JP6196770B2 - 放射性物質含有粉粒体の処理方法 - Google Patents

放射性物質含有粉粒体の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射性物質を含有する焼却主灰、焼却飛灰又は土壌など放射性物質含有粉粒体の処理方法に関する。
本発明において、単に焼却灰と記す場合には、焼却主灰(主灰)及び焼却飛灰(フライアッシュ)を含む。
東日本大震災に端を発する福島第1原発事故により、原発周辺地域への放射性物質の拡散が深刻な社会問題となっている。放出された放射性物質は主としてヨウ素(I)131、セシウムCs134、Cs137である。但し、I131は、半減期が8日と短いため、長期的問題となるのは半減期が約2年のCs134と半減期が約30年のCs137と考えられる。
セシウムCs134、Cs137に汚染された瓦礫、廃プラスチック、木くず、紙くず、草木類などを焼却すると、セシウムCs134、Cs137は、塩化セシウムの形で焼却灰に取り込まれる(例えば非特許文献1参照)。このため焼却灰を埋立処分等する際には、セシウムの溶出防止対策が必要となる。
焼却灰から重金属が溶出することを防止する方法として、セメント固化、キレート剤による不溶化処理法がある。しかしながらセシウムを含む焼却灰の場合、セメント固化法では、セシウムの溶出を十分に抑制することができない(例えば非特許文献2参照)。またキレート剤を使用する方法も、焼却灰からセシウムが溶出することを防止する方法として十分とはいえない。
http://www.werc.or.jp/enenews/pdf/NN45.pdf http://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/10-mat_3.pdf
これまでのところ焼却灰、特に焼却飛灰に含まれる放射性物質の溶出を防止する効果的な処理方法はなく、焼却灰から放射性物質が溶出することを防止又は抑制可能な処理方法の開発が急務となっている。
本発明の目的は、焼却飛灰など放射性物質含有粉粒体からの放射性物質の溶出を防止又は抑制する処理方法を提供することである。
本発明は、放射性物質を含有する粉粒体を溶媒で洗浄し、放射性物質を溶出させる洗浄工程と、前記洗浄工程後、溶媒で洗浄された洗浄粉粒体と溶媒とを機械的分離法により分離する固液分離工程と、前記固液分離工程後の洗浄粉粒体と、金属カルシウム粒子と有機極性溶媒との混合物とを接触させ、前記洗浄粉粒体の表面を金属カルシウム粒子でコーティングする湿式コーティング工程と、前記湿式コーティング工程後、固体と液体とを機械的分離法により分離する固液分離工程と、を含み、前記洗浄工程で使用する溶媒が有機極性溶媒又は有機極性溶媒と水との混合物であることを特徴とする放射性物質含有粉粒体の処理方法である。
本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法において、前記湿式コーティング工程に先立ち、前記固液分離工程後の洗浄粉粒体を乾燥させる乾燥工程を含むことを特徴とする。
また本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法において、前記洗浄工程で使用する溶媒が、下記(A)〜(C)群の一以上を含む有機極性溶媒又は有機極性溶媒と水との混合物であることを特徴とする。
(A)有機
(B)金属カルシウム粒子
(C)有機極性溶媒又は有機極性溶媒と水との混合物中で少なくともその一部がイオン的に解離する化合物
また本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法において、前記湿式コーティング工程で使用する金属カルシウム粒子と有機極性溶媒との混合物は、金属カルシウム粒子がメタノールに懸濁した懸濁液であることを特徴とする。
また本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法は、前記湿式コーティング工程において、液体を蒸発させ乾燥させる乾燥操作を含み、さらに前記湿式コーティング工程後に行う前記固液分離工程に代え、液体を蒸発させ乾燥させる乾燥工程を含むことを特徴とする。
また本発明は、前記放射性物質含有粉粒体の処理方法において前記湿式コーティング工程及び湿式コーティング工程後の固液分離工程に代え、前記洗浄工程及び固液分離工程を経て得られる洗浄粉粒体とコーティング剤とを接触させ、前記洗浄粉粒体の表面を前記コーティング剤でコーティングする乾式コーティング工程を含み、又は前記放射性物質含有粉粒体の処理方法において前記湿式コーティング工程及び湿式コーティング工程後の固液分離工程に代え、前記洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程を経て得られる洗浄粉粒体とコーティング剤とを接触させ、前記洗浄粉粒体の表面を前記コーティング剤でコーティングする乾式コーティング工程を含み、前記コーティング剤が、少なくとも一部がナノサイズの金属カルシウム粒子が酸化カルシウムに分散した粒子であることを特徴とする放射性物質含有粉粒体の処理方法である。
また本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法において、前記コーティング剤がリン酸塩を含むことを特徴とする。
また本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法において、前記粉粒体が放射性物質汚染物を焼却させた際に発生する焼却主灰及び/又は焼却飛灰であることを特徴とする。
また本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法において、前記洗浄工程及び/又は前記湿式コーティング工程で使用する有機極性溶媒がアルコール、ケトン、エーテル、エステル又はこれら混合物、木酢液であることを特徴とする。
また本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法において、前記洗浄工程及び/又は前記湿式コーティング工程で使用する有機極性溶媒が、沸点が100℃以下の有機極性溶媒であることを特徴とする。
また本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法は、前記洗浄工程後の固液分離工程、及び前記湿式コーティング工程後の固液分離工程で分離された液体を蒸留し、前記有機極性溶媒を回収する回収工程を含むことを特徴とする。
また本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法は、前記洗浄工程後の固液分離工程及び/又は前記湿式コーティング工程後の固液分離工程において、凝集剤を使用するときは、前記洗浄工程で使用する溶媒及び/又は前記湿式コーティング工程で使用する有機極性溶媒には水とpH調整剤とが含まれ、凝集に適したpHに調整されていることを特徴とする。
本発明によれば、焼却飛灰など放射性物質含有粉粒体からの放射性物質の溶出を防止又は抑制することができる。
本発明の第1実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順を示すフロー図である。 本発明の第2実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順を示すフロー図である。 本発明の第2実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順の変形例を示すフロー図である。 本発明の第3実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順を示すフロー図である。 本発明の第4実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順を示すフロー図である。
図1は、本発明の第1実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順を示すフロー図である。本実施形態では被処理物である放射性物質含有粉粒体が、放射性物質含有焼却飛灰である。本放射性物質含有粉粒体の処理方法は、放射性物質を含有する焼却飛灰を溶媒で洗浄する洗浄工程(ステップA1)と、前記洗浄工程後、溶媒で洗浄された焼却飛灰と溶媒とをろ過し分離する固液分離工程(ステップA2)と、固液分離工程後、ろ液を蒸留し溶媒を回収する回収工程(ステップA3)とを含む。
洗浄工程は、放射性物質含有焼却飛灰(以下、汚染焼却飛灰と記す)を溶媒で洗浄し、汚染焼却飛灰中の放射性物質を溶媒側に溶出させる。具体的には、溶媒による汚染焼却飛灰の洗浄は、撹拌装置を使用し、汚染焼却飛灰と溶媒とを撹拌混合すればよい。なお堆積された汚染焼却飛灰に溶媒を散布し、汚染焼却飛灰中の放射性物質を溶出させてもよい。
被処理物である汚染焼却飛灰は、放射性物質に汚染された瓦礫、木くず、草木類などを焼却設備で焼却させた際に集塵機で捕集される灰である。
汚染物質である放射性物質は、特定の物質に限定されるものではなく、セシウムCs、プルトニウムPu、ウランU、ラジウムRaなど幅広い放射性物質を対象とすることができる。
溶媒は、汚染焼却飛灰から放射性物質を溶出させる。汚染焼却飛灰は、放射性物質以外に金属酸化物等を含んでいるため、ここでは金属酸化物等を極力溶出させることなく放射性物質を溶出させる、選択性を有する溶媒が好ましい。このような溶媒として有機極性溶媒又は有機極性溶媒と水との混合物を使用する。ここでは有機極性溶媒としてアルコール、ケトン、エーテル、エステル又はこれら混合物、木酢液を好適に使用することができる。
溶媒として使用可能なアルコールとして、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール、ジオールであるエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコールが挙げられる。これらアルコールは1種で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。さらにこれらアルコールと水との混合溶液を使用してもよい。例えばメタノール60vol%と水40vol%との混合溶液を使用することができる。このような所定の割合からなるアルコールと水との混合溶液は、消防法で規定される危険物の対象外となるので、取扱いが容易となり好ましい。
溶媒として使用可能なケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトンが挙げられる。ケトンは1種で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。さらにケトンとアルコールとの混合溶液、ケトンと水との混合溶液、ケトンとアルコールと水との混合溶液を使用してもよい。
溶媒として使用可能なエーテルとしては、ジエチルエーテル、環状エーテルであるテトラヒドロフランが挙げられる。溶媒として使用可能なエステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチルが挙げられる。有機極性溶媒の混合物としては、アルコールとケトン等との混合物の他、木酢液、アルコール等と木酢液との混合物が挙げられる。またこれらと水の混合物を使用してもよい。
中でも沸点が100℃以下のアルコール、ケトン、その他混合物が好ましく、メタノール又はアセトンがより好ましい。メタノール又はアセトンは、沸点が低いため蒸留操作により回収する際のエネルギーが小さく、また価格、入手の点からも好ましい。
洗浄を行う際の汚染焼却飛灰と溶媒との割合は、汚染焼却飛灰と溶媒とを十分に撹拌混合し、汚染焼却飛灰中の放射性物質を溶媒側に溶出させることができる割合とする。後述の実施例に示すように汚染焼却飛灰15gに対して溶媒を50mLとすることができる。汚染焼却飛灰と溶媒とを撹拌混合する装置、方法、撹拌時間、撹拌強度は、処理量に応じて適宜決定すればよい。撹拌に要するエネルギー消費量が少ないことが好ましいことは当然である。一方で、洗浄効果を高め、放射性物質の溶出を促進させたい場合には、湿式ミルを使用すればよい。基礎実験において、撹拌装置にジューサーミキサーを使用したところ、マグネチックスターラーを使用する場合に比較し洗浄時間を短縮することができた。
固液分離工程では、洗浄工程後の焼却飛灰(以下、洗浄焼却飛灰と記す)と溶媒とをろ過し分離する。ここで使用するろ過装置、ろ過方法は、洗浄焼却飛灰と溶媒とを十分に分離することができれば特定の装置、方法に限定されない。操作が簡単であり、処理速度が速く、エネルギー消費量が少ないことが好ましいことは当然である。
固液分離工程は、洗浄工程後の洗浄焼却飛灰と溶媒との混合物を洗浄焼却飛灰(固体)と溶媒(液体)とに分離する工程であるから、ろ過に代え、機械的分離法を用いてもよい。固液分離装置としては、フィルタープレス、スクリュープレス、沈降分離装置、遠心分離装置、デカンター、液体サイクロンなどがあり、これを単独であるいは2種以上を複合的に使用してもよい。
固液混合物の固体の粒径が小さい場合、ろ過速度が小さいため固液分離工程において凝集剤、ろ過助剤が使用される場合が多い。一般的に凝集剤を使用する場合、水が必要となるが、本実施形態では、洗浄工程で有機極性溶媒と水との混合物からなる溶媒を使用することができるためこの水を利用することができる。
また凝集剤を使用する場合、通常、凝集に適したpHに調整すべくpH調整剤を添加する。汚染焼却飛灰は、通常、塩基成分を多く含むため、中性とするには酸をpH調整剤として添加する必要がある。このようなpH調整剤は、洗浄工程で使用する溶媒に添加しておいてもよい。pH調整剤に使用する酸としては、酢酸、ギ酸を使用することができる。凝集剤は、洗浄工程後に添加すればよい。
回収工程では、固液分離工程で得られるろ液を蒸留し溶媒を回収する。蒸留方法、蒸留装置は、公知の方法及び装置を使用すればよい。特にメタノールを使用した場合、沸点が約65℃であるので常圧蒸留においても100℃以下で操作可能であり、放射性物質と十分に分離した形でメタノールを回収することができる。回収した溶媒は、洗浄工程の溶媒として再利用する。
回収工程から排出される残渣は、粘土、ゼオライト等に吸着、固着させて処理すればよく、残渣を吸着、固着したゼオライト等は、路盤剤として使用することができる。
洗浄工程及び固液分離工程を経て得られる洗浄焼却飛灰は、洗浄工程により焼却飛灰中の放射性物質のうち溶出し易い放射性物質は取り除かれているので、洗浄焼却飛灰からの放射性物質の溶出量は小さい。
第1実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法の変形例として、洗浄工程において、以下の溶媒を使用してもよい。また以下の溶媒は、2種以上を混合して使用してもよい。
溶媒としてアルコールに少量の酸を添加したものを使用してもよい。アルコールに代え、ケトン、エーテル、エステルその他の有機極性溶媒に少量の酸を添加したものを使用してもよい。
第1実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法では、洗浄工程において、放射性物質以外に金属酸化物等を溶出させ易い溶媒を使用すると、汚染焼却飛灰から金属酸化物等も溶出するため、洗浄焼却飛灰の表面積(比表面積)が大きくなる。表面積の大きい洗浄焼却飛灰は、表面積の小さい洗浄焼却飛灰に比較して放射性物質が溶出し易くなる。また金属酸化物等が溶出した後の洗浄焼却飛灰は、重量が減少するので、焼却飛灰重量当たりの放射性物質量が高まり好ましくない。この問題点を回避するためには、金属酸化物等を溶出させることなく放射性物質を溶出させる、選択性を有する溶媒を使用することが効果的である。
一方、汚染焼却飛灰の表面近傍の金属酸化物等が溶出し、焼却飛灰の表面積が大きくなると、洗浄工程において放射性物質をより多く溶出させることができる。洗浄工程の段階で汚染焼却飛灰からより多くの放射性物質を溶出させることで、洗浄後の焼却飛灰である洗浄焼却飛灰からの放射性物質の溶出を抑制することができる。
以上のように洗浄工程において、多くの金属酸化物等を溶出させることは好ましくないが、汚染焼却飛灰の表面近傍の金属酸化物等のみを溶出させることは、洗浄工程において放射性物質の溶出が促進され好ましい。
これを実現するために洗浄工程において、溶媒としてアルコールに少量の酸を添加した溶媒を使用する。必要以上に金属酸化物等が溶出した場合と、金属酸化物等が殆ど溶出しなかった場合とでは、前者のデメリットが大きいので酸の添加量は少量が好ましい。添加する酸には、有機酸を使用可能であり、酢酸、ギ酸が好ましく、酸の添加量はメタノールに対して0.1〜3容量%程度である。
酢酸を含むメタノールを洗浄工程の溶媒とすることで、洗浄工程において放射性物質の溶出が促進され、結果、洗浄焼却飛灰からの放射性物質の溶出を効果的に抑制することができる。なお、固液分離工程で凝集剤を使用するためにメタノールと水、さらにはpH調整用の酢酸との混合物を洗浄工程の溶媒とした場合、溶媒中の酢酸も放射性物質の溶出に寄与する。この場合も、メタノールに対する水及び酢酸の割合を調整することで、放射性物質の溶出量を調整することができる。
また溶媒としてアルコールとアルカリ金属、アルカリ土類金属、第3族元素、鉄及びこれらを含む合金のうち一種以上の金属粒子との混合物を使用してもよい。ここでもアルコールに代え、ケトン、エーテル、エステルその他有機極性溶媒を使用してもよい。
アルコールと金属粒子との混合物には、(a)少なくとも一部がナノサイズの金属粒子をアルコールに添加したもの、(b)比較的な大きな金属粒子をアルコールに添加したもの、(c)金属粒子をアルコールに添加し、これを撹拌し、金属粒子をアルコールに分散させ、これを静置し上澄み液を回収した液がある。(c)の液は、アルコール中に微細な金属粒子が懸濁した金属粒子懸濁液である。
これらアルコールと金属粒子との混合物を溶媒として使用すると、後述の実施例で示すようにアルコールのみを溶媒とする場合に比較して、放射性物質の溶出が促進される。上記アルコールと金属粒子との混合物の放射性物質の溶出能力は、(a)>(c)>(b)の順である。アルコールと金属粒子との混合物を溶媒とすると、金属粒子が汚染焼却飛灰に含まれる鉄、アルミニウムなどの金属酸化物、特に酸化鉄から酸素を奪うことで、金属酸化物を破壊する結果、放射性物質の溶出が促進されるものと推察される。
また溶媒としてアルコール又はアルコールと水との混合物中で少なくともその一部がイオン的に解離する化合物をアルコール又はアルコールと水に溶解させた溶液を用いてもよい。ここでアルコールに代え、ケトン、エーテル、エステルその他有機極性溶媒を使用してもよい。陽イオンは、アルカリ金属、アンモニウムのような1価のイオンであっても、カルシウムのような2価のイオンであってもよい。このような溶液として、リン酸二水素ナトリウムを含むメタノール、炭酸ナトリウムを含むメタノール、酸化カルシウムを含むメタノールが挙げられる。
アルコール、アルコール溶液中で少なくともその一部がイオン的に解離する化合物を含むアルコール又はアルコール水溶液を溶媒として使用すると、後述の実施例で示すようにアルコールのみを溶媒とする場合に比較して、放射性物質の溶出が促進される。このような溶媒に含まれる陽イオンの量は、汚染焼却飛灰に含まれる放射性物質の量に比較すると圧倒的に多く、陽イオンが放射性物質と置換することで放射性物質の溶出が促進されるものと推察される。
上記のようにアルコールに少量の酸を添加した溶媒、アルコールに金属粒子を添加した溶媒、アルコールに化合物を添加した溶媒は、アルコール又はアルコール水溶液からなる溶媒に比較して放射性物質の溶出能力が高い。一方で、比表面積が大きくなり、結果、洗浄後の焼却飛灰から放射性物質が溶出し易くなるので、これら特性を踏まえ、汚染焼却飛灰の性状に適した溶媒を選択すればよい。
アルコール、ケトン、エーテル、エステルその他有機極性溶媒に金属粒子を添加した溶媒を使用すると、金属粒子が洗浄焼却飛灰の表面をコーティングする効果もあるが、この点については後述する。
図2は、本発明の第2実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順を示すフロー図である。本実施形態では被処理物である放射性物質含有粉粒体が、放射性物質含有焼却飛灰である。第2実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法は、第1実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法と同じ洗浄工程(ステップB1)と固液分離工程(ステップB2)とを含み、さらに洗浄焼却飛灰と金属粒子懸濁液とを撹拌混合し、洗浄焼却飛灰の表面を金属粒子でコーティングする湿式コーティング工程(ステップB3)と、湿式コーティング工程後の焼却飛灰と液とをろ過し分離する固液分離工程(ステップB4)と、2つの固液分離工程後のろ液を蒸留し溶媒及び分散媒を回収する回収工程(ステップB5)とを含む。
第2実施形態の洗浄工程(ステップB1)及び固液分離工程(ステップB2)は、第1実施形態の洗浄工程(ステップA)及び固液分離工程(ステップA2)と同一であるので説明を省略する。なお、第2実施形態の洗浄工程において、溶媒としてアルコール又は他の有機極性溶媒に少量の酸を添加した溶媒、アルコール又は他の有機極性溶媒に化合物を添加した溶媒、アルコール又は他の有機極性溶媒に水、さらにはこれにpH調整剤を添加した溶媒などを使用してもよいことは、第1実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法と同じである。
湿式コーティング工程(ステップB3)は、洗浄焼却飛灰と金属粒子懸濁液とを撹拌混合し、洗浄焼却飛灰の表面を金属粒子でコーティングする。ここで使用する金属粒子懸濁液は、少なくとも一部がナノサイズの金属カルシウム粒子をメタノールに分散させた懸濁液(以下、金属Ca懸濁液と記す)である。金属Ca懸濁液に代え、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第3族元素、鉄及びこれらを含む合金のうち一種以上の少なくとも一部がナノサイズの金属粒子をアルコール又は他の有機極性溶媒に懸濁させた金属粒子懸濁液を使用することもできる。
金属Ca懸濁液は、金属カルシウムの粉末をメタノール中に投入し、これを撹拌混合後、静置し、上澄み液として得られる。このようにして得られる上澄み液には、ナノサイズの金属カルシウム粒子が懸濁している。ナノサイズの金属カルシウムを多く含む金属Ca懸濁液は、後述のナノサイズの金属カルシウムが水吸脱着剤及び/又は多孔質無機材中に分散した金属Caナノ分散体をメタノールに投入することで得ることができる。
金属Ca懸濁液を製造する際の金属カルシウム粉末とメタノールとの割合は、特定の割合に限定されないが、金属カルシウム粉末の添加割合が高い程、コーティング能力が高く、放射性物質の溶出が抑制される。これについては、金属Caナノ分散体をメタノールに投入し製造した金属Ca懸濁液を使用した基礎実験で確認済みである。金属Ca懸濁液を製造する際の金属カルシウム粉末とメタノールとの割合の一例を示せば、後述の実施例に示すようにメタノール50mlに対して、金属カルシウムを2g添加すればよい。
湿式コーティング工程において、金属粒子懸濁液に代え、金属粉末とアルコール又は他の有機極性溶媒との混合物をコーティング液とすることもできる。この方法は、簡便にコーティング液を得ることができるメリットがある。一方、金属粒子懸濁液をコーティング液とした場合、金属粉末とアルコール又は他の有機極性溶媒との混合物をコーティング液とした場合に比較して、粒径の大きい金属粒子を含まず、金属粒子が十分に小さいので、洗浄焼却飛灰との接触面積が大きくコーティング能力に優れる。このような特性を踏まえ、汚染焼却飛灰の性状に適したコーティング液を選択すればよい。
洗浄焼却飛灰と金属Ca懸濁液とを撹拌混合すると、金属Caが洗浄焼却飛灰の表面に物理的、化学的に吸着、結合し、洗浄焼却飛灰の表面を覆う。表面が金属カルシウムでコーティングされた焼却飛灰は、放射性物質の溶出が抑制される。
ステップB4の固液分離工程では、コーティング工程後の焼却飛灰(以下、被覆焼却飛灰と記す)と金属Ca懸濁液とをろ過し分離する。この固液分離工程は、ステップB2で行う固液分離工程と同様の方法、装置を用いて行うことができる。
ステップB5の回収工程では、ステップB2の固液分離工程で得られるろ液と、ステップB4の固液分離工程で得られるろ液とを蒸留し、溶媒及び分散媒であるメタノールを回収する。本実施形態では、洗浄工程で使用する溶媒と湿式コーティング工程で使用する懸濁液の分散媒とが同一であるので、2つ固液分離工程で得られるろ液を一緒に処理することが可能であり好ましい。ステップB2の固液分離工程で得られるろ液と、ステップB4の固液分離工程で得られるろ液とを別々に蒸留してもよい。回収したメタノールは、洗浄工程で使用する溶媒及び湿式コーティング工程で使用する懸濁液の分散媒として再利用する。
表面が金属カルシウムでコーティングされた被覆焼却飛灰は、時間が経過すると共に金属カルシウムが空気中の酸素、水蒸気、二酸化炭素と反応し、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムに変化する。このため表面が金属カルシウムでコーティングされた被覆焼却飛灰は、時間が経過すると、放射性物質の溶出がより抑制される。
第2実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法の変形例として、洗浄工程と湿式コーティング工程とを1つの工程で行うようにしてもよい。工程的には、第2実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法において、洗浄工程の溶媒を金属粒子懸濁液で行う形となる。このことは、第1実施形態の変形例として説明したアルコールとアルカリ金属、アルカリ土類金属、第3族元素、鉄及びこれらを含む合金のうち一種以上の金属粒子との混合物からなる溶媒を使用し、洗浄工程を行うことと同じである。
この方法は、金属粉末とアルコールとの混合物(金属粒子懸濁液を含む)による汚染焼却飛灰の洗浄と、金属粒子による洗浄焼却飛灰の表面のコーティングとが同時に進行するので、全体の処理工程が非常に簡便となる。このとき使用する金属粉末とアルコールとの混合物は、粒径の大きい金属粒子を含まず金属粒子が十分に小さい金属粒子懸濁液がコーティング能力に優れる。なおここでもアルコールに代え、ケトン、エーテル、エステルその他有機極性溶媒を使用することができる。
図3は、第2実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順の変形例である。以下、図2に示す第2実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順と異なる操作を説明する。ここでは、湿式コーティング工程(ステップB3)において、洗浄焼却飛灰と金属Ca懸濁液とを撹拌混合し、洗浄焼却飛灰の表面を金属カルシウムでコーティングしつつ、洗浄焼却飛灰及び/又は被覆焼却飛灰と金属Ca懸濁液との混合物から溶媒及び分散媒であるメタノールを蒸発させる。
さらに湿式コーティング工程後の固液分離工程(ステップB4)に代え、被覆焼却飛灰と金属Ca懸濁液との混合物から溶媒及び分散媒であるメタノールを蒸発させ、被覆焼却飛灰を乾燥させる乾燥工程(ステップB4−1)を備える。湿式コーティング工程(ステップB3)及び乾燥工程(ステップB4−1)で蒸発させたメタノールは凝縮し回収し(ステップB4−2)、金属Ca懸濁液用のメタノールとして再利用する。
乾燥方法は、加熱、熱風乾燥、減圧乾燥、自然乾燥など公知の方法を使用することが可能であるが、エネルギー消費量が少ないことが好ましいことは当然である。また蒸発したメタノールは凝縮し回収するので、回収し易い乾燥方法が好ましい。また乾燥に伴い被覆焼却飛灰が飛散し易くなるので、この点も考慮し乾燥方法を選択することが好ましい。
乾燥工程において、被覆焼却飛灰を撹拌混合させながら乾燥させると、乾燥が促進され好ましい。一方で、乾燥後の被覆焼却飛灰は、粉体状となるため飛散し易い。被覆焼却飛灰と金属Ca懸濁液との混合物をブロック状、ペレット状としてこれを乾燥すると、ブロック状、ペレット状の被覆焼却飛灰が得られるため取り扱いが容易となり、利用し易い。ブロック状、ペレット状の成形には、公知の押出機、ペレタイザー、ブリケットマシンなどを使用することができる。
被覆焼却飛灰のように粒径の小さい粉体の場合、固液分離に比較し乾燥の方が操作は容易である。このため湿式コーティング工程(ステップB3)後に乾燥工程(ステップB4−1)を行うプロセス、又は湿式コーティング工程(ステップB3)においても乾燥を行い、その後さらに乾燥工程(ステップB4−1)を行うプロセスは、実用化し易いプロセスといえる。
図4は、本発明の第3実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順を示すフロー図である。本実施形態では被処理物である放射性物質含有粉粒体が、放射性物質含有焼却飛灰である。第3実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法は、大略的には第2実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法の湿式コーティグ工程を乾式コーティング工程に置き換えた処理方法である。
第2実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法においては、金属粒子懸濁液を用いて、液中で洗浄焼却飛灰の表面を金属粒子でコーティングするが、第3実施形態では、液を使用することなく乾式で洗浄焼却飛灰の表面を金属粒子でコーティングする。第3実施形態では、乾式でコーティングを行うため、コーティング後の固液分離操作は不要である。このため回収工程は、第1実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法と同様に、洗浄工程後に行われる固液分離工程のろ液のみを対象とする。
本実施形態の洗浄工程(ステップC1)、固液分離工程(ステップC2)及び回収工程(ステップC4)は、第1実施形態の洗浄工程(ステップA1)、固液分離工程(ステップA2)及び回収工程(ステップA3)と同一であるので説明を省略する。なお、第3実施形態の洗浄工程において、溶媒としてアルコール又は他の有機極性溶媒に少量の酸を添加した溶媒、アルコール又は他の有機極性溶媒に化合物を添加した溶媒、アルコール又は他の有機極性溶媒に水、さらにはこれにpH調整剤を添加した溶媒などを使用してもよいことは、第1実施形態の放射性物質含有焼却飛灰の処理方法と同じである。
乾式コーティング工程(ステップC3)は、洗浄焼却飛灰と金属粒子とを撹拌混合し、洗浄焼却飛灰の表面を金属粒子でコーティングする。ここでは、金属粒子は、少なくとも一部がナノサイズの金属粒子を固体分散媒(固体分散剤)に分散させた金属粒子分散体(金属ナノ分散体)として与える。もちろん全ての金属粒子がナノサイズであってもよいことは言うまでもない。
ここで使用可能な金属粒子は、アルカリ金属、金属カルシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの第3族元素、鉄及びこれら元素を含む合金である。これらは単独で使用してもよく、混合して使用してもよく、中でも金属カルシウムを好適に使用することができる。
固体分散剤は、金属粒子を安定的に保護する役目を担う。固体分散剤としては、酸化カルシウム、セライト(Celiteは、セライトコーポレーションの登録商標)、活性炭、シリカゲル、ゼオライトなど水吸脱着剤及び/又は多孔質無機材が好ましい。セライトは、炭酸ナトリウムとともに焼成した珪藻土であり、水分を大量に保持することができる。なお、水吸脱着剤及び/又は多孔質無機材は、吸着した水を脱着させ、反応形態により、脱着した水は水素源として作用する。
金属ナノ分散体は、固形状の金属と水吸脱着剤及び/又は多孔質無機材との混合物を、粉砕機で固形状の金属の少なくとも一部がナノサイズとなるまで粉砕することで得ることができる。粉砕を行う際の金属と水吸脱着剤及び/又は多孔質無機材との混合割合は、特定の混合割合に限定されるものではなく、例えば重量比で1:1〜1:50とすることができる。金属カルシウムと酸化カルシウムとを遊星ボールミルで粉砕した場合、金属カルシウムと酸化カルシウムとを重量比で1:5とすればそれ以上金属カルシウムの割合を増やしても、粉砕した酸化カルシウムに含まれるナノサイズの金属カルシウムの量は殆ど変わりなかった。
このようにして得られる金属ナノ分散体は、ナノサイズの金属粒子を含む金属粒子が、水吸脱着剤及び/又は多孔質無機材中に分散した金属粒子分散体であり、ナノサイズの金属粒子の表面は水吸脱着剤及び/又は多孔質無機材でコーティングされている。一般的に金属をナノサイズまで微細化すると、環境中では酸化し失活するが、金属ナノ分散体においては、ナノサイズの金属粒子の表面を覆う水吸脱着剤及び/又は多孔質無機材が、該金属粒子の大部分が酸素、二酸化炭素又は水と直接接触することを阻止するので、ナノサイズの金属粒子は、大気中においても高い活性を維持することができる。
金属ナノ分散体、例えば少なくとも一部がナノサイズの金属Caを酸化カルシウムに分散させた金属Caナノ分散体と洗浄焼却飛灰とを撹拌混合すると、金属Caナノ分散体が洗浄焼却飛灰の表面に物理的、化学的に吸着し、洗浄焼却飛灰の表面を覆う。表面が金属Caナノ分散体でコーティングされた焼却飛灰は、金属カルシウムが不溶化剤として作用し、放射性物質の溶出が抑制される。
撹拌混合操作は常温下で行うことが可能であり、外部から加熱する必要もない。金属Caナノ分散体の洗浄焼却飛灰に対する添加割合は、洗浄焼却飛灰中の放射性物質濃度により異なるが、重量比で1/5〜1/100程度の量とすることができる。金属Caナノ分散体の添加量が少ないので、汚染焼却飛灰の重量はほとんど増加しない。
第3実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法の変形例として、乾式コーティング工程において、コーティング剤として金属ナノ分散体とリン酸塩との混合物を使用してもよい。
乾式コーティング工程において、金属ナノ分散体とリン酸塩との混合物を使用すると、洗浄焼却飛灰の表面は、金属ナノ分散体のみならずリン酸塩でコーティングされる。ここで使用可能なリン酸塩には、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなどのリン酸二水素塩が例示されるが、他のリン酸塩であってもよい。中でもリン酸二水素ナトリウムを好適に使用することができる。リン酸二水素ナトリウムでコーティングした焼却飛灰は、表面が中性に近づくため放射性物質の溶出をより抑制することができる。
図5は、本発明の第4実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理手順を示すフロー図である。本実施形態では被処理物である放射性物質含有粉粒体が、放射性物質含有焼却飛灰である。第4実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法は、第1〜第3実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法と異なり、汚染焼却飛灰を溶媒で洗浄する洗浄工程を備えず、汚染焼却飛灰の表面を金属ナノ分散体で直接コーティング(ステップD1)する。
ステップD1の乾式コーティング工程は、対象物が汚染焼却飛灰であるが、第3実施形態の乾式コーティング工程と同様の要領で処理すればよく、作用効果も第3実施形態の乾式コーティング工程と同様である。
第4実施形態の放射性物質含有粉粒体の処理方法の変形例として、乾式コーティング工程において、コーティング剤として金属ナノ分散体とリン酸塩との混合物を使用してもよい。これについても第3実施形態のところで説明した通りである。
以上、第1〜第4実施形態を用いて本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法を示したが、本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法は、上記実施形態、上記数値に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。例えば、上記実施形態では、溶媒を回収する回収工程が組み込まれているが、洗浄工程、固液分離工程などと回収工程とを分離し、回収工程を別処理としてもよい。
また上記実施形態では、放射性物質含有焼却飛灰を処理する例を示したが、本発明の放射性物質含有粉粒体の処理方法は、放射性物質含有焼却飛灰の他、放射性物質含有焼却主灰、放射性物質で汚染された海底の砂、泥、川砂、田の土、山林の土壌など放射性物質汚染土壌の処理にも用いることができる。
比較例1
汚染焼却飛灰を溶媒で洗浄し、固液分離後、数時間放置し、洗浄焼却飛灰の溶出試験を行った。焼却飛灰には、産業廃棄物焼却設備の電気集塵機で捕集された焼却飛灰(汚染焼却飛灰)を使用した。汚染焼却飛灰の放射能量は、9887Bq/kg(Cs134+Cs137)であった。具体的手順は、以下の通りである。
汚染焼却飛灰15gにメタノール50mLを添加し、マグネチックスラターを用いて200rpmで2時間撹拌した。その後、吸引ろ過機を使用し、焼却飛灰(洗浄焼却飛灰)とメタノールとを分離した。洗浄焼却飛灰を数時間放置しメタノールを十分に揮発させた後、洗浄焼却飛灰に蒸留水150mLを加え、振とう機(レベル90rpm)で6時間振とうさせた。その後、吸引ろ過機を使用し溶出水を回収し、溶出水中のCs134及びCs137の含有量を測定した。Cs134及びCs137の含有量の測定は、高純度Ge半導体検出器(SEIKO EG&G GMX−15P)を用いて、γ線をスペクトル測定し求めた。
分析の結果、溶出水中のCs134及びCs137の含有量は、Cs134が40.9Bq/L、Cs137が67.0Bq/Lであった。
比較例2
メタノールの代わりに、酢酸を0.1容量%含むメタノールを使用し、洗浄を行った。他は、比較例1と同じ要領で処理した。
分析の結果、溶出水中のCs134及びCs137の含有量は、Cs134が57.4Bq/L、Cs137が81.4Bq/Lであった。
実施例
汚染焼却飛灰の溶媒による洗浄、固液分離、放置、金属Ca懸濁液による湿式コーティング、固液分離、放置の順に各操作を行い、その後に溶出試験を行った。汚染焼却飛灰は、比較例1で使用した汚染焼却飛灰と同一である。具体的手順は、以下の通りである。なお、金属Ca懸濁液は、メタノール50mLに金属Ca粉末を2g加え、これを撹拌装置(400rpm)で20分間撹拌した後、静置し、上澄み液を回収することで得た。
汚染焼却飛灰15gにメタノール50mLを添加し、マグネチックスラターを用いて200rpmで2時間撹拌した。その後、吸引ろ過機を使用し、焼却飛灰(洗浄焼却飛灰)とメタノールとを分離した。洗浄焼却飛灰を数時間放置しメタノールを十分に揮発させた後、洗浄焼却飛灰に金属Ca懸濁液50mLを加え、マグネチックスラターを用いて200rpmで2時間撹拌した。その後、吸引ろ過機を使用し、表面を金属Caでコーティングした被覆焼却飛灰を回収し、数時間放置した後、被覆焼却飛灰に蒸留水150mLを加え、振とう機(レベル90rpm)で6時間振とうさせた。その後、吸引ろ過機を使用し溶出水を回収し、溶出水中のCs134及びCs137の含有量を測定した。Cs134及びCs137の含有量の測定要領は、比較例1と同じである。
分析の結果、溶出水中のCs134及びCs137の含有量は、Cs134が29.4Bq/L、Cs137が59.7Bq/Lであった。
実施例
メタノールの代わりに、酢酸を0.1容量%含むメタノールを使用し、洗浄を行った。他は、実施例と同じ要領で処理した。
分析の結果、溶出水中のCs134及びCs137の含有量は、Cs134が36.6Bq/L、Cs137が59.4Bq/Lであった。
実施例
汚染焼却飛灰の溶媒による洗浄、固液分離、放置、金属Caナノ分散体+リン酸二水素ナトリウムによる乾式コーティングの順に各操作を行い、その後に溶出試験を行った。汚染焼却飛灰は、比較例1で使用した汚染焼却飛灰と同一である。具体的手順は、以下の通りである。
金属Caナノ分散体は、次の要領で製造した。金属カルシウム(Ca)と、825℃で2時間焼成し水分を除去した酸化カルシウム(CaO)とを重量比で1:5とし、これを遊星ボールミルでアルゴンガス雰囲気下、600rpmで60分間、常温粉砕処理を行った。ミル粉砕物をアルゴンガス雰囲気下、分級し、2mm篩下の粉砕物を得た。これを金属Caナノ分散体とした。得られた金属Caナノ分散体を電子顕微鏡写真(SEM)で確認したところ、電子顕微鏡写真において比較的大きく見える粒子も、実際は、数十から百nm程度の大きさのナノ粒子が凝集したものであり、金属カルシウムは十分にナノサイズまで粉砕されていた。得られた金属Caナノ分散体中の金属カルシウム含有量を、水上置換法により水との接触時に発生する水素量から算出した結果、金属Caナノ分散体1gに対して2.8mmolであった。
汚染焼却飛灰15gにメタノール50mLを添加し、マグネチックスラターを用いて200rpmで2時間撹拌した。その後、吸引ろ過機を使用し、焼却飛灰(洗浄焼却飛灰)とメタノールとを分離した。洗浄焼却飛灰を数時間放置しメタノールを十分に揮発させた後、洗浄焼却飛灰と金属Caナノ分散体2gとリン酸二水素ナトリウム2gとを1Lのポットに充填し、これを横型回転式撹拌装置で90rpmで2時間撹拌した。その後、この混合物に蒸留水150mLを加え、振とう機(レベル90rpm)で6時間振とうさせた。その後、吸引ろ過機を使用し溶出水を回収し、溶出水中のCs134及びCs137の含有量を測定した。Cs134及びCs137の含有量の測定要領は、比較例1と同じである。
実施例
メタノールの代わりに、酢酸を0.1容量%含むメタノールを使用し、洗浄を行った。他は、実施例と同じ要領で処理した。
分析の結果、溶出水中のCs134及びCs137の含有量は、Cs134が42.3Bq/L、Cs137が70.2Bq/Lであった。
比較
汚染焼却飛灰に金属Caナノ分散体を加え乾式コーティングを行った後、放置し、その後に溶出試験を行った。汚染焼却飛灰は、比較例1で使用した汚染焼却飛灰と同一であり、金属Caナノ分散体は、実施例で使用したものと同一である。具体的手順は、以下の通りである。
汚染焼却飛灰15gと金属Caナノ分散体2gとを1Lのポットに充填し、これを横型回転式撹拌装置で90rpmで2時間撹拌した。その後、数時間放置し余剰の金属Caナノ分散体を失活させた。その後、この混合物に蒸留水150mLを加え、振とう機(レベル90rpm)で6時間振とうさせた。その後、吸引ろ過機を使用し溶出水を回収し、溶出水中のCs134及びCs137の含有量を測定した。Cs134及びCs137の含有量の測定要領は、比較例1と同じである。
分析の結果、溶出水中のCs134及びCs137の含有量は、Cs134が52.5Bq/L、Cs137が81.2Bq/Lであった。
比較
金属Caナノ分散体2gとリン酸二水素ナトリウム2gとを用いて乾式コーティングを行った。他は、比較と同じ要領で処理した。
分析の結果、溶出水中のCs134及びCs137の含有量は、Cs134が42.2Bq/L、Cs137が85.7Bq/Lであった。
比較例
汚染焼却飛灰15gに蒸留水150mLを加え、振とう機(レベル90rpm)で6時間振とうさせた。その後、吸引ろ過機を使用し溶出水を回収し、溶出水中のCs134及びCs137の含有量を測定した。Cs134及びCs137の含有量の測定要領は、比較例1と同じである。
分析の結果、溶出水中のCs134及びCs137の含有量は、Cs134が57.7Bq/L、Cs137が88.7Bq/Lであった。
表1に実施例1〜及び比較例1〜5の結果を示した。
Figure 0006196770
洗浄工程で使用する溶媒の種類を変更して、下記の要領で溶媒の洗浄力(溶出力)を確認した。なお、ここでは被処理灰として、一般廃棄物を焼却装置で焼却し電気集塵機で捕集された焼却飛灰にセシウム(試薬:安定同位体)を添加したもの(模擬汚染焼却飛灰)を使用した。
参考例1
模擬汚染焼却飛灰に対して5倍量のエタノールを加え、30分間撹拌した。その後、ろ過し、ろ液を真空乾燥し、それに酸と水を加えAASでセシウム濃度を測定した。さらに洗浄焼却飛灰は、乾燥させた後比較例1と同様の要領で溶出試験を行った。
参考例2
エタノールに代え、n−プロパノールを使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
参考例3
エタノールに代え、2−プロパノールを使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
参考例4
エタノールに代え、金属Ca懸濁液を使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
参考例5
エタノールに代え、メタノールに少なくとも一部がナノサイズの金属Ca粉末を添加したものを使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
参考例6
エタノールに代え、酢酸を0.1容量%含むメタノールに少なくとも一部がナノサイズの金属Ca粉末を添加したものを使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
参考例7
エタノールに代え、メタノールに酸化カルシウム粉末を添加したものを使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
参考例8
エタノールに代え、メタノールに金属Ca粉末を添加したものを使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
参考例9
エタノールに代え、金属Ca懸濁液にリン酸二水素ナトリウムを添加したものを使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
参考例10
エタノールに代え、メタノールにリン酸二水素ナトリウムを添加したものを使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
参考例11
エタノールに代え、メタノールに炭酸ナトリウムを添加したものを使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
比較例
エタノールに代え、水に少なくとも一部がナノサイズの金属Ca粉末を添加したものを使用し、参考例1と同じ要領で処理した。
参考例12
金属Ca懸濁液による洗浄に先立ち、メタノールによる洗浄を行った。その後、参考例4と同様の処理を行った。
参考例13
メタノールに少なくとも一部がナノサイズの金属Ca粉末を添加したものによる洗浄に先立ち、メタノールによる洗浄を行った。その後、参考例5と同様の処理を行った。
参考例14
酢酸を0.1容量%含むメタノールに少なくとも一部がナノサイズの金属Ca粉末を添加したものによる洗浄に先立ち、メタノールによる洗浄を行った。その後、参考例6と同様の処理を行った。
参考例15
メタノールに酸化カルシウム粉末を添加したものによる洗浄に先立ち、メタノールによる洗浄を行った。その後、参考例7と同様の処理を行った。
参考例16
メタノールに金属Ca粉末を添加したものによる洗浄に先立ち、メタノールによる洗浄を行った。その後、参考例8と同様の処理を行った。
参考例1〜16及び比較例の測定結果を表2に示した。
Figure 0006196770
表2に示すように溶媒に金属カルシウムを含むメタノールを使用すると、アルコールのみを溶媒とした場合に比較して、セシウムに対する溶出能力が大きいことが分かる。一方で、金属カルシウムを使用しても分散媒が水の場合、セシウムに対する溶出能力は非常に小さい。金属カルシウムを含むメタノールの場合、金属カルシウムの粒径が小さい程、セシウムに対する溶出能力が大きい。化合物を含むメタノールと、金属カルシウムを含むメタノールとでは、後者の方がセシウムに対する溶出能力が大きい。アルコールでは、沸点の低いアルコールほどセシウムに対する溶出能力が大きい。
溶媒にアルコールを使用した場合と、金属カルシウムを含むメタノールを使用した場合とで、洗浄焼却飛灰からのセシウムの溶出量を比較すると、前者の方が小さい。金属カルシウムを含むメタノールを溶媒として使用した場合、大きい粒子を含むと洗浄焼却飛灰からのセシウムの溶出量が多くなる傾向にある。
溶媒による洗浄操作を2回行うことで、洗浄焼却飛灰からセシウムが溶出することをほぼ完全に防止することができる。
実施例
汚染焼却飛灰を溶媒で洗浄し、固液分離、湿式コーティング、乾燥の各工程を行い、洗浄焼却飛灰の溶出試験を行った。汚染焼却飛灰の放射能量は、14,040Bq/kg(Cs134+Cs137)であった。湿式コーティングには、次の手順で調製したナノ金属Ca懸濁液を使用した。
実施例で使用した金属Caナノ分散体と同じ金属Caナノ分散体を使用し、この金属Caナノ分散体2.7gとメタノール12gとをスターラー(400rpm)で20分間撹拌し、ナノ金属Ca懸濁液を得た。
具体的な実験手順は、以下の通りである。汚染焼却飛灰30gにメタノール79.2mLと水22.8mLと酢酸0.9mLとを添加し、ジューサーミキサーで8分間撹拌した。その後、無機系凝集剤を2.1g添加し、吸引ろ過機を使用し、焼却飛灰(洗浄焼却飛灰)と液体とを分離した。洗浄焼却飛灰にナノ金属Ca懸濁液14.7gを加え、室温下、乳鉢を用い約30分間、手動撹拌しメタノール等を蒸発させ、さらに一晩放置し乾燥させた。乾燥後の被覆汚染飛灰は、さらさらのパウダーであった。溶出試験は、比較例1と同様の方法で行った。
分析の結果、汚染焼却飛灰を溶媒で洗浄した後の洗浄焼却飛灰に含まれる放射能量は、3,583Bq/kgであり、除染率77%、減量率84%であった。また溶出水中のCs134及びCs137の含有量は、104Bq/Lであった。Cs134及びCs137を吸着する凝集剤を使用すると、溶出液中のCs134及びCs137含有量が減少するので、除染率と溶出水中のCs134及びCs137含有量の目的に応じて凝集剤を選定することが望ましい。

Claims (12)

  1. 放射性物質を含有する粉粒体を溶媒で洗浄し、放射性物質を溶出させる洗浄工程と、
    前記洗浄工程後、溶媒で洗浄された洗浄粉粒体と溶媒とを機械的分離法により分離する固液分離工程と、
    前記固液分離工程後の洗浄粉粒体と、金属カルシウム粒子と有機極性溶媒との混合物とを接触させ、前記洗浄粉粒体の表面を金属カルシウム粒子でコーティングする湿式コーティング工程と、
    前記湿式コーティング工程後、固体と液体とを機械的分離法により分離する固液分離工程と、を含み、
    前記洗浄工程で使用する溶媒が有機極性溶媒又は有機極性溶媒と水との混合物であることを特徴とする放射性物質含有粉粒体の処理方法。
  2. 前記湿式コーティング工程に先立ち、前記固液分離工程後の洗浄粉粒体を乾燥させる乾燥工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法。
  3. 前記洗浄工程で使用する溶媒が、下記(A)〜(C)群の一以上を含む有機極性溶媒又は有機極性溶媒と水との混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法。
    (A)有機
    (B)金属カルシウム粒子
    (C)有機極性溶媒又は有機極性溶媒と水との混合物中で少なくともその一部がイオン的に解離する化合物
  4. 前記湿式コーティング工程で使用する金属カルシウム粒子と有機極性溶媒との混合物は、金属カルシウム粒子がメタノールに懸濁した懸濁液であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法。
  5. 前記湿式コーティング工程において、液体を蒸発させ乾燥させる乾燥操作を含み、さらに前記湿式コーティング工程後に行う前記固液分離工程に代え、液体を蒸発させ乾燥させる乾燥工程を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法。
  6. 請求項に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法において前記湿式コーティング工程及び湿式コーティング工程後の固液分離工程に代え、前記洗浄工程及び固液分離工程を経て得られる洗浄粉粒体とコーティング剤とを接触させ、前記洗浄粉粒体の表面を前記コーティング剤でコーティングする乾式コーティング工程を含み、
    又は請求項に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法において前記湿式コーティング工程及び湿式コーティング工程後の固液分離工程に代え、前記洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程を経て得られる洗浄粉粒体とコーティング剤とを接触させ、前記洗浄粉粒体の表面を前記コーティング剤でコーティングする乾式コーティング工程を含み、
    前記コーティング剤が、少なくとも一部がナノサイズの金属カルシウム粒子が酸化カルシウムに分散した粒子であることを特徴とする放射性物質含有粉粒体の処理方法。
  7. 前記コーティング剤がリン酸塩を含むことを特徴とする請求項に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法。
  8. 前記粉粒体が放射性物質汚染物を焼却させた際に発生する焼却主灰及び/又は焼却飛灰であることを特徴とする請求項1からのいずれか1に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法。
  9. 前記洗浄工程及び/又は前記湿式コーティング工程で使用する有機極性溶媒がアルコール、ケトン、エーテル、エステル又はこれら混合物、木酢液であることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法。
  10. 前記洗浄工程及び/又は前記湿式コーティング工程で使用する有機極性溶媒が、沸点が100℃以下の有機極性溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法。
  11. 前記洗浄工程後の固液分離工程、及び前記湿式コーティング工程後の固液分離工程で分離された液体を蒸留し、前記有機極性溶媒を回収する回収工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法。
  12. 前記洗浄工程後の固液分離工程及び/又は前記湿式コーティング工程後の固液分離工程において、凝集剤を使用するときは、前記洗浄工程で使用する溶媒及び/又は前記湿式コーティング工程で使用する有機極性溶媒には水とpH調整剤とが含まれ、凝集に適したpHに調整されていることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質含有粉粒体の処理方法。
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