JP6198445B2 - 表面保護フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、光学製品、建材、自動車部品、電子部品、電子機器、半導体ウエハ等に使用される表面保護フィルムに関する。詳しくは、着特性に優れ、被着体等への汚染が少なく、高い透明性により貼付後の視認性に優れ、かつ優れた帯電防止性を有する表面保護フィルムに関する。
表面保護フィルムは、光学用途用や建材用の樹脂製品、金属製品、ガラス製品、半導体ウエハ等の被着体に貼付して使用し、これらの輸送、保管や加工時の傷付き、破損、または異物混入を防ぐ、あるいは表面保護フィルムを貼付したまま、次工程における支持体等の役割を果たしている。これらの表面保護フィルムは、一般には粘着性の無い表面層と、前記被着体と粘着させるための粘着層とからなる。表面層は通常、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ塩化ビニルなどのビニル重合体から形成される。
これら用いられるプラスチック材料は、電気絶縁性が高く、摩擦や剥離の際に静電気が発生する。このような表面保護フィルムを、例えば、光学部材の表面保護フィルムとして用いると、輸送中や加工中の摩擦、表面保護フィルムの剥離時に静電気が発生してしまう。このようにして生じた静電気により、埃やゴミなどの異物の付着や、静電気が原因の電気的障害や欠陥が発生するおそれがあり、表面保護フィルムに対し、帯電防止性が求められている。また、近年、多機能携帯電話、所謂スマートフォンに代表される携帯情報端末の普及が進み、用いられる部材の高機能化、高性能化、ユニット化に伴い、例えば、品質検査において高い視認性が求められ、表面保護フィルムに対し、高い透明性求められている。
表面保護フィルムに対し、帯電防止性を付与する方法として、特開平9−165460号公報には、粘着剤に帯電防止剤として低分子の界面活性剤を添加し、粘着剤中から界面活性剤を被着体に転写させて帯電防止を行う方法が開示されている。しかし、このような方法においては、添加した低分子の界面活性剤が粘着剤表面にブリードアウトし易く、被着体を汚染してしまうおそれがあり、また、表面保護フィルム自体もブリードアウト過多により、白化現象が発生するおそれがある。
また、特開2007−9135号公報には、帯電防止剤として導電性フィラーを用いる方法が開示されているが、このような導電性フィラーの添加は、透明性が悪化するため、好ましくない。
一方、近年、帯電防止剤として、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックからなるブロックポリマーである高分子型帯電防止剤が提案されている。高分子型帯電防止剤を含んだフィルムに、粘着剤をコーティングする方法や、粘着層も含め共押出成形により、表面保護フィルム化する方法などが開示されている。粘着剤をコーティングする方法は、フィルム化と粘着剤コートの二工程必要であることから製造コストが高くなってしまう。
特開2010−59218号公報には、高分子型帯電防止剤を含む基材層と中間層とスチレン系共重合体の粘着剤層とを三層共押出する表面保護フィルムが開示されているが、十分な透明性が得られない可能性がある。
特開平9−165460号公報 特開2007−9135号公報 特開2010−59218号公報
本発明は、光学製品、建材、自動車部品、電子部品、電子機器、半導体ウエハ等の保管、輸送、加工、検査時に保護するための表面保護フィルムとして要求される特性、特には、高い透明性により貼付後の視認性に優れ、かつ優れた帯電防止性を有し、粘着特性や汚染性に優れる表面保護フィルムを提供することにある。
本発明者らは上記課題を鑑み、鋭意検討した結果、ある特定の樹脂組成物からなる表面層及び粘着層を有する表面保護フィルムにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、共押出成形により得られた表面保護フィルムであって、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも2層からなる、1枚で測定したヘーズが8%以下かつ内部ヘーズが4%以下である表面保護フィルムであり、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも一方の層の23℃50%RHにおける表面固有抵抗値が1×1013未満であって、粘着層(X)層が、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックからなるブロックポリマー(AS)を含み、当該ブロックポリマー(AS)の含有層に対する割合が10〜30重量%であり、表面層(A)を形成する樹脂として、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が10〜25のホモプロピレン単独重合体のみを用い、粘着層(X)が、融点が50℃未満または融点が観測されない炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とするα−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレンα−オレフィン系エラストマーを含むことを特徴とする表面保護フィルムに関する。
本発明の表面保護フィルムは、表面層(A)が、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が10〜25のプロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種の炭素数3以外のα−オレフィンからなる共重合体であるプロピレン系重合体であることが好ましい。
また、本発明の表面保護フィルムは、粘着層(X)が、融点が50℃未満または融点が観測されない炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とするα−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレンα−オレフィン系エラストマーからなることが好ましい。
さらに、本発明の表面保護フィルムにおいて、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも一方の層が、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックからなるブロックポリマー(AS)を含み、含有層に対する割合が10〜30重量%であることが好まし く、ブロックポリマー(AS)の190℃におけるメルトフローレート[MFR(AS)]と、表面層(A)の230℃におけるメルトフローレート[MFR(A)]との、以下の(式1)で表わされるメルトフローレート(MFR)の比が、0.12〜2.5であることが好ましく、粘着層(X)に添加されるブロックポリマー(AS)の190℃におけるメルトフローレート[MFR(AS)]と、粘着層(X)の230℃におけるメルトフローレート[MFR(X)]との、以下の(式2)で表わされるメルトフローレート(MFR)の比が、0.03〜8.4であることが好ましい。
(式1) [MFR(AS)]/[MFR(A)]
(式2) [MFR(AS)]/[MFR(X)]
本発明の表面保護フィルムは、特には、高い透明性により貼付後の視認性に優れ、かつ優れた帯電防止性を有し、着特性や汚染性に優れ、光学用途だけでなく、建材用途、自動車部品用途、半導体ウエハ加工用途等の保護フィルムとしても産業上の利用価値は極めて高い。
さらに、本発明では、コーティング処理を行う必要がないので、高い生産性及び低いコストで製造し得る共押出法の利点を損なうことなく、表面保護フィルムを得ることができる。
本発明の表面保護フィルムは、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも2層からなり、共押出成形法により得られる。
本発明の表面保護フィルムの1枚で測定したヘーズは、8%以下である。好ましくは6%以下、より好ましくは4%以下である。1枚で測定したヘーズが8%を超えると、視認性を損なう恐れがあり、高い透明性を求める用途では使用し難い。
さらに、本発明の表面保護フィルムの1枚で測定した内部ヘーズは、4%以下である。好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下である。1枚で測定した内部ヘーズが4%を超えると、光学的歪みが大きくなり、フィルム外観がメラメラしてしまい、視認性を損ない、高い透明性を求める用途では使用し難い。
本発明の表面保護フィルムの表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも一方の層の23℃50%RHにおける表面固有抵抗値は、1×1013未満である。好ましくは1×1012未満、より好ましくは1×1011未満である。帯電防止性を有する層は、本発明の表面保護フィルムとしての特性を損なわない範囲で、表面層、粘着層何れかの層、あるいは両方の層であっても良い。好ましい形態は、粘着特性、汚染性、外観の観点から、表面層へ帯電防止性を付与する方法である。
本発明の表面保護フィルムの表面層(A)を形成する樹脂としては、ポリプロピレンやポリエチレンなどの公知のポリオレフィン樹脂を挙げることができる。ポリプロピレンとしては、プロピレン単独共重合体、プロピレンと少なくとも1種の炭素数3以外のα−オレフィンからなる共重合体、ポリプロピレンとオレフィン系ゴムのブロック共重合体、ポリエチレンとしては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンを挙げることができる。これらの中で、透明性、剛性、耐熱性、低フィッシュアイ性の観点からポリプロピレンが好ましく、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種の炭素数3以外のα−オレフィンからなる共重合体の、プロピレン系重合体であることがより好ましい。
プロピレン系重合体の、230℃におけるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは10〜25、さらに好ましく13〜24、より好ましくは15〜23の範囲にある。230℃におけるメルトフローレート(MFR)が、10未満の場合、ヘーズが高くなったり、フィルム外観がメラメラしてしまうおそれがある。一方、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が、25を超える場合、フィルム成形性が悪くなり、共押出成形の利点である高い生産性が損なわれるおそれがある。
表面層(A)を形成する組成物中には、本発明の表面保護フィルムとしての特性を損なわない範囲で、離型剤、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤などの各種添加剤や、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エラストマー等の樹脂改質剤を添加することも可能である。
本発明の表面保護フィルムの粘着層(X)としては、表面保護フィルムの粘着層として使用されている公知の粘着剤であれば使用することが可能であるが、フィッシュアイの発生による被着体損傷や、粘着剤の被着体への移行、いわゆる糊残りの観点から、α−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレン系エラストマーであることが好ましい。
α−オレフィン系エラストマーとしては、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が50℃未満または融点が観測されない、炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とする共重合体である。具体的には例えばプロピレン単独共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1単独重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1・1−ブテン共重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体であり、好ましくはプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体である。
スチレン系エラストマーとしては、ポリスチレン相をハードセグメントとして有する公知のスチレン系エラストマーが使用できる。具体的には、スチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SEBS)、及びこれらの水素化物、スチレン・イソブチレン・スチレントリブロック共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレンジブロック共重合体(SIB)を挙げることができる。好ましくはスチレン・イソブチレン・スチレントリブロック共重合体(SIBS)、スチレン・イソブチレンジブロック共重合体(SIB)、あるいはスチレン・イソブチレン・スチレントリブロック共重合体(SIBS)と、スチレン・イソブチレンジブロック共重合体(SIB)のブレンド物である。
α−オレフィン系エラストマー及びスチレン系エラストマーの230℃で測定したメルトフローレート(MFR)は、3〜80g/10分、好ましくは4〜60g/10分、より好ましくは6〜40g/10分の範囲にある。
上記のα−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレン系エラストマーを、単独または各々異なる組成の成分をブレンドして使用することで、本発明の表面保護フィルムにおける粘着層(X)を形成することができる。また、本発明においては、粘着強度の制御を目的として、さらには本発明の特性を損なわない範囲で、上記のα−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレン系エラストマーに対し、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の樹脂改質剤や、石油樹脂、水添系石油樹脂、スチレン系樹脂、クロマン・インデン樹脂、ロジン誘導体、テルペン系樹脂等の粘着付与剤、シリカやタルク等の無機フィラー、結晶核剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加してもよい。
本発明の表面保護フィルムの表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも一方の層に添加される、帯電防止剤は、溶融押出可能な高分子型帯電防止剤のポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックからなるブロックポリマー(AS)であることが好ましい。
ブロックポリマー(AS)の一例としては、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックとがエステル結合、アミド結合、エーテル結合、イミド結合及びウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有するブロックポリマーなどである。
このようなブロックポリマー(AS)の親水性ポリマーとしては、例えば、ポリエーテル、ポリエーテル含有親水性ポリマー、カチオン性ポリマー、アニオン性ポリマーなどが挙げられる。
ポリエーテルとしては、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、これらの変性物などが挙げられる。
ポリエーテル含有親水性ポリマーとしては、例えば、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルアミドイミド、ポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステル、ポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルアミド、ポリエーテルジオールまたはポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルウレタンなどが挙げられる。
カチオン性ポリマーとしては、例えば、非イオン性分子鎖で隔てられた、好ましくは2〜80個、より好ましくは3〜60個のカチオン性基を分子内に有するポリマーが挙げられる。
アニオン性ポリマーとしては、例えば、スルホニル基を有するジカルボン酸と、ジオールまたはポリエーテルとを必須構成単位とし、かつ一分子内に、好ましくは2〜80個、より好ましくは3〜60個のスルホニル基を有するアニオン性ポリマーが挙げられる。
本発明の表面保護フィルムとしての特性を損なわない範囲であれば、上記以外の組成のポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックからなるブロックポリマー(AS)の高分子型帯電防止剤を用いることができる。
ブロックポリマー(AS)としては、例えば、三洋化成工業社製の「ペレスタット」シリーズや「ペレクトロン」シリーズとして入手できる。例えば、三洋化成工業社製の「ペレスタット」シリーズにおける230、「ペレクトロン」シリーズにおけるPVH、PHLなどが挙げられる。
上記のブロックポリマー(AS)は、単独または複数の成分をブレンドして使用することができる。
ブロックポリマー(AS)の含有層に対する割合は10〜30重量%が好ましく、10重量%未満では、帯電防止性能が不十分となるおそれがあり、30重量%を超える場合では、透明性が損なわれる恐れがある。
表面層(A)に添加されるブロックポリマー(AS)の190℃におけるメルトフローレート[MFR(AS)]と、表面層(A)の230℃におけるメルトフローレート[MFR(A)]との、以下の(式1)で表わされるメルトフローレート(MFR)の比は、好ましくは0.12〜2.5、さらに好ましくは0.2〜2.0、より好ましくは0.3〜1.7の範囲にある。この範囲を外れた場合、特にはフィルム外観がメラメラしてしまうおそれがある。
(式1) [MFR(AS)]/[MFR(A)]
粘着層(X)に添加されるブロックポリマー(AS)の190℃におけるメルトフローレート[MFR(AS)]と、粘着層(X)の230℃におけるメルトフローレート[MFR(X)]との、以下の(式2)で表わされるメルトフローレート(MFR)の比は、好ましくは0.03〜8.4、さらに好ましくは0.08〜6.3、より好ましくは0.2〜4.2の範囲にある。この範囲を外れた場合、特にはフィルム外観がメラメラしてしまうおそれがある。
(式2) [MFR(AS)]/[MFR(X)]
複数の成分のブロックポリマー(AS)をブレンドして用いる場合のメルトフローレート[MFR(AS)]は、以下の(式3)から求められる。
(式3) log[MFR(AS)]=Σ(Yi×log[MFR(AS)i])
i;ブレンド成分(1,2,3・・・・)
Yi;ブレンド成分iの配合割合(1=100%)
また、表面層(A)及び粘着層(X)についても、複数の成分をブレンドして用いる場合のメルトフローレートは、上記(式3)と同様にして求めることができる。
上記のブロックポリマー(AS)を含有する層は、本発明の表面保護フィルムとしての特性を損なわない範囲で、表面層、粘着層何れかの層、あるいは両方の層であっても良い。好ましい形態は、粘着特性、汚染性、外観の観点から、表面層へ帯電防止性を付与する方法である。
本発明においては、さらに表面層(A)と粘着層(X)との間に少なくとも1層の中間層(B)を設けることも可能である。フィルムの機械強度や透明性制御を目的として、また、表面層(A)及び粘着層(X)との層間接着力が不足する場合には、中間層としてポリオレフィン樹脂や接着性樹脂を使用しても良い。
中間層としては特に制限はないが、一般には、融点が100℃以上のポリプロピレンやポリエチレンなどの結晶性ポリオレフィンや、ポリエステル、ポリアミド、各種オレフィン系エラストマーなどが使用できる。中間層を接着層として使用する場合には、変性ポリオレフィンや、各種オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステルエラストマーなどが用いられる。
これらは、単独または各々異なる組成の成分をブレンドして使用してもよく、また必要に応じて、本発明の表面保護フィルムとしての特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤などの各種添加剤、各種樹脂改質剤を添加することも可能である。
これらの中で、生産性及び透明性、剛性、耐熱性、低フィッシュアイ性の観点から、表面層と同様に、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種の炭素数3以外のα−オレフィンからなる共重合体の、プロピレン系重合体を中間層として使用するのが好ましい。
プロピレン系重合体の、230℃におけるメルトフローレート(MFR)は、好ましくは10〜25、さらに好ましく13〜24、より好ましくは15〜23の範囲にある。230℃におけるメルトフローレート(MFR)が、10未満の場合、ヘーズが高くなったり、フィルム外観がメラメラしてしまうおそれがある。一方、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が、25を超える場合、フィルム成形性が悪くなり、共押出成形の利点である高い生産性が損なわれるおそれがある。
表面層(A)と粘着層(X)、必要に応じて中間層(B)は共押出成形にて積層される。具体的には、T−ダイ成形、インフレーション成形が挙げられるが、厚み精度の面からT−ダイ成形がより好ましい。
本発明の表面保護フィルムにおける表面層(A)の厚みとしては、0.1〜100μm、好ましくは0.3〜80μm、より好ましくは0.5〜60μm、さらに好ましくは1〜50μmである。粘着層(X)の厚みとしては、0.1〜50μ、好ましくは0.3〜40μ、より好ましくは0.5〜30μmである。
本発明の表面保護フィルムの厚みとしては、1〜300μm、好ましくは2〜200μm、より好ましくは5〜100μmである。
上記の好ましい形態の表面層(A)、粘着層(X)及び必要に応じて中間層(B)を使用することで、高い透明性により貼付後の視認性に優れ、かつ優れた帯電防止性を有し、粘着特性や汚染性に優れる表面保護フィルムを得ることができる。
以下、参考形態の例を付記する。
<1> 共押出成形により得られた表面保護フィルムであって、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも2層からなる、1枚で測定したヘーズが8%以下かつ内部ヘーズが4%以下である表面保護フィルムであり、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも一方の層の23℃50%RHにおける表面固有抵抗値が1×10 13 未満であることを特徴とする表面保護フィルム。
<2> 表面層(A)が、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が10〜25のプロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種の炭素数3以外のα−オレフィンからなる共重合体であるプロピレン系重合体からなることを特徴とする<1>に記載の表面保護フィルム。
<3> 粘着層(X)が、融点が50℃未満または融点が観測されない炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とするα−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレンα−オレフィン系エラストマーから形成されることを特徴とする<1>または<2>のいずれかに記載の表面保護フィルム。
<4> 表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも一方の層が、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックからなるブロックポリマー(AS)を含み、含有層に対する割合が10〜30重量%である<1>乃至<3>のいずれかに記載の表面保護フィルム。
<5> 表面層(A)に添加されるブロックポリマー(AS)の190℃におけるメルトフローレート[MFR(AS)]と、表面層(A)の230℃におけるメルトフローレート[MFR(A)]との、以下の(式1)で表わされるメルトフローレート(MFR)の比が、0.12〜2.5である<1>乃至<4>のいずれかに記載の表面保護フィルム。
(式1) [MFR(AS)]/[MFR(A)]
<6> 粘着層(X)に添加されるブロックポリマー(AS)の190℃におけるメルトフローレート[MFR(AS)]と、粘着層(X)の230℃におけるメルトフローレート[MFR(X)]との、以下の(式2)で表わされるメルトフローレート(MFR)の比が、0.03〜8.4である<1>乃至<4>のいずれかに記載の表面保護フィルム。
(式2) [MFR(AS)]/[MFR(X)]
<7> 表面層(A)と粘着層(X)との間に、中間層(B)が積層されており、中間層(B)が、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が10〜25のプロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種の炭素数3以外のα−オレフィンからなる共重合体であるプロピレン系重合体からなることを特徴とする<1>乃至<6>のいずれかに記載の表面保護フィルム。
以下に本発明を実施例により詳細説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[評価法]
1)粘着強度:
アクリル板を幅50mm、長さ125mmに切断し、この試験板に2kgのゴムローラーを用いて、表面保護フィルムを貼り付ける。次いで、室温23℃、湿度50%RHの条件下にて、オリエンテック製テンシロン万能試験機RTC−1225Aを用いて、300mm/分の速度で剥離(180度剥離)した時の剥離力を測定し、50mm幅あたりの剥離力を粘着強度(N/50mm)とする。
2)汚染性:
黒色アクリル板を幅50mm、長さ125mmに切断し、この試験板に皺を作りながら表面保護フィルムを貼り付ける。次いで、温度60℃及び80℃で72時間保管した後、フィルムを剥がし、黒色アクリル板への汚染の状態を確信する。著しく汚染が見られた場合を×、ほぼ汚染が見られないものを○とした。
3)ヘーズ:
JIS K7105に準拠し、表面保護フィルム1枚にて測定した。
4)内部ヘーズ
JIS K7105に準拠し、表面保護フィルム1枚にて測定した。
表面保護フィルム表面の凸凹による光散乱を除去するために、フィルムをシクロヘキサノールで満たされた石英セルに浸した状態で測定した。
上記状態で計測されたヘーズ値を内部ヘーズとした。
5)フィルム外観:
表面保護フィルムを1枚取り出し、目視にてフィルム外観を確認した。フィルム外観がメラメラしている(光学的歪みが大きい)ものを×、メラメラが少ない(光学的歪み小さい)ものを×とした。
6)表面固有抵抗値:
温度23℃、湿度50%RHの条件下に、サンプルを1日以上調湿した後、アドバンテスト製レジスティビティ・チャンバR12704とアドバンテスト製デジタル超高抵抗/微小電流計R8340Aを用い、主電極外径50mmφ、ガード電極内径70mmφにて測定した。
7)メルトフローレート(MFR):
ASTM D1238に準拠して、荷重2.16kg、所定の温度で測定した。
8)融点:
JIS K 7121に準拠し、示差走査熱量計(DSC)を用い、毎分10℃の加熱速度で測定される融解ピーク頂点の温度を融点とした。融解ピークが複数ある場合は最も高い温度を融点とした。
9)tanδ値(損失正接)及び23℃の貯蔵剪断弾性率G’の測定:
対象樹脂を、TAインスツルメント社製回転式レオメータAR2000exを用いて、昇温速度4 ℃ / min 、周波数10H
z、ひずみ0.05%にて、− 50 ℃ 〜150 ℃ の温度変化を与え、8mmパラレルプレートを用い、剪断モードにて溶融粘弾性を測定した。
tanδピーク温度は、融点以下の温度における、tanδ値が最大値になる温度である。
[使用原料]
A−1:ホモポリプロピレン
(融点165℃、MFR(230℃)18g/10分)
A−2:ホモポリプロピレン
(融点165℃、MFR(230℃)9g/10分)
B−1:A−1と同じホモポリプロピレン
(融点165℃、MFR(230℃)18g/10分)
B−2:B−2と同じホモポリプロピレン
(融点165℃、MFR(230℃)9g/10分)
AS−1:ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックからなる
ブロックポリマーブロックポリマー
(商品名:ペレクトロン、銘柄名:PVL、
MFR(190℃)20g/10分、三洋化成工業社製)
AS−2:ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックからなる
ブロックポリマーブロックポリマー
(商品名:ペレクトロン、銘柄名:PVH、
MFR(190℃)6g/10分、三洋化成工業社製)
AS−3:ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックからなる
ブロックポリマーブロックポリマー
(商品名:ペレスタット、銘柄名:230、
MFR(190℃)12g/10分、三洋化成工業社製)
X−1:プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体
(MFR(230℃)7g/10分、45℃付近に融点が観測される
tanδピーク温度 −11.5℃、tanδピーク値 0.45、
23℃の貯蔵剪断弾性率G’3×10
X−2:プロピレン・エチレン共重合体(メタロセン触媒で製造)
(融点115℃、MFR(230℃)8g/10分)
[実施例1]
表面層、中間層及び粘着層用に40mmφの単軸押出機を兼ね備えダイ幅400mmの3種3層T−ダイ成形機に上記樹脂を、表記載の樹脂組成にて供給し、表面層厚み5μm、中間層厚み35μm、粘着層厚み10μm、トータル厚み50μmの表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
[実施例2〜9]及び[比較例1、2]
各種層の樹脂組成を表1から表3に記載の樹脂組成とした以外は、実施例1と同様にして表面保護フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1から表3に分けて示す。
表1から表3に示すように、実施例によるフィルムは帯電防止性を有し、粘着特性、汚染性、透明性に優れることがわかる。

Claims (3)

  1. 共押出成形により得られた表面保護フィルムであって、表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも2層からなる、1枚で測定したヘーズが8%以下かつ内部ヘーズが4%以下である表面保護フィルムであり、
    表面層(A)及び粘着層(X)の少なくとも一方の層の23℃50%RHにおける表面固有抵抗値が1×1013未満であって、
    粘着層(X)が、ポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックからなるブロックポリマー(AS)を含み、当該ブロックポリマー(AS)の含有層に対する割合が10〜30重量%であり、
    表面層(A)を形成する樹脂として、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が10〜25のホモプロピレン単独重合体のみを用い、
    粘着層(X)が、融点が50℃未満または融点が観測されない炭素数3以上のα−オレフィンを主成分とするα−オレフィン系エラストマー及び/またはスチレンα−オレフィン系エラストマーを含むことを特徴とする表面保護フィルム。
  2. 粘着層(X)に添加されるブロックポリマー(AS)の190℃におけるメルトフローレート[MFR(AS)]と、粘着層(X)の230℃におけるメルトフローレート[MFR(X)]との、以下の(式2)で表わされるメルトフローレート(MFR)の比が、0.03〜8.4である請求項1に記載の表面保護フィルム。
    (式2) [MFR(AS)]/[MFR(X)]
  3. 表面層(A)と粘着層(X)との間に、中間層(B)が積層されており、中間層(B)が、230℃におけるメルトフローレート(MFR)が10〜25のプロピレン単独重合体、またはプロピレンと少なくとも1種の炭素数3以外のα−オレフィンからなる共重合体であるプロピレン系重合体からなることを特徴とする請求項1または2に記載の表面保護フィルム。
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