはプレミア演出が発生しない。そこで、ハズレの場合もプレミア抽選を行うときには、ハズレ時のプレミア演出パターンテーブルを用意し、30/30でプレミア指定コマンド11が選択され、他のプレミア指定コマンド12〜14が選択されないようにすることが例示される。また、そもそもハズレの場合にはプレミア演出パターンテーブルを選択しない(つまり、プレミア抽選を行わない)ように構成してもよい。
上記実施形態では、図43中のS4307で、演出パターンテーブルを決定していたが、本実施形態では、このS4307で、演出パターンテーブル、予告パターンテーブル、カットインパターンテーブル、及び、プレミア演出パターンテーブルを決定する。そして、演出乱数などの乱数を用い、S4308で予告指定コマンド、カットイン指定コマンド、プレミア指定コマンドを選択し、S4309で演出指定コマンド、予告指定コマンド、カットイン指定コマンド、プレミア指定コマンドをセットする。
演出制御基板320は、図34中のS3405にて、セットされたコマンド群を画像制御基板330及びランプ制御基板340へ送信する。これにより、セットされたコマンド群に合わせた予告演出、カットイン演出、プレミア演出を伴う演出が実現される。
このように予告指定コマンド、カットイン指定コマンド、プレミア指定コマンドを、演出指定コマンドと別に設けることで、複数の変動パターンに対して同様の演出を挿入することができ、演出の幅を容易に広げることができる。
[遊技機1が発揮する効果]
従来、大当たり遊技の終了後、大当たりの種別に応じた遊技状態で遊技が制御されるものがあり、当該遊技状態に合わせたモード演出が行われるものがある。しかしながら、遊技の興趣向上に十分なモード演出であるとは言えなかった。
本実施形態では、大当たりとなった場合(図22中のS2201:YES)、大当たり時の遊技状態をメインRAM301cに格納する。そして、大当たりのエンディングコマンドに、「大当たり図柄」および「大当たり時の遊技状態」を特定可能な情報を含めて演出制御基板320へ送信する(図25中のS2523,図13中のS1308)。演出制御基板320では、サブCPU320aが大当たり処理を実行する(図34中のS3404)。この大当たり処理におけるエンディング処理では、エンディングコマンドを解析し(図48中のS4801)、大当たり図柄、および、大当たり時の遊技状態に基づき、移行先のモードを設定する(S4802)。
ここで特に、特定図柄Bで大当たりとなったときは、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態である場合は「チャンス15モード」を経由して「チャンスモード」へ移行し、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態である場合は「チャンス15モード」を経由せず「チャンスモード」に直接移行する。このように同一の大当たり図柄であっても大当たり時の遊技状態によってモードの移行先が異なるものとなっている。
すなわち、始動条件の成立により遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記特別遊技が実行された後、当該特別遊技の種別に応じて第1遊技状態または前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技を制御する遊技制御手段と、前記遊技制御手段にて制御される遊技の遊技状態に応じた、複数の変動に跨がる演出であるモード演出を、所定の演出手段を介して行う演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記特別遊技の種別が特定の種別である場合、前記判定手段にて前記特別遊技を行うと判定されたときの前記遊技状態が第1遊技状態であるときは前記特別遊技の実行後に第1モード演出を行う一方、前記特別遊技の種別が特定の種別である場合、前記判定手段にて前記特別遊技を行うと判定されたときの前記遊技状態が第2遊技状態であるときは前記特別遊技の実行後に前記第1モード演出とは異なる第2モード演出を行う。
これにより、同一の大当たりであってもモード演出が異なってくるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、特定図柄Bで大当たりとなったときは、大当たり時の遊技状態が非時短遊技状態である場合は「チャンス15モード」を経由して「チャンスモード」に移行し、大当たり時の遊技状態が時短遊技状態である場合は「チャンス15モード」を経由せず「チャンスモード」に直接移行する。このため、非時短遊技状態である場合は「チャンスモード」の滞在回数が85回となり、時短遊技状態である場合は「チャンスモード」の滞在回数が100回となる。
すなわち、始動条件の成立により遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記特別遊技が実行された後、当該特別遊技の種別に応じて第1遊技状態または前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技を制御する遊技制御手段と、前記遊技制御手段にて制御される遊技の遊技状態に応じた、複数の変動に跨がる演出であるモード演出を、所定の演出手段を介して行う演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記判定手段にて前記特別遊技を行うと判定されたときの前記遊技状態が前記第1遊技状態であった場合に、前記特別遊技実行手段にて前記特別遊技が実行された後の特定のモード演出の継続回数を第1回数とする一方、前記判定手段にて前記特別遊技を行うと判定されたときの前記遊技状態が前記第2遊技状態であった場合に、前記特別遊技実行手段にて前記特別遊技が実行された後の特定のモード演出の継続回数を第1回数とは異なる第2回数とする。
これにより、同一の大当たりであっても特定のモード演出の継続回数が異なってくるため、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで特に、「チャンス15モード」を経由しない「チャンスモード」では「23/100(残り77)」などの表示が行われ(図52(A)参照)、一方、「チャンス15モード」を経由する「チャンスモード」では「23/85(残り62)」などの表示が行われる(図52(B)参照)。
すなわち、前記演出制御手段は、前記モード演出の継続回数が前記第1回数となっているか前記第2回数となっているかを特定可能な回数情報を報知する。
これにより、特定のモード演出の継続回数を遊技者が認識可能となるため、上述した効果が際立つ。
さらにまた、本実施形態では、チャンスモード中に、第1特別図柄の特定図柄Cで大当たりとなった場合、実質0Rの出玉なしの大当たりであり時短8000回となるが、大当たり遊技後は、再びチャンスモードへ移行する(図49参照)。
すなわち、始動条件の成立に伴い有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、第1特別遊技、第2特別遊技を含む複数の特別遊技のうちいずれの特別遊技を行うかを判定する特別遊技判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて図柄を変動表示させる変動表示制御手段と、前記図柄の変動表示に伴いモード演出を実行する演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記第1特別遊技が実行された後には、前記図柄の変動表示回数が所定回数となるまで第1モード演出を実行し、所定回数経過後には通常モード演出を実行し、前記第2特別遊技が実行された後には、前記図柄の変動表示回数が所定回数となるまで第1モード演出を実行し、所定回数経過後には第2モード演出を実行し、前記第2特別遊技の実行後に前記第1モード演出を実行している際に、第2特別遊技を実行すると、その後、所定回数まで前記第1モード演出を再度実行する。
これにより、チャンスモードが最初から行われるため、超チャンスモードへ移行させることに比べて、遊技者をハラハラさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態では、保留連となっているときは(図48中のS4803:YES)、保留連情報を格納する(S4804)。この保留連情報に基づき、演出パターンテーブルを変更する。具体的には、図45(B)に示した演出パターンテーブルに代え、図47に示した演出パターンテーブルを用いる。これにより、見かけ上の超チャンスモードである「疑似超チャンスモード」の演出を行う。
すなわち、始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段と、前記判定情報に基づき、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づき、図柄を変動させて停止させる図柄変動手段と、前記特別遊技が実行された後、当該特別遊技の種別に応じて第1遊技状態または前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技を制御する遊技制御手段と、前記遊技制御手段にて制御される遊技の遊技状態に応じ、複数の変動に跨がる演出であるモード演出を、所定の演出手段を介して行う演出制御手段と、前記取得手段により取得された判定情報を所定上限数まで記憶する記憶手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、前記図柄変動手段による図柄の変動に先立ち、前記特別遊技を行うか否かを事前に判定する事前判定手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記特別遊技の終了後に前記第2遊技状態で遊技を制御する場合、第1モード演出を行い、その後、所定条件の成立により前記第1モード演出とは異なる第2モード演出を行う一方、前記特別遊技の終了後に前記第2遊技状態で遊技を制御するにあたり、前記特別遊技を行うと判定されたときの遊技状態が第2遊技状態であった場合に、前記特別遊技の終了までに記憶されている前記判定情報に前記事前判定手段にて前記特別遊技を行うと判定された前記判定情報があるときは、当該特別遊技の終了後に、前記第1モード演出を行わずに前記第2モード演出を行う。
これにより、保留連であるときは、そうでないときと比べて移行先のモードが違っているかのように見え、遊技者に期待間を抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、従来、リーチ演出として、複数の演出を用意しておき、大当たりへの期待度を示す信頼度を演出毎に割り振っておき、複数の演出の中から一つの演出が選ばれることで当該割り振られた信頼度によって遊技者に期待感を抱かせるものがあった。
ところが、選ばれた演出の信頼度が低いときはがっかりしてしまうことも少なくない。
この点、本実施形態では、チャンスモードでは変動パターンL3〜L7及び変動パターンL3A〜L7Aの割り振りによって、超チャンスモードでは変動パターンM2A〜M6Aの割り振りによって、大当たりへの期待度合いを示す「信頼度」は、敵キャラクタE→D→C→B→Aの順に大きくなっており、敵キャラクタAが最も大きく敵キャラクタEが最も小さくなっている(図11,12参照)。
このとき、大当たり連荘10回目では、図45(B),(C)に示した演出パターンテーブルに代えて図46(A),(B)に示した演出パターンテーブルを選択することで、固定的に敵キャラクタEが選択されるようにした。
すなわち、始動条件の成立により遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記特別遊技が実行された後、当該特別遊技の種別に応じて第1遊技状態または前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態のいずれかの遊技状態で遊技を制御する遊技制御手段と、前記遊技制御手段にて制御される遊技の遊技状態に応じ、前記特別遊技の実行を期待させる演出を、所定の演出手段を介して行う演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記遊技状態が第2遊技状態であるときに、前記演出として少なくとも特定特殊演出を含む複数の特殊演出うち一の特殊演出を選択する特殊演出選択手段を有し、前記特殊演出選択手段は、予め定められた条件が成立しているときは、前記複数の特殊演出うち、前記特定特殊演出を固定的に選択する。
これにより、信頼度の最も低い敵キャラクタEが登場しても、大当たり連荘10回目では勝利する確率が高くなるため、信頼度の低いもので大当たりとなるシチュエーションを作り出すことができ、遊技者に驚きを与えることができる。また、敗北の演出となることが多い信頼度の最も低い敵キャラクタEに味方キャラクタが勝利する演出を見ることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、従来、事前判定を行い、事前判定結果に基づき、保留を変化させる遊技機がある。しかしながら、保留の変化が予め定められた確率に基づいて行われるため、遊技の興趣向上に十分なものとは言えなかった。
この点、本実施形態では、ゾーン演出を行う構成を採用し、事前判定結果に基づくゾーン突入抽選に当選したときは、ゾーン演出有りのときの保変テーブルを選択する(図38(A),図39(A),図40(A),図41(A)参照)。一方、ゾーン突入抽選に当選しなかったときは、ゾーン演出無しのときの保変テーブルを選択する(図38(B),図39(B),図40(B),図41(B)参照)。
具体的には、保留処理にて保変テーブルが選択され(図35中のS3507)、保変シナリオが選択される(S3508)。ここで選択される保変シナリオに基づいて保留表示指定コマンドがセットされる(図43中のS4310)。
これにより、保留の変化割合は、該当保留が大当たりのときでゾーン有りの場合は80%となっており、ゾーン無しの場合は60%となっている(図38,図40参照)。該当保留がハズレのときでゾーン有りの場合は50%となっており、該当保留がハズレのときでゾーン無しの場合は30%となっている(図39,図41参照)。
すなわち、始動条件の成立により判定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果に基づき、図柄を変動させて停止させる図柄変動手段と、前記取得手段により取得された判定情報を所定上限数まで記憶する記憶手段と、前記取得手段により取得された判定情報に基づいて、前記図柄変動手段による図柄の変動に先立って、前記特別遊技を行うか否かを事前に判定する事前判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づき、所定の演出手段を介して所定の演出を行う演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記記憶手段に記憶された判定情報に対応して、所定の演出手段に保留として表示する保留表示手段と、前記事前判定手段による事前判定に基づき、第1の割合で前記保留表示手段にて表示された保留を通常表示態様とは異なる特定表示態様に変化させる保留変化手段と、前記事前判定手段による事前判定に基づき、一変動又は複数変動に跨がって実行され得る特定演出を、所定の演出手段を介して行う特定演出手段と、を有し、前記保留変化手段は、前記特定演出手段による前記特定演出が行われているときは、前記第1の割合とは異なる第2の割合で前記特定表示態様に変化させる。
また、前記保留変化手段は、前記特定演出手段による前記特定演出の実行が決定されたときに、前記保留の表示態様を特定態様に変化させるか否かを判定する保留変化テーブルを変更する。
これにより、通常時と比較してゾーン演出中は保留変化しやすくなるため、保留変化の演出が単調にならず、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、本発明は、上述した実施形態になんら限定されるものではなく、その技術範囲を逸脱しない限り、種々なる形態で実施可能である。
[その他の実施形態]
(イ)上記実施形態では、大当たり時の遊技状態をエンディングコマンドに含めて演出制御基板320へ通知していたが、大当たり終了後の変動開始前までに通知すればよいため、特にエンディングコマンドには限定されない。
例えば、オープニングコマンドに含めて大当たり時の遊技状態を通知してもよいし、あるいは、専用のコマンドで大当たり時の遊技状態を通知してもよい。
(ロ)上記実施形態では、チャンスモード中に画面に「23/100(残り77)」という具合に滞在何回転目であるか、継続回数がいくつか、残りの滞在回数がいくつか、を表示していた。
これに対し、チャンスモードの継続回数を特定可能な回数情報であればよいため、少なくともチャンスモードの突入時に「チャンスモード100回」などの表示を行えばよい。また、残りの滞在回数だけを表示しても最初に「残り100回」や「残り85」の表示がなされるため、残りの滞在回数だけを表示してもよい。
(ハ)上記実施形態では、チャンスモード中や超チャンスモードのモードで行われるリーチ演出としてバトル演出を例に挙げ、複数の敵キャラクタの中から敵キャラクタが選択されるバトル演出としていた。
これに対し、特殊演出は、信頼度の異なる複数のパターンのうちから一つが選択されるものとすればよいため、例えば「ストーリー1」、「ストーリー2」というようなストーリー系のリーチ演出としてもよい。
また、リーチ演出の中で一つのパターンを固定的に選択する条件として大当たり遊技の連荘回数としていたが、別の条件を設定することも可能である。