JP6190351B2 - 学習型補聴器 - Google Patents

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Description

新規の補聴器システムでは、音声環境、地理的位置、およびユーザ・フィードバックに応じた、補聴器信号処理パラメータの自動的選択および調節の改善がもたらされている。特に、この新規の補聴器システムは、地理的位置およびベイズ推定に基づくインクリメンタルな選好導出に基づいた、補聴器信号処理パラメータの最適化を特徴とする。
今日における従来の補聴器は、典型的にはユーザの聴力損失を補償するために、補聴器によって受信された音声を処理するためのデジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)を備えている。当該技術でよく知られているように、DSPの処理動作は、マルチ・チャネル補聴器の周波数チャネルの各々における利得、周波数選択フィルタ・アルゴリズムのコーナー周波数またはスロープ、圧縮器アルゴリズムのニー・ポイントおよび圧縮率を制御するパラメータ、その他などの、実施される実際の信号処理動作の調節を行うための様々なパラメータを有する、信号処理アルゴリズムによって制御される。
DSPの柔軟性は、しばしば、様々な信号処理パラメータを有する複数の様々なアルゴリズムを提供するために利用される。たとえば、雑音抑制のために、すなわち、所望されない信号を減衰して所望の信号を増幅するために、様々なアルゴリズムが提供され得る。所望の信号は、通常、発話または音楽であり、所望されない信号は、背景発話、飲食店での食器が触れ合う音、(発話が所望の信号であるときの)音楽、交通騒音などであり得る。
様々なアルゴリズムおよびパラメータは、典型的には、発話、バブル発話、飲食店での食器が触れ合う音、音楽、交通騒音、その他などの様々なカテゴリの音声環境において、快適であって了解可能な再生音声の品質を提供するために含まれる。
様々な音声環境から獲得されるオーディオ信号は、非常に様々な特性、たとえば、平均および最大音圧レベル(SPL:sound pressure level)および/または周波数成分を有し得る。したがって、DSPを有する補聴器において、音声環境の各カテゴリは、関心の対象となる音声環境のカテゴリにとって最適な信号品質を有する処理済音声を提供する、特定の信号処理パラメータの設定を有する、特定の信号処理アルゴリズムに関連付けられ得る。
その結果、今日のDSPベースの補聴器には、通常、複数個の異なる信号処理アルゴリズムが設けられており、各アルゴリズムは、特定のカテゴリの音声環境および/または特定のユーザ選好に合わせて調整されている。信号処理パラメータは、典型的には、補聴器ディスペンサーのオフィスにおける最初のフィッティング時に決定され、所望のアルゴリズムを起動して補聴器の不揮発性メモリ領域内にアルゴリズム・パラメータを設定すること、および/または、所望のアルゴリズムおよびアルゴリズム・パラメータの設定を不揮発性メモリ領域に送信することによって、補聴器内にプログラミングされる。
いくつかの知られている補聴器は、ユーザの音声環境を、発話、バブル発話、飲食店での食器が触れ合う音、音楽、交通騒音、その他などの、音声環境の複数個のカテゴリのうちの1つに自動的に分類することが可能である。
獲得された分類結果を補聴器内で利用して、補聴器の信号処理特性を自動的に選択して、たとえば、関心の対象となる環境カテゴリにとって最も好適な信号処理アルゴリズムおよびパラメータに自動的に切り替わることが考えられる。このような補聴器は、様々なカテゴリの音声環境における個々の補聴器ユーザにとって最適な音声品質および/または発話了解可能性を、自動的に維持することができるであろう。
米国特許出願公開第2007/0140512(A1)号およびWO01/76321は、分類器の手法の例を開示している。
新規の補聴器システムには補聴器が設けられ、補聴器は、音声環境のカテゴリの判定において、当該新規の補聴器システムの地理的位置と、ユーザ・フィードバックとを含む。
ある地理的範囲内の音声環境は、典型的には時間が経過しても同じカテゴリ内に留まっている。そのため、現在の音声環境のカテゴリの判定に地理的位置を組み込むと、カテゴリの判定を改善するであろうし、すなわち、カテゴリの判定が、より速く行われ得、および/または、カテゴリの判定が、より高い確実性を伴って行われ得る。
新規の補聴器システムが提供され、当該補聴器システムは、
(a)第1の補聴器であって、
第1のマイクロフォンであって、
音声環境において第1のマイクロフォンで受信された音声信号に応答して第1のオーディオ入力信号の提供を行うための、第1のマイクロフォン、
信号処理アルゴリズムF(Θ)に従って第1のオーディオ入力信号を処理して、第1の聴力損失補償済オーディオ信号を生成するように構成された第1のプロセッサであって、Θが一組の信号処理パラメータである、第1のプロセッサ、および
第1の聴力損失補償済オーディオ信号に基づいて第1の音響出力信号を提供するための第1の出力トランスデューサ
を有する、第1の補聴器と、
(b)補聴器システムの地理的位置を判定するように構成された所在検出器と、
(c)第1の音声環境検出器であって、
補聴器システムによって受信された音声信号と、補聴器システムの判定された地理的位置とに基づいて、補聴器システムを取り巻く音声環境のカテゴリの判定を行うように、および、
第1の音声環境検出器によって判定された音声環境のカテゴリに基づいて一組の信号処理パラメータΘの第1の値を選択するために、第1のプロセッサへの第1の出力の提供を行うように、
構成された、第1の音声環境検出器と、
(d)補聴器システムのユーザが少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの調節を行うことを可能にするためのユーザ・インターフェイスと
を備え、
第1の音声環境検出器が、
補聴器システムのユーザによって行われた少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの調節の記録を行うように、および、
その調節にも基づいて、第1のプロセッサへの第1の出力の提供を行うように、
構成されている。
第1のプロセッサへの第1の出力の提供は、調節についての、ベイズ推定に基づくインクリメンタルな選好導出に基づき得る。
補聴器システムは、実行するアルゴリズムの選択を制御するパラメータを含む、信号処理アルゴリズムF(Θ)のライブラリを有し、ここでΘは、アルゴリズム・パラメータ空間であり、たとえば、雑音抑制アルゴリズムは、騒がしい環境では実行のために選択され得、静かな環境では実行のために選択されないことが考えられる。
所在検出器は、補聴器システムの地理的位置と、場合によっては、補聴器システムの速度とを判定するために、GPS受信機、カレンダー・システム、WIFIネットワーク・インターフェイス、および携帯電話ネットワーク・インターフェイスのうちの少なくとも1つを含む。
第1の音声環境検出器は、補聴器システムによって受信された音声信号と、補聴器システムの判定された地理的位置と、日付、時刻、補聴器システムの速度、およびGPS受信機によって受信された信号の信号強度からなる群から選択される少なくとも1つのパラメータとに基づいて、補聴器システムを取り巻く音声環境のカテゴリを判定するように構成され得る。
街区などの特定の地理的位置における音声環境は、交通、人の数などの繰り返される変動に起因して、たとえば、1年内に反復する方式で、1年毎に同様の方式で、および/または、1日内に反復する方式で、1日毎に同様の方式で、変化することが考えられ、このような変動は、音声環境のカテゴリを判定する際に、音声環境検出器が日付および/または時刻を含むことを可能にすることによって、考慮され得る。
GPS受信機によって受信される信号の信号強度は、補聴器システムが建造物の内側にあるときに著しく低下し、それ故に、GPS信号強度についての情報は、補聴器システムが建造物の内側にあるかどうかを判断するために、音声環境検出器によって使用され得る。
たとえば、GPS受信機によって判定された移動速度についての情報は、補聴器システムが、自動車など、輸送機器の内側にあることを判断するために、音声環境検出器によって使用され得る。
補聴器は、BTE、RIE、ITE、ITC、CIC、その他の補聴器などの、頭部における頭部装着型であるように、かつ、頭部とともに位置および姿勢をシフトさせるように構成された任意のタイプのものであり得る。
本開示の全体にわたり、GPS受信機という用語は、米国政府によって維持され、かつ、GPS受信機を用いて誰もが自由にアクセス可能であり、典型的には「GPSシステム」と称される衛星測位システム、ロシアの全地球型測位衛星システム(GLONASS:GLObal NAvigation Satellite System)、欧州連合のガリレオ測位システム(Galileo navigation system)、中華人民共和国のコンパス測位システム(Compass navigation system)、インドの地域測位20衛星システム(Regional Navigational 20 Satellite System)、その他など、および、StarFire、Omnistar、インドのGPS補助型地球静止衛星軌道補強型測位(GAGAN:GPS Aided Geo Augmented Navigation)、欧州地球静止衛星測位オーバーレイ・サービス(EGNOS:European Geostationary Navigation Overlay Service)、日本の多目的衛星用補強システム(MSAS:Multifunctional Satellite Augmentation System)、その他などの補強型GPSも含めた、地球上または地球付近のあらゆる場所における所在および時間の情報を提供する、あらゆる衛星測位システムの衛星信号の受信機を指すために使用される。補強型GPSにおいては、地上型基準局のネットワークが、GPS衛星の信号の小さな変動を測定し、補正メッセージがGPSシステム衛星に送られ、当該GPSシステム衛星が、当該補正メッセージを地球に一斉同報して返し、補強型GPS対応の受信機が、それらの位置を計算しながら当該補正を使用して、精度を改善する。国際民間航空機関(ICAO:International Civil Aviation Organization)は、このタイプのシステムを、衛星型補強システム(SBAS:satellite−based augmentation system)と呼称する。
補聴器はさらに、補聴器を装着するユーザの頭部の姿勢、たとえば、頭部ヨー、頭部ピッチ、頭部ロール、またはそれらの組合せのうちの1つまたは複数、たとえば傾きまたは傾斜の判定を行うために、信号を出力するように構成された、ジャイロスコープ、たとえばMEMSジャイロ、傾斜センサ、ロール・ボール・スイッチ、その他などの、1つまたは複数の姿勢センサを備え得る。
本開示の全体にわたり、カレンダー・システムは、インターネットなどのネットワークを経由してアクセスされ得るデータを有するカレンダーの電子版をユーザに提供するシステムである。よく知られているカレンダー・システムは、たとえば、モジラ(登録商標)・サンバード(登録商標)(Mozilla Sunbird)、ウィンドウズ(登録商標)・ライブ・カレンダー(Windows Live Calender)、グーグル(登録商標)・カレンダー(Google Calender)、マイクロソフト(登録商標)・アウトルック(登録商標)およびエクスチェンジ・サーバ(Microsoft Outlook with Exchange Server)などを含む。
本開示の全体にわたり、「傾斜」という語は、ユーザが起立または着席しているときにおける、頭部の正常な垂直位置からの角度偏差を表す。したがって、起立または着席している人の頭部の静止位置において、傾斜は0°であり、横臥している人の頭部の静止位置において、傾斜は90°である。
第1の音声環境検出器は、1つまたは複数の姿勢センサの出力信号に基づいて判定されたユーザの頭部姿勢に基づいて一組の信号処理パラメータΘの第1の値の選択を行うために、第1の出力の提供を行うように構成され得る。たとえば、ユーザが昼寝をするために着席から横臥へと姿勢を変化させた場合、環境検出器は、第1の信号プロセッサに、それに応じて信号処理アルゴリズムを切り替えさせ得、たとえば第1の補聴器は、自動的にミュートにされ得る。
代替として、1つまたは複数の姿勢センサの出力信号は、1つまたは複数の姿勢センサの出力信号と第1の音声環境検出器の出力とに基づいて一組の信号処理パラメータΘの第1の値の選択を行うように構成された、補聴器システムの別の部分、たとえば第1のプロセッサに入力され得る。
信号処理アルゴリズムは、各々が信号処理アルゴリズム内の特定のサブタスクを実施する、複数のサブ・アルゴリズムまたはサブ・ルーチンを備え得る。一例として、信号処理アルゴリズムは、周波数選択フィルタリング、シングル・チャネルまたはマルチ・チャネル圧縮、適合性フィードバック抑制、発話検出、雑音低減、その他などの異なる信号処理サブ・ルーチンを備え得る。
さらに、信号処理アルゴリズム、サブ・アルゴリズム、またはサブ・ルーチンのいくつかの別個の選択は、ともにグループ化されて、ユーザが彼自身/彼女自身の選好に従ってそれらの間で選択することが可能であり得る、2つの、3つの、4つの、5つの、またはそれよりも多くの、事前設定された異なる聴取プログラムを形成し得る。
信号処理アルゴリズムは、1つまたはいくつかの関連するアルゴリズム・パラメータを有する。これらのアルゴリズム・パラメータは通常、より小さな複数個のパラメータ・セットに分割されることがあり、このようなアルゴリズム・パラメータ・セットの各々は、信号処理アルゴリズムの特定の部分に、または、特定のサブ・ルーチンに関連している。これらのパラメータ・セットは、フィルタのコーナー周波数およびスロープ、圧縮器アルゴリズムの圧縮しきい値および圧縮率、適合性フィードバック抑制アルゴリズムの適合率およびプローブ信号特性、その他などの、それらのそれぞれのアルゴリズムまたはサブ・ルーチンのある特性を制御する。
アルゴリズム・パラメータの値は、それぞれの信号処理アルゴリズムまたはサブ・ルーチンの実行中に、データRAM領域などの、処理手段の揮発性データ・メモリ領域内に、中間的に格納されることが好ましい。アルゴリズム・パラメータの初期値は、EEPROM/フラッシュ・メモリ領域またはバッテリ・バック・アップRAMメモリ領域などの不揮発性メモリ領域内に格納されて、ユーザによる補聴器のバッテリの取り外しもしくは取り替えか、または、ON/OFFスイッチの操作によって通常生じる電源切断中に、これらのアルゴリズム・パラメータが保持されることを可能にする。
たとえば、GPS受信機を含む所在検出器は、ユーザが補聴器を意図された動作位置に頭部上において装着したときに、よく知られている方式で衛星信号に基づいてユーザの地理的位置を判定するために、第1の補聴器内に含まれ得る。これにより、ユーザの現在の位置と、場合によっては方位とが、第1の補聴器からのデータに基づいて、たとえば第1の音声環境検出器に提供され得る。
音声環境検出器は、補聴器パラメータを、遠隔サーバ上の、たとえば、インターネットを経由してアクセスされる遠隔サーバ上の、GPSデータとともに格納するために、場合によっては、たとえば、様々なGPSの所在における補聴器の設定のバックアップを行うために、および/または、他の補聴器のユーザと様々なGPSの所在における補聴器の設定の共有を行うために、ユーザの聴力プロファイルとともに格納するように構成され得る。
したがって、音声環境検出器は、現在のGPSの所在において行われた、別のユーザの補聴器の設定を検索するように構成され得る。補聴器の設定は、聴力プロファイルの類似性、および/または年齢、および/または人種、および/または耳のサイズなどに従ってグループ化され得、別のユーザの補聴器の設定は、ユーザがこのようなグループに属していることに従って選択され得る。
第1の音声環境検出器は、第1の補聴器に含まれ得、それにより、音声環境検出器と補聴器の他の回路素子との間の信号送信が容易になる。
代替として、たとえばGPS受信機を含む所在検出器は、補聴器と相互接続されるハンドヘルド機器内に含まれ得る。
ハンドヘルド機器は、GPS受信機と、たとえばGPS受信機を有する、スマート・フォン、たとえばアイフォーン(登録商標)(Iphone)、アンドロイド(登録商標)・フォン(Android phone)、ウィンドウズ・フォン(登録商標)(windows phone)などと、補聴器と相互接続されたカレンダー・システムなどとであり得る。
第1の音声環境検出器は、ハンドヘルド機器内に含まれ得る。第1の音声環境検出器は、補聴器内において利用可能な計算リソースおよび電力が制限されていることに比べ、ハンドヘルド機器内において典型的に利用可能な計算リソースおよび電源がより大きいことから、恩恵を受け得ることが考えられる。
ハンドヘルド機器は、たとえば第1の補聴器を含む補聴器システムのユーザ制御のように構成されたユーザ・インターフェイスを収容し得る。
ハンドヘルド機器は、インターネットなどの広域ネットワーク(Wide−Area−Network)との接続を行うためのインターフェイスを有し得る。
ハンドヘルド機器は、GSM(登録商標)、IS−95、UMTS、CDMA−2000、その他などの携帯電話ネットワークを経由して広域ネットワークにアクセスし得る。
広域ネットワーク、たとえばインターネットを経由して、ハンドヘルド機器は、通信するために、ならびに、ユーザに関連する時間管理および通信の情報を格納するために、ユーザによって使用される時間管理および通信の電子ツールへのアクセスを有し得る。ツールと、格納された情報とは、典型的には、広域ネットワークを経由してアクセスされる遠隔サーバ上に常駐する。
補聴器は、第1の補聴器を含む、補聴器システムの他の部分にハンドヘルド機器から制御信号の送信を行うためのデータ・インターフェイスを備え得る。
補聴器は、1つまたは複数の姿勢センサの出力の、ハンドヘルド機器への送信を行うためのデータ・インターフェイスを備え得る。
データ・インターフェイスは、有線通信インターフェイス、たとえばUSBインターフェイスであってよく、または、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)・インターフェイス、たとえば低エネルギー・ブルートゥース(Bluetooth Low Energy)・インターフェイスなどの無線通信インターフェイスであってよい。
補聴器は、ハンドヘルド機器、および、場合によっては他のオーディオ信号源からのオーディオ信号の受信を行うためのオーディオ・インターフェイスを備え得る。
オーディオ・インターフェイスは、有線通信インターフェイスまたは無線通信インターフェイスであり得る。データ・インターフェイスおよびオーディオ・インターフェイスは、単一のインターフェイス、たとえば、USBインターフェイス、ブルートゥース・インターフェイスなどに組み合わされ得る。
補聴器は、たとえば、補聴器とハンドヘルド機器との間でセンサ信号と制御信号を交換するための低エネルギー・ブルートゥース・データ・インターフェイスと、補聴器とハンドヘルド機器との間でオーディオ信号を交換するための無線通信オーディオ・インターフェイスとを有し得る。
第1の音声環境検出器は、第1のオーディオ入力信号の特性パラメータの判定を行うための第1の特徴抽出器を備え得る。
特徴抽出器は、平均および最大音圧レベル(SPL)、信号電力、スペクトル・データ、および他のよく知られている特徴などの、オーディオ入力信号の特性パラメータを判定し得る。スペクトル・データは、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform)係数、線形予測符号化(Linear Predictive Coding)パラメータ、ケプストラム・パラメータ、または、対応する微分ケプストラム・パラメータを含み得る。
特徴抽出器は、判定された特性パラメータと地理的位置とに基づいて音声環境のカテゴリを判定するように構成された第1の環境分類器に、特性パラメータを出力し得る。
第1の環境分類器は、発話、バブル発話、飲食店での食器が触れ合う音、音楽、交通騒音、その他などの複数個の音声環境のクラスまたはカテゴリに、音声環境のカテゴリを確定するように構成されている。分類処理は、単純な最近傍探索、ニューラル・ネットワーク、隠れマルコフ・モデル(Hidden Markov Model)・システム、または、パターン認識を行うことが可能な他のシステムを利用し得る。環境分類の出力は、唯一の環境カテゴリを包含する「硬」分類であるか、または、それぞれのカテゴリに属する音声環境の確率を示す一組の確率であり得る。他の出力もまた、適用可能であり得る。
第1の環境分類器は、第1のプロセッサによる実行にとって適切な第1の信号処理アルゴリズムおよびパラメータの選択を行うために出力の提供を行うように構成された第1のパラメータ・マップに対し、音声環境の、判定されたカテゴリを出力し得る。
この方式では、獲得された分類結果を補聴器内で利用して、補聴器の信号処理特性を自動的に選択して、たとえば、関心の対象となる音声環境にとって最も好適なアルゴリズムに自動的に切り替わることができる。このような補聴器は、様々なカテゴリの音声環境における個々の補聴器のユーザにとって最適な音声品質および/または発話了解可能性を、維持することが可能であろう。
一例として、背景雑音のレベルだけではなく、この背景雑音のさらなる信号特性にも依存して、無指向性マイクロフォン事前設定プログラムと指向性マイクロフォン事前設定プログラムとの間で切り替わることが望ましいことが考えられる。補聴器のユーザが背景雑音の存在下において別の人と会話している状況において、背景雑音のタイプの識別および類別ができることは有益であろう。雑音が交通騒音である場合には、無指向性の動作が選択されて、接近してくる交通の流れを、その到来方向とは関係なくユーザが明瞭に聞こえることを可能にし得る。その一方で、背景雑音がバブル雑音であるものとして類別された場合には、指向性聴取プログラムが選択されて、会話中における信号対雑音比(SNR:signal−to−noise ratio)の改善を伴って、ターゲット発話信号がユーザに聞こえることを可能にし得る。
マイクロフォン信号の解析および分類に隠れマルコフ・モデルを適用することにより、たとえばマイクロフォン信号の、たとえば詳細な特徴付けが獲得され得る。隠れマルコフ・モデルは、短時間および長時間の時間的変動の両方の観点から、確率的および非定常的な信号をモデリングすることが可能である。
音声環境検出器は、所在検出器によって判定された地理的位置を、当該地理的位置における音声環境の、判定されたカテゴリとともに記録するように構成され得る。記録動作は、規則的な時間間隔で、および/もしくは、記録動作間においてある地理的距離をあけて実施され得、および/または、ある事象、たとえば、音声環境のカテゴリのシフトや、信号処理プログラムの変化、信号処理パラメータの変化等の信号処理動作の変化などによってトリガされ得る。
補聴器システムが、以前に記録された音声環境のカテゴリの地理的位置からのしきい距離以内に位置しているとき、および/または、以前に記録された同一の音声環境のカテゴリの地理的位置の範囲内に位置しているとき、音声環境検出器は、現在の音声環境が、現在の地理的位置において、もしくは現在の地理的位置の付近で、既に記録されたものと同じカテゴリのものである確率を高めるように、または、現在の音声環境が、既に記録されたカテゴリの音声環境のものであると判定するように構成され得る。
第1の音声環境検出器は、判定された地理的位置から距離しきい値以内に存在する、以前に記録された音声環境のカテゴリについての発生確率を考慮して、音声環境のカテゴリを判定するように構成され得る。
距離しきい値は、たとえば、所在検出器の地理的位置の判定の不確実性を反映して、たとえば、所在検出器の不確実性以下であるか、地理的位置および音声環境のカテゴリの記録動作間の平均距離以下であるか、または、運動競技場、中央駅、市庁舎、劇場、その他などの現在の地理的位置における顕著な特徴の特性サイズ未満であることを反映して、事前に決定され得る。距離しきい値は、現在の環境に適合されてもよく、たとえば、音声環境の異なるカテゴリの記録動作間における距離が短い領域、たとえば都市領域においては、比較的短い距離しきい値を結果的に生じ、音声環境の異なるカテゴリの記録動作間における距離が長い領域、たとえば開放領域においては、比較的長い距離しきい値を生じる。
補聴器システムのユーザ・インターフェイスは、音声環境の特定のカテゴリを、それぞれの地理的範囲に関連付けるように構成され得る。
有用なGPS信号のない状態で、所在検出器は、補聴器システムが接続され得るWIFIネットワークの住所に基づいて、または、携帯電話の当該技術においてよく知られている、様々なGSM送信機から場合によって受信される信号に基づいた三角測量によって、補聴器システムの地理的位置を判定し得る。さらに、所在検出器は、ユーザのカレンダー・システムにアクセスして、ユーザの予期される居所、たとえば、会議室、オフィス、食堂、飲食店、自宅などについての情報を獲得し、地理的位置の判定に、この情報を含めるように構成され得る。したがって、ユーザのカレンダー・システムからの情報は、たとえばGPS受信機によってその他の態様で判定される地理的位置についての情報に置き換わるか、または、当該情報を補足することが考えられる。
たとえば、ユーザが飛行機内にいることを所在検出器が検出すると、音声環境検出器は、補聴器システムの補聴器をフライト・モードに自動的に切り替えることが考えられ、すなわち、補聴器の無線がオフにされる。
また、ユーザが建造物、たとえば高層建造物の内側にいるときに、GPS信号が存在しないか、または非常に弱いために、GPS受信機による地理的位置の判定が不可能であることが考えられる。ユーザの居所についての、カレンダー・システムからの情報が、次いで、地理的位置についての情報を提供するために使用され得、または、カレンダー・システムからの情報が、地理的位置についての情報を補足することが考えられ、たとえば、特定の会議室の表示は、高層建造物のどの階に補聴器システムが位置しているかについての情報を提供し得る。高さについての情報は、典型的にはGPS受信機から利用することができない。
所在検出器は、カレンダー・システムからの情報の自動的使用を、そうでなければ地理的位置が判定され得ないとき、たとえば、GPS受信機が地理的位置を提供することができないときに、行い得る。所在検出器が、地理的位置についての情報を、たとえばGPS受信機およびカレンダー・システムから何ら利用することができない場合、音声環境検出器は、従来の方式で、受信された音声信号に基づいて、音声環境を類別することが考えられ、または、補聴器は、たとえば、フィッティング時に、もしくは当該状況が生じたときに、前もってユーザによって選択されたモードで動作するように設定され得る。
ユーザは、パラメータ値の自動的選択に満足しないことが考えられ、ユーザ・インターフェイスを使用して、信号処理パラメータの調節を実施することが考えられ、たとえば、ユーザは、信号処理アルゴリズムの現在の選択を、別の信号処理アルゴリズムに変更することが考えられ、たとえば、ユーザは、指向性信号処理アルゴリズムから無指向性信号処理アルゴリズムに切り替え得る。
音声環境検出器は、信号処理パラメータ値のユーザ調節の経時的な組み込みを行うように構成されている。
音声環境検出器は、補聴器システム内の少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの自動的調節を、実行するアルゴリズムの選択を制御するパラメータを含む、信号処理アルゴリズムF(Θ)のライブラリを用いて行うように構成され、ここでΘは、アルゴリズム・パラメータ空間であり、たとえば、雑音抑制アルゴリズムは、騒がしい環境では実行のために選択され、静かな環境では実行のために選択されない。
音声環境検出器は、
補聴器システムのユーザによって行われた調節を記録するように、および、
記録された調節に応じて、(ベイズ推定に基づく)インクリメンタルな選好導出に基づいて、少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの自動的調節を修正し、それによって、次回に同じ音声環境が検出されたときに、修正された自動的調節が実施されるようにするように、
構成されている。
ベイズ推定は、所与の仮説と整合する、または整合しない証拠の収集を内包する。仮説における確信度は、証拠が累積するのに伴って変化する。充分な証拠がある場合、当該確信度は、しばしば、非常に高くなるか、または、非常に低くなる。
ベイズ推定は、証拠が観察される前における、仮説の確信度の数値推定を使用して、証拠が観察された後における、仮説の確信度の数値推定を算定する。
ベイズの定理は、所与の新規の証拠の場合、以下の方式で確率を調節する。
P(H|E)=P(E|H)P(H)/P(E)
式中、
は、新規の証拠Eが利用可能になる前に推定された、帰無仮説と呼ばれる仮説を表し、
P(H)は、Hの事前確率と呼ばれ、
P(E|H)は、仮説Hが真である場合に、証拠Eが観察される条件付き確率と呼ばれる。これは、Eが与えられたときのHについての関数として表現された場合に、尤度関数とも呼ばれ、
P(E)は、Eの周辺確率と呼ばれ、相互排他的な全ての仮説下において新規の証拠Eが観察される確率である。
このP(E)は、相互排他的な仮説の全ての確率と、対応する条件付き確率との積の総和として、すなわち、ΣP(E|H)P(H)として算定され得る。P(H|E)は、Eが与えられたときのHの事後確率と呼ばれる。
ファクタP(E|H)/P(E)は、証拠が仮説の確信度に対して与える影響を表す。考察下にある仮説が真であるときに証拠が観察される見込みがある場合、このファクタは大きくなる。仮説の事前確率にこのファクタを乗算すると、証拠が与えられた場合の仮説の高い事後確率を結果的に生じる。したがって、ベイズ推定の下で、ベイズの定理は、新規の証拠が仮説における確信度をどの程度変えるはずであるのかを測定する。
ベイズの定理およびベイズ推定についてのより多くの情報としては、「Information Theory、Inference、and Learning Algorithms」David J. C. Mackay著、Cambridge University Press、2003を参照されたい。
確率論に対するベイズ推定の手法は、不確実性の下での推論に対する、一貫性がある合理的な理論である。聴取者からの知覚的フィードバックが(部分的に)未知であり、しばしば合理的でないため、これらの不確実性に対処するためには、このような統計的手法が必要とされる。以下においては、補聴器の処理動作に対するベイズ推定の手法と、特に、ベイズ推定に基づくインクリメンタルな選好導出手法とを、より詳細に取り扱う。
新規の補聴器システムの音声環境検出器は、音声環境に関連する信号処理パラメータの所望の調節と、個人的であり、動的であり、非線形であり、確率的である、補正的なユーザの調節との間の複雑な関係を効果的に学習することを可能にする。そのため、音声環境検出器は、学習型音声環境検出器と考えることができる。
音声環境検出器は、ユーザが調節を行う度毎に、少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θを更新し得る。代替として、更新動作は、たとえば、顕著な調節のみが更新につながるように、事前に決定された回数の調節をユーザが行うというある基準に従って、実施され得る。
時として装置の動作中に、ユーザは、受信された信号の品質に満足しないことがあり、したがって、ユーザ・インターフェイスを用いて補聴器システムの調節を実施する。学習目標は、音声環境検出器により、規則的なパターンをモデル・パラメータθ内にゆっくりと吸収することである。最終的に、処理は、ユーザ操作の回数の減少につながる。
パラメータ更新は、ユーザの選好についての知識が利用可能であるときにのみ実施される。ユーザ・インターフェイスが装置の通常動作中に操作されていない間、ユーザは、送出された信号の品質に納得していることが考えられるが、このことは確実ではない。結局、ユーザは装置を装着していないことが考えられる。しかしながら、ユーザがユーザ・インターフェイスの操作を開始すると、ユーザがその瞬間において納得していないことが想定される。ユーザ・インターフェイスの操作段階の開始部は、不同意の瞬間と表現される。ユーザがユーザ・インターフェイスを操作している間、ユーザは、より良好な調節を依然として探し求めていることが考えられる。次の、学習する瞬間は、ユーザがユーザ・インターフェイスの操作を止めた直後に生じる。このとき、ユーザが満足できる調節を見出したことが想定され、これを、同意の瞬間と呼称する。不同意の瞬間および同意の瞬間は、それぞれ、否認の教示データおよび是認の教示データを収集するための情況を識別する。
以下においては、ユーザ選好に適合する1つの例示的な方法を開示する。この方法は、ベイズ推定に基づくインクリメンタルな選好導出に基づいているが、他の方法が可能である。k回目の不同意の瞬間および同意の瞬間における、調節可能な信号処理パラメータがそれぞれ、θkdおよびθkcに設定されているものと想定されたい。また、k回目のユーザの操作段階中における、環境音声分類器の出力が、Cにおいてほぼ一定のままであるものと想定されたい。
明らかに、環境条件C下において、ユーザは、θkdよりもθkcを好む((エンド・ユーザの)決定d=θkc>θkdによって表される)。k回目の決定までの、一組の全ユーザ決定は、Dk−1={d、d2、...、dk−1}によって表される。次いで、ベイズ更新スキームを使用して、k回目の観察を吸収する。クラスから補聴器パラメータ上へのパラメータ・マップが、確率的関数p(θ|C,ω)によって表されるものとし、ここでωは、パラメータ・マップ40についてのパラメータを表す。
k回目のユーザの操作に基づいた、パラメータ・マップに対するベイズ更新は、次いで、
p(ω|C、D)=p(d|C、ω)×p(ω|C、Dk−1)/p(C)
によって与えられる。
ChuおよびGharamani(Preference Learning with Gaussian Processes、22nd Int’l conf on Machine Learning、2005)において、このベイズ更新の等式は、ガウス過程に基づくパラメータ・マップ40について、詳細に用いられている。
新規の補聴器システムは、1つがユーザの右耳用、1つがユーザの左耳用である2つの補聴器を有する、両耳用補聴器システムであり得る。
したがって、新規の補聴器システムは、第2のマイクロフォンであって、第2のマイクロフォンで受信された音声信号に応答して第2のオーディオ入力信号の提供を行うための、第2のマイクロフォンと、
第2の信号処理アルゴリズムF(Θ)に従って第2のオーディオ入力信号を処理して、第2の聴力損失補償済オーディオ信号を生成するように構成された第2のプロセッサと、
第2の聴力損失補償済オーディオ信号に基づいて第2の音響出力信号を提供するための第2の出力トランスデューサと
を有する第2の補聴器
を備え得る。
典型的には両耳の聴力損失が2つの耳について異なっているが故に、第2の補聴器が、典型的には第1の補聴器によって補償される聴力損失とは異なる聴力損失を補償するように調節されているということを除き、第2の補聴器の回路は第1の補聴器の回路と同一であることが好ましい。
第1の音声環境検出器は、第1および第2のオーディオ入力信号と、補聴器システムの地理的位置とに基づいて、補聴器システムのユーザを取り巻く音声環境のカテゴリを判定するように構成され得る。
第1の音声環境検出器は、第2のプロセッサにより実行される第2の信号処理アルゴリズムおよびパラメータF(Θ)の選択を行うために、第2のプロセッサへの第2の出力の提供を行って、第2の聴力損失補償済オーディオ信号を生成するように構成され得る。
代替として、第2の補聴器は、第2の音声環境検出器であって、第1の音声環境検出器と同様であり、かつ、第1および第2のオーディオ入力信号と、補聴器システムの地理的位置とに基づいて、音声環境のカテゴリを判定するように、および、第2の音声環境検出器によって判定されたカテゴリに基づいて一組の信号処理パラメータΘの第2の値の選択を行うために、第2のプロセッサへの第2の出力の提供を行うように構成された、第2の音声環境検出器を備え得る。
両耳用補聴器システムでは、第1および第2の信号プロセッサの信号処理アルゴリズムが、協調された方式で選択されることが重要である。音声環境の特性が、ユーザの2つの耳において著しく異なることが考えられるため、しばしば、ユーザの2つの耳における音声環境のカテゴリの独自の判定が異なることが生じ、このことは、補聴器における音声の、所望されない異なる信号処理動作を招く恐れがある。そのため、第1および第2のプロセッサの信号処理アルゴリズムが、ハンドヘルド機器で受信された音声信号、または、左耳で受信された音声信号および右耳で受信された音声信号の両方、または、ハンドヘルド機器で受信された音声信号と、左耳で受信された音声信号および右耳で受信された音声信号との組合せ、その他などの、同じ信号に基づいて選択されることが好ましい。
第1の音声環境検出器と同様に、第2の音声環境検出器は、第2のオーディオ入力信号の特性パラメータの判定を行うための第2の特徴抽出器を備え得る。
第2の特徴抽出器は、判定された特性パラメータと地理的位置とに基づいて音声環境のカテゴリを判定するために、特性パラメータを第2の環境分類器に出力し得る。
第2の環境分類器は、第2のプロセッサの第2の信号処理アルゴリズムの選択を行う目的で出力の提供を行うように構成された第2のパラメータ・マップに対し、音声環境のカテゴリを出力し得る。
既に述べたように、新規の補聴器システムにおける方法は、経時的に変化するユーザ選好、および/または、ユーザにより経験される典型的な音声環境の変化を吸収する能力を有する。補聴器の個人専用化は、補聴器の通常の使用中に実施され得る。これらの利点は、補聴器の処理のパラメータにおいて補聴器のユーザ調節を吸収することによって獲得される。長い時間をかけて、この手法は、ユーザの選好が変わらない期間においてユーザの操作がより少なくなることにつながる。さらに、これらの方法は、合理的でないユーザの挙動に対してロバストである。
信号処理パラメータについてのユーザの選好は、一貫性がある合理的な方式において、および、不確実性の下での推論についての理論に従って、通常の使用中に導出される。
新規の補聴器システムは、信号処理パラメータの所望の調節と、個人的であり、動的であり、非線形であり、および/または、確率的である、補正的なユーザの調節との間の複雑な関係を学習することが可能である。
新規の補聴器システムは、異なる音声環境によって生じた異なるユーザの選好を区別することが可能である。これにより、信号処理パラメータは、実際の音声環境にとって考え得る最良のパラメータ設定についてのユーザの知覚に従って、自動的に調節され得る。
情報/データを格納するための媒体は、以下のものに限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および送信媒体を含めた多くの形式を取り得る。不揮発性媒体は、たとえば、光学記憶装置、磁気記憶装置、または他のタイプの記憶装置であり得る。不揮発性媒体は、非一時的な媒体の一例と考えられ得る。揮発性媒体は、メイン・メモリなどのダイナミック・メモリを含む。揮発性媒体は、非一時的な媒体の別の例と考えられ得る。送信媒体は、ケーブル、ワイヤ、および光ファイバを含む。送信媒体は、無線波データ通信および赤外線データ通信中に生成されるものなどの、音響波または光波の形式も取り得る。
新規の補聴器システムにおける信号処理動作は、専用ハードウェアによって実施され得、または、信号プロセッサ内において実施され得、または、専用ハードウェアおよび1つもしくは複数の信号プロセッサの組合せにおいて実施され得る。
本明細書で使用される「プロセッサ」、「信号プロセッサ」、「コントローラ」、「システム」などの用語は、ハードウェアか、ハードウェアおよびソフトウェアの組合せか、ソフトウェアか、または、実行中のソフトウェアのいずれかである、CPU関連のエンティティについて言及していることが意図される。
たとえば、「プロセッサ」、「信号プロセッサ」、「コントローラ」、「システム」などは、以下のものであることに限定されないが、プロセッサ上で稼働する処理、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、および/またはプログラムであり得る。
例示として、「プロセッサ」、「信号プロセッサ」、「コントローラ」、「システム」などの用語は、プロセッサ上で稼働するアプリケーションと、ハードウェア・プロセッサとの両方を指す。1つもしくは複数の「プロセッサ」、「信号プロセッサ」、「コントローラ」、「システム」など、または、それらの任意の組合せは、処理および/または実行スレッド内に常駐していることが考えられ、1つもしくは複数の「プロセッサ」、「信号プロセッサ」、「コントローラ」、「システム」など、または、それらの任意の組合せは、1つのハードウェア・プロセッサ上に、可能性として他のハードウェア回路素子と組み合わせて局在化され得、および/または、2つのもしくはそれよりも多くのハードウェア・プロセッサ間において、可能性として他のハードウェア回路と組み合わせて分散され得る。
また、プロセッサ(または同様の用語)は、信号処理動作を実施することが可能である任意のコンポーネントか、または、コンポーネントの任意の組合せであり得る。たとえば、信号プロセッサは、ASICプロセッサ、FPGAプロセッサ、汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路コンポーネント、または集積回路であり得る。
補聴器システムは、(a)第1の補聴器であって、第1のマイクロフォンであって、音声環境において第1のマイクロフォンで受信された音声信号に応答して第1のオーディオ入力信号の提供を行うための、第1のマイクロフォンと、信号処理アルゴリズムF(Θ)に従って第1のオーディオ入力信号を処理して、第1の聴力損失補償済オーディオ信号を生成するように構成された第1のプロセッサであって、Θが一組の信号処理パラメータである、第1のプロセッサと、第1の聴力損失補償済オーディオ信号に基づいて第1の音響出力信号を提供するための第1の出力トランスデューサとを有する、第1の補聴器、(b)補聴器システムの地理的位置を判定するように構成された所在検出器、(c)第1の音声環境検出器であって、補聴器システムによって受信された音声信号と、補聴器システムの判定された地理的位置とに基づいて、補聴器システムを取り巻く音声環境のカテゴリの判定を行うように、および、第1の音声環境検出器によって判定されたカテゴリに基づいて一組の信号処理パラメータΘの第1の値の選択を行うために、第1のプロセッサへの第1の出力の提供を行うように構成された、第1の音声環境検出器、(d)補聴器のユーザが少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの調節を行うことを可能にするためのユーザ・インターフェイス、ならびに、(e)補聴器のユーザによって行われた少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの調節の記録を行うための非一時的な媒体を備え、第1の音声環境検出器が、調節にも基づいて、第1のプロセッサへの第1の出力の提供を行うように構成されている。
場合によっては、調節は、ベイズ推定に基づくインクリメンタルな選好導出に基づく。
場合によっては、所在検出器は、GPS受信機を含む。
場合によっては、第1の音声環境検出器は、補聴器システムによって受信された音声信号と、補聴器システムの判定された地理的位置と、日付、時刻、補聴器システムの速度、およびGPS受信機によって受信された信号の信号強度からなる群から選択される少なくとも1つのパラメータとに基づいて、補聴器システムを取り巻く音声環境のカテゴリを判定するように構成されている。
場合によっては、補聴器システムはさらに、所在検出器によって判定された地理的位置を、地理的位置における音声環境のカテゴリとともに記録するための非一時的な媒体を含む。
場合によっては、第1の音声環境検出器は、判定された地理的位置から距離しきい値以内に存在する、以前に記録された音声環境のカテゴリについての発生確率を考慮して、音声環境のカテゴリを判定するように構成されている。
場合によっては、補聴器システムはさらに、音声環境の特定のカテゴリを、それぞれの地理的範囲とともに格納するための非一時的な媒体を含む。
場合によっては、所在検出器は、ユーザのカレンダー・システムに自動的にアクセスして、ユーザの所在に関する情報を獲得して、そうでなければ所在検出器が補聴器システムの地理的位置を判定することができないときに、ユーザの所在に関する情報に基づいて、補聴器システムの地理的位置を判定するように構成されている。
場合によっては、ユーザが飛行機内にいることを所在検出器が検出すると、第1の音声環境検出器は、補聴器システムの第1の補聴器をフライト・モードに自動的に切り替えるように構成されている。
場合によっては、第1の補聴器は、ユーザが第1の補聴器を意図された動作位置に装着すると、ユーザの頭部の姿勢に関する情報を提供するように構成された少なくとも1つの姿勢センサを備え、第1の補聴器は、ユーザの頭部の姿勢に関する情報に基づいて、第1の値の選択を行うように構成されている。
場合によっては、所在検出器は、第1の補聴器の一部分である。
場合によっては、補聴器システムはさらに、第1の補聴器に通信可能に結合され、所在検出器を収容している、ハンドヘルド機器を含む。
場合によっては、ハンドヘルド機器は、第1の音声環境検出器も収容している。
場合によっては、ハンドヘルド機器は、ユーザ・インターフェイスを備える。
場合によっては、第1の補聴器は、第1の音声環境検出器を収容している。
場合によっては、補聴器システムはさらに、第2のマイクロフォンであって、当該第2のマイクロフォンで受信された音声信号に応答して第2のオーディオ入力信号の提供を行うための、第2のマイクロフォンと、信号処理アルゴリズムF(Θ)に従って第2のオーディオ入力信号を処理して、第2の聴力損失補償済オーディオ信号を生成するように構成された第2のプロセッサと、第2の聴力損失補償済オーディオ信号に基づいて第2の音響出力信号を提供するための第2の出力トランスデューサとを有する第2の補聴器を含み、第1の音声環境検出器は、第1および第2のオーディオ入力信号と、補聴器システムの地理的位置とに基づいて、音声環境のカテゴリの判定を行うように構成されている。
場合によっては、第1の音声環境検出器は、一組の信号処理パラメータの第2の値の選択を行うために、第2の出力の提供を行うように構成されている。
場合によっては、第2の補聴器は、第2の音声環境検出器であって、第1および第2のオーディオ入力信号と、補聴器システムの地理的位置とに基づいて、音声環境のカテゴリの判定を行うため、および、当該第2の音声環境検出器によって判定されたカテゴリに基づいて一組の信号処理パラメータΘの第2の値の選択を行うために、第2のプロセッサへの第2の出力の提供を行うように構成された、第2の音声環境検出器を備える。
図面は、実施形態の設計および効用を例示しており、これらの図面では、同様の要素が共通の参照番号によって指されている。これらの図面は、必ずしも縮尺通りに描かれている訳ではない。上に列挙された利点および目的、ならびに、他の利点および目的が、どのように獲得されるかをより良好に認識するために、添付の図面に例示されている実施形態の、より特定的な説明を行う。これらの図面は、典型的な実施形態のみを描写しており、したがって、その範囲を限定するものと考えるべきではない。
図1は、姿勢センサを有する単一の補聴器と、GPS受信機、音声環境検出器、およびユーザ・インターフェイスを有するハンドヘルド機器とを有する新規の補聴器システムを示す図である。 図2は、姿勢センサおよび音声環境検出器を有する単一の補聴器と、GPS受信機およびユーザ・インターフェイスを有するハンドヘルド機器とを有する新規の補聴器システムを示す図である。 図3は、姿勢センサおよび音声環境検出器を有する2つの補聴器と、GPS受信機およびユーザ・インターフェイスを有するハンドヘルド機器とを有する新規の補聴器システムを示す図である。 図4は、姿勢センサを有する2つの補聴器と、音声環境検出器、GPS受信機、およびユーザ・インターフェイスを有するハンドヘルド機器とを有する新規の補聴器システムを示す図である。
以降においては、図を参照して様々な例示的実施形態について説明する。これらの図が縮尺通りに描かれていないこと、および、同様の構造または機能の要素が、図の全てにわたり、同じ参照番号によって表されることに留意されるべきである。これらの図が、実施形態の説明を容易化するように意図されているに過ぎないことにも留意されるべきである。これらは、請求項に係る発明の網羅的な説明として、または、請求項に係る発明の範囲に対する限定として、意図されていない。加えて、例示される実施形態が、示される実施態様または利点の全てを有している必要はない。特定の実施形態と併せて説明される実施態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されている訳ではなく、任意の他の実施形態における実施が、そのように例示されていなくとも、または、そのように明示的に説明されていなくとも、可能であり得る。
以降においては、次に、様々なタイプの新規の補聴器システムが示されている添付の図面を参照して、新規の補聴器システムについてより充分に説明する。新規の補聴器システムは、添付の図面に示されていない、異なる形式において具現化されてよく、本明細書に明記された実施形態および例に限定されるものとして解釈されるべきではない。
同様の参照番号は、図面内の同様の要素を指している。
図1は、姿勢センサ44を有する単一の第1の補聴器12と、GPS受信機48、音声環境検出器14、およびユーザ・インターフェイス45を有するハンドヘルド機器30とを有する新規の補聴器システム10を概略的に例示する。
第1の補聴器12は、BTE、RIE、ITE、ITC、CIC、その他の補聴器などの、頭部での頭部装着型であるように構成された任意のタイプのものであり得る。
第1の補聴器12は、第1の前方マイクロフォン16および第1の後方マイクロフォン18であって、補聴器システム10のユーザを取り巻く音声環境内において当該マイクロフォン16、18で受信された音声信号に応答して、それぞれのデジタル入力信号20、22の提供を行うための、それぞれのA/Dコンバータ(図示せず)に接続された、第1の前方マイクロフォン16および第1の後方マイクロフォン18を備える。デジタル入力信号20、22は、信号処理アルゴリズムF(Θ)に従って当該デジタル入力信号20、22を処理して聴力損失補償済出力信号26を生成するように構成された聴力損失プロセッサ24に入力される。聴力損失補償済出力信号26は、当該聴力損失補償済出力信号26の、音響出力信号への変換を行うためのD/Aコンバータ(図示せず)および出力トランスデューサ28に送られる。
新規の補聴器システム10はさらに、当該補聴器システム10のユーザを取り巻く音声環境のカテゴリを判定するための音声環境検出器14を収容する、ハンドヘルド機器30、たとえばスマート・フォンを備える。カテゴリの判定動作は、ハンドヘルド機器内のマイクロフォン32によってピック・アップされた音声信号に基づく。カテゴリの判定に基づき、音声環境検出器14は、類別された音声環境にとって適切な信号処理アルゴリズムおよびパラメータの選択を行うために、出力34を補聴器プロセッサ24に提供する。
したがって、補聴器プロセッサ24は、類別された音声環境にとって最も好適な1つまたは複数のアルゴリズムに自動的に切り替えられ、それによって、最適な音声品質および/または発話了解可能性が、様々な音声環境において維持される。プロセッサ24の信号処理アルゴリズムは、様々な形式の雑音低減およびダイナミック・レンジ圧縮に加え、種々の他の信号処理タスクを実施し得る。
第1の音声環境検出器14は、第1の補聴器12内において利用可能なリソースおよび電源よりも大きな、ハンドヘルド機器30内において典型的に利用可能な計算リソースおよび電源の恩恵を受ける。
音声環境検出器14は、マイクロフォン32から受信された音声信号の特性パラメータの判定を行うための特徴抽出器36を備える。そのパラメータは、信号電力、スペクトル・データ、および、他のよく知られている特徴に関連し得る。
音声環境検出器14はさらに、特徴抽出器36によって出力された、判定された特性パラメータに基づいて音声環境のカテゴリを判定するための環境分類器38を備える。環境分類器38は、発話、バブル発話、飲食店での食器が触れ合う音、音楽、交通騒音、その他などの複数個の環境カテゴリに、音声を類別する。分類処理は、単純な最近傍探索、ニューラル・ネットワーク、隠れマルコフ・モデル・システム、または、パターン認識を行うことが可能な別のシステムを利用し得る。環境分類器38の出力は、唯一の環境カテゴリを包含する、カテゴリの「硬」判定であるか、または、それぞれのカテゴリに属する音声環境の確率を示す一組の確率であり得る。他の出力もまた、適用可能であり得る。
音声環境検出器14はさらに、信号処理アルゴリズムおよびパラメータF(Θ)の、利用可能なライブラリから、信号処理アルゴリズムおよびパラメータの選択を行う目的で出力34の提供を行うためのパラメータ・マップ40を備える。パラメータ・マップ40は、環境分類器38の出力を、補聴器音声プロセッサ20用の一組のパラメータθ∈Θにマッピングする。このようなパラメータの例は、雑音低減の量、利得の量、HF利得の量、対応する信号アルゴリズムが実行のために選択されるか否かを制御するアルゴリズム制御パラメータ、フィルタのコーナー周波数およびスロープ、圧縮器アルゴリズムの圧縮しきい値および圧縮率、適合性フィードバック抑制アルゴリズムの適合率およびプローブ信号特性などである。他のパラメータが含まれてよい。
ハンドヘルド機器30は、補聴器システム10の地理的位置を判定するように構成されたGPS受信機42を有する所在検出器41を含む。例示されたハンドヘルド機器30は、携帯電話ネットワークとの相互接続を行うためのGSMインターフェイスを備えるモバイル・インターフェイス48と、携帯電話の技術分野でよく知られているWIFIインターフェイス48とをやはり有するスマート・フォンである。有用なGPS信号のない状態で、例示された補聴器システム10の位置は、WIFIネットワークのアドレスとして判定され得るか、または、携帯電話の技術分野においてよく知られている、様々なGSM送信機から受信される信号に基づいた三角測量によって判定され得る。
例示された音声環境検出器14は、判定された地理的位置を、それぞれの地理的位置における音声環境の、判定されたカテゴリとともに記録するように構成されている。記録動作は、規則的な時間間隔で、および/もしくは、記録動作間においてある地理的距離をあけて実施され得、および/または、ある事象、たとえば、音声環境のカテゴリのシフトと、信号処理プログラムの変化、信号処理パラメータの変化、その他などの信号処理動作の変化と、その他とによって、トリガされ得る。
補聴器システム10が、音声環境の特定のカテゴリが記録されている地理的位置の領域内に位置しているとき、音声環境検出器は、現在の音声環境が、音声環境の、以前に記録されたそれぞれのカテゴリのものである確率を高めるように構成されている。
補聴器システム10のユーザ・インターフェイス45は、音声環境の特定のカテゴリを、特定の地理的範囲に割り当てるように構成され得る。
例示された音声環境検出器14は、たとえばモバイル・インターフェイス48を経由して、ユーザのカレンダー・システムにアクセスして、ユーザの居所、たとえば、会議室、オフィス、食堂、飲食店、自宅などについての情報を獲得し、音声環境のカテゴリの判定に、この情報を含めるようにも構成されている。ユーザのカレンダー・システムからの情報は、GPS受信機によって判定される地理的位置についての情報に置き換わるか、または、当該情報を補足することが考えられる。
たとえば、音声環境検出器14は、ユーザのカレンダー・システムにおいて示されるように、ユーザが飛行機内にいるときに、補聴器システム10の補聴器をフライト・モードに自動的に切り替えることが考えられ、すなわち、補聴器の無線がオフにされる。
また、ユーザが建造物、たとえば高層建造物の内側にいるときに、GPS信号が存在しないか、または、非常に弱いために、GPS受信機による地理的位置の判定が不可能であることが考えられる。ユーザの居所についての、カレンダー・システムからの情報が、次いで、地理的位置についての情報を提供するために使用され得、または、カレンダー・システムからの情報が、地理的位置についての情報を補足することが考えられ、たとえば、特定の会議室の表示は、高層建造物内の階についての情報を提供し得る。高さについての情報は、典型的にはGPS受信機から利用することができない。
音声環境検出器14は、GPS受信機が地理的位置を提供することができないときに、カレンダー・システムからの情報を自動的に使用し得る。地理的位置についての情報を、GPS受信機およびカレンダー・システムから何ら利用することができない場合、音声環境検出器は、従来の方式で、受信された音声信号に基づいて、音声環境を類別することが考えられ、または、補聴器は、たとえば、フィッティング時に、もしくは当該情況が生じたときに、前もってユーザによって選択されたモードで動作するように設定され得る。
補聴器12は、補聴器を装着するユーザの頭部の姿勢、たとえば、頭部ヨー、頭部ピッチ、頭部ロール、またはそれらの組合せのうちの1つまたは複数、たとえば傾斜、すなわち、ユーザが起立または着席しているときにおける頭部の通常の垂直位置からの角度偏差の判定を行うために、信号を出力するように構成された、ジャイロスコープ、たとえばMEMSジャイロ、傾斜センサ、ロール・ボール・スイッチ、その他などの、1つまたは複数の姿勢センサ44を備える。たとえば、静止位置において起立または着席している人の頭部の傾斜は0°であり、静止位置において横臥している人の頭部の傾斜は90°である。
第1のプロセッサ24は、1つまたは複数の姿勢センサ44の出力信号46に基づいて判定されたユーザ頭部の姿勢と、第1の音声環境検出器14の出力制御信号34とに基づいて、プロセッサ24の第1の信号処理アルゴリズムの選択を行うように構成されている。たとえば、ユーザが昼寝をするために着席から横臥へと姿勢を変化させた場合、音声環境検出器14は、信号プロセッサ24に、それに応じてプログラムを切り替えさせ得、たとえば第1の補聴器12は、自動的にミュートにされ得る。
環境分類器38は、(SNR、RMSなどの)オーディオ信号からの統計値に(GPSからの)所在データを加えたものを、バブル、車内、カクテル・パーティ時、教会内などの環境クラス上にマッピングする。ユーザは、パラメータ値の自動的選択に満足しないことが考えられ、ユーザ・インターフェイスを使用して、信号処理パラメータの調節を実施することが考えられ、たとえば、ユーザは、信号処理アルゴリズムの現在の選択を、別の信号処理アルゴリズムに変更することが考えられ、たとえば、ユーザは、指向性信号処理アルゴリズムから無指向性信号処理アルゴリズムに切り替わり得る。
音声環境検出器は、信号処理パラメータ値のユーザ調節の経時的な組み込みを行うように構成されている。
音声環境検出器は、補聴器システム10内の少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの自動的調節を、実行のためのアルゴリズムの選択を制御するパラメータを含む、信号処理アルゴリズムF(Θ)のライブラリを用いて行うように構成され、ここでΘは、アルゴリズム・パラメータ空間であり、たとえば、雑音抑制アルゴリズムは、騒がしい環境では実行のために選択され、静かな環境では実行のために選択されない。
環境音声検出器14は、
補聴器システムのユーザによって、ユーザ・インターフェイス45を用いて行われた調節を記録するように、および、
記録された調節に応じて、ベイズ推定に基づくインクリメンタルな選好導出に基づいて、少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの自動的調節を修正し、それによって、次回に同じ音声環境が検出されたときに、修正された自動的調節が実施されるようにするように、
構成されている。
ベイズ推定は、所与の仮説と整合する、または整合しない証拠を収集することを内包する。仮説における確信度は、証拠が累積するのに伴って変化する。充分な証拠がある場合、当該確信度は、しばしば、非常に高くなるか、または、非常に低くなる。
例示された補聴器システムは、補聴器システム10を取り巻く音声環境に応じて信号処理パラメータθ∈Θを調節するように動作する音声環境検出器を含む。
環境分類器38は、たとえば、xの短期RMSおよびSNR推定を含む、音声環境に対する関連する特徴のベクトルである、入力Uを取る。Uは、GPSの所在も含む。環境分類器の出力は、離散的なクラス変数Cによって表される。例としてのクラスは、発話、雑音、雑音中の発話、車内、教会内、カクテル・パーティ時などを含む。環境クラスは、パラメータ・マップ40を経由して、補聴器パラメータθ上にマッピングする。
上で述べたように、時として装置の動作中に、ユーザは、受信された信号yの品質に満足しないことがあり、したがって、ユーザ・インターフェイス45を用いて補聴器システムの調節を実施する。学習目標は、音声環境検出器により、規則的なパターンをモデル・パラメータθ内にゆっくりと吸収することである。最終的に、処理は、ユーザ操作の回数の減少につながる。
パラメータ更新は、ユーザの選好についての知識が利用可能であるときにのみ実施される。機器の通常の動作中にユーザ・インターフェイス45が操作されていない間、ユーザは、送出された信号の品質に納得していることが考えられるが、このことは確実ではない。結局、ユーザは機器を装着していないことが考えられる。しかしながら、ユーザがユーザ・インターフェイスの操作を開始すると、ユーザがその瞬間において納得していないことが想定される。ユーザ・インターフェイスの操作段階の開始部は、不同意の瞬間と表現される。ユーザがユーザ・インターフェイスを操作している間、ユーザは、より良好な調節を依然として探し求めていることが考えられる。次の、学習する瞬間は、ユーザがユーザ・インターフェイス45の操作を止めた直後に生じる。このとき、ユーザが満足できる調節を見出したことが想定され、これを、同意の瞬間と呼称する。不同意の瞬間および同意の瞬間は、それぞれ、否認の教示データおよび是認の教示データを収集するための情況を識別する。
補聴器システム10においてユーザ選好に適合する方法は、ベイズ推定に基づくインクリメンタルな選好導出に基づいているが、他の方法が可能である。k回目の不同意の瞬間および同意の瞬間における、調節可能な信号処理パラメータがそれぞれ、θkdおよびθkcに設定されているものと想定されたい。また、k回目のユーザの操作段階中における、環境音声分類器の出力が、Cにおいてほぼ一定のままであるものと想定されたい。
明らかに、環境条件C下において、ユーザは、θkdよりもθkcを好む((エンド・ユーザの)決定d=θkc>θkdによって表される)。k回目の決定までの、一組の全ユーザ決定は、Dk−1={d、d、...、dk−1}によって表される。ベイズ更新スキームを使用して、k回目の観察を吸収する。クラスから補聴器パラメータ上へのパラメータ・マップ40が、確率的関数p(θ|C,ω)によって表されるものとし、ここでωは、パラメータ・マップ40についてのパラメータを表す。
k回目のユーザの操作に基づいた、パラメータ・マップに対するベイズ更新は、次いで、
p(ω|C、D)=p(d|C、ω)×p(ω|C、Dk−1)/p(C)
によって与えられる。
ChuおよびGharamani(Preference Learning with Gaussian Processes、22nd Int’l conf on Machine Learning、2005)において、このベイズ更新の等式は、ガウス過程に基づくパラメータ・マップ40について、詳細に用いられている。
図2に示される新規の聴力システム10は、音声環境検出器14を図1のハンドヘルド機器30から図2の第1の補聴器12に移動させたことを除き、図1の新規の補聴器システムと同様であり、同じ方式で動作する。この方式において、マイクロフォン出力信号20、22は、データ送信要件を増大させることなく、補聴器内のマイクロフォンによって受信された信号に基づいて音声環境が類別され得るように、音声環境検出器14に直接接続され得る。
図3に示される新規の補聴器システム10は、ユーザの右耳用の第1の補聴器12Aおよびユーザの左耳用の第2の補聴器12Bである、2つの補聴器と、GPS受信機42およびモバイル・インターフェイス48を備えるハンドヘルド機器30とを有する、両耳用補聴器システムである。
例示された第1の補聴器12Aおよび第2の補聴器12Bの各々は、以下にさらに解説するように、それぞれの音声環境検出器14A、14Bが協調動作して2つの補聴器12A、12B内に信号処理アルゴリズムの協調された選択を提供することを除き、図2に示された補聴器と同様であり、同様の方式で動作する。
両耳用補聴器システム10の第1の補聴器12Aおよび第2の補聴器12Bの各々は、両耳用補聴器システム10のユーザを取り巻く音声環境のカテゴリを判定するための両耳用音声環境検出器14A、14Bを備える。カテゴリの判定は、マイクロフォンの出力信号20A、22A、20B、22Bに基づく。カテゴリの判定に基づき、両耳用音声環境検出器14A、14Bは、音声環境のカテゴリにとって適切な信号処理アルゴリズムの選択を行うために、出力34A、34Bを、それぞれの補聴器プロセッサ24A、24Bに提供する。したがって、両耳用音声環境検出器14A、14Bは、両方の補聴器からの信号に基づき、すなわち、両耳用の態様で、音声環境のカテゴリを判定し、それによって、補聴器プロセッサ24A、24Bは、音声環境のカテゴリにとって最も好適なアルゴリズムに協調して自動的に切り替えられ、それにより、最適な音声品質および/または発話了解可能性が、両耳用補聴器システム10により、様々な音声環境において維持される。
図3に例示される両耳用音声環境検出器14A、14Bはともに、図2に示される音声環境検出器14と同様であるが、図2では第1の音声環境検出器14が1つの補聴器12から入力を受信するのみであるのに対し、図3では両耳用音声環境検出器14A、14Bの各々が両方の補聴器12A、12Bから入力を受信する点で異なる。したがって、図3において、信号プロセッサ24A、24Bによって実行されるアルゴリズムが協調して選択されるように、補聴器12Aと補聴器12Bとの間で信号が送信される。
図3において、第1の補聴器12Aの環境分類器14Aの出力は、第2の補聴器12Bに送信され、第2の補聴器12Bの環境分類器14Bの出力は、第1の補聴器12Aに送信される。第1および第2の補聴器12A、12Bのパラメータ・マップ40A、40Bは、次いで、同じ2つの入力に基づいて動作して、プロセッサ・アルゴリズムの選択を行うために制御信号34A、34Bを生成するのであるが、パラメータ・マッピング・ユニット34A、34Bが同一の入力を受信するが故に、2つの補聴器12A、12Bにおけるアルゴリズム選択は、協調されている。
補聴器12Aと補聴器12Bとの間において、音声環境のカテゴリについての一組の確率または論理値しか送信される必要がないため、送信データ・レートは低い。かなり長いレイテンシが容認され得る。パラメータ・マッピングの出力に従って変化する変数に時定数を適用することにより、レイテンシによって生じ得る差を平滑化することができる。既に述べたように、2つの補聴器における信号処理動作が協調されることが重要である。しかしながら、数秒の遷移期間が許容される場合、補聴器システムは、1秒当たり3〜4回の送信のみで動作し得る。これにより、電力消費が低く保たれる。
音声環境検出器14A、14Bは、図1および図2を参照して上に開示したのと同じ方式で、新規の補聴器システム10のハンドヘルド・ユニット30により提供された、判定された位置を組み込む。
図4に示される新規の両耳用補聴器システム10においては、そのうちの一方である34Aが第1の補聴器12Aに接続され、そのうちの他方である34Bが第2の補聴器12Bに接続される、2つの制御出力34A、34Bを、音声環境検出器14が提供することを除き、図1に示される音声環境検出器と同様であって、かつ、同様の方式で動作する、単一の音声環境検出器14の提供によって、2つの補聴器12A、12Bにおける、協調された信号処理動作が獲得される。例示された音声環境検出器14は、ハンドヘルド機器30内に収容される。
補聴器12A、12Bの各々は、図1に示される補聴器12と同様であり、同じ方式で動作する。
特定の実施形態を示して説明してきたが、当該実施形態が請求項に係る発明を限定することが意図されていないことを理解されるであろうし、当該技術の当業者にとっては、請求項に係る発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正が行われ得ることが自明であろう。したがって、明細書および図面は、限定的な意味よりもむしろ、例示的な意味において考察されるべきである。請求項に係る発明は、代替形態、修正形態、および均等形態を包含することが意図される。

Claims (16)

  1. 補聴器システムであって、
    (a)第1の補聴器であって、
    第1のマイクロフォンであって、音声環境において前記第1のマイクロフォンで受信された音声信号に応答して第1のオーディオ入力信号の提供を行うための、第1のマイクロフォン、
    信号処理アルゴリズムF(Θ)に従って前記第1のオーディオ入力信号を処理して、第1の聴力損失補償済オーディオ信号を生成するように構成された第1のプロセッサであって、Θが一組の信号処理パラメータである、第1のプロセッサ、および
    前記第1の聴力損失補償済オーディオ信号に基づいて第1の音響出力信号を提供するための第1の出力トランスデューサ
    を有する、第1の補聴器と、
    (b)前記補聴器システムの地理的位置を判定するように構成された所在検出器と、
    (c)第1の音声環境検出器であって、
    前記補聴器システムによって受信された音声信号と、前記補聴器システムの前記判定された地理的位置とに基づいて、前記補聴器システムを取り巻く前記音声環境のカテゴリの判定を行うように、および、
    前記第1の音声環境検出器によって判定された前記音声環境の前記カテゴリに基づいて、前記一組の信号処理パラメータΘの第1の値を選択するために、前記第1のプロセッサへの第1の出力の提供を行うように、
    構成された、第1の音声環境検出器と、
    (d)前記補聴器システムのユーザが少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの調節を行うことを可能にするためのユーザ・インターフェイスと、
    (e)前記所在検出器によって判定された前記地理的位置を、前記地理的位置における前記音声環境の前記カテゴリとともに記録するための非一時的な媒体と、
    を備え、
    前記第1の音声環境検出器が、
    前記補聴器システムの前記ユーザによって行われた前記少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの前記調節を記録し、
    以前のユーザによる調節にも基づいて、前記第1のプロセッサへの前記第1の出力の提供を行うように構成されており、
    前記第1の音声環境検出器が、前記判定された地理的位置から距離しきい値以内に存在する、以前に記録された音声環境のカテゴリについての発生確率を考慮して、前記音声環境の前記カテゴリを判定するように構成された、補聴器システム。
  2. 補聴器システムであって、
    (a)第1の補聴器であって、
    第1のマイクロフォンであって、音声環境において前記第1のマイクロフォンで受信された音声信号に応答して第1のオーディオ入力信号の提供を行うための、第1のマイクロフォン、
    信号処理アルゴリズムF(Θ)に従って前記第1のオーディオ入力信号を処理して、第1の聴力損失補償済オーディオ信号を生成するように構成された第1のプロセッサであって、Θが一組の信号処理パラメータである、第1のプロセッサ、および
    前記第1の聴力損失補償済オーディオ信号に基づいて第1の音響出力信号を提供するための第1の出力トランスデューサ
    を有する、第1の補聴器と、
    (b)前記補聴器システムの地理的位置を判定するように構成された所在検出器と、
    (c)第1の音声環境検出器であって、
    前記補聴器システムによって受信された音声信号と、前記補聴器システムの前記判定された地理的位置とに基づいて、前記補聴器システムを取り巻く前記音声環境のカテゴリの判定を行うように、および、
    前記第1の音声環境検出器によって判定された前記音声環境の前記カテゴリに基づいて、前記一組の信号処理パラメータΘの第1の値を選択するために、前記第1のプロセッサへの第1の出力の提供を行うように、
    構成された、第1の音声環境検出器と、
    (d)前記補聴器システムのユーザが少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの調節を行うことを可能にするためのユーザ・インターフェイスと、
    を備え、
    前記第1の音声環境検出器が、
    前記補聴器システムの前記ユーザによって行われた前記少なくとも1つの信号処理パラメータθ∈Θの前記調節を記録し、
    以前のユーザによる調節にも基づいて、前記第1のプロセッサへの前記第1の出力の提供を行うように構成されており、
    前記所在検出器が、それ以外では前記所在検出器が前記補聴器システムの前記地理的位置を判定することができない場合に、前記ユーザのカレンダー・システムに自動的にアクセスして、前記ユーザの所在に関する情報を獲得して、前記ユーザの前記所在に関する前記情報に基づいて、前記補聴器システムの前記地理的位置を判定するように構成された、補聴器システム。
  3. 前記第1のプロセッサへの前記第1の出力の前記提供が、前記調節のベイズ推定に基づくインクリメンタルな選好導出に基づく、請求項1または2に記載の補聴器システム。
  4. 前記所在検出器がGPS受信機を含む、請求項1または2に記載の補聴器システム。
  5. 前記第1の音声環境検出器が、前記補聴器システムによって受信された前記音声信号と、前記補聴器システムの前記判定された地理的位置と、日付、時刻、前記補聴器システムの速度、および前記GPS受信機によって受信された信号の信号強度からなる群から選択される少なくとも1つのパラメータとに基づいて、前記補聴器システムを取り巻く前記音声環境の前記カテゴリを判定するように構成された、請求項4に記載の補聴器システム。
  6. 前記音声環境の特定のカテゴリを、それぞれの地理的範囲とともに格納するための非一時的な媒体をさらに備える、請求項1または2に記載の補聴器システム。
  7. 前記ユーザが飛行機内にいることを前記所在検出器が検出すると、前記第1の音声環境検出器が、前記補聴器システムの前記第1の補聴器をフライト・モードに自動的に切り替えるように構成された、請求項1または2に記載の補聴器システム。
  8. 前記第1の補聴器が、前記ユーザが前記第1の補聴器を意図された動作位置に装着すると、前記ユーザの頭部の姿勢に関する情報を提供するように構成された少なくとも1つの姿勢センサを備え、前記第1の補聴器が、前記ユーザの前記頭部の前記姿勢に関する前記情報に基づいて、前記第1の値の選択を行うように構成された、請求項1または2に記載の補聴器システム。
  9. 前記所在検出器が、前記第1の補聴器の一部分である、請求項1または2に記載の補聴器システム。
  10. 前記第1の補聴器に通信可能に結合され、前記所在検出器を収容している、ハンドヘルド機器をさらに備える、請求項1または2に記載の補聴器システム。
  11. 前記ハンドヘルド機器が、前記第1の音声環境検出器も収容している、請求項10に記載の補聴器システム。
  12. 前記ハンドヘルド機器が、前記ユーザ・インターフェイスを備える、請求項10に記載の補聴器システム。
  13. 前記第1の補聴器が、前記第1の音声環境検出器を収容している、請求項1または2に記載の補聴器システム。
  14. 第2のマイクロフォンであって、前記第2のマイクロフォンで受信された音声信号に応答して第2のオーディオ入力信号の提供を行うための、第2のマイクロフォンと、
    信号処理アルゴリズムF(Θ)に従って前記第2のオーディオ入力信号を処理して、第2の聴力損失補償済オーディオ信号を生成するように構成された第2のプロセッサと、
    前記第2の聴力損失補償済オーディオ信号に基づいて第2の音響出力信号を提供するための第2の出力トランスデューサと
    を有する第2の補聴器をさらに備え、
    前記第1の音声環境検出器が、前記第1および第2のオーディオ入力信号と、前記補聴器システムの前記地理的位置とに基づいて、前記音声環境の前記カテゴリの判定を行うように構成された、
    請求項1または2に記載の補聴器システム。
  15. 前記第1の音声環境検出器が、前記一組の信号処理パラメータの第2の値の選択を行うために、第2の出力の提供を行うように構成された、請求項14に記載の補聴器システム。
  16. 前記第2の補聴器が、
    第2の音声環境検出器であって、
    前記第1および第2のオーディオ入力信号と、前記補聴器システムの前記地理的位置とに基づいて、前記音声環境のカテゴリの判定を行うように、および、
    前記第2の音声環境検出器によって判定された前記カテゴリに基づいて前記一組の信号処理パラメータΘの第2の値の選択を行うために、前記第2のプロセッサへの第2の出力の提供を行うように、
    構成された、第2の音声環境検出器を備える、請求項14に記載の補聴器システム。
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