JP6196053B2 - Temperature measuring device and heat treatment device - Google Patents
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Description
本発明は、基材の複数箇所の温度を非接触にて測定する温度測定装置、および、その温度測定装置を組み込んで半導体ウェハーなどの薄板状の精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)の加熱処理を行う熱処理装置に関する。 The present invention relates to a temperature measuring device that measures the temperature of a plurality of locations on a base material in a non-contact manner, and a thin plate-like precision electronic substrate (hereinafter simply referred to as “substrate”) such as a semiconductor wafer incorporating the temperature measuring device. ).
従来より半導体デバイス等の製造工程においては半導体ウェハー等の基板に対する種々の熱処理が行われている。半導体ウェハーに対する熱処理方法としては急速加熱処理(RTP:Rapid Thermal Process)が広く用いられている。典型的なRTP装置では、チャンバー内に保持した半導体ウェハーにハロゲンランプから光を照射して数秒程度の短時間で半導体ウェハーを所定の処理温度にまで昇温する。半導体ウェハーを急速昇温することにより、例えばイオン打ち込み法によって注入された不純物の拡散を抑制しつつその活性化を実行することができる。また、RTP装置を用いて、半導体ウェハーを処理温度に保持することなく、急速昇温によって半導体ウェハーが処理温度に到達すると同時に急速降温を開始するスパイクアニールも行われている。 Conventionally, various heat treatments have been performed on a substrate such as a semiconductor wafer in a manufacturing process of a semiconductor device or the like. As a heat treatment method for a semiconductor wafer, a rapid thermal process (RTP) is widely used. In a typical RTP apparatus, a semiconductor wafer held in a chamber is irradiated with light from a halogen lamp, and the temperature of the semiconductor wafer is raised to a predetermined processing temperature in a short time of about several seconds. By rapidly raising the temperature of the semiconductor wafer, activation thereof can be performed while suppressing diffusion of impurities implanted by, for example, ion implantation. In addition, spike annealing is also performed in which the semiconductor wafer reaches the processing temperature by the rapid temperature rise and the rapid temperature decrease starts at the same time without holding the semiconductor wafer at the processing temperature using the RTP apparatus.
このようなRTP装置においては、例えば特許文献1に開示されるように、複数のハロゲンランプを複数のゾーンに分割するとともに、各ゾーンに対応するパイロメータ(放射温度計)を設け、そのパイロメータによって測定されたウェハー温度に基づいてハロゲンランプの出力をゾーン毎に制御している。パイロメータは半導体ウェハーの一部領域の温度しか測定できないため、RTP装置では熱処理中に半導体ウェハーを回転させることによって同心円状のゾーンの平均温度を算定し、それに基づいてハロゲンランプのフィードバック制御を行っている。
In such an RTP apparatus, as disclosed in, for example,
パイロメータは、半導体ウェハーから放射された光を受光して強度(光量)を測定し、その強度から測定対象領域の温度を非接触で求めるものである。このような非接触式の温度計であるパイロメータには、測定対象領域からの距離、角度、レンズ系やセンサーの受光効率、および、焦点の大きさなど様々な測定誤差の原因となりうる要素が存在する。特に、パイロメータに設けられた受光センサー自身の温度は熱ノイズとして大きな測定誤差要因となる。 The pyrometer receives light emitted from a semiconductor wafer, measures the intensity (light quantity), and obtains the temperature of the measurement target region in a non-contact manner from the intensity. The pyrometer, which is a non-contact type thermometer, has factors that can cause various measurement errors such as distance from the measurement target area, angle, light receiving efficiency of the lens system and sensor, and the size of the focal point. To do. In particular, the temperature of the light receiving sensor itself provided in the pyrometer causes a large measurement error as thermal noise.
このため、同一仕様のパイロメータを装置の異なる位置に設置し、所定温度に加熱した半導体ウェハーの同じ領域の温度測定を行ったとしても異なる測定結果となることが多い。従って、特許文献1に開示されるように、各ゾーン毎にパイロメータを設けて半導体ウェハーの異なる領域の温度測定を行ったとしても、得られた測定結果は半導体ウェハーの温度分布を正確に示すものなのかパイロメータの機差による測定誤差を含むものなのか判別できないという問題が生じていた。
For this reason, even if pyrometers of the same specification are installed at different positions in the apparatus and the temperature of the same region of the semiconductor wafer heated to a predetermined temperature is measured, different measurement results are often obtained. Therefore, as disclosed in
そこで、各パイロメータについて、出力信号の処理を行う電気回路部分などの調整(校正)を行うことによって、機差による測定誤差を補正することが考えられる。しかしながら、ある温度についてパイロメータの誤差を無くす調整を行ったとしても、測定対象の温度が異なると新たな誤差が生じることとなっていた。その結果、測定対象となる半導体ウェハーの複数箇所を同時に正確に測定することは極めて困難であった。 Therefore, it is conceivable to correct measurement errors due to machine differences by adjusting (calibrating) the electric circuit portion that processes the output signal for each pyrometer. However, even if an adjustment is made to eliminate the pyrometer error for a certain temperature, a new error will occur if the temperature of the measurement object is different. As a result, it has been extremely difficult to accurately measure a plurality of locations on a semiconductor wafer to be measured simultaneously.
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基材の複数箇所の温度を正確に測定することができる温度測定装置およびその温度測定装置を組み込んだ熱処理装置を提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to provide a temperature measuring apparatus capable of accurately measuring temperatures at a plurality of locations on a base material and a heat treatment apparatus incorporating the temperature measuring apparatus. To do.
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基材の複数箇所の温度を非接触にて測定する温度測定装置において、基材から放射される放射光を受光する単一の受光センサーと、基材の複数箇所から放射された放射光を受光して導く単一のレンズ系と、前記複数箇所から放射されて前記単一のレンズ系によって導かれた放射光から前記複数箇所のうちの特定箇所から放射された放射光を選択して前記単一の受光センサーに導く光選択部と、前記光選択部によって選択される放射光が放射される特定箇所を前記複数箇所のいずれかに順次に切り替える切替部と、前記単一の受光センサーが受光した放射光の強度に基づいて前記複数箇所の温度を個別に算定する温度算定部と、を備え、前記光選択部は、放射光に対して不透明な材質にて形成された回転自在な円形の板状部材の一部に放射光が通過する開口を形成した回転窓と、前記回転窓の回転に伴う前記開口の位置の変化に関わらず前記開口を通過した放射光を前記単一の受光センサーに導く反射鏡と、を含み、前記切替部は、前記回転窓を回転させる回転モータを含むことを特徴とする。
In order to solve the above-mentioned problem, the invention of
また、請求項2の発明は、請求項1記載の温度測定装置において、前記光選択部は、前記単一のレンズ系と前記回転窓との間に、楕円環状に放射光透過領域を形成したマスクをさらに備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2記載の温度測定装置において、前記受光センサーは前記基材の斜め上方に設けられ、前記マスクは、前記マスクが存在していない場合に温度測定の対象となる前記基材上の楕円環状の測定領域のうち短径端部から放射された放射光が前記放射光透過領域の長径端部を透過する向きとなるように設置されることを特徴とする。
Further, the invention of
The invention according to
また、請求項4の発明は、熱処理装置であって、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバーに収容された基板を加熱する加熱部と、前記加熱部によって加熱された基板の複数箇所の温度を測定する請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る温度測定装置と、を備えることを特徴とする。
The invention of
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る熱処理装置において、前記加熱部は、前記チャンバーに収容された基板に光を照射して当該基板を加熱するランプを備えることを特徴とする。
The invention according to
また、請求項6の発明は、請求項4または請求項5の発明に係る熱処理装置において、前記温度測定装置の測定結果に基づいて、前記加熱部によって加熱される基板のうち相対的に温度が低い温度低下領域を加熱する温度補正部をさらに備えることを特徴とする。 According to a sixth aspect of the present invention, in the heat treatment apparatus according to the fourth or fifth aspect of the present invention, the temperature of the substrate heated by the heating unit is relatively high based on a measurement result of the temperature measuring apparatus. A temperature correction unit that heats the low temperature drop region is further provided.
請求項1から請求項3の発明によれば、基材の複数箇所から放射されて単一のレンズ系によって導かれた放射光から複数箇所のうちの特定箇所から放射された放射光を選択して単一の受光センサーに導くとともに、その特定箇所を複数箇所のいずれかに順次に切り替え、単一の受光センサーが受光した放射光の強度に基づいて複数箇所の温度を個別に算定するため、複数の受光センサー間の機差を無くして基材の複数箇所の温度を正確に測定することができる。 According to the first to third aspects of the present invention, the radiated light emitted from a specific portion of the plurality of locations is selected from the radiated light emitted from the plurality of locations of the base material and guided by the single lens system. In order to calculate the temperature at multiple locations individually based on the intensity of the radiated light received by a single light reception sensor It is possible to accurately measure the temperature at a plurality of locations on the substrate without any machine difference between the plurality of light receiving sensors.
また、請求項4から請求項6の発明によれば、加熱部によって加熱された基板の複数箇所の温度を正確に測定することができる。
According to the inventions of
特に、請求項6の発明によれば、温度測定装置の測定結果に基づいて、加熱部によって加熱される基板のうち相対的に温度が低い温度低下領域を加熱する温度補正部を備えるため、基板を均一に加熱することができる。
In particular, according to the invention of
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る熱処理装置1の要部構成を示す図である。この熱処理装置1は、φ300mmの円形の半導体ウェハーWの裏面に光を照射することによって半導体ウェハーWの加熱処理(バックサイドアニール)を行うランプアニール装置である。図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
<First Embodiment>
FIG. 1 is a diagram showing a main configuration of a
熱処理装置1は、主たる構成として、半導体ウェハーWを収容する略円筒形状のチャンバー6と、チャンバー6内にて半導体ウェハーWを保持する保持部7と、保持部7に保持された半導体ウェハーWに光を照射する光照射部4と、光照射される半導体ウェハーWの温度を検出する温度測定部8と、半導体ウェハーWの一部領域の温度を補正する温度補正部2と、を備えている。また、熱処理装置1は、これらの各部を制御して半導体ウェハーWの加熱処理を実行させる制御部3を備える。
The
チャンバー6は、上下が開口された略円筒形状の側壁を有している。チャンバー6は、例えば、ステンレススチール等の強度と耐熱性に優れた金属材料にて形成されている。チャンバー6の下側開口には石英窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の下端に配置された石英窓64は、石英(SiO2)により形成された円板形状部材であり、光照射部4から照射された光をチャンバー6内に透過する。
The
また、チャンバー6の上側開口には赤外透過窓63が装着されて閉塞されている。チャンバー6の上端に配置された赤外透過窓63は、シリコン(Si)により形成された円板形状部材である。赤外透過窓63の径は半導体ウェハーWと同様のφ300mmである。このような赤外透過窓63としては、例えば半導体ウェハーWを切り出すシリコン単結晶のインゴットから所定厚さ(本実施形態では3mm)の円板を切り出したものを用いるようにすれば安価に製作することができる。後に詳述するように、シリコンは可視光に対しては不透明(可視光を透過しない)であるが、所定の温度以下であれば波長1μmを超える赤外線を透過する性質を有する。従って、光照射部4からの光照射を受けて昇温した半導体ウェハーWから放射された赤外線はチャンバー6上端の赤外透過窓63を透過してチャンバー6の上方に放出される。
An
石英窓64、赤外透過窓63およびチャンバー6の側壁によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。熱処理空間65の気密性を維持するために、石英窓64および赤外透過窓63とチャンバー6とは図示省略のOリングによってそれぞれシールされており、これらの隙間から気体が流出入するのを防いでいる。具体的には、石英窓64の上面周縁部とチャンバー6との間にOリングを挟み込み、クランプリング66を石英窓64の下面周縁部に当接させ、そのクランプリング66をチャンバー6にネジ止めすることによって、石英窓64をOリングに押し付けている。同様に、赤外透過窓63の下面周縁部とチャンバー6との間にOリングを挟み込み、クランプリング62を赤外透過窓63の上面周縁部に当接させ、そのクランプリング62をチャンバー6にネジ止めすることによって、赤外透過窓63をOリングに押し付けている。
A space surrounded by the
また、チャンバー6の側壁には、半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部67が設けられている。搬送開口部67は、図示を省略するゲートバルブによって開閉可能とされている。搬送開口部67が開放されると、図外の搬送ロボットによってチャンバー6に対する半導体ウェハーWの搬入および搬出が可能となる。また、搬送開口部67が閉鎖されると、熱処理空間65が外部との通気が遮断された密閉空間となる。
A
保持部7は、チャンバー6の内部に固定設置されており、保持プレート71および支持ピン72を備える。保持プレート71および支持ピン72を含む保持部7の全体は石英にて形成されている。保持プレート71は、水平姿勢となるようにチャンバー6の内部に固定設置されている。保持プレート71の上面には、複数(少なくとも3個)の支持ピン72が円周上に沿って立設されている。複数の支持ピン72によって形成される円の径は半導体ウェハーWの径よりも若干小さい。よって、複数の支持ピン72によって半導体ウェハーWを水平姿勢(半導体ウェハーWの法線が鉛直方向に沿う姿勢)に載置して支持することができる。なお、複数の支持ピン72に代えて、保持プレート71の上面に半導体ウェハーWの径よりも小さい石英のリングを設けるようにしても良い。
The holding
また、チャンバー6の内部には移載機構5が設けられている。移載機構5は、一対の移載アーム51と、各移載アーム51の上面に設けられたリフトピン52とを備える。2本の移載アーム51のそれぞれには、例えば2本のリフトピン52が設けられている。2本の移載アーム51および4本のリフトピン52はいずれも石英にて形成される。一対の移載アーム51は、図示省略の昇降駆動部によって鉛直方向に沿って昇降移動される。一対の移載アーム51が上昇すると、計4本のリフトピン52が保持プレート71に穿設された貫通孔を通過し、その上端が保持プレート71の上面から突き出て支持ピン72よりも上方にまで到達する。一方、移載アーム51が下降しているときには、図1に示すように、リフトピン52の上端が保持プレート71よりも下方に位置している。なお、移載アーム51が下降している状態において、開閉機構によって一対の移載アーム51を水平方向に沿って開閉するようにしても良い。
A
光照射部4は、チャンバー6の下方に設けられている。光照射部4は、複数本のハロゲンランプHLおよびリフレクタ43を備える。本実施形態では、光照射部4に40本のハロゲンランプHLを設けている。複数のハロゲンランプHLは、チャンバー6の下方から石英窓64を介して熱処理空間65への光照射を行う。図2は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。本実施形態では、上下2段に各20本ずつのハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
The
また、図2に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも端部側の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、光照射部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
In addition, as shown in FIG. 2, the arrangement density of the halogen lamps HL in the region facing the peripheral portion is higher than the region facing the central portion of the semiconductor wafer W held by the holding
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段の各ハロゲンランプHLの長手方向と下段の各ハロゲンランプHLの長手方向とが直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。 Further, the lamp group composed of the upper halogen lamp HL and the lamp group composed of the lower halogen lamp HL are arranged so as to intersect in a lattice pattern. That is, a total of 40 halogen lamps HL are arranged so that the longitudinal direction of the upper halogen lamps HL and the longitudinal direction of the lower halogen lamps HL are orthogonal to each other.
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。 The halogen lamp HL is a filament-type light source that emits light by making the filament incandescent by energizing the filament disposed inside the glass tube. Inside the glass tube, a gas obtained by introducing a trace amount of a halogen element (iodine, bromine, etc.) into an inert gas such as nitrogen or argon is enclosed. By introducing a halogen element, it is possible to set the filament temperature to a high temperature while suppressing breakage of the filament. Therefore, the halogen lamp HL has a characteristic that it has a longer life than a normal incandescent bulb and can continuously radiate strong light. Further, since the halogen lamp HL is a rod-shaped lamp, it has a long life, and by arranging the halogen lamp HL along the horizontal direction, the radiation efficiency to the upper semiconductor wafer W becomes excellent.
また、リフレクタ43は、複数のハロゲンランプHLの下方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ43の基本的な機能は、複数のハロゲンランプHLから出射された光をチャンバー6内の熱処理空間65に反射するというものである。リフレクタ43は例えばアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(ハロゲンランプHLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されている。
Further, the
また、チャンバー6の下方には温度補正部2も設けられている。図3は、温度補正部2の構成を示す図である。図3においては、図示の便宜上、光照射部4およびチャンバー6の構成を簡略化して描いている。温度補正部2は、レーザユニット21、レーザ光出射部25および回転モータ24を備える。本実施形態のレーザユニット21は、出力が500Wの非常に高出力の半導体レーザであり、波長が800nm〜820nmの可視光レーザを放出する。レーザユニット21から放出されたレーザ光は光ファイバー22によってコリメータレンズ23へと導かれる。コリメータレンズ23から出射された平行なレーザ光はレーザ光出射部25に入射する。
A
図4は、レーザ光出射部25の縦断面図である。レーザ光出射部25は、石英によって形成された略棒状の光学部材である。レーザ光出射部25は、上端に位置する投光部25aと、その下側に鉛直方向に沿って設けられた導光部25bと、を備えて構成される。導光部25bは円柱形状を有しており、本実施形態ではその径がφ15mmとされている。投光部25aには、反射面25cおよび出射面25dが形成されている。本実施形態においては、出射面25dは鉛直方向に沿って形成され、反射面25cと水平面とのなす角度は例えば56.7°とされている。なお、レーザ光出射部25は、1本の円柱状石英ロッドから反射面25cおよび出射面25dを切り出して作製するようにしても良いし、投光部25aと導光部25bとを別体の石英部材として接着するようにしても良い。
FIG. 4 is a longitudinal sectional view of the laser
レーザ光出射部25は、保持部7に保持された半導体ウェハーWの中心軸CXに沿うようにウェハー中心の直下に配置されている。具体的には、保持部7が水平姿勢にて保持する半導体ウェハーWの中心を鉛直方向に貫く中心軸CX(図3)と円柱形状の導光部25bの中心軸とが一致するようにレーザ光出射部25が設けられている。
The laser
図3に示すように、レーザ光出射部25は、回転モータ24によって導光部25bの中心軸(つまり、半導体ウェハーWの中心軸CX)を回転中心として回転可能とされている。本実施形態の回転モータ24は、モータ軸が中空となっている中空モータであり、その中空部分に導光部25bの下端が挿通されている。そして、導光部25bの下端面に対向する位置にコリメータレンズ23が配置されている。回転モータ24にはエンコーダ24aが付設されており、そのエンコーダ24aによってレーザ光出射部25の回転角度を検出することができる。
As shown in FIG. 3, the laser
また、レーザ光出射部25は、スライド駆動部26によって半導体ウェハーWの中心軸CXに沿って往復移動可能とされている。スライド駆動部26としては、例えば、導光部25bに連結された部材に螺合されたボールネジを回転させるパルスモータを用いることができる。スライド駆動部26にはエンコーダ26aが付設されており、そのエンコーダ26aによってレーザ光出射部25の高さ位置を検出することができる。
Further, the laser
導光部25bの上端側は、光照射部4のリフレクタ43を貫通している。導光部25bがリフレクタ43を貫通する部位にはベアリングを設けるようにしても良い。導光部25bは、さらにハロゲンランプHLの配置の隙間を通り抜け(図2参照)、その上端が少なくとも上段のハロゲンランプHLよりも上側に位置するように設けられる。そして、導光部25bの上端に投光部25aが連設される。このため、レーザ光出射部25が回転したときにも、レーザ光出射部25とハロゲンランプHLとの接触が防止される。
The upper end side of the
図4に示すように、レーザユニット21から放出されてコリメータレンズ23からレーザ光出射部25の導光部25bの下端面に垂直に入射したレーザ光は、鉛直方向に沿って設けられた導光部25bの長手方向に沿って直進する。すなわち、入射したレーザ光は導光部25bの中心軸と平行に上方の投光部25aに向けて導かれる。そして、導光部25b内を導かれたレーザ光は投光部25aの反射面25cにて出射面25dに向けて全反射され、出射面25dから保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部に向けて出射される。レーザ光は石英の投光部25aから大気中に出射される際に若干屈折される。その結果、レーザ光出射部25から出射されたレーザ光と水平面とのなす角度は約35°となる。本実施形態ではこの角度を約35°としているが、熱処理装置1の配置構成(レーザ光出射部25と半導体ウェハーWとの位置関係等)に応じて適宜の値とすることができ、具体的には反射面25cと水平面とのなす角度によって調整することができる。
As shown in FIG. 4, the laser light emitted from the
レーザ光出射部25から出射されたレーザ光は、半導体ウェハーWの裏面周縁部の一部領域に照射される。レーザ光出射部25からレーザ光を出射しつつ、回転モータ24が中心軸CXを回転中心としてレーザ光出射部25を回転させることにより、レーザ光の照射スポットが半導体ウェハーWの裏面周縁部で旋回することとなる。また、スライド駆動部26がレーザ光出射部25を中心軸CXに沿って昇降させると、レーザ光の照射スポットが旋回する径が拡縮することとなる。なお、温度補正部2による半導体ウェハーWの周縁部へのレーザ光照射についてはさらに後述する。
The laser beam emitted from the laser
図1に戻り、チャンバー6の上方には温度測定部8が設けられている。温度測定部8はパイロメータ81を備える。図5は、第1実施形態のパイロメータ81の構造を示す図である。パイロメータ81は、広角レンズ系82と受光部83とを備える。広角レンズ系82は、先頭から順に凹凸凸凹凸の5枚のレンズを接合して形成されている。第2レンズ(先頭から2番目の凸レンズ)中には図示省略の絞りが設けられている。広角レンズ系82は、無限遠方の物体に対する結像位置が受光部83の受光センサー84となるように構成されている。なお、広角レンズ系82としては、図3に例示するものに限定されず、公知の種々のレンズ系を採用することができる。
Returning to FIG. 1, a
受光部83は、1個の受光センサー84と、一対の反射板85と、回転窓86と、を備える。受光センサー84は、広角レンズ系82によって導かれた光を受光してその強度に応じたレベルの電気信号を出力する。本実施形態のパイロメータ81においては、単一の受光センサー84に対して単一の広角レンズ系82を設けており、半導体ウェハーWからの放射光(赤外線)が広角レンズ系82によって受光センサー84に導かれる。受光センサー84は、広角レンズ系82の中心軸に沿った線上に設置されている。
The
また、回転窓86および一対の反射板85は、半導体ウェハーWの異なる複数箇所から放射されて広角レンズ系82によって導かれた放射光から当該複数箇所のうちの特定箇所から放射された放射光を選択して受光センサー84に導く光選択部として機能するものである。図6は、第1実施形態の回転窓86を示す平面図である。回転窓86は、半導体ウェハーWから放射される赤外線に対して不透明な材質(例えば、アルミニウムなどの金属)にて形成された回転自在な円形の板状部材である。回転窓86の一部には半導体ウェハーWからの放射光が通過する開口86aが形設されている。開口86aは、回転窓86の回転中心に対して偏心して設けられている。
Further, the
回転窓86は、表面が広角レンズ系82に対向するように設置されている。回転窓86は回転モータ87によって回転される。また、回転窓86は、その回転中心を広角レンズ系82の中心軸が貫くように設けられている。回転モータ87が回転窓86を回転させることによって、偏心して設けられた開口86aも回転窓86の回転中心の周りで旋回することとなる。開口86aがいずれの位置であったとしても、広角レンズ系82と対向している。
The
一対の反射板85は、回転窓86の裏面に固設されている。各反射板85は、一方面が鏡面の反射鏡である。一対の反射板85は、鏡面を相対向させつつ、回転窓86の主面に対して45°をなすように設けられている。一対の反射板85は、開口86aを挟む位置に設けられており、そのうちの一方は広角レンズ系82の中心軸に沿って設けられた受光センサー84に対向する位置に設けられている。これにより、図5に示すように、回転窓86の回転に伴う開口86aの位置の変化に関わらず、開口86aを通過した光は一対の反射板85によって多重反射されて受光センサー84に導かれる。なお、回転窓86に固設された一対の反射板85は、回転窓86に回転に連動して回転するが、受光センサー84は回転窓86の回転に連動しても良いし、しなくても良い。
The pair of reflecting
パイロメータ81は、チャンバー6の上方において、広角レンズ系82の先頭の凹レンズ(受光部83が設けられている側と反対側のレンズ)が赤外透過窓63に対向するように設置されている。また、パイロメータ81は、保持部7によって保持される半導体ウェハーWの中心軸CX(図3参照)と広角レンズ系82の中心軸とが一致するように設けられている。パイロメータ81の受光センサー84は波長1μm以上の赤外線を検知する。シリコンにて形成された赤外透過窓63は波長1μm以上の赤外線を透過する。すなわち、チャンバー6内の熱処理空間65から放射された波長1μm以上の赤外線は赤外透過窓63を透過してパイロメータ81によって検出されることとなり、パイロメータ81は赤外透過窓63よりも下側の半導体ウェハーWから放射された放射光を検知することができるのである。
The
図7は、温度算定部91の構成を示すブロック図である。温度算定部91は、A/Dコンバータ92および演算部93を備える。A/Dコンバータ92は、受光センサー84から伝達された電気信号(アナログ)をデジタル信号に変換する。演算部93は、A/Dコンバータ92から出力されたデジタル信号に基づいて演算処理を行うことによって温度を算定する。演算部93は、例えば1つのICチップ上にCPU、メモリ、タイマなどを搭載したワンチップマイコンによって実現するようにすれば良い。ワンチップマイコンであれば、汎用処理を行うことはできないが、特定の処理を高速で行うことができる。
FIG. 7 is a block diagram illustrating a configuration of the
温度算定部91と制御部3とは通信回線を介して接続されている。制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。また、制御部3には温度算定部91による半導体ウェハーWの温度算定結果が伝達されるとともに、それに基づいて制御部3は温度補正部2および光照射部4を制御する。なお、温度算定部91と制御部3とを接続する通信回線は、シリアル通信であっても良いし、パラレル通信であっても良い。
The
また、図1に戻り、熱処理装置1には赤外透過窓63を冷却する冷却部69が設けられている。本実施形態では、冷却部69として送風機を用いている。冷却部69は、チャンバー6の外部に設けられており、赤外透過窓63の上面に向けて送風することにより赤外透過窓63を空冷する。冷却部69は、送風する風を温調するための温調機構を備えていても良い。
Returning to FIG. 1, the
上記の構成以外にも熱処理装置1は、熱処理空間65の雰囲気調整を行う機構、例えば窒素(N2)、酸素(O2)、水素(H2)、塩化水素(HCl)、アンモニア(NH3)などの処理ガスを熱処理空間65に供給する給気機構および熱処理空間65内の雰囲気を装置外に排気する排気機構を備えていても良い。また、光照射部4からの光照射によるチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するための水冷管をチャンバー6の側壁に設けるようにしても良い。
In addition to the above configuration, the
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
Next, a processing procedure for the semiconductor wafer W in the
まず、図示省略のゲートバルブが開いて搬送開口部67が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部67を介して処理対象となるシリコンの半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入される。搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構5の一対の移載アーム51が上昇することにより、計4本のリフトピン52が保持プレート71の貫通孔を通過して支持ピン72よりも上方に突き出て搬送ロボットから半導体ウェハーWを受け取る。
First, a gate valve (not shown) is opened to open the
半導体ウェハーWがリフトピン52に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出して搬送開口部67が閉鎖されることにより熱処理空間65が密閉空間とされる。そして、一対の移載アーム51が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構5から保持部7に受け渡され、支持ピン72によって下方より水平姿勢にて保持される。半導体ウェハーWは、パターン形成がなされた表面を上面として保持部7に保持される。つまり、パターン形成がなされていない裏面が下面となっている。
After the semiconductor wafer W is placed on the lift pins 52, the transfer robot moves out of the
半導体ウェハーWが石英にて形成された保持部7によって水平姿勢にて下方より保持された後、光照射部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して光照射加熱(ランプアニール)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された石英窓64および保持プレート71を透過して半導体ウェハーWの裏面から照射される。
After the semiconductor wafer W is held horizontally from below by the holding
ハロゲンランプHLから出射されて石英の石英窓64および保持プレート71を透過した光は保持部7に保持された半導体ウェハーWの裏面に照射され、それによって半導体ウェハーWが加熱されて目標とする処理温度にまで昇温する。本実施形態においては、パターンの形成されていない半導体ウェハーWの裏面に光が照射されるため、均一な光照射加熱を行うことができる(いわゆるバックサイドアニール)。すなわち、パターン形成がなされていない半導体ウェハーWの裏面には光吸収率のパターン依存性が存在しないため、裏面全面にわたって光吸収率は均一であり、その結果ハロゲンランプHLの光が均一に吸収されるのである。なお、移載機構5の移載アーム51およびリフトピン52も石英にて形成されているため、ハロゲンランプHLによる光照射加熱の障害となることは無い。
The light emitted from the halogen lamp HL and transmitted through the
ハロゲンランプHLからの光照射加熱によって昇温した半導体ウェハーWからは、その温度に応じた強度(エネルギー)の赤外線が放射される。半導体ウェハーWから放射される赤外線の強度は温度(絶対温度)の4乗に比例することが知られている(シュテファン=ボルツマンの法則)。そして、昇温した半導体ウェハーWの表面から放射された赤外線はチャンバー6の上端に設けられたシリコンの赤外透過窓63を透過する。
From the semiconductor wafer W that has been heated by light irradiation heating from the halogen lamp HL, infrared rays having an intensity (energy) corresponding to the temperature are emitted. It is known that the intensity of infrared rays emitted from the semiconductor wafer W is proportional to the fourth power of the temperature (absolute temperature) (Stephan-Boltzmann law). Then, the infrared rays radiated from the surface of the semiconductor wafer W whose temperature has been raised pass through a silicon
図8は、厚さ3mmのシリコンの分光透過率を示す図である。同図に示すように、可視光を含む波長1μm以下の光はシリコンを全く透過しないのに対して、波長1μmを超える赤外線はある程度シリコンを透過する。そして、本実施形態のパイロメータ81は波長1μm以上の赤外線を検知する。従って、昇温した半導体ウェハーWの表面から放射された波長1μm以上の赤外線はシリコンの赤外透過窓63を透過してパイロメータ81によって検出されることとなる。
FIG. 8 is a diagram showing the spectral transmittance of silicon having a thickness of 3 mm. As shown in the figure, light having a wavelength of 1 μm or less including visible light does not pass through silicon at all, whereas infrared light having a wavelength of 1 μm or more passes through silicon to some extent. And the
半導体ウェハーWの表面から放射され、赤外透過窓63を透過した放射光(赤外線)は、パイロメータ81の広角レンズ系82によって受光部83に導かれる。このときに、半導体ウェハーWの表面の異なる複数の箇所から放射された放射光が広角レンズ系82によって受光部83に導かれる。パイロメータ81は広角レンズ系82を備えるため、半導体ウェハーWの広い範囲の異なる箇所からの放射光を受光部83に導くことができる。広角レンズ系82によって導かれた放射光の一部は回転窓86の開口86aを通過する。開口86aを通過した放射光は一対の反射板85によって受光センサー84に導かれる。
Radiated light (infrared light) emitted from the surface of the semiconductor wafer W and transmitted through the
半導体ウェハーWの複数箇所から放射された放射光が広角レンズ系82によって受光部83に導かれるのであるが、それらのうち開口86aを通過するのは特定箇所から放射された放射光のみである。半導体ウェハーWの特定箇所以外から放射された放射光は回転窓86によって遮光され、受光センサー84には到達しない。すなわち、開口86aを形成した回転窓86は半導体ウェハーWの特定箇所から放射された放射光のみを選択し、その放射光が一対の反射板85によって受光センサー84に導かれるのである。
The radiated light radiated from a plurality of locations on the semiconductor wafer W is guided to the
また、半導体ウェハーWの温度測定時には、受光部83の回転窓86が回転モータ87によって一定速度(例えば、1回転/秒)で回転されている。これに伴って、回転窓86の中心に対して偏心して設けられた開口86aも回転する(図6参照)。このため、回転窓86の回転にともなって、開口86aを通過する放射光が放射される半導体ウェハーWの特定箇所が順次に切り替えられることとなる。換言すれば、回転モータ87は、回転窓86によって選択される放射光が放射される半導体ウェハーWの特定箇所を順次に切り替える切替部として機能するものである。
At the time of measuring the temperature of the semiconductor wafer W, the rotating
図9は、第1実施形態のパイロメータ81によって測定対象となる半導体ウェハーWの領域を示す図である。第1実施形態においては、パイロメータ81が保持部7によって保持される半導体ウェハーWの中心部上方に設けられ、かつ、特定箇所を選択する開口86aを形成した回転窓86が一定速度で回転している。このため、パイロメータ81による測定対象となる領域は、図9に斜線で示した半導体ウェハーW表面の円環形状の領域となる。図9の斜線で示す円環形状の領域に含まれる複数箇所から放射された放射光が赤外透過窓63を透過してパイロメータ81に入射し、広角レンズ系82によって受光部83に導かれる。それら複数箇所のうち特定箇所から放射された放射光のみが開口86aを通過して一対の反射板85によって受光センサー84に導かれる。回転窓86が回転することにより、開口86aを通過する放射光が放射される特定箇所が図9の円環形状領域に含まれる複数箇所のいずれかに順次に切り替えられる。その結果、図9に斜線で示す円環形状の領域がパイロメータ81による温度測定の対象となるのである。
FIG. 9 is a diagram illustrating a region of the semiconductor wafer W to be measured by the
受光部83の受光センサー84は、図9に示す円環形状領域に含まれるいずれかの特定箇所から放射された放射光を受光し、その放射光の強度を検出する。特定箇所からの放射光を受光した受光センサー84は、受光した放射光の強度に応じたレベルの電気信号を出力する。受光センサー84から出力された電気信号は温度算定部91に伝達される(図7参照)。温度算定部91では、受光センサー84から出力された信号がA/Dコンバータ92によってデジタル信号に変換される。そして、そのデジタル信号に基づいて演算部93が演算処理を行うことにより、半導体ウェハーWの上記特定箇所の温度が算定される。半導体ウェハーWの放射光の強度から温度を算定するには、黒体輻射についてのプランクの法則或いはそれから導かれるステファン・ボルツマンの法則を利用した公知の演算手法用いることができる。或いは、半導体ウェハーWの表面温度と受光センサー84が出力する信号レベルとを予め対応付けたテーブルを作成して制御部3が備える記憶部に格納しておき、そのテーブルに基づいて特定箇所の温度を求めるようにしても良い。
The
回転モータ87が回転窓86を回転させることにより、温度測定の対象となる特定箇所が図9の円環形状領域に含まれる複数箇所のいずれかに順次に切り替えられる。演算部93は、受光センサー84からの信号を順次に処理し、受光センサー84が受光した放射光の強度に基づいて図9の円環形状領域に含まれる複数箇所の温度を順次に個別に算定する。これにより、図9に示す半導体ウェハーWの円環形状領域の温度が測定される。なお、例えば、回転窓86が1回転/秒で回転し、演算部93が10ミリ秒間隔で演算処理を行う場合には、図9の円環形状領域に含まれる100箇所の温度が個別に算定されることとなる。
When the
このようにして、第1実施形態では、単一のパイロメータ81によって半導体ウェハーWの表面の異なる複数箇所の温度を測定している。温度算定部91にて算定された半導体ウェハーWの複数箇所の温度は制御部3に伝達される。制御部3は、温度算定部91による算定結果に基づいて、半導体ウェハーWの温度が所定の目標温度となるように光照射部4のハロゲンランプHLへの電力供給を制御するようにしても良い。また、制御部3は、温度算定部91による温度算定結果をディスプレイ等に表示するようにしても良い。
Thus, in the first embodiment, the temperature of a plurality of different locations on the surface of the semiconductor wafer W is measured by the
さらに、制御部3は、温度算定部91による算定結果に基づいて、図9の円環形状領域の一部を選択的に加熱するように温度補正部2を制御するようにしても良い。図10は、温度測定部8による温度測定結果に基づいて半導体ウェハーWの温度の補正を行う様子を概念的に示す図である。上述したように、ハロゲンランプHLから出射された光は石英窓64および石英の保持プレート71(図10では省略)を透過して半導体ウェハーWの裏面に照射され、それによって半導体ウェハーWが加熱されて処理温度にまで昇温する。昇温した半導体ウェハーWからはその温度に応じた強度の赤外線が放射される。半導体ウェハーWの表面から放射された放射光は赤外透過窓63を透過して温度測定部8のパイロメータ81によって検出され、図9に示した半導体ウェハーWの円環形状領域に含まれる複数箇所の温度が測定される。
Further, the
ハロゲンランプHLからの光照射加熱によって昇温した半導体ウェハーWには、周辺の他の領域よりも相対的に温度が低い温度低下領域(コールドスポット)が局所的に現出することがある。このような温度低下領域は、半導体ウェハーWと支持ピン72との接触やチャンバー6内に形成される気流などによって生じる。本実施形態の温度測定部8は、半導体ウェハーWの円環形状領域に含まれる複数箇所の温度を個別に測定するため、そのような温度低下領域を検出することができる。ハロゲンランプHLへの電力供給制御では、半導体ウェハーW全面の温度は調整することができても、局所的な温度低下領域を加熱して解消することは困難である。
In the semiconductor wafer W that has been heated by light irradiation heating from the halogen lamp HL, a temperature drop region (cold spot) having a relatively lower temperature than other peripheral regions may locally appear. Such a temperature drop region is generated by contact between the semiconductor wafer W and the support pins 72, an airflow formed in the
そこで、制御部3は、温度測定部8による温度低下領域の検出結果に基づいて、半導体ウェハーWの温度低下領域を選択的に加熱するように温度補正部2を制御する。温度補正部2においては、レーザユニット21から放出されたレーザ光がコリメータレンズ23からレーザ光出射部25の導光部25bに入射される。入射されたレーザ光はレーザ光出射部25の投光部25aから石英窓64を介して保持部7に保持された半導体ウェハーWの裏面周縁部に照射される。このときには、回転モータ24が半導体ウェハーWの中心軸CXを回転中心としてレーザ光出射部25を回転させる。これにより、レーザ光出射部25から出射されたレーザ光の照射スポットは半導体ウェハーWの裏面周縁部に沿って旋回する。レーザ光の照射スポットは円形の軌道を描くこととなるが、この円軌道が図9の円環形状領域と一致するようにスライド駆動部26がレーザ光出射部25の高さを調整している。従って、レーザ光出射部25から出射されたレーザ光の照射スポットは図9の円環形状領域に沿って旋回する。
Therefore, the
温度算定部91による算定の結果、図9の円環形状領域の一部に温度低下領域が現出していた場合には、制御部3の制御下にてレーザユニット21がレーザ光出力の変調を行う。具体的には、レーザ光出射部25の回転角度がレーザ光の照射スポットが温度低下領域に位置する角度となっているときには、制御部3の制御によってレーザユニット21のレーザ光出力を高める。また、レーザ光の照射スポットが温度低下領域から外れているときには、レーザユニット21のレーザ光出力を低くする。レーザユニット21は、レーザ光出力を0%から100%の範囲で高速に制御することができる。なお、レーザ光出射部25の回転角度はエンコーダ24aによって検出することができる。
As a result of the calculation by the
このようにすれば、ハロゲンランプHLからの光照射加熱の結果として半導体ウェハーWの一部に温度低下領域が生じたとしても、その温度低下領域のみにレーザ光出射部25から強いレーザ光を照射して加熱することができる。その結果、温度低下領域を解消して半導体ウェハーWの全面を均一に処理温度に加熱することができる。
In this way, even if a temperature drop region occurs in a part of the semiconductor wafer W as a result of light irradiation and heating from the halogen lamp HL, only the temperature drop region is irradiated with strong laser light from the laser
ところで、上記のような温度測定部8による温度測定時に、半導体ウェハーWから放射された光の一部は赤外透過窓63を透過するものの、残部は赤外透過窓63に吸収され、赤外透過窓63自体が加熱される。すなわち、光照射加熱によって昇温した半導体ウェハーWからの輻射熱によって、半導体ウェハーWと同じ材質(シリコン)の赤外透過窓63が加熱されるのである。シリコンは、常温のときには図8に示すような分光透過率特性を示すが、加熱されて昇温するとほとんど赤外線を透過しなくなるという性質を有する。従って、半導体ウェハーWが昇温してからの経過時間が長くなるにつれて赤外透過窓63も昇温し、半導体ウェハーWから放射された赤外線が赤外透過窓63を透過しにくくなってパイロメータ81による検出が困難となる。
By the way, at the time of the temperature measurement by the
このため、赤外透過窓63を冷却するための冷却部69が設けられている。冷却部69は、少なくともハロゲンランプHLが点灯している間は赤外透過窓63の上面に向けて継続して送風する。これにより、ハロゲンランプHLからに光照射加熱によって半導体ウェハーWが昇温しても、赤外透過窓63の温度は冷却部69によって150℃以下に維持されることとなる。150℃以下であれば赤外透過窓63は波長1μm以上の赤外線を透過することができる。なお、より確実に赤外線を透過するためには、冷却部69によって赤外透過窓63を100℃以下に冷却しておくのが好ましい。
Therefore, a cooling
所定時間の光照射加熱が終了した後、ハロゲンランプHLが消灯して半導体ウェハーWの降温が開始される。ハロゲンランプHLが消灯して所定時間が経過し、半導体ウェハーWが十分に降温した後、移載機構5の一対の移載アーム51が上昇し、リフトピン52が保持プレート71に保持されていた半導体ウェハーWを突き上げて支持ピン72から離間させる。その後、搬送開口部67が再び開放され、装置外部の搬送ロボットのハンドが搬送開口部67からチャンバー6内に進入して半導体ウェハーWの直下で停止する。続いて、移載アーム51が下降することによって、半導体ウェハーWがリフトピン52から搬送ロボットに渡される。そして、半導体ウェハーWを受け取った搬送ロボットのハンドがチャンバー6から退出することにより、半導体ウェハーWがチャンバー6から搬出され、熱処理装置1における光照射加熱処理が完了する。
After the light irradiation heating for a predetermined time is completed, the halogen lamp HL is turned off and the temperature lowering of the semiconductor wafer W is started. After the halogen lamp HL is turned off and a predetermined time has passed and the semiconductor wafer W has sufficiently cooled down, the pair of
第1実施形態においては、1つのパイロメータ81に単一の受光センサー84および単一の広角レンズ系82を設けている。そして、開口86aを形成した回転窓86を設けることにより、半導体ウェハーWの複数箇所から放射されて単一の広角レンズ系82によって導かれた放射光から複数箇所のうちの特定箇所から放射された放射光のみを選択している。回転窓86によって選択された特定箇所からの放射光は一対の反射板85によって受光センサー84に導かれ、その特定箇所の温度が求められる。回転モータ87によって回転窓86が回転することにより、温度測定される特定箇所が図9の円環形状領域に含まれる複数箇所のいずれかに順次に切り替えられる。その結果、図9の円環形状領域に含まれる複数箇所の温度が非接触にて測定されることとなる。
In the first embodiment, a single
単一の受光センサー84に単一の広角レンズ系82を設けた1個のパイロメータ81によって複数箇所の温度を測定しているため、パイロメータを複数設けた場合における測定対象領域からのパイロメータまで距離、パイロメータの設置角度、および、パイロメータが備えるレンズ系等に起因した機差を解消することができ(そもそも機差が存在しない)、半導体ウェハーWの異なる複数箇所の温度を非接触にて正確に測定することができる。
Since the temperature of a plurality of locations is measured by a
このように、本実施形態においては、パイロメータの機差を無くすことによって半導体ウェハーWの異なる複数箇所の温度を正確に測定することができる。そして、従来は繁雑な作業となっていたパイロメータの機差の解消に要する負担を最小限のものとすることができる。 Thus, in this embodiment, the temperature of several different places of the semiconductor wafer W can be measured accurately by eliminating the machine difference of the pyrometer. In addition, it is possible to minimize the burden required to eliminate the difference between the pyrometers, which has conventionally been a complicated operation.
また、パイロメータ81による測定の結果、半導体ウェハーWの一部に温度低下領域が現出していることが判明した場合には、温度補正部2によってその温度低下領域を選択的に加熱することにより、温度低下領域を解消して半導体ウェハーWの全面を均一に加熱することができる。
Further, as a result of measurement by the
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では保持部7によって保持される半導体ウェハーWの中心部直上に温度測定部8のパイロメータ81を設けていたのに対して、第2実施形態においては半導体ウェハーWの斜め上方にパイロメータ81を設けている。
Second Embodiment
Next, a second embodiment of the present invention will be described. In the first embodiment, the
図11は、第2実施形態における半導体ウェハーWとパイロメータ81との位置関係を示す図である。第2実施形態においては、例えばチャンバー6の側壁にパイロメータ81を取り付けることにより、保持部7に保持される半導体ウェハーWの斜め上方にパイロメータ81が設けられる。パイロメータ81の設置位置を除く第2実施形態の残余の点は第1実施形態と同じである。
FIG. 11 is a diagram showing a positional relationship between the semiconductor wafer W and the
また、第2実施形態における半導体ウェハーWの処理手順についても第1実施形態と同様である。第2実施形態においても、ハロゲンランプHLからの光照射加熱によって昇温した半導体ウェハーWの表面から放射された放射光をパイロメータ81の単一の広角レンズ系82が受光部83に導く。開口86aを形設した回転窓86は、単一の広角レンズ系82によって導かれた放射光から半導体ウェハーWの複数箇所のうちの特定箇所から放射された放射光のみを選択する。回転窓86によって選択された放射光は一対の反射板85によって受光センサー84に導かれ、半導体ウェハーWの特定箇所の温度が算定される。
The processing procedure for the semiconductor wafer W in the second embodiment is the same as that in the first embodiment. Also in the second embodiment, the single wide-
また、回転モータ87が回転窓86を回転させることによって、温度測定される特定箇所が順次に切り替わる。但し、第2実施形態では、パイロメータ81が半導体ウェハーWの斜め上方に設けられているため、測定対象領域は楕円の環状となる。図12は、第2実施形態のパイロメータ81によって測定対象となる半導体ウェハーWの領域を示す図である。第2実施形態においては、パイロメータ81が保持部7によって保持される半導体ウェハーWの斜め上方に設けられ、かつ、特定箇所を選択する開口86aを形成した回転窓86が一定速度で回転している。このため、パイロメータ81による測定対象となる領域は、図12に斜線で示した半導体ウェハーW表面の楕円環形状の領域となる。
Further, when the
図12の斜線で示す楕円環形状の領域に含まれる複数箇所から放射された放射光が赤外透過窓63を透過してパイロメータ81に入射し、広角レンズ系82によって受光部83に導かれる。それら複数箇所のうち特定箇所から放射された放射光のみが開口86aを通過して一対の反射板85によって受光センサー84に導かれる。回転窓86が回転することにより、開口86aを通過する放射光が放射される特定箇所が図12の楕円環形状領域に含まれる複数箇所のいずれかに順次に切り替えられる。その結果、図12に斜線で示す楕円環形状の領域がパイロメータ81による温度測定の対象となるのである。
The radiated light emitted from a plurality of locations included in the elliptical ring-shaped region indicated by the oblique lines in FIG. 12 is transmitted through the
このようにしても、単一の受光センサー84に単一の広角レンズ系82を設けた1個のパイロメータ81によって複数箇所の温度を個別に測定しているため、パイロメータの機差を無くすことができことができ、半導体ウェハーWの異なる複数箇所の温度を非接触にて正確に測定することができる。
Even in this case, the temperature of a plurality of locations is individually measured by a
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図13は、第3実施形態のパイロメータ181の構造を示す図である。図13において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。パイロメータ181は、広角レンズ系82と受光部183とを備える。広角レンズ系82は、第1実施形態と同様のものである。
<Third Embodiment>
Next, a third embodiment of the present invention will be described. FIG. 13 is a diagram illustrating a structure of a
受光部183は、1個の受光センサー84と、凹面鏡185と、回転窓186と、楕円マスク187と、を備える。受光センサー84は、広角レンズ系82によって導かれた光を受光してその強度に応じたレベルの電気信号を出力する。第3実施形態のパイロメータ181においても、単一の受光センサー84に対して単一の広角レンズ系82を設けており、半導体ウェハーWからの放射光が広角レンズ系82によって受光センサー84に導かれる。受光センサー84は、広角レンズ系82の中心軸に沿った線上に設置されている。
The
第3実施形態においては、楕円マスク187、回転窓186および凹面鏡185が、半導体ウェハーWの異なる複数箇所から放射されて広角レンズ系82によって導かれた放射光から当該複数箇所のうちの特定箇所から放射された放射光を選択して受光センサー84に導く光選択部として機能する。図14は、第3実施形態の回転窓186を示す平面図である。回転窓186は、半導体ウェハーWからの放射光に対して不透明な材質にて形成された回転自在な円形の板状部材である。回転窓186の一部には半導体ウェハーWからの放射光が通過する開口186aが形設されている。開口186aは、回転窓186の回転中心に対して偏心して設けられている。第3実施形態の開口186aは、第1実施形態の開口86aよりも大きい。
In the third embodiment, the
回転窓186と広角レンズ系82との間には楕円マスク187が設けられている。図15は、第3実施形態の楕円マスク187を示す図である。楕円マスク187は、赤外線を透過する材質(例えば、シリコン)にて形成された円形の板状部材である。楕円マスク187は、固定設置されており、回転しない。楕円マスク187の一方面のうち図15の斜線で示す領域には、赤外線に対して不透明な金属板が貼着されている。その結果、楕円マスク187には、楕円環状の放射光透過領域187aが形成されることとなる。広角レンズ系82によって楕円マスク187に導かれた放射光のうち放射光透過領域187aに到達した光のみが楕円マスク187を通過する。
An
楕円マスク187は、表面が広角レンズ系82に対向するように設置されている。回転窓186は、広角レンズ系82との間に楕円マスク187を挟み込み、表面が楕円マスク187に対向するように設置されている。回転窓186は回転モータ87によって回転される。また、回転窓186は、その回転中心を広角レンズ系82の中心軸が貫くように設けられている。回転モータ87が回転窓186を回転させることによって、偏心して設けられた開口186aも回転窓186の回転中心の周りで旋回することとなる。開口186aがいずれの位置であったとしても、楕円マスク187の放射光透過領域187aの一部と対向している。
The
凹面鏡185は、回転窓186を挟んで楕円マスク187と反対側に設けられている。凹面鏡185は、内面に金メッキが施された半楕円体(楕円体を半分に切断した形状)の反射鏡である。受光センサー84は、凹面鏡185の半楕円体の頂上部近傍に設けられている。図13に示すように、回転窓186の回転に伴う開口186aの位置の変化に関わらず、開口186aを通過した光は凹面鏡185の内面にて反射されて受光センサー84に導かれる。なお、凹面鏡185および受光センサー84は、回転窓186の回転に連動して回転しなくても良い。
The
第3実施形態においては、第2実施形態と同様に、保持部7に保持される半導体ウェハーWの斜め上方にパイロメータ181が設けられる(図11参照)。パイロメータ181の構造および設置位置を除く第3実施形態の残余の点は第1実施形態と同じである。
In the third embodiment, as in the second embodiment, a
また、第3実施形態における半導体ウェハーWの処理手順についても第1実施形態と同様である。第3実施形態においても、ハロゲンランプHLからの光照射加熱によって昇温した半導体ウェハーWの表面から放射された放射光は、パイロメータ181に入射し、単一の広角レンズ系82によって受光部183に導かれる。単一の広角レンズ系82によって導かれた放射光のうち、楕円マスク187の放射光透過領域187aに到達した光は楕円マスク187を透過し、残りの光は楕円マスク187によって遮光される。楕円マスク187を透過した放射光のうち半導体ウェハーWの特定箇所から放射された光のみが回転窓186の開口186aを通過する。すなわち、開口186aを形設した回転窓186は、半導体ウェハーWの複数箇所から放射されて単一の広角レンズ系82によって導かれた放射光から当該複数箇所のうちの特定箇所から放射された放射光のみを選択する。回転窓186によって選択された特定箇所からの放射光は凹面鏡185によって受光センサー84に導かれ、その特定箇所の温度が求められる。
The processing procedure for the semiconductor wafer W in the third embodiment is the same as that in the first embodiment. Also in the third embodiment, the radiated light emitted from the surface of the semiconductor wafer W heated by the light irradiation and heating from the halogen lamp HL enters the
第3実施形態においても、回転モータ87によって回転窓186が回転される。これによって、温度測定される半導体ウェハーWの特定箇所が順次に切り替わる。但し、第3実施形態では、パイロメータ181が半導体ウェハーWの斜め上方に設けられるとともに、楕円環状の放射光透過領域187aを有する楕円マスク187が設けられている。パイロメータ181が半導体ウェハーWの斜め上方に設けられ、かつ、楕円マスク187が存在していない場合には、第2実施形態の図12に示したように、温度測定の対象となる領域が楕円環状となる。楕円マスク187は、図12の楕円環状領域のうち短径端部に位置する特定箇所から放射された放射光が透過する放射光透過領域187aの部位が放射光透過領域187aの長径端部となる向きに設置されている。これにより、第3実施形態のパイロメータ181によって測定領域となる半導体ウェハーWの領域は、図12に示した楕円環状の測定領域の短径が長径に比較して相対的に拡張されたものとなり、第1実施形態と同様の円環形状の領域となる(図9参照)。
Also in the third embodiment, the
半導体ウェハーWの円環形状の領域に含まれる複数箇所から放射された放射光が赤外透過窓63を透過してパイロメータ181に入射し、広角レンズ系82によって受光部183に導かれる。それら複数箇所のうち特定箇所から放射された放射光のみが放射光透過領域187aおよび開口186aを通過して凹面鏡185によって受光センサー84に導かれる。回転窓186が回転することにより、開口186aを通過する放射光が放射される特定箇所が上記円環形状の領域に含まれる複数箇所のいずれかに順次に切り替えられる。その結果、図9に示す如き円環形状の領域がパイロメータ181による温度測定の対象となるのである。
Radiated light emitted from a plurality of locations included in the annular region of the semiconductor wafer W passes through the
このようにしても、単一の受光センサー84に単一の広角レンズ系82を設けた1個のパイロメータ181によって複数箇所の温度を個別に測定しているため、パイロメータの機差を無くすことができ、半導体ウェハーWの異なる複数箇所の温度を非接触にて正確に測定することができる。
Even in this case, since the temperature at a plurality of locations is individually measured by one
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施形態においては、チャンバー6の下方に光照射部4を設け、半導体ウェハーWの裏面に光を照射して加熱するバックサイドアニールを行っていたが、チャンバー6の上方に光照射部4を設け、パターン形成がなされた半導体ウェハーWの表面に光照射を行うようにしても良い。また、チャンバー6の下方にハロゲンランプHLを備えた光照射部4を設け、チャンバー6の上方にフラッシュランプを設けたフラッシュランプアニール装置に本発明に係る温度測定部8を設けるようにしても良い。チャンバー6の上方にランプを設ける場合には、第2実施形態および第3実施形態のように半導体ウェハーWの斜め上方にパイロメータを設けるのが好適である。
<Modification>
While the embodiments of the present invention have been described above, the present invention can be modified in various ways other than those described above without departing from the spirit of the present invention. For example, in each of the above embodiments, the
また、上記各実施形態においては、赤外透過窓63をシリコンにて形成していたが、これに限定されるものではなく、パイロメータ81,181の検出波長域の赤外線を透過する素材であれば良く、例えばゲルマニウム(Ge)またはサファイア(Al2O3)にて形成するようにしても良い。もっとも、シリコンの円板は比較的容易に入手できるため、製造コストの観点からはシリコンを用いるのが好ましい。また、光照射部4からの光照射が外乱とならなければ、赤外透過窓63を石英ガラスにて形成するようにしても良い。
In each of the above embodiments, the
また、赤外透過窓63を空冷するの代えて、水冷によって冷却するようにしても良い。水冷によって赤外透過窓63を冷却する場合にも、半導体ウェハーWから放射された赤外線が透過する150℃以下に冷却する。
Further, the
また、パイロメータ81,181を半導体ウェハーWの下方または斜め下方に設置し、半導体ウェハーWの裏面の異なる複数箇所の温度を測定するようにしても良い。
Further, the
また、温度補正部2において、棒状の光学部材であるレーザ光出射部25を回転させるのに代えて、レーザ光を2次元面内で(XY方向に)走査させる機構を用いるようにしても良い。このような機構としては、例えばガルバノミラーを用いることができる。ガルバノミラーを用いれば、半導体ウェハーWの全面の任意の箇所について温度補正を行うことができる。もっとも、上記各実施形態のレーザ光出射部25は、ハロゲンランプHLの配列の隙間を貫通するように設けられ、上段のハロゲンランプHLよりも上方からレーザ光を出射するため、ハロゲンランプHLと干渉するおそれがない。
Further, in the
また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。さらに、本発明に係る温度測定装置である温度測定部8によって測定対象となるのは半導体ウェハーやガラス基板に限定されるものではなく、従来より放射温度計によって非接触にて温度測定される基材(例えば、高温の金属板やセラミックスなど)であっても良い。
The substrate to be processed by the heat treatment apparatus according to the present invention is not limited to a semiconductor wafer, and may be a glass substrate or a solar cell substrate used for a flat panel display such as a liquid crystal display device. Further, the object to be measured by the
1 熱処理装置
2 温度補正部
3 制御部
4 光照射部
5 移載機構
6 チャンバー
7 保持部
8 温度測定部
25 レーザ光出射部
63 赤外透過窓
64 石英窓
65 熱処理空間
69 冷却部
71 保持プレート
72 支持ピン
81,181 パイロメータ
82 広角レンズ系
83,183 受光部
84 受光センサー
85 反射板
86,186 回転窓
86a,186a 開口
87 回転モータ
91 温度算定部
92 A/Dコンバータ
93 演算部
185 凹面鏡
187 楕円マスク
187a 放射光透過領域
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー
DESCRIPTION OF
Claims (6)
基材から放射される放射光を受光する単一の受光センサーと、
基材の複数箇所から放射された放射光を受光して導く単一のレンズ系と、
前記複数箇所から放射されて前記単一のレンズ系によって導かれた放射光から前記複数箇所のうちの特定箇所から放射された放射光を選択して前記単一の受光センサーに導く光選択部と、
前記光選択部によって選択される放射光が放射される特定箇所を前記複数箇所のいずれかに順次に切り替える切替部と、
前記単一の受光センサーが受光した放射光の強度に基づいて前記複数箇所の温度を個別に算定する温度算定部と、
を備え、
前記光選択部は、
放射光に対して不透明な材質にて形成された回転自在な円形の板状部材の一部に放射光が通過する開口を形成した回転窓と、
前記回転窓の回転に伴う前記開口の位置の変化に関わらず前記開口を通過した放射光を前記単一の受光センサーに導く反射鏡と、
を含み、
前記切替部は、前記回転窓を回転させる回転モータを含むことを特徴とする温度測定装置。 A temperature measuring device that measures the temperature of a plurality of locations of a substrate in a non-contact manner,
A single light receiving sensor for receiving the radiation emitted from the substrate;
A single lens system that receives and guides radiation emitted from a plurality of locations on the substrate;
A light selection unit that selects radiation light emitted from a specific part of the plurality of parts from radiation light emitted from the plurality of parts and guided by the single lens system, and guides the light to the single light receiving sensor; ,
A switching unit for sequentially switching a specific location where the radiated light selected by the light selection unit is emitted to any of the plurality of locations;
A temperature calculating unit that individually calculates the temperatures of the plurality of locations based on the intensity of radiated light received by the single light receiving sensor;
Equipped with a,
The light selector is
A rotating window in which an opening through which the radiated light passes is formed in a part of a rotatable circular plate-shaped member formed of a material opaque to the radiated light;
A reflecting mirror for guiding the radiated light that has passed through the opening to the single light receiving sensor regardless of a change in the position of the opening accompanying rotation of the rotating window;
Including
The temperature measuring device , wherein the switching unit includes a rotary motor that rotates the rotary window .
前記光選択部は、前記単一のレンズ系と前記回転窓との間に、楕円環状に放射光透過領域を形成したマスクをさらに備えることを特徴とする温度測定装置。 The temperature measuring device according to claim 1 ,
The temperature measuring device, wherein the light selection unit further includes a mask in which a radiated light transmission region is formed in an elliptical ring shape between the single lens system and the rotating window.
前記受光センサーは前記基材の斜め上方に設けられ、The light receiving sensor is provided obliquely above the base material,
前記マスクは、前記マスクが存在していない場合に温度測定の対象となる前記基材上の楕円環状の測定領域のうち短径端部から放射された放射光が前記放射光透過領域の長径端部を透過する向きとなるように設置されることを特徴とする温度測定装置。The mask is configured such that, when the mask is not present, the emitted light emitted from the short-diameter end of the elliptical annular measurement region on the base material on which the temperature is measured is the long-diameter end of the radiated light transmitting region. A temperature measuring device, wherein the temperature measuring device is installed so as to pass through the part.
前記チャンバーに収容された基板を加熱する加熱部と、
前記加熱部によって加熱された基板の複数箇所の温度を測定する請求項1から請求項3のいずれかに記載の温度測定装置と、
を備えることを特徴とする熱処理装置。 A chamber for housing the substrate;
A heating unit for heating the substrate accommodated in the chamber;
The temperature measuring device according to any one of claims 1 to 3, which measures the temperature of a plurality of locations on the substrate heated by the heating unit,
A heat treatment apparatus comprising:
前記加熱部は、前記チャンバーに収容された基板に光を照射して当該基板を加熱するランプを備えることを特徴とする熱処理装置。 The heat treatment apparatus according to claim 4, wherein
The heating unit includes a lamp that irradiates light to a substrate accommodated in the chamber to heat the substrate.
前記温度測定装置の測定結果に基づいて、前記加熱部によって加熱される基板のうち相対的に温度が低い温度低下領域を加熱する温度補正部をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。 In the heat treatment apparatus according to claim 4 or 5,
A heat treatment apparatus, further comprising a temperature correction unit that heats a temperature-lowering region having a relatively low temperature among the substrates heated by the heating unit based on a measurement result of the temperature measurement device.
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