JP6190597B2 - 被覆構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な鉄骨梁の被覆構造体に関するものである。
従来、住宅、ビル等の建築物等の構造物を構成する梁は、天井面に覆われ露出していない場合が多かった。しかし、近年、居室空間のデザインの多様化により、構造物を構成する梁を化粧梁として露出させることにより、室内空間を広く見せたり、装飾性を付与した建築物が数多く建造されている。
一方、構造物が火災等によって高温に晒された場合には、これら構造物を構成する鉄骨の物理的強度が急激に低下するという問題がある。これに対し、耐熱保護性を付与するために、鉄骨を被覆し、火災時の鉄骨の温度上昇を遅延させて、鉄骨の機械的強度の低下を抑制する被覆構造が知られている。特に、H型またはI型鉄骨梁の被覆構造としては、従来種々の形態のものが提案されており、例えば、特許文献1のような下フランジにその形状に合わせて成形された成形体を嵌合し、その他の部分には被覆材を吹き付ける被覆構造が知られている。
実開平07−40824号公報
しかしながら、上記特許文献1では、予め下フランジの形状に合わせた成形体が必要となり、鉄骨構造が複雑な場合には、様々な形態の成形体が必要となりその施工も煩雑となるおそれがある。また、特許文献1では、十分な耐熱保護性を得るために下フランジの成形体の厚みが厚くなるため、特に梁下部において、その分階高が低くなり、室内空間が狭く見えたり、容積が減少したりするおそれがある。
本発明は、これら従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、H型またはI型鉄骨梁の被覆構造体において、耐熱保護性に優れ、梁下部においても十分な階高を確保できるとともに、美観性にも優れる被覆構造体を得ることを目的とするものである。
このような課題を解決するために本発明者らは、鋭意検討の結果、H型またはI型鉄骨の下フランジプレートには熱発泡性シートが設けられ、H型またはI型鉄骨のその他の部分にはセメント及び金属水酸化物を含む非発泡性被覆層が設けられているH型またはI型鉄骨梁の被覆構造体に想到し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.鉄骨構造物を構成するH型またはI型鉄骨梁の被覆構造体であり、
H型またはI型鉄骨の下フランジプレート全体を覆い、かつ下フランジプレート上面から上方にウェブプレートを少なくとも10mm以上覆うように熱発泡性シートが設けられ、
H型またはI型鉄骨のその他の部分にはセメント及び金属水酸化物を含む被覆材より形成される非発泡性被覆層が設けられており、
上記ウェブプレートは、熱発泡性シートと非発泡性被覆層の重なり部を有し、
その重なり部は、下フランジプレート上面から上方10mmを越える位置に設けられ、熱発泡性シートの外側に非発泡性被覆層が積層されていることを特徴とする被覆構造体。


本発明の被覆構造体は、H型またはI型鉄骨の少なくとも下フランジプレートの下面には熱発泡性シートが設けられ、H型またはI型鉄骨のその他の部分にはセメント及び金属水酸化物を含む被覆材より形成される非発泡性被覆層が設けられたものであり、耐熱保護性に優れ、梁下部においても十分な階高を確保できるとともに、美観性にも優れるものである。
本発明の一例を示す断面図である。 本発明の一例を示す断面図である。 (a)、(b)本発明の一例を示す断面図である。 図3Aの拡大図である。 本発明の一例を示す断面図である。 図5Aの拡大図である。
1.H型鉄骨
2.熱発泡性シート
3.被覆材
4.床材
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明はH型またはI型鉄骨梁の被覆構造体であり、少なくとも下フランジプレートの下面には熱発泡性シートが設けられ、H型またはI型鉄骨のその他の部分にはセメント及び金属水酸化物を含む被覆材より形成される非発泡性被覆層が設けられたものである。
本発明は、H型またはI型鉄骨梁のフランジプレート上部に床材が配置されてなるもの、すなわち、階上の床材の下面に梁の上フランジプレートが接合された構造体の被覆構造体である。本発明のH型またはI型鉄骨としては、断面がH字型またはI字型であり、上フランジプレートと下フランジプレートをウェブプレートにより連結して形成された態様のものが使用される。H型鉄骨は、フランジプレート幅が広く、フランジプレート内外面が平行なものである。これに対して、I型鉄骨は、通常、フランジプレート幅が狭く、フランジプレート内側に勾配がつけられているものである。なお、本発明では、床材に接する方を上フランジプレート、その反対側でフリーとなっている方を下フランジプレートという。
(熱発泡性シート)
本発明の熱発泡性シートとは、通常は薄膜であるが、火災等により周辺温度が所定の温度に達すると発泡し、炭化断熱層を形成するものであり、熱可塑性樹脂、難燃剤、発泡剤、炭化剤、及び充填剤等を含むものである。これらの各成分は、火災発生時において、相互の複合作用によりシートの膨張、炭化断熱層形成、不燃性ガスの発生等の機能を発現することにより、優れた耐熱保護性を発揮することができる。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、公知のものを使用することができる。例えば、ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。また、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴム物質も使用することができる。
その中でも、本発明では、少なくとも熱発泡性シート製造温度が熱発泡性シートの膨張温度よりも低い温度で実施できるものを使用することが好ましい。このような熱可塑性樹脂として、具体的には、例えば、ビニルトルエン‐ブタジエン共重合体、ビニルトルエン‐アクリル酸エステル共重合体、ビニルトルエン‐メタクリル酸エステル共重合体、スチレン‐ブタジエン共重合体、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、あるいはこれら共重合体を構成する2種のモノマーとアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー等との三元共重合体等の樹脂が挙げられ、これらを含むことが好ましい。
難燃剤は、一般に火災時に脱水冷却効果、不燃性ガス発生効果、熱可塑性樹脂の炭化促進効果等の少なくとも1つの効果を発揮し、熱可塑性樹脂の燃焼を抑制する作用を有するものである。本発明で用いる難燃剤としては、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の難燃剤が使用できる。例えば、トリクレジルホスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、ジフェニルオクチルフォスフェート、トリ(β−クロロエチル)フォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリ(ジブロモプロピル)フォスフェート、クロロフォスフォネート、ブロモフォスフォネート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチルフォスフォネート等の有機リン系化合物;塩素化ポリフェニル、塩素化ポリエチレン、塩化ジフェニル、塩化トリフェニル、五塩化脂肪酸エステル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフタレン、テトラクロル無水フタル酸等の塩素化合物;三酸化アンチモン、五塩化アンチモン等のアンチモン化合物;三塩化リン、五塩化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合物;その他ホウ酸亜鉛、ホウ酸ソーダ等のホウ素化合物等が挙げられる。難燃剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらは、未被覆品、被覆処理品のいずれであってもよい。特に、ポリリン酸アンモニウムを使用した場合には、脱水冷却効果と不燃性ガス発生効果とをより効果的に発揮することができるため好ましい。
難燃剤の混合比率は、熱可塑性樹脂100重量部(固形分)に対し、好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜800重量部、より好ましくは200〜600重量部である。本発明では、このように難燃剤が比較的高比率で含まれることにより、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
発泡剤は、一般に、火災時に不燃性ガスを発生させて、炭化していく熱可塑性樹脂及び炭化剤を発泡させ、気孔を有する炭化断熱層を形成させる作用を有するものである。発泡剤は、かかる作用を有する限り特に制限されず、公知の発泡剤が使用できる。例えば、メラミン及びその誘導体、ジシアンジアミド及びその誘導体、アゾジカーボンアミド、尿素、チオ尿素等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上で使用することができる。これらの中では、メラミン、ジシアンジアミド、アゾジカーボンアミド等が不燃性ガスの発生効率に優れていることから好ましい。特にメラミンがより好適である。
発泡剤の混合比率は、熱可塑性樹脂100重量部(固形分)に対し、好ましくは5〜500重量部、より好ましくは30〜200重量部である。このような範囲であることにより、優れた発泡性を発揮し、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
炭化剤は、一般に、火災時に熱可塑性樹脂の炭化とともにそれ自体も脱水炭化していくことにより、断熱性に優れた厚みのある炭化断熱層を形成する作用を有するものである。本発明で用いる炭化剤としては、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の炭化剤が使用できる。例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール;デンプン、カゼイン等が挙げられる。炭化剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが脱水冷却効果と炭化断熱層形成作用に優れている点で好ましい。
炭化剤の混合比率は、熱可塑性樹脂100重量部(固形分)に対し、好ましくは5〜600重量部、より好ましくは10〜400重量部である。このような範囲であることにより、脱水冷却効果と炭化断熱層形成作用を発揮し、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
充填剤は、一般に炭化断熱層の強度を維持する作用を有するものである。充填剤としては、このような作用を有する限り特に制限されず、公知の充填剤が使用できる。例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム等の炭酸塩;二酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物;シリカ、粘土、タルク、クレー、カオリン、ケイソウ土、シラス、マイカ、ワラストナイト、珪砂、珪石、石英、ヒル石、アルミナ、フライアッシュ等の無機粉末等が挙げられる。
また、上記無機粉体の形状としては、特に限定されないが、例えば、球状、粒状、板状、棒状、リン片状、針状、繊維状等が挙げられ、これらは単独又は2種以上で使用することもできる。
充填剤の配合比率は、熱可塑性樹脂100重量部(固形分)に対し、好ましくは10〜300重量部、更に好ましくは20〜250重量部である。このような範囲であることにより、炭化断熱層の強度を維持することができ、耐熱保護性において良好な性能を得ることができる。
また、熱発泡性シートには、上記成分に加え、さらに液状ハロゲン化合物を含むものが好適である。このような液状ハロゲン化合物は、熱発泡性シートの屈曲性、耐熱保護性等の向上に有効に作用する成分である。なお、ここに言う液状とは、常温(25℃)にて液体の性状を示すことを意味する。また、液状ハロゲン化合物には、リンを有するものは包含されない。ハロゲンの種類としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられるが、この中でも塩素が好適である。好適な液状ハロゲン化合物としては、塩素化パラフィンが挙げられる。
さらに熱発泡性シートには、上記成分に加え、繊維物質を含むものが好適である。本発明では、このような繊維物質が含まれることにより、炭化断熱層の形状を保持する効果等が高まる。繊維物質の繊維長は、好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜20mmである。
繊維物質としては、例えば、ロックウール、ガラス繊維、シリカ−アルミナ繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウム繊維等の無機繊維、カーボン繊維、パルプ繊維、ポリプロピレン繊維、ビニル繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられる。この中でも、耐熱性を有する無機繊維やカーボン繊維が好ましく、ガラス繊維が最も好ましい。ガラス繊維を使用した場合は、加熱時の発泡性においても優れた性能が発揮され、耐熱保護材料として好適な多孔質炭化層が得られやすい。
繊維物質の混合比率は、熱可塑性樹脂100重量部(固形分)に対し、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
本発明の熱発泡性シートは、各成分を均一に混合して得られる混合物を、公知の方法によって成形すればよい。各成分の混合時には、必要に応じ溶剤を混合したり、加熱したりすることも可能である。ビーズ状、ペレット状等の熱可塑性樹脂を使用する場合は、この熱可塑性樹脂の軟化温度まで加熱装置によって加熱し、ニーダー等によって混練しながら、各成分を混合すればよい。
成形方法としては、例えば、混合物を型枠内に流し込み、乾燥後に脱型する方法、混合物を加温塗工機によって離型紙に塗付した後に巻き取る方法、ニーダー等によって混練した混合物を押し出し成型機によってシート状に加工する方法、ニーダー等によって混練した混合物を対ロールの間に供給してシート状に加工する方法、混合物をペレット状にした後に押し出し成型機によってシート状に加工する方法、バンバリーミキサーまたはミキシングロールで混練した混合物を複数の熱ロールからなるカレンダによって圧延してシート状に加工する方法等が挙げられる。
本発明の熱発泡性シートの通常の厚みは、適用部位等により適宜設定すれば良いが、好ましくは0.2〜10mm、より好ましくは0.5〜6mm程度である。
(非発泡性被覆層)
本発明の非発泡性被覆層は、少なくともセメント及び金属水酸化物を含む被覆材(以下、「被覆材」ともいう)より形成されるものである。なお、被覆材は湿式の材料である。
セメントとしては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等のポルトランドセメントのほか、アルミナセメント、超速硬セメント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、キーンスセメント等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して使用できる。これらの中でも、ポルトランドセメントが好ましい。より具体的には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントの少なくとも1種が好ましいものとして挙げられる。
金属水酸化物は、火災時等の高温に晒された場合、水蒸気等の不燃性ガスを多量に発生させ得るものであり、その吸熱作用により温度上昇を大幅に抑制する効果をもつものである。金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化スカンジウム等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
金属水酸化物の混合比率は、セメント100重量部に対し、好ましくは100〜1200重量部、より好ましくは300〜900重量部である。このような範囲である場合、優れた耐熱保護性を有することができる。
本発明の被覆材には、上記成分に加え、さらに合成樹脂を含むこともできる。合成樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、プロピオン酸ビニル樹脂、バーサチック酸ビニル樹脂、アクリル酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、その形態としては、ラテックス、合成樹脂エマルション、粉末樹脂等のいずれであっても良い。これらの樹脂成分を添加することにより、強度等の向上を図ることができる。樹脂成分の添加量は限定的ではないが、セメント100重量部に対し、固形分換算で3〜50重量部程度とすることが強度向上の点で好ましい。
上述の成分のほか、本発明の効果を妨げない範囲内で、珪砂、砂等の骨材、膨張パーライト、膨張バーミキュライト、シラスバルーン等の軽量骨材;上述の充填剤や繊維物質;その他にも増粘剤、界面活性剤、減水剤、消泡剤、防錆剤、低融点無機質物質等の公知の添加剤を配合しても良い。
本発明の被覆材は、このような成分を常法により均一に混合することで製造することができる。これらの成分は順次又は同時に添加することができる。また、混合時には、適当量の水を均一に混合することが好ましい。水の比率は、セメント100重量部に対し、好ましくは10〜1500重量部、より好ましくは15〜1000重量部、さらに好ましくは20〜700重量部である。この範囲の水を添加することにより、施工性に優れ、均一な非発泡性被覆層を形成することができる。
本発明の被覆材により形成される非発泡性被覆層の厚み(乾燥時)は、好ましくは5〜60mm、より好ましくは10〜50mm程度である。このような範囲であれば、優れた耐熱保護性を発揮することができる。
(被覆構造体)
本発明の被覆構造体は、H型またはI型鉄骨梁の被覆構造体であり、熱発泡性シートとセメント及び金属水酸化物を含む被覆材より形成される非発泡性被覆層を併用するものであり、H型またはI型鉄骨の少なくとも下フランジプレートの下面に熱発泡性シートが設けられ、その他の部分には、非発泡性被覆層が設けられるものである。これにより、耐熱保護性に優れ、梁下部においても十分な階高を確保でき美観性にも優れる。 ここでいう「その他の部分」とは、熱発泡性シートが設けられていない部分のことである(但し、下フランジプレートの下面を除く)。また、本発明の被覆構造体において、熱発泡性シートと非発泡性被覆層の境目は、突き合わせて設けられても、重なり部を有するように設けられても良い。
本発明の被覆構造体は、床材に接する上フランジプレート上面以外の鉄骨の表面全体が、熱発泡性シート及び/または非発泡性被覆層で被覆されるが、下フランジプレートの下面は熱発泡性シートのみが設けられることを特徴とするものである。このように本発明では、下フランジプレートの下面には熱発泡性シートのみが設けられるため、梁下部において十分な階高を確保することができるとともに、優れた耐熱保護性を発揮することができる。また、その他の部分には、湿式の被覆材を使用するため、ウェブプレートに貫通孔等を有するような複雑なものであっても、簡単に施工することができる。
本発明の構造体としては、例えば、図1に示すようにH型またはI型鉄骨の少なくとも下フランジプレートの下面に熱発泡性シートが設けられ、その他の部分には、非発泡性被覆層が設けられる。
また、本発明の被覆構造体としては、熱発泡性シートが下フランジプレートのエッジ部(角部)を覆うように設けられることが好ましく、図2−(a)に示すようにH型またはI型鉄骨の下フランジプレート全体を覆うように熱発泡性シートが設けられることがさらに好ましい。これにより、本発明の効果をよりいっそう高めることができる。なお、この場合少なくとも熱発泡性シートが設けられていない部分(その他の部分)に非発泡性被覆層が設けられればよいが、図2−(b)に示すように下フランジプレートの上面は熱発泡性シートと非発泡性被覆層が積層されていてもよい。
さらに、本発明では図3に示すように、H型またはI型鉄骨の下フランジプレート全体を覆い、下フランジプレート上面から上方にウェブプレートを少なくとも10mm以上(好ましくは15mm以上)覆うように熱発泡性シートが設けられることが好ましい(図4のd1部分が少なくとも10mm以上、好ましくは15mm以上となるように熱発泡性シートが設けられることが好ましい。)。また、その上限はウェブプレートの半分以下とすることが好ましい。なお、この場合少なくとも熱発泡性シートが設けられていない部分(その他の部分)に非発泡性被覆層が設けられればよいが、下フランジプレートの上面やウェブプレートは熱発泡性シートと非発泡性被覆層が積層されていてもよい。このような被覆構造体とすることにより、火災時等の高温に晒された場合に、熱発泡性シートが均一な断熱層を形成することができ、いっそう優れた耐熱保護性を発揮することができる。
本発明では図5に示すように、熱発泡性シートと非発泡性被覆層が重なり部を有するように設けられ、重なり部より上部は非発泡性被覆層、重なり部より下部は熱発泡性シートが設けられることが好ましい。また、重なり部(図6:d2)は、熱発泡性シートの外側に非発泡性被覆層が積層されるように設けられることが好ましく、この重なり部は、好ましくは5mm以上(より好ましくは8mm以上)となるようにすればよい。これにより、加熱時の発泡により形成される炭化断熱層の状態がよりいっそう優れたものとなり耐熱保護性を高めることができる。
本発明の被覆構造体の形成方法としては、特に限定されないが、例えば、H型またはI型鉄骨の所望の位置に熱発泡性シートを被覆した後、被覆材を塗付することが好ましい。
H型またはI型鉄骨の表面は、予め防錆処理等がされたものでもよい。
熱発泡性シートを被覆する際には、接着剤、釘等の手段を用いた方法を採用することができ、本発明では接着剤を用いることが好ましい。また、熱発泡性シートは、所望の耐熱保護性に合わせて、2枚以上重ねて被覆してもよい。
また、被覆材を塗付する際には、例えば、スプレー、ローラー、こて、刷毛塗り等の手段を用いた方法を採用することができる。また、被覆材を乾燥させる際には、通常、常温で行えばよい。

本発明の被覆構造体は、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内であれば、表面保護性、意匠性等を高める目的で、公知の保護層及び/または化粧層を熱発泡性シート及び被覆材の上に積層することもできる。例えば、JIS
A6909 建築用仕上塗材、JIS K5654アクリル樹脂エナメル、JIS K5656 建築用ポリウレタン樹脂塗料、JIS K5658建築用ふっ素樹脂塗料、JIS
K5660 つや有合成樹脂エマルションペイント、JIS K5663 合成樹脂エマルションペイント等に規定されるものや、シート材料等を公知の方法で積層すればよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(熱発泡性シートの製造)
熱可塑性樹脂100重量部、膨張剤60重量部、炭化剤60重量部、難燃剤300重量部、充填剤75重量部、繊維6重量部、塩素化パラフィン75重量部を120℃に加温したニーダーで混練、圧延後、室温まで放冷し、膜厚1.5mmのシート状の熱発泡性シート1を得た。なお、原料としては以下のものを使用した。
・熱可塑性樹脂:酢酸ビニル/エチレン共重合樹脂(軟化温度66℃)
・発泡剤:メラミン
・炭化剤:ペンタエリスリトール
・難燃剤:ポリリン酸アンモニウム
・充填材:酸化チタン(TiO、ルチル型、平均粒子径0.3μm)
・繊維:ガラス繊維(繊維長6mm)
(被覆材の製造)
ポルトランドセメント100重量部に対して、アクリル樹脂エマルションを10重量部、水酸化アルミニウムを200重量部、メチルセルロース0.7重量部、及び水を100重量部加えて、十分に攪拌してスラリー状の被覆材1を作製した。
(試験例1)
図1に示すように、H型鉄骨の下フランジプレートの下面にアクリル系接着剤を塗付し、熱発泡性シート1を貼着した。次いで、H型鉄骨のその他の部分に、被覆材1を乾燥膜厚が20mmとなるようにスプレーで塗付し非発泡性被覆層を形成し、試験体1を得た。得られた試験体1は、梁下部においても十分な階高を確保できるとともに、美観性にも優れた仕上がりであった。
(加熱試験)
得られた試験体1を、ISO834の標準加熱曲線に準じて一定時間(1時間)加熱し、試験体を室温に冷却した後、試験体の形状を目視にて評価した。その結果、熱発泡性シート部分では均一な炭化断熱層を形成し、優れた耐熱保護性を示した。
(試験例2)
図2に示すように、熱発泡性シートと非発泡性被覆層を形成した以外は、試験例1と同様にして試験体2を得た。
(試験例3)
図3に示すように、熱発泡性シートと非発泡性被覆層を形成した以外は、試験例1と同様にして試験体3を得た。
(試験例4)
図5に示すように、熱発泡性シートと非発泡性被覆層を形成した以外は、試験例1と同様にして試験体4を得た。
試験体2〜試験体4のいずれも、梁下部においても十分な階高を確保できるとともに、美観性にも優れた仕上がりであった。また、試験体1と同様に加熱試験を実施した結果、いずれの場合においても熱発泡性シート部分では均一な炭化断熱層を形成し、優れた耐熱保護性を示した。中でも、試験体3、4は、熱発泡性シートにより形成された炭化断熱層と非発泡性被覆層の境目において炭化断熱層の発泡状態がよく、優れた耐熱保護性を示し、特に試験体4では、よりいっそう優れた耐熱保護性を示した。


Claims (1)

  1. 鉄骨構造物を構成するH型またはI型鉄骨梁の被覆構造体であり、
    H型またはI型鉄骨の下フランジプレート全体を覆い、かつ下フランジプレート上面から上方にウェブプレートを少なくとも10mm以上覆うように熱発泡性シートが設けられ、
    H型またはI型鉄骨のその他の部分にはセメント及び金属水酸化物を含む被覆材より形成される非発泡性被覆層が設けられており、
    上記ウェブプレートは、熱発泡性シートと非発泡性被覆層の重なり部を有し、
    その重なり部は、下フランジプレート上面から上方10mmを越える位置に設けられ、熱発泡性シートの外側に非発泡性被覆層が積層されていることを特徴とする被覆構造体。

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