以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る機器管理システム1を示す。機器管理システム1は、ネットワーク10(一例としてインターネットまたは専用回線)を介して互いに接続された1または複数の機器群2と、管理装置3とを備える。
複数の機器群2は、それぞれ複数の機器20を含む。複数の機器群2のそれぞれは、1つの設備200に配置された複数の機器20を含んでよい。ここで、設備200は、複数の機器20が配置されるものであり、データセンター、プラント、店舗、物流センター、ビル、マンション、生産ラインなどであってよいが、その更に細分化された部分(例えばプラント内の建物、建物内のフロア、部屋など)であってもよい。
複数の機器20は、独立に電源につながれて制御される装置である。複数の機器20のうちの少なくとも1つは、通常運転を行う通常運転モードと、自装置の動作試験を行うための試験モードを有してよい。複数の機器20は、各々が電力状態センサ21および機器コントローラ22を有する。
電力状態センサ21は、機器20の電力状態を測定する。電力状態は、消費電力、発電電力、電流値および電圧値の少なくとも1つであってよい。電力状態センサ21は、後述の機器コントローラ22を介して測定値を管理装置3に送信してよい。なお、電力状態センサ21は、スマートメータであってよく、直接的に管理装置3に測定値を送信してもよい。また、電力状態センサ21は機器20に具備されずに機器20に対して外部から接続されてもよい。
機器コントローラ22は、機器20の運転を制御する。例えば、機器コントローラ22は、機器20の通常運転の制御を行ってよい。また、通常運転モードおよび試験モードを有する機器20の機器コントローラ22は、機器コントローラ22はこれらのモードを切り換え、モードに応じた制御を行ってよい。一例として、機器コントローラ22は、試験モードにおける試験を実施するための試験手順を記憶してよい。
また、機器コントローラ22は、ネットワーク10を介して管理装置3と通信可能であってよい。例えば、機器コントローラ22は、電力状態センサ21から測定値を取得して管理装置3に送信してよい。なお、複数の機器20の機器コントローラ22のうち、1つの機器コントローラ22のみがマスタとして機能して管理装置3と直接的に通信を行い、他の機器20の機器コントローラ22はスレーブとして機能してマスタの機器コントローラ22を介して管理装置3と通信を行ってもよい。
管理装置3は、ネットワーク10を介して各機器群2における複数の機器20に接続され、それらの運転を管理する。例えば、管理装置3は複数の機器20にそれぞれ接続されてもよいし、マスタとして機能する機器コントローラ22を有する機器20に接続されることで、この機器20を介して他の機器20に接続されてもよい。本実施形態では一例として管理装置3は、複数の機器20の電力制御を行うエネルギーマネジメントシステムであってよく、一例としてクラウドサーバであってよい。管理装置3は、通信部31および制御部32を備える。
通信部31は、ネットワーク10との間で通信する。
制御部32は、複数の機器20の電力制御を行うと共に、動作試験を行わせる。制御部32は、電力監視部321、表示制御部322、電力制御部323および試験制御部324を有する。
電力監視部321は、複数の機器20の電力状態を監視して、異常の有無を検知する。電力監視部321は、電力状態センサ21から受信した測定値を用いて異常の有無を検知し、測定値と対応付けてデータベース(図示せず)に記憶させてよい。また、電力監視部321は、異常の有無を電力制御部323に供給してよい。
表示制御部322は、電力監視部321による監視結果、および、試験制御部324による試験結果を表示装置(図示せず)に出力する。また、表示制御部322は、電力監視部321および試験制御部324により異常が検知された場合に、その内容を出力してよい。これにより、作業員は機器20が故障する前に異常状態を把握して電力状態の変更を行うことができる。
電力制御部323は、省エネルギー化を実現するべく、電力監視部321による監視結果に基づいて複数の機器20を電力制御して運転状況を管理する。例えば、電力制御部323は、機器20または設備200毎にエネルギーパフォーマンス指標(EnPI)を算出し、予め設定したエネルギーベースライン(EnB)と比較することで電力供給を制御してよい。また、電力制御部323は、受電電力を常時監視して、受電電力が基準値を超えないようにするデマンド制御を行ってよい。一例として、電力制御部323は、設備200の受電電力が基準値を超えることが推定される場合に、作業員に対して警告をしてもよいし、運転スケジュールの変更を作業員に促してもよいし、設備200内の少なくとも1部の機器20の出力を落としてもよいし電源を切ってもよい。これに代えて、電力制御部323は、受電電力の監視結果から導出される、基準期間(例えば1日、1週間など)内での受電電力の変動パターンを参照し、受電電力が基準値を超えることが推定されるタイミングで、作業員に対する警告を表示制御部322に出力させてもよい。また、電力制御部323は、各機器20または各設備200での電力の需要予測、需給バランスを演算して表示制御部322に出力させてもよい。受電電力の基準値は、設備200と電力会社との間の契約電力であってよい。
試験制御部324は、複数の機器20に動作試験を行わせる。例えば、試験制御部324は、複数の機器20のうち試験対象の機器(試験対象機器とも称する)の機器コントローラ22に対し、試験の実施を指示する試験指令を送信する。一例として、試験制御部324は、複数の機器20のうち試験モードを有する試験対象機器に対して試験モードへの遷移指令を含む試験指令を送信することで、試験対象機器に試験モードへ遷移させて試験を実施させてよい。試験制御部324は、通信部31を介して試験指令を送信してよい。
また、試験制御部324は、試験指令に応じて機器コントローラ22が実施した試験の試験結果(一例として試験により電力状態センサで測定された電力状態の値)を機器コントローラ22から受信する。試験制御部324は、通信部31を介して試験結果を受信してよい。
また、試験制御部324は、複数の機器20を有する設備200で実施すべき複数の試験項目を含む試験リスト3240を管理してよい。例えば、試験制御部324は、試験制御部324が変更し得る状態で管理装置3の内部または外部に試験リスト3240を保持させてよい。試験リスト3240については、図3を用いて詳細を後述する。
また、試験制御部324は、複数の機器20のうち少なくとも1つの機器20に行わせる試験の手順を管理し、当該機器20の機器コントローラ22に、当該少なくとも1つの機器20に対する試験手順を送信してよい。これにより、同種の複数の機器20の試験手順を管理装置3で一元管理することができる。
以上の機器管理システム1によれば、ネットワーク10を介して複数の機器20に接続される管理装置3が試験対象機器の機器コントローラ22に試験指令を送信し、機器コントローラ22から試験結果を受信するので、複数の機器に対して遠隔かつ自動で試験を行わせ、試験結果の解析を行うことができる。従って、試験に要する時間を短縮することができるため、機器20のメンテナンス時間、設備200の新設から運用開始までの時間などを短縮することができる。
図2は、設備200に設けられた機器群2の一例を示す。本実施形態では一例として、機器群2は、データセンター(例えばコンテナ型のインターネットデータセンター)である設備200に配置された複数の機器20を有する。これらの機器20は一例として、1または複数のサーバ20(1)、1または複数の空調装置20(2)、受配電装置20(3)、1または複数のUPS装置20(4)、1または複数のAC/DCコンバータ20(5)、1または複数のDC−UPS装置20(6)、1または複数の自家発電装置20(7)、および、1または複数の付加装置20(8)であってよい。なお、この図では各機器20の電力状態センサ21および機器コントローラ22の図示を省略している。
1または複数のサーバ20(1)は、図示しないクライアントからの要求に対してサービスを提供するコンピュータである。例えばサーバ20(1)はラックサーバであってよい。また、サーバ20(1)は直流給電方式のサーバであるが、交流給電方式であってもよい。本実施形態では一例として、1つのサーバ20(1)の機器コントローラ22はマスタとして機能し、機器群2における他の機器20の機器コントローラ22と管理装置3との通信を仲介してよい。
1または複数の空調装置20(2)は、設備200内の温度、湿度、空気清浄度などの調整を行う装置である。本実施形態では一例として、機器群2は複数の空調装置20(2)を有しており、このうち一の空調装置20(2)はベース空調を行い、他の空調装置20(2)は局所空調を行ってよい。
受配電装置20(3)は、商用電源2000から電力を受けて他の機器20(本実施形態では一例としてUPS装置20(4)、空調装置20(2)および付加装置20(8)など)にそれぞれ供給する装置である。例えば、受配電装置20(3)は、保護リレー、コンタクタおよびブレーカの少なくとも1つを含んでよい。受配電装置20(3)は、これに加えて/代えて、AC/ACコンバータを備えてよく、入力される電力の電圧、周波数を変換してもよい。
1または複数のUPS装置20(4)は、無停電電源装置である。例えば、UPS装置20(4)は、定常時には商用電源2000からの交流電力を直流電力に整流して一部を内部のバッテリに蓄電しつつ、残りを交流電力に再変換して負荷側に供給してよい。また、UPS装置20(4)は、商用電源2000からの受電停止時には内部のバッテリからの直流電力を交流電力に変換して負荷側に供給してよい。例えば、UPS装置20(4)は、交流電力をAC/DCコンバータ20(5)に供給してよい。
また、UPS装置20(4)は、内部のバッテリからの直流電力を用いてパワーアシストを行ってよい。例えば、商用電源2000から受電する交流電力が周波数変動する場合には電力効率が低下することから、UPS装置20(4)は、商用電源2000から受電する交流電力を、バッテリから出力される直流電力で補って出力してもよい。また、UPS装置20(4)は、負荷が一時的に変動する場合にも、商用電源2000から受電する交流電力を、バッテリから出力される直流電力で補って出力してもよい。
1または複数のAC/DCコンバータ20(5)は、それぞれ対応するUPS装置20(4)から供給される交流電力を直流電力に変換して負荷側に供給する変換器である。例えば、1または複数のAC/DCコンバータ20(5)からの直流電力は集約されてサーバ20(1)に供給されてもよいし、集約されずに別々のラックのサーバ20(1)に供給されてもよい。なお、UPS装置20(4)が直流電力を負荷側に供給する場合、またはサーバ20(1)が交流給電方式である場合には、AC/DCコンバータ20(5)は機器群2に具備されなくてよい。
1または複数のDC−UPS装置20(6)は、直流電力を供給する無停電電源装置である。例えば、DC−UPS装置20(6)は、定常時には自家発電装置20(7)から供給される直流電流を内部のバッテリに蓄電しつつ、残りを負荷側に供給してよい。また、DC−UPS装置20(6)は、商用電源2000からの受電停止時には内部のバッテリからの直流電力を負荷側に供給してよい。例えば、DC−UPS装置20(6)は、直流電力をサーバ20(1)に供給してよい。DC−UPS装置20(6)は、直流電圧を変換するDC/DCコンバータ203を有してよい。なお、サーバ20(1)が交流給電方式である場合には、DC−UPS装置20(6)の出力側にはDC/ACコンバータが接続されてよい。
DC−UPS装置20(6)は、UPS装置20(4)と同様にして、内部のバッテリからの直流電力を用いてパワーアシストを行ってよい。DC−UPS装置20(6)がパワーアシストを行う場合には、UPS装置20(4)はパワーアシストを行わなくてもよい。
1または複数の自家発電装置20(7)は、電力を発生して負荷側に供給する装置である。例えば、自家発電装置20(7)は直流電力を発生してDC−UPS装置20(6)に供給してよい。自家発電装置20(7)は、太陽光発電装置および燃料電池などの少なくとも1つであってよい。
1または複数の付加装置20(8)は、設備200に付加的に具備される装置である。例えば付加装置20(8)は、火災予兆センサ、スプリンクラー装置などの火災対策機器であってもよいし、カード認証装置、指紋認証装置などの情報セキュリティ機器などであってもよい。また、付加装置20(8)は、設備200内を冷却すべく設備200の外壁に対して散水する散水ポンプであってもよい。
図3は、試験制御部324により管理される試験リスト3240の一例を示す。
試験リスト3240は、設備200で実施すべき試験項目を設備200毎に含んでよい。なお、各項目の試験は、自動試験、半自動試験、およびマニュアル試験の何れであってもよい。自動試験は、作業員の作業を必要とすることなく管理装置3からの制御により自動的に試験を開始・完了させることができる試験であってよい。半自動試験は、試験の準備から完了までの間に、各種の設定作業、設定の確認作業、および/または、試験結果の確認・入力作業など、試験の一部のみについて手動の作業を必要とする試験であってよい。マニュアル試験は、試験の準備から試験結果の確認、入力まで手動の作業を必要とする試験であってよい。
本実施形態では一例として、試験リスト3240は、図2の機器群2が配置された1つの設備200で実施すべき複数の試験項目として、複数の機器単体試験(1),(2)…、データ収集試験、POD試験・入出力試験、付加装置試験、空調装置制御動作試験、および、1または複数の総合試験をこの順に含む。
複数の機器単体試験は、単一の機器20の動作試験である。本実施形態では、機器単体試験(1),(2)…が機器20の種類ごとに行われる。例えば、機器単体試験(1)は受配電装置20(3)の動作試験であってよく、機器単体試験(2)はUPS装置20(4)の動作試験であってよく、機器単体試験(3)は空調装置20(2)の動作試験であってよい。ここで、試験対象機器20が受配電装置20(3)である機器単体試験(1)は、保護リレーおよびブレーカの連動動作の試験を含むシーケンス試験であってよい。なお、各機器単体試験は、機器コントローラ22により自機内で行われるセルフテストであってよい。機器単体試験は、機器20を動作させた場合の電力状態の試験であってよく、試験対象機器が正常であると判断し得る範囲内に電力状態の測定値が収まる場合に正常終了し、収まらない場合に異常終了してよい。機器単体試験は、自動試験であってもよいし半自動試験であってもよい。
データ収集試験は、管理装置3による複数の機器20からのデータ受信の動作試験である。例えば、データ収集試験は、管理装置3が各機器20からデータを受信した場合に正常終了し、少なくとも1つの機器20からデータを受信しない場合に異常終了してよい。データ収集試験は自動試験であってよい。
POD試験は、設備200内の各機器20を操作するためのPOD(Programable Operation Display)端末の動作試験である。例えば、POD試験は、POD端末を用いて各機器20が操作される場合に正常終了し、操作されない場合に異常終了してよい。入出力試験は、サーバ20(1)およびクライアント(図示せず)の間でのデータ入出力の動作試験である。入出力試験は、データ入出力が行われた場合に正常終了し、行われない場合に異常終了してよい。POD試験および入出力試験は、半自動試験であってもよいし、マニュアル試験であってもよい。
付加装置試験は、装置200に設けられる付加装置20(8)(一例として火災対策機器、情報セキュリティ機器)の動作試験である。付加装置試験は、付加装置20(8)が正常に動作する場合に正常終了し、正常に動作しない場合に異常終了してよい。付加装置試験は、半自動試験であってもよいし、マニュアル試験であってもよい。
空調装置制御動作試験は、空調装置20(2)による温度および/または湿度の調整についての動作試験である。例えば、空調装置制御動作試験は、空調装置20(2)の省エネ機能についての動作試験であってよい。一例として、空調装置制御試験は、ベース空調を行う一の空調装置20(2)と、局所空調を行う他の空調装置20(2)との連携動作の試験であってよい。空調装置制御動作試験は、空調装置20(2)が省エネ機能を発揮するよう動作する場合に正常終了し、動作しない場合に異常終了してよい。空調装置制御動作試験は、自動試験、半自動試験およびマニュアル試験の何れであってもよい。
総合試験は、複数の機器20(例えば同一種類の複数の機器20または複数種類の機器20)により行われる動作試験である。
一例として、総合試験は、UPS装置20(4)および/またはDC−UPS装置20(6)が受配電装置20(3)からの供給電力および/またはサーバ20(1)の消費電力に応じて行うパワーアシストの動作、または、アシストに用いられる電力レベルを確認する試験であってよい。パワーアシストの動作試験は、正常にパワーアシスト動作が行われる場合、または、設定されたレベルの通りにパワーアシストが行われる場合に正常終了し、正常にパワーアシスト動作が行われない場合、または、設定されたレベルの通りにパワーアシストが行われない場合に異常終了してよい。また、パワーアシストの動作試験は、アシストに用いる電力レベル等の選択を必要とする半自動試験であってもよいし、電力レベル等のマニュアル設定を必要とするマニュアル試験であってもよい。
また、別の例として、総合試験は、サーバ20(1)に電力を供給する複数の機器20、例えば受配電装置20(3)、自家発電装置20(7)、UPS装置20(4)およびDC−UPS20(6)の間で出力電流のバランスが取れているか確認する試験であってよい。また、総合試験は、サーバラック単位での入出力電圧、例えば各AC/DCコンバータ20(5)からラックへの出力電圧、および、ラック内の複数のサーバ20(1)への入力電圧が正常範囲であるか確認する試験であってもよい。サーバ20(1)への入力電圧の正常範囲は、一例として約200Vであってよい。これらの電力状態の確認試験は、各試験対象機器が正常であると判断し得る範囲内にそれぞれの電力状態の測定値が収まる場合に正常終了し、少なくとも1つの測定値が収まらない場合に異常終了してよい。電力状態の確認試験は、自動試験であってもよいし、半自動試験であってもよい。
以上のような総合試験は、例えば、サーバ20(1)に電力を供給する各機器20の電力状態を測定することで実施されてよい。
なお、試験リスト3240は、複数の試験項目の少なくとも1つに対応付けて、先に正常終了すべき他の試験項目(前提試験項目とも称する)を登録可能であってよい。例えば、第1の機器20に依存して第2の機器20が運転する場合には、第2の機器20の試験項目より先に正常終了すべき前提試験項目として、第1の機器20についての試験項目が登録されてよい。本実施形態では一例として、受配電装置20(3)の機器単体試験(1)よりも下位の各試験に対しては、受配電装置20(3)の機器単体試験(1)が前提試験項目として登録されてよい。また、データ収集試験および付加装置試験に対しては、当該試験よりも試験リスト3240において上位の各試験が前提試験項目として登録されてよい。また、POD試験・入出力試験および空調装置制御動作試験に対しては、前提試験項目として、データ収集試験(別言すればデータ収集試験までの各試験)が登録されてよい。また、総合試験に対しては、前提試験項目として、付加装置試験を除いた上位の各試験が登録されてよい。
また、試験リスト3240は、実施すべき試験項目の順序関係が登録可能であってよい。例えば、実施すべき順序関係(一例として機器単体試験(1)よりも機器単体試験(2)が後など)に基づいて試験制御部324により決定される順位が各試験項目に対応付けて登録されてよく、試験リスト3240における複数の試験項目は、実施すべき順序関係に従って上から並べられてよい。一例として図3の試験リスト3240では、複数の試験項目が、試験順序に従って複数の機器単体試験、データ収集試験、POD試験・入出力試験、付加装置試験、空調装置制御動作試験、および、総合試験に並べられてよい。また、複数の機器単体試験は、試験順序に従って受配電装置20(3)についての機器単体試験(1)、UPS装置20(4)についての機器単体試験(2)、空調装置20(2)についての機器単体試験(3)などの順に並べられてよい。
また、試験リスト3240は、複数の試験項目の少なくとも1つに対応付けて、当該試験項目を実施する前にマニュアルで行うべき操作を登録可能であってよい。本実施形態では一例として、受配電装置20(3)の機器単体試験(1)に対しては、当該試験を実施する前にマニュアルで行うべき操作として、付加装置20(8)以外の設備200内の各機器20と管理装置3とをネットワーク接続する操作が登録されてよい。また、POD試験・入力試験に対しては、当該試験を実施する前にマニュアルで行うべき操作として、作業員による開始操作が登録されてよい。
また、試験リスト3240は、複数の試験項目の少なくとも1つに対応付けて、当該試験項目をマニュアルで行う手順を登録可能であってよい。例えば、試験リスト3240には、マニュアル試験(一例としてPOD試験、空調装置制御動作試験など)に対応付けて、当該試験をマニュアルで行う手順が登録されてよい。
また、試験リスト3240は、各項目の試験結果についての判定基準を登録可能であってよい。例えば、試験リスト3240には、機器単体試験の結果の判定基準として、試験対象機器が正常であると判断し得る電力状態の値の上限および/または下限が登録されてよい。
また、試験リスト3240は、各項目の試験結果を記録可能であってよい。例えば、試験リスト3240は、各項目の試験結果として、試験により測定された電力状態の値を記録してもよいし、試験の判定結果を記録してもよい。試験の判定結果としては、試験が正常に終了したことを示す「正常終了」と、試験が未実施であることを示す「未実施」と、試験が異常終了したことを示す「異常終了」との何れかが記録されてよい。判定結果は後述の試験動作の開始時に全てクリアされてもよいし、「未実施」および「異常終了」の結果のみがクリアされてもよい。「正常終了」の試験結果は定期的に「未実施」に変更されてもよい。これにより、機器20の試験を定期的に実施することが可能となる。試験結果には、最後に試験が行われた日時が含まれてもよい。
図4は、機器管理システム1の試験動作を示す。なお、この試験動作は、設備200が新設されるとき、および/または、機器20が交換、増設されるとき等に作業員の操作によって開始してよい。これに加えて/代えて、試験動作は、設備200の定期メンテナンスを行うとき、電力制御部323により設備200の電力異常が検知されたとき、および/または、電力制御部323により少なくとも一部の機器20が停止していることが検知されたときに、自動で開始してもよい。
試験動作が開始すると、まず試験制御部324は、実施対象の試験項目として複数の試験項目のうち未実施の試験項目を選択する(ステップS1)。例えば、試験制御部324は、試験項目の順序関係に基づいて決定される試験の順序に従って実施対象の試験項目を選択してよい。本実施形態では一例として、試験制御部324は、試験リスト3240から試験順序が最先であり、試験が未実施であり、かつ、全ての前提試験項目が正常終了している試験項目を1つ選択してよい。例えば、試験動作の開始直後には機器単体試験(1)が選択されてよく、機器単体試験(1)が正常終了した直後には、機器単体試験(2)が選択されてよい。
次に、試験制御部324は、複数の機器20のうち、選択した試験の対象となる少なくとも1つの機器20を試験対象機器として選択する(ステップS2)。例えば、試験制御部324は、複数の機器20のうち運転していない機器20を試験対象機器として選択してよい。一例として、UPS装置20(4)を試験対象機器とする機器単体試験(2)が選択されている場合には、試験制御部324は、1または複数のUPS装置20(4)のうち運転していない機器20を試験対象機器として選択してよい。試験制御部324は、運転していない機器20を電力監視部321による監視結果に基づいて検出してもよいし、機器20の運転スケジュールに基づいて検出してもよい。また、試験制御部324は、何れの機器20も運転していないとき(一例として設備200全体に定期メンテナンスを行うとき、または設備200を新設するとき等)には、何れの機器20を試験対象機器として選択してもよい。これに加えて/代えて、試験制御部324は、ネットワーク10に機器20が新たに接続されたか否かを検出し、新たに機器20が接続されたことに応じて、当該機器20を試験対象機器として選択してもよい。例えば、試験制御部324は、管理装置3と通信を行うよう設定された機器20が増設、交換などのためにネットワーク10に新たに接続されたことに応じて、通信部31を介して当該機器20の機器コントローラ22と通信を行い、接続の検出を行ってよい。
次に、試験制御部324は、選択された試験項目の試験を実施させる(ステップS3)。
例えば、試験制御部324は、複数の機器20のうち試験対象機器の機器コントローラ22に対し、試験の実施を指示する試験指令を送信してよい。試験対象機器の機器コントローラ22は試験指令を受け取ったことに応じ、自機内の試験手順に従って自機の試験を実施する。なお、試験制御部324が試験対象機器の試験手順を管理する場合には、その機器コントローラ22に試験手順を送信することで、試験対象機器内の試験手順を更新させてから試験を実施させてもよい。一例として、試験制御部324は、試験手順を示すプログラムを試験対象機器に送信してよい。試験制御部324は、試験条件(一例として各スイッチのオンオフの設定、空調装置20(2)に対する設定温度など)を示すデータを試験対象機器に送信してもよい。
なお、試験制御部324は、選択された試験項目が半自動試験またはマニュアル試験であって、その試験項目に対し、実施前に行うべきマニュアル操作が試験リスト3240に登録されている場合には、そのマニュアル操作を表示制御部322から作業員に提示させ、マニュアル操作を作業員が行うことを条件として試験を開始させてよい。例えば、受配電装置20(3)を試験対象機器とする機器単体試験(1)が選択されている場合には、試験制御部324は、実施前に行うべきマニュアル操作として、付加装置20(8)以外の設備200内の各機器20と管理装置3とをネットワーク接続する操作を提示してよい。一例として、POD端末が動作している場合には、試験制御部324はマニュアル操作をPOD端末に提示してよい。
また、試験制御部324は、選択された試験項目がマニュアル試験であって、その試験項目をマニュアルで行う手順が試験リスト3240に登録されている場合には、その手順を表示制御部322から作業員に提示させてよい。この場合には、作業員が試験対象機器などに対してマニュアル操作を行うことで試験が実施されてよい。POD端末が動作している場合には、試験制御部324はマニュアル操作をPOD端末に提示してよい。また、試験の測定値、試験が正常終了したか否かなどの試験結果を作業員が試験対象機器またはPOD端末に入力してよい。
そして、試験制御部324は、試験指令に応じて機器コントローラ22が実施した試験の試験結果を機器コントローラ22から受信してよい。
次に、試験制御部324は、受信した試験結果に基づいて、試験が正常に終了したか否かを判定する(ステップS5)。例えば、試験制御部324は、選択した試験項目に試験リスト3240内で対応付けられた判定基準を読み出し、当該判定基準を試験結果が満たすか否かによって判定を行ってよい。
ステップS5において試験が正常に終了したと判定した場合(ステップS5;Yes)には、試験制御部324は、選択した試験項目が正常に終了したことを試験リスト3240に記録する(ステップS7)。これにより、試験対象機器の機器コントローラ22から正常を示す試験結果を受け取ったことに応じて、選択した試験項目に対応付けて「正常終了」の試験結果が記録される。ステップS7の処理が終了したら、試験制御部324は、後述のステップS19に処理を移行する。
上述のステップS5において試験が正常に終了しなかったと判定した場合(ステップS5;No)には、試験制御部324は、選択した試験項目が異常終了したことを試験リスト3240に記録する(ステップS11)。
次に、試験制御部324は、選択した試験項目が正常終了したことを実施条件とする他の試験項目があるか否か、つまり、選択した試験項目を前提試験項目とする他の試験項目があるか否かを判定する(ステップS13)。例えば、受配電装置20(3)についての機器単体試験(1)が選択されて異常終了した場合には、試験制御部324は、選択した試験項目を前提試験項目とする他の試験項目があると判定してよい。また、付加装置試験が選択されて異常終了した場合には、試験制御部324は、選択した試験項目を前提試験項目とする他の試験項目が無いと判定してよい。
選択した試験項目を前提試験項目とする他の試験項目が無いと判定した場合(ステップS13;No)には、試験制御部324は、未実施の他の試験を実施するか否かを判定する(ステップS19)。一例として、試験制御部324は、試験リスト3240に未実施で、かつ全ての前提試験項目が正常終了している試験項目が残っている場合には、未実施の試験を実施すると判定してよい。また、試験制御部324は、未実施の試験が無い場合、および、未実施の各試験について少なくとも一部の前提試験項目が正常終了していない場合には、未実施の試験を実施しないと判定してよい。これにより、第1の試験項目の試験結果に応じて、第1の試験項目を前提試験項目とする第2の試験項目の試験を実施するか否かが判定される。また、複数の機器20のうち第1の機器20を試験する第1の試験項目の試験結果に応じて、第1の機器20に依存して運転する第2の機器20を試験する第2の試験項目について、試験を実施するか否かが判定される。
ステップS19において未実施の他の試験を実施すると判定した場合(ステップS19;Yes)には、試験制御部324は、上述のステップS1に処理を移行する。
また、ステップS19において未実施の他の試験を実施しないと判定した場合(ステップS19;No)には、試験制御部324は、試験リスト3240に登録された「異常終了」の試験結果を「未実施」に変更する(ステップS21)。これにより、一の機器20の異常が検出されたことに応じて、当該一の機器20を試験する試験項目の少なくとも一部を再実施するように試験リスト3240が設定される。そして、ステップS21の処理が終了したら、試験制御部324は試験動作を終了する。
また、ステップS13において選択した試験項目を前提試験項目とする他の試験項目があると判定した場合(ステップS13;Yes)には、試験制御部324は、選択試験よりも下位の試験を続行することが可能であるか否かを判定する(ステップS15)。例えば、試験制御部324は、試験リスト3240に残っている未実施の試験項目に、前提試験項目が異常終了していない試験項目がある場合には、下位の試験を続行可能であると判定してよい。一例として、受配電装置20(3)についての機器単体試験(1)が正常終了した後、UPS装置20(4)についての機器単体試験(2)が選択されて異常終了した場合には、少なくとも空調装置20(2)の機器単体試験(3)については前提試験項目(ここでは機器単体試験(1))が異常終了していないため、試験制御部324は、下位の試験を続行可能と判定してよい。また、POD試験・入出力試験が選択されて異常終了した場合には、少なくとも空調装置制御動作試験については前提試験項目(ここではデータ収集試験)が異常終了していないため、試験制御部324は、下位の試験を続行可能と判定してよい。
ステップS15において下位の試験を続行することが不可能であると判定した場合(ステップS15;No)には、試験制御部324は、上述のステップS21に移行した後、試験動作を終了する。
また、ステップS15において下位の試験を続行することが可能であると判定した場合(ステップS15;Yes)には、試験制御部324は、下位の試験の順序を変更して試験リスト3240を更新してよい(ステップS17)。例えば、試験制御部324は、試験リスト3240に残っている未実施の試験項目の中で、前提試験項目が異常終了していない試験項目の試験順序を他の試験項目よりも繰り上げるように試験順序を変更してよい。一例として、POD試験・入出力試験が選択されて異常終了した場合には、試験制御部324は、未実施の試験項目(付加装置試験、空調装置制御動作試験、総合試験など)の中で前提試験項目が異常終了していない空調装置制御動作試験の試験順序を他の試験項目よりも繰り上げるように試験順序を変更してよい。これにより、試験が正常に終了したか否かのステップS5での判定結果に基づいて試験の実施順序が変更される。なお、試験リスト3240に残っている未実施の試験項目の中で、前提試験項目が異常終了していない試験項目が他の試験項目よりも上位である場合には、試験制御部324は試験順序の変更を行わなくてもよい。一例として、UPS装置20(4)についての機器単体試験(2)が選択されて異常終了した場合には、未実施の試験項目の中で前提試験項目が異常終了していない空調装置20(2)の機器単体試験(3)が最上位であるため、少なくともこの試験項目については試験順序の変更を行わなくてよい。そして、ステップS17の処理が終了したら、試験制御部324は、上述のステップS19に処理を移行する。
以上の試験動作によれば、管理装置3により複数の機器20の運転状況が管理され、運転していない機器20が動作試験の試験対象機器として選択されるので、試験を行うことによる他の機器20への影響を無くすことができる。また、設備200の全体としてのパフォーマンスを低下させることなく試験を行うことができる。
また、ネットワーク10に新たに機器20が接続されたことに応じて、当該機器20が試験対象機器として選択されるので、機器20の接続により自動的に当該機器20の試験が行われる。従って、機器20の設置から運転開始までの時間を短縮することができる。
また、試験制御部324により複数の試験項目のうち未実施の試験項目が選択され、選択した試験項目による試験対象の少なくとも1つの機器20が試験対象機器として選択されるので、実施済みの試験が重複して実施されるのを防止し、試験時間を短縮することができる。
また、試験制御部324から試験指令が送信されることに応じて機器コントローラ22が自機内の試験手順に従って自機の試験を行うので、試験手順の送信に要する時間を省き、試験時間を短縮することができる。
また、第1の試験項目の試験結果に応じて、第1の試験項目を前提試験項目(先に正常終了すべき他の試験項目)とする第2の試験項目の試験を実施するか否かが判定されるので、先に正常終了すべき第1の試験項目が異常終了している場合に第2の試験項目を無駄に実施してしまうのを防止すると共に、第1の試験項目が正常終了している場合に第2の試験項目を自動的に実施することができる。従って、試験時間を短縮することができる。また、第1の機器20についての第1の試験項目の試験結果に応じて、第1の機器20に依存して運転する第2の機器20についての第2の試験項目を実施するか否かが判定されるので、より確実に試験時間を短縮することができる。
また、試験結果に基づいて試験項目の実施順序が変更されるので、一の試験項目について試験が異常終了した場合であっても、実施順序の変更により他の試験項目の試験を続行することができる。従って、試験の中断による時間のロスを低減し、試験時間を短縮することができる。
また、一の機器20の異常が検出されたことに応じて、当該一の機器20を試験する試験項目の少なくとも一部を再実施するように試験リスト3240が設定されるので、異常な機器20に対して速やかに再試験を実施することができる。
なお、上記の実施形態では、試験制御部324は試験項目の順序関係に基づいて決定される試験の順序に従って実施対象の試験項目を選択することとして説明したが、これに加えて/代えて、複数の試験項目のうち未実施の試験項目を、当該試験項目において試験対象となる全ての機器20がネットワークに接続されていることを必要条件として選択してもよい。この場合には、ネットワーク接続されていない機器20を対象として無駄に試験を実施してしまうのを防止することができる。
また、機器群2の各機器20が同一のネットワーク10を介して管理装置3と通信することとして説明したが、少なくとも一部の機器20が他のネットワークを介して管理装置3と通信してもよい。
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図5は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。