好ましい態様によれば、本発明は、コンピュータと共に用いられるコンピュータマウスであって、コンピュータマウスは、以下を含む:
−作業表面を横切って摺動する様に構成された下面を有する基部、ここで、前記下面は、少なくともその一部が基部接触面の一部を構成する部分を少なくとも有している、
−基部から延びている上部本体、
−少なくとも一つの接触センサ、
−作業表面に対する相対的なマウスの移動を検出する能力を持つ、移動センサシステム、
−コンピュータが読むことのできる、移動信号及び/又は位置データ信号をデバイスからコンピュータに対して通信る通信システム、ここで前記移動量信号は検出されたマウスの移動を示し、前記位置データ信号はマウスの位置を示しており、
さらに、マウスが第1の及び第2のモードで動作するように構成されていることを特徴とする。
ここで「コンピュータマウス」は、デバイス及び/又は、例えばアイコン、ポインタ、又はマウスカーソルのようなスクリーン上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)エレメントの移動を示す入力をコンピュータに提供する為に用いられるデバイスと定義される。コンピュータマウスは、スタイラス、ゲームコントローラ、トラックボール、ジョイスティック、リモートコントローラ、トラックパッド等を含むコンピュータポインティングデバイスのより広範な集合の部分集合として定義付けられる場合がある。
ここで参照される「コンピュータ」は、例えばデスクトップ、ラップトップ、ネットブック、タブレット、電話、メディアプレーヤ、ネットワークサーバ、メインフレーム、ナビゲーションデバイス、自動車操作システム等の、コンピュータプロセッサを有するいかなる計算処理デバイスをも含む、と解されるべきである。
コンピュータマウスは、有線の形態で、又は、RF、マイクロ波、Bluetooth、またはその他の無線通信プロトコルを経由して信号を送信する無線チップの形態で提供される、コンピュータとのインターフェース部、または通信システムを持つ場合がある。
ここで、「作業表面」は、限定された意味でなく広義に解釈され、机、またはテーブルの上面、キーボードやスクリーンを含むコンピュータデバイスの表面、人物、または、いかなる他の使いやすい表面を含み、かつ、それらのみには限定されない。同様に、用語コンピュータ、ホストコンピュータ、またコンピュータデバイス、及び付随するディスプレイ、又はそれに類するものは、いかなる特定の実装に制限されるものではなく、いかなるデスクトップPC、ポータブルコンピュータ、ラップトップ、ノートブック、サブノートブック、PDA、パームデバイス、携帯電話、無線キーボード、タッチスクリーン、タブレットPC、又はいかなる他の通信及び/又は表示デバイスと、いかなるそれら同様の物の組み合わせや、組み換えを含む。
コンピュータマウスに対して参照される用語「突起部(spine)」は、ユーザの親指と一つの指で把持され、かつデバイスを効果的に移動させることができる、なんらかの起立した構造または、特徴を含み、在来型のマウスポインティングデバイスでは本体の主要部の全体が基部の周囲から上方に立ち上がっているのとは対照的に、基部よりも細く、少なくとも片側の突起部が、基部の外周部の内側で上方に向かって突き出している。
ここで参照される 、親指と指先の係合表面(thumb and fingertip engagement surfaces)に関する「指先の係合(Fingertip engagement)」とは、デバイスの移動及び/又は制御ができる及び/又は、接触センサを扱えるような指先の接触を示している。
ここで参照される用語「接触センサ」は、例えば、押下げ可能ボタン、及び、磁気、電導性、温度、圧力、静電容量、及び、又は抵抗値の変化を検出できるセンサ、のような、接触及び/又は圧力の検出能力がある、何らかのセンサを参照する。
ここで用いられているように、用語「タッチイベント」は、タップ、長押し、スワイプ、ドラッグ、フリック、スクロール、ピンチ、スプレッド、回転、及びマウス及び/又は同等の入力を提供する為に用いられるキーボードコマンドを含む、タッチイベントの処理ができる、タッチスクリーン上での又はタッチが有効にされたオペレーティングシステム上での、実際の、及び仮想の、シミュレートされた、模擬された、または解釈された、タッチアクションを含み、しかしそれらのみに制約されない。
ここで、通常の起立の向きにあるディスプレイスクリーンに対応する垂直と水平の次元を持つ二次元領域について参照する。この参照は、明確化と理解を助けるためのみのもので、何らの制約を設けるものではなく、ディスプレイスクリーンが水平面方向に向けられてもよいことは理解されるだろう。同様に、垂直と水平のディスプレイスクリーン上の次元にそれぞれ関係する、「Y」方向と、それと直交した「X」軸方向を移動するコンピュータマウスについても参照される場合がある。X、Y、水平、及び垂直の参照については、ディスプレイスクリーンの方向に依存して入れ替わって用いられる場合があることが理解されよう。
基部の接触平面は、平面の直交する次元を代表するX、及び、Yの要素から構成されている。好ましい実施形態では、ポインティングデバイスは少々引き延ばされている場合があり、それぞれYとXの次元に相当する、縦と横の次元を有する場合がある。
好ましくは、前記コンピュータマウスは、
−第1の方向に向けられた時の、第1のモードと、
−基部接触平面が前記第1の方向に対して傾斜させられている場合に、第2の方向に向けられたときの第2のモードと
で動作するように構成される。
第1の方向での使用では、基部接触平面は、通常、作業表面に置かれ、それに対して実質的に平行に配向されており、そして第2の方向では、基部接触平面は、好ましくは作業表面から1から50度の間のいずれかの方向に傾斜されている。したがって、好ましくは、第2のモードは、コンピュータマウスが傾けられて基部接触平面が1から50度の間の傾斜角度を作業平面に対して持つようになった時にのみ有効にされる。
傾斜を付ける動作は、基部接触平面のXとYの次元の双方の要素を有する場合があるが大部分の回転はY軸の周りで生じる再配向軸、に対する回転により実現される。ポインティングデバイスを把持しているユーザにとっての、最も快適な回転は、デバイスの左側で、手首の回転を使い、僅かな後ろ向きの傾きを持つものであることが理解されよう。これは、主に右利きユーザには時計回り、左利きユーザには反時計回り、そして両方で後ろ向きの傾斜を伴う、という結果をもたらす。さらに、マウスは、再配向を助ける為に持ち上げられる場合もある。
今後の、ポインティングデバイスの方向の参照については、縦(Y)、横(X)、そして垂直(Z)の在来型の座標系が用いられ、ここでは、ユーザの手が、Y次元に沿ってポインティングデバイスに向かって前に伸ばされ、手首は、概略Y軸を中心に回転する。
好ましくは、前記移動センサシステムは、第1の、及び第2のモードにおいて、デバイスの移動及び/又は、前記作業表面に対する相対的な位置を検出するように設定されている。
好ましくは、移動センサシステムは、作業表面との相対的な移動を検出できる。移動センサシステムは、コンピュータ可読の移動データ信号の形式でデバイス移動情報を生成する場合もある。
さらに、移動センサシステムは、コンピュータ可読の位置データ信号の形でデバイスの位置情報の生成をする場合もある。位置情報は、最初の、参照の、原点の、開始の、または再開の点に対する移動を検出し、その点からの変位を計算することにより生成される場合もある。
さらに、移動及び位置データ信号はそれぞれ、コンピュータのディスプレイスクリーン、タッチパッド、又はコンピュータの他の入力領域に対する、移動及び位置座標をそれぞれ示す場合がある。
位置データ信号は好ましくは、コンピュータマウスの、参照領域に比例する相対的な位置を示す。例えば位置データ信号は、ディスプレイスクリーンの垂直次元で56%、かつ参照スクリーン縁に対するディスプレイスクリーンの水平位置で22%を示す、X56%、Y22%の座標を含む場合がある。したがって、コンピュータマウスは、移動及び/又は位置が、単純にスクリーンに応じてサイズ調整されているため、いかなるスクリーンの解像度、又はサイズにおいても、更なる設定や較正無しで使用されることができる。
最も多くのユーザは、マウスを横から横(X軸)へ動かすことを、前と後ろ(Y軸)へ手を動かすことよりもやさしいと感じ、そのため、ユーザは、Y軸に沿って長い距離を動かすことを要求されるマウスの移動を実施することを困難と感じる場合がある。したがって、好ましい実施形態では、マウスはY軸の移動量がX軸の移動量に対して相対的にサイズ調整されるように設定される。サイズ調整は、通常、Y軸の移動量がX軸の同等の移動量に対して1/2から1/3倍になるように、2から3倍で行われる。サイズ調整は、第2のモードでジェスチャを行う際に特に有用である。
更なる実地形態では、移動データ信号は、デバイスの作業表面に対する移動速度の情報を含む。
好ましくは、前記移動センサシステムは、
−作業領域を照らすように設定された光源と、
−作業表面の画像を捉えるために、前記作業領域からの反射光を受信するように設定され、継続して捉えられた画像がデバイスの移動を判定するために比較される、単体の、またはアレイ状の画像センサと
を含む光学式移動センサである。
好ましくは、前記単一の、又はアレイ状の画像センサは、第1の、及び第2の両方のモードにおいて、作業表面の画像を捉えるように構成されている。ここで、第1の、及び第2の両方のモードにおいて、デバイスの移動を判定するため、継続してとらえられた画像が比較される。
在来型のコンピュータマウスは、LEDやレーザ等の光源によって照らされた作業領域に向けて開いた開口(aperture)の上に位置する、単一の、またはアレイ状の画像センサにより構成される光学系を用いる場合もあることが理解されよう。レンズは、作業領域と平行に設置された画像センサ及びレンズに、作業領域の焦点域からの光を集中させる。画像取得センサは、デバイスの相対的移動量を判定するために画像を比較することで、デバイスの移動を検出する。移動情報はコンピュータに送られ、ディスプレイ上のマウスカーソルの移動に変換される。しかしながら、標準的なマウスの光学系は、マウスが持ち上げられた時には画像センサが焦点を外れた画像を受信し、継続した画像が正確に比較できず移動が検出されない為、移動を追跡しない。この、焦点が外れた時の無効化は、マウスカーソルを長い距離移動させる、スクロール動作やパン動作を繰り返す、またはカーソルを動かすことなくユーザの手を快適な位置に置きなおす、または、カーソルを動かさずにマウスの操作をおこなう為に、ユーザがマウスを持ち上げての再配置をする必要があるため、在来型のマウスにとって重要な機能である。さらに、在来型のマウスは、光学センサがやはり焦点を外すために、作業領域から離れる方向に傾けられると動作しないので、レンズの焦点地点において作業領域と平行に、かつ直上で動作されなければならない。
好ましくは、光学系は、第1、第2の両方の方向にある場合に、作業領域からの実質的に焦点の合った光を画像センサにより受信できる、十分大きい被写界深度を持つように設定されており、ここで前記第2の方向は前記第1の方向から少なくとも5度の傾斜角を持つ。
画像センサは、作業領域から得られる僅かに焦点の合わない画像を処理可能な、画像の処理の許容量を持つ場合があることは理解されよう。したがって、実質的に焦点の合った、という言葉は、使われる画像センサの許容量以内に焦点が合っていることを意味しており、完全に焦点が合っている必要は無いと解釈されるべきである。
好ましくは、光学移動センサは、画像センサが第1の、及び第2の方向の両方において、明瞭度、解像度、縁コントラスト、または他のパラメータの閾値を超えた画像を捉えるように、配置されかつ構成される。これにより、移動を示す継続した画像間の違いを、移動センサシステムが、許容できる範囲内で検出できる。
好ましくは、光学系は、光学系の焦点区域(focal zone)がモードセンサに、またはその近傍になるように配置される。
好ましくは、前記光学系は、作業表面からの光を画像センサに集光するための、少なくとも一つのレンズを含む。
更なる態様によれば、本発明は、前記モードを起動する様に設定された少なくとも一つのモードセンサをさらに備える。ここで、前記光源は前記モードセンサの場所の、もしくはそれに隣接した作業表面を照らすように構成されている。
更なる態様によれば、本発明は少なくとも一つの、前記モードを起動するモードセンサを備える。
好ましくは、前記マウスは、
−第1の方向に向けられたときの、前記第1のモードと、
−第2の方向に向けられた時の、前記第2のモードと、ここで、前記基部接触平面は前記第1の方向に対して傾斜が付けられた方向に向けられ、さらに、前記モードセンサは、マウスが前記第1、または第2の方向にそれぞれある時に、前記第1、または第2のモードを起動するように設定されている、
において、動作するように構成される。
モードセンサは、マウスが第2の方向に向け直されたことを検出し、それにより第2のモードを起動する為に用いられる。
更なる態様によれば、前記モードセンサは、モードセンサが作業表面に接触する時には第2のモードを起動する様に設定される。
好ましくは、モードセンサは、モードセンサが作業表面に押し付けられた時に、第2のモードを開始する様に設定される。
すなわち、モードセンサは、作業表面に対して、モードセンサが接触する、押し付けられる、又は十分に近接するかどうかにそれぞれ応じて、特定のモードを起動する様に設定された、接触センサ、ボタン、又は近接センサとして構成される。
好ましくは、モードセンサは、前記基部接触平面に向けて延びた突出部を有する。
好ましくは、モードセンサの突出部は基部接触平面の上方に位置する。
好ましくは、モードセンサの突出部はコンピュータマウスに分離可能な状態で結合している。代替的に、または追加として、モードセンサの突出部は、作業表面に接触するための外側接触面または部分を有することができ、ここで、外側接触面又は部分は、分離可能な状態で結合している。分離可能な結合は、突出部、または外側接触面/部分が摩耗したり壊れた時に交換可能である。摩耗は、モードセンサが相対的にマウスより小さく、第2のモードにおいて唯一の接触点になるため、問題になる場合がある。
好ましくは、前記マウスは、スクロールホイールを含んでおり、スクロールホイールは、モードセンサを含む。接触、または近接センサをスクロールホイール内に組み入れ、したがってスクロールホイールをモードセンサとして、独立した突起、ボタン、またはそれに類する物の代わりに使うことは可能である。代替として、スクロールホイールは、直線軸上での移動により駆動される、またはマウス本体との結合を軸に旋回する、ボタンとして作られる場合がある。
好ましくは、少なくとも一つの接触センサは上部本体に位置し、前記接触センサは、接触、または前記基部接触平面に向けて加えられる接触又は力により有効にされる。接触センサは、好ましくは、対応するマウス入力を供給するための、ボタン、またはタッチ入力表面である。上部本体の接触センサは、好ましくは、概略上部に配置され、その為、基部の下側から延びているモードセンサとは反対側に位置する。
第2のモードは、そのため、マウスが、過剰なマウスの操作無しにユーザに第2のモードの容易な起動を可能とする理想的には最小の傾斜角度である閾値角度を超えて傾斜されたときのみ起動される。しかしながら、もし閾値角度が小さすぎた場合、第2のモードが不注意により起動され、ユーザの困惑や失望を招く。したがって、モード間の不注意な遷移が起きる恐れを最小にしつつ、閾値角を最小にするような妥協が行われなければならない。
好ましくは、前記第2の方向は、基部接触平面と作業表面との間に、閾値角度を超える、最小でも数度、かつ20度より小さい傾斜を含む。
したがって、第2のモードを起動するための閾値角度は、小さすぎず(5度より大きく)、大きすぎない(20度より小さい)。しかし、閾値角度はマウスの形状と構成により様々な値であることは理解されよう。
更なる態様によれば、前記第2の方向は、1度から50度の間の、作業表面に対する基部接触平面の傾斜を含む。
本発明の更なる態様によれば、前記第2の方向は、7度から30度の、作業表面に対する基部接触平面の傾斜を含む。
好ましくは、前記上部本体は、基部から上方に向けて突き出した突起部を含む。
本発明の更なる態様によれば、上部本体は、一つの指と親指との間に突起部を挟むことでユーザがコンピュータマウスを把持できる様に、指先の係合表面を突起部の両側面に持つ場合もある。
好ましくは、前記マウスは、移動量センサシステムにより開始位置に対するポインティングデバイスの移動データの相対的な検出がされる度に、それを用いて計算された位置データ信号を供給するように構成される。
更なる態様によれば、前記第1のモードはポインティングモードを包含し、前記ポインティングモードにおいては、前記コンピュータマウスは、スクリーン上のポインタの移動、または位置を示す、前記移動、または位置データ信号を生成するように構成される。
好ましくは、前記マウスは、前記コンピュータにタッチイベントを供給するように、前記第2のモードに設定される。
好ましくは、前記マウスは、前記移動、または位置データ信号を、対応する移動及び/又は位置タッチイベントに変換するように構成される。
好ましくは、前記マウスは、前記移動、または位置データ信号を、前記コンピュータに供給し、前記コンピュータは、前記データ信号を、対応する移動及び/又は位置タッチイベントに変換するように構成される。
更なる態様によれば、本発明は、前記モードセンサにより、前記第2のモードの起動時において、事前に決められた開始位置においてタッチイベントを供給するように構成されたコンピュータマウスを含み、前記コンピュータマウスは、前記開始位置に対応する位置データ信号を生成する。
好ましくは、前記コンピュータマウスは、前記モードセンサによる前記第2のモードの起動時に、対応するタッチイベントを生成するように構成される。
好ましくは、前記マウスは、連続する二つのタッチイベントにより、コンピュータに接続されたディスプレイスクリーンの縁を表す位置にある開始位置を示す位置データ信号をコンピュータに供給するように設定される。
好ましくは、前記マウスは、前記連続したタッチイベントの後の前記第2のモードにおいて、引き続いて実行される何らかのスワイプジェスチャが、所定の縁位置から離れる方向に相当するタッチイベントを示す、位置及び/又は移動データ信号として供給される様に設定される。ここで、前記所定の縁位置は、前記スワイプジェスチャの前記方向から推測される。
好ましくは、コンピュータマウスは、スワイプジェスチャとして解釈されるデバイスの移動の後の再開位置におけるタッチイベントを示す位置データ信号を供給するように設定され、前記スワイプジェスチャは、前記第2のモードにおける開始位置からのポインティングデバイスの移動である。
更なる態様によれば、開始位置は、前記第2のモードが起動される前の、前記ポインタモードにおける、スクリーン上のポインタの位置である。
好ましくは、開始位置は、前記コンピュータに接続されたディスプレイスクリーンの中心、隅または縁位置に対応する位置である。
好ましくは、コンピュータマウスは、マウスが既定の位置へ動いた時、データ信号をコンピュータに供給する様に設定され、前記データ信号はタッチイベントの終了に相当するデータ信号を含み、それに引き続くタッチイベントの再開位置を示す位置データ信号が後に続く。
本発明の一つの態様によれば、前記事前に決められた位置は、前記コンピュータに接続されたディスプレイスクリーンの縁に相当する縁から閾値距離内にある。
好ましくは、前記マウスは、スワイプ、フリック、スクロール、または、カスタムタッチイベントの後に、スクリーン上のポインタ、又はタッチイベントを開始位置に再配置するように設定される。
ある実施形態では、前記画像センサは、基部接触平面に対して傾斜が付けられ、前記第1の及び第2の方向の両方において作業表面からの反射光を受信できるように方向付けられる。更なる実施形態では、光学構成部分は、画像センサと作業表面からの反射光との間に位置する少なくとも一つのレンズを含み、レンズは、前記画像センサに対する、作業表面からの光を集光し、及び/又は向け直す。好ましくは、少なくとも二つのレンズが用意され、二つのレンズは、それぞれ同士の間で、画像センサに対して、及び接触表面に対して傾斜される。すなわち、第1の及び第2の両方の方向において、レンズが光を画像センサに向けるため、もし画像センサが作業表面に平行で無いとしても、焦点の合った画像が、複数のレンズにより画像センサに向けられる。
好ましくは、画像センサは、前記第2の方向に再配向するように、さらに好ましくは、再配向軸に対する弧の、ほぼ接線となるように傾斜される。したがって、ポインティングデバイスが回転するにつれて、画像センサから作業表面への距離は僅かに変わる場合があり、したがって第2の方向においても作業表面は実質的に焦点の合った状態のままとなる。
好ましくは、光学構成部品は、作業表面からの光を受信する入力面と、画像センサへ光を向ける出力面と、前記入力面から前記出力面へ光を反射する反射表面を持つ、少なくとも一つのプリズムを含む。
好ましくは、入力面は前記基部接触平面から傾斜が付けられ、そして更に好ましくは、前記第2の方向への再配向をする方向に傾斜が付けられる。
更なる実施形態では、入力面は、おおよそ、再配向軸を中心とする弧の接線に一致するように配置される。したがって、ポインティングデバイスが回転するにつれ、入力面は弧の接線上にとどまり、そしてそのため、入力面から作業表面までのおよその距離は同様である。したがって、作業表面は、第2の方向であっても実質的に焦点が合ったままである。このようなプリズムを使用することにより、画像センサがポインティングデバイスの本体内に設置され、光を画像センサに向ける働きをするプリズムにより、都合のよい方向付けをされる。
好ましくは、前記光学構成部分は第1のプリズムと第2のプリズムを含み、
第1のプリズムは、
−作業表面から反射された光を受ける入力面と、
−第2のプリズムに光を送る出力面と、
−入力面から出力面へ光を反射させる反射表面とを持っており、
第2のプリズムは、
−第1のプリズムの出力面からの光を受ける入力面と、
−画像センサに光を送る出力面と、
−第2のプリズムの出力面に向かって光を反射するように方向付けられた反射表面とを持つ。
好ましくは、第1の、及び第2のプリズムは同一の形状と光学特性とを有しており、好ましくは、ポリカーボネイトの材質で構成される。
好ましくは、光学構成部分は、第1のプリズムの出力面と第2のプリズムの入力面とのあいだに設置されたレンズを含む。
ある実施形態では、少なくとも一つのレンズが、
−第1のプリズムの入力面
−第1のプリズムの出力面
−第2のプリズムの入力面
−第2のプリズムの出力面
の上に、又は、それらに隣接して位置する場合がある。
好ましくは、第1のプリズムの出力面と、第2のプリズムの入力面の間に絞り(aperture)が用意される。
好ましくは、光学構成部分は、光学構成部分の直下の作業表面、更に好ましくは光学構成部分の焦点域、を照らす様に方向付けられた光源を有する。
コンピュータマウスは、モードセンサを起動する為に再配向される時に、好ましくは、モードセンサを軸に回転され、モードセンサはそれにより旋回点として作用する。したがって、受光部(作業表面からの反射光を受光する部分、例えば第1のプリズムの入力面)から作業表面までの距離の変動を最小にするため、光学構成部分の受光部は、好ましくはモードセンサに隣接して設置される。受光部から作業表面への距離の変動を最小化することは、光学構成部分が焦点を失う可能性を最小化する。
好ましくは、コンピュータマウスは、前記コンピュータ上で動作しているソフトウェアへの入力信号を供給する為に、接触センサ信号をコンピュータと付随するディスプレイスクリーンとに送ることができる通信システムを含む。
好ましくは、モードセンサは基部から作業表面に向かって下方に突き出している。
好ましくは、モードセンサは、作業表面に対して基部接触平面が傾斜する為のコンピュータマウスの再配向が、前記作業領域との接触及び/又は近接により、前記モードセンサを起動するような位置に設置される。
好ましくは、モードセンサは、前記第1の方向から前記第2の方向へのコンピュータマウスの再配向が、前記モードセンサが第2のモードを開始するような位置に設置される。
好ましくは、モードセンサは、前記下部表面における基部接触平面内に位置するのではなく、基部上に設置される。ある実施形態では、モードセンサは、コンピュータマウスの基部接触面が作業表面上にある時に、作業表面との接触面からは持ち上がった位置にある、基部上に設置される。
モードセンサは、機械式のプランジャー、カーボンの接点を持つのゴム製のドーム、発泡ゴム要素(foam element)、レバーコンタクト、または同様の押下げボタン型の接触センサのようなボタン型スイッチである場合がある。しかしながら、ポインティングデバイスは、第2のモードにある時に傾斜角を付けられる場合にモードセンサ上に位置するため、典型的な押下げボタンの移動距離と、触覚的な「クリック」のフィードバックは望ましくない場合がある。さらに、摩擦は、使用中にモードセンサの表面を摩耗させる場合がある。したがって、好ましくは、モードセンサは、ボタンが有効になる為の移動距離を最小化するための薄い気泡ゴム要素を有する、耐摩耗性の高い、押下げ式の気泡ゴム要素のボタンである。その他の実施形態では、モードセンサは、圧力センサ、またはレバーアームのアクチュエータである。
好ましくは、モードセンサは、作業表面と接する、外側接触面を有する。好ましくは、外側接触面は、テフロン、ナイロン、またはその他の、耐摩耗性の高い、低摩擦素材で構成される。
ある実施形態では、モードセンサは、下部が基部接触平面内に存在する外側接触面を持ち、モードセンサは、第2のモードを起動する為にコンピュータマウスが再配向されたときに、押下げ可能である。
好ましくは、モードセンサは分離可能なようにコンピュータマウスに結合され、及び/又は、好ましくは、分離可能なように結合される外側接触面を持つ。
代替の実施形態では、モードは入れ替わっている場合があり、つまり、第2のモードが第1の方向で動作可能であり、第1のモードが第2の方向で動作可能な場合があることは理解されよう。
再配向は、並進及び回転を含む場合が有り、なおかつ、複数の移動や三次元的な経路を含む場合があることは理解されよう。明確化を助ける為に、コンピュータマウスが第1の方向と第2の方向との間を回転するときの軸である再配向軸についての回転について参照する。このような再配向軸に関しての参照は、単一の軸、または単一の移動方向に限定されたものであるとみなされてはならない。
ある実施形態では、モードセンサは方向センサを含む場合があり、第2のモードは、方向センサにより検出される様に閾値傾斜を超えて基部接触平面を傾斜させることで起動される場合がある。方向センサは、例えば、ジャイロスコープを含む。
好ましくは、コンピュータマウスは、移動量センサ信号をコンピュータに対して通信する能力を持つ通信システムを含む。通信システムは、好ましくは、無線周波数(RF)トランシーバ、さらに好ましくはBluetooth無線標準に準拠するRFチップ、等の無線通信システムを含む。
コンピュータマウスは、好ましくは、画像センサが画像焦点の外れを認識した際は、移動センサ信号の生成を止めるように構成される。つまり、ユーザは、スクリーン上のポインタの移動や、ジェスチャGUIの移動を伴わずに、再位置決めのためにコンピュータマウスを持ち上げる場合がある。
好ましくは、前記第1の及び、第2のモードにおいて、コンピュータマウスは、コンピュータマウスが前記第1のモードと第2のモードのどちらで動作中かを示すデータ信号をコンピュータに対して生成するように構成される。
好ましくは、第1のモードは、コンピュータマウスが、コンピュータマウスの移動を示す移動データ信号を生成し、それがスクリーン上のポインタの移動という結果となる、ポインティングモードである。
ある実施形態では、第2のモードは、「ジェスチャ」または「タッチ」モードを含み、コンピュータマウスは、タッチイベントとしてコンピュータに解釈されることができる移動データ信号を生成するように構成される。
ここで参照されるように、用語「スワイプ」は、GUIページ、アイコン、テキスト、スクリーンまたはウィンドウ等のGUIエレメントの移動という結果になる、コンピュータのためのユーザコマンド類を参照している。スワイプ移動の例としては、パン(垂直及び/又は水平移動)、スクロール(垂直移動)、及びフリック(急速な垂直、または水平移動)を含む。したがって、比較的ゆっくりとした、ポインティングデバイスの正のY方向への動きは、上方へのスクロールとして解釈される場合がある。
スワイプジェスチャは、形状(shapes)、英数字、記号、またはパターンなどのカスタムジェスチャを含む場合があり、それにより追加の制御や、有り得るコマンドを提供する。
タッチモードは、ドキュメント及びブラウザの誘導、又は、ユーザの指によるジェスチャ入力を受け付ける様に設定されたタッチスクリーンコンピュータを使う際に特に有効である。例えば、タッチモードでは、コンピュータマウスは、ユーザにスクリーンを触ることを要求せずに、スワイプジェスチャとして解釈されるコンピュータコマンドを供給する場合もある。
また別の実施形態では、第2のモードは、デジタルペン、ブラシのようなコンピュータソフトウェア描画エレメントの移動としてコンピュータに解釈される移動データ信号を生成するようにコンピュータマウスが設定された描画モードを含む。ユーザは、追加のキーボードコマンドや、スクリーン上のGUIエレメントの選択を要求せず、ポインティングと描画モードの間を、コンピュータマウスを使うだけで容易に切り替えることができるため、描画モードは、芸術、描画、コンピュータ支援製図(CAD)、またはそれに類するソフトウェアプログラムを操作するときに特に有用である。
すなわち、前述の実施形態は、快適かつ迅速に処理モード間を遷移させて、在来のコンピュータマウスに対して追加機能を提供できる、向上したコンピュータマウスを提供する。
コンピュータマウスの信号を正確に解釈するソフトウェアを持つことをコンピュータが要求される場合があることが理解されよう。しかしながら、コンピュータマウスは、汎用かつ広く使われる標準規格に沿ったデータ信号を生成するように好ましくは構成されており、例えば、第1のモードでは、コンピュータマウスは在来型のマウスの移動データ信号と合致するデータ信号を生成し、前記第2のモードでは指先のまたはスタイラスの接触信号に合致するデータ信号を生成する。
好ましくは、前記タッチモードにおいては、スクリーン上の軌跡が表示され、前記軌跡はコンピュータマウスの移動と合致する。
コンピュータマウスは、動作命令を格納するためのメモリチップを好ましくは含み、好ましくは、メモリ状態の維持の為の連続した電力供給の必要性を避ける為に、不揮発性メモリチップを含む。メモリチップは、好ましくは、チップ書き込みのためのインターネットユーザーインターフェースへの接続により書き込み可能である。
スワイプジェスチャの共通する実装は、片側から反対の側へ、または上向き、もしくは下向きのタッチスクリーン上での指の移動を含み、GUIオブジェクトの移動、例えば、e-book、アプリケーション、またはホームスクリーンのページめくり、という結果になる。複数のページにわたってジェスチャを繰り返す為に、指は持ち上げられ、ディスプレイの中央部に戻される。しかしながら、在来型のスクリーン上のカーソルは、複数のスワイプのために中央へ到達するためにはスクリーン上を辿って戻らなければならず、指の移動を模擬しない。この動作は、逆方向へのスワイプとしてコンピュータにより解釈される場合があり、あるいは、ソフトウェアに対して逆方向への移動(track)の無視を要求する。
したがって、ある好ましい実施形態では、マウスは、モードセンサが起動したときに、既定の開始位置においてタッチイベント入力を提供するように構成される。好ましくは、開始位置は、タッチモードに入る前の、ポインタモードにおけるスクリーン上のポインタの位置である。
代替の実施形態では、開始位置は、中央、隅、または縁の位置、またはその他の既定の位置である場合がある。
好ましくは、マウスは、既定の時間間隔内にモードセンサが二回連続して起動されたことにより、開始位置を縁位置として示すように構成される。更なる実施形態では、左、右、上、または下向きの方向のスワイプが、右、左、下、または上のスクリーンの縁から中央に向けた指のスワイプとして解釈される様に、いかなる、引き続いて起きるスワイプジェスチャも開始位置からの指の動きとして供給される。したがって、マウスは、最初の二回のモードセンサのタップによりスクリーンエッジジェスチャを起こす為に使われる場合もある。
本発明の他の態様によれば、前述のコンピュータマウスが提供され、それは、コンピュータマウスがタッチモードにある時において、スワイプジェスチャの後、スクリーン上のポインタを「開始」位置に再配置するように構成される。
好ましくは、ポインタは、スクリーンの既定位置に到達したときに、再配置される。好ましくは、前記既定位置は、スクリーンの縁からある閾値距離以内の位置であり、さらに好ましくは、スクリーンの縁から10%、または5%の距離である。
ある実施形態では、コンピュータマウスは、スワイプジェスチャが既定の長さ、更に好ましくは、あらかじめ決められたスクリーンの既定比率の移動をした後に、スクリーン上のポインタを「開始」位置に再配置する様に設定される場合もある。更なる実施形態では、前記既定比率は、最小でも30%、更に好ましくは、最小でも50%である。
更なる実施形態では、比率、または閾値距離は、デバイス依存か、アプリケーション固有か、またはユーザにより設定されるものである場合がある。
ある実施形態では、コンピュータマウスは、スクリーン上のポインタを、フリック、スクロール、またはカスタムジェスチャの後、「開始」位置に再配置するように構成される。
ポインタの位置の再設定は、スワイプジェスチャを検出し、ポインタが再配置される必要があると判別し、ディスプレイ上においてポインタが表示されるべき「開始」位置を示す後続のデータ信号を送る、コンピュータマウスによりなされる。
そのためユーザは、スクリーン上を辿って戻る、逆向きのスワイプ(reverse swipe)として登録する、または、ユーザにコンピュータマウスを巧みに操って開始位置に戻すことを要求する、ということをせずとも、ジェスチャの後にスクリーン上のポインタが中央に戻されることができるため、在来型のマウスよりも、指またはスタイラスを使用するやり方により近いやり方で、コンピュータマウスを操作することができる。
ある実施形態では、コンピュータマウスは、タッチモードにいる時にスクリーン上のポインタの動きを無効にする及び/又は隠すように設定され、オンスクリーンポインタは、それぞれ、マウスがタッチモードに留まりながらも、固定の場所に留まるか、もう表示されない。したがって、ユーザは、スクリーン上のポインタまたはマウスカーソルからの視覚的な干渉なしで、コンピュータマウスをタッチモードで操作する場合がある。
下部表面は、好ましくは、一つの又は複数の接触点又は部分から構成された基部接触平面を有している。下部表面は連続した平面状の表面である必要は無く、共通の基部の接触表面を構成する接触点を有する複数の突起、尾根、または他の突出部を含む。基部接触平面は、「起立」方向にコンピュータマウスを維持するために作業表面に接触されるように置かれるための接触面を構成することが可能な、表面、突起、または、表面と突起の組み合わせを含む場合がある。
基部と上部は、一つの連続した構成物としてできているか、分かれた結合可能な構成物からできている場合がある。ここで基部は、デバイスの下側の範囲(起立位置を基準として)を構成するマウスの部分として定義される。
好ましくは、上部本体は、基部から突き出している突起部(spine portion)を含む。
更なる実施形態では、ユーザが一つの指と親指とで突起部をつまむことでコンピュータマウスを把持することができるように、上部本体は、指先の係合表面を突起部の両側に持つ場合がある。
更なる実施形態では、コンピュータマウスは、
前記基部から実質的に上向きに突き出し、親指が係合する表面を第1の側面に持つ突起部と
突起部におけるの前記第1の側面の反対側の第2側面にある、少なくとも一つの、人差し指及び/又は中指の指先が係合する表面と
を含む。
更なる実施形態では、コンピュータマウスは、前記親指の係合表面に関連付けられて、使用中にユーザの親指を保持することができる、親指保持部を含み、それにより、デバイスは、突起部から離れる方向への親指の横方向の動き単独で、移動されることができる。
好ましくは、上部本体は、少なくとも一つの接触センサ、更に好ましくは少なくとも二つの接触センサを含む。
好ましくは、一つの接触センサは、他のセンサの前方下部に位置合わせされている。
好ましくは、両方の接触センサは、突起部の上部にある単独の指先係合表面に設置される。更なる実施形態では、後部の接触センサは前部の接触センサよりも大きく、突起部から突き出している。
本発明のある態様によれば、タッチスクリーン操作のコンピュータと共に使われるために構成されたコンピュータマウスが提供され、前記コンピュータマウスは、
−作業表面上を摺動するための基部と、
−基部から上向きに延びた上部本体と、
−上部本体に位置する、少なくとも一つの接触センサと、
−デバイスの移動を検出するための移動センサシステムと、
−検出されたデバイスの移動を示すデータ信号をコンピュータに送信するための通信システムと
を含み、
ここでコンピュータマウスは、スワイプジェスチャとして解釈されるデバイスの移動の後で、指入力位置を「開始」位置に設置する様に構成されており、前記スワイプジェスチャは、接触センサが有効である状態でのポインティングデバイスの、開始位置からの移動である。
好ましくは、接触センサは、基部から下向きに突き出すモードセンサである。
デバイスの移動は、好ましくは、コンピュータによって、連続した指先またはスタイラスのタッチスクリーン上での移動として解釈される。
本発明の最初の態様によれば、デバイスは有線及び/又は無線接続を通してコンピュータに接続されることができるデバイスが提供され、このデバイスは、
・デバイス制御のためのユーザ入力を受信する、少なくとも一つのユーザ入力制御と、
・デバイスの動作特性を判別する為にデバイスに読まれるデバイス設定データを格納するための、書き込み可能な少なくとも一つのメモリと
を含み、特徴として、デバイスは設定モードに入ることが可能であり、ここでデバイスは、
−少なくとも一つのユーザ入力制御へのユーザ入力を受信した際に、信号をコンピュータに送り、ここで信号は、キーボードのキー押し下げ、順序、及び/又はそれらの組み合わせに対応しており、
−デバイス設定データを変更するため、前記メモリデバイスにデータを書き込む
ように構成される。
第2の態様によれば、コンピュータを用いる前述のデバイスを設定する方法が用意される。この方法は、
−デバイスを設定モードに入れるための、前記ユーザ入力制御の操作と、
−前記コンピュータ上でのウェブブラウザの開始及び、デバイス設定ウェブページに対応するネットワークアドレスまでの誘導動作と
−デバイス設定データの変更のための前記ユーザ入力制御の操作と、ここで、ウェブブラウザは、ユーザの入力制御操作によるデバイス設定データに対する変更の可視的な提示を表示する、
を含む。
第3の態様によれば、コンピュータサーバは、デバイスの為の設定のウェブページを供給する様に構成され、サーバは、コンピュータから受信したキーボードのキー押下げ、順序及び/又はそれらの組み合わせの受領への応答として、ウェブページ上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を変更するように構成され、それにより、ユーザ入力制御の操作によるデバイス設定データへの変更の可視的な提示を用意する。
好ましくは、少なくとも一つのユーザ入力制御は、ボタン、または接触センサを含む。他のユーザ入力制御は、スイッチ、静電センサ、タッチスクリーン、ジョイスティック、トラックボール、光学センサ、光電子センサ、または、ユーザがユーザ入力提供のために操作できる、何らかの制御機構を含む場合がある。
好ましくは、メモリはフラッシュメモリ、F-RAM、またはMRAM等の、不揮発性メモリである。
好ましくは、デバイスは、少なくとも二つのボタン及び、光学移動センサを含むコンピュータマウスであって、コンピュータマウスは複数のユーザ入力制御を含む。好ましくは、コンピュータマウスはスクロールホイールを含む。
好ましくは、デバイスによりコンピュータへ送信されるキーボード符号は、キー押下げの組み合わせを示し、更に好ましくは、同時に押された少なくとも三つのキー押下げを指し示す。キー押下げの組み合わせを送信することは、ユーザ入力が他のソフトウェアアプリケーションのコマンドとしてコンピュータに解釈される機会を最小にする。したがって、ウェブページのみが、キー押下げの組み合わせを解釈できるだろう。
代替案として、デバイスによりコンピュータへ送信されるキーボード符号は、キー押下げの順序を示し、更に好ましくは、少なくとも三つのキー押下げの順序を示す。
設定モードにおける前述のデバイスは、キーボード符号をコンピュータに送り、これらの符号はウェブページにより入力として解釈される。例えば、ユーザは、押下げられたキーの組み合わせまたは順序を示す特定のキーボード符号を送信する、デバイスのボタンを押す場合がある(例えばAABB)。
ウェブページは、キーボード符号入力を受信し、デバイスのパラメータ変更の選択をするためにユーザが選択コマンドを発行したことをそれが指示すると解釈する。デバイスは、そのボタン押下げの結果としても、同じパラメータを変更する。
すなわち、前述のデバイスは、非常に大部分のコンピュータが既にキーボードと共に動作するように構成されており、標準化されたキーボード信号コードを受信することができるために、特殊なドライバソフトウェアまたはユーザインターフェースを必要とすることを避ける。
冗長さを避ける為に、ここでコンピュータマウスと称されるデバイスの参照がなされるが、コンピュータマウス等は、制約であると見られるべきではなく、前述の設定を使用するユーザ入力制御(例えばボタン)を持つ如何なるデバイスも前述の構成を使用できる。そのようなデバイスは、例えば、ウェブカメラ、テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、その他設備、自動車制御システム、スピーカシステム、計算機、プリンタを含む場合がある。
図面のための参照符号。
図1〜11は、本発明の好ましい一実施形態におけるコンピュータマウス(1)を示す。マウス(1)は、図1においてタッチスクリーン(34)を持つタブレットコンピュータ(2)として示されているコンピュータと接続可能である。
本発明の好ましい実施形態は、タブレットもしくは、スマートフォン、または、タッチイベントを解するように設定されたオペレーティングシステムを持つタッチスクリーンのコンピュータ等に特に適している。しかしながら、本発明はデスクトップ、ラップトップ、ノートブックコンピュータ、テレビ、ゲームコンソール、ナビゲーションシステム、仮想現実システム、または如何なるコンピュータ向けに用いても有用アプリケーションを持つ場合があることは理解されよう。
マウス(1)は、作業表面(5)、例えば机、テーブル、本、ラップトップのパームレスト又はその他の表面、を摺動するように構成された下部表面(4)を持つ下部基部(3)を含む本体を持つ。下部表面(4)は、最下部が作業表面(5)に接し、集合として基部接触平面(7)を形成する、複数の支持突起(6)(今後、「足」と呼ぶ)を持つ。足(6)は、マウス(11)が作業領域(5)を最小の摩擦で動けるようにしながらも、安定した方向付けを保つ為に用意される。したがって足(6)の形、大きさ、及び配置はそれに調和するようになっている。
これらの実施形態では、マウス(1)は、図6に示されるように、直交する軸である横方向の軸(X)に比べ、縦方向の軸(Y)方向に長くなっている。
上部本体(8)は基部(3)から上方に伸び、突起部(9)の一側面上には親指係合表面(10)、その反対側の側面上には指係合表面(11)のある突起部(9)を持つ。指係合表面(11)はユーザが中指、薬指及び/又は小指をその上に置き、突起部(9)の反対側面には親指を置くように形成されかつ配置され、それによりマウス(1)がペングリップのようにつまみ持たれる。したがって、ボタン(14、15)及びスクロールホイール(12)は少なくとも人差し指で操作することができる場合がある。突起部(9)は、したがって、人差し指係合表面(13)を突起部(9)の頂部に持つ。
スクロールホイール(12)はマウス(1)の前方に位置し、平面方向へのマウスの移動中におけるホイールの回転を防ぐように基部接触平面(7)から上昇している。スクロールホイール(12)は、ユーザがスクロールホイール(12)の上で指を転がすか、スクロール(12)が作業表面(5)に接触するようにホイールマウス(1)を前方及び右側(右利き用マウスの場合)に傾けることにより使用される場合がある。スクロールホイール(12)は、ユーザがスクロールホイール(12)を作業表面(5)上で動かすと、作業表面(5)との摩擦的接触により回転する。スクロールホイール(12)は、傾いたときに外周の外側表面が、おおよそ作業表面(5)と平行になり、接触面と摩擦を最大化するように、円錐台形をしている。
明確化を助けるために、ここで基部(3)を、指先係合表面(10、11)とボタン(14)の下方にある、マウス(1)の一部と定義する。基部(3)はすなわち、指先係合表面(10、11)の下側縁部に存在するマウス(1)の横方向の外周縁で延びる相互的な境界により、上部本体(8)と明確に区別される。指先係合表面(10、11)は、すなわち上部本体(8)の一部として定義される。ボタン(14、15)も上部本体に設置され、一方、スクロールホイール(12)は、基部(3)と上部本体(8)の上に延びているものの、通常は、上部本体を通る回転軸を用いて取り付けられている。マウス基部(3)と上部本体(8)は、分離された結合可能な部品、一体の筐体、または複数の部品として構成される場合があることが理解されよう。この、分離可能な部品についての参照は、明確化の為に行われるが、制約として受け取られるべきではない。
マウス(1)は、専用充電器、または、マウスの基部(3)における磁石結合部(30)及び二つの電気的接点(31)に組み合わされるUSB受信機(32)により充電可能な内部電池を持つ。マウス(1)は、USB受信機(32)と結合したときに、自動的に特定のコンピュータのUSB受信機(32)と対になるようにも設定される。そのため、製造時にマウスに組み合わされる受信機とは異なるUSB受信機を用いて異なるマウスを使うことができる。
LED表示部(33)は突起部(9)の頂部に位置し、例えば電池状態、及び、オン設定(ON−CONFIGURATION)状態、または他の表示を行う。
図1〜11に図示される実施形態は、マウス(1)が右利きに最適化されていることを示すが、マウス(1)を鏡面イメージとすることで左利き向けに作ることができることは理解されよう。
接触センサは、人差し指の指先係合表面(13)を形成している突起部の上部に位置する、前部(14)と後部(15)の押下げ可能ボタンの形態で提供される。前部ボタン(14)は「左」クリック動作を行うように設定され、「右」クリック動作として設定される後部ボタン(15)の前方かつ下方に位置づけられる。前部(14)と後部(15)のボタンを、単一の指先係合表面上で提供することにより、必要な広さを最小化し、そして、横にボタンが並んだ大きなマウスと同じ機能がより小さなマウスで可能になる。しかし、後部ボタンのクリックのために指が丸まるため、指先は自然と上がり、そのため、もしボタンが同じ高さにあると後部ボタンの操作は不快な移動を要求するかもしれない。そのため、後部ボタン(15)は、ユーザが前部(14)と後部(15)の両方を同じ指の違う部位で、通常は人差し指で、快適に操作できるように、高くされ、かつ後方に向けられている。
ここで参照される、接触センサ、及び移動センサシステムの「有効化」、及び「無効化」は、接触センサ、ボタン、または類するものの状態が、動かされ、または作動させられ(有効化)、そして元の状態に戻される(無効化)ことを参照している。この参照は、二つの異なる状態、または部品の機能を記述したもので、「無効化」はボタンの完全な無効化として解釈されるべきではない。
マウス(1)は、およそ長さ6cm、幅4cm、高さ3.5cmの寸法を持つ、小さく、高い操作性をもつマウスである。突起(9)は最大幅で2cmより狭く、約1.5cmより細い部分へと傾斜する。このような小さなマウス(1)は、ユーザに対し、人差し指で両方のボタン(14、15)を操作することを可能にするペングリップ様式において親指と中指(または薬指)の間で突起部(9)を容易に把持することを可能とする。
図1〜11に示された実施形態は、さらに、マウス(1)と動作表面(5)との間の相対的な移動を検出することができる、光学移動センサシステム(17)の形で用意された移動センサシステムを含む。
光学移動センサシステム(17)は、作業表面(5)を照らすように設定された光源(35)と、作業表面(5)の画像を捉えるために作業表面(5)からの反射光を受光する単一の、又はアレイ状の画像センサ(16)とを含む。画像処理チップは、デバイスの移動方向と程度を判別するため、継続して捉えられた画像を比較する。画像センサ(16)は能動型画素のCMOS型の画像センサ等の既知の画像センサである場合がある。このような画像センサ(16)は、コンピュータマウスに使われていることが知られており、通常、マウスの移動を光学的に検出するのに十分な程度に支持表面を照らすLED又はレーザ光源(35)と共に用いられる。LED、レーザ又はその他の光源(35)は、基部(3)に位置し、そこからの光は光学系(17)の下の領域を照らす方向に向けられる。
光学移動センサシステム(17)により検出される、支持表面上の相対的な移動は、スクリーン上のマウスポインタ等のスクリーン上のGUIエレメントの移動を表示する様にコンピュータに指示を出すために、コンピュータ(2)に渡されるために生成される移動データ信号を生成するために使われる場合がある。通常、既存技術のマウスはベクタ、例えば、方向 4x,5y、速度v、として移動データ信号をコンピュータに供給する。しかしながら、マウス(1)は対応するディスプレイスクリーン(34)内の座標上の位置を判別するために、移動データと既知の「開始」位置とを使うように構成されている。座標は、例えば二次元領域の縁に相当する位置に対応するXとY座標として与えられる。これらの座標は、如何なるサイズスクリーン、または解像度を用いていてもマウスを使える様に、絶対座標(例えば画素座標)では無く、百分率として与えられる。中心位置は、したがってX50%、Y50%として与えられ、上部左側の隅はX10%、Y90%になる場合もある。単なる移動データよりも位置データを使うことは、タッチ入力のオペレーティングシステムと共に使われるときに、拡張された機能を提供するために使われることができる。下記にてさらに十分に議論されるだろう。
マウスにより生成される、移動データ信号、位置データ信号、接触センサ信号、及びスクロールホイールデータ信号は、何らかの使いやすい電気的な送信手段を用いてホストコンピュータ(2)に送信される場合があり、好ましい実施形態ではBluetooth(商標)やUSB無線標準規格をサポートした無線周波数(RF)チップを含む。Bluetooth及びUSB無線プロトコルの両方を用いることにより、マウス(1)は、Bluetoothの適用のみの、または、Bluetoothが無くUSB受信機(32)を受け入れるコンピュータと共に使用できるようになる。USB受信機(32)は、マイクロUSBを標準のインターフェースとして使うことが増している移動体デバイスとの互換性を高めるため、好ましくはマイクロUSB受信機であるが、当然、何らかの適したコネクタを使用できる。マウス(1)は、プリント基板(PCB)と不揮発性メモリ(図示なし)とを含む内部制御回路を含む。メモリは、第1及び第2の動作モード、及び、何らかの他の部品、例えばボタン、スクロールホイール、画像センサ、通信プロトコル、表示LED(20)等、に関する設定データを格納する。
モードセンサ(18)は基部(3)内に用意され、基部(3)から基部接触平面(7)に向けて延びる突出部を有する。図1〜11に示された実施形態におけるモードセンサ(18)は、小さな突き出した先端またはドームのように形作られている。しかしながら、この形は、マウスのサイズや設定に応じて異なる形になる場合があることは理解されよう。
本発明のマウス(1)は、先行技術のマウスに対して、二つの異なるモードで動作することができる点において拡張された機能を提供する。
マウス(1)は、基部接触平面(7)が作業表面(5)に接する第1の方向(図2a、3a、7、10、11a参照)にある時は、第1の「ポインタ」モードで動作するように設定され、モードセンサ(18)が作業表面(5)に接することで第2の「タッチ」モードを起動するように、作業表面(5)に対して相対的に傾いた基部接触平面(7)を持つ第2の方向(図2b、3b、11b)に、回旋され(そして随意に持ち上げられる)ことができる。モードセンサ(18)は、作業表面(5)からの接触及び/又は増加した圧力によりモードを変える様に作動することができるスイッチ、ボタン、トグルなどを、末端に持つ。
図に示される実施形態では、モードセンサ(18)は二つのモード、つまり第1のモード及び第2のモードを起動することができる。しかし、モードセンサは、マウスの設定に応じてそれ以上の、又は異なるモードを起動するように設定され得ることは理解されよう。
ユーザは、マウス(1)を好みに合わせて、異なるように使う場合があることは理解されよう。通常、再配向は、モードセンサ(18)が作業表面(5)に接するまでマウス(1)を持ち上げ、傾けることでなされる。この動きは、指及び/又は手首の操作によるマウス(1)の回転とやや後方への傾斜操作によるものである。この動きは、右利きのマウス(1)のユーザによる、主に時計回りの回転、及び左利きのユーザによる反時計回りの回転となり、双方において、後ろ向きに傾斜し、可能性として持ち上げられる動きを伴う。第2のモードになると、マウスは、モードセンサ(18)を作業表面(5)への唯一の接触点としていずれかの方向へモードセンサ(18)を中心として傾けられる場合があり、したがってモードセンサ(18)は旋回点として働く。
モードセンサ(18)は、マウス(1)が閾値角を越えて傾斜させられるまでは第2のモードへの遷移を妨げるように配置される。理想的には、閾値角は、ユーザが過大なマウス操作を要せず、容易に第2のモードを起動できる、最小の傾斜である。しかしながら、もし閾値角が小さすぎる場合、ポインタモードにおけるマウスの移動中にモードセンサ(18)が不注意で接触してしまい、それにより不注意で第2のモードに遷移することは大変容易であろう。したがって、不注意でのモード間の遷移の危険性を最小化しながら、閾値角を最小化するよう妥協することが必要である。
好ましい実施形態での閾値角は、基部接触平面(7)が作業表面(5)から、5度から10度の傾斜を持つ。図1〜5に示される実施形態では、閾値角は5度であり、図6〜12では7度である。
ここで、第2の方向は単数形で参照されているが、第2の方向はある範囲内のいかなる方向で有ることもできることは理解されよう。すなわち、「第2の方向」への参照は「第2の方向の範囲」内の如何なる方向についても参照していると理解されるべきである。タッチモードの再配向範囲は、第2のモードの閾値角と、
a)移動量センサシステムが、マウス(1)と作業表面(5)との間の相対的な移動量をもはや検出できない、または
b)例えば作業表面(5)がマウス(1)の一部に接触している、またはユーザが物理的にさらなる回転ができない、などによりマウス(1)のさらなる回転ができない
に到るどちらかの最大角の間の、角度的な三次元領域と定義される。
第2のモードの再配向範囲は、通常、図1〜5の実施形態に示されるような、作業表面(5)からの、通常5度から50度の傾斜、または、図6〜12の実施形態に示されるように、おおよそ7度から30度である。
図3a、及び3bのように、第2の方向の傾斜角は、止め(19)が作業表面(5)に接触し、さらなる回転が妨げられる点である、35度を上限とする場合もある。代替の実施形態(図2)では、止め(19)は作業表面(5)に接触するまでに50度の傾斜まで許容する位置にある場合もある。止め(19)が傾斜限界を示すに有用な触覚反応を返す場合もあるものの、それは必須ではなく、マウス(1)は更なる自由な回転ができるように形成されるかもしれないことは理解されよう。
図7は、基準のまたは最適な傾き(ψ)が垂直から70度と計測された、すなわち基部接触平面の傾きが作業表面から20度である実施形態を示す。止め(19)に接触する前の最大傾き(φ)は61度、すなわち基部接触平面が作業表面から29度である。
図2、及び図6〜16は、モードセンサ(18)が、第1の方向(図2a、7、10、11a)にある基部接触平面(7)に対して持ち上がった基部(3)の部分(41)より突き出しており、モードセンサ(18)を押下げ、タッチモードを開始するための第2の方向に向けてマウス(1)を傾け、選択的には持ち上げられることで有効化されることを示している。
モードセンサ(18)は、マウス(1)が閾値角を越えて再配向される時に、モードセンサ(18)が作業表面(5)との唯一の接触点になるような長さで、基部(3)から下向きに突き出している。モードセンサ(18)は、したがって、スタイラスのペン先と類似して、ユーザによる非常に正確な制御を可能にする、作業表面(18)との小さな接触点として使われることができる。
モードセンサ(18)は、接触しつつ作業表面(5)内を動くため、テフロン(登録商標)、または他の低摩耗低摩擦素材の外側接触面を持った押下げ可能スイッチで形成される。モードセンサ(18)は、スイッチを起動するように又はマウス(1、100、200)内部の回路基板上の回路を閉じるように構成された末端を持つレバー(36)の端部に接続されている。
モードセンサ(18)は、容易に起動され、在来型のボタンにおける可聴音や「クリック」の感触を発生しないように、在来型のボタンに比べて大変短い移動距離で起動する。そのような「クリック」は、ユーザが不均一な圧力を掛け、連続した「クリック」を生じさせる場合があるため、モードセンサ(18)を唯一の接触点としながらマウス(1)が作業表面(5)内を動く際には、人間工学的に好ましくない。ユーザの手を著しく制約するような、マウスの下向きへの押下げをユーザに要求すること無しに、モードセンサ(18)が容易に作業表面(5)上を摺動できるように、モードセンサ(18)が最小の圧力で容易に起動されることは重要である。
モードセンサ(18)も、末端の外側接触面が摩耗した場合に、モードセンサ(18)の取り替えを容易にする為に、ねじ固定を通してレバー(36)に分離可能に結合されている。モードセンサ(18)の接続端が、はめこみ式の固定具により交換部品と分離可能に結合されていることもありえることは想像されよう。
マウス(1)内で用いられる光学移動センサシステム(17)は図4、5、及び9により明確に示されている。第1の、及び第2の方向の両方において、マウス(1)と作業表面(5)との間の相対移動の検出に使用するに十分な画像を画像センサが受信するように、それぞれの光学移動センサシステム(17)は設定されなければならない。これにより、マウス(1)は、両方のモードにおいて、移動量及び/又は位置データをコンピュータに供給することができる。
代替案として、二つの個別のセンサのそれぞれが独立して、二つの内の一つのモードにある時の移動量を検出し、モードセンサ(18)が使われて適切なセンサの有効/無効を切り替える場合もあることは想像されよう。明らかに、複数の個別のセンサは複数のモードで実施形態にて活用される場合がある。しかし、複数のセンサを使うことは、付随する費用の増加、複雑化、及び故障の可能性を招く。そのうえ、それぞれのセンサは一つのモードで移動量を検出するのに用いられ、その他のモードではバッテリの消耗、または他のセンサとの干渉を防ぐために、無効にされる必要がある。
適した光学移動量センサシステムの例(17)は図4に示され、レンズ(26)と絞り(27)を間に持つ、二つの同一のポリカーボネイトのプリズム(22a、22b)をその間に含む。第1のプリズム(22a)は、作業表面(5)からの光を受信するための入力面(23a)と、出力面(24a)と、反射表面(25a)とを持つ。反射面(25a)からの光は出力面(24a)へ向かう。第2のプリズム(22b)も入力面(23b)、出力面(24b)、及び全面的な内部の反射表面(25b)を持つ。レンズ(26)、及びそれに伴う絞り(27)は、第1のプリズムの出力面(24a)と第2のプリズムの入力面(23b)の間に位置する。画像センサ(16)はPCB上に搭載され、出力面(24b)からの光を受信する。第1のプリズムの入力面(23a)は、基部接触平面からおよそ22度傾けられ、反射表面(25a)は55度で入力面(23a)に向かって傾けられることにより、光の全体としての内部反射と、光がレンズ(26)へと向かうこととが確保される。したがって、二重プリズムの光学系は、作業表面(5)から反射されてきた光が、第1、及び第2の方向の両方において、焦点の合った光を画像センサ(16)により受信されることを確保する。画像センサ(16)にとって、第1及び第2のモードの両方において作業表面(5)上でのマウス(1)の相対移動を判別できるように、第1及び第2の方向で作業表面(5)から焦点の合った反射光を受信することは重要である。
図5に示される代替の実施形態は、図4の構成にほぼ似ているが、レンズ(27)は第1のプリズムの出力面(24a)と第2のプリズムの入力面(23b)の上に形成される。
図に示される実施例は、光学移動センサシステム(17)のための典型的な構成であって、マウス(1)には代わりの光学系を用いることが可能であり、それは、少なくとも一つのレンズ(26)が基部接触平面(7)に対して傾斜が付けられる、及び/又は、例えば傾斜が付いたPCBに載せられている画像センサ(16)それ自体に傾斜が付けられるレンズの配置を含む。一つの例では、光学系は一体構成の二つのプリズムとレンズ部品とを持つ場合もある。光学系(17)は、したがって、第1及び第2の方向の両方で画像センサ(16)に向けて実質的に焦点の合った光を向ける限りにおいて、光学系(17)は如何なる形をもとることができる。
好ましい光学移動センサシステム(17)が図9に示される。光学系(17)は、図4と図5に示された傾斜された表面を用いる代わりに、第1及び第2のモードの両方においてマウス(1)が、マウス(1)と作業表面(5)との間の相対的な移動を検出するに十分な被写界深度を用意する部品により構成される。
光学系は、受信レンズ(26)、絞り(27)、及び光学センサ(16)の直下の焦点域に光を向けなおすプリズム(40)に光を渡す光源(35)を含む。光学センサ(16)、及び光源(35)は、基部接触平面(7)に対して平行な平面上を延びる回路基板(21)上に直に搭載され、光源(35)は回路基板(21)に対して垂直に光を放つ。つまり、プリズム(40)はレンズ(26b)の下の領域を照らすために光を再配向するために用意されている。
この実施形態では、被写界深度は、0.88mm +/- 20%、下部レンズ表面(26b)から作業表面(5)への最小焦点距離は1.46mm +/- 10%、そして最大は2.34mm +/- 10%、下部レンズ表面(26b)と作業領域(5)の間での最適焦点距離は1.78mmである。これらは典型的な寸法であって、光学系(17)は、光学センサ(16)が十分な光学解像度、すなわち、第1及び第2の方向の両方において相対的な変化、つまりマウスの移動を検出するに十分な程度の焦点を持つ画像を受信する限りにおいて、異なる大きさや形のマウスに合わせて変更される場合があることは理解されよう。
被写界深度は、レンズ開口径と、拡大率と、焦点距離と、レンズ、絞り、センサ間の距離と、センサの大きさや解像度及び許容量を含む様々なシステムのパラメータにより決定される。図9に示されるレンズ(26)は、0.37mm厚レンズで上面(26a)が下面(26a)より大きな曲率半径をもち非対称であり、開口径がおよそ0.3mm、レンズのセンサまでの距離が0.88mmである。焦点域、または領域は1mmの直径を持つ。
第1及び第2の方向の間で、レンズと表面との距離の変化を最小化するため、モードセンサ(18)の、または極近接、または近くに焦点域が来るように、光学移動センサシステムは配置されることが好ましく、それにより両方の方向で十分に焦点の合った画像をマウスの光学系が受信できることを確保するために要求される被写界深度を最小化する。
光学移動センサシステムは、大きな被写界深度、または低い解像度に対する大きな許容量を持つ画像センサを使うことにより、光学移動センサシステムがモードセンサ(18)からさらに離れた位置にあったとしても、両方のモードで動作する場合があることは理解されよう。しかしながら、大きな被写界深度は、マウスがポインタモードにある時に表面から持ち上げられて表面から離れた場合でも、依然として移動を検出することにつながり、このことは、前述したように、ポインタの移動をスクリーンに入力することなくマウスを持ち上げて再配置することをユーザにとって難しいと感じさせる場合があり、好ましく無い。マウス(1)がポインタモードにある時に持ち上げられたときにポインタの移動を無効にする必要性は、用いることのできる被写界深度の最大値を制約する。通常、マウスの基部接触表面(8)が数mm、通常3mm以内で持ち上げられたときにポインタの移動が起きない様に被写界深度は用意される。したがって、光学移動センサシステム(17)は、制約された被写界深度内で両方のモードでのマウスの移動を検出するように、十分にモードセンサ(18)に近く位置づけられる。
マウス(1)が両方の方向での移動を検出できることを確保するために、最適化がなされた、ふさわしい部品が使われる代替の光学系が使われる場合もあることは理解されよう。
好ましい実施形態での第1の動作モードは、マウス(1)の移動を示す移動及び/又は位置データ信号が、ホストコンピュータ(2)のディスプレイスクリーン上でのポインタの移動という結果になる「ポインタモード」であり、在来型のマウスとコンピュータの動作に類似するものである。
第2のモードまたは「タッチモード」は、基部接触平面(7)が、第1の方向に対して傾斜され、及び/又は持ち上げられた第2の方向にある時に起動され、それによりモードセンサ(18)は作業表面に押し付けられると作動する。タッチモードでは、光学系(17)により検出された移動は、コンピュータによりタッチイベントとして解釈されるデータ信号を生成する。
ここで使われる用語、タッチイベントは、同等のタッチスクリーン上のタッチ、または同等のコマンドを提供するために用いられるマウス/キーボードのコマンドとしてコンピュータにより解釈されるイベントのことを記述している。例えば、Windows 8はタッチイベントを登録することができ、様々な機能をそれへの応答として実行する。その他の例は、マウスの左クリックをタッチイベント、それに引き続いた動作をスワイプタッチイベントとして登録するように設定したAndroid OSデバイスを含む場合がある。前述したように、タッチイベントは一般的に、タップ、長押し、スワイプ、ドラッグ、フリック、スクロール、ピンチ、スプレッド、または回転のうちの一つのタイプに大概属する。
「スワイプ」ジェスチャは、タッチスクリーンを横切る指の動きを代表する種類のユーザコマンドであり、通常、GUIページ、アイコン、テキスト、スクリーン、またはウィンドウ等のGUIエレメントの動きという結果になる。「スワイプ」ジェスチャは、タブレット、携帯電話、及び他のタッチスクリーンコンピュータのための一次的なコントロール方式の一つである。標準的なスワイプ動作は、パン(垂直及び/又は水平移動)、スクロール(垂直移動)、及び、フリック(急速な垂直の、または水平の移動)を含む。スワイプジェスチャは、図形、英数字、シンボル、またはパターン、などのカスタムジェスチャを含み、それによって追加の制御、及び可能性のあるコマンドを用意する。
モードセンサ(18)の起動は、第2のマウスの動作モードの起動に用いられるばかりでは無く、移動センサ(17)により示された位置においてタッチイベントをコンピュータ(2)に知らせるために用いられる。したがって、第2のモードでは、マウス(1)は、タッチスクリーン上での指の動作に類似する挙動で動作し、指でのタッチ及び移動と同等になる場合がある。
第2のモードでは、画像センサ(16)により検出された、マウスの作業表面(5)上での移動は、スワイプ入力としてコンピュータ(2)に受信され、それによりスワイプタッチスクリーンコマンドをコンピュータ(2)に提供する。
第2のモードはアプリケーション特有のものである場合もある。例えば描画アプリケーションでは、第2のモードは、移動データ信号が、デジタルペン、ブラシ等の、コンピュータソフトウェアの描画エレメントの移動としてコンピュータ(2)に解釈される、描画モードであることもできる。
同様に、コンピュータ支援製図(CAD)ソフトウェアでは、第2のモードは、移動データ信号が三次元回転、又は他のパラメータとしてコンピュータ(2)に解釈される、回転モードである場合がある。
タッチモードは、タッチに最適化されていないコンピュータオペレーティングシステムの制御にも有用である場合がある。例えば、戻る(BACK)、及び、進む(FORWARD)キーボードコマンドの提供に用いられることができ、または、モードセンサ(18)の起動は在来型のマウスの中ボタンクリック(MIDDLE BUTTON CLICK)としてコンピュータに通信され、それによりパンモードを起動する場合がある。代わりに、タッチモードが、例えば、Google Chrome, Firefox等の、事前にマウスジェスチャの為に設定されたソフトウェアアプリケーションにて使われることもできる様に、モードセンサ(18)の起動は、右クリック(RIGHT CLICK)として解釈され場合がある。
図12〜14は、本発明の好ましい実施形態に従う別のマウスを示している。このマウス(100)は、第1の実施形態よりもずっと大きく(およそ3辺が12cm、6cm、4cm)、より在来型の手の平での把持(Palm-Grip)形式の上部本体(102)を持つ。
マウス(100)は、スクロールホイール(105)及び、左(103)と右(104)マウスボタンの形で提供される二つの接触センサをも持つ。支持足(108)は、基部接触平面(107)を形成しており、そしてそれは、作業表面上を摺動するので、マウスを支持するために用いられる。
マウス(100)は、基部(101)から下方向へ突き出して位置づけられたモードセンサ(109)を持つ。光学移動検出システム(110)は、モードセンサ(109)の場所に、または、それにごく近接する場所に焦点域を持つように構成され、用意される。光学系(111)は、図9に示されるように、第1のマウスの実施形態(1)の構成に類似しており、第1の(図13)及び、第2の(図14)方向においてマウスの移動を検出する能力を持つ。
基部(101)は、基部接触平面(107)から上向きに傾斜を付けられた下部(106)の右側部(111)と前部(112)を持つ。下部の面取り(111、112)は、マウス(100)を右及び/又は前に再配向することを許す隙間を提供しており、これにより基部(101)の他の部分からの干渉無しに、モードセンサ(109)を起動できる。
第3の実施形態によるマウス(200)は図15と16に示され、図12〜14のマウスと同じ部品と概略の形をしており、つまり、マウス(200)は、スクロールホイール(205)、左(203)、及び右(204)マウスボタンと、基板の接触面(207)を形作る支持足(208)と、傾斜した右側部(11)とを持つ。
マウス(200)は、モードセンサ(209)がマウス(200)の後部に向いて位置し、前述の実施形態(100)のように前、そして右向きでは無く、後ろ、そして右向きでマウスを傾けることをユーザに対して、許す、後ろ向きに傾斜した面取り(212)をマウスが持つことにおいてマウス(100)と異なる。
マウス(100、200)は、より在来型の「デスクトップ」の手のひら把持の形を提供するが、二つの異なる動作モードを用いることを通して、より小さいマウス(1)と同様の機能を提供しており、ここで第2のモードは、モードセンサ(109、209)を起動するためにマウスの再配向により起動される。
タッチ入力を基にしたオペレーティングシステムは、タッチ表面上に指先があり自然な手と目の協調をユーザが持つため、スクリーン上のポインタを通常必要としない。しかしながら、通常のユーザは、マウスを使用中、マウスではなくディスプレイスクリーンを見ており、このことにより、マウスの相対的な位置を表すために表示されるスクリーン上のポインタ無しには協調が難しくなる。
したがってコンピュータは、ユーザにマウス(1)の位置の視覚的指示を提供するために、スクリーン上のポインタ、または、他の適切なGUIエレメントを表示する様に、通常設定される。スクリーン上のポインタは少なくとも第1のモードにある時は有効にされ表示され、マウス(1)はコンピュータ(2)に、マウスの移動に対応するポインタの座標を供給するように構成されている。しかし、モードセンサが起動された第2のモードにおいて、コンピュータ(2)はマウス(1、100、200)をタッチイベントの供給として解釈し、したがって、第2のモードではスクリーン上のポインタは可視化されない。この場合、見えないポインタは、指のディスプレイスクリーン、またはタッチパッドへの接触を模した表現である「指カーソル」として参照される。
タッチイベントの位置は、第2のモードが始まる点として規定される「開始」位置からの、又は、代替的には、コンピュータ起動時あるいはマウス接続時に設定された既定の開始位置からの相対的な位置としてマウス(1,100,200)により決定され、それはすなわち典型的には、スクリーンの中央、すなわちX50%、Y50%の座標である。後続の移動は、この開始点から相対的に与えられる。
したがって、タッチイベントはマウスが第2のモードにある時に登録され、また、モードセンサと作業表面との短い接触は、マウスが第2のモードに短く遷移し第1のモードに戻るような、タップタッチイベントとして登録される。モードセンサは、長押しタッチイベントを提供するために作業表面(5)に対して押し付けられることができ、または、スワイプタッチイベントを提供するために押し付けられたまま動かされることができる。ピンチ、または、スプレッドのタッチイベントは、第2のモードにある時に、スクロールホイール(12)を前方に、又は後方に回転させることにより提供される場合もある。
スワイプジェスチャの終了は、例えばスクリーン境界から10%以内の座標のような、対応するスクリーンの縁にマウス(1)が到達していることを登録することにより登録される場合がある。そのようなスワイプジェスチャの終了の後、マウス(1、100、200)は、再開位置において引き続くタッチイベントを登録する様に設定される、つまり、今のタッチイベントは停止し、その他が再開位置において作られる。この、スワイプジェスチャの後のタッチ位置の「リセット」は、ユーザが他のジェスチャを始めるためにマウス(1、100、200)をその初期位置に戻さなければならないことを防ぎ、ユーザはその代わり、複数のスワイプジェスチャとしてコンピュータに解釈される動作を継続してする場合がある。この設定は複数のフリックや、大きな距離のパン動作のための直感的な指形式の誘導を提供するために役に立ち、これにより無限のスクロール/パンの一形態を提供する。
図17は、複数のページを持つ文書(43)の一部(43a、43b)を表示する、ディスプレイスクリーン(34)を持ったコンピュータ(2)を示す。点線の四角形(43)は、ドキュメントの最初に表示されたページである。
ユーザは、モードセンサ(18、109、209)を起動するようにマウス(1、100、200)の先端を付けることにより、開始位置(44)でのタッチイベントとしてコンピュータにより解釈されるタッチモードを起動する場合がある。それに引き続くマウス(1、100、200)の左への移動は、縁位置(47)へ向かう左方向のスワイプジェスチャとして解釈され、すなわちGUIエレメントの左への移動となる。つまり、文書ページ(43a)は左に動き、次の文書ページ(43b)を表示する。移動の速度も検出され、GUIエレメントの対応する移動速度へと変換される。
マウス(1)がさらに左へ移動し、縁位置(45)よりも左にあることが判定すると、マウス(1、100、200)は、そのタッチイベントの終了と再開位置(44)における新しいタッチイベントを示す信号をコンピュータに送り、それはすなわち、コンピュータに再開/開始位置(44)でのタッチを示すことである。さらなるマウス(1、100、200)の左方向への移動は、複数の左方向へのスワイプとコンピュータにより解釈される、ユーザによる連続した左への移動を可能とする手続きを繰り返す。この動作は連続したパンで文書(43)の連続したページを表示する。したがってユーザは、タッチスクリーンと共に在来型のマウスを使う場合にそうであるような、マウス(1、100、200)を右から左へ繰り返させることは要求されない。
マウス(1、100、200)は、二つの継続したタッチイベント、例えば、既定の時間経過内にスワイプタッチイベントが後に起こるタップタッチイベントを起こすことにより、スクリーンの縁を開始位置として示すようにも設定される。スワイプジェスチャの方向は、どのスクリーンの縁に開始位置があるかを推定させるように用いられ、したがって、そのスクリーンの縁からのスワイプジェスチャとして解釈される。たとえば、左、右、上、又は下方向へのスワイプが後に起きるタップは、それぞれ右、左、下端、上端のスクリーンの縁から内向きへのスワイプとして解釈されるだろう。マウス(1、100、200)は、したがって、最初にマウス(1)を対応するスクリーンの縁に動かすことをユーザに要求せずに、迅速に縁スワイプジェスチャを作り出す為に使われることができる。
図18は、スクリーン(34)の右側にある縁「開始」位置(46)から中心に向かう終了位置(47)へのスワイプとしてコンピュータ(2)に解釈される左スワイプジェスチャが後に続くモードセンサ(18、109、209)のタップを示す。これにより、設定バー(48)は、「輝度」(49)及び「取り消し」(50)のGUI要素を用いて表示される。
アプリケーション、または、ユーザの設定により、他の「開始」位置が使われる場合もある。
マウス(1、100、200)は、ボタン及び/又はタッチイベントの異なる組み合わせにより様々なジェスチャを模擬する様に設定される場合もある。例えば、共通する「ピンチ−トゥー−ズーム」ジェスチャは、マウス(1)に事前設定距離離れた二つの指の入力を登録させるタッチモードにあるときに後部接触センサ(15)を起動することで提供される場合もあり、そして引き続き起きる左へのスワイプジェスチャはズームインを生じるピンチを示し、右へのスワイプはズームアウトを生じるスプレッドを示す。
マウス(1)は、ユーザが、ON、OFF、及び設定のモード(それらはそれぞれマウス(1)のスイッチオン、オフ、またはマウスファームウェアの、変更やアップデート等の設定を許可する)の間の遷移動作を可能とする三状態の摺動スイッチ(29)をPCB(21)上に含む。
マウスの設定を変更するためにコンピュータに組み込まれたドライバソフトウェアを使用する代わりに、マウス(1、100、200)は、マウス(1、100、200)内のボード上のフラッシュメモリに記録されたデバイス設定データを変更する、ボタン押下及び/又はスクロールホイールの動作の順序や組み合わせを通じて、設定モードにある時に変更をされることができる。デバイス設定データはマウス(1、100、200)がどう動作するかを制御しており、メモリに格納されることにより、ユーザ設定はマウス(1、100、200)と共に持ち運ばれ、そして、コンピュータに依存しない。変更され得るマウス設定の例は、ボタン機能、マウス加速設定、LED設定、光学系設定、タッチイベント設定、またはその他のマウスの設定である。
図19は、マウス(1、100、200)または他の何らかのデバイスの設定モード内で使われる典型的なウェブページ(51)である。ウェブページ(51)は、マウス制御を用いてどのように誘導するかの指図(52)、マウス設定(このケースでは果物のタイプが使われる)メニューGUI(53)、及び、確認及び/又は補助的テキストを表示するテキストボックス(54)を含む。
デバイスは、コンピュータ(2)により表示されるインターネットブラウザソフトウェアアプリケーション内のウェブページ(51)の誘導、及び/又は選択コマンドとして、受信コンピュータ(2)により解釈される、キーボードのキー押下げの組み合わせを示す信号を、コンピュータに送信するように設定される。
ウェブページ(51)は、したがって、特定のドライバソフトウェアやコンピュータ(2)上のアプリケーションを要求すること無しに、デバイス設定の構成を可能とする。デバイスは、したがって、ソフトウェアドライバの組み込みや他のコンピュータ設定を要求すること無しに、キーボード互換のコンピュータ(2)により使われ、設定されることができる。ボード上のメモリを使うことは、ユーザがデバイスの設定をする際に選ぶ設定値がデバイスと共に持ち運ばれ、使われるコンピュータ(2)に依存しないことを確実にする。
設定モードに入っているデバイス(これはマウス(1、100、200)、または何らかの設定可能なデバイスである場合がある)は、固有の四つの文字IDであるキーの順序を最初に送るように構成されている。最初の二文字は、ウェブページ(51)を提供するサーバにより、デバイスを識別するために使われ、最後の二文字は表示するに適したメニューを示す。キー順序とそれらに伴うデバイスの例は表1に提示される。
設定モードにいる間、デバイスはAAAANの形式でコンピュータにキー順序符号を送る。ここで、AAAAは何らかの四文字のキー符号であり、Nは0または1(0は「誘導」を意味し、1は「ONに設定」を意味する)であり、コンマは終了区切りである。他の全てのデバイスイベント(例えば、クリック、スクロール、打鍵、マウス移動、及びジェスチャ)は、コンピュータに信号を送らないように、「無音」化される。
下記のデバイス設定の例はマウス(1、100、200)により成される。
マウス(1、100、200)はマウスデバイスを示す最初の符号であるD1B21を送信し、「食べ物(MEATS)」メニューを表示する。下記のメニューが表示される。
ユーザが下、又は上にスクロールする時、デバイスは現在のメニューリスト内の、次の(D1B3)、または前の(D1B1)のキー順序符号を送信する。もし次や前の項目が無い場合は、符号は送られない。用いられる形式はAAAA0、つまり、項目AAAAへの誘導である。
ユーザが現在のメニューで左クリックをする時、メニュー項目が選択されるべきことを示す、「AAAA1」の形式での現在メニュー項目符号が送信される。この例では、ユーザは一単位下へスクロールし、そして左クリックをする、そのためD1B30、そしてD1B31の符号を送り、果物(FRUITS)のメニュー項目を選ぶ。
もし現在のメニュー項目が「設定状態」の構成である場合、それは子メニュー項目を持たない。その場合は、ウェブページ(51)はリスト内での選択された単一のメニュー項目を太字にする。
果物(FRUITS)項目は設定値のリストではなく、下記の表に示される様に子項目を持つ。
FRUITSを入力するに当たり、デバイスは、デバイスに格納されている通り、メニュー項目、または、デバイスに格納されたようなメニューリストのための設定符号を送信する。この例では、格納された設定は、洋ナシ(PEARS)設定を示すD1C31である。ユーザはメニュー項目を選択するために上か下にスクロールし、そして設定を変更するために左クリックをすることで項目を選択する。
この例では、ユーザは1項目下にスクロールし(符号D1C40)、そして左クリックし(符号D1C41)、それにより設定をオレンジ(ORANGES)に変えている。
ウェブページは、スクロールに伴って左から右へ向いた矢印のGUIエレメントを動かし、そして左クリックによる選択により、リスト内でD1C4を太字、かつ中央寄せにする。
もしユーザが右ボタンクリックをすると、デバイスは、AAAA0の形式で親メニューを示す符号を送信する。この場合、現在表示されている果物メニューのリストの親メニューリストである、D1B30(FRUITS)が送られる。
ウェブページは、そして、右から左向きの矢印のGUIエレメントを動かし、リスト中のD1B3を太字かつ中央寄せにする。
設定モードにおいて行われるボタン押下げとスクロールホイールの動作の順序は、マウスがどのように動作するかを制御する設定データを変更するためにフラッシュメモリを上書きするためのデータ書き込みのきっかけとして使われることもできる。上記の例では、ユーザは設定をPEARSからORANGESに変えた。この設定は、例えば、前部と後部のマウスボタンの機能を入れ替えている場合もある。
前述の設定システムが機能するためには、設定されようとするデバイスは、有線及び/又は、無線の接続を通してコンピュータに接続される能力を持たなければならず、
・デバイスを制御するためのユーザ入力を受信するための、少なくとも一つのユーザ入力制御と、
・デバイスの動作特性を判定するためにデバイスに読まれるデバイス設定データを格納する、少なくとも一つの書き込み可能メモリと
を含み、
ここで、デバイスは、設定モードに入ることができ、デバイスは、
−少なくとも一つのユーザ入力制御へのユーザ入力、キーボードのキー押下げに対応する信号、それらの順序及び/又は組み合わせ、を受信したときに信号をコンピュータに送信し、
−デバイス設定データを変更するために前記メモリデバイスにデータを書き込む
ように設定される。
本発明の態様は、例としてのみの為に記載されており、その範囲から離れること無く、そこへの変更と追加が行われる場合があることは理解されよう。